JP2016109360A - 伝導伝熱乾燥機並びにこれを具えた蒸気再利用型乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そしてその後も本出願人は、伝導伝熱乾燥機及び乾燥装置等の改良・開発を鋭意行っており、その中で次の様な点で改良の余地があることを見出した。
一方で、前記キャリアガスCとして過熱蒸気が用いられた場合(特許文献1、2参照)、キャリアガスCが本体シェル10′内に位置する乾燥中の被処理物に対して接触することにより、熱効率が低下するといった問題が顕在化してきた。
特に図5に示された既存の伝導伝熱乾燥機1′の場合、本体シェル10′内の雰囲気をキャリアガス口103′から供給されるキャリアガスC′によって押し出すような形態が採られており、キャリアガスCの供給形態について格別考慮は成されていなかった。このためキャリアガス口103′から下向きに供給されたキャリアガスC′(過熱蒸気)は、被処理物に対して接触することとなり、このときに被処理物との間で熱交換が行われ、その一部が凝縮してドレン化してしまう。この結果、被処理物や本体シェル10′内部を濡らしてしまうとともに、キャリアガスCの風量が減ることにより蒸発した水分の運搬効率が低下してしまい、この結果被処理物の熱効率を充分高められていないといった問題が顕在化してきた。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
また乾燥機の立ち上げ時には、加熱装置の温度を速やかに上昇させることができる。
そして前記多管式加熱管11を、その内部に熱媒体たる飽和蒸気S3を流すとともに回転させ、被処理物Pを多管式加熱管11の管外面(伝熱面)に接触させることにより、被処理物Pに飽和蒸気S3の熱を伝導させて乾燥を行うものである。
更に本体シェル10における前記排気口104よりも中央寄りの部分に第二の投入口101が形成されるものであり、この実施例では投入口101を、排気口104を挟んで二個所に形成するようにした。もちろん、後述する多管式加熱管11の長手方向に沿って更に複数の個所に投入口101を形成するようにしてもよい。
なお前記排出口102にはロータリーバルブ105を具えるようにしたが、二重ダンパ排出装置等を具えるようにしてもよい。
また本体シェル10及び多管式加熱管11は、水平または投入口101側が排出口102側よりも幾分か高くなるように傾斜して機枠Fに設置される。
そして前記軸体113の両端にはロータリージョイント115a、115bが取り付けられ、チューブ束116と接続される。また軸体113と本体シェル10との間には、外気との遮断のためのシール機構が設けられている。
またチューブ束116の側周部には、複数のリフタ117及び適宜の角度を持たせた送り羽根118が取り付けられたアングル111が多数(この実施例では12本)具えられるものであり、これらよって被処理物Pは図2に示すように掻き上げられて、前記チューブ束116に接触するとともに投入口101側から排出口102側に進むこととなる。
具体的には図4に示すように、一例としてノズル103aが、キャリアガス口103から本体シェル10の内部に挿入状態とされるとともに、その噴出口が、排気口104の方向に指向するように(図4(a)参照)、あるいは排気口104に直接指向するように(図4(b)参照)設置される。
また既存の乾燥機1の場合、図4(a)、(b)、(c)に示すようにノズル103aの設置個所として、シェル本体10の上部に具えられたキャリアガス口103を利用したが、例えば新規に設計される乾燥機1の場合、図4(d)に示すように、ノズル103aの設置個所を、本体シェル10の側板10Bに形成されたキャリアガス口103としてもよい。
なお上述した「キャリアガス口103から排気口104に至るキャリアガスCの経路」とは、キャリアガス口103をキャリアガスCの供給始端として想定したため採られた表現であるが、実質的にキャリアガス口103に挿入されるノズル103aの噴出口がキャリアガスCの供給始端となるものである。
ここで前記キャリアガスCの流速は、キャリアガスCと被処理物Pとの間での熱交換が極力発生しないように、その下限値を100m/sとするものである。一方、キャリアガスCの流速の上限値については、音速以上とした場合、衝撃波等が発生して部材を損傷してしまう恐れがあるため、これを回避するために設定されているものである。
なおこの実施例では前記圧縮機51としてスクリュー式蒸気圧縮機を採用するものであり、このものは低消費電力でありながらも、圧縮比が高い機器である。またこの実施例では一例として大気圧の過熱蒸気S2を、0.1〜0.7MPaG(温度としては120〜170℃に相当)まで圧縮することができる能力を有するものが採用される。このため過熱蒸気S2を圧縮して得られる過熱蒸気S3の温度と、被処理物Pの温度との差を大きくとることができ、乾燥機1を小型化することが可能となるものである。
また前記圧縮機51としては前記圧縮能力を実現することができるものであれば、多段ルーツ型圧縮機、多段ターボブロワ等を採用することもできる。
また蒸気発生装置8からロータリージョイント115aには補助蒸気が供給されるものであり、この補助蒸気は、減圧弁83と流量調節弁84とが具えられた蒸気配管経路から供給されるものである。そして、例えば乾燥機1の起動時等、多管式加熱管11が十分温度上昇していない場合に、多管式加熱管11を加熱するために前記蒸気配管経路から補助蒸気が供給されるものである。
そして多管式加熱管11が十分温度上昇し、被処理物Pが乾燥機1に供給されて水分蒸発が起こり、過熱蒸気S3が十分に供給される状態になると、主管路50に具えられた圧力センサ75により測定される過熱蒸気S3の圧力に応じて、前記流量調節弁84により補助蒸気の供給が自動的に調整されるものである。
また前記過熱蒸気S1を常圧とする目的は、乾燥系(減圧弁81より下流側の、蒸気S0、過熱蒸気S1及び過熱蒸気S2が存在する経路)への外気の吸い込み、あるいは、当該乾燥系から外気側への過熱蒸気S2のリークを防止するためである。そしてこのような過熱蒸気S1の圧力が、大気圧−1〜+1kPa−abs.の範囲であれば、一般的且つ簡易なシール材あるいはシール機構により、外気の吸い込みあるいは外気側への過熱蒸気S2のリークを防止することが可能となる。なお本明細書中において「常圧」とは、前記大気圧−1〜+1kPa−abs.の範囲を含むものである。
もちろんより気密性を高めることができるシール材あるいはシール機構を採用すれば、過熱蒸気S1の圧力を、より広い範囲で許容することが可能となる。
(1)乾燥機の準備
まず被処理物Pの投入に先立って、乾燥機1における多管式加熱管11及び本体シェル10を昇温しておくものであり、モータMを起動して多管式加熱管11を回転させた状態で、ロータリージョイント115a、キャリアガス口103(ノズル103a)及び蒸気供給口106に補助蒸気を供給する。
また、上記の乾燥機1の準備に際しては、ロータリージョイント115bの下流側に具えられたポンプ91を動作させ、多管式加熱管11内に生じたドレンDの排出や、リークにより入り込んだ空気などの非凝縮性ガスを排出させる。
このとき、加熱装置たる多管式加熱管11は、その伝熱面に対して、ノズル103aから噴出されるキャリアガスCとしての過熱蒸気S1が接触するとともに、その内部を補助蒸気が通過するため、速やかに温度が上昇することとなる。
そして、上述のようにポンプ91によりドレンDや非凝縮性ガスが排出され、この温度センサ73により、所定の温度に達したことが検出された後、ポンプ91を停止し、温度センサ73の検出する温度に応じて温度調節弁93が開かれて、ポンプ92により蒸気再利用型乾燥装置Hの非凝縮性ガスの排出が行われる。
また投入装置2におけるホッパ20に供給された被処理物P(一例として有機汚泥)を脱気処理しておく。その後、更にホッパ20内に過熱蒸気S1を満たしておくことが好ましい。
次いで投入装置2から投入口101を通じて本体シェル10内に被処理物Pを投入するものであり、このものは送り羽根118の作用によって投入口101側から排出口102側に移動し、更にリフタ117によって掻き上げられてチューブ束116等と接触し、この際、熱を受けて水分が蒸発するものである。なおチューブ束116(多管式加熱管11)の加熱プロセスについては後ほど言及する。
このとき投入口101は多管式加熱管11の長手方向に沿って複数個所に形成されているため、多管式加熱管11の伝熱面を有効に使用することができ、熱効率が高められる。
また圧縮機51を起動することにより、スーパーヒータ6によって生成された過熱蒸気S1(常圧、約160℃)が、キャリアガスCとしてノズル103aから本体シェル10内に供給されるものであり、被処理物Pから蒸発した水分はこのキャリアガスCに引っ張らるようにして、速やかに排気口104から外部に排出される。
更に前記キャリアガスCの流速は、100〜500m/sとされている。
このためキャリアガスCと被処理物Pとの間での熱交換はほとんど行われることはなく、キャリアガスCが体シェル10内において凝縮してしまうのが回避される。
この際、前記排気口104から排出される過熱蒸気S2に含まれる少量の微粉は、バグフィルタ3において分離される。
一方、排出口102に達した被処理物Pは乾燥品となった状態で排出され、次工程に移送される。
なお、排気口104から本体シェル10の外部に排気されたキャリアガスCは過熱状態が維持された状態とされる(過熱蒸気S2)ものであり、主管路50内を通って圧縮機51に到達した過熱蒸気S2(温度110〜122℃、常圧)は、スクリューの作用によって圧縮・昇温されて(温度120〜160℃、圧力169〜544kPa−abs)過熱蒸気S3(一例として過熱度5度)となってロータリージョイント115aに供給される。
なお圧縮機51から排出されて主管路50内に位置する過熱蒸気S3の過熱度は、排出口102側の鏡板112に入るまでの間に凝縮しない程度とされていればよい。このため、圧縮機51の下流側に具えられている温度センサ74と圧力センサ75との検出値に基づいて、冷却水を注水制御弁58により流量調節して圧縮機51内の蒸気経路に加えることにより、過熱蒸気S3の過熱度が所望の値となるように調整されている。
そして過熱蒸気S3は、軸体113内を通過して鏡板112に入り、チューブ束116内を通過するものであり、この過程で多管式加熱管11の管外面に接触する被処理物Pに対して、過熱蒸気S3の顕熱及び潜熱が伝導されるため、被処理物Pからの水分の蒸発が促進される。
また蒸気再利用型乾燥装置Hの構成としては、特許文献2に示されているような、いわゆる間接加圧式蒸気再圧縮型のヒートポンプ式処理装置を採用することも可能である。
1 乾燥機(伝導伝熱乾燥機)
10 本体シェル
10B 側板
101 投入口
102 排出口
103 キャリアガス口
103a ノズル
104 排気口
105 ロータリーバルブ
106 蒸気供給口
107 ドレン口
108 側面開口
11 多管式加熱管(加熱管)
111 アングル
112 鏡板
113 軸体
114 軸受ブロック
115a ロータリージョイント
115b ロータリージョイント
116 チューブ束
117 リフタ
118 送り羽根
2 投入装置
20 ホッパ
3 バグフィルタ
30 フィルタエレメント
5 加圧装置
50 主管路
51 圧縮機
58 注水調節弁
6 スーパーヒータ
70 温度センサ
72 圧力センサ
73 温度センサ
74 温度センサ
75 圧力センサ
8 蒸気発生装置
81 減圧弁
82 流量調節弁
83 減圧弁
84 流量調節弁
91 ポンプ
92 ポンプ
93 温度調節弁
94 セパレータ
C キャリアガス
D ドレン
F 機枠
M モータ
P 被処理物
S0 蒸気
S1 過熱蒸気
S2 過熱蒸気
S3 過熱蒸気
Claims (5)
- 本体シェル内に加熱装置が具えられ、この加熱装置の伝熱面に被処理物を接触させて水分を蒸発させる伝導伝熱乾燥機において、
前記本体シェルに形成されたキャリアガス口を通じて、キャリアガスとして過熱蒸気が供給され、このキャリアガスによって、被処理物から蒸発した水分を本体シェルに形成された排気口から外部に排出するものであり、
前記キャリアガス口から排気口に至るキャリアガスの経路において、キャリアガスが被処理物に接触することがないように構成されていることを特徴とする伝導伝熱乾燥機。
- 前記加熱装置は、本体シェルの長手方向に沿って回転軸が設定されて成る多管式加熱管であり、
前記キャリアガス口から排気口に至るキャリアガスの経路が、稼働時における本体シェルの横断面視において、被処理物が位置しない部位を通過するように設定されていることを特徴とする請求項1記載の伝導伝熱乾燥機。
- 前記キャリアガス口から排気口に至るキャリアガスの経路は、稼働時における本体シェルの横断面視において、加熱装置の伝熱面のうち、被処理物と接していない部位と接触するように設定されていることを特徴とする請求項2記載の伝導伝熱乾燥機。
- 前記キャリアガスの流速を100〜500m/sとすることができるように構成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の伝導伝熱乾燥機。
- 前記請求項1乃至4記載の伝導伝熱乾燥機が具えられていることを特徴とする蒸気再利用型乾燥装置。
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JP2011214808A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-10-27 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 乾燥装置、乾燥設備および乾燥方法 |
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