JP2016114548A - 放射性バイオ廃棄物の保管方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間に亘って高い気密性を保持し、自然発火する危険性や放射性物質が飛散する恐れが無く、将来的に放射性バイオ廃棄物を焼却処分することが可能な放射性バイオ廃棄物の保管方法を提供する。【解決手段】放射性物質を含有し、自然発火性を有する放射性バイオ廃棄物12を仮保管する方法であって、鋼製ドラム缶10に可撓性フィルムからなる内袋11を内設し、不活性ガス雰囲気とした内袋11内に放射性バイオ廃棄物12を収納して内袋11及び鋼製ドラム缶10を密封する。【選択図】図1
Description
本発明は、放射性物質を含有し、自然発火性を有する放射性バイオ廃棄物を仮保管する方法に関する。
下水処理場において下水を浄化する際に発生する下水汚泥は、通常、焼却処分あるいは埋立処分されている。しかし、セシウムなどの放射性物質を含んだ雨水が下水に流れ込んでいる場合、放射性物質を含んだ下水汚泥(以下、「放射性バイオ廃棄物」と呼ぶ。)が発生する。放射性バイオ廃棄物については通常の処理ができないため、フレキシブルコンテナバッグに収納して保管しているが、厖大な量となるため、減容化が急務となっている。
そこで、放射性バイオ廃棄物を乾燥処理して減容化することが計画されているが、乾燥後の放射性バイオ廃棄物は所定の温度での空気及び水との接触により自己発熱して発火する恐れがあるだけでなく、放射性物質が飛散する恐れがあるため、気密性及び防水性の無いフレキシブルコンテナバッグに収納することができないという問題がある。
他方、放射性廃棄物の収納容器として以下の技術が提案されている。
特許文献1には、放射性廃棄物の収納部を形成するドラム缶と、ドラム缶の側周部及び底面部の外面を覆うコンクリート被覆層と、ドラム缶の上部を覆う中蓋と、中蓋をドラム缶に固定する固定手段と、中蓋を覆うと共にコンクリート被覆層の上部に配置されるコンクリート製の外蓋とを有する放射性廃棄物収納容器の技術が開示されている。
特許文献2には、鋼製ドラム缶の内面に、又は鋼製ドラム缶の内面に内巻きしたコンクリートの内面に、又はコンクリート容器の内面に、エポキシ樹脂系弾性接着材に骨材として珪砂、アルミナ粉、又はガラス繊維を添加混合してなる配合物を1mm以上の厚さにコーティングし、硬化せしめてなる耐透水性放射性廃棄物固化用容器の技術が開示されている。
特許文献1には、放射性廃棄物の収納部を形成するドラム缶と、ドラム缶の側周部及び底面部の外面を覆うコンクリート被覆層と、ドラム缶の上部を覆う中蓋と、中蓋をドラム缶に固定する固定手段と、中蓋を覆うと共にコンクリート被覆層の上部に配置されるコンクリート製の外蓋とを有する放射性廃棄物収納容器の技術が開示されている。
特許文献2には、鋼製ドラム缶の内面に、又は鋼製ドラム缶の内面に内巻きしたコンクリートの内面に、又はコンクリート容器の内面に、エポキシ樹脂系弾性接着材に骨材として珪砂、アルミナ粉、又はガラス繊維を添加混合してなる配合物を1mm以上の厚さにコーティングし、硬化せしめてなる耐透水性放射性廃棄物固化用容器の技術が開示されている。
また、特許文献3には、ドラム缶等の定形性を有する外容器の内側に収め、その内部に各種液体や粉体等の材料を収納してこれらの保存や輸送を行う可撓性の内装容器の技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されている技術の場合、放射性廃棄物をコンクリート等で被覆するため、将来的に放射性廃棄物を焼却処分できないという問題がある。
また、特許文献3に記載されている技術の場合、放射性バイオ廃棄物を内装容器に収納する際に空気が混入するため、長期保管時に放射性バイオ廃棄物が自己発熱して発火する恐れがある。
また、特許文献3に記載されている技術の場合、放射性バイオ廃棄物を内装容器に収納する際に空気が混入するため、長期保管時に放射性バイオ廃棄物が自己発熱して発火する恐れがある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、長期間に亘って高い気密性を保持し、自然発火する危険性や放射性物質が飛散する恐れが無く、将来的に放射性バイオ廃棄物を焼却処分することが可能な放射性バイオ廃棄物の保管方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、放射性物質を含有し、自然発火性を有する放射性バイオ廃棄物を仮保管する方法であって、
鋼製ドラム缶に可撓性フィルムからなる内袋を内設し、不活性ガス雰囲気とした前記内袋内に前記放射性バイオ廃棄物を収納して前記内袋及び前記鋼製ドラム缶を密封することを特徴としている。
鋼製ドラム缶に可撓性フィルムからなる内袋を内設し、不活性ガス雰囲気とした前記内袋内に前記放射性バイオ廃棄物を収納して前記内袋及び前記鋼製ドラム缶を密封することを特徴としている。
鋼製ドラム缶は、安価で剛性が高く、ハンドリングも容易であるが、ピンホールが発生する恐れがある。そのため、可撓性フィルムからなる内袋を鋼製ドラム缶の内側に設けることで、気密性を確保して放射性物質の飛散を防止することができる。また、放射性バイオ廃棄物が空気に触れないように内袋内を不活性ガス雰囲気として放射性バイオ廃棄物の自然発火を防止する。さらにまた、不燃物質を使用していないので、将来的に放射性バイオ廃棄物を焼却処分することができる。
本発明に係る放射性バイオ廃棄物の保管方法では、以下の工程を備えることを好適とする。
(1)折り込まれて平面化された前記内袋を前記鋼製ドラム缶の中に挿入し、前記内袋内に不活性ガスを吹き込んで前記内袋内を不活性ガス雰囲気とする工程
(2)不活性ガス雰囲気とした前記内袋内に前記放射性バイオ廃棄物を投入した後、前記内袋内のガスを抜き取る工程
(3)ガスが抜き取られた前記内袋の開口部を融着して密封した後、前記鋼製ドラム缶に蓋をし、前記鋼製ドラム缶の上縁部と前記蓋との隙間をシールする工程
(1)折り込まれて平面化された前記内袋を前記鋼製ドラム缶の中に挿入し、前記内袋内に不活性ガスを吹き込んで前記内袋内を不活性ガス雰囲気とする工程
(2)不活性ガス雰囲気とした前記内袋内に前記放射性バイオ廃棄物を投入した後、前記内袋内のガスを抜き取る工程
(3)ガスが抜き取られた前記内袋の開口部を融着して密封した後、前記鋼製ドラム缶に蓋をし、前記鋼製ドラム缶の上縁部と前記蓋との隙間をシールする工程
当該構成では、折り込まれて平面化された内袋内に不活性ガスを吹き込むので、内袋内に不活性ガスを吹き込むと同時に内袋内から空気を抜き取る作業が不要となる。さらに、放射性バイオ廃棄物を投入した後、内袋内のガスを抜き取って内袋の開口部を融着することにより、気密性を確保して内袋内への空気の進入を排除すると共に、減容化することができる。
また、本発明に係る放射性バイオ廃棄物の保管方法では、密封後の前記内袋内の酸素濃度を14%以下とすることが好ましい。
酸素濃度が14%を超えると、放射性バイオ廃棄物が発熱する恐れがある。なお、密封後の内袋内の酸素濃度の上限値としては8%がより好ましい。
酸素濃度が14%を超えると、放射性バイオ廃棄物が発熱する恐れがある。なお、密封後の内袋内の酸素濃度の上限値としては8%がより好ましい。
また、本発明に係る放射性バイオ廃棄物の保管方法では、折り込まれて平面化された前記内袋は、その底部が外方に突出するV字状とされていることを好適とする。
当該構成では、折り込まれて平面化された内袋の底部が外方に突出するV字状とされているので、自動封入装置による鋼製ドラム缶内への内袋の挿入が可能となる。
また、本発明に係る放射性バイオ廃棄物の保管方法では、前記鋼製ドラム缶は、溶融亜鉛めっき鋼板製かつ内外表面に樹脂塗装が施されてなり、前記可撓性フィルムは、ポリエチレンの複層構造からなるフィルムであることを好適とする。
鋼製ドラム缶を上記構成とすることにより、耐食性及び放射性物質の洗浄性に優れた鋼製ドラム缶を実現することができる。また、ポリエチレンの複層構造からなるフィルムで内袋を形成することにより、力学特性及び気密性に優れた内袋を実現することができる。
本発明に係る放射性バイオ廃棄物の保管方法では、鋼製ドラム缶に可撓性フィルムからなる内袋を内設し、不活性ガス雰囲気とした内袋内に放射性バイオ廃棄物を収納して内袋及び鋼製ドラム缶を密封するので、気密性を確保して放射性物質の飛散、並びに放射性バイオ廃棄物の自然発火を防止することができる。また、不燃物質を使用していないので、将来的に放射性バイオ廃棄物を焼却処分することも可能である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
下水汚泥は、主に微生物からなるバイオマスであり、下水処理場において下水を浄化する際に発生する。下水に放射性物質が含まれていると、発生する下水汚泥は放射性バイオ廃棄物となる。放射性バイオ廃棄物は、セシウムなどの放射性物質を含んだ雨水が下水に流れ込むことにより放射性物質を含んだ下水となり、放射性バイオ廃棄物が発生する。
下水処理場において発生する放射性バイオ廃棄物は、その80%以上が水分であるため、乾燥処理して減容化したのち仮保管される。
放射性バイオ廃棄物を乾燥処理する際、放射性バイオ廃棄物を直接、乾燥ドラムに装入して乾燥させても良いが、造粒乾燥方式を用いるのが好ましい。造粒乾燥方式では、放射性バイオ廃棄物と有機性脱水汚泥を造粒した乾燥ペレットとをミキサーで混合・混練することにより、乾燥ペレットの周囲に放射性バイオ廃棄物が付着した造粒物を生成し、生成された造粒物を乾燥ドラムに装入して乾燥させる。
放射性バイオ廃棄物を直接、乾燥ドラムに装入して乾燥処理した放射性バイオ廃棄物の含水率は20%程度であるが、造粒乾燥方式によって乾燥処理した放射性バイオ廃棄物の含水率は10%程度となる。
放射性バイオ廃棄物を乾燥処理する際、放射性バイオ廃棄物を直接、乾燥ドラムに装入して乾燥させても良いが、造粒乾燥方式を用いるのが好ましい。造粒乾燥方式では、放射性バイオ廃棄物と有機性脱水汚泥を造粒した乾燥ペレットとをミキサーで混合・混練することにより、乾燥ペレットの周囲に放射性バイオ廃棄物が付着した造粒物を生成し、生成された造粒物を乾燥ドラムに装入して乾燥させる。
放射性バイオ廃棄物を直接、乾燥ドラムに装入して乾燥処理した放射性バイオ廃棄物の含水率は20%程度であるが、造粒乾燥方式によって乾燥処理した放射性バイオ廃棄物の含水率は10%程度となる。
乾燥処理された放射性バイオ廃棄物は空気との接触により自己発熱して発火する恐れがあるだけでなく、放射性物質が飛散する恐れがある。乾燥処理された放射性バイオ廃棄物の保管方法について図1及び図2を用いて説明する。なお、乾燥処理によって減容化された放射性バイオ廃棄物の放射能濃度は非常に高くなっているため、以下の作業は全て自動封入機(図示省略)により無人で行われる。
(1)可撓性フィルムからなる有底円筒状の内袋11を折り込んで平面化したものを鋼製ドラム缶10の中に挿入する(図1(A)参照)。折り込まれて平面化された内袋11は、図1(A)に示すように、その底部11aが外方に突出するV字状とされ、底部11aから鋼製ドラム缶10内に挿入される。
(2)鋼製ドラム缶10内に挿入された内袋11の上端に設けられた開口部11bに管14を挿入し、管14から内袋11内に窒素などの不活性ガス13を吹き込む(図1(B)参照)。内袋11内に不活性ガス13を吹き込むことにより、内袋11が鋼製ドラム缶10内で有底円筒状に拡張すると共に、内袋11内が不活性ガス雰囲気となる。
(2)鋼製ドラム缶10内に挿入された内袋11の上端に設けられた開口部11bに管14を挿入し、管14から内袋11内に窒素などの不活性ガス13を吹き込む(図1(B)参照)。内袋11内に不活性ガス13を吹き込むことにより、内袋11が鋼製ドラム缶10内で有底円筒状に拡張すると共に、内袋11内が不活性ガス雰囲気となる。
(3)不活性ガス雰囲気となった内袋11内に、管14を介して放射性バイオ廃棄物12を投入する(図1(C)参照)。
(4)内袋11内が放射性バイオ廃棄物12で一杯になった段階で、内袋11内のガス(不活性ガス13+空気)を管14から抜き取る(図2(D)参照)。
(4)内袋11内が放射性バイオ廃棄物12で一杯になった段階で、内袋11内のガス(不活性ガス13+空気)を管14から抜き取る(図2(D)参照)。
(5)内袋11の開口部11bから管14を抜き取り、ヒートシーラー(図示省略)を用いて開口部11bを融着して密封する(図2(E)参照)。図2(E)の破線は、ヒートシーラーによって形成された融着部15を示している。なお、密封後の内袋11内の酸素濃度は14%以下、望ましくは8%以下とする。
(6)鋼製ドラム缶10に蓋16をし、鋼製ドラム缶10の上縁部と蓋16との嵌合部にリング状の鋼製バンド17を巻いてボルト(図示省略)で締め付けて隙間をシールする(図2(F)参照)。
(6)鋼製ドラム缶10に蓋16をし、鋼製ドラム缶10の上縁部と蓋16との嵌合部にリング状の鋼製バンド17を巻いてボルト(図示省略)で締め付けて隙間をシールする(図2(F)参照)。
鋼製ドラム缶10と内袋11からなる二重容器に収納された放射性バイオ廃棄物12は、中間貯蔵施設に搬送され仮保管される。仮保管の期間は3、4年から10年程度とされている。
仮保管期間が終了した放射性バイオ廃棄物12は内袋11に収納された状態で焼却処分され、仮保管に使用した鋼製ドラム缶10は洗浄された後、再利用される。
仮保管期間が終了した放射性バイオ廃棄物12は内袋11に収納された状態で焼却処分され、仮保管に使用した鋼製ドラム缶10は洗浄された後、再利用される。
表1は、鋼製ドラム缶の仕様について検討した結果を示した一覧表である。
鋼製ドラム缶の鋼板厚は全て1.6mmである。耐食年数は、海岸地帯(海岸線から50〜100m)に鋼製ドラム缶を置いた場合に、赤錆発生面積が20%に達するまでの推定年数である。洗浄性は、放射性バイオ廃棄物を仮保管した後、鋼製ドラム缶を洗浄して再利用することができるか否か検討した項目である。また、コストは、CASE−1のコストを1としたときの比である。
鋼製ドラム缶の鋼板厚は全て1.6mmである。耐食年数は、海岸地帯(海岸線から50〜100m)に鋼製ドラム缶を置いた場合に、赤錆発生面積が20%に達するまでの推定年数である。洗浄性は、放射性バイオ廃棄物を仮保管した後、鋼製ドラム缶を洗浄して再利用することができるか否か検討した項目である。また、コストは、CASE−1のコストを1としたときの比である。
同表より以下のことがわかる。
・冷間圧延鋼板を使用した鋼製ドラム缶(CASE−1、CASE−2)は耐用年数が短い。
・溶融亜鉛めっき鋼板を使用し、内外表面の塗装がない鋼製ドラム缶(CASE−3)は耐食性はあるが、塗装がないため放射性物質の洗浄性が悪い。
・溶融亜鉛めっき鋼板を使用し、内外表面に樹脂塗装をしている鋼製ドラム缶(CASE−4、CASE−5)は耐食性及び放射性物質の洗浄性に優れている。ただし、CASE−4に比べて外表面の塗装厚が大きなCASE−5は、CASE−4に比べて割高となる。
・溶融亜鉛アルミ合金めっき鋼板を使用し、内外表面の塗装がないか部分的に樹脂塗装している鋼製ドラム缶(CASE−6、CASE−8)は耐食性はあるが、塗装がないため放射性物質の洗浄性が悪く、コスト高となる。
・溶融亜鉛アルミ合金めっき鋼板を使用し、内外表面に樹脂塗装をしている鋼製ドラム缶(CASE−7)は耐食性及び放射性物質の洗浄性に優れているが、コストが高い。
・ステンレス鋼板を使用し、内外表面の塗装がない鋼製ドラム缶(CASE−9)は耐食性に非常に優れるが、塗装がないため放射性物質の洗浄性が悪いうえ、コストが非常に高い。
・冷間圧延鋼板を使用した鋼製ドラム缶(CASE−1、CASE−2)は耐用年数が短い。
・溶融亜鉛めっき鋼板を使用し、内外表面の塗装がない鋼製ドラム缶(CASE−3)は耐食性はあるが、塗装がないため放射性物質の洗浄性が悪い。
・溶融亜鉛めっき鋼板を使用し、内外表面に樹脂塗装をしている鋼製ドラム缶(CASE−4、CASE−5)は耐食性及び放射性物質の洗浄性に優れている。ただし、CASE−4に比べて外表面の塗装厚が大きなCASE−5は、CASE−4に比べて割高となる。
・溶融亜鉛アルミ合金めっき鋼板を使用し、内外表面の塗装がないか部分的に樹脂塗装している鋼製ドラム缶(CASE−6、CASE−8)は耐食性はあるが、塗装がないため放射性物質の洗浄性が悪く、コスト高となる。
・溶融亜鉛アルミ合金めっき鋼板を使用し、内外表面に樹脂塗装をしている鋼製ドラム缶(CASE−7)は耐食性及び放射性物質の洗浄性に優れているが、コストが高い。
・ステンレス鋼板を使用し、内外表面の塗装がない鋼製ドラム缶(CASE−9)は耐食性に非常に優れるが、塗装がないため放射性物質の洗浄性が悪いうえ、コストが非常に高い。
表2は、鋼製ドラム缶の開閉方式について検討した結果を示した一覧表である。
ボルト式オープンドラムは、鋼製ドラム缶の上縁部と蓋との嵌合部に鋼製バンドを巻いてボルトで締め付ける方式である。レバー式オープンドラムは、鋼製ドラム缶の上縁部と蓋との嵌合部に鋼製バンドを巻いてレバーで締め付ける方式である。クローズドドラムは、鋼製ドラム缶の上縁部と蓋とをかしめて固定する方式である。
ボルト式オープンドラムは、鋼製ドラム缶の上縁部と蓋との嵌合部に鋼製バンドを巻いてボルトで締め付ける方式である。レバー式オープンドラムは、鋼製ドラム缶の上縁部と蓋との嵌合部に鋼製バンドを巻いてレバーで締め付ける方式である。クローズドドラムは、鋼製ドラム缶の上縁部と蓋とをかしめて固定する方式である。
同表より以下のことがわかる。
・ボルト式オープンドラムは、作業性、気密性、再利用性、乾燥物の再取出し性、及び耐衝撃性の全てにおいて優れている。
・レバー式オープンドラムは、作業性、気密性、再利用性、及び乾燥物の再取出し性に優れているが、耐衝撃性に問題がある。
・クローズドドラムは、気密性及び耐衝撃性に優れるが、作業性、再利用性、及び乾燥物の再取出し性に難がある。
・ボルト式オープンドラムは、作業性、気密性、再利用性、乾燥物の再取出し性、及び耐衝撃性の全てにおいて優れている。
・レバー式オープンドラムは、作業性、気密性、再利用性、及び乾燥物の再取出し性に優れているが、耐衝撃性に問題がある。
・クローズドドラムは、気密性及び耐衝撃性に優れるが、作業性、再利用性、及び乾燥物の再取出し性に難がある。
また、内袋の性能について評価した結果を表3に示す。
実施例にはポリエチレン層とナイロン層とポリエチレン層の3層構造からなる可撓性フィルムを使用し、比較例にはポリエチレンの1層構造からなる可撓性フィルムを使用した。なお、ポリエチレンは直鎖状短鎖分岐ポリエチレンである。
実施例にはポリエチレン層とナイロン層とポリエチレン層の3層構造からなる可撓性フィルムを使用し、比較例にはポリエチレンの1層構造からなる可撓性フィルムを使用した。なお、ポリエチレンは直鎖状短鎖分岐ポリエチレンである。
力学特性試験はJIS K 7127「プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件」、臭覚試験はJIS Z 3107「チタン溶接部の放射線透過試験方法」、酸素透過度試験はJIS K 7126「プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法」、透湿度試験はJIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」にそれぞれ従って実施した。なお、酸素透過度試験時の温度は23℃、相対湿度は65%、透湿度試験時の温度は40℃、相対湿度は90%であった。
同表より以下のことがわかる。
・実施例は、比較例に比べてコストは高くなるが、力学特性及び気密性に優れ、自動封入装置への適用が可能である。また、鋼製ドラム缶への装着性も良い。
・比較例は、コストは安いが、実施例に比べて力学特性及び気密性が悪く、自動封入装置への適用もできない。また、鋼製ドラム缶への装着性も悪い。
・実施例は、比較例に比べてコストは高くなるが、力学特性及び気密性に優れ、自動封入装置への適用が可能である。また、鋼製ドラム缶への装着性も良い。
・比較例は、コストは安いが、実施例に比べて力学特性及び気密性が悪く、自動封入装置への適用もできない。また、鋼製ドラム缶への装着性も悪い。
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記評価結果では、鋼製ドラム缶は溶融亜鉛めっき鋼板製かつ内外表面に樹脂塗装が施されているものがよく、内袋はポリエチレンの複層構造からなるフィルムで形成されているものがよいという結果が得られたが、他の材質の使用を否定するものではない。
10:鋼製ドラム缶、11:内袋、11a:底部、11b:開口部、12:放射性バイオ廃棄物、13:不活性ガス、14:管、15:融着部、16:蓋、17:鋼製バンド
Claims (5)
- 放射性物質を含有し、自然発火性を有する放射性バイオ廃棄物を仮保管する方法であって、
鋼製ドラム缶に可撓性フィルムからなる内袋を内設し、不活性ガス雰囲気とした前記内袋内に前記放射性バイオ廃棄物を収納して前記内袋及び前記鋼製ドラム缶を密封することを特徴とする放射性バイオ廃棄物の保管方法。 - 請求項1記載の放射性バイオ廃棄物の保管方法において、
折り込まれて平面化された前記内袋を前記鋼製ドラム缶の中に挿入し、前記内袋内に不活性ガスを吹き込んで前記内袋内を不活性ガス雰囲気とする工程と、
不活性ガス雰囲気とした前記内袋内に前記放射性バイオ廃棄物を投入した後、前記内袋内のガスを抜き取る工程と、
ガスが抜き取られた前記内袋の開口部を融着して密封した後、前記鋼製ドラム缶に蓋をし、前記鋼製ドラム缶の上縁部と前記蓋との隙間をシールする工程とを備えることを特徴とする放射性バイオ廃棄物の保管方法。 - 請求項2記載の放射性バイオ廃棄物の保管方法において、密封後の前記内袋内の酸素濃度を14%以下とすることを特徴とする放射性バイオ廃棄物の保管方法。
- 請求項2又は3記載の放射性バイオ廃棄物の保管方法において、折り込まれて平面化された前記内袋は、その底部が外方に突出するV字状とされていることを特徴とする放射性バイオ廃棄物の保管方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射性バイオ廃棄物の保管方法において、前記鋼製ドラム缶は、溶融亜鉛めっき鋼板製かつ内外表面に樹脂塗装が施されてなり、前記可撓性フィルムは、ポリエチレンの複層構造からなるフィルムであることを特徴とする放射性バイオ廃棄物の保管方法。
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---|---|---|---|---|
KR20190112912A (ko) * | 2018-03-27 | 2019-10-08 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 방사성 폐기물 포장 용기, 방사성 폐기물 포장 용기의 제조 방법, 그리고 도금 강판 |
JP7466384B2 (ja) | 2020-06-08 | 2024-04-12 | オルガノ株式会社 | 放射性固体廃棄物の貯蔵方法及び貯蔵容器 |
JP7473404B2 (ja) | 2020-06-08 | 2024-04-23 | オルガノ株式会社 | 放射性原液の処理装置 |
-
2014
- 2014-12-17 JP JP2014255043A patent/JP2016114548A/ja active Pending
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KR102076694B1 (ko) * | 2018-03-27 | 2020-02-12 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 방사성 폐기물 포장 용기, 방사성 폐기물 포장 용기의 제조 방법, 그리고 도금 강판 |
JP7466384B2 (ja) | 2020-06-08 | 2024-04-12 | オルガノ株式会社 | 放射性固体廃棄物の貯蔵方法及び貯蔵容器 |
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