JP2016112228A - 歯装飾用の装飾体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 必要に応じて、1本または複数本の被装飾歯を装飾したり、1本または複数本の被装飾歯とその根元の歯肉とを一緒に装飾したりして、自由に、被装飾歯の審美性を改善したり、被装飾歯にデザイン性を付与したりすることができ、しかも、使用者本人が手軽に脱着することができる歯装飾用の装飾体を提供する。【解決手段】 歯装飾用の装飾体1は、被装飾歯(天然歯20)の表面に装着される装飾歯10と、被装飾歯10の表面に固定可能な係止片14とを備える。装飾歯10及び係止片14の少なくとも一方が磁性を有する。装着時には、係止片14が被装飾歯の表面に固定されると共に、装飾歯10の裏面が係止片14を覆うように前記被装飾歯の表面に対向して密接せしめられ、装飾歯10は、係止片14との間に作用する磁気吸引力によって前記被装飾歯に係止される。【選択図】 図3

Description

本発明は、歯装飾用の装飾体に関し、さらに言えば、被装飾歯(天然歯または人工歯)の審美性(例えば前歯の歯並びの審美性)を改善したり、被装飾歯にデザイン性を付与したりすることができ、しかも、使用者本人が手軽に脱着することが可能な、歯装飾用の装飾体に関する。
天然歯(以下、歯ともいう)を人工的に装飾することで歯の審美性を改善する手法、具体的に言うと、歯の外観・見栄えを改善したり、歯に装飾を施したりする手法は、以前から提案されてきている。例えば、歯の内部に宝石等の宝飾品を埋め込む方法や、装飾体を歯の表面に固着する方法、歯に形成したリンプルを利用して装飾体を歯の表面に取り外し可能に装着する方法等がある。
宝飾品を歯に埋め込む上記第1の手法では、埋め込む際に専門家による施術が必要であるし、いったん埋め込まれた宝飾品の取り外しは容易でない。したがって、この手法は、長期にわたって宝飾品を使用することが前提になっている。
装飾体を歯の表面に固着する上記第2の方法では、いったん固着してしまうと装飾体の取り外しは容易でない。したがって、この手法も、長期にわたって宝飾品を使用することが前提になっている。また、装飾体を固着する際には、やはり、上記第1の手法のような専門家の施術が必要である。使用者本人が接着するようにできなくはないが、位置がずれて接着されてしまったり、接着剤を誤って取り扱ったりするリスクがある。さらに、使用する接着剤の属性にも注意が必要である。人体に毒性がないことは最低限の要件であるが、所望の接着力を保持しながら、接着作業に要する技術が高度でなく、あまり手間もかからないものでなければならない。このような条件を満たす接着剤を選定ないし製作するのは容易ではない。
歯に形成したリンプルを利用する上記第3の手法では、装飾体の脱着が可能であるから、上記第1の方法や上記第2の方法のように、長期使用が前提になることはない。しかし、リンプルの形成作業は専門家によらなければならないし、装飾体を外した時にリンプルが露呈するから、審美性を損なってしまう、という難点がある。
リンプルを利用せずに装飾体を歯の表面に取り外し可能に装着する関連技術としては、例えば、特許文献1(特開2007−125113号公報)と特許文献2(特許第5243649号公報)に開示されたものがある。
特許文献1には、口腔内の左右小臼歯間に存在する複数の歯および歯肉の前面を被化粧部位として、硬質樹脂をU字バンド状に曲成することで前記被化粧部位を被覆可能に形成すると共に、その表面は所望する歯列および歯肉の表面形状とする一方、裏面は前記被化粧部位と密着可能な凹凸形状とし、硬質樹脂の可撓性により前記裏面を少なくとも歯頚および歯間と凹凸係合させて前記被化粧部位に脱着可能に装着することを特徴とした化粧歯が開示されている。前記被化粧部位の「歯」には、天然歯と人工歯(義歯)の双方を含む。
特許文献1の化粧歯では、硬質樹脂の可撓性がもたらす適度な締付感によって、被覆する歯や歯肉の前面に対してその凹凸形状を圧接状態に密着できるため、適合性に優れる。さらに、裏面は被化粧部位の少なくとも歯頚および歯間と凹凸係合するといったように、複雑で立体的な凹凸係合が実現されるため、化粧歯をぐらつきや不用意な脱落がない状態で被化粧部位に装着することができる。また、締付感に抗してU字が若干拡開するように化粧歯を撓ませることで、前記凹凸係合が解除され、化粧歯を口腔内から取り外すことができる、とされている(請求項1、段落0021〜0025、図1〜図3参照)。
特許文献2には、被装飾歯の表面を装飾する飾歯と、前記被装飾歯の根元の歯肉の表面に接着される飾歯肉とを備え、前記飾歯の根元側が前記飾歯肉と連結していて、前記飾歯の先端側には、前記歯肉の表面に前記飾歯肉の裏面が接着されたときに、前記被装飾歯の頂部を覆う突起部が設けられていて、前記歯肉の表面に前記飾歯肉の裏面が接着されたときに、前記飾歯の裏面の一部は前記被装飾歯の表面に接触しないことを特徴とする装飾歯が開示されている。前記飾歯の裏面と前記飾歯肉の裏面との連結部には、前記歯肉の表面に前記飾歯肉の裏面が接着されたときに、前記被装飾歯の歯頚部に契合する係合部が設けられる。
特許文献2の装飾歯は、装着時には、前記突起部は前記被装飾歯の頂部に係合し、前記係合部は前記被装飾歯の歯頚部に係合するため、接着された装着歯は取れにくく、唇によって押圧されても落下しにくい、とされている(請求項1、段落0009〜0011、0053〜0057、図1〜図12参照)。
特開2007−125113号公報 特許第5243649号公報
しかし、上述した特許文献1の化粧歯では、硬質樹脂の可撓性がもたらす適度な締付感によって、被覆する歯や歯肉の前面に対してその凹凸形状を圧接状態に密着できるようにし、また、締付感に抗してU字が若干拡開するように化粧歯を撓ませることで、前記凹凸係合が解除され、化粧歯を口腔内から取り外せるようにしている。このため、特許文献1の化粧歯は、硬質樹脂をU字バンド状に曲成することによって形成することが必須である、換言すれば、隣接する4本程度以上の歯を覆う形状にする必要がある。したがって、化粧歯の形状が限定されてしまうという難点がある。つまり、1本や2本の歯だけを覆う形状にはできないということである。
また、この化粧歯は、硬質樹脂の可撓性がもたらす適度な締付感によって、被覆する歯や歯肉の前面に装着されるだけであるから、唇が当たったりすることで使用中に外れてしまう恐れもある。
上述した特許文献2の装飾歯は、被装飾歯を覆う飾歯と、被装飾歯の根元の歯肉を覆う飾歯肉とを有していて、主として、飾歯肉を被装飾歯の根元の歯肉の表面に接着することで固定するようになっているため、常に飾歯と飾歯肉とを組み合わせて製造しなければならないという難点がある。
また、この装飾歯は、被装飾歯の表面ではなく、被装飾歯の根元の歯肉の表面に、義歯の装着に用いる安定剤等によって接着されるだけであるため、特許文献1の化粧歯と同様に、使用中に外れてしまう恐れもある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、必要に応じて、1本または複数本の被装飾歯を装飾したり、1本または複数本の被装飾歯とその根元の歯肉とを一緒に装飾したりして、自由に、被装飾歯の審美性を改善したり、被装飾歯にデザイン性を付与したりすることができ、しかも、使用者本人が手軽に脱着することができる歯装飾用の装飾体を提供することにある。
本発明の他の目的は、使用中に被装飾歯から外れる恐れがきわめて少ない歯装飾用の装飾体を提供することである。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかである。
(1) 本発明の歯装飾用の装飾体は、
被装飾歯の表面に装着される装飾歯と、
前記被装飾歯の表面に固定可能な係止片とを備え、
前記装飾歯及び前記係止片の少なくとも一方が磁性を有しており、
装着時には、前記係止片が前記被装飾歯の表面に固定されると共に、前記装飾歯の裏面が前記係止片を覆うように前記被装飾歯の表面に対向して密接せしめられ、
前記装飾歯は、前記係止片との間に作用する磁気吸引力によって前記被装飾歯に係止されることを特徴とするものである。
本発明の歯装飾用の装飾体では、以上の構成を有しているので、前記装飾歯は、前記被装飾歯の表面に固定された前記係止片との間に作用する磁気吸引力によって、前記被装飾歯に係止される。このため、前記係止片が前記被装飾歯の表面に固定された後は、当該装飾体を使用者本人が手軽に脱着することができる。
また、前記装飾歯は、前記係止片との間に作用する磁気吸引力によって前記被装飾歯に係止されるので、前記装飾歯の数は任意であり、1本でも複数本でもよい。歯肉の表面を覆うように形成することも不要である。このため、必要に応じて、1本または複数本の被装飾歯のみを装飾したり、1本または複数本の被装飾歯とその根元の歯肉とを一緒に装飾したりして、自由に、被装飾歯の審美性を改善したり、被装飾歯にデザイン性を付与したりすることができ、しかも、使用者本人が手軽に脱着することができる。
さらに、前記装飾歯は、前記係止片との間に作用する磁気吸引力によって前記被装飾歯に係止されるので、当該磁気吸引力の強さを適切に設定することにより、食事等において唇や舌が当たったりすることで使用中に前記被装飾歯から外れる恐れをほぼなくすことができる。つまり、使用中に前記被装飾歯から外れる恐れをきわめて少なくすることができる。
本発明において「被装飾歯」とは、天然歯だけでなく、インプラント等で固定された人工歯(義歯)も含む。
本発明において「係止片」とは、前記被装飾歯の表面に固定可能であり、且つ、前記装飾歯の裏面を前記係止片を覆うように前記被装飾歯の表面に対向させた時に支障が生じず、さらに、前記装飾歯との間に磁気吸引力を生じさせ得るものであれば、任意の部材が使用可能である。
本発明の歯装飾用の装飾体の好ましい例では、前記装飾歯が、磁性材料または磁性粉末を混入させた材料で形成されると共に、所定方向に磁化される。
本発明の歯装飾用の装飾体の他の好ましい例では、前記係止片が、磁性材料で形成されると共に、所定方向に磁化される。
本発明の歯装飾用の装飾体のさらに他の好ましい例では、前記装飾歯が、磁性材料または磁性粉末を混入させた材料で形成されると共に、所定方向に磁化され、前記係止片が、磁性材料で形成されると共に、所定方向に磁化される。
本発明の歯装飾用の装飾体のさらに他の好ましい例では、前記装飾歯が、前記被装飾歯の基端部に係合可能な形状を持つ係合部を備える。
本発明の歯装飾用の装飾体のさらに他の好ましい例では、前記装飾歯が、前記被装飾歯の基端部及び先端部にそれぞれ係合可能な形状を持つ第1係合部及び第2係合部を備える。
本発明の歯装飾用の装飾体のさらに他の好ましい例では、前記装飾歯が複数本、前記被装飾歯の歯列に沿って連続して形成される。
本発明の歯装飾用の装飾体のさらに他の好ましい例では、前記係止片が、前記被装飾歯の表面とほぼ同じ色とされる。
本発明の歯装飾用の装飾体によれば、(a)必要に応じて、1本または複数本の被装飾歯を装飾したり、1本または複数本の被装飾歯とその根元の歯肉とを一緒に装飾したりして、自由に、被装飾歯の審美性を改善したり、被装飾歯にデザイン性を付与したりすることができ、しかも、使用者本人が手軽に脱着することができる、(b)使用中に被装飾歯から外れる恐れがきわめて少ない、という効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係る歯装飾用の装飾体の全体構成を示す正面図で、上顎の8本の天然歯列の表面に装着された状態を示している。 本発明の第1実施形態に係る歯装飾用の装飾体の全体構成を示す下面図で、上顎の8本の天然歯列の表面に装着された状態を示している。 本発明の第1実施形態に係る歯装飾用の装飾体の、被装飾歯への装着(係止)状態を詳細に示す部分拡大図である。 本発明の第1実施形態に係る歯装飾用の装飾体が装着される天然歯列(被装飾歯の歯列)の全体構成を示す正面図であり、天然歯の表面に係止片が固定された状態を示している。 図4に示された天然歯列(被装飾歯の歯列)への係止片の固定状態を詳細に示す部分拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る歯装飾用の装飾体の、被装飾歯への装着(係止)状態を詳細に示す部分拡大図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る歯装飾用の装飾体1の全体構成を図1及び図2に示し、その詳細構成を図3に示す。この装飾体1は、人の上顎の天然歯列2を構成する天然歯20の前歯部分に装着され、その審美性を改善したり、天然歯20の前歯部分にデザイン性を付与したりするものである。
上顎の天然歯列2は、図2に示すように、左右対称に配置された合計16本の天然歯20からなっている。隣接する天然歯20の間には、隙間23(図4を参照)があいている。天然歯列2の前面中央部には、2本の中切歯20aが配置されており、各々の中切歯20aの内側(奥側)には、それに隣接して側切歯20bが配置されている。各々の側切歯20bの内側(奥側)には、それに隣接して犬歯20cが配置されている。各々の犬歯20cの内側(奥側)には、それに隣接して第1小臼歯20dが配置されている。各々の第1小臼歯20dの内側(奥側)には、それに隣接して第2小臼歯20eが配置されている。各々の第2小臼歯20eの内側(奥側)には、それに隣接して第1大臼歯20fが配置されている。各々の第1大臼歯20fの内側(奥側)には、それに隣接して第2大臼歯20gが配置されている。各々の第2大臼歯20gの内側(奥側)には、それに隣接して第3大臼歯20hが配置されている。
本実施形態の装飾体1は、図1〜図3に示すように、2本の中切歯20aをそれぞれ装飾する2本の装飾歯10と、2本の側切歯20bをそれぞれ装飾する2本の装飾歯10と、2本の犬歯20cをそれぞれ装飾する2本の2本の装飾歯10と、2本の第1小臼歯20dをそれぞれ装飾する2本の装飾歯10とを備えている。したがって、装飾体1に含まれる装飾歯10の総数は8本である。相互に隣接する2本の装飾歯10の間には、連結部11が形成されており、8本の装飾歯10はそれら7個の連結部11によって相互に連結され一体化されている。8本の装飾歯10の色は、ここでは、健康な天然歯の色と同一にされているが、これに限定されるわけではない。必要に応じて、健康な天然歯の色とは異なる色にしても良いことは言うまでもない。
装飾体1の各装飾歯10の詳細構成を、中切歯20aに装着される装飾歯10を例にとって説明すると、次のとおりである。
中切歯20aは、図3に示すように、歯頚部30の内部に埋め込まれた歯根20aaをその根元に有しており、歯根20aa以外の部分が歯頚部30から下方に向かって突出している。中切歯20a用の装飾歯10は、図1より分かるように、中切歯20aの歯頚部30から突出して歯頚部30より露出している部分(以下、露出部という)の表面側の露出面全体を覆う形状を有している。歯根20aaは全体が歯頚部30の内部に埋没しているから、装飾歯10aは中切歯20aの歯根20aa以外の部分(つまり露出部)の表面側の露出面の全体を覆っている、と言うこともできる。
装飾歯10の歯頚部30との境界部の近傍、換言すれば、装飾歯10の根元付近には、中切歯20aの露出部と歯頚部30との境界部近傍の外面に係合可能な形状を持つ第1係合部21が形成されている。第1係合部21は、中切歯20aの境界部の湾曲した外面に整合した湾曲形状をもち、その外面に密着した状態でしっかりと係合されている。
装飾歯10の先端には、中切歯20aの先端部に係合可能な形状を持つ第2係合部22が形成されている。第2係合部22は、中切歯20aの(露出部の)先端部の湾曲した外面に整合した湾曲形状をもち、その外面に密着した状態で係合されている。図3に示すように、第2係合部22は、中切歯20aの先端部より少しだけ内側に入り込んでいて、中切歯20aの先端部に係止されている。このため、装飾歯10は、第1係合部12と第2係合部13の2箇所で中切歯20a(の露出部)をその両側から挟み込む形で、しっかりと係合されている。
中切歯20a用の装飾歯10について述べた上記構成は、中切歯20a以外の7本の天然歯20用の装飾歯10についても同様である。
本実施形態の装飾体1は、合計8本の装飾歯10を一列に連結して構成されていると共に、天然歯列20の8本の前歯部分に沿って湾曲せしめられた形状を持っている。このような構成及び形状を有する装飾体1は、硬質の合成樹脂、具体的にはPMMA(polymethyl methacrylate)からなる素材から形成されており、その素材中にはネオジム磁石粉末が分散・配合されている。そして、それらネオジム磁石粉末は、公知の方法で所定の方向に磁化されている。したがって、装飾体1は磁性を有しており、天然歯列20の表面に固定される係止片14(詳細は後述する)との間で磁気吸引力を生じさせることができる。
つまり、装飾体1は、各装飾歯10の第1係合部12及び第2係合部13を、対応する天然歯20の第1係合部22及び第2係合部23にそれぞれ係合させることで、機械的に接続(係止)されており、それと同時に、係止片片14との間に生じる磁気吸引力によっても接続(保持)されるから、装飾体1の天然歯列20への装着強度が大幅に向上するという利点がある。
装飾体1は、例えば、ネオジム磁石粉末が分散・配合されたPMMAを素材とし、例えば、成形型を用いた熱成形により形成されることができる。しかし、この方法に限定されるわけではない。例えば、ネオジム磁石粉末が分散・配合されたPMMAディスクをCAD/CAMを用いて機械加工することによっても製作可能であるし、3Dプリンターによっても製作可能である。また、素材も、ネオジム磁石粉末が分散・配合されたPMMAに限定されるわけではなく、同様の合成樹脂も使用可能である。磁石粉末についても同様であり、ネオジム磁石粉末以外の磁石粉末も使用可能であるし、PMMA以外の材料も使用可能である。何らかの形で、装飾体1に磁性を付与できるものであればよい。
図4及び図5は、天然歯20の前歯の表面の装飾歯10との重なり領域に、複数の係止片14が固定された状態を示す。
本実施形態では、係止片14は矩形状とされており、その大きさは例えば2mm×3mm程度とされ、その厚さは例えば0.5mm程度とされている。係止片14は合計4枚使用されており、2枚は2本の中切歯20aの表面にそれぞれ固定され、他の2枚は2本の犬歯20cの表面にそれぞれ固定されている。係止片14は、ここでは、白色磁性ステンレスシートの小片から形成されている。白色としているのは、天然歯20と同色とすることで、装飾歯10を天然歯20から外した時にも、係止片14の存在が目立たないようにするためである。なお、係止片14の大きさは任意であるが、1つの天然歯20の表面領域の範囲内に収まる大きさとするのが好ましい。
係止片14の天然歯20への固定は、公知のセメントを用いて行われる。換言すれば、係止片14は天然歯20の表面にセメンティングされる。ここで使用されるセメントとしては、例えば、矯正用ブラケット固定用のCR系レジンセメント、またはPMMA系レジンセメントが、好適に使用できる。しかし、これらに限定されず、係止片14を天然歯20の表面に固定できるものであれば、他の任意の材料が使用可能である。
係止片14に使用する白色磁性ステンレスシートとしては、例えば、SUSXM27、SUS430、SUS447J、SUS444(AUM20)のいずれかとするのが好ましい。これらは、装飾体1が持つ磁性に応じて磁化しやすく、所望の磁気吸引力を得やすいからである。しかし、これに限定されるわけではなく、装飾歯10が持つ磁性に応じて容易に磁化するものであれば、他の材料も使用可能である。
係止片14の総数は、装飾体1に含まれる装飾歯の本数に応じて決められる。例えば、本実施形態では、装飾歯の総数が6であるから、係止片14の総数を4個としているが、3個あるいはそれより少なくしてもよい。
なお、装飾歯20の装着時には、係止片14の存在により、天然歯20の表面と装飾歯20の裏面の間には、係止片14の厚さ(例えば0.5mm)にほぼ相当する大きさの隙間が生じるが、図3ではその隙間は省略されている。しかし、係止片14の厚さを十分小さくしていること、そして、各装飾歯10の第1係合部12と第2係合部13が対応する天然歯20(被装飾歯)の第1係合部21と第2係合部22にそれぞれ係止されることで、その隙間が各装飾歯10の先端側と基端側で塞がれていることから、その隙間によって何ら支障は生じない。
次に、以上述べたような構成を持つ本発明の第1実施形態に係る歯装飾用の装飾体1の製作方法と使用方法について説明する。
まず、公知の方法により使用者の上顎の歯形を印象採得し、それに基づいて作業模型を製作する。次に、その作業模型をスキャニングして得られたデータに基づき、CAD/CAMを用いて、装飾体1の全体形状をデザインする。その後、そのデザインに沿って、ネオジム磁石粉末が分散・配合されたディスク状のPMMA素材(PMMAブロック)を機械加工し、そのPMMA素材から装飾体1の全体形状を削り出す。最後に、削り出された装飾体1の全体形状を持つPMMA素材を調整・研磨して、装飾体1を製作する。この作業は通常、歯科技工士が行う。
他方、使用者の上顎の装飾体1が装着されるべき8本の前歯の表面の適当な箇所に、図4及び図5に示すように、4枚の係止片14をセメンティングによって固定する。この作業は通常、歯科医師が行う。
その後、係止片14が確実に固定されたことを確認してから、歯科医師または使用者自身が、所定形状に成形された装飾体1を、使用者の上顎の天然歯20にその外側から押し付けるようにすれば、容易に装着できる。このとき、外力を加えて装飾体1を少し撓めることにより、装飾歯10の第1係合部12と第2係合部13を対応する天然歯の第1係合部21と第2係合部22にそれぞれ係合させることができる。すると、装飾体1と係止片14との間に生じる磁気吸引力により、装飾体1は天然歯列2の外面に密着し、その状態で保持される。装飾体1の(装飾歯10の)外面に模様等を描いて装飾を施しておけば、使用者が口を開けるたびにその装飾が外部に露出することになる。したがって、使用者の前歯の審美性だけでなく、必要に応じて前歯のデザイン性も高めることができる。
また、装飾体1を取り外すときは、使用者が、装飾体1をつかんで外側に向けて引っ張ることで、装飾体1と係止片14との間に生じる磁気吸引力に抗して引き離せばよい。装飾体1の表面と裏面を指で挟んで、斜め下方外側に向けて引っ張ると、装飾歯10が少し撓んで、装飾歯10の第1係合部12と第2係合部13が対応する天然歯の第1係合部21と第2係合部22から外れる。その状態で装飾歯10を外側にさらに引っ張ると、使用者自身が装飾体1を簡単に取り外すことができる。装飾体1を再度、装着したいときは、上述したようにして、使用者自身が簡単に装着することができる。
なお、本実施形態の装飾体1の使用時には、以下の点に注意が必要である。すなわち、装飾歯10は、PMMA素材と金属製の係止片14を使用するので、金属アレルギーやレジンアレルギーのある人には使用できない。また、装飾体1と係止片14との間に生じる磁力の磁束密度は、人体の健康に影響が及ばない程度に抑えることが必要である。さらに、装飾体1を使用者自身が着脱可能であるため、天然歯20の歯面の二次齲蝕には、ブラッシングなどでケアする必要がある。
以上述べたように、本発明の第1実施形態に係る歯装飾用の装飾体1では、装飾歯10は、被装飾歯である8本の天然歯20の表面に固定された係止片14との間に作用する磁気吸引力によって、8本の天然歯20(被装飾歯)に係止される。このため、係止片14がそれら天然歯20の表面に固定された後は、当該装飾体1を使用者本人が手軽に脱着することができる。
また、装飾歯10は、係止片14との間に作用する磁気吸引力によって被装飾歯(天然歯20)に係止されるので、装飾歯10の数は任意であり、1本でも複数本でもよい。歯肉の表面を覆うように形成することも不要である。このため、必要に応じて、1本または複数本の被装飾歯(天然歯20)のみを装飾したり、1本または複数本の被装飾歯(天然歯20)とその根元の歯肉とを一緒に装飾したりして、自由に、被装飾歯の審美性を改善したり、被装飾歯にデザイン性を付与したりすることができ、しかも、使用者本人が手軽に脱着することができる。
さらに、装飾歯10は、係止片14との間に作用する磁気吸引力によって被装飾歯(天然歯20)に係止されるので、当該磁気吸引力の強さを適切に設定することにより、食事等において唇や舌が当たったりすることで使用中に被装飾歯(天然歯20)から外れる恐れをほぼなくすことができる。つまり、使用中に被装飾歯(天然歯20)から外れる恐れをきわめて少なくすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本発明の第2実施形態に係る歯装飾用の装飾体1Aの全体構成を図6に示す。この装飾体1Aは、上述した第1実施形態に係る歯装飾用の装飾体1と同様に、上顎の天然歯列2を構成する8本の天然歯20の前歯部分に装着されるものである。
第2実施形態に係る装飾体1Aは、上述した第1実施形態に係る歯装飾用の装飾体1から第2係合部13を除去したものに相当する。したがって、同一の構成については、第1実施形態に係る装飾体1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2実施形態に係る装飾体1Aでは、第2係合部13が除去されているので、図6に示すように、装飾歯10の第1係合部12が、中切歯20a(天然歯20)の基端の第1係合部21に係合するだけである。装飾歯10は、中切歯20a(天然歯20)の先端の第2係合部22には係合しないため、中切歯20a(天然歯20)の先端は装飾歯10によって覆われず、露出したままになる。このため、上述した第1実施形態に係る装飾体1と同じ効果に加えて、上顎と下顎を噛み合わせたときに装飾歯10の第2係合部13が邪魔にならないという効果がある。
なお、上述した第1実施形態と同様に、第2実施形態に係る装飾体1Aでも、天然歯20の表面と装飾歯20の裏面の間に、係止片14の厚さ(例えば0.5mm)にほぼ相当する大きさの隙間が生じるが、係止片14の厚さを十分小さくすること、そして、各装飾歯10の先端が対応する天然歯20(被装飾歯)の第2係合部22に密着するように、係止片14と装飾歯10を形成することで、その隙間を各装飾歯10の先端側で塞ぐようにしている。このため、装飾体1Aの使用中になんら支障は生じない。
(変形例)
上述した二つの実施形態は、本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、係止片14によって装飾歯10を天然歯20に固定する際には、次のように、三つの方法が使用可能である。
(i)装飾歯10を磁性材料または磁性粉末を混入させた材料で形成してから、公知の方法で所定方向に磁化させる一方、係止片14を容易に磁化する材料で形成する。この場合、装飾歯10が持つ磁力によって係止片14が磁化することで、両者の間に磁気吸引力が生じる。これは、上述した第1及び第2の実施形態で使用された方法である。
これ以外に、(ii)係止片14を磁性材料で形成して所定方向の磁化を施しておき、装飾歯10を磁性材料または磁性粉末を混入させた材料で形成してもよい。この場合、係止片14が持つ磁力によって装飾歯10が磁化することで、両者の間に磁気吸引力が生じる。
さらに、上記両者の組み合わせでもよい。つまり、(iii)装飾歯10を磁性材料または磁性粉末を混入させた材料で形成してから所定方向に磁化させる一方、係止片14を容易に磁化する材料で形成してから所定方向に磁化させてもよい。この場合、装飾歯10と係止片14の双方が持つ磁力の方向を整合させることで、装飾歯10と係止片14の双方が持つ磁力によって、両者の間に磁気吸引力が生じる。
さらに、上述した実施形態では、装飾歯10を天然歯列2の上顎の前歯に装着するようにしているが、本発明はこれに限定されない。天然歯列2の下顎の前歯に装着するようにしてもよいし、それ以外の部分に装着するようにしてもよい。装飾歯10の本数も、必要に応じて1本あるいは2本以上に、任意に設定可能である。
1 装飾体
10 装飾歯
11 連結部
12 第1係合部
13 第2係合部
14 係止片
2 天然歯列
20 天然歯
20a 中切歯
20aa 歯根
20b 側切歯
20c 犬歯
20d 第1小臼歯
20e 第2小臼歯
20f 第1大臼歯
20g 第2大臼歯
20h 第3大臼歯
21 第1係合部
22 第2係合部
23 隙間
30 歯頚部

Claims (8)

  1. 被装飾歯の表面に装着される装飾歯と、
    前記被装飾歯の表面に固定可能な係止片とを備え、
    前記装飾歯及び前記係止片の少なくとも一方が磁性を有しており、
    装着時には、前記係止片が前記被装飾歯の表面に固定されると共に、前記装飾歯の裏面が前記係止片を覆うように前記被装飾歯の表面に対向して密接せしめられ、
    前記装飾歯は、前記係止片との間に作用する磁気吸引力によって前記被装飾歯に係止されることを特徴とする歯装飾用の装飾体。
  2. 前記装飾歯が、磁性材料または磁性粉末を混入させた材料で形成されていると共に、所定方向に磁化されている請求項1に記載の歯装飾用の装飾体。
  3. 前記係止片が、磁性材料で形成されていると共に、所定方向に磁化されている請求項1に記載の歯装飾用の装飾体。
  4. 前記装飾歯が、磁性材料または磁性粉末を混入させた材料で形成されていると共に、所定方向に磁化されており、
    前記係止片が、磁性材料で形成されていると共に、所定方向に磁化されている請求項1に記載の歯装飾用の装飾体。
  5. 前記装飾歯が、前記被装飾歯の基端部に係合可能な形状を持つ係合部を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の歯装飾用の装飾体。
  6. 前記装飾歯が、前記被装飾歯の基端部及び先端部にそれぞれ係合可能な形状を持つ第1係合部及び第2係合部を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の歯装飾用の装飾体。
  7. 前記装飾歯が複数本、前記被装飾歯の歯列に沿って連続して形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の歯装飾用の装飾体。
  8. 前記係止片が、前記被装飾歯の表面とほぼ同じ色とされている請求項1〜7のいずれかに記載の歯装飾用の装飾体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102157606B1 (ko) * 2020-03-20 2020-09-18 임재형 치아 장식 장치

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