図1、2に示すように、実施形態の遊技機1は、パチンコ遊技機であり、前面枠10の内側に取着された遊技盤2を備えている。遊技盤2には、ハンドル11の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材12で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する遊技釘(図示せず)が多数突設されている。遊技盤2には、盤ランプ19(図3参照)が配設され、前面枠10には、スピーカ17及び枠ランプ18が配設されている。また、前面枠10には、遊技者が操作可能な操作手段として、上述したハンドル11の他、演出ボタン30及び演出キー31が設けられている。遊技盤2の中央部には、センター役物装置15が配置され、センター役物装置15には、中央部に液晶表示装置60の液晶画面60aが配置されるとともに、可動役物装置16が配置されている。液晶表示装置60、スピーカ17、枠ランプ18、盤ランプ19及び可動役物装置16は、演出手段に相当する。
液晶表示装置60は、客待ち演出、変動演出、当たり演出等の種々の演出を、液晶画面60aに画像を表示させることにより実行する。変動演出は、数字等からなる装飾図柄を変動させた後停止させ、その停止させた装飾図柄により、大当たり判定の結果を報知するものである。変動演出は、後述する特別図柄変動に並行して行われ、遊技演出に相当する。変動演出中に行われる演出として、同時に変動される複数(本実施形態では、3つ)の装飾図柄のうち、最後に停止される装飾図柄を除く装飾図柄を同一図柄として停止表示するリーチ演出がある。大当たり(ここでは、後述する長当たり)は、同時に変動される複数の装飾図柄をすべて同一図柄で停止表示することにより示されるため、リーチ演出は、大当たり判定において大当たりと判定されて大当たり遊技が行われることへの期待度の高い演出であり、高期待度演出に相当する。当たり演出は、当たり遊技(大当たり遊技及び小当たり遊技)に並行して行われるものであり、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出と、小当たり遊技に並行して行われる小当たり演出とがある。また、大当たり演出には、後述する長当たり遊技に並行して行われる長当たり演出と、短当たり遊技に並行して行われる短当たり演出とがある。小当たり演出と短当たり演出とは、同一若しくは類似の演出とされる。客待ち演出は、特別図柄変動も当たり遊技も行われていないときに行われる演出である。
センター役物装置15の下方に当たる遊技領域3の中央下部には、第1始動入賞装置50が設けられている。ここで、本明細書中、上下とは、遊技を行うために遊技機1を立設した状態における上下をいい、左右は、遊技盤2の遊技領域3に向かって左右をいうものとする。第1始動入賞装置50は、図2に示すように、常時遊技球が入球可能に開放された入球口53を有し、内部には、入球口53の下方に振分部材56が、振分部材56の下方の左側に第1始動口51が、振分部材56の下方の右側に第2始動口52が設けられている。振分部材56は、前後方向を軸として左右方向に所定範囲で揺動可能に構成され、遊技球を誘導する誘導面56a,56aが左右に設けられている。そして、図2の(a)に示すように、入球口53から入った遊技球が左側の誘導面56aに乗った場合、その遊技球の重みにより、(b)に示すように振分部材56は左方に揺動して、その遊技球を第1始動口51に落下させて入球させる。また、このとき、右側の誘導面56aが入球口53側を向いた状態となる。したがって、次に入球口53から入った遊技球は、(c)に示すように、右側の誘導面56aに乗り、その遊技球の重みにより、(d)に示すように振分部材56は右方に揺動して、その遊技球を第2始動口52に落下させて入球させる。また、このとき、左側の誘導面56aが入球口53側を向いた状態となるため、次に入球口53から入った遊技球は、(a)に示すように、左側の誘導面56aに乗ることとなる。このように、第1始動入賞装置50は、入球口53から入球した遊技球を、第1始動口51と第2始動口52とに、交互に入球させるように構成されている。第1始動口51に入球した遊技球は、第1始動入賞装置50に設けられている第1始動口SW(スイッチ)54(図3参照)に検出され、第2始動口52に入球した遊技球は、第1始動入賞装置50に設けられている第2始動口SW55(図3参照)に検出される。
遊技領域3における第1始動入賞装置50の右側には、電チューと称される第2始動入賞装置40が設けられている。第2始動入賞装置40は、ソレノイド43(図3参照)により開閉動作する開閉部材41と、開閉部材41によって開閉される第2始動口42とを備え、開閉部材41が開放状態であるとき、第2始動口42に遊技球が入球可能であり、開閉部材41が閉鎖状態であるとき、第2始動口42に遊技球は入球不能である。なお、開閉部材41が開放状態であるとき、第2始動口42に遊技球が入球容易であり、開閉部材41が閉鎖状態であるとき、第2始動口42に遊技球が入球困難であるように構成してもよい。第2始動口42に入球した遊技球は、第2始動入賞装置40に設けられている第2始動口SW44(図3参照)に検出される。
遊技領域3の右側下部であって、第2始動入賞装置40の右斜め上方には、大入賞装置70が配置されている。大入賞装置70は、大入賞口ソレノイド74(図3参照)により開閉動作される大入賞口開閉部材72と、大入賞口開閉部材72により開閉される大入賞口71とを備え、大入賞口71に入球した遊技球は、大入賞装置70に設けられた大入賞口SW73により検出される。
遊技領域3の右側中央部には、大入賞装置70よりも上方に、ゲート80が設けられている。ゲート80は、遊技球が通過可能に構成されて、ゲート80を通過した遊技球は、ゲートSW81(図3参照)により検出される。
また、遊技領域3には、複数の普通入賞装置90が設けられている。各普通入賞装置90に入った遊技球は、その普通入賞装置90内の普通入賞口91に入球し、普通入賞口SW92(図3参照)により検出される。
上述したように、ゲート80、大入賞装置70、及び、第2始動入賞装置40は、遊技領域3の右側部に設けられており、遊技者が遊技領域3の右側を狙った所謂右打ちをすることにより、遊技球が通過若しくは入球可能となっている。したがって、大入賞口71が開閉される大当たり遊技においては、遊技者は右打ちを行うことにより、大入賞口71に遊技球を入球させて、その入球数に応じた賞球を得られることとなる。なお、遊技釘等の配置により、第1始動入賞装置50は右打ちでは入球せず、遊技者が遊技領域3の左側を狙った所謂左打ちをすることにより入球可能に構成されている。遊技領域3に打ち込まれた遊技球が、流下する過程で、第1始動口51、第2始動口52、第2始動口42、大入賞口71、及び、普通入賞口91のいずれかに入球(入賞)すれば、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が図示しない払出装置により払い出されるが、入賞しなかった遊技球(いわゆるアウト球)は、遊技領域3の下端部に設けられた排出口13を介して、遊技領域3から排出される。入賞した遊技球及び排出口13から排出された遊技球は、いずれも図示しないスイッチによりカウントされ、したがって、遊技領域3に打ち込まれた遊技球の数は把握可能である。
また、後述する時短遊技状態においては、遊技者は右打ちを行うことにより遊技球がゲート80を通過するようにして、後述するように第2始動口42が開放される補助遊技を頻繁に発生させることができる。すなわち、時短遊技状態中は、通常、遊技者は右打ちを行うこととなる。一方、後述する通常遊技状態では、遊技球がゲート80を通過しても補助遊技の発生率が時短遊技状態より低く、補助遊技における第2始動口42の開放期間も短いため、遊技者は第1始動入賞装置50の入球口53を狙って、通常、左打ちを行うこととなる。
遊技領域3の外側には、複数のランプからなる表示器14が設けられ、表示器14には、図3に示す第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器14c、第1特別図柄保留ランプ14d、第2特別図柄保留ランプ14e、及び、普通図柄保留ランプ14fが含まれている。
第1特別図柄表示器14aは、遊技球の第1始動口51への入賞を契機として行われる大当たり判定(大当たり抽選)の結果を、第2特別図柄表示器14bは、遊技球の第2始動口52又は第2始動口42への入賞を契機として行われる大当たり判定の結果を、変動表示を経て停止表示された特別図柄により報知する(これを「特別図柄変動」という)ものである。第1特別図柄表示器14a又は第2特別図柄表示器14bに停止表示された図柄が、大当たり図柄であれば、大入賞口71を所定回数開閉する大当たり遊技(特別遊技に相当。)が行われ、後述するように遊技状態が大当たりの種類に応じて遷移し得る。一方、第1特別図柄表示器14a又は第2特別図柄表示器14bに停止表示された図柄が、小当たり図柄であれば、大入賞口71を所定回数開閉する小当たり遊技が行われるが、遊技状態は遷移しない。大当たり遊技及び小当たり遊技を総称して、当たり遊技という。以下、遊技球の第1始動口への入賞を「第1始動入賞」といい、遊技球の第2始動口52又は第2始動口42への入賞を「第2始動入賞」といい、「第1始動入賞」及び「第2始動入賞」を合わせて「始動入賞」という。
特別図柄変動中または当たり遊技中に、始動入賞が発生すると、メイン制御基板20(図3参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の判定用情報を取得して、第1始動入賞であればRAM内の第1保留記憶部20a(図3参照)に、第2始動入賞であればRAM内の第2保留記憶部20b(図3参照)に、入賞順と共に記憶し、その判定用情報に基づく大当たり判定の権利(大当たり判定を受ける権利)を、その判定用情報に基づく特別図柄変動を実行可能となるまで(すなわち、その判定用情報より先に記憶された判定用情報に基づく特別図柄変動及び当たり遊技が全て終了するまで)保留する。そして、特別図柄変動を実行可能になったときに、入賞順に、記憶しておいた判定用情報に基づいて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。以下、このように大当たり判定の権利を保留することを、「特別図柄の保留」といい、特別図柄の保留の数を「保留数」という。また、第1始動入賞に基づく保留を第1保留、第2始動入賞に基づく保留を第2保留という。第1保留の上限個数、第2保留の上限個数は、それぞれ4個とされている。
第1特別図柄保留ランプ14d及び第2特別図柄保留ランプ14eは、それぞれ、第1保留記憶部20a、第2保留記憶部20bに記憶されている判定用情報の個数(すなわち、保留数)を表示するものである。上述したように、第1保留の上限個数、第2保留の上限個数は、それぞれ4個とされているため、第1保留記憶部20aに4個の判定用情報が記憶されている状態で遊技球が第1始動口51に入賞したときや、第2保留記憶部20bに4個の判定用情報が記憶されている状態で遊技球が第2始動口52又は第2始動口42に入賞したときは、その入賞に対して大当たり乱数等の判定用情報は取得されない。また、第1保留及び第2保留は、液晶画面60aに表示される保留画像I(図36参照)によっても表示される。
表示器14に含まれる普通図柄表示器14c(図3参照)は、ゲート80への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄判定の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知するものである。停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数第2始動口42を開く補助遊技が行われる。
普通図柄の変動表示中または補助遊技中は、普通図柄の変動表示を開始できないため、普通図柄の変動表示中または補助遊技中に遊技球がゲート80を通過すると、メイン制御基板20は、その通過に対して当たり乱数(普通図柄乱数)を取得し、RAMに記憶する。そして、普通図柄の変動表示を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた普通図柄乱数を用いて当たりか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示を開始して、その判定結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留ランプ14f(図3参照)は、このように記憶されている普通図柄乱数の個数を表示するものである。普通図柄乱数を記憶して普通図柄変動を保留することを、「普通図柄の保留」という。なお、記憶される普通図柄乱数は4個が上限とされているため、4個の普通図柄乱数が記憶されている状態で遊技球がゲート80を通過しても、その通過に対する普通図柄乱数の取得は行われない。
次に、図3に基づいて実施形態の遊技機1の電気系統について説明する。実施形態の遊技機1は、メイン制御基板20、払出制御基板21、サブ制御基板25を備え、サブ制御基板25は、演出制御基板22、画像音響制御基板23、及び、ランプ制御基板24を備えている。そして、払出制御基板21及び演出制御基板22はメイン制御基板20に接続され、画像音響制御基板23及びランプ制御基板24は演出制御基板22に接続されている。各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。また、メイン制御基板20は、RAM内に第1保留記憶部20a及び第2保留記憶部20bを備えている。
メイン制御基板20は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御基板20には、第1始動口SW54、第2始動口SW55、電チューソレノイド43、第2始動口SW44、ゲートSW81、大入賞口SW73、大入賞口ソレノイド74、各普通入賞口SW92、第1特別図柄保留ランプ14d、第2特別図柄保留ランプ14e、普通図柄保留ランプ14f、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器14cがそれぞれ接続され、図3に矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板20に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御基板20から信号が出力される。
また、メイン制御基板20は、払出制御基板21に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板21から信号を受信する。払出制御基板21には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ26が接続され、払出制御基板21は、メイン制御基板20から受信したコマンドに従って払出駆動モータ26を動作させ、賞球の払出を行わせる。
さらに、メイン制御基板20は、演出制御基板22に対し各種コマンドを送信する。演出制御基板22は、RTC(リアルタイムクロック)28を備え、画像音響制御基板23との間でコマンドや信号の送受信を行う。RTC28は、現時点の日時を計時し出力するものであり、遊技機1に島電源供給装置100(図4参照)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置100から電力が供給されていないときには遊技機1に内蔵されている図示しないバックアップ電源から供給される電力によって動作する。このため、RTC28は、遊技機1の電源断が生じても、その影響を受けることなく、現在の日時を計時し出力することができる。また、RTC28は、演出制御基板22のRAMの内容が消去(いわゆるラムクリア)されたときでも、その影響を受けることなく、現在の日時を計時し出力することができる。演出制御基板22には、演出ボタン30及び演出キー31が接続されている。
画像音響制御基板23には液晶表示装置60及びスピーカ17が接続され、画像音響制御基板23は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、液晶表示装置60の液晶画面60aに画像を表示し、スピーカ17から音声を出力する。また、演出制御基板22は、ランプ制御基板24との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板24には、枠ランプ18、盤ランプ19及び可動役物装置16が接続されている。
パチンコホールには、図4に示すように、複数台の遊技機1が並設された島200が設けられる。同じ島200内の各遊技機1は、共通の島電源供給装置100に電気的に接続される。このため、島200内の各遊技機1の個別の電源スイッチを「ON」とした状態で、島電源供給装置100の電源を入れると、島200内の全ての遊技機1を一斉に起動させることができる。したがって、後述するように、各遊技機1が起動時(電源投入時)からの時間を計時して所定の演出を行うことにより、同じ島200内の全ての遊技機1において一斉に同じ演出(一斉演出)を開始することが可能である。
次に、遊技機1の遊技状態等について説明する。遊技機1は、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態の4つの遊技状態と、大当たり遊技、小当たり遊技とを有している。大当たり遊技には、長当たり遊技と短当たり遊技とがある。
時短遊技状態とは、通常遊技状態よりも第2始動口42へ遊技球が入賞し易いが、大当たりの当選し易さは通常遊技状態と同等である状態をいい、通常遊技状態では、普通図柄判定の当選確率が約1/10、普通図柄変動時間が25秒、第2始動口42の開放時間が0.1秒で開放回数が1回であるのに対して、時短遊技状態では、普通図柄判定の当選確率が約9/10、普通図柄変動時間が2秒、第2始動口42の開放時間が0.3秒で開放回数が5回となっている。なお、大当たり当選確率はいずれの状態でも約1/300である。
確変遊技状態とは、通常遊技状態よりも大当たりに当選し易くかつ第2始動口42へ遊技球が入賞し易い状態をいい、通常遊技状態では、大当たり当選確率が約1/300であるのに対して、確変遊技状態では、大当たり当選確率が約1/30となっている。また、確変遊技状態では、時短遊技状態と同様、普通図柄判定の当選確率が約9/10、普通図柄変動時間が2秒、第2始動口42の開放時間が0.3秒で開放回数が5回となっている。
潜確遊技状態とは、通常遊技状態よりも大当たりに当選しやすいが、第2始動口42への遊技球の入賞し易さは通常遊技状態と同等である状態をいい、潜確遊技状態では、確変遊技状態と同様、大当たり当選確率が約1/30となっている。また、潜確遊技状態では、通常遊技状態と同様、普通図柄判定の当選確率が約1/10、普通図柄変動時間が25秒、第2始動口42の開放時間が0.1秒で開放回数が1回となっている。
そして、初期状態では通常遊技状態であり、大当たりが発生すれば、大入賞口開閉部材72を所定回数開放状態とする大当たり遊技を経て、その大当たりの種類に応じた遊技状態に遷移する。本実施形態では、大当たりの種類には、賞球の獲得が略望めない短当たりとして、2R(ラウンド)潜確大当たりがあり、多くの賞球を獲得可能な長当たりとして、15R通常大当たり、15R確変大当たりがある。短当たりのときの大当たり遊技を短当たり遊技、長当たりのときの大当たり遊技を長当たり遊技という。なお、ラウンドとは大入賞口71の開放期間をいう。2R潜確大当たりでは、大入賞口71を極短時間2回開放する短当たり遊技を行った後、潜確遊技状態に遷移し、15R通常大当たりでは、大入賞口71を15回開放する長当たり遊技を行った後、時短遊技状態に遷移し、15R確変大当たりでは、大入賞口71を15回開放する長当たり遊技を行った後、確変遊技状態に遷移する。さらに、時短遊技状態において途中で大当たりが発生することなく所定回数(本実施形態では100回)の特別図柄変動が行われたときは、通常遊技状態に遷移する。また、これら大当たりの他に小当たりがある。小当たりは、見かけ上2R潜確大当たりと変わらない動作をするもので、大入賞口71を極短時間2回開放する小当たり遊技を行うが、遊技状態は遷移しない。
大当たり乱数は、図5(a)(b)に示すように、0〜299までの範囲で値をとることとされ、大当たり判定において、通常遊技状態又は時短遊技状態では、大当たりの当選確率が1/300、小当たりの当選確率が3/300となるように、確変遊技状態又は潜確遊技状態では、大当たりの当選確率が10/300、小当たりの当選確率が3/300となるように、それぞれ、当選とする乱数値が定められている。大当たり図柄乱数は、図5(c)(d)に示すように、0〜249までの範囲で値をとることとされ、第1始動口51への入賞に対しては、15R通常大当たりの当選確率が100/250、15R確変大当たりの当選確率が75/250、2R潜確大当たりの当選確率が75/250になるように、第2始動口52又は第2始動口42への入賞に対しては、15R通常大当たりの当選確率が100/250、15R確変大当たりの当選確率が125/250、2R潜確大当たりの当選確率が25/250になるように、それぞれ、当選とする乱数値が定められている。したがって、第1始動入賞に基づく大当たり判定よりも、第2始動入賞に基づく大当たり判定の方が、遊技者にとって有利な大当たりに当たり易い。
次に、図6〜16に基づいてメイン制御基板20の動作について説明する。なお、後述する各カウンタは、RAMに設けられ、遊技機1の電源投入時にゼロクリアされる。
[メイン側タイマ割込処理]メイン制御基板20は、図6に示すメイン側タイマ割込処理を例えば4msecといった短時間周期で繰り返す。まず、メイン制御基板20は、大当たり判定に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり図柄乱数、変動演出においてリーチ演出を行うか否かを決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄判定に用いる当たり乱数等を更新する乱数更新処理を行う(ステップS101)。
次に、メイン制御基板20は、始動口SW処理(S102)、ゲートSW処理(S103)、大入賞口SW処理(S104)、及び、普通入賞口SW処理(S105)を行う。始動口SW処理及びゲートSW処理については、後述する。大入賞口SW処理は、大入賞口SW73がONしていれば、当たり遊技(後述する当たり遊技フラグがON)中か否かを判定して、当たり遊技中であれば、入賞個数カウンタの値Cに1を加算するとともに、大入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。普通入賞口SW処理は、普通入賞口SW92がONしていれば普通入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。続いて、メイン制御基板20は、後述する特別図柄処理(S106)、普通図柄処理(S107)、大入賞口処理(S108)、及び、電チュー処理(S109)を行う。
そして、メイン制御基板20は、始動入賞口カウンタの値に応じた数の賞球、大入賞口カウンタの値に応じた数の賞球、及び、普通入賞口カウンタの値に応じた数の賞球を払い出すためのコマンドをセットして、それらのカウンタをゼロクリアする賞球処理(S110)を行い、以上の各処理においてセットしたコマンドを払出制御基板21及び演出制御基板22に出力する出力処理(S111)を行う。
[始動口SW処理]図7に示すように、始動口SW処理では、メイン制御基板20は第1始動口SW54がONしたか否かを判定し(S201)、ONしていなければステップS208に進み、ONしていれば、始動入賞口カウンタの値に1を加算して、第1保留記憶部20aに記憶されている判定用情報の個数を数える第1始動口保留カウンタの値U1が、上限値の4未満か否かを判定する(S202)。そして、4未満でない場合はステップS208に進み、4未満の場合はU1に1を加算して(S203)、大当たり判定に用いる判定用情報(本実施形態では、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数)を取得して、第1保留記憶部20aに格納する(S204)。そして、取得した判定用情報を用いて、事前判定(いわゆる先読み)処理を行う(S205)。事前判定処理では、メイン制御基板20は、後述する大当たり判定処理(図10参照)と同様に、現時点での遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図5(a)(b)参照)を参照して、大当たり乱数が大当たりであるか否かを判定し、大当たりと判定した場合には、大当たり時の図柄決定テーブル(図5(c)(d)参照)を参照して、大当たり図柄乱数に基づき大当たりの種類を判定する。また、後述する変動パターン選択処理(図11参照)と同様にして、リーチ演出の有無を含めて特別図柄の変動パターンを選択する。そして、メイン制御基板20は、この事前判定処理による判定結果を示す情報を含む第1保留数増加コマンドを、RAMにセットする(S207)。
ステップS208では、メイン制御基板20は第2始動口SW55がONしたか否かを判定し、ONしていなければ始動口SW処理からリターンし、ONしていれば、始動入賞口カウンタの値に1を加算して、第2保留記憶部20bに記憶されている判定用情報の個数を数える第2始動口保留カウンタの値U2が、上限値の4未満か否かを判定する(S209)。そして、4未満でない場合は始動口SW処理からリターンし、4未満の場合は、U2に1を加算して(S210)、大当たり判定に用いる判定用情報を取得して、第2保留記憶部20bに格納する(S211)。そして、取得した判定用情報を用いて、上述したように事前判定処理を行い(S212)、この事前判定処理による判定結果を含む第2保留数増加コマンドを、RAMにセットして(S214)、始動口SW処理からリターンする。メイン制御基板20は、始動口SW処理からリターンすると、ゲートSW処理に進む。
[ゲートSW処理]図8に示すように、ゲートSW処理では、メイン制御基板20はゲートSW81がONしたか否かを判定し(S301)、ONしていなければ、ゲートSW処理からリターンし、ONしていれば、ゲート保留カウンタの値Gが上限値(ここでは、4)未満か否かを判定する(S302)。そして、上限値未満でない場合はゲートSW処理からリターンし、上限値未満であればGに1を加算して(S303)、後述する普通図柄判定に用いる普通図柄乱数を取得して所定記憶域に格納し(S304)、ゲートSW処理からリターンする。すなわち、普通図柄乱数は、4個まで所定記憶域に記憶されることとなる。メイン制御基板20は、ゲートSW処理からリターンすると、大入賞口SW処理に進む。
[特別図柄処理]図9に示すように、特別図柄処理では、メイン制御基板20は、当たり遊技中か否かを示す当たり遊技フラグ(即ち、小当たり遊技フラグ、長当たり遊技フラグ、又は、短当たり遊技フラグ)がONか否かを判定し(S401)、ONであれば、特別図柄変動を開始できないため特別図柄処理からリターンし、ONでなければ、特別図柄変動中か否かを判定する(S402)。メイン制御基板20は、ステップS402で変動中と判定すれば、ステップS411に進むが、変動中でないと判定すれば、特別図柄変動を開始できるため、特別図柄の保留があるか否か(すなわち、保留数が1以上か否か)を判定する(S403)。そして、特別図柄の保留ありと判定した場合、最先の特別図柄の保留(最も先の始動入賞に基づく保留)が第2始動入賞に基づくものか否かを判定し(S404)、第2始動入賞に基づくものであれば、U2から1を減算する(S405)。一方、第2始動入賞に基づくものでなければ、第1始動入賞に基づくものであるので、U1から1を減算する(S405-1)。
ステップS405又はS405-1の処理を行ったメイン制御基板20は、客待ちフラグをOFFし(S406)、最先の特別図柄の保留に基づいて、すなわち、最先に第1保留記憶部20a又は第2保留記憶部20bに記憶された判定用情報を用いて、後述する大当たり判定処理(S407)及び変動パターン選択処理(S408)を行う。そして、第1保留記憶部20aに記憶されていた判定用情報を用いたときは第1特別図柄表示器14a、第2保留記憶部20bに記憶されていた判定用情報を用いたときは第2特別図柄表示器14bにおいて、特別図柄変動を開始し(S409)、変動開始コマンドをセットして(S410)、ステップS411に進む。なお、変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報と、大当たり判定処理でセットされた図柄を示す情報と、変動パターン選択処理でセットされた変動パターンを示す情報とが含まれている。このように、第1保留記憶部20a又は第2保留記憶部20bに記憶されている判定用情報は、先に記憶されたものから順に、大当たり判定に用いられる。なお、大当たり判定に用いられた判定用情報は、第1保留記憶部20a又は第2保留記憶部20bから消去される。このように記憶されていた判定用情報に基づいて大当たり判定が行われて、その判定用情報が消去されることを、保留の消化という。ステップS411では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ特別図柄処理からリターンし、経過していれば、特別図柄の変動を停止して、大当たり判定処理でセットされた図柄で特別図柄を停止表示し(S412)、変動停止コマンドをセットして(S413)、後述する停止中処理(S414)を行って、特別図柄処理からリターンする。
また、ステップS403で保留無しと判定した場合、メイン制御基板20は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S415)、ONであれば、特別図柄処理からリターンするが、ONでなければ、客待ちコマンドをセットして(S416)、客待ちフラグをONして(S417)、特別図柄処理からリターンする。メイン制御基板20は、特別図柄処理からリターンすると、普通図柄処理に進む。
[大当たり判定処理]図10に示すように、大当たり判定処理では、メイン制御基板20は、図5に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たり乱数が大当たりか否かの判定を行う(S501)。そして、大当たりであれば(S502でYES)、大当たり図柄乱数がどの大当たり図柄を示すものかを、図5に示す図柄決定テーブルを用いて判定し(S503)、その大当たり図柄を特別図柄の停止図柄としてセットする(S504)。なお、大当たり図柄によって、大当たりの種類が決まる。一方、大当たり乱数が大当たりでないが(S502でNO)、小当たりであれば(S505でYES)、小当たり図柄を特別図柄の停止図柄としてセットし(S506)、小当たりでもなければ(S505でNO)、ハズレ図柄を特別図柄の停止図柄としてセットする(S507)。
[変動パターン選択処理]図11に示すように、変動パターン選択処理では、メイン制御基板20は、直前の大当たり判定処理で大当たりと判定していれば(S601でYES)、乱数値と変動パターンとの対応を示す変動パターンテーブルとして大当たり用テーブルをセットし(S602)、小当たりと判定していれば(S601でNO、S603でYES)、変動パターンテーブルとして小当たり用テーブルをセットする(S604)。大当たりでも小当たりでもない場合には(S603でNO)、リーチ乱数判定テーブルを参照してリーチ乱数がリーチ有りを示すものであるか否かの判定を行い(S605)、リーチ有りである場合は(S606でYES)、変動パターンテーブルとしてリーチはずれ用テーブルをセットし(S607)、リーチ無しである場合は(S605でNO)、変動パターンテーブルとしてバラはずれ用テーブルをセットする(S608)。リーチはずれとは、装飾図柄をリーチ状態(例えば、左、中、右の3つの装飾図柄を表示する場合、左右の装飾図柄を同一図柄とする等、最後に停止される装飾図柄以外の装飾図柄を同一図柄とした状態)とした後ハズレの態様で停止表示させる変動演出であり、バラはずれとは、装飾図柄をリーチ状態としないでハズレの態様で停止表示させる変動演出である。次に、メイン制御基板20は、上記のようにセットした変動パターンテーブルを参照して、変動パターン乱数がいずれの変動パターンを示すかの判定を行い(S609)、その変動パターン乱数が示す変動パターンをセットする(S610)。なお、通常大当たり及び確変大当たりとなる場合には、変動パターンは必ずリーチ有りとなる。
[停止中処理]図12に示すように、停止中処理では、メイン制御基板20は、時短遊技状態か否かを示す時短遊技フラグがONか否かを判定し(S701)、ONでない場合はステップS705に進むが、ONの場合は、時短遊技状態中の特別図柄変動の回数を数える時短変動カウンタの値Jを1減算し(S702)、Jが0であれば時短遊技状態を終えるために時短遊技フラグをOFFして(S703、704)、ステップS705に進む。
ステップS705では、メイン制御基板20は、確変遊技状態か否かを示す確変遊技フラグ、又は、潜確遊技状態か否かを示す潜確遊技フラグがONか否かを判定し、いずれもONでない場合はステップS709に進むが、いずれかがONの場合は、確変遊技状態又は潜確遊技状態中の特別図柄変動の回数を数える高確率変動カウンタの値Xを1減算し(S706)、Xが0であれば、確変遊技状態又は潜確遊技状態を終えるために、ONであった確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグをOFFして(S707、708)、ステップS709に進む。
ステップS709では、大当たりか否か(即ち、停止した特別図柄が大当たり図柄か否か)を判定し(S709)、大当たりである場合、長当たり(すなわち15R通常大当たり又は15R確変大当たり)であれば長当たり遊技フラグをONし(S710、711)、長当たりでなければ短当たり(すなわち2R潜確大当たり)遊技フラグをONする(S710、712)。そして、時短変動カウンタの値J及び高確率変動カウンタの値Xを0とし(S713)、時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、及び、潜確遊技フラグをOFFし(S714)、オープニングを開始するとともに(S717)、オープニングコマンドをセットして(S718)、停止中処理からリターンする。
一方、大当たりでない場合(S709でNO)、メイン制御基板20は、小当たりか否かを判定し(S715)、小当たりでない場合には停止中処理からリターンし、小当たりである場合には、小当たり遊技フラグをONし(S716)、オープニングを開始するとともに(S717)、オープニングコマンドをセットして(S718)、停止中処理からリターンする。停止中処理からリターンすると、メイン制御基板20は、特別図柄処理からリターンして普通図柄処理に進む。
[普通図柄処理]図13に示すように、普通図柄処理では、メイン制御基板20は、補助遊技中か否かを示す補助遊技フラグがONか否かを判定し(S801)、ONであれば普通図柄処理からリターンし、ONでなければ普通図柄の変動中か否かを判定する(S802)。そして、変動中の場合にはステップS809に進み、変動中でない場合には、ゲート保留カウンタの値Gが1以上か否かを判定し(S803)、Gが1以上でなければ普通図柄処理からリターンし、Gが1以上であればGから1を減算して(S804)、予め記憶している普通図柄判定テーブルを用いて、ステップS304で所定記憶域に格納しておいた普通図柄乱数のうち最先に格納したものが当たりか否かを判定する当たり乱数判定処理を行って(S805)、当たりであれば当たり図柄を選択し、当たりでなければハズレ図柄を選択してRAMにセットする停止図柄選択処理を行う(S806)。なお、普通図柄判定テーブルは、時短遊技状態又は確変遊技状態のときは、通常遊技状態又は潜確遊技状態のときよりも、当たり易いものが用いられる。普通図柄判定に用いた普通図柄乱数は所定記憶域から消去される(普通図柄の保留の消化)。そして、メイン制御基板20は、現時点の遊技状態に応じた普通図柄変動の時間を選択してセットする変動時間選択処理を行い(S807)、普通図柄変動を開始して(S808)、ステップS809に進む。ステップS809では、メイン制御基板20は、変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ普通図柄処理からリターンするが、経過していれば、普通図柄の変動を停止してステップS806でセットした図柄を、普通図柄表示器14cに停止表示する(S810)。そして、停止した図柄が当たり図柄であれば(S811でYES)、補助遊技フラグをONし(S812)、ハズレ図柄であれば(S811でNO)、補助遊技フラグをONせずに、普通図柄処理からリターンする。メイン制御基板20は、普通図柄処理からリターンすると、大入賞口処理に進む。
[大入賞口処理]図14に示すように、大入賞口処理では、メイン制御基板20は、まず、当たり遊技フラグがONか否かを判定し(S901)、ONでなければ大入賞口処理からリターンし、ONであれば、オープニング中であるか否かを判定する(S902)。オープニングとは、当たり遊技の開始から第1ラウンドの開始までの期間をいう。メイン制御基板20は、オープニング中と判定した場合には、オープニング時間が経過したか否かを判定し(S903)、経過していなければ大入賞口処理からリターンし、経過していれば、大当たりの種類に応じた最大R数(ラウンド数)と作動パターンとを設定する(S904)。そして、入賞個数カウンタの値Cをゼロクリアし(S905)、ラウンドカウンタの値Rに1を加算し(S906)、大入賞口161の作動(開放)を開始する(S907)。
次に、メイン制御基板20は、大入賞口161の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定し(S908)、経過していれば大入賞口161を閉口し(S910)、経過していなければ、入賞個数カウンタの値Cが規定個数であるか否かを判定して(S909)、規定個数でなければ大入賞口処理からリターンし、規定個数であれば大入賞口161を閉口する(S910)。
そして、メイン制御基板20は、ラウンドカウンタの値Rが最大R数であるか否かを判定し(S911)、最大R数でなければ大入賞口処理からリターンし、最大R数であれば、エンディングを開始して(S912)、エンディングコマンドをセットし(S913)、ラウンドカウンタの値Rをゼロクリアする(S914)。なお、エンディングとは、最終ラウンドの終了から当たり遊技の終了までの期間をいう。次に、メイン制御基板20は、エンディング時間が経過したか否かを判定し(S917)、経過していなければ大入賞口処理からリターンし、経過していれば後述する遊技状態設定処理を行って(S918)、当たり遊技フラグをOFFする。メイン制御基板20は、大入賞口処理からリターンすると、電チュー処理に進む。
一方、メイン制御基板20は、ステップS902においてオープニング中でないと判定したときは、エンディング中であるか否かを判定し(S915)、エンディング中であればステップS917に移行し、エンディング中でなければ大入賞口71の作動中か否かを判定する(S916)。そして、作動中でなければステップS905に移行し、作動中であればステップS908に移行する。
[遊技状態設定処理]図15に示すように、遊技状態設定処理では、メイン制御基板20は、今終了した当たり遊技が、小当たりであれば(S1001でYES)、遊技状態は遷移させないので、遊技状態設定処理からリターンし、通常大当たり(15R通常大当たり)であれば(S1002でYES)、時短遊技状態に遷移させるため、時短遊技フラグをONし(S1003)、時短変動カウンタの値Jを100として(S1004)、遊技状態設定処理からリターンする。また、ステップSS1002でNOと判定したときは、確変大当たり(15R確変大当たり)か否かを判定し、確変大当たりであれば(S1005でYES)、遊技状態を確変遊技状態に遷移させるため、確変遊技フラグをONし(S1006)、確変大当たりでなければ2R潜確大当たりであるので、遊技状態を潜確遊技状態に遷移させるため、潜確遊技フラグをONする(S1007)。そして、高確率変動カウンタの値Xを10000として(S1008)、遊技状態設定処理からリターンする。
[電チュー処理]図16に示すように、電チュー処理では、メイン制御基板20は、補助遊技フラグがONか否かを判定し(S1101)、ONでないと判定すれば電チュー処理からリターンする。一方、ONと判定すれば、電チューソレノイド43が作動中か否かを判定する(S1102)。そして、作動中である場合はステップS1105に進むが、作動中でない場合、現時点の遊技状態に応じた電チューソレノイド43の作動パターン(すなわち、第2始動口42の開放パターン)をセットする作動パターン設定処理を行い(S1103)、その作動パターンに則った電チューソレノイド43の作動を開始し(S1104)、ステップS1105に進む。ステップS1105では、メイン制御基板20は、セットした作動パターンに対応した作動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ電チュー処理からリターンし、経過していれば補助遊技フラグをOFFして(S1109)、電チュー処理からリターンする。メイン制御基板20は、電チュー処理からリターンすると、賞球処理に進む。
以上のメイン制御基板20における処理と並行して、演出制御基板22では図17〜24に示すような処理を行う。以下、演出制御基板22の動作について説明する。
[サブ側タイマ割込処理]演出制御基板22は、図17に示すようなサブ側タイマ割込処理を所定の短時間(例えば4msec)毎に繰り返す。サブ側タイマ割込処理では、後述するコマンド受信処理(S2101)を行い、次に、演出ボタン30からの操作信号の入力の有無に基づいて、演出ボタン30、演出キー31等の操作手段が操作されたか否かを判定し(S2102)、操作されたと判定した場合に、その旨を通知するための操作コマンドをRAMにセットする(S2103)。そして、コマンド送信処理(S2104)を行う。コマンド送信処理は、コマンド受信処理及びステップS2103でセットしたコマンドを、画像音響制御基板23及びランプ制御基板24に送信する処理である。画像音響制御基板23やランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに基づいて、演出手段(液晶表示装置60、スピーカ17、枠ランプ18、盤ランプ19、及び、可動役物装置16)に各種の演出(変動演出、当たり演出、客待ち演出、カウントダウン演出、新曲発表演出、関連演出等)を実行させる。
[コマンド受信処理]図18に示すように、コマンド受信処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンドを受信したか否かを判定し(S2301)、受信していれば、保留数加算処理を行う(S2302)。保留数加算処理では、受信したコマンドに含まれている事前判定結果に応じた保留画像Iを、液晶画面60aに表示するための保留表示コマンドをRAMにセットする。遊技機1では、リーチ演出が予定されている特別図柄の保留について、リーチ演出が予定されていない特別図柄の保留とは異なる保留画像Iを表示することとする。これにより、遊技者にその保留による特別図柄変動が大当たりになるかも知れないとの期待感を持たせることができる。なお、第1保留か第2保留かによって保留画像Iを異ならせてもよい。また、演出制御基板22は、第1保留か第2保留かを示す情報と事前判定結果を示す情報とを含む事前判定結果記憶コマンドを、RAMにセットする(S2303)。
次に、演出制御基板22は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定して(S2304)、受信していれば後述する演出選択処理を行い(S2305)、変動停止コマンドを受信したか否かを判定して(S2306)、受信していれば後述する変動演出終了中処理を行う(S2307)。そして、演出制御基板22は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定して(S2308)、受信していれば、後述するオープニング演出選択処理を行い(S2309)、ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定して(S2310)、受信していれば、後述するラウンド演出選択処理を行い(S2311)、エンディングコマンドを受信したか否かを判定して(S2312)、受信していれば、後述するエンディング演出選択処理を行う(S2313)。さらに、演出制御基板22は、後述する客待ちコマンド受信処理(S2314)を行う。
[演出選択処理]図19に示すように、演出選択処理では、演出制御基板22は、まず、メイン制御基板20から受信した変動開始コマンドを解析する(S2401)。変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報、大当たり判定処理においてセットされた特別図柄の停止図柄、及び、変動パターン選択処理においてセットされた変動パターンを示す情報が含まれている。なお、変動パターンを示す情報には、リーチの有無を示す情報も含まれている。
続いて、演出制御基板22は、変動開始コマンドの解析に基づいて、変動演出パターンテーブルを参照して、変動演出パターンを選択する(S2402)。変動パターンがリーチ有りのものであれば、変動演出パターンとしてはリーチ演出を行うものを選択する。そして、選択した変動演出パターンによる変動演出を画像音響制御基板23に実行させるための変動演出開始コマンドをセットする(S2403)。さらに、演出制御基板22は、最先に液晶画面60aに表示された保留画像Iを液晶画面60aから消去するための保留消去コマンドをRAMにセットする保留数減算処理を行って(S2404)、記憶している事前判定結果を消去させるための事前判定結果消去コマンドをRAMにセットし(S2405)、演出選択処理からリターンして次のステップS2306に進む。
[変動演出終了中処理]図20に示すように、変動演出終了中処理では、演出制御基板22は、変動停止コマンドを解析し(S2501)、その変動停止コマンドで示される停止図柄に応じた装飾図柄を停止させて変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットし(S2502)、変動演出終了中処理からリターンして次のステップS2308に進む。
[オープニング演出選択処理]図21に示すように、オープニング演出選択処理では、演出制御基板22は、オープニングコマンドを解析して(S2601)、開始しようとしている大当たり遊技が長当たり遊技か否かを判定し(S2602)、長当たり遊技であれば、オープニング演出のパターンを選択するオープニング演出パターン選択処理を行う(S2603)。オープニング演出とは、大当たり遊技の開始を遊技者に報知するための演出である。そして、演出制御基板22は、選択した演出パターンによるオープニング演出を画像音響制御基板23に実行させるためのオープニング演出開始コマンドをセットして(S2604)、オープニング演出選択処理からリターンして次のステップS2310に進む。一方、開始しようとしている大当たり遊技が長当たり遊技でなければ、短当たり遊技(ここでは、小当たり遊技も含む)のオープニングからエンディング終了までの間に行われる短当たり演出のパターンを選択する短当たり演出パターン選択処理を行う(S2605)。そして、演出制御基板22は、選択した演出パターンによる短当たり演出(ここでは、小当たり演出も含む)を画像音響制御基板23に実行させるための短当たり演出開始コマンドをセットして(S2606)、オープニング演出選択処理からリターンして次のステップS2310に進む。
[ラウンド演出選択処理]図22に示すように、ラウンド演出選択処理では、演出制御基板22は、ラウンド開始コマンドを解析し(S2701)、特別遊技の継続回数(連チャン回数)やラウンド数を判断して、ラウンド中の演出パターンを選択する(S2702)。そして、選択した演出パターンによるラウンド中の演出を画像音響制御基板23に実行させるためのラウンド中演出開始コマンドをセットして(S2703)、ラウンド演出選択処理からリターンして次のステップS2312に進む。
[エンディング演出選択処理]図23に示すように、エンディング演出選択処理では、演出制御基板22は、エンディングコマンドを解析し(S2801)、終了しようとしている大当たり遊技が長当たり遊技か否かを判定し(S2802)、長当たり遊技であれば、解析したエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出のパターンを選択するエンディング演出パターン選択処理を行う(S2803)。エンディング演出とは、大当たり遊技の終了を遊技者に報知するための演出である。そして、演出制御基板22は、選択した演出パターンによるエンディング演出を画像音響制御基板23に実行させるためのエンディング演出開始コマンドをセットして(S2804)、エンディング演出選択処理からリターンして次のステップS2314に進む。一方、終了しようとしている大当たり遊技が長当たり遊技でなければ、実行している短当たり演出を終了させるための短当たり演出終了コマンドをセットして(S2805)、エンディング演出選択処理からリターンして次のステップS2314に進む。
[客待ちコマンド受信処理]図24に示すように、客待ちコマンド受信処理では、演出制御基板22は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定し(S2901)、受信していれば、客待ち演出を実行するまでの時間の計測を開始するとともに計測フラグをONして(S2902、S2903)、ステップS2905に進む。一方、受信していなければ、計測フラグがONにされているか否か判定し(S2904)、ONにされていなければ、客待ち演出実行までの時間の計測中ではないので、客待ちコマンド受信処理からリターンし、ONにされていればタイムアップか、すなわち、いま計測している時間が客待ち演出実行までの時間として設定した所定時間に達したか否か判定する(S2905)。そして、タイムアップでなければ、客待ちコマンド受信処理からリターンし、タイムアップであれば、計測フラグをOFFとするとともに(S2906)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをセットして(S2907)、客待ちコマンド受信処理からリターンする。演出制御基板22は、客待ちコマンド受信処理からリターンすると、コマンド受信処理からリターンして、サブ側タイマ割込処理のステップS2102に進む。
以上の演出制御基板22における処理と並行して、画像音響制御基板23では図25〜35に示すような処理を行う。以下、画像音響制御基板23の動作について説明する。
[画像音響制御基板タイマ割込処理]画像音響制御基板23は、図25に示すような画像音響制御基板タイマ割込処理を所定の短時間(例えば33msec)毎に繰り返す。画像音響制御基板タイマ割込処理では、まず、画像音響制御基板23は、演出制御基板22のRTC28から現時点の日時を示すRTC情報を取得してRAMに格納するRTC情報取得処理を行う(S3000)。すなわち、RAMに格納されているRTC情報は、画像音響制御基板タイマ割込処理が実行される度に更新される。そして、後述する計測処理(S3001)、カウントダウン演出制御処理(S3002)、事前判定結果処理(S3003)、新曲発表演出開始処理(S3004)、通常演出制御処理(S3005)、新曲発表演出終了処理(S3006)、関連演出終了処理(S3007)、画像出力制御処理(S3008)、音声出力制御処理(S3009)、及び、データ送信制御処理(S3010)を行う。
[計測処理]図26に示すように、計測処理では、画像音響制御基板23は、遊技機1の電源が投入されてから初回の新曲発表演出が実行されるまでは、遊技機1の電源が投入されてからの経過時間を計測し、初回の新曲発表演出実行後は、新曲発表演出が実行されてからの経過時間を計測する。なお、新曲発表演出が行われている状態が特別状態に相当する。詳しくは、画像音響制御基板23は、RAMに記憶している割込処理回数Nに1を加算するカウント処理を行う(S3101)。上述したように、画像音響制御基板タイマ割込処理は、所定時間毎に実行されることから、その所定時間毎に割込処理回数Nは1ずつ増加するが、後述するように、新曲発表演出が実行されるときに割込処理回数Nは0に戻される。したがって、割込処理回数Nと上記所定時間とから、遊技機1の電源投入から初回の新曲発表演出が実行されるまでは、遊技機1の電源投入からの経過時間、初回の新曲発表演出実行後は、新曲発表演出が実行されてからの経過時間が算出できる。
次に、画像音響制御基板23は、上述したように計測している経過時間に基づいて、新曲発表演出に先行する先行演出であるカウントダウン演出の開始時間か否かを判定する(S3102)。遊技機1では、新曲発表演出を遊技機1の電源投入から1時間毎に開始し、各新曲発表演出の開始時間の60秒前を、カウントダウン演出の開始時間とする。なお、カウントダウン演出及び新曲発表演出は、本実施形態では変動演出や当たり演出の背景として表示されることにより、変動演出や当たり演出と共に実行され得る。一方、カウントダウン演出及び新曲発表演出は、客待ち演出より優先され、カウントダウン演出又は新曲発表演出が行われているときは、客待ち演出は実行されない。画像音響制御基板23は、カウントダウン演出の開始時間でないと判定した場合、ステップS3104に進み、カウントダウン演出の開始時間であると判定した場合、カウントダウンフラグをONとして(S3103)、ステップS3104に進む。
次に、画像音響制御基板23は、上述したように計測している経過時間に基づいて、新曲発表演出の開始時間か否かを判定する(S3104)。上述したように、遊技機1では、新曲発表演出を遊技機1の電源投入から1時間毎に開始する。すなわち、遊技機1の電源が投入されてから1時間経過時に初回の新曲発表演出を実行し、その後は、前回の新曲発表演出開始から1時間経過時に次回の新曲発表演出を実行する。画像音響制御基板23は、新曲発表演出の開始時間でないと判定した場合、計測処理からリターンし、新曲発表演出の開始時間であると判定した場合、新曲発表フラグをONとして(S3105)、割込処理回数Nを0に戻すリセット処理を行い(S3106)、計測処理からリターンする。このように、画像音響制御基板23は、計測している経過時間が所定時間(ここでは1時間)に達すると、新曲発表フラグをONとして、一斉演出として新曲発表演出を液晶表示装置60やスピーカ17に開始させる。画像音響制御基板23は、計測処理からリターンすると、カウントダウン演出制御処理に進む。
[カウントダウン演出制御処理]図27に示すように、カウントダウン演出制御処理では、画像音響制御基板23は、カウントダウンフラグがONか否かを判定し(S3201)、ONでないと判定した場合、カウントダウン演出制御処理からリターンする。一方、ONと判定した場合、演出モードフラグに特別モードを示す値を設定し(S3202)、カウントダウン演出を開始させるための設定情報をRAMにセットし(S3203)、カウントダウンフラグをOFFして(S3204)、カウントダウン演出制御処理からリターンする。なお、画像音響制御基板23は、複数の新曲について各新曲の発表日が格納された新曲テーブルを記憶しており、この新曲テーブルと、RAMに記憶されているRTC情報から特定される現在の日付とに基づいて、開始するカウントダウン演出に続く新曲発表演出において発表する新曲を特定し、その新曲に関連したカウントダウン演出の情報を設定情報に含める。カウントダウン演出を開始させるための設定情報がセットされると、この設定情報に基づいてディスプレイリストが作成されて所定の記憶領域にセットされ、このディスプレイリストに従って液晶表示装置60においてカウントダウン演出用の画像が表示される。また、それと共に、スピーカ17からは、カウントダウン演出用の音声が発せられる。すなわち、画像音響制御基板23は、カウントダウン演出の開始時間となったときに、カウントダウン演出を開始させる。なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成され、液晶表示装置60は、ディスプレイリストにしたがって、画像を表示する。画像音響制御基板23は、カウントダウン演出制御処理からリターンすると、事前判定結果処理に進む。
また、演出モードフラグは、演出モードを示すフラグである。演出モードとは演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタや背景画像が異なる等、液晶画面60aに表示される画像が異なる。また、装飾図柄も演出モードに応じたものが用いられ得る。本実施形態では、演出モードとして、通常モードと特別モードと関連モードとがある。通常モードは、カウントダウン演出、新曲発表演出、及び、関連演出のいずれもが行われていないときの演出モードであり、換言すれば、所定の開始時間の到来を契機に実行される演出及びそれに引き続いて実行される演出ではなく、遊技者による遊技球を用いた遊技の進行に伴って実行される演出(以下、「通常演出」という。)中の演出モードである。通常モードは、時短遊技状態のときは通常遊技状態とは異なる演出モードとされる等、遊技状態等に応じてさらに複数種類の演出モードに分類される。特別モードは、カウントダウン演出及び新曲発表演出中の演出モードであり、関連モードは、関連演出中の演出モードである。
[事前判定結果処理]図28に示すように、事前判定結果処理では、画像音響制御基板23は、事前判定結果記憶コマンドを受信したか否かを判定し(S4001)、受信していなければ、ステップS4003に進み、受信していれば、そのコマンドによって示される事前判定結果を所定の事前判定結果記憶領域に記憶して(S4002)、ステップS4003に進む。ステップS4003において画像音響制御基板23は、事前判定結果消去コマンドを受信したか否かを判定し(S4003)、受信していなければ、事前判定結果処理からリターンし、受信していれば、記憶している事前判定結果を事前判定結果記憶領域から消去して(S4004)、事前判定結果処理からリターンする。画像音響制御基板23は、事前判定処理からリターンすると、新曲発表演出開始処理に進む。
[新曲発表演出開始処理]図29に示すように、新曲発表演出開始処理では、画像音響制御基板23は、新曲発表フラグがONに設定されているか否かを判定する(S3301)。そして、ONに設定されていないと判定した場合、新曲発表演出開始処理からリターンするが、ONに設定されていると判定した場合、RAMに記憶されているRTC情報に基づいて現在の日付を特定し(S3302)、上述した新曲テーブルに基づいて現在の日付に対応する新曲を選択し(S3303)、選択した新曲の新曲発表演出を実行するための設定情報をセットする(S3304)。そして、新曲発表フラグをOFFに設定して(S3305)、新曲発表演出開始処理からリターンする。新曲発表演出を実行するための設定情報がセットされると、この設定情報に基づいてディスプレイリストが作成されて所定の記憶領域にセットされ、このディスプレイリストに従って液晶表示装置60において新曲発表演出用の画像が表示される。また、それと共に、スピーカ17からは、新曲発表演出用の音声が発せられる。すなわち、新曲発表演出の開始時間が到来すると、新曲発表演出が開始される。画像音響制御基板23は、新曲発表演出開始処理からリターンすると、通常演出制御処理に進む
[通常演出制御処理]図30、31に示すように、通常演出制御処理では、画像音響制御基板23は、まず、演出制御基板22から客待ち演出開始コマンドを受信したか否かを判定し(S3401)、受信したと判定した場合、カウントダウン演出、新曲発表演出、又は、関連演出中か否かを判定する(S3402)。そして、ステップS3402でNOと判定した場合、所定の客待ち演出画像の表示を開始させるための設定情報をセットして(S3403)、ステップS3404に進む。一方、ステップS3401でNOと判定した場合、又は、ステップS3402でYESと判定した場合、かかる設定情報のセットは行わずにステップS3404に進む。
ステップS3404では、画像音響制御基板23は、演出制御基板22から保留表示コマンドを受信したか否かを判定し、受信したと判定すれば、保留画像Iを液晶画面60aに追加表示するための設定情報をRAMにセットして (S3405)、ステップS3406に進むが、受信していないと判定した場合は、かかるセットを行わず、ステップS3406に進む。なお、画像音響制御基板23は、表示しようとする保留の事前判定結果を参照して、長当たり又はリーチはずれとなる場合(すなわち、リーチ演出が予定されている場合)にはそうでない場合とは異なる色にする等、事前判定結果に応じた保留画像Iを液晶表示装置60に表示させる。
次に、画像音響制御基板23は、演出制御基板22から変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定し(S3406)、受信したと判定した場合、後述する変動演出選択処理を行う(S3407)。そして、選択した変動演出を実行するための設定情報をRAMにセットする(S3408)。この設定情報に基づいて生成されたディスプレイリストがセットされることにより、変動演出が液晶表示装置60及びスピーカ17において実行される。なお、カウントダウン演出、新曲発表演出、又は、関連演出が実行されている場合には、変動演出は、例えば液晶画面60aにおいてそれらの演出を背景として重畳させて表示する等により、それらの演出と共に実行される。また、客待ち演出が実行されている場合には、客待ち演出が終了されて変動演出が実行される。すなわち、客待ち演出は、カウントダウン演出、新曲発表演出、又は、関連演出が実行されていない状態において、客待ち演出開始コマンドを受信してから変動演出開始コマンドを受信するまでの間、実行される。
画像音響制御基板23は、ステップS3406で変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3408の処理を実行した場合、演出制御基板22から変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(S3409)。そして、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合、関連演出中か否かを判定し(S3410)、関連演出中であれば、関連演出中の図柄変動の回数をカウントするカウンタの値Kを1増加させる(S3411)。そして、画像音響制御基板23は、液晶表示装置60及びスピーカ17に実行させている変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S3412)。次に、画像音響制御基板23は、後述する通常演出用モードフラグ変更処理を行い(S3412-1)、カウントダウン演出、新曲発表演出又は関連演出中か否かを判定して(S3412-2)、カウントダウン演出、新曲発表演出又は関連演出中であると判定したときは、ステップS3413に進み、カウントダウン演出中でも新曲発表演出中でも関連演出中でもないと判定したときは、演出モードフラグに通常演出用モードフラグの値を設定して(S3412-3)、ステップS3413に進む。このように、通常演出中か否かにかかわらず、通常演出用モードフラグ変更処理は行われるが、通常演出中のときのみ、通常演出用モードフラグの値が演出モードフラグに設定される。すなわち、通常演出中は、演出モードフラグには、通常モードを示す値(本実施形態では、0〜3のいずれか)である通常演出用モードフラグの値が設定されるが、カウントダウン演出又は新曲発表演出中は、演出モードフラグには特別モードを示す値(本実施形態では、4)が設定され(ステップS3202参照)、関連演出中は、演出モードフラグには関連モードを示す値(本実施形態では、5)が設定される(ステップS3614参照)。
ステップS3413では、画像音響制御基板23は、特別図柄の保留があるか否かを判定し、保留がないと判定した場合、液晶画面60aの下部領域に停止状態の装飾図柄を表示するための設定情報をRAMにセットする(S3414)。画像音響制御基板23は、ステップS3409でNOと判定した場合、ステップS3413でYESと判定した場合、又は、ステップS3414の処理を実行した場合、ステップS3415に進む。ステップS3415〜3426に示す処理は当たり演出に関するものである。当たり演出も、変動演出と同様に、カウントダウン演出、新曲発表演出又は関連演出が実行されているときには、それらの演出と共に実行される。
画像音響制御基板23は、演出制御基板22からオープニング演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3415)。そして、受信したと判定した場合、オープニング演出画像を選択し(S3416)、選択したオープニング演出画像の表示を開始するための設定情報をRAMにセットする(S3417)。画像音響制御基板23は、ステップS3415でオープニングコマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3417の処理を実行した場合、演出制御基板22からラウンド中演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3418)。そして、受信したと判定した場合、ラウンド数に応じたラウンド中演出画像を表示するための設定情報をRAMにセットする(S3419)。画像音響制御基板23は、ステップS3418でラウンド中演出開始コマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3419の処理を実行した場合、演出制御基板22からエンディング演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3420)。そして、受信したと判定した場合、エンディング演出画像の表示を開始するための設定情報をRAMにセットする(S3421)。
画像音響制御基板23は、ステップS3420でエンディング演出開始コマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3421の処理を実行した場合、演出制御基板22から短当たり演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3422)。そして、受信したと判定した場合、短当たり演出画像を選択して(S3423)、選択した短当たり演出画像の表示を開始するための設定情報をRAMにセットする(S3424)。画像音響制御基板23は、ステップS3422で短当たり演出開始コマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3424の処理を実行した場合、演出制御基板22から短当たり演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(S3425)。そして、受信したと判定した場合、実行中の短当たり演出を終了させる(S3426)。画像音響制御基板23は、ステップS3425で短当たり演出終了コマンドを受信していないと判定した場合、又は、ステップS3426の処理を行った場合、通常演出制御処理からリターンして、新曲発表演出終了処理に進む。
[変動演出選択処理]図32に示すように、変動演出選択処理では、画像音響制御基板23は、新曲発表演出又は関連演出中か否かを判定し(S3501)、新曲発表演出又は関連演出中であれば、変動演出パターンがリーチ演出を行うものか否かを判定する(S3502)。なお、通常大当たり、確変大当たり、及び、リーチはずれとなる場合には、変動演出パターンとしてリーチ演出を行うものが選択されている。そして、変動演出パターンがリーチ演出を行うものであると判定した場合、演出モードフラグを参照して(S3503)、特定演出を含む変動演出を選択する(S3504)。このときの演出モードフラグは、特別モード(新曲発表演出中の場合)又は関連モード(関連演出中の場合)を示す値とされている。特定演出とは、新曲発表演出中又は関連演出中であるときに実行され易く、新曲発表演出中でも関連演出中でもないときは実行され難い演出である。なお、本実施形態では、特定演出は、新曲発表演出中又は関連演出中であるときのみ実行される演出とされ、図37の(d)に示すような流れ星の画像が表示される演出とされている。画像音響制御基板23は、ステップS3501でNO、あるいは、ステップS3502でNOと判定した場合、演出モードフラグを参照して(S3505)、特定演出を含まない変動演出を選択する(S3506)。このときの演出モードフラグは、通常モード(通常演出中の場合)又は特別モード(カウントダウン演出中の場合)を示す値とされている。そして、画像音響制御基板23は、変動演出選択処理からリターンして上述したステップS3408の処理に進む。
[通常演出用モードフラグ変更処理]図33に示すように、通常演出用モードフラグ変更処理では、画像音響制御基板23は、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たり(大当たり又は小当たり)を報知するものか否かを判定して(S4101)、当たりを報知するものであれば、通常演出用モードフラグを変更する(S4106)。具体的には、通常演出用モードフラグを、その当たりの種類に応じた演出モードを示す値とするとともに、変更後の演出モードが通常遊技状態用の演出モードでない場合には、演出モードカウンタの値Mに上限回数をセットする。例えば、本実施形態では、通常大当たりの場合、途中で当たりが発生しなければ変動回数100回まで時短遊技状態とされるため、通常演出用モードフラグを時短遊技状態用の演出モードを示す値(本実施形態では、1)とするとともに、値Mに100をセットし、確変大当たり又は潜確大当たりの場合、途中で当たりが発生しなければ変動回数10000回まで確変遊技状態とされるため、通常演出用モードフラグを確変遊技状態用の演出モードを示す値(本実施形態では、2)又は潜確遊技状態用の演出モードを示す値(本実施形態では、3)とするとともに、値Mに10000をセットし、小当たりであれば、遊技状態は変えないが、潜確遊技状態と見分け難くするため、通常演出用モードフラグを潜確遊技状態用の演出モードを示す値とするとともに、値Mに10000をセットする。なお、潜確遊技状態と見分け難い小当たり後の遊技状態用の演出モードを示す値としてもよい。ステップS4106の処理を行うと、画像音響制御基板23は、通常演出用モードフラグ変更処理からリターンする。なお、本実施形態では、通常遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態に対してそれぞれ1つの演出モードを対応させることとするが、複数の演出モードを対応させてもよいし、複数の遊技状態に対して1つの演出モードを対応させてもよい。
一方、画像音響制御基板23は、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たりを報知するものでなければ(S4101でNO)、通常演出用モードフラグが0か否かを判定し(S4102)、0であれば変動演出終了中処理からリターンする。なお、通常演出用モードフラグが0とは通常遊技状態用の演出モードであることを示し、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)通常演出用モードフラグは0である。一方、通常演出用モードフラグが0でなければ、演出モードカウンタの値Mを1減少させて(S4103)、値Mが0にならなければ(S4104でNO)、通常演出用モードフラグ変更処理からリターンするが、0になれば(S4104でYES)、通常遊技状態用の演出モードに戻すために通常演出用モードフラグを0として(S4105)、通常演出用モードフラグ変更処理からリターンする。画像音響制御基板23は、通常演出用モードフラグ変更処理からリターンすると、上述したステップS3412-2に進む。
[新曲発表演出終了処理]図34に示すように、新曲発表演出終了処理では、画像音響制御基板23は、現時点が関連演出中か否かを判定し(S3601)、関連演出中と判定した場合、新曲発表演出終了処理からリターンする。新曲発表演出終了処理からリターンすると、画像音響制御基板23は、関連演出終了処理(S3007)に進む。ステップS3601で関連演出中でないと判定した場合、画像音響制御基板23は、現時点が新曲発表演出中か否かを判定する(S3602)。そして、新曲発表演出中でないと判定した場合、新曲発表演出終了処理からリターンするが、新曲発表演出中であると判定した場合、現時点が新曲発表演出終了許可時以降(すなわち、新曲発表演出許可時若しくは新曲発表演出許可時より後)か否かを判定し(S3603)、新曲発表演出終了許可時以降でないと判定した場合、新曲発表演出終了処理からリターンする。新曲発表演出終了許可時とは、新曲発表演出の開始時間からその新曲発表演出に要する時間が経過した時点をいい、新曲発表演出は、新曲発表演出終了許可時以降に終了するものとする。
画像音響制御基板23は、ステップS3603で新曲発表演出終了許可時以降であると判定した場合、例えば演出制御基板22から客待ち演出開始コマンドを受信した後に変動演出開始コマンドを受信したか否かに基づいて、客待ち状態であるか否かを判定する(S3604)。なお、客待ち演出開始コマンドを受信した後に変動演出開始コマンドを受信していない場合には客待ち状態であるが、ここでは新曲発表演出中であるため客待ち演出は実行されていない(ステップS3402参照)。画像音響制御基板23は、客待ち状態であると判定した場合、演出モードフラグに通常演出用モードフラグの値を設定して(S3612)、新曲発表演出を終了して通常演出に戻すための設定情報(ここでは、所定の客待ち演出を開始するための設定情報)をRAMにセットして(S3613)、新曲発表演出終了処理からリターンする。通常演出とは、上述したように、遊技者による遊技球を用いた遊技の進行に伴って実行される演出をいい、所定の開始時間の到来により、通常演出の間に、カウントダウン演出、新曲発表演出、及び、関連演出が、割り込んで実行される。なお、関連演出は、新曲発表演出終了時に、特別図柄の保留が存在し、かつ、その中にリーチ演出が予定されているものがあるという関連演出実行条件が成立している場合に実行され、この関連演出実行条件は、本実施形態では、特定演出実行条件と共通とされている。
画像音響制御基板23は、ステップS3604で客待ち状態ではないと判定した場合、例えば演出制御基板22からの特別遊技に係るコマンドの受信状況などに基づいて、長当たり遊技中であるか否かを判定する(S3605)。そして、長当たり遊技中ではないと判定した場合、開始コマンド(ここでは、変動演出開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、又は、短当たり演出開始コマンド)を受信しているか否かを判定し (S3606)、受信していないと判定した場合、新曲発表演出終了処理からリターンするが、受信していると判定した場合、受信した開始コマンドが変動演出開始コマンドであって、開始しようとする変動演出がリーチ演出を行うもの(すなわち、長当たりかリーチはずれになるもの)か否かを判定する(S3607)。画像音響制御基板23は、ステップS3607でNOと判定した場合、ステップS3611に進む。ステップS3611では、画像音響制御基板23は、特別図柄の保留にリーチ演出を行うものがあるか否かを判定し、リーチ演出を行うものがなければ、演出モードフラグに通常演出用モードフラグの値を設定し(S3612)、新曲発表演出を終了して通常演出に戻すための設定情報をRAMにセットして (S3613)、新曲発表演出終了処理からリターンする。一方、画像音響制御基板23は、ステップS3607でYES、又は、ステップS3611でYESと判定した場合、演出モードフラグに関連モードを示す値を設定し(S3614)、新曲発表演出を終了して関連演出を開始するための設定情報をセットし(S3615)、関連演出中の特別図柄の変動回数をカウントするカウンタの値Kをゼロクリアする(S3616)。関連演出とは、新曲発表演出に関連する演出であり、ここでは、新曲発表演出と同じ複数の歌手が登場するが、新曲発表演出とは別の歌を歌う演出とされている。
また、画像音響制御基板23は、ステップS3605で長当たり遊技中であると判定した場合、演出制御基板22から最終ラウンドのラウンド中演出開始コマンドを受信したか否かに基づいて、最終ラウンド開始前か否かを判定する(S3608)。そして、最終ラウンド開始前であると判定した場合、ラウンド中演出開始コマンドを受信したか否かを判定し(S3610)、受信したと判断した場合には、上記ステップS3611に進み、受信していないと判定した場合には、新曲発表演出終了処理からリターンする。一方、最終ラウンド開始前ではないと判定した場合、例えばエンディング演出開始コマンドを受信してからの経過時間に基づいて、エンディング演出が終了したか否かを判定する(S3609)。そして、エンディング演出が終了していないと判定した場合、新曲発表演出終了処理からリターンし、エンディング演出が終了したと判定した場合、上記ステップS3611に進む。
上記のようなタイミングで新曲発表演出を終了して通常演出又は関連演出を開始するための設定情報をセットすることにより、新曲発表演出終了許可時に客待ち状態である場合には、直ちに新曲発表演出が終了されて通常演出に戻される(ここでは、客待ち演出が開始される)ことになる。また、新曲発表演出終了許可時に客待ち状態ではなく長当たり遊技中でもない場合には、次が変動演出であるときにはその変動演出、次が当たり演出であるときにはその当たり演出が開始されるタイミングで、新曲発表演出が終了される。そして、新曲発表演出の終了時点でリーチ演出が予定されている場合(すなわち、リーチ演出を行う変動演出が開始される場合、若しくは、リーチ演出が予定されている特別図柄の保留がある場合)には、関連演出が開始されて、その関連演出を背景に変動演出又は当たり演出が開始され、新曲発表演出の終了時点でリーチ演出が予定されていない場合には、通常演出に戻されて、変動演出又は当たり演出が開始されることになる。通常演出では、変動演出は、遊技状態に応じた画像(換言すれば、演出モードに応じた画像)を背景に実行される。
また、新曲発表演出終了許可時に長当たり遊技中である場合、最終ラウンド開始前であれば、次のラウンドが開始されるタイミングで新曲発表演出が終了される。そして、新曲発表演出の終了時点でリーチ演出が予定されている場合には、関連演出が開始されて、その関連演出を背景に次のラウンド中演出が開始され、新曲発表演出の終了時点でリーチ演出が予定されていない場合には、通常演出に戻されて次のラウンド中演出が開始される。一方、新曲発表演出終了許可時に長当たり遊技中である場合において、最終ラウンド開始前でなければ、エンディング演出が終了したタイミングで、新曲発表演出が終了される。そして、新曲発表演出の終了時点でリーチ演出が予定されている場合には、関連演出が開始されて、その関連演出を背景に変動演出が開始され、新曲発表演出の終了時点でリーチ演出が予定されていない場合には、通常演出に戻されて、特別図柄の保留があれば変動演出が開始され、特別図柄の保留がなければ、次に始動入賞が発生することにより変動演出が開始されるまで、若しくは、所定時間の経過により客待ち演出が開始されるまで、エンディング演出終了時の表示が継続される。
[関連演出終了処理]図35に示すように、関連演出終了処理では、画像音響制御基板23は、現時点が関連演出中か否かを判定し(S3701)、関連演出中でないと判定した場合、関連演出終了処理からリターンする。一方、関連演出中であると判定した場合、関連演出中の変動回数をカウントするカウンタの値Kが8以上であるか否かを判定し(S3702)、8以上でない場合には、関連演出終了処理からリターンするが、8以上である場合には、演出モードフラグに通常演出用モードフラグの値を設定し(S3703)、関連演出を終了して通常演出に戻すための設定情報をRAMにセットして(S3704)、カウンタの値Kをゼロクリアし(S3705)、関連演出終了処理からリターンする。関連演出終了処理からリターンすると、画像音響制御基板23は、画像出力制御処理に進む。したがって、関連演出中の8回目の図柄変動が終了したタイミングで、関連演出は終了する。
[画像出力制御処理]図36に示すように、画像出力制御処理では、画像音響制御基板23は、RAMに液晶表示装置60で表示される演出画像に関する設定情報がセット(記憶)されているか否かを判定する(S3901)。画像音響制御基板23は、ステップS3901で設定情報が記憶されていると判定した場合、記憶されている設定情報に基づいて、液晶用のディスプレイリストを作成する(S3902)。そして、作成したディスプレイリストを所定の記憶領域にセットする(S3903)。そして、画像出力制御処理からリターンして、画像音響制御基板タイマ割込処理における次のステップS3009の音声出力制御処理に進む。
[音声出力制御処理]音声出力制御処理(S3009)は、図示しないが、画像音響制御基板23が、画像出力制御処理に応じて液晶表示装置60によって表示される演出画像と同期させて、スピーカ17から音声を出力する処理である。画像音響制御基板23は、音声出力処理からリターンすると、画像音響制御基板タイマ割込処理における次のステップS3010のデータ送信制御処理に進む。
[データ送信制御処理]データ送信制御処理(S3010)は、図示しないが、画像音響制御基板23が画像音響制御に関するデータを演出制御基板22に送信する処理であり、演出制御基板22は、そのデータをランプ制御基板24に送信する。これにより、ランプ制御基板24は、液晶表示装置60及びスピーカ17による演出と同期させて、枠ランプ18、盤ランプ19、及び、可動役物装置16に演出を実行させる。
次に、遊技機1における演出の流れの例について説明する。
〈図37に示す例〉
図37は、新曲発表演出の終了時に存在する特別図柄の保留の中に、リーチ演出が行われる予定のものがなかった場合の例を示す。初期状態では、演出モードフラグは0とされ、演出モードは通常モード(具体的には、通常遊技状態用の演出モード)である。画像音響制御基板23は、通常演出として客待ち演出を行い、始動入賞が発生すると、(a)に示すように、通常演出として変動演出を実行する。通常演出における変動演出は、遊技状態に応じた画像を背景画像として表示される。(a)に示す背景画像は、通常遊技状態に応じたものであり、本実施形態では、1人の歌手が歌を歌っている画像である。
画像音響制御基板23は、計測処理(図26参照)において、カウントダウン開始時間になると(S3102でYES)、カウントダウンフラグをONとし(S3103)、カウントダウン演出制御処理(図27参照)において、ステップS3201でYESと判定し、演出モードフラグを特別モードを示す値に変更して(すなわち、演出モードを特別モードに変更して)、カウントダウン演出を開始させるための設定情報をセットする(S3203)。これにより、図37の(b)に示すように、カウントダウン演出が開始され、カウントダウン演出を背景画像として、変動演出が行われる。本実施形態では、カウントダウン演出は、新曲発表演出の開始時間の60秒前に開始され、「公演まであと10秒」のように新曲発表演出の開始時間までの時間を数えるものとされている。
画像音響制御基板23は、計測処理(図26参照)において、新曲発表演出開始時間になると(S3104でYES)、新曲発表フラグをONとし(S3105)、新曲発表演出開始処理(図29参照)において、ステップS3301でYESと判定して、ステップS3302,S3303と進み、選択した新曲の新曲発表演出を実行するための設定情報をセットして(S3304)、新曲発表フラグをOFFとする(S3305)。したがって、新曲発表演出開始時間になると、図37の(c)に示すように、新曲発表演出が開始され、新曲発表演出を背景画像として変動演出が行われる。本実施形態は、新曲発表演出は、コンサート会場で複数の歌手が歌を歌う画像を用いたものとされている。また、変動演出の途中で特別図柄の保留が発生したときは、保留画像Iが表示される。保留画像Iは、大当たりに対する期待度が高い事前判定結果を得ている保留(より具体的には、リーチ演出を行うと事前判定された保留)は、そうでない保留とは異なるものとされ、図37では、黒丸で表示された保留画像Iが、リーチ演出を行うと事前判定された保留を示し、白丸で表示された保留画像Iは、リーチ演出を行わないと事前判定された保留を示している。
図37の(c)の黒丸の保留画像Iで示されている特別図柄の保留に基づいて、変動演出を行うとき、画像音響制御基板23は、図32の変動演出選択処理において、新曲発表演出中であるから、ステップS3501でYESと判定し、黒丸の保留画像Iで示されている特別図柄の保留はリーチ演出を行うものであるから、ステップS3502でYESと判断して、演出モードフラグ(このときは、特別モードである。)を参照し(S3503)、特定演出を含む変動演出を選択する(S3504)。したがって、(d)に示すように、リーチ演出を含む変動演出において特定演出が行われることとなる。一方、白丸の保留画像Iで示されている特別図柄の保留は、リーチ演出を行わないものであるから、ステップS3502でNOと判断され、特定演出は行われない。ステップS3501の判定により、新曲発表演出又は関連演出中のときは、特定演出が実行され得るが、新曲発表演出中でも関連演出中でもないときは、特定演出は実行されないこととなる。また、図37の(d)では、リーチはずれとなっているが、仮に大当たりとなったとすれば(この場合、特別演出となる。)、図30のステップS3412-1に示す通常演出用モードフラグ変更処理において通常演出用モードフラグの値が変更されるが、新曲発表演出中であるため、その通常演出用モードフラグの値は演出モードフラグには設定されず(ステップS3412-2、S3412-3参照)、演出モードフラグは特別モードを示す値とされた状態が継続される。
新曲発表演出終了許可時になったとき、画像音響制御基板23は、図34に示す新曲発表演出終了処理において、ステップS3601でNO、ステップS3602でYES、ステップS3603でYESと判定する。そして、図37の例では、新曲発表演出終了許可時に変動演出の実行中であるため、ステップS3604でNO、ステップS3605でNO、ステップS3606でNOと判定されて、一旦は新曲発表演出終了処理からリターンする。図37の例では、特別図柄の保留があることから、新曲発表演出終了許可時に実行していた変動演出が終了すると、すぐに、画像音響制御基板23は、次の変動演出開始コマンドを受信することとなり、図30の通常演出制御処理のステップS3408で変動演出を開始するための設定情報をセットする。そして、図34の新曲発表演出終了処理において、画像音響制御基板23は、ステップS3601でNO、ステップS3602でYES、ステップS3603でYES、ステップS3604でNO、ステップS3605でNO、ステップS3606でYESと判定し、図37の例では、開始しようとしている変動演出はリーチ演出を行うものではなく、リーチ演出を行う保留もないことから、ステップS3607でNO、ステップS3611でNOと判定して、ステップS3612で通常演出用モードフラグの値を演出モードフラグに設定し(すなわち、演出モードを通常モードに戻し)、ステップS3613で新曲発表演出を終了して通常演出に戻すための設定情報をセットすることとなる。したがって、図37の(e)及び(f)に示すように、新曲発表演出終了許可時に実行中であった変動演出が終了したタイミングで、新曲発表演出が終了して通常演出に復帰し、演出モードが特別モードから通常モードに遷移するとともに、次の変動演出が開始されることとなる。
新曲発表演出を実行している状態は、(通常演出を実行している状態に比して)特定演出が実行され易い特別状態に相当する。すなわち、遊技機1は、予め設定された開始時間が到来すると、特定演出を実行させ易い特別状態(新曲発表演出を実行している状態)を開始し、所定の終了条件が成立すると(例えば、新曲発表演出終了許可時において変動演出が実行されている場合には、その変動演出が終了すると)、特別状態を終了する。通常演出に復帰すると、図32に示す変動演出選択処理において、ステップS3501でNOと判定されて、ステップS3506で特定演出を含まない変動演出が選択されることから、図37の(g)に示すように、リーチ演出を行う変動演出であっても、特定演出は実行されない。一方、図38に基づいて後述するように、新曲発表演出が終了しても通常演出に復帰せず、関連演出が実行される場合には、特定演出が実行され得る。
〈図38に示す例〉
図38は、新曲発表演出の終了時に存在する特別図柄の保留の中に、リーチ演出が行われる予定のものが存在した場合の例を示す。この場合、図37の(a)〜(d)と同様に、通常演出が実行されている状態から(図38の(a)参照)、所定の開始時間到来によりカウントダウン演出が実行されている状態となって(図38の(b)参照)、所定の開始時間到来により新曲発表演出が実行されている状態となる(図38の(c)参照)。新曲発表演出中は、リーチ演出を行う変動演出において、特定演出が実行される(図38の(d)参照)。
図38の例では、(e)に黒丸の保留画像Iで示すように、新曲発表演出終了時に、リーチ演出が予定されている特別図柄の保留が存在する。したがって、新曲発表演出終了許可時に実行していた変動演出が終了すると、画像音響制御基板23は、すぐに次の変動演出開始コマンドを受信して、図30の通常演出制御処理のステップS3408で変動演出を開始するための設定情報をセットすることとなり、図34の新曲発表演出終了処理において、ステップS3601でNO、ステップS3602でYES、ステップS3603でYES、ステップS3604でNO、ステップS3605でNO、ステップS3606でYES、ステップS3607でNO、ステップS3611でYESと判定して、ステップS3614で演出モードフラグに関連モードを示す値を設定し(すなわち、演出モードを関連モードとし)、ステップS3615で新曲発表演出を終了して関連演出を開始するための設定情報をセットして、ステップS3616でカウンタの値Kをゼロクリアすることとなる。したがって、図38の(e)及び(f)に示すように、新曲発表演出終了許可時に実行中であった変動演出が終了したタイミングで、新曲発表演出が終了して関連演出が開始され、演出モードが特別モードから関連モードに遷移するとともに、次の変動演出が開始されることとなる。なお、図38の例では、関連演出は、新曲発表演出と同じ複数の歌手が別の場所で別の歌を歌う演出とされている。
関連演出中は、画像音響制御基板23は、図32の変動演出選択処理において、変動演出がリーチ演出を行うものである場合、特定演出を含む変動演出を選択する(S3504)。したがって、図38の(g)に示すように、リーチ演出を含む変動演出において特定演出が実行される。関連演出中は、変動演出が終了する度に、カウンタの値Kに1が加算される(ステップS3410、S3411参照)。画像音響制御基板23は、図35の関連演出終了処理において、ステップS3701で関連演出中であると判定した場合には、カウンタの値Kが8以上となったか否かを判定する(S3702)。そして、カウンタの値Kが8以上となったと判定したとき(すなわち、関連演出において図柄変動が8回行われたとき)、通常演出用モードフラグの値を演出モードフラグに設定し(すなわち、演出モードを通常モードに戻し)(S3703)、関連演出を終了して、通常演出に戻すための設定情報をセットし(S3704)、カウンタの値Kをゼロクリアする(S3705)。したがって、図38の(h)及び(i)に示すように、関連演出中の8回目の変動演出が終了したタイミングで、関連演出が終了して通常演出(図38の例では、通常遊技状態用の演出モードによる演出)に復帰し、演出モードが関連モードから通常モードに遷移することとなる。
図38に示したように、遊技機1は、特別状態(新曲発表演出を実行している状態)の終了時に特別図柄の保留が存在し、その中にリーチ演出を行うと事前判定されたものがあると、特別状態でないとき(新曲発表演出ではなく関連演出を実行している状態のとき)であっても、特定演出を実行し得る。
また、図38に示したように、遊技機1は、特別モードの終了予定時(新曲発表演出の終了予定時)に存在する特別図柄の保留の事前判定結果に基づいて(具体的には、特別モードの終了予定時に存在する特別図柄の保留にリーチ演出を行うという事前判定結果を得ているものがあると)、関連モードに遷移してから通常モードに遷移することにより、通常モードへの遷移を特別モードの終了予定時よりも遅延させる。なお、ここで、「終了時」とせず「終了予定時」としているのは、後述するように特別モードを延長することとしてもよいからであり、「終了予定時」は特別モードの延長がないときの「終了時」に相当する。
以上説明したように、遊技機1は、始動条件の成立(始動入賞の発生)により獲得した判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を行うか否かを判定する特別遊技判定手段(メイン制御基板20)と、特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果を示す遊技演出(変動演出)を演出手段(メイン液晶表示装置60、スピーカ17等)に実行させる演出制御手段(サブ制御基板25)と、特別遊技判定手段により特別遊技を行うと判定された場合に、特別遊技を実行する特別遊技実行手段(メイン制御基板20)と、特別遊技判定手段による判定の権利を保留して、当該保留する権利に係る判定用情報を記憶する保留手段(メイン制御基板20)と、判定用情報に基づいて、特別遊技判定手段による判定に先立って、遊技演出が前記特別遊技に対する期待度が高い高期待度演出(リーチ演出)を行うものか否かを判定する事前判定手段(メイン制御基板20)と、を備え、演出制御手段は、予め設定された開始時間までの時間を計測する計時手段(図26参照)と、計時手段により開始時間の到来を知得すると、演出手段に大当たりになるときに行われる演出(以下、「特別演出」という。)(図37(d)参照)を実行させ易い特別状態(新曲発表演出を実行している状態)を開始し、所定の終了条件が成立すると(本実施形態では、例えば、新曲発表演出終了許可時において変動演出が実行されている場合には、その変動演出が終了すると)特別状態を終了する特別状態制御手段(図29、34参照)と、特別状態の終了時に所定の特別演出実行条件(本実施形態では、特別図柄の保留が存在し、その中に大当たりとなるリーチ演出を行うと事前判定されたものがあるという条件)が成立していると、特別状態制御手段によって特別状態とされているときでないとき(関連演出を実行しているとき)に、特別演出を演出手段に実行させる特別演出制御手段(図32、34参照)と、を備え、特別演出実行条件は、高期待度演出を行うものであると事前判定手段により判定された判定用情報(以下、「高期待度判定用情報」という。)が保留手段により記憶されていることであり、特別演出制御手段は、特別演出を、高期待度判定用情報に基づく遊技演出において実行し、高期待度判定用情報に基づかない遊技演出においては実行しないことを特徴とする。
したがって、遊技機1によれば、特別状態のときに実行され易い特別演出が、特別状態の終了時に所定の特別演出実行条件を満たしていることにより、特別状態でないときにも実行され得るので、遊技者に特別状態が終了したにもかかわらず特別演出を見られたという喜びを与えることができ、演出により遊技の興趣を向上可能である。
また、本実施形態のように、特別図柄の保留が存在し、かつ、その中に高期待度演出を行うと事前判定されたものがあることを、特別演出実行条件とすれば、特別演出により特別遊技に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を一層向上可能である。
以下、変形例について説明する。
本実施形態では、特別図柄の保留が存在し、かつ、その中に(確変大当たりか通常大当たりかにかかわらず)長当たりへの期待度の高い高期待度演出を行うと事前判定されたものがあることを、特定演出(特別演出を含む、以下同様とする。)実行条件としたが、特別図柄の保留が存在し、かつ、その中に確変大当たりへの期待度の高い高期待度演出、あるいは、スペシャルリーチ演出といった特に期待度の高い高期待度演出を行うと事前判定されたものがあることを、特定演出実行条件としてもよいし、特別遊技を行うと事前判定されたものがあることを、特定演出実行条件としてもよい。特別図柄の保留が全てバラはずれであることを、特定演出実行条件としてもよい。
本実施形態では、特別状態とされているとき(新曲発表演出が実行されているとき)の特定演出(特別演出を含む、以下同様とする。)を実行する条件を、変動演出が高期待度演出を行うものであることとし、特別状態とされていないとき(関連演出が実行されているとき)の特定演出を実行する条件と共通としているが、共通としなくてもよい。
特別状態の終了時に特定演出実行条件が成立していることに加えて、他の条件の成立、例えば、所定の操作有効期間に所定の操作手段(例えば、演出ボタン30)が操作されたことを、特定演出を実行するための要件としてもよい。すなわち、特別状態の終了時に特定演出実行条件が成立していることは、特別状態とされているときでないときに特定演出を実行するための最低要件である。かかる例として、特別状態の終了時に、特別図柄の保留が存在し、かつ、その中に高期待度演出を行うと事前判定されたものがある場合、その保留に基づく変動演出中に、操作有効時間になると「ボタンを押して流れ星を出してね」といった示唆を液晶画面60aに表示し、操作有効時間内に遊技者が演出ボタン30を押下すると、流れ星の画像を液晶画面60aに表示する特定演出を行い、操作有効時間内に遊技者が演出ボタン30を押下しなければ、かかる特定演出を行わないといった例がある。
本実施形態では、特別状態の終了時に存在した特別図柄の保留であって、高期待度演出を行うと事前判定されたものの変動演出中に、特定演出を行ったが、当該変動演出より前に、特定演出を行ってもよい。
本実施形態では、新曲発表演出中又は関連演出中に、高期待度演出を行う変動演出に対しては、必ず、特定演出を含む変動演出が選択されるように構成したが(図32参照)、例えば特定演出を行うか否かの抽選を行うことにより、特定演出を含む変動演出が選択されないことがあるように構成してもよい。また、高期待度演出を行う変動演出に対して、新曲発表演出中であれば高確率で、関連演出中であれば低確率で、特定演出を含む変動演出を選択することとしたり、逆に、新曲発表演出中であれば低確率で、関連演出中であれば高確率で、特定演出を含む変動演出を選択することとしたりする等、新曲発表演出中と関連演出中とで特定演出の実行され易さを変えてもよい。
本実施形態では、特定演出は新曲発表演出中又は関連演出中でなければ実行されないように構成されているが、通常演出中に特定演出が実行され得るように構成してもよい。但し、少なくとも、通常演出中は新曲発表演出中に比して特定演出が実行され難いように構成する必要がある。特定演出の希少価値を低減させないためである。そのように構成するには、例えば、高期待度演出を行う変動演出に対して、新曲発表演出中であれば、高確率で特定演出を含む変動演出を選択し、通常演出中であれば、低確率で特定演出を含む変動演出を選択するといった例がある。
本実施形態では、特別状態の終了時に特定演出実行条件が成立していると、関連演出を実行し、その関連演出中に特定演出を実行することとしたが、関連演出を実行せず、通常演出に復帰させて、通常演出中に特定演出を実行することとしてもよいし、関連演出とも通常演出とも異なる演出を行って、その演出中に特定演出を実行することとしてもよい。また、関連演出を実行せず、新曲発表演出を延長して、その延長分の新曲発表演出中に特定演出を実行することとしてもよい。以下、新曲発表演出を延長する実施形態について、図39に基づいて説明する。
図39は、元の(延長前の)新曲発表演出の終了予定時に存在する特別図柄の保留の中に、リーチ演出が行われる予定のものが存在した場合において、関連演出を行う代わりに新曲発表演出を延長する例を示す。この場合、図37の(a)〜(d)と同様に、通常演出が実行されている状態から(図39の(a)参照)、所定の開始時間到来によりカウントダウン演出が実行されている状態となって(図39の(b)参照)、所定の開始時間到来により新曲発表演出が実行されている状態となる(図39の(c)参照)。新曲発表演出中は、リーチ演出を行う変動演出において、特定演出が実行される(図39の(d)参照)。
図39の例では、(e)に黒丸の保留画像Iで示すように、新曲発表演出終了予定時に、リーチ演出が予定されている特別図柄の保留が存在する。したがって、新曲発表演出終了許可時に実行していた変動演出が終了すると、画像音響制御基板23は、すぐに次の変動演出開始コマンドを受信して、図30の通常演出制御処理のステップS3408で変動演出を開始するための設定情報をセットすることとなる。図39の例では、図34の新曲発表演出終了処理のステップS3614で、演出モードフラグに特別モードを示す値を設定し、ステップS3615で、新曲発表演出を延長するための設定情報をセットすることとする。したがって、図34の新曲発表演出終了処理において、ステップS3601でNO、ステップS3602でYES、ステップS3603でYES、ステップS3604でNO、ステップS3605でNO、ステップS3606でYES、ステップS3607でNO、ステップS3611でYESと判定したとき、ステップS3614で演出モードフラグに特別モードを示す値を設定し(すなわち、演出モードを特別モードのままとし)、ステップS3615で新曲発表演出を延長するための設定情報をセットして、ステップS3616でカウンタの値Kをゼロクリアすることとなる。したがって、図39の(e)及び(f)に示すように、新曲発表演出終了許可時に実行中であった変動演出が終了したタイミングで、延長分の新曲発表演出が開始されるとともに、次の変動演出が開始されることとなる。
新曲発表演出中は、画像音響制御基板23は、図32の変動演出選択処理において、変動演出がリーチ演出を行うものである場合、特定演出を含む変動演出を選択する(S3504)。したがって、図39の(g)に示すように、リーチ演出を含む変動演出において特定演出が実行される。図39の例では、図30の通常演出制御処理のステップS3410において延長分の新曲発表演出中か否かを判定し、延長分の新曲発表演出中であればステップS3411に進むこととする。したがって、延長分の新曲発表演出において変動演出が終了する度に、カウンタの値Kに1が加算される。また、図39の例では、画像音響制御基板23は、図35の関連演出終了処理において、ステップS3701で延長分の新曲発表演出であるか否かを判定し、延長分の新曲発表演出であると判定した場合、ステップS3702でカウンタの値Kが8以上となったか否かを判定することとする。そして、カウンタの値Kが8以上になったと判定したとき(すなわち、延長分の新曲発表演出において図柄変動が8回行われたとき)、ステップS3703で通常演出用モードフラグの値を演出モードフラグに設定し(すなわち、演出モードを通常モードに戻し)、ステップS3704で新曲発表演出を終了して通常演出に戻すための設定情報をセットして、ステップS3705でカウンタの値Kをゼロクリアすることとする。したがって、図39の(h)及び(i)に示すように、延長分の新曲発表演出中の8回目の変動演出が終了したタイミングで、新曲発表演出が終了して通常演出に復帰し、演出モードが特別モードから通常モードに遷移することとなる。
図39の例では、遊技機1は、新曲発表演出の終了予定時(すなわち、特別モードの終了予定時)に存在する特別図柄の保留の事前判定結果に基づいて、新曲発表演出を延長する(すなわち、特別モードを延長する)ことにより、通常モードへの遷移を特別モードの終了予定時よりも遅延させる。このように、特別モードを延長して通常モードへの遷移を遅延させることによっても、保留の事前判定結果を示唆することが可能であるため、遊技者の期待感を高めることができ、演出により遊技の興趣を向上可能である。
なお、例えば特別モード中に所定の操作手段が操作されたことを条件として、特別モードの終了予定時に存在する特別図柄の保留の事前判定結果を参照することとし、リーチ演出が予定されていたら、関連モードに遷移する、あるいは、特別モードを延長することとしてもよい。すなわち、通常モードへの遷移を遅延させる条件として、特別モードの終了予定時に存在する特別図柄の保留の事前判定結果に関する条件以外の条件を加えることは任意である。
また、所定のキャンセル条件を満たすことにより、新曲発表演出を中止(キャンセル)する、すなわち、特別モードを中止するように構成してもよい。所定のキャンセル条件としては、所定のキャンセル有効時間中に所定のキャンセル操作がなされた等の手動的なものでも、特別なリーチ演出や大当たり演出が実行される場合等、遊技機1側で演出内容や遊技の進行状況から判断してキャンセルする等の自動的なものでもよい。そして、カウントダウン演出中にキャンセル条件を満たした場合には、その時点でカウントダウン演出を中止するとともに、そのカウントダウン演出に続く新曲発表演出を最初から中止し、新曲発表演出中にキャンセル条件を満たした場合には、その時点から新曲発表演出を中止することとしてもよい。新曲発表演出が中止された場合には、新曲発表演出の延長が予定されていたとしても延長はされず、その新曲発表演出に続いて関連演出が予定されていたとしてもその関連演出は実行されない。すなわち、特別モードから通常モードへの遷移が特別モードの終了予定時から遅延されることはなく、その時点で通常モードに遷移して、通常演出が実行されることとなる。
また、新曲発表演出を中止可能とした場合には、所定の復活条件を満たすことにより、新曲発表演出を復活(再開)する、すなわち、特別モードを復活するように構成してもよい。所定の復活条件としては、所定の復活有効時間中に所定の復活操作がなされた等の手動的なものでも、特別なリーチ演出や大当たり演出が終了した場合等、遊技機1側で演出内容や遊技の進行状況から判断して復活する等の自動的なものでもよい。そして、カウントダウン演出中に復活条件を満たした場合には、その時点からカウントダウン演出を再開(すなわち、中止せずに実行していたと仮定したときの復活時点に該当する部分から実行)するとともに、そのカウントダウン演出に続く新曲発表演出を最初から実行し、新曲発表演出中に復活条件を満たした場合には、その時点から新曲発表演出を再開することとしてもよい。新曲発表演出が復活された場合には、新曲発表演出の終了予定時に存在する保留の事前判定結果に基づいて、新曲発表演出が延長され、又は、関連演出が実行され得ることとなる。
なお、遊技機1の電源断が発生した場合には、サブ制御基板25が有するRAMの内容が消去されるため、電源断前は特別モードあるいは関連モードであったとしても、電源が復旧したときは、通常モードから始まる。すなわち、電源断前に実行されていたカウントダウン演出、新曲発表演出あるいは関連演出は再開されず、通常演出から始まることとなる。但し、上述したように、RTC28は、遊技機1の電源断や演出制御基板22のラムクリアが生じても、現在の日時を出力することができるので、現在の日時から判断して、特別モードあるいは関連モードを再開する、すなわち、カウントダウン演出、新曲発表演出あるいは関連演出を再開することとしてもよい。
また、関連演出実行条件又は新曲発表演出を延長する条件(すなわち、通常モードへの遷移を遅延させる条件)を、新曲発表演出の終了予定時に、特別図柄の保留が存在し、かつ、その中にリーチ演出が予定されているものがない(すなわち、全てバラはずれである)という条件としてもよい。
また、新曲発表演出の終了予定時に特別図柄の保留が存在する場合において、その保留の遊技者にとっての有利度に応じて、関連演出の実行又は新曲発表演出の延長のされ易さ(すなわち、通常モードへの遷移の遅延のされ易さ)を変えることとしてもよい。例えば、その保留が15R確変大当たりといった出玉のある確変大当たりと事前判定されていれば、関連演出の実行又は新曲発表演出の延長がされ易く、15R通常大当たりといった出玉のある通常大当たりと事前判定されていれば、関連演出の実行又は新曲発表演出の延長がされ難く、2R潜確大当たりといった出玉のない大当たり(すなわち、短当たり)と事前判定されていれば、関連演出の実行や新曲発表演出の延長を行わない等とすれば、関連演出の実行又は新曲発表演出の延長により、遊技者の期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上可能である。