JP2016106877A - 生体電極および衣類 - Google Patents

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和彦 高河原
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Abstract

【課題】生体電極を着衣に取り付けた後で、着衣が汗等で濡れた状態になったとしても、所望の生体電気信号を取得可能とする。【解決手段】生体電極は、撥水性かつ電気絶縁性の部材からなるセンサ取り付け部1104と、センサ取り付け部1104の生体1000と接触する面に配置された導電性の部材からなる電極部1101aと、センサ取り付け部1104の生体1000と接触しない面に露出するように設けられた、生体電気信号測定装置との接続のためのコネクタ1102aと、センサ取り付け部1104に固定され、電極部1101aとコネクタ1102aとを電気的に接続する配線1103aと、コネクタ1102aと配線1103aの表面のうち、生体1000と接触する部分を被覆する撥水性かつ電気絶縁性の絶縁部材1105とを備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、心電図をはじめとする生体電気信号を測定するための生体電極、および生体電極が固定された衣類に関するものである。
脳波、事象関連電位、誘発電位、筋電図、心電図等の生体電気信号の記録、及び生体に対する電気刺激のために、体表面に装着する生体電極が広く使用されている。近年、個人の健康管理の手法の一つとして、長期間にわたって心電波形を記録し、その波形の変化を解析することで、自律神経の乱れや心臓病の兆候を早期に発見することができ、予防医学において有効であることが知られている。長期間にわたって心電波形を取得するため、生体電極の取り付けられた着衣(ウェアラブル電極)が注目されている(非特許文献1参照)。
一般に、ウェアラブル電極は、生体に接触する電極部、生体電気信号を測定する端末を取り付けるコネクタ、電極部とコネクタを接続する配線、電極部とコネクタと配線とを取り付けるベースとなる身生地部分とに分けられ、電極部とコネクタと配線のみに導電性が付与され、身生地は電気絶縁体で形成される。このような構成とすることで、電極部のみから所望の生体電気信号を取得することができる。
David M.D.Ribeiro,et al.,"A Realtime, Wearable ECG and Continous Blood Pressure Monitoring System for FirstResponders",33rd Annual International Conference of the IEEE EMBS,pp.6894-6898,2011
しかしながら、一般に着衣の身生地は、着用時の快適さを確保するために汗や雨などの水分を吸収する素材が用いられる。電解液を含んだ身生地は電気絶縁性が失われる。このため、従来のウェアラブル電極は、着用者が発汗した時や雨天での使用時において、電極部、コネクタ、配線などの導電体と身生地との電気的な絶縁が確保できず、電極部以外の身生地部分で検出された生体電気信号が電極部から取得した生体電気信号に混入することで所望の生体電気信号を取得できなくなったり、複数の電極間が電気的に短絡することにより生体電気信号が劣化したりするといった問題点があった。なお、本来、雨は電解液ではないが、酸性雨等の影響により雨が電解液として作用する可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、生体電極を着衣に取り付けた後で、着衣が汗等で濡れた状態になったとしても、所望の生体電気信号を取得可能とすることにある。
本発明の生体電極は、撥水性かつ電気絶縁性の部材からなるセンサ取り付け部と、このセンサ取り付け部の生体と接触する面に配置された導電性の部材からなる電極部と、前記センサ取り付け部の生体と接触しない面に露出するように設けられた、生体電気信号測定装置との接続のためのコネクタと、前記センサ取り付け部に固定され、前記電極部と前記コネクタとを電気的に接続する配線と、前記コネクタと前記配線の表面のうち、生体と接触する部分を被覆する撥水性かつ電気絶縁性の絶縁部材とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の生体電極の1構成例において、前記センサ取り付け部は、前記電極部と前記コネクタと前記配線よりも大きく、生体の皮膚表面に沿って前記センサ取り付け部の外縁が前記電極部と前記コネクタと前記配線の外縁よりも外側に所定の距離以上張り出すことを特徴とするものである。
また、本発明の生体電極の1構成例において、前記センサ取り付け部は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ウレタンのいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせからなる織物、編物または不織布の布帛である。
また、本発明の生体電極の1構成例において、前記センサ取り付け部は、JIS L 0848(2004年)に規定される人工汗に浸漬した直後の含水率が、JIS L 1096(2010年)水分率及び含水率の測定で20%以下である。
また、本発明の生体電極の1構成例において、前記センサ取り付け部は、JIS L 0848(2004年)に規定される人工汗に浸漬し取り出した後の前記センサ取り付け部の10cm間の電気抵抗値が1MΩ以上である。
また、本発明の衣類は、前記電極部が生体と接触するように生体電極が固定されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、撥水性かつ電気絶縁性の部材からなるセンサ取り付け部に電極部とコネクタと配線とを取り付け、コネクタと配線の表面のうち、生体と接触する部分を撥水性かつ電気絶縁性の絶縁部材で被覆することにより、センサ取り付け部を着衣に取り付けた後で、着衣が汗等で濡れた状態になったとしても、コネクタや配線と生体との間の短絡、あるいは複数の電極部間の短絡を防ぐことができ、所望の生体電気信号を取得することができる。
また、本発明では、センサ取り付け部を電極部とコネクタと配線よりも大きくし、生体の皮膚表面に沿ってセンサ取り付け部の外縁が電極部とコネクタと配線の外縁よりも外側に所定の距離以上張り出すようにしたので、センサ取り付け部を着衣に取り付けた後で、着衣が汗等で濡れた状態になったとしても、着衣の部分で検出された生体電気信号が、電極部で取得する生体電気信号に混入することを防ぐことができる。
本発明の第1の実施の形態に係るウェアラブル電極を生体に装着した様子を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウェアラブル電極の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウェアラブル電極を生体側から見た下面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウェアラブル電極および従来のウェアラブル電極の絶縁部の抵抗と心電図波形振幅との関係を示す図である。 センサ取り付け部の含水率と心電図波形振幅との関係を示す図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係るウェアラブル電極(生体電極)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るウェアラブル電極を生体に装着した様子を示す模式図、図2は図1のウェアラブル電極のA−A’線断面図である。なお、図2では、1組の電極部と配線とコネクタのみについて記載している。
本実施の形態のウェアラブル電極は、生体1000(着用者)に接触する導電性繊維構造物からなる2つの電極部1101a,1101bと、電極部1101a,1101bが取得した生体電気信号を検出処理する生体電気信号測定装置を接続するためのコネクタ1102a,1102bと、電極部1101a,1101bとコネクタ1102a,1102bとを電気的に接続する配線1103a,1103bと、電極部1101a,1101bとコネクタ1102a,1102bと配線1103a,1103bとを固定するためのセンサ取り付け部1104と、コネクタ1102a,1102bと配線1103a,1103bの生体1000に接触する面を被覆する絶縁部材1105と、センサ取り付け部1104が固定される着衣1100とから構成される。
電極部1101a,1101bの数は、1つ以上であれば特に限定されない。電極部1101a,1101bの位置は、本発明においては特に限定されず、検出対象とする生体電気信号の種類に応じて変えればよい。例えば、検出対象が心電波形であれば、生体1000の心臓を挟んだ左右に1つずつ電極部1101a,1101bを設置すればよく、検出対象が筋電位であれば、対象とする筋肉上に2つの電極部1101a,1101bを設置すればよいが、電極部1101a,1101bの配置及び数は本発明を規定するものではない。
電極部1101a,1101bを構成する導電性繊維構造物は、特に限定されないが、銀、銅、金、ステンレス等の金属を細線に加工して柔軟性を付与し、布帛として構成したものや、上記金属を繊維素材にメッキしたもの、あるいはカーボンファイバーや導電性高分子を繊維素材に含浸したものなどを用いることができる。特に、導電性高分子としてポリ3、4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)にポリスチレンスルホン酸(ポリ4−スチレンサルフォネート;PSS)をドープしたPEDOT/PSSを用い、この導電性高分子を繊維素材に含浸したものは、安全性、加工性の観点から電極部として特に好適である。
電極部1101a,1101bは、センサ取り付け部1104の生体1000と接触する面に固定される。電極部1101a,1101bのセンサ取り付け部1104への固定方法としては、電極部1101a,1101bを縫い付ける方法、電極部1101a,1101bの外周部の少なくとも一部を粘着テープで押さえて固定する方法、接着で固定する方法などがある。接着に用いる接着剤としては、特に限定されないが、100〜180℃で融着可能な樹脂を用いることができる。この樹脂の種類はポリエステル、ナイロン、ポリウレタンまたはこれらの混合物が挙げられるが、これらの樹脂に限定されるものではない。
配線1103a,1103bとしては、センサ取り付け部1104に上記の導電性高分子を印刷したものや、センサ取り付け部1104に導電性樹脂のフィルムを貼り付けたもの、センサ取り付け部1104に導電性繊維構造物を縫い付けたもの、図3に示すように導電性繊維構造物からなる配線1103a,1103bの外周部の少なくとも一部を粘着テープ1108で押さえてセンサ取り付け部1104に固定したもの、あるいは導電性繊維構造物をセンサ取り付け部1104に接着したものを用いることができる。
配線1103a,1103bとして導電性高分子を印刷する場合には、センサ取り付け部1104に電極部1101a,1101bを固定した後で、電極部1101a,1101bとの電気的接続が得られるように導電性高分子を印刷してもよいし、導電性高分子を印刷した後で、この導電性高分子との電気的接続が得られるように電極部1101a,1101bをセンサ取り付け部1104に固定してもよい。
配線1103a,1103bとして導電性樹脂のフィルムを用いる場合には、センサ取り付け部1104に電極部1101a,1101bを固定した後で、電極部1101a,1101bとの電気的接続が得られるように導電性樹脂のフィルムをセンサ取り付け部1104に貼り付けてもよいし、導電性樹脂のフィルムを貼り付けた後で、この導電性樹脂のフィルムとの電気的接続が得られるように電極部1101a,1101bをセンサ取り付け部1104に固定してもよい。
配線1103a,1103bとして導電性繊維構造物を用いる場合も同様に、電極部1101a,1101bの後に配線1103a,1103bを固定してもよいし、電極部1101a,1101bよりも前に配線1103a,1103bを固定してもよいが、導電性繊維構造物を用いる場合には、電極部1101a,1101bと配線1103a,1103bとを一体成形することも可能である。
電極部1101a,1101bや配線1103a,1103bの固定に使用される粘着テープとしては、厚みが10〜100μmのポリウレタン、ポリエステル、ナイロン等の合成樹脂からなる無孔フィルム、気孔周辺が撥水化された微多孔フィルム、あるいは繊維間の空隙をポリウレタン、ポリエステル、ナイロン等の撥水性かつ絶縁性の樹脂で予め埋めたフィルムを基材とするものが使用される。この基材の少なくとも片面にホットメルト等の接着材層を積層した防水テープが粘着テープとして特に好適である。
配線1103a,1103bが生体1000と接触すると、電極部1101a,1101bで取得する生体電気信号の信号経路に対してシャント抵抗が挿入されることとなり、測定装置に入力される所望の生体電気信号が減衰してしまう。そのため、配線1103a,1103bをセンサ取り付け部1104の生体1000と接触しない面に配置する必要がある。あるいは、図2に示すように配線1103a,1103bを絶縁部材1105で覆い、生体1000と接触しないようにするとよい。ここで、絶縁部材1105として上記の粘着テープを用い、配線1103a,1103bの固定と絶縁被覆とを同時に達成してもよい。
コネクタ1102a,1102bとしては、着用者に違和感を与えないため、金属製ドットボタンや導電性を有する線ファスナー、導電性面ファスナー等、従来着衣の脱着部に用いられる部材を用いることが好ましく、着用時に簡便に生体電気信号測定装置を脱着できるよう、センサ取り付け部1104の生体1000と接触しない面に露出することが好ましい。
コネクタ1102a,1102bの位置は、特に限定されない。電極部1101a,1101bをセンサ取り付け部1104の生体1000と接触する面に配置し、コネクタ1102a,1102bを生体1000と接触しない面に露出させるためには、コネクタ1102a,1102bまたは配線1103a,1103bのどちらかがセンサ取り付け部1104を貫通している必要がある。コネクタ1102a,1102bと配線1103a,1103bのうちどちらがセンサ取り付け部1104を貫通するかは、コネクタ1102a,1102b及び配線1103a,1103bの形態によって任意に選ぶことができる。
例えばコネクタ1102a,1102bとして金属製ドットボタンや線ファスナーを用いる場合は、取り付け時に必然的に金属製ドットボタンや線ファスナーがセンサ取り付け部1104を貫通するため、配線1103a,1103bは必ずしもセンサ取り付け部1104を貫通する必要はない。ただし、コネクタ1102a,1102bがセンサ取り付け部1104を貫通する場合には、図2に示すように、配線1103a,1103bだけでなく、生体1000と接触する側に露出したコネクタ1102a,1102bについても絶縁部材1105で覆う必要がある。
コネクタ1102a,1102bとして導電性面ファスナーを用いる場合には、例えば導電性面ファスナーをセンサ取り付け部1104に縫い付けることで固定する。この縫い付けに用いる糸は導電性を有しており、この糸を導電性面ファスナーに通すだけでなく、さらにセンサ取り付け部1104を貫通して配線1103a,1103bまで通すことで、導電性面ファスナーをセンサ取り付け部1104に縫い付けると同時に、導電性面ファスナーと配線1103a,1103bとを導電性の糸で電気的に接続することができる。配線1103a,1103bまで達した糸は、上記の絶縁部材1105で覆われるので、生体1000と接触することはない。
導電性を有する糸としては、銀、銅、金、ステンレス等の金属を細線に加工して柔軟性を付与し、糸として構成したものや、これらの金属を繊維素材にメッキしたもの、あるいはカーボンファイバーや導電性高分子を繊維素材に含浸したものなどを用いることができる。
センサ取り付け部1104は、撥水性かつ電気絶縁性の部材であれば特に限定されず、例えばポリエステル、ナイロン、アクリル、ウレタン等の合成樹脂素材を単独または2つ以上組み合わせて用いることができる。ただし、センサ取り付け部1104が繊維素材の織物や編物といった形態であると、多量の水分に暴露された際に、織り込まれた繊維と繊維の間隙に水分が担持され、担持された水分同士が数珠繋ぎに連結されることで、複数の電極部の間が電気的に短絡する恐れがある。
そのため、センサ取り付け部1104は、フッ素樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン等の樹脂からなる無孔フィルム、気孔周辺が撥水化された微多孔フィルム、あるいは繊維間の空隙をポリエステル、ナイロン、ウレタン、フッ素等の撥水性かつ電気絶縁性の樹脂で予め埋めたフィルムであることが望ましい。
センサ取り付け部1104の大きさは、電極部1101a,1101bとコネクタ1102a,1102bと配線1103a,1103bと絶縁部材1105とを含む大きさであれば良く、例えば着衣1100の全てをセンサ取り付け部1104として形成することも可能である。ただし、着用者が着衣1100を着た際に撥水性の部材が肌に触れると、汗が吸収されず不快感が生じる恐れがあるため、センサ取り付け部1104はなるべく小さいことが望ましい。
一方、センサ取り付け部1104の表面に担持された水分同士が数珠繋ぎに連結されることで、ウェアラブル電極の導電性を有する部分(電極部1101a,1101b、コネクタ1102a,1102b、配線1103a,1103b)と着衣1100とが電気的に連結されることを防ぐため、図2に示すように、ウェアラブル電極の導電性を有する部分よりもセンサ取り付け部1104が大きく、かつウェアラブル電極の導電性を有する部分の外縁からセンサ取り付け部1104の外縁までの距離がd以上であることが望ましい。
距離dは、センサ取り付け部1104の材質や表面形状によって設計すべき値であり、本発明を規定するものではないが、例えばセンサ取り付け部1104としてポリウレタン無孔膜を用いた場合には、距離dを3mm以上とすることで所期の目的を達成することができる。
センサ取り付け部1104の着衣1100への固定方法としては、図2に示すように縫い付け糸1107を用いてセンサ取り付け部1104を着衣1100に縫い付ける方法、あるいは接着で固定する方法などがある。
絶縁部材1105は、撥水性かつ電気絶縁性の部材であれば特に限定されず、例えばポリエステル、ナイロン等の合成樹脂素材を用いることができる。ただし、センサ取り付け部1104の場合と同様に、絶縁部材1105が繊維素材の織物や編物といった形態であると、多量の水分に暴露された際に、織り込まれた繊維と繊維の間隙に水分が担持され、担持された水分同士が数珠繋ぎに連結されることで、複数の電極部の間が電気的に短絡する恐れがある。
そのため、絶縁部材1105は、フッ素樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン等の樹脂からなる無孔フィルム、気孔周辺が撥水化された微多孔フィルム、あるいは繊維間の空隙をポリエステル、ナイロン等の撥水性かつ電気絶縁性の樹脂で予め埋めたフィルムであることが望ましい。
絶縁部材1105の大きさは、電気的に絶縁したいコネクタ1102a,1102bと配線1103a,1103bとを含む大きさであればよい。ただし、センサ取り付け部1104の場合と同様に、着用者が着衣1100を着た際に撥水性の部材が肌に触れると、汗が吸収されず不快感が生じる恐れがあるため、絶縁部材1105はなるべく小さいことが望ましい。
絶縁部材1105のセンサ取り付け部1104への固定方法としては、絶縁部材1105を縫い付ける方法、あるいは接着で固定する方法などがある。上記のとおり、絶縁部材1105として粘着テープを使用すれば、配線1103a,1103bの固定と絶縁被覆とを同時に達成することができる。
着衣1100の素材及び形状は特に限定されず、検出対象とする生体電気信号の種類に応じて変えればよい。例えば、心電位の取得を目的とする場合は生体1000の心臓に近い胸部を含む着衣形状が望ましく、例えばシャツやブラジャー、腹巻きといった形状が望ましい。下肢部の筋電位の取得を目的とする場合はスパッツやパンツ、ズボンといった形状が望ましい。
また、着衣1100の素材は通常の衣料品で用いられる綿、羊毛等の天然繊維素材、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維素材を何ら制限なく用いることができるが、本発明はかかる着衣の形状や素材に限定されるものではない。
以上のように、本実施の形態では、撥水性かつ電気絶縁性の部材からなるセンサ取り付け部1104に電極部1101a,1101bとコネクタ1102a,1102bと配線1103a,1103bとを取り付け、コネクタ1102a,1102bと配線1103a,1103bの表面のうち、生体1000と接触する部分を撥水性かつ電気絶縁性の絶縁部材1105で覆うことにより、着衣1100が汗等で濡れた状態であっても、コネクタ1102a,1102bや配線1103a,1103bと生体1000との間の短絡、あるいは複数の電極部1101a,1101b間の短絡を防ぐことができ、所望の生体電気信号を取得することができる。
また、本実施の形態では、電極部1101a,1101bとコネクタ1102a,1102bと配線1103a,1103bよりもセンサ取り付け部1104を大きくし、生体1000の皮膚表面に沿ってセンサ取り付け部1104の外縁が電極部1101a,1101bとコネクタ1102a,1102bと配線1103a,1103bの外縁よりも外側に所定の距離dだけ張り出すようにしたので、着衣1100が汗等で濡れたときに、着衣1100の部分で検出された生体電気信号が、電極部1101a,1101bで取得する生体電気信号に混入することを防ぐことができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態の具体例を示すものである。なお、本発明が以下の例に限定されるものでないことは言うまでもない。
[サンプル1]
図1、図2に示した構造のウェアラブル電極を次に示す部材で作成した。電極部1101a,1101bは、導電成分としてPEDOT/PSSを1wt%、バインダーとしてアクリル系熱硬化性樹脂5wt%を分散した分散液を、ポリエステルナノファイバーのスムース組織の丸編物に対してグラビアコーティング法で薬剤塗布量が15g/mになるように塗布して作成した。
配線1103a,1103bとしては、三ツ冨士繊維工業(株)製の銀メッキ糸「AGposs」の110T−34をリボン状にしたものを使用した。絶縁部材1105としては、東レコーテックス(株)製のポリウレタン防水シームテープ「αE−110」を使用した。
着衣1100とセンサ取り付け部1104には、84T−36Fのポリエステル仮撚り加工糸と33Tのポリウレタン弾性糸を引きそろえたものを32ゲージ丸編み機で作成したベア天生地を使用した。センサ取り付け部1104の布帛には、旭硝子製撥水剤AG−E082を20%owf塗布することで、人工汗に浸漬した直後の含水率が、JIS L 1096(2010年)(織物及び編物の生地試験方法)水分率及び含水率の測定で5%の布帛を作成した。
[サンプル2]
上記のサンプル1と同じ部材を用いて、センサ取り付け部1104の布帛には、旭硝子製撥水剤AG−E082を5%owf塗布した後、ウレタン樹脂を10g/mとなるようグラビアコーティングで塗布することで、人工汗に浸漬した直後の含水率が、JIS L 1096(2010年)(織物及び編物の生地試験方法)水分率及び含水率の測定で3%の布帛を作成した。
[サンプル3]
サンプル2において、センサ取り付け部1104に厚さ1mmのウレタンゴムシートを用いた。
[サンプル4]
上記のサンプル1と同じ部材を用いて、センサ取り付け部1104の布帛には、旭硝子製撥水剤AG−E082を10%owf塗布することで、人工汗に浸漬した直後の含水率が、JIS L 1096(2010年)(織物及び編物の生地試験方法)水分率及び含水率の測定で12%の布帛を作成した。
[サンプル5]
上記のサンプル1と同じ部材を用いて、センサ取り付け部1104の布帛には、旭硝子製撥水剤AG−E082を8%owf塗布することで、人工汗に浸漬した直後の含水率が、JIS L 1096(2010年)(織物及び編物の生地試験方法)水分率及び含水率の測定で18%の布帛を作成した。
[比較例1]
サンプル1と同じ部材、同じ構造で、センサ取り付け部1104の布帛には、旭硝子製撥水剤AG−E082を1.5%owf塗布することで、人工汗に浸漬した直後の含水率が、JIS L 1096(2010年)(織物及び編物の生地試験方法)水分率及び含水率の測定で23%の布帛を作成した。
[比較例2]
サンプル1と同じ部材、同じ構造で、センサ取り付け部1104の布帛に撥水加工を施さないウェアラブル電極を作製した。
サンプル1〜5と比較例1,2のウェアラブル電極を酸性人工汗液に24時間浸漬した後、以下の通電部と絶縁部の電気抵抗及び着用時の心電図波形を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2016106877
通電部A抵抗は電極部1101aとコネクタ1102a間の電気抵抗、通電部B抵抗は電極部1101bとコネクタ1102b間の電気抵抗、絶縁部A抵抗は電極部1101aと電極部1101b間の電気抵抗、絶縁部B抵抗は電極部1101aと着衣1100間の電気抵抗、絶縁部C抵抗は電極部1101bと着衣1100間の電気抵抗である。心電図波形の減衰の数値は、ウェアラブル電極を酸性人工汗液に浸す前の心電図波形のピーク・トゥ・ピーク(Peak to Peak)の振幅値を基準としたときの値を示している。
測定に使用した人工汗については、JIS L 0848(2004年)で規定された酸性人工汗液を次のとおり調整した。具体的には、酸性人工汗液は、L−ヒスチジン塩酸塩一水和物0.5g、塩化ナトリウム5g及びりん酸二水素ナトリウム二水和物2.2gを水に溶かし、これに0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液約15mlと水を加えてpHが5.5で全容が約1Lになるように調整した。
センサ取り付け部1104の含水率は、予め10cm×10cmに切ったセンサ取り付け部を上記人工汗に1分間浸漬した後取り出し1分間吊した後、JIS L 1096(2010年)(織物及び編物の生地試験方法)水分率及び含水率の方法で算出した。
表1によると、従来のウェアラブル電極と同様の構造を有する比較例1および2では、絶縁部の抵抗値が低下し、絶縁部としての機能が損なわれており、心電図波形も約40%以上減衰した。これに対して本実施の形態に係るサンプル1〜5では、絶縁部の絶縁性が維持されており、良好な心電図波形を示した。
図4は、横軸にサンプル1〜5および比較例1,2の絶縁部A抵抗を示し、縦軸に正規化した心電図波形振幅を示した図である。図4における破線40は計算値を示している。絶縁部A抵抗(センサ取り付け部1104の10cmあたりの抵抗値)が1MΩ以上であれば、心電図波形振幅は基準に対して70%以上を維持することができ、良好な心電図波形が取得できる。
また、図5は、横軸にセンサ取り付け部1104の含水率を示し、縦軸に正規化した心電図波形振幅を示した図である。図5によれば、含水率20%前後において心電図波形振幅が急激に変化しており、含水率20%以下であれば、良好な心電図波形が取得できることが分かる。
本発明は、身生地が汗などの水分を含有する状態であっても、所望の生体電気信号を取得可能とする技術に関するものである。本発明は、日常生活の健康管理、ジョギング、マラソンやその他スポーツ時の生体データの把握、建設現場や道路工事、架線保全などの屋外作業での労務管理、バスやトラックの運転手、炭鉱労働者、消防士、救助隊員などの労務管理に適用することができる。
1000…生体、1100…着衣、1101a,1101b…電極部、1102a,1102b…コネクタ、1103a,1103b…配線、1104…センサ取り付け部、1105…絶縁部材、1107…縫い付け糸、1108…粘着テープ。

Claims (6)

  1. 撥水性かつ電気絶縁性の部材からなるセンサ取り付け部と、
    このセンサ取り付け部の生体と接触する面に配置された導電性の部材からなる電極部と、
    前記センサ取り付け部の生体と接触しない面に露出するように設けられた、生体電気信号測定装置との接続のためのコネクタと、
    前記センサ取り付け部に固定され、前記電極部と前記コネクタとを電気的に接続する配線と、
    前記コネクタと前記配線の表面のうち、生体と接触する部分を被覆する撥水性かつ電気絶縁性の絶縁部材とを備えることを特徴とする生体電極。
  2. 請求項1記載の生体電極において、
    前記センサ取り付け部は、前記電極部と前記コネクタと前記配線よりも大きく、生体の皮膚表面に沿って前記センサ取り付け部の外縁が前記電極部と前記コネクタと前記配線の外縁よりも外側に所定の距離以上張り出すことを特徴とする生体電極。
  3. 請求項1または2記載の生体電極において、
    前記センサ取り付け部は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ウレタンのいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせからなる織物、編物または不織布の布帛であることを特徴とする生体電極。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生体電極において、
    前記センサ取り付け部は、JIS L 0848に規定される人工汗に浸漬した直後の含水率が、JIS L 1096水分率及び含水率の測定で20%以下であることを特徴とする生体電極。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生体電極において、
    前記センサ取り付け部は、JIS L 0848に規定される人工汗に浸漬し取り出した後の前記センサ取り付け部の10cm間の電気抵抗値が1MΩ以上であることを特徴とする生体電極。
  6. 前記電極部が生体と接触するように、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体電極が固定されたことを特徴とする衣類。
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