JP2016100266A - カバー部材付電線及びカバー部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】カバー部材付電線において、端子と相手側部材との接続作業を容易に行うことが可能な技術を提供すること。【解決手段】カバー部材付電線100は、端子付電線9とカバー部材4と第一弾性部材1とを備える。端子付電線9は、芯線81と絶縁被覆82とを備える絶縁電線8と、絶縁電線8の端部に接続された端子7と、を備える。端子7は、絶縁電線8の芯線81に接続された部分である電線接続部71と、相手側部材に接続可能な接点部72と、電線接続部71と接点部72とを繋ぐ中間部73と、を含む。カバー部材4は、複数のカバー部材片41,42が合体した状態で端子付電線9の端部における絶縁電線8と端子7の電線接続部71及び中間部73とを覆う。第一弾性部材1は、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面とに挟まれ、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面との間の隙間を埋める。【選択図】図1
Description
本発明は、端子付電線と防水用のカバー部材とを含むカバー部材付電線及びカバー部材に関する。
自動車等の車両に搭載されるワイヤーハーネスにおいて、カバー部材付電線は、端子付電線と防水用のカバー部材とを備える。端子付電線は、絶縁電線と絶縁電線の端部に接続された端子とを備える。端子は、絶縁電線に接続される電線接続部とこの端子の接続相手である相手側部材に接続可能な接点部とを備える。
カバー部材付電線において、カバー部材は、絶縁電線と端子との接続部分を覆う。これにより、絶縁電線と端子との接続部分に液体が侵入することが防がれる。
例えば、特許文献1に示される例では、カバー部材は、ヒンジで繋がれた第一カバー部材と第二カバー部材とを有する。特許文献1に示される例では、第一カバー部材及び第二カバー部材が端子付電線の端子を挟むように取り付けられることで、端子と絶縁電線との接続部分を覆っている。
しかしながら、特許文献1に示される例では、カバー部材は、端子全体を覆う状態で端子付電線に取り付けられる。即ち、端子の接点部もカバー部材によって覆われている。このため、端子と相手側部材との接続作業は、カバー部材を開いた状態で行う必要があり、作業性が悪い。
本発明は、カバー部材付電線において、端子と相手側部材との接続作業を容易に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
第1態様に係るカバー部材付電線は、芯線と前記芯線の周囲を覆う絶縁被覆とを備える絶縁電線と、前記絶縁電線の端部に接続された端子と、を備え、前記端子は、前記絶縁電線の前記芯線に接続された部分である電線接続部と、相手側部材に接続可能な接点部と、前記電線接続部と前記接点部とを繋ぐ中間部と、を含む、端子付電線と、複数のカバー部材片が合体した状態で前記端子付電線の端部における前記絶縁電線と前記端子の前記電線接続部及び前記中間部とを覆うカバー部材と、前記カバー部材の内側面と前記端子の前記中間部の外周面とに挟まれ、前記カバー部材の内側面と前記端子の前記中間部の外周面との間の隙間を埋める第一弾性部材と、を備える。
第2態様に係るカバー部材付電線は、第1態様に係るカバー部材付電線の一態様である。第2態様に係るカバー部材付電線において、前記カバー部材は、前記端子の第一主面側と第二主面側とから近付けられて合体する2つのカバー部材片を含み、前記第一弾性部材は、前記2つのカバー部材片各々に設けられた第一主面側弾性部材と第二主面側弾性部材とを含む。
第3態様に係るカバー部材付電線は、第2態様に係るカバー部材付電線の一態様である。第3態様に係るカバー部材付電線において、前記第一弾性部材は、前記第一主面側弾性部材よりも厚みが厚い前記第二主面側弾性部材を含む。
第4態様に係るカバー部材付電線は、第1態様から第3態様のいずれか1つに係るカバー部材付電線の一態様である。第4態様に係るカバー部材付電線は、前記絶縁電線の周囲に設けられ、前記カバー部材の内側面と前記絶縁電線の外周面との間の隙間を塞ぐ第二弾性部材をさらに備える。
第5態様に係るカバー部材付電線は、第4態様に係るカバー部材付電線の一態様である。第5態様に係るカバー部材付電線において、前記カバー部材は、前記第二弾性部材の前記端子側に対し反対側の位置で前記絶縁電線を押さえる電線押さえ部をさらに含む。
第6態様に係るカバー部材は、絶縁電線の芯線に接続された部分である電線接続部、相手側部材に接続可能な接点部及び前記電線接続部と前記接点部とを繋ぐ中間部を含む端子の第一主面側と第二主面側とから近付けられて合体した状態で前記電線接続部を覆うことが可能な2つのカバー部材片と、前記2つのカバー部材片各々に設けられた第一主面側弾性部材と第二主面側弾性部材とを含み、前記2つのカバー部材片が合体した状態において、前記カバー部材の内側面と前記端子の前記中間部の外周面とに挟まれ、前記カバー部材の内側面と前記端子の前記中間部の外周面との間の隙間を埋める第一弾性部材と、を備える。
上記の各態様において、カバー部材は、端子付電線の端部における絶縁電線と端子の電線接続部と中間部とを覆う。このため、端子の接点部がカバー部材によって覆われておらず、端子と相手側部材との接続作業を容易に行うことができる。その結果、端子と相手側部材との接続作業の作業性が向上する。また、上記の各態様におけるカバー部材付電線においては、カバー部材の内側面と端子の中間部の外周面とに挟まれ、カバー部材の内側面と端子の中間部の外周面との間の隙間を埋める第一弾性部材により、端子の接点部側から液体が侵入することを抑制でき、端子と絶縁電線との接続部分が止水される。
また、第2態様において、カバー部材は、端子の第一主面側と第二主面側とから近付けられて合体する2つのカバー部材片を含む。また、第一弾性部材は、2つのカバー部材片各々に設けられた第一主面側弾性部材と第二主面側弾性部材とを含む。この場合、2つのカバー部材片それぞれに設けられた第一主面側弾性部材と第二主面側弾性部材とが端子の中間部を挟み、その周囲に密着する。このため、カバー部材付電線の止水性能を向上させることができる。
また、第3態様において、第一弾性部材は、第一主面側弾性部材よりも厚みが厚い第二主面側弾性部材を含む。この場合、第一主面側弾性部材が形成されたカバー部材片を第二主面側弾性部材が形成されたカバー部材片に押し付けたときに、端子の中間部が比較的厚い第二主面側弾性部材にめり込んだ状態で、端子の中間部の周囲に第一弾性部材が密着する。このため、第一主面側弾性部材と第二主面側弾性部材との間に隙間が生じることがより抑制され、カバー部材付電線の止水性能を向上させることができる。
また、第4態様において、カバー部材付電線は、絶縁電線の周囲に設けられ、カバー部材の内側面と絶縁電線の外周面との間の隙間を塞ぐ第二弾性部材をさらに備えるため、絶縁電線側からの液体の侵入を抑制でき、カバー部材付電線の止水性能を向上させることができる。
また、第5態様において、カバー部材は、第二弾性部材の端子側に対し反対側の位置で絶縁電線を押さえる電線押さえ部をさらに含む。この場合、絶縁電線に曲げの力が加えられたときに、絶縁電線は、電線押さえ部に押さえられた第二弾性部材の端子側に対し反対側の位置の部分を支点にして曲がる。これにより、第二弾性部材と絶縁電線との間に隙間が形成されることを抑制できて、カバー部材付電線の止水性能を向上させることができる。
以下、添付の図面を参照しつつ、実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
<第1実施形態>
図1〜6を参照しつつ、第1実施形態に係るカバー部材付電線100について説明する。カバー部材付電線100は、端子付電線9とカバー部材4と第一弾性部材1とを含む。また、本実施形態において、カバー部材付電線100は、第二弾性部材2をさらに含む。カバー部材付電線100は、例えば、自動車等の車両に搭載される。
図1〜6を参照しつつ、第1実施形態に係るカバー部材付電線100について説明する。カバー部材付電線100は、端子付電線9とカバー部材4と第一弾性部材1とを含む。また、本実施形態において、カバー部材付電線100は、第二弾性部材2をさらに含む。カバー部材付電線100は、例えば、自動車等の車両に搭載される。
また、カバー部材付電線100において、端子付電線9は、絶縁電線8と端子7とを備える。また、本実施形態では、カバー部材4は、2つのカバー部材片41,42を含む。
図1は、カバー部材付電線100の一部切り欠き側面図である。図2は、カバー部材付電線100の一部分解平面図である。図2では、カバー部材4におけるカバー部材片41が外された状態のカバー部材付電線100が示されている。図3は、カバー部材付電線100の側面図である。なお、図3では、このカバー部材付電線100の接続相手である相手側部材6が仮想線(二点鎖線)で示されている。図4は、カバー部材付電線100の断面図である。図4は、図1のII−II平面における断面図である、図5は、カバー部材4の斜視図である。図6は、一部が分解されたカバー部材付電線100の一部切り欠き側面図である。
<カバー部材付電線:端子付電線>
図1,2,6に示されるように、端子付電線9は、芯線81と芯線81の周囲を覆う絶縁被覆82とを備える絶縁電線8と、絶縁電線8の端部に接続された端子7と、を備える。
図1,2,6に示されるように、端子付電線9は、芯線81と芯線81の周囲を覆う絶縁被覆82とを備える絶縁電線8と、絶縁電線8の端部に接続された端子7と、を備える。
本実施形態では、絶縁電線8の端部の絶縁被覆82が取り除かれ、絶縁電線8の端部の芯線81が露出した状態で、芯線81に端子7が接続されている。
また、絶縁電線8において、芯線81は、例えば、銅又はアルミニウム等の金属を主成分とする部材であることが考えられる。また、絶縁被覆82は、例えば、ポリエチレン又は塩化ビニル等を主成分とする合成樹脂の部材であることが考えられる。
また、端子付電線9において、端子7は、電線接続部71と接点部72と中間部73とを含む。電線接続部71は、絶縁電線8の芯線81に接続される部分である。また、接点部72は、相手側部材6に接続可能な部分である。また、中間部73は、電線接続部71と接点部72とを繋ぐ部分である。
本実施形態では、電線接続部71は、絶縁電線8の端部において、絶縁被覆82から延び出る芯線81の周囲を覆う状態でかしめられた芯線圧着部711を含む。また、本実施形態では、電線接続部71は、さらに絶縁被覆圧着部712も含んでいる。絶縁被覆圧着部712は、絶縁電線8の端部において、絶縁被覆82の周囲を覆う状態でかしめられることで、絶縁被覆82に対し物理的に接続される。
上記のように、本実施形態は、絶縁電線8と端子7とが圧着によって接続されている場合の事例である。なお、端子7の電線接続部71が、芯線圧着部711のみを備える場合も考えられる。また、電線接続部71において、芯線81と端子7とが超音波溶接又は熱溶接等の溶接によって接続される場合も考えられる。
また、本実施形態では、接点部72には、相手側部材6とボルト締結を可能にする締結孔721が形成されている。締結孔721は、端子7の一方の主面(以下、第一主面701)から他方の主面(以下、第二主面702)に貫通する貫通孔である。
本実施形態では、相手側部材6にも、端子7とのボルト締結を可能にする締結用の孔が形成されていることが考えられる。そして、端子7の接点部72の締結孔721と相手側部材6の締結用の孔とが重なった状態で、ボルトが通され締められることで、端子7と相手側部材6とが接続される。
なお、ここで、上記の第一主面701は、端子7における絶縁電線8が存在する側の面と定義する。即ち、端子付電線9において、絶縁電線8の芯線81は、端子7の第一主面701側に存在した状態で、端子7の電線接続部71に接続される。また、第二主面702は、第一主面701に対し反対側の面である。本実施形態では、端子付電線9の端子7は、端子7の第二主面702側に相手側部材6が存在する状態で、相手側部材6とボルト締結される。
また、本実施形態において、中間部73は、電線接続部71と接点部72とを一の直線に沿って繋ぐ部分である。即ち、端子7において、電線接続部71、接点部72及び中間部73は、一の直線に沿って並んで設けられている。なお、カバー部材付電線100において、上記一の直線は、絶縁電線8の長手方向に沿う直線である。
また、図1に示されるように、本実施形態では、中間部73は、曲げられており、中間部73に一つの段差が形成されている。このため、本実施形態の端子7においては、端子7の第一主面701側から第二主面702側に向かう方向(以下、厚み方向)における電線接続部71の位置と接点部72の位置とが異なっている。即ち、中間部73は、電線接続部71から絶縁電線8の長手方向に沿って接点部72側に向かって延びる第一部分と、第一部分の接点部72側で絶縁電線8の長手方向に直交する方向に折り曲げられた第二部分と、第二部分から再び絶縁電線8の長手方向に沿うように折り曲げられ接点部72に隣接する第三部分と、を含んでいる。
そして、本実施形態では、中間部73が折り曲げられ、端子7の厚み方向において、接点部72が電線接続部71よりも第二主面702側に位置している。この場合、後述するカバー部材4の第二主面702側のカバー部材片42の底面と端子7の接点部72における第二主面702との位置を合わすことができる。即ち、本実施形態では、カバー部材4における第二主面側のカバー部材片42の底面と端子7の接点部72における第二主面702とが一の平面上に存在する状態を作ることができる。この場合、相手側部材6のボルト締結側の面が平坦である場合に、端子7の接点部72の第二主面702及びカバー部材4のカバー部材片42の底面が、相手側部材6のボルト締結側の面に接触した状態でボルト締結作業を行うことができる。即ち、端子7の接点部72がカバー部材4によって相手側部材6のボルト締結側の面に接触しない状態で、ボルト締結作業が行われることを回避できる。これにより、本実施形態では、端子7と相手側部材6との接続状態を安定させることが可能となる。
<カバー部材付電線:第二弾性部材>
図1に示されるように、カバー部材付電線100において、第二弾性部材2は、絶縁電線8の周囲に設けられ、後述するカバー部材4の内側面と絶縁電線8の外周面との間の隙間を塞ぐ。
図1に示されるように、カバー部材付電線100において、第二弾性部材2は、絶縁電線8の周囲に設けられ、後述するカバー部材4の内側面と絶縁電線8の外周面との間の隙間を塞ぐ。
本実施形態では、第二弾性部材2は、絶縁電線8に取り付けられている。本実施形態では、第二弾性部材2は、絶縁電線8の絶縁被覆82の周囲を覆う環状の部材である。即ち、第二弾性部材2は、絶縁電線8の全周に亘って設けられている。
第二弾性部材2は、例えば、カバー部材4の内側面と絶縁電線8の外周面との間の隙間を塞ぐことが可能なゴムの部材であることが考えられる。このような第二弾性部材2は、例えば、NBR(ニトリルゴム)又はシリコーン等のゴムで構成された部材であることが考えられる。
<カバー部材付電線:カバー部材>
カバー部材付電線100において、カバー部材4は、複数(本例では2つ)のカバー部材片41,42を含む。そして、カバー部材4は、カバー部材片41,42が合体した状態で、端子付電線9の端部における絶縁電線8と端子7の電線接続部71及び中間部73とを覆う。なお、図1〜3に示されるように、カバー部材付電線100においては、端子付電線9の端部における絶縁電線8と端子7の電線接続部71及び中間部73とだけがカバー部材4により覆われており、端子7の接点部72はカバー部材4によって覆われていない。
カバー部材付電線100において、カバー部材4は、複数(本例では2つ)のカバー部材片41,42を含む。そして、カバー部材4は、カバー部材片41,42が合体した状態で、端子付電線9の端部における絶縁電線8と端子7の電線接続部71及び中間部73とを覆う。なお、図1〜3に示されるように、カバー部材付電線100においては、端子付電線9の端部における絶縁電線8と端子7の電線接続部71及び中間部73とだけがカバー部材4により覆われており、端子7の接点部72はカバー部材4によって覆われていない。
本実施形態では、カバー部材4は、端子7の第一主面701側と第二主面702側とから近付けられる2つのカバー部材片41,42とを含む。なお、2つのカバー部材片41,42のうち端子7の第一主面701側から近付けられるものをカバー部材片41と定義し、端子7の第二主面702側から近付けられるものをカバー部材片42と定義して説明する。
本実施形態において、カバー部材4は、一の直線に沿って並ぶ第一押さえ部47、第二押さえ部48及び電線押さえ部49を含んでいる。
第一押さえ部47は、カバー部材片41,42が合体して形成されるカバー部材4において、端子付電線9の端子7の中間部73が通される部分である。即ち、カバー部材付電線100において、カバー部材4の第一押さえ部47は、絶縁電線8の長手方向において端子7の中間部73の位置に重なるように設けられている。そして、第一押さえ部47は、端子7の中間部73の周囲を覆い、端子7の移動を規制する部分である。なお、第一押さえ部47には、後述する第一弾性部材1が設けられる。このため、第一押さえ部47は、第一弾性部材1を介して端子7の中間部73の周囲を覆うことで、端子7の移動を規制している。
また、第二押さえ部48は、カバー部材片41,42が合体して形成されるカバー部材4において、端子付電線9の絶縁電線8に設けられた第二弾性部材2が通される部分である。即ち、カバー部材付電線100において、第二押さえ部48は、絶縁電線8の長手方向において絶縁電線8に設けられた第二弾性部材2の位置に重なるように設けられている。そして、第二押さえ部48は、絶縁電線8に設けられた第二弾性部材2の周囲を覆う部分である。本実施形態では、第二押さえ部48が、絶縁電線8に設けられた第二弾性部材2に接触することで、第二弾性部材2及び端子付電線9の移動が規制される。
また、本実施形態において、電線押さえ部49は、第二弾性部材2の端子7側に対し反対側の位置で絶縁電線8を押さえる部分である。即ち、電線押さえ部49は、第二弾性部材2の端子7側に対し反対側の位置で絶縁電線8の周囲を覆い、絶縁電線8の移動を規制している。
また、本実施形態において、第二押さえ部48の内側面が成す輪郭形状は、絶縁電線8に設けられた第二弾性部材2の外周面が成す輪郭形状と同じである場合或いは第二弾性部材2の外周面が成す輪郭形状よりも小さい場合が考えられる。これらの場合、第二弾性部材2の外周面とカバー部材4の第二押さえ部48の内側面との間に隙間が形成されることが抑制される。
また、同様に、電線押さえ部49の内周面が成す輪郭形状は、絶縁電線8の外周面が成す輪郭形状と同じである場合或いは絶縁電線8の外周面が成す輪郭形状よりも小さい場合が考えられる。これらの場合、絶縁電線8の外周面と電線押さえ部49の内側面との間に隙間が形成されることが抑制される。
なお、図5,6に示されるように、上記の第一押さえ部47、第二押さえ部48及び電線押さえ部49は、それぞれカバー部材片41に形成された第一押さえ部形成領域417、第二押さえ部形成領域418及び電線押さえ部形成領域419と、カバー部材片42に形成された第一押さえ部形成領域427、第二押さえ部形成領域428及び電線押さえ部形成領域429と、によって形成される。
より具体的には、上記の第一押さえ部47は、カバー部材片41,42が合体したときに、カバー部材片41の第一押さえ部形成領域417とカバー部材片42の第二押さえ部形成領域427とによって囲まれる部分である。また、第二押さえ部48は、カバー部材片41,42が合体したときに、カバー部材片41の第二押さえ部形成領域418とカバー部材片42の第二押さえ部形成領域428とによって囲まれる部分である。また、電線押さえ部49は、カバー部材片41の電線押さえ部形成領域419とカバー部材片42の電線押さえ部形成領域429とによって囲まれる部分である。
本実施形態では、図5に示されるように、カバー部材片42の第一押さえ部形成領域427は、一の平面とこの平面に直交する方向に沿う一対の平面とが成す溝部4270を含む。この溝部4270には、後述する第一弾性部材1の第二主面側弾性部材12が設けられる。
また、本実施形態では、図5に示されるように、カバー部材片42の第二押さえ部形成領域428は、弧状の湾曲面が成す溝部4280を含む。この溝部4280には、絶縁電線8に設けられた第二弾性部材2が配置される。なお、溝部4280の弧状の湾曲面は、第二弾性部材2の外周面の周方向における一部の領域に沿う面である。
また、本実施形態では、図5に示されるように、カバー部材片42の電線押さえ部形成領域429は、弧状の湾曲面が成す溝部4290を含む。この溝部4290には、絶縁電線8が配置される。なお、溝部4290の弧状の湾曲面は、絶縁電線8の外周面の周方向における一部の領域に沿う面である。
また、本実施形態では、図6に示されるように、カバー部材片41の第一押さえ部形成領域417、第二押さえ部形成領域418及び電線押さえ部形成領域419にも、カバー部材片42と同様の構造の溝部4170,4180,4190が設けられている。
即ち、本実施形態において、カバー部材片41の第一押さえ部形成領域417は、一の平面とこの平面に直交する一対の平面とにより構成される溝部4170を含む。そして、カバー部材片41の溝部4170には、後述する第一弾性部材1の第一主面側弾性部材11が設けられる。
また、本実施形態において、カバー部材片41の第二押さえ部形成領域418は、弧状の湾曲面が成す溝部4180を含む。溝部4180には、絶縁電線8に設けられた第二弾性部材2が配置される。なお、溝部4180の弧状の湾曲面は、第二弾性部材2の外周面の周方向における溝部4280の湾曲面が沿う部分に対する残りの部分の領域に沿う面である。
また、本実施形態において、カバー部材片41の電線押さえ部形成領域419は、弧状の湾曲面が成す溝部4190を含む。溝部4190には、絶縁電線8が配置される。なお、溝部4190の弧状の湾曲面は、絶縁電線8の外周面の周方向における溝部4290の湾曲面が沿う部分に対する残りの部分の領域に沿う面である。
本実施形態では、カバー部材片41の各溝部4170,4180,4190とカバー部材片42の各溝部4270,4280,4290とが対向した状態のカバー部材片41とカバー部材片42との間に端子付電線9が配置される。そして、溝部4170,4270の位置に端子付電線9の端子7の中間部73を配置し、溝部4180,4280の位置に端子付電線9の第二弾性部材2を配置し、溝部4190,4290の位置に端子付電線9の絶縁電線8を配置した状態で、カバー部材片41,42が近付けられる。これにより、端子付電線9の端部における絶縁電線8と端子7の中間部73及び電線接続部71を覆うカバー部材4を得ることができる。
また、本実施形態において、カバー部材4は、カバー部材片41とカバー部材片42との合体状態を保持する保持部43を備える。保持部43は、カバー部材片41の両側面に設けられた第一係止部431とカバー部材片42の両側面に設けられた第二係止部432とを含む。第一係止部431は、係止孔を含み、第二係止部432は、上記係止孔に係止可能な係止爪を含む。従って、本実施形態では、第一係止部431の係止孔と第二係止部432の係止爪とが係り合うことで、カバー部材片41,42とが一体となる状態が持続する。なお、上記の保持部43以外の構造でカバー部材片41とカバー部材片42との合体状態が維持される場合も考えられる。
また、図5に示されるように、本実施形態では、カバー部材片41は、カバー部材4の第一押さえ部47から電線押さえ部49に向かう方向(カバー部材付電線100における絶縁電線8の長手方向に沿う方向)において、各側面の同じ位置に設けられた1組の第一係止部431を2つ含んでいる。また、同様にカバー部材片42は、カバー部材4の第一押さえ部47から電線押さえ部49に向かう方向において、各側面の同じ位置に設けられた1組の第二係止部432を2つ含んでいる。なお、カバー部材片41,42がそれぞれ、1組の第一係止部431及び1組の第二係止部432を1つ含む場合或いは3つ以上含む場合も考えられる。
そして、本実施形態では、2組の第一係止部431及び第二係止部432のうちの1組の第一係止部431及び第二係止部432は、絶縁電線8の長手方向において、第一押さえ部47に重なる位置に形成されている。これにより、端子7の中間部73と後述する第一弾性部材1との間の隙間をより小さくすることができる。詳細については後述する。
また、本実施形態において、カバー部材4の第一押さえ部47と第二押さえ部48との間には、端子7の電線接続部71が収容される空間(以下、第一空間45)が形成されている。本実施形態において、第一空間45は、端子7の電線接続部71を収容可能な十分な大きさ空間である。なお、十分な大きさの空間とは、この第一空間45を成す内側面と端子7の電線接続部71との間に隙間が形成されている空間を意味する。本実施形態では、図1,5に示されるように、第一空間45は、端子7の電線接続部71を収容可能な十分な大きさの直方体の空間である。この場合、カバー部材4の形状が簡素化するため、カバー部材片41,42が作り易い。
なお、第一空間45が、端子7の電線接続部71の外形に沿う空間である場合も考えられる。この場合、第一空間45の内側面と端子7の電線接続部71の外周面とは接触する。
また、本実施形態において、上記と同様、カバー部材4の第二押さえ部48と電線押さえ部49との間には、第二弾性部材2の端子7側に対し反対側に隣接する部分の絶縁電線8が収容される空間(以下、第二空間46)が形成されている。本実施形態において、第二空間46は、絶縁電線8の一部を収容可能な十分な大きさ空間である。なお、十分な大きさの空間とは、上記と同様、この第二空間46を成す内側面と絶縁電線8との間に隙間が形成されている空間を意味する。本実施形態では、図1,5に示されるように、第二空間46は、絶縁電線8を収容可能な十分な大きさの直方体の空間である。なお、第二空間46が、絶縁電線8の外形に沿う空間である場合も考えられる。
また、カバー部材片41,42から形成されるカバー部材4は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)又はPP(ポリプロピレン)等を含む樹脂製の部材であることが考えられる。
<カバー部材付電線:第一弾性部材>
カバー部材付電線100において、第一弾性部材1は、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面とに挟まれる。そして、第一弾性部材1は、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面との間の隙間を埋める。本実施形態では、第一弾性部材1は、端子7の中間部73の外周面の全周に亘ってその周囲を覆い、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面との間の隙間を埋めている。また、第一弾性部材1は、例えば、NBR(ニトリルゴム)又はシリコーン等のゴムの部材であることが考えられる。
カバー部材付電線100において、第一弾性部材1は、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面とに挟まれる。そして、第一弾性部材1は、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面との間の隙間を埋める。本実施形態では、第一弾性部材1は、端子7の中間部73の外周面の全周に亘ってその周囲を覆い、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面との間の隙間を埋めている。また、第一弾性部材1は、例えば、NBR(ニトリルゴム)又はシリコーン等のゴムの部材であることが考えられる。
本実施形態では、第一弾性部材1は、2つのカバー部材片41,42各々に設けられた第一主面側弾性部材11と第二主面側弾性部材12とを含んでいる。本実施形態において、第一主面側弾性部材11は、カバー部材片41の第一押さえ部形成領域417の溝部4170に設けられている。また、第二主面側弾性部材12は、カバー部材片42の第一押さえ部形成領域427の溝部4270に設けられている。
また、本実施形態では、図5に示されるように、第一弾性部材1は、シート状の第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12を含む。本実施形態では、第一主面側弾性部材11と第二主面側弾性部材12とは、同じ厚みのシート状の部材である。しかしながら、第一主面側弾性部材11の厚みと第二主面側弾性部材12の厚みとが異なる場合も考えられる。
また、第一主面側弾性部材11と第二主面側弾性部材12とは、それぞれ同じ種類のゴムの部材である場合或いはそれぞれ異なる種類のゴムの部材である場合が考えられる。以下では、第一主面側弾性部材11と第二主面側弾性部材12とが、それぞれ同じ種類のゴムの部材であるものとして説明する。
本実施形態では、カバー部材片41,42が合体した状態において、カバー部材片41に設けられた第一主面側弾性部材11とカバー部材片42に設けられた第二主面側弾性部材12とが、端子7の中間部73を第一主面701側と第二主面702側とから挟む。これにより、端子7の中間部73の周囲が第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12により覆われる。
このとき、図4に示されるように、端子7の中間部73は、第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12にめり込んだ状態で、その周囲が第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12に覆われる。即ち、第一弾性部材1は端子7に比べ柔らかい部材であるため、端子7の中間部73が接触することにより、第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12が弾性変形する。そして、弾性変形した第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12が元の形状に戻ろうとする復元力により、端子7の中間部73の外周面に第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12が密接する。なお、本実施形態では、第一主面側弾性部材11と第二主面側弾性部材12とが同じ厚みであり、また、同じ種類のゴムの部材であるため、端子7の中間部73は、第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12の双方にめり込み、双方の復元力によってその周囲を覆う第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12と密接している。
なお、本実施形態では、自然状態の第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12における端子7の中間部73と接触する接触面が、平面に構成されている。この場合、端子7が間に介在していない状態において、第一主面側弾性部材11と第二主面側弾性部材12とが最接近したときに、第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12各々の接触面間に隙間が形成されない。このため、端子7の中間部73を挟んだ状態の第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12において、双方の接触面は、端子7の中間部73の外周面が成す輪郭に応じた形状から元の形状である平面に戻ろうとする復元力により端子7の中間部73の形状に関わらず、その外周面に隙間なく密接しやすくなる。なお、自然状態の第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12とは、外力が加えられていない状態の第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12を意味する。
そして、カバー部材付電線100においては、端子7の中間部73の周囲が全周に亘って第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12を含む第一弾性部材1によって覆われており、また、第一弾性部材1が端子7の中間部73の外周面に密接しているため、カバー部材4の接点部72側から水等の液体が侵入することが抑制される。
また、本実施形態では、図3〜5に示されるように、絶縁電線8の長手方向において第一押さえ部47と重なる位置に第一係止部431及び第二係止部432が設けられている。この場合、第一主面側弾性部材11と第二主面側弾性部材12とが、端子7の中間部73を挟む力が強くなる。このため、端子7の中間部73と第一主面側弾性部材11及び第二主面側弾性部材12との間に隙間が形成されることをより抑制でき、カバー部材付電線100の止水性能がより向上する。
<カバー部材付電線>
本実施形態のカバー部材付電線100においては、カバー部材4は、端子付電線9の端部における絶縁電線8と端子7の電線接続部71と中間部73とを覆う。なお、カバー部材4は、端子7の接点部72を覆っていない。このため、端子7の接点部72がカバー部材4によって覆われておらず、端子7と相手側部材6との接続作業を容易に行うことができ、端子7と相手側部材6との接続作業の作業性が向上する。
本実施形態のカバー部材付電線100においては、カバー部材4は、端子付電線9の端部における絶縁電線8と端子7の電線接続部71と中間部73とを覆う。なお、カバー部材4は、端子7の接点部72を覆っていない。このため、端子7の接点部72がカバー部材4によって覆われておらず、端子7と相手側部材6との接続作業を容易に行うことができ、端子7と相手側部材6との接続作業の作業性が向上する。
また、本実施形態では、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面とに挟まれ、カバー部材4の内側面と端子7の中間部73の外周面との間の隙間を埋める第一弾性部材1により、端子7の接点部72側から液体が侵入することを抑制でき、端子7と絶縁電線8との接続部分(電線接続部71)が止水される。
また、本実施形態において、カバー部材4は、端子7の第一主面701側と第二主面702側とから近付けられて合体する2つのカバー部材片41,42を含む。また、第一弾性部材1は、2つのカバー部材片41,42各々に設けられた第一主面側弾性部材11と第二主面側弾性部材12とを含む。この場合、2つのカバー部材片41,42それぞれに設けられた第一主面側弾性部材11と第二主面側弾性部材12とが端子7の中間部73を挟み、その周囲に密着する。このため、カバー部材付電線100の止水性能を向上させることができる。
また、本実施形態において、カバー部材付電線100は、絶縁電線8の周囲に設けられ、カバー部材4の内側面と絶縁電線8の外周面との間の隙間を塞ぐ第二弾性部材2をさらに備えるため、絶縁電線8側からの液体の侵入を抑制でき、カバー部材付電線100の止水性能を向上させることができる。
また、本実施形態において、カバー部材4は、第二弾性部材2の端子7側に対し反対側の位置で絶縁電線8を押さえる電線押さえ部49をさらに含む。この場合、絶縁電線8に曲げの力が加えられたときに、絶縁電線8は、電線押さえ部49に押さえられた第二弾性部材2の端子7側に対し反対側の位置の部分を支点にして曲がる。これにより、第二弾性部材2と絶縁電線8との間に隙間が形成されることを抑制でき、カバー部材付電線100の止水性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、第二空間46において、絶縁電線8の外周面とカバー部材4の内側面との間には、隙間が形成されている。即ち、第二空間46において、絶縁電線8は、僅かに弛む若しくは曲がる等の変形が可能となる。この場合、電線押さえ部49を支点に曲がる絶縁電線8の変形が、絶縁電線8における第二空間46に収容された部分によって吸収され、絶縁電線8における第二押さえ部48に覆われた部分に影響を与えにくい。このため、第二押さえ部48において、絶縁電線8が曲げられた場合に、カバー部材4と第二弾性部材2との間及び第二弾性部材2と絶縁電線8との間に隙間が形成されることを抑制することが可能となる。
また、図3に示されるように、本実施形態では、カバー部材付電線100とは別の端子付電線69の端子67を、カバー部材付電線100の端子7と共に相手側部材6にボルト締結することも可能である。カバー部材4が端子7の接点部72を覆っておらず、別の端子(本例では端子付電線69の端子67)を、重ねることが可能なためである。この場合、例えば、カバー部材付電線100の端子7及び端子付電線69の端子67がアース用の端子である場合に、1つの相手側部材6(アースポイント)で複数の(本例では2つの)電線を接地することが可能となる。なお、便宜上、本明細書では、図3で示されるように、端子付電線69は、端子付電線9と同じ構造を有し、端子67は、端子7と同じ構造を有しているものとする。
<第2実施形態>
次に、図7,8を参照しつつ、第2実施形態に係るカバー部材付電線200について説明する。カバー部材付電線200は、第1実施形態と異なる第一弾性部材1Aを含む。図7は、一部分解状態のカバー部材付電線200の一部切り欠き側面図である。また、図8は、カバー部材付電線200の断面図である。なお、図7,8において、図1〜6に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態と異なる点について説明する。
次に、図7,8を参照しつつ、第2実施形態に係るカバー部材付電線200について説明する。カバー部材付電線200は、第1実施形態と異なる第一弾性部材1Aを含む。図7は、一部分解状態のカバー部材付電線200の一部切り欠き側面図である。また、図8は、カバー部材付電線200の断面図である。なお、図7,8において、図1〜6に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、カバー部材付電線200は、端子付電線9と第二弾性部材2とカバー部材4と第一弾性部材1Aとを含む。カバー部材付電線200において、カバー部材4、端子付電線9及び第二弾性部材2の構造は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図7,8に示されるように、カバー部材付電線200において、第一弾性部材1Aは、第一主面側弾性部材11Aと第二主面側弾性部材12Aとを含む。そして、第二主面側弾性部材12Aは、第一主面側弾性部材11Aよりも厚みが厚くなるように構成されている。なお、ここで、第一主面側弾性部材11Aの厚み及び第二主面側弾性部材12Aの厚みとは、自然状態における第一主面側弾性部材11Aの厚み及び第二主面側弾性部材12Aの厚みを意味する。従って、カバー部材付電線200において、端子7の中間部73を挟み、弾性変形した箇所の第二主面側弾性部材12Aの厚みが、弾性変形した第一主面側弾性部材11Aの厚みよりも小さくなること又は自然状態の第一主面側弾性部材11Aの厚みよりも小さくなることも考えられる。
本実施形態では、図8に示されるように、端子付電線9に第一弾性部材1Aが設けられたカバー部材4Aが取り付けられた状態において、端子7の中間部73は、厚みの厚い第二主面側弾性部材12Aに比較的深くめり込む。即ち、第一主面側弾性部材11Aが形成されたカバー部材片41を第二主面側弾性部材12Aが形成されたカバー部材片42に押し付けたときに、端子7の中間部73が比較的厚い第二主面側弾性部材12Aに深くめり込んだ状態で、端子7の中間部73の周囲に第一弾性部材1Aが密接する。このため、第一主面側弾性部材11Aと第二主面側弾性部材12Aとの間に隙間が生じることがより抑制され、カバー部材付電線200の止水性能がより向上する。
なお、本実施形態では、第一主面側弾性部材11A及び第二主面側弾性部材12Aが、同じ種類のゴムの部材であるため、端子7の中間部73は双方にめり込んでいる。そして、図8に示される例では、端子7の中間部73が比較的深くめり込んだ第二主面側弾性部材12Aの復元力が大きくなる。このため、第二主面側弾性部材12Aが元の形状に戻ろうとする比較的大きな復元力により、端子7の中間部73と第一弾性部材1Aとが密接し、その間の隙間をより小さくすることが可能となる。
<第3実施形態>
次に、図9を参照しつつ、第3実施形態に係るカバー部材付電線300について説明する。カバー部材付電線300においては、第一弾性部材1Bは、それぞれ異なる種類の第一主面側弾性部材11Bと第二主面側弾性部材12Bとを含む。図9は、カバー部材付電線300の断面図である。なお、図9において、図1〜8に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態及び第2実施形態と異なる点について説明する。
次に、図9を参照しつつ、第3実施形態に係るカバー部材付電線300について説明する。カバー部材付電線300においては、第一弾性部材1Bは、それぞれ異なる種類の第一主面側弾性部材11Bと第二主面側弾性部材12Bとを含む。図9は、カバー部材付電線300の断面図である。なお、図9において、図1〜8に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、本実施形態における第1実施形態及び第2実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、第2実施形態と同様、第一弾性部材1Bは、第一主面側弾性部材11Bよりも厚みが厚い第二主面側弾性部材12Bを含む。そして、本実施形態においては、第一主面側弾性部材11Bと第二主面側弾性部材12Bとは、それぞれ異なる種類のゴムの部材である。
例えば、図9に示される例は、第二主面側弾性部材12Bが、第一主面側弾性部材11Bに比べ柔らかい部材である場合の事例である。図9に示される例では、第二主面側弾性部材12Bが、端子7が押し当てられることで端子7の中間部73の底面及び両側面を覆うように弾性変形可能な柔軟な部材である。このため、カバー部材付電線300においては、端子7の中間部73の第二主面702及び両側面が第二主面側弾性部材12Bに覆われ、端子7の中間部73の第一主面701が第一主面側弾性部材11Bに覆われた状態を作ることができる。この場合、端子7の中間部73の側面において、第一主面側弾性部材11Bと第二主面側弾性部材12Bとが接触することを抑制でき、端子7と第一主面側弾性部材11Bと第二主面側弾性部材12Bとに囲まれることにより形成される隙間をより小さくすることができる。このような第一主面側弾性部材11Bと第二主面側弾性部材12Bとの組み合わせは、第一主面側弾性部材11Bが、シリコーンであり、第二主面側弾性部材12Bが、NBR(ニトリルゴム)である場合等が考えられる。
<応用例>
第1実施形態において、カバー部材片41,42の一方の側面側に、カバー部材片41及びカバー部材片42を開閉可能に連結するヒンジが形成されていることも考えられる。また、上記例を、第2実施形態及び第3実施形態に適用することも可能である。
第1実施形態において、カバー部材片41,42の一方の側面側に、カバー部材片41及びカバー部材片42を開閉可能に連結するヒンジが形成されていることも考えられる。また、上記例を、第2実施形態及び第3実施形態に適用することも可能である。
また、第1実施形態〜第3実施形態では、端子7の第一主面701側に存在する1つのカバー部材片41と端子7の第二主面702側に存在する1つのカバー部材片42とが合体することでカバー部材4を構成している。しかしながら、端子7の第一主面701側に存在する複数のカバー部材片で形成された部材と端子7の第二主面702側に存在する複数のカバー部材片で形成された部材とが合体することでカバー部材を構成する場合、端子7の第一主面701側に存在する1つのカバー部材片41と端子7の第二主面702側に存在する複数のカバー部材片で形成された部材とが合体することでカバー部材4を構成している場合或いは端子7の第一主面701側に存在する複数のカバー部材片で形成された部材と端子7の第二主面702側に存在する1つのカバー部材片42とが合体することでカバー部材4を構成している場合も考えられる。
また、第1実施形態〜第3実施形態では、第一弾性部材1は、カバー部材4に設けられているが、第一弾性部材1が、端子7の中間部73の周囲を覆う状態で設けられていることも考えられる。
また、第2実施形態及び第3実施形態において、第一主面側弾性部材11A,11Bと第二主面側弾性部材12A,12Bとの位置を入れ替えてもよい。
なお、本発明に係るカバー部材付電線及びカバー部材は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは、各実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
1 第一弾性部材
100 カバー部材付電線
11 第一主面側弾性部材
12 第二主面側弾性部材
2 第二弾性部材
200 カバー部材付電線
300 カバー部材付電線
4 カバー部材
41 カバー部材片
42 カバー部材片
49 電線押さえ部
7 端子
701 第一主面
702 第二主面
71 電線接続部
72 接点部
73 中間部
8 絶縁電線
81 芯線
82 絶縁被覆
9 端子付電線
100 カバー部材付電線
11 第一主面側弾性部材
12 第二主面側弾性部材
2 第二弾性部材
200 カバー部材付電線
300 カバー部材付電線
4 カバー部材
41 カバー部材片
42 カバー部材片
49 電線押さえ部
7 端子
701 第一主面
702 第二主面
71 電線接続部
72 接点部
73 中間部
8 絶縁電線
81 芯線
82 絶縁被覆
9 端子付電線
Claims (6)
- 芯線と前記芯線の周囲を覆う絶縁被覆とを備える絶縁電線と、前記絶縁電線の端部に接続された端子と、を備え、前記端子は、前記絶縁電線の前記芯線に接続された部分である電線接続部と、相手側部材に接続可能な接点部と、前記電線接続部と前記接点部とを繋ぐ中間部と、を含む、端子付電線と、
複数のカバー部材片が合体した状態で前記端子付電線の端部における前記絶縁電線と前記端子の前記電線接続部及び前記中間部とを覆うカバー部材と、
前記カバー部材の内側面と前記端子の前記中間部の外周面とに挟まれ、前記カバー部材の内側面と前記端子の前記中間部の外周面との間の隙間を埋める第一弾性部材と、を備えるカバー部材付電線。 - 請求項1に記載のカバー部材付電線であって、
前記カバー部材は、前記端子の第一主面側と第二主面側とから近付けられて合体する2つのカバー部材片を含み、
前記第一弾性部材は、前記2つのカバー部材片各々に設けられた第一主面側弾性部材と第二主面側弾性部材とを含む、カバー部材付電線。 - 請求項2に記載のカバー部材付電線であって、
前記第一弾性部材は、前記第一主面側弾性部材よりも厚みが厚い前記第二主面側弾性部材を含む、カバー部材付電線。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカバー部材付電線であって、
前記絶縁電線の周囲に設けられ、前記カバー部材の内側面と前記絶縁電線の外周面との間の隙間を塞ぐ第二弾性部材をさらに備える、カバー部材付電線。 - 請求項4に記載のカバー部材付電線であって、
前記カバー部材は、前記第二弾性部材の前記端子側に対し反対側の位置で前記絶縁電線を押さえる電線押さえ部をさらに含む、カバー部材付電線。 - 絶縁電線の芯線に接続された部分である電線接続部、相手側部材に接続可能な接点部及び前記電線接続部と前記接点部とを繋ぐ中間部を含む端子の第一主面側と第二主面側とから近付けられて合体した状態で前記電線接続部を覆うことが可能な2つのカバー部材片と、
前記2つのカバー部材片各々に設けられた第一主面側弾性部材と第二主面側弾性部材とを含み、前記2つのカバー部材片が合体した状態において、前記カバー部材の内側面と前記端子の前記中間部の外周面とに挟まれ、前記カバー部材の内側面と前記端子の前記中間部の外周面との間の隙間を埋める第一弾性部材と、を備えるカバー部材。
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WO2024085139A1 (ja) * | 2022-10-17 | 2024-04-25 | 矢崎総業株式会社 | コネクタ付き電線及びその製造方法 |
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2014
- 2014-11-25 JP JP2014237746A patent/JP2016100266A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024085139A1 (ja) * | 2022-10-17 | 2024-04-25 | 矢崎総業株式会社 | コネクタ付き電線及びその製造方法 |
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