JP2016106068A - 高静疲労性アルミナ製アイソパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】フュージョン法に使用するのに適した構造を有する本体を含むアイソパイプの提供。【解決手段】(i)少なくとも90体積%の結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、このガラス相のガラスが、(a)アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、前記アルミナとシリカが前記ガラスの少なくとも90モル%を構成し、(b)酸化物基準で、前記ガラスが、2モル%以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有し、(c)酸化物基準で、前記ガラスが、5.5モル%以下のアルカリ含有量を有し、10,000psi(約69MPa)の応力を印加して1200℃で試験したときに、少なくとも1時間の破損するまでの時間に関する静疲労を有するアルミナ製アイソパイプ13。【選択図】図1
Description
本開示は、フュージョン法によるガラス板の製造に使用されるアイソパイプに関し、特に、高レベルの静疲労を示すアルミナ製アイソパイプに関する。
「静疲労」という語句は、物体が応力下に置かれ、直ちに割れたり破損したりしない時の、遅延破損の現象を称する。大まかに言えば、静疲労寿命は、数秒または数分ほど短いことも、または数万時間ほど長いこともあり得る。
「アルミナ材」という語句は、1種類以上のAl2O3相を含む耐火材であって、Al2O3相が組合せで耐火材の少なくとも50体積パーセントである耐火材を称する。
「アイソパイプ」という単語は、概して、物体の特定の形状および構造にかかわらず、また物体の形成が静水圧プレスを含むか否かにかかわらず、フュージョン・ダウンドロー法におけるガラス形成構造として使用するのに適した構造を有する物体を称する。
本明細書または特許請求の範囲において数値の範囲が述べられている場合、その範囲は端点を含む。
A. フュージョン法
フュージョン法は、ガラス板を製造するためにガラス製造業界において使用される基本技法の内の1つである。例えば、非特許文献1を参照のこと。従来技術において公知の他のプロセス、例えば、フロート法およびスロット・ドロー法と比べると、フュージョン法では、その表面が優れた平坦度と平滑度を有するガラス板が製造される。その結果、フュージョン法は、様々な電子機器の製造に使用されるガラス板の製造において特に重要になってきた。ほんの2つの例として、フュージョン法により製造されたガラス板は、フラットパネルディスプレイ装置、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)の製造における基板として、またモバイル電子機器におけるフェースプレート、例えば、タッチスクリーンとして、使用されている。
フュージョン法は、ガラス板を製造するためにガラス製造業界において使用される基本技法の内の1つである。例えば、非特許文献1を参照のこと。従来技術において公知の他のプロセス、例えば、フロート法およびスロット・ドロー法と比べると、フュージョン法では、その表面が優れた平坦度と平滑度を有するガラス板が製造される。その結果、フュージョン法は、様々な電子機器の製造に使用されるガラス板の製造において特に重要になってきた。ほんの2つの例として、フュージョン法により製造されたガラス板は、フラットパネルディスプレイ装置、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)の製造における基板として、またモバイル電子機器におけるフェースプレート、例えば、タッチスクリーンとして、使用されている。
フュージョン法、特に、オーバーフロー・ダウンドロー・フュージョン法は、その内容がここに引用される、Stuart M. Dockertyの同一出願人による特許文献1および2の主題である。これらの文献のプロセスの説明図が図1に示されている。ここに示されるように、このシステムは、「アイソパイプ」として知られている、自由空間に及ぶ耐火体13内に形成された収集トラフ11に溶融ガラスを供給する供給パイプ9を含む。
一度、定常状態動作に達したら、溶融ガラスは供給パイプからトラフへ通過し、次いで、堰(すなわち、両側にあるトラフの頂部)を溢れ出て、したがって、2枚のガラス板を形成し、これらのガラス板がアイソパイプの外面に沿って下方かつ内方に流れる。2枚の板はアイソパイプの底部または基部15で接触し、そこで、1枚の板、例えば、約700マイクロメートルの厚さを有する板へと一緒に融合する。次いで、1枚の板が線引き装置に供給され(図1に矢印17により図示されている)、この装置が、板が基部から離れて延伸される速度で、板の厚さを制御する。
図1から分かるように、最終的なガラス板の外面は、このプロセスのどの最中にも、アイソパイプの外面のどこにも接触しない。むしろ、これらの表面は周囲の雰囲気しか経験しない。最終的な板を形成する2つの半板の内面は、アイソパイプと接触するが、それら内面はアイソパイプの基部で互いに融合し、よって、最終的な板の本体内に埋め込まれる。このようにして、最終的な板の外面の優れた性質が達成される。
B. アイソパイプの要件
前述のことから分かるように、アイソパイプ13は、成形プロセス中にガラスと直接接触するので、フュージョン法の成功にとって重要である。それゆえ、アイソパイプは、短すぎない寿命を有し、また高品質の板ガラス製品を供給するために厳しい機械的および化学的要件を満たす必要がある。
B. アイソパイプの要件
前述のことから分かるように、アイソパイプ13は、成形プロセス中にガラスと直接接触するので、フュージョン法の成功にとって重要である。それゆえ、アイソパイプは、短すぎない寿命を有し、また高品質の板ガラス製品を供給するために厳しい機械的および化学的要件を満たす必要がある。
機械的要件に関して、使用中に、ガラス板に成形されている溶融ガラスの粘度をうまく処理するために、アイソパイプに垂直の温度勾配が印加される。特に、アイソパイプの基部では、ガラス粘度は、典型的に、約100から300kPの範囲になければならず、この粘度を達成するためには、垂直温度勾配は、例えば、50〜100℃辺りである。この定常状態の温度勾配に加え、アイソパイプは、加熱中、並びにメンテナンス操作と修理操作中、例えば、パイプを動作温度に維持するために使用される1つ以上の外部加熱素子の交換中、一時的な勾配に耐えられなければならない。
温度勾配に耐える能力に加え、アイソパイプは、使用温度で実質的に一定の形状を有する必要がある。アイソパイプの形状変化はフュージョン法の全体の成功に影響するので、寸法安定性が非常に重要である。例えば、Overmanの特許文献3および特許文献4を参照のこと。残念ながら、アイソパイプが使用される状況下では、アイソパイプは寸法変化を受けやすい。このように、アイソパイプは、ほぼ1000℃以上の高温で動作する。さらに、アイソパイプは、自重、並びに、その側面を溢れて流れている溶融ガラスとトラフ11内にあるガラスの質量、および溶融ガラスが線引きされているときに溶融ガラスを通じてアイソパイプに受け渡して戻される少なくともある程度の張力を支持しながら、これらの高温で動作する。
製造すべきガラス板の幅に応じて、アイソパイプは、2メートル以上の支持されていない長さを有し得る。現行のビジネストレンドは、ガラス板の形成のためにさらに大型のアイソパイプを必要とするさらに大型のガラス板に向かっている。約13フィート(約3.9メートル)のアイソパイプの範囲について、ジルコンから製造されたアイソパイプの質量(以下参照)は、15,000ポンド(約6800kg)を超えると推測される。さらに、クリープによるアイソパイプの垂れ下がり率(以下参照)は、長さの4乗に比例し、高さの二乗に反比例することが分析により示されている。したがって、アイソパイプの長さの倍加(同じ寿命の要件と温度能力で)は、固有のクリープ率の16分の1の減少、または高さの4倍の増加いずれかを必要とする。
上述した機械的要件に加え、アイソパイプは、厳しい化学的要件を満たさなければならない。特に、アイソパイプは、ガラス中の欠陥により急激に攻撃されたり、その供給源であるべきではない。工業製造の点から、フュージョン法により製造されるガラス板中の欠陥レベルは、極めて低い、例えば、ほぼ0.01欠陥/ポンド(454g)以下でなければならない。ガラス板のサイズが増加するにつれて、これらの低欠陥レベルを満たすことは、さらに困難になってきて、化学的に安定なアイソパイプの必要性がより重要になる。
C. アイソパイプの材料
上述した厳しい状況に耐えるために、アイソパイプ13は、耐火材料の静水圧プレス成形されたブロックから製造されてきた。特に、フュージョン法のためのアイソパイプを形成するために、ケンタッキー州、ルイビル所在のSt.Gobain-SEFPRO社により販売されているものなどの静水圧プレス成形されたジルコン耐火物が使用されてきた。
C. アイソパイプの材料
上述した厳しい状況に耐えるために、アイソパイプ13は、耐火材料の静水圧プレス成形されたブロックから製造されてきた。特に、フュージョン法のためのアイソパイプを形成するために、ケンタッキー州、ルイビル所在のSt.Gobain-SEFPRO社により販売されているものなどの静水圧プレス成形されたジルコン耐火物が使用されてきた。
近年、ジルコン製アイソパイプの機械的性質を改善するために努力が行われてきた。特に、ジルコン製アイソパイプのクリープ特性は、徹底的な研究の課題となってきた。例えば、同一出願人によるHelfinstine等の特許文献5およびTanner等の特許文献6を参照のこと。その両方の内容をここに引用する。
当該技術分野において知られているように、クリープは、通常は高温で与えられた応力の結果としての耐火物または他の材料の物理的形状の永久的な変化である。クリープは、応力を解放するような様式で働き、通常は、粒界滑りまたは材料拡散の原因となる。ジルコンは、高温で液状シリカとジルコニアに分解するのでクリープを被り、粒界での液状シリカの存在によりクリープ率が増加する。
クリープを経験したアイソパイプは、中間部で垂れ下がり、ガラスがそこを超えて流れる堰を変形させる。堰がもはや真っ直ぐではない場合、アイソパイプの長さに亘りガラス流分布が乱れ、ガラス板の形成を管理することがより難しくなり、やがて不可能になり、それゆえ、生産が終わる。それゆえ、ジルコンは高性能の耐火材と考えられていても、実際には、市販のジルコンから構成されたアイソパイプは、その耐用寿命を制限する寸法変化を示す。
本開示の前には、クリープは、アイソパイプ材料の重大な性質と認識されてきたのに対し、静疲労は、一般にアイソパイプ、または特にジルコン製アイソパイプのいずれに関しても、重大とは考えられていなかったことに留意すべきである。
化学的安定性については、ジルコンは、アイソパイプの堰の近くの高温領域で無アルカリガラス(例えば、LCDガラス)中に溶け込み、次いで、基部の近くの低温領域で析出して、ジルコン副結晶を形成することが知られている。これらの結晶は、ガラス流により摘み取られ、板中の内包物となり得る。引き延ばされているガラス中に含まれる副結晶は、目に見える欠陥であり、そのような欠陥を有する仕上がったLCDパネルは不合格となる。その内容がここに引用される、2003年7月3日に発行された、同一出願人による特許文献7に開示されているように、副ジルコン析出は、堰と基部との温度差を約100℃未満に制限することによって制御できる。
本開示によれば、ジルコン製アイソパイプはある種のアルカリ含有ガラスに使用できるが、それらは他のものには適合していない。特に、下記の実施例1により詳しく検討されるように、ジルコンは、高レベルのアルカリを有するガラス(すなわち、酸化物基準で、Na2O、K2O、およびLi2Oの合計が5質量パーセント以上であるガラス;以後、「高アルカリガラス」と称する;Na2OおよびK2Oの分子量はLi2Oの分子量よりもかなり大きいので、主にNa2Oおよび/またはK2Oを含有する高アルカリガラスは、主にLi2Oを含有するもの(例えば、5質量パーセント以上)よりも大きいアルカリ質量パーセント(例えば、10質量パーセント以上)を有する傾向にあることに留意されたい)に曝露されたときに、「魚卵」状の外観を有する、ジルコニアからなる表面層およびブロック状形態を発生し得る。ジルコン製アイソパイプをそのようなガラスに使用できないことは、重大な欠陥である。何故ならば、そのようなガラスは、欠け抵抗性および引っ掻き抵抗性を有するガラス表面を要求する用途、例えば、タッチスクリーン、時計のクリスタル、カバープレート、太陽熱集光器、窓、スクリーン、容器などに特に有用である。例えば、その全ての内容をここに引用する、同一出願人による特許文献8、特許文献9および2009年8月18日に出願された特許文献10を参照のこと。
ジルコンに加え、アイソパイプはアルミナからも製造されてきた。例えば、その内容をここに引用する、特許文献11を参照のこと。特に、ジルコン耐火物の他に、ケンタッキー州ルイビル所在のSt.Gobain-SEFPROは、アイソパイプとして使用するためのアルミナ耐火物、特にA1148アルミナ耐火物も販売してきた。一見して、A1148は、小さいクリープ率を有するので、アイソパイプに使用するのに、ジルコンより良好な材料であるように思えるであろう。フュージョン法の初期には、A1148は最適な材料であった。その頃には、アイソパイプは、2つの部材、すなわち、トラフを収容する上部および傾斜側を含む下部から典型的になり、一般に、現代のアイソパイプより短かった。また、初期に製造されていたガラスの成形温度は、今日使用されている温度より低く、例えば、フュージョン法の初期の応用では、約1000℃以下、例えば、800〜1000℃の成形温度を有するガラスを含んでいたのに対し、今日のガラスは、1300℃ほど高い温度でフュージョン法により形成されており、1200〜1230℃が一般的である。過去に主流であった条件下で、A1148はうまく機能し、日常的に使用されていた。
しかしながら、長期に亘ると、特に、ディスプレイ用途のための無アルカリガラス基板を製造する好ましい方法として、フュージョン法の評判が増すと共に、アルミナは次第に減り、ジルコンに置き換えられた。今日、フュージョン法により製造されるディスプレイ用基板のほとんどは、ジルコン製アイソパイプで製造される。しかし、上述し、以下の実施例1に例証したように、ジルコン製アイソパイプは、パーソナル(ポータブル)電子機器分野において優勢になってきている高アルカリガラスとは、化学的に不適合である。
さらに、本開示にしたがって、以下に詳しく検討したように、従来、A1148アルミナはアイソパイプ用材料としての使用に適していたが、現代の条件下では、A1148は、劣等な材料であることが発見された。特に、本開示によれば、静疲労は候補のアイソパイプ用材料の重大なパラメータであると認識され、その認識にしたがって、A1148アルミナの静疲労が測定された。その測定は、次に、アイソパイプの使用中に遭遇する条件を代表する条件下でA1148の破損するまでの時間(times-to-failure)を計算するために使用された。その分析により、A1148は、使用中に破損し、特に、避けられない条件下、例えば、アイソパイプを加熱するために使用される加熱要素のメンテナンスと修理の最中に、破損することが示された。そのような破損により、事実上、アイソパイプが分解し、それゆえ、アイソパイプの下にあるフュージョン装置の部分、並びにその装置の近傍で作業している作業者を危険にさらし得る。
Varshneya, Arun K., "Flat Glass," Fundamentals of Inorganic Glasses, Academic Press, Inc., Boston, 1994, Chapter 20, Section 4.2., 534-540
それゆえ、フュージョン法に使用するのに、特に高アルカリガラスの製造中のフュージョン法に使用するのに適したアイソパイプ用材料を提供する差し迫った必要性がある。本開示をこの必要性を満たすものである。
第1の態様によれば、フュージョン法(例えば、ガラスまたはガラスセラミックを板に形成するフュージョン法)に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、この本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)10,000psi(約69MPa)の応力を印加して1200℃で試験したときに、少なくとも1時間の破損するまでの時間に関する静疲労を有するアルミナ耐火物を含むものであるアイソパイプが開示される。
第2の態様によれば、フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、この本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、ここで、ガラス相の体積パーセントが1パーセント以下であるアイソパイプが開示される。
第3の態様によれば、フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、この本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、このガラス相のガラスが、
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、アルミナとシリカがガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 酸化物基準で、ガラスが、2モルパーセント以上の、アルカリ土類および希土類の含有量を有し、
(c) 酸化物基準で、ガラスが、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ものであるアイソパイプが開示される。
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、アルミナとシリカがガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 酸化物基準で、ガラスが、2モルパーセント以上の、アルカリ土類および希土類の含有量を有し、
(c) 酸化物基準で、ガラスが、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ものであるアイソパイプが開示される。
第4の態様によれば、フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、この本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)1種類以上の非アルミナ副相を含むアルミナ耐火物を含み、1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下であるアイソパイプが開示される。
第5の態様によれば、フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、この本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)8体積パーセント以下の気孔率を有するアルミナ耐火物を含むアイソパイプが開示される。
第6の態様によれば、ガラス板を製造するフュージョン法に使用されるアイソパイプの静疲労を増加させる方法であって、少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含むアルミナ耐火物からアイソパイプを形成する工程を有してなり、
(i) アルミナ耐火物がガラス相を含み、このガラス相の体積パーセントが1パーセント以下である、および/または
(ii) アルミナ耐火物がガラス相を含み、このガラス相のガラスが、
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、アルミナとシリカがガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 酸化物基準で、ガラスが、2モルパーセント以上の、アルカリ土類および希土類の含有量を有し、
(c) 酸化物基準で、ガラスが、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、および/または
(iii) アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、この1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、および/または
(iv) アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有する、
方法が開示される。
(i) アルミナ耐火物がガラス相を含み、このガラス相の体積パーセントが1パーセント以下である、および/または
(ii) アルミナ耐火物がガラス相を含み、このガラス相のガラスが、
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、アルミナとシリカがガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 酸化物基準で、ガラスが、2モルパーセント以上の、アルカリ土類および希土類の含有量を有し、
(c) 酸化物基準で、ガラスが、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、および/または
(iii) アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、この1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、および/または
(iv) アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有する、
方法が開示される。
第7の態様によれば、フュージョン法に使用するのに適合した構造を有するアイソパイプを製造する方法であって、(a)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含むアルミナ耐火物のブロックを提供し、(b)このブロックからアイソパイプを形成する工程を有してなり、
(i) アルミナ耐火物がガラス相を含み、このガラス相の体積パーセントが1パーセント以下である、および/または
(ii) アルミナ耐火物がガラス相を含み、このガラス相のガラスが、
(1) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、アルミナとシリカがガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(2) 酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類および希土類の含有量を有し、
(3) 酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、および/または
(iii) アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、この1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、および/または
(iv) アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有する、
方法が開示される。
(i) アルミナ耐火物がガラス相を含み、このガラス相の体積パーセントが1パーセント以下である、および/または
(ii) アルミナ耐火物がガラス相を含み、このガラス相のガラスが、
(1) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、アルミナとシリカがガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(2) 酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類および希土類の含有量を有し、
(3) 酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、および/または
(iii) アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、この1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、および/または
(iv) アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有する、
方法が開示される。
本発明の追加の特徴と利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者には容易に明らかになるか、またはここにある説明により例示された本発明を実施することによって認識されるであろう。添付の図面は、本発明をさらに理解するために含まれており、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、本発明の様々な実施の形態を示しており、説明と共に、本発明の原理および動作を説明する働きをする。先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、本発明の単なる例示であり、本発明の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供することが意図されている。本明細書および図面に開示された本発明の様々な特徴は、任意の組合せおよび全ての組合せで使用して差し支えないことも理解されよう。
A. 従来のアルミナ材に関する問題
図2は、本開示の様々な発見および洞察を要約している。この図は、ジルコンとA1148アルミナの破損するまでの時間に関する静疲労挙動を比較している。この図の構成に使用したジルコンは、先に挙げた特許文献5に開示されたタイプのものであり、ケンタッキー州ルイビル所在のSt.Gobain-SEFPRO社により製造されたものであった。ここに「特許文献5のジルコン」と称されるこのジルコンは、長年に亘り、液晶ディスプレイ用の基板、例えば、第8世代とそれより大きい基板を製造するのに使用されるアイソパイプにうまく機能してきた。A1148も、St.Gobain-SEFPRO社により製造されたものであり、St.Gobain-SEFPRO社のウェブサイトに、LCDガラスなどの特殊ガラスの製造に適していると記載されている。この破損するまでの時間の値は、2,223psi(約15.3MPa)の応力を印加して決定した(図9の以下の議論を参照のこと)。
図2は、本開示の様々な発見および洞察を要約している。この図は、ジルコンとA1148アルミナの破損するまでの時間に関する静疲労挙動を比較している。この図の構成に使用したジルコンは、先に挙げた特許文献5に開示されたタイプのものであり、ケンタッキー州ルイビル所在のSt.Gobain-SEFPRO社により製造されたものであった。ここに「特許文献5のジルコン」と称されるこのジルコンは、長年に亘り、液晶ディスプレイ用の基板、例えば、第8世代とそれより大きい基板を製造するのに使用されるアイソパイプにうまく機能してきた。A1148も、St.Gobain-SEFPRO社により製造されたものであり、St.Gobain-SEFPRO社のウェブサイトに、LCDガラスなどの特殊ガラスの製造に適していると記載されている。この破損するまでの時間の値は、2,223psi(約15.3MPa)の応力を印加して決定した(図9の以下の議論を参照のこと)。
図2は2つの部分からなる:1)アイソパイプの堰と基部との間の温度差(℃で表された縦軸)を、その温度差についてアイソパイプが経験する最大計算応力(以下のセクション(B)参照)(psiで表された横軸)に対してプロットした上部;および2)静疲労(時間で表された縦軸)を最大応力(psiで表された横軸)に対してプロットした下部。具体的には、下部の静疲労は、特定の応力での材料の破損するまでの時間としてプロットされている(静疲労を決定するために使用した実験計画を記載している下記のセクション(B)を参照のこと)。図2の上部と下部において、ジルコン材の挙動は、それぞれ、参照番号21a,21bにより特定されるのに対し、A1148の挙動は、それぞれ、参照番号22a,22bにより特定される。
図2の線23は、50℃の堰と基部の温度差(一次デルタ)を表し、これは、アイソパイプが、例えば、加熱、修復、メンテナンスなどの最中に経験することが予測できる温度差を表す。線24は、ジルコンの静疲労曲線21bへのこの一次デルタに関する曲線21aのジルコン応力値を算定し、線25は、この図の下部の縦軸との(すなわち、破損するまでの時間の軸との)交点を算定する。図示されるように、この一連の算定により、10時間より長いジルコン材の破損するまでの時間が得られる。それゆえ、実際に観察されるように、ジルコン材は、アイソパイプ材料として使用するのに適しており、過度の静疲労の危険を示さない。
他方で、A1148材料の挙動は、静疲労、それゆえ、そのような疲労による付随する破損の虞に及ぶと、完全に図から外れている。線26は、A1148の静疲労曲線に下方に向かった50℃の一次デルタに関する曲線22aのA1148応力値を算定する。図2から分かるように、1時間の10分の1(6分)ほど短い破損するまでの時間についてさえも、線26は、静疲労曲線22bとの交差に近づきさえしない。実際に、このことは、A1148は、典型的な温度勾配に曝露されたときに、破滅的なまでに破損することが予測できる。
ある状況において、温度勾配は、アイソパイプが曝露される温度を制御するための特別な方策をとることによって、最小にできる。例えば、そのような方策は、加熱中に少なくとも理論的に可能であるが、使用される場合、ガラス製造プロセスに関連する費用を著しく増加させるであろう。他の場合において、温度勾配の発生は、予測できず、それゆえ、特別な方策でさえ、A1148アイソパイプを保護できないであろう。例えば、アイソパイプの温度を制御するために使用される加熱素子(グローバー)が、時には配置後6ヶ月ほどの短期間で、使用中に破損することが知られている。そのような破損は、50℃ほどの温度勾配を容易に生じ得る。図2に示されるように、この大きさの勾配(またはそれより小さくとも)により、明らかに短すぎて破損した加熱要素の交換を行えないような破損するまでの時間となる。それゆえ、A1148アイソパイプが、破損せずに動作温度まで加熱できた場合でさえ、関連する加熱素子の予期できぬ寿命に左右されるであろうし、このことは明らかに許容できない。
本開示の前には、アイソパイプを製造するのに従来使用されたアルミナ材におけるこの根本的な欠陥は、当該技術分野において認識されておらず、それゆえ、本開示の鍵となる態様は、A1148などのアルミナ材を使用したアイソパイプに関するこの問題の認識である。
B. 問題の源の発見に至った分析
図3〜10は、図2をもたらした根拠のデータと分析を述べるものである。特に、図3は、図2の上部の最大応力値を計算するために使用した温度分布を示している。典型的に、図3から分かるように、アイソパイプ13の堰31は、基部15よりも熱く、図3の温度差(一次デルタ)は50℃である。この分析を簡単にするために、末端効果は無視し(すなわち、応力分布は二次元で計算した)、温度分布は、アイソパイプの中心線33に対して対称であるとみなした。また、最高温度は900℃未満に維持した。この温度を選択した理由は以下のとおりである。
B. 問題の源の発見に至った分析
図3〜10は、図2をもたらした根拠のデータと分析を述べるものである。特に、図3は、図2の上部の最大応力値を計算するために使用した温度分布を示している。典型的に、図3から分かるように、アイソパイプ13の堰31は、基部15よりも熱く、図3の温度差(一次デルタ)は50℃である。この分析を簡単にするために、末端効果は無視し(すなわち、応力分布は二次元で計算した)、温度分布は、アイソパイプの中心線33に対して対称であるとみなした。また、最高温度は900℃未満に維持した。この温度を選択した理由は以下のとおりである。
上述したように、A1148は、ジルコンよりも小さいクリープ速度を有し、それゆえ、過去におけるように、材料のクリープ速度が、うまくいくアイソパイプ材料の第1の判断基準であった場合、A1148はジルコンよりもよいと思われるであろう。図4は、A1148のクリープ速度と、特許文献5のジルコンのクリープ速度との間の差を数値で表している。この図から分かるように、1180℃/1000psiおよび1250℃/1000psiの両方で、A1148材料の測定したクリープ速度は、ジルコン材のものよりも小さい。
図4は、温度が増加するにつれて、クリープ速度が増加することもさらに示している。温度勾配の結果として材料に生じた応力に関して、より大きいクリープ速度(過剰な垂れ下がりに至らないという条件で)は、応力が軽減される機構を提供するので有益である。したがって、静疲労分析に関して、その大きいクリープ速度がより広い意味で望ましくないでさえ、ジルコンの大きいクリープ速度は直ちにA1148を不利な立場に置く。この偏りを避けるために、分析に使用した最高温度を900℃に設定し、この温度では、A1148とジルコン材の両方のクリープ速度は、計算した応力値を意味があるように影響しないように十分に小さい。
クリープ速度を排除したので、応力分析に使用したパラメータは、熱膨張係数(CTE)およびヤング率(E)であった。図5は、100℃から1300℃の温度範囲に亘るA1148(曲線51)および特許文献5のジルコン(曲線53)のCTEをプロットしており、各値は、室温(公称25℃)と指定の温度との間の平均CTEを表す。この図から分かるように、A1148のCTEは、特許文献5のジルコンのCTEよりも一貫して高く、その増加は900℃辺りでほぼ100%である。したがって、同じ温度デルタ、例えば、50℃では、アルミナ材は、ジルコン材のほぼ2倍膨張する。
材料のヤング率は剛性の尺度であり、ヤング率の別称は「弾性」率である。大まかに言えば、ヤング率は、所定の量の歪み(変形)に対して材料に発生した応力に関し、より堅い材料は、それほど堅くない材料よりも、同じ歪みでより大きい応力を発生させる。図6は、室温から1200℃までの温度範囲に亘るA1148(曲線61)および特許文献5のジルコン(曲線63)のヤング率をプロットしている。図示されているように、A1148材料はジルコン材よりも堅く、差は900℃で約30%である。それゆえ、A1148は、高いCTEのために温度勾配に応答して、特許文献5のジルコンよりも多く膨張するだけでなく、高いヤング率のために、より大きい応力も発生する。
これら2つのパラメータの複合効果が、図7および8に示されている。図7は、図3の温度分布に関する特許文献5のジルコンから構成されたアイソパイプにおける計算された応力分布を示しており、一方で、図8は、同じ温度分布に関するA1148材料に関する応力分布を示している。両方の場合、アイソパイプは最初に室温であり、基部で生じた張力は、機械的な基部圧縮により補償されなかったものとする。これらの図に示された応力分布は、市販のANSYSプログラム(ペンシルベニア州15317、カノンズバーグ)を使用して計算したものであり、他の市販のプログラムまたは応力分布を計算するために特別に書かれたプログラムを使用して同様の計算を行っても差し支えないことが理解されよう。同様に、ANSYSまたは他のプログラムを使用して、他の温度分布およびアイソパイプの構造について、応力分布を計算しても差し支えない。大まかに言って、温度変化ΔTによるアイソパイプにおける応力は、E・CTE・ΔTと等しく、ここで、E(ヤング率)およびCTEの各々は、局部温度の関数であり、それゆえ、アイソパイプにおいて地点毎に異なる。
図7および8の差は劇的である。A1148の最大応力は9200psi(約63MPa)辺りであるのに対し、ジルコン材のものはたった3400psi(約23MPa)である。それゆえ、アルミナ材のより大きいCTEおよびより大きいヤング率により、同じ温度分布でのジルコン材について計算したものよりも、ほぼ3倍大きい最大応力が生じた。
図2の上部は、図7および8に示されたタイプの計算に基づくが、一次デルタが大きいものと小さいものであった。ここから分かるように、各一次デルタについて、アルミナ材の最大応力は、ジルコン材のものよりも大きく、その差異が大きいほど、一次デルタが大きい。さらに悪いことには、所定の応力について、A1148の静疲労は、特許文献5のジルコンのものよりも低い。
A1148におけるさらに別の不利な点が図9および10に示されており、これらの図は、アイソパイプが使用中に経験し得る応力を表す2つの印加された応力、すなわち、図9においては2,223psi(約15.3MPa)および図10においては3,818psi(約26.3MPa)に関するA1148アルミナ(三角形のデータ点)および特許文献5のジルコン(正方形のデータ点)についての測定した静疲労を示している。図9および10における曲線は、測定したデータへの対数近似であり、曲線91および101はアルミナ材についてであり、曲線92および102はジルコン材についてである。
静疲労値を得るための手法がASTM C 1576−05に詳述されており、その中に言及されているASTM基準(例えば、ASTM C 1211−02(2008))を含むその内容をここに引用する。図9および10にプロットされたデータ、並びに以下の実施例3に報告されたデータは、ASTM C 1576−05の4点1/4点静疲労試験の改良版を行うことによって得た。具体的には、使用した検体サイズは、4インチ×0.315インチ×0.118インチ厚(約10cm×7.9mm×3.0mm厚)であり、上側のスパンは0.79インチ(約2.0cm)であり、検体の引張り側の縁のみが面取りされており、検体を支持するために拘束されたセラミックローラが使用され、応力を印加するために固定されたセラミックローラが使用され、試験した検体の数は、基準に指定された数よりも少なく、例えば、2〜3の検体を使用した。それにもかかわらず、ここに報告された値は、ASTMプロトコルにしたがって得られるであろう値と類似している。したがって、請求項に指定された静疲労値は、(1)機械加工されたアイソパイプの表面特徴に似た表面特徴をそのグリットは与えるので、325グリットに表面がざらざらにされた検体、および(2)関連する試験温度に加熱された空気が充填された炉、を使用して、ASTM C 1576−05にしたがって決定することが意図されている。実施例3および図9と10の静疲労値は、空気が充填された炉および325グリットにざらざらにされた検体を使用して得た。破損するまでの時間は、耐火材の静疲労を特徴付けるための都合の良い直感的なパラメータであるが、所望であれば、例えば、ASTM C 1576−05に論じられた低速亀裂成長(SCG)パラメータをこの目的に使用しても差し支えなく、例えば、SCGパラメータ「n」および/または「Ds」を使用して、静疲労に関してアルミナ材を特徴付けてもよい。
図9および10に使用した試験温度は、1174℃、1224℃、1274℃、および1324℃であった。これらは、使用中にアイソパイプが経験すると予測できる温度を表している。これらの図から分かるように、A1148アルミナ材は、特許文献5のジルコン材の静疲労値よりも一貫して短い静疲労値、すなわち、破損するまでの時間値、例えば、3,818psi(約26.3MPa)で短い大きさの値を有することが分かった。
先に記載し、図2に示したように、A1148の静疲労データが、そのCTEデータおよびヤング率と組み合わされたときに、この材料が、フュージョン法の実施に現在使用されている条件下で、アイソパイプに使用するのには適していないことが明らかとなる。
図2は、50℃の一次デルタおよび900℃の基準温度の特定の場合に関するものである。安全な動作を確実にするために、アルミナ製アイソパイプは、1200℃の基準温度および60℃の一次デルタの代表的な現代の動作条件下で特許文献5のジルコン材の静疲労挙動に少なくとも一致する必要がある。これらの動作条件では、約4000psi(約27.6MPa)の典型的なアイソパイプ構造の最大の計算応力を生じる。特許文献5のジルコン材は、1200℃および4000psi(約27.6MPa)で1時間より長い破損するまでの時間値を有する。この4000psi値は、10,000psi(約69MPa)と同じである。それゆえ、アイソパイプの本体の形成に使用するのに実行可能であるために、アルミナ材は、1200℃および10,000psiで少なくとも1時間の破損するまでの時間を有する必要がある。このように問題を特定したので、次に、解決策に取りかかる。
C. 問題の解決
理論上は、A1148アルミナがフュージョン法の最新用途においてアイソパイプ材料として働けないことは、その材料のCTEを低下させる、ヤング率を低下させる、および/またはクリープ速度を増加させることによって、対処されるであろう。
C. 問題の解決
理論上は、A1148アルミナがフュージョン法の最新用途においてアイソパイプ材料として働けないことは、その材料のCTEを低下させる、ヤング率を低下させる、および/またはクリープ速度を増加させることによって、対処されるであろう。
本開示のある態様によれば、これらの手法は、上記問題を解決するには無効であると判定された。特に、アルミナ耐火物について、すなわち、少なくとも50体積パーセントのAl2O3を含む耐火物(先の定義を参照のこと)について、CTEおよびヤング率は、それらの値は一般に耐火物を構成するAl2O3の値に連動しているので、減少させるのは難しい。クリープ速度は増加させることができるが、この手法は、高レベルの垂れ下がりをもたらし、よって、アイソパイプの寿命を短くしてしまうので、自滅的である。また、クリープは、始動時の乱れと熱の乱れに関連する破損問題に対処するのには無効であり、その両方とも、クリープによる実質的な応力緩和を可能にするには短すぎる期間で起こる。
これらの手法よりむしろ、本開示の態様の内の1つによれば、アイソパイプに使用するためのアルミナ材の静疲労を直接増加させることができ、特に、現代の使用条件下でアルミナ製アイソパイプを実行できるようにするように十分に増加させることができることが分かった。大まかに言えば、アルミナ材が示す静疲労は、1)初期欠陥サイズおよび2)欠陥(亀裂)成長に依存する。
初期欠陥サイズは、とりわけ、使用時の材料の表面特徴に依存する。工業生産されているアイソパイプは、耐火材のブロックをアイソパイプの構造に機械加工することによって、形成される。上述したように、そのような機械加工は、典型的に、325グリットの表面を与える。もちろん、初期欠陥がより小さい、より滑らかな表面が可能であるが、そうすると、アイソパイプの既に高いコストが増加してしまうであろう。
初期欠陥の成長(亀裂成長)は、様々な機構により生じ得る。例えば、亀裂は、亀裂先端で材料中の分子結合の破損により単純に成長し得る。これは、多結晶性物体における粒界に沿って生じ得、ときには、低強度の割裂面が、成長する亀裂の面の近くに向けられたときに粒子を横切って生じ得る。この変種は、蒸気種または液体種による亀裂先端での引き延ばされた分子結合の攻撃であり、水が一般的な原因である。高温では、耐火物中のガラス相は、亀裂先端での分子結合破壊に関与するほど十分に低い粘度のものであり得る。
高温では、亀裂先端の高応力および弾性/塑性歪み場にもある種のクリープ機構が存在する。これらの機構は、セラミックの粘度に関連する材料のマクロクリープ速度に加えてのものである。亀裂先端の近くでは、応力および歪みが極めて大きい状態にあり得るので、クリープにおいて通常生じるプロセスが、静疲労中に亀裂先端でいくぶん低い温度で生じ得る。
粒界滑りおよび侵食(以下参照)も亀裂先端で生じ得、この滑りは、亀裂主面の上下〜45度で通常生じる。粒界でのガラス相は、粒界滑りの量を増加させ、ガラスがアルミナ(セラミック)よりも低い粘度を有するときに、低温でこの滑りを起こし得る。ガラス層により支援されることもある拡散は、塊を、亀裂先端近くで極めて大きい応力下に送り得る。正味の効果は、ガラスが存在する場合、亀裂成長がより速く静疲労寿命がより短くなり得ることである。
ある場合には、アルミナ耐火物中にある程度のガラスを有すると、ガラスがアルミナの使用温度で適切な粘度を有するという条件で、広域に亘る亀裂の成長なく、亀裂先端で応力および歪みを減少させられることが分かった。その上、亀裂先端での応力の粘性緩和は、微小規模の亀裂成長がない状態で生じるという条件で、大規模の亀裂成長速度を遅くすることができる。適切な粘度範囲で十分なガラスがあれば、亀裂は、粒子の破損または割裂によりアルミナ粒子を通って、および/またはアルミナの粒界に沿って、進行できるが、亀裂先端の後ろでセラミックを架橋するガラスの靱帯を残す。これらの靱帯は、亀裂の面を架橋することにより応力をある程度支持でき、靱帯が延伸されるときにエネルギーを吸収できる。この架橋により、亀裂先端での見掛けの応力が減少し、亀裂の成長速度が減少する。これらの効果は、限られた温度範囲に亘り生じ、その有益な温度範囲を超えたときに、静疲労およびクリープ抵抗が不十分になる。
本開示によれば、典型的に、アルミナ耐火物が非アルミナ副相、例えば、ガラス相および/または1種類以上の非アルミナ結晶相(例えば、ムライト相、スピネル相、および/または1種類以上のZr−Ti−Al酸化物相)を有する場合、体積パーセント基準で、非アルミナ副相の体積パーセントの合計は、4.0体積パーセント以下であるべきであり、ここで、体積百分率は、SEM画像のコンピュータ分析、例えば、IMAGE PRO PLUSソフトウェア(メリーランド州、ベテスダ所在のMedia Cybernetics社)または同様のソフトウェアを使用して後方散乱電子画像について行った分析により決定される。ある実施の形態において、ガラス相を含むアルミナ耐火物の場合には、その相は、570℃超の歪み点および620℃超のアニール点を有し、ここで、歪み点は1014.5ポアズの粘度に相当し、アニール点は1013.5ポアズの粘度に相当する。このガラス相は、例えば、厚さが約1マイクロメートル未満であり、4つの角部および3つの粒子接合部で小さなポケットを充填できる薄いガラス粒界相の形態にあり得る。
組成に関して、ガラス相はアルミナおよびシリカを含む。一般に、ガラス相は、耐火物全体に亘り同じ組成を有するが、ある場合には、例えば、耐火物が調製される様式の結果として、変種が存在することもある。ここに用いたように、ガラス相は、組成の変種を示す場合でさえ、単相と考えられる。
上述した粘度値を達成するために、ガラスは、ある実施の形態において、アルカリ土類および/または希土類成分、例えば、CaOおよび/またはMgOを含有する。例えば、ガラスのアルカリ土類に希土類を加えた含有量は、2.0モル%以上(例えば、4モル%以上、または6モル%以上)であり得る。これらの実施の形態に関して、アルカリ土類に希土類を加えた含有量は、一般に、30モル%以下(例えば、20モル%以下、または15モル%以下)である。重ねて、上述した粘度特性を達成するために、ガラス相は、ある実施の形態において、酸化物基準で5.5モル%以下(例えば、4モル%以下、または3モル%以下)のアルカリ含有量(Na2O+K2O+Li2O)を有する。さらに別の実施の形態において、ガラスのアルカリ土類+希土類の含有量は、モル基準で、アルカリ含有量よりも多い。
適切なガラス相の例としては、アルミノケイ酸塩、アルミノケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸バリウム、Ca/Na比>1の混合アルミナケイ酸Ca,Na、Mg/Na比>1の混合アルミノケイ酸Mg,Na、Ca+Mg/Na比>1の混合アルミノケイ酸Ca+Mg,Na、およびアルミノケイ酸イットリウムおよび希土類が挙げられる。上述したように、Li、NaおよびKは、ガラス相のアルミノケイ酸塩ガラス中のガラス成分として、Mg、Ca、Ba、Yおよび希土類よりも望ましくはない。大まかに言えば、焼結を支援する追加の成分が、ガラス相の粘度を低下できるが、静疲労、並びにクリープ抵抗を損ない得る。
耐火物の大半は、組合せで、アイソパイプの本体の体積の少なくとも90%(例えば、アイソパイプの本体の体積の少なくとも95%)である1種類以上の結晶性アルミナ相からなる。アルミナ相はα−アルミナ相を含む。特に、ある実施の形態において、アイソパイプの本体の少なくとも50体積%はα−アルミナである。アルミナの残り(もしあれば)は、β−アルミナおよびβ”−アルミナであり得る。これらの他のアルミナ形態の量は、特に、β”−アルミナの量は、これらの形態はあるタイプの高アルカリガラスと不適合性であり得るので、制限する必要があるであろう。
1種類以上の結晶性アルミナ相の粒径は比較的大きいべきである。以下の実施例3に例証されるように、粒径は、長期間に亘り高温でアニールすることによって増加させることができる。大まかに言えば、アルミナ相の平均粒径は、少なくとも5マイクロメートル、例えば、少なくとも20マイクロメートルまたは少なくとも40マイクロメートルであるべきである。アルミナがα−アルミナおよび他の形態のアルミナ、例えば、β”−アルミナを含む場合、様々な相について、同様の粒径(および気孔率)が好ましい。上述したように、β−アルミナの体積パーセントは、α−アルミナの体積パーセントよりも低いべきである。
上述したことに加え、ある実施の形態において、アルミナの微細構造は、8体積パーセント未満の気孔率および4体積パーセント未満の非アルミナ副相を有する。他の実施の形態において、気孔率および非アルミナ副相の体積パーセントの合計は、10%未満、例えば、8%未満である。さらに別の実施の形態において、耐火物中のジルコニア含有量は、10体積パーセント未満(例えば、2体積パーセント未満)および/またはチタニア含有量は10体積パーセント未満(例えば、2体積パーセント未満)である。上述した微細構造/組成特徴は、任意の組合せと全ての組合せで使用して差し支えないことに留意されたい。例えば、アルミナ材は、5体積%未満の気孔率、1体積%未満のガラス、および0.5体積%未満の他の非アルミナ副相(例えば、ムライト)を有し得る。
静疲労に加え、うまくいくアルミナ材は、曝露される一時的力に耐えるほど十分に頑丈である必要がある。アルミナ材は脆いので、その強度は、小さな弾性欠陥により制御される。強度を制御する弾性欠陥は、通常は、最高の引張応力場に対して垂直に向けられた鋭く尖った点を有する細孔/細孔塊、亀裂、またはひびである。しばしば、最高の引張強度は、本体の表面にまたは表面近くで生じる。亀裂は、研削および研磨により脆いセラミック体を最終形状に機械加工することにより生じ得る。細孔と細孔塊は、しばしば、不完全な焼結または最適ではない粉末処理の結果である。大まかに言えば、製造方法は、特に重要区域、すなわち、高応力集中の区域において、亀裂、ひび、弾性欠陥、および細孔が、100マイクロメートル以下、例えば、50マイクロメートル以下の範囲にあることが好ましい。
静疲労および強度以外に、上述したように、アイソパイプ材料のクリープ変形が長期の使用に関して重要である。クリープ速度が大きすぎる場合、アイソパイプは、好ましい形状から垂れ下がりまたは変形し、やがて、板ガラス形成条件へのプロセス変更では、その垂れ下がり/変形を補えなくなる。セラミック材料における定常状態二次クリープは、しばしば、以下の式によって記載することができる:ε°=A・σn・e-Q/Rt、ここで、ε°は歪み速度であり、Aは粒子の外形および粒径の影響を含む材料の定数であり、σは応力であり、nは応力指数であり、Qは活性化エネルギーであり、tは絶対温度であり、Rはガス定数である。
アイソパイプで遭遇する温度および応力で、細孔のない純粋なまたは公称で純粋なアルミナ(以後、集合的に「純粋なアルミナ」と称する)は、ナバロ・ヘリング、格子拡散、またはコーブルクリープ、粒界拡散機構による二次クリープで変形する。粒界への応力により、圧縮応力が印加された境界上で化学ポテンシャルが上昇し、引張応力下で粒界に沿って化学ポテンシャルが低下する。原子、あるいは空孔または他の欠陥は、これらの異なる化学ポテンシャルに応答して拡散し、物質が圧縮区域から引張区域に移動する。この塊の動きにより、塑性変形が生じる。
ナバロ・ヘリングおよびコーブルクリープについて、ε°=B・d-m・σn・e-Q/Rt、ここで、ε°は歪み速度であり、Bは粒子の外形を含む材料の定数であり、dは粒径であり、mは粒径指数であり、σは応力であり、nは応力指数であり、Qは活性化エネルギーであり、tは絶対温度であり、Rはガス定数である。理論では、ナバロ・ヘリングについては、m=2およびn=1と予測され、コーブルクリープについては、m=3およびn=1と予測される。セラミックについては、異なる陽イオンおよび陰イオン種の結合した両極性拡散も考慮しなければならない。一般に、クリープ変形は、種の最も速い通路上にある最も遅い種により制御される。少量のガラスを加えることにより、粒界に沿ってこれらの種の輸送速度を速くできる。実質的にガラスは種の拡散係数を増加させ、粒界を厚くして、拡散路がより多くの材料を運ぶことを可能にする。純粋なアルミナにおいて、より大きい粒径およびより高い温度では、ナバロ・ヘリングが動作機構であり、一方で、より低い温度およびより微細な粒径(<5マイクロメートル)では、コーブルクリープが優勢になり始める。非常に微細な粒径、実質的にサブミクロンでは、通常、同時粒子成長を防ぐために二相または多相体において、アルミナが、超塑性であるほど大きくクリープし得る。大きい体積パーセントでガラスを添加しても、超塑性にできる。
純粋なアルミナ中に細孔が存在する場合、細孔は、材料シンクおよび源として働き、原子/空孔が移動しなければならない距離を短くできる。これらの細孔は、応力集中効果のために初期クリープにおいて応力を上昇させるが、その後、二次クリープにおいて、拡散によりこの集中がなくなり、応力は、荷重を支持する有効区域における減少のみによって上昇せしめられる。粒径より大きい欠陥は、近くの粒子のある程度の粒界滑りおよびこれに関連する歪みを可能にし得る。
緻密な物体中にあるときにガラスが有する効果に加え、ガラスが細孔と共に存在する場合、ガラスは、ガラスの粘度が非常に低いときに、細孔中に流入できる。ガラスは、粒界と共に、粒界滑りをより容易に生じさせることができる。
クリープ抵抗が非常に低いときに、一般的侵食が生じ得る。ガラスは通常侵食を支援し、最初に存在する細孔もそうである。一般的な侵食は、本体全体に亘る細孔の開放であり、通常、空洞が、最大の引張応力に対して垂直に開く。大きい変形歪みは、一般的な侵食プロセスの一部であり、それゆえ、アイソパイプについては避けるべきである。
ある実施の形態において、アルミナ材は、1250℃および1,000psi(約6.9MPa)で1×10-6/時より低いクリープ速度を有する。そのようなクリープ速度は、大型アイソパイプ、例えば、80インチ(約200cm)超の長さを有するアイソパイプにとって特に価値があるものである。
ここに開示されたアルミナ耐火物は様々な様式で製造することができる。例えば、Alcoa(例えば、A16SG)、Ceralox、Biakowski、Sumitomo(例えば、AKP−30)などの販売源から、粒径が5マイクロメートル未満、ある場合には、1マイクロメートル未満の市販の高純度粉末を得ることによって、高純度で低気孔率のアルミナを製造できる。必要に応じて、蒸留された脱イオン水または他の溶媒中の酸化物、水和物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物または他の化合物の形態で、1質量%未満のMgO(約0.1〜0.2質量%)を加えても差し支えない。MgO/MgO前駆体およびアルミナを含む溶媒をスラリーに調製し、スラリーは、セラミック粉末体の形成前に、MgO/MgO前駆体の分離を避けるように注意深く乾燥させる。10マイクロメートル未満、さらには1マイクロメートル未満の凝集塊が、良好な粉末充填、高い未焼成密度、良好な焼結および高い焼成密度をもたらし得る。ある場合には、粉末は、噴霧乾燥しても差し支えなく、および/または結合剤および可塑剤を有しても差し支えない。
セラミック体は、様々な手法により粉末から形成することができるが、アイソパイプについては、低温静水圧プレスが適用される。5kpsi(約34MPa)未満から40kpsi(約276MPa)超の圧力を使用できる。アルミナ体を製造するのに、一軸低温プレス、一軸高温プレス、押出、鋳込み成形、テープ成形、圧力鋳造、高温静水圧プレス、射出成形、カレンダー加工、電気泳動堆積、湿式スラリープレスおよびゲルキャスティングの全てが使用されており、それらを、ここに開示したアルミナ材に使用することができる。セラミック体プリフォームを、アルミナ配置具上またはアルミナグロッグ/配置砂上のアルミナさや箱上で焼結して差し支えない。閉じた細孔およびほぼ細孔を含まない物体を得るために、焼結の最高温度は、アルミナ粉末の平均直径、焼結前の平均未焼成密度、未焼成体における細孔分布の極めて高い端部、および焼結収縮差によるセラミック体における空隙を開かせられる未焼成密度の極端な変動などの要因に応じて、30分間から数日間に亘り空気中において約1150℃から1600℃超の間であり得る。当該技術分野に公知なように、微量の不純物により、粒子成長が悪化し、これば、粒子内に細孔を捕獲し、これは除去するのが難しいことがある。
材料の処理においては通常であるように、生成物の性質の競合する目的、物体製造(例えば、プレス、焼結および機械加工)の容易さ、並びに費用の間で、折衷案をとる必要がある。それゆえ、アルミナ材中のガラスの存在は、焼結温度を低下させ、アルミナ粉末の純度要件を緩和するのに役立ち得る。同様に、ある程度の細孔が、焼結(低い焼結収縮による)、および物体を機械加工する能力(マクロ亀裂の拘束手段として働くことにより)に役立ち得る。
ここに開示されたアルミナ材は、アイソパイプに形成されたときに様々な利点を提供できる。例えば、より高い強度およびより高い静疲労強度を有するアイソパイプを動作温度までより速く加熱することができ、破損の可能性が少なく、より速くアイソパイプにフュージョン・ドロー温度勾配を与えることができる。これにより、主要な資本投資が何もしないままである時間が減少する。より高い強度およびより高い静疲労強度によっても、加熱素子の損失、延伸システムにおける加熱素子への電源損失、または自然の作用(洪水、地震、ハリケーンなど)によって生じるものなどの、熱的混乱状態の場合にアイソパイプが破損しにくくすることができる。その上、増加した強度と増加した静疲労強度、並びに増加したクリープ抵抗により、アイソパイプをより大きくし、より高温で動作させ、および/またはより長く運転したままにできる。
以下の非限定的実施例は、ここに開示された高静疲労アルミナ材、並びに特許文献5の既存のジルコン材およびA1148アルミナ材に関する様々な問題を実証する。
実施例1
高アルカリガラス対するジルコンの不適合性
この実施例は、高アルカリガラスに対する特許文献5のジルコンの不適合性を実証するものである。この実験に使用したガラスは、上述した特許文献10に開示されたタイプのものであり、10質量パーセント超、具体的には13.75質量%のアルカリ含有量を有し、その大半はNa2Oであり、少量のK2Oを含んだ。
高アルカリガラス対するジルコンの不適合性
この実施例は、高アルカリガラスに対する特許文献5のジルコンの不適合性を実証するものである。この実験に使用したガラスは、上述した特許文献10に開示されたタイプのものであり、10質量パーセント超、具体的には13.75質量%のアルカリ含有量を有し、その大半はNa2Oであり、少量のK2Oを含んだ。
ガラスを1214℃(粘度=35キロポアズ)に加熱し、ジルコンのサンプルを溶融ガラス中において14日間に亘り0.32cm/秒の表面速度で回転させた。図11は、得られたガラス/ジルコン界面の顕微鏡写真である。この図において、110はガラスであり、112はジルコンサンプル本体であり、111は、ジルコンの表面に形成されたのが分かったジルコニアの虫食いまたは魚卵状層である。このジルコニアの存在は、ガラス中のジルコニア欠陥の原因となり、ジルコン材が、高アルカリガラスに使用するのに適さなくなる。
実施例2
高アルカリガラス対するA1148アルミナの適合性
この実施例は、高アルカリガラスに対するA1148アルミナの適合性を実証するものである。ジルコンサンプルの変わりに、A1148のサンプルを使用して、実施例1の実験を繰り返した。結果が図12に示されており、ここで、121はガラスであり、122はA1148アルミナである。見れば分かるように、A1148は高アルカリガラスに適合し、試験期間に亘り外観の変化は示されていない。
高アルカリガラス対するA1148アルミナの適合性
この実施例は、高アルカリガラスに対するA1148アルミナの適合性を実証するものである。ジルコンサンプルの変わりに、A1148のサンプルを使用して、実施例1の実験を繰り返した。結果が図12に示されており、ここで、121はガラスであり、122はA1148アルミナである。見れば分かるように、A1148は高アルカリガラスに適合し、試験期間に亘り外観の変化は示されていない。
実施例3
高静疲労アルミナの調製
この実施例は、アイソパイプの本体として使用するのに適している高静疲労アルミナ材(ここで「HSFアルミナ」と称する)の調製を実証するものである。
高静疲労アルミナの調製
この実施例は、アイソパイプの本体として使用するのに適している高静疲労アルミナ材(ここで「HSFアルミナ」と称する)の調製を実証するものである。
HSFアルミナを調製するための出発材料は、CoorsTek, Inc.(コロラド州、ゴールデン)から得られ、AD−998の名称で販売されているアルミナ板であった。製造業者により報告されているように、これらの板は公称99.8質量%のAl2O3である。
図13は、受け取ったままのAD−998の初期粒径を示すSEM画像である。粒径を増加させるために、板を、高純度さや箱内の高純度アルミナ配置砂上に置き、空気中において72時間に亘り1700℃または1750℃でアニールした。このアニールプロセスの結果が図14および15に示されており、ここで、図14は1700℃でのアニールのものであり、図15は1750℃でのアニールのものである。見れば分かるように、得られたアニール済みセラミックは、20から50マイクロメートルのサイズ範囲にある粒子を有し、1750℃でのアニールにより、より大きな粒子が生じた。したがって、以下の実施例4および5に報告した試験において、1750℃でアニールした材料を使用した。
HSF材について、クリープ試験と静疲労試験を行った。クリープ試験により、それぞれ、1180℃/1000psi(約6.9MPa)および1250℃/1000psi(約6.9MPa)で、9.9×10-8/時および2.7×10-7/時の値が得られた。図4の値とのこれらの値の比較により、HSF材が、A1148アルミナと特許文献5のジルコンの両方より小さいクリープ速度を有することが示される。したがって、HSF材から形成されたアイソパイプは、A1148材やジルコン材から形成されたアイソパイプよりも、より少ない垂れ下がりを示し、それゆえ、より長い寿命を有する。
HSF材の静疲労を、1224℃の温度および3818psi(約26.3MPa)の応力を印加して決定した。197時間後、試験が終わったときに、HSF材はまだ無傷であった。3818psi(約26.3MPa)での少なくとも約200時間のこの破損するまでの時間は、10,000psiでの1時間より長い破損するまでの時間に変換され、それゆえ、HSF材はアイソパイプの本体として使用するのに適していることを示す。比較のために、1224℃および3818psi(約26.3MPa)でのA1148アルミナの静疲労は約0.4時間(24分)であり、すなわち、HSFアルミナの静疲労は、A1148材より少なくとも10倍大きかった。この静疲労は、約490倍も大きくあり得る。
図16および17は、この実施例のHSF材に関するさらに別の静疲労データを示している。特に、図16は、3818psi(約26.3MPa)の応力での温度の関数として、A1148の静疲労寿命(円形データ点および一点鎖線)をHSF材(1700℃でのアニールについては正方形データ点および実線;1750℃でのアニールについては、三角形データ点および点線)と比較している。垂直の矢印により示されるように、1750℃でのアニール(より大きな粒径)に関する静疲労のバーは、1125℃または1225℃で破損せず、静疲労寿命は、それぞれ、400時間超および200時間超である。1700℃でのアニール(中くらいの粒径)について、疲労バーは、1125℃では破損せず、静疲労寿命は400時間超であった。図16のデータから分かるように、HSF材の静疲労寿命は、A1148の寿命より2桁以上大きかった。
図17は、A1148のものと比較したHSF材料の改善された静疲労特性をさらに示している。この図の実験は、2223psi(約15.3MPa)の応力で行い、重ねて、A1148のデータは円形(および一点鎖線)により示され、HSF材料のデータは、1700℃のアニールでは正方形により、1750℃のアニールでは三角形により示されている。この図に示されるように、HSFアルミナ材は、10分の範囲にあるであろうA1148について推定された寿命より60倍から〜440倍超長い10〜100時間の1325℃での寿命を有した。
実施例4
高アルカリガラス対するHSFアルミナの適合性
この実施例は、高アルカリガラスに対する実施例3のHSFアルミナの適合性を実証するものである。
高アルカリガラス対するHSFアルミナの適合性
この実施例は、高アルカリガラスに対する実施例3のHSFアルミナの適合性を実証するものである。
HSFアルミナのサンプルを、実施例1および2に使用したのと同じ高アルカリガラスのカレットが覆われたカップ内に配置し、72時間に亘り〜1240℃に加熱した。ガラスとサンプルとの界面を、分離または析出について光学顕微鏡により検査した。結果が図18に示されており、ここで、160はガラスであり、161はHSFアルミナである。図から分かるように、HSFアルミナは、高アルカリガラスに適合しており、試験期間に亘り外観に変化は示さない。
2011年5月20日に出願された、「スズ含有ガラスに使用するためのアルミナ製アイソパイプ」と題する同一出願人の米国特許出願第13/112302号に開示されているように、アルミナ材から製造されたアイソパイプは、スズ含有ガラスから製造されたガラス板の融合線でスズ含有欠陥を生成し得ることに留意されたい。その出願に説明されているように、そのような欠陥の許容レベルは、低レベルの周期表のIVB族の元素、すなわち、Ti、Zr、およびHf、並びに低レベルのSnを有するアルミナ材を使用することによって達成できる。ここに、米国特許出願第13/112302号の内容を引用する。
実施例5
HSFアルミナのA1148アルミナとの比較
この実施例は、HSFアルミナの組成と構造をA1148アルミナと比較するものである。
HSFアルミナのA1148アルミナとの比較
この実施例は、HSFアルミナの組成と構造をA1148アルミナと比較するものである。
図19は、細孔171(図19にける黒色)、Al2O3相174(図19におけるネズミ色)、ムライト相175(図19における中間の灰色)、ガラス相172(図19における薄い灰色)、およびZr−Ti−Al酸化物相173(図19における白色)を含む、A1148の全体構造を示すSEM後方散乱電子画像である。図に示すように、A1148材は、低強度の源であり得る、多数の大きな細孔、一連の細孔、および空洞を有する粗い微細構造を有する。A1148は、使用温度で移動性であり、低クリープ抵抗および非常に短い静疲労寿命の一因となり得るガラス相を含む、多量の副相も有する。
表1は、SEM画像における面積に関するA1148相を定量化している。これらの面積値は、体積パーセントに直接相当する。この表に示すように、A1148は、8.0体積パーセント超の細孔、各々が1.3体積パーセント超のムライト、ガラス、およびZr、Ti、Al酸化物、90体積パーセント未満のAl2O3を有する。表3および4は、A1148Al2O3のガラス相の電子線マイクロアナライザ(EMPA)分析の結果を示しており、表3の値は質量パーセントで表され、表4の値はモルパーセントで表されている。ここに示すように、ガラスは多量のNa2Oを含有しており、Na2Oは、現代のアイソパイプの動作温度でガラスに比較的低い粘度をもたらす。
図20は、細孔181(図20にける黒色)、Al2O3相184(図20におけるネズミ色と中間の灰色)、ガラス相183(図20における白色)、およびMg,Alスピネル相182(図20における浮出し研磨による灰色)、並びにムライト相の欠如とZr−Ti−Al酸化物相の欠如を含む、HSFアルミナの全体構造を示すSEM後方散乱電子画像である。この図に示すように、HSFアルミナは、1)ほとんど細孔がなく、2)20から50マイクロメートルのサイズ範囲の粒子を有し、3)粒界にガラス相がほとんどない。HSFアルミナは、ムライト相およびZr−Ti−Al酸化物相を有さない。
表2は、SEM画像における面積に関するHSFアルミナの相を定量化している。上述したように、これらの面積値は体積パーセントに直接相当する。この表に示すように、HSFアルミナは、2.5体積パーセント未満の細孔、0.5体積パーセント未満のガラス、および90体積パーセント超のAl2O3を有する。アルミナ体積パーセントは、非常に少量、2体積%未満のMg,Alスピネルを含む。体積パーセントを決定する際に、この画像分析器は、スピネルとアルミナとを識別できなかった。SEM画像において、スピネルは、浮出し研磨および相のわずかな窪みのために、識別できた。表3および4は、HSFアルミナのガラス相の電子線マイクロアナライザ(EMPA)分析の結果を示している。A1148アルミナとは異なり、HSFアルミナ中のガラス相の量とサイズは、定量化測定にとっては小さすぎたが、アルミニウム、ケイ素およびカルシウムは検出できた。他の陽イオン元素は検出されなかった。例えば、アルカリは検出されなかった。表3および4に示すように、HSFアルミナのガラスは、アルカリが検出されなかったアルミノケイ酸Caであり、それゆえ、現代のアイソパイプの動作温度で、A1148アルミナのガラスよりも高い粘度を有する。
実施例6
アルミナ粉末を使用した高静疲労アルミナの調製
この実施例は、アルミナ粉末から開始するアイソパイプの本体として使用するのに適した高静疲労アルミナ材(重ねて、ここで「HAFアルミナ」と称する)の調製を実証するものである。
アルミナ粉末を使用した高静疲労アルミナの調製
この実施例は、アルミナ粉末から開始するアイソパイプの本体として使用するのに適した高静疲労アルミナ材(重ねて、ここで「HAFアルミナ」と称する)の調製を実証するものである。
酸化アルミニウムマグネシウムおよび結合剤が添加されたアルミナセラミック粉末を米国アリゾナ州トゥーソン所在のCeralox/Sasol社から得た。使用したアルミナは、すぐにプレスできるAPA(APA−RTP SB)およびすぐにプレスできるAHPA(AHPA−RTP SB)タイプのものであった。製造業者により報告されたこれらの粉末の組成が表5に示されている。
断面が約0.75×0.75インチ(約1.9×1.9cm)、長さが約6インチ(約15cm)のバー、および直径が約2.25インチ(約5.6cm)、長さが約11.2インチ(約28cm)のロッドをこれらの粉末から焼結した。粉末をゴム製の静水圧プレス袋に注ぎ入れることによって、未焼成バーおよびロッドを製造した。この袋は、水圧プレス流体が、ゴム製静水圧プレス袋にアクセスするための金属板にドリルで開けられた開口を有するアルミニウム製容器の内側に支持された。ゴム製袋に粉末を充填する最中と充填した後の両方に、粉末を、より高いタップ密度で振動させ、次いで、この袋を、ホース取付具を備えたポリマー製「ストッパー」で密封し、空気を排気し、クランプでホースを密閉した。バーとロッドを、最大圧力で数分間に亘り数回、18,000psi(約134MPa)で低温静水圧プレスした。未焼成サンプルを、110時間までの加熱および冷却スケジュールを使用して、2〜4時間に亘り1500〜1650℃で焼結した。
APA粉末から焼結したサンプルの微細構造が図21に示されている。AHPA材は同様の構造を有する。各々の場合、焼結サンプルは、2%未満の気孔率、非常に少量のアルミン酸マグネシウムスピネル(1%よりずっと少ない)および非常に少量のガラス相(0.5%未満)を含む、実質的にアルミナであった。
これらのバーを、静疲労について試験した。8,000psi(約55MPa)および1200℃で静疲労寿命について試験したときに、APA粉末から製造した2つのバーは、応力下で310時間後にも破損せず、AHPAから製造されたバーは、応力下で549時間後にも破損しなかった。時間の制約のために試験を終了した。それゆえ、破損までの最終的な期間は決定されなかった。
8,000psi(約55MPa)での上記寿命は、10,000psi(約69MPa)で1時間超の破損するまでの時間に変換され、それゆえ、これらのHSFアルミナ材は、アイソパイプの本体として使用するのに適していることを示す。反対に、A1148のバーは、8,000psi(約55MPa)に荷重している間に1200℃で破損した。すなわち、このバーは、8kpsi(約55MPa)未満の速い破壊係数を有した。
それゆえ、本開示は、以下の態様および/または実施の形態の1つ以上を含む:
C1. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)10,000psi(約69MPa)の応力を印加して1200℃で試験したときに、少なくとも1時間の破損するまでの時間に関する静疲労を有するアルミナ耐火物を含むものであるアイソパイプ。
C2. 前記アルミナ耐火物が、
(i) 2.5×10-7/時未満の1180℃および1000psi(約6.9MPa)での平均クリープ速度、および/または
(ii) 1.0×10-6/時未満の1250℃および1000psi(約6.9MPa)での平均クリープ速度、
を有することを特徴とするC1記載のアイソパイプ。
C3. (i) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、
(ii) 前記ガラス相の体積パーセントが1パーセント未満である、
ことを特徴とするC1またはC2記載のアイソパイプ。
C4. (i) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、
(ii) 前記ガラス相のガラスが、570℃超の歪み点および620℃超のアニール点を有する、
ことを特徴とするC1からC3いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C5. 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記アルミナおよびシリカが、酸化物基準で、前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを占める、
ことを特徴とするC1からC4いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C6. 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記ガラスが、酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有する、
ことを特徴とするC1からC5いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C7. 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記ガラスが、酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ことを特徴とするC1からC6いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C8. (i) 前記アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、
(ii) 前記1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、
ことを特徴とするC1からC7いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C9. (i) 前記結晶性Al2O3がα−アルミナを含み、
(ii) 前記α−アルミナが、前記アルミナ耐火物の少なくとも50体積パーセントを占める、
ことを特徴とするC1からC8いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C10. 前記アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有することを特徴とするC1からC9いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C11. (i) 前記アルミナ耐火物が気孔率およびガラス相を有し、
(ii) 前記気孔率およびガラス相の体積パーセントの合計が8パーセント以下である、
ことを特徴とするC1からC10いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C12. 前記結晶性Al2O3が、20マイクロメートル以上の平均粒径を有することを特徴とするC1からC11いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C13. 少なくとも2メートルの長さを有することを特徴とするC1からC12いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C14. C1からC13いずれか1つに記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)10,000psi(約69MPa)の応力を印加して1200℃で試験したときに、少なくとも1時間の破損するまでの時間に関する静疲労を有するアルミナ耐火物を含むことを特徴とする耐火ブロック。
C15. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C1からC13いずれか1つに記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C16. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、前記ガラス相の体積パーセントが1パーセント以下であることを特徴とするアイソパイプ。
C17. 前記ガラス相のガラスが、570℃超の歪み点および620℃超のアニール点を有することを特徴とするC16記載のアイソパイプ。
C18. 前記ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記アルミナおよびシリカが、酸化物基準で、前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを占める、
ことを特徴とするC16またはC17記載のアイソパイプ。
C19. 前記ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記ガラスが、酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有する、
ことを特徴とするC16からC18いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C20. 前記ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記ガラスが、酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ことを特徴とするC16からC19いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C21. C16からC20いずれか1つに記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、前記ガラス相の体積パーセントが1パーセント以下であることを特徴とする耐火ブロック。
C22. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C16からC20いずれか1つに記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C23. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、該ガラス相のガラスが、
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、前記アルミナとシリカが前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 前記ガラスが、酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有し、
(c) 前記ガラスが、酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ことを特徴とするアイソパイプ。
C24. 前記ガラス相のガラスが、570℃超の歪み点および620℃超のアニール点を有することを特徴とするC23記載のアイソパイプ。
C25. C23またはC24記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、前記ガラス相のガラスが、
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、前記アルミナとシリカが前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 前記ガラスが、酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有し、
(c) 前記ガラスが、酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ことを特徴とする耐火ブロック。
C26. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C23記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C27. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)1種類以上の非アルミナ副相を含むアルミナ耐火物を含み、前記1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下であることを特徴とするアイソパイプ。
C28. C27記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)1種類以上の非アルミナ副相を含むアルミナ耐火物を含み、前記1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下であることを特徴とする耐火ブロック。
C29. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C27記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C30. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)8体積パーセント以下の気孔率を有するアルミナ耐火物を含むことを特徴とするアイソパイプ。
C31. 前記気孔率が5体積パーセント以下であることを特徴とするC30記載のアイソパイプ。
C32. C30またはC31記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)8体積パーセント以下の気孔率を有するアルミナ耐火物を含むことを特徴とする耐火ブロック。
C33. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C30記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C34. ガラス板を製造するフュージョン法に使用されるアイソパイプの静疲労を増加させる方法であって、少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含むアルミナ耐火物からアイソパイプを形成する工程を有してなり、
(i) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相の体積パーセントが1パーセント以下である、および/または
(ii) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、前記アルミナとシリカが前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 酸化物基準で、前記ガラスが、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有し、
(c) 酸化物基準で、前記ガラスが、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、および/または
(iii) 前記アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、該1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、および/または
(iv) 前記アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有する、
ことを特徴とする方法。
C35. 前記アルミナ耐火物が、10,000psi(約69MPa)の応力を印加して1200℃で試験したときに、少なくとも1時間の破損するまでの時間に関する静疲労を有することを特徴とするC34記載の方法。
C36. 前記アルミナ耐火物が、
(i) 2.5×10-7/時未満の1180℃および1000psi(約6.9MPa)での平均クリープ速度、および/または
(ii) 1.0×10-6/時未満の1250℃および1000psi(約6.9MPa)での平均クリープ速度、
を有することを特徴とするC34またはC35記載の方法。
C37. 前記アイソパイプが少なくとも2メートルの長さを有することを特徴とするC34からC36いずれか1つに記載の方法。
C38. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有するアイソパイプを製造する方法であって、(a)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含むアルミナ耐火物のブロックを提供し、(b)該ブロックから前記アイソパイプを形成する各工程を有してなり、
(i) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相の体積パーセントが1パーセント以下である、および/または
(ii) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(1) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、前記アルミナとシリカが前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(2) 酸化物基準で、前記ガラスが、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有し、
(3) 酸化物基準で、前記ガラスが、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、および/または
(iii) 前記アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、該1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、および/または
(iv) 前記アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有する、
ことを特徴とする方法。
C39. 前記アイソパイプを形成する工程が、前記ブロックを機械加工する工程を含むことを特徴とするC38記載の方法。
C40. 前記ブロックが少なくとも2メートルの長さを有することを特徴とするC38またはC39記載の方法。
C1. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)10,000psi(約69MPa)の応力を印加して1200℃で試験したときに、少なくとも1時間の破損するまでの時間に関する静疲労を有するアルミナ耐火物を含むものであるアイソパイプ。
C2. 前記アルミナ耐火物が、
(i) 2.5×10-7/時未満の1180℃および1000psi(約6.9MPa)での平均クリープ速度、および/または
(ii) 1.0×10-6/時未満の1250℃および1000psi(約6.9MPa)での平均クリープ速度、
を有することを特徴とするC1記載のアイソパイプ。
C3. (i) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、
(ii) 前記ガラス相の体積パーセントが1パーセント未満である、
ことを特徴とするC1またはC2記載のアイソパイプ。
C4. (i) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、
(ii) 前記ガラス相のガラスが、570℃超の歪み点および620℃超のアニール点を有する、
ことを特徴とするC1からC3いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C5. 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記アルミナおよびシリカが、酸化物基準で、前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを占める、
ことを特徴とするC1からC4いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C6. 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記ガラスが、酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有する、
ことを特徴とするC1からC5いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C7. 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記ガラスが、酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ことを特徴とするC1からC6いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C8. (i) 前記アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、
(ii) 前記1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、
ことを特徴とするC1からC7いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C9. (i) 前記結晶性Al2O3がα−アルミナを含み、
(ii) 前記α−アルミナが、前記アルミナ耐火物の少なくとも50体積パーセントを占める、
ことを特徴とするC1からC8いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C10. 前記アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有することを特徴とするC1からC9いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C11. (i) 前記アルミナ耐火物が気孔率およびガラス相を有し、
(ii) 前記気孔率およびガラス相の体積パーセントの合計が8パーセント以下である、
ことを特徴とするC1からC10いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C12. 前記結晶性Al2O3が、20マイクロメートル以上の平均粒径を有することを特徴とするC1からC11いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C13. 少なくとも2メートルの長さを有することを特徴とするC1からC12いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C14. C1からC13いずれか1つに記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)10,000psi(約69MPa)の応力を印加して1200℃で試験したときに、少なくとも1時間の破損するまでの時間に関する静疲労を有するアルミナ耐火物を含むことを特徴とする耐火ブロック。
C15. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C1からC13いずれか1つに記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C16. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、前記ガラス相の体積パーセントが1パーセント以下であることを特徴とするアイソパイプ。
C17. 前記ガラス相のガラスが、570℃超の歪み点および620℃超のアニール点を有することを特徴とするC16記載のアイソパイプ。
C18. 前記ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記アルミナおよびシリカが、酸化物基準で、前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを占める、
ことを特徴とするC16またはC17記載のアイソパイプ。
C19. 前記ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記ガラスが、酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有する、
ことを特徴とするC16からC18いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C20. 前記ガラス相のガラスが、
(i) アルミナおよびシリカを含み、
(ii) 前記ガラスが、酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ことを特徴とするC16からC19いずれか1つに記載のアイソパイプ。
C21. C16からC20いずれか1つに記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、前記ガラス相の体積パーセントが1パーセント以下であることを特徴とする耐火ブロック。
C22. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C16からC20いずれか1つに記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C23. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、該ガラス相のガラスが、
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、前記アルミナとシリカが前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 前記ガラスが、酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有し、
(c) 前記ガラスが、酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ことを特徴とするアイソパイプ。
C24. 前記ガラス相のガラスが、570℃超の歪み点および620℃超のアニール点を有することを特徴とするC23記載のアイソパイプ。
C25. C23またはC24記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)ガラス相を含むアルミナ耐火物を含み、前記ガラス相のガラスが、
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、前記アルミナとシリカが前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 前記ガラスが、酸化物基準で、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有し、
(c) 前記ガラスが、酸化物基準で、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、
ことを特徴とする耐火ブロック。
C26. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C23記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C27. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)1種類以上の非アルミナ副相を含むアルミナ耐火物を含み、前記1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下であることを特徴とするアイソパイプ。
C28. C27記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)1種類以上の非アルミナ副相を含むアルミナ耐火物を含み、前記1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下であることを特徴とする耐火ブロック。
C29. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C27記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C30. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)8体積パーセント以下の気孔率を有するアルミナ耐火物を含むことを特徴とするアイソパイプ。
C31. 前記気孔率が5体積パーセント以下であることを特徴とするC30記載のアイソパイプ。
C32. C30またはC31記載のアイソパイプを製造するのに適した耐火ブロックであって、該ブロックが、2メートル超の長さを有し、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)8体積パーセント以下の気孔率を有するアルミナ耐火物を含むことを特徴とする耐火ブロック。
C33. ガラス板を製造する方法であって、
(a) C30記載のアイソパイプを使用して、少なくとも1500ミリメートルの幅を有するガラスリボンを形成する工程、および
(b) 前記ガラスリボンからガラス板を分割する工程、
を有してなり、
前記ガラス板を構成するガラスが、少なくとも5質量パーセントのアルカリを含むことを特徴とする方法。
C34. ガラス板を製造するフュージョン法に使用されるアイソパイプの静疲労を増加させる方法であって、少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含むアルミナ耐火物からアイソパイプを形成する工程を有してなり、
(i) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相の体積パーセントが1パーセント以下である、および/または
(ii) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(a) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、前記アルミナとシリカが前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(b) 酸化物基準で、前記ガラスが、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有し、
(c) 酸化物基準で、前記ガラスが、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、および/または
(iii) 前記アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、該1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、および/または
(iv) 前記アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有する、
ことを特徴とする方法。
C35. 前記アルミナ耐火物が、10,000psi(約69MPa)の応力を印加して1200℃で試験したときに、少なくとも1時間の破損するまでの時間に関する静疲労を有することを特徴とするC34記載の方法。
C36. 前記アルミナ耐火物が、
(i) 2.5×10-7/時未満の1180℃および1000psi(約6.9MPa)での平均クリープ速度、および/または
(ii) 1.0×10-6/時未満の1250℃および1000psi(約6.9MPa)での平均クリープ速度、
を有することを特徴とするC34またはC35記載の方法。
C37. 前記アイソパイプが少なくとも2メートルの長さを有することを特徴とするC34からC36いずれか1つに記載の方法。
C38. フュージョン法に使用するのに適合した構造を有するアイソパイプを製造する方法であって、(a)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含むアルミナ耐火物のブロックを提供し、(b)該ブロックから前記アイソパイプを形成する各工程を有してなり、
(i) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相の体積パーセントが1パーセント以下である、および/または
(ii) 前記アルミナ耐火物がガラス相を含み、該ガラス相のガラスが、
(1) アルミナとシリカを含み、酸化物基準で、前記アルミナとシリカが前記ガラスの少なくとも90モルパーセントを構成し、
(2) 酸化物基準で、前記ガラスが、2モルパーセント以上の、アルカリ土類に希土類を加えた含有量を有し、
(3) 酸化物基準で、前記ガラスが、5.5モルパーセント以下のアルカリ含有量を有する、および/または
(iii) 前記アルミナ耐火物が1種類以上の非アルミナ副相を含み、該1種類以上の非アルミナ副相の体積パーセントの合計が4パーセント以下である、および/または
(iv) 前記アルミナ耐火物が、8体積パーセント以下の気孔率を有する、
ことを特徴とする方法。
C39. 前記アイソパイプを形成する工程が、前記ブロックを機械加工する工程を含むことを特徴とするC38記載の方法。
C40. 前記ブロックが少なくとも2メートルの長さを有することを特徴とするC38またはC39記載の方法。
先の開示から、本発明の範囲および精神から逸脱しない様々な改変が当業者には明らかであろう。以下の特許請求の範囲は、ここに述べた特定の実施の形態、並びにそれら実施の形態の改変、変種、および同等物を包含することが意図されている。
9 供給パイプ
11 トラフ
13 アイソパイプ
15 基部
11 トラフ
13 アイソパイプ
15 基部
Claims (1)
- フュージョン法に使用するのに適合した構造を有する本体を含むアイソパイプであって、前記本体が、(i)少なくとも90体積パーセントの結晶性Al2O3を含み、(ii)3,818psi(約26.3MPa)の応力を印加して1224℃で試験したときに、197時間経過時点で破損しないような、破損するまでの時間に関する静疲労を有するアルミナ耐火物を含むものであるアイソパイプ。
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