JP2018042720A - 生体電極 - Google Patents

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健司 栗原
Kenji Kurihara
健司 栗原
耕佑 川戸
Kosuke Kawato
耕佑 川戸
博登 深田
Hiroto FUKADA
博登 深田
文 後藤
Fumi Goto
文 後藤
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Abstract

【課題】体動が大きい状況など、生体電気信号中にアーチファクトが取り込まれやすい状況においても、生体電気信号を高い精度で取得できる生体電極を提供する。【解決手段】繊維編地により構成された電極層を備えており、前記繊維編地の表面における水接触角が、85°以下である、生体電極。前記繊維編地の表面に親水処理層が設けられている、生体電極。前記電極層が、基材層の上に設けられている、生体電極。前記電極層と前記基材層との間に、水分透過抑制層を有する、生体電極。【選択図】なし

Description

本発明は、生体電極、及びこれを備える布地に関する。より具体的には、繊維編地により構成された電極層を備える生体電極、及び、当該生体電極が固定されている布地に関する。
従来、心電図、筋電図、脳波、心拍変動などの生体電気信号の取得・記録や、生体に対して電気刺激を付与するために用いられる、生体電極が知られている。生体電極は、体表面に密着させて使用されている。
生体電気信号は、生体を安静にした状態で取得されていたが、近年、日常生活の中で長時間、連続的に生体電気信号を取得し、健康管理などに役立てる試みがなされている。例えば、生体電極を衣類などに固定した、いわゆるウェアラブル電極とし、生体電極で取得した生体電気信号をスマートフォンやタブレット端末などの電子機器にリアルタイムで送信し、スポーツ、健康、医療、エンタテインメントなどの様々な分野に活用する試みがなされている。
しかしながら、例えば運動中などの体動が大きい状況においては、生体電極による生体電気信号の取得時に、生体電気信号中にアーチファクト(ノイズ)が取り込まれやすくなり、生体電気信号を精度高く取得することが困難になるという問題がある(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016−106877号公報
以上の従来技術の問題点に鑑み、本発明は、体動が大きい状況など、生体電気信号中にアーチファクトが取り込まれやすい状況においても、生体電気信号を高い精度で取得できる生体電極を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、繊維編地により構成された電極層を備えており、繊維編地の表面における水接触角が85°以下である生体電極は、体動が大きい状況など、生体電気信号中にアーチファクトが取り込まれやすい状況においても、生体電気信号を高い精度で取得できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.繊維編地により構成された電極層を備えており、
前記繊維編地の表面における水接触角が、85°以下である、生体電極。
項2. 前記繊維編地の表面に親水処理層が設けられている、項1に記載の生体電極。
項3. 前記電極層が、基材層の上に設けられている、項1または2に記載の生体電極。
項4. 前記電極層と前記基材層との間に、水分透過抑制層を有する、項3に記載の生体電極。
項5. 前記繊維編地が、導電性繊維と、熱融着繊維または熱合着繊維とを含んでいる、項1〜4のいずれかに記載の生体電極。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の生体電極が固定されている、布地。
本発明によれば、体動が大きい状況など、生体電気信号中にアーチファクトが取り込まれやすい状況においても、心電図、筋電図、脳波、心拍変動などの様々な生体電気信号を高い精度で取得できる生体電極を提供することができる。本発明の生体電極は、生体電気信号の取得・記録だけでなく、生体に対して効果的に電気刺激を付与するために用いることもできる。また、本発明は、当該生体電極を備える布地を提供することもできる。当該布地は、衣類などに加工することによって、生体電極をウェアラブル電極として利用することもできる。
本発明の生体電極の一例の略図的断面図である。 実施例1の歩行時の心電波形である。 実施例1のジョギング時の心電波形である。 比較例1の歩行時の心電波形である。 比較例1のジョギング時の心電波形である。
本発明の生体電極は、繊維編地により構成された電極層を備えており、繊維編地の表面における水接触角が85°以下であることを特徴とする。以下、本発明の生体電極、及びこれを備える布地について、詳述する。
本発明の生体電極10は、例えば図1に示されるように、電極層1を備えている。電極層は、繊維編地により構成されている。
電極層を構成する繊維編地は、導電性を備えている。繊維編地に導電性を付与する観点から、繊維編地は、導電性繊維を含んでいることが好ましい。導電性繊維としては、特に限定されず、導電性を備える公知の繊維を用いることができる。導電性繊維の具体例としては、金属めっき繊維、導電性高分子繊維、金属繊維、炭素繊維、スリット繊維、導電材含有繊維などが挙げられる。導電性繊維は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
金属めっき繊維としては、特に制限されず、公知のものが使用でき、例えば、銀、銅、金、ステンレスなどの金属、またはこれらのうち少なくとも1種を含む合金などにより、合成繊維の表面が被覆された繊維が挙げられる。金属めっきが施される合成繊維としては、好ましくはナイロン繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。
導電性高分子繊維としては、特に制限されず、公知のものが使用でき、例えば、ポリ3、4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)にポリスチレンスルホン酸(ポリ4−スチレンサルフォネート;PSS)をドープしたPEDOT/PSSを用いたPEDOT/PSS繊維、また、PEDOT/PSSとマトリックス樹脂を複合化した繊維などが挙げられる。マトリックス樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)などが挙げられる。また、導電性高分子を合成繊維に含浸させたものであってもよい。合成繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などが挙げられる。
金属繊維としては、特に制限されず、銀、ニッケル、銅、鉄、錫などの金属、またはこれらの金属のうち少なくとも1種を含む合金などにより構成された繊維が挙げられる。
導電材含有繊維としては、ポリエステル系ポリマーやポリアミド系ポリマーなどの繊維形成性ポリマーに導電性物質を均一分散したもの(つまり、導電性ポリマー)を用いて構成されるものが有用である。導電性物質としては、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどの導電性カーボンブラック;銀、ニッケル、銅、鉄、錫などの金属単体;硫化銅、硫化亜鉛、ヨウ化銅などの金属化合物などが挙げられる。
導電性繊維の中でも、銀めっきナイロン繊維、銀めっきポリエステル繊維、PEDOT/PSSにPVA等のマトリックス樹脂と複合化した繊維が好ましい。
導電性繊維の電気抵抗値としては、特に制限されないが、例えば、0.1〜100,000Ω/10cm程度が挙げられる。
電極層を構成する繊維編地は、導電性繊維のみにより構成されていてもよいし、他の繊維をさらに含んでいてもよい。他の繊維としては、好ましくは熱融着繊維または熱合着繊維(以下、熱融着繊維等という。)が挙げられる。熱融着繊維と熱合着繊維との差異は、半溶融または軟化状態からの冷却により生じる結合力の強弱によって区別すればよく、結合力が強いものは熱融着繊維とし、これよりも結合力が弱いものは熱合着繊維とする。この区別は明確とは言えず曖昧模糊とした部分を含むが、要は、熱処理によって繊維同士の交差部を結合できる繊維であればよいものとする。たとえば熱融着繊維としてのポリウレタン繊維の例としては日清紡テキスタイル株式会社製のモビロンR、モビロンR−L等が例示でき、熱融着繊維とも熱合着繊維ともされるポリウレタン繊維の例としては旭化成株式会社製のロイカSF等が例示できる。繊維編地が熱融着繊維等をさらに含んでいる場合、導電性繊維と熱融着繊維等とを含む電極層を熱プレス処理することにより、電極層の表面平滑性を向上させて、皮膚(体表面)への密着性を向上することができる。生体電極の皮膚への密着性が高められることにより、生体電気信号をより一層精度高く取得し得る。
熱融着繊維等としては、例えば80℃以上程度の熱プレスによって、繊維同士が結合するものであれば、特に制限されないが、好ましくはポリウレタン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。熱融着繊維等は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
繊維編地が熱融着繊維等をさらに含んでいる場合、生体電気信号をより一層精度高く取得する観点から、繊維編地中の導電性繊維と熱融着繊維等との質量比(導電性繊維:熱融着繊維等)としては、好ましくは50:50〜98:2程度、より好ましくは60:40〜90:10程度が挙げられる。
繊維編地を構成している導電性繊維の繊度としては、特に制限されず、例えば1〜300dtex程度が挙げられる。導電性繊維はモノフィラメントでもよいし、マルチフィラメントでもよい。熱融着繊維等の繊度としては、特に制限されず、例えば1〜300dtex程度が挙げられる。熱融着繊維等はモノフィラメントでもよいし、マルチフィラメントでもよい。繊維編地の編立方法としては、特に制限されず、例えば、シングル編(平編、天竺編ともいう。)、フライス編(ゴム編ともいう。)、パール編、スムース編など緯編のほか、経編や編組も含めた公知の編立方法が挙げられる。
本発明の生体電極においては、繊維編地の表面の水接触角は、85°以下である。本発明においては、電極層を構成している繊維編地表面の水接触角が、このような小さな値を有しており、高い親水性を備えていることから、体動が大きい状況など、生体電気信号中にアーチファクトが取り込まれやすい状況においても、生体電気信号を高い精度で取得することが可能となる。より具体的には、本発明の生体電極は、電極層表面の親水性が非常に高いことから、皮膚から放出された水分を、電極層に効率的に留めることが可能となる。これにより、電極自体の水分率が向上し、結果として、生体電気信号中にアーチファクトが取り込まれにくくなり、生体電気信号を精度高く取得することが可能となる。また、体動が大きくなくとも、例えば汗をかきにくい状況においても、生体電気信号中にアーチファクトが取り込まれやすいが、本発明の生体電極は、皮膚から放出された水分を電極層に効率的に留めることが可能となることから、電極自体の水分率が向上し、生体電気信号中にアーチファクトが取り込まれにくくなり、生体電気信号を精度高く取得することが可能となる。
また、従来の生体電極では、電気刺激を付与する場合にも、生体電極の感度が悪くなり、電気刺激を付与しにくくなる場合があったが、本発明の生体電極は、電極自体の水分率が向上し、結果として感度が高くなり、生体に対して効果的に電気刺激を付与することもできる。
生体電気信号をより一層精度高く取得する観点から、繊維編地の表面における水接触角としては、好ましくは80°以下、より好ましくは75°以下が挙げられる。同様の観点から、水接触角としては、好ましくは50°以上が挙げられる。
本発明において、繊維編地の表面における水接触角は、JIS R3257の規定に準拠し、自動接触角計を用いて測定した値である。
繊維編地の表面における水接触角を85°以下に設定する方法としては、特に制限されず、例えば、前述の導電性繊維や熱融着繊維等として、親水性の高いものを用いる手法や、繊維編地の表面に親水処理層を設ける方法が挙げられる。これらの中でも、生体電気信号をより一層精度高く取得する観点から、繊維編地の表面に親水処理層を設ける方法が好ましい。
繊維編地の表面に親水処理層を設ける方法としては、特に制限されないが、例えば、繊維編地を親水性表面処理液中に浸漬する方法が挙げられる。この方法により、繊維編地を構成している繊維表面に均一に親水処理層を形成することが可能となり、効率的に親水性を高めることができる。また、浸漬の後、乾燥や熱処理を行ってもよく、そうすることにより親水処理層の耐久性をより優れたものにすることができる。
親水性表面処理液としては、特に制限されず、公知の親水性表面処理液を使用することができる。親水性表面処理液としては、例えば、ポリウレタン系親水性表面処理液、ポリエーテル系表面処理液、ポリエステル系表面処理液などが挙げられる。これらの親水性表面処理液は、市販品が容易に入手可能である。
電極層の厚みとしては、特に制限されず、例えば10〜1,000μm程度、より好ましくは30〜800μm程度が挙げられる。
本発明の生体電極において、例えば図1に示されるように、電極層1は、基材層2の上に設けられていることが好ましい。これにより、本発明の生体電極の形状安定性、機械的強度を高めることが可能となる。
基材層2を構成する素材としては、特に制限されないが、生体電極の皮膚への密着性を向上させる観点からは、柔軟性に優れた素材が好ましい。基材層2を構成する素材としては、好ましくは、クロロプレンゴムなどのゴムなどや、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレンなどの樹脂が挙げられる。基材層を構成する素材は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。生体電極の皮膚への密着性を向上させる観点から、基材層が樹脂により構成されている場合、樹脂はスポンジ状であることが好ましい。
基材層は、単層であってもよいし、複層であってもよい。また、基材層が複層である場合、各層を構成する素材は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
基材層の厚みとしては、特に制限されないが、生体電極の形状安定性、機械的強度を高めつつ、生体電極の皮膚への密着性を向上させる観点からは、好ましくは0.1〜10mm程度、より好ましくは1〜8mm程度が挙げられる。
本発明の生体電極において、例えば図1に示されるように、電極層1と基材層2との間に、水分透過抑制層3をさらに有することが好ましい。本発明の生体電極においては、水分透過抑制層が設けられていることにより、皮膚から放出された水分を、皮膚と電極層表面との間に、より効率的に留めることが可能となり、生体電気信号をより一層精度高く取得し得る。
水分透過抑制層は、生体電極の水分透過を抑制できるものであれば、特に制限されず、樹脂フィルム、不織布などにより構成することができる。水分透過抑制層を構成する素材としては、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどが挙げられる。また、水分透過抑制層を不織布により構成する場合、水分透過抑制層は、ナノファイバーなどにより構成することができる。水分透過抑制層は、単層であってもよいし、複層であってもよい。また、水分透過抑制層が複層である場合、各層を構成する素材は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
水分透過抑制層の水分透過率としては、特に制限されないが、好ましくは200g/m2/h以下、より好ましくは150g/m2/h以下が挙げられる。なお、水分透過抑制層の水分透過率は、JIS L1099(A−1法)の方法により測定した値である。
水分透過抑制層の厚みとしては、特に制限されず、例えば1〜500μm程度、より好ましくは10〜200μm程度が挙げられる。
電極層と、基材層や水分透過抑制層とを積層する方法としては、特に制限されず、熱プレスや、接着層を設ける方法などが挙げられる。例えば、電極層と基材層とを熱プレスにより接着する場合、温度80〜200℃程度、圧力0.05〜20MPa程度、1〜60秒程度の条件で熱プレスすることが好ましい。また、電極層と水分透過抑制層とを熱プレスにより接着する場合、温度80〜200℃程度、圧力0.01〜10MPa程度、5〜120秒程度の条件で熱プレスすることが好ましい。また、基材層と水分透過抑制層とを熱プレスにより接着する場合、温度80〜200℃程度、圧力0.01〜10MPa程度、5〜120秒秒程度の条件で熱プレスすることが好ましい。
また、接着層を設ける方法としては、例えば、ウレタン不織布、ナイロン不織布などを各層の間に配置して、熱圧着させる方法や、変性シリコーンポリマーなどの接着剤を用いる方法が挙げられる。接着層を設ける場合、接着層の厚みとしては、特に制限されず、例えば1〜300μm程度、より好ましくは10〜200μm程度が挙げられる。
本発明の生体電極には、必要に応じて、これらの層以外の層をさらに設けてもよい。本発明の生体電極の総厚みとしては、特に制限されず、例えば0.1〜12mm程度、より好ましくは1〜10mm程度が挙げられる。
本発明の生体電極と、生体電気信号を記録する機器とを、配線などで接続することにより、心電図、筋電図、脳波、心拍変動などの生体電気信号の取得・記録が可能となる。また、本発明の生体電極を低周波治療器などの電極とすることにより、生体に対して電気刺激を付与するために用いることもできる。
本発明の生体電極は、例えば、布地に固定して利用することができる。具体的には、例えば、本発明の生体電極と布地を複合化して衣類とし、電極層表面を皮膚に密着させて生体電気信号を取得することができる。例えば、このような衣類を着衣した状態で、生体電極から取得した生体電気信号をリアルタイムに記録・解析することにより、スポーツ、健康、医療、エンタテインメントなどの様々な分野に利用することができる。
本発明の生体電極は、電極層が繊維編地により構成されているため、例えば導電性の粘着性層を電極とした従来の生体電極と異なり、繰り返し洗濯して使用することもできる。なお、本発明の生体電極を布地に固定する方法としては、特に制限されず、例えばウレタン不織布、ナイロン不織布などを間に配置して、熱圧着させる方法でもよいし、接着剤を用いてもよいし、布地に縫い付けてもよい。
布地の素材としては、通常の衣類に使用されるものを用いることができ、例えば、綿、羊毛などの天然繊維素材、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維素材など、特に制限なく用いることができる。
布地は、衣類などの形態に加工されていてもよく、その形態は、取得対象とする生体電気信号の種類に応じて適宜設計することができる。例えば、心電図を取得する場合であれば、生体の心臓に近い胸部に生体電極が配置される下着などの形態が好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
銀メッキ繊維(三ツ冨士繊維工業株式会社製のナイロンマルチフィラメント[商品名:AGposs])78dtex/34f及びポリウレタン繊維(44dtex、モビロン(登録商標、日清紡テキスタイル株式会社製)R)を用いて、丸編機でフライス編立を行った。このときの繊維の混率は、銀メッキ繊維を80.7質量%、ポリウレタン繊維を19.3質量%とした。得られた繊維編地を、精練剤1g/Lの処理液を用いて精練(60℃下で10分間)、水洗(5分間)、脱水(脱水機で3分間)、乾燥(80℃で1時間)、生地仕上げ(型枠に固定し、130℃(湿熱)で10分間)に供して、繊維編地により構成された電極層(厚み700μm)を製造した。
次に、得られた電極層の一方面に、ウレタンフィルム(エスマー(登録商標、日本マタイ株式会社製)#5、50μm)を積層し、熱プレス(180℃、1MPaで30秒間)して、水分透過抑制層を形成した。得られた積層体を、ポリウレタン系親水処理液中に浸漬し、熱処理(150℃、2分間)を行い、電極層の表面に親水処理層を形成した。次に、積層体のウレタンフィルム側に、接着層としてのウレタン不織布(エスパンシオーネ(登録商標、KBセーレン株式会社製) UEO−50、厚み120μm)と、基材層としてのネオプレンゴム(厚み4mm)を積層し、熱圧着(140℃、0.5MPaで1分間)を行い、生体電極を得た。なお、得られた生体電極の各層の厚みは、電極層が550μm、水分透過抑制層が45μm、基材層が4mmであった。
(実施例2)
実施例1において、ポリウレタン系親水処理液の代わりに、ポリエーテル系の親水処理液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、生体電極を得た。
(実施例3)
実施例1において、ポリウレタン系親水処理液の代わりに、ポリエステル系の親水処理液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、生体電極を得た。
(比較例1)
実施例1において、電極層の表面に親水処理層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、生体電極を得た。
(比較例2)
実施例1において、電極層とウレタンフィルムとの積層に、熱プレス(180℃、1MPaで30秒間)を行わず、接着剤(主成分:変性シリコーンポリマー、厚み:60μm)を用いたこと、及び親水処理層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、生体電極を得た。なお、得られた生体電極の各層の厚みは、電極層が700μm、水分透過抑制層が50μm、基材層が4mmであった。
<水接触角の測定>
実施例1〜3及び比較例1,2で得られた各生体電極の電極層表面の水接触角を、それぞれ、JIS R3257の規定に準拠し、自動接触角計(KRUSS社製のDSA20E)を用いて測定した。結果を表1に示す。
<心電測定>
被験者の体表面(心臓の上部)に、上記で得られた各生体電極を、それぞれ、着圧が1kPaとなるように貼り付けた。なお、生体電極は、配線を介して、心電計に接続されている。次に、室温15℃、湿度40%RHの環境下、トレッドミルを用いて、歩行時(速度5km/h、測定期間1分間)またはジョギング時(速度8km/h、測定期間1分間)の心電波形(心電図)を取得した。測定期間中における心電波形の取得精度を、以下の基準により評価した。結果を表1に示す。なお、実施例1及び比較例1の生体電極を用いた場合に得られた心電波形を、それぞれ、図2〜5に示す。図2は、実施例1の歩行時の心電波形であり、図3は、実施例1のジョギング時の心電波形であり、図4は、比較例1の歩行時の心電波形であり、図5は、比較例1のジョギング時の心電波形である。
(評価基準)
A.心電波形が明瞭であり、心電波形を精度高く取得できる。
B.心電波形に僅かにアーチファクトが混入しているが、心電波形を取得できる。
C.心電波形にアーチファクトが多く混入しており、取得される心電波形の精度が低い。
D.心電波形にアーチファクトが非常に多く混入しており、心電波形が取得できない。
1 電極層
2 基材層
3 水分透過抑制層
4 接着層
10 生体電極

Claims (6)

  1. 繊維編地により構成された電極層を備えており、
    前記繊維編地の表面における水接触角が、85°以下である、生体電極。
  2. 前記繊維編地の表面に親水処理層が設けられている、請求項1に記載の生体電極。
  3. 前記電極層が、基材層の上に設けられている、請求項1または2に記載の生体電極。
  4. 前記電極層と前記基材層との間に、水分透過抑制層を有する、請求項3に記載の生体電極。
  5. 前記繊維編地が、導電性繊維と、熱融着繊維または熱合着繊維とを含んでいる、請求項1〜4のいずれかに記載の生体電極。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の生体電極が固定されている、布地。
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