JP2016102397A - 間仕切り壁の構造、施工方法および集合住宅建築物 - Google Patents

間仕切り壁の構造、施工方法および集合住宅建築物 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化を図れる間仕切り壁の構造、施工方法および集合住宅建築物を提供する。【解決手段】本発明に係る間仕切り壁の構造10は、室内空間を仕切る間仕切り壁の構造であって、両面に断熱性遮音材16、18を設けた乾式壁からなり、上端を断熱性遮音材22、24が設けられた天井面20に固定し、下端を床スラブ26上に形成された二重床28の床面30に固定したものである。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば超高層集合住宅建築物などに備わる住戸内の部屋を仕切る間仕切り壁の構造、施工方法およびこの構造を有する集合住宅建築物に関するものである。
昨今の超高層集合住宅建築物の建設工事においては、労務削減が可能なモジュール化を推進することにより、不具合発生の防止、工程の順守、コストの削減を図ることが重要視されてきている。特に内装工事の合理化により、手戻りや工数を削減することが求められている。
ところで、従来の集合住宅建築物の住戸においては、台所、浴室、トイレ、PS(パイプスペース)などの水廻りは音の発生源となることから、静音性を確保したい寝室廻りとの境界に図12に示すような先行壁1を施工することで、天井や床空間(天井躯体と天井仕上げの空間や、床躯体と床仕上げの空間)を遮り、音を伝わりにくくしていた。一方、他室の壁部分については、上記の先行壁1や図13、図14に示すような二重床上に設けた壁2、3などが採用されるなど、各住戸内に複数の種類の壁が混在することがあった。
例えば図15に示すようなレイアウトの住戸において、先行壁1と二重床上に設けた壁2がある場合、壁の組み立て作業を2回に分けて施工するので手間と時間が掛かっていた。また、ディベロッパーによって要求する仕様が異なるため、施工すべき壁の種類が多くなって、施工図書および施工図の作成やその確認、施工作業や施工確認等に多大な労力を要することがあった。さらに、床上から立つ壁については補強が必要となり、壁位置を後から変更することは難しいという問題もあった。このため、こうした従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化を図れる技術が求められていた。
一方、壁によって仕切られた部屋を有する住居や、複数の住戸からなる集合住宅において、間仕切り壁の取り付け作業や変更作業を容易に行えるようにした技術がいくつか知られている(例えば、特許文献1〜7を参照)。
特開平7−279447号公報 特開平10−37497号公報 特開2011−184901号公報 実用新案登録第3065807号公報 特開平11−332682号公報 特開平8−42030号公報 特開2002−285666号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、上記の従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化を図れる間仕切り壁の構造、施工方法および集合住宅建築物を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る間仕切り壁の構造は、室内空間を仕切る間仕切り壁の構造であって、両面に断熱性遮音材を複数層ずつ設けた乾式壁からなり、上端を断熱性遮音材が複数層設けられた天井面に固定し、下端を床スラブ上に形成された二重床の床面に固定したことを特徴とする。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造は、上述した発明において、乾式壁の内層側の断熱性遮音材の上端と天井面の断熱性遮音材との間に、シーリング材を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造は、上述した発明において、乾式壁の内層側の断熱性遮音材の下端の直下の二重床の上部床に、縁切り用の切り欠きを設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造は、上述した発明において、乾式壁の直上の天井面の断熱性遮音材に、縁切り用の切り欠きを設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造は、上述した発明において、乾式壁の直下の上部床と、この上部床を直下より支持する置き床支持脚との間に、防振部材を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造は、上述した発明において、乾式壁の内部に、断熱性吸音材を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る間仕切り壁の施工方法は、上述した間仕切り壁の構造を施工する方法であって、床スラブ上に二重床を形成するとともに、天井面に複数層の断熱性遮音材を設けた後、天井面と二重床の床面との間に乾式壁を施工することを特徴とする。
また、本発明に係る集合住宅建築物は、上述した間仕切り壁の構造を有する住戸を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の集合住宅建築物は、全ての間仕切り壁が上記の間仕切り壁の構造のうちの少なくとも一つである住戸を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の集合住宅建築物は、音が発生する空間または音の伝達を遮りたい空間の間仕切り壁が上記の間仕切り壁の構造のうちの少なくとも一つである住戸を備えることを特徴とする。
本発明に係る間仕切り壁の構造によれば、室内空間を仕切る間仕切り壁の構造であって、両面に断熱性遮音材を複数層ずつ設けた乾式壁からなり、上端を断熱性遮音材が複数層設けられた天井面に固定し、下端を床スラブ上に形成された二重床の床面に固定したので、この構造は二重床と天井面を先行施工した後、間仕切り壁を施工することで容易に得られる。したがって、本発明によれば、従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化が図れるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の内層側の断熱性遮音材の上端と天井面の断熱性遮音材との間に、シーリング材を設けたので、このシーリング材によって、音漏れの原因となり易い間仕切り壁と天井面の接合部の遮音性を高めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の内層側の断熱性遮音材の下端の直下の二重床の上部床に、縁切り用の切り欠きを設けたので、切り欠きがある側の室内空間で発生した音に起因する固体伝搬音や歩行等による床の振動は切り欠きで遮断され、床面を通じて隣の室内空間に音漏れしにくくなる。このため、間仕切り壁の遮音性を高めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の直上の天井面の断熱性遮音材に、縁切り用の切り欠きを設けたので、室内空間で発生した音に起因する固体伝搬音は切り欠きで遮断され、天井面を通じて隣の室内空間に音漏れしにくくなる。このため、間仕切り壁の遮音性を高めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の直下の上部床と、この上部床を直下より支持する置き床支持脚との間に、防振部材を設けたので、この防振部材が間仕切り壁に伝わる音や振動を和らげる。このため、間仕切り壁の遮音性を高めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の内部に、断熱性吸音材を設けたので、間仕切り壁の遮音性をより一層高めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る間仕切り壁の施工方法によれば、上述した間仕切り壁の構造を施工する方法であって、床スラブ上に二重床を形成するとともに、天井面に複数層の断熱性遮音材を設けた後、天井面と二重床の床面との間に乾式壁を施工するので、従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化が図れるという効果を奏する。
また、本発明に係る集合住宅建築物によれば、上述した間仕切り壁の構造を有する住戸を備えるので、従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化が図れる。このため、建設工事に係る労務削減や不具合防止、コスト削減等が可能になるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の集合住宅建築物によれば、全ての間仕切り壁が上記の間仕切り壁の構造のうちの少なくとも一つである住戸を備えるので、内装工事の作業効率化がより一層図れるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の集合住宅建築物によれば、音が発生する空間または音の伝達を遮りたい空間の間仕切り壁が上記の間仕切り壁の構造のうちの少なくとも一つである住戸を備えるので、内装工事の作業効率化が図れるとともに、遮音性に優れた住戸を低コストで実現することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る間仕切り壁の構造、施工方法の実施の形態を示す断面図である。 図2は、本発明に係る間仕切り壁の構造の天井面との接合部の一例を示す図である。 図3は、本発明に係る間仕切り壁の構造の床面との接合部の一例を示す図である。 図4は、本発明に係る間仕切り壁の構造の変形例を示す図である。 図5は、本発明に係る間仕切り壁の構造の変形例を示す図である。 図6は、本発明に係る間仕切り壁の構造の変形例を示す図である。 図7は、本発明に係る間仕切り壁の構造の変形例を示す図である。 図8は、本発明に係る間仕切り壁の構造の変形例を示す図である。 図9は、本発明の遮音性能の検証に用いた試験体を示す図であり、(1)は試験体1、(2)は試験体2、(3)は試験体3、(4)は試験体4である。 図10は、本発明の遮音性能の検証に用いた試験体を示す図であり、(1)は試験体5、(2)は試験体6、(3)は試験体7である。 図11は、試験体別の遮音性能を示す図であり、1/3オクターブ帯域中心周波数と室間音圧レベル差の関係を示したグラフ図である。 図12は、従来の先行壁の一例を示す断面図である。 図13は、従来の二重床上の壁の一例を示す断面図である。 図14は、従来の二重床上の壁の他の一例を示す断面図である。 図15は、従来の集合住宅の住戸内のレイアウトの一例を示す平面図である。
以下に、本発明に係る間仕切り壁の構造、施工方法および集合住宅建築物の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[間仕切り壁の構造]
まず、本発明に係る間仕切り壁の構造について説明する。
図1に示すように、本発明に係る間仕切り壁の構造10は、室内空間を仕切る間仕切り壁の構造であって、LGS下地材12(軽量鉄骨)の両面に断熱性遮音材としてのプラスターボードを2枚(複数層)ずつ貼り付けた乾式壁14からなる。ここで、内側に位置するものをプラスターボード16、外側に位置するものをプラスターボード18とする。なお、LGS下地材12の部分は木軸材などの材料で構成してもよい。
この乾式壁14の上端は同じく断熱性遮音材としてのプラスターボードが2枚(複数層)貼り付けられた天井面20に固定されている。ここで、上側に位置するものをプラスターボード22、下側に位置するものをプラスターボード24とする。プラスターボード22が固定される天井LGS下地材である野縁34と、その上方の上階の床スラブ26との間には天井裏空間25が形成されている。なお、野縁34は図示しない吊りボルト等で上階の床スラブ26から吊り下げ支持されている。一方、乾式壁14の下端は床スラブ26上に形成された二重床28の床面30に固定されている。なお、二重床28内の乾式壁14の直下およびその左右には複数の置き床支持脚32が設けられている。
本発明に係る間仕切り壁の構造10は、二重床28と天井面20を先行施工した後、乾式壁14を施工することで容易に得られる。したがって、本発明によれば、従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化が図れる。
ここで、LGS下地材12の厚さ(ピッチ)としては、例えば450mm程度を採用することができる。この場合、LGS下地材12の両面、天井面20に設けるプラスターボード16、18、22、24の厚さとしては、例えば9〜12mm程度のものが望ましく、各場所において2枚重ねて使用することがより望ましい。このようにすれば、間仕切り壁の構造10および天井面20における遮音性能の品質が高められる。なお、LGS下地材12の両面や天井面20に対して、プラスターボードを3枚以上貼り付けたり、異なる厚さのものを2枚以上貼り付けるようにしても構わない。
また、上記の間仕切り壁の構造10を、複数の部屋を有する住戸内の間仕切りとして採用する場合には、壁位置の天井の高さは統一することが好ましい。この場合、例えば、床面30から天井面20までの高さ(つまり間仕切り壁の高さ)を例えば2.2〜2.7m程度に統一してもよい。
ここで、間仕切り壁と天井の接合は、図2に示すような接合構造とすることができる。この図に示すように、天井の野縁34の下面には2枚のプラスターボード22、24が貼り付けてある。間仕切り壁のLGS下地材12の上端部には溝型断面の壁支持材36が固定されており、この上面は下側のプラスターボード24に接合している。また、LGS下地材12の両面に貼り付けた2枚のプラスターボード16、18の上端は、それぞれ下側のプラスターボード24に接合している。
また、間仕切り壁と床の接合は、図3に示すような接合構造とすることができる。この図に示すように、床には、下部床としての床スラブ26と、この床スラブ26から上方に間隔をあけて設けられた上部床38とによって二重床28が形成されている。上部床38は、床下地材を構成するパーティクルボード40と床面30を構成する床材42とからなる。間仕切り壁のLGS下地材12の下端部には溝型断面の壁支持材44が固定されており、この下面はパーティクルボード40に接合している。また、LGS下地材12の両面に貼り付けた2枚のプラスターボード16、18の下端は、それぞれパーティクルボード40に接合している。なお、パーティクルボード40の部分は、プラスターボードやコンパネ等の板材で構成してもよい。
ここで、間仕切り壁の構造10を床面30上の自由な位置に立設できるように、間仕切り壁用の置き床支持脚32は壁の直下に配置しなくてもよい。図の例では、間仕切り壁の直下から若干左方にずれた位置に、置き床支持脚32を配置した場合を示している。
なお、上記の実施の形態においては、断熱性遮音材としてプラスターボードを使用した場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、断熱性および遮音性を有する建築材料であれば、いかなる材料を用いてもよい。
また、上記の実施の形態において、間仕切り壁と天井および床との取り合いを工夫することで遮音性能を高めることも可能である。この遮音性向上に係る構造について図4〜図8を参照しながら以下に説明する。
図4は、本発明に係る間仕切り壁の構造10の変形例を示したものである。この図に示すように、この間仕切り壁の構造10は、乾式壁14の内側のプラスターボード16の上端と天井面20のプラスターボード24との間に、シーリング材46を設けたものである。このシーリング材46によって、音漏れの原因となり易い間仕切り壁の構造10と天井面20の接合部の遮音性を高めることができる。
図5は、本発明に係る間仕切り壁の構造10の他の変形例を示したものである。この図に示すように、この間仕切り壁の構造10は、乾式壁14の内側のプラスターボード16の下端の直下の二重床28の上部床38に、縁切り用の切り欠き48を設けたものである。切り欠き48がある側の室内空間で発生した音に起因する固体伝搬音や歩行等による床の振動は切り欠き48で遮断され、床面30を通じて隣の室内空間に音漏れしにくくなる。このため、間仕切り壁の構造10の遮音性を高めることができる。
図6は、本発明に係る間仕切り壁の構造10の他の変形例を示したものである。この図に示すように、この間仕切り壁の構造10は、乾式壁14の直下の上部床38と、この上部床38を直下より支持する置き床支持脚32との間に、防振部材としての防振シート50を設けたものである。この防振シート50が間仕切り壁の構造10に伝わる音や振動を和らげる。このため、間仕切り壁の構造10の遮音性を高めることができる。
図7は、本発明に係る間仕切り壁の構造10の他の変形例を示したものである。この図に示すように、この間仕切り壁の構造10は、乾式壁14の内側のプラスターボード16の上端と天井面20のプラスターボード24との間に、シーリング材46を設けるとともに、LGS下地材12の上端部の壁支持材36の直上の天井面20のプラスターボード22、24に、縁切り用の切り欠き52を設けたものである。この構成によれば、シーリング材46によって、音漏れの原因となり易い間仕切り壁の構造10と天井面20の接合部の遮音性を高めることができる。また、室内空間で発生した音に起因する固体伝搬音は切り欠き52で遮断されるので、天井面20を通じて隣の室内空間に音漏れしにくくなる。このため、間仕切り壁の構造10の遮音性を高めることができる。
図8は、本発明に係る間仕切り壁の構造10の他の変形例を示したものである。この図に示すように、この間仕切り壁の構造10は、図7に示した乾式壁14の内部に、すなわちプラスターボード16とLGS下地材12とで囲まれる空間に断熱性吸音材54を充填したものである。この断熱性吸音材54としては、例えばグラスウールやロックウール等の断熱性吸音材を用いることができる。このようにすることで、間仕切り壁の構造10の遮音性能をより一層高めることができる。なお、図1〜図7に示したような間仕切り壁の乾式壁14の内部に、上記の断熱性吸音材を充填して遮音性能を高めてもよい。
[遮音性能の検証]
次に、本発明に係る間仕切り壁の構造の遮音性能を検証するために行った遮音性能実験および結果について、図9〜図11を参照しながら説明する。
この遮音性能実験は、JIS A 1416:2000「実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」に準拠して行ったものであり、図9および図10に示した試験体1〜7について、タイプII試験室における室間音圧レベル差を測定している。
図11に、試験体別の1/3オクターブ帯域中心周波数と室間音圧レベル差の関係を示す。
試験体1は、従来の典型的な壁先行工法による仕様である。この試験体1は、LGS下地材の左面に壁ボード(プラスターボード)を2枚(内側の厚さt12.5mm、外側の厚さt9.5mm)、右面に1枚(厚さt9.5mm)を貼り付けた乾式壁からなり、床スラブ上に設けられる。LGS下地材の配置間隔は303mmとしている。天井面には天井ボード(プラスターボード)が1枚(厚さt9.5mm)が設けられる。
この試験体1と同等以上の遮音性能を確保できる床・天井先行工法による仕様を、以下のように実験的に求めた。
まず、壁ボードと天井ボードの厚さ・積層枚数を壁先行工法による仕様の試験体1と同様にして床・天井先行工法を適用し、試験体2とした。
次に、試験体2の壁の右面・天井面に対して厚さt12.5mmのボードをそれぞれ追加して試験体3とした。この試験体3は本発明の図1の構造に相当する。
次に、試験体3のLGS下地材の配置間隔を303mmから455mmに増大するとともに、内側の壁ボードの上端部にシール(シーリング材、幅3〜4mm)を設けて試験体5とした。試験体5は本発明の図4の構造に相当する。これにより、図11に示すように、中心周波数200〜400Hz帯域の遮音性能が改善されることがわかる。
次に、試験体5の天井ボードを壁位置でカットして切り欠きを設けたものを試験体6とした。試験体6は本発明の図7の構造に相当する。切り欠きを設けることで、天井ボードを経由する固体伝搬音を低減することができる。これによって、図11に示すように、中心周波数1.25kHz帯域以上で遮音性能が改善されることがわかる。
最後に、試験体6の壁内部にグラスウールGW(24kg/m、厚さ50mm)を追加して試験体7とした。試験体7は本発明の図8の構造に相当する。これによって、図11に示すように、試験体1と同等か、周波数帯域によっては上回る遮音性能を確保することができる。
一方、現場で実際に用いられる床・壁先行工法による仕様を参考にした試験体4と同等以上の遮音性能を確保する床・天井先行工法による仕様を、以下のように実験的に求めた。
この試験体4は、LGS下地材の左右両面に壁ボードを2枚(内側の厚さt9.5mm、外側の厚さt12.5mm)ずつ貼り付けた乾式壁からなり、二重床上に設けられる。LGS下地材の配置間隔は303mmとしている。左面の内側の壁ボードの上端は上階の床スラブ下面にシールを介することなく接続している。天井面には天井ボードが1枚(厚さt9.5mm)が設けられている。
この試験体4に対して厚さt12.5mmの天井ボードを増し貼りするとともに、壁位置で天井ボードをカットし、内外の壁ボードの厚さを交換し、内側の壁ボードの上端部にシール(シーリング材、幅3〜4mm)を設けて天井ボードに接続し、LGS下地材の配置間隔を303mmから455mmに増大することで、上述したような試験体6が得られる。このように仕様変更することで、図11に示すように、試験体4と同等の性能を確保することができる。
以上のように、従来の壁先行工法や床・壁先行工法による仕様に対して、(1)天井ボードを増し貼りし、(2)LGS下地材の配置間隔を広くし、(3)天井ボードを壁位置でカットし、(4)壁内部にグラスウールを充填した仕様を適用し、床・天井先行工法による仕様にすることで、遮音性能を大きく改善することができる。
[間仕切り壁の施工方法]
次に、本発明に係る間仕切り壁の施工方法について説明する。この施工方法は、上述した間仕切り壁の構造10を施工する方法である。図1に示すように、まず、床スラブ26上に二重床28を形成するとともに、天井に2枚のプラスターボード22、24を貼り付けて天井面20を形成する。この後、天井面20と床面30との間に上記の乾式壁14を施工する。このような施工方法により、従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化が図れる。
[集合住宅建築物]
次に、本発明に係る集合住宅建築物について説明する。この集合住宅建築物は、上述した間仕切り壁の構造10を有する住戸を備えるものである。この集合住宅建築物によれば、先行壁をなくし床および天井を先行して施工することで内装工事の作業効率化が図れる。このため、建設工事に係る労務削減や不具合防止、コスト削減、いわゆるリノベーション時のレイアウト変更を容易に行うことができる。
特に、住戸内の全ての壁の種類を上記の間仕切り壁の構造10に統一することで、内装工事の作業効率化がより一層図れる。この場合、壁位置の天井の高さを統一するとともに(例えば2.5m)、間仕切り壁の乾式壁14の両面および天井面に貼り付ける2枚のプラスターボード16、18、22、24を同じ厚さ(例えば9.5mm)にする。このようにすれば、住戸内で施工する間仕切り壁の種類が1種類になり、作業効率化が図れる。また、乾式壁14および天井面20に設けるプラスターボードがそれぞれ2枚であることから、間仕切り壁および天井面における遮音性能や剛性の品質が向上する。なお、ここで使用する間仕切り壁の構造10は、図1、図4〜図6のいずれか一つでもよいし、図1、図4〜図6のうちの少なくとも一つでもよい。
また、住戸内の台所、浴室、トイレ、PSなどの水廻りのような音が発生する空間の壁や、寝室など外部からの音の侵入を遮りたい空間の壁だけを、上記の間仕切り壁の構造10で構成してもよい。このようにすれば、住戸内の内装工事の作業効率化が図れるのはもちろんのこと、遮音性に優れた住戸を低コストで実現することができる。なお、ここで使用する間仕切り壁の構造10は、図1、図4〜図6のいずれか一つでもよいし、図1、図4〜図6のうちの少なくとも一つでもよい。
また、本発明によれば、内装工事の設計図および施工図の図面作成およびチェック時間の短縮が図れる。同一納まりを多用することで、施工ミスの発生を削減することができる。設計図と施工図での変更がほとんどないため、無理な納まりが減り、施工しやすくなり、施工上タクト工程が改善される。さらに、間仕切り壁のLGS下地材12を据え付け施工前にプレカットでき、木製建具枠の見込みを統一することもできる。
また、ダクト下がりや梁下がりのないフラットな天井や、梁成の最小化と給排気空調の最適化が可能となり、室内空間の拡大と住戸内プラン変更の自由度の拡大が図れるとともに、外周の梁スリーブがないことにより、住戸性能を向上することができる。
また、天井と床が完成した(先行施工した)状態で間仕切り壁の工事を行うので、例えばマンションや中古住宅のリノベーション時に部屋のレイアウト変更が容易となる。家族構成の変化に合わせて間取りを変えるためにも、レイアウトの可変性は必要とされている。高齢化や子供の独立に伴う部屋数の変更や広さの変更などが可能なことで、住戸の持つ基本性能が向上する。
なお、直近の需要予測において、新しく建設されるオリンピックの選手村を、終了後にマンションに変更するという需要予測がある。こうしたものに対する適用の際にも、室内において容易に間取りが変更可能な本発明は有効である。
以上説明したように、本発明に係る間仕切り壁の構造によれば、室内空間を仕切る間仕切り壁の構造であって、両面に断熱性遮音材を複数層ずつ設けた乾式壁からなり、上端を断熱性遮音材が複数層設けられた天井面に固定し、下端を床スラブ上に形成された二重床の床面に固定したので、この構造は二重床と天井面を先行施工した後、間仕切り壁を施工することで容易に得られる。したがって、本発明によれば、従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化が図れる。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の内層側の断熱性遮音材の上端と天井面の断熱性遮音材との間に、シーリング材を設けたので、このシーリング材によって、音漏れの原因となり易い間仕切り壁と天井面の接合部の遮音性を高めることができる。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の内層側の断熱性遮音材の下端の直下の二重床の上部床に、縁切り用の切り欠きを設けたので、切り欠きがある側の室内空間で発生した音や振動は切り欠きで遮断され、床面を通じて隣の室内空間に音漏れしにくくなる。このため、間仕切り壁の遮音性を高めることができる。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の直上の天井面の断熱性遮音材に、縁切り用の切り欠きを設けたので、室内空間で発生した音に起因する固体伝搬音は切り欠きで遮断され、天井面を通じて隣の室内空間に音漏れしにくくなる。このため、間仕切り壁の遮音性を高めることができる。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の直下の上部床と、この上部床を直下より支持する置き床支持脚との間に、防振部材を設けたので、この防振部材が間仕切り壁に伝わる音や振動を和らげる。このため、間仕切り壁の遮音性を高めることができる。
また、本発明に係る他の間仕切り壁の構造によれば、乾式壁の内部に、断熱性吸音材を設けたので、間仕切り壁の遮音性をより一層高めることができる。
また、本発明に係る間仕切り壁の施工方法によれば、上述した間仕切り壁の構造を施工する方法であって、床スラブ上に二重床を形成するとともに、天井面に複数層の断熱性遮音材を設けた後、天井面と二重床の床面との間に乾式壁を施工するので、従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化が図れる。
また、本発明に係る集合住宅建築物によれば、上述した間仕切り壁の構造を有する住戸を備えるので、従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化が図れる。このため、建設工事に係る労務削減や不具合防止、コスト削減等が可能になる。
また、本発明に係る他の集合住宅建築物によれば、全ての間仕切り壁が上記の間仕切り壁の構造のうちの少なくとも一つである住戸を備えるので、内装工事の作業効率化がより一層図れる。
また、本発明に係る他の集合住宅建築物によれば、音が発生する空間または音の伝達を遮りたい空間の間仕切り壁が上記の間仕切り壁の構造のうちの少なくとも一つである住戸を備えるので、内装工事の作業効率化が図れるとともに、遮音性に優れた住戸を低コストで実現することができる。
以上のように、本発明に係る間仕切り壁の構造、施工方法および集合住宅建築物は、例えば超高層集合住宅建築物などに備わる住戸内の部屋を仕切る間仕切り壁の構造、施工方法およびこの構造を有する集合住宅建築物に有用であり、特に、従来の施工方式によらないで内装工事の作業効率化を図るのに適している。
10 間仕切り壁の構造
12 LGS下地材
14 乾式壁
16,18,22,24 プラスターボード(断熱性遮音材)
20 天井面
25 天井裏空間
26 床スラブ
28 二重床
30 床面
32 置き床支持脚
34 野縁
36,44 壁支持材
38 上部床
40 パーティクルボード
42 床材
46 シーリング材
48,52 切り欠き
50 防振シート(防振部材)
54 断熱性吸音材

Claims (10)

  1. 室内空間を仕切る間仕切り壁の構造であって、
    両面に断熱性遮音材を複数層ずつ設けた乾式壁からなり、上端を断熱性遮音材が複数層設けられた天井面に固定し、下端を床スラブ上に形成された二重床の床面に固定したことを特徴とする間仕切り壁の構造。
  2. 乾式壁の内層側の断熱性遮音材の上端と天井面の断熱性遮音材との間に、シーリング材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の間仕切り壁の構造。
  3. 乾式壁の内層側の断熱性遮音材の下端の直下の二重床の上部床に、縁切り用の切り欠きを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の間仕切り壁の構造。
  4. 乾式壁の直上の天井面の断熱性遮音材に、縁切り用の切り欠きを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の間仕切り壁の構造。
  5. 乾式壁の直下の上部床と、この上部床を直下より支持する置き床支持脚との間に、防振部材を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の間仕切り壁の構造。
  6. 乾式壁の内部に、断熱性吸音材を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の間仕切り壁の構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の間仕切り壁の構造を施工する方法であって、
    床スラブ上に二重床を形成するとともに、天井面に複数層の断熱性遮音材を設けた後、天井面と二重床の床面との間に乾式壁を施工することを特徴とする間仕切り壁の施工方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の間仕切り壁の構造を有する住戸を備えることを特徴とする集合住宅建築物。
  9. 全ての間仕切り壁が請求項1〜6のいずれか一つに記載の間仕切り壁の構造のうちの少なくとも一つである住戸を備えることを特徴とする集合住宅建築物。
  10. 音が発生する空間または音の伝達を遮りたい空間の間仕切り壁が請求項1〜6のいずれか一つに記載の間仕切り壁の構造のうちの少なくとも一つである住戸を備えることを特徴とする集合住宅建築物。
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CN106917520A (zh) * 2017-04-25 2017-07-04 覃毅 一种装配式别墅
CN114922343A (zh) * 2022-05-25 2022-08-19 筑晟工程设计(山东)有限公司 一种装配式建筑隔热隔声墙板管线分离施工方法

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