JP2016102745A - レーダ送信装置およびレーダ受信装置 - Google Patents

レーダ送信装置およびレーダ受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度にターゲットを検出できるレーダ送信装置を提供すること。【解決手段】レーダ送信装置200は、レーダ信号を送信するレーダ送信装置200と、レーダ信号のエコー信号を受信して所定の周期を用いた信号処理によりターゲットを検出するレーダ受信装置300と、を含むレーダ装置100におけるレーダ送信装置であって、複数の送信系統に対応した複数の信号を生成する符号生成部210、送信時間制御部220、および直交符号化部230(信号生成部)と、生成された信号を変調する変調部240と、変調された信号に対して、所定の周期の整数倍であって、かつ、複数の送信系統の間で異なる、所定の周波数シフト量での周波数シフトを与える周波数シフト部250と、所定の周波数シフトが与えられた信号を、レーダ信号として送信する無線送信部260と、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、レーダ送信装置およびレーダ受信装置に関する。
従来、レーダ装置のMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)化に関する様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のレーダ装置(以下「従来技術」という)は、複数の送信アンテナから放射される送信信号のうち基準信号以外の信号に対して、ドップラ帯域幅より大きいドップラシフト量を与える。そして、従来技術は、各送信信号の反射波を複数の受信アンテナのそれぞれを用いて受信し、信号成分をドップラ周波数軸上において分離して解析することにより、送信パルスを反射したターゲットの位置または相対速度(ドップラ周波数)を推定する。
これにより、従来技術は、複数の送信アンテナの配置と複数の受信アンテナの配置とを畳み込んだ仮想的なアンテナ配置を構成して、分解能の高いターゲット検出ができる。
特開2014−119344号公報
しかしながら、従来技術では、複数の送信系統間の信号の干渉(隣接チャネル間干渉)により、ターゲット検出の精度が低下するという課題を有する。
本開示の目的は、高精度にターゲットを検出できるレーダ送信装置およびレーダ受信装置を提供することである。
本開示のレーダ送信装置は、レーダ信号を送信するレーダ送信装置と、前記レーダ信号のエコー信号を受信して所定の周期を用いた信号処理によりターゲットを検出するレーダ受信装置と、を含むレーダ装置における前記レーダ送信装置であって、複数の送信系統に対応した複数の信号を生成する信号生成部と、生成された前記信号を変調する変調部と、変調された前記信号に対して、前記所定の周期の整数倍であって、かつ、前記複数の送信系統の間で異なる、所定の周波数シフト量での周波数シフトを与える周波数シフト部と、前記所定の周波数シフトが与えられた前記信号を、前記レーダ信号として送信する無線送信部と、を有する。
本開示のレーダ受信装置は、上記レーダ受信装置であって、少なくとも1つの受信系統によって前記エコー信号を受信する無線受信部と、受信された前記エコー信号からドップラ成分を抽出するエコー信号処理部と、抽出されたドップラ成分に基づいて前記ターゲットを検出する到来方向推定部と、を有し、前記エコー信号処理部は、前記エコー信号を復調し、前記復調結果をドップラ解析し、前記ドップラ解析の結果から前記周波数シフト量毎に対応する部分を抽出することにより、前記送信系統と前記受信系統との組み合わせ毎のドップラ成分を抽出する。
本開示のレーダ受信装置は、上記レーダ受信装置であって、少なくとも1つ以上の受信系統において前記エコー信号を受信する無線受信部と、受信された前記エコー信号からドップラ成分を抽出するエコー信号処理部と、抽出されたドップラ成分に基づいて前記ターゲットを検出する到来方向推定部と、を有し、前記エコー信号処理部は、前記周波数シフト量毎に、前記エコー信号を、前記周波数シフト量とは絶対値が同一であって、逆極性の周波数シフトを与え、前記周波数シフト後のエコー信号を復調し、前記復調信号に対してドップラ解析し、前記送信系統と前記受信系統との組み合わせ毎のドップラ成分を抽出する。
本開示によれば、高精度にターゲットを検出できる。
本開示の一実施の形態に係るレーダ装置の構成の一例を示す図 本実施の形態における周波数シフト部の構成の一例を示す図 本実施の形態における無線送信部の構成の一例を示す図 本実施の形態における相関部の構成の一例を示す図 本実施の形態における相関器群の構成の一例を示す図 本実施の形態におけるコヒレント加算部の構成の一例を示す図 本実施の形態におけるドップラ解析部の構成の一例を示す図 本実施の形態における送信時間制御処理の一例を示す図 本実施の形態における直交符号化処理の一例を示す図 本実施の形態における直交符号化処理の他の例を示す図 本実施の形態における直交符号周期に基づく周波数シフト処理の一例を示す図 本実施の形態における各レーダ信号の周波数スペクトルの一例を示す図 本実施の形態におけるコヒレント加算の基準タイミングの一例を示す図 本実施の形態におけるコヒレント加算結果の出力タイミングの一例を示す図 本実施の形態におけるインタリーブの様子の一例を示す図 本実施の形態における距離−ドップラマップのデータ構成の一例を示す図 本実施の形態におけるドップラ解析結果の一例を示す図 本実施の形態に係るレーダ装置の動作の一例を示す図 本実施の形態におけるコヒレント加算周期に基づく周波数シフトの様子の一例を示す図 本実施の形態におけるドップラ解析周期に基づく周波数シフトの様子の一例を示す図 本実施の形態における相補符号周期に基づく周波数シフトの様子の一例を示す図 本実施の形態における送信繰り返し周期によって離散化された周波数シフト成分の一例を示す図 本実施の形態における相補符号周期によって離散化された周波数シフト成分の一例を示す図 本実施の形態における直交符号周期によって離散化された周波数シフト成分の一例を示す図 本実施の形態におけるコヒレント加算周期によって離散化された周波数シフト成分の一例を示す図 本実施の形態に係るレーダ装置の構成の他の例を示す図 本実施の形態における周波数シフト復調部の構成の一例を示す図 本実施の形態における復調器群の構成の一例を示す図 本実施の形態における距離−ドップラマップの構成の他の例を示す図 本実施の形態におけるドップラスペクトルの一例を示す図 本実施の形態におけるコヒレント加算回数増加によるドップラスペクトルの一例を示す図 本実施の形態における各送信系統への周波数シフト量の割り当て方の他の第1の例を示す図 本実施の形態における各送信系統への周波数シフト量の割り当て方の他の第2の例を示す図 本実施の形態における送信タイミングオフセット量の割り当て方の他の例を示す図
以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<レーダ装置の構成>
まず、本実施の形態にかかるレーダ送信装置およびレーダ受信装置を含むレーダ装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るレーダ装置の構成の一例を示す図である。
図1において、レーダ装置100は、第1〜第Nの送信系統を用いてレーダ信号を出力するレーダ送信装置200と、第1〜第Mの受信系統を用いてレーダ信号のエコー信号を受信するレーダ受信装置300と、を有する。これらの系統は、例えば、N個の送信アンテナおよびM個の受信アンテナに対応する。
まず、レーダ送信装置200の構成について説明する。レーダ送信装置200は、符号生成部210と、送信時間制御部220と、直交符号化部230と、変調部240と、周波数シフト部250と、無線送信部260と、を有する。なお、符号生成部210、送信時間制御部220、および直交符号化部230は、本開示の信号生成部に対応する。
符号生成部210は、第1〜第Nの送信系統に対応するパルス圧縮符号を生成し、生成されたパルス圧縮符号を、一定の時間間隔毎に出力する。パルス圧縮符号としては、例えば、PN(Pseudo Noise)符号、M系列、Golay符号、Spano符号を採用できる。同一の送信系統について繰り返し出力される複数のパルス圧縮符号は、同一であってもよいし異なっていてもよい。また、第1〜第Nの送信系統に対応して出力されるN個のパス圧縮符号は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
送信時間制御部220は、第1〜第Nの送信系統のそれぞれについて、符号生成部210から出力された各パルス圧縮符号を、後段へ送り出すタイミングを制御する。すなわち、送信時間制御部220は、第1〜第Nの送信系統に対応する各レーダ信号が、レーダ送信装置200から出力させるタイミングを制御する。なお、送信時間制御の詳細については、後述する。
直交符号化部230は、第1〜第Nの送信系統のそれぞれについて、送信時間制御部220から送り出されたパルス圧縮符号に対して直交符号を重畳(superimpose)し、直交符号が重畳されたパルス圧縮符号を出力する。直交符号としては、例えば、Walsh符号を採用できる。但し、直交符号化部230は、第1〜第Nの送信系統において送信系統毎に異なる直交符号系列を用いる。なお、かかる直交符号化の詳細については、後述する。
変調部240は、第1〜第Nの送信系統のそれぞれについて、直交符号化部230から出力された信号(直交符号が重畳されたパルス圧縮符号、系列)を変調し、変調信号として出力する。変調方式は、例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)を採用できる。
周波数シフト部250は、第1〜第Nの送信系統のそれぞれについて、変調部240から出力された変調信号に対し、周波数シフトを与え、周波数シフトが与えられた変調信号を出力する。但し、かかる周波数シフトの大きさ(以下「周波数シフト量」という)は、例えば、元の信号(直交符号が重畳されたパルス圧縮符号)の生成に用いられた直交符号周期に基づいて決定され、かつ、第1〜第Nの送信系統において送信系統毎に異なる周波数シフト量である。
図2は、周波数シフト部250の構成の一例を示す図である。
図2において、周波数制御部250は、周波数制御部251と、第1〜第Nの送信系統に対応する第1〜第Nの乗算器252−1〜252−Nと、を有する。
周波数制御部251には、第1〜第Nの送信系統の変調信号に与える第1〜第Nの周波数シフト量fd1〜fdNが、予め設定されている。第1〜第Nの周波数シフト量fd1〜fdNは、レーダ装置100において用いられ、相補符号周期、直交符号周期、コヒレント加算周期、およびドップラ解析周期のうち少なくとも1つに基づいて決定された周波数である。
第1〜第Nの乗算器252−1〜252−Nには、それぞれ、第1〜第Nの送信系統に対応する第1〜第Nの変調信号が入力される。周波数制御部251は、第1〜第Nの周波数シフト量fd1〜fdNの周波数の信号を、対応する系統の乗算器252に出力する。第nの乗算器252−nは、第nの変調信号を、第nの周波数シフト量fdnによって、アップコンバートする。周波数制御部250は、第1〜第Nの変調信号に対し、第1〜第Nの周波数シフト量fd1〜fdNを与える。なお、相補符号周期、直交符号周期、コヒレント加算周期、およびドップラ解析周期の詳細については、後述する。
図1の無線送信部260は、例えば、周波数シフト部250からの出力信号を無線信号に変換し、第1〜第Nの送信系統のそれぞれに接続されたN個の送信アンテナ(図示を省略)を用いて、レーダ信号として送信する。なお、無線信号への変換において用いられる局部発振信号の周波数fcは、第1〜第Nの送信系統のそれぞれに対して同一である。
第1〜第Nの送信系統によって占有される送信時間帯が重複しない各送信系統の送信タイミングオフセット量Tofst,nが設定されている場合、無線送信部260の無線送信回路は、1系統によって実装できる。
図3は、無線送信部260の構成の一例を示す図である。
図3において、無線送信部260は、ブランチ選択部261と、無線送信回路262と、アンテナ選択部263と、を有する。
ブランチ選択部261は、周波数シフト部250から出力されるN系統の信号のうち、各送信系統の符号系列を送信するタイミング毎に、対応する送信系統の信号を選択する。
無線送信回路262は、ブランチ選択部261から出力された1系統の信号に対して無線送信のための信号処理(アップコンバート、増幅)を行う。
アンテナ選択部263、無線送信回路262から出力された1系統の無線信号を、第1〜第Nの送信アンテナ264−1〜264−Nのうち、送信タイミングに応じて各送信アンテナ264から送信する。なお、レーダ信号の周波数スペクトルの詳細については、後述する。
図1のレーダ受信装置300の構成について説明する。レーダ受信装置300は、無線受信部310と、相関部320と、コヒレント加算部330と、ドップラ解析部340と、到来方向推定部350と、を有する。なお、相関部320、コヒレント加算部330、およびドップラ解析部340は、本開示のエコー信号処理部に対応する。
無線受信部310は、例えばM個の受信アンテナ(図示を省略)を用いて、エコー信号を、第1〜第M系統のそれぞれにおいて受信する。エコー信号は、レーダ送信装置200から送信されたレーダ信号がターゲット(目標物)によって反射された信号である。そして、無線受信部310は、受信したエコー信号を無線周波数帯からベースバンド帯へと変換した受信信号を出力する。なお、無線周波数帯からベースバンド帯への変換において用いられる局部発振信号の周波数fcは、第1〜第Mの受信系統のそれぞれに対して同一である。また、第1〜第Mの受信系統に対応する受信信号は、それぞれ、第1〜第Mの受信信号である。
相関部320は、無線受信部310から出力された第1〜第Mの受信信号に対し、直交化符号化部230が第1〜第Nの送信系統の信号の符号化に用いた符号化系列を相関係数として用いて、相互相関を演算する。
図4は、相関部320の構成の一例を示す図である。
図4において、相関部320は、相関係数生成部321と、第1〜第Mの相関器群322−1〜322−Mと、を有する。
相関係数生成部321は、符号生成部210から出力される符号と、直交符号化部230が直交符号化に用いた符号系列とが入力され、第1〜第Mの受信信号について相関係数を決定する。例えば、任意の送信繰り返し周期内において、符号生成部210から出力される符号は、c(n,t)、直交符号化部230が重畳する直交符号ビットをoc(n,t)である。相関係数生成部321は、相関係数を、c(n,t)×oc(n,t)によって算出される値を出力する。すなわち、相関係数生成部321は、任意の送信繰り返し周期毎に、第1〜第Nの送信系統に対応する第1〜第Nの相関係数を出力する。
第1〜第Mの相関器群322−1〜322−Mは、第1〜第Mの受信信号が入力される。第mの相関器群322−m(mは、1〜Mの任意の整数)は、受信部310から出力される第mの受信信号が入力される。そして、第mの相関器群322−mは、相関係数生成部321から出力されるN個の相関係数を入力し、第mの受信信号とN個の相関係数のそれぞれとの相関を演算する。
図5は、第mの相関器群322−mの構成の一例を示す図である。
図5において、第mの相関器群322−mは、第1〜第Nの送信系統に対応した第m−1〜第m−Nの相関器323−m−1〜323−m−Nを有する。各相関器323−mは、第mの受信信号と、第1〜第Nの相関係数のうち対応する相関係数とが入力され、相互相関を演算し、相関信号を出力する。すなわち、第mの相関器群322−mは、第1〜第Nの送信系統のそれぞれと第mの受信系統との間の信号の伝搬路を推定している。
すなわち、図1の相関部320は、第1〜第Mの受信信号のそれぞれに対し、第1〜第Nの送信系統との相互相関を演算するため、M×N系統の相関信号を出力する。
コヒレント加算部330は、受信SNR(Signal-to-Noise Ratio)を向上するため、相関部320から入力されるM×N系統の相関信号のそれぞれに対し、コヒレント加算を演算する。コヒレント加算演算は、相関信号からパルス圧縮符号の送信間隔(送信繰り返し周期)に相当する成分を抽出し、タイミングを合わせて繰り返し加算する処理である。パルス圧縮符号は、上述の通り一定の時間間隔毎に繰り返し送信されるため、一定の間隔に相当する相関出力を抽出して加算する。
図6は、コヒレント加算部330の構成の一例を示す図である。なお、コヒレント加算部330には、M×N系統の相関信号に対応して、図6に示すブロックがM×N個配置される。第m−n(nは1〜Nの任意の整数)の相関信号に関するブロックを図示および説明する。
図6において、コヒレント加算部330は、コヒレント加算タイミング補正部331と、加算器332と、メモリ333と、を有する。
コヒレント加算タイミング補正部331は、レーダ送信装置200の送信時間制御部220によって制御している送信タイミングに従って、コヒレント加算の基準タイミングを決定する。コヒレント加算タイミング補正部331は、決定したタイミングにおいて、第m−nの相関信号(第mの受信系統と第nの送信系統との組み合わせについての相関信号)を後段へと出力する。
加算器332およびメモリ333を含む累積加算回路は、コヒレント加算タイミング補正部331からの出力を累積加算し、第m−nのコヒレント加算結果を出力する。
コヒレント加算部330は、基準タイミングから送信繰り返し周期Ts毎に相関信号を抽出し、抽出したNca個分の信号部分を加算する。抽出した相関信号をコヒレント加算する回数がNca回である場合、送信繰り返し周期TsがNca回繰り返される周期を、コヒレント加算周期Tcaと定義する。
コヒレント加算部330は、M×N系統のコヒレント加算結果を出力する。なお、コヒレント加算の詳細については、後述する。
ドップラ解析部340は、M×N系統のそれぞれについて、コヒレント加算部330から入力されるコヒレント加算結果に対してドップラ周波数を解析する。移動するターゲットによるエコー信号(反射波)の周波数帯は、ドップラ周波数シフトを伴う。このため、ドップラ解析部340は、フーリエ変換を用いてドップラ周波数を解析する。
ドップラ解析部340は、レーダ装置100からターゲットまでの距離刻み毎にフーリエ変換を実施し、距離−ドップラマップを出力する。距離−ドップラマップは、例えば、横軸をドップラ周波数とし縦軸を距離とする2次元のデータである。距離刻みΔRは、受信デジタルサンプリングレートfsによって、以下の式(1)によって定まる。cは光速である。
ΔR=c/(2×fs) ・・・(1)
図7は、ドップラ解析部340の構成の一部を示す図である。なお、ドップラ解析部340は、M×N系統のコヒレント加算結果に対応して、図7に示すブロックがM×N個配置されている。ここでは、第m−nのコヒレント加算結果に関するブロックを図示および説明する。
図7において、ドップラ解析部340は、インタリーブ部341と、フーリエ変換部342と、ドップラスペクトル抽出部343と、を有する。
インタリーブ部341は、第m−nのコヒレント加算結果を、インタリーブする。フーリエ変換部342は、インタリーブされた第m−nのコヒレント加算結果をフーリエ変換し、距離−ドップラマップを出力する。ドップラスペクトル抽出部343は、距離−ドップラマップから、所望のドップラ周波数に相当する部分(ドップラスペクトル)を抽出する。なお、インタリーブ、フーリエ変換、およびドップラスペクトル抽出の詳細については、後述する。
ドップラ解析部340全体としては、M×N系統の距離−ドップラマップを出力する。
図1の到来方向推定部350は、ドップラ解析部340から入力されるM×N系統の距離−ドップラマップを用いて、レーダ装置100からターゲットまでの到来方向を推定する。到来方向推定部350は、距離−角度(到来方向)−ドップラマップを出力する。到来方向推定の手法としては、Capon法またはMUSICアルゴリズムを採用できる。
M×N系統の距離−ドップラマップはそれぞれ、N個の送信アンテナとM個の受信アンテナとの組み合わせから得られるデータである。したがって、系統の異なる距離−ドップラマップの間には、互いに異なる位相成分が含まれる。到来方向推定部350は、異なる位相成分から位相差を求め、到来方向推定を実施する。
送信時間制御、直交符号化、周波数シフト量、レーダ信号の周波数スペクトル、コヒレント加算の基準タイミング、インタリーブ、およびドップラスペクトル抽出について、詳細に説明する。
<送信時間制御について>
図8は、送信時間制御部220による送信時間制御処理の一例を示す図である。図8において、横軸は時間を示す。
符号生成部210は、第1〜第Nの送信系統の符号系列411−1〜411−Nそれぞれを、一定の時間間隔毎に繰り返し出力する。繰り返し周期を、送信繰り返し周期Ts(上述の一定の間隔に相当)と定義する。また、各送信系統から出力する符号411の送信に要する時間は、送信時間Tcodeである。第nの送信系統におけるスキャン開始時刻T0からの時間は、送信タイミングオフセット量Tofst,nである。
送信時間制御部220は、第1〜第Nの送信系統において、送信系統毎に、送信タイミングオフセット量Tofst,nが異なる、つまり、送信開始タイミングがずれた各符号の送信タイミングを設定する。なお、送信時間制御部220は、送信タイミングオフセット量Tofst,nと送信時間Tcodeとを加算した時間が、送信繰り返し周期Ts以下である値を、送信タイミングオフセット量Tofst,nとして設定する。
レーダ装置100は、送信する信号を時間的に分散させ、送信ピークパワー対平均電力比(Peak-to-Average Power Ratio、以下「PAPR」と表す)を低減できる。
歪みなく出力可能なピーク電力には、上限がある。従って、従来のレーダ装置は、PAPRが大きい場合、平均電力を下げる必要がある。このように、大きいPAPRは、平均受信SNR劣化の原因である。本開示のレーダ装置100は、PAPR低減により、平均電力を相対的に上げ、平均受信SNRを増大できる。レーダ装置100は、PAPR低減により、受信側において必要なダイナミックレンジを狭くでき、装置を簡易化できる。
なお、送信時間制御部220は、更に、第1〜第Nの送信系統が占有する送信時間帯の重複を回避するために、図8に示す各符号の送信タイミングに設定することが望ましい。図8におけるレーダ装置100は、PAPRを最も低減できる。
<直交符号化について>
図9は、直交符号化部230における直交符号化処理の一例を示す図である。図9において、横軸は時間を示す。
直交符号化部230は、例えば、Nocビットの(ビット数がNocの)直交符号を用いる。ここで、直交符号のNocビット分に相当する時間を、直交符号周期Tocと定義する。直交符号化部230は、各符号系列421(図8の符号系列411に対応)に対し、送信繰り返し周期Ts毎に、直交符号の第1〜第Nocのビット422を、1ビットずつ順に切り替えて重畳させる。
ここで、Noc=2(2ビットの直交符号を使用)、m=1として、具体例を挙げて説明する。「+1、+1」、「+1、−1」は、それぞれ互いに直交する直交符号である。第nの送信系統の1番目の符号系列(cn,1)および2番目の符号系列(cn,2)に対して、直交符号n=[+1,−1]を重畳する。また、第kの送信系統(kは1〜Nの任意の整数)の1場目の符号系列(ck,1)および2番目の符号系列(ck,2)に対して、直交符号k=[+1,+1]を重畳する。
直交符号化部230は、第nの送信系統について、最初の送信繰り返し周期Tsにおいて(cn,1)×(+1)を生成し、次の送信繰り返し周期Tsでは、(cn,2)×(−1)を生成する。
一方、直交符号化部230は、第kの送信系統について、最初の送信繰り返し周期Tsにおいて(ck,1)×(+1)を生成し、次の送信繰り返し周期Tsにおいて(ck,2)×(+1)を生成する。
符号生成部210により各送信系統の送信繰り返し周期Ts毎に生成される符号系列は、複数のビット列によって構成される。例えば、符号系列(cn,1)=[+1,+1,−1,+1]、符号系列(cn,2)=[+1,+1,+1,−1]である。直交符号化部230が第nの送信系統について生成する(ck,1)×(+1)、(ck,2)×(+1)を、以下の式(2)、(3)に示す。
(cn,1)×(+1) = [+1,+1,−1,+1] ・・・(2)
(cn,2)×(−1) = [−1,−1,−1,+1] ・・・(3)
直交符号化部230は、送信繰り返し周期Ts毎に、第1〜第Nの送信系統の符号系列の全体に対して、直交符号の構成ビットを1ビット重畳する。
また、直交符号化部230は、送信繰り返し周期Ts毎に直交符号のビットを切り替えて重畳する。直交符号化部230は、1つの送信繰り返し周期Tsにおいて、同一の値を符号系列に重畳する。符号系列全体の極性(+/−)は変化するが、送信繰り返し周期Ts内における構成ビットの極性の相互関係は不変である。レーダ装置100は、各送信系統において用いられる符号系列間の相互相関性能を保持できる。
M系列またはGold符号は、相互相関性能に優れた符号であり、各送信系統間の相互干渉が生じ難い系列である。レーダ装置100は、符号系列間の相互相関性能を保持することにより、第1〜第Nの送信系統から送信された信号間の相互干渉を抑圧できる。
更に、レーダ装置100は、直交符号を重畳することにより、コヒレント加算の結果、第1〜第Nの送信系統間の相互干渉成分を相殺できる。符号生成部210は、直交符号周期Toc内において、同一の符号系列を出力してもよいし、異なる符号系列を出力してもよい。
例えば、上記2ビットの直交符号の例において、(cn,1)×(+1)、(cn,2)×(−1)の系列の相互相関により得られる結果が、ぞれぞれ(Cn,1)×(+1)、(Cn,2)×(−1)である。(Cn,1)=(Cn,2)では、コヒレント加算結果は(Cn,1)×(+1)+(Cn,2)×(−1)=0である。すなわち、レーダ装置100は、各送信系統間の相互干渉成分を相殺できる。なお、符号生成部210は、パルス圧縮符号として、相補符号を生成してもよい。
図10は、パルス圧縮符号が相補符号である直交符号化処理の一例を示す図である。図10において、横軸は時間を示す。
直交符号が重畳される前の符号系列431は、相補符号である。相補符号は、Ncc個の符号によって構成される。送信時間制御部220は、Ncc個の相補符号、送信繰り返し周期Tc毎に直交符号化部230に出力する。Ncc個の相補符号が出力される周期を、相補符号周期Tccと定義する。つまり、相補符号周期Tcc=送信繰り返し周期Ts×相補符号の符号数Nccである。
パルス圧縮符号が相補符号である場合、直交符号化部230は、図10に示す直交符号のビット432の切り替えを、相補符号周期Tcc毎に行う。
相補符号は、相補符号を構成する各符号の自己相関によってはレンジサイドローブ成分がゼロとならないが、相補符号の全自己相関結果をコヒレント加算することによって、レンジサイドローブ成分がゼロとなる。したがって、相補符号周期Tcc毎に直交符号のビット切り替えることにより、相補符号のレンジサイドローブ抑圧効果を保持して、直交符号を重畳できる。
図9において説明した内容と同様に、符号生成部210は、直交符号周期Toc内において、同一の相補符号の組み合わせを出力することが望ましい。これにより、レーダ装置100は、コヒレント加算の結果、各送信系統間の相互干渉成分を相殺できる。
<周波数シフト量について>
図11は、周波数シフト部250による周波数シフト処理の一例を示す図である。周波数シフト部250は、第1〜第Nの送信系統のそれぞれに対して、予め、変調信号に対して与える周波数シフト量を有する。
直交符号周期Tocに対応する周波数focを、以下の式(4)によって定義する。
foc = 1/Toc ・・・(4)
第nの送信系統に対して与える周波数シフト量fdnは、例えば、以下の式(5)で表される。
fdn = x(n)×foc ・・・(5)
但し、x(n)は、送信系統毎に異なる整数である。周波数シフト部250は、変調信号に含まれる直交符号周期Tocに対応する周波数の整数倍であり、かつ、第1〜第Nの送信系統において送信系統毎に異なる周波数シフトを、各送信系統の変調信号に対して与える。
周波数シフト量の決め方について説明する。レーダ受信装置300のコヒレント加算部330は、上述の通り、直交符号周期Toc毎にコヒレント加算し、直交符号を復号する。
コヒレント加算部330に入力される第m−n1の相関信号am,n1(t)は、例えば、以下の式(6)のようにモデル化できる。なお、n1とは、所望の送信系統の信号(成分)である。
Figure 2016102745
なお、cm,n(t)は、第nの送信系統により送信され、第mの受信系統により受信された信号に対して、相関演算した結果(相関信号)を表す。式(6)の右辺2項目のシグマ記号以降の相関信号は、他の送信系統の信号による干渉成分である。すなわち、式(6)は、ドップラ周波数シフト(fd,n−fd,n1)の残留成分を含む。また、tは時間を表し、θは位相差を表している。
コヒレント加算周期Tcaに対応する周波数fcaを、以下の式(7)によって定義する。
fca = 1/Tca ・・・(7)
ドップラ周波数シフト(fd,n−fd,n1)とコヒレント加算周期Tcaに対応する周波数fcaとの間には、以下の式(8)に示す関係が成り立つ。
(fd,n−fd,n1) = y×fca (但し、yは整数) ・・・(8)
コヒレント加算部330は、コヒレント加算周期Tcaを積分周期として、積分演算する。したがって、コヒレント加算部330の出力bm,n1(t)は、例えば、以下の式(9)によって表される。
Figure 2016102745
上述の式(7)より、式(10)の右辺の第二項の干渉成分は、以下の式(10)に示す通り、ゼロに近似される。
Figure 2016102745
レーダ装置100は、cm,n(t)の時間変動成分が小さい場合、干渉成分の抑圧効果が大きい。レーダ装置100は、コヒレント加算周期Tcaに対応する周波数fcaの整数倍の周波数を周波数シフト量fdnとすることで、干渉成分を抑圧できる。
コヒレント加算周期Tcaは、直交符号周期Tocの整数倍である。直交符号周期Tocに対応する周波数focは、コヒレント加算周期Tcaに対応する周波数fcaの整数倍である。
レーダ装置100は、周波数シフト量fdnを、直交符号周期Tocに対応する周波数focの整数倍とすることにより、コヒレント加算周期Tcaに対応する周波数fcaの整数倍にすることができ、上述の効果が得られる。
例えば、第1〜第Nの周波数シフト量fd1〜fdNは、図11に示すように、直交符号周期Tocに対応する周波数focに対して、0、1、2、・・・N−1を乗じることによって得られる。
従来のレーダ装置は、直交符号を重畳した符号に対して周波数シフトを与えることによって、直交符号の直交性が低下する。しかし、レーダ装置100は、周波数シフト量を直交符号周期Tocに対応する周波数focの整数倍とすることにより、干渉成分の抑圧効果が得られる。
なお、第1〜第Nの周波数シフト量fd1〜fdNは、レーダ受信装置300において観測可能な最大ドップラ周波数よりも小さい周波数である。
レーダ受信装置300において観測可能な最大ドップラ周波数Fdmaxは、送信繰り返し回数Tsおよびコヒレント加算回数Ncaを用いて、以下の式(11)によって表される。
Fdmax = 1/{2×(Ts×Nca)} ・・・(11)
式(11)は、コヒレント加算周期Ncaがフーリエ変換のサンプル周期である場合、ナイキスト周波数に相当する。
また、各アンテナが互いに近くに配置され、かつ、各アンテナの指向性に大きな差異がない場合、各アンテナとターゲットの間において発生するドップラシフトに大きな偏りはない。レーダ装置100は、各送信系統において、使用可能なドップラ周波数帯域(つまり、最大ドップラ周波数Fdmaxまでの帯域)を等分して、等間隔の周波数シフト量を設定することが望ましい。
例えば、第nの送信系統に対して与える第nの周波数シフトfdnは、以下の式(12)に示す、最大ドップラ周波数FdmaxをN分割した周波数の(n−1)倍が望ましい。
fdn = Fdmax×(n−1)/N ・・・(12)
なお、送信側によって与えた第1〜第Nの周波数シフトfd1〜fdNは、それぞれ、受信側ではドップラシフトとして観測される。但し、第1〜第Nの周波数シフトfd1〜fdNは既知であるため、各周波数シフトによるドップラシフトは、ターゲットの速度成分によるドップラシフトから分離して観測できる。
<レーダ信号の周波数スペクトルについて>
図12は、無線送信部260から出力される各レーダ信号の周波数スペクトルの一例を示す図である。図12において、横軸は周波数を示し、縦軸は各周波数成分の強度を示す。
上述の通り、周波数シフト部250において与えられる第1〜第Nの周波数シフト量fd1〜fdNは、占有帯域幅よりも小さい周波数シフトである。このため、図12に示すように、第1〜第Nの送信系統から出力される各レーダ信号の周波数スペクトル441−1〜441−Nは、局部発振信号の周波数fcの付近において、重複する。
<コヒレント加算について>
図13は、コヒレント加算部330におけるコヒレント加算の基準タイミングの一例を示す図である。
図13において、コヒレント加算部330のコヒレント加算タイミング補正部331は、第nの送信系統から送信された信号が遅延なくレーダ受信装置300に入力される時点(ターゲットまでの距離がゼロに相当)を、基準タイミング451とする。そして、コヒレント加算タイミング補正部331は、基準タイミング451を起点として、送信繰り返し周期Ts毎に、第m−nの相関信号を抽出する。
コヒレント加算部330が切り出した第m−nの相関信号をコヒレント加算する回数は、上述の通りNca回である。コヒレント加算周期Tcaは、送信繰り返し周期Ts×コヒレント加算回数Ncaである。
図14は、コヒレント加算部330がコヒレント加算結果を出力するタイミングを示す図である。
図14では、コヒレント加算部330は、第m−nの相関信号のコヒレント加算結果を、コヒレント加算周期Tca毎に出力する。コヒレント加算部330は、後段の信号処理の処理レートを遅くできる。
受信デジタルサンプリングレートが、fsである場合、送信繰り返し周期Ts内の信号をサンプリングする回数Tpは、送信繰り返し周期Ts×受信デジタルサンプリングレートfsである。送信繰り返し周期Ts内における、コヒレント加算結果のサンプルタイミングTm,0〜Tm,p−1は、図14に示す通りとなる。
なお、サンプルタイミングTm,0〜Tm,p−1は、レンジビンとも呼ばれ、それぞれレーダ装置100からターゲットまでの距離に対応する。各サンプルタイミングのデータは、ターゲットまでの距離に関する情報に換算できる。
<インタリーブについて>
図15は、ドップラ解析部340におけるインタリーブ処理の一例を示す図である。図15において、横軸はサンプルタイミングを示し、縦軸は時間を示す。
図15では、ドップラ解析部340のインタリーブ部341は、コヒレント加算結果(図14参照)を、上述のサンプルタイミングTm,0〜Tm,p−1と時間とをそれぞれ軸とする、2次元データに並べ替える。そして、インタリーブ部341は、並び替えられたデータを、矢印461に示す順序によって読み出す。
インタリーブ部341は、連続するNf個の送信繰り返し周期Tsのデータを、各送信繰り返し周期Tsの起点を基準とするサンプルタイミング毎に纏めたデータに並び替える。
<フーリエ変換について>
ドップラ解析部340のフーリエ変換部342は、並び替えられたデータの時間軸の変動をドップラ周波数軸に変換する。フーリエ変換部342は、時間波形を、ドップラ周波数のスペクトル(ドップラスペクトル)に変換する。
なお、コヒレント加算周期Tcaをフーリエ変換のサンプル周期とし、フーリエ変換のサンプルポイント数をNdpとした場合、送信繰り返し周期Ts×コヒレント加算回数Nca×フーリエ変換のサンプルポイント数Ndpを、ドップラ解析周期Tdpと定義する。
フーリエ変換のサンプルタイミングは、上述の通り、レーダ装置100からターゲットまでの距離に換算できる。すなわち、サンプルタイミング毎に纏めたデータは、レンジ(ターゲットまでの距離)毎に纏めたデータである。
したがって、上記並べ替えにより、距離に応じたコヒレント加算結果の時間変動を観測できる。すなわち、フーリエ変換部342の出力は、距離とドップラ周波数の2次元データである。距離とドップラ周波数の2次元データを、距離−ドップラマップと定義する。
図16は、距離−ドップラマップのデータ構成の一例を示す図である。
第1〜第Nの送信系統から送信される第1〜第Nのレーダ信号には、上述の通り、それぞれ異なる周波数シフト量fd1〜fdNを用いて周波数シフトされている。
図16に示すように、距離−ドップラマップは、第1〜第Nの送信系統のそれぞれと、Tm,0〜Tm,p−1の距離(レンジ)のそれぞれとの組み合わせ(図中、四角471で示す)毎に分離可能な状態であり、ドップラ周波数成分を示すデータである。すなわち、距離−ドップラマップは、第1〜第Nのレーダ信号がドップラ周波数軸上において分割多重された状態となり、第1〜第Nのレーダ信号を分離できる。距離−ドップラマップは、ターゲットが存在する距離Tm,pについてのデータを含む。
<ドップラスペクトル抽出について>
ドップラ解析部340のドップラスペクトル抽出部343は、フーリエ変換部342から入力された距離−ドップラマップから、距離毎に、所望のドップラ周波数に相当する箇所を抽出する。
図17は、ある相関信号のターゲットが存在する距離Tm,pについてのドップラ解析結果(ドップラスペクトル)の一例を示す図である。図17において、横軸はドップラ周波数を示し、縦軸は各ドップラ周波数成分の強度を示す。
図17に示すように、フーリエ変換部342から出力される距離−ドップラマップ(図16参照)は、送信系統毎に分離可能な状態であり、各ドップラ周波数成分の強度を表す。したがって、第nの送信系統に対応するドップラスペクトル抽出部343は、距離−ドップラマップのうち、第nの送信系統に対応する部分482を抽出することにより、第nの送信系統のドップラ成分を抽出できる。
ドップラスペクトル抽出部343は、抽出した距離−ドップラマップの各ドップラ周波数成分を、周波数シフトが省略されたドップラ周波数に対応付ける。すなわち、ドップラスペクトル抽出部343は、抽出した距離−ドップラマップのドップラ周波数軸を、−fdnシフトする。
レーダ装置100は、直交符号周期Tocに対応する周波数focの整数倍、つまり、コヒレント加算周期Tcaに対応する周波数の整数倍であって、送信系統毎に異なる周波数シフト量を用いて、各送信系統の信号を周波数シフトする。レーダ装置100は、各受信信号に対し、コヒレント加算により送信系統間の干渉成分を低減させた状態において、各周波数シフト量に対応するドップラ周波数解析結果を抽出し、ターゲットを検出できる。
<レーダ装置の動作>
次に、レーダ装置100の動作について説明する。図18は、レーダ装置100の動作の一例を示す図である。なお、ここでは、1つのパルス圧縮符号に対してレーダ装置100が順次行う動作の一例を示す。
ステップS1100において、符号生成部210は、第nの送信系統についてのパルス圧縮符号を生成する。
ステップS1200において、送信時間制御部220は、生成されたパルス圧縮符号がレーダ送信装置200から送信される時間を制御する。
ステップS1300において、直交符号化部230は、パルス圧縮符号に対して、第nの直交符号の構成ビットの1つを重畳する。
ステップS1400において、変調部240は、直交符号が重畳されたパルス圧縮符号を変調する。
ステップS1500において、周波数シフト部250は、直交符号周期Tocに基づいて決定された周波数シフト量fdnを用いて、変調信号に対して周波数シフトを付与する。なお、かかる周波数シフト量fdnは、上述の通り、直交符号周期Tocに対応する周波数focに、送信系統毎に異なる整数を乗じた周波数であって、最大ドップラ周波数Fdmaxよりも小さい周波数である。
ステップS1600において、無線送信部260は、周波数シフトが付与された変調信号を無線信号に変換して、レーダ信号として送信する。
送信されたレーダ信号は、ターゲットによって反射され、エコー信号として受信される。
ステップS2100において、無線受信部310は、第1〜第Mの受信系統のそれぞれにおいて、エコー信号を受信する。
ステップS2200において、相関部320は、直交符号化部230において用いた符号化系列を相関係数として、相互相関を演算する。
ステップS2300において、コヒレント加算部330は、相関信号をコヒレント加算する。なお、他の送信系統との間の周波数シフト量の差は、直交符号周期の整数倍であるため、コヒレント加算により、上述の通り、他の送信系統による干渉成分が低減される。
ステップS2400において、ドップラ解析部340は、コヒレント加算結果に対してドップラ解析する。
ステップS2500において、ドップラ解析部340は、ドップラ解析結果から、周波数シフト量fdnに基づいて、所望の(第nの送信系統に対応する)部分を抽出する。
到来方向推定部350は、第nの送信系統を含む、第1〜第Nの送信系統について抽出された各ドップラ解析結果に基づいて、到来方向、つまり、ターゲットの方向を推定する。
<本実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態に係るレーダ装置100は、直交符号周期Tocに対応する周波数focの整数倍の周波数であって、送信系統毎に異なる周波数シフトfdnを、各送信系統の信号に与える。
これにより、レーダ装置100は、送信系統間の干渉成分を低減させた状態において、ドップラ周波数解析結果を送信系統毎に抽出して、ターゲットを検出する。すなわち、レーダ装置100は、従来技術に比べて、より高精度なターゲット検出ができる。
<周波数シフト量の他の例>
なお、周波数シフト量fdnは、上記説明では直交符号周期Tocに対応する周波数focの整数倍の周波数としたが、これに限定されない。レーダ装置100は、第1〜第Nの送信系統から送信される信号の直交性をできるだけ崩さない周波数(例えば、直交周波数)であって、送信系統毎に異なる周波数シフト量を用いればよい。
直交周波数は、例えば、周波数シフト量fdn、コヒレント加算周期Tca、ドップラ解析周期Tdp、あるいは相補符号周期Tcodeを整数倍した周波数が挙げられる。
図19は、コヒレント加算周期Tcaに基づく周波数シフト処理の一例を示す図である。
第nの送信系統に対して与える周波数シフト量fdnは、例えば、コヒレント加算周期Tcaに対応する周波数fcaを用いて、以下の式(13)によって表される。
fdn = x(n)×foc ・・・(13)
なお、第1〜第Nの周波数シフト量fd1〜fdNは、図19に示すように、コヒレント加算周期Tcaに対応する周波数fcaに対して、0、1、2、・・・N−1を乗算することによって得られる周波数である。
図19に示す周波数シフト処理は、式(10)によって説明した原理により、干渉成分を抑圧できる。
図20は、ドップラ解析周期Tdpに基づく周波数シフト処理の一例を示す図である。
第nの送信系統に対して与える周波数シフト量fdnは、例えば、ドップラ解析周期Tdpと、送信系統毎に異なる整数x(n)とを用いて、以下の式(14)によって表される。
fdn = x(n)/Tdp ・・・(14)
周波数シフト量fdnは、ドップラ解析周期Tdpに対応する周期の整数倍の周波数である。周波数シフト量fdnは、フーリエ変換部342における直交周波数である。
整数x(n)は、周波数シフト量fdnをレーダ受信装置300において観測可能な最大ドップラ周波数Fdmaxよりも小さい値とするため、フーリエ変換のサンプルポイント数Ndpに基づき、以下の式(15)を満たす必要がある。
x(n) < Ndp/2 ・・・(15)
周波数シフト量fdnをフーリエ変換部342における直交周波数とすることで、ドップラ周波数軸上において多重される第1〜第Nの送信系統の信号の相互干渉を最小化できる。
図21は、相補符号周期Tccに基づく周波数シフト処理の一例を示す図である。
相補符号周期Tccに対応する周波数fccを、以下の式(16)によって定義する。
fcc = 1/Tcc ・・・(16)
第nの送信系統に対して与える周波数シフト量fdnは、例えば、相補符号周期Tccに対応する周期fccと、送信系統毎に異なる整数x(n)とを用いて、以下の式(17)によって表される。
fdn = x(n)/Tcc ・・・(17)
相補符号周期Tccは、図11からも明らかなように、直交符号周期Tocの整数倍である。図20に示す周波数シフト処理は、上述の式(10)によって説明した原理により、干渉成分を抑圧できる。
<周波数シフトの他の例>
なお、周波数シフト処理は、上記説明では周波数シフト量fdnを有する連続波形の信号を変調信号に乗算する方法を用いたが、これに限定されない。
周波数シフト部250は、離散化した周波数シフト成分を変調信号に乗算することにより、周波数シフトしてもよい。
図22は、送信繰り返し周期Ts毎に離散化された周波数シフト成分の一例を示す図である。
図22に示すように、周波数シフト部250は、例えば、周波数シフト量fdnの周波数の信号511を、送信繰り返し周期Tsによってサンプリングし、サンプリングにより得られた値512を、離散化した周波数シフト量fdnとして、変調信号に乗算する。
レーダ装置100は、図14に示す、送信繰り返し周期Ts内の各サンプルタイミングにおけるサンプル信号の時間変動、つまり、複数の連続するコヒレント加算周期Tcaの間でのサンプル信号の変化を観測する。したがって、コヒレント加算周期Tca毎の周波数シフト成分の時間変動を観測することによって、ドップラ周波数軸上において複数のチャネルを多重できる。
送信繰り返し周期Tsは、コヒレント加算周期Tcaよりも小さいため、図22に示すように、離散化した周波数シフト量fdnを採用した場合でも、周波数シフト成分の時間変動を観測できる。
従来のレーダ装置は、連続波形の信号である周波数シフトを変調信号に重畳した場合、符号の相互相関性能が低下する。
しかし、図22に示す、離散化した周波数シフト成分を変調信号に重畳することにより、符号の相互相関性能の低下を抑制し、ドップラ周波数軸上において複数のチャネルを多重できる。なお、本形態は、高い相互相関性能を有する符号、例えば、M系列またはGold符号の使用に好適である。また、図22に示す離散化は、図11、19、20、21に示す周波数シフト量の付加方法の全てに適用できる。
図23は、相補符号周期Tccによって離散化された周波数シフト成分の一例を示す図である。
図23において、周波数シフト部250は、例えば、周波数シフト量fdnの周波数の信号521を、相補符号周期Tccによってサンプリングし、サンプリングにより得られた値522を、離散化した周波数シフト量fdnとして、変調信号に乗算する。
従来のレーダ装置は、レーダ信号に相補符号を使用する場合、相補符号周期Tcc内において連続波形の周波数シフトを重畳すると、相補符号の自己相関結果を加算することによるレンジサイドローブ抑圧性能が低下する。
図23において、レーダ装置100は、離散化した周波数シフト成分を変調信号に重畳することにより、相補符号が持つ高い自己相関性能の低下を抑制し、ドップラ周波数軸上において複数のチャネルを多重ができる。また、図23に示す離散化は、図11、19、20に示す周波数シフト量の付与方法に適用できる。
図24は、直交符号周期Tocによって離散化された周波数シフト成分の一例を示す図である。
図24において、周波数シフト部250は、例えば、周波数シフト量fdnの周波数の信号531を、直交符号周期Tocによってサンプリングし、サンプリングにより得られた値532を、離散化した周波数シフト量fdnとして、変調信号に乗算する。
従来のレーダ装置は、レーダ信号に直交符号を使用する場合、直交符号周期Toc内において連続波形の周波数シフトを重畳することにより、直交符号の直交性能が低下する。
図24において、レーダ装置100は、離散化した周波数シフト成分を変調信号に重畳することにより、直交符号が持つ直交性能の低下を抑圧し、ドップラ周波数軸上において複数のチャネルを多重できる。また、図24に示す離散化は、図19、20に示す周波数シフト量の付与方法に適用できる。
図25は、コヒレント加算周期Tcaによって離散化された周波数シフト成分の一例を示す図である。
図25において、周波数シフト部250は、例えば、周波数シフト量fdnの周波数の信号541を、コヒレント加算周期Tcaによってサンプリングし、サンプリングにより得られた値542を、離散化した周波数シフト量fdnとして、変調信号に乗算する。
コヒレント加算周期Tcaは、相補符号周期Tccおよび直交符号周期Tocの全ての整数倍の周期である。レーダ装置100は、使用される符号の特性(例えば、自己相関性能、相互相関性能、あるいは直交性)の低下を抑制し、ドップラ周波数上において複数チャネルの多重ができる。ドップラ周波数軸上において複数チャネルを多重化するには、コヒレント加算周期Tcaによって周波数シフト成分を離散化することが有用である。また、図25に示す離散化は、図20に示す周波数シフト量の付与方法に適用できる。
<信号分離の他の例>
また、送信系統毎のドップラ成分の分離は、上記説明ではドップラ解析部340において処理するとしたが、これに限定されない。レーダ装置100は、例えば、相関演算前に、送信系統毎にドップラ成分を分離してもよい。
図26は、相関演算前に、送信系統毎にドップラ成分を分離するレーダ装置の構成の一例を示す図であり、図1に対応する。図1と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図26において、レーダ装置100aのレーダ受信装置300aは、相関部320の前段に配置された周波数シフト復調部360aを有する。また、レーダ受信装置300aは、図1のドップラ解析部340に代えて、ドップラ解析部340aを有する。
レーダ装置100aは、周波数シフト復調部360aにおいてレーダ送信装置200によって与えられた周波数シフトを復調し、コヒレント加算部330においてコヒレント加算する。周波数シフト部250においてアップコンバートされた信号を、周波数シフト復調部360aにおいてダウンコンバートし、コヒレント加算部330においてローパスフィルタを通過させる処理に相当する。
周波数シフト復調部360aは、レーダ送信装置200の周波数シフト部250において与えられた周波数シフトを復調する。
図27は、周波数シフト復調部360aの構成の一例を示す図である。
図27において、周波数シフト復調部360aは、周波数制御部361aと、第1〜第Mの受信系統に対応する第1〜第Mの復調器群362a−1〜362a−Mと、を有する。
周波数シフト復調部360aには、周波数シフト部250の周波数制御部251(図2参照)に設定された第1〜第Nの周波数シフト量とは絶対値が同一であって極性が逆の値−fd1〜−fdNが、第1〜第Nの周波数シフト復調量として予め設定されている。
周波数シフト復調部360aは、第1〜第Mの復調器群362a−1〜362a−Mのそれぞれに対し、第1〜第Nの周波数シフト復調量−fd1〜−fdNに相当するN個の復調信号を出力する。
第1〜第Mの復調器群362a−1〜362a−Mは、第1〜第Mの受信信号が入力される。第mの復調器群362a−mは、受信部310から出力される第mの受信信号を入力する。第mの相関器群322−mは、周波数制御部361aから入力されるN個の復調信号に基づいて、第mの受信信号から、N個の復調信号を生成する。すなわち、周波数シフト復調部360aは、M×N系統の復調信号を出力する。
図28は、第mの復調器群362a−mの構成の一例を示す図である。
図28において、第mの復調器群362a−mは、第1〜第Nの送信系統に対応する第m−1〜第m−Nの乗算器363a−m−1〜363a−m−Nを有する。第m−nの乗算器363a−m−nには、第mの受信信号と、第nの周波数シフト復調量−fdnの復調信号が入力される。すなわち、第m−nの復調器群362a−m−nは、第mの受信信号に対して、第nの周波数シフト復調量−fdnを与え、第n―mの復調信号として出力する。
出力された第n―mの復調信号は、相関部320のうち、第m−nの相関器323−m−n(図4参照)に入力される。
図26のドップラ解析部340aは、ドップラスペクトル抽出部343(図7参照)において距離−ドップラマップから抽出する帯域が異なることを除き、図1のドップラ解析部340と同一の構成を有する。
受信信号の周波数シフトが予め復調されている場合、抽出するドップラスペクトルは、DC付近に集中する。
図29は、周波数シフトを復調した場合の距離−ドップラマップの構成の一例を示す図であり、図17に対応する。
周波数シフト復調部360aにより周波数シフトを復調した場合、抽出する所望のスペクトルは、いずれの送信系統についても、図29に示すDC近辺のドップラ周波数帯域551に移動する。したがって、ドップラ解析部340aは、図17において説明したドップラ周波数の分割割り当てでは、レーダ装置100において第1の送信系統に割り当てていたドップラ周波数成分の抽出に相当する。ドップラ解析部340aの動作を、以下に示す。
図30は、ドップラスペクトルの一例を示す図である。図31は、コヒレント加算回数増加後のドップラスペクトルの一例を示す図である。図30および図31において、横軸はドップラ周波数を示し、縦軸はターゲットまでの距離を示す。
図30において、ドップラスペクトルには、コヒレント加算周期Tcaによって決まるサンプル周波数位置(2Fdmax)に、エイリアシング成分(折返し成分)561が観測される。
コヒレント加算回数の増加によって、ドップラ解析のサンプリングレートが下がる。この結果、図31に示すように、エイリアシング成分561は、所望スペクトル562に近づく。
このため、所望スペクトル562と帯域外スペクトルとが干渉しないドップラ解析のサンプリングレートまで、コヒレント加算回数を増加できる。すなわち、周波数シフトを用いた復調により、所望のスペクトルをDC付近に集中させ、周波数シフトを用いた復調でない場合に比べて、コヒレント加算回数を増加できる。
コヒレント加算回数の増加により、後段の信号処理の負荷を軽減できる。すなわち、周波数シフト復調部360aを備えることにより、ドップラ解析以降の処理の処理負荷を軽減できる。
なお、相補符号の復号は、相補符号周期Tcc内において、コヒレント加算する。したがって、上記周波数シフトの付与方法により、図20において説明した原理と同様に、干渉成分を低減できる。
<周波数シフト量の割り当て方の他の例>
また、各送信系統の周波数シフト量fdnは、上記説明では固定としたが、これに限定されない。周波数シフト部250は、例えば、一定周期毎に、各送信系統の周波数シフト量fdnを切り替えてもよい。
図32は、ドップラ解析周期Tdp毎に各送信系統の周波数シフト量fdnを切り替えた周波数シフト量fdnの割り当て方の一例を示す図である。図32において、横軸は時間を示す。
図32において、周波数シフト部250は、例えば、fd1(0)、fd2、・・・、fdN−1、fdNというN個の異なる値の周波数シフト量を、第1〜第Nの送信系統に対し、ドップラ解析周期Tdp毎に1送信系統ずつシフトさせて割り当てる。例えば、第1の送信系統には、fd1(0)、fdN、fdN−1、・・・、fd2が、ドップラ解析周期Tdp毎に順次切り替わって割り当てられる。
図1に示すレーダ装置100の構成では、ドップラ解析部340のドップラスペクトル抽出部343が、周波数シフト部250における周波数シフト量fdnの切り替えに同期して抽出対象とする周波数を切り替えればよい。
また、図26に示すレーダ装置100aの構成では、周波数シフト復調部360aの周波数制御部361aが、周波数シフト部250における周波数シフト量の切り替えに同期して各受信信号に対して重畳する復調信号の周波数を切り替えればよい。なお、ドップラ解析部340aのドップラスペクトル抽出部343は、ドップラスペクトル抽出時にDC付近のスペクトルを抽出すればよい。
更に、図26に示すレーダ装置100aでは、送信繰り返し周期Ts毎、相補符号周期Tcc毎、直交符号周期Toc毎、あるいはコヒレント加算周期Tca毎に、各送信系統の周波数シフト量fdnを切り替えてもよい。第1〜第Nの送信系統において送信系統毎に周波数シフト量fdnが異なることによって、送信系統間の相互干渉は抑圧される。
本開示のレーダ装置は、1つの送信系統において使用される周波数シフト量fdnを経時変化させ、周波数シフト部250の量子化雑音の影響を分散できる。周波数シフト量fdn=0において、量子化雑音の影響が最も小さくなる。割り当ての対象には、周波数シフト量fdn=0を含むことが望ましい。
更に、図26に示すレーダ装置100aの場合、送信系統毎に、ドップラ解析周期Tdp内において、周波数シフト量の極性(+/−)を入れ替えてもよい。
図33は、ドップラ解析周期Tdp内において各送信系統の周波数シフト量の極性を切り替えた周波数シフト量の割り当て方の一例を示す図である。図33において、横軸は時間を示す。
図33において、周波数シフト部250は、例えば、第nの送信系統に対して、fdnと−fdnとを、所定の周期毎に交互に切り替えて割り当てる。かかる所定の周期としては、例えば、送信繰り返し周期Ts、相補符号周期Tcc、直交符号周期Toc、あるいはコヒレント加算周期Tcaを採用できる。
図33に示す周期によって周波数シフトの極性を入れ替えることによって、コヒレント加算またはフーリエ変換において、相互干渉成分の正(+)成分と負(−)成分とが、加算により相殺される。本開示のレーダ装置は、周波数シフト量を切り替えることにより、送信系統間の干渉を相殺できる。
なお、干渉相殺の効果を最大にするには、図33に示すように、絶対値が等しく極性が逆の値を、同数ずつ、周波数シフト量として使用すればよい。更に、ターゲットは移動するため、極性が互いに逆の周波数シフト量が付与される時間は、時間的により近接して配置されることが好ましく、隣接周期に配置されることが好ましい。すなわち、図33に示すような、第nの送信系統に対し、fdnと−fdnとを交互に切り替えて割り当てることが望ましい。
<送信時間制御の他の例>
各送信系統の送信タイミングオフセット量Tofst,nは、上記説明では固定としたが、これに限定されない。送信時間制御部220は、例えば、一定周期毎に、各送信系統の送信タイミングオフセット量Tofst,nを切り替えてもよい。
図34は、ドップラ解析周期Tdp毎に各送信系統の送信タイミングオフセット量Tofst,nを切り替えた送信タイミングオフセット量Tofst,nの割り当て方の一例を示す図である。図34において、横軸は時間を示す。
図34に示すように、送信時間制御部220は、例えば、Tofst,1、Tofst,2、・・・、Tofst,N−1、Tofst,NというN個の異なる値の送信タイミングオフセット量を、第1〜第Nの送信系統に対し、ドップラ解析周期Tdp毎に1送信系統ずつシフトさせて割り当てる。例えば、第1の送信系統には、Tofst,1、Tofst,N、Tofst,N−1、・・・、Tofst,2が、ドップラ解析周期Tdp毎に順次切り替わって割り当てられる。
コヒレント加算部330のコヒレント加算タイミング補正部331は、送信時間制御部220における送信タイミングオフセット量Tofst,nの切り替えに同期してコヒレント加算タイミングを切り替える。
従来のレーダ装置において、送信系統間の相互干渉は、コヒレント加算により増大する。本開示のレーダ装置は、送信タイミングオフセット量Tofst,nを経時変化させることによって、干渉成分を分散できる。すなわち、希望波は、コヒレント加算により、SNRを増大でき、干渉波成分は、コヒレント加算効果を低減できる。
図34において、ドップラ解析周期Tdp毎に送信タイミングオフセット量Tofst,nを切り替えた場合、干渉波の影響によって劣化する希望波の到来方向推定精度を、ドップラ周期毎に分散できる。すなわち、例えば、あるドップラ解析周期t=Tdpでは希望波が干渉波に埋もれて検出が困難であったが、t=2×Tdpのドップラ解析周期においては干渉波の時間位置がずれることによって希望波が検出できる、という効果が得られる。
なお、送信時間制御部220は、送信繰り返し周期Ts毎、相補符号周期Tcc毎、直交符号周期Toc毎、あるいはコヒレント加算周期Tca毎に、各送信系統の送信タイミングオフセット量Tofst,nを切り替えてもよい。送信系統間の相互干渉波の影響を分散でき、到来方向の推定精度を向上できる。
<その他の変形例>
また、以上説明したレーダ装置の構成の一部は、レーダ装置の構成の他の部分と物理的に離隔してもよい。なお、互いに通信するための通信部をそれぞれ備える必要がある。
以上、図面を参照して各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上述した本実施形態では、レーダ装置を、例えばハードウェア資源を用いて構成する場合を例示して説明したが、レーダ装置の一部の構成については、ハードウェア資源と協働するソフトウェアを用いて構成しても良い。
また、上述した本実施形態のレーダ装置の各部(構成要素)は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。LSIは個別に1チップ化されても良いし、一部または全ての構成要素を含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法にはLSIに限らず、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現しても良い。LSIの製造後に、プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはLSI内部の回路セルの接続、設定が再構成可能なリコンフィグラブル・プロセッサを用いても良い。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、その技術を用いてレーダ装置の各部を集積化しても良い。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
<本開示のまとめ>
本開示のレーダ送信装置は、レーダ信号を送信するレーダ送信装置と、前記レーダ信号のエコー信号を受信して所定の周期を用いた信号処理によりターゲットを検出するレーダ受信装置と、を含むレーダ装置における前記レーダ送信装置であって、複数の送信系統に対応した複数の信号を生成する信号生成部と、生成された前記信号を変調する変調部と、変調された前記信号に対して、前記所定の周期の整数倍であって、かつ、前記複数の送信系統の間で異なる、所定の周波数シフト量での周波数シフトを与える周波数シフト部と、前記所定の周波数シフトが与えられた前記信号を、前記レーダ信号として送信する無線送信部と、を有する。
なお、上記レーダ送信装置において、前記信号生成部は、前記複数の送信系統に対応する複数のパルス圧縮符号を生成する符号生成部と、所定の送信繰り返し周期毎に前記複数のパルス圧縮符号を出力する送信時間制御部と、前記所定の送信繰り返し周期毎に出力された前記パルス圧縮符号に対し、前記複数の送信系統の間で異なる直交符号を重畳した前記複数の信号を生成する直交符号化部と、を有し、前記所定の周期は、前記直交符号の直交符号周期、前記信号処理に含まれるコヒレント加算のコヒレント加算周期、および前記信号処理に含まれるドップラ解析のドップラ解析周期、のうち少なくとも1つであってもよい。
また、上記レーダ送信装置において、前記信号生成部は、相補符号を用いて、前記複数の送信系統に対応する複数のパルス圧縮符号を生成する符号生成部と、所定の送信繰り返し周期毎に、前記複数のパルス圧縮符号を出力する送信時間制御部と、前記所定の送信繰り返し周期毎に出力された前記パルス圧縮符号に対し、前記複数の送信系統の間で異なる直交符号を重畳した前記複数の信号を生成する直交符号化部と、を有し、前記所定の周期は、前記相補符号の相補符号周期、前記直交符号の直交符号周期、前記信号処理に含まれるコヒレント加算のコヒレント加算周期、および前記信号処理に含まれるドップラ解析のドップラ解析周期、のうち少なくとも1つであってもよい。
また、上記レーダ送信装置において、前記直交符号化部は、前記送信繰り返し周期毎、または前記相補符号周期毎に、前記直交符号の構成ビットを切り替えてもよい。
また、上記レーダ送信装置において、前記周波数シフト量は、前記コヒレント加算周期をフーリエ変換のサンプル周期とした場合、最大ドップラ周波数帯域よりも小さくてもよい。
また、上記レーダ送信装置おいて、前記周波数シフト量は、ドップラ周波数帯域を等間隔で分割して得られる各周波数帯域の中心周波数であってもよい。
また、上記レーダ送信装置において、前記周波数シフト部は、前記周波数シフト量を周波数とする信号を、前記送信繰り返し周期、前記相補符号周期、前記直交符号周期、および前記コヒレント加算周期、のうちのいずれかの周期毎にサンプリングして得られる値を、前記複数の信号に乗じてもよい。
また、上記レーダ送信装置において、前記周波数シフト部は、0を含む複数の前記周波数シフト量を前記複数の送信系統に対して割り当て、0の前記周波数シフト量を割り当てる前記送信系統を、前記送信繰り返し周期、前記相補符号周期、前記直交符号周期、前記コヒレント加算周期、および前記ドップラ解析周期、のうちのいずれかの周期毎に変更してもよい。
また、上記レーダ送信装置において、前記周波数シフト部は、前記周波数シフト量の極性を、前記送信繰り返し周期、前記相補符号周期、前記直交符号周期、前記コヒレント加算周期、および前記ドップラ解析周期、のうちのいずれかの周期毎に切り替えてもよい。
また、上記レーダ送信装置において、前記送信時間制御部は、前記複数の送信系統の間で異なる送信タイミングによって、前記送信繰り返し周期における前記複数の信号を出力してもよい。
また、上記レーダ送信装置において、前記送信時間制御部は、前記送信繰り返し周期、前記相補符号周期、前記直交符号周期、前記コヒレント加算周期、および前記ドップラ解析周期、のうちのいずれかの周期毎に、前記信号の送信タイミングを変化させてもよい。
本開示のレーダ受信装置は、上記レーダ受信装置であって、少なくとも1つの受信系統によって前記エコー信号を受信する無線受信部と、受信された前記エコー信号からドップラ成分を抽出するエコー信号処理部と、抽出されたドップラ成分に基づいて前記ターゲットを検出する到来方向推定部と、を有し、前記エコー信号処理部は、前記エコー信号を復調し、前記復調結果をドップラ解析し、前記ドップラ解析の結果から前記周波数シフト量毎に対応する部分を抽出することにより、前記送信系統と前記受信系統との組み合わせ毎のドップラ成分を抽出する。
本開示のレーダ受信装置は、上記レーダ受信装置であって、少なくとも1つ以上の受信系統において前記エコー信号を受信する無線受信部と、受信された前記エコー信号からドップラ成分を抽出するエコー信号処理部と、抽出されたドップラ成分に基づいて前記ターゲットを検出する到来方向推定部と、を有し、前記エコー信号処理部は、前記周波数シフト量毎に、前記エコー信号を、前記周波数シフト量とは絶対値が同一であって、逆極性の周波数シフトを与え、前記周波数シフト後のエコー信号を復調し、前記復調信号に対してドップラ解析し、前記送信系統と前記受信系統との組み合わせ毎のドップラ成分を抽出する。
本開示は、高精度にターゲットを検出できるレーダ送信装置およびレーダ受信装置として有用である。
100、100a レーダ装置
200 レーダ送信装置
210 符号生成部
220 送信時間制御部
220 直交符号化部
240 変調部
250 周波数シフト部
251 周波数制御部
252、363a 乗算器
260 無線送信部
261 ブランチ選択部
262 無線送信回路
263 アンテナ選択部
300、300a レーダ受信装置
310 無線受信部
320 相関部
321 相関係数生成部
322 相関器群
323 相関器
321 相関係数生成部
330 コヒレント加算部
331 コヒレント加算タイミング補正部
332 加算器
333 メモリ
340、340a ドップラ解析部
341 インタリーブ部
342 フーリエ変換部
343 ドップラスペクトル抽出部
350 到来方向推定部
360a 周波数シフト復調部
361a 周波数制御部
362a 復調器群

Claims (13)

  1. レーダ信号を送信するレーダ送信装置と、前記レーダ信号のエコー信号を受信して所定の周期を用いた信号処理によりターゲットを検出するレーダ受信装置と、を含むレーダ装置における前記レーダ送信装置であって、
    複数の送信系統に対応した複数の信号を生成する信号生成部と、
    生成された前記信号を変調する変調部と、
    変調された前記信号に対して、前記所定の周期の整数倍であって、かつ、前記複数の送信系統の間で異なる、所定の周波数シフト量での周波数シフトを与える周波数シフト部と、
    前記所定の周波数シフトが与えられた前記信号を、前記レーダ信号として送信する無線送信部と、を有する、
    レーダ送信装置。
  2. 前記信号生成部は、
    前記複数の送信系統に対応する複数のパルス圧縮符号を生成する符号生成部と、
    所定の送信繰り返し周期毎に前記複数のパルス圧縮符号を出力する送信時間制御部と、
    前記所定の送信繰り返し周期毎に出力された前記パルス圧縮符号に対し、前記複数の送信系統の間で異なる直交符号を重畳した前記複数の信号を生成する直交符号化部と、を有し、
    前記所定の周期は、前記直交符号の直交符号周期、前記信号処理に含まれるコヒレント加算のコヒレント加算周期、および前記信号処理に含まれるドップラ解析のドップラ解析周期、のうち少なくとも1つである、
    請求項1に記載のレーダ送信装置。
  3. 前記信号生成部は、
    相補符号を用いて、前記複数の送信系統に対応する複数のパルス圧縮符号を生成する符号生成部と、
    所定の送信繰り返し周期毎に、前記複数のパルス圧縮符号を出力する送信時間制御部と、
    前記所定の送信繰り返し周期毎に出力された前記パルス圧縮符号に対し、前記複数の送信系統の間で異なる直交符号を重畳した前記複数の信号を生成する直交符号化部と、を有し、
    前記所定の周期は、前記相補符号の相補符号周期、前記直交符号の直交符号周期、前記信号処理に含まれるコヒレント加算のコヒレント加算周期、および前記信号処理に含まれるドップラ解析のドップラ解析周期、のうち少なくとも1つである、
    請求項1に記載のレーダ送信装置。
  4. 前記直交符号化部は、
    前記送信繰り返し周期毎、または前記相補符号周期毎に、前記直交符号の構成ビットを切り替える、
    請求項3に記載のレーダ送信装置。
  5. 前記周波数シフト量は、前記コヒレント加算周期をフーリエ変換のサンプル周期とした場合、最大ドップラ周波数帯域よりも小さい、
    請求項3に記載のレーダ送信装置。
  6. 前記周波数シフト量は、ドップラ周波数帯域を等間隔で分割して得られる各周波数帯域の中心周波数である、
    請求項5に記載のレーダ送信装置。
  7. 前記周波数シフト部は、
    前記周波数シフト量を周波数とする信号を、前記送信繰り返し周期、前記相補符号周期、前記直交符号周期、および前記コヒレント加算周期、のうちのいずれかの周期毎にサンプリングして得られる値を、前記複数の信号に乗ずる、
    請求項3に記載のレーダ送信装置。
  8. 前記周波数シフト部は、
    0を含む複数の前記周波数シフト量を前記複数の送信系統に対して割り当て、0の前記周波数シフト量を割り当てる前記送信系統を、前記送信繰り返し周期、前記相補符号周期、前記直交符号周期、前記コヒレント加算周期、および前記ドップラ解析周期、のうちのいずれかの周期毎に変更する、
    請求項3に記載のレーダ送信装置。
  9. 前記周波数シフト部は、
    前記周波数シフト量の極性を、前記送信繰り返し周期、前記相補符号周期、前記直交符号周期、前記コヒレント加算周期、および前記ドップラ解析周期、のうちのいずれかの周期毎に切り替える、
    請求項3に記載のレーダ送信装置。
  10. 前記送信時間制御部は、
    前記複数の送信系統の間で異なる送信タイミングによって、前記送信繰り返し周期における前記複数の信号を出力する、
    請求項4に記載のレーダ送信装置。
  11. 前記送信時間制御部は、
    前記送信繰り返し周期、前記相補符号周期、前記直交符号周期、前記コヒレント加算周期、および前記ドップラ解析周期、のうちのいずれかの周期毎に、前記信号の送信タイミングを変化させる、
    請求項10に記載のレーダ送信装置。
  12. 請求項1に記載の前記レーダ受信装置であって、
    少なくとも1つの受信系統によって前記エコー信号を受信する無線受信部と、
    受信された前記エコー信号からドップラ成分を抽出するエコー信号処理部と、
    抽出されたドップラ成分に基づいて前記ターゲットを検出する到来方向推定部と、を有し、
    前記エコー信号処理部は、
    前記エコー信号を復調し、前記復調結果をドップラ解析し、前記ドップラ解析の結果から前記周波数シフト量毎に対応する部分を抽出することにより、前記送信系統と前記受信系統との組み合わせ毎のドップラ成分を抽出する、
    レーダ受信装置。
  13. 請求項1に記載の前記レーダ受信装置であって、
    少なくとも1つ以上の受信系統において前記エコー信号を受信する無線受信部と、
    受信された前記エコー信号からドップラ成分を抽出するエコー信号処理部と、
    抽出されたドップラ成分に基づいて前記ターゲットを検出する到来方向推定部と、を有し、
    前記エコー信号処理部は、
    前記周波数シフト量毎に、前記エコー信号を、前記周波数シフト量とは絶対値が同一であって、逆極性の周波数シフトを与え、前記周波数シフト後のエコー信号を復調し、前記復調信号に対してドップラ解析し、前記送信系統と前記受信系統との組み合わせ毎のドップラ成分を抽出する、
    レーダ受信装置。
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