JP2016117285A - 押出機のダイアセンブリ - Google Patents

Abstract

【課題】共押出しで構成要素を製造する際のスミアを大幅に減少させるかまたは無くす、改善された製造装置を提供する。【解決手段】多層の複合物を形成する押出機アセンブリが、第１の流路および第２の流路を有する押出機ヘッドと、第１の流路および第２の流路とそれぞれ流体連通している第１の押出機および第２の押出機と、後方側から出口側へ延びている第１の通路および第２の通路を有しており第１の通路および第２の通路から出口ダイ４００に流れを伝えるスプライスバー３０２と、を有する。スプライスバー３０２は、後方側に配置されており第１の通路と第２の通路との間に位置する溝３７０をさらに備えている。【選択図】図２

Description

本発明は、タイヤ製造の分野に関し、特にゴムの押出成形に関する。

タイヤの製造では、多数のタイヤ構成要素が複数のゴム部材で作られる。タイヤのエイペックス、サイドウォール、およびトレッドのようなゴム製のタイヤ構成要素は、押出成形法によって形成される。タイヤの製造で一般的に使用される押出機の１つのタイプは、スクリュー押出機である。スクリュー押出機は、一般的に、通路の中心にスクリューがある長いチャンバを有しており、その中でゴムがスクリューによって素練り（masticate）される。通路の端部は、一般的に、内部に孔が形成されているダイを有している。孔の形状によって、作られるゴム部材の断面形状が決まる。押出機の圧力によってゴムが押されてダイの小孔を通り、作るべき部材を連続的に形成する。所望のゴム部材は、押し出された部材を所与の長さに切断することによって得られる。

本発明は、タイヤ構成要素の共押出しに関する。共押出しとは、１回の動作で多層のゴム複合物（rubber composite）を製造することである。多層のゴム複合物は、ゴム層として構成される少なくとも２つの別個のゴム組成物（rubber composition）からなり、各ゴム層は、一方の側部から反対側の他方の側部までゴム複合物の厚さ部分を通って延びている。多層のゴム複合物は、少なくとも２つの別個のゴム組成物が、各ゴム組成物毎に別個の押出機によってヘッドの内部キャビティに共押出しされることによって作られる。ヘッドは、単一の製造工程で複合物ストリップを形成するように、スプライスバーおよびダイによって多層のゴム複合物を形成するために少なくとも２つの別個のゴム組成物を案内する複数の流路を含んでいる内部キャビティを含んでいる。

共押出しの副次的な影響として、スミア（smear）の問題が起こることがある。スミアとは、多層のゴム複合物の予定外の場所に化合物（compound）の（通常は数ミクロンの）薄い層が出現することである。スミアは、一般的に好ましくなく、通常は共押出し装置の部品同士の接合部または部品同士の間の間隙にゴムが流入した結果として生じる。したがって、共押出しで構成要素を製造する際のスミアを大幅に減少させるかまたは無くす、改善された製造装置を有することが望まれている。

［定義］
「アスペクト比」は、タイヤの断面幅に対するタイヤの断面高さの比を意味する。

「軸方向の」および「軸方向に」は、タイヤの回転軸に平行な線または方向を意味する。

「ビード」または「ビードコア」は、概ね、環状の引っ張り部材を含むタイヤの部分を意味する。半径方向内側のビードは、タイヤをリムに保持することに関連し、プライコードで覆われて成形され、フリッパ、チッパ、エイペックスまたはフィラー、トウガード、およびチェーファのようなその他の補強要素を有していても有していなくてもよい。

「ベルト構造」または「補強ベルト」は、トレッドの下に位置し、ビードに固定されず、タイヤの赤道面に対して１７°〜２７°の範囲の左コード角度および右コード角度を有する、織物または不織布の、互いに平行な複数のコードからなる少なくとも２つの環状の層またはプライを意味する。

「バイアスプライタイヤ」は、カーカスプライ内の補強コードが、タイヤを横切ってビードからビードに、タイヤの赤道面に対して約２５°〜６５°の角度で斜めに延びており、複数のプライコードが複数の層内を交互に反対の角度で延びているものを意味する。

「ブレーカ」または「タイヤブレーカ」は、ベルト、ベルト構造、または補強ベルトと同じものを意味する。

「カーカス」は、継ぎ合わせて円筒形状またはドーナツ状とするのに適した長さに切断された、または既に継ぎ合わされた、タイヤプライ材とその他のタイヤ構成要素の積層体を意味する。成形されたタイヤを作るために加硫前にカーカスに追加の構成要素を加えてもよい。

「周方向」は、軸方向に垂直な環状トレッドの表面の周囲に沿って延びている線または方向を意味する。断面を見たときに半径がトレッドの軸方向の曲率を定めている、隣接している複数組の円曲線の方向を指すこともある。

「コード」は、プライを補強するのに用いられる、繊維を含む補強ストランドの１つを意味する。

「インナーライナ」は、チューブレスタイヤの内側表面を形成し、タイヤ内に膨張流体を封じ込めるエラストマまたはその他の材料の１つまたは複数の層を意味する。

「インサート」は、ランフラットタイプのタイヤのサイドウォールを補強するのに通常用いられる補強材を意味する。トレッドの下にあるエラストマのインサートを指すこともある。

「プライ」は、エラストマで覆われ、半径方向に配置されている、または互いに平行なコードのコード補強層を意味する。

「半径方向の」および「半径方向に」は、タイヤの回転軸に放射状に向かう、または回転軸から放射状に離れる方向を意味する。

「ラジアルプライ構造」は、１つまたは複数のカーカスプライ、または複数のカーカスプライのうちの少なくとも１つのプライが、タイヤの赤道面に対して６５°〜９０°の角度に向けられている補強コードを有していることを意味する。

「ラジアルプライタイヤ」は、ビードからビードへ延びているプライコードがタイヤの赤道面に対して６５°〜９０°の角度に配置されている、ベルトが巻かれている、つまり周方向に拘束されている空気入りタイヤを意味する。

「サイドウォール」は、トレッドとビードの間のタイヤの部分を意味する。

押出機Ａ、Ｂ、Ｃ、およびＤの出口とともに示されている押出機ヘッドの模式的な断面図である。 図１の押出機ヘッドと一緒に使用されるスプライスバーおよびダイアセンブリの分解斜視図である。 図１のスプライスバーおよび押出機ヘッドの側面断面図である。 本発明のスプライスバーの近接背面図である。

本発明の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
図１は、１回の動作で多層のゴム複合物を形成する押出機システム１００を示している。押出機システム１００は、少なくとも２つの押出機１１０，１２０を含んでいる。通常はスクリュー押出機が使用されるが、リング押出機が使用されてもよい。図１は、多層の複合物の形成に用いられる４つのスクリュー押出機１１０，１２０，１３０，１４０がある、ピギーバック（piggyback）タイプの押出機システムを示している。押出機は、必ずしもピギーバックタイプ（すなわち、押出機が同じ方向を向いて一緒に積み重ねられるタイプ）である必要はない。押出機は互いに向かい合うように配置されていてよく、それは、ヘッドが押出機同士の間に位置するように押出機が互いに対向するように配置されていることを意味する。

各押出機１１０，１２０，１３０，１４０は、一般的に、内部スクリュー１２を収容している円筒形状の本体を含んでいる。スクリュー１２が回転すると、ゴムが本体を通って前進する。ゴムは、スクリュー１２によって処理される際に素練りされる。各押出機１１０，１２０，１３０，１４０は、一般的に、異なるゴムまたはエラストマを有し、それを押し出す。各々のゴムまたはエラストマの流れは、各押出機のスクリューから出て押出機ヘッドアセンブリ２００のそれぞれの流路２１０，２２０，２３０，２４０内へ流れる。このように、各押出機のスクリューに１つの流路がある。各々のエラストマの流れは、流路から出てスプライスバーアセンブリ３００に供給される。図２に示されているスプライスバーアセンブリ３００は、矩形のバー３０２と取り外し可能なインサート３１１を含んでいる。矩形のバーは、バーの幅に沿って延びている長手方向軸Ｌを有している。インサートが矩形のバー３０２の中に挿入されると、複数の流路３１０，３２０，３３０，３４０が形成される。一般的に、異なるタイプのエラストマが各押出機１１０，１２０，１３０，１４０に供給され、それらのエラストマの流れが流路３１０，３２０，３３０，３４０の中にそれぞれ送られる。図３は、スプライスバーと流路の断面を示している。スプライスバーアセンブリ３００の後面３５０は、２つの流路３１０，３３０の間に位置する少なくとも１つの溝３７０を有している。後面は、流路を互いに隔てる追加の複数の溝を含んでいてもよい。溝は、１つの流路から溢れた流れを捕捉して、隣接する流路内に流入することを防ぐように働く。化合物（compound）が溝内に残り、硬化するにつれて硬さが増して「Ｏリング」タイプのシールを形成するので、化合物が間隙を通過することをさらに防ぐ。したがって、スプライスバーの後面の溝は、化合物のスミアすなわち望ましくない漏れが隣接する流路内に移行することを防ぐ。化合物が流路３１０，３２０，３３０，３４０から出た後に、流れはダイ４００を通り、多層の複合物（composite）が形成される。

クリーニングまたは検査のときに、溝の状態が押し出し性能の指標となる。したがって、溝が空の場合には、アセンブリ３００が流体密（fluid tight）であり、漏れがないことを意味する。溝がエラストマで満たされている場合には、そのことは押出に問題がある可能性を示し修正処置を勧める警告である。

本明細書に示した説明を考慮して、本発明の変形例が可能である。本発明を例示する目的で、いくつかの代表的な実施形態と詳細を示してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることが、当業者には明らかであるだろう。したがって、記載されている特定の実施形態に変更を加えてもよく、このような変更は、添付する特許請求の範囲により定められる本発明の意図した全範囲内に含まれるものであることを理解すべきである。

１２ スクリュー
１００ 押出機システム
１１０，１２０，１３０，１４０ 押出機
２００ 押出機ヘッドアセンブリ
２１０，２２０，２３０，２４０ 流路
３００ スプライスバーアセンブリ
３０２ バー
３１０，３２０，３３０，３４０ 流路
３１１ インサート
３５０ 後面
３７０ 溝
４００ ダイ

Claims (10)

1. 多層の複合物を形成する押出機アセンブリにおいて、
   前記押出機アセンブリは、第１の流路および第２の流路を有する押出機ヘッドと、前記第１の流路および前記第２の流路とそれぞれ流体連通している第１の押出機および第２の押出機と、後方側から出口側へ延びている第１の通路および第２の通路を有しており前記第１の通路および前記第２の通路から出口ダイに流れを伝えるスプライスバーと、を有し、
   前記スプライスバーは、該スプライスバーの前記後方側に配置されており前記第１の通路と前記第２の通路との間に位置する溝をさらに備えていることを特徴とする、押出機アセンブリ。
2. 前記溝は、前記スプライスバーの長手方向軸に揃うように延びていることを特徴とする、請求項１に記載の押出機アセンブリ。
3. 前記溝は丸い断面形状を有していることを特徴とする、請求項１に記載の押出機アセンブリ。
4. 前記溝は、前記スプライスバーの横方向軸に揃うように延びていることを特徴とする、請求項１に記載の押出機アセンブリ。
5. 前記溝は、前記スプライスバーの一方の端部から反対側の端部まで延びていることを特徴とする、請求項１に記載の押出機アセンブリ。
6. 前記スプライスバーの前記第１の通路が、ミニスカート化合物を受け入れることを特徴とする、請求項１に記載の押出機アセンブリ。
7. 前記スプライスバーの前記第２の通路が、キャップ１化合物を受け入れることを特徴とする、請求項６に記載の押出機アセンブリ。
8. 前記溝は、前記第１の通路と前記第２の通路の間に延びていることを特徴とする、請求項７に記載の押出機アセンブリ。
9. 前記溝が、４〜７ミリメートルの範囲内の厚さを有していることを特徴とする、請求項１に記載の押出機アセンブリ。
10. 前記溝が、４〜７ミリメートルの範囲内の深さを有していることを特徴とする、請求項１に記載の押出機アセンブリ。

Images