図1、2に示すように、実施形態の遊技機1は、パチンコ遊技機であり、前面枠10の内側に取着された遊技盤2を備えている。遊技盤2には、ハンドル11の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材12で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する遊技釘(図示せず)が多数突設されている。遊技盤2には、盤ランプ19が配設され、前面枠10には、スピーカ17及び枠ランプ18が配設されている。また、前面枠10には、遊技者が操作可能な操作部として、上述したハンドル11の他、演出ボタン30及び演出キー31が設けられている。ここで、本明細書中、上下とは、遊技を行うために遊技機1を立設した状態における上下をいい、左右は、遊技盤2の遊技領域3に向かって左右をいうものとする。
遊技盤2の中央部には、センター役物装置15が配置され、センター役物装置15には、中央部にメイン液晶表示装置60の液晶画面60aが配置されるとともに、可動役物装置16が配置されている。メイン液晶表示装置60は、客待ち演出用の客待ち演出画像、変動演出画像、大当たり演出用の大当たり演出画像など、種々の演出用の画像を液晶画面60aに表示する。変動演出画像は、数字等の装飾図柄を変動させた後停止させ、その停止させた装飾図柄により、大当たり判定の結果を報知するものである。この変動演出画像を用いた演出を、以下、「装飾図柄変動演出」、あるいは、「変動演出」という。変動演出は、後述する特別図柄変動に並行して行われ、遊技演出に相当する。変動演出の1つとして、左、中、右に表示される3つの装飾図柄のうち、左と右とに同じ装飾図柄を停止表示するリーチ演出がある。大当たりは3つの装飾図柄を揃えることにより示されるため、リーチ演出は大当たりへの期待度の高い演出である。可動役物装置16の中央部には、サブ液晶表示装置61の液晶画面61aが配置されている。サブ液晶表示装置61も、種々の演出用の画像を液晶画面61aに表示する。メイン液晶表示装置60、サブ液晶表示装置61、スピーカ17、枠ランプ18、盤ランプ19及び可動役物装置16は、演出手段に相当する。
センター役物装置15の下方に当たる遊技領域3の中央下部には、始動入賞装置5が設けられている。始動入賞装置5は、常時遊技球が入球可能な第1始動口5aと、扉式の電動チューリップ(以下、「電チュー」と略す。)5cを備えて電チュー5cが開いているときのみ遊技球が入球可能な第2始動口5bとを備えている。電チュー5cは、ソレノイド等からなる電チュー開閉部材5fにより開閉される。
また、遊技領域3には、特定入賞装置4と、大入賞装置7と、ゲート8と、複数の普通入賞装置9とが設けられている。各普通入賞装置9に入った遊技球は、その普通入賞装置9内の普通入賞口9aに入球し、普通入賞口スイッチ9bにより検出される。ゲート8は、遊技領域3の右側中央部に設けられ、遊技球が通過可能に構成されて、ゲート8を通過した遊技球は、ゲートスイッチ8aにより検出される。
大入賞装置7は、遊技領域3の右側下部に配置されており、大入賞口開閉部材7cにより開閉される大入賞口7aを備え、大入賞口7aに入球した遊技球は、大入賞口スイッチ7bにより検出される。
特定入賞装置4は、遊技領域3の右側部において、ゲート8より下側であって大入賞装置7より上側に配置されており、特定入賞口開閉部材4bにより開閉される特定入賞口4aを備えるとともに、特定入賞口4aに入球した遊技球が流下する通路上にV入賞口開閉部材4cにより開閉されるV入賞口(特定領域)4dを有している。特定入賞口4aに入球した遊技球は、V入賞口開閉部材4cがV入賞口4dを開放しているときは、V入賞口4dに入球し、V入賞口開閉部材4cがV入賞口4dを閉塞しているときは、ハズレ入賞口4eに入球する。特定入賞口4aに入球した遊技球は、特定入賞口スイッチ4fにより検出され、V入賞口4dに入球した遊技球は、V入賞口スイッチ4gにより検出され、ハズレ入賞口4eに入球した遊技球は、ハズレ入賞口スイッチ4hにより検出される。
上述したように、ゲート8、特定入賞装置4、及び、大入賞装置7は、遊技領域3の右側部に設けられており、遊技者が遊技領域3の右側を狙った所謂右打ちをすることにより、入球可能となっている。また、遊技釘等の配置により、第1始動口5aは右打ちでは入球しないが、第2始動口5bは右打ちでも入球するように構成されている。したがって、大入賞口7aが開閉される大当たり遊技においては、遊技者は右打ちを行うことにより、大入賞口7aに遊技球を入球させて、その入球数に応じた賞球を得られることとなる。このように、遊技領域3に打ち込まれた遊技球が、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口5a、第2始動口5b、大入賞口7a、特定入賞口4a、及び、普通入賞口9aのいずれかに入球(入賞)すれば、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が図示しない払出装置により払い出されるが、入賞しなかった遊技球は、遊技領域3の下端部に設けられた排出口13を介して、遊技領域3から排出される。入賞した遊技球及び排出口13から排出された遊技球は、いずれも図示しないスイッチによりカウントされ、したがって、遊技領域3に打ち込まれた遊技球の数は把握可能である。
また、後述する時短遊技状態においても、遊技者は右打ちを行うことにより遊技球がゲート8を通過するようにして、後述するように第2始動口5bが開放される補助遊技の発生を狙う。そして、補助遊技中も右打ちにより第2始動口5bに入球させて、後述するように特定入賞口4aが開閉される小当たり遊技の発生を狙い、小当たり遊技が発生すると、特定入賞口4aに入球させ、後述する2種大当たりによる大当たり遊技の発生を狙うこととなる。すなわち、時短遊技状態中は、遊技者は右打ちを行うこととなる。一方、後述する通常遊技状態では、第2始動口5bに入球し難いため、遊技者は第1始動口5aを狙って遊技領域3の左側に遊技球を発射し、右打ちは行わないこととなる。
遊技領域3の外側には、複数のランプからなる表示器14が設けられ、表示器14には、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器14c、第1特別図柄保留ランプ14d、及び、普通図柄保留ランプ14eが含まれている。第1特別図柄表示器14aは、遊技球の第1始動口5aへの入球に基づいて行われる判定(以下、「第1特別図柄判定」という。)の結果を報知するものであり、図柄を変動表示してから判定結果を示す判定図柄を停止表示する図柄変動を行う。第1特別図柄判定においては、大当たりか否かを判定し、大当たりと判定した場合には、その大当たりの種類を判定する。第2特別図柄表示器14bは、遊技球の第2始動口5bへの入球に基づいて行われる判定(以下、「第2特別図柄判定」という。)の結果を報知するものであり、図柄を変動表示してから判定結果を示す判定図柄を停止表示する図柄変動を行う。第2特別図柄判定においては、大当たりか否かを判定し、大当たりと判定した場合には、その大当たりの種類を判定し、一方、大当たりでないと判定した場合は、小当たりか否かを判定し、小当たりと判定した場合には小当たりの種類を判定する。小当たりの種類は、その小当たりに基づく大当たり(後述する2種大当たり)が発生した場合の大当たりの種類を示しており、したがって、小当たりの種類の判定とは、大当たり(2種大当たり)の種類の判定と換言できる。なお、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定においては、リーチ演出を行うか否か、及び、どの変動パターンを用いるかの判定も行われる。
以下、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bに表示される図柄を、判定図柄も含めて、それぞれ第1特別図柄、第2特別図柄といい、それらを総称して「特別図柄」という。また、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bに停止表示される判定図柄をそれぞれ第1判定図柄、第2判定図柄という。また、第1特別図柄の図柄変動、第2特別図柄の図柄変動をそれぞれ第1特別図柄変動、第2特別図柄変動といい、それらを総称して「特別図柄変動」という。また、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定を総称して、「特別図柄判定」、「大当たり判定」又は「大当たり抽選」という。
第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定の結果を示す判定図柄が大当たりを示す図柄(以下、「大当たり図柄」という。)であれば、大入賞口7aを所定回数開閉する大当たり遊技が行われる。このように、判定図柄が大当たり図柄であるときの大当たりを、1種大当たりという。また、第2特別図柄判定の結果を示す判定図柄が小当たりを示す判定図柄(以下、「小当たり図柄」という。)であれば、特定入賞口4aを所定回数開閉する小当たり遊技が行われ、小当たり遊技中にはV入賞口4dが一時的に開放される。そして、小当たり遊技中に特定入賞口4aに入球した遊技球がV入賞口4dに入球すると、小当たりに基づく大当たりとなって、大入賞口7aを所定回数開閉する大当たり遊技が行われる。小当たりに基づく大当たり、すなわち、遊技球がV入賞口4dに入球することにより発生する大当たりを、2種大当たりという。第1特別図柄判定による大当たりは全て1種大当たりであるが、第2特別図柄判定による大当たりは、1種大当たりの場合と2種大当たりの場合とがある。以下、大当たり遊技と小当たり遊技とを総称して「特別遊技」といい、特別遊技に伴う演出を「当たり演出」といい、特に、大当たり遊技に伴う当たり演出を「大当たり演出」という。大当たり演出は特別遊技演出に相当する。大当たり判定は、遊技球の第1始動口5a又は第2始動口5bへの入球を所定の始動条件として、その始動条件の成立により遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定するものである。
特別図柄変動中又は特別遊技中に、遊技球が第1始動口5aに入球すると、メイン制御基板20(図2参照)は、その入球に対しては即時特別図柄変動を実行できないとして、その入球に対して取得した大当たり乱数等の乱数を、所定個数を上限として保留記憶部27に記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったとき(すなわち、特別図柄変動も特別遊技も行われていない状態になったとき)に、記憶しておいた乱数に基づいて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。すなわち、特別図柄変動中又は特別遊技中に遊技球が第1始動口5aに入球すると、遊技機1は、その入球に基づく大当たり判定の権利を保留する。第1特別図柄保留ランプ14dは、かかる保留された権利(以下、単に「保留」ともいう。)の個数を表示するものである。なお、保留される権利の個数は、上述したように所定個数(ここでは4個)が上限とされているため、その所定個数保留されている状態で遊技球が第1始動口5aに入球しても、その入球に対する大当たり判定の権利は保留されない。
一方、特別図柄変動中又は特別遊技中に、遊技球が第2始動口5bに入球しても、遊技機1はその入球に基づく大当たり判定の権利は保留せず、その入球に基づく大当たり判定及び特別図柄変動は実行しない。すなわち、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とは同時には行われない。そして、特別図柄変動及び特別遊技のいずれも行われていない場合において、第1始動口5aへの入球に基づく大当たり判定の権利が保留されているときには、その保留された権利に基づく大当たり判定及び特別図柄変動が行われて、その間に第2始動口5bに遊技球が入球してもその入球に対する大当たり判定及び特別図柄変動は行われない。一方、特別図柄変動及び特別遊技のいずれも行われていない場合において、第1始動口5aへの入球に基づく大当たり判定の権利が保留されていないときに、第2始動口5bに遊技球が入球すると、その入球に対する大当たり判定及び特別図柄変動が行われる。
普通図柄表示器14cは、ゲート8への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄判定(普通図柄抽選)の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知するものである。停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数、電チュー5cを開く(すなわち、第2始動口5bを開放する)補助遊技が行われる。
普通図柄の変動表示中又は補助遊技中に、遊技球がゲート8を通過すると、メイン制御基板20は、その通過に対しては即時普通図柄変動を実行できないとして、その通過に対して取得した当たり乱数を記憶する。そして、普通図柄の変動表示を開始可能な状態になったとき(すなわち、普通図柄の変動表示も補助遊技も行われていない状態になったとき)に、記憶しておいた当たり乱数を用いて当たりか否かの普通図柄判定を行い、普通図柄の変動表示を開始して、その判定結果を示す普通図柄を停止表示する。すなわち、普通図柄の変動中又は補助遊技中に遊技球がゲート8を通過すると、遊技機1は、その通過に基づく普通図柄判定の権利を保留する。普通図柄保留ランプ14eは、かかる保留された権利の個数を表示するものである。なお、保留される権利の個数は、所定個数(ここでは4個)が上限とされているため、その所定個数保留されている状態で遊技球がゲート8を通過しても、その通過に対する普通図柄判定の権利は保留されない。
次に、図2に基づいて遊技機1の電気系統について説明する。実施形態の遊技機1は、メイン制御基板20、払出制御基板21、サブ制御基板25を備え、サブ制御基板25は、演出制御基板22、画像音響制御基板23、及び、ランプ制御基板24を備えている。そして、払出制御基板21及び演出制御基板22はメイン制御基板20に接続され、画像音響制御基板23及びランプ制御基板24は演出制御基板22に接続されている。各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。また、メイン制御基板20は、RAM内に保留記憶部27を備えている。
メイン制御基板20は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御基板20には、第1始動口5aに入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ5d及び第2始動口5bに入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ5eの他、上述した電チュー開閉部材5f、ゲートスイッチ8a、大入賞口スイッチ7b、大入賞口開閉部材7c、各普通入賞口スイッチ9b、第1特別図柄保留ランプ14d、普通図柄保留ランプ14e、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器14c、特定入賞口スイッチ4f、特定入賞口開閉部材4b、V入賞口スイッチ4g、ハズレ入賞口スイッチ4h、V入賞口開閉部材4cがそれぞれ接続され、図2に矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板20に信号が入力され、各開閉部材やランプ等にはメイン制御基板20から信号が出力される。
また、メイン制御基板20は、払出制御基板21に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板21から信号を受信する。払出制御基板21には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ26が接続され、払出制御基板21は、メイン制御基板20から受信したコマンドに従って払出駆動モータ26を動作させ、賞球の払出を行わせる。
さらに、メイン制御基板20は、演出制御基板22に対し各種コマンドを送信する。演出制御基板22は、RTC(リアルタイムクロック)28を備え、画像音響制御基板23との間でコマンドや信号の送受信を行う。RTC28は、現時点の日時(日付及び時刻)を計時し出力するものであり、遊技機1に島電源供給装置100(図3参照)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置100から電力が供給されていないときには遊技機1に内蔵されている図示しないバックアップ電源から供給される電力によって動作する。このため、RTC28は、遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計時し出力することができる。すなわち、RTC28は、遊技機1の電源断が生じても、その影響を受けることなく、現在の日時を計時し出力することができる。また、RTC28は、演出制御基板22のRAMの内容が消去(いわゆるラムクリア)されたときでも、その影響を受けることなく、現在の日時を計時し出力することができる。
画像音響制御基板23にはメイン液晶表示装置60、サブ液晶表示装置61及びスピーカ17が接続され、画像音響制御基板23は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、メイン液晶表示装置60の液晶画面60a及びサブ液晶表示装置61の液晶画面61aに画像を表示し、スピーカ17から音声を出力する。また、演出制御基板22は、ランプ制御基板24との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板24には、演出ボタン30、演出キー31、枠ランプ18、盤ランプ19及び可動役物装置16が接続されている。
パチンコホールには、図3に示すように、複数台の遊技機1が並設された島200が設けられる。同じ島200内の各遊技機1は、共通の島電源供給装置100に電気的に接続される。このため、島200内の各遊技機1の個別の電源スイッチを「ON」とした状態で、島電源供給装置100の電源を入れると、島200内の全ての遊技機1を一斉に起動させることができる。したがって、後述するように、各遊技機1が起動時(電源投入時)からの時間を計時して所定の演出を行うことにより、同じ島200内の全ての遊技機1において一斉に同じ演出(一斉演出)を開始することが可能である。
次に、遊技機1の遊技状態及び当たり確率について説明する。遊技機1の遊技状態には、時短無し遊技状態(以下、「通常遊技状態」ともいう。)と時短遊技状態がある。時短遊技状態とは、通常遊技状態よりも第2始動口5bへ遊技球が入賞し易い状態をいい、いわゆる電チューサポート機能が付いている状態である。一方、通常遊技状態では、電チューサポート機能が付いていない。具体的には、通常遊技状態では、普通図柄判定の当選確率が約1/10、普通図柄変動時間が25秒、1回の補助遊技における第2始動口5bの開放時間が0.1秒で開放回数が1回であるのに対して、時短遊技状態では、普通図柄判定の当選確率が約9/10と通常遊技状態より高く、普通図柄変動時間が2秒と通常遊技状態より短く、1回の補助遊技における第2始動口5bの開放時間が0.3秒で開放回数が5回と通常遊技状態より長くされている。また、大当たり当選確率は、いずれの遊技状態でも、また、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定のいずれにおいても、約1/199であり、第2特別図柄判定における小当たり当選確率は約1/1.01とされている。また、特定入賞口4aに入球した遊技球がV入賞口4dへ入球する確率は、約1/16とされている。
初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)通常遊技状態である。そして、大当たり図柄で特別図柄変動が停止すれば、大入賞口7aを大当たりの種類に応じた所定回数開放(この開放期間を「ラウンド」といい、Rで表記する。)する大当たり遊技を経て、大当たりが発生したときの遊技状態、及び、その大当たり図柄によって示される当たりの種類によって、遊技状態が時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれかに遷移される。小当たりに基づく大当たり(2種大当たり)が発生したときも、同様に、大入賞口7aを小当たり図柄で示される大当たりの種類に応じた所定ラウンド数開放する大当たり遊技を経て、その小当たりが発生した時の遊技状態及びその小当たり図柄で示される大当たりの種類に応じて、遊技状態が遷移される。
図4を用いて、遊技機1における大当たりの種類と遊技状態の遷移について説明する。図4に示すように、遊技機1における大当たりには、時短付き15R当たり、時短付き4R当たり、突然時短当たり、時短無し7R当たり、時短無し4R当たりがある。時短付き15R当たり、時短付き4R当たり、突然時短当たりは、それぞれ実質ラウンド数が15ラウンド、4ラウンド、0ラウンドで、いずれも、大当り遊技後に時短遊技状態に遷移する大当たりである。時短無し7R当たり、時短無し4R当たりは、それぞれ実質ラウンド数が7ラウンド、4ラウンドで、いずれも、大当り遊技後に通常遊技状態に遷移する大当たりである。なお、実質ラウンド数とは、大入賞口7aへ複数個の入球が可能なラウンドの数をいう。すなわち、遊技機1では、いずれの大当たりも開放回数という意味でのラウンド数は15Rであるが、例えば0.2秒といった極短時間のラウンド(すなわち、大入賞口7aに入球するとしても高々1個しか入球しないようなラウンド)は、実質ラウンド数に入れていない。実質ラウンド数が1以上の大当たりを、長当たりといい、実質ラウンド数が0の大当たりを、短当たりという。
そして、遊技機1では、上述したように、通常遊技状態では、遊技者は右打ちを行わず、第1始動口5aを狙うことから、通常遊技状態で発生する大当たりは、通常、1種大当たりであり、通常遊技状態において1種大当たりが発生したとき、そのうちの50%が時短付き4R当たり又は突然時短当たり、50%が時短無し7R大当たりである。すなわち、50%の確率で時短遊技状態に遷移する。そして、時短遊技状態では、遊技者は右打ちを行うことから、1種大当たりも2種大当たりも発生し得るが、1種大当たりよりも2種大当たりの発生率の方が高い。時短遊技状態において2種大当たりが発生したとき、そのうちの70%が時短付き15R当たり又は時短付き4R当たり、30%が時短無し4R大当たりである。時短遊技状態において1種大当たりが発生したときも、同様である。また、時短遊技状態は、特別図柄判定が100回行われる間に大当たりが発生しない場合には終了し、通常遊技状態に遷移する。
次に、図5〜16に基づいてメイン制御基板20の動作について説明する。なお、後述する各種のカウンタや各種のフラグは、RAMに設けられ、パチンコ遊技機の電源投入時にゼロクリアあるいはOFFされる。
[メイン側タイマ割込処理]メイン制御基板20は、図5に示すメイン側タイマ割込処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、メイン制御基板20は、大当たり、小当たり、又はハズレを決定するための大当たり乱数、大当たり図柄(即ち、大当たりの種類)を決めるための大当たり図柄乱数、小当たり図柄(即ち、小当たりに基づく大当たりの種類)を決めるための小当たり図柄乱数、リーチ演出をするか否かを決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決定するための変動パターン乱数、普通図柄判定に用いる普通図柄乱数等を、それぞれの乱数記憶部において更新する乱数更新処理を行う(ステップS101)。
次に、メイン制御基板20は、後述する始動口スイッチ処理(S102)及びゲートスイッチ処理(S103)の他、普通入賞口スイッチ処理(S104)を行う。普通入賞口スイッチ処理は、普通入賞口スイッチ9bがONしていれば普通入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。続いて、メイン制御基板20は、後述する特別図柄処理(S105)、普通図柄処理(S106)、電チュー処理(S107)、特定領域開放制御処理(S108)、及び、大入賞口開放制御処理(S109)を行う。そして、メイン制御基板20は、大入賞口カウンタの値に応じた数の賞球、普通入賞口カウンタの値に応じた数の賞球等の賞球を払い出すためのコマンドをRAMにセットして、それらのカウンタをゼロクリアする賞球処理(S110)を行い、以上の各処理においてセットしたコマンドを払出制御基板21及び演出制御基板22に出力する出力処理(S111)を行う。
[始動口スイッチ処理]図6に示すように、始動口スイッチ処理では、メイン制御基板20は、第1始動口スイッチ5dがONしたか否かを判定し(S201)、ONしていなければステップS208に進み、ONしていれば、保留記憶部27に記憶されている大当たり乱数の個数(すなわち、保留されている大当たり判定の権利の個数)を数える第1始動口保留カウンタの値U1が、上限値の4未満か否かを判定する(S202)。そして、4未満でない場合はステップS208に進み、4未満の場合はU1に1を加算して(S203)、第1特別図柄判定に用いる判定用情報として、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数を、それぞれの乱数記憶部から取得し、保留記憶部27に格納する(S204)。そして、判定用情報(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を用いて、事前判定(いわゆる先読み)処理を行う(S205)。事前判定処理では、メイン制御基板20は、後述する大当たり判定処理(S407)と同様に、第1特別図柄用大当たり判定テーブルを参照して、大当たり乱数が大当たりであるか否かを判定し、大当たりと判定した場合には、大当たり時の図柄決定テーブルを参照して、大当たり図柄乱数に基づき大当たりの種類を判定する。また、後述する変動パターン選択処理(S408)と同様にして、特別図柄の変動パターン及びリーチ演出の有無を選択する。そして、メイン制御基板20は、この事前判定処理による判定結果を演出制御基板22に通知するための事前判定結果指定コマンドをRAMにセットする(S206)。また、メイン制御基板20は、保留数増加コマンドをRAMにセットする(S207)。なお、第1特別図柄判定は、大当たり又はハズレのいずれかとなり、小当たりとは判定されないように構成されている。したがって、ステップS204においては、2種大当たりの種類を決定するための小当たり図柄乱数は取得しない。保留記憶部27に記憶された判定用情報は、第1特別図柄判定の実行時に、RAM内の判定用記憶領域に移される。判定用記憶領域は、特別図柄判定が実行されるときにその特別図柄判定に使用される情報が記憶される領域である。判定用記憶領域に移された判定用情報は、保留記憶部27から消去される。したがって、これにより保留の個数が1個減少することとなる。
ステップS208では、メイン制御基板20は第2始動口スイッチ5eがONしたか否かを判定し、ONしていなければ始動口スイッチ処理からリターンして次のゲートスイッチ処理に進み、ONしていれば、特別遊技中か否かを判定する(S209)。特別遊技中か否かは、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、又は小当たり遊技フラグがONに設定されているか否かに基づいて判定される。なお、大当たり遊技として、実質ラウンドを有する長当たり遊技と、実質ラウンドを有さない短当たり遊技とがあり、長当たり遊技フラグは、長当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、長当たり遊技の開始時にONに設定され、長当たり遊技の終了時にOFFに設定され、短当たり遊技フラグは、短当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、短当たり遊技の開始時にONに設定され、短当たり遊技の終了時にOFFに設定される。小当たり遊技フラグは、特定入賞口4aを開放する小当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、小当たり遊技の開始時にONに設定され、小当たり遊技の終了時にOFFに設定される。メイン制御基板20は、特別遊技中であれば始動口スイッチ処理からリターンして次のゲートスイッチ処理に進み、特別遊技中でなれば、特別図柄変動中であるか否かを判定する(S210)。そして、特別図柄変動中ではないと判定した場合、第2特別図柄判定に用いる情報として、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、小当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数を、それぞれの乱数記憶部から取得して、判定用記憶領域に格納し(S211)、始動口スイッチ処理からリターンして次のゲートスイッチ処理に進む。
[ゲートスイッチ処理]図7に示すように、ゲートスイッチ処理では、メイン制御基板20はゲートスイッチ8aがONしたか否かを判定し(S301)、ONしていなければゲートスイッチ処理からリターンして次の普通入賞口スイッチ処理に進み、ONしていれば、ゲート保留カウンタの値Gが上限値の4未満か否かを判定する(S302)。そして、4未満でない場合はゲートスイッチ処理からリターンして次の普通入賞口スイッチ処理に進み、4未満であればGに1を加算して(S303)、後述する普通図柄判定に用いる普通図柄乱数をその乱数記憶部から取得して所定記憶域に格納し(S304)、ゲートスイッチ処理からリターンして次の普通入賞口スイッチ処理に進む。すなわち、普通図柄乱数は、4個まで所定記憶域に記憶されることとなる。
[特別図柄処理]図8に示すように、特別図柄処理では、メイン制御基板20は、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、又は小当たり遊技フラグがONに設定されているか否かに基づいて、特別遊技中であるか否かを判定する(S401)。そして、特別遊技中であると判定すれば、特別図柄処理からリターンして次の普通図柄処理に進む。一方、特別遊技中ではないと判定した場合、特別図柄変動中であるか否かを判定する(S402)。そして、特別図柄変動中であると判定した場合、ステップS414に処理を進める。
メイン制御基板20は、特別図柄変動中ではないと判定した場合、第2特別図柄判定に用いる情報、すなわち、第2始動口5bへの入球に係る各種乱数が判定用記憶領域に記憶されているか否かを判定し(S403)、記憶されていると判定した場合、大当たり判定処理(S407)に進む。一方、記憶されていないと判定した場合、第1特別図柄判定の保留数U1が1以上であるか否かを判定する(S404)。そして、保留数U1が1以上ではないと判定すれば、客待ちフラグがONか否かを判定し(S419)、客待ちフラグがONであれば、特別図柄処理からリターンして次の普通図柄処理に進み、ONでなければ、客待ちコマンドをRAMにセットして(S420)、客待ちフラグをONにし(S421)、特別図柄処理からリターンして次の普通図柄処理に進む。客待ちフラグは、遊技機1が客待ち状態であるか否かを示すフラグであり、第1特別図柄判定の権利が保留されておらず、かつ、特別図柄変動が行われなくなったタイミングでONに設定され、特別図柄変動が再び開始されることでOFFに設定される。客待ちコマンドは、客待ち演出(デモ演出に相当。)を開始させるためのコマンドであり、ステップS111で演出制御基板22に出力され、このコマンドを受信した演出制御基板22は、所定時間経過後、客待ち演出を開始する。客待ち演出は、客待ち演出画像を液晶画面60aに表示すると共に、その画像に合わせた音響をスピーカ17から発したり、枠ランプ18を発光させたりする演出である。
メイン制御基板20は、ステップS404で保留数U1が1以上であると判定した場合、保留数U1から1を減算し(S405)、保留記憶部27に対するシフト処理を実行し(S406)、大当たり判定処理(S407)に進む。シフト処理では、メイン制御基板20は、保留記憶部27に格納されている第1特別図柄判定に係る判定用情報(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、最先(1番目)に格納されたものを判定用記憶領域にシフトし、2番目に格納されたものを最先とし、3番目に格納されたものを2番目とし、というように、残りのものの順序を繰り上げる。
大当たり判定処理(S407)では、メイン制御基板20は、判定用記憶領域に記憶されている判定用情報に基づいて、大当たり、小当たり、又は、ハズレのいずれであるかを判定し、その判定結果を示す判定図柄の情報をRAMにセットする。大当たり判定処理については、図9に基づいて後に詳述する。
次に、メイン制御基板20は、変動パターン選択処理を実行する(S408)。変動パターン選択処理では、メイン制御基板20は、大当たり判定処理(S407)でセットした判定図柄の種類、現在の遊技状態、第1特別図柄判定に係るものか第2特別図柄判定に係るものかの情報、第1特別図柄判定の場合には現時点の保留数U1、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターン及びリーチ演出の有無を選択する。そして、メイン制御基板20は、判定図柄の情報、判定図柄が第1特別図柄判定に係るものか第2特別図柄判定に係るものかを示す情報、選択した変動パターンの情報、リーチ演出の有無を示す情報、現在の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをRAMにセットする(S409)。この変動開始コマンドは、特別図柄変動に伴う変動演出の開始を指示するコマンドである。そして、メイン制御基板20は、特別図柄変動を、第1特別図柄判定に係るものであれば第1特別図柄表示器14aにおいて、第2特別図柄判定に係るものであれば第2特別図柄表示器14bにおいて、開始する(S410)。
次に、メイン制御基板20は、客待ちフラグがONに設定されているか否かを判定し(S411)、客待ちフラグがONに設定されていなければ、ステップS413に進み、客待ちフラグがONに設定されていれば、客待ちフラグをOFFに設定して(S412)、ステップS413に進む。ステップS413では、メイン制御基板20は、変動時間の計測を開始し、ステップS414に進む。ステップS414では、変動時間の計測開始から、ステップS408の処理で選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(S414)。そして、変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄処理からリターンして次の普通図柄処理に進み、経過したと判定した場合、変動停止コマンドを、RAMにセットする(S415)。変動停止コマンドには、停止表示される判定図柄の情報、その判定図柄が第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定のいずれに係るものかを示す情報等が含まれる。この変動停止コマンドは、ステップS111の出力処理によって演出制御基板22に送信され、演出制御基板22において、液晶画面60aに変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理が行われる。メイン制御基板20は、ステップS415の処理に続いて特別図柄の変動表示を終了して、大当たり判定処理(S407)でセットした判定図柄で特別図柄を停止表示し(S416)、計測していた変動時間をリセットして(S417)、後述する停止中処理を行って(S418)、特別図柄処理からリターンして次の普通図柄処理に進む。
[大当たり判定処理]図9に示すように、大当たり判定処理では、メイン制御基板20は、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数を用いて、大当たり判定を行う(S501)。詳しくは、メイン制御基板20は、第1特別図柄判定に係る大当たり乱数の場合には、予め記憶している第1特別図柄用大当たり判定テーブルを参照し、第2特別図柄判定に係る大当たり乱数の場合には、予め記憶している第2特別図柄用大当たり判定テーブルを参照する。第1特別図柄用大当たり判定テーブルには、大当たり(1種大当たり)に対する乱数値とハズレに対する乱数値とが記憶されて、第2特別図柄用大当たり判定テーブルには、大当たり(1種大当たり)に対する乱数値と、小当たりに対する乱数値と、ハズレに対する乱数値とが記憶されている。メイン制御基板20は、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、1種大当たりであると判定すると(S502でYES)、判定用記憶領域に記憶されている大当たり図柄乱数を用いて、予め記憶している大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(S503)。大当たり時の図柄決定テーブルには、大当たりの種類と乱数値とが対応付けられて記憶されている。そして、メイン制御基板20は、決定した大当たりの種類を示す大当たり図柄を、判定図柄としてRAMにセットして(S504)、大当たり判定処理からリターンして次の変動パターン選択処理に進む。
一方、メイン制御基板20は、特別図柄判定の結果が1種大当たりではないと判定した場合(S502でNO)、その特別図柄判定が第1特別図柄判定か否かを判定し(S505)、否であれば、第2特別図柄用大当たり判定テーブルを参照して、小当たりか否かを判定する(S506)。そして、小当たりと判定すれば、判定用記憶領域に記憶されている小当たり図柄乱数を用いて、予め記憶している小当たり時の図柄決定テーブルを参照して小当たりの種類を決定する(S507)。小当たり時の図柄決定テーブルには、小当たりの種類と乱数値とが対応付けられて記憶されている。そして、メイン制御基板20は、決定した小当たりの種類を示す小当たり図柄を、判定図柄としてRAMにセットして(S508)、大当たり判定処理からリターンして次の処理に進む。この小当たり図柄によって、2種大当たりになったときの大当たりの種類が決まることとなる。一方、ステップS505で第1特別図柄判定と判定したとき、及び、ステップS506で小当たりでないと判定したときは、ハズレであるので、ハズレ図柄をRAMにセットして(S509)、大当たり判定処理からリターンして次の変動パターン選択処理に進む。
[停止中処理]図10に示すように、停止中処理では、メイン制御基板20は、ステップS407で行った大当たり判定の結果に基づいて、1種大当たりであるか否かを判定する(S701)。そして、1種大当たりであると判定した場合、その1種大当たりに対して実行される大当たり遊技が、長当たり遊技であるか短当たり遊技であるかを、ステップS504でセットした大当たり図柄に基づいて判定する(S702)。メイン制御基板20は、長当たり遊技であると判定した場合には、長当たり遊技フラグをONに設定し(S703)、長当たり遊技ではないと判定した場合には、短当たり遊技フラグをONに設定する(S704)。
次に、メイン制御基板20は、時短遊技フラグがONに設定されているか否かを判定する(S705)。時短遊技フラグは、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の際は一旦OFFとされて、大当たり遊技終了後、時短遊技状態に移行するときは、後述する遊技状態設定処理(S1214)においてONに設定され、通常遊技状態に移行するときはOFFのままとされる。メイン制御基板20は、時短遊技フラグがONに設定されていないと判定した場合、ステップS707に進み、時短遊技フラグがONに設定されていると判定した場合、時短遊技フラグをOFFに設定して(S706)、ステップS707に進む。
一方、メイン制御基板20は、ステップS701で1種大当たりではないと判定した場合、時短遊技フラグがONか否かを判定し(S708)、ONでないと判定した場合、ステップS712に進み、ONであると判定した場合、RAMに記憶している時短遊技残余回数Wを1減算する(S709)。この時短遊技残余回数Wは、時短遊技状態で特別図柄変動が実行される残り回数(換言すれば、特別図柄判定が実行される残り回数)を示すものであり、時短遊技残余回数Wが0になると、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。ステップS710において、メイン制御基板20は、時短遊技残余回数Wが0であるか否かを判定し、0でないと判定すれば、ステップS712に進み、0であると判定すれば、時短遊技フラグをOFFとして(S711)、ステップS712に進む。
ステップS712において、メイン制御基板20は、ステップS387で行った大当たり判定の結果に基づいて、小当たりであるか否かを判定し(S712)、小当たりでないと判定した場合、停止中処理からリターンして特別図柄処理の次の普通図柄処理に進み、小当たりであると判定した場合、小当たり遊技フラグをONにして(S713)、ステップS707に進む。
ステップS707では、メイン制御基板20は、オープニングコマンドをRAMにセットする。オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初のラウンドが開始されるまでの期間、又は小当たり遊技が開始されてから最初に特定入賞口4aが開放され始めるまでの期間のことをいう。オープニングコマンドは、オープニングが開始されること、すなわち、特別遊技が開始されることを通知するためのコマンドであり、その特別遊技の基となった判定図柄の情報、その判定図柄が第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定のいずれに係るものかを示す情報、及び、その特別図柄判定時の遊技状態を示す情報等を含んでいる。
[普通図柄処理]図11に示すように、普通図柄処理では、メイン制御基板20は、補助遊技中か否かを示す補助遊技フラグがONか否かを判定し(S801)、ONであれば普通図柄処理からリターンして次の電チュー処理に進み、ONでなければ普通図柄の変動中か否かを判定する(S802)。そして、変動中の場合にはステップS813に進み、変動中でない場合には、ゲート保留カウンタの値Gが1以上か否かを判定し(S803)、Gが1以上でなければ普通図柄処理からリターンして次の電チュー処理に進み、Gが1以上であればGから1を減算して(S804)、予め記憶している普通図柄判定用当選値に基づいて、ステップS304で所定記憶域に格納しておいた普通図柄乱数のうち最先に格納したものが当たりか否かを判定して(S805)、当たりであれば(S806でYES)、当たり図柄をRAMにセットし(S807)、当たりでなければ(S806でNO)、ハズレ図柄をRAMにセットする(S808)。なお、普通図柄判定に用いた普通図柄乱数は所定記憶域から削除される。そして、時短遊技フラグがONであれば(S809でYES)、変動時間2秒をセットし(S810)、時短遊技フラグがOFFであれば(S809でNO)、変動時間25秒をセットして(S811)、普通図柄の変動を開始して(S812)、ステップS813に進む。
ステップS813では、メイン制御基板20は、変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ普通図柄処理からリターンして次の処理に進むが、経過していれば、普通図柄の変動を停止してステップS807、808でセットした図柄を、普通図柄表示器14cに停止表示する(S814)。そして、停止した図柄が当たり図柄であれば(S815でYES)、補助遊技フラグをONし(S816)、ハズレ図柄であれば(S815でNO)、補助遊技フラグをONせずに、普通図柄処理からリターンして次の電チュー処理に進む。
[電チュー処理]図12に示すように、電チュー処理では、メイン制御基板20は、補助遊技フラグがONか否かを判定し(S901)、ONでないと判定すれば電チュー処理からリターンして次の特定領域開放制御処理に進む。一方、ONと判定すれば、電チュー5cが作動中か否かを判定する(S902)。そして、作動中である場合はステップS907に進むが、作動中でない場合、時短遊技フラグがONであれば(S903でYES)、0.3秒の開放を5回行う作動パターン(S904)、ONでなければ(S903でNO)、0.1秒の開放を1回行う作動パターンをセットして(S905)、その作動パターンに則った電チュー5cの作動を開始し(S906)、ステップS907に進む。ステップS907では、メイン制御基板20は、ステップS904又はS905でセットした作動パターンに対応した作動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ電チュー処理からリターンして次の特定領域開放制御処理に進み、経過していれば補助遊技フラグをOFFして(S908)、電チュー処理からリターンして次の特定領域開放制御処理に進む。
[特定領域開放制御処理]図13に示すように、特定領域開放制御処理では、メイン制御基板20は、小当たり遊技フラグがONか否かを判定し(S1001)、ONでないと判定すれば、特定領域開放制御処理からリターンして次の大入賞口開放制御処理に進むが、ONと判定すれば、例えば上記ステップS707で小当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間に基づいて、小当たり遊技のオープニング中であるか否かを判定する(S1002)。そして、オープニング中であると判定した場合、予め定められたオープニング時間が経過したか否かを判定し(S1017)、経過していないと判定すれば、特定領域開放制御処理からリターンして次の大入賞口開放制御処理に進むが、経過したと判定すれば、予めRAMに記憶している特定入賞口4aへの遊技球の入球数Xをリセットし(S1018)、特定入賞口開閉部材4bを制御して特定入賞口4aの開放を開始し(S1019)、開放時間(すなわち、開放を開始してからの経過時間)の計測を開始し(S1020)、ステップS1006に進む。
一方、メイン制御基板20は、ステップS1002で、小当たり遊技におけるオープニング中ではないと判定した場合、例えば小当たり遊技開始からの経過時間に基づいて、小当たり遊技のエンディング中であるか否かを判定する(S1003)。そして、エンディング中であると判定すれば、ステップS1021に進み、エンディング中でないと判定すれば、ステップS1004に進む。ステップS1004では、メイン制御基板20は、特定入賞口スイッチ4fからの信号の入力の有無に基づいて、特定入賞口スイッチ4fがONになったか否かを判定する(S1004)。そして、特定入賞口スイッチ4fがONになっていないと判定すれば、ステップS1006に進むが、特定入賞口スイッチ4fがONになったと判定すれば、特定入賞口4aに遊技球が入球したと判断して、遊技球の入球数Xに1を加算して(S1005)、ステップS1006に進む。
ステップS1006では、メイン制御基板20は、特定入賞口4aの開放時間が予め設定された設定時間(本実施形態では0.5秒)に達したか否かを判定し(S1006)、設定時間に達していないと判定した場合、ステップS1008に進み、設定時間に達したと判定した場合、V入賞口開閉部材4cを作動させてV入賞口4dの開放を開始して(S1007)、ステップS1008に進む。これにより、上述した2種大当たりが発生可能となる。ステップS1008では、メイン制御基板20は、V入賞口スイッチ4gからの信号の入力の有無に基づいて、V入賞口スイッチ4gがONになったか否かを判定する。そして、ONになっていないと判定した場合、ステップS1010に進み、ONになったと判定した場合、V入賞フラグをONに設定して(S1009)、ステップS1010に進む。このV入賞フラグは、小当たり遊技中にV入賞口4dに遊技球が入球して2種大当たりが発生したか否かを示すフラグであり、V入賞口4dに遊技球が入球するとONとされ、小当たり遊技の終了時にOFFとされる。
ステップS1010では、メイン制御基板20は、例えばV入賞口4dの開放開始から所定の時間(本実施形態では0.2秒)が経過したか否かにより、V入賞口4dの閉塞タイミングであるか否かを判定する(S1010)。そして、閉塞タイミングでないと判定した場合、ステップS1012に進むが、閉塞タイミングであると判定した場合、V入賞口開閉部材4cを制御してV入賞口4dを閉塞し(S1011)、ステップS1012に進む。このように、V入賞口4dは、特定入賞口4aの開放から0.5秒後に0.2秒間だけ開放される。
ステップS1012では、メイン制御基板20は、ステップS1020で計測を開始した開放時間が予め規定された時間に達したか否かにより、特定入賞口4aの規定開放動作(本実施形態では、1.5秒間の開放1回)が終了したか否かを判定する(S1012)。そして、規定開放動作が終了したと判定すれば、ステップS1014に処理を進めるが、規定開放動作が終了していないと判定すれば、今回の小当たり遊技における特定入賞口4aへの遊技球の入球数Xが、予め定められている上限数Xmax(例えば「6」)と一致するか否かを判定する(S1013)。そして、入球数Xが上限数Xmaxと一致しないと判定した場合、特定領域開放制御処理からリターンして次の大入賞口開放制御処理に進むが、一致すると判定した場合、ステップS1014に処理を進める。
ステップS1014では、メイン制御基板20は、特定入賞口開閉部材4bを制御して特定入賞口4aを閉塞する(S1014)。すなわち、小当たり遊技において、特定入賞口4aは、開放開始から1.5秒経過、若しくは、上限数Xmax入球のいずれか早い時点で閉塞される。次に、メイン制御基板20は、計測していた開放時間をリセットし(S1015)、エンディング時間の計測を開始して(S1016)、特定領域開放制御処理からリターンして次の大入賞口開放制御処理に進む。エンディングとは、小当たり遊技においては、特定入賞口4aの開放が終了してから小当たり遊技が終了するまでの期間をいい、大当たり遊技においては、最後のラウンドが終了してから大当たり遊技が終了するまでの期間をいう。このようにして計測が開始されたエンディング時間が所定の時間に達するまでの間、液晶画面60a等を用いたエンディング演出が行われる。
一方、メイン制御基板20は、ステップS1003で、エンディング中であると判定した場合、計測しているエンディング時間が規定されているエンディング時間に達したか、すなわち、規定エンディング時間が経過したか否かを判定する(S1021)。そして、規定エンディング時間が経過していないと判定した場合、特定領域開放制御処理からリターンして次の大入賞口開放制御処理に進むが、規定エンディング時間が経過したと判定した場合、小当たり遊技を終了させるために、小当たり遊技フラグをOFFにし(S1022)、V入賞フラグがONか否かを判定する(S1023)。そして、V入賞フラグがONでないと判定した場合、すなわち、小当たり遊技中にV入賞口4dに遊技球が入球しなかった場合、特定領域開放制御処理からリターンして次の大入賞口開放制御処理に進む。これにより、特別遊技が小当たり遊技のみで終了することになる。特別遊技が小当たり遊技のみで終了するときは、遊技状態の遷移は起こらず、現在の遊技状態が維持される。一方、ステップS1023でV入賞フラグがONであると判定した場合、メイン制御基板20は、V入賞フラグをOFFとし(S1024)、小当たり遊技に続いて2種大当たりに係る長当たり遊技を開始させるために、長当たり遊技フラグをONにする(S1025)。そして、時短遊技フラグをOFFとし(S1026)、特定領域開放制御処理からリターンして次の大入賞口開放制御処理に進む。
[大入賞口開放制御処理]図14に示すように、大入賞口開放制御処理では、メイン制御基板20は、まず、長当たり遊技フラグがONか否かを判定し(S1101)、ONであれば、後述する長当たり遊技制御処理を行って(S1104)、大入賞口開放制御処理からリターンして次の賞球処理に進むが、ONでなければ、短当たり遊技フラグがONか否かを判定する(S1102)。そして、短当たり遊技フラグがONでなければ、大入賞口開放制御処理からリターンして次の賞球処理に進むが、ONであれば、短当たり遊技制御処理を行って(S1103)、大入賞口開放制御処理からリターンして次の賞球処理に進む。短当たり遊技制御処理では、後述する長当たり遊技制御処理と同様に大入賞口7aを開閉するための処理が行われるが、1ラウンドにおける大入賞口7aの開放時間が、例えば0.2秒というように、大入賞口7aに遊技球が高々1個しか入球しないような極短時間であるため、遊技者は、長当たり遊技では大量の賞球が得られるのに対して、短当たり遊技では殆ど賞球を得られない。
[長当たり遊技制御処理]図15に示すように、長当たり遊技制御処理では、メイン制御基板20は、例えばステップS707でオープニングコマンドをセットしてからの経過時間に基づいて、長当たり遊技のオープニング中であるか否かを判定する(S1201)。そして、オープニング中であると判定した場合、上記経過時間が規定されているオープニング時間に達したか、すなわち、規定オープニング時間が経過したか否かを判定し(S1217)、規定オープニング時間が経過していないと判定した場合、長当たり遊技制御処理からリターンして次の処理に進むが、経過していると判定した場合、大当たり判定処理でセットした判定図柄に応じて、特別遊技のラウンド上限数Rmax及び大入賞口7aの動作パターン等の情報をRAMに設定する(S1218)。このとき設定される情報には、各ラウンドにおける大入賞口7aの規定開放時間、ラウンドと次のラウンドとの間の規定インターバル時間、最終ラウンド終了後の規定エンディング時間等、その判定図柄が示す大当たりの種類に応じて規定されている各種の時間を示す情報も含まれている。なお、インターバルとは、ラウンドと次のラウンドとの間の大入賞口7aの閉塞期間をいう。また、規定開放時間には、例えば29.5秒というように長いものと、例えば0.2秒というように短いものとがあり、これらの組み合わせにより、実質ラウンド数が決まる。
ステップS1218の処理に続いて、メイン制御基板20は、RAMに記憶されている大入賞口7aへの遊技球の入球数Yをリセットし(S1219)、RAMに記憶されている長当たり遊技中のラウンド数Rに1を加算して(S1220)、大入賞口開閉部材7cを制御して大入賞口7aの開放を開始し(S1221)、この開放が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する(S1222)。そして、ラウンドが開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをRAMにセットして(S1223)、ステップS1206に処理を進める。
一方、メイン制御基板20は、ステップS1201で、長当たり遊技におけるオープニング中ではないと判定した場合、例えば長当たり遊技の開始からの経過時間に基づいて、エンディング中であるか否かを判定し(S1202)、エンディング中であると判定した場合、ステップS1213に処理を進める。また、ステップS1202でエンディング中ではないと判定した場合、例えば長当たり遊技の開始からの経過時間に基づいて、インターバル中であるか否かを判定する(S1203)。そして、インターバル中であると判定した場合、後述するステップS1224で計測を開始したインターバル時間が、ステップS1218で設定した規定インターバル時間を経過したか否かを判定し(S1216)、規定インターバル時間を経過したと判定した場合、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、ステップS1219に処理を進め、規定インターバル時間を経過していないと判定した場合、長当たり遊技制御処理からリターンして次の処理に進む。
一方、メイン制御基板20は、ステップS1203で、インターバル中ではないと判定した場合、ラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ7bからの信号の入力の有無に基づいて、大入賞口スイッチ7bがONになったか否かを判定する(S1204)。そして、大入賞口スイッチ7bがONになっていないと判定した場合、ステップS1206に処理を進め、大入賞口スイッチ7bがONになったと判定した場合、大入賞口7aに1個の遊技球が入球したと判断して、RAMに記憶している遊技球の入球数Yを1加算して(S1205)、ステップS1206に処理を進める。
ステップS1206では、メイン制御基板20は、ステップS1222で計測を開始した開放時間に基づいて、大入賞口7aの開放開始から規定開放時間が経過したか否かを判定する。メイン制御基板20は、規定開放時間が経過していると判定した場合、ステップS1208に処理を進めるが、規定開放時間が経過していないと判定した場合、今回のラウンドにおける遊技球の入球数Yが、予め定められた上限数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判定する(S1207)。そして、入球数Yが上限数Ymaxと一致しないと判定した場合、長当たり遊技制御処理からリターンするが、一致すると判定した場合、ステップS1208に進む。なお、長当たり遊技制御処理からリターンしたときは、大入賞口開放制御処理に戻り、次の賞球処理に進む。
ステップS1208では、メイン制御基板20は、大入賞口開閉部材7cを制御して大入賞口7aの開放を終了し、大入賞口7aを閉塞させる。そして、メイン制御基板20は、長当たり遊技の現在のラウンド数Rが、ラウンド上限数Rmaxと一致するか否かを判定し(S1209)、一致しなければ、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞口7aが閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始し(S1224)、長当たり遊技制御処理からリターンする。
一方、メイン制御基板20は、ステップS1209において、ラウンド数Rがラウンド上限数Rmaxと一致すると判定した場合、エンディング時間の計測を開始し(S1210)、RAMに記憶しているラウンド数Rをリセットし(S1211)、エンディングコマンドをRAMにセットして(S1212)、ステップS1213に処理を進める。エンディングコマンドは、大当たり遊技において最後のラウンドが終了したこと、すなわち、大当たり遊技が終了されることを通知するためのコマンドであり、その大当たり遊技の基となった判定図柄(2種大当たりの場合には小当たり図柄となる。)の情報、その判定図柄が第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定のいずれに係るものかを示す情報、及び、その特別図柄判定時の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ステップS1213において、メイン制御基板20は、計測しているエンディング時間が、規定エンディング時間を経過したか否かを判定する(S1213)。そして、経過していないと判定した場合、長当たり遊技制御処理からリターンするが、経過したと判定した場合、後述する遊技状態設定処理を実行し(S1214)、長当たり遊技を終了させるために、長当たり遊技フラグをOFFとし(S1215)、長当たり遊技制御処理からリターンする。
[遊技状態設定処理]図16に示すように、遊技状態設定処理では、メイン制御基板20は、例えば長当たり遊技フラグ及び短当たり遊技フラグのいずれがONに設定されているかに基づいて、今回行われた特別遊技が長当たり遊技であるか否かを判定し(S1301)、長当たり遊技ではないと判定した場合、ステップS1307に処理を進めるが、長当たり遊技であると判定した場合、ステップS1302に処理を進める。ステップS1302では、メイン制御基板20は、今回の長当たり遊技が小当たり遊技に続く長当たり遊技(すなわち、2種大当たりに係る長当たり遊技)であるか否かを判定する。この判定は、例えば、長当たり遊技フラグをONにするときに、1種大当たりに係るものか否かの情報も併せて記憶しておき、その情報に基づいて行うことができる。
そして、メイン制御基板20は、2種大当たりに係る長当たり遊技ではないと判定した場合、判定図柄としてセットした大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技終了後の時短の有無を判定する(S1304)。一方、2種大当たりに係る長当たり遊技であると判定した場合、判定図柄としてセットした小当たり図柄に基づいて、大当たり遊技終了後の時短の有無を判定する(S1305)。そして、メイン制御基板20は、時短なしと判定すれば(S1306でNO)、遊技状態設定処理からリターンして次のステップS1215に進むが、時短ありと判定すれば(S1306)、ステップS1307に処理を進めて、時短遊技フラグをONにし、時短遊技残余回数Wを「100」に設定して(S1308)、遊技状態設定処理からリターンして次のステップS1215に進む。時短遊技残余回数Wが「100」に設定されることにより、大当たり遊技が終了してから100回の特別図柄判定が実行されるまでの間、その間に大当たりが発生した場合を別として、第2始動口5bが開放され易い時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
以上のメイン制御基板20における処理と並行して、演出制御基板22では図17〜24に示すような処理を行う。以下、演出制御基板22の動作について説明する。
[サブ側タイマ割込処理]演出制御基板22は、図17に示すようなサブ側タイマ割込処理を所定の短時間(例えば4msec)毎に繰り返す。サブ側タイマ割込処理では、後述するコマンド受信処理(S2101)を行い、次に、演出ボタン30からの操作信号の入力の有無に基づいて、演出ボタン30が操作されたか否かを判定し(S2102)、操作されたと判定した場合に、その旨を通知するためのボタン操作コマンドをRAMにセットする(S2103)。なお、演出キー31が操作された場合にも同様の処理が行われるが、ここでは省略している。そして、コマンド送信処理(S2104)を行う。コマンド送信処理は、コマンド受信処理及び演出ボタン処理でセットしたコマンドを、画像音響制御基板23及びランプ制御基板24に送信する処理である。画像音響制御基板23やランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに基づいて、演出手段(メイン液晶表示装置60、サブ液晶表示装置61、スピーカ17、枠ランプ18、盤ランプ19、及び、可動役物装置16)に各種の演出(装飾図柄変動演出、当たり演出、客待ち演出、新曲発表演出、カウントダウン演出など)を実行させる。
[コマンド受信処理]図18に示すように、コマンド受信処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から事前判定結果指定コマンドを受信したか否かを判定し(S2301)、受信していれば、そのコマンドで示されている事前判定結果を記憶させるための事前判定結果記憶コマンドをRAMにセットする(S2302)。また、メイン制御基板20から保留数増加コマンドを受信したか否かを判定し(S2303)、受信していれば、保留数加算処理を行う。保留数加算処理では、所定記憶領域に記憶している保留数に1を加算し、その保留数に応じた保留表示画像を液晶画面60aに表示するための保留表示コマンドをRAMにセットする。次に、演出制御基板22は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定して(S2305)、受信していれば後述する演出選択処理を行い(S2306)、変動停止コマンドを受信したか否かを判定して(S2307)、受信していれば後述する変動演出終了中処理を行う(S2308)。そして、演出制御基板22は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定して(S2309)、受信していれば、後述するオープニング演出選択処理を行い(S2310)、ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定して(S2311)、受信していれば、後述するラウンド演出選択処理を行い(S2312)、エンディングコマンドを受信したか否かを判定して(S2313)、受信していれば、後述するエンディング演出選択処理を行う(S2314)。さらに、演出制御基板22は、後述する客待ちコマンド受信処理(S2315)を行う。
[演出選択処理]図19に示すように、演出選択処理では、演出制御基板22は、まず、メイン制御基板20から受信した変動開始コマンドを解析するとともに(S2401)、演出モードを示すモードフラグを参照する(S2402)。変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報、大当たり抽選(大当たり判定)において選択された特別図柄及び変動パターンを示す情報が含まれている。また、演出モードとは、液晶画面60aにおける演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタや背景画像が異なる等、液晶画面60aに表示される画像が異なり、装飾図柄変動演出も演出モードに応じたものが実行される。
続いて、演出制御基板22は、変動演出パターンテーブルを参照するとともに、解析した変動開始コマンド及び参照した演出モードに基づいて、変動演出パターンを選択する(S2403)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの示唆演出に相当する予告演出を含めて、装飾図柄変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンによる装飾図柄変動演出を画像音響制御基板23に実行させるための変動演出開始コマンド(なお、このコマンドには、保留表示画像を1減らすためのコマンドも含むものとする。)をセットする(S2404)。さらに、演出制御基板22は、所定の記憶領域に記憶されている保留数を1減算する保留数減算処理を行って(S2405)、記憶している事前判定結果を消去させるための事前判定結果消去コマンドをRAMにセットし(S2406)、演出選択処理からリターンして次のステップS2307に進む。
[変動演出終了中処理]図20に示すように、変動演出終了中処理では、演出制御基板22は、変動停止コマンドを解析し(S2501)、モードフラグを参照する(S2502)。次に、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たり(大当たり又は小当たり)を報知するものか否かを判定して(S2503)、当たりを報知するものであればモードフラグ変更処理を行う(S2508)。モードフラグ変更処理では、その当たりの種類に応じた演出モードを示すものにモードフラグを変更するとともに、変更後の演出モードが通常モードでない場合には、その演出モードに対応するカウンタの値Mに上限回数をRAMにセットする。
一方、演出制御基板22は、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たりを報知するものでなければ(S2503でNO)、モードフラグが0か否かを判定し(S2504)、0であればステップS2509に進む。なお、モードフラグが0とは通常モード(通常遊技状態での演出モード)であることを示し、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)モードフラグは0である。一方、モードフラグが0でなければ、現在の演出モード用のカウンタの値Mを1減少させて(S2505)、その値Mが0にならなければ(S2506でNO)、ステップS2509に進むが、0になれば(S2506でYES)、通常モードに戻すためにモードフラグを0として(S2507)、ステップS2509に進む。ステップS2509では、演出制御基板22は、装飾図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットし、変動演出終了中処理からリターンして次のステップS2309に進む。
[オープニング演出選択処理]図21に示すように、オープニング演出選択処理では、演出制御基板22は、オープニングコマンドを解析して(S2601)、開始しようとしている大当たり遊技が長当たり遊技か否かを判定し(S2602)、長当たり遊技であれば、長当たり遊技用のオープニング演出のパターンを選択するオープニング演出パターン選択処理を行う(S2603)。そして、演出制御基板22は、選択した演出パターンによるオープニング演出を画像音響制御基板23に実行させるためのオープニング演出開始コマンドをセットして(S2604)、オープニング演出選択処理からリターンして次のステップS2311に進む。一方、開始しようとしている大当たり遊技が長当たり遊技でなければ、短当たり遊技のオープニングからエンディング終了までの間に行われる短当たり演出のパターンを選択する短当たり演出パターン選択処理を行う(S2605)。そして、演出制御基板22は、選択した演出パターンによる短当たり演出を画像音響制御基板23に実行させるための短当たり演出開始コマンドをセットして(S2606)、オープニング演出選択処理からリターンして次のステップS2311に進む。
[ラウンド演出選択処理]図22に示すように、ラウンド演出選択処理では、演出制御基板22は、ラウンド開始コマンドを解析し(S2701)、特別遊技の継続回数(連チャン回数)やラウンド数を判断して、ラウンド中の演出パターンを選択する(S2702)。そして、選択した演出パターンによるラウンド中の演出を画像音響制御基板23に実行させるためのラウンド中演出開始コマンドをセットして(S2703)、ラウンド演出選択処理からリターンして次のステップS2313に進む。
[エンディング演出選択処理]図23に示すように、エンディング演出選択処理では、演出制御基板22は、エンディングコマンドを解析し(S2801)、終了しようとしている大当たり遊技が長当たり遊技か否かを判定し(S2802)、長当たり遊技であれば、モードフラグを参照し(S2803)、解析したエンディングコマンドおよび参照したモードフラグに基づいて、エンディング演出のパターンを選択するエンディング演出パターン選択処理を行う(S2804)。そして、演出制御基板22は、選択した演出パターンによるエンディング演出を画像音響制御基板23に実行させるためのエンディング演出開始コマンドをセットして(S2805)、エンディング演出選択処理からリターンして次のステップS2315に進む。なお、エンディング演出とは、当たり遊技の終了を遊技者に報知するための演出である。一方、終了しようとしている大当たり遊技が長当たり遊技でなければ、実行している短当たり演出を終了させるための短当たり演出終了コマンドをセットして(S2806)、エンディング演出選択処理からリターンして次のステップS2315に進む。
[客待ちコマンド受信処理]図24に示すように、客待ちコマンド受信処理では、演出制御基板22は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定し(S2901)、受信していれば、客待ち演出を実行するまでの時間の計測を開始するとともに計測フラグをONして(S2902、S2903)、ステップS2905に進む。一方、受信していなければ、計測フラグがONにされているか否か判定し(S2904)、ONにされていなければ、客待ち演出実行までの時間の計測中ではないので、客待ちコマンド受信処理からリターンし、コマンド受信処理からもリターンして、次のステップS2102に進み、ONにされていればタイムアップか、すなわち、いま計測している時間が客待ち演出実行までの時間として設定した所定時間に達したか否か判定する(S2905)。そして、タイムアップでなければ、客待ちコマンド受信処理からリターンし、コマンド受信処理からもリターンして、次のステップS2102に進み、タイムアップであれば、計測フラグをOFFとするとともに(S2906)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをセットして(S2907)、客待ちコマンド受信処理からリターンし、コマンド受信処理からもリターンして、次のステップS2102に進む。
以上の演出制御基板22における処理と並行して、画像音響制御基板23では図25〜40に示すような処理を行う。以下、画像音響制御基板23の動作について説明する。
[画像音響制御基板タイマ割込処理]画像音響制御基板23は、図25に示すような画像音響制御基板タイマ割込処理を所定の短時間毎に繰り返す。画像音響制御基板タイマ割込処理では、まず、画像音響制御基板23は、演出制御基板22のRTC28から現時点の日時(日付及び時刻)を示すRTC情報を取得してRAMに格納するRTC情報取得処理を行う(S3000)。すなわち、RAMに格納されているRTC情報は、画像音響制御基板タイマ割込処理が実行される度に更新される。そして、後述する計測処理(S3001)、カウントダウン演出制御処理(S3002)、事前判定結果処理(S3003)、手動演出キャンセル処理(S3004)、新曲発表演出開始処理(S3005)、自動演出キャンセル処理(S3006)、自動演出復活処理(S3007)、手動演出復活処理(S3008)、演出延長制御処理(S3009)、通常演出制御処理(S3010)、新曲発表演出終了処理(S3011)、画像出力制御処理(S3012)、音声出力制御処理(S3013)、及び、データ送信制御処理(S3014)を行う。
[計測処理]図26に示すように、計測処理では、画像音響制御基板23は、遊技機1の電源が投入されてから初回の新曲発表演出が実行されるまでは、遊技機1の電源が投入されてからの経過時間を計測し、初回の新曲発表演出実行後は、新曲発表演出が実行されてからの経過時間を計測する。なお、新曲発表演出が、特別演出に相当する。詳しくは、画像音響制御基板23は、RAMに記憶している割込処理回数Nに1を加算するカウント処理を行う(S3101)。上述したように、画像音響制御基板タイマ割込処理は、所定時間毎に実行されることから、その所定時間毎に割込処理回数Nは1ずつ増加するが、後述するように、新曲発表演出が実行されるときに割込処理回数Nは0に戻される。したがって、割込処理回数Nと上記所定時間とから、遊技機1の電源投入から初回の新曲発表演出が実行されるまでは、遊技機1の電源投入からの経過時間、初回の新曲発表演出実行後は、新曲発表演出が実行されてからの経過時間が算出できる。
次に、画像音響制御基板23は、上述したように計測している経過時間に基づいて、特別演出に先行する先行演出であるカウントダウン演出の開始時間か否かを判定する(S3102)。遊技機1では、新曲発表演出を遊技機1の電源投入から1時間毎に開始し、各新曲発表演出の開始時間の60秒前を、カウントダウン演出の開始時間とする。なお、ここでいうカウントダウン演出の開始時間は、必ずしも実際にカウントダウン演出が開始される時間ではなく、カウントダウン演出の開始を許可する時間である。すなわち、通常演出の実行状況に応じて、実際にカウントダウン演出が開始される時間は、例えば、新曲発表演出の開始時間の30秒前とされる等、カウントダウン演出の開始時間よりも遅延される場合がある。また、通常演出の実行状況によっては、カウントダウン演出が行われない場合もある。なお、通常演出とは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出、特別遊技に伴う当たり演出、及び、特別図柄の変動表示も特別遊技も行われていないときに行われる客待ち演出をいう。画像音響制御基板23は、カウントダウン演出の開始時間でないと判定した場合、ステップS3104に進み、カウントダウン演出の開始時間であると判定した場合、カウントダウンフラグをONとして(S3103)、ステップS3104に進む。カウントダウンフラグは、カウントダウン演出の開始時間になるとONとされ、新曲発表演出が開始されるときにOFFとされる。
次に、画像音響制御基板23は、上述したように計測している経過時間に基づいて、新曲発表演出の開始時間か否かを判定する(S3104)。上述したように、遊技機1では、新曲発表演出を遊技機1の電源投入から1時間毎に開始する。すなわち、遊技機1の電源が投入されてから1時間経過時に初回の新曲発表演出を実行し、その後は、前回の新曲発表演出開始から1時間経過時に次回の新曲発表演出を実行する。画像音響制御基板23は、新曲発表演出の開始時間でないと判定した場合、計測処理からリターンして次のカウントダウン演出制御処理に進み、新曲発表演出の開始時間であると判定した場合、新曲発表フラグをONとして(S3105)、割込処理回数Nを0に戻すリセット処理を行い(S3106)、計測処理からリターンして次のカウントダウン演出制御処理に進む。新曲発表フラグは、新曲発表演出の開始時間になるとONとされ、新曲発表演出が開始されるときにOFFとされる。このように、画像音響制御基板23は、計測している経過時間が所定時間(ここでは1時間)に達すると、新曲発表フラグをONとして、後述するキャンセルが行われる場合を除き、一斉演出として新曲発表演出をメイン液晶表示装置60やスピーカ17に開始させる。
[カウントダウン演出制御処理]図27に示すように、カウントダウン演出制御処理では、画像音響制御基板23は、まず、カウントダウンフラグがONか否かを判定し(S3201)、ONでないと判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進み、ONと判定した場合、カウントダウン演出に係る設定情報をRAMにセットする処理が完了しているか否かを判定する(S3202)。そして、設定情報をRAMにセットする処理が完了していると判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進み、完了していないと判定した場合、例えば演出制御基板22からの特別遊技に係るコマンドの受信状況に基づいて、特別遊技中であるか否かを判定する(S3203)。
画像音響制御基板23は、ステップS3203で特別遊技中ではないと判定した場合、客待ち演出中であるか否かを、例えば、客待ち演出開始コマンドを受信した後であって、変動演出開始コマンドを受信する前であるか否かに基づいて、判定する(S3204)。客待ち演出中は、遊技球を用いた遊技に伴う変動演出や当たり演出が行われていない状態である。このため、遊技球を用いた遊技とは無関係なカウントダウン演出を行ったとしても、遊技の興趣を損なうおそれはないことから、画像音響制御基板23は、客待ち演出中であると判定した場合、カウントダウン演出を開始させるための設定情報をRAMにセットする(S3216)。なお、画像音響制御基板23は、複数の新曲について各新曲の発表日が格納された新曲テーブルを記憶しており、この新曲テーブルと、RAMに記憶されているRTC情報から特定される現在の日付とに基づいて、開始するカウントダウン演出に続く新曲発表演出において発表する新曲を特定し、その新曲に関連したカウントダウン演出の情報を設定情報に含める。カウントダウン演出を開始させるための設定情報がセットされると、この設定情報に基づいてディスプレイリストが作成されて所定の記憶領域にセットされ、このディスプレイリストに従ってメイン液晶表示装置60においてカウントダウン演出用の画像が表示される。また、それと共に、スピーカ17からは、カウントダウン演出用の音声が発せられる。すなわち、画像音響制御基板23は、カウントダウン演出の開始時間となったときに客待ち演出中である場合には、カウントダウン演出を直ちに開始させる。なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成され、メイン液晶表示装置60又はサブ液晶表示装置61は、ディスプレイリストにしたがって、画像を表示する。
一方、画像音響制御基板23は、ステップS3204において客待ち演出中ではないと判定した場合、例えば変動演出開始コマンドを受信してからの経過時間に基づいて、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S3205)。画像音響制御基板23は、特別図柄の変動表示中であると判定した場合、RAMに記憶されている発展時開始フラグ、禁止フラグ、及び、終了後開始フラグのいずれかのフラグがONにされているか否かに基づいて、フラグ設定処理が完了しているか否かを判定する(S3206)。これらのフラグは、カウントダウン演出の開始タイミングあるいはカウントダウン演出を行うか否かを示すフラグである。詳しくは、発展時開始フラグは、変動演出における演出の発展タイミングでカウントダウン演出を開始させるか否かを示すフラグであり、禁止フラグは、カウントダウン演出の実行を禁止するか否かを示すフラグであり、終了後開始フラグは、今回の(すなわち、現在実行中の)特別図柄の変動表示に伴う変動演出が終了した後に(具体的には、今回の変動演出が終了するタイミング、又は、次回の変動演出が開始されるタイミングで)カウントダウン演出を開始させるか否かを示すフラグである。
画像音響制御基板23は、フラグ設定処理が完了していないと判定した場合、今回の特別図柄の変動表示が終了するまでの残り時間を、例えば、演出制御基板22から受信した変動演出開始コマンドに基づいて特定した特別図柄の変動時間と、その変動演出開始コマンドを受信してからの経過時間とに基づいて、算出する(S3207)。そして、算出した残り時間と現在の時間とから、今回の特別図柄の変動表示に伴う変動演出が、新曲発表演出が開始されるよりも前に終了するか否かを判定する(S3208)。そして、新曲発表演出が開始されるよりも前に終了すると判定した場合、終了後開始フラグをONとする(S3209)。これにより、今回の変動演出が終了するタイミング、又は、次回の変動演出が開始されるタイミングでカウントダウン演出が開始されることになる。
一方、画像音響制御基板23は、ステップS3208で、今回の特別図柄の変動表示に伴う変動演出が、新曲発表演出が開始されるよりも前に終了しないと判定した場合、新曲発表演出が開始されるよりも前に変動演出における発展タイミング(例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展するといった発展タイミング)があるか否かを、演出制御基板22から受信した変動演出開始コマンドに基づいて、判定する(S3210)。そして、画像音響制御基板23は、新曲発表演出が開始されるよりも前に変動演出における発展タイミングがあると判定した場合、発展時開始フラグをONとし(S3211)、そのような発展タイミングがないと判定した場合、禁止フラグをONとする(S3212)。発展時開始フラグがONにされることにより、今回の特別図柄の変動表示に伴う変動演出において新曲発表演出が開始されるよりも前に存在する発展タイミングで、カウントダウン演出が開始されることになる。一方、かかる発展タイミングが存在しない場合には、禁止フラグがONにされることにより、カウントダウン演出が実行されないこととなる。
このように、カウントダウン演出の開始時間到来時に特別図柄の変動表示に伴う変動演出が行われている場合において、その変動演出がカウントダウン演出に続く新曲発表演出が開始する前に終了するときは、その変動演出が終了するタイミング(保留がない場合)若しくは次の特別図柄の変動表示に伴う変動演出が開始するタイミング(保留がある場合)でカウントダウン演出を開始し、その変動演出がカウントダウン演出に続く新曲発表演出が開始する前に終了しないときは、新曲発表演出の開始前にその変動演出が発展する発展タイミングがあれば、その発展タイミングでカウントダウン演出を開始し、そのような発展タイミングがなければカウントダウン演出を行わないことにより、カウントダウン演出が変動演出の興趣を損なってしまうことを抑制できる。
画像音響制御基板23は、ステップS3206でフラグ設定処理が完了していると判定した場合、及び、上記発展時開始フラグ、禁止フラグ、及び、終了後開始フラグのいずれかをONにする処理(S3209,S3211,S3212)を終えた場合、禁止フラグがONに設定されているか否かを判定する(S3213)。そして、禁止フラグがONに設定されていると判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進む。このように、禁止フラグがONに設定された場合には、ステップS3216のカウントダウン演出を開始させるための設定情報のセットが行われないので、カウントダウン演出が行われないこととなる。
一方、画像音響制御基板23は、ステップS3213で禁止フラグがONに設定されていないと判定した場合、発展時開始フラグがONに設定されているか否かを判定する(S3214)。そして、発展時開始フラグがONに設定されていないと判定した場合には、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進むが、発展時開始フラグがONに設定されていると判定した場合、今回の変動演出に係る変動演出開始コマンドの解析結果等に基づいて、発展タイミングになったか否かを判定する(S3215)。そして、発展タイミングになっていないと判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進むが、発展タイミングになったと判定した場合、上述したようにカウントダウン演出を開始させるための設定情報をRAMにセットする(S3216)。これにより、変動演出の発展タイミングで、カウントダウン演出が開始されることとなる。
カウントダウン演出の開始時間到来時に行われていた特別図柄の変動表示が終了した場合、あるいは、カウントダウン演出の開始時間到来時に特別図柄の変動表示は行われていないが客待ち演出も開始されていない場合には、以下のように処理が行われる。画像音響制御基板23は、ステップS3205で特別図柄の変動表示中ではないと判定する。次に、画像音響制御基板23は、終了後開始フラグがONに設定されているか否かを判定する(S3217)。そして、ONに設定されていないと判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進むが、ONに設定されていると判定した場合、例えば演出制御基板22からの保留表示コマンド及び変動演出開始コマンドの受信状況に基づいて、第1特別図柄判定の権利が保留されているか否かを判定する(S3218)。そして、保留されていないと判定した場合には、演出制御基板22から変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定し(S3219)、受信していないと判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進む。一方、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合、上述したようにカウントダウン演出を開始させるための設定情報をRAMにセットする(S3216)。これにより、今回の特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了タイミングで、カウントダウン演出が開始されることとなる。
一方、ステップS3218で第1特別図柄判定の権利が保留されていると判定した場合は、画像音響制御基板23は、演出制御基板22から変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3220)。そして、受信していないと判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進むが、受信したと判定した場合、上述したようにカウントダウン演出を開始させるための設定情報をRAMにセットする(S3216)。これにより、次の特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始タイミングで、カウントダウン演出が開始されることとなる。
カウントダウン演出の開始時間到来時に特別遊技中である場合には、次のように処理が行われる。画像音響制御基板23は、ステップS3203で特別遊技中であると判定する。次に、画像音響制御基板23は、図28に示すように、演出制御基板22から受信したコマンド(オープニング演出開始コマンド、ラウンド中演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、短当たり演出開始コマンド、短当たり演出終了コマンド等)に基づいて、長当たり遊技中であるか否かを判定する(S3221)。そして、長当たり遊技中であると判定した場合、最終ラウンドの開始前であるか否かを判定する(S3222)。
画像音響制御基板23は、ステップS3222で最終ラウンド開始前であると判定した場合、演出制御基板22からラウンド中演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3223)。そして、受信していないと判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進むが、受信したと判定した場合、上述したステップS3216と同様に、特定した新曲に関するカウントダウン演出を開始させるための設定情報をセットし(S3224)、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進む。長当たり遊技中は、ラウンドが開始される毎にラウンド中演出開始コマンドが演出制御基板22から送信されて、そのラウンド中演出開始コマンドに基づいてラウンド中演出が行われる。そして、ラウンド中演出は、その表示内容の少なくとも一部(例えば現在のラウンド数を示す表示)が、ラウンドによって切り替えられる。したがって、カウントダウン演出の開始時間到来が長当たり遊技中であって、最終ラウンド開始前である場合には、ラウンド中演出開始コマンドの受信によるラウンド中演出の切替タイミングで、カウントダウン演出が開始されることとなる。
一方、画像音響制御基板23は、ステップS3221で長当たり遊技中ではないと判定した場合、及び、ステップS3222で最終ラウンド開始前ではないと判定した場合、例えば短当たり演出終了コマンド又はエンディング演出開始コマンドを受信してからの経過時間に基づいて、短当たり遊技又は長当たり遊技のエンディングが終了したか否かを判定する(S3225)。そして、エンディングが終了していないと判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進むが、エンディングが終了したと判定した場合、カウントダウン演出を開始させるための設定情報をセットし(S3224)、カウントダウン演出制御処理からリターンして次の事前判定結果処理に進む。これにより、長当たり遊技中、最終ラウンド開始後にカウントダウン演出の開始時間が到来した場合には、ラウンド中演出の切替タイミングがないことから、長当たり遊技のエンディングが終了したタイミングで、カウントダウン演出を開始させることとなる。また、短当たり遊技中にカウントダウン演出の開始時間が到来した場合には、短当たり遊技に伴う短当たり演出はオープニング開始からエンディング終了まで一連のものであって、その途中に演出の切替タイミングが存在しないことから、短当たり遊技のエンディングが終了したタイミングで、カウントダウン演出が開始されることとなる。
[事前判定結果処理]図29に示すように、事前判定結果処理では、画像音響制御基板23は、事前判定結果記憶コマンドを受信したか否かを判定し(S4001)、受信していなければ、ステップS4003に進み、受信していれば、そのコマンドによって示される事前判定結果を所定の事前判定結果記憶領域に記憶して(S4002)、ステップS4003に進む。ステップS4003において画像音響制御基板23は、事前判定結果消去コマンドを受信したか否かを判定し(S4003)、受信していなければ、事前判定結果処理からリターンして次の手動演出キャンセル処理(S3004)に進み、受信していれば、記憶している事前判定結果を事前判定結果記憶領域から消去して(S4004)、事前判定結果処理からリターンして次の手動演出キャンセル処理(S3004)に進む。
[手動演出キャンセル処理]図30に示すように、画像音響制御基板23は、現在、新曲発表演出又はカウントダウン演出がキャンセル中(中止されている状態)であるか否かを、後述する手動キャンセルフラグ及び自動キャンセルフラグ(第1自動キャンセルフラグ及び第2自動キャンセルフラグ)を参照して、判定する(S3701)。そして、画像音響制御基板23は、キャンセル中であると判定した場合には、手動演出キャンセル処理からリターンして次の新曲発表演出開始処理に進むが、キャンセル中でないと判定した場合には、演出制御基板22からボタン操作コマンドを受信したか否かを判定する(S3702)。なお、本実施形態では、演出ボタン30の押下を、キャンセル操作及び復活操作とするが、後述するように、所定のキャンセル有効時間中でなければ、演出ボタン30を押下しても、キャンセルは受け付けられず、所定の復活有効時間中でなければ、演出ボタン30を押下しても、復活は受け付けられない。
画像音響制御基板23は、ステップS3702で、ボタン操作コマンドを受信していないと判定した場合には、手動演出キャンセル処理からリターンして次の新曲発表演出開始処理に進むが、ボタン操作コマンドを受信したと判定した場合には、キャンセル有効時間中であるか否かを判定する(S3703)。本実施形態では、キャンセル有効時間は、カウントダウン演出が実行される場合にはカウントダウン演出の途中から、カウントダウン演出が実行されない場合には新曲発表演出の途中から、所定時間が経過するまでとする。この所定時間は、キャンセル有効時間が新曲発表演出の終了より前に終了するように定められる(図43参照)。すなわち、キャンセル有効時間は、新曲発表演出毎に設けられ、カウントダウン演出が実行される場合にはカウントダウン演出の途中から新曲発表演出の途中まで、カウントダウン演出が実行されない場合には新曲発表演出の途中から新曲発表演出の途中までとされて、キャンセル操作がなされるとその新曲発表演出については終了する。また、特定リーチ演出中及び自動キャンセル中は、キャンセル有効時間としない。本実施形態では、特定リーチ演出とは、長当たりである大当たりへの期待度の高いリーチ演出であって、ハズレになる場合も長当たりである大当たりになる場合もあるものとする。後述するように、特定リーチ演出又は特定リーチ演出に続く大当たり演出の実行時間と、カウントダウン演出又は新曲発表演出の実行時間とが重なる場合には、カウントダウン演出又は新曲発表演出は行われない。このようにキャンセル操作によらず遊技機1がカウントダウン演出又は新曲発表演出の実行を中止することを、自動キャンセルといい、キャンセル操作によって遊技機1がカウントダウン演出又は新曲発表演出の実行を中止することを、手動キャンセルという。キャンセル有効時間中は、例えば「PUSHで公演中止」といったキャンセル可能である旨の表示が行われるが、この表示はキャンセルが受け付けられる(すなわち、キャンセル操作がキャンセル有効時間に行われる)と、キャンセル有効時間が終了するため表示されなくなる。
画像音響制御基板23は、ステップS3703で、キャンセル有効時間中でないと判定した場合には、手動演出キャンセル処理からリターンして次の新曲発表演出開始処理に進むが、キャンセル有効時間中であると判定した場合には、演出の中止を報知するための設定情報をセットし(S3704)、新曲発表演出中であれば(S3705でYES)、新曲発表演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報をセットし(S3706)、手動キャンセルフラグをONとする(S3708)。一方、新曲発表演出中でなければ(S3705でNO)、現在行っているカウントダウン演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報をセットし(S3707)、手動キャンセルフラグをONとして(S3708)、手動演出キャンセル処理を終了する。なお、中止された新曲発表演出やカウントダウン演出は、それらを実行するときに液晶画面60a及びスピーカ17への実際の出力を抑制する、あるいは、それらを表示している画面全体に重ねて通常演出を表示すること等により、遊技者には知覚できないように、いわば裏で実行が継続される。復活操作が行われたときに、速やかに演出手段において残りの部分を実行させるためである。
[新曲発表演出開始処理]図31に示すように、新曲発表演出開始処理では、画像音響制御基板23は、新曲発表フラグがONに設定されているか否かを判定する(S3301)。そして、ONに設定されていないと判定した場合、新曲発表演出開始処理からリターンして次の手動演出復活処理に進むが、ONに設定されていると判定した場合、カウントダウン演出に関する所定のフラグとして、カウントダウンフラグ、終了後開始フラグ、発展時開始フラグ、及び、第1自動キャンセルフラグを、OFFに設定する(S3302)。第1自動キャンセルフラグは、カウントダウン演出が自動キャンセルされているか否かを示すフラグである。次に、画像音響制御基板23は、RAMに記憶されているRTC情報に基づいて現在の日付を特定し(S3303)、上述した新曲テーブルに基づいて現在の日付に対応する新曲を選択し(S3304)、選択した新曲の新曲発表演出を実行するための設定情報をセットする(S3305)。そして、手動キャンセルフラグがONか否かを判定し(S3306)、ONであれば、新曲発表演出の実行を抑制するための設定情報をセットして(S3308)、新曲発表フラグをOFFに設定して(S3307)、新曲発表演出開始処理からリターンして次の手動演出復活処理に進む。
新曲発表演出を実行するための設定情報がセットされると、この設定情報に基づいてディスプレイリストが作成されて所定の記憶領域にセットされ、このディスプレイリストに従ってメイン液晶表示装置60において新曲発表演出用の画像が表示される。また、それと共に、スピーカ17からは、新曲発表演出用の音声が発せられる。すなわち、新曲発表演出の開始時間が到来すると、新曲発表演出が開始される。しかしながら、新曲発表演出の実行を抑制するための設定情報がセットされていると、手動演出キャンセル処理で説明したように、新曲発表演出は裏で実行され、遊技者には知覚されない。
なお、新曲発表演出中の所定時間は、延長有効時間とされており、後述するように、この延長有効時間中に演出ボタン30が押下(延長操作に相当)されると、新曲発表演出を延長するか否かの延長抽選を行い、延長抽選において当選すると、所定の延長条件が満たされたとして、新曲発表演出が延長される。したがって、延長有効時間中は、新曲発表演出用の画像に、例えば「PUSHで公演延長?」といった演出ボタン30の押下により公演延長があり得る旨を報知する表示がなされる(図43参照)。延長有効時間は、新曲発表演出毎に、キャンセル有効時間よりも後に設けられ、延長有効時間内に延長操作がなされると、その新曲発表演出についての延長有効時間は終了する。また、予定されていた新曲発表演出の時間内であっても、新曲発表演出のキャンセル中は、延長有効時間は設定されない。
[自動演出キャンセル処理]図32に示すように、自動演出キャンセル処理では、画像音響制御基板23は、手動キャンセルフラグに基づいて、手動キャンセル中か否かを判定し(S4201)、手動キャンセル中であると判定すれば、自動演出キャンセル処理からリターンする。自動演出キャンセル処理からリターンすると、画像音響制御基板23は、次の自動演出復活処理に進む。一方、手動キャンセル中でないと判定すれば、自動キャンセル条件に適合しているか否かを判定する(S4202)。自動キャンセル条件とは、現時点が、特定リーチ演出の開始タイミング、特定リーチ演出中、特定リーチ演出に続く大当たり演出の開始タイミング、特定リーチ演出に続く大当たり演出中のいずれかであることとする。
画像音響制御基板23は、自動キャンセル条件に適合していると判定した場合には、カウントダウン演出の開始タイミング、又は、カウントダウン演出中か否かを判定する(S4203)。そして、カウントダウン演出の開始タイミング、又は、カウントダウン演出中と判定すれば、カウントダウン演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報をセットする(S4204)。この設定情報がセットされると、カウントダウン演出は実行中であったとしても中止される(但し、遊技者に知覚不能に裏で実行は継続される)。ステップS4204の処理を行うと、画像音響制御基板23は、第1自動キャンセルフラグをONとして(S4205)、自動演出キャンセル処理からリターンする。
一方、カウントダウン演出の開始タイミング、又は、カウントダウン演出中のいずれでもないと判定すれば、新曲発表演出の開始タイミング、又は、新曲発表演出中か否かを判定する(S4206)。そして、新曲発表演出の開始タイミング、又は、新曲発表演出中と判定すれば、新曲発表演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報をセットする(S4207)。この設定情報がセットされると、新曲発表演出は実行中であったとしても中止される(但し、遊技者に知覚不能に裏で実行は継続される)。ステップS4207の処理を行うと、画像音響制御基板23は、第2自動キャンセルフラグをONとして(S4208) 、自動演出キャンセル処理からリターンする。一方、新曲発表演出の開始タイミング、又は、新曲発表演出中のいずれでもないと判定すれば、自動演出キャンセル処理からリターンする。
[自動演出復活処理]図33に示すように、自動演出復活処理では、画像音響制御基板23は、手動キャンセルフラグに基づいて、手動キャンセル中か否かを判定し(S4301)、手動キャンセル中であると判定すれば、自動演出復活処理からリターンする。自動演出復活処理からリターンすると、画像音響制御基板23は、次の手動演出復活処理に進む。一方、手動キャンセル中でないと判定すれば、自動キャンセルフラグに基づいて、自動キャンセル中か否かを判定する(S4302)。そして、自動キャンセル中でないと判定すれば、自動演出復活処理からリターンする。一方、自動キャンセル中であると判定すれば、自動復活条件に適合しているか否かを判定する(S4303)。自動復活条件とは、特定リーチ演出がハズレで終了したこと、又は、特定リーチ演出に続く大当たり演出が終了したことのいずれかとし、画像音響制御基板23は、演出制御基板22からのコマンドを監視することにより、適合しているか否かを判断する。
画像音響制御基板23は、自動復活条件に適合していないと判定すれば、自動演出復活処理からリターンし、適合していると判定すれば、第1自動キャンセルフラグがONか否かを判定する(S4304)。そして、ONと判定すれば、中止されているカウントダウン演出の残りの部分(すなわち、裏で実行されていたカウントダウン演出のこれから実行する部分)を実行するための設定情報をセットする(S4305)。この設定情報がセットされると、カウントダウン演出の残りの部分が液晶画面60aの上部領域で実行され、通常演出は液晶画面60aの下部領域で実行され、又は、縮小表示される。ステップS4305の処理を行うと、画像音響制御基板23は、第1自動キャンセルフラグをOFFとして(S4306)、自動演出復活処理からリターンする。一方、ONでないと判定すれば、中止されている新曲発表演出の残りの部分(すなわち、裏で実行されていた新曲発表演出のこれから実行する部分)を実行するための設定情報をセットする(S4307)。この設定情報がセットされると、新曲発表演出の残りの部分が液晶画面60aの上部領域で実行され、通常演出は液晶画面60aの下部領域で実行され、又は、縮小表示される。ステップS4307の処理を行うと、画像音響制御基板23は、第2自動キャンセルフラグをOFFとして(S4308)、自動演出復活処理からリターンする。
[手動演出復活処理]図34に示すように、手動演出復活処理では、画像音響制御基板23は、手動キャンセルフラグに基づいて、手動キャンセル中か否かを判定し(S3601)、手動キャンセル中でないと判定すれば、手動演出復活処理からリターンする。手動演出復活処理からリターンすると、画像音響制御基板23は、次の演出延長制御処理に進む。一方、手動キャンセル中であると判定すれば、ボタン操作コマンドを受信したか否かを判定する(S3602)。そして、ボタン操作コマンドを受信していないと判定すれば、手動演出復活処理からリターンするが、受信したと判定すれば、復活有効時間中か否かを判定する(S3603)。なお、復活有効時間は、キャンセルが受け付けられた時から所定時間が経過するまでとする。この所定時間の長さは、復活有効時間が、新曲発表演出の終了より前に終了するように、かつ、延長有効時間に重ならないように定められる(図43参照)。また、自動キャンセル条件に適合しているときは、復活有効時間としない。なお、復活有効時間の開始は、キャンセルが受け付けられた時以降であればよく、キャンセルが受け付けられた時と同時とする必要はない。復活有効時間中は、例えば「PUSHで公演見られるよ!」といった中止されている新曲発表演出を実行(復活)可能である旨の表示が行われるが、この表示は復活が受け付けられると表示されなくなる。すなわち、復活有効時間は、復活が受け付けられると、その新曲発表演出については終了する。
画像音響制御基板23は、復活有効時間中でないと判定した場合には、手動演出復活処理からリターンするが、復活有効時間中であると判定した場合には、中止されている新曲発表演出の開始時間前か否かを、計測処理において計測している時間により判定し(S3604)、開始時間前でない(すなわち、キャンセルがなかったとすれば新曲発表演出中である)と判定すれば、中止されている新曲発表演出の残りの部分を実行するための設定情報をセットし(S3605)、開始時間前である(すなわち、キャンセルがなかったとすればカウントダウン演出中である)と判定すれば、中止されているカウントダウン演出の残りの部分を実行するための設定情報をセットして(S3606)、手動キャンセルフラグをOFFとし(S3607)、手動演出復活処理からリターンする。新曲発表演出又はカウントダウン演出の残りの部分を実行するための設定情報がセットされると、画像音響制御基板23は、遊技者に知覚されないように内部で実行していた(すなわち、裏で走らせていた)新曲発表演出又はカウントダウン演出を、メイン液晶表示装置60及びスピーカ17において実行する。したがって、遊技者はこれらの演出の続きを見ることができる。
[演出延長制御処理]図35に示すように、画像音響制御基板23は、演出延長制御処理において、演出制御基板22から受信したボタン操作コマンドに基づいて、演出ボタンの操作の有無を判定する(S3501)。そして、演出ボタンの操作なしと判定した場合には、演出延長制御処理からリターンする。なお、演出延長制御処理からリターンすると、通常演出制御処理(S3010)に進む。一方、演出ボタンの操作ありと判定した場合、その操作が延長有効時間中の操作であるか否かを判定する(S3502)。そして、延長有効時間中でないと判定した場合には、演出延長制御処理からリターンするが、延長有効時間中であると判定した場合には、後述する延長抽選処理を行う(S3504)。そして、当たりである場合(すなわち、延長するとの抽選結果である場合)(S3505でYES)、メイン液晶表示装置60において延長する旨を報知するための設定情報をセットし(S3506)、新曲発表演出を延長するための設定情報をセットして(S3507)、演出延長制御処理からリターンする。一方、当たりでない場合(S3505でNO)、メイン液晶表示装置60において延長しない旨を報知するための設定情報をセットして(S3508)、演出延長制御処理からリターンする。
[延長抽選処理]図36に示すように、延長抽選処理においては、画像音響制御基板23は、抽選用乱数を取得する(S4101)。具体的には、画像音響制御基板23では、タイマ割込処理の周期よりも短い所定周期で乱数を更新する乱数更新処理が行われており、画像音響制御基板23は、現時点での乱数を、抽選用乱数として取得する。次に、画像音響制御基板23は、記憶されている事前判定結果に大当たりがあるか否かを判定し(S4102)、大当たりがある場合には、高当選率テーブルを用いて抽選を行い(S4103)、大当たりがない場合には、低当選率テーブルを用いて抽選を行う(S4104)。なお、高当選率テーブル及び低当選率テーブルには、当たりとなる乱数が格納されており、前者は後者よりも高確率で当たりとなるように構成されている。したがって、保留されている権利に事前判定で大当たりと判定されたものがある場合には、そうでない場合よりも、延長され易いこととなる。
[通常演出制御処理]図37に示すように、通常演出制御処理では、画像音響制御基板23は、まず、演出制御基板22から客待ち演出開始コマンドを受信したか否かを判定し(S3402)、受信したと判定した場合、所定の客待ち演出画像の表示を開始させるための設定情報をセットして(S3404)、ステップS3405に進む。ただし、画像音響制御基板23が客待ち演出開始コマンドを受信したタイミングでカウントダウン演出又は新曲発表演出が実行されている場合には、新曲発表演出が終了してから所定の客待ち演出画像の表示を開始させるための設定情報をセットする。また、ステップS3402で客待ち演出開始コマンドを受信していないと判定した場合も、ステップS3405に進む。
ステップS3405では、画像音響制御基板23は、演出制御基板22から保留表示コマンドを受信したか否かを判定する。本実施形態における通常演出は、カウントダウン演出や新曲発表演出が行われていないときには液晶画面60aの全体領域で行われ、これらの演出が行われているときには液晶画面60aの下部領域を含む一部領域を用いて行われる。このため、第1特別図柄判定の権利が保留されていることを示す保留表示画像も、これらの演出が行われていないときには液晶画面60aの全体領域に表示し、これらの演出が行われているときには液晶画面60aの下部領域に表示する。また、特別遊技中は特別図柄判定が行われないため、保留表示画像は表示しないこととする。
したがって、画像音響制御基板23は、ステップS3405で、受信したコマンドが保留表示コマンドであると判定した場合、カウントダウン演出中であるか否かを判定し(S3406)、カウントダウン演出中でないと判定した場合、新曲発表演出中であるか否かを判定し(S3407)、新曲発表演出中でないと判定した場合、全体領域に保留表示画像を追加表示するための設定情報をRAMにセットする(S3408)。一方、ステップS3406で、カウントダウン演出中であると判定した場合、又は、ステップS3407で新曲発表演出の実行中であると判定した場合、特別遊技中であるか否かを判定する(S3409)。そして、特別遊技中でないと判定した場合、下部領域に保留表示画像を追加表示するための設定情報をRAMにセットするが(S3410)、特別遊技中であると判定した場合は、かかるセットを行わない。なお、画像音響制御基板23は、表示しようとする保留の事前判定結果を参照して、当たりやリーチ演出付きハズレとなる場合にはそうでない場合とは異なる色にする等、保留されている権利の事前判定結果に応じた保留表示画像をメイン液晶表示装置60に表示させる。
次に、画像音響制御基板23は、演出制御基板22から変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定し(S3411)、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合、選択用乱数を取得する(S3412)。そして、変動演出を液晶画面60aの全体領域で実行するためのメインテーブルをRAMにセットして、選択用乱数を用いて、全体領域で変動演出を行う場合の表示内容を決定する(S3413)。また、変動演出を液晶画面60aの下部領域で実行するためのドット演出用テーブルをRAMにセットして、選択用乱数を用いて、下部領域で変動演出を行う場合の表示内容を決定する(S3414)。次に、画像音響制御基板23は、自動キャンセル条件(ここでは、上述した自動キャンセル条件のうち、現時点が特定リーチ演出の開始タイミングであるという条件)に適合しているか、又は、手動キャンセル中か否かを判定する(S3415)。そして、自動キャンセル条件に適合、又は、手動キャンセル中と判定した場合には、カウントダウン演出又は新曲発表演出は中止されるか、又は、既に中止中であるため、メインテーブルで決定した内容の通常演出画像(通常演出の画像)の表示を全体領域で行うための設定情報をRAMにセットする(S3417)。なお、この設定情報には、ドット演出用テーブルで決定した内容の通常演出を裏で実行させておくための設定情報を含むものとする。一方、自動キャンセル条件に適合してなく、手動キャンセル中でもないと判定した場合には、カウントダウン演出中又は新曲発表演出中であるか否かを判定する(S3416)。なお、カウントダウン演出又は新曲発表演出の開始タイミングであるときも、ステップS3416でYESと判定する。そして、ステップS3416でNOと判定した場合には、ステップS3417の処理を行うが、ステップS3416でYESと判定した場合には、ドット演出用テーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を下部領域で行うための設定情報をRAMにセットする(S3418)。なお、この設定情報には、メインテーブルで決定した内容の通常演出を遊技者に知覚不能に裏で実行させておくための設定情報を含むものとする。
これらの設定情報に基づいて生成されたディスプレイリストがセットされることにより、メイン液晶表示装置60において、開始しようとする変動演出が特定リーチ演出であるとき、又は、カウントダウン演出や新曲発表演出が行われていないときには、液晶画面60aの全体領域で、開始しようとする変動演出が特定リーチ演出でないときであって、カウントダウン演出や新曲発表演出が行われているときには、液晶画面60aの一部領域で、通常演出(ここでは、変動演出)が開始される。
画像音響制御基板23は、ステップS3411で変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3417若しくはステップS3418の処理を実行した場合、図38に示すように、変動演出における発展タイミングでカウントダウン演出を開始させるか否かを示す発展時開始フラグがONに設定されているか否かを判定する(S3420)。そして、ONに設定されていると判定した場合、現時点が発展タイミングであるか否かを判定し(S3421)、発展タイミングであると判定した場合、自動キャンセル条件(ここでは、上述した自動キャンセル条件のうち、現時点が特定リーチ演出中であるという条件)に適合しているか、又は、手動キャンセル中か否かを判定する(S3421-1)。画像音響制御基板23は、ステップS3421-1でNO、すなわち、現時点が特定リーチ演出中でなく、手動キャンセル中でもないと判定した場合には、通常演出の全画面表示(全体領域での表示)を縮小表示に切り替えるための設定情報をRAMにセットする(S3422)。なお、縮小表示とは、液晶画面60aの上部領域において、カウントダウン演出画像や新曲発表演出画像に重畳させて、それらの画像よりも小さい表示領域でなされる表示である。この設定情報のセットにより、変動演出の発展タイミングで、通常演出が、その発展タイミングで表示されるカウントダウン演出画像に重畳されて、液晶画面60aの上部領域で縮小表示されるとともに、下部領域における通常演出のドット表示が開始される。変動演出の発展は、遊技者にとって大当たりへの期待を生じさせるものであるため、液晶画面60aの下部領域におけるドット表示のみならず、上部領域で縮小表示することにより、遊技者の注意を喚起するためである。
画像音響制御基板23は、ステップS3420で発展時開始フラグがONでないと判定した場合、ステップS3421で発展タイミングでないと判定した場合、ステップS3421-1で自動キャンセル条件に適合又は手動キャンセル中と判定した場合、又は、ステップS3422の処理を実行した場合、例えば新曲発表フラグがONに設定されたか否かに基づいて、新曲発表演出の開始タイミングであるか否かを判定する(S3423)。なお、新曲発表演出が中止(キャンセル)されている場合には、新曲発表演出の開始タイミングでないと判定する。そして、新曲発表演出の開始タイミングであると判定した場合、カウントダウン演出の実行を禁止するか否かを示す禁止フラグがONに設定されているか否かを判定し(S3424)、ONに設定されていると判定した場合、禁止フラグをOFFに設定して(S3424-1)、自動キャンセル条件に適合しているか、又は、手動キャンセル中か否かを判定する(S3424-2)。画像音響制御基板23は、自動キャンセル条件に適合してなく、手動キャンセル中でもないと判定した場合には、通常演出の全画面表示を縮小表示に切り替えるための設定情報をRAMにセットする(S3425)。これにより、カウントダウン演出は行われずに、新曲発表演出の開始と同時に通常演出が縮小表示及びドット表示に切り替えられることになる。
画像音響制御基板23は、ステップS3423で新曲発表演出開始タイミングでないと判定した場合、ステップS3424で禁止フラグがONでないと判定した場合、ステップS3424-2で自動キャンセル条件に適合又は手動キャンセル中と判定した場合、又は、ステップS3425の処理を実行した場合、演出制御基板22から変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(S3426)。そして、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合、メイン液晶表示装置60及びスピーカ17に実行させている通常演出を終了させる通常演出終了処理を行う(S3427)。次に、画像音響制御基板23は、終了後開始フラグがONに設定されているか否かを判定し(S3428)、ONに設定されていると判定した場合、ステップS3429に進む。また、ONに設定されていないと判定した場合、自動復活条件(ここでは、上述した自動復活条件のうち、特定リーチ演出がハズレで終了したという条件)に適合し、かつ、カウントダウン演出又は新曲発表演出が中止中(キャンセル中)であってその残りの部分があるか否かを判定する(S3428-1)。この判定は、特定リーチ演出がハズレで終了したことにより、中止されていたカウントダウン演出又は新曲発表演出を遊技者に知覚可能に実行(自動復活)すべきか否かを決めるためのものである。画像音響制御基板23は、ステップS3428-1でYESと判定すれば、ステップS3429に進む。
ステップS3429では、画像音響制御基板23は、第1特別図柄判定の権利が保留されているか否かを判定する。そして、第1特別図柄判定の権利が保留されていないと判定した場合、自動キャンセル条件(ここでは、特定リーチ演出が大当たりで終了したという条件、すなわち、上述した自動キャンセル条件のうち、特定リーチ演出に続く大当たり演出の開始タイミングであるという条件)に適合するか又は手動キャンセル中か否かを判定して(S3429-1)、自動キャンセル条件に適合せず、手動キャンセル中でもなければ、液晶画面60aの下部領域に停止状態の装飾図柄を含む通常演出をドット表示するための設定情報をRAMにセットする(S3430)。これにより、第1特別図柄判定の権利が保留されていない場合には、現在実行中の特別図柄の変動表示の次の特別図柄の変動表示が直ちに開始されないので、現在実行中の特別図柄の変動表示が終了(特定リーチ演出の場合にはハズレで終了)するタイミングで、カウントダウン演出が開始されるとともに、液晶画面60aの下部領域に停止表示状態の装飾図柄を含む通常演出がドット表示されることとなる。また、特定リーチ演出によりカウントダウン演出又は新曲発表演出が中止されていた場合には、特定リーチ演出がハズレで終了するタイミングで、カウントダウン演出又は新曲発表演出の残りの部分の実行が開始されるとともに、液晶画面60aの下部領域に停止表示状態の装飾図柄を含む通常演出がドット表示されることとなる。
画像音響制御基板23は、ステップS3426でNOと判定した場合、ステップS3428-1でNOと判定した場合、ステップS3429でYESと判定した場合、ステップS3429-1でYESと判定した場合、又は、ステップS3430の処理を実行した場合、長当たり遊技に係る当たり演出に関して、以下の処理を実行する。
図39に示すように、画像音響制御基板23は、演出制御基板22からオープニング演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3431)。そして、オープニング演出開始コマンドを受信したと判定した場合、オープニング演出画像を選択し(S3432)、次に、カウントダウン演出の実行中であるか否かを判定する(S3433)。画像音響制御基板23は、カウントダウン演出の実行中ではないと判定した場合、新曲発表演出の実行中であるか否かを判定する(S3434)。なお、新曲発表演出やカウントダウン演出を遊技者が知覚できないように裏で実行している場合(すなわち、キャンセル中)は、実行中としない。そして、新曲発表演出の実行中ではないと判定した場合、オープニング演出画像の全画面表示を開始するための設定情報をRAMにセットする(S3435)。一方、ステップS3433でカウントダウン演出の実行中であると判定した場合、又は、ステップS3434で新曲発表演出の実行中であると判定した場合、自動キャンセル条件(ここでは、上述した自動キャンセル条件のうち、特定リーチ演出に続く大当たり演出の開始タイミングであるという条件)に適合しているか否かを判定する(S3434-1)。そして、適合していないと判定した場合には、オープニング演出画像の縮小表示を開始するための設定情報をRAMにセットするが(S3436)、適合していると判定した場合には、ステップS3435の処理を行う。
画像音響制御基板23は、ステップS3431でオープニングコマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3435若しくはステップS3436の処理を実行した場合、演出制御基板22から長当たり遊技に係るラウンド中演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3437)。そして、ラウンド中演出開始コマンドを受信したと判定した場合、カウントダウン演出中でも新曲発表演出中でもなければ(S3437-1でNOかつS3437-2でNO)、ラウンド数に応じたラウンド中演出画像を全画面表示するための設定情報をRAMにセットし(S3438)、カウントダウン演出中又は新曲発表演出中であれば(S3437-1でYES又はS3437-2でYES)、ラウンド数に応じたラウンド中演出画像を縮小表示するための設定情報をRAMにセットする(S3438-1)。なお、特定リーチ演出に続く大当たり演出中のラウンドであるときは、カウントダウン演出や新曲発表演出はキャンセルされているので、カウントダウン演出中でも新曲発表演出中でもないと判定される。
画像音響制御基板23は、ステップS3437でラウンド中演出開始コマンドではないと判定した場合、又は、ステップS3438若しくはステップS3438-1の処理を実行した場合、演出制御基板22から長当たり遊技に係るエンディング演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3439)。そして、エンディング演出開始コマンドを受信したと判定した場合、カウントダウン演出中でも新曲発表演出中でもなければ(S3439-1でNOかつS3439-2でNO)、エンディング演出画像の全画面表示を開始するための設定情報をRAMにセットし(S3440)、カウントダウン演出中又は新曲発表演出中であれば(S3439-1でYES又はS3439-2でYES)、エンディング演出画像の縮小表示を開始するための設定情報をRAMにセットする(S3440-1)。なお、特定リーチ演出に続く大当たり演出のエンディングであるときは、カウントダウン演出や新曲発表演出はキャンセルされているので、カウントダウン演出中でも新曲発表演出中でもないと判定される。
画像音響制御基板23は、ステップS3439でエンディング演出開始コマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3440若しくはステップS3440-1の処理を実行した場合、短当たり遊技に係る当たり演出に関して、図40に示すように、処理を実行する。すなわち、画像音響制御基板23は、演出制御基板22から短当たり演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3441)。そして、短当たり演出開始コマンドを受信したと判定した場合、短当たり演出画像を選択する(S3442)。次に、画像音響制御基板23は、カウントダウン演出の実行中であるか否かを判定し(S3443)、カウントダウン演出の実行中ではないと判定した場合、新曲発表演出の実行中であるか否かを判定して(S3444)、新曲発表演出の実行中ではないと判定した場合、選択した短当たり演出画像の全画面表示を開始するための設定情報をRAMにセットする(S3445)。一方、ステップS3443でカウントダウン演出の実行中であると判定した場合、又は、ステップS3444で新曲発表演出の実行中であると判定した場合、選択した短当たり演出画像の縮小表示を開始するための設定情報をRAMにセットする(S3446)。なお、本実施形態では、特定リーチ演出から大当たりになったときは短当たりではないものとする。
次に、画像音響制御基板23は、ステップS3441で短当たり演出開始コマンドではないと判定した場合、又は、ステップS3445若しくはS3446の処理を実行した場合、演出制御基板22から短当たり演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(S3447)。そして、短当たり演出終了コマンドを受信したと判定した場合、実行中の短当たり演出を終了させる(S3448)。画像音響制御基板23は、ステップS3447で短当たり演出終了コマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3448の処理を行った場合、通常演出制御処理からリターンして、次の新曲発表演出終了処理(S3011)に進む。
[新曲発表演出終了処理]図41に示すように、新曲発表演出終了処理では、画像音響制御基板23は、例えば新曲発表演出の開始時間(キャンセルされている場合には、キャンセルされなかったとしたときの開始時間)からの経過時間がその新曲発表演出に要する時間に達したか否かに基づいて、新曲発表演出(キャンセル中のものも含む。)が終了したか否かを判定する(S3800)。そして、終了していないと判定した場合、新曲発表演出終了処理からリターンする。新曲発表演出終了処理からリターンすると、画像音響制御基板23は、画像制御基板タイマ割込処理の次のステップS3012の画像出力制御処理に処理を進める。一方、ステップS3800において新曲発表演出が終了したと判定した場合、手動キャンセルフラグ及び第2自動キャンセルフラグに基づいて、終了した新曲発表演出がキャンセル中であったか否かを判定する(S3801)。そして、キャンセル中であった場合、手動キャンセルフラグ及び第2自動キャンセルフラグをOFFとして(S3810)、新曲発表演出終了処理からリターンする。一方、キャンセル中でなかった場合、通常演出を全画面表示(通常画面態様)に戻すための設定情報をセットする終了処理が完了しているか否かを判定する(S3802)。そして、終了処理が完了していると判定した場合には、新曲発表演出終了処理からリターンする。一方、終了処理が完了していないと判定した場合、例えば演出制御基板22から客待ち演出開始コマンドを受信した後に変動演出開始コマンドを受信したか否かに基づいて、客待ち状態であるか否かを判定する(S3803)。そして、客待ち状態であると判定した場合、通常画面態様に戻すための設定情報をRAMにセットして(S8604)、新曲発表演出終了処理からリターンする。
また、画像音響制御基板23は、ステップS3803で客待ち状態ではないと判定した場合、例えば演出制御基板22からの特別遊技に係るコマンドの受信状況などに基づいて、長当たり遊技中であるか否かを判定する(S3805)。そして、長当たり遊技中ではないと判定した場合、開始コマンドとして変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3806)。そして、受信していないと判定した場合、新曲発表演出終了処理からリターンするが、受信したと判定した場合、通常画面態様に戻すための設定情報をRAMにセットして(S3807)、新曲発表演出終了処理からリターンする。
また、画像音響制御基板23は、ステップS3805で長当たり遊技中であると判定した場合、演出制御基板22から最終ラウンドのラウンド中演出開始コマンドを受信したか否かに基づいて、最終ラウンド開始前か否かを判定する(S3808)。そして、最終ラウンド開始前であると判定した場合、開始コマンドとしてラウンド中演出開始コマンドを受信したか否かを判定し(S3806)、受信したと判断した場合には、上記ステップS3807の処理を行って、新曲発表演出終了処理からリターンし、最終ラウンド開始前ではないと判定した場合、例えばエンディング演出開始コマンドを受信してからの経過時間に基づいて、エンディング演出が終了したか否かを判定する(S3809)。そして、エンディング演出が終了していないと判定した場合、新曲発表演出終了処理からリターンし、エンディング演出が終了したと判定した場合、上記ステップS3807の処理を行って、新曲発表演出終了処理からリターンする。
上記のようなタイミングで通常画面態様に戻すための設定情報をセットすることにより、新曲発表演出が終了したときに客待ち状態である場合には直ちに通常画面態様に戻され、新曲発表演出が終了したときに客待ち状態ではなく特別遊技中でもない場合には、例えば変動演出開始コマンドの受信に応じて変動演出が開始されるタイミングで、通常画面態様に戻されることになる。また、新曲発表演出が終了したときに特別遊技中である場合には、最終ラウンド開始前であれば、次のラウンドが開始されるタイミングで通常画面態様に戻され、最終ラウンド開始前でなければ、エンディング演出が終了したタイミングで通常画面態様に戻されることとなる。
[画像出力制御処理]図42に示すように、画像出力制御処理では、画像音響制御基板23は、RAMにメイン液晶表示装置60で表示される演出画像に関する設定情報がセット(記憶)されているか否かを判定する(S3901)。画像音響制御基板23は、ステップS3901で設定情報が記憶されていると判定した場合、記憶されている設定情報に基づいて、メイン液晶用のディスプレイリストを作成する(S3902)。そして、作成したディスプレイリストを所定の記憶領域にセットする(S3903)。一方、画像音響制御基板23は、ステップS3901で設定情報が記憶されていないと判定した場合、又は、ステップS3903の処理を実行した場合、ステップS3904に進み、RAMにサブ液晶表示装置61に関する設定情報が記憶されているか否かを判定する。そして、設定情報が記憶されていると判定した場合には、サブ液晶用のディスプレイリストを作成し(S3905)、作成したディスプレイリストを所定の記憶領域にセットする(S3906)。画像音響制御基板23は、ステップS3904で設定情報が記憶されていないと判定した場合、又は、ステップS3906の処理を実行した場合、画像出力制御処理からリターンして、画像音響制御基板タイマ割込処理における次のステップS3013の音声出力制御処理に進む。
[音声出力制御処理]音声出力制御処理(S3013)は、図示しないが、画像音響制御基板23が、画像出力制御処理に応じてメイン液晶表示装置60によって表示される演出画像と同期させて、スピーカ17から音声を出力する処理である。なお、通常演出が全画面表示される場合には、通常演出の表示に同期させて通常演出に関する音声を出力する。また、通常演出が下部領域にドット表示される場合には、上部領域を用いて行われるカウントダウン演出又は新曲発表演出に関する音声を優先的に出力するが、通常演出が下部領域にドット表示されると共に上部領域に縮小表示される場合であって、その通常演出に係る変動演出が大当たりとなる期待度が高いものである場合(例えば、リーチ以上である場合)には、通常演出に関する音声を、上部領域を用いて行われるカウントダウン演出又は新曲発表演出に関する音声と重ねて出力する。但し、前者の音声の音量は、後者の音声の音量よりも小さくするものとする。一方、通常演出が下部領域にドット表示されると共に上部領域に縮小表示される場合であっても、大当たりとなる期待度が低い場合には、通常演出に関する音声は出力しないものとする。また、キャンセル中のカウントダウン演出及び新曲発表演出に関する音声も出力しないものとする。画像音響制御基板23は、かかる音声出力処理からリターンすると、画像音響制御基板タイマ割込処理における次のステップS3012のデータ送信制御処理に進む。
[データ送信制御処理]データ送信制御処理(S3014)は、図示しないが、画像音響制御基板23が画像音響制御に関するデータを演出制御基板22に送信する処理であり、演出制御基板22は、そのデータをランプ制御基板24に送信する。これにより、ランプ制御基板24は、メイン液晶表示装置60、サブ液晶表示装置61、及び、スピーカ17による演出と同期させて、枠ランプ18、盤ランプ19、及び、可動役物装置16に演出を実行させる。
次に、図43〜図51に示す遊技機1における演出の流れの例について説明する。なお、これらの図においては、カウントダウン演出又は新曲発表演出時に液晶画面60aの下部領域において行われる通常演出を、適宜省略している。図43〜図51に示す例では、変動演出はいずれも特定リーチ演出ではなく、したがって、カウントダウン演出及び新曲発表演出は自動キャンセルされないものとする。
〈図43に示す例〉
図43は、キャンセル操作も延長操作もなされなかった例(すなわち、通常通りカウントダウン演出と新曲発表演出が行われた例)を示す。なお、キャンセル操作がなされなかったことから、復活操作もされていない。図43に示すように、キャンセル有効時間は、カウントダウン演出の実際の開始時間以降の時間に開始し、新曲発表演出の途中の時間に終了する。また、復活有効時間は、キャンセルが受け付けられた時以降の時間に開始し、新曲発表演出の途中の時間に終了する。なお、図43の例ではキャンセル有効時間中にキャンセル操作が行われなかったため、復活有効時間は設定されない。また、延長有効時間は、新曲発表演出が実行されている場合において新曲発表演出の途中の時間から開始し、新曲発表演出の終了時以前の時間に終了する。なお、例えば、キャンセル有効時間及び復活有効時間は新曲発表演出の前半までとし、延長有効時間は新曲発表演出の後半からとすること等により、延長有効時間は、新曲発表演出の実行時間中において、キャンセル有効時間と復活有効時間のいずれとも重ならないように、それらの後に設けられる。
図43の例では、画像音響制御基板23は、まず、通常演出制御処理(図37参照)において変動演出開始コマンドを受信したと判定し(S3411でYES)、ステップS3412〜S3414の処理を行う。そして、ここでは、開始しようとする変動演出が特定リーチ演出ではないので、自動キャンセル条件に適合せず、手動キャンセル中でもない(S3415でNO)と判定し、カウントダウン演出中でも新曲発表演出中でもないため、ステップS3416でNOと判定して、メインテーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を全体領域で行うための設定情報をセットしている(S3417)。したがって、図43(A)に示すように、液晶画面60aの全体領域において変動演出が行われる。
そして、画像音響制御基板23は、計測処理(図26参照)において、カウントダウン演出開始時間になると(S3102でYES)、カウントダウンフラグをONとし(S3103)、カウントダウン演出制御処理(図27参照)において、ステップS3201でYES、ステップS3202〜S3204でNO、S3205でYES、ステップS3206でNOと判定し、変動終了までの残り時間を算出する(S3207)。図43の例では、新曲発表演出までに特別図柄変動が終了する(すなわち、変動演出が終了する)ものとし、ステップS3208でYESと判定して、終了後開始フラグをONとする(S3209)。したがって、画像音響制御基板23は、その後に実行するカウントダウン演出制御処理において、特別図柄の変動が終了したと判定したとき(ステップS3205でNO)、ステップS3217でYESと判定する。そして、図43の例では、ステップS3218で保留なしと判定するものとし、変動演出終了コマンドを受信していることから(S3219でYES)、カウントダウン演出を開始させるための設定情報をセットする(S3216)。したがって、図43(B)に示すように変動演出が終了したタイミングで、図43(C)に示すように、カウントダウン演出が開始される。なお、カウントダウン演出は、液晶画面60aの上部領域に大きく表示され、停止表示されている装飾図柄「578」は、液晶画面60aの下部領域にドット表示される(図38のステップS3426〜S3430参照)。また、キャンセル有効時間中は、「PUSHで公演中止」と、新曲発表演出を中止できる旨が表示される。
次に、画像音響制御基板23は、計測処理(図26参照)において、新曲発表演出開始時間になると(S3104でYES)、新曲発表フラグをONとし(S3105)、新曲発表演出開始処理(図31参照)において、ステップS3301でYESと判定して、ステップS3302,S3303,S3304と進み、選択した新曲の新曲発表演出を実行するための設定情報をセットして(S3305)、手動キャンセルフラグはOFFであることから(S3306でNO)、ステップS3308の処理を行わず、新曲発表フラグをOFFとする(S3307)。したがって、新曲発表演出開始時間になると、図43(D)に示すように、新曲発表演出が開始される。なお、新曲発表演出は、液晶画面60aの上部領域に大きく表示され、新曲発表演出中に、第1始動口5aまたは第2始動口5bに遊技球が入球すると、液晶画面60aの下部領域においてドット表示で図柄変動が行われる(図37のステップS3411〜S3418参照)。そして、キャンセル有効時間が終了すると、「PUSHで公演中止」の表示が終了し、延長有効時間になると、図43(E)に示すように、「PUSHで公演延長?」の表示がなされることとなる。なお、カウントダウン演出中及び新曲発表演出中は、通常演出(変動演出、当たり演出、又は、客待ち演出)は、液晶画面60aの下部領域を用いて行われるが、特に変動演出における発展演出や当たり演出等、遊技者の注意を促したい演出である場合には、液晶画面60a上部領域の一部においてカウントダウン演出や新曲発表演出に重ねて行われる。
延長有効時間が終了すると、「PUSHで公演延長?」の表示は終了する。図43の例では、延長有効時間中に演出ボタン30の押下がなされなかったため、演出延長制御処理(図35参照)において新曲発表演出を延長するための設定情報はセットされない。したがって、新曲発表演出開始処理(図31参照)のステップS3305でセットされた新曲発表演出を実行するための設定情報に基づくディスプレイリスト(図42のステップS3903参照)の実行が終了すると、新曲発表演出は終了する。図43の例では、画像音響制御基板23は、新曲発表演出終了処理(図41参照)において、ステップS3800でYES、ステップS3801,S3802,S3803,S3805でいずれもNOと判定し、保留に基づく次の変動演出開始コマンドを受信したときに(S3806でYES)、通常画面態様(全画面表示)に戻すための設定情報をセットする(S3807)。したがって、変動演出の開始タイミングで、図43(F)に示すように、通常画面態様に戻されて、変動演出が行われる。
〈図44に示す例〉
図44は、新曲発表演出中に記憶されている保留の中に大当たりと事前判定されたものがあり、その新曲発表演出中に延長操作がなされた例である。なお、図中、符号H2で示す黒丸は、大当たりと事前判定された保留を示し、符号H1,H3で示す白丸は、大当たりではないと事前判定された保留を示す。この例では、まず、最先の保留H1に対する図柄変動(変動演出)が液晶画面60aの下部領域で行われ、その間に新曲発表演出開始時間が到来したため、図44(A)に示すように、新曲発表演出が開始している。また、図柄変動が行われた保留は、液晶画面60aからその画像が消去される。新曲発表演出の開始時、3個の保留が存在し、その内の2番目の保留が大当たりと事前判定されている。次に、延長有効時間が到来したため、図44(B)に示すように、延長可能である旨の表示がなされる。また、新曲発表演出開始より前に開始されていた図柄変動が終了したため、次の保留H1に対する図柄変動が開始される。図44の例では、延長有効時間中に延長操作がなされ、延長抽選処理(図36参照)において、記憶されている事前判定結果(すなわち、保留H1、H2、H3の事前判定結果)の中に大当たりがあるとして、高当選率テーブルを用いて抽選を行い、当りの結果(延長するとの結果)を得たため、延長前の新曲発表演出終了時間が到来しても、新曲発表演出は終了せず、図44(C)に示すように、引き続き延長分の新曲発表演出が行われる。そして、延長分の新曲発表演出中に、大当たりと事前判定された保留H2に対する図柄変動が行われて、大当たりが発生して、大当たり遊技が行われ(図44(D)参照)、延長分の新曲発表演出が終了すると、図44(E)に示すように、通常演出が全画面表示され、大当り遊技が終了すると、残りの保留H3に対する図柄変動が開始される(図44(F)参照)。
このように、図44に示す例では、新曲発表演出中に記憶されている又は記憶されていた保留(具体的には、判定用情報)の中に大当たりと事前判定されたものがあり、その新曲発表演出における延長有効時間中に延長操作がなされ、その操作により行われる延長抽選において延長するとの抽選結果を得たため、新曲発表演出が延長されている。なお、「新曲発表演出中に記憶されている又は記憶されていた保留」とは「新曲発表演出中のいずれかの時において記憶されている又は記憶されていた保留」という意であり、その保留を記憶したタイミングは、新曲発表演出の前でも新曲発表演出中でもよい。また、「新曲発表演出中に記憶されていた保留」を含めるのは、新曲発表演出中にその保留に対する図柄変動が開始され、延長するか否かの決定時には既に判定用情報が消去されているものも含めるためである。なお、新曲発表演出前にその保留に対する図柄変動が開始されて判定用情報が消去されたものは、「新曲発表演出中に記憶されている又は記憶されていた保留」には該当しない。
〈図45,46に示す例〉
図45,46は、カウントダウン演出においてキャンセル有効時間中に演出ボタン30の押下がなされ、その後、復活有効時間中に演出ボタン30の押下がなされ、さらにその後、延長有効時間中に演出ボタン30の押下がなされることにより延長抽選が行われた例を示す。
図45(a)に示すように、カウントダウン演出が開始されて、キャンセル有効時間が開始すると、画像音響制御基板23は、「PUSHで公演中止」の表示を行う。この表示がなされている間にキャンセル操作がなされると、画像音響制御基板23は、手動演出キャンセル処理(図30参照)のステップS3701でNO、ステップS3702,S3703でYESと判定し、演出の中止を報知するための設定情報をセットする(S3704)。そして、カウントダウン演出中であるため、ステップS3705でNOと判定して、カウントダウン演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報をセットし(S3707)、キャンセル中であることを示す手動キャンセルフラグをONとする(S3708)。したがって、図45(b)に示すように、カウントダウン演出が中止されて「公演は中止されました」との報知がなされる。また、画像音響制御基板23は、通常演出制御処理(図37参照)において、変動演出開始コマンドを受信した場合(S3411でYES)、ステップS3412〜S3414の処理を行った後、手動キャンセル中と判定し(S3415でYES)、メインテーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を全体領域で行うための設定情報をセットするため(S3417)、通常演出(ここでは変動演出)が全画面表示されることとなる。なお、キャンセル有効時間は、キャンセル操作が行われると終了し、「PUSHで公演中止」の表示も終了する。
次に、復活有効時間になると、画像音響制御基板23は、図45(c)に示すように、「PUSHで公演見られるよ!」と中止された公演が復活できる旨の表示を行う。そして、元の(すなわち、キャンセルされなかったとした場合の)新曲発表演出開始時間が到来すると、新曲発表演出開始処理(図31参照)において、ステップS3301でYESと判定し、ステップS3302〜S3305の処理を行うが、ステップS3306でYESと判断するため、新曲発表演出の実行を抑制するための設定情報をセットすることとなる(S3308)。この情報がセットされると、ステップS3305でセットされた設定情報による新曲発表演出は、上述したように裏で実行されて、遊技者には知覚されない。また、画像音響制御基板23は、通常演出制御処理(図37参照)においてカウントダウン演出中とも新曲発表演出中とも判断しないため、図45(d)に示すように、通常演出が全画面表示されることとなる。
図45の例では、復活操作が復活有効時間中になされたため、画像音響制御基板23は、手動演出復活処理(図34参照)において、ステップS3601,S3602,S3603でYESと判定し、ステップS3604でNOと判定するため、中止されている新曲発表演出の残りの部分を実行するための設定情報をセットすることとなる(S3605)。これにより、例えば出力を抑制していた場合には抑制しないこととすることにより、裏で実行されていた新曲発表演出の残りの部分(未実行の部分)が、図45(f)に示すように、遊技者に知覚可能に実行されることとなる。そして、画像音響制御基板23は、通常演出制御処理(図37参照)においては、新曲発表演出中と判定するため、例えば変動演出開始コマンドを受信した場合には(S3411でYES)、ドット演出用テーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を下部領域で行うための設定情報をセットするため(S3418)、通常演出(ここでは変動演出)が液晶画面60aの下部領域にドット表示されることとなる。なお、復活有効時間は、復活操作が行われると終了し、「PUSHで公演見られるよ!」の表示も終了する。
次に、延長有効時間になると、画像音響制御基板23は、図46(a)に示すように、「PUSHで公演延長?」というように新曲発表演出の延長が可能である旨の表示を行う。この表示がなされている間に延長操作がなされると、画像音響制御基板23は、演出延長制御処理(図35参照)において、ステップS3501,S3502でYESと判定して延長抽選処理を行う(S3504)。延長抽選処理(図36参照)においては、画像音響制御基板23は、記憶されている事前判定結果に大当たりがある場合には、高当選率テーブルを用いて、大当たりがない場合(事前判定結果が記憶されていない場合、すなわち、保留がない場合も含む。)には、低当選率テーブルを用いて抽選を行う。そして、延長抽選の結果が当たりである場合(ステップS3505でYES)、図46(b)に示すように、「公演延長決定!」と延長する旨を報知して(S3506)、新曲発表演出を所定時間延長するための設定情報をセットする(S3507)。この設定情報により、画像出力制御処理(図42参照)において延長分のディスプレイリストが作成されセットされることから、延長前の(元の)新曲発表演出終了時間が到来しても、新曲発表演出は終了せず、図46(c)に示すように、延長分の新曲発表演出が実行されることとなる。そして、延長分の新曲発表演出が終了すると、画像音響制御基板23は、新曲発表演出終了処理(図41参照)において、ステップS3800でYES、ステップS3801,S3802でNOと判定し、そのときの状態に応じて定まるタイミングで通常画面態様(全画面表示)に戻すための設定情報をセットする(ステップS3804,S3807)。したがって、通常演出(変動演出、当たり演出、又は、客待ち演出)が液晶画面60aの全体領域に表示されることとなる。図46(d)では、大当たりが発生したため、当たり演出が表示されている。
一方、延長抽選の結果が当たりでない場合(ステップS3505でNO)、図46(e)に示すように、「延長はありません」と延長しない旨が報知されて(S3508)、新曲発表演出を所定時間延長するための設定情報はセットされない。したがって、新曲発表演出は延長されずに終了し、画像音響制御基板23は、新曲発表演出終了処理(図41参照)において、ステップS3800でYES、ステップS3801,S3802でNOと判定し、そのときの状態に応じて定まるタイミングで通常画面態様(全画面表示)に戻すための設定情報をセットする(ステップS3804,S3807)。したがって、通常演出が液晶画面60aの全体領域に表示されることとなる。図46(f)では、装飾図柄を停止した状態の変動演出が表示されている。
〈図47に示す例〉
図47は、画像音響制御基板23が、新曲発表演出の延長分として、新曲発表演出に関連する関連演出を新曲発表演出に続けて実行する例を示す。なお、本来の新曲発表演出と延長分の新曲発表演出との間に明確な区別がつかない場合、新曲発表演出を延長するということとする。新曲発表演出を延長する場合としては、例えば、延長前の(本来の)新曲発表演出が所定長さの映像を繰り返し表示するものであり、延長分の新曲発表演出がさらにその映像を繰り返す場合や、本来の新曲発表演出があるストーリーに沿った映像を表示するものであり、延長分の新曲発表演出がその続きのストーリーに沿った映像を表示する場合等がある。一方、本来の新曲発表演出と延長分の新曲発表演出とに関連はあるが、それらの間に明確な区別がつく場合、延長分の新曲発表演出を関連演出ということとする。
図47に示す例では、延長有効時間になると、画像音響制御基板23は、図47(a)に示すように、「PUSHでアンコール?」というように新曲発表演出の延長が可能である旨の表示を行う。この表示がなされている間に延長操作がなされると、画像音響制御基板23は、演出延長制御処理(図35参照)において、ステップS3501,S3502でYESと判定して延長抽選処理を行う(S3504)。そして、延長抽選の結果が当たりである場合(ステップS3505でYES)、図47(b)に示すように、「アンコール決定!」と延長する旨を報知して(S3506)、新曲発表演出を延長するための設定情報として、関連演出を行うための設定情報をセットする(S3507)。この設定情報により、画像出力制御処理(図42参照)において関連演出のディスプレイリストが作成されセットされることから、延長前の(元の)新曲発表演出終了時間が到来しても、新曲発表演出は終了せず、図47(c)に示すように、関連演出が実行されることとなる。なお、この場合の関連演出は、新曲発表演出と同じ歌手が登場することから新曲発表演出と関連するが、別会場で別の歌を歌う演出とされており、新曲発表演出と明確な区別が付くものとする。そして、関連演出が終了すると、画像音響制御基板23は、新曲発表演出終了処理(図41参照)において、ステップS3800でYES、ステップS3801,S3802でNOと判定し、そのときの状態に応じて定まるタイミングで通常画面態様(全画面表示)に戻すための設定情報をセットする(ステップS3804,S3807)。したがって、通常演出(変動演出、当たり演出、又は、客待ち演出)が液晶画面60aの全体領域に表示されることとなる。図47(d)では、大当たりが発生したため、当たり演出が表示されている。なお、画像音響制御基板23は、関連演出が行われる場合には、関連演出が終了したときにステップS3800においてYESと判断し、関連演出が終了していないときはステップS3800においてNOと判断する。
一方、延長抽選の結果が当たりでない場合(ステップS3505でNO)、図47(e)に示すように、「アンコールはありません」と延長しない旨を報知して(S3508)、関連演出を行うための設定情報はセットされない。したがって、新曲発表演出は延長されずに終了し、画像音響制御基板23は、新曲発表演出終了処理(図41参照)において、ステップS3800でYES、ステップS3801,S3802でNOと判定し、そのときの状態に応じて定まるタイミングで通常画面態様(全画面表示)に戻すための設定情報をセットする(ステップS3804,S3807)。したがって、通常演出が液晶画面60aの全体領域に表示されることとなる。図47(f)では、装飾図柄を停止した状態の変動演出が表示されている。
〈図48に示す例〉
図48は、カウントダウン演出においてキャンセル有効時間中にキャンセル操作がなされ、その後、復活有効時間中に復活操作がなされなかった例を示す。この例では、図45の例と同様に、カウントダウン演出のキャンセル有効時間中にキャンセル操作が行われたため、図48(b)に示すように、カウントダウン演出が中止されて、通常演出が全画面表示されるが、その後、復活有効時間中に復活操作が行われなかったため、新曲発表演出も実行されず、図48(c)〜(g)に示すように、継続して通常演出が全画面表示されている。
〈図49に示す例〉
図49は、カウントダウン演出においてキャンセル有効時間中にキャンセル操作がなされ、その後、中止されているカウントダウン演出における復活有効時間中に復活操作がされた例を示す。この例では、図45の例と同様に、カウントダウン演出のキャンセル有効時間中にキャンセル操作が行われたため、図49(b)に示すように、カウントダウン演出が中止されて、通常演出が全画面表示されている。そして、図49(c)に示すように、中止されているカウントダウン演出における(すなわち、中止予定の新曲発表演出開始時間より前の)復活有効時間中に復活操作が行われたため、手動演出復活処理(図34参照)において、画像音響制御基板23は、ステップS3601〜S3604でYESと判定し、中止されているカウントダウン演出の残りの部分を実行するための設定情報をセットして(S3606)、手動キャンセルフラグをOFFとする(S3607)。これにより、カウントダウン演出の残りの部分(すなわち、裏で実行していたカウントダウン演出の未実行の部分)が、図49(d)に示すように、遊技者に知覚可能に実行されることとなる。そして、画像音響制御基板23は、通常演出制御処理(図37参照)においては、カウントダウン演出中と判定するため、例えば変動演出開始コマンドを受信した場合には(S3411でYES)、ドット演出用テーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を下部領域で行うための設定情報がセットされて(S3418)、通常演出(ここでは変動演出)が液晶画面60aの下部領域にドット表示されることとなる(図49では図示せず)。そして、新曲発表演出開始時間になると、図49(e)に示すように新曲発表演出が開始されることとなる。
〈図50に示す例〉
図50は、新曲発表演出においてキャンセル有効時間中にキャンセル操作がなされ、その後、復活有効時間中に復活操作がなされなかった例を示す。この例では、図50(b)に示すように、新曲発表演出中にキャンセル操作が行われたため、手動演出キャンセル処理(図30参照)において、画像音響制御基板23は、ステップS3701でNO、ステップS3702,3703でYESと判断して、ステップS3704の処理を行い、ステップS3705でYESと判定して、新曲発表演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報をセットしている(S3706)。したがって、これにより、図50(c)に示すように、新曲発表演出が中止されて、通常演出が全画面表示される。そして、その後、復活有効時間中に復活操作が行われなかったため、継続して通常演出が全画面表示されている。
〈図51に示す例〉
図51は、新曲発表演出においてキャンセル有効時間中にキャンセル操作がなされ、その後、中止されている新曲発表演出の復活有効時間中に復活操作がされた例を示す。この例では、図50の例と同様に、新曲発表演出のキャンセル有効時間中にキャンセル操作が行われたため、図51(c)に示すように、新曲発表演出が中止されて、通常演出が全画面表示されている。そして、図51(e)に示すように、その後の復活有効時間中に復活操作が行われたため、手動演出復活処理(図34参照)において、画像音響制御基板23は、ステップS3601〜S3603でYES、ステップS3604でNOと判定し、中止されている新曲発表演出の残りの部分を実行するための設定情報をセットして(S3605)、手動キャンセルフラグをOFFとする(S3607)。これにより、新曲発表演出の残りの部分(すなわち、裏で実行していた新曲発表演出の未実行の部分)が、図51(f)に示すように、遊技者に知覚可能に実行されることとなる。そして、画像音響制御基板23は、通常演出制御処理(図37参照)においては、新曲発表演出中と判定するため、例えば変動演出開始コマンドを受信した場合には(S3411でYES)、ドット演出用テーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を下部領域で行うための設定情報がセットされて(S3418)、通常演出(ここでは変動演出)が液晶画面60aの下部領域にドット表示されることとなる(図51には図示せず)。そして、新曲発表演出が終了すると、図51(h)に示すように通常演出は全画面表示されることとなる。
次に、図52〜図60に示す遊技機1の演出の流れの例について説明する。これらの例は、特定リーチ演出が行われることにより、カウントダウン演出や新曲発表演出が自動キャンセルされる例である。また、これらの図においては、上段の(a)は時間を、中段の(b)は特定リーチ演出がハズレで終了した場合を、下段の(c)は特定リーチ演出が大当たりで終了した場合を示し、特定リーチ演出、カウントダウン演出、新曲発表演出を、それぞれ「特定リーチ」、「カウントダウン」、「新曲発表」と表記している。
〈図52に示す例〉
図52は、カウントダウン演出が変動演出開始と同時に開始される予定である(すなわち、終了後開始フラグがONされている)場合において、開始される変動演出が特定リーチ演出である場合の例である。かかる場合、カウントダウン演出の開始タイミングで、図27のカウントダウン演出制御処理において、ステップS3201でYES、ステップS3202〜S3205でNO、ステップS3217,S3218,S3220でYESと判定されて、ステップS3216で、一旦は、カウントダウン演出を開始させるための設定情報がセットされる。しかし、図32の自動演出キャンセル処理において、ステップS4201でNO、ステップS4202でYES、ステップS4203でYESと判定されることにより、ステップS4204でカウントダウン演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報がセットされ、ステップS4205で第1自動キャンセルフラグがONとされる。また、図37の通常演出制御処理において、ステップS3411でYESと判定されて、ステップS3412〜S3414の処理が行われ、ステップS3415でYESと判定されて、ステップS3417で、メインテーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を全体領域で行うための設定情報がセットされる。したがって、(b)、(c)に示すように、カウントダウン演出は非表示となり、特定リーチ演出が全画面表示される。
次に、新曲発表演出の開始タイミングになると、図31の新曲発表演出開始処理において、ステップS3301でYESと判定されて、ステップS3302で終了後開始フラグ及び第1自動キャンセルフラグがOFFとされ、ステップS3303〜S3305の処理が行われて、一旦は、新曲発表演出を実行するための設定情報がセットされる。そして、ステップS3306でNOと判定されて、ステップS3307で新曲発表フラグがOFFとされる。しかし、図32の自動演出キャンセル処理において、ステップS4201でNO、ステップS4202でYES、ステップS4203でNO、ステップS4206でYESと判定されることにより、ステップS4207で新曲発表演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報がセットされ、ステップS4208で第2自動キャンセルフラグがONとされる。したがって、(b)、(c)に示すように、新曲発表演出は非表示となり、引き続き特定リーチ演出が全画面表示される。
そして、(b)に示すように、特定リーチ演出がハズレで終了すると、図33の自動演出復活処理において、ステップS4301でNO、ステップS4302,S4303でYES、ステップS4304でNOと判定されるため、中止されている新曲発表演出の残りの部分が実行される。また、図38の通常演出制御処理において、ステップS3426でYESと判定されて、ステップS3427の通常演出終了処理が行われ、ステップS3428でNO、ステップS3428-1でYESと判定され、ステップS3429でNO(なお、この例では、保留はないものとする。)、S3429-1でNOと判定されて、ステップS3430の処理が行われて、下部領域に停止状態の装飾図柄がドット表示される。一方、(c)に示すように、特定リーチ演出が大当たりで終了すると、図33の自動演出復活処理において、ステップS4301でNO、ステップS4302でYES、ステップS4303でNOと判定されるため、新曲発表演出は引き続き非表示とされる。また、図38の通常演出制御処理において、ステップS3426でYESと判定されて、ステップS3427の通常演出終了処理が行われ、ステップS3428,S3428-1でNOと判定されるため、停止状態の装飾図柄をドット表示する処理は行われず、オープニング演出開始コマンドを受信したとき、ステップS3431でYESと判定され、ステップS3432の処理が行われ、ステップS3433,S3434でNOと判定されて、ステップS3435で、選択したオープニング演出画像の全画面表示を開始するための設定情報がセットされ、大当たり演出の全画面表示が開始される。同様に、ラウンド中演出開始コマンドを受信したときも、エンディング演出開始コマンドを受信したときも、カウントダウン演出中でも新曲発表演出中でもないと判定されるため、ラウンド中演出画像やエンディング演出画像を全画面表示するための設定情報がセットされ、大当たり演出が引き続き全画面表示される。
〈図53に示す例〉
図53は、変動演出の途中の発展タイミングでカウントダウン演出が開始される予定である(すなわち、発展時開始フラグがONされている)場合において、実行されている変動演出が特定リーチ演出である場合の例である。かかる場合、カウントダウン演出の開始タイミング(すなわち、特定リーチ演出の発展タイミング)で、図27のカウントダウン演出制御処理において、ステップS3201でYES、ステップS3202〜S3204でNO、ステップS3205,S3206でYES、ステップS3213でNO、ステップS3214,S3215でYESと判定されて、ステップS3216で、一旦は、カウントダウン演出を開始させるための設定情報がセットされる。しかし、図32の自動演出キャンセル処理において、ステップS4201でNO、ステップS4202でYES、ステップS4203でYESと判定されることにより、ステップS4204でカウントダウン演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報がセットされ、ステップS4205で第1自動キャンセルフラグがONとされる。また、図37の通常演出制御処理において、ステップS3420〜S3421-1でYESと判定されるため、通常演出画像を縮小表示に切り替えるための設定情報はセットされない。したがって、(b)、(c)に示すように、カウントダウン演出は非表示となり、特定リーチ演出が引き続き全画面表示される。新曲発表演出の開始タイミング以降の処理は、図52の例と同じであるので、説明を省略するが、(b)に示すように、特定リーチ演出がハズレで終了したときは、新曲発表演出が表示され、(c)に示すように、大当たりで終了したときは、大当たり演出が全画面表示される。
〈図54に示す例〉
図54は、変動演出の途中の発展タイミングでカウントダウン演出が開始される予定である場合において、実行されている変動演出が特定リーチ演出であり、特定リーチ演出の終了より前に新曲発表演出が終了する場合の例である。かかる場合、カウントダウン演出の開始タイミングでは、図53の例と同様に処理が行われることにより、(b)、(c)に示すように、カウントダウン演出は非表示となり、特定リーチ演出が引き続き全画面表示され、新曲発表演出の開始タイミングになったときも、新曲発表演出は非表示となり、特定リーチ演出が引き続き全画面表示される。そして、新曲発表演出の終了タイミングになったとき、図41に示す新曲発表演出終了処理において、ステップS3800,S3801でYESと判定されて、ステップS3810で、手動キャンセルフラグ及び第2自動キャンセルフラグがOFFとされる。なお、第1自動キャンセルフラグは、新曲発表演出開始処理においてOFFとされている。そして、特定リーチ演出が終了したとき、図33の自動演出復活処理において、ステップS4301,S4302でNOと判定され、図38の通常演出制御処理において、ステップS3426でYESと判定されて、ステップS3427の通常演出終了処理が行われ、ステップS3428,S3428-1でNOと判定されるため、停止状態の装飾図柄をドット表示する処理は行われない。ここでは、特定リーチ演出が終了したときに保留があるものとし、特定リーチ演出がハズレで終了したときは、その保留に基づく変動演出開始コマンドを受信することとなって、図37の通常演出制御処理において、ステップS3411でYESと判定されて、ステップS3412〜S3414の処理が行われ、ステップS3415,S3416でNOと判定されて、ステップS3417の処理が行われる。したがって、(b)に示すように、特定リーチ演出がハズレで終了したときは、次の変動演出が全画面表示される。また、特定リーチ演出が大当たりで終了したときは、オープニング演出開始コマンド、ラウンド中演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンドを受信したとき、それぞれ、図52の例で説明したように処理が行われることにより、(c)に示すように、大当たり演出が全画面表示される。
〈図55に示す例〉
図55は、カウントダウン演出が、特定リーチ演出である変動演出終了と同時に開始される予定である(すなわち、終了後開始フラグがONされている)場合の例である。かかる場合、カウントダウン演出の開始タイミング(すなわち、特定リーチ演出の終了タイミング)で、図27のカウントダウン演出制御処理において、ステップS3201でYES、ステップS3202〜S3205でNO、ステップS3217でYES、ステップS3218でNO(なお、この例では、保留はないものとする。),S3219でYESと判定されて、ステップS3216で、カウントダウン演出を開始させるための設定情報がセットされる。そして、特定リーチ演出がハズレで終了していた場合、図32の自動演出キャンセル処理において、ステップS4201,S4202でNOと判定されることから、(b)に示すように、カウントダウン演出が表示され、カウントダウン演出終了後新曲発表演出が表示される。一方、特定リーチ演出が大当たりで終了していた場合、図32の自動演出キャンセル処理において、ステップS4201でNO、ステップS4202でYES、ステップS4203でYESと判定されることにより、ステップS4204でカウントダウン演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報がセットされ、ステップS4205で第1自動キャンセルフラグがONとされる。また、図38の通常演出制御処理において、ステップS3426でYESと判定されて、ステップS3427の通常演出終了処理が行われ、ステップS3428,S3428-1でNOと判定されるため、停止状態の装飾図柄をドット表示する処理は行われない。そして、オープニング演出開始コマンド等を受信したとき、図52の例で説明したように処理が行われることにより、(c)に示すように、カウントダウン演出は非表示となり、大当たり演出が全画面表示される。また、新曲発表演出の開始タイミングになったときも、図52の例で説明したように処理が行われることにより、(c)に示すように、新曲発表演出は非表示となり、引き続き特定リーチ演出が全画面表示される。
〈図56に示す例〉
図56は、カウントダウン演出が、特定リーチ演出である変動演出の終了後、ハズレのときは客待ち演出中、大当たりのときは大当たり演出中に開始される予定である場合において、大当たり演出の終了時間よりも新曲発表演出の終了時間が遅い例である。かかる場合、カウントダウン演出の開始タイミングで、図27のカウントダウン演出制御処理において、ステップS3201でYES、ステップS3202,S3203でNO、ステップS3204でYESと判定されて、ステップS3216で、カウントダウン演出を開始させるための設定情報がセットされる。そして、図32の自動キャンセル処理において、図55の例と同様に処理されることにより、特定リーチ演出がハズレで終了していた場合は、(b)に示すように、カウントダウン演出が表示されるが、特定リーチ演出が大当たりで終了していた場合、(c)に示すように、大当たり演出が引き続き全画面表示され、カウントダウン演出は非表示となる。また、新曲発表演出の開始タイミングにおいても、図55の例と同様に処理されることにより、特定リーチ演出がハズレで終了していた場合は、(b)に示すように、新曲発表演出が表示されるが、特定リーチ演出が大当たりで終了していた場合、(c)に示すように、大当たり演出が引き続き全画面表示され、新曲発表演出は非表示とされる。そして、大当たり演出が終了すると、図33の自動演出復活処理において、ステップS4301でNO、ステップS4302,S4303でYES、ステップS4304でNOと判定されるため、ステップS4307,S4308の処理が行われて、中止されている新曲発表演出の残りの部分が実行される。
〈図57に示す例〉
図57は、客待ち状態においてカウントダウン演出が開始され、そのカウントダウン演出中に特定リーチ演出である変動演出が開始される場合の例である。かかる場合、カウントダウン演出の開始タイミングで、図27のカウントダウン演出制御処理において、ステップS3201でYES、ステップS3202,S3203でNO、ステップS3204でYESと判定されて、ステップS3216で、カウントダウン演出を開始させるための設定情報がセットされる。そして、図32の自動演出キャンセル処理において、ステップS4201,S4202でNOと判定されることから、(b)、(c)に示すように、カウントダウン演出が表示される。次に、始動入賞により特定リーチ演出の開始タイミングになると、図32の自動演出キャンセル処理において、ステップS4201でNO、ステップS4202,S4203でYESと判定されることにより、ステップS4204でカウントダウン演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報がセットされ、ステップS4205で第1自動キャンセルフラグがONとされる。また、図37の通常演出制御処理において、ステップS3411でYESと判定されて、ステップS3412〜S3414の処理が行われ、ステップS3415でYESと判定されて、ステップS3417で、メインテーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を全体領域で行うための設定情報がセットされる。したがって、(b)、(c)に示すように、カウントダウン演出は非表示となり、特定リーチ演出が全画面表示される。新曲発表演出の開始タイミング以降の処理は、図52の例と同じであるので、説明を省略するが、(b)に示すように、特定リーチ演出がハズレで終了したときは、新曲発表演出の残りの部分が表示され、(c)に示すように、大当たりで終了したときは、大当たり演出が全画面表示され、新曲発表演出は非表示とされる。
〈図58に示す例〉
図58は、客待ち状態においてカウントダウン演出及び新曲発表演出が開始され、その新曲発表演出中に特定リーチ演出である変動演出が開始される場合の例である。かかる場合、図57の例と同様に処理されることにより、カウントダウン演出の開始タイミングで、(b)、(c)に示すように、カウントダウン演出が表示される。また、新曲発表演出の開始タイミングになったとき、図31の新曲発表演出開始処理において、ステップS3301でYESと判定されて、ステップS3302〜S3305の処理が行われて、新曲発表演出を実行するための設定情報がセットされる。そして、ステップS3306でNO(この例では、キャンセル操作は行われないものとする。)と判定されて、ステップS3307で新曲発表フラグがOFFとされる。そして、図32の自動演出キャンセル処理において、ステップS4201,S4202でNOと判定されることから、新曲発表演出が表示されることとなる。次に、始動入賞により特定リーチ演出が開始されるタイミングで、図32の自動演出キャンセル処理において、ステップS4201でNO、ステップS4202でYES、ステップS4203でNO、ステップS4206でYESと判定されることにより、ステップS4207で新曲発表演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報がセットされ、ステップS4208で第2自動キャンセルフラグがONとされる。したがって、(b)、(c)に示すように、新曲発表演出は非表示となり、特定リーチ演出が全画面表示される。
〈図59に示す例〉
図59は、客待ち状態においてカウントダウン演出及び新曲発表演出が開始され、その新曲発表演出中に特定リーチ演出である変動演出が開始される場合において、新曲発表演出の終了時間が特定リーチ演出の終了時間より遅い例である。かかる場合、図58の例と同様に処理されることにより、(b)、(c)に示すように、カウントダウン演出の開始タイミングで、カウントダウン演出が表示され、新曲発表演出の開始タイミングで、新曲発表演出が表示される。なお、この例では、キャンセル操作は行われないものとする。そして、特定リーチ演出の開始タイミングで、新曲発表演出は非表示とされ、特定リーチ演出が全画面表示される。また、図52の例と同様に、特定リーチ演出がハズレで終了した場合、(b)に示すように新曲発表演出が表示され、大当たりで終了した場合、大当たり演出が全画面表示されて、新曲発表演出は非表示とされる。
〈図60に示す例〉
図60は、特定リーチ演出の前の変動演出(特定リーチ演出ではないものとする。)の開始タイミングで開始されたカウントダウン演出中に手動でキャンセル操作がなされた場合において、新曲発表演出の終了時間が特定リーチ演出の終了時間より遅い例である。かかる場合、カウントダウン演出の開始タイミング(すなわち、前の変動演出の開始タイミング)で、図27のカウントダウン演出制御処理において、ステップS3201でYES、ステップS3202〜S3205でNO、ステップS3217,S3218,S3220でYESと判定されて、ステップS3216で、カウントダウン演出を開始させるための設定情報がセットされる。また、図37の通常演出制御処理において、ステップS3411でYESと判定されて、ステップS3412〜S3414の処理が行われ、ステップS3415でNO、ステップS3416でYESと判定されて、ステップS3418で、ドット演出用テーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を下部領域で行うための設定情報がセットされる。したがって、(b)、(c)に示すように、カウントダウン演出が上部領域に表示され、変動演出が下部領域にドット表示される。
カウントダウン演出中のキャンセル有効時間中にキャンセル操作が行われると、図30の手動演出キャンセル処理において、ステップS3701でNO、ステップS3702,S3703でYESと判定され、ステップS3704の処理が行われ、ステップS3705でNOと判定されて、ステップS3707で、カウントダウン演出を中止して通常演出を全画面表示するための設定情報がセットされる。したがって、図60の(b)、(c)に示すように、変動演出が全画面表示される。
図60の例では、復活操作はなされなかったものとする。このため、新曲発表演出の開始タイミングになったとき、図31の新曲発表演出開始処理において、ステップS3301でYESと判定されて、ステップS3302〜S3305の処理が行われて、一旦は、新曲発表演出を実行するための設定情報がセットされるが、ステップS3306でYESと判定されて、ステップS3308で新曲発表演出の実行を抑制するための設定情報がセットされ、ステップS3307で新曲発表フラグがOFFとされる。したがって、(b)、(c)に示すように、新曲発表演出は非表示とされて、変動演出が引き続き全画面表示される。
次に、前の変動演出が終了して特定リーチ演出が開始するとき、図37の通常演出制御処理において、前の変動演出に関しては、変動演出終了コマンドを受信したときに、ステップS3426でYESと判定されて、ステップS3427の通常演出終了処理が行われ、ステップS3428,S3428-1でNOと判定される。また、特定リーチ演出に関しては、変動演出開始コマンドを受信したときに、ステップS3411でYESと判定されて、ステップS3412〜S3414の処理が行われ、ステップS3415でYESと判定されて、ステップS3417で、メインテーブルで決定した内容の通常演出画像の表示を全体領域で行うための設定情報がセットされる。したがって、(b)、(c)に示すように、新曲発表演出は引き続き非表示とされ、特定リーチ演出が全画面表示される。そして、特定リーチ演出がハズレで終了した場合、非表示とされている新曲発表演出に残りの部分があったとしても、図33の自動演出復活処理において、ステップS4301でYESと判定されるため、新曲発表演出は引き続き非表示とされる。すなわち、新曲発表演出がキャンセル操作によりキャンセルされた場合には、特定リーチ演出がハズレで終了しても、その新曲発表演出の残りの部分が実行されることはない。なお、図60の例では、特定リーチ演出の終了時に保留があるものとし、特定リーチ演出が終了すると、その保留に基づく次の変動演出が全画面表示される。また、特定リーチ演出が大当たりで終了した場合も、図33の自動演出復活処理において、ステップS4301でYESと判定されるため、新曲発表演出は引き続き非表示とされ、大当たり演出が全画面表示される。
以上説明したように、遊技機1は、所定の始動条件の成立により獲得した判定用情報(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数)に基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技及び小当たり遊技)を行うか否かを判定する特別遊技判定手段(メイン制御基板20、図9参照)と、特別遊技判定手段により特別遊技を行うと判定された場合に、特別遊技を実行する特別遊技実行手段(メイン制御基板20、図13〜15参照)と、特別遊技判定手段による判定を保留して、判定用情報を記憶する保留手段(メイン制御基板20、図6のステップS204参照)と、特別遊技判定手段による判定に先立って、判定用情報に基づいて特別遊技を行うか否かの判定を行う事前判定手段(メイン制御基板20、図6のステップS205参照)と、所定の演出手段(メイン液晶表示装置60、サブ液晶表示装置61、スピーカ17等)を制御する演出制御手段(サブ制御基板25)と、を備えている。
演出制御手段は、特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果を示す遊技演出(変動演出)を実行させる遊技演出制御手段(図19、20、37、38参照)と、予め設定された開始時間までの時間を計測する計時手段(図26参照)と、計時手段により開始時間の到来を知得すると、演出手段に遊技演出とは異なる特別演出(新曲発表演出)を実行させ、所定の終了条件を満たす(例えば、新曲発表演出の開始からその新曲発表演出の実行に要する所定時間が経過する、新曲発表演出のディスプレイリストを最後まで実行する等)と、特別演出を終了させる特別演出制御手段(図31、41参照)と、を備えている。
特別演出制御手段は、特別演出の実行開始から実行開始当初予定されていた特別演出の実行に要する所定時間(例えば、新曲発表演出を実行するための設定情報に基づくディスプレイリストの実行に要する時間、図42参照)が経過することを終了条件として、特別演出の実行開始から所定時間が経過すると、特別演出を終了させる特別演出通常終了手段(図41参照)と、特別演出中に保留手段により記憶されている又は記憶されていた判定用情報の事前判定手段による判定結果に基づき、延長するか否かの延長抽選をおこない、延長を行う抽選結果が得られると、特別演出通常終了手段によって終了する場合の特別演出の終了時間より延長された延長時間において、特別演出を延長させるか、又は、特別演出に関連する関連演出を実行させる特別演出延長手段(図35,36)と、を有する。
そして、延長抽選は、特別遊技(大当たり遊技)を行うと事前判定されている場合には、そうでない場合よりも延長する抽選結果を得られ易く構成されている。
このように、遊技機1は、特別演出中に記憶されている又は記憶されていた事前判定結果に基づいて(具体的には、事前判定結果を用いて抽選を行って、その抽選結果に基づいて)、特別演出を延長させるか、又は、関連演出を実行させるので、延長により判定結果に対する遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。特に、遊技機1では、延長抽選の当選確率を事前判定の結果により異ならせ、特別遊技を行うと事前判定されている場合、すなわち、大当たり遊技を行うと事前判定されている場合には、そうでない場合よりも延長され易く構成しているので、特別演出が延長されることにより、大当たりになるとの期待を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上可能である。
以下、変形例について説明する。
(1)大当たり遊技の開始の直前に元の特別演出が終了する場合等には、延長分の特別演出の開始タイミングを、大当たり遊技の開始(具体的には、最初のラウンドの開始)に合わせることとしてもよい。図61は、元の特別演出終了前に図柄変動を開始した保留H2により、元の(延長前の)特別演出終了後に大当たり遊技が開始される例であるが、この例では、元の特別演出終了から大当たり遊技の開始までの間に、調整用の特別演出(例えば、「アンコール、アンコール」と連呼する演出)を挿入し、大当たり遊技の開始に合わせて、本来の延長分の特別演出を開始している。なお、調整用の特別演出も延長分の特別演出に相当する。そして、本来の延長分の特別演出を、大当り遊技の終了に合わせて終了している。このように、調整用の延長分の特別演出を挟んで、本来の延長分の特別演出を大当り遊技の開始に合わせて開始することにより、大当り遊技を盛り上げることができ、遊技の興趣を向上可能である。特に、大当たり遊技の開始の直前に元の特別演出が終了する場合に、調整用の延長分の特別演出を挿入して、本来の延長分の特別演出を大当たり遊技の開始と同時に開始することが望ましい。かかる場合には、挿入する調整用の延長分の特別演出が短くて済むため、間延びした印象を遊技者に与えることがなく、しかも、大当たり遊技の興趣を盛り上げることができるからである。
このように構成するには、例えば、延長操作が延長有効時間内になされたとき、その延長操作時又は元の特別演出の終了直前に延長抽選を行い、延長するとの抽選結果を得ている場合に、特別演出を延長するための設定情報のセットを、元の特別演出の終了直前に行うこととして、その時点で大当たりになる変動演出が実行中であれば、その変動演出が終了して大当たり遊技のオープニングが開始するまでの時間を変動演出パターンから把握して、その時間に相当する調整用の特別演出を実行するための設定情報をセットするとともに、本来の延長分の特別演出を実行するための設定情報をセットする方法がある。
なお、延長操作がなされたときには、延長前の特別演出終了時から所定時間、調整用の延長分の特別演出を必ず行って、その演出の間に延長抽選を行って、本来の延長分の特別演出を行うか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、本来の延長分の特別演出を行うか否かの決定タイミングは、延長操作時に限らず、延長前の特別演出終了時より後としてもよい。また、延長前の特別演出終了時としてもよいし、延長前の特別演出終了時より前としてもよい。さらに、延長操作時に延長抽選を行うが、調整用の延長分の特別演出を必ず行ってから、延長抽選に当選しているときは、本来の延長分の特別演出を行い、当選してないときは、本来の延長分の特別演出を行わないようにしてもよい。逆に、特別演出終了直前に大当たり遊技が開始される場合には、調整用の延長分の特別演出は行わず、本来の延長分の特別演出を元の特別演出に続けて実行することとしてもよい。すなわち、調整用の延長分の特別演出を行うか否かは、特別演出と大当たり遊技との時間的な関係等に応じて適宜決定すればよい。
(2)延長するか否かの決定時に記憶されていないとしても延長前の特別演出中に記憶されていた保留に基づいて、特別演出を延長することとしてもよい。かかる例について、図62に基づいて説明する。この例では、画像音響制御基板23は、特別演出開始時に、事前判定結果記憶領域に記憶されている事前判定結果を、所定の延長判定用記憶領域に記憶するとともに、特別演出中に新たに事前判定結果記憶領域に記憶された事前判定結果も、延長判定用記憶領域に記憶する。なお、延長判定用記憶領域は、特別演出開始時に事前判定結果を記憶する前にクリアしておく。また、画像音響制御基板23は、延長判定用記憶領域に記憶した事前判定結果を、その事前判定結果に対応する保留に基づいて図柄変動が実行されその図柄変動が終了したときに(但し、その図柄変動に基づいて大当たり遊技が実行された場合にはその大当たり遊技が終了したときに)消去するが、その事前判定結果に対応する保留に基づいて図柄変動を開始しただけでは消去しない。これにより、延長判定用記憶領域には、元の特別演出終了時に、特別演出中に記憶されていた保留であって、その保留に対する図柄変動が終了していないもの、及び、その保留に対する図柄変動は終了しているがその図柄変動に基づいて大当たり遊技が実行されてその大当たり遊技が終了していないものについての事前判定結果が、残ることとなる。
そして、延長有効時間中に延長操作がなされた場合、延長抽選をすぐに行うのではなく、延長操作がなされた旨を記憶しておき、元の特別演出終了時に、延長操作がなされた旨が記憶されていたら、延長判定用記憶領域に記憶されている事前判定結果を参照して延長抽選を行う。具体的には、延長判定用記憶領域に記憶されている事前判定結果に大当たりになるものがある場合には高当選率テーブル、ない場合には低当選率テーブルを用いて延長抽選を行う。図62の例では、元の特別演出終了時に、延長操作がなされた旨が記憶されているため、延長抽選を行う。ここで、保留H1は大当たりと事前判定された保留であり、元の特別演出終了時において、保留H1に基づく大当たり遊技が開始されているが、終了はしていない。また、保留H2はハズレと事前判定された保留であり、元の特別演出終了時において、保留H2に基づく図柄変動は未実行である(すなわち、終了していない)。このため、延長判定用記憶領域には、保留H1に対する大当たりの事前判定結果と、保留H2に対するハズレの事前判定結果とが残っている。したがって、延長抽選において高当選率テーブルが用いられ、図62の例では延長抽選で当選したことから、特別演出の延長が行われている。このように、特別演出中に記憶されている又は記憶されていた保留(但し、特別演出中に図柄変動がハズレで終了したもの、及び、特別演出中に図柄変動が当たりとなって当たり遊技が終了したものは除く。)の事前判定結果に基づいて、特別演出を延長させるか、又は、関連演出を実行させることとしてもよい。特に、延長前の特別演出中に記憶されている又は記憶されていた保留の中に長当たりである大当たりと事前判定されたものがあり、その大当たり遊技がその特別演出の終了までに終了しない場合(開始しない場合も含む。)には、特別演出を延長し、又は、関連演出を行えば、その延長分の特別演出又は関連演出により、大当り遊技に対する期待感又は大当たり遊技を盛り上げることができる。なお、延長するか否かの決定タイミングは、延長前の特別演出終了時に限らず、延長する場合の準備時間を考慮して、延長前の特別演出終了時より前としてもよい。
(3)例えば、延長抽選において当たりである場合に、さらに新曲発表演出の延長若しくは関連演出の実行のいずれを行うかを抽選する等、画像音響制御基板23が新曲発表演出を延長するか、関連演出を行うかを、選択するようにしてもよい。但し、必ずしも新曲発表演出の延長及び関連演出の実行の両方を実行可能に、遊技機1を構成する必要はなく、新曲発表演出の延長のみを行うように構成してもよいし、関連演出の実行のみを行うように構成してもよい。すなわち、所定の延長条件が満たされた場合に、少なくとも新曲発表演出の延長若しくは関連演出の実行のいずれか一方を行うように構成すればよい。
(4)関連演出を行う場合、必ずしも特別演出に続けて行う必要はなく、例えば、特別演出と関連演出との間に、特別演出と関連しない調整用の演出を挿入してもよい。また、一旦特別演出が終了されることにより、特別演出と関連演出との間に、通常演出の全画面表示が挿入されることとなってもよい。かかる演出の挿入により、関連演出の開始を大当たり遊技の開始や次の変動演出の開始等に合わせれば、演出の興趣を向上できるからである。
(5)演出ボタン30の押下等の所定の操作がなされたことを延長条件に含まないこととしてもよい。すなわち、延長条件として操作は必須ではない。例えば、図62の例において、延長のための操作を行わなくても、延長前の特別演出中に記憶されている又は記憶されていた保留の事前判定結果に基づいて、延長するか否かを決定することとしてもよい。逆に、延長抽選を行わないようにしてもよく、例えば、時間、遊技状態、特別演出の内容等によって、予め延長するか否かを決めておき、延長操作があったら、延長すると決まっている場合には延長し、延長しないと決まっている場合には延長しないとしてもよい。また、延長抽選を行わず、延長操作があったら、必ず延長するようにしてもよい。
(6)保留にリーチ演出付きハズレと事前判定されたものがあるときは、保留にリーチ演出付きハズレと事前判定されたものも大当たりと事前判定されたものもないときよりも、延長抽選の当選確率が高くなる(延長され易くなる)ように設定してもよい。すなわち、リーチ演出付ハズレの場合であっても特別演出の延長がなされ得るように構成してもよい。また、事前判定の結果に基づいて、延長するときの延長分の特別演出の内容や長さ、関連演出の内容や長さを変えるようにしてもよい。例えば、大当たりと事前判定されている場合には、そうでない場合よりも、延長するときに、延長分の長さが長くなるようにすれば、延長の長さにより、遊技者に大当たりに対する期待を抱かせることができ、遊技の興趣を向上可能である。また、保留に大当たりと事前判定されたものがある場合には、必ず延長又は関連演出の実行を行うようにしてもよい。
(7)延長条件として、図柄変動の回数に関する条件を含むようにしてもよい。例えば、特別演出中の図柄変動の回数が規定数以上であることを延長条件とすれば、特別演出を延長したい遊技者は、図柄変動による大当たりの発生のみならず、特別演出が延長されることへの期待を持って、特別演出中も第1始動口5aや第2始動口5bを狙って遊技球の発射を継続することとなり、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。なお、特別演出中の図柄変動の回数が規定数以上である場合は、規定数に満たない場合よりも延長され易くする等、図柄変動の回数に応じて、延長され易さを変えてもよい。
(8)延長条件として、遊技領域3に打ち込まれた遊技球の数(以下、「発射球数」という。)に関する条件を含むようにしてもよい。このとき、発射球数に応じて、延長され易さを変えるようにしてもよく、例えば、遊技開始からの発射球数が多い程、延長され易くすれば、遊技を長く継続しようとする意欲を湧かせることができる。また、特別演出中の発射球数が多い程、延長され易くすれば、特別演出中に、第1始動口5aや第2始動口5bへの始動入賞が少なくても、多数の遊技球を発射することにより、特別演出が延長され易くなるので、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。また、同様の理由から、排出口13から排出された遊技球の数に関する条件を、延長条件に含むようにしてもよい。
(9)延長条件として、所定の時期における遊技機1の遊技状態に関する条件を含むようにしてもよい。例えば、遊技機1が、普通図柄の変動時間、普通図柄判定の当選確率、及び、当選したときの電チュー5cの作動パターンが、通常遊技状態と同一であるため、通常遊技状態と一見して区別が付きにくいが、通常遊技状態に比して大当たり判定の当選確率が高い潜確遊技状態を有することとして、延長操作時あるいは特別演出の終了時に潜確遊技状態であるときは、潜確遊技状態でないときよりも、延長され易くすれば、特別演出が延長されることにより、遊技者に潜確遊技状態ではないかとの期待を抱かせることができ、遊技の興趣を向上可能である。
(10)延長条件として、時間に関する条件を含むようにしてもよい。また、時間帯によって延長され易さを変えることとしてもよい。例えば、遊技者が少ない時間帯(例えば朝早い時間帯や夜遅い時間帯等)は延長され易くすることにより、遊技意欲を喚起することができ、遊技者を増加させることが可能である。また、時間が経過する程、延長され易く、あるいは、延長され難くしてもよい。
(11)延長に関する報知のタイミングは、延長操作が行われた時に限らず、元の特別演出の最後に行ってもよい。また、上述した調整用の延長分の特別演出の中で行ってもよい。例えば、延長操作が行われたら必ず、調整用の延長分の特別演出として、「アンコール、アンコール」と連呼してから延長するかしないかを報知する演出を行ってもよい。
(12)図61の例のように、大当たり遊技に並行して延長分の特別演出が行われる場合には、延長分の特別演出の終了は、大当たり遊技の終了に合わせてもよいが、大当たり遊技の途中(例えば、ラウンド間のインターバル)で終了させてもよい。また、所定時間実行すると、終了させるようにしてもよい。
(13)延長有効時間を特別演出毎に(例えば、特別演出の内容に応じて)可変としてもよい。特別演出の内容によって延長有効時間を設けないこととしてもよい。また、特別演出中に記憶された保留が、遊技者にとって大当たりへの期待度が高いもの(例えば、大当たりあるいはリーチ演出付きハズレ)と事前判定されると、延長有効時間が設定されるようにしてもよい。
(14)遊技機1では、延長操作、キャンセル操作、復活操作をいずれも演出ボタン30の押下という同一操作としたが、いずれかを演出キー31を用いた操作とするなど、異なる操作としてもよい。すなわち、これらの操作は上述したものに限られない。延長操作とキャンセル操作を異なるものとした場合、延長有効時間とキャンセル有効時間とを重なるように設定してもよい。また、ゲート8への遊技球の通過を延長条件とする等、遊技者がハンドル11を操作することにより延長条件が満たされるようにしてもよい。
(15)キャンセル操作を行うと、復活操作を行うまでは、継続的に特別演出及びカウントダウン演出を中止することとしてもよい。かかる場合には、例えば、図41の新曲発表演出終了処理において、手動キャンセルフラグをOFFするのではなく、図34の手動演出復活処理において、復活有効時間中に所定の復活操作が行われたときに、手動キャンセルフラグをOFFするとともに、その時点で中止されているカウントダウン演出又は特別演出があるときは、その中止されているカウントダウン演出又は特別演出の残りの部分を実行することとすればよい。また、復活有効時間を、カウントダウン演出の開始時間より前に設け、「中止されている公演をPUSHで見られるよ!」等のメッセージを表示したり、音声で知らせたりすることにより、復活操作によりカウントダウン演出及び特別演出が復活することを報知してもよい。
(16)遊技者は関与できないホール側の設定、例えば、遊技機1の裏面側(盤裏)に設けられた所定の操作部の操作をキャンセル操作としてもよい。特別演出は、特に多数の遊技機1で一斉に行うことで大きな演出上の効果をもたらすものであるので、遊技機1の設置台数が少なくなった場合には、ホール側の判断でキャンセルできるからである。なお、かかる場合には、復活操作も遊技者が関与できない操作として、キャンセル操作が行われると、復活操作が行われるまでは、継続的に特別演出及びカウントダウン演出を中止することが望ましい。また、ホール側と遊技者の両方が、キャンセル操作及び復活操作を行えるように構成してもよい。
(17)カウントダウン演出を行うか否かは任意であり、カウントダウン演出を行わない場合においても、キャンセル有効時間を、特別演出の開始前に開始させることとしてもよいし、特別演出の開始後に開始させることとしてもよい。すなわち、延長有効時間、キャンセル有効時間、復活有効時間をどのような時間帯とするかは、上記実施形態で述べたものに限られない。
(18)延長分の特別演出の途中で、その延長分の特別演出をキャンセル(中止)可能としてもよいし、延長分の特別演出をキャンセルした場合に、その延長分の特別演出を復活(再開)可能としてよい。また、同じ特別演出に対して、キャンセル及び復活を複数回可能としてもよい。
(19)キャンセル有効時間を、通常演出の途中から(カウントダウン演出が実行されるときはカウントダウン演出を経て)特別演出の途中までとしてもよい。また、特別演出が開始されたらキャンセルできないように、キャンセル有効時間を、カウントダウン演出が実行される場合には、カウントダウン演出の開始又は途中から特別演出の開始まで、カウントダウン演出が実行されない場合には、通常演出の途中から特別演出の開始までとしてもよい。
(20)キャンセルを受け付ける所定の条件として、キャンセル有効時間という時間に関する条件の他に、特別演出の内容に関する条件を追加してもよい。例えば、特別演出が、新曲の初回の発表である場合には、キャンセル有効時間中に演出ボタン30が押下されたとしても、キャンセルを受け付けず、2回目以降の発表である場合には、キャンセルを受け付けることとしてもよい。このように、キャンセル有効時間内であってもその他の条件によりキャンセルが受け付けられないときは、「PUSHで公演中止」といったキャンセル可能である旨の表示は行わないことが望ましい。また、キャンセルを受け付けるか否かの抽選を行うようにしてもよい。かかる場合、キャンセル操作時の保留に、いわゆる先読みで大当たりと判定されたものがあれば、当選確率が上がるあるいは下がる等、当選確率を可変としてもよい。また、キャンセルを受け付ける所定の条件として、変動回数(特別図柄変動の回数)に関する条件を含むようにしてもよく、例えば、変動回数が所定数以下の場合にキャンセルを受け付けるようにしたり、変動回数が所定数以下の場合にはキャンセルを受け付けないようにしたりしてもよい。キャンセル有効時間という時間に関する条件を、キャンセルを受け付ける所定の条件に含むか否かも任意である。
(21)上記実施形態では、特別演出におけるキャンセル有効時間中にキャンセル操作が行われると、即時、特別演出を中止して通常演出を全画面表示したが、例えば、新曲発表演出中の次の図柄変動(変動演出)が開始されるタイミングで新曲発表演出を中止する、現在の図柄変動が終了するタイミングで中止する、変動演出における発展タイミングで中止する等、演出の興趣を損なわないようなタイミングで特別演出を中止することとしてもよい。カウントダウン演出についても同様であり、すなわち、キャンセル操作が行われた時に、即時、カウントダウン演出又は特別演出を中止する必要はない。さらに、カウントダウン演出中にキャンセル操作が行われたとき、カウントダウン演出の残り時間が所定時間未満であれば、カウントダウン演出を最後まで実行して特別演出を中止し、所定時間以上であれば即時中止する等、カウントダウン演出の残り時間によって、カウントダウン演出を中止したりしなかったりすることとしてもよい。
(22)特別演出を中止したとき、通常演出を全画面表示する代わりに、特別の演出モードである公演中止モードによる演出を行うようにしてもよい。そして、予定されていた特別演出の終了時間が到来すると、公演中止モードを終了して、公演中止モード以外の演出モードにより通常演出を全画面表示するようにしてもよい。カウントダウン演出を中止したときも同様である。
(23)自動キャンセルされた特別演出を、復活操作により復活(再開)可能としてもよい。
(24)特別演出を自動キャンセルする条件として、遊技演出又は特別遊技演出が所定の第1条件を満たすこと(本実施形態では、変動演出が特定リーチ演出であること、又は、大当たり演出が特定リーチ演出に続くものであること)に加えて、遊技機1における電源投入からの特別演出の実行回数が所定回数を超えたこと、遊技機1における電源投入からの経過時間が所定時間を超えたこと等、他の条件を課してもよい。また、所定の第1条件を、本実施形態では演出内容(換言すれば、リーチの有無を含む変動パターン)に関する条件としたが、かかる条件の代わりに、又は、かかる条件に加えて、その遊技演出又は特別遊技演出が実行されるときの時間に関する条件、その遊技演出が実行されるときの遊技状態に関する条件(例えば、時短遊技状態や確変遊技状態の場合にはキャンセルする等)、その遊技演出が実行されるときの変動回数に関する条件(例えば、変動回数が所定数以上の場合にはキャンセルする等)等を課してもよい。
(25)上記実施形態では、複数の遊技機1において一斉に電源を投入し、その電源投入時からの経過時間、あるいは、特別演出開始からの経過時間を、図26に示すようにカウンタでカウントすることにより、複数の遊技機1において一斉に特別演出を開始させたが、かかるカウンタを用いることなく、RTC28から現在の日時を取得し、予め定められた日時になったら特別演出を開始することにより、複数の遊技機1において一斉に特別演出を開始させてもよい。