JP2016114112A - 軸受装置、回転機械及び回転機械の運転方法 - Google Patents

軸受装置、回転機械及び回転機械の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転軸の不安定振動を抑制可能な軸受装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
回転機械の回転軸を支持するための軸受装置は、前記回転軸の周りに設けられる複数の軸受パッドと、前記複数の軸受パッドを支持するパッド支持部と、前記回転機械の運転中における前記軸受装置による前記回転軸の支持状態に基づいて、前記回転軸の振動が抑制されるように前記パッド支持部を動かすように構成されたアクチュエータと、を備える。
【選択図】 図2

Description

本開示は軸受装置、回転機械及び回転機械の運転方法に関する。
タービン、発電機、電動機等の回転機械の回転軸を支持する軸受として、軸受パッドを用いたパッド型の軸受装置が使用されることがある。
例えば、特許文献1には、キャリアリングの内部において周方向に沿って配置される複数のパッドを備えたジャーナル軸受装置が開示されている。このようなパッド型のジャーナル軸受装置では、回転機械の回転軸と複数のパッドの各々との間において、潤滑油が巻き込まれてくさび膜効果で油膜圧力が発生して、複数のパッドによって回転軸の荷重を分担して支持するようになっている。
特開2011−21541号公報
ところで、このようなパッド型軸受では、回転軸の軸方向に垂直な平面内において、回転軸の振動の減衰を得られやすく軸系が安定しやすい軸心位置の安定領域と、軸振動の減衰が得られにくく軸系が不安定になりやすい軸心位置の不安定領域が存在する。
回転機械の運転中に、回転軸の軸心が安定領域内に位置していれば、回転軸において発生する振動は減衰しやすいので、軸系が安定する。一方、回転軸の軸心が不安定領域に入ると、回転軸振動の減衰が得られにくいため不安定振動が継続してしまう場合がある。
そこで、回転軸の不安定振動を抑制することが望まれる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、回転軸の不安定振動を抑制可能な軸受装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る軸受装置は、
回転機械の回転軸を支持するための軸受装置であって、
前記回転軸の周りに設けられる複数の軸受パッドと、
前記複数の軸受パッドを支持するパッド支持部と、
前記回転機械の運転中における前記軸受装置による前記回転軸の支持状態に基づいて、前記回転軸の振動が抑制されるように前記パッド支持部を動かすように構成されたアクチュエータと、を備える。
上記(1)の構成では、回転機械の運転中における軸受装置による回転軸の支持状態に基づいて回転軸の振動が抑制されるようにパッド支持部を動かす。よって、回転機械の運転中に、回転軸の支持状態が軸系の安定性を損なうようなものになった場合に、パッド支持部を動かすことで、回転軸の不安定振動を抑制することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記複数の軸受パッドをそれぞれ前記パッド支持部に揺動可能に支持する複数のピボットをさらに備え、
前記軸受装置は、各々の前記軸受パッドと前記回転軸の外周面との間に形成されるくさび油膜によって前記回転軸を支持するように構成されたティルティングパッド軸受である。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記複数の軸受パッドは、前記回転軸を下方から支持するための一対の下部パッドを含み、
前記ティルティングパッド軸受は、前記回転軸の軸心が前記一対の下部パッド間の水平方向位置に存在するロードビットゥイーン型軸受である。
一対の下部パッドで回転軸を下方から支持するロードビトゥイーン型のパッド軸受では、回転軸の真下にパッドが存在しないため、回転軸が下方にずれたときに、回転軸の軸心位置が不安定領域に入りやすい。
上記(3)の構成では、回転軸の軸心位置が不安定領域に入りやすいロードビトゥイーン型のパッド軸受において、上述した回転軸の支持状態に基づくパッド支持部の移動によって回転軸の軸心を安定領域に位置させることができる。これにより、パッド軸受がロードビトゥイーン型である場合でも、回転軸の不安定振動を抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の何れかの構成において、
前記回転軸の振動を計測するように構成された振動センサをさらに備え、
前記アクチュエータは、前記振動センサにより得られる振動データに基づいて、前記パッド支持部を動かすように構成される。
上記(4)の構成によれば、振動センサによって得られる回転軸の振動データ(例えば、振動の大きさや方向)に基づいて、パッド支持部を適切に移動させることができる。例えば、回転軸の振動データから決定された移動方向や移動量に基づいてパッド支持部を移動させて、回転軸の軸心を安定領域内に位置させることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)の何れかの構成において、
少なくとも一つの前記軸受パッドの温度を計測するように構成された温度センサをさらに備え、
前記アクチュエータは、前記温度センサにより得られる温度データから推定される前記回転軸の軸心位置に基づいて、前記パッド支持部を動かすように構成される。
上記(5)の構成によれば、温度センサによって得られる少なくとも一つの軸受パッドの温度から推定される回転軸の軸心位置に基づいて、パッド支持部を適切に移動させることができる。例えば、軸受パッドの温度データから決定された移動方向や移動量に基づいてパッド支持部を移動させて、回転軸の軸心を安定領域内に位置させることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記温度センサは、少なくとも二つの前記軸受パッドの温度を計測するように構成され、
前記アクチュエータは、少なくとも二つの前記軸受パッドのうち前記温度が高い方の軸受パッド側から、少なくとも二つの前記軸受パッドのうち前記温度が低い方の軸受パッド側に向かって前記回転軸の軸心位置がずれるよう前記パッド支持部を動かすように構成される。
少なくとも二つの軸受パッドにおいて温度差がある場合、温度がより高いほうの軸受パッドの方に回転軸の軸心が偏心していることを意味する。
上記(6)の構成によれば、少なくとも二つの前記軸受パッドのうち温度が高い方の軸受パッド側から、温度が低い方の軸受パッド側に向かって回転軸の軸心位置がずれるようパッド支持部を動かすので、回転軸の軸心をより安定な領域に位置させることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記回転機械の運転モードと前記回転軸の軸心位置との相関関係を記憶した記憶装置をさらに備え、
前記アクチュエータは、前記相関関係に基づいて、前記パッド支持部を動かすように構成される。
回転軸の不安定振動が生じる回転機械の運転モードと、その運転モードにおける回転軸の軸心位置との相関関係は、過去の運転実績等から把握することができる場合がある。
上記(7)の構成によれば、予め記憶装置に記憶された上述の相関関係に基づいて、パッド支持部を適切に移動させることができる。例えば、回転機械の運転モードから予想される回転軸の軸心位置に基づいて決定された移動方向や移動量に基づいてパッド支持部を移動させて、回転軸の軸心を安定領域内に位置させることができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の構成において、
前記パッド支持部を第1付勢方向に付勢するように構成された第1付勢部材をさらに備え、
前記パッド支持部は、前記第1付勢方向に移動可能に構成され、
前記アクチュエータは、前記支持状態に基づいて、前記パッド支持部に対して前記第1付勢方向とは逆向きの力を加えるように構成される。
上記(8)の構成では、パッド支持部は、第1付勢部材によって第1付勢方向に付勢力が加えられるとともに、アクチュエータによって第1付勢方向とは逆向きの力を加えられる。よって、アクチュエータの制御により、パッド支持部を第1付勢方向において任意の位置まで動かすことができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、
前記第1付勢方向において前記第1付勢部材とは前記パッド支持部を挟んで反対側に設けられ、前記第1付勢方向とは逆向きの第2付勢方向に前記パッド支持部を付勢するように構成された第2付勢部材をさらに備え、
前記アクチュエータは、前記第2付勢部材を介して前記第2付勢方向に沿った力を前記パッド支持部に加えるように構成される。
回転機械の運転モードが変わること等により回転軸が偏心しようとすると、回転軸と軸受パッドとの間の距離が変化し、回転軸と軸受パッドとの間の油膜圧力が変化する。上記(9)の構成では、パッド支持部を挟んで両側に第1付勢部材及び第2付勢部材が配置されており、パッド支持部は、これらの付勢部材を介して両側から緩やかに支持される。このため、回転軸が偏心する際に生じる油膜圧力の変化に伴って、パッド支持部は該油膜圧力の変化に応じて第1付勢方向又は第2付勢方向において軸心の移動に対応して動く。回転軸の偏心に伴うパッド支持部の移動の結果、パッド支持部が不動である場合に比べて、回転軸の軸心のパッド支持部に対する相対移動量は減少する。よって、上記(9)の構成によれば、パッド支持部に対する回転軸の軸心位置の急激な変動を抑制し、回転軸の振動の増大を防ぐことができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)の構成において、
前記パッド支持部を水平方向に沿って移動自在に支持するためのスライダをさらに備え、
前記アクチュエータは、前記支持状態に基づいて、前記パッド支持部に対して水平方向に沿った力を加えるように構成される。
上記(10)の構成では、パッド支持部は、スライダによって水平方向に沿って移動自在であるので、パッド支持部に対してアクチュエータにより水平方向に沿った力を加えることで、パッド支持部は水平方向において移動可能である。よって、軸受装置の回転軸の支持状態に基づいて、回転軸の軸心が安定領域に位置するようにアクチュエータによって水平方向に沿った力をパッド支持部に加えることで、回転軸の軸心を安定領域に位置させることができ、回転軸の不安定振動を抑制することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(10)の構成において、
前記パッド支持部を鉛直方向上向きに付勢するように構成された第1付勢部材をさらに備え、
前記アクチュエータは、前記支持状態に基づいて、前記第1付勢部材による付勢力に抗して、前記パッド支持部に対して鉛直方向下向きに沿った力を加えるように構成される。
上記(11)の構成では、パッド支持部には、第1付勢部材によって鉛直方向上向きの付勢力が加えられるとともに、アクチュエータによって第1付勢部材による付勢力に抗して、鉛直方向下向きの力が加えられる。このため、アクチュエータの制御により、パッド支持部を鉛直方向において任意の位置まで動かすことができる。よって、軸受装置の回転軸の支持状態に基づいて、回転軸の軸心が安定領域に位置するようにアクチュエータによって鉛直方向下向きの力をパッド支持部に加えることで、回転軸の軸心を安定領域に位置させることができ、回転軸の不安定振動を抑制することができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る回転機械は、
回転軸と、
前記回転軸を回転自在に支持するように構成された請求項1乃至11の何れか一項に記載の軸受装置と、を備える。
上記(12)の構成では、回転機械の運転中における軸受装置による回転軸の支持状態に基づいて回転軸の振動が抑制されるようにパッド支持部を動かす。よって、回転機械の運転中に、回転軸の支持状態が軸系の安定性を損なうようなものになった場合に、パッド支持部を動かすことで、回転軸の不安定振動を抑制することができる。
(13)本発明の少なくとも一実施形態に係る回転機械の運転方法は、
複数の軸受パッドと、前記複数の軸受パッドを支持するパッド支持部と、前記パッド支持部を動かすためのアクチュエータと、を含む軸受装置によって回転軸が回転自在に支持された回転機械の運転方法であって、
前記回転機械の運転中における前記軸受装置による前記回転軸の支持状態に基づき、前記アクチュエータを用いて、前記回転軸の振動が抑制されるように前記パッド支持部を動かす移動ステップを備える。
上記(13)の構成では、回転機械の運転中における軸受装置による回転軸の支持状態に基づいて回転軸の振動が抑制されるようにパッド支持部を動かす。よって、回転機械の運転中に、回転軸の支持状態が軸系の安定性を損なうようなものになった場合に、パッド支持部を動かすことで、回転軸の不安定振動を抑制することができる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(13)の構成において、
前記回転軸の振動を計測するステップと、
計測した前記振動の大きさ及び方向に基づいて、前記パッド支持部の移動方向及び移動量を決定するステップと、をさらに備え、
前記移動ステップでは、前記パッド支持部の前記移動方向及び前記移動量に基づいて、前記パッド支持部を動かす。
上記(14)の構成によれば、回転軸の振動データ(例えば、振動の大きさや方向)から決定された移動方向や移動量に基づいて、パッド支持部を適切に移動させることができる。これにより、回転軸の軸心を安定領域内に位置させることができる。
(15)幾つかの実施形態では、上記(13)又は(14)の構成において、
少なくとも一つの前記軸受パッドの温度を計測するステップと、
計測した前記温度に基づいて、前記パッド支持部の移動方向及び移動量を決定するステップと、をさらに備え、
前記移動ステップでは、前記パッド支持部の前記移動方向及び前記移動量に基づいて、前記パッド支持部を動かす。
上記(15)の構成によれば、少なくとも一つの軸受パッドの温度から推定される回転軸の軸心位置から決定された移動方向や移動量に基づいてパッド支持部を適切に移動させることができる。これにより、回転軸の軸心を安定領域内に位置させることができる。
(16)幾つかの実施形態では、上記(13)〜(15)の何れかの構成において、
前記回転機械の運転モードと前記回転軸の軸心位置との既知の相関関係に基づき、現在の運転モードから前記パッド支持部の移動方向及び移動量を決定するステップをさらに備え、
前記移動ステップでは、前記パッド支持部の前記移動方向及び前記移動量に基づいて、前記パッド支持部を動かす。
上記(16)の構成によれば、回転機械の運転モードと回転軸の軸心位置との既知の相関関係から決定された移動方向や移動量に基づいて、パッド支持部を適切に移動させることができる。これにより、回転軸の軸心を安定領域内に位置させることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、回転軸の不安定振動を抑制可能な軸受装置が提供される。
一実施形態に係る軸受装置が適用される蒸気タービン(回転機械)の模式図である。 一実施形態に係る軸受装置の構成を示す概略図である。 一実施形態に係る軸受装置の構成を示す概略図である。 一実施形態に係る軸受装置の構成を示す概略図である。 一実施形態に係る軸受装置の構成を示す概略図である。 一実施形態に係る軸受装置の構成を示す概略図である。 一実施形態に係る軸受装置の構成を示す概略図である。 一実施形態に係る軸受装置の構成を示す概略図である。 一実施形態に係る回転機械の運転方法を示すフローチャートである。 一実施形態に係る回転機械の運転方法を示すフローチャートである。 一実施形態に係る回転機械の運転方法を示すフローチャートである。 回転軸の軸心の安定領域及び不安定領域を説明するための図である。 図1に示すタービンの概略断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、一実施形態に係る軸受装置が適用される蒸気タービン(回転機械)の模式図である。図1に示すように、蒸気タービン1(回転機械)は、蒸気が流入されるタービン2と、タービン2に貫通するように設けられた回転軸3と、回転軸3を回転自在に支持するように構成された軸受装置10とを備える。
タービン2の内部には、軸方向に間隔をあけて複数のタービン静翼(不図示)が配設されており、これらのタービン静翼は、回転軸3の外周面に径方向の外側に向けて突設されたタービン動翼(不図示)と軸方向において交互に配列されている。
軸受装置10は、回転軸3においてタービン2を挟んで両側に設けられており、回転軸3を支持するようになっている。
以上のように構成された蒸気タービン1によれば、タービン2の内部に流入された蒸気がタービン動翼とタービン静翼とを軸方向に交互に流れることによって回転軸3が回転駆動され、これにより回転動力を出力することができる。
次に、蒸気タービン1(回転機械)が備える軸受装置10について説明する。図2〜図8は、それぞれ、一実施形態に係る軸受装置の構成を示す概略図である。
図2〜図8に示すように、回転軸3を支持するための軸受装置10は、回転軸3の周りに設けられる複数の軸受パッド12と、軸受パッドを支持するパッド支持部20と、パッド支持部20を動かすためのアクチュエータ14と、を備える。また、軸受装置10には、アクチュエータ14を駆動するための駆動ポンプ16が設けられている。
図2〜8に示す軸受装置10は、軸受パッド12がピボット22に揺動可能に支持されたティルティングパッド軸受装置である。軸受装置10において、複数の軸受パッド12は、それぞれ、ピボット22によりパッド支持部20に揺動可能に支持されている。そして、回転軸3は、各々の軸受パッド12と回転軸3の外周面との間に形成されるくさび油膜によって支持されるようになっている。軸受パッド12を支持するピボット22は、軸受台28に取り付けられた支持環24の内側面に設けられている。
図2〜図8に示す軸受装置10において、パッド支持部20は、ピボット22を介して軸受パッド12を支持する支持環24と、支持環24が取り付けられた軸受台28とを含む。
軸受パッド12及び軸受パッド12を支持売るパッド支持部20は、図2〜図8に示すように、軸受箱31に収容されていてもよい。
ところで、パッド型軸受には、回転軸の軸方向に垂直な平面内において、回転軸の振動の減衰を得られやすく軸系が安定しやすい軸心位置の安定領域と、軸振動の減衰が得られにくく軸系が不安定になりやすい軸心位置の不安定領域が存在する。
図12は、回転軸の軸心の安定領域及び不安定領域を説明するための図である。図12に示すように、軸受装置10の中心軸Qに垂直な平面内において、中心軸Qの周囲には安定領域82が広がっており、その周りには、遷移領域84を挟んで、不安定領域86が広がっている。図12に見られるように、安定領域82は、中心軸Qと軸受パッド12との間において、同一半径における他の位置に比べて比較的大きく広がっている。
回転機械の運転中に、回転軸3の軸心Oが安定領域82に位置していれば、回転軸3において発生する振動は減衰しやすいので、軸系が安定する。一方、回転軸3の軸心Oが不安定領域86に入ると、回転軸振動の減衰が得られにくいため不安定振動が継続してしまう場合がある。
回転軸3の軸心Oが不安定領域86に入る要因は種々考えられるが、例えば蒸気タービンにおいては、部分噴射と呼ばれる蒸気の供給手法が、軸心Oが不安定領域86に位置する要因の一つとして考えられる。
図13(A)及び図13(B)は、図1に示すタービン2の概略断面図であり、蒸気タービンにおける部分噴射による回転軸の偏心を説明するための図である。図13に示すタービン2は、回転軸3と、回転軸3に径方向に沿って取り付けられた複数のタービン動翼5を含むロータ4と、ロータ4を収容するケーシング6を備える。ケーシング6には、蒸気入口8(8A〜8D)が回転軸3の周方向に90°ずつ離れて4か所に設けられており、蒸気発生器(不図示)からの蒸気が蒸気入口8(8A〜8D)を介してタービン2に供給されるようになっている。また、タービン動翼5の周端部とケーシング6の内壁面との間には蒸気通路7が形成されており、蒸気入口8(8A〜8D)からタービン2の内部に供給された蒸気が蒸気通路7を流れるようになっている。
蒸気タービンの部分噴射では、各蒸気入口8(8A〜8D)に取り付けられたノズル(不図示)においてバルブの開閉度を調整することによって、各蒸気入口8(8A〜8D)からのタービン2への蒸気流入量を調節する。
各蒸気入口8(8A〜8D)から同量の蒸気を流入させる場合には、図13(A)に示すように、各蒸気入口8(8A〜8D)から流入する蒸気によりロータ4の軸心に加わる力は、ほぼ釣り合う。すなわち、蒸気入口8Aから流入する蒸気によりロータ4に加わる力fと、蒸気入口8Aとは軸心を挟んで反対側に位置する(即ち軸心を中心に180°回転した場所に位置する)蒸気入口8Cから流入する蒸気によりロータ4に加わる力fとは、大きさが略同一であり、向きは互いに逆向きである。同様に、蒸気入口8Bから流入する蒸気によりロータ4に加わる力fと、蒸気入口8Bとは軸心を挟んで反対側に位置する(即ち軸心を中心に180°回転した場所に位置する)蒸気入口8Dから流入する蒸気によりロータ4に加わる力fとは、大きさが略同一であり、向きは互いに逆向きである。したがって、ロータ4の軸心の移動は、軸の自重によるたわみのみと考えることができる。
一方、図13(B)には、蒸気入口8Dに取り付けられたノズルのバルブが閉じられており、蒸気入口8Dからはタービン2に蒸気は供給されず、それ以外の3か所の蒸気入口8A〜8Cからのみタービン2に蒸気が供給される様子が示されている。
この場合、各方向からの蒸気流入量の違いにより軸に作用する流体力に偏りが生じるため、それに伴い軸をある半径方向へ変化さえる力が生じる場合がある。すなわち、蒸気入口8Dから蒸気が供給されないため、蒸気入口8Dとは軸心を挟んで反対側に位置する蒸気入口8Bから流入する蒸気によりロータ4に加わる力fとは反対向きの力がロータ4に加わらないため、fと略同一の向きの力Fがロータ4の軸心に加わり、このため、ロータ4は、力Fの方向に沿って移動する。そして、この力Fによるロータ4の移動方向及び移動量によっては、軸心Oが減衰を得にくい不安定領域(図12を参照)に位置する場合がある。
また、図12に示すパッド型の軸受装置10は、ロードビトゥイーン型の軸受である。すなわち、図12に示す軸受装置10において、複数の軸受パッド12は、回転軸3を下方から支持するための一対の下部パッド12aを含み、回転軸3の軸心Oが一対の下部パッド12a間の水平方向位置に存在するようになっている。なお、実施形態に係る図2〜図8に示す軸受装置10も、回転軸3を下方から支持するための一対の下部パッド12aを含み、回転軸3の軸心Oが一対の下部パッド12a間の水平方向位置に存在するロードビトィーン型の軸受である。
このようなロードビトィーン型の軸受においては、一対の下部パッド12aで回転軸3を下方から支持するようになっており、回転軸3の真下に軸受パッド12が存在しない。言いかえると、回転軸3の真下の領域では、回転軸3と軸受パッド12の間の領域に比べて、安定領域82が狭く、不安定領域86が広い。このため、回転軸3が下方にずれたときに、回転軸3の軸心Oが不安定領域86に入りやすい。このように回転軸3の軸心が不安定領域86に入ると、回転軸振動の減衰が得られにくいため不安定振動が継続してしまう場合がある。
そこで、図2〜図8に示す軸受装置10では、回転軸3の軸心Oが不安定領域に入らないようにするため、アクチュエータ14により、蒸気タービン1(回転機械)の運転中における軸受装置10による回転軸3の支持状態に基づいて、回転軸3の振動が抑制されるようにパッド支持部20を動かす。例えば、以下に説明するように、軸受装置10による回転軸3の支持状態を示すデータとして、回転軸3の軸心Oの変位又は軸振動の増大等を把握して、把握したデータに基づいて、アクチュエータ14によりパッド支持部20を動かす。このようにして、蒸気タービン1(回転機械)の運転中に、回転軸3の支持状態が軸系の安定性を損なうようなものになった場合に、パッド支持部20を動かすことで、回転軸3の不安定振動を抑制することができる。
ここで、図2〜図8及び図9〜11を参照して、アクチュエータ14によりパッド支持部20を動かすための構成及び方法について説明する。図9〜図11は、それぞれ、一実施形態に係る回転機械の運転方法を示すフローチャートである。
一実施形態では、図2に示すように、軸受装置10は、回転軸3の振動を計測するように構成された振動センサ92をさらに備え、アクチュエータ14は、振動センサ92により得られる振動データに基づいて、パッド支持部20を動かすように構成される。なお、図3〜図8に示す例では、振動センサ92の図示は省略しているが、図2に示す場合と同様に、振動センサ92を設けてもよい。
この場合、振動センサ92によって得られる回転軸3の振動データ(例えば、振動の大きさや方向)に基づいて、パッド支持部20を適切に移動させることができる。
振動センサ92を備える軸受装置10によれば、例えば図9に示す方法により、パッド支持部20を移動させることができる。
図9に示す方法では、まず、運転中の蒸気タービン1(回転機械)において、振動センサ92により、回転軸3の振動を計測し、回転軸3の振動の大きさ及び方向を取得する(S2)。
次に、計測された振動の大きさ(振動レベル)が予め設定された閾値よりも大きい場合には(S4のYes)、計測した振動の大きさ及び方向に基づいて、パッド支持部20の移動方向及び移動量を決定する(S6)。ここでは、例えば、回転軸3の軸心Oが図12に示す安定領域82に位置するようにパッド支持部20の移動方向及び移動量を決定する。
そして、S6で決定されたパッド支持部20の移動方向及び移動量に基づいて、アクチュエータ14を用いて、回転軸3の振動が抑制されるように(ここでは回転軸3の軸心Oが安定領域82に位置するように)パッド支持部20を動かす。
このようにして、回転軸3の振動が増大しつつある場合に、回転軸3の軸心位置を安定領域側に移動させることで、回転軸3の不安定振動を抑制する。
なお、図2に示す軸受装置10は、制御部100を備える。制御部100は、振動センサ92で取得された振動に関するデータを振動センサ92から受け取り、受け取った振動データに基づいて、パッド支持部20の移動方向及び移動量を決定するように構成されていてもよい。また、アクチュエータ14は、制御部100によって決定されたパッド支持部20の移動方向及び移動量に基づいて、パッド支持部20を動かすように構成されてもよい。
図3〜図8に示す軸受装置10も、上記と同様に構成された制御部100を備えていてもよい。
一実施形態では、図2に示すように、軸受装置10は、少なくとも一つの軸受パッド12の温度を計測するように構成された温度センサ94さらに備え、アクチュエータ14は、温度センサ94により得られる温度データから推定される回転軸3の軸心Oの位置に基づいて、パッド支持部20を動かすように構成される。温度センサ94は、二つ以上の軸受パッド12の温度を計測するように構成されてもよい。図2に示す例では、温度センサ94は、一対の下部パッド12aのそれぞれの温度を計測するように構成されている。なお、図3〜図8に示す例では、温度センサ94の図示は省略しているが、図2に示す場合と同様に、温度センサ94を設けてもよい。
この場合、温度センサ94によって得られる少なくとも一つの軸受パッド12の温度から推定される回転軸3の軸心Oの位置に基づいて、パッド支持部20を適切に移動させることができる。
温度センサ94を備える軸受装置10によれば、例えば図10に示す方法により、パッド支持部20を移動させることができる。
図10に示す方法では、まず、運転中の蒸気タービン1(回転機械)において、温度センサ94により、少なくとも一つの軸受パッド12の温度を計測する(S2)。図2に示す軸受装置10の場合には、S2において、一対の下部パッド12aの各々の温度を計測する。
次に、S2で計測された軸受パッド12の温度に基づいて、回転軸3の軸心Oの位置を推定する(S12)。例えば、図2に示す例のように、少なくとも二つの軸受パッド12の温度を計測する場合、2つの軸受パッド12においてにおいて温度差があれば、温度がより高いほうの軸受パッド12の方に回転軸3の軸心Oが偏心していることを意味する。このため、2つの軸受パッド12の温度差に基づいて、回転軸3の軸心Oの位置を推定することができる。
次いで、S12で推定された軸心Oの位置が安定領域から外れている場合には(S14のYes)、S2で計測された温度に基づきS12で推定された軸心Oの位置に基づいて、パッド支持部20の移動方向及び移動量を決定する(S16)。ここでは、例えば、回転軸3の軸心Oが図12に示す安定領域82に位置するようにパッド支持部20の移動方向及び移動量を決定する。
そして、S16で決定されたパッド支持部20の移動方向及び移動量に基づいて、アクチュエータ14を用いて、回転軸3の振動が抑制されるように(ここでは回転軸3の軸心Oが安定領域82に位置するように)パッド支持部20を動かす。例えば、図2に示す例のように、少なくとも二つの軸受パッド12の温度を計測する場合、少なくとも二つの軸受パッド12のうち温度が高い方の軸受パッド12側から、温度が低い方の軸受パッド12側に向かって回転軸3の軸心Oの位置がずれるようパッド支持部20を動かす。
このようにして、回転軸3の軸心Oの位置が安定領域から外れている場合に、回転軸3の軸心位置を安定領域側に移動させることで、回転軸3の不安定振動を抑制する。
制御部100は、温度センサ94で取得された温度に関するデータを温度センサ94から受け取り、受け取った温度データに基づいて、パッド支持部20の移動方向及び移動量を決定するように構成されていてもよい。また、アクチュエータ14は、制御部100によって決定されたパッド支持部20の移動方向及び移動量に基づいて、パッド支持部20を動かすように構成されてもよい。
一実施形態では、軸受装置10は、回転軸3の軸心Oの位置を計測するための変位計(不図示)を備えていてもよい。この場合、アクチュエータ14は、変位計により得られる回転軸3の軸心Oの位置に基づいて、パッド支持部20を動かすように構成されていてもよい。
一実施形態では、図2に示すように、軸受装置10は記憶装置90備える。記憶装置90には、蒸気タービン1(回転機械)の運転モードと回転軸3の軸心Oの位置との相関関係が記憶される。そして、アクチュエータ14は、蒸気タービン1の運転モードと回転軸3の軸心Oの位置との相関関係に基づいて、パッド支持部20を動かすように構成される。
運転モードとは、回転機械の運転状態を示すものであり、例えば、上述した蒸気タービン1の部分噴射を行っているか否か、また、部分噴射において何れの蒸気入口(図13の8A〜8D)に取り付けられたノズルが閉じられているか、等の状態を示す。
このような運転モードと回転軸3の軸心Oの位置との相関関係は、例えば、試験運転を含む過去の運転実績等から把握することができる。
この実施形態では、予め記憶装置90に記憶された運転モードと軸心位置との相関関係に基づいて、パッド支持部20を適切に移動させることができる。
軸受装置10によれば、例えば図11に示す方法により、運転モードと軸心位置との既知の相関関係に基づいて、パッド支持部20を移動させることができる。
図11に示す方法では、蒸気タービン1(回転機器)において運転モードが変更された場合に(S20のYes)、変更後の運転モードにおける軸心位置に基づいてパッド支持部20の移動方向及び移動量を決定する(S22)。
そして、S22で決定されたパッド支持部20の移動方向及び移動量に基づいて、アクチュエータ14を用いて、回転軸3の振動が抑制されるように(例えば回転軸3の軸心Oが安定領域82に位置するように)パッド支持部20を動かす。
図2に示す軸受装置10において、制御部100は、運転モードと軸心位置との相関関係が予め記憶された記憶装置90を有していてもよい。
制御部100は、記憶装置90に記憶された運転と軸心位置との相関関係に基づいて、パッド支持部20の移動方向及び移動量を決定するように構成されていてもよい。また、
アクチュエータ14は、制御部100によって決定されたパッド支持部20の移動方向及び移動量に基づいて、パッド支持部20を動かすように構成されてもよい。
パッド支持部20は、以下に説明する軸受装置10の構成により、アクチュエータ14により力を加えられることで移動可能になっている。
幾つかの実施形態では、図2、図4、図5、図6及び図8に示すように、軸受装置10は、パッド支持部20を水平方向に沿って移動自在に支持するためのスライダ36をさらに備える。また、アクチュエータ14(14A,14A’)は、上述した回転軸3の支持状態に基づいて、パッド支持部20に対して水平方向に沿った力を加えるように構成される。
例えば、図2、図4、図5、図6及び図8に示す軸受装置10では、パッド支持部20は、スライダ36を介して水平方向に沿って移動自在に軸受箱31に支持されている。よって、パッド支持部20に対してアクチュエータ14(14A,14A’)により水平方向に沿った力を加えることで、パッド支持部は水平方向において移動可能である。
したがって、軸受装置10の回転軸3の支持状態に基づいて、回転軸3の軸心Oが安定領域に位置するようにアクチュエータ14によって水平方向に沿った力をパッド支持部20に加えることで、回転軸3の軸心Oを安定領域に位置させることができ、回転軸3の不安定振動を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、軸受装置10は、パッド支持部20を第1付勢方向に付勢するように構成された第1付勢部材32をさらに備え、パッド支持部20は、第1付勢方向に移動可能に構成される。
例えば、図3〜図5、図7及び図8に示す軸受装置10では、第1付勢部材32が取り付けられる台座34が設けられる。図3、図4及び図7に示す例では、台座34は、軸受箱31に固定されている。図5及び図8に示す例では、台座34は、スライダ36を介して、水平方向にそって移動可能に軸受箱31に支持されている。
図3〜図5、図7及び図8に示す軸受装置10では、パッド支持部20は、台座34とパッド支持部20との間に配置された第1付勢部材32によって第1付勢方向に付勢される。よって、パッド支持部20は第1付勢方向において移動可能である。なお、図3、図5、図7及び図8に示す例では、第1付勢方向は鉛直方向上向きに沿った方向であり、図4に示す例では、第1付勢方向は水平方向に沿った方向である。
また、アクチュエータ14(14B)は、第1付勢方向において第1付勢部材32とはパッド支持部20を挟んで反対側に設けられており、上述した回転軸3の支持状態に基づいて、パッド支持部20に対して第1付勢方向とは逆向きの力を加えるようになっている。例えば、図3、図5、図7及び図8に示す例では、アクチュエータ14(14B)は、パッド支持部20に対して鉛直方向下向きに沿った力を加えるようになっている。また、図4に示す例では、アクチュエータ14(14B)は、パッド支持部20に対して水平高に沿って第1付勢方向とは逆向きの力を加えるようになっている。そして、パッド支持部20の第1付勢方向における位置は、第1付勢部材の付勢力と、アクチュエータ14(14B)によりパッド支持部20に加えられる力とによって定まる。
よって、アクチュエータ14(14B)の制御により、パッド支持部20を第1付勢方向において任意の位置まで動かすことができる。
幾つかの実施形態では、軸受装置10は、第1付勢方向(又は第1’付勢方向)において第1付勢部材32(又は第1付勢部材32’)とはパッド支持部20を挟んで反対側に設けられ、第1付勢方向(又は第1’付勢方向)とは逆向きの第2付勢方向(又は第2’付勢方向)にパッド支持部20を付勢するように構成された第2付勢部材38(又は第2付勢部材38’)をさらに備える。そして、アクチュエータ14(14C)は、第2付勢部材38(又は第2付勢部材38’)を介して第2付勢方向(又は第2’付勢方向)に沿った力をパッド支持部20に加えるように構成される。
例えば、図7及び図8に示す軸受装置10は、鉛直方向上向きに沿った第1付勢方向にパッド支持部20を付勢する第1付勢部材32と、鉛直方向下向きに沿った第2付勢方向にパッド支持部20を付勢する第2付勢部材38とを備える。そして、アクチュエータ14(14C)は、第2付勢部材38を介して第2付勢方向(鉛直方向下向き)に沿った力をパッド支持部20に加える。
また、図6及び図8に示す軸受装置10は、水平方向に沿った第1付勢方向(図8においては第1’付勢方向)にパッド支持部20を付勢する第1付勢部材32(図8においては第1付勢部材32’)と、水平方向に沿って第1付勢方向(図8においては第1’付勢方向)とは逆向きの第2付勢方向(図8においては第2’付勢方向)にパッド支持部20を付勢する第2付勢部材38(図8においては第2付勢部材38’)とを備える。そして、アクチュエータ14(14C,図8においては14C’)は、第2付勢部材38(図8においては第2付勢部材38’)を介して第2付勢方向(図8においては第2’付勢方向)に沿った力をパッド支持部20に加える。
回転機械の運転モードが変わること等により回転軸が偏心しようとすると、回転軸と軸受パッドとの間の距離が変化し、回転軸と軸受パッドとの間の油膜圧力が変化する。
この点、上述の構成では、パッド支持部20を挟んで両側に第1付勢部材(32,32’)及び第2付勢部材(38,38’)が配置されており、パッド支持部20は、これらの付勢部材を介して両側から緩やかに支持される。このため、回転軸3が偏心する際に生じる油膜圧力の変化に伴って、パッド支持部20は該油膜圧力の変化に応じて第1付勢方向(又は第1’付勢方向)又は第2付勢方向(又は第2’付勢方向)において軸心Oの移動に対応して動く。回転軸3の偏心に伴うパッド支持部20の移動の結果、パッド支持部20が不動である場合に比べて、回転軸3の軸心Oのパッド支持部20に対する相対移動量は減少する。よって、パッド支持部20に対する回転軸3の軸心Oの位置の急激な変動を抑制し、回転軸3の振動の増大を防ぐことができる。
なお、図5及び図8に示す軸受装置10では、パッド支持部20は、スライダ36によって水平方向に沿って移動可能であるとともに、鉛直方向に沿った付勢力を作用させる第1付勢部材32によって鉛直方向に沿って移動可能である。このため、アクチュエータ14により、パッド支持部20を水平方向及び鉛直方向に沿った方向に移動可能であり、所望の位置により柔軟に移動させることができる。
第1付勢部材及び第2付勢部材としては、例えばバネを用いることができ、コイルばね、皿ばね、板ばね等、各種のバネを用いることができる。
アクチュエータ14(14A,14B,14B’,14C,14C’)としては、例えば、油圧シリンダ等の油圧機構を用いた油圧アクチュエータや、ピエゾ素子を用いたピエゾアクチュエータ等を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上記実施形態では、軸受装置10がピボット22を備えたティルティングパッド軸受であり、回転軸3の軸心Oが一対の下部パッド12a間の水平方向位置に存在するロードビットゥイーン型軸受である場合について説明したが、軸受装置10は、回転軸3の周りに複数の軸受パッド12を備えた軸受であればよい。
例えば、軸受装置10は、軸受パッド12の背面と支持環24の内周面とが直接接し、両者の半径差によって軸受パッド12が傾く構造のローリング方式のティルティングパッド軸受であってもよい。
また、軸受装置10は、ロードビトゥイーン型の軸受とは異なり、回転軸3の真下に配設された軸受パッド12で回転軸3の荷重を支持するロードオン型のパッド型軸受であってもよい。
また、本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 蒸気タービン
2 タービン
3 回転軸
4 ロータ
5 タービン動翼
6 ケーシング
7 蒸気通路
8 蒸気入口
10 軸受装置
12 軸受パッド
12a 下部パッド
14 アクチュエータ
16 駆動ポンプ
20 パッド支持部
22 ピボット
24 支持環
28 軸受台
31 軸受箱
32,32’ 第1付勢部材
34 台座
36 スライダ
38,38’ 第2付勢部材
82 安定領域
84 遷移領域
86 不安定領域
90 記憶装置
92 振動センサ
94 温度センサ
100 制御部

Claims (16)

  1. 回転機械の回転軸を支持するための軸受装置であって、
    前記回転軸の周りに設けられる複数の軸受パッドと、
    前記複数の軸受パッドを支持するパッド支持部と、
    前記回転機械の運転中における前記軸受装置による前記回転軸の支持状態に基づいて、前記回転軸の振動が抑制されるように前記パッド支持部を動かすように構成されたアクチュエータと、を備えることを特徴とする軸受装置。
  2. 前記複数の軸受パッドをそれぞれ前記パッド支持部に揺動可能に支持する複数のピボットをさらに備え、
    前記軸受装置は、各々の前記軸受パッドと前記回転軸の外周面との間に形成されるくさび油膜によって前記回転軸を支持するように構成されたティルティングパッド軸受であることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記複数の軸受パッドは、前記回転軸を下方から支持するための一対の下部パッドを含み、
    前記ティルティングパッド軸受は、前記回転軸の軸心が前記一対の下部パッド間の水平方向位置に存在するロードビットゥイーン型軸受であることを特徴とする請求項2に記載の軸受装置。
  4. 前記回転軸の振動を計測するように構成された振動センサをさらに備え、
    前記アクチュエータは、前記振動センサにより得られる振動データに基づいて、前記パッド支持部を動かすように構成されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の軸受装置。
  5. 少なくとも一つの前記軸受パッドの温度を計測するように構成された温度センサをさらに備え、
    前記アクチュエータは、前記温度センサにより得られる温度データから推定される前記回転軸の軸心位置に基づいて、前記パッド支持部を動かすように構成されたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の軸受装置。
  6. 前記温度センサは、少なくとも二つの前記軸受パッドの温度を計測するように構成され、
    前記アクチュエータは、少なくとも二つの前記軸受パッドのうち前記温度が高い方の軸受パッド側から、少なくとも二つの前記軸受パッドのうち前記温度が低い方の軸受パッド側に向かって前記回転軸の軸心位置がずれるよう前記パッド支持部を動かすように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の軸受装置。
  7. 前記回転機械の運転モードと前記回転軸の軸心位置との相関関係を記憶した記憶装置をさらに備え、
    前記アクチュエータは、前記相関関係に基づいて、前記パッド支持部を動かすように構成されたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の軸受装置。
  8. 前記パッド支持部を第1付勢方向に付勢するように構成された第1付勢部材をさらに備え、
    前記パッド支持部は、前記第1付勢方向に移動可能に構成され、
    前記アクチュエータは、前記支持状態に基づいて、前記パッド支持部に対して前記第1付勢方向とは逆向きの力を加えるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の軸受装置。
  9. 前記第1付勢方向において前記第1付勢部材とは前記パッド支持部を挟んで反対側に設けられ、前記第1付勢方向とは逆向きの第2付勢方向に前記パッド支持部を付勢するように構成された第2付勢部材をさらに備え、
    前記アクチュエータは、前記第2付勢部材を介して前記第2付勢方向に沿った力を前記パッド支持部に加えるように構成されたことを特徴とする請求項8に記載の軸受装置。
  10. 前記パッド支持部を水平方向に沿って移動自在に支持するためのスライダをさらに備え、
    前記アクチュエータは、前記支持状態に基づいて、前記パッド支持部に対して水平方向に沿った力を加えるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の軸受装置。
  11. 前記パッド支持部を鉛直方向上向きに付勢するように構成された第1付勢部材をさらに備え、
    前記アクチュエータは、前記支持状態に基づいて、前記第1付勢部材による付勢力に抗して、前記パッド支持部に対して鉛直方向下向きに沿った力を加えるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の軸受装置。
  12. 回転軸と、
    前記回転軸を回転自在に支持するように構成された請求項1乃至11の何れか一項に記載の軸受装置と、を備えることを特徴とする回転機械。
  13. 複数の軸受パッドと、前記複数の軸受パッドを支持するパッド支持部と、前記パッド支持部を動かすためのアクチュエータと、を含む軸受装置によって回転軸が回転自在に支持された回転機械の運転方法であって、
    前記回転機械の運転中における前記軸受装置による前記回転軸の支持状態に基づき、前記アクチュエータを用いて、前記回転軸の振動が抑制されるように前記パッド支持部を動かす移動ステップを備えることを特徴とする回転機械の運転方法。
  14. 前記回転軸の振動を計測するステップと、
    計測した前記振動の大きさ及び方向に基づいて、前記パッド支持部の移動方向及び移動量を決定するステップと、をさらに備え、
    前記移動ステップでは、前記パッド支持部の前記移動方向及び前記移動量に基づいて、前記パッド支持部を動かすことを特徴とする請求項13に記載の回転機械の運転方法。
  15. 少なくとも一つの前記軸受パッドの温度を計測するステップと、
    計測した前記温度に基づいて、前記パッド支持部の移動方向及び移動量を決定するステップと、をさらに備え、
    前記移動ステップでは、前記パッド支持部の前記移動方向及び前記移動量に基づいて、前記パッド支持部を動かすことを特徴とする請求項13又は14に記載の回転機械の運転方法。
  16. 前記回転機械の運転モードと前記回転軸の軸心位置との既知の相関関係に基づき、現在の運転モードから前記パッド支持部の移動方向及び移動量を決定するステップをさらに備え、
    前記移動ステップでは、前記パッド支持部の前記移動方向及び前記移動量に基づいて、前記パッド支持部を動かすことを特徴とする請求項13乃至15の何れか一項に記載の回転機械の運転方法。
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