JP2016116339A - 送電機器及び非接触電力伝送装置 - Google Patents

送電機器及び非接触電力伝送装置 Download PDF

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Atsushi Oshima
敦 大島
田口 雄一
Yuichi Taguchi
雄一 田口
竜也 安久
Tatsuya Aku
竜也 安久
琢磨 小野
Takuma Ono
琢磨 小野
伸也 脇阪
Shinya Wakisaka
伸也 脇阪
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Abstract

【課題】交流電源の出力電力値を好適に制御できる送電機器及び非接触電力伝送装置を提供すること。【解決手段】受電器23を有する受電機器21に非接触で交流電力を送電可能な送電機器11は、交流電力を出力可能な交流電源12及び当該交流電力が入力される送電器13を備えている。交流電源12は、直流電力を交流電力に変換するDC/AC変換器12bを備えている。DC/AC変換器12bは、2つのハーフブリッジ回路12bb,12bcを含むフルブリッジ回路12baを備えている。ここで、送電機器11は、両ハーフブリッジ回路12bb,12bcを制御可能であって、且つ、動作モードがフルブリッジモードである場合において両デューティ比を異ならせることが可能に構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、送電機器及び非接触電力伝送装置に関する。
電源コードや送電ケーブルを用いない非接触電力伝送装置として、例えば、交流電力を出力する交流電源及び交流電力が入力される1次側コイルを有する送電機器と、1次側コイルから非接触で交流電力を受電可能な2次側コイル及び負荷を有する受電機器とを備えているものが知られている(例えば特許文献1参照)。かかる非接触電力伝送装置においては、例えば1次側コイルと2次側コイルとが磁場共鳴することにより、送電機器から受電機器に非接触で交流電力が伝送される。
特開2013−243882号公報
ここで、例えば、状況に応じて交流電源から異なる電力値の交流電力を出力する必要がある。この場合、交流電源の出力電力値が急激に変動すると、例えば電圧波形や電流波形等が乱れる場合がある。また、例えば仮に交流電源の出力端から負荷までのインピーダンスである電源負荷インピーダンスが変動する場合には、交流電源の出力電力値を目標電力値に近づけるために、電源負荷インピーダンスの変動に対応させて出力電力値を調整する必要があり得る。
以上のことから、交流電源の出力電力値を好適に制御することが求められている。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は交流電源の出力電力値を好適に制御できる送電機器及び非接触電力伝送装置を提供することである。
上記目的を達成する送電機器は、予め定められた周波数の交流電力を出力可能な交流電源と、前記交流電力が入力される1次側コイルと、を備え、2次側コイルを有する受電機器の前記2次側コイルに非接触で前記交流電力を送電可能であって、前記交流電源は、直流電力を前記交流電力に変換するDC/AC変換部を備え、前記DC/AC変換部は、互いに直列に接続された2つのスイッチング素子を有するハーフブリッジ回路を2つ含むフルブリッジ回路を備え、前記DC/AC変換部の動作モードは、前記2つのハーフブリッジ回路の双方が動作するフルブリッジモードを含み、前記送電機器は、前記2つのハーフブリッジ回路である第1ハーフブリッジ回路及び第2ハーフブリッジ回路を制御可能であって、且つ、前記動作モードが前記フルブリッジモードである場合において、前記第1ハーフブリッジ回路の両スイッチング素子のON/OFFのデューティ比である第1デューティ比と、前記第2ハーフブリッジ回路の両スイッチング素子のON/OFFのデューティ比である第2デューティ比とを異ならせることが可能に構成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、ハーフブリッジ回路が動作することにより、交流電源から交流電力が出力される。なお、ハーフブリッジ回路が動作するとは、当該ハーフブリッジ回路の2つのスイッチング素子が交互にON/OFFすることである。
かかる構成において、DC/AC変換部の動作モードがフルブリッジモードである場合における交流電源の出力電力値は、両デューティ比に依存する。そして、本構成によれば、両デューティ比を異ならせることが可能であるため、交流電源の出力電力値を精度よく制御することができる。よって、交流電源の出力電力値を好適に制御できる。
上記送電機器について、前記動作モードは、前記2つのハーフブリッジ回路のうちいずれか一方が動作するハーフブリッジモードを含み、前記送電機器は、前記動作モード及び前記両デューティ比を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記交流電源から目標電力値の前記交流電力を出力させる場合には、前記動作モードを前記ハーフブリッジモードに設定し、前記第1デューティ比及び前記第2デューティ比のうち前記ハーフブリッジモードにおいて動作対象のハーフブリッジ回路に対応するハーフ対応デューティ比を、前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値となるまで徐々に上昇させ、前記ハーフ対応デューティ比が予め定められた最大デューティ比に達した状況において前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値よりも小さい場合には、前記動作モードを前記ハーフブリッジモードから前記フルブリッジモードに移行させるものであり、前記制御部は、前記動作モードが前記ハーフブリッジモードから前記フルブリッジモードに移行した場合には、前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値となるまで、前記ハーフ対応デューティ比を前記最大デューティ比に維持しつつ、前記第1デューティ比及び前記第2デューティ比のうち前記ハーフ対応デューティ比とは別のフル対応デューティ比を、前記最大デューティ比よりも小さい初期値から徐々に上昇させるとよい。かかる構成によれば、交流電源は、ハーフブリッジモードを用いることによって、フルブリッジモードでは出力できないような比較的小さな電力値の交流電力を出力することができる。また、ハーフブリッジモードでは出力できないような比較的大きな電力値の交流電力が要求される場合にはフルブリッジモードを用いることにより、当該要求に対応することができる。
ここで、ハーフブリッジモードからフルブリッジモードに移行する場合、ハーフ対応デューティ比を最大デューティ比に維持した状態で、フル対応デューティ比を初期値から徐々に上昇させることにより、ハーフブリッジモードからフルブリッジモードへの移行時における出力電力値の急激な変動や電圧波形等の乱れを抑制することができる。これにより、交流電源の出力電力値を好適に上昇させることができ、当該出力電力値を目標電力値に近づけることができる。
特に、本構成によれば、動作モードは、まずハーフブリッジモードに設定され、その後ハーフ対応デューティ比が最大デューティ比となるまで当該ハーフブリッジモードに維持される。これにより、仮にフルブリッジモードとハーフブリッジモードとのいずれを用いた場合であっても目標電力値の交流電力を出力可能である場合には、動作モードとしてハーフブリッジモードが優先的に選択されることとなる。そして、当該ハーフブリッジモードは、フルブリッジモードと比較して、電力損失が小さい。よって、交流電源の電力損失の低減を図ることができる。
上記送電機器について、前記制御部は、前記動作モードが前記フルブリッジモードであって前記交流電源から前記交流電力が出力されている状況において、前記目標電力値が前記交流電源の出力電力値よりも小さい場合、前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値となるまで、前記ハーフ対応デューティ比を前記最大デューティ比に維持しつつ前記フル対応デューティ比を徐々に減少させ、前記フル対応デューティ比が予め定められた最小デューティ比に達した状況において前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値よりも大きい場合には、前記動作モードを前記フルブリッジモードから前記ハーフブリッジモードに移行させるものであり、前記制御部は、前記動作モードが前記フルブリッジモードから前記ハーフブリッジモードに移行した場合には、前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値となるまで、前記ハーフ対応デューティ比を徐々に減少させるとよい。かかる構成によれば、目標電力値が交流電源の出力電力値よりも小さい場合、まずハーフ対応デューティ比が最大デューティ比に維持されつつ、フル対応デューティ比が徐々に減少する。そして、フル対応デューティ比が最小デューティ比に達した場合であっても交流電源の出力電力値が目標電力値に達していない場合には、動作モードがフルブリッジモードからハーフブリッジモードに移行し、交流電源の出力電力値が目標電力値となるまでハーフ対応デューティ比が徐々に減少する。これにより、交流電源の出力電力値の急激な変動や電圧波形の乱れ等を抑制しつつ、交流電源の出力電力値を目標電力値に近づけることができる。
上記送電機器について、前記送電機器は、前記動作モード及び前記両デューティ比を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記交流電源の出力端から前記受電機器に設けられた負荷までのインピーダンスである電源負荷インピーダンスの変動に対応させて、前記動作モード及び前記両デューティ比を制御することにより、前記交流電源の出力電力値を目標電力値に近づけるとよい。かかる構成によれば、動作モードと両デューティ比とを制御することにより、電源負荷インピーダンスが変動する場合であっても、交流電源の出力電力値を精度よく目標電力値に近づけることができる。
上記目的を達成する非接触電力伝送装置は、予め定められた周波数の交流電力を出力可能な交流電源と、前記交流電力が入力される1次側コイルと、前記1次側コイルに入力される前記交流電力を非接触で受電可能な2次側コイルと、を備え、前記交流電源は、直流電力を前記交流電力に変換するDC/AC変換部を備え、前記DC/AC変換部は、互いに直列に接続された2つのスイッチング素子を有するハーフブリッジ回路を2つ含むフルブリッジ回路を備え、前記DC/AC変換部の動作モードは、前記2つのハーフブリッジ回路の双方が動作するフルブリッジモードを含み、前記非接触電力伝送装置は、前記2つのハーフブリッジ回路である第1ハーフブリッジ回路及び第2ハーフブリッジ回路を制御可能であって、且つ、前記動作モードが前記フルブリッジモードである場合において、前記第1ハーフブリッジ回路の両スイッチング素子のON/OFFのデューティ比である第1デューティ比と、前記第2ハーフブリッジ回路の両スイッチング素子のON/OFFのデューティ比である第2デューティ比とを異ならせることが可能に構成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、ハーフブリッジ回路が動作することにより、交流電源から交流電力が出力される。なお、ハーフブリッジ回路が動作するとは、当該ハーフブリッジ回路の2つのスイッチング素子が交互にON/OFFすることである。
かかる構成において、DC/AC変換部の動作モードがフルブリッジモードである場合における交流電源の出力電力値は、両デューティ比に依存する。そして、本構成によれば、両デューティ比を異ならせることが可能であるため、交流電源の出力電力値を精度よく制御することができる。
この発明によれば、交流電源の出力電力値を好適に制御できる。
送電機器及び非接触電力伝送装置の電気的構成を示すブロック図。 ドライバ回路の構成を示すブロック図。 送電開始制御処理を示すフローチャート。 電力値調整処理を示すフローチャート。 (a)は出力電力値と両デューティ比との関係を示すグラフであり、(b)は目標電力値と出力電力値との関係を示すグラフ。 出力電力値の時間変化を示すグラフ。
以下、送電機器(送電装置)及び非接触電力伝送装置(非接触電力伝送システム)を車両に適用した第1実施形態について説明する。
図1に示すように、非接触電力伝送装置10は、非接触で電力伝送が可能な送電機器11(地上側機器、1次側機器)及び受電機器21(車両側機器、2次側機器)を備えている。送電機器11は地上に設けられており、受電機器21は、移動体としての車両に搭載されている。
送電機器11は、予め定められた周波数の交流電力を出力可能な交流電源12を備えている。交流電源12は、外部電源としての系統電源Eから、外部電力としての系統電力が入力された場合に、当該系統電力を予め定められた周波数の交流電力に変換し、その交流電力を出力可能に構成されている。詳細には、交流電源12は、系統電力を所定の電圧値の直流電力に変換する外部電力変換部としてのAC/DC変換器12aと、AC/DC変換器12aによって変換された直流電力を交流電力に変換するDC/AC変換器12b(DC/AC変換部)とを備えている。なお、本実施形態において、交流電源12は例えば電圧源である。また、本実施形態では、AC/DC変換器12aからの出力電圧値は一定であるとする。
交流電源12から出力された交流電力は、非接触で受電機器21に伝送され、受電機器21に設けられた蓄電装置としてのバッテリ22(二次電池)の充電に用いられる。具体的には、非接触電力伝送装置10は、送電機器11及び受電機器21間の電力伝送を行うものとして、送電機器11に設けられた送電器13と、受電機器21に設けられた受電器23とを備えている。
送電器13及び受電器23は同一の構成となっており、両者は磁場共鳴可能に構成されている。詳細には、送電器13は、互いに並列に接続された1次側コイル13a及び1次側コンデンサ13bを含む共振回路を有している。受電器23は、互いに並列に接続された2次側コイル23a及び2次側コンデンサ23bを含む共振回路を有している。両共振回路の共振周波数は同一に設定されている。
また、送電機器11は、当該送電機器11に設けられた1次側インピーダンス変換器14を介して、交流電源12から出力された交流電力が送電器13に入力されるように構成されている。
かかる構成によれば、送電器13及び受電器23の相対位置が磁場共鳴可能な位置にある状況において、交流電力が送電器13(1次側コイル13a)に入力された場合、送電器13と受電器23(2次側コイル23a)とが磁場共鳴する。これにより、受電器23は送電器13からのエネルギの一部を受け取る。すなわち、受電器23は、送電器13から交流電力を受電する。
ちなみに、交流電源12から出力される交流電力の周波数は、送電器13及び受電器23間にて電力伝送が可能となるように、送電器13及び受電器23の共振周波数に対応させて設定されている。例えば、交流電力の周波数は、送電器13及び受電器23の共振周波数と同一に設定されている。なお、これに限られず、電力伝送が可能な範囲内で、交流電力の周波数と、送電器13及び受電器23の共振周波数とがずれていてもよい。
受電機器21は、受電器23によって受電される交流電力を整流し、その整流された直流電力を出力する整流器24を備えている。整流器24には、受電器23から交流電力が入力される。整流器24は、受電器23によって受電される交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換部とも言える。
バッテリ22は例えば複数の電池セルで構成されている。整流器24によって整流された直流電力がバッテリ22に入力されることによってバッテリ22が充電される。
ここで、バッテリ22のインピーダンスである負荷インピーダンスZLは、状況に応じて変動する。詳細には、負荷インピーダンスZLは、バッテリ22の充電状態やバッテリ22の入力電力値に応じて変動する。
受電機器21は、バッテリ22の充電状態(SOC)を検出するSOCセンサ25を備えている。SOCセンサ25は、その検出結果を、受電機器21に設けられた受電側コントローラ26に送信する。これにより、受電側コントローラ26は、バッテリ22の充電状態を把握できる。
図1に示すように、送電機器11は、交流電源12等の制御を行う送電側コントローラ15を備えている。送電側コントローラ15は、交流電源12からの交流電力の出力のON/OFFを制御するとともに、交流電源12の出力電力値Poutを制御するものである。送電側コントローラ15が「制御部」に対応する。
送電側コントローラ15と受電側コントローラ26とは、無線通信可能に構成されている。非接触電力伝送装置10は、両コントローラ15,26間で情報のやり取りを行うことにより、電力伝送の制御等を行う。
送電機器11における交流電源12と送電器13との間に設けられた1次側インピーダンス変換器14は、例えばインダクタ及びキャパシタを有するLC回路で構成されている。本実施形態では、1次側インピーダンス変換器14の定数(インピーダンス)は固定値である。なお、定数とは、変換比ともインダクタンスやキャパシタンスとも言える。
ここで、交流電源12の出力端からバッテリ22までを電源負荷30とする。1次側インピーダンス変換器14は、電源負荷30のインピーダンスである電源負荷インピーダンスZpが予め定められた特定電源負荷インピーダンスZptに近づく(好ましくは一致する)ようにインピーダンス変換を行うものである。詳細には、1次側インピーダンス変換器14の定数は、送電器13と受電器23との相対位置が予め定められた基準位置であり、且つ、負荷インピーダンスZLが予め定められた特定負荷インピーダンスである場合に、電源負荷インピーダンスZpが特定電源負荷インピーダンスZptとなるように設定されている。
特定電源負荷インピーダンスZptは、交流電源12が予め定められた規定範囲内の電力値の交流電力を出力可能となるように、交流電源12の仕様(定格電圧値や定格電流値)に対応させて設定された電源負荷インピーダンスZpである。なお、後述する目標電力値Ptは、上記規定範囲内の電力値である。電源負荷インピーダンスZpは、1次側インピーダンス変換器14の入力インピーダンスとも言え、交流電源12の出力端から送電器13側を見たインピーダンスとも言える。
なお、基準位置とは、磁場共鳴可能な位置であれば任意であるが、例えば送電器13が地面に設置され、受電器23が車両の底部に取り付けられている構成においては、送電器13と受電器23とが鉛直方向に対向する位置である。
次にDC/AC変換器12bの詳細な構成について説明する。
図1に示すように、DC/AC変換器12bは、複数のスイッチング素子Q1〜Q4を有するフルブリッジ回路12baを備えている。各スイッチング素子Q1〜Q4は例えばn型のパワーMOSFETで構成されている。
フルブリッジ回路12baは、互いに直列に接続された第1スイッチング素子Q1及び第2スイッチング素子Q2を有する第1ハーフブリッジ回路12bbと、互いに直列に接続された第3スイッチング素子Q3及び第4スイッチング素子Q4を有する第2ハーフブリッジ回路12bcとを含む。両ハーフブリッジ回路12bb,12bcは並列に接続されている。
第1スイッチング素子Q1のドレインは、AC/DC変換器12aの正(+)の出力端に接続されており、第2スイッチング素子Q2のソースは、AC/DC変換器12aの負(−)の出力端に接続されている。第1スイッチング素子Q1のソースと第2スイッチング素子Q2のドレインとは、接続線L1を介して接続されている。
同様に、第3スイッチング素子Q3のドレインは、AC/DC変換器12aの正(+)の出力端に接続されており、第4スイッチング素子Q4のソースは、AC/DC変換器12aの負(−)の出力端に接続されている。第3スイッチング素子Q3のソースと第4スイッチング素子Q4のドレインとは、接続線L2を介して接続されている。
また、送電器13の一方の入力端(1次側コイル13aの一端)は、1次側インピーダンス変換器14を介して、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2との接続線L1に接続されている。送電器13の他方の入力端(1次側コイル13aの他端)は、1次側インピーダンス変換器14を介して、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4との接続線L2に接続されている。
ちなみに、図1に示すように、スイッチング素子Q1〜Q4はボディダイオード(寄生ダイオード)D1〜D4を有している。各スイッチング素子Q1〜Q4の動作モードがハーフブリッジモード又はフルブリッジモードである場合に生じ得る逆起電力に係る電流は、各ボディダイオードD1〜D4を伝送する。
図1に示すように、DC/AC変換器12bは、フルブリッジ回路12ba(詳細には両ハーフブリッジ回路12bb,12bc)を動作(駆動)させるドライバ回路40を備えている。当該ドライバ回路40の構成について、DC/AC変換器12bの動作モードと合わせて以下に詳細に説明する。
図2に示すように、ドライバ回路40は、各スイッチング素子Q1〜Q4のゲートに接続されており、各スイッチング素子Q1〜Q4を個別に動作させるものである。
ここで、DC/AC変換器12bの動作モード(以降単に動作モードともいう)には、OFFモード、ハーフブリッジモード及びフルブリッジモードの3つが存在する。ドライバ回路40は、選択された動作モードに対応したスイッチング態様で各スイッチング素子Q1〜Q4を動作させる。換言すれば、ドライバ回路40は、動作モードを、上記3つの動作モードのうちいずれかに切り替えるものである。なお、DC/AC変換器12bの動作モードとは各スイッチング素子Q1〜Q4の動作モードとも言える。
各動作モードについて詳細に説明すると、OFFモードとは、第1スイッチング素子Q1及び第3スイッチング素子Q3がOFF状態であり、第2スイッチング素子Q2及び第4スイッチング素子Q4がON状態である動作モードである。この場合、送電器13には、交流電力は入力されない。
ハーフブリッジモードとは、両ハーフブリッジ回路12bb,12bcのうちいずれか一方が動作する動作モードである。詳細には、例えば第1ハーフブリッジ回路12bbが動作する場合には、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2とが交互にON/OFFする一方、第3スイッチング素子Q3がOFF状態であり、且つ、第4スイッチング素子Q4がON状態である。なお、第2ハーフブリッジ回路12bcが動作する場合には、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4とが交互にON/OFFする。
フルブリッジモードとは、両ハーフブリッジ回路12bb,12bcの双方が動作する動作モードである。詳細には、各スイッチング素子Q1〜Q4の状態として、第1スイッチング素子Q1及び第4スイッチング素子Q4がON状態であり、且つ、第2スイッチング素子Q2及び第3スイッチング素子Q3がOFF状態である状態を第1状態とする。そして、各スイッチング素子Q1〜Q4の状態として、第1スイッチング素子Q1及び第4スイッチング素子Q4がOFF状態であり、且つ、第2スイッチング素子Q2及び第3スイッチング素子Q3がON状態である状態を第2状態とする。この場合、フルブリッジモードとは、各スイッチング素子Q1〜Q4の状態が、第1状態と第2状態とに交互に切り替わる動作モードである。
図2に示すように、送電側コントローラ15は、送電器13及び受電器23の共振周波数と同一又は電力伝送が可能な程度に上記共振周波数に近い周波数の基準パルス信号PG0を出力する発振回路15aを備えている。
ドライバ回路40は、第1ハーフブリッジ回路12bbを動作させる第1駆動部41と、第2ハーフブリッジ回路12bcを動作させる第2駆動部42とを備えている。第1駆動部41は、基準パルス信号PG0が入力されるものであって、当該基準パルス信号PG0を用いて、第1デューティ比D1の第1パルス信号PG1を生成して出力可能に構成されている。第1パルス信号PG1の周波数は基準パルス信号PG0と同一であり、第1パルス信号PG1と基準パルス信号PG0とは同位相である。
また、ドライバ回路40は、第1パルス信号PG1が入力される第1バッファ回路43及び第1NOT回路44を備えている。ドライバ回路40は、第1バッファ回路43の出力信号が第1スイッチング素子Q1のゲートに入力され、第1NOT回路44の出力信号が第2スイッチング素子Q2に入力されるように構成されている。
第2駆動部42は、ドライバ回路40に設けられたNOT回路45を介して発振回路15aに接続されたものであって、基準パルス信号PG0の反転信号を用いて第2デューティ比D2の第2パルス信号PG2を生成して出力可能に構成されている。第2パルス信号PG2の周波数は基準パルス信号PG0と同一であり、第2パルス信号PG2と基準パルス信号PG0とは逆位相である。
また、ドライバ回路40は、第2パルス信号PG2が入力される第2バッファ回路46及び第2NOT回路47を備えている。ドライバ回路40は、第2バッファ回路46の出力信号が第3スイッチング素子Q3に入力され、第2NOT回路47の出力信号が第4スイッチング素子Q4に入力されるように構成されている。
かかる構成によれば、例えば第1駆動部41から第1パルス信号PG1が出力されている一方、第2駆動部42から第2パルス信号PG2が出力されていない場合、第1ハーフブリッジ回路12bbのみが動作する。詳細には、第1スイッチング素子Q1及び第2スイッチング素子Q2が交互にON/OFFする。すなわち、動作モードがハーフブリッジモードとなる。
説明の便宜上、以降の説明においては、動作モードがハーフブリッジモードである場合、第1ハーフブリッジ回路12bbが動作する一方、第2ハーフブリッジ回路12bcは動作しないものとする。この場合、第1ハーフブリッジ回路12bbが「ハーフブリッジモードにおいて動作対象のハーフブリッジ回路」に対応し、第1デューティ比D1が「ハーフ対応デューティ比」に対応する。そして、第2デューティ比D2が「フル対応デューティ比」に対応する。
また、駆動部41,42からパルス信号PG1,PG2が出力されている場合には、両ハーフブリッジ回路12bb,12bcの双方が動作する。詳細には、各スイッチング素子Q1〜Q4の状態が、上述した第1状態と第2状態とに交互に切り替わる。すなわち、動作モードがフルブリッジモードとなる。
ここで、ドライバ回路40は、両デューティ比D1,D2を異ならせることが可能に構成されている。詳細には、第1駆動部41は、第1デューティ比D1を可変(変更可能)に構成されており、第2駆動部42は、第2デューティ比D2を可変に構成されている。
送電側コントローラ15は、駆動部41,42に対して制御信号SG1,SG2を出力することにより、両駆動部41,42を個別に制御する。
詳細には、送電側コントローラ15から第1駆動部41に向けて出力される第1制御信号SG1には、第1ハーフブリッジ回路12bbを動作させるか否かを指示する情報が含まれており、動作させる場合には更に第1デューティ比D1に関する情報が含まれている。第1駆動部41は、動作させる旨の指示情報が含まれた第1制御信号SG1が入力された場合には、当該第1制御信号SG1から第1デューティ比D1を把握し、把握された第1デューティ比D1の第1パルス信号PG1を出力する。
同様に、送電側コントローラ15から第2駆動部42に向けて出力される第2制御信号SG2には、第2ハーフブリッジ回路12bcを動作させるか否かを指示する情報が含まれており、動作させる場合には更に第2デューティ比D2に関する情報が含まれている。第2駆動部42は、動作させる旨の指示情報が含まれた第2制御信号SG2が入力された場合には、当該第2制御信号SG2から第2デューティ比D2を把握し、把握された第2デューティ比D2の第2パルス信号PG2を出力する。これにより、送電側コントローラ15は、両ハーフブリッジ回路12bb,12bcを個別に制御することができ、且つ、両デューティ比D1,D2を異ならせることができる。
ちなみに、駆動部41,42は、ハーフブリッジ回路12bb,12bcを動作させない場合には、HI信号又はLOW信号の一定信号を出力する。これにより、動作モードがOFFモードとなる。なお、動作モードの初期状態はOFFモードである。
ここで、両デューティ比D1,D2の可変範囲は予め定められている。詳細には、両デューティ比D1,D2は、最小デューティ比Dminから最大デューティ比Dmaxまでの範囲内で調整される。最大デューティ比Dmaxは例えば50%である。
最小デューティ比Dminは、例えばドライバ回路40が設定可能な最小値であるとよい。詳細には、デューティ比D1,D2の変更量δDの最小値である最小変更量δDm、すなわちデューティ比D1,D2の分解能は、スイッチング素子Q1〜Q4の応答性等によって予め定められている。この場合、最小デューティ比Dminは、例えば0%に対して最小変更量δDmを加算した値であってもよい。
次に出力電力値Poutについて説明すると、動作モードがハーフブリッジモードである場合には、第1デューティ比D1が最大デューティ比Dmaxである場合(又は第2デューティ比D2が最大デューティ比Dmaxである場合)に出力電圧値Voutが最大となり、出力電力値Poutが最大となる。なお、ハーフブリッジモードにおける出力電力値Poutの最大値をハーフ最大電力値Phmという。
動作モードがフルブリッジモードである場合には、両デューティ比D1,D2の双方が最大デューティ比Dmaxである場合に出力電圧値Voutが最大となる。当該出力電圧値Voutは、ハーフブリッジモードにおける出力電圧値Voutの最大値の2倍となる。交流電源12の出力電力値Poutは、出力電圧値Voutの2乗に依存する(Pout=Vout/Zp)ため、フルブリッジモードにおける出力電力値Poutの最大値であるフル最大電力値Pfmは、ハーフ最大電力値Phmの4倍となる。
図1及び図2に示すように、送電機器11は、交流電源12の出力電力値Poutに関する物理量を測定する1次側測定器50を備えている。1次側測定器50は、上記物理量として交流電源12の出力電圧値Vout及び出力電流値Ioutを測定する。そして、1次側測定器50は、その測定結果を送電側コントローラ15に送信する。送電側コントローラ15は、これらの測定結果から出力電力値Poutを把握する。すなわち、送電機器11(詳細には送電側コントローラ15)は、出力電力値Poutを把握する把握部を備えている。
なお、出力電力値Poutを把握するための具体的な構成についてはこれに限られず任意である。例えば、1次側測定器50は出力電流値Ioutのみを測定する構成であってもよい。この場合、送電側コントローラ15は、動作モード及び両デューティ比D1,D2から出力電圧値Voutを推定し、その推定結果と1次側測定器50の測定結果とから出力電力値Poutを把握してもよい。
送電側コントローラ15は、送電器13及び受電器23が磁場共鳴可能な位置に配置されている場合に、送電器13から受電器23に向けて送電を開始するための送電開始制御処理を実行する。当該送電開始制御処理では、送電側コントローラ15は、動作モード及び両デューティ比D1,D2を制御することにより交流電源12の出力電力値Poutを制御する。なお、本実施形態では、送電側コントローラ15が「制御部」に対応する。
送電開始制御処理について図3を用いて詳細に説明する。
図3に示すように、送電側コントローラ15は、まずステップS101にて、送電する交流電力の電力値の目標値である目標電力値Ptを把握する。
目標電力値Ptの把握態様については、任意であるが、例えば受電側コントローラ26がバッテリ22の充電状態に基づいて目標電力値Ptを決定し、その決定結果を送電側コントローラ15に送信する構成であれば、送電側コントローラ15は、その決定結果を受信することにより目標電力値Ptを把握する。
続くステップS102では、送電側コントローラ15は動作モード等の初期設定を行う。この場合、送電側コントローラ15は、動作モードをまずハーフブリッジモードに設定する。詳細には、送電側コントローラ15は、両ハーフブリッジ回路12bb,12bcのいずれか一方(本実施形態では第1ハーフブリッジ回路12bb)が動作し、他方(本実施形態では第2ハーフブリッジ回路12bc)が動作しないように制御信号SG1,SG2を設定する。更に、送電側コントローラ15は第1デューティ比D1の初期値を設定する。初期値は例えば最小デューティ比Dminである。
その後、送電側コントローラ15は、ステップS103にて、送電を開始させる。詳細には、送電側コントローラ15は、ステップS102にて設定された制御信号SG1,SG2を駆動部41,42に送信する。これにより、交流電源12から当該交流電源12が出力可能な最小電力値の交流電力が出力される。
その後、送電側コントローラ15は、ステップS104〜ステップS113にて、出力電力値Poutが目標電力値Ptに近づく(好ましくは一致する)ように出力電力値Poutを連続的に上昇させるための処理を実行する。
詳細には、送電側コントローラ15は、まずステップS104にて、1次側測定器50の測定結果に基づいて、現在の出力電力値Poutを把握する。そして、送電側コントローラ15は、ステップS105にて、ステップS104にて把握された出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致しているか否かを判定する。なお、ステップS105の判定処理では、出力電力値Poutと目標電力値Ptとが完全に一致している場合だけでなく、両者の差が予め定められた許容範囲内であれば、両者が一致していると判定する。
送電側コントローラ15は、出力電力値Poutと目標電力値Ptとが一致している場合には、そのまま本送電開始制御処理を終了する。一方、出力電力値Poutと目標電力値Ptとが一致していない場合には、出力電力値Poutが目標電力値Ptよりも小さいことを意味する。この場合、送電側コントローラ15は、ステップS106に進み、第1デューティ比D1が最大デューティ比Dmaxと一致しているか否かを判定する。
第1デューティ比D1が最大デューティ比Dmaxでない場合、第1デューティ比D1を更に上昇させる余地があることを意味する。この場合、送電側コントローラ15は、ステップS107に進み、第1デューティ比D1を所定の変更量δDだけ上昇させて、ステップS104に戻る。なお、変更量δDは最小変更量δDm以上であれば任意であるが、本実施形態では、最小変更量δDmとする。
すなわち、送電側コントローラ15は、ハーフブリッジモードにおいて出力電力値Poutを上昇させる場合には、(A)出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致する、又は、(B)第1デューティ比D1が最大デューティ比Dmaxとなる、のいずれか一方の条件が成立するまで、第1デューティ比D1を徐々に上昇させる。
ここで、第1デューティ比D1が最大デューティ比Dmaxとなった場合であっても、出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致していない場合(ステップS105:NO、ステップS106:YES)、ハーフブリッジモードでは出力電力値Poutを目標電力値Ptにすることができないことを意味する。この場合、送電側コントローラ15は、ステップS108〜ステップS113にて、動作モードを変更するとともに、第2デューティ比D2の可変制御を行う。
詳細には、送電側コントローラ15は、まずステップS108にて、動作モードをハーフブリッジモードからフルブリッジモードに移行させる。詳細には、送電側コントローラ15は、第2ハーフブリッジ回路12bcが動作するように第2制御信号SG2を設定する。そして、送電側コントローラ15は、ステップS109にて、第2デューティ比D2の初期値として例えば最小デューティ比Dminを設定し、当該初期値が設定された第2制御信号SG2を第2駆動部42に出力する。これにより、第2ハーフブリッジ回路12bcの動作が開始される。ちなみに、送電側コントローラ15は、第1デューティ比D1が最大デューティ比Dmaxに設定された第1ハーフブリッジ回路12bbの動作については維持する。
その後、送電側コントローラ15は、ステップS110にて出力電力値Poutを把握し、ステップS111にて、ステップS110で把握された出力電力値Poutと目標電力値Ptとが一致しているか否かを判定する。送電側コントローラ15は、出力電力値Poutと目標電力値Ptとが一致している場合にはそのまま本送電開始制御処理を終了する一方、両者が一致していない場合には、ステップS112に進み、第2デューティ比D2が最大デューティ比Dmaxであるか否かを判定する。
送電側コントローラ15は、第2デューティ比D2が最大デューティ比Dmaxでない場合には、ステップS113に進み、第2デューティ比D2を変更量δDだけ上昇させて、ステップS110に戻る。
すなわち、送電側コントローラ15は、フルブリッジモードにおいて出力電力値Poutを上昇させる場合には、(C)出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致する、又は、(D)第2デューティ比D2が最大デューティ比Dmaxとなる、のいずれか一方の条件が成立するまで、第2デューティ比D2を徐々に上昇させる。この場合、第1デューティ比D1は最大デューティ比Dmaxに維持されている。すなわち、送電側コントローラ15は、動作モードがフルブリッジモードである場合において両デューティ比D1,D2を異ならせる。
第2デューティ比D2が最大デューティ比Dmaxとなった場合であっても、出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致していない場合(ステップS111:NO、ステップS112:YES)、何らかの異常によって交流電源12が目標電力値Ptの交流電力を出力することができないことを意味する。この場合、送電側コントローラ15は、ステップS114にて、異常対応処理を実行して本送電開始制御処理を終了する。なお、異常対応処理の具体的な構成については、任意であるが、例えば異常が生じている旨の報知を行うとともにその後の送電に係る処理(例えば電力値調整処理等)を実行しない処理等が考えられる。
ちなみに、上記異常とは、交流電源12の構成部品の異常に限られず、例えば送電器13と受電器23とが基準位置から大きくずれた位置に配置されていることに起因して、電源負荷インピーダンスZpが特定電源負荷インピーダンスZptから大きくずれていること等も考えられる。
送電側コントローラ15は、送電開始制御処理の終了後は、予め定められた送電停止条件が成立するまで送電を継続する。送電停止条件とは、例えば受電側コントローラ26から送電停止指令を受信した場合や、1次側測定器50によって測定された出力電圧値Vout及び出力電流値Ioutの少なくとも一方が予め定められた停止閾値以上となったこと等がある。
また、送電側コントローラ15は、送電中(交流電源12から交流電力が出力されている期間中)、動作モード及び両デューティ比D1,D2を制御することにより出力電力値Poutの調整を行う電力値調整処理を実行する。電力値調整処理は、予め定められた周期で定期的に行われるとともに、予め定められた電力値変更条件が成立した場合に実行される。
なお、電力値変更条件は任意であるが、例えばSOCセンサ25によって検出されたバッテリ22の充電状態が予め定められた特定状態となった場合に、バッテリ22の充電態様を、通常充電から押し込み充電に移行する構成においては、電力値変更条件はバッテリ22の充電状態が上記特定状態となったことでもよい。
電力値調整処理では、送電側コントローラ15は、電源負荷インピーダンスZpが変動することによって出力電力値Poutと目標電力値Ptとがずれた場合には、電源負荷インピーダンスZpに対応させて動作モード及び両デューティ比D1,D2を制御することにより、出力電力値Poutを目標電力値Ptに近づける。また、送電側コントローラ15は、目標電力値Ptが変更された場合には、動作モード及び両デューティ比D1,D2を制御することにより、出力電力値Poutが変更された目標電力値Ptに近づくように出力電力値Poutを徐々に変化させる。
電力値調整処理について図4を用いて詳細に説明する。
図4に示すように、送電側コントローラ15は、まずステップS201にて目標電力値Ptを把握する。詳細には、送電側コントローラ15は、目標電力値Ptが変更されていない場合、すなわち電力値変更条件が成立していない場合には、既に設定されている目標電力値Ptを把握する。一方、送電側コントローラ15は、電力値変更条件が成立して目標電力値Ptが変更された場合には、変更先の目標電力値Ptを把握する。
なお、変更先の目標電力値Ptを把握するための具体的な構成については任意であるが、例えば受電側コントローラ26が、変更先の目標電力値Ptを決定し、その決定結果を送電側コントローラ15に送信する構成においては、送電側コントローラ15は、上記決定結果を受信することにより変更先の目標電力値Ptを把握する。
その後、送電側コントローラ15は、ステップS202では、ステップS201にて把握された目標電力値Ptと出力電力値Poutとが一致しているか否かを判定する。送電側コントローラ15は、目標電力値Ptと出力電力値Poutとが一致している場合には、そのまま電力値調整処理を終了する一方、両者が一致していない場合には、ステップS203に進む。
ステップS203では、送電側コントローラ15は、目標電力値Ptが出力電力値Poutよりも大きいか否かを判定する。送電側コントローラ15は、目標電力値Ptが出力電力値Poutよりも大きい場合には、ステップS204に進み、現在の動作モードがハーフブリッジモードであるか否かを判定する。
送電側コントローラ15は、現在の動作モードがハーフブリッジモードである場合には、ステップS205に進み、ハーフ対応上昇処理を実行する。当該ハーフ対応上昇処理は、ステップS104〜ステップS114と同一である。
一方、送電側コントローラ15は、現在の動作モードがフルブリッジモードである場合には、ステップS206に進み、フル対応上昇処理を実行する。当該フル対応上昇処理は、ステップS110〜ステップS114と同一である。
送電側コントローラ15は、目標電力値Ptが出力電力値Poutよりも大きくない場合、ステップS207〜ステップS218にて、出力電力値Poutが目標電力値Ptに近づくように出力電力値Poutを下げる処理を実行する。
詳細には、送電側コントローラ15は、まずステップS207にて、動作モードがフルブリッジモードか否かを判定する。送電側コントローラ15は、動作モードがフルブリッジモードである場合には、ステップS208に進み、第2デューティ比D2を所定の変更量δDだけ減少させる。変更量δDは例えば最小変更量δDmである。
なお、送電側コントローラ15は、ステップS208において、減少前の第2デューティ比D2が既に最小デューティ比Dminである場合には、第2デューティ比D2を最小デューティ比Dminに再設定する。
その後、送電側コントローラ15は、ステップS209にて、1次側測定器50の測定結果に基づいて現在の出力電力値Poutを把握し、当該出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致しているか否かを判定する。
送電側コントローラ15は、出力電力値Poutと目標電力値Ptとが一致している場合には、そのまま電力値調整処理を終了する。一方、送電側コントローラ15は、出力電力値Poutと目標電力値Ptとが一致していない場合には、ステップS210に進み、第2デューティ比D2が最小デューティ比Dminと一致しているか否かを判定する。そして、送電側コントローラ15は、第2デューティ比D2が最小デューティ比Dminでない場合には、ステップS211に進み、第2デューティ比D2を変更量δD(例えば最小変更量δDm)だけ減少させて、ステップS209に戻る。
すなわち、送電側コントローラ15は、フルブリッジモードにおいて出力電力値Poutを減少させる場合には、(E)出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致する、又は、(F)第2デューティ比D2が最小デューティ比Dminとなる、のいずれか一方の条件が成立するまで、第2デューティ比D2を徐々に減少させる。
ここで、第2デューティ比D2が最小デューティ比Dminとなった場合であっても、出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致していない場合(ステップS209:NO、ステップS210:YES)、フルブリッジモードでは出力電力値Poutを目標電力値Ptにすることができないことを意味する。この場合、送電側コントローラ15は、ステップS212〜ステップS216にて、動作モードを変更するとともに、第1デューティ比D1の可変制御を行う。
詳細には、送電側コントローラ15は、まずステップS212にて、動作モードをフルブリッジモードからハーフブリッジモードに移行させる。詳細には、送電側コントローラ15は、第2ハーフブリッジ回路12bcの動作が停止するように第2制御信号SG2を設定し、当該第2制御信号SG2を出力する。これにより、第2ハーフブリッジ回路12bcの動作が停止する。この場合、送電側コントローラ15は、第1ハーフブリッジ回路12bbの動作については継続する。なお、第1デューティ比D1は最大デューティ比Dmaxに設定されている。
その後、送電側コントローラ15は、ステップS213にて、第1デューティ比D1を最大デューティ比Dmaxから変更量δD(例えば最小変更量δDm)だけ減少させる。そして、送電側コントローラ15は、1次側測定器50の測定結果に基づいて現在の出力電力値Poutを把握し、当該出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致しているか否かを判定する。
送電側コントローラ15は、出力電力値Poutと目標電力値Ptとが一致している場合には、そのまま電力値調整処理を終了する。一方、送電側コントローラ15は、出力電力値Poutと目標電力値Ptとが一致していない場合には、ステップS215に進み、第1デューティ比D1が最小デューティ比Dminと一致しているか否かを判定する。そして、送電側コントローラ15は、第1デューティ比D1が最小デューティ比Dminでない場合には、ステップS216に進み、第1デューティ比D1を変更量δD(例えば最小変更量δDm)だけ減少させて、ステップS214に戻る。
すなわち、送電側コントローラ15は、ハーフブリッジモードにおいて出力電力値Poutを減少させる場合には、(G)出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致する、又は、(H)第1デューティ比D1が最小デューティ比Dminとなる、のいずれか一方の条件が成立するまで、第1デューティ比D1を徐々に減少させる。
送電側コントローラ15は、第1デューティ比D1が最小デューティ比Dminとなった場合であっても、出力電力値Poutが目標電力値Ptと一致していない場合(ステップS214:NO、ステップS215:YES)、ステップS217にて異常対応処理を実行して本電力値調整処理を終了する。
図4に示すように、送電側コントローラ15は、ステップS207の判定処理において、動作モードがハーフブリッジモードである場合には、ステップS207を否定判定し、ステップS218に進む。ステップS218では、送電側コントローラ15は、第1デューティ比D1を変更量δD(例えば最小変更量δDm)だけ減少させてステップS214に進む。なお、送電側コントローラ15は、ステップS218において、減少前の第1デューティ比D1が既に最小デューティ比Dminである場合には、第1デューティ比D1を最小デューティ比Dminに再設定する。
次に本実施形態の作用について図5及び図6を用いて説明する。なお、図5(a)では、第1デューティ比D1を実線で示し、第2デューティ比D2を一点鎖線で示す。
図5(a)に示すように、比較的出力電力値Poutが低い場合、詳細には出力電力値Poutがハーフ最大電力値Phm以下である場合には、動作モードはハーフブリッジモードに設定される。この場合、図5(a)の実線に示すように、出力電力値Poutは、ハーフ対応デューティ比である第1デューティ比D1の可変制御によって連続的に変更される。
また、図5(a)に示すように、比較的出力電力値Poutが高い場合、詳細には出力電力値Poutがハーフ最大電力値Phmよりも高い場合には、動作モードはフルブリッジモードに設定される。この場合、図5(a)の実線に示すように、第1デューティ比D1は最大デューティ比Dmaxに維持される。また、図5(a)の一点鎖線に示すように、出力電力値Poutは、フル対応デューティ比である第2デューティ比D2の可変制御によって連続的に変更される。以上のことから、図5(b)に示すように、フル最大電力値Pfm以下の範囲内であれば、出力電力値Poutを連続的に変更でき、任意の目標電力値Ptに対応できる。
また、出力電力値Poutの時間変化の一例について図6を用いて説明すると、図6に示すように、t0のタイミングで、ハーフ最大電力値Phmよりも大きい第1目標電力値Pt1の交流電力を出力するべく、送電が開始されたとする。この場合、動作モードはハーフブリッジモードに設定され、出力電力値Poutが徐々に上昇する。
その後、t1のタイミングにて、出力電力値Poutがハーフ最大電力値Phmに到達する。この場合、動作モードがハーフブリッジモードからフルブリッジモードに移行する。そして、出力電力値Poutがハーフ最大電力値Phmから徐々に上昇し、t2のタイミングにて、出力電力値Poutが第1目標電力値Pt1に到達する。
その後、仮に何らかの要因、例えば送電器13と受電器23との位置ずれや負荷インピーダンスZLの変動等に起因して電源負荷インピーダンスZpが変動した場合、出力電力値Poutが第1目標電力値Pt1からずれる場合がある。これに対して、既に説明した通り、定期的に電力値調整処理が行われているため、電源負荷インピーダンスZpが変動した場合であっても出力電力値Poutが第1目標電力値Pt1に維持される。
ここで、t3のタイミングにて、電力値変更条件が成立し、目標電力値Ptが第1目標電力値Pt1から、ハーフ最大電力値Phmよりも小さい第2目標電力値Pt2に変更されたとする。この場合、図6に示すように、出力電力値Poutが徐々に低下し、t4のタイミングにて出力電力値Poutがハーフ最大電力値Phmに到達する。この場合、動作モードがフルブリッジモードからハーフブリッジモードに移行する。そして、出力電力値Poutは、ハーフ最大電力値Phmから徐々に低下し、t5のタイミングにて第2目標電力値Pt2に到達する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)受電器23(2次側コイル23a)を有する受電機器21に非接触で交流電力を送電可能な送電機器11は、交流電力を出力可能な交流電源12及び当該交流電力が入力される送電器13(1次側コイル13a)を備えている。交流電源12は、直流電力を交流電力に変換するDC/AC変換器12bを備えている。DC/AC変換器12bは、互いに直列に接続された2つのスイッチング素子(第1ハーフブリッジ回路12bbの両スイッチング素子Q1,Q2、第2ハーフブリッジ回路12bcの両スイッチング素子Q3,Q4)を有する2つのハーフブリッジ回路12bb,12bcを含むフルブリッジ回路12baを備えている。DC/AC変換器12bの動作モードは、両ハーフブリッジ回路12bb,12bcの双方が動作するフルブリッジモードを含む。
かかる構成において、送電機器11は、両ハーフブリッジ回路12bb,12bcを制御可能であって、且つ、動作モードがフルブリッジモードである場合において両デューティ比D1,D2を異ならせることが可能に構成されている。これにより、出力電力値Poutを精度よく制御することができる。
詳述すると、仮に両デューティ比D1,D2を異ならせることができない構成においてフルブリッジモードにて出力電力値Poutを最小幅だけ上昇させようとすると、両デューティ比D1,D2を最小変更量δDmだけ上昇させる必要がある。この場合、1つのデューティ比が最小変更量δDmだけ変更された場合の出力電圧値Voutの変化量を最小電圧変化量δVmとすると、出力電圧値Voutは、最小電圧変化量δVmの2倍だけ上昇する。すると、出力電力値Poutとしては最小電圧変化量δVmの2乗の4倍以上、上昇する。
これに対して、本実施形態では、両デューティ比D1,D2を異ならせることができるため、一方のデューティ比のみ最小変更量δDmだけ上昇させることができる。この場合、出力電圧値Voutとしては、最小電圧変化量δVmだけ上昇させることができる。これにより、出力電力値Poutの最小変化量を小さくすることができる。よって、デューティ比D1,D2の分解能を上げることなく、出力電力値Poutの精度の向上を図ることができる。
(2)動作モードは、両ハーフブリッジ回路12bb,12bcのいずれか一方が動作するハーフブリッジモードを含む。送電機器11は、動作モード及び両デューティ比D1,D2を制御することにより、交流電源12の出力電力値Poutを制御する送電側コントローラ15を備えている。これにより、ハーフブリッジモードとフルブリッジモードとを使い分けることによって、出力電力値Poutの可変範囲を広げることが可能となる。よって、比較的大きな電力値の交流電力と、比較的小さな電力値の交流電力とを出力することができる。
(3)特に、受電機器21は車両に搭載されており、受電器23によって受電された交流電力は車両に搭載されるバッテリ22の充電に用いられる。ここで、車両に搭載されるバッテリ22は、携帯電話のバッテリ等と比較して、容量が大きい。このような容量が大きいバッテリ22を早期に充電するためには、出力電力値Poutは大きい方が好ましい(例えば数kW)。このため、交流電源12の仕様は、上記のような大きな電力値の交流電力が出力できるように設定される。
一方、例えば送電器13及び受電器23の位置合わせや、送電器13と受電器23との間で電力伝送が可能か否かを確認する場合などにおいては、出力電力値Poutが小さい方が好ましい(例えば数W)。この場合、上記のような大きな出力電力値Poutに対応させて仕様が設定されている交流電源12では、小さい出力電力値Poutの交流電力を精度よく出力することが困難な場合がある。これに対して、本実施形態では、動作モードを使い分けることにより、上記の相反する要求に好適に対応できる。
(4)送電側コントローラ15は、交流電源12から目標電力値Ptの交流電力を出力させる場合(換言すれば交流電力の出力開始時)には、まず動作モードをハーフブリッジモードに設定する。そして、送電側コントローラ15は、出力電力値Poutが目標電力値Ptとなるまで、ハーフ対応デューティ比としての第1デューティ比D1を、予め定められた初期値(例えば最小デューティ比Dmin)から徐々に上昇させる。送電側コントローラ15は、第1デューティ比D1が最大デューティ比Dmaxに達した状況において出力電力値Poutが目標電力値Ptよりも小さい場合には、動作モードをハーフブリッジモードからフルブリッジモードに移行させる。そして、送電側コントローラ15は、出力電力値Poutが目標電力値Ptとなるまで、第1デューティ比D1を最大デューティ比Dmaxに維持しつつ、第2デューティ比D2を初期値(例えば最小デューティ比Dmin)から徐々に上昇させる。
かかる構成によれば、動作モードは、まずハーフブリッジモードに設定され、その後第1デューティ比D1が最大デューティ比Dmaxとなるまで当該ハーフブリッジモードに維持される。これにより、仮にフルブリッジモードとハーフブリッジモードとのいずれを用いた場合であっても目標電力値Ptの交流電力を出力可能である場合には、動作モードとしてハーフブリッジモードが優先的に選択されることとなる。そして、当該ハーフブリッジモードは、フルブリッジモードと比較して、スイッチング損失が小さい分だけ電力損失が小さい。よって、交流電源12の電力損失の低減を図ることができる。
また、ハーフブリッジモードでは出力電力値Poutを目標電力値Ptにすることができない場合には、動作モードはハーフブリッジモードからフルブリッジモードに移行する。この場合、第1デューティ比D1は最大デューティ比Dmaxに維持された状態で、第2デューティ比D2が初期値から徐々に上昇する。これにより、ハーフブリッジモードからフルブリッジモードへの移行時における出力電力値Poutの急激な変動を抑制することができる。また、上記移行時において第1デューティ比D1が変更されないため、両デューティ比D1,D2の双方が変更される場合と比較して、電圧波形の乱れが生じにくい。これにより、上記移行時における電圧波形や電流波形の乱れを抑制することができる。
ここで、移行時に、出力電力値Poutが急激に変動したり、電圧波形等が乱れたりすると、過電圧や過電流が発生する場合があり得る。この場合、出力電圧値Vout及び出力電流値Ioutの少なくとも一方が予め定められた停止閾値以上となり、送電が停止される不都合が生じ得る。また、強い電磁波が発生する場合もあり得る。
これに対して、動作モードを移行させる前段階にて一旦交流電源12からの交流電力の出力を停止し、動作モードを移行させてから交流電源12からの交流電力の出力を再開することも考えられる。しかしながら、この場合、電力伝送が一旦停止してしまい、バッテリ22の充電に要する時間が長くなり易い。また、仮に受電側コントローラ26が、バッテリ22の入力電力値等を監視している場合には、電力伝送が一旦停止することによって誤って異常が発生したと判断する場合が生じ得る。
この点、本実施形態では、移行時には第1デューティ比D1を変更させることなく、第2デューティ比D2を初期値から徐々に上昇させることにより、上記のような各不都合を抑制することができる。
(5)送電側コントローラ15は、フルブリッジモードで交流電源12から交流電力が出力されている状況において目標電力値Ptが出力電力値Poutよりも小さい場合には、出力電力値Poutが目標電力値Ptとなるまで、第1デューティ比D1を最大デューティ比Dmaxに維持しつつ、第2デューティ比D2を徐々に減少させる。そして、送電側コントローラ15は、第2デューティ比D2が最小デューティ比Dminに達した状況において出力電力値Poutが目標電力値Ptよりも大きい場合には、動作モードをフルブリッジモードからハーフブリッジモードに移行させる。そして、送電側コントローラ15は、出力電力値Poutが目標電力値Ptとなるまで、第1デューティ比D1を徐々に減少させる。よって、動作モードの移行時における出力電力値Poutの急激な変動や電圧波形の乱れ等を抑制しつつ、出力電力値Poutを目標電力値Ptに近づけることができる。
(6)交流電源12の出力端からバッテリ22までのインピーダンスである電源負荷インピーダンスZpは、送電器13及び受電器23の相対位置や負荷インピーダンスZL等の変動により変動する。当該電源負荷インピーダンスZpが変動すると、出力電力値Poutが変動するため、出力電力値Poutが目標電力値Ptからずれる場合が生じ得る。
これに対して、送電側コントローラ15は、電源負荷インピーダンスZpの変動に対応させて、動作モード及び両デューティ比D1,D2を制御することにより、出力電力値Poutを目標電力値Ptに近づける。これにより、電源負荷インピーダンスZpが変動する場合であっても、出力電力値Poutを目標電力値Ptに近づけることができる。
(7)特に、非接触で電力伝送を行う構成においては、上記相対位置の変動等が発生し得るため、電源負荷インピーダンスZpが一定値になりにくい。このため、目標電力値Ptに対応する動作モード及びデューティ比D1,D2が一義的に決まらない。よって、目標電力値Ptに対応する動作モード及びデューティ比D1,D2を予め把握しておくことが困難である。これに対して、本実施形態では、送電側コントローラ15は、両デューティ比D1,D2を個別に且つ徐々に変化するように制御することにより、電源負荷インピーダンスZpが変動する場合であっても出力電力値Poutを精度よく目標電力値Ptに近づけることができる。よって、非接触の電力伝送を好適に行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ ハーフブリッジモードにおいては、第2ハーフブリッジ回路12bcのみが動作してもよい。つまり、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4とが交互にON/OFFしてもよい。この場合、第2ハーフブリッジ回路12bcが「ハーフブリッジモードにおいて動作対象のハーフブリッジ回路」に対応し、第2デューティ比D2が「ハーフ対応デューティ比」に対応する。そして、第1デューティ比D1が「フル対応デューティ比」に対応する。また、状況(例えば温度)に応じて動作対象のハーフブリッジ回路を適宜切り替えてもよい。
○ 動作モードのハーフブリッジモードを省略してもよい。
○ 送電開始制御処理において、両デューティ比D1,D2の初期値は最小デューティ比Dminであったが、これに限られず、任意である。また、第1デューティ比D1の初期値と第2デューティ比D2の初期値とを異ならせてもよい。但し、出力電力値Poutの急激な変動を抑制できる点に着目すれば、両デューティ比D1,D2の初期値は最小デューティ比Dminであるとよい。
○ 最小デューティ比Dminは、0%よりも大きく、且つ、最大デューティ比Dmaxよりも小さければ任意である。また、最大デューティ比Dmaxは、50%に限られず、それよりも小さい値であってもよい。
○ 変更量δDは、最小変更量δDmに限られず任意である。例えば、送電側コントローラ15は、出力電力値Poutと目標電力値Ptとの差分を算出し、当該差分に基づいて変更量δDを決定してもよい。但し、出力電力値Poutの急激な変動を抑制できる点に着目すれば、変更量δDはある程度小さい方が好ましい。
○ 送電開始制御処理及び電力値調整処理の具体的な制御態様は、実施形態のものに限られない。例えば、送電側コントローラ15は、第1デューティ比D1が最大デューティ比Dmaxとなる前に、動作モードをハーフブリッジモードからフルブリッジモードに移行させてもよい。また、送電側コントローラ15は、出力電力値Poutの上昇時又は減少時のいずれか一方の場合には両デューティ比D1,D2を同時に変更してもよい。
○ DC/AC変換器12bは、出力電圧値を可変に構成されていてもよい。
○ 1次側インピーダンス変換器14の定数が可変であってもよい。この場合、非接触電力伝送装置10は、電源負荷インピーダンスZpが特定電源負荷インピーダンスZptに近づくように1次側インピーダンス変換器14の定数を可変制御する可変制御部を備えていてもよい。この場合、電源負荷インピーダンスZpの変動を抑制できる。つまり、非接触電力伝送装置10は、電源負荷インピーダンスZpが一定値となるように構成されていてもよい。
○ AC/DC変換器12aは、力率改善回路(PFC回路)を有していてもよい。
○ 1次側インピーダンス変換器14は、力率が改善される(リアクタンスが0に近づく)ようにインピーダンス変換を行うものであってもよい。また、1次側インピーダンス変換器14を省略してもよい。
○ 受電器23と整流器24との間に2次側インピーダンス変換器が設けられていてもよい。また、受電機器21は、整流器24によって整流された直流電力が入力されるものであって、当該直流電力の電圧値変換を行うインピーダンス変換部としてのDC/DCコンバータを備えていてもよい。DC/DCコンバータはスイッチング素子を有し、スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより電圧値変換を行う。この場合、受電側コントローラ26は、負荷インピーダンスZLの変動に対応させてスイッチング素子のデューティ比を可変制御することにより、DC/DCコンバータの入力インピーダンスを一定にしてもよい。
○ 実施形態では、送電側コントローラ15が送電開始制御処理及び電力値調整処理を実行する構成であったが、これに限られず、受電側コントローラ26がこれらの処理を実行してもよい。この場合、送電側コントローラ15は、受電側コントローラ26に対して出力電力値Poutの情報等、処理に必要な情報を適宜送信するとよい。つまり、動作モード及び両デューティ比D1,D2の制御主体は、送電側コントローラ15に限られず、受電側コントローラ26であってもよいし、両コントローラ15,26とは別のコントローラであってもよい。
○ 外部電力は、系統電力であったが、これに限られない。例えば、外部電力は、家庭用蓄電装置からの直流電力であってもよい。この場合、外部電力変換部は、家庭用蓄電装置からの直流電力を所定の電圧値の直流電力に変換するDC/DCコンバータであるとよい。
○ 負荷は、バッテリ22に限られず任意である。例えば、負荷は、インピーダンスが一定のものであってもよいし、交流電力で駆動するものであってもよい。要は、負荷は、受電器23によって受電される交流電力又はその交流電力を変換することによって得られる直流電力が入力されるものであればよい。
○ 交流電源12は、DC/AC変換器12bの後段に設けられたフィルタ回路を有する構成であってもよい。
○ 交流電源12は、電圧源であったが、電力源、電流源であってもよい。
○ 送電器13の共振周波数と受電器23の共振周波数とは同一に設定されていたが、これに限られず、電力伝送が可能な範囲内で両者を異ならせてもよい。
○ 送電器13と受電器23とは同一の構成であったが、これに限られず、異なる構成であってもよい。
○ 各コンデンサ13b,23bを省略してもよい。この場合、各コイル13a,23aの寄生容量を用いて磁場共鳴させる。
○ 実施形態では、1次側コイル13aと1次側コンデンサ13bとは並列に接続されていたが、これに限られず、両者は直列に接続されていてもよい。同様に、2次側コイル23aと2次側コンデンサ23bとは、直列に接続されていてもよい。
○ 実施形態では、非接触の電力伝送を実現させるために磁場共鳴を用いたが、これに限られず、電磁誘導を用いてもよい。
○ 送電器13は、1次側コイル13a及び1次側コンデンサ13bを含む共振回路と、その共振回路と電磁誘導で結合する1次側結合コイルとを有してもよい。同様に、受電器23は、2次側コイル23a及び2次側コンデンサ23bを含む共振回路と、その共振回路と電磁誘導で結合する2次側結合コイルとを有してもよい。
10…非接触電力伝送装置、11…送電機器、12…交流電源、12a…AC/DC変換器、12b…DC/AC変換器、12ba…フルブリッジ回路、12bb…第1ハーフブリッジ回路、12bc…第2ハーフブリッジ回路、13a…1次側コイル、15…送電側コントローラ、21…受電機器、22…負荷としてのバッテリ、23a…2次側コイル、26…受電側コントローラ、41,42…駆動部、Q1〜Q4…DC/AC変換器のスイッチング素子、D1…第1デューティ比、D2…第2デューティ比、Dmin…最小デューティ比、Dmax…最大デューティ比、Zp…電源負荷インピーダンス、Pout…交流電源の出力電力値、Pt…目標電力値。

Claims (5)

  1. 予め定められた周波数の交流電力を出力可能な交流電源と、
    前記交流電力が入力される1次側コイルと、
    を備え、2次側コイルを有する受電機器の前記2次側コイルに非接触で前記交流電力を送電可能な送電機器において、
    前記交流電源は、直流電力を前記交流電力に変換するDC/AC変換部を備え、
    前記DC/AC変換部は、互いに直列に接続された2つのスイッチング素子を有するハーフブリッジ回路を2つ含むフルブリッジ回路を備え、
    前記DC/AC変換部の動作モードは、前記2つのハーフブリッジ回路の双方が動作するフルブリッジモードを含み、
    前記送電機器は、前記2つのハーフブリッジ回路である第1ハーフブリッジ回路及び第2ハーフブリッジ回路を制御可能であって、且つ、前記動作モードが前記フルブリッジモードである場合において、前記第1ハーフブリッジ回路の両スイッチング素子のON/OFFのデューティ比である第1デューティ比と、前記第2ハーフブリッジ回路の両スイッチング素子のON/OFFのデューティ比である第2デューティ比とを異ならせることが可能に構成されていることを特徴とする送電機器。
  2. 前記動作モードは、前記2つのハーフブリッジ回路のうちいずれか一方が動作するハーフブリッジモードを含み、
    前記送電機器は、前記動作モード及び前記両デューティ比を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記交流電源から目標電力値の前記交流電力を出力させる場合には、前記動作モードを前記ハーフブリッジモードに設定し、前記第1デューティ比及び前記第2デューティ比のうち前記ハーフブリッジモードにおいて動作対象のハーフブリッジ回路に対応するハーフ対応デューティ比を、前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値となるまで徐々に上昇させ、前記ハーフ対応デューティ比が予め定められた最大デューティ比に達した状況において前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値よりも小さい場合には、前記動作モードを前記ハーフブリッジモードから前記フルブリッジモードに移行させるものであり、
    前記制御部は、前記動作モードが前記ハーフブリッジモードから前記フルブリッジモードに移行した場合には、前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値となるまで、前記ハーフ対応デューティ比を前記最大デューティ比に維持しつつ、前記第1デューティ比及び前記第2デューティ比のうち前記ハーフ対応デューティ比とは別のフル対応デューティ比を、前記最大デューティ比よりも小さい初期値から徐々に上昇させる請求項1に記載の送電機器。
  3. 前記制御部は、前記動作モードが前記フルブリッジモードであって前記交流電源から前記交流電力が出力されている状況において、前記目標電力値が前記交流電源の出力電力値よりも小さい場合、前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値となるまで、前記ハーフ対応デューティ比を前記最大デューティ比に維持しつつ前記フル対応デューティ比を徐々に減少させ、前記フル対応デューティ比が予め定められた最小デューティ比に達した状況において前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値よりも大きい場合には、前記動作モードを前記フルブリッジモードから前記ハーフブリッジモードに移行させるものであり、
    前記制御部は、前記動作モードが前記フルブリッジモードから前記ハーフブリッジモードに移行した場合には、前記交流電源の出力電力値が前記目標電力値となるまで、前記ハーフ対応デューティ比を徐々に減少させる請求項2に記載の送電機器。
  4. 前記送電機器は、前記動作モード及び前記両デューティ比を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記交流電源の出力端から前記受電機器に設けられた負荷までのインピーダンスである電源負荷インピーダンスの変動に対応させて、前記動作モード及び前記両デューティ比を制御することにより、前記交流電源の出力電力値を目標電力値に近づける請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の送電機器。
  5. 予め定められた周波数の交流電力を出力可能な交流電源と、
    前記交流電力が入力される1次側コイルと、
    前記1次側コイルに入力される前記交流電力を非接触で受電可能な2次側コイルと、
    を備えた非接触電力伝送装置において、
    前記交流電源は、直流電力を前記交流電力に変換するDC/AC変換部を備え、
    前記DC/AC変換部は、互いに直列に接続された2つのスイッチング素子を有するハーフブリッジ回路を2つ含むフルブリッジ回路を備え、
    前記DC/AC変換部の動作モードは、前記2つのハーフブリッジ回路の双方が動作するフルブリッジモードを含み、
    前記非接触電力伝送装置は、前記2つのハーフブリッジ回路である第1ハーフブリッジ回路及び第2ハーフブリッジ回路を制御可能であって、且つ、前記動作モードが前記フルブリッジモードである場合において、前記第1ハーフブリッジ回路の両スイッチング素子のON/OFFのデューティ比である第1デューティ比と、前記第2ハーフブリッジ回路の両スイッチング素子のON/OFFのデューティ比である第2デューティ比とを異ならせることが可能に構成されていることを特徴とする非接触電力伝送装置。
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