JP2016098554A - 地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体 - Google Patents

地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016098554A
JP2016098554A JP2014236269A JP2014236269A JP2016098554A JP 2016098554 A JP2016098554 A JP 2016098554A JP 2014236269 A JP2014236269 A JP 2014236269A JP 2014236269 A JP2014236269 A JP 2014236269A JP 2016098554 A JP2016098554 A JP 2016098554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
observation
tube
ground
perforated
groundwater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014236269A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6432863B2 (ja
Inventor
裕一 田中
Yuichi Tanaka
裕一 田中
上野 一彦
Kazuhiko Ueno
一彦 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Penta Ocean Construction Co Ltd
Original Assignee
Penta Ocean Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Penta Ocean Construction Co Ltd filed Critical Penta Ocean Construction Co Ltd
Priority to JP2014236269A priority Critical patent/JP6432863B2/ja
Publication of JP2016098554A publication Critical patent/JP2016098554A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6432863B2 publication Critical patent/JP6432863B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

【課題】廃棄物最終処分場跡地に基礎杭を打設する場合に基礎杭と不透水層との境界部を通じた透水等を評価可能な地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体の提供。【解決手段】管内外で連通した取水孔10,10...が形成されている有孔部11を管軸方向の所望位置に備えている観測用管体12を使用し、観測用管体12内の土砂を掘削しつつ、下端が不透水層部2bに至るまで観測用管体12を地盤2に貫入させた後、観測用管体12を有孔部11が不透水層部2cに位置するまでさらに地盤に貫入させ、然る後、観測用管体12の有孔部11より下方を遮蔽体14で閉鎖して観測用管体12内を観測井とし、取水孔10を通して観測用管体12内に流入した地下水を取水して分析することにより地下水を観測する。【選択図】図1

Description

本発明は、主に廃棄物処分場における遮水性能等を確認するための地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体に関する。
一般破棄物及び産業廃棄物の最終処分場においては、地盤上層部に投入された廃棄物に起因する汚染水が地盤下層部に拡散することを防止するために、地盤上層部と地盤下層部との間に粘性土層等の不透水層部が設けられている。
この様な廃棄物処分場は、埋め立て作業が完了した後、その跡地が交通用地や工業用地等として高度利用される場合があり、その場合には、各用途に合わせて構造物が跡地に構築されるため、その基礎となる基礎杭が不透水層部を貫通して支持地盤に至るように打設されることがある。
廃棄物処分場の跡地への基礎杭の打設方法としては、基礎杭の打設に伴う廃棄物等の汚染物質の不透水層部(粘性土層)への連れ込みを抑制できること、基礎杭と不透水層部との境界部分を通じた透水量が極めて少ないこと等から中堀工法を利用した工法の採用が今後見込まれている。
一方、一般破棄物及び産業廃棄物の最終処分場においては、関連する法令に定められた技術上の基準、具体的には透水係数1×10−7m/s以下、且つ、層厚5m以上の不透水層部を有する場合と同等以上の遮水性能を満たす必要がある。
特に、廃棄物処分場跡地へ基礎杭を打設する場合には、基礎杭の打設に伴う廃棄物等の汚染物質の不透水層部への連れ込み、基礎杭と不透水層部との境界部を通じて汚染水が地盤下層部へ透水することが懸念されることから、これらの影響を確認する為に地下水の状況を観測する必要がある。
そこで、従来では、図10に示すように、基礎杭1が打設される地盤2に下端が不透水層部2b下の地盤下層部(滞水層部)2cに至る観測井3を設置し、観測井下端部のストレーナ部3aを通して地盤下層部2cより地下水を採取し、その地下水を分析することで汚染水が地下水に拡散していないかを観測する方法が考えられる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−280052号公報
しかしながら、上述の如き従来の技術では、中堀工法を利用した工法により基礎杭を打設した場合、基礎杭と不透水層(粘性土層)との境界部を通じて汚染水が地盤下層部へ透過したとしても、その透過量が少なく不透水層を透過した汚染水が地下水により希釈されるため、従来の観測井を使用して地盤下層部より採取した水を分析しても実際の状態、特に基礎杭と不透水層部との境界部を通じた汚染水の透過を評価し難いという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、廃棄物最終処分場跡地に基礎杭を打設する場合に基礎杭と不透水層との境界部を通じた透水等を評価可能な地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、地盤上層部と地盤下層部と間に不透水層部を介在させた地盤に観測井を設置し、該観測井より取水した地下水を分析し、該地下水の状態を観測する地下水の観測方法において、管内外で連通した取水孔が形成されている有孔部を管軸方向の所望位置に備えている観測用管体を使用し、該観測用管体内の土砂を掘削しつつ、下端が前記不透水層部に至るまで前記観測用管体を前記地盤に貫入させた後、前記観測用管体を前記有孔部が前記不透水層部に位置するまでさらに前記地盤に貫入させ、然る後、前記観測用管体の前記有孔部より下方を遮蔽体で閉鎖して前記観測用管体内を観測井とし、前記取水孔を通して前記観測用管体内に流入した地下水を取水する地下水の観測方法にある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記観測用管体は、構造物用の基礎杭と略同形状に形成され、前記基礎杭と同様の工法により地盤に設置されることにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記観測用管体を、その下端が支持基盤に至るまで貫入させ、観測後に前記観測用管体を構造物の基礎杭として使用することにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか1の構成に加え、前記有孔部下の前記観測用管体内側面に遮蔽板を支持する支持凸部を備えておき、該支持凸部に支持させた前記遮蔽板で又は該遮蔽板上に遮蔽用充填材を充填することで前記遮蔽体を形成することにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜4の何れか1の構成に加え、前記観測用管体に管軸方向で間隔を置いて複数の前記有孔部を形成しておき、複数の有孔部の少なくとも何れか一が前記不透水層部に位置するように観測用管体を地盤に貫入させ、前記不透水層部より上方に位置する有孔部の各取水孔を閉鎖するとともに、前記不透水層部に位置する最も下の前記有孔部の下方を前記遮蔽部で閉鎖することにある。
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項1〜5の何れか1の地下水の観測方法に使用する観測用管体であって、管内外で連通した取水孔が形成されている有孔部を備え、前記地盤に設置された際に前記有孔部が前記不透水層部に位置するように配置されている観測用管体にある。
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項6の構成に加え、前記有孔部は、他の部分よりも管径方向の厚みが厚く形成されていることにある。
請求項8に記載の発明の特徴は、請求項6又は7の構成に加え、前記有孔部下の内側面に管内を閉鎖する遮蔽板を支持する支持用凸部が突設されたことにある。
本発明に係る地下水の観測方法は、上述したように、地盤上層部と地盤下層部と間に不透水層部を介在させた地盤に観測井を設置し、該観測井より取水した地下水を分析し、該地下水の状態を観測する地下水の観測方法において、管内外で連通した取水孔が形成されている有孔部を管軸方向の所望位置に備えている観測用管体を使用し、該観測用管体内の土砂を掘削しつつ、下端が前記不透水層部に至るまで前記観測用管体を前記地盤に貫入させた後、前記観測用管体を前記有孔部が前記不透水層部に位置するまでさらに前記地盤に貫入させ、然る後、前記観測用管体の前記有孔部より下方を遮蔽体で閉鎖して前記観測用管体内を観測井とし、前記取水孔を通して前記観測用管体内に流入した地下水を取水することにより、基礎杭と不透水層部との境界部分を通じた汚染水透過の有無及びその透過状況を確認することができる。
また、本発明において、前記観測用管体は、構造物用の基礎杭と略同形状に形成され、前記基礎杭と同様の工法により地盤に設置されることにより、観測用管体内に流入した水を分析することで、不透水層部を貫通する基礎杭を設置した場合の汚染水の透過状況を評価することができる。
更に、本発明において、前記観測用管体を、その下端が支持基盤に至るまで貫入させ、観測後に前記観測用管体を構造物の基礎杭として使用することにより、観測用管体を基礎杭として有効に利用することができる。
更にまた、本発明において、前記有孔部下の前記観測用管体内側面に遮蔽板を支持する支持凸部を備えておき、該支持凸部に支持させた前記遮蔽板で又は該遮蔽板上に遮蔽用充填材を充填することで前記遮蔽体を形成することにより、観測用管体内の有孔部より下側に好適に遮蔽体を設けることができる。
また、本発明において、前記観測用管体に管軸方向で間隔を置いて複数の前記有孔部を形成しておき、複数の有孔部の少なくとも何れか一が前記不透水層部に位置するように観測用管体を地盤に貫入させ、前記不透水層部より上方に位置する有孔部の各取水孔を閉鎖するとともに、前記不透水層部に位置する最も下の前記有孔部の下方を前記遮蔽部で閉鎖することにより、支持地盤部の深さや観測用管体の貫入深さ等が不明であっても有孔部の位置を不透水層部に合わせることができる。
本発明に係る観測用管体は、請求項1〜5の何れか1の地下水の観測方法に使用する観測用管体であって、管内外で連通した取水孔が形成されている有孔部を備え、前記地盤に設置された際に前記有孔部が前記不透水層部に位置するように配置されていることにより、地盤上層部からの透水の有無及びその透過状況を確認可能な観測井に使用することができる。
また、本発明において、前記有孔部は、他の部分よりも管径方向の厚みが厚く形成されていることにより、取水孔を設けたことによる断面欠損を補強し、観測用管体の強度を確保することができる。
更に、本発明において、前記有孔部下の内側面に管内を閉鎖する遮蔽板を支持する支持用凸部が突設されたことにより、適正な箇所に遮蔽体を容易に設けることができる。
本発明に係る地下水の観測方法の実施態様の一例を示す縦断面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ図1中の観測用管体に使用する有孔管材の有孔部部分を示す正面図である。 (a)〜(h)は地下水の観測方法における観測用管体の設置行程を示す縦断面図である。 図1中の有孔部部分の状態を示す縦断面図である。 本発明に係る地下水の観測方法の実施態様の他の一例を示す縦断面図である。 (a)〜(f)は地下水の観測方法における観測用管体の設置行程の他の実施例を示す縦断面図である。 本発明に係る地下水の観測方法の実施態様の更に他の一例を示す縦断面図である。 (a)は図7中の観測用管体の有孔部部分を示す縦断面図、(b)は同A−A線断面図、(c)B−B線断面図である。 有孔管材の更に他の一例を示す縦断面図である。 従来の地下水の観測方法の態様を示す縦断面図である。
次に、本発明に係る地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体の実施態様を図に示した実施例に基づいて説明する。
図1に示す実施例では、交通用地や工業用地として高度利用される廃棄物最終処分場跡地における地下水の観測を例に説明し、上述の従来例と同様の構成には同一符号を付して説明する。
この廃棄物処分場跡地の地盤2は、廃棄物が投入されている地盤上層部2a下に粘性土等からなる不透水層部2bを備え、不透水層部2bにより地盤上層部2aと不透水層部2b下の地盤下層部2cとが遮水されている。
また、この廃棄物最終処分場跡地では、交通用地や工業用地として高度利用されるに際し、構造物の基礎を成す基礎杭1が不透水層部2bを貫通して下端が支持地盤2dに至るまで貫入されるようになっている。
基礎杭1は、鋼管等の杭管材1a,1a...を順次連結することにより形成され、中堀工法によりその内部の土砂を排出しつつ、下端が不透水層部2bに至るまで地盤2に貫入させ、その位置から打撃による打ち込み等によって下端が支持地盤2dに至るまで貫入させることで設置される。
この様な廃棄物最終処分場跡地において、本発明方法は、管内外で連通した取水孔10,10...が形成されている有孔部11を管軸方向の所望位置に備えている観測用管体12を使用し、この観測用管体12を有孔部11が不透水層部2bに位置するように地盤2に設置することで観測用管体12内を観測井とし、取水孔10,10...を通して観測用管体12内に流入した地下水を取水し、その地下水を分析することで地下水の状態を観測するようになっている。
観測用管体12は、基礎杭1と略同形状に形成され、管内外で連通した取水孔10,10...が形成されている有孔部11を管軸方向の所望の位置に備え、地盤2に設置された際に有孔部11が不透水層部2bに位置するようになっている。
この観測用管体12は、基礎杭1と同様の鋼管等からなる杭管材1a,1a...と、有孔部11を有する有孔管材13とを地盤2への貫入に伴い適宜溶接等によって連結することで形成され、基礎杭1と同様に中堀工法を利用した工法により地盤2に設置されるようになっている。
杭管材1a,1a...は、基礎杭1に使用される鋼管等によって管軸方向の両端が開口した円筒状に形成され、管径方向で管内外が遮蔽されている。
有孔管材13は、杭管材1aと同様の鋼管等によって管軸方向の両端が開口した円筒状に形成され、管軸方向の所望の位置に管内外で貫通した複数の取水孔10,10...からなる有孔部11を備えている。
有孔部11の態様は、特に限定されないが、例えば、管軸方向に向けたスリット状の取水孔10,10...が管周方向に間隔を置いて形成された図2(a)に示す縦長型や、管周方向に互いに間隔を置いて形成された複数の横長スリット状の取水孔10,10...を管軸方向で多列配置に備えた図2(b)に示す横長型、多数の丸孔状の取水孔10,10...からなる図2(c)に示す丸孔型等とすることができる。
尚、図2(b)に示す横長型では、管周方向に間隔を置いて形成された複数の取水孔10,10...の管周方向位置を列毎にずらして形成すること、即ち、取水孔10,10...の位置を列毎に互い違い状に配置し、且つ、周方向端が上下で互いにオーバーラップするように取水孔10,10...を形成することで理論上、観測用管体12の全周より取水できるようになっている。
また、有孔部11には、例えば、不透水層部2bの土砂が脆い場合等の必要に応じて、パンチングメタルやフィルター材等からなる透水性を有する透水遮蔽材で取水孔10を閉鎖し、取水孔10からの取水を可能としつつ、観測用管体12内に不透水層部2bの土砂が押し込まれないようにしてもよい。
次に、観測用管体12を地盤2に設置し、地下水を観測する具体的な方法を図3(a)〜図3(g)に基づいて説明する。
まず、事前準備として、計画図や設計図等に基づき、或いは、必要に応じて観測対象となる地盤2においてボーリング調査等を実施して地盤上層部2a、不透水層部2b、地盤下層部2cの各層の深さや支持地盤2dの深さやその状態を確認しておく。
そして、図3(a)に示すように、図示しないハンマーグラブやオーガ等の掘削手段を用いて杭管材1a内の土砂を掘削しつつ、下端が不透水層部2bに至るまで杭管材1aを地盤上層部2aに貫入させる。
その際、杭管材1aの上端は、地盤2表面より突出した状態とし、地盤上層部2aにおいて管内外が遮蔽されている。
次に、図3(b)に示すように、貫入された杭管材1aの上端に有孔管材13を溶接等により連結し、その状態から図3(c)に示すように、図示しない杭打ち機等により打撃を加えて観測用管体12を地盤2の所望の位置まで貫入させる。
その後、図3(d)に示すように、観測用管体12の上端に杭管材1aを溶接等により連結し、図3(e)に示すように、更に杭打ち機等により打撃を加えて観測用管体12を有孔部11が不透水層部2bに位置し、且つ、下端が支持地盤2dに至るまで地盤2に貫入させる。
尚、有孔部11の位置は、不透水層部2bの中間部より下方に位置することが望ましく、また、直径Dの開端杭では、不透水層部2bが正規圧密の場合で深さD程度、不透水層部2bが過圧密の場合で深さ3D程度の地盤上層部2a(廃棄物層)からの連れ込みが実験等で確認されていることから、有孔部11の上端位置が不透水層部2bの上端から深さD〜3Dの位置になるように貫入させることが好ましい。
そして、図3(f)に示すように、所望の深さまで観測用管体12内の土砂を掘削し、観測用管体12の有孔部11の下方までの土砂を取り除き、図3(g)に示すように、観測用管体12の有孔部11より下方を遮蔽体14で閉鎖して観測用管体12の遮蔽体14より上部を観測井とする。
遮蔽体14は、例えば、コンクリートを打設することにより形成され、観測用管体12の有孔部11より下側が閉鎖され、観測井を構成する部分に地盤下層部2cからの水が流入しないようになっている。
そして、このように設置された観測用管体12では、観測用管体12の貫入に伴う汚染物質等の不透水層部2bへの連れ込みを抑制でき、観測用管体12と不透水層部2bとの境界部分を通じた透水量を極めて少なくすることができる。
この観測用管体12からなる観測井を用いて地下水を観測するには、まず、観測井内の水を揚水するための揚水手段15を設置する。尚、揚水手段15は、図4に示すように、観測井内に揚水ポンプを設置した場合を例示したが、その態様は、特に限定されず、例えば、観測井内の水位によって地表部に揚水ポンプを設置して汲み上げるようにしてもよい。
そして、この揚水手段15を稼働させ、観測井内に貯留した水を排除し、観測井内の水位を有孔部11の位置より低くし、図1に示すように、管内外において地盤上層部2a内の水位(地下水位)との水頭差hが大きい状態にする。
このように管内外での水頭差hが大きいことから、図4に示すように、観測用管体12と不透水層部2bとの境界部分に水wが浸透した場合、その水wは不透水層部2bを下方の地盤下層部2cに向かって透過せずに、取水孔10,10...より観測用管体12内に流入して貯留される。
従って、水位を確認した上で、取水孔10,10...より観測用管体12内に流入した水を揚水手段15で地上に揚水して採取し、その水を分析することによって、地盤上層部2aからの汚染水透過の有無やその透過状況を確認することができる。
即ち、廃棄物処分場跡地の地盤上層部2aに滞留する水は、高アルカリ、高塩分濃度、還元的な状態であることから、観測用管体12内より採取した水について、pH、塩分濃度、電気伝導度、酸化還元電位、COD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)等の各項目を測定し、廃棄物処分場跡地の地盤上層部2aに滞留する水や周辺部の地下水との比較を行うことにより、観測用管体12と不透水層部2bとの境界部を通じた地盤上層部2aからの汚染水透過の有無やその透過状況を確認することができる。
また、観測用管体12は、廃棄物処分場跡地の高度利用に際し使用される基礎杭1と同様の形状を有し、当該基礎杭1と同様の工法で地盤2に設置されるので、この観測用管体12を用いて地盤上層部2aからの汚染水透過の有無やその透過状況を確認することで、使用する基礎杭1の杭と不透水層部2bとの境界部を通じた汚染水透過の有無及びその透過状況を評価することができる。
更に、観測用管体12は、廃棄物処分場跡地の高度利用に際し使用される基礎杭1と同様に構成されているので、観測完了後は、この観測用管体12を構造物の基礎杭1として使用することができる。
その際には、図3(h)に示すように、観測井を構成した観測用管体12内にコンクリート16等を充填し、少なくとも有孔部11部分を補強することにより、基礎杭1としての安定・安全性を高めるようにする。
尚、上述の実施例では、観測用管体12の所望の位置に一つの有孔部11を備えた場合について説明したが、支持地盤2dまでの深さや基礎杭1(観測用管体12)の打設深度が不明確な場合には、図5に示すように、観測用管体12に管軸方向で間隔を置いて複数の有孔部11,11...を形成しておき、複数の有孔部11の少なくとも何れか一が不透水層部2bに位置するように観測用管体12を地盤2に貫入させるようにしてもよい。
その場合には、不透水層部2bより上方に位置する有孔部11の各取水孔10,10...を閉鎖し、地盤上層部2aから観測用管体12内への水の流入を防止するとともに、不透水層部2bに位置する最も下の有孔部11の下方を遮蔽体14で閉鎖し、観測用管体12内への地盤下層部2cからの水の流入を防止する。
尚、不透水層部2bより上方、即ち、地盤上層部2aに位置する有孔部11は、例えば、観測用管体12の上部外側に下端が不透水層部2bまで根入れされるケーシング17を備え、観測用管体12の上部を二重管構造とすることで取水孔10,10...を閉鎖するようにしている。
その場合には、観測用管体12を構成するケーシング17内の土砂を掘削しつつ、下端が不透水層部2bに至るまでケーシング17を地盤上層部2aに貫入させた後、ケーシング17内を通して観測用管体12の本体部を地盤に貫入させるようにしてもよい。
また、観測用管体12の設置態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、図6(a)〜図6(f)に示すようにしてもよい。尚、上述の実施例と同様の構成には同一符号を付して説明する。
この場合には、まず、上述の図3(a)〜図3(b)に示す場合と同様に、図示しないハンマーグラブやオーガ等の掘削手段を用いて杭管材1a,1a...内の土砂を掘削しつつ、下端が不透水層部2bに至るまで杭管材1aを貫入させて地盤上層部2aに貫通させ、その地表に突出した杭管材1a,1a...の上端に有孔管材13を溶接等により連結する(図6(a)〜図6(b))。
そして、その状態から図6(c)〜図6(e)に示すように、杭打ち機等により打撃を加えて観測用管体12を有孔部11が不透水層部2bに位置し、且つ、下端が支持地盤2dに至るまで地盤2に貫入させる。
その際、図6(c)に示すように、観測用管体12の下端開口が不透水層部2bを構成する土砂2baで閉塞され、その状態で観測用管体12を打ち込むことで管内底部の位置が観測用管体12を打ち込みに伴って低下し、管内底部が有孔部11の位置よりもかなり下方に位置し、有孔部11より下側に一定深さの空洞17が形成される。
そこで、図6(f)に示すように、当該空洞17部にコンクリートを充填し遮蔽体14を形成して観測井とし、この観測井より採取した水を分析することにより地下水を観測する。
尚、管内底部が有孔部11の位置よりもかなり下方に位置し、有孔部11より下側に一定深さの空洞が形成される場合にあっては、図7、図8に示すように、有孔部11下にある観測用管体12の内側面に遮蔽板20を支持する支持凸部21,21...を備えておき、支持凸部21,21...に支持させた遮蔽板20上にコンクリート等の遮蔽用充填材22を充填することで遮蔽体14を形成するようにしてもよい。
支持凸部21,21...は、観測用管体12を構成する有孔管材13の内側面に管周方向に間隔を置いて突設されたリブ状に形成され、その上面で遮蔽板20を支持するようになっている。
遮蔽板20は、コンクリート板又は鉄板等により構成され、観測用管体12の中空部断面形状に整合させた形状、ここでは円形状に形成され、支持凸部21,21...に支持されて観測用管体12内を閉鎖するようになっている。
また、遮蔽板20の外縁と観測用管材13の内側面との間には、スポンジ、ゴム、ウレタン等からなる緩衝材23が介在されている。
更に、観測用管体12は、その態様が上述の実施例に限定されず、図9に示すように、他の部分の厚みt1よりも有孔部11の管径方向の厚みt2が厚く形成されているようにし、或いは、観測用管体12全体の管径方向の厚みを厚くし、取水孔10,10...による断面欠損を補強するようにしてもよい。図9において、有孔部11は、その他の部分(厚みt1の部分)に対し内側に向けて厚みを増した形状とした例について説明したが、その他の部分(厚みt1の部分)に対し外側に向けて厚みを増した形状としてもよい。
また、上述の実施例では、廃棄物最終処分場跡地における地下水の観測を例に説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、例えば、不透水層部の上に汚染土壌が存在するような土壌汚染区域にも適用することができる。
1 基礎杭
1a 杭管体
2 地盤
2a 地盤上層部
2b 不透水層部
2c 地盤下層部
2d 支持地盤
10 取水孔
11 有孔部
12 観測用管体
13 有孔管材
14 遮蔽体
15 揚水手段
16 コンクリート
20 遮蔽板
21 支持凸部
22 遮蔽用充填材
23 緩衝材

Claims (8)

  1. 地盤上層部と地盤下層部と間に不透水層部を介在させた地盤に観測井を設置し、該観測井より取水した地下水を分析し、該地下水の状態を観測する地下水の観測方法において、
    管内外で連通した取水孔が形成されている有孔部を管軸方向の所望位置に備えている観測用管体を使用し、
    該観測用管体内の土砂を掘削しつつ、下端が前記不透水層部に至るまで前記観測用管体を前記地盤に貫入させた後、前記観測用管体を前記有孔部が前記不透水層部に位置するまでさらに前記地盤に貫入させ、
    然る後、前記観測用管体の前記有孔部より下方を遮蔽体で閉鎖して前記観測用管体内を観測井とし、前記取水孔を通して前記観測用管体内に流入した地下水を取水することを特徴とする地下水の観測方法。
  2. 前記観測用管体は、構造物用の基礎杭と略同形状に形成され、前記基礎杭と同様の工法により地盤に設置される請求項1に記載の地下水の観測方法。
  3. 前記観測用管体を、その下端が支持基盤に至るまで貫入させ、観測後に前記観測用管体を構造物の基礎杭として使用する請求項1又は2に記載の地下水の観測方法。
  4. 前記有孔部下の前記観測用管体内側面に遮蔽板を支持する支持凸部を備えておき、該支持凸部に支持させた前記遮蔽板で又は該遮蔽板上に遮蔽用充填材を充填することで前記遮蔽体を形成する請求項1〜3の何れか1に記載の地下水の観測方法。
  5. 前記観測用管体に管軸方向で間隔を置いて複数の前記有孔部を形成しておき、複数の有孔部の少なくとも何れか一が前記不透水層部に位置するように観測用管体を地盤に貫入させ、前記不透水層部より上方に位置する有孔部の各取水孔を閉鎖するとともに、前記不透水層部に位置する最も下の前記有孔部の下方を前記遮蔽部で閉鎖する請求項1〜4の何れか1に記載の地下水の観測方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1の地下水の観測方法に使用する観測用管体であって、
    管内外で連通した取水孔が形成されている有孔部を備え、前記地盤に設置された際に前記有孔部が前記不透水層部に位置するように配置されていることを特徴とする観測用管体。
  7. 前記有孔部は、他の部分よりも管径方向の厚みが厚く形成されている請求項6に記載の観測用管体。
  8. 前記有孔部下の内側面に管内を閉鎖する遮蔽板を支持する支持用凸部が突設された請求項6又は7に記載の観測用管体。
JP2014236269A 2014-11-21 2014-11-21 地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体 Active JP6432863B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014236269A JP6432863B2 (ja) 2014-11-21 2014-11-21 地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014236269A JP6432863B2 (ja) 2014-11-21 2014-11-21 地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016098554A true JP2016098554A (ja) 2016-05-30
JP6432863B2 JP6432863B2 (ja) 2018-12-05

Family

ID=56076419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014236269A Active JP6432863B2 (ja) 2014-11-21 2014-11-21 地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6432863B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106124719A (zh) * 2016-07-07 2016-11-16 环境保护部南京环境科学研究所 浅层地下水污染物监测系统
CN106149664A (zh) * 2016-08-26 2016-11-23 河北省地矿局国土资源勘查中心 一种分层抽水管内止水装置
CN109458128A (zh) * 2018-11-30 2019-03-12 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 用于分层水位观测的钻孔及其观测结构
CN115094958A (zh) * 2022-06-02 2022-09-23 北京建工集团有限责任公司 超深大直径高压旋喷封底效果分层抽水检测方法
KR20230119794A (ko) * 2022-02-08 2023-08-16 한국수력원자력 주식회사 말뚝 시공방법

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61242216A (ja) * 1985-04-19 1986-10-28 Teruhiko Takano 土木工事における地下水位の低下方法
JPH02217531A (ja) * 1989-02-16 1990-08-30 Kasuga Sakusen Kk 浅井戸に於けるスクリーン集水管配設工法
JPH07158375A (ja) * 1993-12-08 1995-06-20 Arata Kawachino 現場透水試験装置
JPH07217362A (ja) * 1994-02-02 1995-08-15 Taiyo Kaihatsu Kensetsu Kk 多層地下帯水層の採水調査法及びその採水調査装置
JPH10259797A (ja) * 1997-03-18 1998-09-29 Shimizu Corp 揚水装置
JP2001280052A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Taisei Corp 止水パッカ及び井戸の止水方法
JP2003147758A (ja) * 2001-08-27 2003-05-21 Kazuhiko Sakamoto 地下水位低下装置
JP2006348719A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Daito Chishitsu:Kk 井戸掘りと観測管設置工法
JP2013217131A (ja) * 2012-04-11 2013-10-24 Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co Ltd 低強度管の建込装置および建込工法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61242216A (ja) * 1985-04-19 1986-10-28 Teruhiko Takano 土木工事における地下水位の低下方法
JPH02217531A (ja) * 1989-02-16 1990-08-30 Kasuga Sakusen Kk 浅井戸に於けるスクリーン集水管配設工法
JPH07158375A (ja) * 1993-12-08 1995-06-20 Arata Kawachino 現場透水試験装置
JPH07217362A (ja) * 1994-02-02 1995-08-15 Taiyo Kaihatsu Kensetsu Kk 多層地下帯水層の採水調査法及びその採水調査装置
JPH10259797A (ja) * 1997-03-18 1998-09-29 Shimizu Corp 揚水装置
JP2001280052A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Taisei Corp 止水パッカ及び井戸の止水方法
JP2003147758A (ja) * 2001-08-27 2003-05-21 Kazuhiko Sakamoto 地下水位低下装置
JP2006348719A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Daito Chishitsu:Kk 井戸掘りと観測管設置工法
JP2013217131A (ja) * 2012-04-11 2013-10-24 Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co Ltd 低強度管の建込装置および建込工法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106124719A (zh) * 2016-07-07 2016-11-16 环境保护部南京环境科学研究所 浅层地下水污染物监测系统
CN106149664A (zh) * 2016-08-26 2016-11-23 河北省地矿局国土资源勘查中心 一种分层抽水管内止水装置
CN106149664B (zh) * 2016-08-26 2020-02-04 河北省地矿局国土资源勘查中心 一种分层抽水管内止水装置
CN109458128A (zh) * 2018-11-30 2019-03-12 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 用于分层水位观测的钻孔及其观测结构
CN109458128B (zh) * 2018-11-30 2024-05-14 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 用于分层水位观测的钻孔及其观测结构
KR20230119794A (ko) * 2022-02-08 2023-08-16 한국수력원자력 주식회사 말뚝 시공방법
KR102643931B1 (ko) * 2022-02-08 2024-03-05 한국수력원자력 주식회사 말뚝 시공방법
CN115094958A (zh) * 2022-06-02 2022-09-23 北京建工集团有限责任公司 超深大直径高压旋喷封底效果分层抽水检测方法
CN115094958B (zh) * 2022-06-02 2023-05-16 北京建工集团有限责任公司 超深大直径高压旋喷封底效果分层抽水检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6432863B2 (ja) 2018-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6432863B2 (ja) 地下水の観測方法及びそれに使用する観測用管体
JP2006138197A (ja) 浸透構造体及びその施工方法
JP2007231734A (ja) 浸透構造体
US7153061B2 (en) Method of in situ retrieval of contaminants or other substances using a barrier system and leaching solutions
JP2015183493A (ja) 雨水貯留浸透設備
JP5016517B2 (ja) 地下水位低下工法
JP2014114600A (ja) 基礎杭施工方法
JP6225458B2 (ja) 山留め壁及びその構築方法
KR100741883B1 (ko) 발포우레탄 패커를 이용한 지하수 폐공 처리장치 및 방법
JP2003126837A (ja) 汚染土壌の修復方法
JP5226624B2 (ja) 土壌汚染浄化ゾーン工法、土壌汚染浄化ゾーン及び土壌汚染浄化方法
KR100741884B1 (ko) 발포우레탄 패커를 이용한 지하수 폐공 처리장치 및 방법
JP4532337B2 (ja) 伏流水等の処理が可能な親杭横矢板工法
JP6245741B2 (ja) 埋設構造物の施工方法
JP2013023971A (ja) 地盤の液状化抑止工法
JP7345165B2 (ja) 非溢流型浸透システム及びその施工方法
JP5789289B2 (ja) 汚染土壌の調査方法
JPH0947737A (ja) 遮水壁およびその構築方法
JP6604575B2 (ja) 試験孔の作成方法及びこの試験孔を用いた試験方法
JP2003321991A (ja) 地下水処理方法、地下水処理装置、およびその製造方法
JP4336828B2 (ja) 基礎構造物
JP4322629B2 (ja) 廃棄物処分場
JP5050673B2 (ja) 遮水壁漏洩検知方法
JP2014114601A (ja) 基礎杭施工方法
JP2005213804A (ja) 汚染拡散対策工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6432863

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150