JP2016113780A - 木造建築物用耐震金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震時において木造建築物の基礎、通常はコンクリート基礎と柱との連結部分に介装させて、連結部分が損傷するのを防止できる金具を提供する。【解決手段】柱と基礎との間に介装され、基礎側から延びるアンカーボルトの先端部が挿通される中空部内で、皿バネ7と支持部材11を介してナット31で締められ、皿バネ7が撓むことで、中空部側が柱と一体となってボルトに対して傾動可能となり、地震が来て柱側に揺動させようとする力が加わったときに、柱が中空部と共に、基礎Sと一体になったアンカーボルトに対して傾動して、柱の揺動を許容し、連結部分の損傷を阻止する。【選択図】図5

Description

本発明は木造建築物で使用される耐震金具に係り、特に柱を基礎上に立設する際にそれらの間で介装させて使用する耐震金具に関するものである。
地震時において木造建築物の基礎、通常はコンクリート基礎と柱との連結部分が損傷すると、木造建築物が損壊するおそれがあり、基礎と柱との連結部分の損傷をいかに防止するかは極めて重要な問題である。
そこで、例えば特許文献1のような木造建築物で使用する金具が開発されている。この金具は、コンクリート基礎と柱との間に介装させて使用するものであり、ばね材で構成した椀形の柱支持部を備えている。この特許文献によれば、地震によって柱が揺動すると、その柱支持部が弾性変形して柱の揺動を許容することで連結部分の損傷が阻止されると教示されている。
特開平10−266345号
しかしながら、上記の金具を使用すると、柱支持部の弾性効果が常に働くことになるので、木造建築物に要求される初期剛性を担保することができない。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、初期剛性を担保しつつ、地震時には柱の揺動を許容して、連結部分の損傷を阻止する新規且つ有用な耐震金具を提供することを、その目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、木造建築物において柱と基礎の間に介装連結させて前記柱を立設する耐震金具において、柱と基礎との間に介装され、前記基礎または柱側から延びるボルトの先端部が挿通される中空部と、前記ボルトの先端部に螺合されるナットと、前記ナットと前記中空部の内面との間で前記ボルトに介装挿通され、前記ナットの緊締により前記柱を前記基礎に対して剛性的に取付ける剛性側取付け部および弾性的に取付ける弾性側取付け部を備え、外力を受けて前記剛性側取付け部が介装方向に縮小されると、前記弾性側取付け部による支持状態に移行し、前記中空部が前記ボルトに対して傾動可能となることを特徴とする木造建築物用耐震金具である。
請求項2の発明は、請求項1に記載した木造建築物用耐震金具において、剛性側取付け部は座屈可能な剛性部材で構成され、弾性的取付け部は前記剛性部材とは別の弾発力発生部材で構成されており、座屈により、前記剛性部材が縮小されると、弾発力発生部材による支持状態に移行することを特徴とする耐震金具である。
請求項3の発明は、請求項2に記載した木造建築物用耐震金具において、弾発力発生部材は筒状の剛性部材を包囲する皿バネによって構成されており、前記皿バネは前記剛性部材の縮小により弾発力を発生することを特徴とする木造建築物用耐震金具である。
請求項4の発明は、請求項1に記載した木造建築物用耐震金具において、渦巻き状の板バネがナットと中空部の内面との間で前記ボルトに挿通され、剛性筒状部に包囲されており、前記板バネは外力を受けて前記筒状部内で介装方向に撓んで縮小されると弾発力が有意量となって弾性側取付け部として機能し、外力が無くなると再び剛性側取付け部として機能することを特徴とする木造建築物用耐震金具である。
請求項5の発明は、請求項4に記載した木造建築物用耐震金具において、剛性筒状部はナット側と中空部の内面側との間で二分割されており、ナット側の筒状部には分割縁側に凸状延出部が複数等距離をあけて形成され、中空部の内面側の筒状部には分割縁側に前記凸状延出部に対応して凹状後退部が形成されていることを特徴とする木造建築物用耐震金具である。
請求項6の発明は、請求項4に記載した木造建築物用耐震金具において、板バネはナット側では渦巻きの中心側から外側に向かって低くなっていることを特徴とする木造建築物用耐震金具である。
請求項7の発明は、請求項4から6のいずれかに記載した木造建築物用耐震金具において、板バネには貫通孔が多数形成されていることを特徴とする木造建築物用耐震金具である。
本発明の耐震金具によれば、初期剛性を担保しつつ、地震時には柱の揺動を許容するので、木造建築物の損壊を効果的に阻止することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る耐震金具を木造建築物に設置した状態を示す正面図である。 図1中、耐震金具を示す部分の部分拡大図である。 図2の部分拡大図に対応する部位の斜視図である。 図2、図3の耐震金具の分解斜視図である。 図4の耐震金具の連結状態の変化を説明するための図である。 図5により変化した後の耐震金具の傾動許容挙動を説明するための図である。 第1の実施の形態で示した耐震金具の別使用例を示す正面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る耐震金具を木造建築物に設置した状態を示す正面図である。 図8の耐震金具の分解斜視図である。 図9の耐震金具の斜視図である。 図9の耐震金具の傾動許容挙動を説明するための図である。 第2の実施の形態で示した耐震金具の別使用例を示す正面図である。 第2の実施の形態に係る耐震金具の一部構成を変えた別例の耐震金具の斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る耐震金具の分解斜視図である。 第3の実施の形態に係る耐震金具の一部構成を変えた別例の耐震金具の分解斜視図である。 図15で示した耐震金具の正面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る耐震金具1を図面にしたがって説明する。
図1は木造建築物の一部を示しており、コンクリート基礎S上に断面四角形の柱Bを立設しており、上方では隣り合う柱Bどうしの間に梁Hが横架されている。
そして、コンクリート基礎Sと柱Bとの間に、金属製の耐震金具1が介装されている。図1では、二本の柱Bが見えているが、各柱Bに耐震金具1が介装されている。
図2、図3に示すように、耐震金具1は、剛性材で形成された中空部3を備えている。この中空部3は横長の直方体になっており、底壁3a、天壁3b、一対の対向する側壁3c、3cで構成され、一対の対向する側面は全面的に開口して、開口3d、3dができている。そして、仕切り壁3eにより二つの小中空部3f、3fに分割されている。
底壁3aには、小中空部3f、3fに対応してそれぞれ、アンカーボルトの遊挿孔3g、3gが形成されており、天壁3bには、小中空部3f、3fに対応してそれぞれ、柱立設ボルトの遊挿孔3h、3hが形成されている。すなわち、各小中空部3fには、底壁3a側と天壁3b側に、それぞれ遊挿孔3g、3hが中心に形成され、それらが上下方向で対応した状態となっている。
コンクリート基礎Sの上面、柱Bの下面とも平面になっているので、介装時には、上記した中空部の底壁3a、天壁3bとの間に隙間なく挟まった状態となっている。
次に、コンクリート基礎S側と耐震金具1の連結構成について説明する。
コンクリート基礎S側では、アンカーボルト5の基端部が埋め込まれ、植立されている。アンカーボルト5は二本植立され、小中空部3f、3fにそれぞれ対応している。すなわち、耐震金具1Aが二つ並列して一体化した構成になっており、各アンカーボルト5は、底壁3a側の遊挿孔3gに遊挿されて小中空部3f内に入り込んでおり、耐震金具1によりナット締めされている。
図4は、耐震金具1Aを構成部品に分けて示したものであり、図5(A)は構成部品を組み合わせてナット締め状態にしたものを示したものである。
符号7は皿バネを示し、この皿バネ7は扁平な円環状になっており、中心には遊挿孔9が設けられている。この皿バネ7は6枚で構成されており、凹み方向を合わせた2枚を一組として、凹み方向が互い違いになるように積まれている。
符号11は剛性材で構成された支持部材を示す。この支持部材11は、全体として円筒状になっており、円筒状の内筒13の上端からは径方向外方に上フランジ15が短く延び、さらに、上フランジ15の外端から下方に同軸筒状に短く延びて上部外筒17ができている。また、内筒13の下端からも径方向外方に同じ長さだけ下フランジ19が延び、さらに、下フランジ19の外端から上方に同軸筒状に短く延びて下部外筒21ができている。外筒17、21は内径・外径が同じとなっている。
内筒13に、二つの外筒17、21が外方から被さって上下端部側では二重壁構造になっているが、上部外筒17は下部外筒21より筒長が短くなっており、下部外筒21の筒長さは全体の1/2程度なので、上部外筒17と下部外筒21の間には隙間ができている。
支持部材11には環状のくびれ部23が設けられている。このくびれ部23は内筒13の内面側が凹んで形成されている。このくびれ部23は上部外筒17と下部外筒21の間の隙間に対向している。
内筒13の内面で画定される孔は、アンカーボルト5が十分な余裕を持って遊挿されるだけの大きさを持った遊挿孔25になっており、外筒17、21の外面で画定される外径は、皿バネ7の遊挿孔9にある程度の余裕を持って遊挿されるだけの大きさになっている。
符号27は扁平な板状の剛性押圧板を示す。この押圧板27は板面が正方形を成し、その中心には、アンカーボルト5がある程度の余裕を持って遊挿されるだけの大きさを持った遊挿孔29になっている。
押圧板27の板面はある程度の大きさを持っており、その遊挿孔29を、皿バネ7の遊挿孔9、および支持部材11の遊挿孔25と同軸状に積み上げると、支持部材11の上フランジ15の外縁を超えて、皿バネ7側にまで延びた状態となる。
また、符号31はナットを示し、アンカーボルト5に螺合するように設定されている。
耐震金具1Aは、上記した構成部品を組み合わせたものとなっており、図5(A)に示すように、小中空部3f内にアンカーボルト5の先端側にあるネジ部5aが入り込んでおり、そのネジ部5aが支持部材11の遊挿孔25に遊挿され、さらに、支持部材11が皿バネ7の遊挿孔9に遊挿されており、支持部材11を皿バネ7が外側から包囲した状態となっている。また、支持部材11と皿バネ7は底壁3aに載った状態になっているので、支持部材11側は下フランジ19の下面全体が小中空部3fの底壁3aに当接して、皿バネ7側も最も下側にくる皿バネ7aの下面の一部が底壁3aに当接している。支持部材11の高さは、皿バネ7の高さよりも高くなっているので、載った状態では、支持部材11の上フランジ15が最も上側にくる皿バネ7fよりも上に突出している。
支持部材11の上では、ネジ部5aが押圧板27の遊挿孔29aに遊挿されており、押圧板27の下面が支持部材11の上フランジ15の上面に当接している。
押圧板27の上からは、ナット31がネジ部5aに螺合している。ナット31は支持部材11側に向かって螺進して緊締しており、押圧板27の下面と小中空部3fの底壁3aとの間で支持部材11が挾設される。このとき、皿バネ7は押圧板27の下面と小中空部3fの底壁3aとの間で遊んでいるので、下側の皿バネ7aは遊挿孔9側が浮き上がっており、上側の皿バネ7fは、押圧板27と接触していない。
従って、コンクリート基礎S側と耐震金具1Aとは剛性連結状態となっている。
一方、柱Bと耐震金具1については、図2に示すように、柱Bに二本の柱立設ボルト33の基端側が撃ち込まれている。この柱立設ボルト33は上記したアンカーボルト5にそれぞれ対応しており、各柱立設ボルト33は、天壁3b側の遊挿孔3hに遊挿されて小中空部3f内に入り込んでおり、ナット35で緊締されて、剛性連結状態となっている。
これらの構成部品の組込みによる連結は、小中空部3fの開口3dから、ナット等を差し入れながら行う。
次に、耐震金具1の連結状態の変化を説明する。
木造建築物では、このように柱Bとコンクリート基礎Sとが耐震金具1を介して連結されており、建築当初から有意的な大きさの地震がくるまでは、図5(A)に示すような連結状態で、コンクリート基礎Sに対して柱Bが剛性的に支持されており、初期剛性が担保されている。
一方、有意的な大きさの地震がくると、アンカーボルト5と一体となったコンクリート基礎S側に対して柱B側が離れるような外力を受けるので、支持部材11のくびれ部23が座屈を起こし、高さが縮小する。座屈は開始されると急速に進行するので、図5(B)に示すように、押圧板27が下降するので、終には、皿ネジ7fに当接するまでになり、支持部材11は剛性支持機能を喪失し、皿バネ7による支持状態に移行する。
図5(B)の状態では、皿バネ7は支持部材11と小中空部3fの底壁3aとの間で弾発力を発揮して撓み可能なので、アンカーボルト5に対して、押圧板27及び支持部材11と共に中空部3が、小中空部3fの底壁3a側を支点として揺動可能、すなわち傾動可能となる。一方、柱Bは柱立設ボルト33を介して剛性連結されており、中空部3は柱Bと一体に揺動する。
従って、柱Bを揺動させようとする外力を受けると、図6に示すように、アンカーボルト5に対して、中空部3側が柱Bの揺動方向に追従して傾動できるので、柱Bの揺動が無理なく許容され、コンクリート基礎Sとの連結部分は損なわれない。
上記の実施の形態では、コンクリート基礎Sとの連結部分に耐震金具1が設置されているが、図7に示すように、柱B側との連結部分に耐震金具1を設置してもよい。この場合には、柱B側の柱立設ボルト33は、下端側がテーパになって柱Bとの間に隙間が作られて、揺動し易いようになっている。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る耐震金具41について、図面にしたがって説明する。
図8に示すように、この耐震金具41も、第1の実施の形態に係る耐震金具1と同様に中空部3を備えており、同様に柱Bとコンクリート基礎Sとの間に介装させて設置する。
耐震金具1と同様にアンカーボルト5を取付け側として利用しており、各アンカーボルト5は、小中空部3f内に入り込んでおり、ナット締めされている。
耐震金具41も二つの耐震金具41Aを一体化したものである。
図9は耐震金具41Aを構成部品に分けて示したものであり、図10は構成部品をナット締め状態で組み合わせた状態を示したものである。
符号43は剛性の下側保持部を示す。この下側保持部43は円環状の底板部45を下面としており、底板部45の外縁からは外筒部47が立ち上がっている。この外筒部47には、上端から切り込まれて形成された略逆三角形状の後退部49が4つ均等に距離をあけて形成されている。この後退部49の下側頂角部分は途中で止まって水平に延びる短い下縁51となっている。
底板部45の内縁からは内筒部53が立ち上がっており、この内筒部53は外筒部47と同軸状になっている。内筒部53は外筒部47よりも背が低くなっており、その上端は後退部49の途中までに留まっている。内筒部53には一対の割スリット55、55が対向して設けられており、一対の割スリット55、55は外筒部47の一対の対向する後退部49にそれぞれ相対している。
符号57は剛性の上側保持部を示す。この上側保持部57は円環状の天板部59を上面としており、中心が遊挿孔61となっている。天板部59の外縁からは外筒部63が垂下している。この外筒部63には、下端から延出して形成された略逆三角形状の延出部65が4つ均等に距離をあけて形成されている。この延出部65の下側頂角部分は途中で止まって水平に延びる短い下縁67となっている。
上側保持部57は下側保持部43に上方から相対しており、上側保持部57の延出部65の縁部が下側保持部43の後退部49の縁部の相似形で一回り小さくなっている。従って、上側保持部57を下側保持部43に向かって降ろすと、延出部65が後退部49に向けて嵌り込むようになっている。また、上側保持部57の遊挿孔61の直下に下側保持部43の内筒部53が位置する。
符号69は扁平な円板状の剛性押圧板を示す。この押圧板69の中心は、アンカーボルト5がある程度の余裕を持って遊挿されるだけの大きさを持った遊挿孔71になっている。
押圧板69の板面はある程度の大きさを持っており、その遊挿孔71を、上側保持部57の遊挿孔61と同軸状に積み上げると、上側保持部57の天板部59側まで延びている。
また、符号73はナットを示し、アンカーボルト5に螺合するように設定されている。
次に、板バネ側について説明する。
符号75は円筒状に形成した外周側板バネ体を示し、この外周側板バネ体75には多数の貫通孔77が形成されている。
符号79はテープ状の板バネを渦巻き状に巻き回した渦巻き状板バネ体を示し、この渦巻き状板バネ体79の中心側は大きく空いている。これにも、多数の貫通孔81が形成されている。
符号83は円筒状に形成した内周側板バネ体を示し、この内周側板バネ体83には多数の貫通孔85が形成されている。
入れ子状に、外周側板バネ体75に渦巻き状板バネ体79が収納され、さらにその中心側に内周側板バネ体83が収容されて、全体として板バネ組合せ体87になっている。いずれのバネ体にも、貫通孔が多数形成されており、撓み易くなっている。
この板バネ組合せ体87が、上記したように組み合わされた上側保持部57と下側保持部43の中に収容されている。下側保持部43の内筒部53が内周側板バネ体83に下側から入り込んでいる。板バネ体の高さは同じになるように設定されており、各板バネ体の上端部が一緒になって受け面を為している。
なお、上側保持部57の延出部65が下側保持部43の後退部49内に入り込んで上下方向で実質的に連なっているので、収容された板バネ組合せ体87は撓み限界を超えて外方に延びて膨らんでしまうことは無い。
耐震金具41Aは、上記した構成部品を組み合わせたものとなっており、図8に示すように、小中空部3f内にアンカーボルト5の先端側にあるネジ部5aが内筒部53に遊挿され、さらに、上側保持部57の遊挿孔61に遊挿されている。
上側保持部57の上では、ネジ部5aが押圧板69の遊挿孔71に遊挿されており、押圧板69の下面が上側保持部57の天板部59の上面に当接している。
押圧板69の上からは、ナット73がネジ部5aに螺合している。ナット73は上側保持部57側に向かって螺進して緊締しており、押圧板69の下面と小中空部3fの底壁3aとの間で板バネ組合せ体87が挾設される。このとき、上側保持部57は板バネ組合せ体87の円状乃至渦巻き状に延びる上縁に載っている。
次に、耐震金具41Aの連結状態の変化を説明する。
図11(A)に示す状態が初期状態であり、板バネ組合せ体87は殆ど撓み無く立ち上がって、上側保持部57側、すなわち柱B側を支持しており、初期剛性が担保されている。
一方、板バネ組合せ体87が撓んで縮小できるので、アンカーボルト5に対して、保持部43、57側が、小中空部3fの底壁3a側を支点として傾動可能となる。
従って、有意的な大きさの地震がきて、柱Bを揺動させようとする外力を受けると、図11(B)の一点鎖線に示すように、アンカーボルト5に対して、保持部43、57側が収容された板バネ体の弾発力を利用して柱Bの揺動方向に追従して傾動するので、この傾動により、柱Bの揺動が無理なく許容され、コンクリート基礎Sとの連結部分は損なわれない。
揺れが収まると、板バネ組合せ体87は撓みが解消するので、再び剛性支持状態に戻る。
上記の実施の形態では、コンクリート基礎Sとの連結部分に耐震金具41が設置されているが、図12に示すように、柱B側との連結部分に耐震金具41を設置してもよい。
また、図13の耐震金具89は、一部の構成を変えたものであり、上側保持部の延出部91と、下側保持部の後退部93を小さくし、数を増やすことで、外周側板バネ体75が膨らんでも隙間から外方に飛び出し難くなるよう構成されている。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る耐震金具101について、図面にしたがって説明する。
図14に示すように、この耐震金具101も、第2の実施の形態に係る耐震金具41Aと同様に板バネを備え、その弾発力を利用している。
但し、保持部103は単純な円筒状に構成され、板バネ体105は貫通孔が多数形成された渦巻き状になったものだけで構成されている。
この耐震金具101は、耐震金具41Aの簡易タイプとなっており、揺動が比較的小さくて済んだ場合には、このタイプでも対応できる。
図15の耐震金具107は、第3の実施の形態に係る耐震金具101の別例であり、渦巻き状の板バネ体109が中心側に行くほど背が高くなっている。
従って、組み合わせると、図16に示すようになって、剛性支持状態では、押圧板が板バネ体109の中心側でのみ当接することになる。
このように構成することで、地震が発生した時には速やかに揺動可能状態に移行し、柱Bとコンクリート基礎Sとの連結部分の損壊が阻止される。
1…耐震金具(第1の実施の形態)
3…中空部 5…アンカーボルト
7…皿バネ 9…遊挿孔
11…支持部材 13…内筒
15…上フランジ 17…上部外筒
19…下フランジ 21…下部外筒
23…くびれ部 25…遊挿孔
27…押圧板 29…遊挿孔
31…ナット 33…柱立設ボルト
41…耐震金具(第2の実施の形態)
43…下側保持部 45…底板部
47…外筒部 49…後退部
51…下縁 53…内筒部
55…割スリット 57…上側保持部
59…天板部 61…遊挿孔
63…外筒部 65…延出部
67…下縁 69…押圧板
71…遊挿孔 73…ナット
75…外周側板バネ体 77…貫通孔
79…渦巻き状板バネ体 81…貫通孔
83…内周側板バネ体 85…貫通孔
87…板バネ組合せ体
89…耐震金具(第2の実施の形態の別例)
91…延出部 93…後退部
101…耐震金具(第3の実施の形態)
103…保持部 105…渦巻き状板バネ体
107…耐震金具(第3の実施の形態の別例)
109…渦巻き状板バネ体
S…コンクリート基礎 B…柱 H…梁

Claims (7)

  1. 木造建築物において柱と基礎の間に介装連結させて前記柱を立設する耐震金具において、
    柱と基礎との間に介装され、前記基礎または柱側から延びるボルトの先端部が挿通される中空部と、
    前記ボルトの先端部に螺合されるナットと、
    前記ナットと前記中空部の内面との間で前記ボルトに介装挿通され、前記ナットの緊締により前記柱を前記基礎に対して剛性的に取付ける剛性側取付け部および弾性的に取付ける弾性側取付け部を備え、
    外力を受けて前記剛性側取付け部が介装方向に縮小されると、前記弾性側取付け部による支持状態に移行し、前記中空部が前記ボルトに対して傾動可能となることを特徴とする木造建築物用耐震金具。
  2. 請求項1に記載した木造建築物用耐震金具において、
    剛性側取付け部は座屈可能な剛性部材で構成され、弾性的取付け部は前記剛性部材とは別の弾発力発生部材で構成されており、
    座屈により、前記剛性部材が縮小されると、弾発力発生部材による支持状態に移行することを特徴とする耐震金具。
  3. 請求項2に記載した木造建築物用耐震金具において、
    弾発力発生部材は筒状の剛性部材を包囲する皿バネによって構成されており、前記皿バネは前記剛性部材の縮小により弾発力を発生することを特徴とする木造建築物用耐震金具。
  4. 請求項1に記載した木造建築物用耐震金具において、
    渦巻き状の板バネがナットと中空部の内面との間で前記ボルトに挿通され、剛性筒状部に包囲されており、前記板バネは外力を受けて前記筒状部内で介装方向に撓んで縮小されると弾発力が有意量となって弾性側取付け部として機能し、外力が無くなると再び剛性側取付け部として機能することを特徴とする木造建築物用耐震金具。
  5. 請求項4に記載した木造建築物用耐震金具において、
    剛性筒状部はナット側と中空部の内面側との間で二分割されており、ナット側の筒状部には分割縁側に凸状延出部が複数等距離をあけて形成され、中空部の内面側の筒状部には分割縁側に前記凸状延出部に対応して凹状後退部が形成されていることを特徴とする木造建築物用耐震金具。
  6. 請求項4に記載した木造建築物用耐震金具において、
    板バネはナット側では渦巻きの中心側から外側に向かって低くなっていることを特徴とする木造建築物用耐震金具。
  7. 請求項4から6のいずれかに記載した木造建築物用耐震金具において、
    板バネには貫通孔が多数形成されていることを特徴とする木造建築物用耐震金具。
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KR101800150B1 (ko) * 2017-04-27 2017-12-20 하정훈 교량 점검통로용 빔 지지대
JP2018188902A (ja) * 2017-05-10 2018-11-29 株式会社エヌ・シー・エヌ 木造建築物の構造躯体の接合構造及び木造建築物
JP2019196626A (ja) * 2018-05-09 2019-11-14 清司 細川 木造建築物用耐震金具

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