JP2016114552A - 電子時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】共通のムーブメントを用いてケースサイズの異なる電子時計を構成でき、ボタン用の部品の種類も少なくできる電子時計を提供すること。【解決手段】電子時計1は、ムーブメント6と、ムーブメント6を保持する中枠体7と、ムーブメント6および中枠体7を収納する外装ケース2と、外装ケース2に進退移動可能に設けられた第1スイッチ部材40と、中枠体7に設けられて第1スイッチ部材40と連動して進退移動する第2スイッチ部材45と、ムーブメント6に設けられて第2スイッチ部材45がムーブメント6側に移動することを検出するスイッチばね61とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、電子時計に関する。
腕時計では、コストの削減と、デザインのバリエーション増加を両立するため、基本となる共通のムーブメントを、様々なサイズ、デザインの時計ケース内に組み込むことで、大きさやデザインの異なる複数種類の時計を構成することが考えられている。
例えば、特許文献1では、りゅうず本体を、巻真に対してケース外部から螺合可能に構成することで、胴および裏蓋からなる一般的なケースと、ワンピースタイプのケース等の外装ケースの構造に関わらず、ムーブメントを共通化している。
特開2007−263686号公報
ところで、最近の電子時計は、様々な機能を有し、その機能を動作させるために、りゅうずとは別に複数のボタンを配置するようになった。ボタンは、外装ケースの胴に案内され、ボタンを押し込んだ際に、ボタンの軸をムーブメントのスイッチバネに当接させることで入力を検出する。したがって、共通のムーブメントを用い、かつ、外装ケースのサイズを大きくした場合は、ケースの胴からムーブメントのスイッチバネまでの距離が長くなる。このため、ケースサイズに応じて軸の長さ寸法が異なる複数種類のボタンを用意する必要がある。
さらに、ボタンはケースの外周面に露出する外装の一部であり、形状やサイズ等のボタンのデザインはケースに合わせて設計される。したがって、ケースのサイズに応じて軸の長さ寸法が異なるボタンをデザイン毎に用意すると、ボタンの種類が増大してしまう。
本発明は、共通のムーブメントを用いてケースサイズの異なる電子時計を構成でき、ボタン用の部品の種類も少なくできる電子時計を提供することにある。
本発明の電子時計は、ムーブメントと、前記ムーブメントを保持する中枠体と、前記ムーブメントおよび中枠体を収納するケースと、前記ケースに進退移動可能に設けられた第1スイッチ部材と、前記中枠体に設けられて前記第1スイッチ部材と連動して進退移動する第2スイッチ部材と、前記ムーブメントに設けられて前記第2スイッチ部材が前記ムーブメント側に移動することを検出するスイッチ検出部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ケースに進退移動可能に設けられた第1スイッチ部材と、中枠体に設けられて第1スイッチ部材と連動して進退移動する第2スイッチ部材とを設け、第2スイッチ部材のムーブメント側への移動をスイッチ検出部で検出する。このため、共通のムーブメントを用いてケースサイズが異なる複数種類の電子時計を構成する場合は、中枠体およびこの中枠体に配置される第2スイッチ部材のみをケースサイズに応じて変更することで対応できる。したがって、第1スイッチ部材は、ケースのサイズが異なる場合でも共通のものを用いることができ、ボタン用の部品の種類を少なくできる。
さらに、第1スイッチ部材は、ケースの外周面に露出するボタンとして利用されるので、ボタンのデザインを変更する場合は、第1スイッチ部材のみ変更すればよい。
すなわち、ボタンのデザインを変更する場合は、第1スイッチ部材を変更することで対応でき、ケースサイズを変更する場合は、中枠体および第2スイッチ部材を変更することで対応できるので、デザインおよびケースサイズ毎にボタンを用意する場合に比べて、ボタンを構成するスイッチ部材の種類を少なくできる。例えば、ボタンデザインが3種類あり、ケースサイズが3種類ある場合、従来であれば、デザイン3種類×ケースサイズ3種類の計9種類のボタンを用意しなければならない。これに対し、本発明では、第1スイッチ部材を3種類、第2スイッチ部材を3種類の計6種類を用意すればよく、ボタンを構成するスイッチ部材の種類を少なくでき、コストも低減できる。したがって、第1スイッチ部材および第2スイッチ部材を組み合わせてボタンを構成することで、共通のムーブメントを用いてケースサイズの異なる電子時計を低コストで構成できる。
本発明の電子時計において、前記第2スイッチ部材は、ピンおよびピン用付勢部材を備え、前記ピンは、前記中枠体に形成された貫通孔に挿通される軸部と、前記軸部の一端側で前記軸部よりも大径に形成され、前記第1スイッチ部材が当接する当接部とを有し、前記ピン用付勢部材は、前記当接部および中枠体間に配置されて、前記ピンを前記第1スイッチ部材側に付勢することが好ましい。
第2スイッチ部材は、ピンおよびピン用付勢部材を備え、ピンはピン用付勢部材で常時第1スイッチ部材側つまりムーブメントから離れる方向に付勢されている。このため、電子時計を手首に装着したユーザーが腕を動かすことなどで、重力方向に対する電子時計の向きが変化した場合等に、ピンが自重でムーブメント側に移動することを防止でき、ピンの自重による移動をスイッチ検出部が検出する誤入力も確実に防止できる。
本発明の電子時計において、前記軸部の他端側は、前記中枠体の内周面から突出して配置され、かつ、前記中枠体に係合する抜け止め部を有することが好ましい。
ピンの軸部が中枠体の内周面に突出し、その突出部分に抜け止め部が設けられていれば、別途、止め輪などを設ける必要が無く、第2スイッチ部材の部品点数を少なくできる。
本発明の電子時計において、前記第1スイッチ部材は、ボタン本体およびボタン用付勢部材を備え、前記ボタン本体は、前記ケースに形成された貫通孔に挿通される軸部と、前記軸部の一端側に設けられて前記ケースの外周面に露出する頭部とを有し、前記ボタン用付勢部材は、前記頭部およびケース間に配置されて、前記ボタン本体を前記ケースの外側に付勢することが好ましい。
第1スイッチ部材は、ボタン本体とボタン用付勢部材とを備え、ボタン本体はボタン用付勢部材で常時ケースの外側つまり第2スイッチ部材から離れる方向に付勢している。このため、ピン用付勢部材のみでピンおよびボタン本体を付勢する場合に比べて、ピン用付勢部材の付勢力を小さくでき、ピン用付勢部材としてより小型のコイルバネなどを利用できる。
本発明の実施形態の電子時計を示す正面図。 前記電子時計の2時−8時方向の概略断面図。 前記電子時計のボタンの要部を示す拡大断面図。 前記電子時計の要部の分解斜視図。
以下、本発明の実施形態に係る電子時計(腕時計)1を図1〜4に基づいて説明する。
電子時計1は、後述するムーブメント等を収容する外装ケース2を備える。外装ケース2は、ケース本体3と、裏蓋4とを備える。ケース本体3は、円筒状の胴11と、胴11の表面側に設けられたベゼル12とを備える。
ベゼル12は、リング状に形成されている。そして、ベゼル12と胴11とは、互いの対向面に形成された凹凸による嵌め合わせ構造あるいは両面粘着テープや接着剤等の手段により接続されている。なお、ベゼル12は、胴11に対して回転可能に取り付けられていてもよい。
また、ベゼル12の内側には、ベゼル12によって保持されたカバーガラス5が取り付けられている。
ケース本体3の裏面側には、ケース本体3の裏面側の開口を塞ぐ円板状の裏蓋4が設けられている。裏蓋4は、ケース本体3の胴11に取り付けられている。
裏蓋4は、リング状の枠13と、この枠13の内部にパッキンを介して圧入された透光性部材である裏蓋ガラス14とで構成されている。
なお、本実施形態では、胴11と裏蓋4とは、別体で構成されているが、これに限らず、胴11および裏蓋4が一体化されたワンピースケースでもよい。
胴11、ベゼル12、裏蓋4の枠13には、BS(真鍮)、SUS(ステンレス鋼)、チタン合金などの金属材料が利用される。
[電子時計の内部構造]
次に、電子時計1の外装ケース2に内蔵される内部構造について説明する。
図2に示すように、外装ケース2内には、ムーブメント6と、中枠体7と、文字板15と、ダイヤルリング16とが収容される。
中枠体7は、文字板受けリング70と、中枠75とを備えている。文字板受けリング70および中枠75は、ポリカーボネートなどの合成樹脂で構成されている。
ムーブメント6は、前記文字板受けリング70に形成されたフック部74(図4参照)によって、文字板受けリング70の内周に取り付けられている。
ムーブメント6は、地板、ステップモーター、輪列、電池などを備え、指針や日車を駆動する。例えば、図1に示す例では、文字板15の平面中心位置を回転軸とする時針21、分針22、ストップウォッチ用の1/5秒針23が設けられている。また、文字板15の3時側には24時針24が配置され、6時位置にはストップウォッチ用の分針25が配置され、9時位置には秒針26が配置されている。また、文字板15の4時および5時間の位置には、日車27の日付を表示する日窓15Aが形成されている。
なお、各指針や日車のレイアウトや数、種類などは図1に示すものに限定されない。
文字板15は、ステンレスなどの金属材やプラスチックなどの板材で形成されており、底面から突設された足をムーブメント6の地板に圧入することでムーブメント6の表面側に取り付けられる。この際、前記文字板受けリング70に当接することで、ムーブメント6に対する文字板15の高さ位置が規定される。これにより、文字板15およびムーブメント6の地板間に所定の空間が形成され、この空間に日車27等が配置される。
文字板15の外周縁には、ダイヤルリング16が配置される。ダイヤルリング16の上面はベゼル12に当接して位置決めされている。
[ボタンの構成]
図1に示すように、外装ケース2には、リューズ30と、4つのボタン31〜34が設けられている。
4つのボタン31〜34のうち、外装ケース2の8時位置、10時位置に配置される2つのボタン31,32は互いに同じ構成とされている。このため、図3の拡大図でボタン31を例に説明する。
ボタン31は、外装ケース2の胴11に進退移動可能に設けられた第1スイッチ部材40と、中枠体7の文字板受けリング70に設けられた第2スイッチ部材45とを備えている。
なお、図4にも示すように、胴11には、第1スイッチ部材40を配置するために、胴11の外周面に開口する凹部111と、凹部111の底面から胴11の内周面まで貫通する貫通孔112とが形成されている。凹部111は、後述する第1スイッチ部材40のボタン本体41に対応した形状で構成されている。
また、文字板受けリング70には、第2スイッチ部材45を配置するために、文字板受けリング70の外周面に開口する凹部71と、凹部71の底面から文字板受けリング70の内周面まで壁部72を貫通する貫通孔73とが形成されている。凹部71は、後述する第2スイッチ部材45のピン46に対応して断面円形に形成されている。
[第1スイッチ部材]
第1スイッチ部材40は、図3,4に示すように、ボタン本体41と、ホルダ42と、第1バネ43と、ボタン止め輪44とを備える。
ホルダ42は、筒状に形成され、その外周面にはフランジ421がリング状に突出して形成されている。ホルダ42は、胴11の貫通孔112に挿入され、フランジ421が凹部111の底面に当接している。
ボタン本体41は、頭部411と、軸部412とを備える。頭部411は、前記凹部111に配置されている。頭部411とホルダ42のフランジ421との間には、第1バネ43が配置されている。
第1バネ43は、コイルバネで構成され、頭部411つまりボタン本体41を外装ケース2の外側に向かって付勢する。このため、第1バネ43によって、ボタン用付勢部材が構成されている。
ボタン本体41の軸部412は、前記ホルダ42内に挿入されている。このため、軸部412は、胴11の貫通孔112に挿通されていることになる。
軸部412の先端はホルダ42から文字板受けリング70側に突出している。この軸部412の先端には、ボタン止め輪44が装着されている。ボタン止め輪44の直径は、ホルダ42の孔の直径よりも大きくされ、ホルダ42の端部に当接する。これにより、第1バネ43で付勢されるボタン本体41がホルダ42から抜け落ちることを防止している。
[第2スイッチ部材]
第2スイッチ部材45は、ピン46と、第2バネ47とを備えている。
ピン46は、ボタン本体41が当接する当接部461と、軸部462とを備える。当接部461は、文字板受けリング70の凹部71に配置され、軸部462は貫通孔73に挿通されている。
文字板受けリング70の壁部72と、当接部461との間には、第2バネ47が配置されている。
第2バネ47は、コイルバネで構成され、当接部461つまりピン46を文字板受けリング70の外側つまり第1スイッチ部材40側に付勢する。このため、第2バネ47によって、ピン用付勢部材が構成されている。
ピン46の軸部462の先端は、壁部72からムーブメント6側に突出している。この軸部462の先端には、当接部461に向かうにしたがって直径が大きくなるテーパ状の係止部463が形成されている。係止部463の最大径は、壁部72の貫通孔73の直径よりも大きくされている。
ここで、文字板受けリング70は合成樹脂製であり、ピン46は金属製である。このため、ピン46の軸部462に第2バネ47を挿通した状態で、文字板受けリング70の外周側からピン46を貫通孔73に押し込むことで、前記テーパ状の係止部463は壁部72を乗り越えて文字板受けリング70の内周側に移動する。これにより、第2バネ47で付勢されるピン46が文字板受けリング70から抜け落ちることを防止している。したがって、係止部463によってピン46の抜け止め部が構成されている。
このような第1スイッチ部材40のボタン本体41および第2スイッチ部材45のピン46は、外装ケース2内に文字板受けリング70を配置した際に、互いに当接する。
ユーザーがボタン31を押していない状態では、ボタン本体41は、図3に示すように、第1バネ43で外装ケース2から突出する方向に付勢され、前記ボタン止め輪44がホルダ42に当接した位置で停止している。すなわち、ボタン本体41は、外装ケース2から突出する方向のストロークエンドに位置している。
この際、ピン46は、第2バネ47で文字板受けリング70から突出する方向のストロークエンド位置(係止部463が壁部72に当接する位置)までは移動せずに、ボタン本体41に当接する。このため、ピン46は、第2バネ47で付勢されてボタン本体41に確実に当接する。
[スイッチばね]
ムーブメント6において、各ボタン31,32における第2スイッチ部材45のピン46の先端に対向する位置には、スイッチ検出部としてのスイッチばね61が設けられている。図3に示すように、ユーザーがボタン31を押していない初期状態の場合、この初期位置のピン46の先端は、スイッチばね61から寸法L1だけ離れている。
[ボタン操作]
ユーザーがボタン本体41の頭部411を押すと、第1バネ43の付勢力に抗してボタン本体41がムーブメント6側に移動する。ピン46はボタン本体41に当接しているので、ボタン本体41がムーブメント6側に移動すると、ピン46も第2バネ47の付勢力に抗してボタン本体41と共にムーブメント6側に移動する。
ピン46が初期位置から寸法L1だけ移動すると、軸部462がスイッチばね61に当接する。さらに、ユーザーがボタン本体41を押し込むと、ボタン本体41およびピン46がムーブメント6側に移動する。そして、ピン46が初期位置から寸法L2(L2>L1)の位置まで移動すると、スイッチばね61が撓んでムーブメント6の回路基板に設けられた入力端子に接触する。これにより、回路基板に設けられる制御ICは、ボタン31が押されたことを検出する。
したがって、前記寸法L2は、ユーザーがボタン31を押し始めてから、ボタン31が押されたことを制御ICが検出するまでのピン46の移動量であるスイッチングストロークとなる。
なお、ボタン本体41およびピン46は、初期位置から寸法L2以上移動することができるように設定されている。この際、スイッチばね61は、その下端側(裏蓋4側)が入力端子に接触しているため、スイッチばね61の上端側がムーブメント6に倒れるように傾斜する。
[ボタン33,34の構成]
外装ケース2の2時位置および4時位置に配置されるボタン33,34は、互いに同じ構成とされ、ボタン31,32における第1スイッチ部材40に相当する構成のみを備えており、第2スイッチ部材45に相当する構成を備えていない。図2では、ボタン33を例に説明する。
ボタン33は、ボタン本体51と、ホルダ52と、ボタンバネ53と、ボタン止め輪54とを備える。なお、胴11には、ボタン31、32が配置される凹部111と同様の凹部が形成され、ボタン33、34のボタン本体51が配置される。
ホルダ52は、筒状に形成されて胴11の貫通孔に挿入されている。
ボタン本体51は、頭部511と、軸部512とを備える。頭部511とホルダ52との間にはボタンバネ53が配置されている。このボタンバネ53によって、頭部511つまりボタン本体51は外装ケース2の外側に向かって付勢されている。
ボタン本体51の軸部512は、前記ホルダ52内に挿入され、軸部512の先端はホルダ52からムーブメント6側に突出している。この軸部512の先端には、ボタン止め輪54が装着されている。ボタン止め輪54の直径は、ホルダ52の孔の直径よりも大きくされ、ホルダ52の端部に当接する。これにより、ボタンバネ53で付勢されるボタン本体51がホルダ52から抜け落ちることを防止している。
ムーブメント6において、各ボタン33,34の軸部512の先端に対向する位置には、スイッチばね55が設けられている。スイッチばね55は、軸部512が当接すると、弾性変形して、ムーブメント6の回路基板に設けられた入力端子に接触する。これにより、回路基板に設けられる制御ICは、ボタン33,34が押されたことを検出する。
[本実施形態の作用効果]
ボタン31、32を、胴11に進退移動可能に設けられた第1スイッチ部材40と、中枠体7に進退移動可能に設けられた第2スイッチ部材45とを備えて構成したので、ムーブメント6に対して文字板15や外装ケース2のサイズを大きくして、ムーブメント6のスイッチばね61と、外装ケース2の胴11との間隔が大きくなった場合に、ボタン本体41の軸部412を長く伸ばす必要が無い。
また、文字板15や外装ケース2のサイズが異なる複数種類の電子時計1において、サイズの異なる中枠体7を設け、この中枠体7に応じて第2スイッチ部材45を設ければよく、ムーブメント6と第1スイッチ部材40は各電子時計1において共通するものが利用できる。
したがって、ムーブメント6や第1スイッチ部材40は1種類でよいため、様々なサイズの電子時計1を製造するコストを低減できる。
第2スイッチ部材45は、ピン46と、第2バネ47とを備えるため、ピン46は第2バネ47によって常時スイッチばね61から離れる方向に付勢されている。このため、ユーザーの腕に装着された電子時計1の向きが変化した場合にピン46が自重で動くことも防止できる。このため、ピン46が自重で動いてスイッチばね61を押して入力端子に接触する誤入力を確実に防止できる。
第1スイッチ部材40は、ボタン本体41と、第1バネ43とを備えるため、ボタン本体41は第1バネ43で付勢できる。このため、第1バネ43を設けずに第2バネ47でボタン本体41およびピン46を付勢する場合に比べて、第2バネ47の付勢力を小さくでき、小型のコイルバネを利用できる。
ピン46に係止部463を形成しているので、第2スイッチ部材45には、止め輪を設ける必要が無い。このため、第2スイッチ部材45の部品点数を少なくできてコストも低減できる。
前記実施形態では、4つのボタン31〜34のうち、8時、10時位置にあるボタン31,32を、第1スイッチ部材40および第2スイッチ部材45で構成したので、電子時計1の外装ケース2の左半分では、胴11からケース内に突出する軸部が存在しない。このため、2時、4時位置にあるボタン33,34の軸部512の寸法が長く、ケース内に突出している場合でも、ムーブメント6、中枠体7を容易に外装ケース2内に配置することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、前記実施形態では、第1スイッチ部材40に第1バネ43を組み込んでいたが、第1バネ43を設けなくてもよい。この場合、第2スイッチ部材45に組み込まれた第2バネ47を、ピン46およびボタン本体41を付勢できる付勢力に設定すればよい。この場合、第1バネ43を不要にできるので、部品点数を少なくでき、コストを低減できる。
また、前記実施形態では、4つのボタン31〜34のうち、2つのボタン31,32のみを、第1スイッチ部材40および第2スイッチ部材45を備えたボタンとしていたが、リューズ30に隣接する2つのボタン33,34のみを、第1スイッチ部材40および第2スイッチ部材45を備えたボタンとしてもよく、さらには4つのボタン31〜34のすべてを第1スイッチ部材40および第2スイッチ部材45を備えたボタンとしてもよい。
前記実施形態では、第2スイッチ部材45を中枠体7の文字板受けリング70に配置していたが、中枠75に配置してもよい。さらに、中枠体7は、文字板受けリング70および中枠75の2つの部材で構成されるものに限らず、例えば、一体型の中枠体7を用いてもよい。
さらに、4つのボタン31〜34として、形状等のデザインが異なる複数種類のボタンを用意し、適宜組み込むようにしてもよい。この場合、第1スイッチ部材40のボタン本体41のみをデザイン毎に用意すれば良い。例えば、ボタンデザインが3種類あり、ケースサイズが3種類ある場合、第1スイッチ部材40を3種類、第2スイッチ部材45を3種類の計6種類のみ用意すればよく、ボタンを構成するスイッチ部材40,45の種類を少なくでき、コストも低減できる。したがって、第1スイッチ部材40および第2スイッチ部材45を組み合わせてボタンを構成することで、共通のムーブメントを用いてケースサイズおよびボタンデザインの異なる電子時計を低コストで構成できる。
1…電子時計、2…外装ケース、3…ケース本体、4…裏蓋、6…ムーブメント、7…中枠体、11…胴、111…凹部、112…貫通孔、12…ベゼル、15…文字板、16…ダイヤルリング、30…リューズ、31〜34…ボタン、40…第1スイッチ部材、41…ボタン本体、411…頭部、412…軸部、42…ホルダ、43…第1バネ、44…ボタン止め輪、45…第2スイッチ部材、46…ピン、461…当接部、462…軸部、463…係止部、47…第2バネ、70…文字板受けリング、71…凹部、72…壁部、73…貫通孔、74…フック部、75…中枠。

Claims (4)

  1. ムーブメントと、
    前記ムーブメントを保持する中枠体と、
    前記ムーブメントおよび中枠体を収納するケースと、
    前記ケースに進退移動可能に設けられた第1スイッチ部材と、
    前記中枠体に設けられて前記第1スイッチ部材と連動して進退移動する第2スイッチ部材と、
    前記ムーブメントに設けられて前記第2スイッチ部材が前記ムーブメント側に移動することを検出するスイッチ検出部とを備える
    ことを特徴とする電子時計。
  2. 請求項1に記載の電子時計において、
    前記第2スイッチ部材は、ピンおよびピン用付勢部材を備え、
    前記ピンは、
    前記中枠体に形成された貫通孔に挿通される軸部と、
    前記軸部の一端側で前記軸部よりも大径に形成され、前記第1スイッチ部材が当接する当接部とを有し、
    前記ピン用付勢部材は、前記当接部および中枠体間に配置されて、前記ピンを前記第1スイッチ部材側に付勢する
    ことを特徴とする電子時計。
  3. 請求項2に記載の電子時計において、
    前記軸部の他端側は、前記中枠体の内周面から突出して配置され、かつ、前記中枠体に係合する抜け止め部を有する
    ことを特徴とする電子時計。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子時計において、
    前記第1スイッチ部材は、ボタン本体およびボタン用付勢部材を備え、
    前記ボタン本体は、
    前記ケースに形成された貫通孔に挿通される軸部と、
    前記軸部の一端側に設けられて前記ケースの外周面に露出する頭部とを有し、
    前記ボタン用付勢部材は、前記頭部およびケース間に配置されて、前記ボタン本体を前記ケースの外側に付勢する
    ことを特徴とする電子時計。
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