以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域の中央位置上方には、識別可能な識別情報としての特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する特別図柄表示装置4が設けられている。
特別図柄表示装置4の下方には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7や、普通図柄表示装置20が設けられている。普通図柄表示装置20は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21(図3)によって検出されたことを実行条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり(普通当り)、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されている。特別図柄表示装置4は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞により始動条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、例えば「0」〜「9」を示す数字等から構成される特別図柄を可変表示する。各特別図柄には、例えば各図柄が示す数字と同一の番号といった、各々の特別図柄に対応した図柄番号が付されている。なお、特別図柄表示装置4は、特定の停止図柄が遊技者に把握されることを困難にするために、例えば「00」〜「99」を示す数字など、より多種類の図柄を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄表示装置4により行われる特図ゲームでは、特別図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、特別図柄表示装置4にて特図ゲームでの確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になると、特別可変入賞球装置7が備える開閉板を開閉させることによる特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「7」を示す特別図柄を大当り図柄とし、それ以外の数値を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特別図柄表示装置4による特図ゲームでの確定特別図柄として大当り図柄である「7」を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板により、所定の開放期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において大入賞口が開放され、開放されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球が受け止められて大入賞口への入賞が可能となり、その後に大入賞口を閉鎖することで1回のラウンドが終了する。そして、この開閉サイクルとしてのラウンドを所定の上限回数(例えば15ラウンド)まで繰り返すことができる。大入賞口に入賞した遊技球は、カウントスイッチ24(図3)によって検出され、その検出結果に基づき所定個数(例えば「15」)の賞球の払出が行われる。このように、大当り遊技状態は、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、通常遊技状態とは、例えばパチンコ遊技機1の電源投入直後などにおける初期設定状態のような、大当り遊技状態以外の遊技状態のことである。
遊技盤2の前面には、遊技領域のほぼ全面を覆うように、画像表示装置5が配置されている。ここでの「ほぼ全面」とは、少なくとも遊技領域の周縁部に設けられる装飾部材31、32、33等よりも内側となる領域のことである。画像表示装置5は、例えばLCDパネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルなどを用いて構成され、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。例えば、画像表示装置5の表示画面では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して、3つに分割された表示領域としての可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を変動可能に表示する可変表示を行う。この例では、画像表示装置5に「左」、「中」、「右」の可変表示部が配置され、各可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。そして、特別図柄表示装置4における特別図柄の変動が開始されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の変動(例えば図柄の切換やスクロール)を開始させ、その後、特別図柄表示装置4における特別図柄の可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて確定飾り図柄となる飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる飾り図柄の組合せが停止表示(導出表示)される。
この画像表示装置5の画面上には、例えば図2に示すように、各種画像の表示が行われる表示領域5Aと、画像表示が行われない非表示領域5Bとが設けられている。例えば、特別図柄表示装置4の前面部分や、遊技領域の周縁部に設けられる装飾部材31、32、33の背面部分、及び遊技領域を外れた遊技機用枠3の背面部分などには、画像を表示するための液晶や液晶を構成する部材(例えば偏光板など)、液晶を制御する回路などが設けられておらず、物理的に画像を表示せずに透明なままの非表示領域5Bとなっている。他方、表示領域5Aの裏面には、例えば背後から表示領域5Aを照射するバックライトや、パチンコ遊技機1の内部を隠蔽する隠蔽部材などが設けられている。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1における演出動作の態様を、第1の演出モード#1と、第2の演出モード#2のいずれかに設定することができる。第1の演出モード#1と第2の演出モード#2とでは、画像表示装置5での演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様、遊技効果ランプ9の点灯動作態様などといった、各種の演出状態が異なっている。第1及び第2の演出モード#1、#2の選択は、例えば画像表示装置5に所定のデモ画面(デモンストレーション画面)が表示されている所定期間内に、操作スイッチ40の所定操作(例えば押下操作)が検出されたことに対応して、切り替えることができる。
例えば、第1の演出モード#1に設定されている場合には、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて、「1」〜「8」のアラビア数字を示す図柄が、変動可能に表示される。これに対して、第2の演出モード#2に設定されている場合には、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて、「一」〜「八」の漢数字を示す図柄が、変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、各数字を示す図柄を所定の順番に表示あるいは消去させることで、飾り図柄の可変表示が行われる。具体的な一例として、第1の演出モード#1に設定されている場合には、「1」〜「8」の数字を示す図柄を順番に表示し、「8」の数字を示す図柄に続いて「1」の数字を示す図柄を表示する。また、第2の演出モード#2に設定されている場合には、「一」〜「八」の数字を示す図柄を順番に表示し、「八」の数字を示す図柄に続いて「一」の数字を示す図柄を表示する。
特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出表示された大当りが発生する場合には、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の飾り図柄が停止表示される。したがって、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一の飾り図柄が停止表示された後に、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されることになる。
画像表示装置5には、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。また、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。また、特図保留記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を、画像表示装置5の表示領域に配置された特別図柄始動記憶表示エリアとは別個に設けるようにしてもよい。
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド81(図3)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口へと進入した遊技球は、始動口スイッチ22(図3)によって検出され、その検出に基づき特図ゲームを実行するための実行条件(始動条件)が成立する。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば4個)の賞球の払い出しが行われる。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3)によって入賞領域となる大入賞口を開成・閉成制御する開閉板を備えて構成される。この開閉板は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態が発生する以前までのような通常時には、大入賞口を閉成した状態にある。他方、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド82によって大入賞口を所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間において開成した後、閉成する。ここで、大入賞口に入賞して遊技盤2の背面に導かれた遊技球のうち一方の領域(V入賞領域;特別領域)に入ったものはV入賞スイッチ23(図3)で検出された後にカウントスイッチ24で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ24で検出されるようにしてもよい。この場合、遊技盤2の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイドが設けられていてもよい。そして、大当り遊技状態における最終ラウンド以外の各ラウンドでは、V入賞スイッチ23によって遊技球が検出されることが、次のラウンドへと移行できるための条件となるようにしてもよい。あるいは、V入賞領域を設けずに、大当り遊技状態における最終ラウンド以外の各ラウンドでは、常に次のラウンドへと移行できるようにしてもよい。
また、遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力する効果音発生装置としてのスピーカ8L、8Rが設けられている。さらに遊技領域周辺部には、電飾部材としての遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通可変入賞球装置6や特別可変入賞球装置7等)の周囲には電飾部材に含まれる装飾用LEDが設置されていてもよい。遊技機用枠3の左下部位置には、パチンコ遊技機1における演出動作の態様を変更するためなどに遊技者等によって操作される操作スイッチ40が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような電源基板10、主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。主基板11と演出制御基板12との間には、主基板11から演出制御基板12へと伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども設けられている。その他にも、パチンコ遊技機1には、払出制御基板や発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種基板が設けられていてもよい。
電源基板10は、主基板11や演出制御基板12等の各制御基板と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。例えば、電源基板10では、AC24V、VLP(直流+24V)、VSL(直流+30V)、VDD(直流+12V)、VCC(直流+5V)及びVBB(直流+5V)を生成する。電源基板10は、例えば変圧回路と、直流電圧生成回路と、電源監視回路とを備えて構成される。また、電源基板10には、押下操作などの所定操作に応じてクリア信号を出力するクリアスイッチや、バックアップ電源となるコンデンサが設けられていてもよい。加えて、電源基板10には、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチが設けられていてもよい。あるいは、電源スイッチは、パチンコ遊技機1において、電源基板10の外に設けられていてもよい。
図3に示す主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行うことにより特別図柄表示装置4における特別図柄の変動表示を制御する一方で、普通図柄表示装置20の点灯/点滅/発色制御を行うことにより普通図柄表示装置20における普通図柄の変動表示を制御する。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力するソレノイド回路102などが搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24からの検出信号を受信するための配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。加えて、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に伝送する配線や、特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示装置20の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から信号中継基板13への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。なお、主基板への不正な信号の入力を防ぐために、主基板とサブ基板との間に主基板からサブ基板への信号の出力のみを規制する一方向データ転送手段を設けたものは既に提案されている(例えば、特開平8−224339号公報などを参照)。しかしながら、主基板と一方向データ転送手段との間には主基板への信号入力を規制するものがないため、一方向データ転送手段に改変を加えることで主基板に不正な信号を入力させることが可能であった。この実施の形態では、信号中継基板13において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を、より確実に防止することができる。
このような信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図4は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4に示す例において、コマンド80XXhは、特別図柄表示装置4による特図ゲームで特別図柄の可変表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXhは不特定の16進数であるであることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドでは、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンなどに対応して異なるEXTデータが設定される。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、通常ハズレパターンが複数種類用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に大当り組合せまたはハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、リーチパターンが複数種類用意されている。
ここで、リーチとは、画像表示装置5にて導出表示した飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない飾り図柄(リーチ変動図柄という)については変動表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた組合せ有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない組合せ有効ライン上の可変表示部において変動表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部のうち「左」、「右」の可変表示部には大当り図柄の一部となる(例えば「7」の数字を示す飾り図柄)が停止表示されている状態で「中」の可変表示部は未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部の全てで変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の飾り図柄が揃っている態様で変動表示が行われている表示態様)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音などで行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、画像表示装置5にてキャラクタ(人物等を模した演出表示であり、飾り図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示という。
コマンド90XXhは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果の種類などを示す表示結果通知コマンドである。表示結果通知コマンドでは、例えば飾り図柄の可変表示などの実行結果として停止表示される飾り図柄の表示結果が、リーチとならずにハズレとなる通常ハズレであるか、リーチとなった後にハズレとなるリーチハズレであるか、リーチとなった後に大当りとなるかなどといった、表示結果の種類に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA000hは、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて大当りとなったことにより、大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンドである。コマンドA1XXhは、大当り遊技状態において開始されるラウンドの回数を示す大当りラウンド数通知コマンドである。コマンドB000hは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。
図5は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、乱数回路114と、入出力ポート115とを備えて構成されている。CPU111は、ROM112に記憶されているユーザプログラムやデータを読み出し、RAM113をワークエリアとして使用して、プログラムに従った制御動作を行う。
主基板11では、乱数回路114によって、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部が生成される。例えば、主基板11の側では、大当り判定用の乱数値や普通当り用の乱数値、リーチ判定用の乱数値、可変表示パターン決定用の乱数値などが用いられる。なお、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値を示す数値データの全てまたは一部は、乱数回路114にてカウントされればよい。また、これらの乱数値の一部を示す数値データは、CPU111が乱数回路114とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
大当り判定用の乱数値は、大当りの発生によりパチンコ遊技機1が大当り遊技状態となるか否かの判定を行うために用いられる乱数値である。すなわち、大当り判定用の乱数値は、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示での表示結果の種類が大当りとなるかハズレとなるかの判定を行うために用いられる。普通当り判定用の乱数値は、普通図柄表示装置20による普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かの判定を行うために用いられる乱数値である。リーチ判定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かの判定を行うために用いられる乱数値である。可変表示パターン決定用の乱数値は、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる表示用の乱数値である。
ROM112には、ゲーム制御用のユーザプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM112は、CPU111が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータを記憶する。判定テーブルとしては、特図ゲームにおける確定特別図柄を大当り図柄として可変表示結果を大当りとする否かを判定するために参照される大当り判定テーブルや、普通図ゲームにおける表示結果を「当り」とするか否かを判定するために参照される普通当り判定テーブル、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなるときに飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために参照されるリーチ判定テーブルなどが含まれている。
大当り判定テーブルは、大当り判定用の乱数値が特図ゲームの表示結果を大当りとすることを示す大当り判定値データと合致するか、特図ゲームの表示結果をハズレとすることを示すハズレ判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されていればよい。普通当り判定テーブルは、普通当り判定用の乱数値が普通図ゲームの表示結果を「当り」とすることを示す普通当り判定値データと合致するか、普通図ゲームの表示結果を「ハズレ」とすることを示すハズレ判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されていればよい。リーチ判定テーブルは、リーチ判定用の乱数値が飾り図柄の可変表示態様をリーチとすることを示すリーチ判定値データと合致するか、リーチとしない通常ハズレ判定値データと合致するかを、判定可能にする設定データなどから構成されていればよい。
ROM112に記憶される決定テーブルには、特図ゲームでの可変表示結果として導出表示する確定特別図柄を決定するための確定特別図柄決定テーブルや、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定テーブルなどが含まれている。
可変表示パターン決定テーブルは、例えば各可変表示パターンと、可変表示パターン決定用の乱数値とを対応付けることにより、可変表示パターン決定用の乱数値に基づいて可変表示パターンの選択を可能にする選択データなどから構成されていればよい。可変表示パターン決定テーブルにて各可変表示パターンを示すデータは、例えば可変表示パターン決定テーブル内において、あるいは可変表示パターン決定テーブルとは異なる可変表示パターン設定用のテーブルなどにおいて、特別図柄や飾り図柄の総可変表示時間を示すデータや、可変表示開始コマンドにてEXTデータとして設定される制御データなどと、対応付けられていればよい。
RAM113には、パチンコ遊技機1における遊技状態などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM113には、特図保留記憶部、普通図保留記憶部、確定特別図柄記憶部、遊技制御フラグ設定部、遊技制御タイマ設定部、遊技制御カウンタ設定部、遊技制御バッファ設定部などとして、各種のデータを保持する領域が設けられていればよい。
特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口に遊技球が進入(入賞)して特別図柄表示装置4による特図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部は、始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による実行条件の成立に基づいてCPU111により乱数回路114等から抽出された大当り判定用の乱数値を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
普通図保留記憶部は、遊技領域に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過して普通図柄表示装置20による普通図ゲームを実行するための実行条件が成立したものの、従前の普通図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない普通図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、普通図保留記憶部は、通過ゲート41を遊技球が通過した順番で保留番号と関連付けて、その通過による実行条件の成立に基づいてCPU111により乱数回路114等から抽出された普通当り判定用の乱数値を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
確定特別図柄記憶部は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて可変表示結果として導出表示される確定特別図柄を示すデータを記憶する。遊技制御フラグ設定部は、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ回路101を介して各種スイッチから伝送された信号等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。遊技制御タイマ設定部は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。遊技制御カウンタ設定部は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。遊技制御バッファ設定部は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる各種のデータを一時的に記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM113とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
入出力ポート115は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図3に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御コマンドを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、画像表示装置5に映像信号を伝送する配線や、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9に駆動信号を伝送する配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、操作スイッチ40からの配線も接続されている。図3に示すように、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120と、表示制御部121と、音制御部122と、ランプ制御部123とが搭載されている。
図6は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120の構成例を示す図である。図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、CPU131と、ROM132と、RAM133と、乱数回路134と、入出力ポート135とを備えている。CPU131は、ROM132に記憶されているユーザプログラムやデータを読み出し、RAM133をワークエリアとして使用して、プログラムに従った制御動作を行う。
演出制御基板12では、乱数回路134によって、演出制御基板12の側において用いられる各種の乱数の全てまたは一部が生成される。例えば、演出制御基板12の側では、図7に示すような予告決定用の乱数値SR1などが用いられる。なお、演出効果を高めるために、演出制御基板12の側で、例えば確定飾り図柄決定用の乱数値などといった、その他の乱数値が用いられてもよい。確定飾り図柄決定用の乱数値は、飾り図柄の可変表示における表示結果として導出表示する確定飾り図柄を決定するために用いられる乱数値である。こうした乱数値を示す数値データの全部または一部は、乱数回路134にてカウントされればよい。また、こうした乱数値を示す数値データの一部は、CPU131が乱数回路134とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよい。
図7に示す予告決定用の乱数値SR1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなどを予告するための予告演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には予告演出の態様を決定するために用いられる乱数値である。
ROM132には、CPU131による制御動作を決定するためのデータとして、例えば複数種類の飾り図柄決定テーブルや、予告決定テーブル、演出制御パターンテーブルなどを構成するデータが記憶されている。飾り図柄決定テーブルは、確定飾り図柄決定用の乱数値に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。予告決定テーブルは、予告決定用の乱数値に基づき、予告演出を実行するか否かや、実行する場合における予告演出の態様を示す予告パターンなどを決定するために用いられるテーブルである。
予告決定テーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図8(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201と、図8(B)に示す大当り時予告決定テーブル202とが、ROM132に記憶されている。この実施の形態では、飾り図柄が可変表示されている所定期間において可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される可能性があることを予告する予告パターンとして、予告A〜予告Dのパターンが用意されているものとする。予告A〜予告Dのうちいずれかの予告パターンが選択された場合には、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチとなってから確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間などといった、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、経過時間に伴って画像表示装置5の画面上における演出キャラクタや背景画像の表示が変化して可変表示結果が大当りとなることを予告する予告演出表示が実行される。ここで、演出キャラクタは、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字や数字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示すものであればよい。なお、可変表示パターンが通常ハズレパターンである場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチとならずに飾り図柄が可変表示されている所定期間において、予告演出表示が実行されればよい。
図9(A)〜(C)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Aの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図9(A)〜(C)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Aの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、人物を示すキャラクタCH1が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。
図9(D)〜(F)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Bの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図9(D)〜(F)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Bの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、自動車を示すキャラクタCH2が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。
図10(A)〜(C)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Cの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図10(A)〜(C)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Cの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、星を示すキャラクタCH3が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。
図10(D)〜(F)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第1の演出モード#1である場合に、予告Dの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5での画像表示例を示している。図10(D)〜(F)に示すように、第1の演出モード#1である場合に予告Dの予告パターンが選択されると、飾り図柄が可変表示されている所定期間において、所定のキャラクタCH4が時間の経過に伴って画像表示装置5における表示領域内を右端から左端へと移動するように、演出キャラクタの表示が変化することで、可変表示結果が大当りとなることを予告できる。
図11(A)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告なしが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図11(B)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Aの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図11(C)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Bの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図11(D)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Cの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。図11(E)は、パチンコ遊技機1における演出動作の態様が第2の演出モード#2である場合に、予告Dの予告パターンが選択されたことに対応した画像表示装置5における背景画像の表示例を示している。このように、演出動作の態様が第2の演出モード#2に設定されている場合には、予告なしが選択されたこと、あるいは予告A〜予告Dのうちいずれかの予告パターンが選択されたことに対応して、互いに異なる背景画像が表示される。
図8(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201と、図8(B)に示す大当り時予告決定テーブル202はそれぞれ、予告決定用の乱数値SR1と、予告を実行しない旨の決定結果あるいは予告A〜予告Dのいずれかの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果とを、対応付ける設定データなどから構成されている。ハズレ時予告決定テーブル201では、予告決定用の乱数値SR1のうち「1」〜「50」が予告を実行しない旨の決定結果に、「51」〜「85」が予告Aの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「86」〜「95」が予告Bの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「96」〜「99」が予告Cの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「100」が予告Dの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、それぞれ対応付けられている。これに対して、大当り時予告決定テーブル202では、予告決定用の乱数値SR1のうち「1」〜「5」が予告を実行しない旨の決定結果に、「6」〜「15」が予告Aの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「16」〜「30」が予告Bの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「31」〜「50」が予告Cの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、「51」〜「100」が予告Dの予告パターンによる予告を実行する旨の決定結果に、それぞれ対応付けられている。
特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合には、図8(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201を参照して予告パターンの決定を行う一方で、可変表示結果が大当りとなる場合には、図8(B)に示す大当り時予告決定テーブル202を参照して予告パターンの決定を行うことにより、各予告パターンによる予告が図8(C)に示すような確率で選択されて実行されることになる。すなわち、この実施の形態では、可変表示結果がハズレとなるハズレ時に、50/100の確率で予告が実行されない一方、35/100の確率で予告A、10/100の確率で予告B、4/100の確率で予告C、1/100の確率で予告Dという、それぞれの予告パターンによる予告が実行されることになる。これに対して、可変表示結果が大当りとなる大当り時には、5/100の確率で予告が実行されない一方、10/100の確率で予告A、15/100の確率で予告B、20/100の確率で予告C、50/100の確率で予告Dという、それぞれの予告パターンによる予告が実行されることになる。
このような各予告パターンによる予告の選択確率に基づき、各予告パターンによる予告演出表示が行われた場合に可変表示結果が大当りとなる期待度(すなわち、その予告が出現した場合に大当りとなる確率)としての大当り信頼度(予告の大当り信頼度)を定めることができる。例えば、各予告パターンによる予告の大当り信頼度は、((大当り時における当該予告パターンの選択確率)×(大当り確率))/((ハズレ時における当該予告パターンの選択確率)×(ハズレ確率)+(大当り時における当該予告パターンの選択確率)×(大当り確率))として求めることができる。
パチンコ遊技機1では、表示結果が大当りとなる可変表示の実行回数に比べて、表示結果がハズレとなる可変表示の実行回数の方が十分に多くなるように、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなる確率(大当り確率)が定められている。例えば、図8(C)に示すように大当り確率が1/300である場合には、平均的にみて、表示結果がハズレとなる可変表示が299回実行されるうちに、表示結果が大当りとなる可変表示が1回実行されるという割合になるように設計されている。したがって、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果がハズレとなる場合に高い確率で実行される予告にて用いられる画像は、低い確率で実行される予告にて用いられる画像に比べて、高い頻度で画像表示装置5の画面上に表示されることになる。
演出制御パターンテーブルの具体的な一例として、この実施の形態では、図12(A)に示すような構成を有する演出制御パターンテーブル221が用いられる。この演出制御パターンテーブル221には、画像表示装置5における表示動作の内容や、スピーカ8L、8R等の音声出力制御の内容、遊技効果ランプ9等による演出内容といった、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されている。演出制御パターンテーブル221に格納される複数種類の演出制御パターンはそれぞれ、例えば図13に示すように、演出制御タイマ設定値、演出制御タイマ判定値#1〜#n(nは任意の自然数)、表示制御データ#1〜#n、音声制御データ#1〜#n、ランプ制御データ#1〜#nといった、演出動作を制御するための各種データから構成され、時系列的に、画像表示装置5での表示内容や、スピーカ8L、8Rからの音声出力内容、遊技効果ランプ9による演出内容といった、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されている。
演出制御パターンテーブル221には、例えば画像表示装置5にて飾り図柄の可変表示が実行される期間内における演出動作に対応した複数種類の演出制御パターンが格納されている。また、確変再抽選演出や有利開放再抽選演出が実行される期間内における演出動作に対応した演出制御パターンも、演出制御パターンテーブル221に格納されている。この実施の形態では、図12(B)に示すように、第1の演出モード#1に対応した演出制御パターンテーブル221Aと、第2の演出モード#2に対応した演出制御パターンテーブル221Bとが予め用意されており、各演出制御パターンテーブル221A、221Bを構成するデータが、ROM132の所定領域に記憶されている。
図6に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるRAM133には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。例えば、RAM133には、確定飾り図柄記憶部、演出制御フラグ設定部、演出制御タイマ設定部、演出制御カウンタ設定部、演出制御バッファ設定部、可変表示パターン格納部、表示結果格納部、特図保留記憶数格納部、ラウンド数格納部、予告パターン格納部などとして、各種のデータを保持する領域が設けられていればよい。
ここで、確定飾り図柄記憶部は、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄を示すデータを記憶する。演出制御フラグ設定部は、例えば画像表示装置5の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。演出制御タイマ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。演出制御カウンタ設定部は、例えば画像表示装置5での表示制御などといった演出制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM133とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
また、演出制御バッファ設定部には、演出制御基板12にて受信した主基板11からのコマンドを一時的に格納するための演出側受信コマンドバッファなどが設けられる。可変表示パターン格納部は、例えば可変表示開始コマンドにおけるEXTデータを記憶することなどにより、主基板11から通知された可変表示パターンなどを特定可能なデータを格納する。表示結果格納部は、例えば表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを記憶することなどにより、主基板11から通知された表示結果の種類などを特定可能なデータを格納する。特図保留記憶数格納部は、主基板11から通知された特図保留記憶数を特定可能なデータを格納する。ラウンド数格納部は、例えば大当りラウンド数通知コマンドにおけるEXTデータを記憶することなどにより、主基板11から通知された大当り遊技状態におけるラウンド数を特定可能なデータを格納する。予告パターン格納部は、予告演出表示を実行するために決定した予告パターンを特定可能なデータを格納する。
演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135は、演出制御用マイクロコンピュータ120に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。例えば、入出力ポート135の出力ポートからは、表示制御部121へと伝送される表示制御指令や、音制御部122へと伝送される音声制御指令、ランプ制御部123へと伝送されるランプ制御指令などが出力される。また、入出力ポート135の入力ポートには、操作スイッチ40から伝送される検出信号(スイッチ操作検出信号)の入力端子が含まれている。
図3に示す表示制御部121は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御を行うものである。例えば、表示制御部121は、画像表示装置5に画像の切換表示を実行させることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
図14は、表示制御部121のハードウェア構成例を示すブロック図である。図14に示すように、表示制御部121には、VDP141(Video Display Processor)と、CGROM(Character Generator ROM)142とが含まれている。VDP141は、例えば画像表示装置5にて画像表示を行うための高速描画機能や表示出力機能などを有し、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令に従った画像処理を実行する。CGROM142は、画像表示装置5にて画像表示を行うために使用される各種の画像データを記憶する。CGROM142が記憶する画像データには、複数種類の飾り図柄などを示す複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データが含まれている。なお、本実施形態では、画像要素データはデータ圧縮等は施されておらず、データ量と対応する画像の画素数とは比例するものとする。
VDP141は、図14に示すように、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、CGROMインタフェース153と、描画回路154と、画像要素一時記憶メモリ155と、フレームバッファメモリ156と、表示回路157とを備えている。
ホストインタフェース151は、演出制御用マイクロコンピュータ120との間で各種データをやり取りするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御指令などに基づき、CGROM142から読み出された画像要素データの画像要素一時記憶メモリ155に対する転送を制御する。例えば、転送制御回路152は、DMA(Direct Memory Access)転送を用いてCGROM142から画像要素一時記憶メモリ155へのデータ転送を行うためのDMA装置を備えている。
CGROMインタフェース153は、CGROM142に記憶されている画像要素データを読み出すためのアドレス出力端子やデータ入力端子などを含んで構成されている。描画回路154は、画像要素一時記憶メモリ155に一時記憶された画像要素データに基づき画像表示装置5における画像の表示用データを作成するための描画処理を実行する。
画像要素一時記憶メモリ155は、例えばVRAM(Video RAM)などを用いて構成され、CGROM142から読み出された画像要素データを一時記憶する。
フレームバッファメモリ156は、例えば画像要素一時記憶メモリ155とは異なるVRAMなどを用いて構成され、描画回路154による描画処理などにより作成される画像の表示用データを記憶する。例えば、フレームバッファメモリ156は、画像表示装置5における1画面分の表示領域に画像を表示させるために用いられる画像データの容量よりも大きな記憶容量を有している。フレームバッファメモリ156では、アドレス管理を容易にするために、例えば図15に示すように、表示用データを記憶する表示用データエリアにおいて、画像表示装置5の画面上における表示領域5Aのみならず非表示領域5Bに対しても、アドレスが割り当てられている。
図14に示す表示回路157は、フレームバッファメモリ156から読み出した表示用データを階調データとし、所定のクロック信号に基づいて走査信号を生成して画像表示装置5に出力することなどにより、画像表示装置5の画面上に画像を表示させるための回路である。
また、VDP141には、CGROM142から読み出されて画像要素一時記憶メモリ155に一時記憶された画像要素データを特定可能とするテーブルとして、例えば図16に示すようなインデックステーブル251が設けられている。図16に示すインデックステーブル251では、例えば「開始アドレス」、「水平サイズ」、「読出完了フラグ」などを示すデータが、「インデックス番号」を示すデータと対応付けられて格納されている。ここで、「開始アドレス」は、CGROM142に記憶されている画像要素データの先頭アドレスを示す。また、「水平サイズ」は、画像要素データが示す演出画像の水平方向の大きさを示す。「読出完了フラグ」は、CGROM142から読み出された画像要素データの画像要素一時記憶メモリ155に対する転送が完了した場合に「オン」を示し、転送が完了していない場合や画像要素一時記憶メモリ155から読み出されてフレームバッファメモリ156への書き込みが完了した場合には「オフ」を示す。
図17は、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるCPU131からVDP141に対して送信される表示制御指令となるコマンドの具体例を示す図である。図17に示すように、この実施の形態では、転送表示コマンドが、表示制御指令としてCPU131からVDP141に対して送信される。
転送表示コマンドは、CGROM142に記憶されている画像要素データを画像要素一時記憶メモリ155に転送するよう指令するためのコマンドである。例えば、転送表示コマンドは、CGROM142における画像要素データの読出アドレスや画像要素一時記憶メモリ155における画像要素データの書込アドレス、CGROM142から読み出して画像要素一時記憶メモリ155へと転送する画像要素データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
また、転送表示コマンドは、画像要素一時記憶メモリ155に記憶されている画像要素データをフレームバッファメモリ156に書き込ませて、当該画像要素データが示す画像要素を画像表示装置5の画面上に表示するよう指令するためのコマンドである。例えば、転送表示コマンドは、画像要素一時記憶メモリ155における画像要素データの読出アドレスやフレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレス、画像要素一時記憶メモリ155から読み出してフレームバッファメモリ156に書き込ませる画像要素データのデータ量などを、VDP141に通知するためのデータを含んでいる。
なお、CGROM142における画像要素データの読出アドレスに代えて、例えば読出対象となる画像要素データが示す演出画像に付された識別情報(例えば画像要素データが示す演出キャラクタのキャラクタ番号)などといった、CGROM142から読み出す画像要素データの読出位置を特定可能にする任意の情報が用いられてもよい。また、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスに代えて、例えば画像表示装置5の画面上における画像要素の表示座標(例えば画像要素における左上部の表示座標)などといった、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込位置を特定可能にする任意の情報が用いられてもよい。さらに、画像要素一時記憶メモリ155における画像要素データの書込アドレスや読出アドレスに代えて、例えば図16に示すインデックステーブル251にて画像要素データと対応付けられるインデックス番号などといった、画像要素一時記憶メモリ155における画像要素データの書込位置や読出位置を特定可能にする任意の情報が用いられてもよい。
CGROM142は、画像表示装置5にて飾り図柄を含めた各種の演出画像を表示するために使用される各種の画像要素データなどを記憶しておくためのものである。CGROM142では、飾り図柄を含めた演出キャラクタのそれぞれを示す画像要素データ等が、例えば図18、図19及び図20に示すように、予め定められたアドレスに記憶されている。
ここで、図18は、小型表示モードの演出画像の画像要素データ、換言すれば、1つの演出画像が1つの画像要素データによって構成される場合の記憶内容を示す。図18における各画像要素データはデータ量及び対応する画像の画素数は同一である。一方、図19及び図20は、大型表示モードの演出画像の画像要素データ、換言すれば、1つの演出画像が3つの画像要素データによって構成される場合の記憶内容を示す。図19に示す画像要素データは、大型表示モードの演出画像に対応する1つの画像要素データのデータ量及び対応する画素数が所定の上限値を超えるため、当該1つの画像要素データが3つの画像要素データに分割され、更に、3つの画像要素データが連続する3つ記憶領域に記憶された状態となっている。図19及び図20における各画像要素データはデータ量及び対応する画像の画素数は同一である。例えば、CGROMアドレス0030000h〜0030FFFhに記憶された画像要素データ、CGROMアドレス0031000h〜0031FFFhに記憶された画像要素データ、及び、CGROMアドレス0032000h〜0032FFFhに記憶された画像要素データによって、大型表示モードにおける1つの演出画像「2」が構成される。また、図18に示す画像要素データと図19及び図20に示す画像要素データとはデータ量及び対応する画像の画素数は同一である。すなわち、図19及び図20に示す連続する3つ記憶領域に記憶された3つの画像要素データによって構成される1つの大型表示モードの演出画像は、図18に示す1つの画像要素データによって構成される1つの小型表示モードの演出画像と比較すると3倍のデータ量と画素数を有する。以下、図19及び図20に示す画像要素データを適宜「分割画像要素データ」と称し、図19及び図20に示す画像要素データに対応する画像要素を適宜「分割画像要素」と称する。なお、1つの画像要素データを分割した3つの各分割画像要素データに対応する画像は常にセットで表示されるものであり、1つ又は2つの分割画像要素データに対応する画像のみが表示されることはない。
VDP141では、例えば転送制御回路152がCGROMインタフェース153を介してCGROM142の読出アドレスを指定して読出制御信号をオン状態とすることにより、CGROM142に記憶された画像要素データ等を読み出すことができる。
図3に示す音制御部122は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの音声制御指令などに基づき、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御を行うものである。例えば、音制御部122は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの音声制御指令に対応した音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる音声出力回路などを含んでいる。
ランプ制御部123は、演出制御用マイクロコンピュータ120からのランプ制御指令などに基づき、遊技効果ランプ9等における点灯動作、消灯動作、点滅動作などの制御を行うものである。例えば、ランプ制御部123は、演出制御用マイクロコンピュータ120からのランプ制御指令に対応したランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9や各種の装飾用ランプ、LED等の電飾部材に供給することによって点灯動作、消灯動作、点滅動作などを行わせるランプドライバ回路などを含んでいる。
なお、音制御部122やランプ制御部123は、演出制御基板12の外部に設置された所定の制御基板上に搭載されていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。主基板11では、電源基板10からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU111によって図21のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理が実行される。図21に示す遊技制御メイン処理を開始すると、まず、割込み禁止に設定し(ステップS1)、割込みモードの設定を行う(ステップS2)。例えば、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビットは“0”)とを合成することにより割込みアドレスが生成されるマスク可能割込みの割込みモードが設定される。マスク可能な割込みが発生したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100が自動的に割込み禁止状態となる設定を行うとともに、プログラムカウンタの内容がスタックにセーブされればよい。
続いて、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS3)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ100における内蔵周辺回路であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)を行う(ステップS5)。その後、RAM113をアクセス可能に設定する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、CPU111は、パチンコ遊技機1において例えば電源基板10に設けられているクリアスイッチがオン状態であるか否かを判定する(ステップS7)。このとき、CPU111は、クリアスイッチの状態を1回だけ確認するようにしてもよいが、複数回確認するようにしてもよい。例えば、クリアスイッチがオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、クリアスイッチの状態をもう1回確認する。このとき、クリアスイッチがオフ状態であれば、クリアスイッチはオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときにクリアスイッチがオン状態であれば、所定時間が経過した後に、クリアスイッチの状態を再び確認するようにしてもよい。なお、クリアスイッチの状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7にてクリアスイッチがオフ状態であるときには(ステップS7;No)、RAM113のバックアップ領域に所定のバックアップデータがあるか否かの判定を行う(ステップS8)。例えば、ステップS8の処理において、CPU111は、RAM113の遊技制御フラグ設定部などに設けられたバックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する。このとき、バックアップフラグがオンであれば、RAM113の所定領域における記憶データのチェックサムを算出するなどして記憶データが正常であるか否かを判定し、正常であると判定された場合には、バックアップデータがあると判断する。これに対して、バックアップフラグがオフである場合や、記憶データが正常ではない場合には、バックアップデータがないと判断する。
ステップS8にてバックアップデータがあると判定された場合には(ステップS8;Yes)、CPU111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS9)。そして、例えばRAM113のバックアップ領域に保存されていたプログラムカウンタの退避値をプログラムカウンタに設定することで、そのアドレスに対応する処理に復帰する。
ステップS7にてクリアスイッチがオン状態である場合や(ステップS7;Yes)、ステップS8にてバックアップデータがないと判定された場合には(ステップS8;No)、RAM113をクリアして初期化するとともに(ステップS10)、演出制御基板12等といったサブ基板の初期化を行う(ステップS11)。このときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態などもクリアして初期状態とする。
この後、CPU111は、割込みの設定を行う(ステップS12)。例えば、ステップS12の処理において、CPU111は、ROM112に記憶されている割込み初期設定データに基づきCTCのレジスタ設定を行うことなどにより、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとに遊技の進行を制御するためのタイマ割込みを発生させるようにする。また、ステップS12の処理では、所定のレジスタ設定を行うことなどにより、複数種類の割込み要因に対応した複数種類の割込み処理における優先順位を設定するようにしてもよい。
ステップS12の処理を実行した後には、割込み禁止としてから(ステップS13)、メイン側乱数値更新処理を実行して(ステップS14)、割込みを許可するという(ステップS15)、一連の処理を繰り返し実行する。ステップS14にて実行されるメイン側乱数値更新処理は、主基板11の側で用いられる乱数値の全部または一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
図22は、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて遊技の進行を制御するためのタイマ割込みが発生するごとにCPU111によって実行される遊技制御割込み処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込みなどのマスク可能な割込みが発生すると、CPU111は、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。図22に示す遊技制御割込み処理を開始すると、CPU111は、まず、内部レジスタを退避した後(ステップS20)、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路101を介して各スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS21)。続いて、図21のステップS14と同様のメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS22)。次に、例えばステップS21におけるスイッチ処理の実行結果に基づき、始動入賞処理を実行する(ステップS23)。始動入賞処理では、始動口スイッチ22からの始動入賞信号がオン状態となることにより普通可変入賞球装置6が形成する始動入賞口への遊技球の入賞が検出されたことに応じて、大当り判定用の乱数値を示す数値データを乱数回路114等から抽出して、RAM113の特図保留記憶部に記憶させるなどの処理を実行する。
始動入賞処理に続いて、CPU111は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS24)。特別図柄プロセス処理では、RAM113の遊技制御フラグ設定部に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS25)。CPU111は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示装置20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御の設定などを可能にする。
さらに、CPU111は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ基板に対して制御コマンドを送信させる(ステップS26)。例えば、コマンド制御処理では、RAM113の遊技制御バッファ設定部に設けられた各種の送信コマンドバッファに送信コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されているときには、その送信コマンドに対応する格納データを読み出す。そして、読出データを入出力ポート115に設けられた所定の出力ポートにセットすることなどにより、サブ基板に対する制御コマンドの送信を制御する。その後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS27)。
続いて、CPU111は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御や特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行う(ステップS28)。この後、所定の賞球処理を実行することにより、各スイッチから入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS29)。そして、ステップS20にて退避したレジスタの内容を復帰させるとともに(ステップS30)、割込みを許可してから(ステップS31)、遊技制御割込み処理を終了する。
図23は、特別図柄プロセス処理として、図22に示すステップS24にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す特別図柄プロセス処理において、CPU111は、RAM113の遊技制御フラグ設定部に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS100〜S106の各処理を実行する。
ステップS100の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理は、RAM113の特図保留記憶部に格納された大当り判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。ステップS101の可変表示開始時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示開始時処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果として停止表示される確定特別図柄を設定する処理や、特別図柄及び飾り図柄の可変表示パターンを決定する処理などを含んでいる。また、可変表示開始時処理では、例えば確定特別図柄に対応した制御データをRAM113の遊技制御バッファ設定部にも受けられた演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して表示結果通知コマンドを出力するための設定を行う。加えて、可変表示開始時処理では、例えば特別図柄及び飾り図柄の可変表示パターンに対応した制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドを出力するための設定を行う。
ステップS102の可変表示制御処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この可変表示制御処理は、RAM113の遊技制御タイマ設定部に設けられた可変表示タイマにおけるタイマ値に基づいて、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける残りの可変表示時間を計測する処理などを含んでいる。ステップS103の可変表示停止時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この可変表示停止時処理では、特別図柄表示装置4にて確定特別図柄を導出表示させて特別図柄の可変表示を終了させる。
ステップS104の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理では、例えば所定の制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して大当り開始コマンドを出力するための設定を行う。また、大入賞口開放前処理は、特別可変入賞球装置7の開閉板により大入賞口を開閉するなどの大当り動作における初期化処理などを含んでいる。ステップS105の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理は、特別可変入賞球装置7の開閉板により大入賞口を開閉するなどの大当り動作に関する様々な処理や、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口における1回あたりの開放時間をチェックする処理などを含んでいる。また、大入賞口開放中処理では、特別可変入賞球装置7による大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば特別図柄プロセスフラグの値を“6”に更新する。ステップS106の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理は、例えば所定の制御データを演出用送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して大当り終了コマンドを出力するための設定を行う処理などを含んでいる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板10から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131が図24のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図24に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU131は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS51)、RAM133のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載された図示せぬCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。ここで、ステップS51の初期化処理では、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出モードフラグをクリアして、その値を“0”に初期化しておく。
次に、CPU131は、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたタイマ割込みフラグを監視して、そのフラグがオンとなったか否かを判定する(ステップS54)。そして、タイマ割込みが発生せずにタイマ割込みフラグがオフである場合には(ステップS54;No)、タイマ割込みが発生するまでループ処理を実行する。他方、タイマ割込みの発生によりタイマ割込みフラグがオンとなった場合には(ステップS54;Yes)、そのフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS55)、主基板11から送信された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行する(ステップS56)。
ステップS56のコマンド解析処理に続いて、CPU131は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS57)。この演出制御プロセス処理では、パチンコ遊技機1における演出動作の進行状況に応じて、画像表示装置5の表示やスピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作などにより各種の演出を実行するための設定が行われる。そして、演出側乱数値更新処理が実行されることにより(ステップS58)、演出制御基板12の側にて乱数回路134等によりカウントされる各種の乱数値が更新される。ステップS58にて演出側乱数値更新処理を実行した後には、ステップS54の処理に戻る。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU131は、自動的に割込み禁止状態に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生した割込みに対応して、CPU131は、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120が備える入出力ポート135に含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板13を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM133の演出制御バッファ設定部に設けられた演出側受信コマンドバッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出側受信コマンドバッファに格納する。その後、CPU131は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
図25は、図24のステップS57にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す演出制御プロセス処理では、例えばRAM133の演出制御フラグ設定部に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS150〜S155の各処理が実行される。
ステップS150の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS151の可変表示制御設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示制御設定処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄が変動表示されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、例えば図12(A)に示すような演出制御パターンテーブル221に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや表示結果の種類に対応するものを選択する処理などを含んでいる。
ステップS152の図柄可変表示中処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この処理において、CPU131は、RAM133の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御タイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどの演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば画像表示装置5の表示制御や、スピーカ8L、8Rの音声出力制御、遊技効果ランプ9の点灯制御などといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了に対応した演出制御データが読み出されると、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値を演出制御タイマに設定する。この後、演出制御タイマのカウントダウン動作を開始するとともに、演出制御プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップS153の大当り開始待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この処理において、CPU131は、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を大当り演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御タイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、演出制御プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS154の大当り演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、CPU131は、例えば画像表示装置5における表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板11から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新する。ステップS155の大当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り終了演出処理は、例えば画像表示装置5に画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図26は、図25のステップS150にて実行される可変表示開始コマンド受信待ち処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示開始コマンド受信待ち処理において、CPU131は、まず、主基板11から送信される可変表示開始コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS201)。
ステップS201にて可変表示開始コマンドの受信がなければ(ステップS201;No)、RAM133の演出制御フラグ設定部に設けられたデモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS202)。ここで、デモ表示中フラグは、後述するステップS205の処理が実行されることによりオン状態にセットされる一方で、ステップS214、S217の処理のいずれかが実行されることによりクリアされてオフ状態となる。
ステップS202にてデモ表示中フラグがオフである場合には(ステップS202;No)、所定のデモ表示待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS203)。ここで、デモ表示待ち時間は、表示結果がハズレとなる飾り図柄の可変表示が終了したタイミングや、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作が完了したタイミングから、デモンストレーション画像からなるデモ画面の表示を画像表示装置5にて開始させるまでの待機時間として予め設定された所定時間である。このとき、デモ表示待ち時間が経過していなければ(ステップS203;No)、そのまま可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
ステップS203にてデモ表示待ち時間が経過した旨の判定がなされた場合には(ステップS203;Yes)、CPU131がVDP141に対して所定の表示制御指令を出力するなどして、デモ画面表示を開始させるための設定を行う(ステップS204)。例えば、CPU131は、CGROM142に記憶されたデモ画面表示用の画像データにおける先頭アドレスを読出アドレスとし、画像表示装置5の画面上における左上端の座標に対応したフレームバッファメモリ156のアドレスを書込アドレスとする固定アドレス指定表示コマンドを作成して、VDP141に対して出力する。こうしたデモ画面表示の開始設定により、画像表示装置5では、例えば図27に示すようなデモ画面の表示が行われ、遊技者に対して操作スイッチ40の操作を促す報知を行うことができる。
ステップS204での設定によりデモ画面表示が開始されることに対応して、デモ表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS205)。また、転送指令処理を実行する(ステップS206)。
図28は、図26のステップS206にて実行される転送表示指令処理の一例を示すフローチャートである。この転送表示指令処理において、CPU131は、まず、例えば演出制御タイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、表示を更新する対象となる画像要素を特定する(ステップS341)。続いて、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS342)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素一時記憶メモリ155における画像要素データの書込及び読出アドレスを特定する(ステップS343)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS344)。さらに、表示対象となる画像要素を示す画像要素データのデータ量を特定する(ステップS345)。その後、ステップS342〜S345にて特定したCGROM142における読出アドレス、画像要素一時記憶メモリ155における書込及び読出アドレス、フレームバッファメモリ156における書込アドレス、画像要素データのデータ量に基づき、転送表示コマンドを作成してVDP141に出力する(ステップS346)。
この後、全ての表示対象となる画像要素についての指令が完了したか否かを判定する(ステップS347)。そして、指令が完了していなければ(ステップS347;No)、ステップS341の処理に戻る。これに対して、全ての更新対象となる画像要素についての指令が完了すれば(ステップS347;Yes)、転送表示指令処理を終了する。
これにより、画像表示装置5におけるデモ画面の表示開始という、遊技の進行状況に対応して予め定められた転送条件が成立したことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155へと転送するよう指令し、更に、画像要素一時記憶メモリ155から読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むよう指令することができる。
再び図26に戻って説明する。ステップS202にてデモ表示中フラグがオンである場合や(ステップS202;Yes)、ステップS206の処理を実行した後には、操作スイッチ40からの検出信号である操作スイッチ信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS207)。ここで、操作スイッチ信号は、操作スイッチ40が所定の操作(例えば押下操作)を検出したときに、オン状態となる。ステップS207にて操作スイッチ信号がオン状態であれば(ステップS207;Yes)、演出モードを切り替えるための設定を行う。すなわち、演出モードフラグの値が“0”となっているか“1”となっているかを判定し(ステップS208)、演出モードフラグの値が“0”であれば(ステップS208;“0”)、“1”に更新する一方(ステップS209)、“1”であれば(ステップS208;“1”)、“0”に更新する(ステップS210)。
ステップS209またはステップS210の処理を実行した後には、転送指令処理を実行する(ステップS211)。ステップS211の処理は、例えば図28に示す処理である。これにより、演出モードの切替によりパチンコ遊技機1における新たな演出動作の態様が決定されたことに対応して、表示頻度が高くなるように設定された画像要素データを、CGROM142から画像要素一時記憶メモリ155へと転送するよう指令し、更に、画像要素一時記憶メモリ155から読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むよう指令することができる。
ステップS207にて操作スイッチ信号がオフ状態である場合や(ステップS207;No)、ステップS211の処理を実行した後には、所定のデモ表示期間が終了したか否かを判定する(ステップS212)。このとき、デモ表示期間が終了していれば(ステップS212;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行うとともに(ステップS213)、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS214)。ステップS213では、例えばCPU131がVDP141に対して、画像表示装置5における表示を初期化させる表示制御指令を送信すればよい。他方、ステップS212にてデモ表示期間が終了していない旨の判定がなされたときには(ステップS212;No)、ステップS213、S214の処理をスキップして可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
また、ステップS201にて可変表示開始コマンドの受信があると判定された場合には(ステップS201;Yes)、デモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS215)。このとき、デモ表示中フラグがオンであれば(ステップS215;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行うとともに(ステップS216)、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS217)。他方、ステップS215にてデモ表示中フラグがオフである場合には(ステップS215;No)、ステップS216、S217の処理をスキップする。この後、演出制御プロセスフラグの値を、可変表示制御設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS218)、可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。
図29は、図25のステップS151にて実行される可変表示制御設定処理の一例を示すフローチャートである。この可変表示制御設定処理において、CPU131は、まず、例えばRAM133に設けられた表示結果格納部の記憶データなどから表示結果の種類を特定し、特定された表示結果の種類は大当りであるかハズレであるかの判定を行う(ステップS241)。
ステップS241にて表示結果の種類が大当りである場合には(ステップS241;Yes)、大当り組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS242)。例えば、ステップS242の処理において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される大当り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている大当り図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて同一となる確定飾り図柄を決定する。
ステップS241にて表示結果の種類が大当りではない場合には(ステップS241;No)、例えばRAM133に設けられた可変表示パターン格納部の記憶データなどから可変表示パターンを特定し、特定された可変表示パターンはリーチパターンであるか否かの判定を行う(ステップS243)。このとき、特定された可変表示パターンがリーチパターンであれば(ステップS243;Yes)、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS244)。
例えば、ステップS244の処理において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される左確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている左確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5における「左」の可変表示部に導出表示する確定飾り図柄である左確定飾り図柄を決定する。また、左確定飾り図柄と同一の図柄番号である飾り図柄を、画像表示装置5における「右」の可変表示部に導出表示する確定飾り図柄である右確定飾り図柄とすることに決定し、左・右の確定飾り図柄とは異なる図柄番号の飾り図柄を、画像表示装置5における「中」の可変表示部に導出表示する確定飾り図柄である中確定飾り図柄に決定する。中確定飾り図柄を決定する処理の具体的な一例として、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される中確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号に対する加算値を特定する。そして、このとき特定された加算値が「0」以外の値であれば、特定した加算値を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することで、中確定飾り図柄を決定する。これに対して、特定された加算値が「0」であるときには、任意の値(例えば「1」)を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することで、中確定飾り図柄を決定する。
ステップS243にて特定された可変表示パターンがリーチパターンではない場合(ステップS243;No)、その可変表示パターンは通常ハズレパターンであるとの判断に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として、通常ハズレ組合せの確定飾り図柄を決定する(ステップS245)。例えば、ステップS245の処理において、CPU131は、演出制御基板12の側にて更新される左確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている左確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄を決定する。また、演出制御基板12の側にて更新される中確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている中確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号に対する加算値を特定する。このとき特定された加算値を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することにより、中確定飾り図柄を決定する。さらに、演出制御基板12の側にて更新される右確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132などに予め格納されている右確定飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号に対する加算値を特定する。このとき特定された加算値を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することにより、右確定飾り図柄を決定する。なお、右確定飾り図柄決定テーブルを参照することにより特定された加算値が「0」であるときには、任意の値(例えば「1」)を左確定飾り図柄の図柄番号に加算することで、右確定飾り図柄を決定すればよい。あるいは、右確定飾り図柄決定テーブルを参照することにより特定される加算値には「0」が含まれないように、右確定飾り図柄決定テーブルを構成するようにしてもよい。例えば、右確定飾り図柄決定テーブルは、右確定飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データと、加算値「1」〜「7」とを対応付ける設定データなどから構成されていればよい。
ステップS242、S244、S245の処理のいずれかを実行した後には、例えば決定した確定飾り図柄を特定可能とするデータをRAM133に設けられた確定飾り図柄記憶部に記憶させることなどにより、確定飾り図柄をセーブする(ステップS246)。続いて、ステップS241と同様に、表示結果の種類が大当りであるかハズレであるかの判定を行う(ステップS247)。そして、大当りであると判定されれば(ステップS247;Yes)、予告実行の有無や、実行する場合における予告演出の態様を決定するためのテーブルとして、図8(B)に示す大当り時予告決定テーブル202を設定する(ステップS248)。これに対して、ハズレであると判定された場合には(ステップS247;No)、予告実行の有無や、実行する場合における予告演出の態様を決定するためのテーブルとして、図8(A)に示すハズレ時予告決定テーブル201を設定する(ステップS249)。
ステップS248、S249の処理のいずれかを実行した後には、乱数回路134等により更新される予告決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する(ステップS250)。そして、ステップS250にて抽出した乱数値SR1に基づき、ステップS248、S249のいずれかにて設定した予告決定テーブルを参照することにより、予告パターンの決定を行う(ステップS251)。
ステップS251の処理を実行した後には、演出制御パターンの決定を行う(ステップS252)。例えば、ステップS252において、CPU131は、RAM133に設けられた可変表示パターン格納部の記憶データなどから特定された可変表示パターンと、RAM133に設けられた表示結果格納部の記憶データなどから特定された表示結果の種類と、ステップS251にて決定した予告パターンとに対応する演出制御パターンを、図12(A)に示すような演出制御パターンテーブル221に格納された複数種類の演出制御パターンのうちから選択して、飾り図柄の可変表示中における演出動作を制御するためのパターンに決定する。このとき、CPU131は、演出モードフラグの値が“0”であるか“1”であるかの判定を行い、“0”である場合には第1の演出モード#1に対応して図12(B)に示す演出制御パターンテーブル221Aを用いて演出制御パターンの選択を行う。これに対して、演出モードフラグの値が“1”である場合には第2の演出モード#2に対応して図12(B)に示す演出制御パターンテーブル221Bを用いて演出制御パターンの選択を行う。そして、演出制御パターンに対応するタイマ初期値を演出制御タイマに設定する(ステップS253)。例えば、ステップS253の処理では、CPU131が図13に示すような演出制御パターンの先頭領域に示される演出制御タイマ設定値を特定し、特定されたタイマ設定値を演出制御タイマにおけるタイマ初期値として設定すればよい。続いて、CPU131は、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御データに基づき、入出力ポート135に含まれる出力ポートから表示制御部121に対して所定の表示制御指令となる制御信号を送出するなどといった、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示を開始させるための設定を行う(ステップS254)。このときには、音制御部122に対して音声制御指令を送出することや、ランプ制御部123に対してランプ制御指令を送出することなどにより、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作や、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作などといった、各種の演出動作の制御も行われる。その後、演出制御プロセスフラグの値を図柄可変表示中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS255)、可変表示制御設定処理を終了する。
図30は、図25のステップS152にて実行される図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。この図柄可変表示中処理において、CPU131は、まず、演出制御タイマにおける値である演出制御タイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS271)。そして、ステップS271にて更新された演出制御タイマ値が、例えば図13に示すような演出制御パターンに含まれる演出制御タイマ判定値#1、#2、…、#nのいずれかと合致するか否かを判定する(ステップS272)。このとき、タイマ判定値のいずれかと合致すれば(ステップS272;Yes)、その合致すると判定された判定値に対応して演出制御パターンに格納されている表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった、各種制御データを読み出す(ステップS273)。そして、ステップS273にて読み出された表示制御データに基づき、画像表示装置5における表示の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS274)。
ステップS274にて表示の更新タイミングであれば(ステップS274;Yes)、所定の転送表示指令処理を実行する(ステップS275)。
図31は、図30のステップS275にて実行される転送表示指令処理の一例を示すフローチャートである。この転送表示指令処理において、CPU131は、演出画像の表示モードを大型表示モードとするか否かを判定する(ステップS361)。ここで大型表示モードは、図19及び図20に示すように連続する3つ記憶領域に記憶された3つの分割画像要素データによって構成される1つの演出画像を表示するモードである。一方、大型表示モードに対立する表示モードである小型表示モードは、図18に示すように1つの画像要素データによって構成される1つの演出画像を表示するモードである。例えば、CPU131は、表示モード決定用の乱数値に基づいて大型表示モードとするか否かを判定してもよく、画像表示装置5に表示モードの選択のための画面を表示させて、遊技者に対して操作スイッチ40の操作を促す報知を行い、その後の遊技者による操作スイッチ40の操作に応じて大型表示モードとするか否かを判定してもよい。
演出画像の表示モードを大型表示モードとする場合(ステップS361;Yes)、CPU131は、例えば演出制御タイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、表示対象となる分割画像要素を特定する(ステップS362)。続いて、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、CGROM142における分割画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS363)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素一時記憶メモリ155における分割画像要素データの書込及び読出アドレスを特定する(ステップS364)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、分割画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ156における分割画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS365)。さらに、表示対象となる分割画像要素を示す分割画像要素データのデータ量を特定する(ステップS366)。その後、ステップS363〜S366にて特定したCGROM142における読出アドレス、画像要素一時記憶メモリ155における書込及び読出アドレス、フレームバッファメモリ156における書込アドレス、画像要素データのデータ量に基づき、転送表示コマンドを作成してVDP141に出力する(ステップS367)。
この後、3つの分割画像要素からなる1の画像要素についての全ての指令が完了したか否かを判定する(ステップS368)。そして、指令が完了していなければ(ステップS368;No)、ステップS362の処理に戻る。
一方、演出画像の表示モードを大型表示モードとしない場合、換言すれば、小型表示モードとする場合(ステップS361;No)、CPU131は、例えば演出制御タイマ値に対応して演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、表示対象となる1の画像要素を特定する(ステップS380)。続いて、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、CGROM142における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS381)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素一時記憶メモリ155における画像要素データの書込及び読出アドレスを特定する(ステップS382)。また、例えば演出制御パターンから読み出した表示制御データなどから、画像要素の表示位置(表示座標)に対応したフレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS383)。さらに、表示対象となる画像要素を示す画像要素データのデータ量を特定する(ステップS384)。その後、ステップS381〜S384にて特定したCGROM142における読出アドレス、画像要素一時記憶メモリ155における書込及び読出アドレス、フレームバッファメモリ156における書込アドレス、画像要素データのデータ量に基づき、転送表示コマンドを作成してVDP141に出力する(ステップS385)。
ステップS368において、3つの分割画像要素からなる1の画像要素についての指令が完了したと判定した場合(ステップS368;Yes)、あるいは、ステップS385において、転送表示コマンドを出力した後、全ての表示対象となる画像要素についての指令が完了したか否かを判定する(ステップS386)。そして、指令が完了していなければ(ステップS386;No)、ステップS361の処理に戻る。これに対して、全ての表示対象となる画像要素についての指令が完了すれば(ステップS386;Yes)、転送表示指令処理を終了する。
これにより、画像表示装置5における演出画像の表示モードが大型表示モードである場合には、その演出画像を構成する3つの分割画像要素データを1つずつCGROM142から画像要素一時記憶メモリ155へと転送するよう指令し、更に、画像要素一時記憶メモリ155から読み出してフレームバッファメモリ156に書き込むよう指令することができる。
再び、図30に戻って説明する。表示の更新タイミングではない場合には(ステップS274;No)、ステップS275の処理をスキップする。続いて、ステップS273での読出データに対応する音声やランプの制御指令を送出する(ステップS276)。
ステップS272にて演出制御タイマ判定値#1、#2、…、#nのいずれとも合致しない旨の判定がなされた場合や(ステップS272;No)、ステップS276の処理を実行した後には、例えばステップS273での読出データが所定の終了コードであるか否かを判定することや、あるいはステップS271にて更新された演出制御タイマ値が所定値(例えば「0」)に達したか否かを判定することなどにより、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップS277)。このとき、可変表示の終了タイミングではなければ(ステップS277;No)、図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS277にて可変表示の終了タイミングであると判定された場合には(ステップS277;Yes)、所定の大当り開始コマンド受信待機用初期値を演出制御タイマに設定し(ステップS282)、演出制御プロセスフラグを大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS283)、図柄可変表示中処理を終了する。
図32は、VDP141が備える転送制御回路152により実行される転送制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図32において、「画像要素データ」とは分割画像要素データをも含む意味で用いている。この転送制御処理において、転送制御回路152は、まず、ホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120から受信した表示制御指令となるコマンドがあるか否かを判定する(ステップS401)。演出制御用マイクロコンピュータ120からの受信コマンドがなければ(ステップS401;No)、ステップS401の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS401にて受信コマンドがある場合には(ステップS401;Yes)、その受信コマンドが転送表示コマンドであるか否かを判定する(ステップS402)。
受信コマンドが転送表示コマンドでなければ(ステップS402;No)、ステップS401の処理に戻る。一方、受信コマンドが転送表示コマンドであれば(ステップS402;Yes)、当該転送表示コマンドに含まれるデータから、CGROM142における画像要素データの読出アドレス、画像要素一時記憶メモリ155における画像要素データの書込アドレス、及び、転送すべき画像要素データのデータ量を特定する(ステップS403)。そして、ステップS403にて特定した画像要素データの読出アドレス、書込アドレス、データ量に基づき、CGROM142から読み出した画像要素データを画像要素一時記憶メモリ155へ転送する(ステップS404)。例えば、転送制御回路152は、所定のDMA装置に、CGROM142の読出アドレス、画像要素一時記憶メモリ155の書込アドレス、転送データ量として画像要素データのデータ量をセットして、DMA転送による画像要素データの転送を指示する。
この後、転送制御回路152は、画像要素データの転送が完了したか否かを判定し(ステップS405)、完了していなければ(ステップS405;No)、ステップS405の処理を繰り返して待機する。他方、例えばDMA装置から所定の転送完了信号が出力されたことなどに基づき、ステップS405にて画像要素データの転送が完了したと判定されれば(ステップS405;Yes)、VDP141が備えるインデックステーブル251に画像要素データの転送完了を登録してから(ステップS406)、ステップS401の処理に戻り、次の受信コマンドがあるか否かを判定する。ステップS406の処理において、転送制御回路152は、画像要素一時記憶メモリ155へと転送された画像要素データを特定可能とする「開始アドレス」、「水平サイズ」などのデータをインデックステーブル251に書き込み、対応する「読出完了フラグ」を「オン」に設定する。また、この転送処理にて画像要素データを転送する場合には、画像要素一時記憶メモリ155における画像要素データの転送先アドレス(書込アドレス)を描画回路154に通知して、描画回路154により画像要素データを読出可能にしてもよい。
図33は、VDP141が備える描画回路154により実行される描画処理の一例を示すフローチャートである。図33の処理は、図32の処理と並行して行われる。なお、図33において、「画像要素データ」とは分割画像要素データをも含む意味で用いている。この描画処理において、描画回路154は、まず、転送表示コマンドに含まれるデータから、画像要素一時記憶メモリ155における画像要素データの読出アドレスを特定する(ステップS511)。続いて、ステップS511にて特定した読出アドレスに基づきインデックステーブル251を参照し、読出対象となる画像要素データと対応付けられた「転送完了フラグ」が「オン」となっているか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて「転送完了フラグ」が「オン」である場合には(ステップS522;Yes)、転送表示コマンドに含まれるデータから、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込アドレスを特定する(ステップS523)。そして、例えばステップS523にて特定した書込アドレスに基づき、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込先が非表示領域となるか否かの判定を行う(ステップS524)。例えば、ステップS524の処理において、描画回路154は、ステップS523にて特定された書込アドレスが、フレームバッファメモリ156にて画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに割り当てられたアドレスと合致するか否かを判定し、合致する場合には、書込先が非表示領域になると判断する。
ステップS524にて書込先が非表示領域ではないと判定された場合には(ステップS524;No)、ステップS521にて特定した読出アドレスから画像要素データを読み出し、ステップS523にて特定した書込アドレスに書き込む(ステップS525)。こうしてステップS525にてフレームバッファメモリ156に画像要素データが書き込まれることにより、表示用データの作成が行われることになる。
ステップS524にて書込先が非表示領域であると判定された場合には(ステップS524;Yes)、ステップS525の処理をスキップする。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ120からの固定アドレス指定表示コマンドを受信していても、フレームバッファメモリ156における画像要素データの書込先が画像表示装置5の画面上における非表示領域5Bに対応した書込位置となる場合には、描画回路154により画像要素データが画像要素一時記憶メモリ155から読み出されてフレームバッファメモリ156に書き込まれることが、制限される。
この後、フレームバッファメモリ156に画像要素データを書き込むことによる描画(表示用データの作成)が完了したか否かを判定し(ステップS526)、描画が完了していなければ(ステップS526;No)、ステップS526の処理を繰り返し実行して待機する。一方、描画が完了していれば(ステップS526;Yes)、描画に用いた画像要素データと対応付けてインデックステーブル251に登録された「転送完了フラグ」をクリアして「オフ」とした後(ステップS527)、描画制御処理を終了する。
また、ステップS522にて「転送完了フラグ」が「オフ」である場合には(ステップS522;No)、所定の転送完了待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS528)。このとき、転送完了待ち時間が経過していなければ(ステップS528;No)、ステップS528の処理に戻って待機する。これに対して、ステップS528にて転送完了待ち時間が経過した場合には(ステップS528;Yes)、例えばホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータ120に対して所定のエラー情報を送信することなどにより、エラーが発生した旨を通知してから(ステップS529)、描画制御処理を終了する。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、演出制御用マイクロコンピュータ120内のCPU131は、画像表示装置5に表示させる演出画像を決定し、その決定した演出画像を画像表示装置5に表示させるために転送表示コマンドを表示制御部121へ出力する。表示制御部121は、転送表示コマンドに基づいて演出画像を画像表示装置5に夜演出画像の表示を制御する。ここで、表示制御部121内の転送制御回路152は、転送表示コマンドに基づいて、CGROM142に記憶された画像要素データを読み出して画像要素一時記憶メモリ155に記憶する転送処理を行い、転送処理の終了後に、表示制御部121内の描画回路154は、画像要素一時記憶メモリ155に記憶された画像要素データを読み出してフレームバッファメモリ156に記憶させる描画処理(表示用データの生成)を実行し、表示制御部121内の表示回路157は、フレームバッファメモリ156に記憶された表示用データから生成した走査信号を画像表示装置5へ出力することで演出画像を表示させる。
このような演出画像の表示処理において、CPU131が複数の転送表示コマンドを出力する場合、描画回路154が一の転送表示コマンドに基づく描画処理を実行する間に、この描画処理と並行して、転送制御回路152は、次の転送表示コマンドに基づく転送処理を実行する。
また、対応する画像要素データのデータ量及び画素数が小型表示モードの演出画像よりも多い大型表示モードの演出画像については、その演出画像に対応する一の画像要素データを分割した複数の分割画像要素データがCGROM142に記憶され、CPU131は、分割画像要素データ毎に転送表示コマンドを出力する。従って、分割画像要素データ単位に転送処理及び描画処理が行われ、更には、一の分割画像要素データに基づく描画処理を実行中に次の分割画像要素データの転送処理が並行して実行されることになる。このため、一の画像要素データのデータ量や対応する画像の画素数が多い場合でも、その画像要素データに基づく画像表示における転送から描画までの時間を短縮することができる。
例えば、従来は、図34(A)に示すように、一の画像要素データに基づく画像表示における転送から描画までの時間は、一の画像要素データをCGROM142から画像要素一時記憶メモリ155へ転送する処理が終了してから当該一の画像要素データを画像要素一時記憶メモリ155から読み出してフレームバッファメモリ156に書き込む描画処理を行うため、時間を要していた。これに対し、本実施形態では、図34(B)に示すように、大型表示モードの演出画像に対応する一の画像要素データを分割した分割画像要素データ単位に転送処理及び描画処理が行われる。具体的には、一の分割画像要素データをCGROM142から画像要素一時記憶メモリ155へ転送する処理が終了してから当該一の画像要素データを画像要素一時記憶メモリ155から読み出してフレームバッファメモリ156に書き込む描画処理を行うが、この描画処理と並行して、次の分割画像要素データをCGROM142から画像要素一時記憶メモリ155へ転送する処理を行うことができる。このため、一の画像要素データに基づく画像表示における転送から描画までの時間を短縮することができる。
また、データ量及び画素数が多い大型表示モードの演出画像については表示の際の転送及び描画に時間を要する可能性が高いことに鑑み、画像要素データを分割の対象とすることで、適切に画像要素データを分割して、転送から描画までの時間を短縮するとともに、その時間を画像要素データ間で安定させることができる。
また、大型表示モードの演出画像に対応する分割画像要素データと、小型表示モードの演出画像に対応する画像要素データとは、データ量及び対応する画像の画素数が同一である。データ量が同一とすることにより、分割画像要素データ及び画像要素データをCGROM142から読み出す際に記憶領域において所定アドレス毎に読み出し位置が存在することになり、転送表示コマンドの生成の際等において、CGROM142の読出アドレスの特定が容易になり、転送に伴う処理を簡略化できる。また、画素数を同一とすることにより、フレームバッファメモリ156において所定アドレス毎に描画開始位置(書き込み位置)が存在することになり、転送表示コマンドの生成の際等において、フレームバッファメモリ156の書込アドレスの特定が容易になり、描画に伴う処理を簡略化できる。
また、図19及び図20に示すように、大型表示モードにおける1つの演出画像に対応する複数の分割画像要素データは、CGROM142において、連続する3つ記憶領域に記憶される。このため、転送の際のCGROM142からの読み出しにおいて読出ヘッドの位置を複雑に移動させること等が不要となり、読み出しの簡略化、更には時間短縮が可能となる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更及び応用が可能である。上記実施の形態では、大型表示モードに対応する各分割画像要素データと、小型表示モードに対応する各画像要素データとは、全てデータ量及び対応する画像の画素数が同一であるものとして説明したが、データ量及び画素数や、画像要素データの分割の態様は、これに限定されない。
例えば、画像要素データを分割して得られる分割画像要素データの数は3つに限定されず、画像要素データのデータ量及び対応する画像の画素数の少なくとも何れかに応じて、当該画像要素データを分割して得られる分割画像要素データの数が異なるようにしてもよく、より具体的には、データ量及び画素数が多いほど、分割画像要素データの数が多くなるようにしてもよい。これにより、適切に画像要素データを分割して、転送から描画までの時間を短縮するとともに、その時間を画像要素データ間で安定させることができる。
また、大型表示モードに対応する各分割画像要素データ間で、データ量及び対応する画像の画素数が異なっていてもよく、更には、大型表示モードに対応する分割画像要素データと小型表示モードに対応する画像要素データとは、データ量及び対応する画像の画素数と一致していなくてもよい。
また、上記実施形態では、画像要素データはデータ圧縮等は施されていないものとして説明したが、データ圧縮等によりデータ量と対応する画像の画素数とが比例していない画像要素データについても同様に本発明を適用することができる。この場合、分割画像要素データ間でデータ量を同一にすることにより、上述したように、分割画像要素データをCGROM142から読み出す際に記憶領域において所定アドレス毎に読み出し位置が存在することになり、転送表示コマンドの生成の際等において、CGROM142の読出アドレスの特定が容易になり、転送に伴う処理を簡略化できる。また、画素数を同一とすることにより、上述したように、フレームバッファメモリ156において所定アドレス毎に描画開始位置(書き込み位置)が存在することになり、転送表示コマンドの生成の際等において、フレームバッファメモリ156の書込アドレスの特定が容易になり、描画に伴う処理を簡略化できる。
また、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120内のCPU131が、各種演出動作の制御内容を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
例えば、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100内のCPU111が、転送表示コマンドを演出制御基板12に向けて伝送し、演出制御基板12内の演出制御用CPU131は、当該転送表示コマンドをVDP141に出力するようにしてもよい。
上記実施形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ120に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータ120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機等の他の遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。また、パチンコ遊技機1以外のスロットマシン等の他の遊技機にも同様に本発明を適用することができる。