JP2016098900A - ブレーキ圧力分布計測方法及びブレーキ圧力分布計測装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 回転運動可能な回転体と、前記回転体と対向する位置に配置され前記回転体と接触して押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体上、または前記回転体の近傍に配置したセンサによって、前記回転体が回転運動している状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の形状の微少変位を計測し、
前記計測により得られた前記回転体の形状の微少変位に基づき、コンピュータによる解析により前記回転体への圧力分布を算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
(2) 上記(1)に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記計測により得られた前記回転体の形状の微少変位に基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布を算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
(3) 上記(1)または(2)に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記センサを複数用意しておき、
前記回転体の径方向に互いに異なる位置に配置された前記複数のセンサそれぞれによって、前記回転体の形状の微少変位を計測する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
(4) 上記(1)から(3)のいずれか1項に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体の運動方向と直交する厚み方向の変位を拡大する変位拡大機構を用いた前記センサによって、前記回転体の形状の微少変位を計測する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
(5) 上記(4)に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体が、前記回転体の運動方向と直交する厚み方向に空隙を挟んで対向配置された2枚の回転板で構成される場合に、
前記センサを、前記2枚の回転板の間の空隙箇所に配置して計測を実施する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
上記(3)の構成のブレーキ圧力分布計測方法によれば、回転運動方向の圧力分布だけでなく、径方向の圧力分布も計測できるので、接触面における二次元の圧力分布を把握可能になり、より利用価値の高いデータが得られる。
上記(4)の構成のブレーキ圧力分布計測方法によれば、回転体の剛性が高く、可動部の押圧による回転体の変位が微少である場合でも、変位拡大機構が拡大した変位をセンサに伝達するので、高感度で変位の検出が可能になる。
上記(5)の構成のブレーキ圧力分布計測方法によれば、可動部と回転体との接触面の状況に影響を及ぼさない状態でセンサ及び変位拡大機構を配置することができる。したがって、より精密な計測が可能になる。
(6) 回転運動可能な回転体と、前記回転体と対向する位置に配置され前記回転体と接触して押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記回転体上、または前記回転体の近傍に配置したセンサと、
前記回転体が運動している状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の形状の微少変位を表すデータを、前記センサの出力に基づき取得するデータ計測部と、
前記データ計測部が取得した前記回転体の形状の微小変位を表すデータに基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布のデータを算出する圧力分布算出部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。
(7) 上記(6)に記載のブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記センサは、前記回転体の径方向に互いに異なる位置に複数配置され、
前記データ計測部は、前記回転体の形状の微少変位を表すデータを、複数の前記センサの出力に基づき取得する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。
(8) 上記(6)または(7)に記載のブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記センサは、前記回転体の運動方向と直交する厚み方向の変位を拡大する変位拡大機構を用いたものである、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
(9) 上記(8)に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体が、前記回転体の運動方向と直交する厚み方向に空隙を挟んで対向配置された2枚の回転板で構成され、
前記センサが、前記2枚の回転板の間の空隙箇所に配置される、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。
上記(7)の構成のブレーキ圧力分布計測装置によれば、回転運動方向の圧力分布だけでなく、径方向の圧力分布も計測できるので、接触面における二次元の圧力分布を把握可能になり、より利用価値の高いデータが得られる。
上記(8)の構成のブレーキ圧力分布計測装置によれば、回転体の剛性が高く、可動部の押圧による回転体の変位が微少である場合でも、変位拡大機構が拡大した変位をセンサに伝達するので、高感度で変位の検出が可能になる。
上記(9)の構成のブレーキ圧力分布計測装置によれば、可動部と回転体との接触面の状況に影響を及ぼさない状態でセンサ及び変位拡大機構を配置することができる。したがって、より精密な計測が可能になる。
本発明の実施形態におけるブレーキ圧力分布計測装置10の構成例を図1に示す。このブレーキ圧力分布計測装置10は、図1に示したような回転可能なディスクロータ20とキャリパー30とを含むディスクブレーキ装置を計測対象としている。勿論、例えばドラム式のブレーキ装置を計測対象とすることも可能である。
<変位拡大機構50の構成例>
図1のブレーキ圧力分布計測装置10に用いた変位拡大機構50の縦断面の構成を図3(A)に示す。尚、この変位拡大機構50は、コンプライアントメカニズム(材料自身の変形のみで機構が成立する)を形成している。
図3(A)の変位拡大機構50にストレインゲージ60を装着した状態を図3(B)に示す。
図3(B)の変位拡大機構50及びストレインゲージ60を装着したディスクロータ20の外観を図9に示す。また、図9の一部分を拡大した状態を図10に示す。
ブレーキパッドの圧力によるディスクロータ20の変形は微少であるので、ディスクロータ20は弾性体として扱う。すなわち、ブレーキパッドの圧力とそれによるディスクロータ20の微少変形との関係を表す観測方程式を、以下に示すように線形関係でモデル化する。
但し、
{y}:ロータ回転角に対してストレインゲージ60の出力を並べたベクトル
{x}:パッド面の圧力分布を離散化したベクトル
[H]:離散化した点荷重応答関数を行成分とするテプリッツ行列
J=|Hx−y|2+α|x|2 ・・・(2)
すなわち、上記第(2)式の解は、次の第(3)式で表される。
{x}=([H]t[H]+α[I])−1[H]t{y} ・・・(3)
但し、
t:転置行列
α:正則化パラメータ
[I]:単位行列
図1に示したブレーキ圧力分布計測装置10を使用して計測を実施する場合における代表的な処理手順を図2に示す。図2の処理手順について以下に説明する。
上述のブレーキ圧力分布計測装置10においては、ディスクロータ20に生じた変位から、逆解析によりブレーキパッドの接触面における圧力分布を正しく算出することができる。したがって、従来のようにブレーキパッドにセンサを内蔵したり、ブレーキパッドとディスクロータとの接触面にセンサを挟み込む必要はなくなり、実際にブレーキが作動する環境と同じ条件で計測を実施することができる。しかも、単一のセンサ(ストレインゲージ60)を用いるだけで、円周方向の圧力分布を計測できる。
<処理手順の変形>
本発明の実施形態のブレーキ圧力分布計測装置10における処理手順の変形例を図11に示す。すなわち、図2に示した処理手順を変形した内容を図11に示してある。また、図11において図2と対応するステップは同じ番号を付けて示してある。
複数組の変位拡大機構及びストレインゲージを径方向の異なる位置に配置して、各々のストレインゲージの位置で変位を計測することにより、円周方向の圧力分布だけでなく、径方向の圧力分布も計測することができる。これにより、ディスクロータ20上の二次元のブレーキ圧力分布を把握することができる。
図1に示したブレーキ圧力分布計測装置10においては、回転体であるディスクロータ20が回転動作を行う場合を想定しているが、例えば計測対象が往復運動を行う運動体の場合であっても、上記と同様に計測することが可能である。また、本発明は、ブレーキシステムに限らず、様々な運動体について圧力分布を計測する適用可能である。
[1] 回転運動可能な回転体(ディスクロータ20)と、前記回転体と対向する位置に配置され前記回転体と接触して押圧可能な可動部(キャリパー30)と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体上、または前記回転体の近傍に配置したセンサ(ストレインゲージ60)によって、前記回転体が回転運動している状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の形状の微少変位を計測し(S12)、
前記計測により得られた前記回転体の形状の微少変位に基づき、コンピュータによる解析により前記回転体への圧力分布を算出する(S15、S16、S17)、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
[2] 上記[1]に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記計測により得られた前記回転体の形状の微少変位に基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布を算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
[3] 上記[1]または[2]に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記センサを複数用意しておき、
前記回転体の径方向に互いに異なる位置に配置された前記複数のセンサそれぞれによって、前記回転体の形状の微少変位を計測する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
[4] 上記[1]から[3]のいずれか1項に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体の運動方向と直交する厚み方向の変位を拡大する変位拡大機構(50)を用いた前記センサによって、前記回転体の形状の微少変位を計測する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
[5] 上記[4]に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体が、前記回転体の運動方向と直交する厚み方向に空隙を挟んで対向配置された2枚の回転板(ディスク板21、22)で構成される場合に、
前記センサを、前記2枚の回転板の間の空隙箇所に配置して計測を実施する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
[6] 回転運動可能な回転体(ディスクロータ20)と、前記回転体と対向する位置に配置され前記回転体と接触して押圧可能な可動部(キャリパー30)と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記回転体上、または前記回転体の近傍に配置したセンサ(ストレインゲージ60)と、
前記回転体が運動している状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の形状の微少変位を表すデータを、前記センサの出力に基づき取得するデータ計測部(データロガー70)と、
前記データ計測部が取得した前記回転体の形状の微小変位を表すデータに基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布のデータを算出する圧力分布算出部(演算部80)と、
を備えたことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。
[7] 上記[6]に記載のブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記センサは、前記回転体の径方向に互いに異なる位置に複数配置され、
前記データ計測部は、前記回転体の形状の微少変位を表すデータを、複数の前記センサの出力に基づき取得する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。
[8] 上記[6]または[7]に記載のブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記センサは、前記回転体の運動方向と直交する厚み方向の変位を拡大する変位拡大機構(50)を用いたものである、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。
[9] 上記[8]に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体が、前記回転体の運動方向と直交する厚み方向に空隙を挟んで対向配置された2枚の回転板(ディスク板21、22)で構成され、
前記センサが、前記2枚の回転板の間の空隙箇所に配置される、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。
20 ディスクロータ
20a 中央開口部
21,22 ディスク板
23 空隙
24 支持部
30 キャリパー
31A ブレーキパッド(通常型)
40 油圧ゲージ
50 変位拡大機構
51 上側ベース部
52 第1レバー
53 第2レバー
54 下側ベース部
55,56,57,58 連結部
59 センサ装着部
51A 変位
55A 力点
56A 第1支点
58A 第2支点
60 ストレインゲージ
70 データロガー
80 演算部
90 増幅器
95 光学エンコーダ
Claims (9)
- 回転運動可能な回転体と、前記回転体と対向する位置に配置され前記回転体と接触して押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体上、または前記回転体の近傍に配置したセンサによって、前記回転体が回転運動している状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の形状の微少変位を計測し、
前記計測により得られた前記回転体の形状の微少変位に基づき、コンピュータによる解析により前記回転体への圧力分布を算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。 - 請求項1に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記計測により得られた前記回転体の形状の微少変位に基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布を算出する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。 - 請求項1または2に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記センサを複数用意しておき、
前記回転体の径方向に互いに異なる位置に配置された前記複数のセンサそれぞれによって、前記回転体の形状の微少変位を計測する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体の運動方向と直交する厚み方向の変位を拡大する変位拡大機構を用いた前記センサによって、前記回転体の形状の微少変位を計測する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。 - 請求項4に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体が、前記回転体の運動方向と直交する厚み方向に空隙を挟んで対向配置された2枚の回転板で構成される場合に、
前記センサを、前記2枚の回転板の間の空隙箇所に配置して計測を実施する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。 - 回転運動可能な回転体と、前記回転体と対向する位置に配置され前記回転体と接触して押圧可能な可動部と、を含む計測対象となるブレーキシステムにおいて、前記可動部の押圧による前記回転体への圧力分布を計測するためのブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記回転体上、または前記回転体の近傍に配置したセンサと、
前記回転体が運動している状態で、前記可動部の押圧方向に沿う前記回転体の形状の微少変位を表すデータを、前記センサの出力に基づき取得するデータ計測部と、
前記データ計測部が取得した前記回転体の形状の微小変位を表すデータに基づき、逆解析により前記回転体への圧力分布のデータを算出する圧力分布算出部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。 - 請求項6に記載のブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記センサは、前記回転体の径方向に互いに異なる位置に複数配置され、
前記データ計測部は、前記回転体の形状の微少変位を表すデータを、複数の前記センサの出力に基づき取得する、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。 - 請求項6または7に記載のブレーキ圧力分布計測装置であって、
前記センサは、前記回転体の運動方向と直交する厚み方向の変位を拡大する変位拡大機構を用いたものである、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測方法。 - 請求項8に記載のブレーキ圧力分布計測方法であって、
前記回転体が、前記回転体の運動方向と直交する厚み方向に空隙を挟んで対向配置された2枚の回転板で構成され、
前記センサが、前記2枚の回転板の間の空隙箇所に配置される、
ことを特徴とするブレーキ圧力分布計測装置。
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JP2018048907A (ja) * | 2016-09-21 | 2018-03-29 | 曙ブレーキ工業株式会社 | ブレーキ圧力分布計測方法およびブレーキ圧力分布計測装置 |
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