JP2016112614A - 押引きチェーン用リンク部材および押引きチェーン並びに押引き装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 左右に隣り合うリンク部材(27)(28)は、それぞれ、幅方向へ所定の間隔をあけて配置された2つの側壁(31,32)及び(41,42)を有する。各側壁(31,32)(41,42)は、上記側壁の右端の下部から幅方向の外側へ一体に突出され支持ピン(36)(46)と、上記側壁の左端の下部から幅方向の外側へ一体に突出されたスライド筒(37)(47)とを備える。支持ピン(36)(46)の外周部に案内面(51)(61)と支持面(52)(62)とが形成される。右側のリンク部材(28)のスライド筒(47)の筒壁(48)には、左側のリンク部材(27)の案内面(51)に外嵌めされる被案内孔(65)が半径方向へ貫通されると共に、左側のリンク部材(27)の支持面(52)に軸心回りに揺動可能に外嵌めされる被支持孔(66)が形成される。
【選択図】図3
Description
隣り合う2つのリンク部材のうちの一方のリンク部材では、その左側壁の前後の2箇所に左外方へ突出する左ピンが挿通され、各左ピンの大径部が溶接で左側壁に固定される。また、右側壁の前後の2箇所に右被支持孔が貫通される。他方のリンク部材では、その右側壁の前後の2箇所に右外方へ突出する右ピンが挿通され、各右ピンの大径部が溶接で右側壁に固定される。また、左側壁の前後の2箇所に左被支持孔が貫通される。
上記2つのリンク部材同士を連結するときには、他方のリンク部材の右ピンを一方のリンク部材の右被支持孔に嵌入するとともに、その他方のリンク部材の左被支持孔を上記の一方のリンク部材の左ピンに外嵌する。これにより、2つのリンク部材の左側壁同士が左ピンによって揺動自在に連結されるとともに、右側壁同士が右ピンによって揺動自在に連結される。上記の左右のピンにそれぞれ左右のローラが回転自在に支持され、そのローラが止め輪等によって抜け止めされる。
各リンク部材は、部品点数が多いうえピンの溶接作業が要請されるので、製作コストが高い。また、隣り合うリンク部材を組み立てる際には、2つのピンと2つの被支持孔とを嵌合させる必要があるうえローラの装着および抜け止めが必要となるので、その組み立て作業にも手間がかかる。
本発明の目的は、製作コストが安価で組立て作業が容易なリンク部材を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記リンク部材を利用した押引きチェーンを提供すると共に、その押引きチェーンを利用した押引き装置を提供することにある。
隣り合うリンク部材27,28のうちの長手方向の基端側のリンク部材27と先端側のリンク部材28とが当該リンク部材27,28の底側へ相対揺動可能に支持されるように構成される。前記の隣り合うリンク部材27,28は、それぞれ、幅方向へ所定の間隔をあけて配置された2つの側壁31,32及び41,42を有する。前記の各側壁31,32及び41,42は、それぞれ、支持ピン36,46とスライド筒37,47とを備える。前記支持ピン36,46は、各側壁31,32及び41,42の前記長手方向の先端側の底部から前記幅方向の外側へそれぞれ一体に突出され、その外周部に少なくとも一つの案内面51,61及び支持面52,62が形成される。また、前記スライド筒37,47は、各側壁31,32及び41,42の前記長手方向の基端側の底部から前記幅方向の外側へそれぞれ一体に突出された筒壁38,48を有する。先端側のリンク部材28の前記筒壁48には、基端側のリンク部材27の前記案内面51に外嵌めされる被案内孔65が半径方向へ貫通される。また、前記先端側のリンク部材28の前記筒壁48の内周には、基端側のリンク部材27の前記支持面52に軸心回りに揺動可能に外嵌めされる被支持孔66が形成される。前記の基端側のリンク部材27の支持面52に対して前記の先端側のリンク部材28の被支持孔66が前記底側への所定揺動角度の範囲内で抜け止め可能に支持される。
各リンク部材は、一体に形成されるので部品点数が少ないうえ、前記従来技術の溶接作業が不要になるので、製作コストが大幅に安くなる。また、隣り合うリンク部材を組み立てる際には、基端側のリンク部材の支持ピンと先端側のリンク部材のスライド筒とを嵌合させて相対的に揺動させるだけでよいので、その組立て作業に手間がかからない。
隣り合うリンク部材27,28のうちの長手方向の基端側のリンク部材27と先端側のリンク部材28とが当該リンク部材27,28の底側へ相対揺動可能に支持されるように構成される。前記の隣り合うリンク部材27,28は、それぞれ、幅方向へ所定の間隔をあけて配置された2つの側壁31,32及び41,42を有する。前記の基端側のリンク部材27の各側壁31,32は、それぞれ、2つの支持ピン36,36を備える。その支持ピン36は、前記側壁31,32の前記長手方向の基端側の底部および先端側の底部から前記幅方向の外側へそれぞれ一体に突出され、その外周部に少なくとも一つの案内面51及び支持面52が形成される。また、前記の先端側のリンク部材28の各側壁41,42は、それぞれ、2つのスライド筒47,47を備える。そのスライド筒47は、前記側壁41,42の前記長手方向の基端側の底部および先端側の底部から前記幅方向の外側へそれぞれ一体に突出された筒壁48を有する。前記筒壁48には、基端側のリンク部材27の前記案内面51に外嵌めされる被案内孔65が半径方向へ貫通される。また、前記筒壁48の内周には、基端側のリンク部材27の前記支持面52に軸心回りに揺動可能に外嵌めされる被支持孔66が形成される。前記の基端側のリンク部材27の支持面52に対して前記の先端側のリンク部材28の被支持孔66が前記底側への所定揺動角度の範囲内で抜け止め可能に支持される。
前記の隣り合うリンク部材27,28のうちの前記基端側のリンク部材27の前記2つの側壁31,32を少なくとも頂壁33によって連結すると共に、前記先端側のリンク部材28の前記2つの側壁41,42を少なくとも底壁44によって連結した。
これにより、上記リンク部材の内部空間に油圧ホースや電気ケーブル等の可撓性の長尺物を収容できる。
逆U字状に配置した押引きチェーン21で囲まれた空間にスプロケット19を装着して、そのスプロケット19を、前記リンク部材27又は28の前記スライド筒37又は47の前記筒壁38又は48の外周面に係合させる。前記の押引きチェーン21の長手方向の基端部を固定側に連結すると共に、その長手方向の先端部に搬送物3を連結する。駆動手段14によって前記スプロケット19を介して前記押引きチェーン21を長手方向へ進出および後退させる。
上記構成によれば、簡素かつコンパクトな構造の押引き装置を提供できる。
まず、その押引き装置の構造を図1によって説明する。
上記スライド2の下部には、左右方向へ延びるT溝5が紙面に垂直な方向へ所定の間隔をあけて形成される。上記クランプ3を移動させる押引き装置6は、上記の各T溝5に対応して上記スライド2の下部に取付けられる。その押引き装置6の取付けブロック7には、上記T溝5に連通する別のT溝8が形成される。上記2つのT溝5・8にクランプ3のT脚9が左右方向へ移動可能に嵌入される。
図4Aから図4D(及び図3)に示すように、押引きチェーン21は、複数のリンク部材27,28を長手方向に連結して構成されると共に、片折れ式に構成されている。より詳しくいえば、隣り合うリンク部材27,28のうちの長手方向の基端側(図中の左側)のリンク部材27に対して、先端側(図中の右側)のリンク部材28が、そのリンク部材28の下側(底側)へ揺動可能で上側へは揺動不能に支持される。
また同様に、前記の先端側のリンク部材28は、一側壁としての左側壁41と他側壁としての右側壁42とを有する。これら2つの側壁41,42が、幅方向へ所定の間隔をあけて配置されると共に底壁44によって連結される。その底壁44はV字状に形成されている(図2Dを参照)。
図2Cに示すように、上記リンク部材27,28の内部空間に前記油圧ホース12や電気ケーブル13が収容可能とされている。
なお、上記図2Cと図2Dは、それぞれ、図2A中の2C−2C線と2D−2D線の矢視図であるが、これらの図に、図1のT溝5を上下逆にした状態で仮想の二点鎖線で示してある。
上記リンク部材27の案内面51は、図4Aに示すように斜め下向き傾斜される。換言すれば、その案内面51は、リンク部材27の下側(底側)への揺動方向に傾斜されている。その傾斜角度α(アルファ)は、ここでは約19度に設定されている。
さらに、そのリンク部材28において、前記スライド筒47が次のように構成されている。基端側(図3中の左側)のリンク部材27の前記案内面51,51に外嵌めされる被案内孔65が、前記筒壁48に半径方向へ貫通される。その被案内孔65は、主として図2Aに示すように、下側(底側)に開口されている。また、基端側のリンク部材27の前記支持面52,52に軸心回りに揺動可能に外嵌めされる被支持孔66が前記筒壁48の内周に形成される。
図4Aに示す組み立て開始時には、まず、基端側(左側)のリンク部材27に対して先端側(右側)のリンク部材28が水平面から時計回りの方向へ約109度(前記傾斜角度αとしての19度と90度との合計の角度)だけ揺動された姿勢で配置される。
次いで、図4Bに示すように、先端側(右側)のリンク部材28を左上方へ移動させて、そのリンク部材28の前記被案内孔65を基端側(左側)のリンク部材27の前記案内面51に外嵌めすると共に、上記リンク部材28の前記被支持孔66をリンク部材27の前記支持面52に外嵌めする。
引き続いて、図4Cに示すように、基端側(左側)のリンク部材27に対して先端側(右側)のリンク部材28を反時計回りの方向へ揺動させていく。
すると、図4Dに示すように、基端側(左側)のリンク部材27の前記側壁31(32)の先端面としての右面31a(32a)に、先端側(右側)のリンク部材28の前記側壁41(42)の基端面としての左面41a(42a)が接当される。これにより、複数のリンク部材27,28が水平方向へ直線状に配置される。
また、基端側のリンク部材27の前記支持面52と先端側のリンク部材28の前記被支持孔66との間に十分な係合面積を確保するため、図4Cに示すように、基端側のリンク部材27に対して先端側のリンク部材28が揺動することが許容される最大角度β(ベータ)を、前記傾斜角度α(アルファ)の約2倍の値(ここでは約38度)に設定してある。これにより、押引きチェーン21は、円滑に進退可能で寿命も長くなる。
基端側のリンク部材27においては、左側壁31の先端側(図5中の右側)の底部および基端側(図5中の左側)の底部から支持ピン36,36が幅方向の外側へ一体に突出されると共に、右側壁32の先端側の底部および基端側の底部から上記と同様の支持ピン(図示せず)が幅方向の外側へ一体に突出される。
また、先端側のリンク部材28(図5の右部分を参照)においては、左側壁41の先端側(下側)の底部および基端側(上側)の底部からスライド筒47,47の筒壁48,48が幅方向の外側へ一体に突出されると共に、右側壁42の先端側の底部および基端側の底部からも上記と同様の筒壁(図示せず)が幅方向の外側へ一体に突出される。
即ち、まず、基端側(図5中の左側)のリンク部材27に対して先端側(右側)のリンク部材28が水平面から時計回りの方向へ揺動された姿勢で配置される。次いで、上記のリンク部材28を図5中の一点鎖線に沿って左上方へ移動させて、そのリンク部材28の前記被案内孔65を上記リンク部材27の前記案内面51に外嵌めすると共に、上記リンク部材28の前記被支持孔66をリンク部材27の前記支持面52に外嵌めする。引き続いて、リンク部材27に対してリンク部材28を反時計回りの方向へ揺動させていく。すると、上記リンク部材27の前記側壁31(32)の右面31a(32a)に、上記リンク部材28の前記側壁41(42)の左面41a(42a)が接当される。これにより、複数のリンク部材27,28が水平方向へ直線状に配置される。
各リンク部材27,28は、一体に形成されるので部品点数が少ないうえ、前記従来技術の溶接作業が不要になるので、製作コストが大幅に安くなる。また、隣り合うリンク部材27,28を組み立てる際には、基端側のリンク部材27の支持ピン36に先端側のリンク部材28のスライド筒47を外嵌めさせて相対的に揺動させるだけでよいので、その組立て作業に手間がかからない。
前記の各リンク部材27,28は、自己潤滑性の合成樹脂に代えて、他の種類の合成樹脂や金属などで形成してもよい。
前記の基端側のリンク部材27の支持ピン36に対して先端側のリンク部材28のスライド筒47を嵌合させることに代えて、先端側のリンク部材28のスライド筒47に対して基端側のリンク部材27の支持ピン36を嵌合させてもよい。
前記支持ピン36(46)の前記2つの案内面51,51(61,61)は、平行に形成することに代えて、先細りに形成してもよい。また、その支持ピン36(46)の案内面51(61)と支持面52(62)とは、それぞれ、2つ形成することに代えて、1つ又は3つ以上形成することも可能である。
また、第1実施形態において、前記隣り合うリンク部材27,28の両者は、異なる形状で構成したが、これに代えて、同じ形状で構成してもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
Claims (8)
- 隣り合うリンク部材(27)(28)のうちの長手方向の基端側のリンク部材(27)と先端側のリンク部材(28)とが当該リンク部材(27)(28)の底側へ相対揺動可能に支持されるように構成した押引きチェーンに使用するリンク部材であって、
前記の隣り合うリンク部材(27)(28)は、それぞれ、幅方向へ所定の間隔をあけて配置された2つの側壁(31,32)(41,42)を有し、
前記の各側壁(31,32)(41,42)は、
当該側壁の前記長手方向の先端側の底部から前記幅方向の外側へそれぞれ一体に突出された支持ピン(36)(46)であって、その外周部に少なくとも一つの案内面(51)(61)及び支持面(52)(62)が形成された支持ピン(36)(46)と、
当該側壁の前記長手方向の基端側の底部から前記幅方向の外側へそれぞれ一体に突出された筒壁(38)(48)を有するスライド筒(37)(47)であって、基端側のリンク部材(27)の前記案内面(51)に外嵌めされるように先端側のリンク部材(28)の前記筒壁(48)に半径方向へ貫通された被案内孔(65)と、基端側のリンク部材(27)の前記支持面(52)に軸心回りに揺動可能に外嵌めされるように先端側のリンク部材(28)の前記筒壁(48)の内周に形成された被支持孔(66)とを有するスライド筒(37)(47)と、
を備え、
基端側のリンク部材(27)の前記支持面(52)に対して先端側のリンク部材(28)の前記被支持孔(66)が前記底側への所定揺動角度の範囲内で抜け止め可能に支持されるように構成した、
ことを特徴とする押引きチェーン用リンク部材。 - 隣り合うリンク部材(27)(28)のうちの長手方向の基端側のリンク部材(27)と先端側のリンク部材(28)とが当該リンク部材(27)(28)の底側へ相対揺動可能に支持されるように構成した押引きチェーンに使用するリンク部材であって、
前記の隣り合うリンク部材(27)(28)は、それぞれ、幅方向へ所定の間隔をあけて配置された2つの側壁(31,32)(41,42)を有し、
前記の基端側のリンク部材(27)の前記側壁(31,32)は、当該側壁の前記長手方向の先端側の底部および基端側の底部から前記幅方向の外側へそれぞれ一体に突出された支持ピン(36)であって、その外周部に少なくとも一つの案内面(51)及び支持面(52)が形成された支持ピン(36)を備え、
前記の先端側のリンク部材(28)の前記側壁(41,42)は、当該側壁の前記長手方向の先端側の底部および基端側の底部から前記幅方向の外側へそれぞれ一体に突出された筒壁(48)を有するスライド筒(47)であって、基端側のリンク部材(27)の前記案内面(51)に外嵌めされるように前記筒壁(48)に半径方向へ貫通された被案内孔(65)と、基端側のリンク部材(27)の前記支持面(52)に軸心回りに揺動可能に外嵌めされるように前記筒壁(48)の内周に形成された被支持孔(66)とを有するスライド筒(47)を備え、
基端側のリンク部材(27)の前記支持面(52)に対して先端側のリンク部材(28)の前記被支持孔(66)が前記底側への所定揺動角度の範囲内で抜け止め可能に支持されるように構成した、
ことを特徴とする押引きチェーン用リンク部材。 - 請求項1又は2の押引きチェーン用リンク部材において、
前記案内面(51)又は(61)を半径方向で向かい合うように2つ設けた、ことを特徴とする押引きチェーン用リンク部材。 - 請求項3の押引きチェーン用リンク部材において、
前記2つの案内面(51,51)又は(61,61)を平行に配置した、ことを特徴とする押引きチェーン用リンク部材。 - 請求項1から4のいずれかの押引きチェーン用リンク部材において、
前記リンク部材(27)(28)の前記底側への揺動方向における前記案内面(51)又は(61)の傾斜角度(α)を0度から30度の範囲内に設定し、前記被案内孔(55)又は(65)を前記底側へ向かうように開口させた、ことを特徴とする押引きチェーン用リンク部材。 - 請求項5の押引きチェーン用リンク部材において、
前記の傾斜角度(α)を15度から25度の範囲内に設定した、ことを特徴とする押引きチェーン用リンク部材。 - 請求項1から6のいずれかのリンク部材を利用した押引きチェーンであって、
前記の隣り合うリンク部材(27)(28)のうちの前記基端側のリンク部材(27)の前記2つの側壁(31)(32)を少なくとも頂壁(33)によって連結すると共に、前記先端側のリンク部材(28)の前記2つの側壁を(41)(42)を少なくとも底壁(44)によって連結した、
ことを特徴とする押引きチェーン。 - 請求項7の押引きチェーンを利用した押引き装置であって、
逆U字状に配置した押引きチェーン(21)で囲まれた空間にスプロケット(19)を装着して、そのスプロケット(19)を、前記リンク部材(27)又は(28)の前記スライド筒(37)又は(47)の前記筒壁(38)又は(48)の外周面に係合させ、
前記の押引きチェーン(21)の長手方向の基端部を固定側に連結すると共に、その長手方向の先端部に搬送物(3)を連結し、
駆動手段(14)によって前記スプロケット(19)を介して前記押引きチェーン(21)を長手方向へ進出および後退させるように構成した、
ことを特徴とする押引き装置。
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