JP2016110803A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Ryohei Matsuo
良平 松尾
和田 直樹
Naoki Wada
直樹 和田
山田 清司
Seiji Yamada
清司 山田
伸明 荒金
Nobuaki Arakane
伸明 荒金
博紀 駒▲崎▼
Hiroki Komazaki
博紀 駒▲崎▼
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Abstract

【課題】 高級感のあるデザインを施した誘導加熱調理器を提供する。【解決手段】 本体2の上面に被加熱物を載置する可視光領域を透過するガラスよりなるプレート3を配置し、プレート3下方の本体2内に加熱コイル13と、前記被加熱物の温度を検知する温度検知素子21と、加熱コイル13に電力を供給するインバータ72と、温度検知素子21の検知結果に基づいてインバータ72を制御する制御手段74とを備えた誘導加熱調理器において、前記プレート3から前記温度検知素子21の温度検出経路間Aに、可視光を遮光するフィルタ48を設けたものである。【選択図】図10

Description

本発明は、誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器には、ラジエントヒータと誘導加熱コイルの2種類の加熱源を用いてトッププレートに載置された鍋を加熱するものがある。ラジエントヒータはトッププレート自体も高温に加熱するため、トッププレートには耐熱温度の高い結晶化ガラスを採用する必要があった。
特許文献1では、トッププレート下方に設けた赤外線センサの光学フィルタをトッププレートと同じく結晶化ガラスとすることで両者の光学特性を同一にして赤外線センサ温度の測定精度を高めた誘導加熱調理器が開示されている。
特開2009−295456号公報
前述のように、従来の誘導加熱調理器では、結晶化ガラスをトッププレートに使用しているが、可視光領域の透過率が高く(透明度が高く)、かつ、安価な非結晶化ガラスをトッププレートに使用できれば、誘導加熱調理器としても、デザイン性をより高め、価格もより安価にできる。
しかしながら、トッププレートに非結晶化ガラスを使用した場合、特許文献1に倣い、赤外線センサの光学フィルタにも非結晶化ガラスをそのまま使用すると、赤外線センサには、鍋底からの赤外線に加え、外乱となる可視光の入射量も多くなり、赤外線センサの鍋底温度測定精度が悪化するという課題があった。
本発明の誘導加熱調理器は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本体の上面に配置され、可視光領域を透過するガラスよりなるプレートと、該プレートの下方に配置され、前記プレートに載置された被加熱物を加熱する加熱コイルと、前記プレートの下方に配置され、前記被加熱物の温度を検知する温度検知素子と、前記加熱コイルに電力を供給するインバータと、前記温度検知素子の検知結果に基づいて前記インバータを制御する制御手段と、前記プレートと前記温度検知素子の間に配置され、前記プレートより可視光の透過率が低いフィルタと、を設けたものである。
本発明によれば、透明感のある非結晶化ガラスを使用することで、高級感のあるデザインを施した誘導加熱調理器の提供が可能となった。
ビルトイン型の誘導加熱調理器をシステムキッチンに収納した状態の斜視図である。 加熱調理器の上面を示す説明図である。 加熱調理器の上面のプレートを外し加熱コイルが見える状態を示す説明図である。 加熱調理器の側面から見た内部構造を示す断面図である。 ロースターの構成を示す説明図である。 加熱調理器のカンガルーポケット部にあるロースター操作部を示す説明図である。 加熱調理器の上面操作部を示す説明図である。 加熱調理器の加熱部とその制御を説明するブロック図である。 加熱調理器の調理時の消費電力の合計が最大消費電力以下に収めるための説明図である。 加熱調理器の温度検知素子部を示す断面説明図である。
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1から図10は本発明の誘導加熱調理器の一実施例を示している。図1に示されている調理器は、プレート3上に三ヶ所の鍋載置部6a、6b、6cを設けたビルトイン型の誘導加熱調理器である。
尚、本実施例は、キッチンに嵌め込むビルトイン型でなく、キッチンに載置する据置型の加熱調理器であっても差し支えない。
加熱調理器の本体2は、システムキッチン1の上面から落とし込んで設置することで組み込まれる。設置後は加熱調理器2の後述するロースター4と操作部パネル5がシステムキッチン1の前面部から操作できるようになっている。
調理を行う際の被加熱物の鍋(図示せず)は、本体2の上面に配置された非結晶化ガラスを基材に使用し少なくとも耐熱温度が3百数十度の耐熱塗料を用いて文字や略全面の塗装を裏面に施し、表面には鍋の滑り止めとなるガラス印刷を施したプレート3上に載置される。
図示しない調理鍋は、プレート3に描かれた載置部6に載置されることで調理可能となる。載置部6は、本体2上面のプレート3の上面手前に載置部右6aと載置部左6bが配置され、これら両載置部6aおよび6bの間の奥(中央後部)に載置部中央6cが配置されている。そして、プレート3を挟んで各載置部6の下に調理鍋を加熱するための後述する加熱コイルユニット25がそれぞれ設置されている。
載置部中央6cは位置的に調理者の手の届きにくい場所である。このため、手前の載置部右6a、載置部左6bに調理鍋が置かれた状態で、載置部中央6c部に手を伸ばすと、載置部右6a、載置部左6bに置かれた調理鍋から調理中に発生する蒸気により、載置部中央6cで手を動かす調理は行いにくい。したがって、載置部中央6cで行う調理の種類は調理者があまり手を動かさなくても良い料理、主に煮込みや保温などの調理に適している。また、煮込みや保温は火力も弱くて済み、最大消費電力も限りがあることから、載置部中央6cに設置する加熱コイル13cの火力を、載置部右6a及び載置部左6bに対応して設置されている加熱コイル右13a及び加熱コイル左13bより弱くし、消費電力が小さくなるよう設定されている。
図1及び図2において、プレート3の周囲端面を保護するためにフレーム14が設けられている。プレート3の手前の上端縁に取り付けられるフレーム前14aと、プレート3の後方上端縁に取り付けられるフレーム後14bと、右側上端縁に取り付けられる14cと、左側上端縁に取り付けられるフレーム左14dから構成されている。本例は4ピースにフレームを分割しているが一体型でも2ピースでも何ピースでも可能であり、また、プレート3の4辺に取り付ける必要も無く、プレート3の手前だけ、後方だけ、前後の2辺だけ、もしくは左右の2辺だけでも良い。
本体2内部には、発熱部材である後述する加熱コイルユニット25や電子部品が設けられており、これらを冷却するために本体2の外部から空気を吸込むための吸気口7が設けられている。図示された吸気口7は、本体2上面のフレーム後14b上の後述する排気口8に向かって右側に設けているが、鍋からの蒸気に吸入や突沸した水滴の吸引を防止するため本体2上面に設けず操作パネル5側に吸気口を設けても良い。
吸気口7で吸入した空気は、本体2内部で発熱する後述する加熱コイルユニット25や電子部品を冷却した後に、排気口8から本対外に排出される。また、この排気口8からは、後述するロースター4の廃熱も同時に排出され、この排気口8は本体2上面のフレーム後14b上にロースター4の位置する側に設けられている。
ロースター4は魚やピザ等を焼くためので、本体2前面部の左側もしくは右側に配置されている。本実施例では本体2前面に向かって左に配置されている。また、魚焼き専用ではないので、このロースター4をグリル若しくはオーブンと呼ぶこともある。
図5を用いてロースター4について詳説する。
調理庫26は、前面が開口した箱型をしており、内部にシーズヒータ等の発熱体よりなる上発熱体27、下発熱体28が設置されている。この調理庫26の後方上部には排気出口29が設けられている。なお、発熱体として上発熱体27および下発熱体28を設けた実施例としたが、上発熱体27のみであってもよい。ただし、この場合は、調理物30を焼いている途中で裏返す必要がある。
調理庫26の前面開口部を塞ぐロースタードア32には、その表側にハンドル11が取り付けられ、裏側に受皿31が取り付けられている。受皿31は、調理庫26内に前面開口部から出し入れ自在に収納されている。一方、受皿31の中には焼網33が載置され、その上に魚等の調理物30を載せる。
調理庫26内は、調理物30を焼いたときに発生する煙や臭いを浄化する空気浄化用触媒34が設けられている。空気浄化用触媒34は、排気出口29から入った煙や臭いが必ず空気浄化用触媒34を通るように取り付けられている。
排気ファン36を動作させると、受皿31とロースタードア32との間に設けられた空気取入口42を介して調理庫26内に空気が流入する。流入した空気は調理庫26内部で発生した煙や臭いと共に空気浄化用触媒34、排気通路35を介して排気口8から外部に排出される。この空気浄化用触媒34の触媒作用により、調理庫26内で発生した臭いや煙が触媒の能力に応じて低減されつつ、強制的に排気口8から排気される。
空気浄化用触媒34を加熱するための触媒ヒータ37は、調理庫26内で空気浄化用触媒34の近傍に設置されている。これにより空気浄化用触媒34が加熱され、触媒作用が発揮される。
調理庫26内の温度は、調理庫26の前面開口部側の上部と、受皿31の側面下部に設けられたサーミスタ等の温度検知手段38によって検知される。
上部にのみヒータを設けた片面焼きグリルの場合は、受皿31の温度上昇を防ぐため受皿31に水を入れて焼かなければならなかった。本実施例では、水を入れることなく受皿31を冷却できるように、受皿31の下部に冷却通路39を設けた。吸引ファン40が回転すると、空気取入口42から流入した空気が受皿31下部を流れて、受皿31を冷却した後、調理庫26の背面裏側を介して、排気口8から排気する。
排気フアン36及び吸引ファン40はフレーム後14bの下部に設けられたモータ41によって駆動される。排気ファン36及び吸引ファン40はモータ41の軸にダイレクトに取り付けられている。モータ41の冷却は、モータ41の他端側の軸に設けられた自冷ファン43により行う。
モータ41及び自冷ファン43は、フレーム後14bの下部であって、本体2の後部に設けた遮熱室44内に配置されている。遮熱室44には、本体2の底面及び側面側に空気流入口45が設けられ、この空気流入口45から空気を取り入れ、上面に設けられた排出孔46から冷却後の空気が流出される。
次に図3を用いて加熱コイルについて説明する。
調理鍋(図示せず)を加熱するための加熱コイルユニット25は、加熱コイル13とコイルベース24とフェライト(図示せず)から構成されている。加熱コイルユニット25は、各載置部6のプレート3の下方であって、プレート3と加熱コイル13との間に一定の隙間が開くように設置されている。この隙間は、後述する冷却風を流して、プレート3とプレート3に施した耐熱塗料面と加熱コイルを冷却するためである。載置部右6aの下方には加熱コイルユニット右25aが、載置部左6bの下方には加熱コイルユニット左25bが、載置部中央6cの下方には加熱コイルユニット中央25cが設けられている。
加熱コイル13の巻線は表皮効果を抑制するためリッツ線を採用している。この加熱コイル13には調理鍋(図示せず)を加熱するために後述するインバータ72から数十kHz、数百Vの電圧が印加される。
コイルベース24は、加熱コイル13を下から固定すると共に、コイルベース24にはフェライト(図示せず)が埋設されている。
自動調理時など鍋の温度検知は、加熱コイル13に設けられた温度検知素子21により行われる。鍋底の温度はプレート3を介して間接的な温度が検出される。なお、図において加熱コイルユニット右25aと加熱コイルユニット25bには温度検知素子21が設置されているが、加熱コイルユニット中央25cにも設置することでこの加熱コイルによる保温や煮込みなどの温度を管理できるようになる。また、温度検知素子21には赤外線センサとして例えばサーモパイルの使用も可能である。
温度検知素子21に赤外線センサを使用した場合について図10を用いて以下に説明する。
赤外線センサ21が鍋底から放射される赤外線以外に、プレート3を介して入射する蛍光灯などの可視光を検出してしまうと鍋底温度の検出精度が悪化してしまう。
そこで、赤外線センサ21とプレート3(窓部3a)の間の温度検出経路Aに、プレート3に使用した非結晶化ガラスよりも可視光領域の透過率が小さく、150℃〜250℃の透過領域がほぼ同じ結晶化ガラスの赤外線透過部材(フィルタ48)を設けることで、可視光を遮光することができる。その結果、赤外線センサによって鍋底温度を精度良く検出することができる。
もしくは、プレート3に使用した非結晶化ガラスと同じ材料で赤外線透過部材(フィルタ48)を設けた場合は、温度検出経路Aに可視光を遮光するフィルタ(図示なし)をさらに設けることで鍋底温度を精度良く検出することができる。この可視光を遮光するフィルタは赤外線センサ21の窓部(レンズ部)にその機能を設けても良い。
次に図4に基づいて、加熱コイルを励磁するインバータ及びその冷却について説明する。
図4は加熱調理器本体2の縦断面図であり、中央下部にはインバータを搭載した基板及び発熱素子の発熱した熱を冷却する放熱フィンが記載されている。最下部には、左右の加熱コイル13a、13bを駆動するインバータを搭載した左右インバータ基板18が配置され、その上段には、加熱コイル中央13c駆動する中央インバータ基板17が配置されている。一般的に上段は下段の熱を受けやすいが、加熱コイル中央13cは最大入力が他のコイルに比べて低いので発熱量が小さい。このため、加熱コイル中央13cを駆動するインバータ基板17を上段に配した。また、図8に示すように、インバータ基板18には、加熱コイル右13aと加熱コイル左13bを駆動するための電子部品が搭載され、後述するインバータ右72aとインバータ左72bとインバータ制御手段右73aとインバータ制御手段左73bが搭載されている。
図4に戻って、それぞれの基板には、電子部品で発熱した熱を効率よく冷却風と熱交換して電子部品の温度を下げるための放熱フィン22,23が設けられており、放熱フィン23は放熱フィン22より小さくなっている。
前述の如く、各加熱コイルの最大火力は加熱コイル右13a、加熱コイル左13bと比べ加熱コイル中央13cは小さく設定されており、そのために中央インバータ基板17での消費電力は左右インバータ基板18よりも小さい。このため、電子部品の発熱量も左右インバータ基板よりも少なく、冷却に使用する放熱フィンも小さく済む。このため、中央インバータ基板17に小さな放熱フィン23を使用し、左右インバータ基板18には大きな放熱フィン22を使用している。
発熱する各部品は送風ファン20により送られてきた空気によって冷却される。吸気口7から吸込まれた冷却用の外気は、左右インバータ基板18や中央インバータ基板17や制御基板19を納めるための基板ケース15内を通流し、放熱フィン22,23の熱を奪った後、各加熱コイルを冷却して排気口8から外部に排出する。
図3に示された基板ケース15は、ロースター4が設置されている加熱コイルユニットとは反対の加熱コイルユニット25の下方に設置されている。本実施例では加熱コイルユニット右25a下側に設置され、基板ケースに基板を収めることで調理時に加熱コイル13やロースター4からのふく射熱から基板を守り、また基板ケース15には段積みされた基板や加熱コイルユニットや上面表示部に冷却用空気が効率よく行き渡るように冷却用空気が通る風路が形成されている。
前記した基板ケース15内には全ての回路が収まりきらないので、極端に発熱しない回路の一部品、大電流を通電しない部品、加熱調理器のシステム全体を取りまとめる制御回路、及びインバータ回路の制御部を搭載した制御基板19が基板ケース15の上方に設置されている。
次に図7を用いて、加熱コイル13の操作について説明する。
加熱コイル13の操作は、プレート3もしくは手前のフレーム前14aに設けられた静電容量式もしくは機械式の上面操作部9によって行われる。鍋を置く載置部右6a、載置部中央6c、載置部左6bに対応して右から、上面操作部右9a、上面操作部中央9c、上面操作部左9bが配置されている。これは、操作者が直感的に鍋と操作部との関係を理解できるような配置である。
図より明らかなように上面操作部右9aと上面操作部左9bは同じキー配列になっている。そのため、以下、加熱コイル右13aの操作を代表して説明する。
48は調理の開始や停止するための切/スタートキーで、調理中はLEDランプ53が点灯する。
調理の火力は火力キー49によって選定する。とろ火、弱火、中火、強火の四段階のキーに分かれ、必要な火力を一回の操作で設定できるように個別にキーが設けられている。各火力の目安は、例えば最大で12段階の火力調整ができた場合、各火力と消費電力の関係は、「1」段階は100W相当、「2」段階は200W相当、「3」段階は300W、「4」段階は400W、「5」段階は500W、「6」段階は800W、「7」段階は1.1kW、「8」段階は1.4kW、「9」段階は1.6kW、「10」段階は2kW、「11」段階は2.5kW、「12」段階は3kWである。各段階の数字は後述する上面表示部10に火力の目安として表示する数字である。また、火力表記と実際の段階表示の関係は、とろ火は「1」、弱火は「2」、「3」、「4」、「5」、中火は「6」、「7」、「8」、強火は「9」、「10」、ハイパワーは「11」、「12」が割り当てられる。火力キー49は四段階の火力の代表的な火力に直接設定でき、とろ火キー49aは「1」、弱火キー49bは「4」、中火キー49cは「7」、強火キー49dは「10」の火力に設定でき、設定したキー部分にあるLEDランプ54が点灯する。
51は主に煮込みや保温などタイマー調理を実施するときに選択するタイマーキーである。52は自動調理の炊飯、揚げもの、湯沸し等を選択するためのメニューキーで、メニューキー52を押すことで後述する上面表示部10にメニューが表示され、メニューキー52を押すたびに表示されているメニューが切り替わり、これによって使用するメニューを選択する。
また、火力の調節やタイマー調理時の時間の設定、炊飯時における米の量の設定、自動調理の仕上がり調整の設定、揚げものをする時の油温の設定を設定キー50により行うことができる。この設定キー50は、設定時の数量などを増やすUPキー50aと減らすDOWNキー50bからなっており、設定キー50部にあるLEDランプ55が点灯時は設定キー50が有効であることを示し、消灯時は無効でることを示している。
例えば、火力の調節を設定キー50で行う場合を説明する。まず中火キー49cを押下して火力を「7」に設定する。その後、設定キー50のUPキー50aを二回押すと、後述する上面表示部10に表示されていた火力を示す数字が「7」から「8」、「8」から「9」へと変更され、強火「9」が設定される。これに伴って、火力キー49部のLEDランプ54も、中火キー49cのLEDランプが消灯して強火キー49dのLEDランプが点灯する。他の設定についても同様で、たとえばタイマーキー51を押した以降の設定キー50の操作は時間設定用となる。
次に上面操作部中央9cについて説明する。載置部中央6cの主な調理は保温や煮込みである。この理由は前述の如くである。従って、加熱コイル中央13cの火力も他の加熱コイルの火力よりも小さく設計されている。このため、火力表記としてはとろ火、弱火、中火までで足り、設定キー62をサイクリック式としても、最大3回押せば元に戻るので、手前2つの加熱コイル25a、25bのように火力毎に対応した火力設定キーを設けていない。これによって、キーの設置スペースを確保することができる。なお、自動調理メニューの内容は、火力が制限されている設計となっていることから煮込み、保温などに限定している。
図2及び図7を参照して、上面操作部9に配置された複数のキーは、フレーム前14aに本体2の幅方向に一列に並んで配置されている。そして、本体2に向かって右側から上面操作部右9a、上面操作部中央9c、上面操作部左9bの順で配置されている。しかし、単に横一列に各キーを配列すると、その境が使用者にとって判り難くなってしまう。このため、各上面操作部に枠で囲う、色を分けて囲う、キーの色を分けるといった工夫が必要である。本実施例では、上面操作部毎に枠線で囲うと共に、上面操作部右9aと上面操作部中央9cとの間、および上面操作部中央9cと上面操作部左9bの間に、最低キーの幅1.5個分以上の間隔をあけた。これにより操作者は操作キーの分類が分りやすいといった視覚的、触覚的効果がある。
次に前述の操作の結果を反映する表示について説明する。上面操作部9のキー操作に対応した内容は、上面表示部10に表示される。表示する内容は、上面操作部9で設定した火力表示、タイマー調理用の時間表示、揚げもの用の設定油温の表示等々である。この上面表示部10は、本体2の上面に置かれたプレート3の手前側で、かつプレート3の裏側に配置されている。したがって、表示を見るときはプレート3を介してとなるため、プレート3越しに表示内容を見ることができるように上面表示部10の表示部分は加工が施されている。また、設定した火力がイメージで分りやすいように表示部のバックライトの色が設定されている。本実施例では、とろ火と弱火は緑色表示、中火がオレンジ色表示、強火とハイパワーが赤色表示されるようにしている。
上記実施例では、各上面操作部9に対応して、上面表示部右10a、上面表示部中央10c、上面表示部左10bとに分け、各上面表示部の配置はフレーム前14aに沿って直線的に配置したが、視認性を上げるために上面表示部中央10cを上面表示部右10a及び上面表示部左10bより載置部中央6c側に寄せて配置してもよい。
上面操作部9と上面表示部10は、それぞれプレート3上の載置部6毎に設けられており、各載置部6から目線を直線的に手前側に移すと、概ねその直線上に各載置部6に対応した上面操作部9と上面表示部10が存在するように配置され、なおかつ上面表示部10よりも上面操作部9の方が調理者側に位置するように配置されている。
次にロースター4関連の操作部について説明する。図1に示すように、ロースター4に向かって右隣には、ロースター4の加熱具合を操作する後述するロースター操作部12とロースター表示部65を配置した操作パネル5が配置されている。操作パネル5は、本体2の前面に位置しカンガルー式開閉機構となっている。図1は操作パネル5を閉じた状態が示され、図2は操作パネル5を開いた状態が示されている。調理時に操作者が立った状態でロースター操作部12の操作やロースター表示部65(図6)の確認ができるようになっている。
図6に基づいて各種キーについて説明する。グリル選択メニューキー66によって魚焼きとグルメ(各種自動調理)を選択する。魚焼きキー66aを押す度に、ロースター表示部65に表示された丸焼き、切身・ひもの、つけ焼き、手動のLEDランプがサイクリックに切り替わり、点灯しているメニューが選択される。同様に、グルメキー66bをサイクリックに押下することによりピザ、ホイル焼き、グラタンのLEDの点灯状態が切り替わり、点灯しているメニューが選択される。
メニューを選択した後、調理の仕上がり(焼き加減)を、設定キー68によって設定することができる。アップキー68a若しくはダウンキー68bを押下するたびに、ロースター表示部65の弱・中・強のLEDランプが点灯することで選択可能となる。そして、タイマーキー69を押下して調理時間を選択することができる。このときも設定キー68によってタイマー時間(加熱終了時間)を選択することができる。各種の設定が済むと、選択したメニューの調理を開始、停止、取消するための切/スタートキー67を押下することによって、調理が開始される。なお、タイマーが設定されている場合であっても、この切/スタートキーを押下することによって、調理を停止することができる。
また、本実施例に係る加熱調理器においては、子供によるいたずらを防止する機能が設けられている。チャイルドロック71を3秒間押し続けることでロックし、再び3秒間押し続けることで解除することができる。
次に制御について図8を用いて簡単に説明する。操作・表示部75は、これまで説明した上面操作部9、ロースター操作部12、上面表示部10、及びロースター表示部65から構成されている。操作・表示部75の操作部で入力されたメニュー、火力情報、調理のスタート・切情報等を後述する制御手段74に入力信号80として送り、制御手段74で認識した情報、調理の進行状況などの処理状況を表示信号79として操作・表示部75に送り、上面表示部10とロースター表示部65で表示される。
制御手段74は、前記操作・表示部75で設定された内容及び事前に組み込まれた自動調理などのプログラムに基づき加熱部を制御する。設定された内容に基づいて調理の開始、停止、火力の設定情報を制御信号78(制御信号85)を経て後述するインバータ制御手段73若しくはヒータ制御手段82に送る。そして、加熱部に設けられた温度を検出する温度検知素子21(温度検知手段38)から温度情報を乗せた制御信号78(制御信号85)を受信することで温度情報を受ける。また、同ブロック図に図示していないが送風ファン20の制御も行い、調理中は送風ファンを動作させる。
インバータ制御手段73は、制御手段74の指示に基づいて加熱コイル13への電力の設定、通電の開始及び停止、加熱コイル13の消費電力を監視し補正する。そして、インバータ72に対してインバータ制御信号76を送出することでインバータ72を制御(後述)する。加熱コイル13の消費電力を監視し補正することについては、後述するインバータ72から検出信号77によって送られてくる各加熱コイル13の入力電流及び入力電圧から消費電力を算出し、火力が設定値になるようにインバータ制御信号76により後述するインバータ72を制御する。
インバータ72は、加熱コイル13に電力を供給するための手段であり、インバータ制御手段73からの指示に基づいて加熱コイル13の電源の供給を行う。インバータ72はインバータ制御手段73同様に各加熱コイル13に設けられ、インバータ右72a、インバータ左72b、インバータ手段72cが設けられている。そして、各加熱コイル13の入力電圧及び入力電流を検出して各検出信号77に乗せてインバータ制御手段73に送る。ヒータ制御手段82は、制御手段74からの信号を元に、ロースター4の調理庫26内の温度を監視しながらヒータ81のON/OFFを制御する。調理庫26の温度を温度検知手段38により検出し、検出信号83によってヒータ制御手段82に入力され、制御手段79からの制御信号85による指示により上発熱体27と下発熱体28への通電のON/OFFを制御している。
なお、ヒータ81は、ロースター4の上発熱体27、下発熱体28、調理庫26内の温度情報を検出するための温度検知手段38とを含めた総称としている。
次に制御手段74の働きの1つである消費電力の管理について図9に基づいて説明する。
この図は、消費電力の合計が製品の最大消費電力を超えないように制御手段74が管理するための概略フローである。操作・表示部75から火力の変更要求が指示された時、制御手段74は、変更要求時点の消費電力の合計(Ws)が製品の最大電力(Wmax)を超えているか否かを確認し、最大電力を超えていない場合は、操作・表示部75の火力表示の変更、インバータ制御手段73もしくはヒータ制御手段82に調理のスタート及び火力の変更を指示し、反対に条件が満たされない場合はこの変更の設定を受け付けないことを示したものである。
ステップ91は、現時点での消費電力の合計と操作・表示部75の操作の監視を行い、新たな調理の追加要求や現行の火力変更要求に伴う消費電力の変更後の合計を監視する火力監視工程であり、火力変更要求時点での消費電力の総和(Ws)を求める。
ステップ92は、火力監視工程で求められた火力変更要求時点での消費電力の総和(Ws)と製品の最大消費電力(Wmax)を比較する工程で、比較した結果、最大使用費電力(Wmax)より火力変更要求時の消費電力の合計(Ws)が小さければ後述する火力変更工程93に移行し、それ以外は後述する自動調理確認工程94に移行する。
ステップ93は、火力変更要求を承諾する火力変更工程で、火力変更要求通りに火力を変更する。
ステップ94は、載置部左6bで調理している設定が手動設定による調理なのか、自動メニューを使用した自動調理なのかを確認する自動調理確認工程であり、手動調理の場合は後述する自動火力変更工程95に移行し、自動調理時は火力の変更ができないので、最終判断として火力変更要求の拒否工程96に移行する。
ステップ95は、載置部左6bでの調理が手動による調理なので、火力変更要求時の消費電力の合計(Ws)が製品の最大消費電力(Wmax)に収まるように自動的に載置部左6b側の火力を調整する自動火力変更工程である。このように、火力を自動的に変更させた時は、調理者に変更を知らせるための報知音を鳴らしたり、変更された内容がわかるような表示をする。
ステップ96は、火力の変更要求を認めない拒否工程である。この場合も、受け付けない旨の警告が必要である。
この説明は、載置部左6b側の火力の維持に対する優先度を低く設定した例である。各載置部で必要となる火力の優先度は、使用している組み合わせなどによって自動的に変更される。例えば、載置部右6aと載置部左6bの両方で加熱して、ロースター4もしくは載置部中央6cを調理に使用し始める場合、載置部左6bで自動調理を行っていたとすると、載置部右6a側の優先度が低く設定される。
また、載置部中央6cは自動調理(保温、煮込み)、手動に関係なく優先度は低くなる。
本実施例は以上の構成よりなるもので、次にその動作について説明する。
例えば、使用者が初めは強火の火力を使用して鍋を空焼きし、その後は野菜などを入れて野菜炒めを作ろうとしている状況で説明する。載置部右6aに鍋を置いて、上面操作部右9aの強火の火力キー49dを押すと押したキー信号が入力信号80となって制御手段74に送られ、制御手段74は、火力キー49dが入力されたことを認識し、この内容を表示信号79として操作表示部75に伝達し、表示部である火力キー49dのLEDランプ54を点灯させる。そして、上面表示部右10aに強火の火力であることを示す「9」の数字が点灯し、バックライト色は赤色となり強火に設定されたことを示す。次に上面操作部右9aの切/スタートキー48を押すと同じ伝達経路(以後同じ信号経路の説明は省略する)を経てLEDランプ53が点灯して加熱が開始される。
制御手段74が、調理開始を指示すると、制御信号右78aによってインバータ制御手段右73aに設定された火力が「9」であることを伝送し、これを受けたインバータ制御手段右73aは設定された火力になるようにインバータ右72aの制御を行い加熱コイル右13aの電力制御を行う。インバータ右72aは、入力電圧及び入力電流の検出値を検出信号右77aに乗せてインバータ制御手段右73aに伝達し、インバータ制御手段右73aでは検出値から消費電力を求め、設定された火力が「9」で決められている消費電力になるように加熱コイル右13aの電力制御を行う(以後同じ信号経路の説明は省略する)。
また、制御手段74は、調理のスタートを認識すると送風ファン20をONする。送風ファン20がONすると、送風ファン20は吸気口7から本体2外側の空気を吸込み、送風ファン20から送風される風量は各発熱する部品に分配され、各部品を冷却しながら排出口8から排出される。
送風ファン20から送風される空気は主に基板ケース15内の左右インバータ基板18、中央インバータ基板17、加熱コイルユニット25a、加熱コイルユニット左25b、加熱コイルユニット中央25cに通風される。左右インバータ基板18と中央インバータ基板17を冷却した空気は制御基板19と表面表示部10と上面操作部9と加熱コイルユニット25へと送られ、加熱コイルユニット25では送風ファン20からの直接の空気と基板を通ってきた空気とが一緒になって冷却し、これらの空気は全て排気口8から排出される。送風ファン20はシロッコファン、ターボファンの何れでも良い。
次に鍋が加熱され食材を投入するのに適した温度に達したら食材を投入する。食材を投入することで鍋の温度は低下して調理が進められる。この時、鍋の加熱を放置した場合、加熱コイル右13aに設けられている温度検知素子右21aによって鍋底の温度が略300℃に達する前に加熱コイル右13aへの電力の供給を遮断する。理由は、プレート3に使用している非結晶化ガラスの耐衝撃温度が3百数十℃であることから、加熱後に氷でプレート3が急激に冷やされた時にプレート3が割れるのを防止するためである。
鍋の温度を検出しながら加熱コイルへ供給する電力を調整する自動調理では、揚げ物で200℃、フライパン予熱では240℃が設定できる最大温度としている。そうすることで、プレート3に使用している非結晶化ガラスの耐衝撃温度内で使用できるように定めている。
そうすることで、鍋を加熱する加熱原に誘導加熱を使用した誘導加熱調理器では鍋を加熱する加熱数に関係なく非結晶化ガラスの使用が可能になる。また、加熱源にヒータを使用した熱伝導で略600℃前後で加熱する例えばラジエントヒータと誘導加熱を併用する場合は、非結晶化ガラスを使用したプレート3のラジエントヒータで耐衝撃温度以上に加熱される部分のみ結晶化ガラスを使用しても良い。例えば、プレート3の耐衝撃温度以上に加熱される部分を円状に開口し、開口した箇所に円状の耐熱の更に高い結晶化ガラスで閉じても良い。
また、加熱部が一口の誘導加熱調理器においてプレートにセラミックプレートを使用している場合が多くある。この場合も高級感を出すために前述の制御方法を取り入れ、プレートの基材として非結晶化ガラスの使用が可能である。
本実施例で説明した非結晶化ガラスには、石英ガラス、高ケイ酸ガラスとホウケイ酸ガラスが含まれ、特に本実施例では、ケイ素が略80%、ホウ酸が10〜15%程度含まれ、熱衝撃温度300℃以上かつ500℃以下のホウケイ酸ガラスをいう。
上記した本実施例によれば、ロット間の色味のバラツキも無い透明のガラス基材を使用して、ガラス基材の裏側から好みの耐熱塗装を塗ることで、表面側から見て、プレートにガラスの厚みを感じ、色に濁りの無い高級感のあるプレート3を表現することが可能である。
また、プレート3のガラス基材として結晶化ガラス、セラミックプレートに比べコントの低減が可能である。
2…本体、3…プレート、4…ロースター、5…操作パネル、6…載置部、9…上面操作部、10…上面表示部、12…ロースター操作部、13…加熱コイル、17…中央インバータ基板、18…左右インバータ基板、20…送風ファン、65…ロースター表示部、72…インバータ、73…インバータ制御手段、74…制御手段、75…操作・表示部、81…ヒータ、82…ヒータ制御手段、97…表示

Claims (4)

  1. 本体の上面に配置され、可視光領域を透過するガラスよりなるプレートと、
    該プレートの下方に配置され、前記プレートに載置された被加熱物を加熱する加熱コイルと、
    前記プレートの下方に配置され、前記被加熱物の温度を検知する温度検知素子と、
    前記加熱コイルに電力を供給するインバータと、
    前記温度検知素子の検知結果に基づいて前記インバータを制御する制御手段と、
    前記プレートと前記温度検知素子の間に配置され、前記プレートより可視光の透過率が低いフィルタと、
    を設けたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記プレートは非結晶化ガラスであり、前記フィルタは結晶化ガラスであることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器
  3. 前記プレートと前記温度検知素子の間に、前記プレートと可視光の透過率が略等しい非結晶化ガラスからなる第二のフィルタを設けたことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記プレートは、ホウ酸が10〜15%含まれているホウケイ酸ガラスであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の誘導加熱調理器。
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