JP2016114033A - 車両用消音装置 - Google Patents

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一稔 若月
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仲矢 高垣
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秀之 幸光
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Abstract

【課題】簡単な構成で消音性能を向上させることができる車両用消音装置を得る。【解決手段】メインマフラ20は、中空のマフラ本体22と、セパレータ28と、第1端面26Cと、第2端面26Dと、マフラ端面板32と、連通部34とを有する。セパレータ28は、第1室23Aと第2室23Bの流路断面積が等しくなるようにマフラ本体22の内部を仕切る。マフラ端面板32は、マフラ本体22に設けられ、第1反射面32Eと第2反射面32Fとを有する。第1反射面32Eは、排気音を第2室23B側へ反射させる。第2反射面32Fは、排気音を第2端面26D側へ反射させる。連通部34は、セパレータ28に形成されている。また、連通部34は、第1端面26Cから第1反射面32E及び第2反射面32Fを経由して第2端面26Dまでの流路40の中央部に位置し、第1室23Aの内部と第2室23Bの内部とを連通させる。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用消音装置に関する。
特許文献1には、マフラ内部を3つの室に分けると共に、該3つの室内を3本の管で連通させたマフラ構造が開示されている。
特開平9−287432号公報
しかしながら、上記先行技術では、気柱共鳴を抑制するためにマフラ内部を3つの室に分ける必要があり、また、3つの室を連通させる管の一部を分岐させる必要があるなど、構造が複雑となっている。よって、簡単な構成で消音性能を向上させるには改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、簡単な構成で消音性能を向上させることができる車両用消音装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る車両用消音装置は、中空の装置本体と、排気が流入する第1室と排気が外部へ流出される第2室の流路断面積が等しくなるように前記装置本体の内部を仕切る仕切壁と、前記第1室の排気上流側に配置された第1端面と、前記第2室の排気下流側に配置された第2端面と、前記装置本体に設けられ、排気下流に向かって前記第1端面と重なって配置され排気音を前記第2室側へ反射させる第1反射面と、排気下流に向かって前記第2端面と重なって配置され排気音を該第2端面側へ反射させる第2反射面と、を備えた反射壁と、前記仕切壁に形成され、前記第1端面から前記第1反射面及び前記第2反射面を経由して前記第2端面までの流路の中央部に位置し、前記第1室の内部と前記第2室の内部とを連通させる連通部と、を有する。
請求項1に記載の本発明に係る車両用消音装置では、装置本体内に排気が流入することにより、装置本体の長手方向の端及び短手方向の端を閉口端とする2つの周波数の気柱共鳴の定在波が発生する。これらの定在波は、それぞれ、閉口端を振幅の腹とし、全長の1/2の位置を節とする音波である。なお、連通部が無い場合、定在波の節の部分では他の部分に比べて排気粒子の速度が増加することになる。
ここで、本発明に係る車両用消音装置では、仕切壁が、排気が流入する第1室と排気が外部へ流出される第2室の流路断面積が等しくなるように装置本体の内部を仕切っている。つまり、連通部は、短手方向の中央部に位置している。さらに、連通部は、第1端面から第1反射面及び第2反射面を経由して第2端面までの排気の流路の中央部に位置している。言い換えると、連通部は、装置本体の長手方向の経路長の略1/2の位置で且つ短手方向の経路長の略1/2の位置に配置されている。
このように、本発明に係る車両用消音装置では、2つの定在波の節となる部分において、連通部が配置されている。これにより、定在波の節の部分で最も速度が速くなる排気粒子が、連通部の周壁との接触により減速されるので、装置本体内部の気柱共鳴時の音圧が低減され、消音性能を向上させることができる。さらに、本発明に係る車両用消音装置では、連通部を有する仕切壁で装置本体内部を仕切るだけでよいので、簡単な構成とすることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の車両用消音装置によれば、簡単な構成で消音性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
本実施形態に係る車両のエンジンからメインマフラまでの構成を示す説明図である。 (A)本実施形態に係るメインマフラを車両前後方向及び車両幅方向に切断した切断面で示す説明図である。(B)図2(A)の2B−2B線で切断した切断面を示す断面図である。 (A)本実施形態に係るメインマフラを車両前後方向及び車両幅方向に切断した切断面で示す説明図である。(B)図3(A)の3B−3B線で切断した切断面を示す断面図である。(C)本実施形態に係るメインマフラにおける長径方向の音圧モード及び粒子速度を示す説明図である。 (A)本実施形態に係るメインマフラの流路を直線状に配置した模式図である。(B)本実施形態に係るメインマフラにおける長手方向の音圧モード及び粒子速度の状態を示す説明図である。 本実施形態に係るメインマフラを用いたときの周波数と透過損失との関係を示すグラフである。 (A)第1変形例に係るメインマフラを車両前後方向及び車両幅方向に切断した切断面で示す説明図である。(B)図6(A)の6B−6B線で切断した切断面を示す断面図である。 (A)第2変形例に係るメインマフラを車両前後方向及び車両幅方向に切断した切断面で示す説明図である。(B)図7(A)の7B−7B線で切断した切断面を示す断面図である。
以下、図1〜図7を参照して、本発明に係る車両用消音装置の実施形態の一例について説明する。なお、各図に適宜示す矢印FRは車両前方を示しており、矢印UPは車両上方を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、それぞれ車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両前方側を向いた場合の車両幅方向の左右を示すものとする。
〔全体構成〕
図1に示すように、車両10は、エンジン12と、触媒装置14A、14Bと、サブマフラ16と、車両用消音装置の一例としてのメインマフラ20とを有している。エンジン12と触媒装置14Aは、パイプ18Aにより内部が連通されている。触媒装置14Aと触媒装置14Bは、パイプ18Bにより内部が連通されている。触媒装置14Bとサブマフラ16は、パイプ18Cにより内部が連通されている。サブマフラ16とメインマフラ20は、入気パイプ18Dにより内部が連通されている。また、メインマフラ20には、排気パイプ18Eが接続されている。
エンジン12は、図示しない燃焼室内で燃料の燃焼を行うと共に、燃焼によって発生した排気としての排気ガスGをパイプ18Aに排出する。触媒装置14A、14Bは、エンジン12から排出された排気ガスG中の有害成分を還元・酸化によって浄化する。サブマフラ16は、メインマフラ20で吸収しきれない排気音(高周波成分)を吸収するようになっている。メインマフラ20は、排気ガスGを車両10の外部である大気中に放出するのに伴って生じる排気音を低減するようになっている。なお、メインマフラ20の詳細については後述する。
〔要部構成〕
次に、メインマフラ20について説明する。
図2(A)に示すように、メインマフラ20は、装置本体の一例としてのマフラ本体22と、仕切壁の一例としてのセパレータ28と、反射壁の一例としてのマフラ端面板32と、連通部34と、入気パイプ18Dと、排気パイプ18Eとを含んで構成されている。セパレータ28は、メインマフラ20内部を、入気パイプ18D側で且つ排気ガスGが流入する第1室23Aと、排気パイプ18E側で且つ排気ガスGが外部へ流出される第2室23Bとに仕切っている。即ち、第1室23Aは、排気ガスGの排気方向上流側に配置され、第2室23Bは、排気方向下流側に配置されている。なお、セパレータ28の詳細については後述する。
<マフラ本体>
図2(A)に示すように、マフラ本体22は、車両幅方向両端部が開口された筒状の周壁24と、周壁24の車両幅方向外端部を閉じる側壁26とを有している。また、マフラ本体22の車両幅方向内端部は、マフラ端面板32により閉じられている。このように、マフラ本体22は中空となっている。
(周壁)
図2(B)に示すように、周壁24は、一例として、車両幅方向に見て車両前後方向を長径方向とし車両上下方向を短径方向とする楕円筒状(扁平形状)に形成されている。また、図2(A)に示すように、周壁24は、車両上下方向に見て、車両幅方向を長手方向とし、車両前後方向を短手方向とする矩形状に形成されている。つまり、周壁24は、一例として、楕円の長径方向及び矩形の短手方向が車両前後方向となるように配置されている。さらに、周壁24の車両前後方向に沿った断面積は、車両幅方向でほぼ同じ大きさとされている。
周壁24の車両前後方向前側の一部には、径方向に貫通した貫通孔24Aが形成されている。貫通孔24Aには、入気パイプ18Dの一端が挿入されており、入気パイプ18Dの周壁と貫通孔24Aの孔壁とが隙間の無いように溶接で結合されている。ここで、周壁24内部の車両前後方向の最大幅(楕円の長軸に相当する幅)をW1とする。
(側壁)
図2(B)に示すように、側壁26は、車両幅方向に見て楕円形であり車両幅方向を厚み方向とする楕円板状に形成されている。また、図2(A)に示すように、側壁26の外周縁には、車両幅方向外側へ張り出されたフランジ26Aが形成されている。さらに、側壁26の車両前後方向後側の一部には、車両幅方向に貫通した貫通孔26Bが形成されている。貫通孔26Bには、排気パイプ18Eの一部が挿入されており、排気パイプ18Eの周壁と貫通孔26Bの孔壁とが隙間の無いように溶接で結合されている。なお、側壁26における車両幅方向内側の内壁面のうち、第1室23A内に位置する面を第1端面26Cと称し、第2室23B内に位置する面を第2端面26Dと称する。第1端面26Cは、第1室23Aの排気ガスGの流れる方向の上流側(排気上流側)に配置されている。第2端面26Dは、第2室23Bの排気ガスGの流れる方向の下流側(排気下流側)に配置されている。
排気パイプ18Eは、マフラ本体22(第2室23B)内部で車両幅方向に延在する部位と、マフラ本体22の外部で車両前後方向後側へ延びる部位とを有しており、車両上下方向に見てL字状に形成されている。これにより、第2室23B内部の排気ガスGが排気パイプ18Eを通ってマフラ本体22の外部へ排出されるようになっている。なお、図2(A)、(B)では、入気パイプ18Dを簡略化して示しているが、入気パイプ18Dの流路断面積と排気パイプ18Eの流路断面積とは、ほぼ同じ大きさとされている。流路断面積とは、排気ガスGが流れる方向とは直交する直交方向の断面積である。
また、排気パイプ18Eの車両幅方向に延在する部位の一部には、径方向に貫通した複数の通気孔18Fが形成されている。さらに、排気パイプ18Eの複数の通気孔18Fが形成された部位は、筒状のカバー部材18Gで覆われており、排気パイプ18Eとカバー部材18Gとの間には、図示しない吸音材が充填されている。なお、通気孔18Fが無く、且つカバー部材18G及び図示しない吸音材が設けられていない構成であってもよい。
<セパレータ>
図2(A)、(B)に示すセパレータ28は、車両前後方向に見て、車両幅方向を長手方向とし車両上下方向を短手方向とし、車両前後方向を板厚方向とする矩形板状に形成されている。また、セパレータ28には、車両幅方向の両端部から車両前後方向前側に張り出されたフランジ28Aと、車両上下方向の両端部から車両前後方向前側に張り出されたフランジ28Bとが形成されている。
セパレータ28において、車両幅方向外側のフランジ28Aは、側壁26の内壁面に溶接で結合されている。車両幅方向内側のフランジ28Aは、マフラ端面板32の内壁面に溶接で結合されている。フランジ28Bは、周壁24の内壁面に溶接で結合されている。ここで、セパレータ28は、車両幅方向に見て、流路断面積が等しくなるようにマフラ本体22内部を第1室23Aと第2室23Bとに仕切っている。なお、第2室23Bにおいて、周壁24の楕円の長軸上におけるセパレータ28から周壁24の内面までの幅をW2とする。本実施形態では、W2=(W1)/2となっている。
<マフラ端面板>
図2(A)に示すように、マフラ端面板32は、周壁24の車両幅方向内端部に設けられており、車両幅方向に見て、周壁24に嵌まるように楕円形状に形成されている。また、マフラ端面板32は、車両上下方向に見て、車両前後方向の中央部が周壁24の車両幅方向内端部から車両幅方向内側へ突出した形状とされている。具体的には、マフラ端面板32は、車両上下方向に見て、側部32Aと、側部32Aから車両前側、後側へそれぞれ傾斜した傾斜部32B、傾斜部32Cと、周壁24の車両幅方向内端部に結合された結合部32Dとを有している。
側部32Aは、マフラ端面板32の車両前後方向中央部に形成され車両前後方向に沿った平坦部である。また、側部32Aは、車両幅方向外側面にフランジ28Aが溶接で結合されている。
傾斜部32Bは、車両上下方向に見て、側部32Aの車両前後方向前端部から車両前後方向前側へ向かうにつれて車両幅方向外側へ向かうように傾斜している。また、傾斜部32Bは、一例として、車両上下方向に見て、車両幅方向に沿ったセパレータ28との成す角度θ1が45°とされている。なお、傾斜部32Bの車両幅方向外側(第1室23A内部)の面を第1反射面32Eと称する。
第1反射面32Eは、車両幅方向(排気ガスGの流れる方向)に見て(排気下流に向かって)、第1室23Aの第1端面26Cと重なって配置されている。また、第1反射面32Eは、入気パイプ18Dから第1室23A内部に流入した排気ガスGの排気音を第2室23B側へ反射させるようになっている。
傾斜部32Cは、車両上下方向に見て、側部32Aの車両前後方向後端部から車両前後方向後側へ向かうにつれて車両幅方向外側へ向かうように傾斜している。また、傾斜部32Cは、一例として、車両上下方向に見て、車両幅方向に沿ったセパレータ28との成す角度θ2が45°とされている。なお、傾斜部32Cの車両幅方向外側(第2室23B内部)の面を第2反射面32Fと称する。
第2反射面32Fは、車両幅方向に見て(排気下流に向かって)、第2室23Bの第2端面26Dと重なって配置されている。また、第2反射面32Fは、第1室23Aから後述する連通部34を通って第2室23B内部に流入した排気ガスGの排気音を第2端面26D側へ反射させるようになっている。このように、第1反射面32Eと第2反射面32Fは、車両上下方向に見て、セパレータ28を対称面として対称配置されている。
結合部32Dは、側部32A、傾斜部32B、及び傾斜部32Cを囲む周縁部であり、一部が車両幅方向内側へ向けて屈曲され、周壁24の車両幅方向内端部に溶接で結合されている。
<連通部>
図2(A)、(B)に示すように、連通部34は、セパレータ28の車両幅方向内端部に一体で形成されている。また、連通部34は、縦壁34Aと、縦壁34Aに形成された連通孔34Bとを有している。
縦壁34Aは、車両前後方向を厚さ方向として車両幅方向に延在する板状に形成されており、セパレータ28の一部を構成している。連通孔34Bは、一例として、縦壁34Aの車両上下方向及び車両幅方向に間隔をあけて複数形成された円形のパンチング孔であり、縦壁34Aを車両前後方向に貫通すると共に、第1室23Aの内部と第2室23Bの内部とを連通させている。即ち、連通部34が形成されていることにより、第1室23A内部の排気ガスGが複数の連通孔34Bを通って第2室23B内部に流入するようになっている。
複数の連通孔34Bの合計の開口面積は、第1室23Aの流路断面積又は第2室23Bの流路断面積よりも小さい面積とされている。具体的には、複数の連通孔34Bの合計の開口面積は、入気パイプ18Dの流路断面積又は排気パイプ18Eの流路断面積とほぼ同じ面積とされている。
図3(A)に示すように、メインマフラ20において、第1端面26Cから第1反射面32E、連通部34、及び第2反射面32Fを経由して第2端面26Dまで直線で結んだ排気ガスGの経路を流路40と称する。また、第1端面26C、第1反射面32E、第2反射面32F、及び第2端面26Dの各車両前後方向中央を直線で結んだときの第1端面26Cから第2端面26Dまでの合計長さを流路40の経路長L1(図4(A)参照)とする。なお、第1反射面32E及び第2反射面32Fでの排気音(音波)の入射角度及び反射角度を45°としている。
図4(A)には、流路40(マフラ本体22)を直線状に配置した模式図が示されている。ここで、第1端面26Cから連通部34までの長さL2は、流路40の第1端面26Cから第2端面26Dまでの経路長L1の1/2となっている。即ち、連通部34は、流路40の中央部に位置している。中央部とは、中央位置を含み且つ排気ガスG(図1参照)が流れる方向に幅を持った部位である。
<作用並びに効果>
次に、本実施形態のメインマフラ20の作用並びに効果について説明する。
図1に示す車両10のエンジン12が始動されると、エンジン12の各気筒から排気された排気ガスGは、触媒装置14A及び触媒装置14Bを通ることでNOxの還元やCO、HCの酸化などの浄化が行われる。続いて、浄化された排気ガスGは、サブマフラ16及び入気パイプ18Dを通ってメインマフラ20内部に導入(流入)され、排気パイプ18Eから大気中に排出される。
図3(A)に示すように、メインマフラ20において、入気パイプ18Dから入射した音波が、第1反射面32E及び第2反射面32Fで反射する。これにより、図4(A)、(B)に示すように、第1端面26C及び第2端面26Dを閉口端とする経路長L1の気柱共鳴が発生する。ここで、メインマフラ20内部の排気ガスG(図1参照)の温度をT[K]とすると、音速C[m/s]は、C=20×√Tで近似される。また、気柱共鳴の周波数f[Hz]は、mを1以上の整数として、f=C×m/{2×(L1)}となる。
なお、音圧モードの実線及び破線は、経路長L1を半波長とする1次音圧モードの定在波を表している。該定在波では、第1端面26C及び第2端面26Dに対応する位置で音圧が最も高い腹部となり、連通部34に対応する位置で音圧が最も低い節部となっている。また、該定在波では、第1端面26C及び第2端面26Dに対応する位置で排気ガスG(図1参照)の粒子速度が最も遅くなり、連通部34に対応する位置で粒子速度が最も速くなる。図4(B)における粒子速度の矢印が長いほど、粒子速度が速いことを意味している。
さらに、図3(A)、(B)、(C)に示すように、メインマフラ20では、楕円形状の周壁24における長径方向(短手方向)の両端を平行端とする経路長W1の気柱共鳴が発生する。なお、音圧モードの実線及び破線は、経路長W1を半波長とする1次音圧モードの定在波を表している。該定在波では、周壁24における長径方向の両端に対応する位置で音圧が最も高い腹部となり、連通部34に対応する位置で音圧が最も低い節部となっている。また、該定在波では、周壁24における長径方向の両端に対応する位置で排気ガスGの粒子速度が最も遅くなり、連通部34に対応する位置で粒子速度が最も速くなっている。
このように、メインマフラ20内部では、矩形の長手方向及び楕円の長径方向の2方向の気柱共鳴が発生する。この2方向の気柱共鳴をそのままにすると、特定周波数における消音性能が低下することになる。
ここで、図3(A)及び図4(A)に示すように、メインマフラ20では、長手方向及び長径方向(短手方向)の2方向において、連通部34が、長手方向の経路長L1の1/2となる位置で且つ長径方向の最大幅W1の1/2となる位置に配置されている。即ち、連通部34は、粒子速度が最も速くなる位置にある。このため、定在波の節となる位置で最も速度が速くなる排気ガスGの粒子(排気粒子)が、連通孔34Bの周壁との接触により減速されるので、マフラ本体22内部の2つの気柱共鳴の音圧が低減され、メインマフラ20の消音性能を向上させることができる。さらに、メインマフラ20では、連通部34を有するセパレータ28でマフラ本体22内部を仕切るだけでよいので、簡単な構成とすることができる。
加えて、メインマフラ20では、消音特性が低下する特定周波数における消音性能が、気柱共鳴の低減により向上するので、リニアな消音性能が得られる。リニアな消音特性とは、例えば、車両10(図1参照)が加速しているときに加速音がとぎれるような現象が起きにくいことを意味している。
図5には、排気ガスGの排気音の周波数[Hz]と、消音量を表す透過損失[dB]との関係が、実線のグラフG1及び破線のグラフG2で示されている。周波数の目盛は、0、f1、f2、f3、f4、f5としており、0<f1<f2<f3<f4<f5である。透過損失の目盛は、0、d1、d2、d3、d4としており、0<d1<d2<d3<d4である。透過損失は、値が大きいほど消音性能が優れていることを表している。なお、グラフG1は、本実施形態のメインマフラ20(図1参照)の透過損失である。グラフG2は、メインマフラ20においてセパレータ28及び連通部34を取り除いた場合の対比例の透過損失である。
対比例のグラフG2では、周波数f1と周波数f2との間、周波数f3と周波数f4との間、及び周波数f4と周波数f5との間の区間において、透過損失がほぼd3となっている。また、グラフG2では、周波数f2と周波数f3との間の区間及び周波数f4付近において、透過損失がほぼ0となっている。即ち、対比例のグラフG2は、特定周波数で消音効果がほとんど得られない場合があることを表している。
一方、本実施形態のグラフG1では、周波数f1から周波数f5までの区間において、透過損失がほぼd3となっている(図示の2本の矢印は消音性能の向上を意味している)。即ち、本実施形態のメインマフラ20(図1参照)では、対比例に比べて、特定周波数での消音性能が向上すると共に、周波数によらず安定した消音性能が得られることが確認できた。
なお、図2(A)、(B)に示す本実施形態のメインマフラ20では、マフラ本体22内部の排気ガスGの脈動圧に起因して周壁24に振動変位が発生する。ここで、周壁24に結合されたセパレータ28が、周壁24の変位を規制するので、セパレータ28が無い構成に比べて、周壁24の振動変位を低下させることができる。さらに、周壁24の振動変位が低下することにより、周壁24から外部への放射音を低減することができる。
以上、説明したように、本実施形態のメインマフラ20では、マフラ本体22内部をセパレータ28で仕切ると共に第1反射面32E及び第2反射面32Fで音波を反射させることで、マフラ本体22の容量を拡大することなく経路長を延ばしている。そして、粒子速度が最も速くなる位置に連通部34を設けて粒子速度を低下させ、消音性能を向上させている。このように、本実施形態のメインマフラ20では、簡単な構成で消音性能を向上させることができる。
また、本実施形態のメインマフラ20では、一例として、排気パイプ18Eに図示しない吸音材を設けていたが、既述のように、該吸音材を用いなくてもよい。即ち、本実施形態のメインマフラ20では、高周波側の特定周波数において消音性能が向上することから、繊維材、多孔質材等の高価な吸音材を用いなくても、高周波側での気柱共鳴騒音を低減することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
(第1変形例)
図6(A)、(B)には、第1変形例に係る車両用消音装置の一例としてのメインマフラ50が示されている。メインマフラ50は、図1に示す車両10において、メインマフラ20(図1参照)に換えて設けられている。なお、メインマフラ20と同様の構成については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。同様の構成とは、一部の長さや形状が異なるものの、基本的な機能が同様である構成を含む概念である。
メインマフラ50は、装置本体の一例としてのマフラ本体52と、仕切壁の一例としてのセパレータ54と、反射壁の一例としてのマフラ端面板56と、連通部34と、入気パイプ18Dと、排気パイプ18Eとを含んで構成されている。
マフラ本体52は、マフラ本体22(図2(A)参照)を車両幅方向に見て円筒状に形成したものである。セパレータ54は、マフラ本体52に合せてセパレータ28(図2(A)参照)を車両上下方向に延ばしたものであり、マフラ本体52内部を第1室23Aと第2室23Bとに仕切っている。マフラ端面板56は、マフラ本体52に合せて、マフラ端面板32(図2(A)参照)を車両幅方向に見て半径W2(直径W1)の円形に形成したものであり、第1反射面32E及び第2反射面32Fを備えている。なお、セパレータ54と第1反射面32E、第2反射面32Fとの成す角度は45[°]とされている。
車両10(図1参照)への設置スペースが確保できる場合は、このように、メインマフラ50を車両幅方向に見て円形に形成してもよい。
(第2変形例)
図7(A)、(B)には、第2変形例に係る車両用消音装置の一例としてのメインマフラ60が示されている。メインマフラ60は、図1に示す車両10において、メインマフラ20(図1参照)に換えて設けられている。なお、メインマフラ20と同様の構成については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。同様の構成とは、一部の長さや形状が異なるものの、基本的な機能が同様である構成を含む概念である。
メインマフラ60は、マフラ本体22と、セパレータ28と、反射壁の一例としてのマフラ端面板62と、連通部34と、入気パイプ18Dと、排気パイプ64とを含んで構成されている。
マフラ本体22は、車両前後方向を長手方向として配置されている。また、側壁26は、周壁24の車両前後方向前端部に設けられている。さらに、側壁26には、排気パイプ18E(図2(A)参照)に換えて入気パイプ18Dが結合されている。セパレータ28は、車両前後方向に沿って配置され、マフラ本体22内部を車両幅方向外側の第1室23Aと車両幅方向内側の第2室23Bとに仕切っている。
マフラ端面板62は、マフラ端面板32(図2(A)参照)の側部32Aを無くして傾斜部32B及び傾斜部32Cを延ばしたものであり、車両上下方向に見て直角二等辺三角形状に形成されている。また、マフラ端面板62は、周壁24と一体化されており、車両前後方向に見た外周部が周壁24の車両前後方向後端部と連続して形成されている。さらに、マフラ端面板62は、第1反射面32E及び第2反射面32Fを備えている。加えて、マフラ端面板62の車両幅方向中央部には、セパレータ28の車両前後方向後端部が結合されている。なお、マフラ端面板62の傾斜部32Cには、車両前後方向に貫通した貫通孔62Aが形成されている。貫通孔62Aの内壁面には、排気パイプ64の一端が結合されている。
排気パイプ64は、車両前後方向を軸方向として、マフラ端面板62から車両前後方向後側へ直線状に延びている。このように、車両前後方向を長手方向としてマフラ本体22を配置し、側壁26側から排気ガスGを流入させて連通部34を通過させると共に、マフラ端面板62側から排気ガスGを流出させてもよい。メインマフラ60では、図示しないトランクルームの車両幅方向の一端側にメインマフラ60をまとめられるので、トランクルームの車両下側全体にメインマフラが配置されるものに比べて、トランクルームの底を下げることができる。つまり、車両10のレイアウトの自由度が上がる。
(他の変形例)
セパレータ28に対する第1反射面32E及び第2反射面32Fの角度は、45[°]に限らない。例えば、30[°]や60[°]であってもよい。45[°]に近いほど、消音性能は高い。また、セパレータ28と連通部34とは、別部材で構成されていてもよい。
連通孔34Bの形状は、円形に限らず、楕円形や多角形状など、他の形状であってもよい。連通孔34Bの形状、大きさ、数、形成範囲は、透過損失の特性(測定結果)に基づいて決めればよい。ただし、複数の連通孔34Bの合計の断面積は、入気パイプ18Dの流路断面積と合わせることが望ましい。複数の連通孔34Bの合計の断面積と入気パイプ18Dの流路断面積とを合わせることで、連通部34における排気ガスGの通過時の圧力損失を小さくすることができる。また、複数の連通孔34Bの形成範囲は、傾斜部32B及び傾斜部32Cが重なる方向に見て、傾斜部32B及び傾斜部32Cの内側に収まるように設定してもよい。
マフラ本体22内部の入気パイプ18Dの導入長さ及び排気パイプ18Eの導入長さは、自由に設定してよい。つまり、マフラ本体22内部の入気パイプ18Dの導入長さ及び排気パイプ18Eの導入長さが消音性能の低下に与える影響は少ない。
以上、本発明の実施形態及び変形例に係る車両前部構造について説明したが、これらの実施形態及び各変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 車両
20 メインマフラ(車両用消音装置の一例)
22 マフラ本体(装置本体の一例)
23A 第1室
23B 第2室
26C 第1端面
26D 第2端面
28 セパレータ(仕切壁の一例)
32 マフラ端面板(反射壁の一例)
32E 第1反射面
32F 第2反射面
34 連通部
40 流路
50 メインマフラ(車両用消音装置の一例)
52 マフラ本体(装置本体の一例)
54 セパレータ(仕切壁の一例)
56 マフラ端面板(反射壁の一例)
60 メインマフラ(車両用消音装置の一例)
62 マフラ端面板(反射壁の一例)

Claims (1)

  1. 中空の装置本体と、
    排気が流入する第1室と排気が外部へ流出される第2室の流路断面積が等しくなるように前記装置本体の内部を仕切る仕切壁と、
    前記第1室の排気上流側に配置された第1端面と、
    前記第2室の排気下流側に配置された第2端面と、
    前記装置本体に設けられ、排気下流に向かって前記第1端面と重なって配置され排気音を前記第2室側へ反射させる第1反射面と、排気下流に向かって前記第2端面と重なって配置され排気音を該第2端面側へ反射させる第2反射面と、を備えた反射壁と、
    前記仕切壁に形成され、前記第1端面から前記第1反射面及び前記第2反射面を経由して前記第2端面までの流路の中央部に位置し、前記第1室の内部と前記第2室の内部とを連通させる連通部と、
    を有する車両用消音装置。
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