JP2016108943A - エンジン制御装置及びエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料に関する異常が発生した場合にエンジン稼働時間を延ばすように制御することが可能なエンジン制御装置を提供する。【解決手段】エンジンが備えるECU30は、アイソクロナス制御と、ドループ制御と、負荷の大小に応じて前記アイソクロナス制御及び前記ドループ制御を切り換える仮想ドループ制御と、からなる複数のエンジン制御のうち少なくとも1つの制御が可能に構成されている。ECU30は、燃料状態検出部45と、燃料異常判定部33と、制御部31と、を備える。燃料状態検出部45は、燃料の状態を検出する。燃料異常判定部33は、燃料状態検出部45の検出結果に基づいて、燃料異常が発生しているか否かを判定する。制御部31は、燃料異常判定部33により燃料異常が発生していると判定されたとき、上記した複数のエンジン制御のうち1つの制御(例えば、仮想ドループ制御)を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、主として、燃料異常の発生時にエンジンの制御を適切に行うエンジン制御装置に関する。
従来から、エンジン制御装置としての電子ガバナ機構が知られている。電子ガバナ機構は、エンジンの燃料噴射量を電子的に制御し、エンジン回転数を目標回転数で安定させるように制御する制御装置である。
このような電子ガバナ機構における燃料噴射量の制御手段として、アイソクロナス制御及びドループ制御は良く知られている。アイソクロナス制御は、エンジンに負荷が掛かって回転数が減少すると、減少した分だけ回転数を戻して元の回転数に補正し、一定の回転数を維持する制御である。ドループ制御は、エンジンに負荷が掛かると、その負荷の大きさに応じてエンジン回転数を減少させながら燃料噴射量を増加させる制御である。
特許文献1は、アイソクロナス制御とドループ制御を組み合わせた疑似アイソクロナス制御を行うエンジン制御装置を開示する。特許文献1が行う制御は、アイソクロナス制御において、エンジン回転数を所定エンジン出力(ラック位置)以上から出力の増加に伴って一定割合で減少させて補正するものである。特許文献1では、この疑似アイソクロナス制御を仮想ドループ制御と称している。
特許文献1のエンジン制御装置は、エンジンの出力が所定出力以上に増加した場合には、当該所定出力からのエンジン出力の増加に伴って、回転数を減少させて出力を補正する構成となっている。具体的には、エンジンの出力時における回転数補正分は、エンジンの最大出力に対する所定の割合(仮想ドループ余裕負荷率RLvd)と、エンジンの最大出力におけるエンジン回転数の減少値(仮想ドループダウン回転数Nvd)と、によって算出される。前記仮想ドループ余裕負荷率RLvd及び仮想ドループダウン回転数Nvdは、予め目標回転数毎に設定され、メモリ(記憶部)に記憶されている。これにより、エンジンの仮想ドループ制御において、出力を補正する時に確実にエンジン出力を確保することができる。
特許文献2は、この種のエンジン制御装置を開示する。この特許文献2のエンジン制御装置は、燃料の噴射量を制御する電子燃料噴射装置と、エンジンの基準目標回転数を指示する入力手段と、エンジンに駆動される油圧ポンプの負荷トルクを演算する負荷演算手段と、予め設定されたエンジン回転数とエンジン負荷トルクに応じたレギュレーション特性を用い、前記入力手段で指示した基準目標回転数及び前記負荷演算手段で演算した負荷トルクに基づいて燃料噴射指令値を演算し、前記電子噴射装置を制御する制御手段と、を備える構成になっている。前記制御手段は、前記レギュレーション特性を、エンジン回転数の高速領域、中速領域、アイドル領域のそれぞれの領域に対応する複数の特性として設定し、前記入力手段で指示した基準目標回転数に応じてそれら特性の1つを選択し、この選択した特性と前記負荷演算手段で演算した負荷トルクに基づいて、前記燃料噴射指令を演算する。
特許文献2は、これにより、入力された基準目標回転数に対して、エンジン負荷トルクに応じたレギュレーション特性により電子燃料噴射装置を制御でき、エンジン負荷トルクの大きさとエンジン回転数領域にかかわらずエンジン回転を適切に制御することができるとする。
特開2009−36179号公報 特許第4127771号公報
ところで、例えばエンジンの燃料に関する異常(例えば、燃料漏れ)が発生した場合等においては、通常と同様の制御を行うと、かえって状況が悪化する可能性がある。例えば、エンジンを船舶に搭載した場合であって、陸から離れた沖合にてエンジンに異常が発生した場合、船舶が寄港できる可能性をできるだけ高めるためには、エンジン稼働時間を延ばすことが極めて重要になる。この観点からいえば、燃料異常が発生しても燃料を通常どおり消費する制御を継続することは適切でない。
この点、上記特許文献1及び2は、エンジンの出力をコントロールするためにエンジンの回転数及び燃料噴射量を制御することを開示しているものの、燃料漏れ等の燃料異常が発生した場合にエンジンをどのように制御するかについて何ら開示していない。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、燃料に関する異常が発生した場合でもエンジンを適切に制御することが可能なエンジン制御装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成のエンジン制御装置が提供される。即ち、このエンジン制御装置は、負荷の変動にかかわらずエンジン回転数を一定に維持するアイソクロナス制御と、負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させるドループ制御と、負荷が所定負荷以下であるときは負荷の変動にかかわらずエンジン回転数を一定に維持するとともに前記所定負荷を上回るときは負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させる仮想ドループ制御と、を含む複数のエンジン制御のうち少なくとも1つの制御が可能に構成されている。このエンジン制御装置は、燃料異常判定部と、制御部と、を備える。前記燃料異常判定部は、燃料の状態を検出する燃料状態検出部の検出結果に基づいて、燃料異常が発生しているか否かを判定する。前記制御部は、前記燃料異常判定部により前記燃料異常が発生していると判定されたとき、前記複数のエンジン制御のうち1つの制御を行う。
これにより、燃料漏れ等の燃料異常を検出した場合に、適切に選択された制御を行うことで、例えば燃料を節約し、エンジンの稼動可能時間を延ばすことができる。
前記のエンジン制御装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記燃料状態検出部は、燃料の圧力を検出する圧力検出部を備える。前記燃料異常判定部は、前記圧力検出部の検出結果に基づいて、燃料漏れが発生したか否かを判定する。
これにより、エンジンの燃料の状態を圧力の観点から判定することができるので、燃料漏れ等の異常を早期かつ適切に検出することができる。
前記のエンジン制御装置においては、前記制御部は、前記燃料異常判定部により前記燃料異常が発生していると判定されたとき、前記仮想ドループ制御を行うことが好ましい。
これにより、燃料漏れ等の燃料異常が検出されたとき、燃料節約に適した仮想ドループ制御に自動的に移行するので、燃料を効果的に節約することができる。
前記のエンジン制御装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記燃料状態検出部は、燃料タンク内の燃料量を検出する燃料量検出部を備える。前記制御部は、前記燃料異常判定部により前記燃料異常が発生していると判定されたとき、前記燃料量検出部により検出した前記燃料タンク内の燃料量に応じてエンジンを制御する。
これにより、燃料の残量に応じてエンジンを制御することで、無駄な燃料消費を一層抑えることができ、エンジンの稼動時間を延ばすことができる。
前記のエンジン制御装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このエンジン制御装置は、前記エンジン制御に関するパラメータを記憶する記憶部を備える。前記制御部は、前記燃料異常判定部により前記燃料異常が発生していると判定されたとき、前記仮想ドループ制御を行う。前記記憶部は、前記燃料異常判定部により燃料異常が発生していると判定された場合の前記仮想ドループ制御において、負荷が所定負荷を上回るときに負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させる回転数補正量に関する補正テーブルを、前記燃料タンク内の燃料量に応じて予め複数記憶する。前記制御部は、前記燃料量検出部により検出された燃料量に基づいて、前記複数の補正テーブルから1つの補正テーブルを選択し、前記エンジンを制御する。
これにより、燃料の残量に応じて、エンジンの制御特性を柔軟かつ容易に変更することで、燃料を効果的に節約することができる。
前記のエンジン制御装置においては、前記燃料状態検出部で検出された燃料の状態をエンジン制御装置から外部に出力する燃料状態出力部を備えることが好ましい。
これにより、燃料不足や燃料漏れ等に関する情報を有効に活用することができる。
本発明の他の観点によれば、前記のエンジン制御装置を備えるエンジンが提供される。
これにより、燃料漏れ等の燃料異常を検出した場合に、適切に選択された制御を行うことで、例えば燃料を節約し、エンジンの稼動可能時間を延ばすことができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの平面図。 エンジンの吸気及び排気の流れを模式的に示す説明図。 燃焼室に燃料を噴射するための構成を模式的に示す説明図。 エンジン制御に関するブロック図。 アイソクロナス制御、ドループ制御、及び仮想ドループ制御をそれぞれ示すトルク線図。 燃料異常に関する制御を示すフローチャート。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本実施形態のエンジン1は、コモンレール式の燃料噴射装置を有するディーゼルエンジンであり、船舶用のインボードエンジンとして構成されている。初めに、エンジン1の構成について、簡単に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の平面図である。図2は、吸気及び排気の流れを模式的に示す説明図である。図3は、燃焼室に燃料を噴射するための構成を模式的に示す説明図である。
図1に示すように、エンジン1は、吸入部10と、過給機11と、吸気管12と、インタークーラ14と、清水クーラ15と、吸気マニホールド17と、を備えている。
吸入部10は、外部の空気を吸入する。なお、吸入部10の内部には、吸気に含まれる粉塵等を取り除くためのエアクリーナが配置されている。過給機11は、図2に示すように、タービンホイール11a及びコンプレッサホイール11bを備えている。タービンホイール11aは、排気ガスを利用して回転するように構成されている。コンプレッサホイール11bは、タービンホイール11aと同じシャフト11cに接続されており、タービンホイール11aの回転に伴って回転する。このようにコンプレッサホイール11bが回転することにより、空気を圧縮して強制的に吸気を行うことができる。
吸気管12は、吸入部10及び過給機11と、インタークーラ14と、を接続する。吸気管12を流れた空気は、インタークーラ14によって冷却される。インタークーラ14は、吸入部10及び過給機11によって吸入された空気を、船外から取り入れた水(本実施形態では、海水)との熱交換によって冷却する。インタークーラ14において熱交換に使用された海水は、清水クーラ15で冷却水と更に熱交換された後に船外へ排出される。
インタークーラ14によって冷却された空気は、吸気管12を介して吸気マニホールド17へ供給される。当該吸気マニホールド17は、吸気管12から供給された空気をエンジン1のシリンダ数に応じて分配して、燃焼室へ供給する。燃焼室では、吸気マニホールド17から供給された空気が圧縮された後に、燃料が噴射される。これにより、燃焼室で燃焼が発生し、ピストンを上下運動させることができる。このようにして発生した動力は、クランク軸等を介して所定の機器(推進用のスクリュー等)へ伝達される。
なお、燃焼室で発生した排気ガスは、図2に示す排気マニホールド19によってまとめられた後、過給機11のタービンホイール11aを通過した後に排出される。
続いて、エンジン1において燃料の供給及び噴射を行う構成について説明する。エンジン1は図3に示すように、燃料タンク20と、燃料フィルタ21と、燃料ポンプ22と、コモンレール23と、インジェクタ24と、を備えている。また、エンジン1は、予め設定されたプログラム及び後述の各種のセンサから得られた情報等に基づいて、エンジン1の各部の制御を行うECU(エンジンコントロールユニット、エンジン制御装置)30を備えている。
燃料ポンプ22は、燃料タンク20に貯留された燃料を吸入する。燃料ポンプ22によって吸い込まれた燃料は、燃料フィルタ21を通過することでゴミ及び汚れが取り除かれる。また、燃料ポンプ22は、吸入した燃料をコモンレール23へ供給する。コモンレール23は、燃料ポンプ22から供給された燃料を高圧で蓄え、複数のインジェクタ24に分配して供給する。
インジェクタ24は、エンジン1が備えるそれぞれのシリンダの上部に取り付けられている。インジェクタ24は、燃焼室に燃料を噴射するための燃料噴射バルブ(後述のインジェクタ電磁弁)を備える。インジェクタ電磁弁は、ECU30の指示に応じたタイミングで開閉することにより、燃焼室に燃料を噴射する。この構成により、出力の調整、排気ガスのクリーン化、及び騒音の抑制等を実現することができる。
次に、図4を参照して、ECU30がエンジン1の出力に対して行う制御について説明する。図4は、エンジン制御に関するブロック図である。
ECU30は、制御部31と、記憶部32と、燃料異常判定部33と、燃料状態出力部34と、を備える。ECU30はマイクロコンピュータとして構成されており、図4に示すように、センサ群40の様々なセンサからの情報に基づいて、アクチュエータ群50の様々なアクチュエータに制御指令を送り、エンジン1を動作させるための各種のパラメータ(例えば、燃料噴射量や、空気吸入量や、排気ガス還元量等)を制御する。また、ECU30は、船舶の図示しない操作部を制御する操作制御部60に対して種々のデータを出力することができる。操作制御部60は、船舶が備える運転部(例えば、操舵席)に設けられたディスプレイ(表示部)70に対し、燃料の残量等の様々な情報を表示することができる。
制御部31は、図示しないCPU等から構成される。制御部31は、センサ群40からの情報及び記憶部32により記憶されたエンジン1の作動に関する情報に基づいて、適切な制御指令をアクチュエータ群50に送り、エンジン1の出力を制御する。
記憶部32は、図示しないROM及びRAM等から構成される。記憶部32は、各種プログラムを記憶するとともに、エンジン1の制御に関して予め設定された複数の制御情報(制御マップ)を記憶している。当該制御マップとしては、例えば、エンジンの出力特性に対応する燃料噴射時期や、空気吸入量や、排気ガス還元量等を示すマップ等を挙げることができる。また、記憶部32には、燃料の残量に応じたエンジン1の回転数の補正量を示す補正量マップ(補正テーブル)も、上記の制御マップの1つとして記憶されている。この補正量マップは、燃料異常が検出された結果として行われる後述の仮想ドループ制御において用いられる。
燃料異常判定部33は、燃料状態の検出に関するセンサからの検出結果に基づいて、燃料異常(具体的には、燃料漏れ)が発生しているか否かを判定する。
燃料状態出力部34は、燃料異常判定部33により判定された燃料異常や、燃料タンク20に設置されたセンサから検出した燃料量等の情報を、操作制御部60にリアルタイムで出力する。操作制御部60は、この情報に基づいて、燃料の異常等に関する状況をディスプレイ70に表示することにより、ユーザは現在の状況を的確に知ることができる。
センサ群40は、エンジン1の回転数を測定する回転数センサ41や、アクセルの入れ込み量(目標回転数の設定位置)を検出するアクセルセンサ42や、コモンレール23の圧力を検知する燃料噴射圧力センサ43や、燃料タンク20内の燃料量を検出する燃料量検出センサ44等を含んで構成される。センサ群40のそれぞれのセンサは、エンジン1を制御するための様々な情報を検出し、その検出結果をECU30へ出力する。
アクチュエータ群50は、エンジン1の各部を動作させるものである。具体的には、アクチュエータ群50は、燃料を噴射させるためのインジェクタ24が備えるインジェクタ電磁弁51等を含んで構成される。
次に、本実施形態のECU30によるエンジン1の制御を説明する。
エンジンの回転を制御する方法としては、アイソクロナス制御及びドループ制御を代表的なものとして挙げることができる。これらの制御は良く知られているため詳細な説明は省略するが、アイソクロナス制御は、負荷の変動にかかわらずエンジン回転数を一定に維持するものであり、ドループ制御は、負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させるものである。なお、アイソクロナス制御及びドループ制御については、横軸をエンジン回転数N(rpm)、縦軸を負荷率P(%)として表した線図(トルク線図)が、それぞれ図5(a)及び図5(b)に示されている。
本実施形態のECU30は、燃料漏れ等が検知されていない正常時には、船舶に要求される特性や、ユーザの好み等を考慮して、2つの制御のうち1つの制御(アイソクロナス制御でも良いし、ドループ制御でも良い)を行うように構成されている。なお、どの制御を行うかについて、ユーザの設定等に応じて切換可能に構成されていても良い。
一方で、本実施形態のECU30は、燃料漏れが検知された場合には、制御モードが仮想ドループ制御に自動的に切り換わるように構成されている。この仮想ドループ制御は、上記のアイソクロナス制御とドループ制御を組み合わせた制御として捉えることができるものであり、以下、詳細に説明する。
この仮想ドループ制御において、エンジン1の出力が、仮想ドループ余裕量で定まる所定エンジン出力以下の範囲では、エンジン回転数を一定に保持する。一方で、エンジン出力が、仮想ドループ余裕量で定まる所定エンジン出力を上回ると、エンジン出力の増大に伴ってエンジン回転数を一定割合で減少させるように補正する。
図5(c)は、上記した仮想ドループ制御のトルク線図である。この線図は、負荷にかかわらずエンジン回転数が一定に保持される部分と、負荷の増大に応じてエンジン回転数が減少する部分と、を有している。以下の説明では、図5(c)に示す仮想ドループ制御の線図のうち、負荷の増大に応じてエンジン回転数が減少する部分を、仮想ドループ作業線110と呼ぶことがある。
以上に説明したとおり、仮想ドループ制御(図5(c))では、アイソクロナス制御(図5(a))と異なり、負荷が所定値を上回って増大したときはエンジン回転数をそれに応じて減少させる。従って、高負荷域において出力が必要以上に増加することを回避できるので、燃料の無駄な消費を抑制することができる。一方で、仮想ドループ制御(図5(c))は、ドループ制御(図5(b))と比較して、負荷がある程度大幅に増減した場合の回転数の変化が小さくなる。従って、負荷の増減に応じてエンジン回転数が急激に加減速するのを防止できるので、燃料消費量を効果的に節約することができる。以上により、仮想ドループ制御は、燃料異常が発生した際に、燃料を節約してエンジン稼働時間を延ばすための制御モードとして好適であるということができる。
図4に示すように、エンジン1に設けられる燃料状態検出部45は、燃料噴射圧力センサ43と、燃料量検出センサ44と、を備え、燃料の状態を検出する。
燃料異常判定部33は、燃料状態検出部45の燃料噴射圧力センサ43により検出したコモンレール23内の燃料の圧力に基づいて、燃料異常が発生しているか否かを判定する。具体的には、燃料異常判定部33は、エンジン1の稼動状態(例えば、アクセルの入れ込み量による目標回転数等)に基づいて、燃料の目標圧力を計算する。次に、燃料異常判定部33は、当該目標圧力と、燃料噴射圧力センサ43により実際に検出したコモンレール23内の燃料圧力(検出圧力)と、を比較する。そして、燃料異常判定部33は、検出圧力が目標圧力より低く、その圧力差が所定の閾値を上回った場合に、燃料漏れが発生していると判定する。
燃料漏れが発生していると燃料異常判定部33により判定されたとき、本実施形態のECU30の制御部31は、仮想ドループ制御に切り替え、エンジン1を制御する。これにより、燃料漏れの発生時には仮想ドループ制御が行われて、燃料消費量を節約することができる。
本実施形態のECU30は、更に燃料量検出センサ44を設けることにより、燃料の残量に応じて、エンジン1に対して最適な仮想ドループ制御を行うことができる。具体的に説明すると、前記ECU30が備える記憶部32は、燃料の残量に応じたマップ(前述の補正量マップ)を予め複数記憶している。この補正量マップは、図5(c)に示す仮想ドループ制御のトルク線図において、負荷の増大に応じてエンジン回転数が減少する部分のエンジン回転数の補正量を示すものである。本実施形態のECU30においては複数の補正量マップが記憶されており、これは、図5(c)に示す仮想ドループ作業線110の傾き等を、燃料の残量に応じて(例えば段階的に)変更しつつ仮想ドループ制御を行うことができることを意味する。ECU30は、燃料量検出センサ44で検出した燃料量に応じた仮想ドループ作業線110に基づいて、エンジン1を制御する。
次に、図6の燃料異常に関する制御を示すフローチャートを参照して、本実施形態のECU30で行うエンジン1の制御を説明する。
ECU30は、コモンレール23内の燃料の圧力の検出結果を、燃料状態検出部45から取得する(ステップS101)。そして、燃料異常判定部33は、エンジン1の状態に基づいて計算された燃料の目標圧力と、燃料噴射圧力センサ43から検出された燃料の実際の圧力(検出圧力)と、を比較する(ステップS102)。検出圧力が目標圧力とほぼ同様であれば、燃料漏れが発生していないと判定し、ステップS101に戻る。
ステップS102では、上記の検出圧力が目標圧力より小さく、かつ、検出圧力と目標圧力との差が所定の閾値を上回った場合には、燃料漏れの異常が発生していると判定される。ステップS102で、燃料異常が発生していると判定したとき、制御部31は、燃料タンク20内の燃料の残量を燃料量検出センサ44から取得する(ステップS103)。次に、制御部31は、記憶部32に記憶しているエンジン回転数の補正量に関する複数の補正量マップから、燃料の残量に応じて1つの補正量マップを選択し、選択された補正量マップからエンジン回転数の補正量を読み出す(ステップS104)。ECU30は、取得した補正量に基づいて、仮想ドループ制御を行う(ステップS105)。
以上の処理により、ECU30は、燃料漏れ等の異常が検出された場合に適切なレギュレーション特性の仮想ドループ制御でエンジン1を制御することにより、燃料を節約して、エンジン1の稼動時間を延ばすことができる。これは、燃料漏れという異常な状況下でエンジン1の稼動を可能な限り維持できることを意味するから、例えば沖合の船舶でエンジン1に燃料漏れが発生した場合における寄港の可能性を高めることができる点で極めて有用である。
以上に説明したように、本実施形態のエンジン1が備えるECU30は、負荷の変動にかかわらずエンジン回転数を一定に維持するアイソクロナス制御と、負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させるドループ制御と、負荷が所定負荷以下であるときは負荷の変動にかかわらずエンジン回転数を一定に維持するとともに前記所定負荷を上回るときは負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させる仮想ドループ制御と、を含む複数のエンジン制御のうち少なくとも1つの制御が可能である。当該ECU30は、燃料異常判定部33と、制御部31と、を備える。燃料異常判定部33は、燃料の状態を検出する燃料状態検出部45の検出結果に基づいて、燃料異常が発生しているか否かを判定する。制御部31は、燃料異常判定部33により燃料異常が発生していると判定したとき、前記した複数のエンジン制御のうち1つの制御(仮想ドループ制御)を行う。
これにより、燃料漏れ等の燃料異常を検出した場合に、適切に選択された制御を行うことで、燃料を節約し、エンジン1の稼動可能時間を延ばすことができる。
また、本実施形態のECU30において、燃料状態検出部45は、燃料の圧力を検出する燃料噴射圧力センサ43を備える。上記燃料異常判定部33は、燃料噴射圧力センサ43の検出結果に基づいて、燃料漏れが発生したか否かを判定する。
これにより、エンジン1の燃料の状態を圧力の観点から判定することができるので、燃料漏れ等の異常を早期かつ適切に検出することができる。
また、本実施形態のECU30において、制御部31は、燃料異常判定部33により前記燃料異常が発生していると判定したとき、仮想ドループ制御でエンジン1を制御する。
これにより、燃料漏れ等の燃料異常が検出されたとき、燃料節約に適した仮想ドループ制御に自動的に移行するので、燃料を効果的に節約することができる。
また、本実施形態のエンジン1において、燃料状態検出部45は、燃料タンク20内の燃料量を検出する燃料量検出センサ44を備える。制御部31は、燃料異常判定部33により燃料異常が発生していると判定したとき、燃料タンク20内の燃料量に応じてエンジン1を制御する。
これにより、燃料の残量に応じてエンジンを制御することで、無駄な燃料消費を一層抑えることができ、エンジンの稼動時間を延ばすことができる。
また、本実施形態のECU30は、エンジン1の制御に関するパラメータを記憶する記憶部32を備えている。制御部31は、燃料異常判定部33により燃料異常が発生していると判定されたとき、仮想ドループ制御でエンジン1を制御する。記憶部32は、燃料異常判定部33により燃料異常が発生していると判定された場合の仮想ドループ制御において、負荷が所定負荷を上回るときに負荷の増加に従ってエンジン回転数を減少させる回転数補正量に関する補正テーブルを、燃料タンク20内の燃料量に応じて予め複数記憶している。制御部31は、燃料量検出センサ44により検出された燃料量に基づいて、複数の補正テーブルから1つの補正テーブルを選択し、エンジン1を制御する。
これにより、燃料の残量に応じて、エンジン1の制御特性を柔軟かつ容易に変更することで、燃料を効果的に節約することができる。
また、本実施形態のECU30は、燃料状態検出部45で検出された燃料の状態を当該ECU30から外部に出力する燃料状態出力部34を備える。
これにより、燃料不足や燃料漏れ等に関する情報を有効に活用することができる。例えば、当該情報をディスプレイ70に表示してユーザに知らせることで、ユーザは状況を適切に把握することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態のECU30は、燃料漏れ等の異常が発生したときに、自動的に仮想ドループ制御に切り換えるように構成されている。しかしながら、このようなモード切換を行うか否かを、ユーザが操作部(例えば、スイッチ等)により指定できるように構成しても良い。
また、例えばボリューム式の操作部を介して、燃料漏れの判定に用いられる上記の圧力差に関する閾値をサービスマン等が指定できるように構成しても良い。この場合、燃料異常判定部33が行う燃料漏れの判定に関する感度を調整することができる。
上記の実施形態では、燃料異常判定部33は、コモンレール23内の燃料圧と燃料の目標圧の圧力差に基づいて燃料漏れを判断している。しかしながら、これに代えて、他の方法により燃料漏れを判断するように構成してもよい。例えば、各運転領域でエンジンが消費する燃料の量と、燃料ポンプ22が供給する燃料の量とを比較して、これらの燃料量の差が所定の閾値を上回った場合に燃料漏れが発生したと判定することが考えられる。
また、ECU30は、燃料漏れ等の異常が発生したときに仮想ドループ制御を行うことに限定せず、燃料の節約に適した他の制御を行ってもよい。例えば、通常時にはアイソクロナス制御を行い、燃料異常の発生時にはドループ制御を行うように構成することができる(この場合、ECU30が仮想ドループ制御の制御モードを有しないように構成しても良い)。なお、ドループ制御はアイソクロナス制御と異なり、負荷の増大に伴ってエンジン回転数を減少させるものであるから、高負荷域において出力が必要以上に増加することを回避でき、この点で燃料節約に適しているということができる。
上記の実施形態で説明した燃料漏れ以外の現象、例えば燃料が残り少なくなった状態を燃料異常として検出して、燃料の節約のために仮想ドループ制御等の特別な制御を行ってもよい。
本発明のエンジン制御装置は、船舶用のエンジン1に限らず、他の用途のエンジンにも広く適用することができる。
1 エンジン
20 燃料タンク
30 ECU(エンジン制御装置)
31 制御部
32 記憶部
33 燃料異常判定部
34 燃料状態出力部
43 燃料噴射圧力センサ(圧力検出部)
44 燃料量検出センサ(燃料量検出部)
45 燃料状態検出部

Claims (7)

  1. 負荷の変動にかかわらずエンジン回転数を一定に維持するアイソクロナス制御と、負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させるドループ制御と、負荷が所定負荷以下であるときは負荷の変動にかかわらずエンジン回転数を一定に維持するとともに前記所定負荷を上回るときは負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させる仮想ドループ制御と、を含む複数のエンジン制御のうち少なくとも1つの制御が可能なエンジン制御装置であって、
    燃料の状態を検出する燃料状態検出部の検出結果に基づいて、燃料異常が発生しているか否かを判定する燃料異常判定部と、
    前記燃料異常判定部により前記燃料異常が発生していると判定したとき、前記複数のエンジン制御のうち1つの制御を行う制御部と、
    を備えることを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジン制御装置であって、
    前記燃料状態検出部は、燃料の圧力を検出する圧力検出部を備え、
    前記燃料異常判定部は、前記圧力検出部の検出結果に基づいて、燃料漏れが発生したか否かを判定することを特徴とするエンジン制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジン制御装置であって、
    前記制御部は、前記燃料異常判定部により前記燃料異常が発生していると判定したとき、前記仮想ドループ制御を行うことを特徴とするエンジン制御装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載のエンジン制御装置であって、
    前記燃料状態検出部は、燃料タンク内の燃料量を検出する燃料量検出部を備え、
    前記制御部は、前記燃料異常判定部により前記燃料異常が発生していると判定したとき、前記燃料量検出部により検出した前記燃料タンク内の燃料量に応じてエンジンを制御することを特徴とするエンジン制御装置。
  5. 請求項4に記載のエンジン制御装置であって、
    前記エンジン制御に関するパラメータを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記燃料異常判定部により前記燃料異常が発生していると判定したとき、前記仮想ドループ制御を行い、
    前記記憶部は、前記燃料異常判定部により燃料異常が発生していると判定された場合の前記仮想ドループ制御において、負荷が所定負荷を上回るときに負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させる減少補正量に関する補正テーブルを、前記燃料タンク内の燃料量に応じて予め複数記憶し、
    前記制御部は、前記燃料量検出部により検出された燃料量に基づいて、前記複数の補正テーブルから1つの補正テーブルを選択し、前記エンジンを制御することを特徴とするエンジン制御装置。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載のエンジン制御装置であって、
    前記燃料状態検出部で検出された燃料の状態をエンジン制御装置から外部に出力する燃料状態出力部を備えることを特徴とするエンジン制御装置。
  7. 請求項1から6までの何れか一項に記載のエンジン制御装置を備えることを特徴とするエンジン。
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JP7326175B2 (ja) 2020-01-30 2023-08-15 川崎重工業株式会社 判定装置、船陸間通信システムおよび判定方法

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