JP2016103017A - Led照明カバー用光拡散体及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】出射光に含まれる300〜500nmの波長領域の光を低減することができ、屋外の果樹園、花木畑、菜園、食品工場等で使用される低誘虫照明装置や、半導体素子工場、特に感光性材料を扱う半導体素子工場内で使用される工場照明装置として好適なLED照明装置、及びそのLED照明装置の照明カバーとして用いられるLED照明カバー用光拡散体を提供する。【解決手段】LED照明カバー用光拡散体は、基材樹脂と、光拡散剤と、300〜500nmの波長領域の光の少なくとも一部をカットする色素とを含む。LED照明装置は、前記LED照明カバー用光拡散体を備える。【選択図】なし

Description

本発明は、LED(発光ダイオード)光源を備えるLED照明(例えば、LED電球(電球型LED照明)、直管型LED照明、LEDデスクスタンド(LEDデスクスタンドライト)、LEDシーリングライト等)を囲むLED照明カバーに使用され、LED光源からの光を拡散させるLED照明カバー用光拡散体及びその用途(LED照明装置)に関するものである。
近年、照明分野では、電力料金の高騰により、省電力化など効率化が求められており、急速にLED光源を使用した照明装置(LED照明装置)が普及している。
LED光源は指向性が強いため、LED光源を備えるLED照明には、眩しさの低減などの目的で、LED光源を囲むLED照明カバーとして、LED光源からの光を拡散させる光拡散機能を有する半透明のLED照明カバー用光拡散体が用いられている。
従来、LED照明カバー用光拡散体としては、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂等の透明な熱可塑性樹脂に対して、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子等の透明無機粒子、又は架橋アクリル系樹脂粒子、架橋アクリル−スチレン共重合体粒子、ポリスチレン系粒子等の透明樹脂粒子が配合されたLED照明カバー用光拡散体が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2010−277702号公報
昆虫は、一般に300〜500nmの範囲の波長領域の光を出射する光源に向かって進む走光性という習性を有するため、昆虫が、その波長領域の光を出射するLED照明装置に誘引されることがある。屋内、特に食品工場内においては、LED照明装置に誘引された昆虫は、非衛生的である。近年、照明装置に誘引される昆虫を低減するために、昆虫を誘引しにくい低誘虫性を有する照明装置(低誘虫照明装置)が求められるようになっている。また、感光性材料を扱う半導体素子工場に使用される工場照明装置には、感光性材料が感光しやすい500nm以下の波長の光の出射を抑制することが要求される。
本願発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、出射光に含まれる300〜500nmの波長領域の光を低減することができ、屋外の果樹園、花木畑、菜園、食品工場等で使用される低誘虫照明装置や、半導体素子工場、特に感光性材料を扱う半導体素子工場内で使用される工場照明装置として好適なLED照明装置、及びそのLED照明装置の照明カバーとして用いられるLED照明カバー用光拡散体を提供することにある。
本発明のLED照明カバー用光拡散体は、前記の課題を解決するために、基材樹脂と、光拡散剤と、300〜500nmの波長領域の光の少なくとも一部をカットする色素とを含むことを特徴としている。
本発明のLED照明カバー用光拡散体は、300〜500nmの波長領域の光の少なくとも一部をカットする色素を含んでいるので、LED照明装置に使用したときに、LED照明装置からの出射光に含まれる300〜500nmの波長領域の光を低減することができる。したがって、本発明のLED照明カバー用光拡散体は、屋外の果樹園、花木畑、菜園、食品工場等で使用される低誘虫照明装置や、半導体素子工場、特に感光性材料を扱う半導体素子工場内で使用される工場照明装置(LED照明装置)のLED照明カバーに用いられるLED照明カバー用光拡散体として好適である。
また、本発明のLED照明カバー用光拡散体は、光拡散剤を含むので、LED光源からの光を拡散させることができ、その結果として、LED照明装置に使用したときに、LED光源(例えばLEDチップ)の粒感を低減又は消失させると共に眩しさを低減させたLED照明装置を実現することができる。
本発明のLED照明装置は、前記の課題を解決するために、前記の本発明のLED照明カバー用光拡散体を備えることを特徴としている。
本発明のLED照明装置は、前記の本発明のLED照明カバー用光拡散体を備えるので、出射光に含まれる300〜500nmの波長領域の光を低減することができる。したがって、本発明のLED照明装置は、屋外の果樹園、花木畑、菜園、食品工場等で使用される低誘虫照明装置や、半導体素子工場、特に感光性材料を扱う半導体素子工場内で使用される工場照明装置として好適である。
また、本発明のLED照明装置は、前記の本発明のLED照明カバー用光拡散体を備えるので、LED光源(例えばLEDチップ)の粒感を低減又は消失させると共に眩しさを低減させることができる。
本発明によれば、出射光に含まれる300〜500nmの波長領域の光を低減することができ、屋外の果樹園、花木畑、菜園、食品工場等で使用される低誘虫照明装置や、半導体素子工場、特に感光性材料を扱う半導体素子工場内で使用される工場照明装置として好適なLED照明装置、及びそのLED照明装置の照明カバーとして用いられるLED照明カバー用光拡散体を提供できる。
実施例1で得られたLED照明カバー用光拡散体について測定された分光透過率を示すグラフである。 実施例1で得られた円筒形状のLED照明カバー用光拡散体を示す斜視図である。 LED照明カバー用光拡散体の透過光強度を、自動変角光度計を用いて測定した例を示すグラフである。 実施例2のLED照明装置を用いた場合における2夜灯火後の粘着シートへの捕虫状況を撮像した写真である。 比較例1のLED照明装置を用いた場合における2夜灯火後の粘着シートへの捕虫状況を撮像した写真である。 市販の蛍光灯を用いた場合における2夜灯火後の粘着シートへの捕虫状況を撮像した写真である。 実施例1及び比較例1のLED照明装置について測定された分光放射照度を示すグラフである。 LEDチップの色温度が互いに異なる実施例2、6、及び7のLED照明装置について測定された分光放射照度を示すグラフである。 図8のグラフの一部を拡大して示す図である。 LEDチップの色温度が互いに異なる比較例1、3、及び4のLED照明装置について測定された分光放射照度を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔LED照明カバー用光拡散体〕
本発明のLED照明カバー用光拡散体は、基材樹脂と、光拡散剤と、300〜500nmの波長領域の光の少なくとも一部をカットする色素とを含むものである。
本発明のLED照明カバー用光拡散体は、厚さ1mmの板状体に成形されたときに、波長300〜500nmの平均光透過率が5%以下であり、かつ波長600〜800nmの平均光透過率が20%以上70%以下であることが好ましい。厚さ1mmの板状体に成形されたときに、波長300〜500nmの平均光透過率が5%以下であることで、300〜500nmの波長領域の光をより効果的に低減することができる。厚さ1mmの板状体に成形されたときに、波長600〜800nmの平均光透過率が20%以上であることで、前記LED照明カバー用光拡散体の光透過性を良好にすることができる。厚さ1mmの板状体に成形されたときに、波長600〜800nmの平均光透過率が70%以下であることで、LEDチップが目立ちにくくなる。また、本発明のLED照明カバー用光拡散体は、300〜800nmの波長領域における光透過率のピークの波長が600〜800nmの範囲内であることが好ましい。
本発明のLED照明カバー用光拡散体は、前記LED照明カバー用光拡散体に対してその法線方向から光を当てたときに、光透過率が直進光透過率の50%になる透過角として定義される分散度が40°以上であることが好ましい。これにより、前記LED照明カバー用光拡散体の光拡散性をより高めることができる。
前記LED照明カバー用光拡散体は、本発明の効果を発現する条件であれば、その形状及び厚みに特に制限はないが、0.5〜3mmの範囲内の厚みを有する光拡散板(板状のLED照明カバー用光拡散体)であることが好ましい。LED照明装置の軽量化が望まれていることから、前記光拡散板の厚み(板厚)は0.7〜2mmの範囲内であることがより好ましい。
前記LED照明カバー用光拡散体の大きさ及び形状は、特に制限されず、例えば、LED電球、直管型LED照明、LEDデスクスタンド、LEDシーリングライト等のLED照明装置の発光部(LED照明カバー以外の部分)の大きさ及び形状に合わせればよい。
前記LED照明カバー用光拡散体は、蛍光管型LED照明装置に使用される円筒形状又は部分円筒形状のLED照明カバー用光拡散体であってもよく、電球形状のLED照明カバー用光拡散体であってもよい。
なお、電球形状のLED照明カバー用光拡散体とは、シェードと組み合わせて使用される半球形状のLED照明カバー用光拡散体、裸電球として用いられる洋梨形状のLED照明カバー用光拡散体、シャンデリア電球として用いられる蝋燭の炎の形に類似した形状のLED照明カバー用光拡散体、又はこれらに類似の形状のLED照明カバー用光拡散体である。
また、円筒形状又は部分円筒形状のLED照明カバー用光拡散体とは、円柱形状のLED照明装置をLED照明装置本体と共に構成する円筒形状のLED照明カバー用光拡散体、円柱形状のLED照明装置を半円筒形状のLED照明装置本体と共に構成する半円筒形状のLED照明カバー用光拡散体などである。
〔色素〕
前記色素は、300〜500nmの波長領域の光の少なくとも一部をカットする特性を有するものであるものであればよいが、紫外可視吸収スペクトル(波長300〜800nmの紫外可視吸収スペクトル)の最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素を含んでいることが好ましい。これにより、300〜500nmの波長領域の光をより効果的に低減することができる。
前記色素の紫外可視吸収スペクトルは、以下の測定方法を用いて測定できる。前記色素が可溶な溶媒100重量部に対して前記色素を0.001重量部添加して、前記色素を前記溶媒に溶解させ、色素の溶液を得る。得られた色素の溶液について、分光光度計(商品名「日立分光光度計U−3900」、株式会社日立ハイテクノロジーズ)にて波長300〜800nmの紫外可視吸収スペクトルの測定を行う。なお、前記色素の溶液の測定を行う前に、色素の溶解に用いた溶媒について前記分光光度計にて波長300〜800nmの紫外可視吸収スペクトルの測定を行うことによりベースラインを構築する。
前記色素としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー93、「OIL YELLOW 186」、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) YELLOW 4120」)等の黄色色素;C.I.ソルベントオレンジ60、C.I.ソルベントオレンジ80、C.I.ソルベントオレンジ45(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3108」)、C.I.ソルベントオレンジ62、C.I.ソルベントオレンジ54(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) ORANGE 3210」)、C.I.ソルベントイエロー151(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3170」)、C.I.アシッドイエロー42(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) YELLOW 1101」)、C.I.ピグメントイエロー74(例えば、山陽色素株式会社製の「Fast Yellow 7416」)等のオレンジ色色素;「NAZ24」(商品名)(山田化学工業株式会社製)、「DAA51」(商品名)(山田化学工業株式会社製)等が挙げられる。前記顔料としては、例えば、有機顔料としては、ベンジジン エロー(Pigment Yellow 14)等のアゾ顔料、多環顔料等が挙げられる。これら色素は、1種を用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記色素の量は、前記基材樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部の範囲内であることが好ましい。前記色素の量が前記基材樹脂100重量部に対して0.01重量部未満であると、前記LED照明カバー用光拡散体による300〜500nmの波長領域の光の低減効果が不十分となるおそれがある。前記色素の量が前記基材樹脂100重量部に対して2重量部を超えると、前記LED照明カバー用光拡散体の黄色の濃度が高くなりすぎて、前記LED照明カバー用光拡散体の光透過性を十分なレベルに維持できなくなるおそれがある。
〔光拡散剤〕
前記光拡散剤としては、透明粒子が好適である。前記透明粒子は、光透過性を有する粒子であればよい。前記透明粒子は、均一な屈折率を有する粒子(例えば、単一の材質からなる粒子や、同一の屈折率を有するコア及びシェルからなるコア・シェル型粒子)であってもよいし、屈折率が異なる複数の部分から構成される粒子(例えば、異なる屈折率を有するコア及びシェルからなるコア・シェル型粒子)であってもよい。
前記透明粒子の体積平均粒子径は、0.3〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.5〜5μmの範囲内であることがより好ましい。前記透明粒子の体積平均粒子径を0.3μm以上とすることで、前記LED照明カバー用光拡散体の光拡散性をより高めることができる。また、前記透明粒子の体積平均粒子径を10μm以下にすることで、前記LED照明カバー用光拡散体の光透過性を良好にすることができる。
また、前記透明粒子の粒子径の変動係数は、30%以下であることが好ましい。前記透明粒子の粒子径の変動係数が30%を超えると、LED照明カバー用光拡散体に良好な光拡散性を発現させるための粒子径の範囲内に収まる透明粒子の数が少なくなり、良好な光拡散性のLED照明カバー用光拡散体を得にくくなる。
前記光拡散剤の材質(透明粒子を構成する物質)としては、例えば、架橋(メタ)アクリル系樹脂、架橋スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、これらの共重合体等の合成樹脂;シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機物等が挙げられる。これらの材質のうち、合成樹脂が好適であり、架橋(メタ)アクリル系樹脂、架橋スチレン系樹脂、及びこれらの共重合体(架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合体)、並びにシリコーン系樹脂がさらに好適であり、シリコーン系樹脂が最も好適である。すなわち、前記光拡散剤は、シリコーン系樹脂粒子を含むことが好ましい。前記光拡散剤がシリコーン系樹脂粒子を含む場合、前記光拡散剤が(メタ)アクリル−スチレン共重合体粒子をさらに含むことが好ましい。これにより、特に前記基材樹脂がポリカーボネート系樹脂である場合に、前記基材樹脂との屈折率差が少ない(メタ)アクリル−スチレン共重合体粒子を光拡散剤として併用することで、適度な光拡散性をLED照明カバー用光拡散体に付与してLEDチップによる粒光感を消し、かつ、光拡散剤の添加によるLED照明カバー用光拡散体の光透過率の低下を抑制できる。これら透明粒子は、1種のみを用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」はメタクリル又はアクリルを意味するものとする。また、「(メタ)アクリル−スチレン共重合体」とは、単官能(メタ)アクリル系単量体と単官能スチレン系単量体とを含む単量体混合物の重合体を意味するものとする。
前記光拡散剤が、架橋(メタ)アクリル系樹脂、架橋スチレン系樹脂、これらの共重合体等のような、架橋性単量体(2つ以上のエチレン性不飽和を有する化合物)を含むビニル系単量体(少なくとも1つのエチレン性不飽和を有する化合物)の重合体からなる場合、前記重合体は、架橋性単量体に由来する構造単位を、1〜50重量%含むことが好ましく、5〜30重量%含むことがより好ましい。前記の範囲である場合、光拡散剤中に高いレベルで3次元的な網目構造を構築することができ、その結果、光拡散性により優れたLED照明カバー用光拡散体を実現できる。
前記架橋性単量体としては、例えば、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系多官能単量体;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびこれらの誘導体である芳香族ビニル系多官能単量体が挙げられる。これら架橋性単量体は2種以上を組み合わせて用いることもできる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はメタクリレート又はアクリレートを意味するものとする。
前記架橋(メタ)アクリル系樹脂は、単官能(メタ)アクリル系単量体を含んでいる。上記単官能(メタ)アクリル系単量体としては、1つのアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。これら単官能(メタ)アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記スチレン系樹脂は、単官能スチレン系単量体を含んでいる。上記単官能スチレン系単量体としては、1つのエチレン性不飽和基を有するスチレン類であれば特に限定されるものではなく、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。これら単官能スチレン系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、架橋(メタ)アクリル系樹脂及び架橋スチレン系樹脂の共重合体は、上記単官能(メタ)アクリル系単量体及び上記単官能スチレン系単量体を含んでいる。
前記光拡散剤の屈折率は、前記基材樹脂の屈折率と異なっていればよいが、前記基材樹脂の屈折率との屈折率差が0.01〜0.2の範囲内であることが好ましく、前記基材樹脂の屈折率との屈折率差が0.02〜0.1の範囲内であることがより好ましい。
前記透明粒子の形状は、特に限定されるものではないが、球状であることが好ましい。
前記光拡散剤は、LED照明カバー用光拡散体全体にわたって均一に基材樹脂中に分散させてもよく、基材樹脂の入光面側及び/又は出光面側に光拡散剤の層として設けてもよい。
前記LED照明カバー用光拡散体における光拡散剤の含有量は、本発明の効果を発現する条件であれば特に限定されないが、0.5〜5.0重量%の範囲内であることが好ましい。光拡散剤の添加量を0.5重量%以上にすることで、前記LED照明カバー用光拡散体の光拡散性をより高めることができる。また、光拡散剤の含有量を5.0重量%以下にすることで、前記LED照明カバー用光拡散体の光透過性を良好にすることができる。
〔基材樹脂〕
前記基材樹脂は、照明を実現できる程度の光透過性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリカーボネート系樹脂;アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニルの単独重合体又は共重合体、塩化ビニルの単独重合体又は共重合体、塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂;アクリル樹脂(ポリアクリル酸エステル)及びその共重合樹脂、メタクリル樹脂(ポリメタクリル酸エステル)及びその共重合樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタラート樹脂(以下「PET樹脂」と略記する)等の線状ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中では、透明性、耐熱性、衝撃強度の観点から、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、PET樹脂が好ましく、それらの中でも、耐熱性及び耐衝撃性に優れるポリカーボネート系樹脂が特に好ましい。
本発明のLED照明カバー用光拡散体の成形方法は、特に限定されないが、Tダイ押出成形によるシート成形、異形押出成形による円筒形状又は部分円筒形状への成形、射出成形やインジェクションブロー成形による電球形状への成形、シート状に成形した後で真空成形や圧空成形により円盤形状に成形する方法などが挙げられる。
〔LED照明装置〕
本発明のLED照明装置は、前記の本発明のLED照明カバー用光拡散体を備えている。本発明のLED照明装置は、500nmより波長が長い領域に分光放射照度のピークを有することが好ましい。これにより、波長の短い360nm〜500nmの分光放射照度の積算値を低減でき、波長の短い光に寄り易い虫(例えば蛾)の誘引をさらに低減することができる。
本発明のLED照明装置は、電源を入れ発光させ分光放射照度を測定したときに、波長360nm〜780nmの分光放射照度の積算値をA、波長360nm〜500nmの分光放射照度の積算値をBとすると、B/Aの値が、1/10以下であることが好ましく、1/15以下であることがより好ましく、1/17であることがさらに好ましく、1/100以下であることが最も好ましい。このように波長の短い360nm〜500nmの分光放射照度の積算値を十分に小さくすることで、波長の短い光に寄り易い虫(例えば蛾)の誘引をさらに低減することができる。本発明のLED照明装置は、500nmより波長が長い領域に分光放射照度のピークを有し、かつ、B/Aの値が上記範囲内であることが特に好ましい。
本発明のLED照明装置は、色温度が4000K以下であるLEDチップを備えることが好ましく、色温度が3500〜4000KであるLEDチップを備えることがより好ましい。これにより、LED照明装置を発光させたときの波長360nm〜500nmの分光放射照度の積算値をさらに低減でき、波長の短い光に寄り易い虫(例えば蛾)の誘引をさらに低減することができる。
〔害虫防除用のLED照明装置及びそのLED照明カバーに用いられるLED照明カバー用光拡散体〕
本発明のLED照明カバー用光拡散体及びLED照明装置は、蛾等の害虫の誘引を防止する効果を有するので、害虫防除用LED照明装置のLED照明カバーに用いられるLED照明カバー用光拡散体及び害虫防除用のLED照明装置としても好適である。
害虫防除用のLED照明装置及びそのLED照明カバーに用いられるLED照明カバー用光拡散体は、例えば、屋外の果樹園(例えば、リンゴ、カキ、ナシ、モモ、イチゴ、メロン、ブドウ等の果樹の果樹園)、花木畑(例えば、トルコギキョウ、バラ、カーネーション等の花木類の花木畑)、菜園(例えば、トマト、なす、ピーマン、キャベツ、レタス、ねぎ、おおば、さつまいも等の野菜の菜園)、茶畑、スイートコーン畑、芝生等で使用できる。本発明のLED照明カバー用光拡散体及びLED照明装置を屋外の果樹園、花木畑、菜園等で使用することで、害虫防除のための農薬散布の回数を低減でき、低農薬栽培が可能となる。本発明のLED照明カバー用光拡散体及びLED照明装置は、波長300nm〜500nmの光を好む害虫、例えばヤガ類(吸ガ類(アケビコノハ、アカエグリバなど)、ハスモンヨトウ、オオタバコガ、シロイチモジヨトウ、ベニキノメイガ、コクロヒメハマキ、チャノホソガ、チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、アワノメイガ、スジキリヨトウなど)やカメムシ類などの行動(飛来、果実の吸汁、産卵、交尾など)を抑制することによって、害虫の侵入や繁殖を抑制することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、以下の実施例及び比較例における、透明粒子の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数の測定方法、LED照明カバー用光拡散体の光透過率及び分散度(D50)の測定方法、並びにLED照明装置の分光放射照度の測定方法を説明する。
〔透明粒子の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数の測定方法〕
光拡散剤として使用した透明粒子の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数の測定は、以下のようにしてコールター法により行った。
透明粒子の体積平均粒子径は、コールターMultisizerTM 3(ベックマン・コールター株式会社製測定装置)により測定する。測定は、ベックマン・コールター株式会社発行のMultisizerTM 3ユーザーズマニュアルに従って校正されたアパチャーを用いて実施するものとする。
なお、測定に用いるアパチャーは、測定する透明粒子の大きさによって、適宜選択する。Current(アパチャー電流)及びGain(ゲイン)は、選択したアパチャーのサイズによって、適宜設定する。例えば、50μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−800、Gain(ゲイン)は4と設定する。
測定用試料としては、透明粒子0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10m1中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)及び超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア製、「ULTRASONICCLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、透明粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。透明粒子の体積平均粒子径は、10万個の粒子の体積基準の粒度分布における算術平均である。
透明粒子の粒子径の変動係数(CV値)を、以下の数式によって算出する。
透明粒子の粒子径の変動係数=(透明粒子の体積基準の粒度分布の標準偏差
÷透明粒子の体積平均粒子径)×100
〔LED照明カバー用光拡散体の光透過率の測定方法〕
まず、平板状のLED照明カバー用光拡散体を50mm×25mmの平面サイズに切り出して、測定試料とした。次いで、測定試料を、気温20℃、相対湿度65%に設定した恒温恒湿室に1時間以上静置することによって状態調整した後、測定試料の分光光度測定を行う。
気温20℃、相対湿度65%に設定した恒温恒湿室内で、積分球を装着した紫外可視光分光光度計(UV−VISIBLE SPECTROPHOTOMETER)(株式会社島津製作所製、型番「UV−2450」)に前記測定試料をセットして300nm〜800nmの分光透過率を測定する。具体的には、まず、前記紫外可視光分光光度計に対して、前記紫外可視光分光光度計に付属のフィルムホルダをセットする。次に、前記紫外可視光分光光度計により波長300nm〜800nmの分光透過率を測定し、500nmの透過光強度が100%となるように前記紫外可視光分光光度計を補正する。次に、前記フィルムホルダに前記測定試料をセットし、波長300nm〜800nmの分光透過率を測定する。
また、波長300〜500nmの1nmステップの各波長で測定した光透過率の数値の全てを合計し、波長300〜500nmのステップ数(合計した数値の個数に相当)で割ることにより、波長300〜500nmの平均光透過率を算出した。同様に、波長600〜800nmの1nmステップの各波長で測定した光透過率の数値の全てを合計し、波長600〜800nmのステップ数(合計した数値の個数に相当)で割ることにより、波長600〜800nmの平均光透過率を算出した。また、波長300〜800nmの1nmステップの各波長で測定した光透過率が最大値となるときの波長を、300〜800nmの波長領域における光透過率のピークの波長とした。
測定条件及び紫外可視光分光光度計のパラメーター(装置パラメーター)は、以下の通りとする。
(測定条件)
・測定波長範囲:300nm〜800nm
・スキャンスピード:中速
・サンプリングピッチ:1nm
・測定モード:シングル
(装置パラメーター)
・測光値:透過
・スリット巾:2.0mm
・光源切替波長:360nm
・S/R切替:標準
〔LED照明カバー用光拡散体の分散度(D50)の測定方法〕
LED照明カバー用光拡散体表面に対してその法線方向から光を当てたときに、光透過率が直進光透過率の50%になる透過角として定義されるLED照明カバー用光拡散体の分散度(D50)は、自動変角光度計(株式会社村上色彩技術研究所製「ゴニオフォトメータGP−200」)を用いて以下の手順で求める。
自動変角光度計の光源からの直進光を、光源から75cmの距離に設置した平板状のLED照明カバー用光拡散体に対してLED照明カバー用光拡散体表面の法線方向から当てる。LED照明カバー用光拡散体を透過した光の強度を可動式受光器にて受光角度を変化させながら測定する。測定された強度を透過率に換算し、LED照明カバー用光拡散体表面の法線方向に対する受光方向の角度(透過角)に対応させて透過率をグラフにプロットする。このグラフから、光透過率がLED照明カバー用光拡散体表面の法線方向の光の透過率(直進光透過率;透過角が0度のときの光透過率)の50%になるところの角度(透過角)を求める。この角度(透過角)を分散度(D50)と称する。この分散度(D50)の単位は「°(度)」である。また、分散度(D50)は、大きいほど光拡散性に優れていることを意味する。
図3は、LED照明カバー用光拡散体の透過光強度を、自動変角光度計を用いて測定した例である。縦軸は透過光強度の相対値で、この値が50%時のグラフのプロット点から垂線を引き、横軸との交点を求める。この横軸の値は角度(°)であり、分散度(D50)と呼ぶ。この図3に示す測定結果では、分散度(D50)は57.3°となる。なお、分散度(D50)は、横軸の原点0°の左右2つの値(透過光強度が50%のときの角度の値)の絶対値の相加平均とする。
〔LED照明装置の分光放射照度及びその積算値の測定方法〕
LED照明装置の分光放射照度は、以下のようにして測定した。気温25度に設定した暗室内にLED照明装置を設置し、LED照明装置の電源を入れ、20分間発光させた後、LED照明装置の発光部直下1mの位置で、分光放射照度計(型番「CL−500A」、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、以下の測定条件で分光放射照度、波長360〜780nmの分光放射強度の積算値、及び波長360〜500nmの分光放射強度の積算値を測定した。
(分光放射照度及び波長360〜780nmの分光放射強度の積算値の測定条件)
測定波長範囲:360nm〜780nm
サンプリングピッチ:1nm
(波長360〜500nmの分光放射強度の積算値の測定条件)
測定波長範囲:360nm〜500nm
サンプリングピッチ:1nm
〔LEDチップの色温度の測定方法〕
分光放射照度計(型番「CL−500A」、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、JIS Z 8724-1997規定の分光測色方法により光源の分光分布を測定して光源色の三刺激値X,Y,Z又は色度座標x,yを求め、JIS Z 8725-1997規定の計算式により光源色の三刺激値X,Y,Z又は色度座標x,yから色温度(相関色温度)を求めた。
〔実施例1〕
光拡散剤としての透明粒子の1種であるシリコーン系樹脂粒子(アイカ工業株式会社製、商品名「ガンツパール(登録商標)SI−020」、体積平均粒子径2.1μm、粒子径の変動係数26.6%)0.8重量部と、色素としての後述する混合物全体に対して200重量ppmのC.I.ソルベントイエロー93及び後述する混合物全体に対して500重量ppmのC.I.ソルベントオレンジ60と、基材樹脂としてのポリカーボネート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社、商品名「ユーピロン(登録商標)S2000UR」)100重量部とをそれぞれ計量し、ヘンシェルミキサーで15分間混合して、混合物を得た。この混合物を単軸型押出し機(株式会社星プラスチック製、型番「R50」)を用いて温度250〜280℃、吐出量10〜25kg/hの条件で押出し、水冷後にペレタイザーでカットしてLED照明カバー用光拡散体を得た。
次いで、得られたペレット状のLED照明カバー用光拡散体を、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製、型番「FNX140」)を用いて、温度300℃の条件で射出成形することにより、光拡散剤の含有量が0.8重量%で、厚み1mm、平面サイズ50mm×50mmの平板(プレート)状のLED照明カバー用光拡散体(板状体)を製造した。
得られた平板状のLED照明カバー用光拡散体について、波長300nm〜800nmの分光透過率を測定した結果を図1に示す。得られた平板状のLED照明カバー用光拡散体は、波長300〜500nmの平均光透過率が0.70%であり、波長600〜800nmの平均光透過率が56.8%であり、300〜800nmの波長領域における光透過率のピークの波長が789nmであった。また、得られた平板状のLED照明カバー用光拡散体は、分散度(D50)が46.8°であった。
上記のペレット状のLED照明カバー用光拡散体を用いて、図2に示す円筒形状のLED照明カバー用光拡散体(厚み1mm)を押出成形法により作製した。市販の40W型直管型LED照明装置(株式会社エレバム製、型番「FWK40NSMSP5−72V」、LEDチップの色温度が、カタログ値で5000Kであり、前記測定方法による実測値で5100Kであるもの)の本体(カバーを除いた部分)に前記円筒形状のLED照明カバー用光拡散体を取り付けて、LED照明装置を作製した。
本実施例のLED照明装置は、目視確認の結果、LEDチップの粒感がなく均一に発光していた。
また、本実施例のLED照明カバー用光拡散体は、波長300〜500nmの平均光透過率が5%以下であるため、屋外の果樹園、花木畑、菜園、食品工場等で使用される低誘虫照明装置や、半導体素子工場、特に感光性材料を扱う半導体素子工場内で使用される工場照明装置に用いられるLED照明カバー用光拡散体として好適である。
〔実施例2〕
光拡散剤として、シリコーン系樹脂粒子(「ガンツパール(登録商標)SI−020」)0.8重量部に代えて、シリコーン系樹脂粒子(「ガンツパール(登録商標)SI−020」)0.65重量部、及び透明粒子である架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合体粒子(メタクリル酸メチル40重量%とスチレン50重量%とジビニルベンゼン10重量%とからなる単量体混合物の重合体、体積平均粒子径5.2μm、粒子径の変動係数35.6%、屈折率1.555)0.5重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてLED照明カバー用光拡散体(板状体)を製造した。
得られた平板状のLED照明カバー用光拡散体は、波長300〜500nmの平均透過率が0.78%、波長600〜800nmの平均透過率が61.2%、分散度(D50)が41.2°であった。また、本実施例で得られたLED照明カバー用光拡散体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてLED照明装置を作製し、目視したところ、LEDチップの粒感は無く、十分な明るさを有していた。
〔実施例3〕
架橋(メタ)アクリル−スチレン共重合体粒子の量を0.5重量部から1.0重量部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、LED照明カバー用光拡散体(板状体)を製造した。
得られた平板状のLED照明カバー用光拡散体は、波長300〜500nmの平均透過率が0.75%、波長600〜800nmの平均透過率が60.3%、分散度(D50)が42.5°であった。また、本実施例で得られたLED照明カバー用光拡散体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてLED照明装置を作製し、目視したところ、LEDチップの粒感は無く、十分な明るさを有していた。
〔実施例4〕
光拡散剤としてのシリコーン系樹脂粒子(「ガンツパール(登録商標)SI−020」)の量を0.8重量部から0.4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてLED照明カバー用光拡散体(板状体)を製造した。
得られた平板状のLED照明カバー用光拡散体は、波長300〜500nmの平均透過率が0.85%、波長600〜800nmの平均透過率が78.1%、分散度(D50)が16.3°であった。また、本実施例で得られたLED照明カバー用光拡散体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてLED照明装置を作製し、目視したところ、LEDチップの粒感がぼんやりと確認され、実施例1〜3と比較して光拡散性が低かった。
〔実施例5〕
光拡散剤としてのシリコーン系樹脂粒子(「ガンツパール(登録商標)SI−020」)の量を0.8重量部から0.5重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にしてLED照明カバー用光拡散体(板状体)を製造した。
得られた平板状のLED照明カバー用光拡散体は、波長300〜500nmの平均透過率が0.82%、波長600〜800nmの平均透過率が72.3%、分散度(D50)が36.1°であった。また、本実施例で得られたLED照明カバー用光拡散体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてLED照明装置を作製し、目視したところ、LEDチップの粒感がぼんやりと確認され、実施例1〜3と比較して光拡散性が低かった。
〔比較例1〕
色素を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、平板状のLED照明カバー用光拡散体及びLED照明装置を作製した。
得られた平板状のLED照明カバー用光拡散体は、分散度(D50)が40°以上であり、光拡散性を実質的に有するものの、波長300〜500nmの平均光透過率が5%を超えるため、低誘虫効果を持たなかった。
〔比較例2〕
光拡散剤を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、平板状のLED照明カバー用光拡散体及びLED照明装置を作製した。
得られた平板状のLED照明カバー用光拡散体は、波長300〜500nmの平均光透過率が5%以下であり、低誘虫効果を有するものの、分散度(D50)が2°以下であり、光拡散性を実質的に有さず、LED照明装置の点光源(LEDチップ)が視認された。
〔低誘虫性の評価〕
実施例1〜5及び比較例1・2のLED照明装置、並びに比較対象としての市販の蛍光灯(直管形、昼光色、東芝ライテック株式会社製、型番「FL40S・D」)のそれぞれについて、LED照明装置又は蛍光灯の後方に粘着シートを設置し、屋外で夜間(2夜)LED照明装置又は蛍光灯を灯火させた後、粘着シートに付着した虫を目視で観察した。実施例2のLED照明装置、比較例1のLED照明装置、及び市販の蛍光灯を用いた場合における2夜灯火後の粘着シートへの捕虫状況をそれぞれ図4、図5、及び図6に示す。
図4及び図5から分かるように、実施例2のLED照明装置を用いた場合には、比較例1のLED照明装置を用いた場合と比べて捕虫数が少なく、特に蛾の捕虫がほとんど見られなかった。また、図4及び図6から分かるように、実施例2のLED照明装置を用いた場合には、市販の蛍光灯を用いた場合と比べて、捕虫数が顕著に少なかった。
実施例1〜5及び比較例1・2の評価結果を表1にまとめて示す。
表1に示す光拡散性の評価基準は、以下の通りである。
◎:LEDチップによる粒光感が確認されない。
△:LEDチップによる粒光感がぼんやりと確認される。
×:LEDチップの粒光感がはっきりと確認される。
表1に示す低誘虫性の評価基準は、以下の通りである。
◎:昼光色蛍光灯と比べ捕虫数が少なく、かつ蛾の捕虫がほとんどない。
△:昼光色蛍光灯と比べて捕虫数が少ないが、蛾が捕虫される。
×:昼光色蛍光灯での捕虫数と同等、蛾の捕中もある。
表1に示す総合評価の評価基準は、以下の通りである。
◎:光拡散性及び低誘虫性の両方が◎である。
○:光拡散性が△、かつ低誘虫性が◎である。
△:光拡散性が◎又は△、かつ低誘虫性が△である。
×:光拡散性及び低誘虫性の少なくとも一方が×である。
表1に示す実施例1の評価結果と実施例2及び3の評価結果との比較から、本発明のLED照明カバー用光拡散体において、光拡散剤としてシリコーン系樹脂粒子と(メタ)アクリル−スチレン共重合体粒子とを併用することで、光拡散剤としてシリコーン系樹脂粒子のみを使用した場合と比較して、分散度40°以上の優れた光拡散性を維持しながら光透過率を向上させることができることが分かる。
また、表1に示す実施例1〜3の評価結果と実施例4及び5の評価結果との比較から、本発明のLED照明カバー用光拡散体において、波長600〜800nmの平均光透過率を20%以上70%以下とすることで、波長600〜800nmの平均光透過率が70%超である場合と比較して光拡散性を向上させることができることが分かる。
〔分光放射照度の測定〕
実施例1及び比較例1のLED照明装置について、波長360〜780nmの分光放射照度を測定した。測定結果を図7に示す。図7より、実施例1のLED照明装置では、比較例1のLED照明装置と比較して、波長360〜500nmの放射照度を大きく低減できることが分かる。
〔実施例6〕
実施例2で使用した、LEDチップの色温度がカタログ値で5000Kである市販の直管型LED照明装置の本体に代えて、LEDチップの色温度が、カタログ値で4000Kであり、前記測定方法による実測値で3941Kである市販の直管型LED照明装置の本体を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてLED照明装置を作製した。
〔実施例7〕
実施例2で使用した、LEDチップの色温度がカタログ値で5000Kである市販の直管型LED照明装置の本体に代えて、LEDチップの色温度がカタログ値で3500Kであり、前記測定方法による実測値で3486Kである市販の直管型LED照明装置の本体を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてLED照明装置を作製した。
〔比較例3〕
比較例1で使用した、LEDチップの色温度がカタログ値で5000Kである市販の直管型LED照明装置の本体に代えて、実施例6で使用した、LEDチップの色温度がカタログ値で4000Kである市販の直管型LED照明装置の本体を用いたこと以外は、比較例1と同様にしてLED照明装置を作製した。
〔比較例4〕
比較例1で使用した、LEDチップの色温度がカタログ値で5000Kである市販の直管型LED照明装置の本体に代えて、実施例7で使用した、LEDチップの色温度がカタログ値で3500Kである市販の直管型LED照明装置の本体を用いたこと以外は、比較例1と同様にしてLED照明装置を作製した。
〔分光放射照度の測定〕
実施例2・6・7及び比較例1・3・4のLED照明装置について、波長360〜780nmの分光放射照度、波長360〜780nmの分光放射強度の積算値(A)、及び波長360〜500nmの分光放射強度の積算値(B)を測定し、B/Aの値を算出した。測定結果を図8〜10及び表2に示す。図8〜10より、実施例2・6・7のLED照明装置では、比較例1・3・4のLED照明装置と比較して、波長360〜500nmの放射照度を大きく低減できることが分かる。
図8〜10及び表2より、実施例2・6・7のLED照明装置は、500nmより波長が長い領域に分光放射照度のピークを有し、かつ波長360〜500nmの分光放射強度の積算値が、波長360nm〜780nmの分光放射強度の積算値に対し1/10以下(かつ1/100以下)であるのに対し、比較例1・3・4のLED照明装置は、500nmより波長が短い領域に分光放射照度のピークを有し、かつ波長360〜500nmの分光放射強度の積算値が、波長360nm〜780nmの分光放射強度の積算値に対し1/10超であることが分かる。実施例2のLED照明装置は、波長の短い360nm〜500nmの分光放射照度の積算値が十分に小さいために、波長の短い光に寄り易い虫(特に蛾)の誘引を低減することができたのに対し、比較例1のLED照明装置は、波長の短い360nm〜500nmの分光放射照度の積算値が大きいために、波長の短い光に寄り易い虫(特に蛾)の誘引を低減することができなかったものと考えられる。
図8・9及び表2より、LEDチップの色温度を4000K以下とすることで、波長の短い360nm〜500nmの分光放射照度の積算値をより小さくすることができ、特に波長450nmのピークを小さくすることができることが分かる。したがって、LEDチップの色温度を4000K以下とすることで、波長の短い光に寄り易い虫(例えば蛾)の誘引をさらに低減することができると考えられる。

Claims (12)

  1. 基材樹脂と、光拡散剤と、300〜500nmの波長領域の光の少なくとも一部をカットする色素とを含むことを特徴とするLED照明カバー用光拡散体。
  2. 請求項1に記載のLED照明カバー用光拡散体であって、
    前記LED照明カバー用光拡散体が厚さ1mmの板状体に成形されたときに、波長300〜500nmの平均光透過率が5%以下であり、かつ波長600〜800nmの平均光透過率が20%以上70%以下であることを特徴とするLED照明カバー用光拡散体。
  3. 請求項1又は2に記載のLED照明カバー用光拡散体であって、
    前記光拡散剤が、シリコーン系樹脂粒子を含むことを特徴とするLED照明カバー用光拡散体。
  4. 請求項3に記載のLED照明カバー用光拡散体であって、
    前記光拡散剤が、(メタ)アクリル−スチレン共重合体粒子をさらに含むことを特徴とするLED照明カバー用光拡散体。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のLED照明カバー用光拡散体であって、
    前記基材樹脂が、ポリカーボネート系樹脂であることを特徴とするLED照明カバー用光拡散体。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のLED照明カバー用光拡散体であって、
    半導体素子工場内のLED照明装置のLED照明カバーに用いられることを特徴とするLED照明カバー用光拡散体。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載のLED照明カバー用光拡散体であって、
    低誘虫LED照明装置のLED照明カバーに用いられることを特徴とするLED照明カバー用光拡散体。
  8. 請求項1〜5の何れか1項に記載のLED照明カバー用光拡散体であって、
    害虫防除用LED照明装置のLED照明カバーに用いられることを特徴とするLED照明カバー用光拡散体。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載のLED照明カバー用光拡散体を備えることを特徴とするLED照明装置。
  10. 請求項9に記載のLED照明装置であって、
    波長360〜500nmの分光放射強度の積算値が、波長360nm〜780nmの分光放射強度の積算値に対し1/10以下であることを特徴とするLED照明装置。
  11. 請求項9又は10に記載のLED照明装置であって、
    色温度が4000K以下であるLEDチップを備えることを特徴とするLED照明装置。
  12. 請求項9〜11の何れか1項に記載のLED照明装置であって、
    害虫防除用であることを特徴とするLED照明装置。
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