JP2016117016A - 回収ろ過ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 既存の排水処理設備における処理水をより効率的に再利用することができる回収ろ過ユニットを提供すること。【解決手段】 回収ろ過ユニットは、有機性排水を生物処理して1次処理水を得る既存の排水処理設備に接続され、排水処理設備の1次処理水を回収してろ過し、ろ過した水を冷却塔への補給水として供給し、排水処理設備から回収した1次処理水をろ過膜モジュールにより膜ろ過して2次処理水を得るろ過膜装置と、ろ過膜装置の2次処理水を逆浸透膜モジュールにより膜分離して3次処理水としての透過水を得る逆浸透膜装置と、を備え、逆浸透膜装置で得られた3次処理水としての透過水を冷却塔への補給水として供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、水を回収してろ過する回収ろ過ユニットに関する。
従来の排水処理用のろ過ユニットには、膜分離活性汚泥処理(メンブレンバイオリアクター(MBR)処理)を行うものがある(例えば、特許文献1)。
特許文献1のろ過ユニットは、原水である有機性廃水50を、生物処理槽1、分離膜2(精密ろ過膜又は限外ろ過膜)、膜透過水槽6、逆浸透膜3の順に流して処理し、再生水を得るようにしている。
特開2008−73622号公報
一般的な工場等においては、排水を処理するための排水処理設備が既に設置されていることが多い。昨今では、そのような既存の排水処理設備で処理された処理水をより効率的に再利用することが求められている。特許文献1のようなろ過ユニットを工場等に適用する際には、そのような処理水の効率的な再利用を可能とする観点で未だ改善の余地があるといえる。
従って、本発明の目的は、既存の排水処理設備における処理水をより効率的に再利用することができる回収ろ過ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の一態様によれば、有機性排水を生物処理して1次処理水を得る既存の排水処理設備に接続され、排水処理設備の1次処理水を回収してろ過し、ろ過した水を冷却塔への補給水として供給する、回収ろ過ユニットであって、排水処理設備から回収した1次処理水をろ過膜モジュールにより膜ろ過して2次処理水を得るろ過膜装置と、ろ過膜装置の2次処理水を逆浸透膜モジュールにより膜分離して3次処理水としての透過水を得る逆浸透膜装置と、を備え、逆浸透膜装置で得られた3次処理水としての透過水を冷却塔への補給水として供給する、回収ろ過ユニットを提供する。
本発明の回収ろ過ユニットによれば、既存の排水処理設備における処理水をより効率的に再利用することができる。
本発明の実施形態にかかる回収ろ過ユニットの概略構成図
(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、前記従来の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を見出した。
本発明者らは、従来のろ過ユニットに関して考察を行った結果、特許文献1に記載されるろ過ユニットを新たに工場等に適用する場合、上述した全ての構成をそのまま新設する必要があることに着目した。そこで、本発明者らは、既存設備の構成をそのまま利用しながら、当該既存設備に対して必要な構成を備えた所定の回収ろ過ユニットを付加的に設けることで、ろ過ユニットの効率的な設営を行うことができることを見出した。上記知見によって、本発明者らは以下の発明を想到した。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態にかかる回収ろ過ユニットを備えた水処理システムの概略構成を示す。図1に示される水処理システム1は、工場等で使用される水を処理するシステムである。水処理システム1は、排水処理設備2と、回収ろ過ユニット3と、冷却塔ユニット4とを備える。
排水処理設備2は、工場等で生じる有機性排水(原水W0)を生物処理して、1次処理水W1を得る設備である。排水処理設備2は、水処理システム1を備える工場等に既に設置された既存の設備として設けられる。
回収ろ過ユニット3は、排水処理設備2で得られた1次処理水W1を回収してろ過し、ろ過した水を冷却塔ユニット4へ補給水として供給するユニットである。回収ろ過ユニット3は、既存の排水処理設備2および冷却塔ユニット4に対して付加的に接続されている。
冷却塔ユニット4は、工場等に設置された設備(被冷却装置)の冷却を行う冷却塔を備えたユニットである。冷却塔ユニット4には、冷却のために使用する冷却用水の補給水として、回収ろ過ユニット3から所定の処理水が供給される。
本実施形態にかかる水処理システム1は、上述した構成により、既存の排水処理設備2で処理された1次処理水W1を回収ろ過ユニット3で回収し、回収した水をろ過するとともに、ろ過した水を冷却塔ユニット4の補給水として供給する。このようにして、工場等で生じた有機性排水(原水W0)を処理して得られた処理水を、冷却塔ユニット4にて有効に再利用することができる。
また、既存の排水処理設備2(および冷却塔ユニット4)に対して、排水処理設備2の処理水を回収してろ過する回収ろ過ユニット3を付加的に接続しているため、回収ろ過ユニット3の効率的な設営を行うことができる。
次に、これらの排水処理設備2、回収ろ過ユニット3および冷却塔ユニット4の具体的な構成について、順に説明する。
排水処理設備2は、原水槽5と、流量調整槽6と、反応層7と、沈降槽8と、通水ラインL1−L6と、ポンプP1−P3と、ブロワB1,B2とを備える。
通水ラインL1は、工場等で生じた有機性排水である原水W0を原水槽5に通水するラインである。原水槽5は、通水ラインL1から供給される原水W0を貯留する槽である。ポンプP1は、原水槽5に貯留されている原水W0を吸引して、通水ラインL2を通じて流量調整槽6に送るポンプである。
流量調整槽6は、原水槽5の下流側に接続され、原水槽5から通水ラインL2を通じて供給される原水W0を貯留する槽である。流量調整槽6は、原水W0を貯留することで、後述する曝気槽7へ供給する原水W0の流量を調整する機能を有する。このような流量調整機能を有する流量調整槽6は、曝気槽7における原水W0の使用量の変動を吸収するように構成される。ブロワB1は、流量調整槽6に貯留されている原水W0を曝気するブロワである。流量調整槽6へ流入する原水W0の水質は変動するため、流量調整槽6内の原水W0が腐敗しないようにブロワB1の曝気により撹拌するものである。ポンプP2は、流量調整槽6に貯留されている原水W0を吸引して、通水ラインL3を通じて曝気槽7に送るポンプである。
曝気槽7は、流量調整槽6の下流側に接続され、流量調整槽6から供給される原水W0を生物処理するための槽である。本実施形態の曝気槽7は、生物処理の中でも特に活性汚泥(図示せず)を用いた活性汚泥処理を行う槽として設けられる。ブロワB2は、曝気槽7に貯留されている原水W0を曝気するブロワである。曝気槽7では、ブロワB2による曝気と活性汚泥を組み合わせた処理を行うことにより、原水W0の活性汚泥処理が行われる。活性汚泥処理された原水W0は、有機物等が除去されて、1次処理水W1となる。通水ラインL4は、反応槽7で得られた1次処理水W1を沈降槽8に通水するラインである。
沈降槽8は、曝気槽7の下流側に接続され、曝気槽7から供給される1次処理水W1を貯留して不純物を沈降させる槽である。沈降槽8では、時間経過により不純物を沈降させて、不純物とそれを除く上澄み液への分離が行われる。沈降槽8で得られた上澄み液は、通水ラインL5を通じて下水放流される。
曝気槽7には、通水ラインL4とは別に、1次処理水W1を通水する通水ラインL6が接続されている。通水ラインL6は、曝気槽7内の1次処理水W1を排水処理設備2外部の回収ろ過ユニット3に通水するラインである。曝気槽7内に設けられたポンプP3は、曝気槽7内の1次処理水W1を吸引することにより、通水ラインL6を通じて、回収ろ過ユニット3に1次処理水W1を供給するポンプである。
排水処理設備2は、上述した構成により、工場等で生じる有機性排水の原水W0を生物処理(本実施形態では活性汚泥処理)して1次処理水W1を得るとともに、得られた1次処理水W1を下水放流又は回収ろ過ユニット3へ提供するように構成される。
なお、上述した排水処理設備2内のポンプP1,P2およびブロワB1,B2の運転は、図示しない排水処理設備2に設けられた制御装置により制御および管理される。一方、ポンプP3は、回収ろ過ユニット3が1次処理水W1を取り込むための機器であるので、ポンプP3の運転は、回収ろ過ユニット3に設けられた制御部14(後述)により制御および管理される。
回収ろ過ユニット3は、既存の排水処理設備2に付加的に接続されるとともに、排水処理設備2から1次処理水W1の供給を受けることにより、排水処理設備2から1次処理水W1を回収するユニットである。回収ろ過ユニット3は、ろ過膜装置9と、タンク10と、薬剤供給装置11と、逆浸透膜装置12と、水質測定装置13と、制御部14と、通水ラインL7−L13と、ポンプP4,P5と、バルブV1−V4とを備える。
ろ過膜装置9は、排水処理設備2から回収した1次処理水W1をろ過膜により膜ろ過分離して、2次処理水W2を得る装置である。本実施形態のろ過膜装置9は、膜分離槽15と、ろ過膜モジュール16と、ブロワB3とを備えて構成される。膜分離槽15は、排水処理設備2から回収した1次処理水W1を貯留する槽である。膜分離槽15内には、浸漬型のろ過膜モジュール16が備えられている。ろ過膜モジュール16は、膜分離槽15内の1次処理水W1を膜ろ過する膜である。本実施形態のろ過膜モジュール16としては、精密ろ過膜(MF膜)モジュール又は限外ろ過膜(UF膜)モジュールが用いられる。ブロワB3は、膜分離槽15に貯留されている1次処理水W1を曝気するブロワである。ポンプP4は、ろ過膜モジュール16を透過した2次処理水W2を吸引するポンプである。
上述した構成を有するろ過膜装置9では、ブロワB3による曝気とポンプP4による吸引を行うことで、膜分離槽15内において1次処理水W1の膜分離活性汚泥処理が行われる。膜分離活性汚泥処理された1次処理水W1は、有機物が生物分解されて、2次処理水W2となる。ポンプP4は、ろ過膜装置9で得られた2次処理水W2を吸引するとともに、通水ラインL7を通じて、吸引した2次処理水W2をタンク10に送る。
タンク10は、ろ過膜装置9の下流側に接続され、ろ過膜装置9から通水ラインL7を通じて供給される2次処理水W2を貯留するタンクである。タンク10は、2次処理水W2を貯留することで、後述する逆浸透膜装置12へ供給する2次処理水W2の流量を調整する機能を有する。このような流量調整機能を有するタンク10は、逆浸透膜装置12における2次処理水W2の使用量の変動を吸収するように構成される。タンク10には、貯留されている2次処理水W2に通水するラインとして、通水ラインL7に加えて、2つの通水ラインL8,L9が接続されている。
通水ラインL8は、タンク10に貯留されている2次処理水W2に対して上水を供給するラインである。上水とは、飲料水等として供給されるように浄化処理が行われた水のことである。通水ラインL8を設ける目的は、後述するように、回収ろ過ユニット3から排水される水の水質を調整するためである。なお、後述する逆浸透膜モジュール12は、酸化剤により逆浸透膜が劣化するおそれがあるため、上水中の残留塩素は、活性炭などで除去しておくことが望ましい。
通水ラインL9は、回収ろ過ユニット3から排水される水をタンク10へ返送する返送ラインである。通水ラインL9を設ける目的は、後述するように、回収ろ過ユニット3から冷却塔ユニット4へ提供する水の塩分濃度を調整するためである。
タンク10にはさらに、通水ラインL10が接続されている。通水ラインL10は、タンク10に貯留されている2次処理水W2を下流側の逆浸透膜装置12に通水するラインである。通水ラインL10の途中に設けられたポンプP5は、タンク10に貯留されている2次処理水W2を吸引して、通水ラインL10を通じて逆浸透膜装置12に送るポンプである。ポンプP5はさらに、下流側の逆浸透膜装置12における処理に必要な圧力を提供するように、2次処理水W2を逆浸透膜装置12側に対して加圧する機能を有する。
通水ラインL10の途中には、通水ラインL10中の2次処理水W2に対して所定の薬剤を供給する薬剤供給装置11が接続されている。本実施形態の薬剤供給装置11は、細胞間情報伝達物質を含む薬剤を供給する。細胞間情報伝達物質は、2次処理水W2の供給先である逆浸透膜装置12の逆浸透膜において、バイオフィルムの分散を促進する又はその形成を阻害するための化合物である。
ここで、バイオフィルムの分散を促進する細胞間情報伝達物質は、バイオフィルム分散シグナル物質とも呼ばれる。バイオフィルムの分散を促進する細胞間情報伝達物質を2次処理水W2に供給することで、バイオフィルムの内部に浸透して、フィルム内の細菌に、細菌を浮遊状態に誘導するシグナルを与えて、バイオフィルムを分散させることができる。バイオフィルムとは、細菌が分泌する細胞外多糖(EPS)により形成されたコロニーが膜面で成長したものであり、スライムとも称される。細胞間情報伝達物質(細胞間シグナル物質)とは、細胞間で情報を伝達する物質である。
バイオフィルムの形成を阻害する細胞間情報伝達物質は、バイオフィルム形成シグナル物質と類似構造の阻害物質が該当し、例えば、AHL(アシル化ホモセリンラクトン)を挙げることができる。バイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を2次処理水W2に供給することで、クオラムセンシングを抑制して、スライムの増殖を抑制することができる。クオラムセンシングは、細胞間伝達機構とも呼ばれ、菌体密度について細胞間情報伝達物質(細胞間シグナル物質)を用いて感知し、それに応じて物質の産生のコントロールを行う機構である。
2次処理水W2が供給される逆浸透膜装置12は、逆浸透膜モジュール12Aにより2次処理水W2を膜分離し、3次処理水としての透過水W3aおよび濃縮水3bを得る装置である。逆浸透膜モジュール12Aでの膜分離に必要となる圧力は、上流側のポンプP5による加圧によって提供される。
逆浸透膜装置12には、通水ラインL11と通水ラインL12が接続されている。通水ラインL11は、逆浸透膜装置12で得られた透過水W3a(3次処理水)を冷却塔ユニット4へ通水するラインであり、冷却塔ユニット4に接続されている。通水ラインL11の途中には、当該ラインの開閉を行うバルブV1が設けられている。
通水ラインL12は、逆浸透膜装置12で得られた濃縮水W3bを通水(排水)するラインである。通水ラインL12は、濃縮水W3bの一部を排水するように回収ろ過ユニット3の外部に接続される。通水ラインL12の途中には、接続点J1にて分岐する通水ラインL13が接続されている。通水ラインL13は、前述した薬剤供給装置11とポンプP5の間における通水ラインL10の途中に接続されており、濃縮水W3bの残部を通水ラインL10中の2次処理水W2に供給可能に構成される。これにより、通水ラインL13は、濃縮水W3bの残部を逆浸透膜装置12へ還流する還流ラインとして機能する。通水ラインL13の途中には、通水ラインL10の上流側に還流させる濃縮水W3bの流量を調節するバルブV2が設けられている。
上述した通水ラインL10−L13、ポンプP5および逆浸透膜モジュール12Aを備える装置として、逆浸透膜装置12が構成されている。
接続点J1よりも下流側の通水ラインL12の途中には、外部に排水させる濃縮水W3bの流量を調節するバルブV3が設けられている。
バルブV3よりも下流側の通水ラインL12の途中には、水質測定装置13が接続されている。水質測定装置13は、通水ラインL12中の濃縮水W3bの所定の水質項目を測定する装置である。本実施形態の水質測定装置13は、水質項目として濃縮水W3bにおける全リン、全窒素、CODをそれぞれ測定する。
水質測定装置13との接続箇所よりも下流側の通水ラインL12の途中には、接続点J2にて分岐する前述した通水ラインL9が接続されている。通水ラインL9は、濃縮水W3bをタンク10内の2次処理水W2へ戻すように通水するラインである。塩分濃度の高い濃縮水W3bを2次処理水W2に返送可能とすることで、通水ラインL9は、3次処理水の塩分濃度を調整する機能を有する。通水ラインL9の途中には、当該ラインの開閉を行うバルブV4が設けられている。
最終的に、通水ラインL12は、通水ラインL9との接続箇所よりも下流側にて濃縮水W3bを排水するように設けられている。
回収ろ過ユニット3は、上述した構成により、排水処理設備2で得られた1次処理水W1を回収してろ過し、ろ過した水(3次処理水としての透過水W3a)を冷却塔ユニット4への補給水として供給するように構成される。
なお、上述した回収ろ過ユニット3のポンプP4,P5、バルブV1−V4、ブロワB3、薬剤供給装置11および水質測定装置13の運転は、回収ろ過ユニット3が備える制御部14により制御および管理される。
3次処理水の供給を受ける冷却塔ユニット4は、冷却塔17と、電気伝導度測定装置18と、被冷却装置19と、薬剤供給装置20と、通水ラインL14―L16と、ポンプP6とを備える。
回収ろ過ユニット3からの透過水W3aは、冷却塔17に供給される。冷却塔17は、被冷却装置19の冷却後に排出された高温の冷却水を所定温度まで冷却し、再び被冷却装置19の冷却水として供給するための設備である。当該冷却水の補給水として、回収ろ過ユニット3からの透過水W3aが用いられる。通水ラインL14は、冷却塔17に貯留されている(補給水を含む)冷却水を被冷却装置19に通水するラインである。通水ラインL14の途中には、ポンプP6設けられている。ポンプP6は、冷却塔17に貯留されている冷却水を吸引して、通水ラインL14を通じて被冷却装置19に送る循環ポンプである。
ポンプP6の下流側における通水ラインL14の途中には、電気伝導度測定装置18が接続されている。電気伝導度測定装置18は、通水ラインL14中の冷却水の電気伝導度を測定する装置である。本実施形態では、冷却水中の塩分濃度の高低を判定するために、冷却水の電気伝導度が測定される。電気伝導度測定装置18で測定された電気伝導度の情報は、図示しない冷却塔ユニット4に設けられた制御装置に送信されて管理される。
被冷却装置19は、冷却塔17による冷却対象とされた水処理システム1内の設備である。被冷却装置19の具体例としては、例えば冷凍機や空気調和機などが挙げられる。被冷却装置19では、冷却塔17から供給される冷却水を用いて冷却が行われる。通水ラインL15は、被冷却装置19で使用された冷却水を冷却塔17へ戻すように通水するラインである。
冷却塔17では、通水ラインL15から戻された冷却水の部分的な蒸発が行われる。蒸発されずに残った冷却水は再度、補給水とともに貯留され通水ラインL14に通水される。
このようにして、冷却塔ユニット4は、冷却水を内部で循環するように構成されており、通水ラインL14および通水ラインL15がその循環ラインを構成する。
通水ラインL16は、冷却塔17に貯留されている冷却水を冷却塔ユニット4の外部へ通水するラインであり、冷却水の排水を行うように機能する。通水ラインL16を設ける目的は、後述するように、冷却塔ユニット4内を循環する冷却水の塩分濃度やその他の不純物の濃度を調整するためである。
薬剤供給装置20は、冷却塔17に貯留されている冷却水に所定の薬剤を供給する装置である。本実施形態の薬剤供給装置20は、レジオネラ属菌の繁殖を抑制する薬剤(例えば、イソチアゾリン系化合物やアルデヒド系化合物)および前述した細胞間情報伝達物質を含む薬剤を供給する。
冷却塔ユニット4は、上述した構成により、回収ろ過ユニット3から冷却塔17への補給水の供給を受けながら、その補給水を含んだ冷却水を用いて、被冷却装置19の冷却を行うように構成される。また、冷却塔ユニット4では、冷却塔17での蒸発および飛散、並びに通水ラインL16からの排水によって、冷却水の量が減少するのに対して、回収ろ過ユニット3から補給水の供給を受けて冷却水の量を増加させることで、冷却塔ユニット4全体における保有水量を一定範囲に維持するように構成される。
なお、上述した冷却塔ユニット4のポンプP6および電気伝導度測定装置18の運転は、図示しない冷却塔ユニット4に設けられた制御装置により制御および管理される。
次に、本実施形態の水処理システム1の動作について、図1を参照しながら説明する。なお、上記では水処理システム1の各種構成について説明したが、説明や図示を省略した他の構成が水処理システム1に含まれてもよい。例えば、上述した通水ラインL1−L16には、図示を省略しているが、原水W0、1次処理水W1、2次処理水W2、並びに3次処理水としての透過水W3aおよび濃縮水W3bを送出するポンプや、流路を開閉するバルブ等が適宜設けられている。これらのポンプやバルブ等も、図示しない制御装置あるいは制御部14によって制御されている。
まず、水処理システム1が設けられている工場等に生じた有機性排水が、通水ラインL1を通じて原水槽5に供給される。水処理システム1が運転されると、図示しない制御装置により、排水処理設備2において、ポンプP1,P2およびブロワB1,B2が起動される。
ポンプP1が原水槽5内の原水W0を吸引することにより、通水ラインL2を通じて、下流側の流量調整槽6に原水W0が供給される。流量調整槽6では、ブロワB1による曝気が行われる。この曝気により、流量調整槽6内の原水W0が撹拌されることで、原水W0の腐敗を防止するようにしている。ポンプP2が流量調整槽6内の原水W0を吸引することにより、通水ラインL3を通じて、下流側の曝気槽7に原水W0が供給される。曝気槽7では、活性汚泥を含んだ状態でブロワB2による曝気が行われることにより、原水W0の活性汚泥処理が行われる。原水W0の活性汚泥処理により、原水W0内の有機物が生物分解されて、1次処理水W1が生成される。生成された1次処理水W1は、通水ラインL4を通じて沈降槽8に送られる、あるいは通水ラインL6を通じて回収ろ過ユニット3に送られる。
沈降槽8では、1次処理水W1に含まれる活性汚泥の自然沈降処理が行われる。当該沈降処理により、活性汚泥とそれを除く上澄み液に1次処理水W1を分離することができる。上澄み液は、通水ラインL5を通じて下水放流され、沈降した活性汚泥は別途、曝気槽7へ返送されるか、余剰汚泥として廃棄される。
一方、通水ラインL6においては、ポンプP3が曝気槽7内の1次処理水W1を吸引することにより、排水処理設備2外部の回収ろ過ユニット3に1次処理水W1が供給される。これにより、排水処理設備2で処理された1次処理水W1を回収ろ過ユニット3に回収させることができる。なお、ポンプP3のON/OFFおよび回転数は、例えば膜分離槽15の水位に応じて、回収ろ過ユニット3の制御部により制御される。
回収ろ過ユニット3においては、1次処理水W1は、ろ過膜装置9の膜分離槽15に回収される。水処理システム1が運転されると、回収ろ過ユニット3において、制御部14の制御により、ポンプP4,P5、ブロワB3が起動されるとともに、バルブV1,V3は開かれた状態とされる。
ろ過膜装置9では、膜分離槽15内において1次処理水W1に対して、ブロワB3による曝気処理とろ過膜モジュール16による膜ろ過処理が同時に行われる。これにより、膜分離槽15内の1次処理水W1が膜分離活性汚泥処理され、2次処理水W2が生成される。膜分離槽15内における膜分離活性汚泥処理では、1次処理水W1中に未分解の有機物が残留していた場合には、更なる分解が行われる。また、1次処理水W1中に固形分(活性汚泥)が混入していた場合には、ろ過膜モジュール16によって物理的に固形分と水とが分離される。そのため、ろ過膜装置9で得られる2次処理水W2は、前述した排水処理設備2で得られる1次処理水W1に比べて浄化が進み、水質が格段に向上する。その後、ポンプP4がろ過膜モジュール16を透過した2次処理水W2を吸引することにより、通水ラインL7を通じて、下流側のタンク10に2次処理水W2が供給される。
タンク10には、2次処理水W2が貯留される。タンク10に所定量の2次処理水W2が貯留されるように、制御部14によって、ポンプP4のON/OFFおよび回転数が制御される。タンク10に貯留されている2次処理水W2には、通水ラインL8から上水が供給される。通水ラインL8による上水の供給は、回収ろ過ユニット3から排水される水(濃縮水W3b)の水質を調整するように、制御部14によって適宜制御される。さらに、タンク10に貯留されている2次処理水W2には、通水ラインL9から、回収ろ過ユニット3から排水される濃縮水W3bが供給される。通水ラインL9による濃縮水W3bの供給は、回収ろ過ユニット3から冷却塔ユニット4に供給する水(3次処理水)の塩分濃度を調整するように、制御部14によって適宜制御される。通水ラインL8および通水ラインL9による通水の詳細については、後述する。
タンク10に貯留されている2次処理水W2をポンプP5が吸引することにより、通水ラインL10を通じて、下流側の逆浸透膜装置12に2次処理水W2が供給される。このとき、通水ラインL10の途中に設けられた薬剤供給装置11から、2次処理水W2に細胞間情報伝達物質を含む薬剤が供給される。このような薬剤が供給された2次処理水W2が逆浸透膜装置12に供給される。
逆浸透膜装置12では、2次処理水W2に対して、上流側のポンプP5による加圧とともに逆浸透膜モジュール12Aによる処理が行われる。逆浸透膜モジュール12Aにおいては、逆浸透膜によって2次処理水W2に含まれる溶存塩類が分離される。これにより、溶存塩類が除去された純度の高い透過水W3a(3次処理水)と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3bとをそれぞれ生成することができる。ここで、逆浸透膜装置12に供給される2次処理水W2には、薬剤供給装置11から細胞間情報伝達物質を含む薬剤が添加されている。よって、2次処理水W2を利用して膜分離を行う逆浸透膜装置12の逆浸透膜モジュール12Aにおいて、バイオフィルムの形成を阻害したり、分散を促進したりすることができる。
制御部14の制御により、バルブV1は開かれた状態にある。この状態では、通水ラインL11を通じて、下流側にある冷却塔ユニット4に透過水W3aが供給される。これにより、溶存塩類が除去された純度の高い透過水W3aを冷却塔ユニット4へ補給水として供給することができる。冷却塔ユニット4において、カルシウムイオンやシリカ等のスケール原因物質が除去された良好な水質の補給水を用いているため、被冷却装置19や冷却塔17の内部でスケール付着が発生することを抑制することができる。これにより、冷却塔ユニット4の冷却性能を維持することができる。
バルブV1と同様に、バルブV3も開かれた状態にある。これにより、逆浸透膜装置12で得られた濃縮水W3bは、通水ラインL12を通じて、回収ろ過ユニット3外部へ排出される。このとき、通水ラインL12中の濃縮水W3bは、水質測定装置13によって、全リン、全窒素、CODの水質項目が測定される。測定された水質項目の情報は、制御部14に送られて管理される。
ここで、制御部14においては、回収ろ過ユニット3から排水される濃縮水W3bに関して、全リン、全窒素、CODのそれぞれの値の閾値が予め定められている。水質測定装置13から送られる測定結果のいずれかが当該閾値を超えている場合には、制御部14は、前述の通水ラインL8による2次処理水W2に対する上水の供給を行うように制御する。このような制御により、2次処理水W2中における全リン、全窒素、CODの値を下げることができるため、回収ろ過ユニット3から外部に排出される排水である濃縮水W3bについても、同様の水質項目の値を下げるようにすることができる。これにより、例えば、逆浸透膜装置12で生じる濃縮水W3bを工場排水として排出する際に、所定の基準を満たした濃縮水W3bを排水することができる。
一方、バルブV2,V4については、制御部14によって適宜その開度を調節するように制御される。例えば、バルブV2の開度を調節することにより、通水ラインL12中の濃縮水W3bを、通水ラインL13を通じて、通水ラインL10中の2次処理水W2に還流することができる。
本実施形態では、制御部14は、逆浸透膜装置12においてフラッシング運転を行うように制御することができる。当該フラッシング運転は、冷却塔ユニット4に必要な補給水の量が減少したとき等に、逆浸透膜モジュール12Aの一次側膜面に付着した堆積物を洗い流す運転である。本実施形態のフラッシング運転では、制御部14がバルブV1,V2,V3を開いた状態のまま、ポンプP5の回転数を下げるように制御する。このような制御により、3次処理水としての透過水W3aの流量を減少させながら、濃縮水W3bの流量を維持することで、濃縮水W3bの排水および還流を主な流路とすることができる。これにより、逆浸透膜モジュール12Aの一次側膜面の堆積物を洗い流すことができる。なお、濃縮水W3bの流量を維持する以外に、濃縮水W3bの流量を増加させるように制御してもよい。また、バルブV2,V3を開いたまま、バルブV1を閉じるように制御することで、透過水W3aを流すことなく濃縮水W3bのみを排水又は循環させるようにして、フラッシング運転を行ってもよい。
一方、バルブV4の開度を調節することにより、通水ラインL12中の濃縮水W3bを、通水ラインL9を通じてタンク10に返送することができる。塩分濃度の高い濃縮水W3bを流量調整しながら上流側に返送することで、逆浸透膜装置12を透過する3次処理水としての透過水W3aの塩分濃度を所望濃度にまで高めることができる。透過水W3aの塩分濃度を高める理由については、冷却塔ユニット4に関する説明(特にブローダウン処理の説明)にて後述する。
また、本実施形態では、回収ろ過ユニット3の制御部14は、冷却塔17内に貯留された冷却水の水位に基づいて、逆浸透膜装置12の運転のON/OFFを適宜切り替えるように制御している。この逆浸透膜装置12の運転のON/OFFに合わせて、ブロワB3による曝気運転のON/OFFも切り替えるように制御している。具体的には、逆浸透膜装置12の運転の停止(OFF)に応じて、ろ過膜装置9のブロワB3の運転を停止させるように制御する。このように、ブロワB3の運転を逆浸透膜装置12の運転と連動させることによって、ブロワをより適切なタイミングで運転させることができる。なお、逆浸透膜装置12の運転の停止に応じて、ろ過膜装置9のブロワB3の運転を間欠運転するように制御してもよい。
回収ろ過ユニット3からの透過水W3aは、冷却塔ユニット4において冷却塔17に供給される。冷却塔17には、冷却に利用するための冷却水が貯留されており、回収ろ過ユニット3からの補給水は当該冷却水の損失分を補うために供給される。
水処理システム1が運転されると、冷却塔ユニット4において、図示しない制御装置により、ポンプP6が起動される。ポンプP6が冷却塔17に貯留されている冷却水を吸引することにより、通水ラインL14を通じて、下流側にある被冷却装置19に冷却水が供給される。このとき、通水ラインL14に接続された電気伝導度測定装置18により、通水ラインL14中の冷却水の電気伝導度が測定される。測定された電気伝導度の情報は、図示しない冷却塔ユニット4の制御装置に送られ管理される。
被冷却装置19において、冷却水を利用して冷却が行われる。ここでは、冷却塔17から供給される冷却水に、被冷却装置19が有する熱を伝達することで冷却が行われ、冷却に用いられた冷却水は温度が上昇する。温度が上昇した冷却水が通水ラインL15を通じて通水されることで、冷却塔17に戻される。
冷却塔17に戻された冷却水は、塔内に散布されることにより冷却空気と熱交換が行われる。これより、冷却水の一部が蒸発する。蒸発されずに残った残りの冷却水は、温度が下がるとともに、冷却塔17にて再度貯留されて通水ラインL14に通水される。
このように、冷却塔ユニット4において冷却水を循環させながら、当該冷却水を利用して被冷却装置19の冷却を行っている。
冷却塔17では、貯留されている冷却水を排水するブローダウン処理が行われる。具体的には、図示しない制御装置の制御により、冷却水の濃縮度合に応じて通水ラインL16を通じて冷却水の排水を行うことで、ブローダウン処理を行う。冷却塔ユニット4では、時間の経過とともに冷却水が蒸発により濃縮されていき、冷却水における塩分濃度やその他の不純物の濃度が高くなってくる。これを受けて、ブローダウン処理を行って、冷却水を所定のタイミングで排水して入れ替えることで、塩分濃度やその他の不純物の濃度が過剰に高くなるのを防ぐことができる。
ブローダウン処理を行う所定のタイミングについては、冷却水の電気伝導度をもとに、冷却水の塩分濃度の高低(すなわち、濃縮度合)を判断することによって定めている。具体的には、制御装置は、電気伝導度測定装置18で測定された電気伝導度の値が予め定められた閾値を超えた場合に、冷却水の塩分濃度が高くなっていると判定して、そのときに通水ラインL16を通じたブローダウン処理を行うように制御する。このような制御と、カルシウムイオンやシリカ等のスケール原因物質が除去された透過水W3aを補給水として用いることにより、冷却塔ユニット4内を循環する冷却水の塩分濃度を所定値以下に維持することができ、冷却塔ユニット4におけるスケールトラブルを解消させることができる。
冷却塔17では、運転中に冷却水の蒸発および飛散が起こり、また通水ラインL16を用いたブローダウン処理が行われることで、冷却水の量が徐々に減少する。これに対して、冷却水の補給水として、回収ろ過ユニット3から透過水W3aを供給している。これにより、冷却塔ユニット4全体における保有水量を維持・調整するようにしている。
ここで、冷却水の補給水として供給される透過水W3aは、逆浸透膜による処理が行われているため、溶存塩類の多くが除去されている。これより、透過水W3aを補給水として用いる冷却塔ユニット4の冷却水においても、その塩分濃度が低くなる。これに対して、前述したブローダウン処理においては、冷却水の塩分濃度が所定の閾値に達したときにブローダウン処理を行っている。このような場合、補給水である透過水W3aの塩分濃度の低さに起因して、ブローダウン処理を行う時間間隔が過剰に長くなる可能性がある。これにより、冷却塔17での冷却水の滞留時間が長くなり、藻類や菌類が繁殖しやすくなる可能性がある。これを受けて、本実施形態では、逆浸透膜装置12で生じた塩分濃度の高い濃縮水W3bを、通水ラインL9を通じて2次処理水W2に適宜供給するように、制御部14が制御するようにしている。これにより、逆浸透膜装置12で得られる透過水W3aの塩分濃度を上げることで、冷却塔17におけるブローダウン処理の時間間隔が過剰に長くなることを防ぐことができる。このようにして、冷却塔17内で藻類や菌類が繁殖するのを抑制することにより、冷却塔ユニット4の所期の性能を発揮させることができる。
なお、冷却塔17に貯留されている冷却水は、上述したようにブローダウン処理や補給水の供給によって適宜入れ替えられるものの、時間の経過とともにレジオネラ属菌などの病原性細菌が繁殖する可能性がある。また、被冷却装置19を構成する熱交換器等においてバイオフィルムが形成される可能性がある。このようなレジオネラ属菌の繁殖やバイオフィルムの形成を抑制するために、冷却塔17に接続された薬剤供給装置20により、冷却塔17に貯留されている冷却水に対して薬剤が供給される。本実施形態では、レジオネラ属菌を抑制するための薬剤と、細胞間情報伝達物質を含む薬剤を供給することで、レジオネラ属菌の繁殖やバイオフィルムの形成を抑制することができる。
上述の通り、本実施形態の水処理システム1について、例示的な構成および運転方法を説明したが、本発明はこれに限らない。
上述の説明では、回収ろ過ユニット3が、排水処理設備2における曝気槽7から1次処理水W1を回収する場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、排水処理設備2の沈降槽8から1次処理水W1を回収してもよい。
また、上述の説明では、水質測定装置13が測定する水質項目が、全リン、全窒素、CODのそれぞれである場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、全リン、全窒素、CODのうちの少なくとも1つの水質項目を測定する場合であってもよい。このような場合でも、逆浸透膜装置12で生じる濃縮水W3bを工場排水として排出する際に、所定の基準を満たした濃縮水W3bを排水するように制御することも可能である。
また、上述の説明では、排水処理設備2において、有機性排水の原水W0を好気性の活性汚泥処理により処理して、1次処理水W1を生成する場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、活性汚泥処理以外の好気性の生物処理や嫌気性の生物処理を含む、各種生物処理により原水W0を処理してもよい。
また、上述の説明では、塩分濃度を調整するために濃縮水W3bを返送する通水ラインL9を、タンク10に貯留されている2次処理水W2に接続する場合について説明したが、このような場合に限らない。逆浸透膜装置12の上流側であればいずれの場所に返送するようにしてもよい。
上述したように、本実施形態の回収ろ過ユニット3は、有機性排水(原水W0)を生物処理して1次処理水W1を得る既存の排水処理設備2に接続され、排水処理設備2の1次処理水W1を回収してろ過し、ろ過した水(透過水)を冷却塔17への補給水として供給する。また、回収ろ過ユニット3は、排水処理設備2から回収した1次処理水W1をろ過膜モジュール16により膜ろ過して2次処理水W2を得るろ過膜装置9と、ろ過膜装置9の2次処理水W2を逆浸透膜モジュール12Aにより膜分離して3次処理水としての透過水W3aを得る逆浸透膜装置12とを備える。また、逆浸透膜装置12で得られた3次処理水としての透過水W3aを冷却塔17への補給水として供給する。このように、既存の排水処理設備2に回収ろ過ユニット3を接続して、排水処理設備2の処理水を高度浄化して冷却塔17へ補給しているため、既存の排水処理設備2における処理水をより効率的に再利用することができる。また、既存の排水処理設備2をそのまま利用しながら、パッケージ化された回収ろ過ユニット3の付加的な設営を行うことができるため、処理水を再利用できるようになるまでの工期を短縮することができる。
また、本実施形態の回収ろ過ユニット3は、逆浸透膜装置12で膜分離された濃縮水W3bを、逆浸透膜装置12の上流側に返送する返送ライン(通水ラインL9)をさらに備える。このように、塩分濃度の高い濃縮水W3bを上流側に返送することで、逆浸透膜装置12を透過する透過水W3aの塩分濃度、すなわち冷却塔17へ供給される補給水の塩分濃度を高めることができる。これにより、例えば冷却塔17において循環水(冷却用水)の塩分濃度が所定の値以上に到達したときに冷却水を排水するブローダウン処理を行っている場合に、適切な時間間隔にて当該ブローダウン処理を行うことができる。このため、冷却塔17内での藻類や菌類の繁殖を抑制することができ、冷却塔17の所期の性能を発揮させることができる。
さらに、本実施形態の回収ろ過ユニット3は、回収ろ過ユニット3の制御を行う制御部14をさらに備える。この制御部14は、冷却塔17に必要な補給水の量が減少したときに、逆浸透膜装置12での膜分離を継続しながら3次処理水としての透過水W3aの流量を減少させると共に、濃縮水W3bの流量を維持又は増加させるように制御する。このように、冷却塔17に必要な補給水の量が低下したときでも、逆浸透膜装置12の運転を止めずにフラッシング運転を行うことで、逆浸透膜の閉塞を抑制して、逆浸透膜モジュール12Aの透水性能を維持することができる。
さらに、本実施形態の回収ろ過ユニット3は、逆浸透膜装置12で膜分離された濃縮水W3bにおける全リン、全窒素、CODのうちの少なくとも1つの水質項目を測定する水質測定装置13と、ろ過膜装置9の2次処理水W2に対して上水を供給する第1の供給ライン(通水ラインL8)とをさらに備える。ここで、制御部14は、水質測定装置13が測定した値のいずれかが、予め定められた閾値を超えるときに、第1の供給ラインによる上水の供給を行うように制御する。このような制御により、逆浸透膜装置12の濃縮水W3bに関して、所定の水質項目の値を閾値以下に抑える制御が可能となる。これにより、例えば濃縮水W3bを工場排水として排出する際に、所定の基準を満たした濃縮水W3bを排水することができる。
さらに、本実施形態の回収ろ過ユニット3は、バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質、又はバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を含む薬剤を、2次処理水W2に供給する薬剤供給装置11をさらに備える。そのため、バイオファウリングによる逆浸透膜の閉塞を抑制して、逆浸透膜モジュール12Aの透水性能を維持することができる。
さらに、本実施形態の回収ろ過ユニット3では、ろ過膜装置9は、排水処理設備2から回収した1次処理水W1を貯留する槽(膜分離槽15)と、槽内にて曝気を行うブロワB3と、槽内にて膜ろ過するろ過膜モジュール16としての精密ろ過膜モジュール又は限外ろ過膜モジュールとを備える。すなわち、ろ過膜装置9は、膜分離活性汚泥処理ユニットとして構成される。このように、ろ過膜装置9では、活性汚泥の固液分離を膜分離槽15内で行うため、回収ろ過ユニット3の小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態の回収ろ過ユニット3では、制御部14は、逆浸透膜装置12の運転の停止に応じて、ろ過膜装置9のブロワB3の運転を停止させる、あるいは間欠運転させるように制御する。このように、ろ過膜装置9のブロワB3の運転を、逆浸透膜装置12の運転と連動させることによって、ブロワB3の無駄な稼動を削減し、回収ろ過ユニット3の省エネを実現することができる。
さらに、本実施形態の回収ろ過ユニット3では、回収ろ過ユニット3がろ過を行う1次処理水W1は、排水処理設備2における、有機性排水(原水W0)を活性汚泥処理して1次処理水W1を得る活性汚泥処理槽(曝気槽7)、および/又は、活性汚泥処理槽の1次処理水W1を沈降させる沈降槽8から回収される。これにより、既存の排水処理設備2をそのまま利用しながら、回収ろ過ユニット3の付加的な設営を行うことができるため、処理水を再利用できるようになるまでの工期を短縮することができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
本発明は、既存の排水処理設備における処理水をより効率的に再利用することができるため、各種工場等の排水処理設備の排水を回収してろ過する回収ろ過ユニットに適用することができる。
1 水処理システム
2 排水処理設備
3 回収ろ過ユニット
4 冷却塔ユニット
5 原水槽
6 流量調整槽
7 曝気槽
8 沈降槽
9 ろ過膜装置
10 タンク
11 薬剤供給装置
12 逆浸透膜装置
12A 逆浸透膜モジュール
13 水質測定装置
14 制御部
15 膜分離槽
16 ろ過膜モジュール
17 冷却塔
18 電気伝導度測定装置
19 被冷却装置
20 薬剤供給装置
B1−B3 ブロワ
L1−L16 通水ライン
P1−P6 ポンプ
V1−V4 バルブ
W0 原水
W1 1次処理水
W2 2次処理水
W3a 透過水(3次処理水)
W3b 濃縮水

Claims (8)

  1. 有機性排水を生物処理して1次処理水を得る既存の排水処理設備に接続され、排水処理設備の1次処理水を回収してろ過し、ろ過した水を冷却塔への補給水として供給する、回収ろ過ユニットであって、
    排水処理設備から回収した1次処理水をろ過膜モジュールにより膜ろ過して2次処理水を得るろ過膜装置と、
    ろ過膜装置の2次処理水を逆浸透膜モジュールにより膜分離して3次処理水としての透過水を得る逆浸透膜装置と、を備え、
    逆浸透膜装置で得られた3次処理水としての透過水を冷却塔への補給水として供給する、回収ろ過ユニット。
  2. 逆浸透膜装置で膜分離された濃縮水を、逆浸透膜装置の上流側に返送する返送ラインをさらに備える、請求項1に記載の回収ろ過ユニット。
  3. 回収ろ過ユニットの制御を行う制御部をさらに備え、
    制御部は、冷却塔に必要な補給水の量が減少したときに、逆浸透膜装置での膜分離を継続しながら3次処理水としての透過水の流量を減少させると共に、濃縮水の流量を維持又は増加させるように制御する、請求項1又は2に記載の回収ろ過ユニット。
  4. 逆浸透膜装置で膜分離された濃縮水における全リン、全窒素、CODのうちの少なくとも1つの水質項目を測定する水質測定装置と、
    ろ過膜装置の2次処理水に対して上水を供給する第1の供給ラインと、をさらに備え、
    制御部は、測定装置が測定した値のいずれかが、予め定められた閾値を超えるときに、第1の供給ラインによる上水の供給を行うように制御する、請求項1から3のいずれか1つに記載の回収ろ過ユニット。
  5. バイオフィルム分散を促進する細胞間情報伝達物質、又はバイオフィルム形成を阻害する細胞間情報伝達物質を含む薬剤を、2次処理水に供給する薬剤供給装置をさらに備える、請求項1から4のいずれか1つに記載の回収ろ過ユニット。
  6. ろ過膜装置は、排水処理設備から回収した1次処理水を貯留する槽と、槽内にて曝気を行うブロワと、槽内にて膜ろ過するろ過膜モジュールとしての精密ろ過膜モジュール又は限外ろ過膜モジュールとを備え、膜分離活性汚泥処理ユニットとして構成される、請求項1から5のいずれか1つに記載の回収ろ過ユニット。
  7. 制御部は、逆浸透膜装置の運転の停止に応じて、ろ過膜装置のブロワの運転を停止させる、あるいは間欠運転させるように制御する、請求項6に記載の回収ろ過ユニット。
  8. 回収ろ過ユニットがろ過を行う1次処理水は、排水処理設備における、有機性排水を活性汚泥処理して1次処理水を得る活性汚泥処理槽、および/又は、活性汚泥処理槽の1次処理水を沈降させる沈降槽から回収される、請求項1から7のいずれか1つに記載の回収ろ過ユニット。
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