JP2016106640A - 脈拍数測定装置及び脈拍数測定方法 - Google Patents

脈拍数測定装置及び脈拍数測定方法 Download PDF

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秀和 前澤
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Abstract

【課題】脈拍を適切に検出できる脈拍数測定装置及び脈拍数測定方法を提供する。【解決手段】脈拍数測定装置(生体情報測定装置1)は、使用者の脈波信号を検出する生体情報検出部31と、使用者の体動を示す体動信号を検出する体動情報検出部32と、脈波信号の周期性に関連する脈拍関連情報と、体動信号の周期性に関連する体動関連情報とに基づいて、脈波信号と体動信号との重なりを判定する重なり判定部(制御部9)と、脈波信号と体動信号とが重なっていると判定されると、体動関連情報に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部(制御部9)と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、脈拍数測定装置及び脈拍数測定方法に関する。
従来、使用者に装着され、当該使用者の生体情報としての脈拍数を測定する脈拍計が知られている。この脈拍計は、光又は超音波を利用する脈拍センサーを有し、当該脈波センサーによって検出される使用者の血流量の変化に基づいて、脈拍数を算出する。
このような脈拍計にて検出される脈波信号は、使用者の拍動成分信号と体動成分信号とが重畳された信号である。このため、使用者の体動が激しい場合には、拍動成分信号に対して体動成分信号の割合が高くなり、脈拍数を適切に算出できない可能性がある。
これに対し、上記脈拍センサーに加えて、使用者の体動情報(活動情報)を検出する体動センサーを備える脈拍計が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の脈拍計では、体動センサーは、X軸、Y軸及びZ軸の3軸の加速度を検出し、検出結果を体動信号として出力する。そして、脈拍計は、当該体動センサーによって検出された体動成分信号に基づいて、脈拍センサーによって検出された脈波信号から体動ノイズ成分信号を除去し、拍動成分信号を抽出する。そして、当該脈拍計は、抽出された拍動成分信号に対して周波数解析を行って拍動呈示スペクトルを特定し、当該拍動呈示スペクトルの周波数(或いは周期)に基づいて、脈拍数の算出及び測定を実行する。これにより、体動成分信号の影響を低減できる。
特開2012−232010号公報
ところで、上記直交3軸の加速度を検出する体動センサーを有する脈拍計が使用者の手首に装着されている場合、当該体動センサーによって、使用者の走行時に、腕の振り及び歩調に応じた加速度の変化が検出される。このような体動及び脈のそれぞれの周波数は、使用者の体動状態によっては、互いに重なってしまう可能性がある。
ここで、特許文献1に記載の脈拍計では、上記のように、検出された脈波信号から体動ノイズ成分信号を除去して拍動成分信号を抽出し、当該拍動成分信号に対して周波数解析を行うことにより特定された拍動呈示スペクトルの周波数に基づいて脈拍を計数する。このため、脈拍の周波数と体動の周波数とが一致する、又は、近い場合、脈波信号から体動ノイズ成分を引き過ぎてしまい、拍動成分信号が小さくなる(弱くなる)場合がある。このような場合、抽出された拍動成分信号から脈拍を特定できない場合がある他、脈拍に類似するノイズが検出されると、当該ノイズを脈拍と誤って判断してしまうという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、脈拍を適切に検出できる脈拍数測定装置及び脈拍数測定方法を提供することを目的の1つとする。
本発明の第1態様に係る脈拍数測定装置は、使用者の脈波信号を検出する生体情報検出部と、前記使用者の体動を示す体動信号を検出する体動情報検出部と、前記脈波信号の周期性に関連する脈拍関連情報と、前記体動信号の周期性に関連する体動関連情報とに基づいて、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定する重なり判定部と、前記脈波信号と前記体動信号とが重なっていると判定されると、前記体動関連情報に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部と、を有することを特徴とする。
なお、脈拍関連情報は、脈波信号に基づいて判断される脈拍の周波数や、当該脈拍の波形、周期及び位相を例示できる。体動情報についても同様である。
上記第1態様によれば、脈波信号と体動信号とが重なっていると判定されると、当該脈波信号と重なった体動信号の周期性に関連する体動関連情報に基づいて脈拍数が算出される。これによれば、脈波信号と体動信号とが重なって、脈波信号から体動ノイズ成分を除去して得られる拍動信号から脈拍を特定できない場合に、脈拍数(単位時間当たりの脈拍数)を適切に算出でき、ノイズが脈拍として誤検出されることを抑制できる。
上記第1態様では、前記脈拍関連情報は、前記脈波信号に基づいて求められる脈拍の周波数であり、前記体動関連情報は、前記体動信号に基づいて求められる体動の周波数であることが好ましい。
このような周波数は、それぞれ脈波信号及び体動信号を周波数解析して得られる解析結果(パワースペクトル)から代表的な周波数(ピークが大きい周波数)を特定することによって得られる。
ここで、単位時間当たりの脈拍数を算出する方法としては、脈波信号に基づいて求められる上記脈拍の周波数に、単位時間に応じた係数(単位時間が1分であれば60)を乗算して、当該脈拍数を算出する方法がある。このような方法によれば、所定時間内の脈拍数を計数し、単位時間を当該所定時間で除算して得られる商を当該脈拍数に乗算して、単位時間当たりの脈拍数を算出する方法に比べて、当該脈拍数を迅速に算出できる。
このような方法が採用される場合、上記のように、脈波信号から脈拍の周波数が求められるので、当該脈拍の周波数を求める構成を別途設ける必要がない他、当該構成を利用して、体動の周波数を求めることができる。従って、単位時間当たりの脈拍数の算出に利用される構成及び情報を用いて、脈拍及び体動のそれぞれの周波数を取得できる。
上記第1態様では、前記重なり判定部は、前記脈拍の周波数と前記体動の周波数との差が所定範囲内にあると判断される場合に、前記脈波信号と前記体動信号とが重なっていると判定することが好ましい。
上記第1態様によれば、例えば上記のように求められた脈拍の周波数と体動の周波数との差が所定範囲内にあるか否かに基づいて、脈波信号と体動信号との重なりを容易に判定できる。
上記第1態様では、前記所定範囲は、−0.1Hz以上+0.1Hz以下の範囲であることが好ましい。
ここで、脈拍の周波数と体動の周波数との差が、当該範囲外である場合には、脈波信号と体動信号とは重なっておらず、当該体動の影響は小さいと考えられる。
このため、上記第1態様では、上記所定範囲が−0.1Hz以上+0.1Hz以下の範囲であることにより、脈波信号と体動信号との重なりを適切に判定できる。
上記第1態様では、前記重なり判定部は、前記脈波信号に基づいて算出された過去の脈拍数、及び、前記体動信号に基づいて推定される脈拍数のいずれかから導出される推定脈拍数に対応する周波数と、前記体動信号に対応する周波数とを比較して、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定することが好ましい。
なお、単位時間当たりの脈拍数を上記係数にて除算した商を得れば、脈拍の周波数を簡易に取得できる。
ここで、過去の脈拍数(単位時間当たりの脈拍数であり、例えば、脈波信号に基づいて特定された前回の脈拍数に対応する周波数を用いて算出された単位時間当たりの脈拍数)から求められる脈拍の周波数と、体動信号に対応する周波数(現在の体動の周波数)とが上記所定範囲内である場合には、脈波信号から脈拍を特定できない場合の原因は、脈波信号と体動信号とが重なっているためである可能性が高い。
また、体動信号に基づく使用者の運動時の歩調(1分当たりの歩数。ピッチ)と脈拍数とは相関関係があることから、当該体動信号に基づいて脈拍数を推定することが可能である。この脈拍数(推定脈拍数)から求められる脈拍の周波数と、体動信号に対応する周波数とが上記所定範囲内である場合も、脈波信号から脈拍を特定できない場合の原因は、脈波信号と体動信号との重なりである可能性が高い。
このため、上記第1態様では、重なり判定部は、脈波信号に基づいて過去に算出された脈拍数及び上記推定脈拍数から求められる周波数と、体動信号に対応する周波数とを比較し、これらの差が上記所定範囲内であるか否かを判定することにより、脈波信号から脈拍を特定できない場合の原因を特定できる。そして、脈波信号から脈拍を特定できない原因が脈波信号と体動信号との重なりである場合には、体動関連情報である体動の周波数に基づいて脈拍数が算出されるので、脈拍数をより適切に計数できる。
上記第1態様では、前記脈波信号のSN比が所定値以上であるか否かを判定するSN比判定部を有し、前記脈拍数算出部は、前記SN比判定部によって前記所定値より低いと判定されると、前記体動信号に基づく前記脈拍数の推定値を取得することが好ましい。
ここで、脈波信号のSN比が比較的高い場合、脈波信号において体動成分等のノイズの影響が小さく、脈波信号と体動信号とが重なっている場合でも脈拍を特定できる可能性が高い。一方、脈波信号のSN比が比較的低い場合には、脈拍を特定できない可能性が高くなり、このような場合は、脈拍数を算出しづらい。
これに対し、上記第1態様では、脈波信号のSN比が比較的低い場合に、体動信号に基づく脈拍数の推定値が取得される。これによれば、脈拍を検出できない場合でも、使用者の運動状態に応じて推定された脈拍数を取得及び提示できる。
上記第1態様では、前記体動信号は、前記生体情報検出部が装着される装着部位の1回の往復運動に伴う加速度変化を1周期として示す第1体動信号と、前記1回の往復運動における一方向への移動に伴う加速度変化を1周期として示す第2体動信号と、を含み、前記重なり判定部は、前記脈拍関連情報と、前記第2体動信号に基づく前記体動関連情報とに基づいて、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定することが好ましい。
なお、生体情報検出部、或いは、当該生体情報検出部を有する脈拍数測定装置が装着される装着部位としては、例えば、使用者の四肢が挙げられ、より詳しくは、手首や足首が挙げられる。そして、使用者が歩行又は走行する場合、第1体動信号は、当該装着部位の前後の往復運動による加速度変化を1周期として示す加速度信号となり、第2体動信号は、当該装着部位の前方向への移動に伴う加速度変化を1周期とし、かつ、後方向への移動に伴う加速度変化を1周期として示す加速度信号となる。換言すると、第1体動信号は、上記装着部位の1回の往復移動に伴う加速度変化が1周期となる加速度信号であり、第2体動信号は、当該装着部位の1回の往復移動に伴う加速度変化が2周期となる加速度信号である。具体的に、1歩の動作に対応する加速度変化を1周期とする加速度信号が第2体動信号であり、2歩の動作に対応する加速度変化を1周期とする加速度信号が第1体動信号である。また、第2体動信号では、腕又は足の前方向への移動、及び、後方向への移動のそれぞれに伴って出現するピークの周期は、左右それぞれの足の前方向への移動周期と略同期することから、第2体動信号は、歩行時及び走行時の使用者の上下の動き(歩調)を示す加速度信号と換言することも可能である。
一方、上記第1態様では、前記使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定する使用者判定部を有し、前記重なり判定部は、前記使用者判定部によって前記使用者がスポーツ心臓を有する者と判定されると、前記脈拍関連情報と、前記第1体動信号に基づく前記体動関連情報とに基づいて、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定することが好ましい。
ここでいうスポーツ心臓とは、競技能力を高めるために身体が適応した結果、通常より大きく肥大した心臓自体や、そのような心臓を有することによって優れた心肺機能を指す。なお、スポーツ心臓を有する者と判定される条件(以下、判定条件という)としては、1拍あたりの心拍出量が150ml以上であること、より好ましくは、200ml以上であること、又は、安静時脈拍数が50以下であること、より好ましくは、40以下であることが例示される。これら心拍出量及び安静時脈拍数は、脈波、或いは、心電を解析することで抄出できる。また、スポーツ心臓は、運動能力、或いは、心肺能力と言い換えることができ、上記判定条件は、例えば長距離走のタイムとすることも可能である。
一般的に、個人の運動習慣や運動能力等によって、脈波信号と重なりやすい体動信号の種別が異なる場合がある。例えば、発明者らが行ったテストによると、第2体動信号から導出可能な上記ピッチが180(3Hz)で走行した場合、運動習慣が無い人の脈拍数は、およそ180(3Hz)程度になった。すなわち、運動習慣が無い人では、第2体動信号に基づく体動の周波数と、脈波信号に基づく脈拍の周波数とがほぼ同じ周波数領域に位置するという結果がしばしば得られた。このような結果が得られる場合には、脈波信号と第2体動信号とが重なっていると判定される。
一方、運動習慣があり、いわゆるスポーツ心臓を有する人の脈拍数は、ピッチが180(3Hz)で走行した場合でも90程度にしかならなかった。すなわち、スポーツ心臓を有する人では、第1体動信号に基づく体動の周波数と、脈波信号に基づく脈拍の周波数とがほぼ同じ周波数領域に位置するという結果がしばしば得られた。このような結果が得られる場合には、脈波信号と第1体動信号とが重なっていると判定される。
このように、運動習慣や運動能力によっては同じ運動を実施したとしても、脈波信号と重なる体動信号の種別が異なる状況が、テストの中ではしばしば見られた。このため、従来の手法では後段の信号処理において体動信号(第1又は第2体動信号)とともに脈波信号も抑圧又は削除されてしまう可能性があり、正確な脈拍数を算出することが困難な状況となる。
これに対し、上記第1態様では、運動習慣が無く、スポーツ心臓を有さない者である場合には、上記脈拍関連情報と第1体動信号に基づく体動関連情報に基づいて、脈波信号と体動信号との重なりが判定される。一方、使用者がスポーツ心臓を有する者である場合には、上記脈拍関連情報と、第1体動信号及び第2体動信号の少なくともいずれかに基づく体動関連情報に基づいて、脈波信号と体動信号との重なりが判定される。そして、脈波信号と体動信号とが重なっていると判定されると、体動関連情報に基づいて脈拍数が算出される。これによれば、脈波信号と体動信号とが重なっているような状況においても、上記誤判定がなされることを抑制でき、正確な脈拍数を算出できる。従って、どのような運動習慣の使用者であっても、脈拍数を適切に計数できる。
一方、生体情報測定装置を装着した使用者が、低温環境下において運動を実施した場合、生体情報測定装置が接触する使用者の皮膚の表面温度は低いので、生体情報検出部により検出される脈波信号は、体動信号に比べ小さくなることがある。
このような場合に、スポーツ心臓を有しない使用者に対して、上記脈波関連情報と、第1体動信号に基づく体動関連情報とに基づいて、脈波信号と体動信号との重なりを判定しても、脈波信号には、体動信号(主に第1体動信号)により示される体動ノイズ成分が主に含まれることから、脈波信号に含まれる体動ノイズ成分を脈拍と特定してしまい、脈波信号と体動信号とが重なっていると誤判断してしまう可能性がある。特に、運動開始直後では、第1体動信号により示される体動成分(例えば使用者の腕振り1往復分に相当する体動成分)と、脈波信号に基づいて算出された前回の脈拍数に基づいて推定される推定脈拍数とは周波数が非常に近いため、当該体動成分を脈拍と誤判断する可能性が高まる。
これに対し、上記第1態様では、使用者がスポーツ心臓を有する者でないと判定される場合には、上記脈拍関連情報と、第1体動信号に基づく体動関連情報とに基づく脈波信号と体動信号との重なりを判定しない。これにより、使用者がスポーツ心臓を有する者である場合と、スポーツ心臓を有する者ではない場合とで、判定内容を切り替えることができるので、使用者に応じて、適切に脈拍数を算出できる。
上記第1態様では、前記使用者による入力操作を受け付ける操作部を備え、前記使用者判定部は、前記入力操作の内容に基づいて、前記使用者がスポーツ心臓を有するものであるか否かを判定することが好ましい。
上記第1態様によれば、使用者による入力操作の内容に基づいて、当該使用者がスポーツ心臓を有するものであるか否かが判定される。これによれば、例えば、使用者によって自身がスポーツ心臓を有する者であるか否かを示す入力操作が行われた場合や、当該使用者がスポーツ心臓を有する者か否かを示す指標となる項目への入力操作が行われた場合に、当該入力操作の内容に基づいて、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定できる。従って、生体信号を解析する等して判定処理を実行する場合に比べて、使用者判定部による判定処理を簡易に実行できる。
上記第1態様では、前記使用者判定部は、検出された前記体動信号に基づく前記使用者の運動状態と、前記運動状態での前記使用者の脈波信号とに基づいて、前記使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定することが好ましい。
上記第1態様によれば、使用者の運動状態と、当該運動状態での脈波信号とに基づいて、上記判定処理が実行される。これによれば、体動信号に基づく運動状態にて検出された使用者の脈波信号と、同じ運動状態にてスポーツ心臓を有する者であれば検出され得る生体信号の指標とを比較することにより、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを適切に判定できる。
本発明の第2態様に係る脈拍数測定方法は、使用者の脈拍数を測定する脈拍数測定方法であって、前記使用者の脈波信号の周期性に関連する脈拍関連情報と、前記使用者の体動を示す体動信号の周期性に関連する体動関連情報とに基づいて、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定し、前記脈波信号と前記体動信号とが重なっていると判定されると、前記体動関連情報に基づいて脈拍数を算出することを特徴とする。
上記第2態様によれば、脈拍数測定装置を用いて当該脈拍数測定方法を実施することにより、上記第1態様に係る脈拍数測定装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第1実施形態に係る生体情報測定装置の構成を示すブロック図。 上記第1実施形態における制御部の構成を示すブロック図。 上記第1実施形態における設定画面の一例を示す図。 上記第1実施形態におけるテーブル選択部の構成を示すブロック図。 上記第1実施形態における第1選択処理を示すフローチャート。 上記第1実施形態における第2選択処理を示すフローチャート。 上記第1実施形態における解析部の構成を示すブロック図。 上記第1実施形態における脈拍数測定処理を示すフローチャート。 上記第1実施形態における脈拍数算出処理を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態に係る生体情報解析システムを構成する検出装置の構成を示すブロック図。 上記第2実施形態における生体情報解析システムを構成する解析装置の構成を示すブロック図。 上記第2実施形態における解析装置の制御部の構成を示すブロック図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[生体情報測定装置の概略構成]
図1は、本実施形態に係る生体情報測定装置1の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る生体情報測定装置(以下、測定装置と略す場合がある)1は、当該測定装置1を手首等の装着部位に装着した使用者の生体情報を測定するウェアラブル機器であり、生体情報解析装置に相当する。この測定装置1は、検出された生体情報及び体動情報を、当該測定装置1と通信する情報処理装置(図示省略)に送信する。
このような測定装置1は、詳しくは後述するが、実施される運動の状態と、当該運動を実施した場合の脈拍数の推定値とが関連付けられた解析情報としての複数のテーブルを記憶している。そして、これらテーブルのうち、使用者の運動能力に応じたテーブルが選択されて推定脈拍数が取得される他、脈拍数の算出処理において、一般的な使用者とは異なる処理が実行される。更に、選択されたテーブルは、使用者の運動状態に応じて学習されて更新される。すなわち、測定装置1は、使用者の脈拍数を測定する脈拍数測定装置でもある。
このような測定装置1は、図1に示すように、操作部2、検出部3、受信部4、報知部5、通信部6、記憶部7、信号処理部8及び制御部9を備える。
[操作部の構成]
操作部2は、測定装置1の外装ケースに配設された複数のボタンを有し、入力(押下)されたボタンに応じた操作信号を制御部9に出力する。例えば、操作部2は、設定画面を表示させる入力操作に応じた操作信号や、当該設定画面にて表示された項目の設定操作に応じた操作信号を出力する。なお、操作部2は、ボタンを有する構成に限らず、後述する表示部51上に配置されるタッチパネルや、使用者のタップ操作を検出する構成であってもよい。
[検出部の構成]
検出部3は、制御部9の制御の下、使用者の生体情報を検出する生体情報検出部31と、使用者の体動情報を検出する体動情報検出部32と、を備える。
生体情報検出部31は、使用者の生体情報を信号として検出し、検出された信号を制御部9に出力する。この生体情報検出部31は、使用者の脈波を検出する脈波センサーを備える。この他、生体情報検出部31は、他の生体情報(例えば、脳波、心電及び体温)を検出するセンサーを備えていてもよい。
上記生体情報検出部31が有する脈波センサーは、本実施形態では、LED(Light Emitting Diode)等により構成される発光素子と、それぞれフォトダイオード等により構成される第1受光素子及び第2受光素子と、を備える光電センサーである。この脈波センサーでは、発光素子が生体に向けて光を照射し、生体の血管を経由して到来する光を各受光素子が受光する。そして、これら各受光素子により受光された光量の時間変化を示す信号が統合された脈波信号を解析することで、脈拍数が計数される。すなわち、生体に照射された光は、血管で部分的に吸収されるが、当該血管での吸収率は、拍動の影響で変化するため、各受光素子に到達する光量が変化する。そして、これら受光素子で検出されて出力される受光光量の時間変化を示す信号から得られる脈波信号に対して、後述する信号処理部8が周波数解析を実施し、後述する制御部9によって当該周波数解析の結果から脈拍の周波数が特定され、当該脈拍の周波数に基づいて、使用者の脈拍数(単位時間当たりの脈拍数)が算出及び測定される。
体動情報検出部32は、使用者の体動情報を信号(体動信号)として検出及び出力する。具体的に、体動情報検出部32は、使用者の体動に伴って変化する加速度信号を体動情報として検出する加速度センサーを有し、検出された加速度値の変化を示す加速度信号を上記体動信号として制御部9に出力する。このような加速度センサーは、X方向、Y方向及びZ方向の直交3軸での加速度を検出する3軸センサーにより構成できる。
そして、測定装置1が使用者の手首に装着される場合には、当該直交3軸のうち、1つの軸の加速度信号が、運動時における使用者の腕の振りを示す信号となる。
また、他の1つの軸の加速度信号は、運動時における使用者の歩調(ピッチ:1分当たりの歩数)を示す信号となる。
更に他の1つの軸の加速度信号は、上記腕の振り及び歩調を合わせた信号となる。
これら加速度信号は、上記脈波センサーによって検出される脈波信号から、当該脈波信号に重畳された体動ノイズを低減する処理にも用いられる。
このような体動情報検出部32は、上記加速度センサーに代えて、或いは、加えて、角速度を検出するジャイロセンサーを有する構成としてもよい。
なお、以下の説明では、体動情報検出部32によって検出される体動信号のうち、測定装置1が装着される装着部位の1回の往復運動に伴う加速度変化を1周期として示す信号を第1体動信号とし、当該1回の往復運動における一方への移動、及び、他方への移動に伴うそれぞれの加速度変化をそれぞれ1周期として示す信号を第2体動信号とする。
具体的に、第1体動信号は、測定装置1の装着部位である手首の1回の振り(1回の往復運動)に伴う加速度変化を1周期として示す加速度信号である。換言すると、第1体動信号は、2歩の動作に対応する加速度変化を1周期とする加速度信号である。
また、第2体動信号は、当該手首の振りの1回の振りにおける前方向への移動に伴う加速度変化、及び、後方向への移動に伴う加速度変化をそれぞれ1周期として示す加速度信号である。なお、歩行時又は走行時においては、手首の前後の往復に合わせて、左右の足が順に1回ずつ前方向に動かされる。すなわち、前方向又は後方向への手首の1回の振りに応じて、片足が1回前方向に動かされる。このため、第2体動信号は、それぞれの足の動きを示す加速度信号と言い換えることができ、1歩の動作に対応する加速度変化を1周期とする加速度信号である。更に言えば、第2体動信号は、歩調を示す加速度信号(体動信号)と言うことができる。
[受信部の構成]
受信部4は、測定装置1の現在位置を示す位置情報(使用者の現在位置を示す位置情報)を取得する位置情報取得部に相当する。このような受信部4として、例えばGPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムに対応し、衛星から受信される電波に基づいて上記現在位置を示す位置情報を取得する構成とすることができる。なお、このような構成に代えて、通信用無線電波を用いて位置情報を算出する構成とすることも可能である。このような受信部4によって取得された位置情報を、使用者の体動を示す1つのパラメーターとして採用してもよい。
[報知部の構成]
報知部5は、制御部9による制御の下、使用者に各種情報を報知する。この報知部5は、表示部51、音声出力部52及び振動部53を有する。
表示部51は、図示を省略するが、液晶等の各種表示パネル及び複数のLED等の表示手段により構成され、制御部9から入力される情報を表示する。例えば、表示部51は、上記検出部3によって検出された生体情報及び体動情報を表示する。また、表示部51は、上記複数のLEDをインジケーターとして機能させ、当該複数のLEDのうち少なくとも1つを点灯又は点滅させることにより、生体情報及び体動情報に基づいて算出される運動強度を表示する。更に、表示部51は、使用者に関する使用者情報を入力及び設定させる設定画面を表示する。なお、表示部51における画像の表示サイズ(解像度)が小さい場合には、当該設定画面は、上記情報処理装置にて表示されてもよい。
音声出力部52は、スピーカー等の音声出力手段を備えて構成され、制御部9から入力される音声情報に応じた音声を出力する。
振動部53は、制御部9により動作が制御されるモーターを有し、当該モーターの駆動によって発生する振動により、例えば警告を使用者に報知する。
[通信部の構成]
通信部6は、上記情報処理装置と通信可能な通信モジュールを有する。この通信部6は、例えば、上記情報処理装置から受信される要求信号に応じて、記憶部7に記憶された生体情報及び体動情報を当該情報処理装置に送信する。また、情報処理装置により表示された上記設定画面に対して上記使用者情報が入力された場合には、通信部6は、当該使用者情報を情報処理装置から受信する。
なお、本実施形態では、通信部6は、近距離無線通信方式により外部機器と無線で通信するが、クレードル等の中継装置を介して外部機器と通信してもよく、或いは、ケーブルを介して外部機器と通信してもよい。
[記憶部の構成]
記憶部7は、フラッシュメモリー等を有する記憶手段により構成されており、各種情報を記憶する。この記憶部7は、制御情報記憶部71、検出情報記憶部72及びテーブル記憶部73を有する。
制御情報記憶部71は、測定装置1の動作に必要な各種プログラム及びデータ等の制御情報を記憶している。
検出情報記憶部72は、上記検出部3により検出された生体情報(脈波信号)及び体動情報(体動信号)と、後述する信号処理部8及び制御部9による解析結果(例えば脈拍数)とを記憶する。この検出情報記憶部72は、これらの情報を順次記憶し、記憶容量が不足すると、最も先に記憶した情報を新たに取得した情報で上書きする構成とされている。
テーブル記憶部73は、脈波信号から脈拍を適切に検出できない場合に、使用者が実施している運動の程度に応じた推定脈拍数を取得するための複数のテーブルを記憶している。これらテーブルは、生体情報としての脈波信号を解析する際に利用される解析情報であり、それぞれ、運動の程度を示す歩調と、推定脈拍数とが関連付けて設定されたテーブルである。
ここで、測定装置1の使用者には、運動習慣が無い者や、運動習慣がある者(日常的に運動を実施している者)の他、いわゆるスポーツ心臓と呼ばれる高い心肺機能を有する者がいる。これらの人では、同じ歩調となる運動を実施した場合に測定される脈拍数が異なる。例えば、同じ歩調となる運動が実施された場合、運動習慣が無い者の脈拍数が最も高くなりやすく、スポーツ心臓を有する者の脈拍数が最も低くなりやすい。このため、使用者の心肺機能が考慮されていない1つのテーブル、すなわち、歩調と脈拍数とが1対1で対応する1つのテーブルから、当該使用者に応じた推定脈拍数を取得することは困難である。
これに対し、テーブル記憶部73は、歩調に対して、運動習慣が無い者の推定脈拍数が設定された一般用テーブルと、運動習慣がある者の推定脈拍数が設定されたランナー用テーブルと、スポーツ心臓を有する者の推定脈拍数が設定されたスポーツ心臓用テーブルとの3つのテーブルを記憶している。なお、これらテーブルは、後述する制御部9により、使用者による入力操作の内容、或いは、検出された生体情報及び体動情報に基づいて選択される。そして、選択されたテーブルは、推定脈拍数の取得に際して利用される他、使用者の運動に応じて算出される歩調及び脈拍数に応じて適宜修正される。
なお、本実施形態において、スポーツ心臓とは、競技能力を高めるために身体が適応した結果、通常より大きく肥大した心臓自体や、そのような心臓を有することによって優れた心肺機能を指す。なお、スポーツ心臓を有する者と判定される条件(以下、判定条件という)としては、1拍あたりの心拍出量が150ml以上であること、より好ましくは、200ml以上であること、又は、安静時脈拍数が50以下であること、より好ましくは、40以下であることが例示される。これら心拍出量及び安静時脈拍数は、脈波、或いは、心電を解析することで抄出できる。また、スポーツ心臓は、運動能力、或いは、心肺能力と言い換えることができ、上記判定条件は、例えば長距離走のタイムとすることも可能である。
[信号処理部の構成]
信号処理部8は、DSP(Digital Signal Processor)等の信号処理回路を有し、検出部3によって検出された生体情報及び体動情報の信号処理を実行する。
具体的に、信号処理部8は、上記第1受光素子及び第2受光素子から入力されるそれぞれの信号を統合して、脈波信号を生成する処理を実行する。また、信号処理部8は、上記体動情報検出部32が有する加速度センサーから入力される直交3軸の加速度信号のうち、使用者の腕の振りを示す加速度信号(第1体動信号)の軸を決定するとともに、使用者の歩調を示す加速度信号(第2体動信号)の軸を決定する。これら2つの軸が決定されることにより、使用者の腕の振り及び歩調を示す加速度の残りの軸も決定される。
そして、信号処理部8は、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルター等の適応フィルターを用いて、生成された脈波信号から体動ノイズ成分(腕の振り及び歩調に伴うノイズ成分の信号)を除去する。そして、信号処理部8は、当該体動ノイズ成分が除去された脈波信号である拍動信号に対して、FFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)変換等の所定周波数での周波数解析を行い、得られた処理結果を制御部9に出力する。この処理結果に含まれるピークにより脈拍の周波数が、制御部9により特定されて、単位時間当たりの脈拍数が算出される。
このように、脈波信号は、上記生体情報検出部31が有する脈波センサーにより検出され、体動ノイズ成分が除去される前の信号である。すなわち、本実施形態では、脈波信号は、上記第1受光素子及び第2受光素子のそれぞれによって検出された各信号が統合された信号である。なお、当該脈波センサーが、1つの受光素子を有する場合には、当該受光素子によって検出された信号が、脈波信号である。このような脈波信号には、体動ノイズ成分が含まれている。
一方、拍動信号は、上記適応フィルターによって脈波信号から体動ノイズ成分が除去された信号である。すなわち、拍動信号は、体動ノイズ成分が除去された脈波信号である。
[制御部の構成]
図2は、制御部9の構成を示すブロック図である。
制御部9は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路を有し、自律的に、或いは、上記操作部2から入力される操作信号に応じて、測定装置1の動作を制御する。例えば、制御部9は、検出部3にて検出された生体情報及び体動情報を記憶部7に記憶させる。また、制御部9は、表示された設定画面に対する入力情報を記憶部7に記憶させる他、推定脈拍数の取得に使用する上記テーブルを選択する。更に、制御部9は、信号処理部8の処理結果に基づいて脈拍数を算出する他、選択されたテーブルを実測の脈拍数に基づいて更新する。
このような処理を実行するために、制御部9は、上記演算処理回路が制御情報記憶部71に記憶されたプログラムを実行することで実現される機能部として、図2に示すように、計時部911、検出制御部912、報知制御部913、通信制御部914、解析制御部915、情報取得部916、歩調算出部917、テーブル選択部918、脈拍推定部919、解析部920、更新条件判定部921及びテーブル更新部922を有する。
[計時部、検出制御部及び通信制御部の構成]
計時部911は、現在日時を計時する。
検出制御部912は、上記検出部3の動作を制御し、当該検出部3による検出結果を信号処理部8に出力させる他、当該検出結果を、現在日時とともに検出情報記憶部72に記憶させる。
通信制御部914は、上記情報処理装置と通信する通信部6の動作を制御する。
[報知制御部の構成]
報知制御部913は、報知部5の動作を制御する。例えば、報知制御部913は、測定装置1の動作状態、及び、検出部3による検出結果等を示す表示や音声を含む報知情報を報知部5に出力して、当該報知情報を報知部5に報知させる。また、報知制御部913は、必要に応じて振動部53のモーターを駆動させ、当該モーターの駆動によって発生する振動により、所定の情報を報知させる。
図3は、表示部51により表示される設定画面SPの一例を示す図である。
更に、報知制御部913は、例えば図3に示す設定画面SPを表示部51に表示させる。この設定画面SPは、上記使用者情報を入力させる画面であり、当該設定画面SPには、使用者の身長及び体重を入力させる入力欄SP1,SP2と、使用者の性別を選択させる選択欄SP3と、が設定されている。これらのうち、選択欄SP3は、「男性」及び「女性」と表記された2つのラジオボタンにより構成されており、当該2つのラジオボタンのそれぞれが同時に選択されることがないように構成されている。
また、設定画面SPには、使用者の安静時脈拍数及び長距離走(例えばマラソン)のタイムを入力させる入力欄SP4,SP5と、脈拍数の推定に用いられる上記3つのテーブルのうち、使用者に応じたテーブルを選択させる選択欄SP6と、が設定されている。これらのうち、選択欄SP6は、「一般用」、「ランナー用」及び「スポーツ心臓用」と表記された3つのラジオボタンにより構成されている。
設定画面SPの下部に設けられた登録ボタンSP7が押下されると、各欄SP1〜SP6の入力内容は、後述する情報取得部916によって取得されて、記憶部7に記憶される。一方、キャンセルボタンSP8が押下されると、設定画面SPに遷移する前の画面が表示される。
なお、設定画面SPは、これら使用者情報に代えて、或いは、加えて、使用者の年齢に関する情報を設定できるように構成してもよい。例えば、このような情報として、年齢を入力させる入力欄を設けてもよく、或いは、生年月日を入力させる入力欄を設けてもよい。後者の場合、制御部9が、入力された生年月日と、計時部911により計時されている現在日時とに基づいて、使用者の年齢を算出してもよい。
このような設定画面SPにおいて、欄SP4〜SP6は必須項目ではない。このため、これら項目に対して情報が入力されていない場合には、後述するテーブル選択部918によって第2選択処理が実行され、上記3つのテーブルのうち、運動時の脈拍数に応じたテーブルが選択される。この第2選択処理については、後に詳述する。
なお、上記のように、表示部51による画像の表示サイズが小さい場合には、上記情報処理装置に設定画面SPを表示させて、当該情報処理装置から通信部6を介して使用者情報を受信してもよい。また、設定画面SPは、図3に示した構成に限らず、設定項目毎に表示画面を切り替え、各表示画面にて上記使用者情報を入力させる構成としてもよく、更には、入力される項目は上記に限らない。
[解析制御部の構成]
図2に戻り、解析制御部915は、信号処理部8の動作を制御する。例えば、解析制御部915は、測定装置1が使用者に装着されていない場合には、上記信号処理部8による信号処理を規制し、電力消費を抑制する。また、解析制御部915は、生体情報及び体動情報の検出を開始させる入力操作が行われた場合(或いは、使用者に装着されたことを検出した場合)には、上記信号処理部8に上記信号処理を実行させる。また、解析制御部915は、脈拍数を算出する際に、信号処理部8による周波数解析の実行対象を、拍動信号と脈波信号とで切り替える場合がある。
[情報取得部及び歩調算出部の構成]
情報取得部916は、操作部2、検出部3、受信部4及び通信部6から入力される各種情報を取得する。例えば、情報取得部916は、検出部3から入力される生体情報及び体動情報、並びに、受信部4から入力される位置情報を記憶部7に記憶させる。また、情報取得部916は、上記設定画面SPの表示時に操作部2から入力される操作信号に基づいて、当該設定画面SPにて入力された使用者情報を取得する。
歩調算出部917は、上記第2体動信号(歩調を示す加速度信号)に対する周波数解析結果に基づいて、使用者の歩調を算出する。
[テーブル選択部の構成]
テーブル選択部918は、上記テーブル記憶部73に記憶された3つのテーブルから、使用者に応じたテーブルを選択する。具体的に、テーブル選択部918は、当該3つのテーブルから、上記設定画面SPにて入力された使用者情報に応じたテーブルを選択する第1選択処理を実行する。一方、上記設定画面SPにて入力欄SP4,SP5への入力、及び、選択欄SP6の選択が行われず、使用者の安静時脈拍数、長距離走タイム及び使用者による選択テーブルを取得できない場合には、テーブル選択部918は、当該3つのテーブルから、使用者の運動時の脈拍数に応じたテーブルを選択する第2選択処理を実行する。
図4は、テーブル選択部918の構成を示すブロック図である。
このような第1選択処理及び第2選択処理を実行するために、上記テーブル選択部918は、図4に示すように、入力情報判定部9181、状態判定部9182、経過時間判定部9183、脈拍判定部9184及びテーブル設定部9185を有する。これらのうち、入力情報判定部9181及び脈拍判定部9184は、テーブル選択部918において使用者の運動能力(心肺機能に関する能力)を判定する使用者判定部に相当する。
入力情報判定部9181は、設定画面SPにて使用者により入力され、上記情報取得部916により取得された使用者情報を判定する。
具体的に、入力情報判定部9181は、当該使用者情報に基づいて、上記設定画面SPにおける選択欄SP6にてスポーツ心臓用テーブルが選択されたか否かを判定する。
また、入力情報判定部9181は、同じく設定画面SPにおける入力欄SP5に入力された長距離走のタイムが所定時間(スポーツ心臓を有する者と判断可能なタイムであり、マラソンの場合には例えば3時間)以内であるか否かを判定する。
更に、入力情報判定部9181は、同じく設定画面SPにおける入力欄SP4に入力された安静時脈拍数が、スポーツ心臓を有する者の指標である指標値(例えば脈拍数40)未満であるか否かを判定する他、運動習慣がない者の一般的な安静時脈拍数である所定値(例えば脈拍数70)を超えているか否かを判定する。
状態判定部9182は、検出された体動情報に基づいて、使用者の状態を判定する。具体的に、状態判定部9182は、使用者が歩行中又は走行中であるか否かを判定する。また、状態判定部9182は、使用者の状態が安静状態であるか否かを判定する。
経過時間判定部9183は、状態判定部9182によって使用者の状態が安静状態であると判定された場合に、当該使用者の状態が安静状態となってからの経過時間が所定時間(例えば1分)を経過したか否かを判定する。
脈拍判定部9184は、検出された生体情報及び体動情報に基づいて算出される脈拍数を判定する。具体的に、脈拍判定部9184は、上記状態判定部9182によって使用者が歩行中又は走行中であると判定された場合に、当該脈拍数が所定値未満であるか否かを判定する。このような所定値としては、算出された使用者の歩調に応じた値とすることができ、例えば、歩調の1/2の値に誤差分の脈拍数(例えば、10〜20)を加算した値とすることができる。また例えば、当該所定値を、スポーツ心臓用テーブル又はランナー用テーブルに設定された推定脈拍数のうち、当該歩調に応じた推定脈拍数としてもよい。
また、脈拍判定部9184は、上記経過時間判定部9183によって使用者の状態が安静状態となってからの経過時間が所定時間を経過したと判定された場合に、算出された脈拍数(すなわち安静時脈拍数)が、スポーツ心臓を有する者の指標である上記指標値未満であるか否か、及び、運動習慣がある者の一般的な安静時脈拍数である上記所定値を超えているか否かを判定する。
テーブル設定部9185は、解析情報としてのテーブルを設定する情報設定部に相当する。このテーブル設定部9185は、上記各判定部9181〜9184による判定結果に基づいて、生体情報の解析に用いられるテーブルとして、上記一般用テーブル、ランナー用テーブル及びスポーツ心臓用テーブルのいずかを設定する。
以下、テーブル選択部918によって実行され、解析情報としてのテーブルを選択する第1選択処理及び第2選択処理について説明する。なお、上記のように、第1選択処理は、使用者によって入力された使用者情報に基づいてテーブルを選択する処理であり、第2選択処理は、検出された生体情報及び体動情報に基づいてテーブルを選択する処理である。
[第1選択処理]
図5は、第1選択処理を示すフローチャートである。
テーブル選択部918は、上記設定画面SPにて登録ボタンSP7が入力されると、図5に示す第1選択処理を実行する。
この第1選択処理では、まず、入力情報判定部9181が、上記設定画面SPのテーブル選択欄SP6にて選択されたテーブルが、スポーツ心臓用のテーブルであるか否か(使用するテーブルとしてスポーツ心臓用テーブルを選択する入力操作が使用者によって実施されたか否か)を判定する(ステップSA1)。
ここで、スポーツ心臓用のテーブルであると判定されると、テーブル選択部918は、処理をステップSA4に移行する。
一方、スポーツ心臓用のテーブルでないと判定されると、入力情報判定部9181は、上記設定画面SPの長距離走タイム入力欄SP5に入力された時間が上記所定時間以内であるか否かを判定する(ステップSA2)。
このステップSA2の判定処理にて、入力された長距離走タイムが所定時間以内であると判定されると、テーブル選択部918は、処理をステップSA4に移行する。
上記ステップSA2の判定処理にて、入力された長距離走タイムが所定時間以内でないと判定されると、入力情報判定部9181は、上記設定画面SPの安静時脈拍数入力欄SP4に入力された値が上記指標値未満であるか否かを判定する(ステップSA3)。すなわち、当該ステップSA3では、上記ステップSA2と同様に、入力情報判定部9181は、使用者によって入力された情報に基づいて、当該使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定する。
このステップSA3の判定処理にて、入力された安静時脈拍数が上記指標値未満であると判定されると、テーブル選択部918は、処理をステップSA4に移行する。
ステップSA4では、テーブル設定部9185は、脈拍数の推定に利用されるテーブルとして、上記テーブル記憶部73に記憶された3つのテーブルのうち、スポーツ心臓用テーブルを選択及び設定する(ステップSA4)。
このステップSA4の後、テーブル選択部918は、第1選択処理を終了する。
一方、上記ステップSA3の判定処理にて、入力された安静時脈拍数が指標値未満でないと判定されると、脈拍判定部9184は、当該安静時脈拍数が上記所定値を超えているか否かを判定する(ステップSA5)。
上記ステップSA5の判定処理にて、入力された安静時脈拍数が上記所定値を超えていないと判定された場合(すなわち、スポーツ心臓を有する者の安静時脈拍数よりは高いものの、運動習慣が無い者の安静時脈拍数よりは低いと判定された場合)には、テーブル選択部918は、測定装置1を装着した使用者は運動習慣がある者であると判断する。この場合、テーブル設定部9185は、脈拍数の推定に利用されるテーブルとして、上記テーブル記憶部73に記憶された3つのテーブルのうち、ランナー用テーブルを選択及び設定する(ステップSA6)。
一方、上記ステップSA5の判定処理にて、入力された安静時脈拍数が上記所定値を超えていると判定された場合、すなわち、安静時脈拍数が比較的高いと判定された場合には、テーブル選択部918は、測定装置1を装着した使用者は運動習慣が無い者であると判断する。この場合、テーブル設定部9185は、脈拍数の推定に利用されるテーブルとして、上記テーブル記憶部73に記憶された3つのテーブルのうち、一般用テーブルを選択及び設定する(ステップSA7)。
これらステップSA6,SA7の後、テーブル選択部918は、第1選択処理を終了する。このような第1選択処理により、使用者により入力された使用者情報に基づいて、脈拍数の推定に利用されるテーブルが選択される。
[第2選択処理]
上記設定画面SPにおいて、使用されるテーブルが選択されず、更に、安静時脈拍数及び長距離走タイムが入力されなかった場合には、これら使用者情報に基づくテーブルの選択及び設定を実行することはできない。この場合には、テーブル選択部918は、検出された生体情報及び体動情報に基づいて使用されるテーブルを選択する第2選択処理を実行する。すなわち、テーブル選択部918は、検出された体動情報に基づく使用者の運動状態と、当該運動状態での使用者の生体情報とに基づいて、使用者の運動能力を把握し、当該運動能力に応じた解析情報であるテーブルを選択及び設定する第2選択処理を実行する。この第2選択処理は、運動や安静を促すメッセージ等を報知し、当該使用者がメッセージに応じた行動を実施している間に実行されてもよく、或いは、既に記憶部7に記憶されている生体情報及び体動情報を処理対象として実行されてもよい。
図6は、第2選択処理を示すフローチャートである。
この第2選択処理では、図6に示すように、まず、状態判定部9182が、歩調算出部917によって算出された歩調に基づいて、使用者が歩行中又は走行中であるか否か(使用者が運動中であるか否か)を判定する(ステップSB01)。なお、既に記憶されている生体情報(脈波信号)及び体動情報(体動信号)を処理対象として第2選択処理が実行される場合には、ステップSB01にて、状態判定部9182は、算出された歩調に基づいて、体動情報及び生体情報が、運動時における体動情報及び生体情報であるか否かを判定する。
このステップSB01の判定処理にて、使用者は歩行中又は走行中であると判定された場合(処理対象が歩行時又は走行時の生体情報及び体動情報であると判定された場合)には、脈拍判定部9184が、生体情報及び体動情報に基づいて算出された脈拍数が上記所定値(歩調に応じた値)未満であるか否かを判定する(ステップSB02)。すなわち、当該ステップSB02では、脈拍判定部9184が、使用者の体動情報に基づく運動状態と、生体情報及び体動情報に基づく脈拍数とに基づいて、当該使用者の運動能力を判定し、ひいては、当該使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定する。
このステップSB02の判定処理にて、算出された脈拍数が上記所定値未満でないと判定されると、テーブル設定部9185が、脈拍数の推定に利用されるテーブルとして、ひとまず一般用テーブルを選択及び設定する(ステップSB03)。そして、テーブル選択部918は、処理をステップSB01に戻し、改めて、第2選択処理を実行する。なお、ステップSB03において選択及び設定されるテーブルは、ランナー用テーブルでもよい。
一方、ステップSB02の判定処理にて、算出された脈拍数が上記所定値未満であると判定されると、テーブル選択部918は、処理をステップSB10に移行する。
上記ステップSB01の判定処理にて、使用者は歩行中又は走行中でないと判定された場合(処理対象が歩行時又は走行時の生体情報及び体動情報でないと判定された場合)には、状態判定部9182が、当該生体情報及び体動情報に基づいて、使用者の状態が安静状態であるか否かを判定する(ステップSB04)。
このステップSB04の判定処理にて、安静状態でないと判定されると、テーブル選択部918は、上記ステップSB03に移行し、テーブル設定部9185が、利用されるテーブルとして、ひとまず一般用テーブルを選択及び設定し、処理をステップSB01に戻す。
上記ステップSB04の判定処理にて、安静状態であると判定されると、安静状態となってからの経過時間が上記所定時間を経過したか否かを判定する(ステップSB05)。
このステップSB05の判定処理にて、上記所定時間を経過していないと判定されると、テーブル選択部918は、処理をステップSB04に戻す。
一方、ステップSB05の判定処理にて、上記経過時間が所定時間を経過したと判定されると、脈拍判定部9184は、生体情報及び体動情報に基づいて算出される脈拍数を安静時脈拍数とし、当該安静時脈拍数が上記指標値(ステップSA3の判定処理で用いられた指標値)未満であるか否かを判定する(ステップSB06)。
このステップSB06の判定処理にて、安静時脈拍数が指標値未満であると判定されると、テーブル選択部918は、処理をステップSB10に移行する。
一方、ステップSB06の判定処理にて、安静時脈拍数が指標値未満でないと判定されると、脈拍判定部9184は、当該安静時脈拍数が上記所定値(上記ステップSA5の判定処理にて用いられた所定値)を超えているか否かを判定する(ステップSB07)。
このステップSB07の判定処理にて、安静時脈拍数が上記所定値を超えていないと判定されると、上記ステップSA6と同様に、テーブル設定部9185は、利用されるテーブルとして、ランナー用テーブルを選択及び設定する(ステップSB08)。
一方、ステップSB07の判定処理にて、安静時脈拍数が上記所定値を超えていると判定されると、テーブル設定部9185は、利用されるテーブルとして、一般用テーブルを選択及び設定する(ステップSB09)。
また、ステップSB10では、テーブル設定部9185は、利用されるテーブルとして、スポーツ心臓用テーブルを選択及び設定する(ステップSB10)。
これらステップSB08〜SB10の後、テーブル選択部918は、第2選択処理を終了する。このような第2選択処理により、検出された生体情報及び体動情報に基づいて、脈拍数の推定に利用されるテーブルが選択される。
なお、上記第1選択処理及び第2選択処理では、テーブル選択部918が、入力された使用者情報、又は、検出された生体情報(脈波信号)及び体動情報(体動信号)に基づいて、使用者に応じたテーブルを自動で選択及び設定した。しかしながら、これに限らず、使用者に、当該テーブルを選択させるメッセージを表示する等して、当該テーブルの変更を促してもよい。また、第1選択処理及び第2選択処理のうちの一方のみが実行されてもよく、更には、定期的に第2選択処理が実行されてもよい。
[脈拍推定部の構成]
図2に戻り、脈拍推定部919は、検出された体動情報(体動信号)に基づいて、使用者の脈拍数を推定する。具体的に、脈拍推定部919は、テーブル選択部918により選択されたテーブルを参照し、歩調算出部917によって上記第2体動信号に基づいて算出された歩調に応じた脈拍数を推定脈拍数として取得する。
[解析部の構成]
解析部920は、検出された生体情報を解析する。具体的に、解析部920は、信号処理部8による周波数解析の結果に基づいて脈拍数を算出する。
ここで、測定装置1は、上記拍動信号に対する周波数解析の結果(パワースペクトル)における代表的な周波数(ピークが大きい周波数)を脈拍の周波数とし、求めた周波数を60倍した値を脈拍数とする構成である。このような構成において、体動(腕の振り及び歩調)の周波数と、脈拍の周波数とが近い場合には、上記信号処理部8による適応フィルター処理において拍動信号を求める際に、脈波信号から体動ノイズ成分を引き過ぎてしまう。このため、当該拍動信号の周波数解析の結果としてのパワースペクトルにおける上記脈拍の周波数のピークが小さくなる(弱くなる)場合がある。この他、体動及び脈のそれぞれの位相が反転した場合でも、当該ピークが小さくなる(弱くなる)。このような場合、上記周波数解析の結果において脈拍の発生タイミングを示すピーク(上記脈拍の周波数のピーク)が小さくなり、脈拍を特定できない場合がある。この他、当該脈拍の周波数にノイズに由来するピークが検出されると、当該ピークが脈拍と誤判断される可能性がある。
図7は、解析部920の構成を示すブロック図である。
このため、解析部920は、通常時においては拍動信号(より詳しくは、当該拍動信号を周波数解析して得られる上記パワースペクトル)に基づいて脈拍を検出及び特定する。しかしながら、当該拍動信号に基づいて脈拍を検出及び特定できない場合には、詳しくは後述するが、脈波信号と体動信号とが重なっているか否かを判定し、重なっていると判定される場合には、当該体動を脈拍として捉える。
このような処理を実行するために、解析部920は、図7に示すように、検出可否判定部9201、対象変更部9202、処理結果取得部9203、SN比判定部9204、脈拍間隔判定部9205、使用者判定部9206、重なり判定部9207、脈拍特定部9208及び脈拍数算出部9209を有する。
検出可否判定部9201は、上記拍動信号から脈拍を検出(特定)できるか否かを判定する。具体的に、検出可否判定部9201は、拍動信号から求められた上記パワースペクトルの所定周波数帯でのピーク変化から、脈拍に相当するピークを検出可能か否かを判定する。
対象変更部9202は、上記拍動信号から脈拍を検出できないと検出可否判定部9201によって判定された場合に、信号処理部8に、当該拍動信号に代えて脈波信号に対して上記周波数解析を実行させる。
処理結果取得部9203は、信号処理部8による上記脈波信号の周波数解析の結果(パワースペクトル)を取得する。
SN比判定部9204は、脈波信号のSN比が良好であるか否か、具体的には、当該SN比が所定値以上であるか否かを判定する。この所定値は、脈波信号に含まれる体動ノイズ成分が充分に低いと判定される程度の値とすることができる。
脈拍間隔判定部9205は、検出又は推定された前回の脈拍数である前回脈と、当該前回脈より後に脈拍数として選択された脈候補(すなわち、今回脈拍数の候補)との差が、規定内であるか否かを判定する。この判定処理にて、前回脈と脈候補との差が当該規定内であると判定される場合、当該脈候補は、実際の今回脈である可能性が高い。換言すると、前回脈と脈候補との差が当該規定内にないと判定される場合、当該脈候補は、実際の今回脈でなく、測定装置1が脈拍(脈波信号)を見失っている可能性が高い。
使用者判定部9206は、上記テーブル選択部918による処理結果に基づいて、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定する。例えば、使用者判定部9206は、当該テーブル選択部918によって選択されたテーブルがスポーツ心臓用テーブルであれば、使用者はスポーツ心臓を有する者と判定する。なお、使用者判定部9206は、テーブル選択部918による選択結果とは独立して、上記使用者情報に基づいて、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定してもよく、テーブル選択部918による判定処理と同様の処理を実行して、使用者の運動時又は安静時の脈拍数に基づいて、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定してもよい。
重なり判定部9207は、処理結果取得部9203により取得された処理結果に基づいて、脈波信号と体動信号とが重なっているか否かを判定する。なお、脈波信号と体動信号とが重なっている場合とは、体動信号及び脈波信号のそれぞれの周波数解析の結果、それぞれの主周波数が同一、又は、近接している場合をいう。すなわち、脈波信号と体動信号とが重なっている場合とは、体動の周波数(体動関連情報)と脈拍の周波数(脈拍関連情報)との差が所定範囲(例えば−0.1Hz以上+0.1Hz以下の範囲)内にある場合をいう。
具体的に、重なり判定部9207は、脈拍間隔判定部9205により、上記前回脈と上記脈候補との差が上記規定内でないと判定された場合に、脈波信号の上記周波数解析結果から特定される前回脈の周波数と、上記第2体動信号から特定される体動の周波数とを比較する。そして、重なり判定部9207は、これら前回脈の周波数と体動の周波数との差が上記所定範囲内にあるか否かを判定する判定処理を実施する。
ここで、前回脈の周波数と第2体動信号に対応する周波数(現在の体動の周波数)との差が上記所定範囲内にある場合には、脈波信号と体動信号とが重なっている可能性が高い。このことから、重なり判定部9207は、各周波数の差が上記所定範囲内にある場合には、脈波信号と第2体動信号とが重なっており、これにより、今回脈の脈拍を見失っていると推定する。一方、重なり判定部9207は、各周波数の差が上記所定範囲内にない場合には、脈波信号と第2体動信号とは重なっておらず、他の理由によって今回脈の脈拍を見失っていると推定する。
また、重なり判定部9207は、使用者判定部9206により、使用者がスポーツ心臓を有する者であると判定された場合に、上記脈波信号の周波数解析結果から特定される前回脈の周波数と、上記第1体動信号から特定される体動の周波数(第1体動信号に対応する周波数)とを比較する。そして、重なり判定部9207は、これら前回脈の周波数と体動の周波数との差が上記所定範囲内にあるか否かを判定する判定処理を実施する。この場合も、重なり判定部9207は、各周波数の差が上記所定範囲内にある場合には、脈波信号と第1体動信号とが重なっていると推定し、各周波数の差が上記所定範囲内にない場合には、脈波信号と第1体動信号とは重なっていないと推定する。
なお、重なり判定部9207は、それぞれの判定処理において、前回脈の周波数に代えて、推定脈拍数から求められる脈拍の周波数を採用してもよい。この周波数は、現在選択されているテーブルから、歩調算出部917により算出される使用者の現在の歩調に応じて取得される推定脈拍数を60で除算することで求められる。そして、この場合、以下の処理において、前回脈の周波数を推定脈拍数の周波数に読み替えればよい。
脈拍特定部9208は、脈拍として計数するピークを特定する。
具体的に、脈拍特定部9208は、検出可否判定部9201によって、上記拍動信号から脈拍を検出可能であると判定されると、当該拍動信号の周波数解析結果から脈拍を特定する。
また、脈拍特定部9208は、重なり判定部9207によって、上記前回脈の周波数と第2体動信号により示される体動の周波数との差が上記所定範囲内にあり、脈波信号と第2体動信号とが重なっていると判定される場合には、当該体動を脈拍と特定する。
更に、脈拍特定部9208は、重なり判定部9207によって、上記前回脈の周波数と第1体動信号により示される体動の周波数との差が上記所定範囲内にあり、脈波信号と第1体動信号とが重なっていると判定される場合には、当該体動を脈拍と特定する。
脈拍数算出部9209は、上記のように、脈拍特定部9208により特定された脈拍の周波数を60倍した値を脈拍数として算出する。なお、SN比判定部9204によって脈波信号のSN比が所定値より低いと判定された場合と、重なり判定部9207によって脈波信号と第2体動信号とが重なっていないと判定され、かつ、使用者判定部9206によって使用者がスポーツ心臓を有する者でないと判定された場合と、重なり判定部9207によって脈波信号と第1体動信号とは重なっていないと判定された場合とのいずれかの場合には、脈拍数算出部9209は、上記脈拍推定部919によって取得された推定脈拍数を、現在の脈拍数として取得する。
このような各機能部9201〜9209により、解析部920は、使用者の脈拍を計数するが、脈拍計数の詳しい手順については、後に詳述する。
[更新条件判定部の構成]
更新条件判定部921は、解析部920によって算出された脈拍数に基づいて、上記テーブル選択部918によって選択されたテーブルを更新するか否かを決定する更新条件が満たされるか否かを判定する。このような更新条件としては、例えば、以下の5つの条件が挙げられる。そして、これら5つの条件の全てが満たされた場合に、更新条件判定部921は、当該テーブルの更新条件が満たされていると判定する。
1つ目の条件は、歩調算出部917により算出される歩調が所定時間(例えば80秒)以上安定していることである。詳述すると、当該1つ目の条件は、当該更新条件判定部921による判定処理が実行されるまでの所定期間に算出された歩調の変化が所定値の範囲内であることである。
2つ目の条件は、上記拍動信号に基づいて、脈拍が所定回数(例えば20回)以上連続して検出及び特定されていることである。これは、測定装置1の装着状態が悪い場合等、脈拍が適切に検出されない場合に、推定脈拍数によってテーブルが更新されてしまうことを防ぐためである。
3つ目の条件は、検出された脈波信号のSN比、及び、上記拍動信号のSN比が比較的高いことである。
4つ目の条件は、算出された脈拍数の変動が比較的小さいことである。
5つ目の条件は、体動の周波数と脈拍の周波数とが比較的離れていること、或いは、脈波信号に基づいて算出された脈拍数が、選択されたテーブルの値と近いことである。これら前者の条件と後者の条件とのいずれかが満たされれば、当該5つ目の条件は満たされる。
なお、使用者がスポーツ心臓を有する者と判断される場合には、更新条件判定部921は、上記更新条件に加えて、以下の6つ目の条件を満たすか否かを判定する。
当該6つ目の条件は、上記脈拍数算出部9209によって算出された脈拍数が、歩調算出部917によって算出された使用者の歩調の1/2以下でないこと(換言すると、算出された脈拍数が、算出された使用者の歩調の1/2を超えていること)である。これは、スポーツ心臓を有する使用者が、歩調の半分程度にしか脈拍数が上がらない低強度の運動を行った場合、歩調及び脈拍数の関係が使用者の状態に合ったテーブルが選択されていないと、正しい脈拍数を取得することができず、当該テーブルが適切に更新されないことが考えられるためである。
[テーブル更新部の構成]
テーブル更新部922は、更新条件判定部921により上記更新条件が満たされると判定されると、選択されたテーブルにおいて、対応する歩調の脈拍数を、上記脈拍数算出部9209によって算出された脈拍数によって更新する。このようなテーブル更新部922が、上記更新条件が満たされた場合に、当該テーブルが使用者の実際の脈拍数に応じて更新されるので、使用者の実際の歩調と実際の脈拍数との関係に応じたテーブルの内容とすることができる。なお、テーブルの更新は、算出された脈拍数によって上書きする更新に限らず、過去の脈拍数と新たに算出された脈拍数との平均値によって上書きする更新とすることもできる。
[脈拍数測定処理]
測定装置1は使用者の手首に装着されるため、上記第1体動信号には、使用者の腕の振りに応じた加速度変化が現れ、第2体動信号には、使用者の歩調に応じた加速度変化が現れる。すなわち、上記のように、第1体動信号は、使用者の歩行時及び走行時における腕振り1往復分に相当する体動成分を示し、第2体動信号は、使用者の歩行時及び走行時における腕振り1回分(すなわち一歩分)に相当する体動成分を示す。
これら各体動信号と脈波信号とが重なると、上記のように、脈拍を特定できない場合がある他、当該脈拍の周波数にノイズに由来するピークが検出されると、当該ピークを脈拍として誤検出してしまうという問題がある。
このため、制御部9は、脈拍を適切に検出し、適切な脈拍数を測定するために、以下に示す脈拍数測定処理を実行する。
図8は、脈拍数測定処理を示すフローチャートである。
この脈拍数測定処理では、図8に示すように、まず、歩調算出部917が、検出された体動情報(特に第2体動信号)に基づいて、歩調を算出する(ステップSC1)。
次に、脈拍推定部919が、上記テーブル選択部918によって選択されたテーブルを参照し、算出された歩調に応じた脈拍数(推定脈拍数)を取得する(ステップSC2)。
このステップSC2の後、制御部9は、脈拍数算出処理SDを実行する。
図9は、脈拍数算出処理SDを示すフローチャートである。
脈拍数算出処理SDでは、図9に示すように、まず、検出可否判定部9201が、上記拍動信号から脈拍を検出及び特定できるか否かを判定する(ステップSD01)。
このステップSD01の判定処理にて、脈拍を検出可能と判断されると、制御部9は、処理をステップSD05に移行する。
一方、ステップSD01の判定処理にて、上記拍動信号から脈拍を検出できないと判定されると、対象変更部9202は、上記脈波信号に対する周波数解析を上記信号処理部8に実行させ、処理結果取得部9203が、当該周波数解析の処理結果を取得する(ステップSD02)。
このステップSD02の後、SN比判定部9204が、脈波信号のSN比が所定値より高いか否かを判定する(ステップSD03)。
ここで、脈波信号のSN比が所定値より低いと判定されると、制御部9は、処理をステップSD12に移行する。
一方、脈波信号のSN比が所定値より高いと判定されると、脈拍間隔判定部9205が、上記前回脈と上記脈候補との間隔が、上記規定内であるか否かを判定する(ステップSD04)。
ここで、当該間隔が上記規定内であると判定されると、制御部9は、処理をステップSD05に移行する。
なお、ステップSD02,SD03は、処理の順序を逆にしてもよい。この場合、脈波信号のSN比が所定値より高いと判定された場合に、当該脈波信号に対する周波数解析が実行され、この後、ステップSD04に移行されればよい。
ステップSD05では、脈拍特定部9208が、拍動信号から脈拍を特定する(ステップSD05)。この後、制御部9は、処理をステップSD11に移行する。
上記ステップSD04の判定処理にて、上記間隔が上記規定内でないと判定されると、重なり判定部9207が、上記脈波信号と上記第2体動信号とが重なっているか否か、すなわち、前回脈の周波数と第2体動信号により示される体動の周波数との差が上記所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップSD06)。
ステップSD06の判定処理にて、脈波信号と第2体動信号とが重なっている(それぞれの周波数の差が上記所定範囲内である)と判定されると、脈拍特定部9208が、当該第2体動信号の体動を脈拍と特定する(ステップSD07)。この後、制御部9は、処理をステップSD11に移行する。
一方、ステップSD06の判定処理にて、脈波信号と第2体動信号とが重なっていない(それぞれの周波数の差が上記所定範囲内でない)と判定されると、使用者判定部9206が、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定する(ステップSD08)。
このステップSD08の判定処理にて、使用者はスポーツ心臓を有する者でないと判定されると、制御部9は、処理をステップSD12に移行する。
上記ステップSD08の判定処理にて、使用者はスポーツ心臓を有する者であると判定されると、重なり判定部9207が、脈波信号と上記第1体動信号とが重なっているか否か、すなわち、前回脈の周波数と第1体動信号により示される体動の周波数との差が上記所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップSD09)。
このステップSD09の判定処理にて、脈波信号と第1体動信号とが重なっていない(それぞれの周波数の差が上記所定範囲内でない)と判定されると、制御部9は、処理をステップSD12に移行する。
上記ステップSD09の判定処理にて、脈波信号と第1体動信号とが重なっている(それぞれの周波数の差が上記所定範囲内である)と判定されると、脈拍特定部9208が、当該第1体動信号の体動を脈拍と特定する(ステップSD10)。この後、制御部9は、処理をステップSD11に移行する。
なお、ステップSD06,SD09にて体動の周波数と比較される脈拍の周波数は、上記のように、推定脈拍数から求められる脈拍の周波数でもよい。
ステップSD11では、脈拍数算出部9209が、上記ステップSD05,SD07,SD10にて特定された脈拍の周波数(脈拍と特定された体動の周波数である場合を含む)に基づいて、脈拍数を算出する(ステップSD11)。
一方、ステップSD12では、脈拍数算出部9209は、上記脈拍推定部919によりテーブルから取得された推定脈拍数を取得する(ステップSD12)。
これらステップSD11,SD12の後、制御部9は、脈拍数算出処理SDを終了させる。
図8に戻り、上記脈拍数算出処理SDが終了されると、更新条件判定部921が、上記更新条件が充足されるか否かを判定する(ステップSC3)。
ここで、更新条件は充足されていないと判定されると、制御部9は、処理をステップSC5に移行する。
一方、更新条件は充足されていると判定されると、テーブル更新部922が、それぞれ算出された脈拍数及び歩調に基づいて、現在選択されているテーブルを更新する(ステップSC4)。この後、制御部9は、処理をステップSC5に移行する。
ステップSC5では、制御部9が、計測処理を終了させる入力操作が使用者によって行われたか否か、すなわち、当該入力操作に応じた操作信号が操作部2から入力されたか否かを判定する(ステップSC5)。
このステップSC5の判定処理にて、当該入力操作は行われていないと判定されると、制御部9は、処理をステップSC1に戻し、脈拍数測定処理を継続する。
一方、ステップSC5の判定処理にて、上記入力操作が行われたと判定されると、制御部9は、脈拍数測定処理を終了させる。
このような脈拍数測定処理が実行されることにより、使用者の脈拍を適切に検出でき、ひいては、使用者の脈拍数を適切に計数及び測定できる。
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る測定装置1は、以下の効果がある。
上記判定部9181〜9184の判定処理により、使用者の運動能力が上記条件を満たし、当該使用者がスポーツ心臓を有する者であると判定されると、テーブル設定部9185が、解析情報としてのテーブルとして、スポーツ心臓用テーブルを選択及び設定する。そして、当該テーブルを用いて、脈拍推定部919によって歩調に応じた推定脈拍数が取得され、当該推定脈拍数が解析部920によって、使用者の脈拍数として保持及び記憶される。これによれば、使用者がスポーツ心臓を有する者である場合に、脈拍の特定ができなくても、スポーツ心臓用テーブルに基づいて脈拍数を取得できる。従って、使用者の運動能力に応じた生体情報の解析処理を実行でき、適切な脈拍数を保持及び報知できるので、使用者にとって適切に生体情報を解析及び測定できる。
上記のように、スポーツ心臓を有する者は、優れた心肺機能を有する者である。そして、上記判定部9181〜9184は、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定する。そして、これらの判定結果に応じたテーブルが選択及び設定される。これによれば、使用者の心肺機能に関する能力に応じたテーブルに基づいて生体情報が解析され、脈拍数が算出される。これにより、使用者の心肺機能に関連する脈拍数を、より適切に算出できる。従って、生体情報をより適切に解析及び測定できる。
上記のように、スポーツ心臓を有する人は、一般的な人(例えば運動習慣がない人)に比べて安静時脈拍数が低い。そして、上記脈拍判定部9184は、使用者の安静時脈拍数に基づいて、当該使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定する。これによれば、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを適切に判定できる。
入力情報判定部9181は、上記設定画面SPに対する入力操作の内容に基づいて、使用者がスポーツ心臓を有するものであるか否かを判定する。これによれば、生体情報や体動情報を解析する等して、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かの判定処理を実行する場合に比べて、当該判定処理を簡易に実行できる。
また、入力情報判定部9181は、表示部51に表示された設定画面SPの選択欄SP6にて選択されたテーブルの種別だけでなく、入力欄SP4,SP5に入力された長距離走のタイム及び安静時脈拍数に基づいて、使用者がスポーツ心臓を有する者か否かを判定する。これによれば、これら使用者情報に基づいて、当該判定処理を実行できる。従って、当該判定処理をより簡易かつ適切に判定できる。
脈拍判定部9184は、使用者の運動時の歩調に応じた所定値と、算出された脈拍数とを比較することで、使用者がスポーツ心臓を有する者か否かを判定する。これによれば、実際に検出された運動時の脈拍数に基づいて、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを適切に判定できる。
検出された生体情報を解析する解析部として機能する解析部920が、当該生体情報に基づいて使用者の脈拍数を算出する。これによれば、使用者がスポーツ心臓を有する者であっても、当該使用者の脈拍数を適切に測定できるので、当該スポーツ心臓を有する者に特徴的な脈拍数の変動を確実に把握できる。
解析部920は、体動情報に基づく運動状態としての歩調と脈拍数とが関連付けられたテーブルに基づいて、脈拍数を取得する。これによれば、例えば、運動時における使用者の体動が激しく、生体情報を適切に検出できない場合に、使用者の脈拍数を推定できる。従って、運動状態に応じた脈拍数を使用者に提示できる。
歩調算出部917によって算出される使用者の歩調に応じた脈拍数が、選択されたテーブルに基づいて取得される。これによれば、上記拍動信号及び脈波信号から脈拍を特定できない場合でも、実施されている運動の歩調に応じた脈拍数を簡易に推定できる。従って、運動状態に応じた脈拍数をより簡易に使用者に提示できる。
重なり判定部9207によって、脈波信号と体動信号とが重なっていると判定されると、脈拍特定部9208が、当該体動信号により示される体動を脈拍と特定し、脈拍数算出部9209は、当該体動の周波数(体動の周期性に関連する体動関連情報)に基づいて脈拍数を算出する。これによれば、脈波信号と体動信号とが重なって、脈波信号から体動信号を除去して得られる拍動信号から脈拍を特定できない場合に、当該体動を脈拍として特定でき、当該体動の周波数に基づいて脈拍数を算出できる。従って、脈拍数を適切に算出できる他、ノイズが脈拍として誤検出されることを抑制できる。
測定装置1は、特定された脈拍の周波数に、単位時間に応じた係数(単位時間が1分であれば60)を乗算して、単位時間当たりの脈拍数を算出する。これによれば、所定時間内の脈拍数を計数し、単位時間を当該所定時間で除算して得られる商を当該脈拍数に乗算して、単位時間当たりの脈拍数を算出する方法に比べ、当該脈拍数を迅速に算出できる。
このような構成の場合、脈波信号から体動ノイズ成分を除去した拍動信号に対する周波数解析の結果から、脈拍の周波数が取得されるので、当該脈拍の周波数を求める構成を別途設ける必要がない。この他、当該構成を利用して、体動の周波数を取得できる。従って、単位時間当たりの脈拍数の算出に利用される構成及び情報を用いて、脈拍及び体動のそれぞれの周波数を取得できる。
重なり判定部9207は、脈拍の周波数と体動の周波数との差が所定範囲内にあると判断される場合に、脈拍と体動とが重なっていると判定する。これによれば、信号処理部8による解析結果から取得される脈拍の周波数と体動の周波数とに基づいて、これら脈拍と体動との重なりを容易に判定できる。
重なり判定部9207は、脈拍の周波数と体動の周波数との差が−0.1Hz以上+0.1Hz以下の範囲であると、脈拍と体動とが重なっていると判定する。
ここで、これら周波数の差が、当該範囲外である場合には、脈波信号と体動信号とは重なっておらず、当該体動の影響は小さいと考えられる。このため、重なり判定部9207が、当該差が−0.1Hz以上+0.1Hz以下の範囲であるか否かを判定することにより、脈波信号と体動信号との重なりを適切に判定できる。
ここで、前回脈の周波数と体動信号に対応する周波数(現在の体動の周波数)とが上記範囲内である場合には、脈波信号から脈拍を特定できない場合の原因は、脈波信号と体動信号とが重なっているためである可能性が高い。
また、推定脈拍数から求められる脈拍の周波数と体動信号に対応する周波数とが上記範囲内である場合も、脈波信号から脈拍を特定できない場合の原因は、脈波信号と体動信号との重なりである可能性が高い。
このため、重なり判定部9207は、前回脈の脈拍数又は上記推定脈拍数から求められる脈拍の周波数と、体動信号に対応する周波数との差が上記範囲内であるか否かを判定することにより、脈波信号から脈拍を特定できない場合の原因を特定できる。そして、脈波信号から脈拍を特定できない原因が脈波信号と体動信号との重なりである場合には、体動の周波数に基づいて脈拍数が算出されるので、脈拍数をより適切に計数できる。
脈波信号のSN比が比較的高い場合、脈波信号において体動成分等のノイズの影響が小さく、脈波信号と体動信号とが重なっている場合でも脈拍を特定できる可能性が高い。一方、脈波信号のSN比が比較的低い場合には、脈拍を特定できない可能性が高くなり、このような場合は、脈拍数を算出しづらい。
これに対し、SN比判定部9204によって、脈波信号のSN比が所定値より低いと判定された場合に、上記第2体動信号から算出される歩調に応じた推定脈拍数が、選択されたテーブルから取得される。これによれば、脈拍を検出及び特定できない場合でも、使用者の運動状態に応じて推定された脈拍数を取得及び提示できる。
一般的に、個人の運動習慣や運動能力等によって、脈波信号と重なりやすい体動信号の種別が異なる場合がある。具体的に、運動習慣が無い人では、第2体動信号に基づく体動の周波数と、脈波信号に基づく脈拍の周波数とがほぼ同じ周波数領域に位置するという結果が得られ、この場合には、脈波信号と第2体動信号とが重なっていると判定される。
一方、運動習慣があり、スポーツ心臓を有する人では、第1体動信号に基づく体動の周波数と、脈波信号に基づく脈拍の周波数とがほぼ同じ周波数領域に位置するという結果が得られ、この場合には、脈波信号と第1体動信号とが重なっていると判定される。
このように、運動習慣や運動能力によっては同じ運動を実施したとしても、脈波信号と重なる体動信号の種別が異なる状況が見られる。このため、従来の手法では、信号処理において体動信号(第1又は第2体動信号)とともに脈波信号も抑圧又は削除されてしまう可能性があり、正確な脈拍数を算出することが困難な状況となる。
これに対し、重なり判定部9207は、使用者がスポーツ心臓を有さない者である場合には、脈拍の周波数と第1体動信号に対応する体動の周波数とに基づいて、脈波信号と体動信号との重なりが判定される。一方、使用者がスポーツ心臓を有する者である場合には、当該脈拍の周波数と、第1体動信号に対応する体動の周波数及び第2体動信号に対応する体動の周波数とに基づいて、脈波信号と体動信号との重なりが判定される。そして、脈波信号と体動信号とが重なっていると判定されると、重なっていると判定された体動の周波数に基づいて脈拍数が算出される。これによれば、脈波信号と体動信号とが重なっているような状況においても、上記誤判定がなされることを抑制でき、正確な脈拍数を算出できる。従って、どのような運動習慣の使用者であっても、脈拍数を適切に計数できる。
一方、測定装置1を装着した使用者が、低温環境下において運動を実施した場合、当該測定装置1が接触する使用者の皮膚の表面温度は低いので、検出される脈波信号は、体動信号に比べ小さくなる(弱くなる)ことがある。
このような場合に、スポーツ心臓を有しない使用者に対して、脈波の周波数と、第1体動信号に基づく体動の周波数とに基づいて、脈波信号と体動信号との重なりを判定しても、脈波信号には、体動信号(主に第1体動信号)により示される体動ノイズ成分が主に含まれることから、脈波信号に含まれる体動ノイズ成分を脈拍と特定してしまい、脈波信号と体動信号とが重なっていると誤判断してしまう可能性がある。特に、運動開始直後では、第1体動信号により示される体動成分(例えば使用者の腕振り1往復分に相当する体動成分)と、脈波信号に基づいて算出された前回脈の脈拍数に基づいて推定される推定脈拍数とは周波数が非常に近いため、当該体動成分を脈拍と誤判断する可能性が高まる。
これに対し、使用者がスポーツ心臓を有する者でないと判定される場合には、上記脈拍の周波数と、第1体動信号に基づく体動の周波数とに基づく脈波信号と体動信号との重なりは判定されない。これにより、使用者がスポーツ心臓を有する者である場合と、スポーツ心臓を有する者ではない場合とで、判定内容を切り替えることができるので、使用者に応じて、適切に脈拍数を算出できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る生体情報解析システムは、使用者の生体情報及び体動情報を検出する検出装置と、当該検出装置から受信される生体情報及び体動情報を解析する解析装置と、を備え、当該解析装置が、上記信号処理部8及び制御部9で実行される処理を実行することにより、上記生体情報測定装置1と同様の機能を実現する。この点で、本実施形態に係る生体情報解析システムと、上記生体情報測定装置1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、本実施形態に係る生体情報解析システムASを構成する検出装置AS1の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る生体情報解析システムASは、図10に示すように、検出装置AS1及び解析装置AS2を備え、上記測定装置1と同様の機能を有する。
[検出装置の構成]
検出装置AS1は、記憶部7及び制御部9に代えて記憶部7A及び制御部9Aを有し、かつ、信号処理部8を含まない他は、上記測定装置1と同様の構成を有する。
これらのうち、記憶部7Aは、上記記憶部7と同様に制御情報記憶部71及び検出情報記憶部72を有するが、テーブル記憶部73を有しない。
制御部9Aは、検出装置AS1の動作を制御する。この制御部9Aは、計時部911、検出制御部912、報知制御部913、通信制御部914、情報取得部916及び情報送信部923を有する。すなわち、制御部9Aは、解析制御部915、歩調算出部917、テーブル選択部918、脈拍推定部919、解析部920、更新条件判定部921及びテーブル更新部922を有しない一方で情報送信部923を有する他は、上記制御部9と同様の構成を有する。
これらのうち、情報取得部916は、上記のように、操作部2、検出部3、受信部4及び通信部6から入力される各種情報を取得する。すなわち、情報取得部916は、通信部6を介して解析装置AS2から受信される情報(例えば、生体情報及び体動情報の解析結果としての脈拍数)を取得する。このような情報は、例えば、報知制御部913の制御の下、報知部5によって報知される。
情報送信部923は、検出部3によって検出されて上記検出情報記憶部72に記憶された生体情報(脈波信号)及び体動情報(体動信号)を、通信部6を介して解析装置AS2に送信する。
[解析装置の構成]
図11は、生体情報解析システムASを構成する解析装置AS2の構成を示すブロック図である。
解析装置AS2は、検出装置AS1から受信される生体情報及び体動情報を解析し、解析結果を検出装置AS1に送信するものであり、例えば、PC(Personal Computer)やスマートフォン(多機能携帯電話機)等により構成できる。この解析装置AS2は、図11に示すように、操作部AS21、表示部AS22、音声出力部AS23、通信部AS24、記憶部AS25、信号処理部AS26及び制御部AS27を備える。すなわち、解析装置AS2は、上記検出装置AS1によって検出された生体情報及び体動情報を解析して、脈拍数を測定する脈拍数測定装置と言うこともできる。
操作部AS21は、キーボード及びポインティングデバイス等を有し、使用者の入力操作に応じた操作信号を制御部AS27に出力する。
また、表示部AS22、音声出力部AS23、通信部AS24及び信号処理部AS26は、それぞれ、表示部51、音声出力部52、通信部6及び信号処理部8と、それぞれ同じ構成を有する。
記憶部AS25は、上記記憶部7と同様に、制御情報記憶部AS251、検出情報記憶部AS252及びテーブル記憶部AS253と、を有する。
制御情報記憶部AS251は、解析装置AS2の動作に必要な各種プログラム(OS(Operating System)を含む)及びデータ等の制御情報を記憶している。
検出情報記憶部AS252は、後述する制御部AS27による制御下にて通信部AS24を介して検出装置AS1から受信された生体情報及び体動情報を記憶する。
テーブル記憶部AS253は、解析情報としての上記テーブルを記憶している。
図12は、制御部AS27の構成を示すブロック図である。
制御部AS27は、CPU等の演算処理回路を有し、自律的に、或いは、上記操作部AS21から入力される操作信号に応じて、解析装置AS2の動作を制御する。この制御部AS27は、例えば、上記測定装置1の制御部9によって実行される処理と同様の処理を実行し、検出装置AS1から受信される生体情報及び体動情報に基づいて、テーブルの選択、及び、当該各情報の解析(例えば、脈拍数の算出)を実行する。
このため、制御部AS27は、図12に示すように、計時部AS271、報知制御部AS272、通信制御部AS273、解析制御部AS274、情報取得部AS275、歩調算出部AS276、テーブル選択部AS277、脈拍推定部AS278、解析部AS279、更新条件判定部AS280、テーブル更新部AS281及び解析結果送信部AS282を有する。
これらのうち、機能部AS271〜AS281は、それぞれ、上記機能部911,913〜922と同様の機能を有する。例えば、報知制御部AS272は、上記設定画面SPを表示部AS22に表示させ、情報取得部AS275は、表示された設定画面SPに対する入力内容を取得する。また、通信制御部AS273は、検出装置AS1と通信する通信部AS24の動作を制御し、解析制御部AS274は、信号処理部AS26の動作を制御する。
更に、制御部AS27は、主に、情報取得部AS275、歩調算出部AS276、テーブル選択部AS277、脈拍推定部AS278、解析部AS279、更新条件判定部AS280及びテーブル更新部AS281により、受信された生体情報及び体動情報に基づいて上記テーブルを選択する処理(第1選択処理及び第2選択処理)を実行する他、脈拍数算出処理SDを含む脈拍数測定処理を実行する。
そして、解析結果送信部AS282は、生体情報及び体動情報の解析結果であり、脈拍数測定処理の処理結果である脈拍数を、通信制御部AS273及び通信部AS24により、検出装置AS1に送信する。これにより、検出装置AS1の報知部5を構成する表示部51に、当該脈拍数が表示される。
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る生体情報解析システムASによれば、上記生体情報測定装置1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
検出装置AS1によって検出された生体情報及び体動情報は、解析装置AS2に送信され、当該解析装置AS2によって解析される。これによれば、比較的処理負担が大きい処理を、解析装置AS2にて実行できるので、検出装置AS1を小型化できる他、当該検出装置AS1の処理負荷を軽減できる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、測定装置1及び解析装置AS2は、歩調と推定脈拍数とが関連付けられたテーブルを解析情報として保持した。しかしながら、これに限らず、歩調と推定脈拍数とが関連付けられた数式を解析情報として保持してもよい。また、他の生体情報を解析するための解析情報を保持していてもよい。例えば、解析情報として、歩調と呼吸数とが関連付けられたテーブルを保持していてもよく、また、単位時間当たりの腕又は足の振りの回数と脈拍数とが関連付けられたテーブルを保持していてもよい。更に、加速度の大きさ(パワー)と脈拍数とが関連付けられたテーブルを保持していてもよい。
更に、解析情報は、生体情報である脈波信号に基づく脈拍数の算出の際に用いられるテーブルとした。しかしながら、これに限らず、生体情報として検出される信号の補正情報等であってもよい。すなわち、解析情報は、生体情報の解析に用いられる情報であればよい。
上記各実施形態では、解析情報として一般用テーブル、ランナー用テーブル及びスポーツ心臓用テーブルが挙げられ、これらのうちのいずれかを、上記設定画面SPにて選択可能とした。しかしながら、これに限らない。例えば、上記テーブルに代えて、使用者の運動能力や、運動の熟練度(例えば、初心者、中級者、上級者、熟練者、達人)に応じた解析情報を設定可能としてもよい。この場合、これら解析情報のうち少なくとも2つ以上を使用者に提示し、当該使用者の操作に応じた解析情報が選択及び設定されるように構成して、選択された解析情報に基づいて生体情報が解析されることによって、例えば推定脈拍数が取得される構成としてもよい。
また、テーブルの選択及び設定は、使用者による操作以外に、使用者の運動記録に基づいて選択及び設定されてもよい。例えば、使用者が実施した運動の累積時間、累積強度及び運動頻度のうち少なくとも1つを含む運動実績情報に基づいて、上記テーブル等の解析情報が選択されるように構成してもよい。
上記各実施形態では、安静時脈拍数や、運動状態に応じた脈拍数に基づいて、使用者の運動能力を把握し、これにより、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定した。しかしながら、これに限らず、安静時脈拍数に代えて、或いは、加えて、心拍出量に基づいて使用者の運動能力を把握及び判定してもよい。更には、筋肉量等の他の情報に基づいて、使用者の運動能力を把握及び判定してもよい。
また、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かに応じて解析情報が設定される構成に限らず、一般用テーブル及びランナー用テーブルのいずれかの設定と同様に、使用者の運動能力に応じた解析情報が設定されればよい。
上記各実施形態では、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かは、上記設定画面SPにて入力された使用者情報、又は、検出された生体情報及び体動情報に基づいて判定されるとした。しかしながら、これに限らない。例えば、測定装置1及び解析装置AS2が、使用者がスポーツ心臓を有する者か否かを判定するための情報を外部から受信する構成としてもよく、検出装置AS1が解析装置AS2に送信してもよい。
上記各実施形態では、重なり判定部9207は、前回脈の周波数又は推定脈拍数から求められる脈拍の周波数と、体動の周波数との差が所定範囲内にあるか否かを判定することにより、脈波信号と体動信号とが重なっているか否かを判定した。しかしながら、これに限らず、他の方法により、脈波信号と体動信号とが重なっているか否かを判定してもよい。
上記各実施形態では、SN比判定部9204により、脈波信号のSN比が所定値より低い場合には、選択されたテーブルから推定脈拍数を取得するとした。しかしながら、これに限らず、脈波信号の信号強度が所定値より低い場合に、推定脈拍数を取得してもよい。更には、このような判定処理を省略してもよい。
上記各実施形態では、使用者がスポーツ心臓を有する者である場合に、第1体動信号と脈波信号とが重なっているか否かが判定された。しかしながら、これに限らず、使用者がスポーツ心臓を有する者でなくても、これら体動信号と脈波信号とが重なっているか否かを判定する構成としてもよい。すなわち、使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かの判定処理は省略可能である。一方、第2体動信号と脈波信号とが重なっているか否かの重なり判定を、使用者がスポーツ心臓を有しない者である場合に限定して実行してもよい。
上記各実施形態では、上記脈波信号、又は、当該脈波信号から体動ノイズ成分を除去して得られる上記拍動信号を周波数解析した結果であるパワースペクトルに基づいて、脈拍の周波数を、脈波信号の周期性に関連する脈拍関連情報として取得し、当該周波数を60倍した値を脈拍数とした。また、体動を示す体動信号である加速度信号に基づいて、体動の周波数を、体動信号の周期性に関連する体動関連情報として取得した。しかしながら、これに限らず、脈拍関連情報及び体動関連情報は、他の情報でもよい。例えば、脈拍関連情報及び体動関連情報は、各信号の波形、周期及び位相であってもよい。この場合、脈拍の波形に基づいて脈拍数を算出してもよく、脈拍の周期に基づいて脈拍数を算出してもよい。この際、脈波信号と体動信号との重なりを判定する場合には、脈拍の周期及び位相と、体動の周期及び位相とを比較し、脈拍の出現タイミングと体動の出現タイミングとが略一致した場合(脈拍の出現タイミングと体動の出現タイミングとの差が所定範囲内である場合)に、脈波信号と体動信号とが一致すると判定してもよい。
上記各実施形態では、測定装置1は、使用者の手首に装着されるウェアラブル機器として構成されるとした。しかしながら、これに限らない。すなわち、測定装置1の装着部位は、どこでもよく、例えば、足(より詳しくは足首)や胸でもよい。また、装着部位によっては、第1体動信号を検出しなくてもよい。
更に、上記各実施形態では、体動情報検出部32によって検出される体動信号には、測定装置1及び検出装置AS1の装着部位(例えば手首や足)の往復運動の1周期の動き(歩行時及び走行時の前後方向への1往復の腕振り)に伴って変化する加速度を示す第1体動信号と、当該装着部位の往復運動の半周期の体動(歩行時及び走行時の前方向又は後ろ方向への1回の腕振り)に伴って変化する加速度、すなわち、歩行時及び走行時の使用者の歩調を示す第2体動信号と、が含まれるとした。しかしながら、これに限らず、他の方向への使用者の体動を示す加速度信号を第1体動信号及び第2体動信号としてもよい。例えば、使用者の上下方向の体動に伴う加速度変化を第2体動信号とし、当該第2体動信号を2以上の整数倍した信号を第1体動信号としてもよい。
上記第1実施形態では、測定装置1は、当該測定装置1単独で利用可能に構成したが、本発明はこれに限らない。すなわち、測定装置1の機能や、検出装置AS1及び解析装置AS2の機能が、電子機器(例えば医療機器)に組み込まれていてもよい。
1…生体情報測定装置(脈拍数測定装置)、2…操作部、31…生体情報検出部、32…体動情報検出部、9204…SN比判定部、9206…使用者判定部、9207…重なり判定部、9209…脈拍数算出部。

Claims (11)

  1. 使用者の脈波信号を検出する生体情報検出部と、
    前記使用者の体動を示す体動信号を検出する体動情報検出部と、
    前記脈波信号の周期性に関連する脈拍関連情報と、前記体動信号の周期性に関連する体動関連情報とに基づいて、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定する重なり判定部と、
    前記脈波信号と前記体動信号とが重なっていると判定されると、前記体動関連情報に基づいて脈拍数を算出する脈拍数算出部と、を有することを特徴とする脈拍数測定装置。
  2. 請求項1に記載の脈拍数測定装置において、
    前記脈拍関連情報は、前記脈波信号に基づいて求められる脈拍の周波数であり、
    前記体動関連情報は、前記体動信号に基づいて求められる体動の周波数であることを特徴とする脈拍数測定装置。
  3. 請求項2に記載の脈拍数測定装置において、
    前記重なり判定部は、前記脈拍の周波数と前記体動の周波数との差が所定範囲内にあると判断される場合に、前記脈波信号と前記体動信号とが重なっていると判定することを特徴とする脈拍数測定装置。
  4. 請求項3に記載の脈拍数測定装置において、
    前記所定範囲は、−0.1Hz以上+0.1Hz以下の範囲であることを特徴とする脈拍数測定装置。
  5. 請求項2又は請求項3に記載の脈拍数測定装置において、
    前記重なり判定部は、前記脈波信号に基づいて算出された過去の脈拍数、及び、前記体動信号に基づいて推定される脈拍数のいずれかから導出される推定脈拍数に対応する周波数と、前記体動信号に対応する周波数とを比較して、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定することを特徴とする脈拍数測定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の脈拍数測定装置において、
    前記脈波信号のSN比が所定値以上であるか否かを判定するSN比判定部を有し、
    前記脈拍数算出部は、前記SN比判定部によって前記所定値より低いと判定されると、前記体動信号に基づく前記脈拍数の推定値を取得することを特徴とする脈拍数測定装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の脈拍数測定装置において、
    前記体動信号は、
    前記生体情報検出部が装着される装着部位の1回の往復運動に伴う加速度変化を1周期として示す第1体動信号と、
    前記1回の往復運動における一方向への移動に伴う加速度変化を1周期として示す第2体動信号と、を含み、
    前記重なり判定部は、前記脈拍関連情報と、前記第2体動信号に基づく前記体動関連情報とに基づいて、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定することを特徴とする脈拍数測定装置。
  8. 請求項7に記載の脈拍数測定装置において、
    前記使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定する使用者判定部を有し、
    前記重なり判定部は、前記使用者判定部によって前記使用者がスポーツ心臓を有する者と判定されると、前記脈拍関連情報と、前記第1体動信号に基づく前記体動関連情報とに基づいて、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定することを特徴とする脈拍数測定装置。
  9. 請求項8に記載の脈拍数測定装置において、
    前記使用者による入力操作を受け付ける操作部を備え、
    前記使用者判定部は、前記入力操作の内容に基づいて、前記使用者がスポーツ心臓を有するものであるか否かを判定することを特徴とする脈拍数測定装置。
  10. 請求項8に記載の脈拍数測定装置において、
    前記使用者判定部は、検出された前記体動信号に基づく前記使用者の運動状態と、前記運動状態での前記使用者の脈波信号とに基づいて、前記使用者がスポーツ心臓を有する者であるか否かを判定することを特徴とする脈拍数測定装置。
  11. 使用者の脈拍数を測定する脈拍数測定方法であって、
    前記使用者の脈波信号の周期性に関連する脈拍関連情報と、前記使用者の体動を示す体動信号の周期性に関連する体動関連情報とに基づいて、前記脈波信号と前記体動信号との重なりを判定し、
    前記脈波信号と前記体動信号とが重なっていると判定されると、前記体動関連情報に基づいて脈拍数を算出することを特徴とする脈拍数測定方法。
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