JP2016109078A - 風力発電用垂直軸型風車の翼、風力発電用垂直軸型風車及び風力発電機 - Google Patents

風力発電用垂直軸型風車の翼、風力発電用垂直軸型風車及び風力発電機 Download PDF

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Abstract

【課題】風車回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることができる翼を提供すること。【解決手段】本発明は風力発電用垂直軸型風車の翼であって、風車の回転軸と平行に延びるように設けられた際に、回転軸側となる内側と、回転軸側と反対側となる外側を有し、この翼は紡滴型の翼断面を有し、翼断面は前縁部と後縁部とを有し、翼断面は、前記内側と前記外側にそれぞれ少なくとも一つの凸部を有し、内側の凸部から後縁部にかけて凹状の輪郭線を有し、後縁部から、内側の凸部に対して接線が存在し、翼断面を翼弦線で分割した場合に、外側にあたる領域の面積をAとし、内側にあたる領域の面積をBとし、後縁部から内側の凸部に対する接線と翼断面の内側の輪郭線で囲まれた領域の面積をCとすると、A>B>0.25A、かつ、B>C>0.03Bの関係を満たす翼断面形状を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、風力発電用垂直軸型風車に係り、詳細には、鉛直方向に延びる回転軸を中心として、風力により回転可能な回転体を備えた風力発電用垂直軸型風車の翼、その翼を備えた風力発電用垂直軸型風車及び風力発電機に関する。
再生可能エネルギーの一つとして近年、風力発電の重要度が増している。風力発電に用いられる風力発電機の風車としては、水平方向に延びる回転軸を有する水平型(水平軸型)風車と、鉛直方向に延びる回転軸を有する垂直軸型風車が知られている。
垂直軸型風車は、水平型風車と異なり、360度どちらの方向から吹く風についても回転駆動源とすることが可能であり、かつ、比較的狭い敷地内にも配置することができるという利点を有する。このような垂直軸型風車の一例が特許文献1に開示されている。
国際公開第2012/073320号
風力発電機は、回転軸を有する発電機と、この発電機の回転軸を回転させるための風車を備えている。例えば、上記特許文献1の垂直軸型風車は、鉛直方向に延びる円筒部を有する回転体とこの回転体の周囲に配置された複数枚の鉛直方向に細長い翼を有している。これら複数の翼は、それぞれ翼支持腕によって回転体に連結され、この回転体は翼の鉛直方向の中心付近の高さに設置された軸受を介して、発電機を内蔵した中心軸に接続されている。このような風力発電機に向けて風が吹くと、翼がこの風を受けて、翼および回転体が滑らかに回転し、回転体に連結された発電機の回転軸を回転させる。
風力発電機に向けて定常的に風が吹いた場合、回転体の回転も安定して、風力発電機による安定した発電が期待できる。しかし、風のない状態では風力発電用垂直軸型風車は静止しており、このような静止状態から風車の回転状態に移行する(すなわち、風車を回し始める)には、回転体に対して、定常回転時におけるトルクよりも大きなトルクが必要となる。つまり、静止状態にある風車を回し始めるには、既に回っている風車の回転を維持するよりも、ある程度強い風が必要となる。従来の翼形状を有する風力発電用垂直軸型風車では、翼が発生する揚力が小さいことから、低風速域での自己起動性が悪く、また風車が回転を始めた後も、発電のために風車に負荷をかけると風車の回転数が大きく低下してしまい、わずかな電力しか取り出せない、という問題があった。
また、風力発電用垂直軸型風車の翼において、風車回転時の翼の空気抵抗が大きくなりすぎると、風車の回転数が下がり、発電効率が下がってしまう、という問題があった。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、風車回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることができる翼を提供することを目的としている。また、本発明は、このような翼を備えた自己起動性の高い風力発電用垂直軸型風車、及びこの風力発電用垂直軸型風車を備えた発電効率の良い風力発電機を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、風力発電用垂直軸型風車の翼であって、翼は、風力発電用垂直軸型風車の回転軸に、回転軸と平行に延びるように設けられた際に、風力発電用垂直軸型風車の回転軸側を向いた内側と、風力発電用垂直軸型風車の回転軸側と反対側を向いた外側を有し、翼は紡滴型の翼断面を有し、翼断面は、風力発電用垂直軸型風車の回転方向に関して前側にある前縁部と、風力発電用垂直軸型風車の回転方向に関して後側にある後縁部とを有し、翼の翼断面は、内側と外側にそれぞれ少なくとも一つの凸部を有し、内側の凸部から後縁部にかけて凹状の輪郭線を有し、翼の翼断面の後縁部から、内側の凸部に対して接線が存在し、翼の翼断面を翼弦線で分割した場合に、翼弦線の外側にあたる領域の面積をAとし、翼弦線の内側にあたる領域の面積をBとし、後縁部から内側の凸部に対する接線と翼断面の内側の輪郭線で囲まれた領域の面積をCとすると、A>B>0.25A、かつB>C>0.03B、の関係を満たす翼断面形状を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、風力発電用垂直軸型風車の回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることができる翼を提供することが可能となる。
また、本発明は、上述した風力発電用垂直軸型風車の翼を3枚備えた風力発電用垂直軸型風車であって、風力発電用垂直軸型風車の回転半径をRとし、翼の翼断面の翼弦長をLとすると、0.5R>L>0.4Rの関係を満たすことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、風車回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることができる3枚の翼を備えた、自己起動性の高い風力発電用垂直軸型風車を提供することが可能となる。
本発明において、好ましくは、風力発電用垂直軸型風車は、回転軸と同軸である円筒部を備え、3枚の翼が風力発電用垂直軸型風車に設けられた状態で、風力発電用垂直軸型風車の回転軸を中心として、3枚の翼の内側の表面に接する内接円が存在し、風力発電用垂直軸型風車の回転半径Rと内接円の半径との差をEとし、内接円の半径と風力発電用垂直軸型風車の円筒部の半径との差をGとすると、0.8<(G/E)<3.0の関係を満たすことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、風車回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることができる3枚の翼を備えた、自己起動性が高く発電効率の良い風力発電用垂直軸型風車を提供することが可能となる。
また、本発明は風力発電機であって、好ましくは、上述した風力発電用垂直軸型風車を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、発電効率の良い風力発電機を提供することが可能となる。
本発明によれば、風力発電用垂直軸型風車の回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることができる翼及び自己起動性の高い風力発電用垂直軸型風車、発電効率の良い風力発電機を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態の風力発電用垂直軸型風車の外観を概略的に示す正面図である。 本発明の一実施形態の風力発電用垂直軸型風車の正面部分の断面図である。 本発明の一実施形態の風力発電用垂直軸型風車の翼の翼断面を示す図である。 本発明の他の実施形態の風力発電用垂直軸型風車の翼の翼断面を示す図である。 本発明の一実施形態の風力発電用垂直軸型風車の上面図である。 本発明に係る風力発電用垂直軸型風車について、G/Eの値を変化させて発電を行った際の発電量を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態である風力発電用垂直軸型風車の翼を詳細に説明する。図1は本発明の好ましい実施形態の翼を備えた風力発電用垂直軸型風車の一例の外観を概略的に示す正面図である。本実施形態において、風力発電用垂直軸型風車1は、設置面に対して鉛直方向に延びる回転軸を中心として風力により回転可能な回転体10を備えている。この回転体10は、後述するシャフト(回転軸)16及び軸受部4を介して、円柱または円筒形の支柱2により回転可能に支持されている。円柱または円筒形の支柱2の下端部は固定部3により設置面に固定される。支柱2は、金属等の耐久性の高い素材により製造されることが好ましい。
回転体10は、円筒部12と、風を受けるための翼13と、この翼13を支持して円筒部12に固定する翼支持腕14とを備えている。これら円筒部12、翼13、および翼支持腕14はアルミニウム等の金属やカーボンファイバー、プラスチック樹脂などの軽量かつ強度および耐久性が高い素材により製造されることが好ましい。
円筒部12は、支柱2より大径の中空円筒状部であり、円筒形の支柱2及び後述するシャフト(回転軸)16と同軸に配置され、シャフト16及び後述する軸受部4により、回転可能に支柱2に連結されている。
円筒部12は図2を参照して後述する円筒部フレーム12’を備え、更に、円筒部フレーム12’の中央部を覆うように設けられた中央カバー120と、円筒部フレーム12’の上部にかぶせるように設けられた上部カバー121、円筒部フレーム12’の下部にかぶせるように設けられた下部カバー122を備えている。上部カバー121及び下部カバー122は、この風力発電用垂直軸型風車1に吹く風に対する抵抗を抑えるために、その輪郭が略半球状に形成されている。下部カバー122は、その中心部を支柱2が貫通するように、中心部付近に開口部が設けられている。
中央カバー120、上部カバー121、下部カバー122の素材として、アルミニウム等の金属やカーボンファイバー、プラスチック樹脂などの軽量かつ強度および耐久性の高い素材を用いることが好ましいが、上部カバー121、下部カバー122等、中央カバー120ほど高い強度が要求されない部分については、アクリル樹脂や、ABS樹脂等の加工しやすく軽量なプラスチック素材を用いることも可能である。
翼13は、この風力発電用垂直軸型風車1に向けて、図1における横方向に吹く風を受けて、揚力を発生させる機能を有しており、この揚力によって回転体10の回転方向にトルクを発生させるためのものである。翼13は風力発電用垂直軸型風車1のシャフト(回転軸)16に、このシャフト16と平行に延びるように取り付けられている。風力発電用垂直軸型風車1に翼13が取り付けられた状態における水平切断面に関して、翼13は上端から下端まで略同一の断面形状を有している。以下、翼13の水平切断面の形状を断面形状、又は翼断面と称する。翼13の断面形状は紡滴型、すなわち翼13は紡滴型の翼断面を有しており、その詳細は図3及び図4を参照して後述する。
本実施形態の風力発電用垂直軸型風車1は、このような翼断面を有する翼13を3枚備えており、この3枚の翼13を円筒部12の周囲に等間隔に配置することで、360度どちらの方向から吹く風についても、これを的確にとらえて回転体10を回転駆動することが可能となっている。翼13の素材として、繊維強化プラスチック、カーボンファイバー等の軽量かつ強度の高い素材を用いることが好ましい。翼の数を3枚以上に増やすことも可能であるが、本実施形態のように一つの風力発電用垂直軸型風車1には3枚の翼13が備えられることが機能面及びコスト面から好ましい。
翼支持腕14は、上述した翼13を円筒部12に接続し固定する機能を有している。本実施形態においては、1枚の翼13を2本の翼支持腕14により上下2箇所で支持している。上方の翼支持腕14は、上部カバー121の下側付近で円筒部12に接続されている。また、下側の翼支持腕14は、下部カバー122の上側付近で円筒部12に接続されている。図1に示す翼支持腕14は図2を参照して後述する翼支持腕フレーム14’を流線型の輪郭を有するカバー部材で覆ったものであり、この風力発電用垂直軸型風車1に向けて吹く風に対する翼支持腕14の抵抗を抑えるようにしている。このような風力発電用垂直軸型風車1を上から見た場合、図5に示すように、ちょうど円筒部12から径方向外側に向けて、翼支持腕14がそれぞれ120度間隔をおいて3方向に広がった形となり、それぞれの先に翼13が接続されている。翼支持腕14の素材として、アルミニウム、カーボンファイバー等の軽量かつ耐久性の高い素材を用いることが好ましい。
図2は本発明の好ましい実施形態の風力発電用垂直軸型風車の一例から中央カバー120および、上部カバー121、下部カバー122、翼支持腕14のカバー部材を外したものを正面から見た正面図である。上述した構成と同じ符号が付された構成については説明を省略する。円筒部フレーム12’は中央カバー120、上部カバー121、下部カバー122の内側にあり、円筒部12の主要構造を形成するフレーム部材である。円筒部フレーム12’は上部に円形の頂板123を有しており、上側の翼支持腕フレーム14’がそれぞれ頂板123に固定されている。翼支持腕フレーム14’はカバー部材の内側にあり、翼支持腕14の主要構造を形成するフレーム部材である。これら円筒部フレーム12’及び翼支持腕フレーム14’も、アルミニウム等の金属やカーボンファイバー、プラスチック樹脂などの軽量かつ強度および耐久性が高い素材により製造されることが好ましい。
円筒部フレーム12’は鉛直方向に関して中央付近に中板124を有しており、シャフト16が中板124の中央部に円筒部フレーム12’と同軸に固定されている。支柱2、円筒部フレーム12’、シャフト16、の鉛直方向に延びる中心軸をAで示す。シャフト16が中板124の下方に延びた先には軸受部4が設けられている。軸受部4はボールベアリングなどにより、シャフト16を回転可能に軸受けするものであり、円筒部12の内部空間の下方に挿入された支柱2の上端部に設けられている。シャフト16は、この軸受部4を介して図示しない発電機に接続されている。発電機は支柱2の内部に配置されており、円筒部12が回転することにより、軸受部4により軸受されたシャフト16が回転し、その結果、発電機で発電が行なわれる。これら風力発電用垂直軸型風車と発電機をあわせた構成を風力発電機と称する。
円筒部フレーム12’は下部に円形の底板125を有しており、下側の翼支持腕14がそれぞれ底板125に固定されている。底板125の中央部には、支柱2の直径よりもやや大きい直径を有する穴が開けられており、この穴を通って支柱2が円筒部12の内部に挿入されている。また、この底板125には、円筒部12が回転可能な状態を保ちながら、円筒部12が鉛直方向から所定角度を超えて傾くことを防止するための規制手段として、ガイドローラー150が3つ取り付けられている。
次に、図3及び図4を参照して、本発明の好ましい各実施形態の風力発電用垂直軸型風車の翼の翼断面の形状について説明する。
図3は、本発明の好ましい実施形態の風力発電用垂直軸型風車1に取り付けられた翼13の水平切断面の断面形状、すなわち翼断面の一例を示している。上述したように、風力発電用垂直軸型風車1に取り付けられた状態における水平切断面に関して、翼13は上端部から下端部まで略同一の断面形状を有している。なお、本発明の各実施形態において、翼13の上端部、下端部をテーパした形状とすることも可能であるが、これらの場合も同じ断面形状を有しながら、その寸法だけが小さくなるようにするのが好ましい。また、翼13の上端部、下端部にカバー部材を設けることも可能であるが、翼13の翼断面の形状により得られる揚力特性や空気抵抗特性に悪影響を及ぼさないようにすることが好ましい。
図3に示すように、翼13の翼断面300は紡滴型形状を有している。なお、図3では、翼断面300の各寸法の関係を見やすくするために、翼断面300を取り囲むように補助線が引かれている。翼13は、風力発電用垂直軸型風車1の回転方向に関して前側にある前縁部301と、後側にある後縁部302を有している。また、図3には、翼13が風力発電用垂直軸型風車1に設けられた際に、風力発電用垂直軸型風車1の回転軸側となる方を「内側」、風力発電用垂直軸型風車1の回転軸側と反対側となる方を「外側」、と示している。
図3に示すように、翼13の前縁部301及び後縁部302は丸みを帯びているのが好ましい。図3において、前縁部301から後縁部302には翼弦線303が引かれており、この翼弦線303の長さ、即ち翼弦長はLである。翼13の翼断面300はこの翼弦線303により分割され、この分割された領域のうち、翼弦線303の外側にあたる領域の面積をAとし、翼弦線303の内側にあたる領域の面積をBとする。
また、図3に示すように、翼13の翼断面300は、内側に凸部305、外側に凸部306、と内側及び外側にそれぞれ一つの凸部を有している。そして翼13の翼断面300は、内側の凸部305から後縁部302にかけて凹状に湾曲した輪郭線を備えている。つまり、翼13の内側に連続的な凹面が形成されている。このような翼断面300において、後縁部302から内側の凸部305に対して接線308を引くことが可能である(すなわち接線308が存在する)。この接線308と、翼断面300の内側の輪郭線で囲まれた領域の面積をCとする。この領域は空間であり、翼13には含まれていない。内側の凸部305から後縁部302にかけて凹状に湾曲した輪郭線上の点から接線308に下した垂線の長さを、接線308と輪郭線上の点との間の距離とすると、輪郭線上の点が内側の凸部305から後縁部302に向けて、この距離は徐々に増加し、最大値となる点を通過すると、徐々に減少していく。
本発明の発明者は翼13の翼断面に関して実験を繰り返し、本発明の実施形態である翼13は、上述した変数A、B、Cに関して、以下の関係を満たす翼断面形状を有することが好ましいことを見出した。
A>B>0.25A ・・・(1)
かつ
B>C>0.03B ・・・(2)
このような関係を満たす翼断面形状を有する翼13によると、風車回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることが可能となる。
上述した関係を満たす翼断面形状の他の例を図4に示す。図4は、本発明の他の好ましい実施形態の翼断面を示している。図3に示した翼断面300と同様に、図4に示す翼断面400も紡滴型の形状を有している。図3と同様に、図4でも、翼断面400の各寸法の関係を見やすくするために、翼断面400を取り囲むように補助線が引かれている。図3に示した翼断面300と同様に、前側、後側、内側、外側が定められており、丸みを帯びた前縁部401及び後縁部402、翼弦線403、内側の凸部405、外側の凸部406を備えている。図4において、前縁部401から後縁部402には翼弦線403が引かれており、翼弦長はL’である。翼13の翼断面400はこの翼弦線403により分割され、この分割された領域のうち、翼弦線403の外側にあたる領域の面積をA’とし、翼弦線403の内側にあたる領域の面積をB’とする。
また、図4に示した翼断面400は、内側の凸部405から後縁部402にかけて凹状に湾曲した輪郭線と、外側の凸部406から後縁部402にかけて凹状に湾曲した輪郭線を備えている。つまり、翼13の内側と外側にそれぞれ、連続的な凹面が形成されている。このような翼断面400において、後縁部402から内側の凸部405に対して接線408を引くことが可能であり、また、後縁部402から外側の凸部406に対して接線409を引くことが可能である。すなわち、接線408と接線409が存在する。この接線408と、翼断面400の内側の輪郭線で囲まれた領域の面積をC’とする。また接線409と、翼断面400の外側の輪郭線で囲まれた領域の面積をD’とする。これら、面積C’、面積D’を有する領域は空間であり、翼13に含まれていない。
図3に示した実施形態と同様に、内側の凸部405から後縁部402にかけて凹状に湾曲した輪郭線上の点から接線408に下した垂線の長さを、接線408と輪郭線上の点との間の距離とすると、輪郭線上の点が内側の凸部405から後縁部402に向けて、この距離は徐々に増加し、最大値となる点を通過すると、徐々に減少していく。翼13の外側においても同様に、外側の凸部406から後縁部402にかけて凹状に湾曲した輪郭線上の点から接線409に下した垂線の長さを、接線409と輪郭線上の点との間の距離とすると、輪郭線上の点が外側の凸部406から後縁部402に向けて移動するにつれて、この距離は徐々に増加し、最大値となる点を通過すると、徐々に減少していく。
本発明の発明者は翼13の翼断面に関して実験を繰り返し、本発明の実施形態である翼13は、上述した変数A’、B’、C’に関して、翼断面400の外側の輪郭線が外側の凸部406から後縁部402にかけて凹状に湾曲した輪郭線であった(すなわちD’>0)としても、以下の関係を満たす翼断面形状を有することが好ましいことを見出した。
A’>B’>0.25A’ ・・・(1’)
かつ
B’>C’>0.03B’ ・・・(2’)
このような関係を満たす翼断面形状を有する翼13によると、風車回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることが可能となる。
次に、図1に示した風力発電用垂直軸型風車1の上面図である図5を参照して、本発明の実施形態の翼を3枚備えた風力発電用垂直軸型風車1について説明する。図5に示すように、円筒部12を中心として、径方向外側に向けて翼支持腕14がそれぞれ120度間隔をおいて3方向に広がっており、各翼支持腕14の先に翼13が接続されている。風が吹いた場合、風力発電用垂直軸型風車1は図5において反時計回りに回転する。この図5には、円筒部12の中心(すなわち回転軸)と同心の円が2つ描かれており、外側の円500はこの風力発電用垂直軸型風車の回転半径Rを半径とする円である。内側の円501は、3つの翼13の内側の表面に接する内接円である。この外側の円500の半径(すなわち回転半径R)と内側の円501の半径との差Eが存在する。また、内側の円501の半径と円筒部12の半径との差Gが存在する。
本発明の発明者は、図5に示した風力発電用垂直軸型風車に関して実験を繰り返し、本発明の実施形態である風力発電用垂直軸型風車は、上述した風力発電用垂直軸型風車の回転半径Rと、翼13の翼断面の翼弦長L(図4に示した翼弦長L’についても同様である)との間で以下の関係を満たすことが好ましいことを見出した。
0.5R>L>0.4R ・・・(3)
この(3)の関係を満たすことにより得られる効果は、翼13が3枚備えられている風力発電用垂直軸型風車において、特に顕著である。これにより、風車回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることができる3枚の翼を備えた、自己起動性の高い風力発電用垂直軸型風車を提供することが可能となる。
更に本発明の発明者は、図5に示した風力発電用垂直軸型風車に関して、上述した外側の円500の半径(すなわち回転半径R)と内側の円501の半径との差E、及び内側の円501の半径と円筒部12の半径との差Gの2つの変数の比(G/E)を変化させ、それぞれの発電量を計測した。その計測結果のグラフを図6に示す。図6のグラフは横軸に(G/E)の値をとり、縦軸は発電量(相対値)を示している。この実験の結果から、2つの変数の比(G/E)が、以下の関係を満たすことが好ましいことが見出された。
0.8<(G/E)<3.0 ・・・(4)
上述した(4)の関係を満たすことにより得られる効果は、図5に示されているように、翼13が3枚備えられている風力発電用垂直軸型風車において、特に顕著であり、この関係を満たす風力発電用垂直軸型風車を使用することにより、発電効率を向上することが可能となる。
2つの変数の比(G/E)に関して、GがEに比べて大きすぎる場合(すなわち(G/E)が3.0以上の場合)は、翼13と円筒部12との間が広すぎる状態に相当し、翼13と円筒部12との間を流れる空気の圧縮率が小さくなるため、空気が流れることにより得られる流体力学的効果が弱まったものと考えられる。一方、2つの変数の比(G/E)に関して、GがEに比べて小さすぎる場合(すなわち(G/E)が0.8以下の場合)は、翼13と円筒部12との間が狭すぎる状態に相当し、翼13と円筒部12との間を流れる空気の流量が充分に確保できなくなったものと考えられる。よって、上述した(4)の関係を満たすことが好ましい。
上述した実施形態において、翼13の数は3枚であることが好ましいが、4枚以上設けても構わない。その場合、4枚以上の翼13はそれぞれ回転対称となるように、円周上に等しい角度間隔で配置されることが好ましい。このように配置することで、強さにむらの有る風がどの方向から吹いたとしても対応することが可能となり、また、回転体10の重心に偏りが生じないようにすることができる。
以上説明したように、本発明の各実施形態によると、風車回転時の翼の空気抵抗を抑えながら、低風速域でも大きな揚力を得ることができる翼を提供することが可能となる。また、このような翼を備えた自己起動性の高い風力発電用垂直軸型風車、及びこの風力発電用垂直軸型風車を備えた発電効率の良い風力発電機を提供することが可能となる。
本発明は、前記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
1 風力発電用垂直軸型風車
2 支柱
3 固定部
4 軸受部
10 回転体
12 円筒部
12’ 円筒部フレーム
13 翼
14 翼支持腕
14’ 翼支持腕フレーム
16 シャフト
120 中央部カバー
121 上部カバー
122 下部カバー
123 頂板
124 中板
125 底板
150 ガイドローラー
300、400 翼断面
301、401 前縁部
302、402 後縁部
303、403 翼弦線
305、405 凸部
306、406 凸部
308、408 接線
409 接線
500 回転半径Rを有する円
501 内側の円(内接円)
また、本発明は、上述した風力発電用垂直軸型風車の翼を3枚備えた風力発電用垂直軸型風車であって、風力発電用垂直軸型風車の回転半径をRとし、翼の翼断面の翼弦長をLとすると、R>L>0.8Rの関係を満たすことを特徴としている。
本発明の発明者は、図5に示した風力発電用垂直軸型風車に関して実験を繰り返し、本発明の実施形態である風力発電用垂直軸型風車は、上述した風力発電用垂直軸型風車の回転半径Rと、翼13の翼断面の翼弦長L(図4に示した翼弦長L’についても同様である)との間で以下の関係を満たすことが好ましいことを見出した。
R>L>0.8R ・・・(3)

Claims (4)

  1. 風力発電用垂直軸型風車の翼であって、
    前記翼は、前記風力発電用垂直軸型風車の回転軸に、該回転軸と平行に延びるように設けられた際に、前記風力発電用垂直軸型風車の回転軸側を向いた内側と、前記風力発電用垂直軸型風車の回転軸側と反対側を向いた外側を有し、
    前記翼は紡滴型の翼断面を有し、該翼断面は、前記風力発電用垂直軸型風車の回転方向に関して前側にある前縁部と、前記風力発電用垂直軸型風車の回転方向に関して後側にある後縁部とを有し、
    前記翼の翼断面は、前記内側と前記外側にそれぞれ少なくとも一つの凸部を有し、前記内側の凸部から前記後縁部にかけて凹状の輪郭線を有し、前記翼の翼断面の後縁部から、前記内側の凸部に対して接線が存在し、
    前記翼の翼断面を翼弦線で分割した場合に、前記翼弦線の外側にあたる領域の面積をAとし、前記翼弦線の内側にあたる領域の面積をBとし、前記後縁部から前記内側の凸部に対する接線と前記翼断面の内側の輪郭線で囲まれた領域の面積をCとすると、
    A>B>0.25A
    かつ
    B>C>0.03B
    の関係を満たす翼断面形状を有する、風力発電用垂直軸型風車の翼。
  2. 請求項1記載の風力発電用垂直軸型風車の翼を3枚備えた風力発電用垂直軸型風車であって、
    前記風力発電用垂直軸型風車の回転半径をRとし、前記翼の翼断面の翼弦長をLとすると、
    0.5R>L>0.4R
    の関係を満たす、請求項1記載の風力発電用垂直軸型風車。
  3. 前記風力発電用垂直軸型風車は、前記回転軸と同軸である円筒部を備え、
    前記3枚の翼が前記風力発電用垂直軸型風車に設けられた状態で、前記風力発電用垂直軸型風車の回転軸を中心として、前記3枚の翼の前記内側の表面に接する内接円が存在し、前記風力発電用垂直軸型風車の回転半径Rと前記内接円の半径との差をEとし、前記内接円の半径と前記風力発電用垂直軸型風車の円筒部の半径との差をGとすると、
    0.8<(G/E)<3.0
    の関係を満たす、請求項2記載の風力発電用垂直軸型風車。
  4. 請求項2又は3に記載の風力発電用垂直軸型風車を備えた風力発電機。
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