JP2016094897A - 内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法 - Google Patents

内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多様な状況に応じながら、浄化対象成分の大気中への放出を防止できる内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法を提供する。
【解決手段】排気ガス浄化装置12、第一吸着装置21、及び第二吸着装置22のいくつかの組み合わせ、並びに配置順が異なる通常吸着流路31、並列吸着流路32a、直列吸着流路32b、脱離吸着流路33a、脱離流路33b、上下流吸着流路34、及び無吸着流路30’に切り換わる排気流路30と、複数の流路に切り換わる排気流路30を、排気ガス浄化装置12の浄化状況及び再生状況、並びに第一吸着装置21及び第二吸着装置22のそれぞれの飽和状況のいずれかに基づいた流路に切り換える流路可変機構40と、を備えて構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法に関し、より詳細には、多様な状況に応じながら、浄化対象成分の大気中への放出を防止できる内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法に関する。
ディーゼルエンジンを搭載したトラック等の車両では、酸化触媒(DOC)、捕集装置(DPD)、尿素系の選択還元型触媒(SCR)、アンモニアスリップ触媒(ASC)等を組み合わせた排気ガス浄化装置により、エンジンより排出される排気ガスに含有される窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)や、還元剤であるアンモニア等の浄化対象成分を浄化している。
更に、前述した排気ガス浄化装置に加えて、浄化対象成分を吸着する装置を追加した排気ガス浄化システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この排気ガス浄化システムは、炭化水素を吸着する吸着剤を酸化触媒の上流側に配置して、酸化触媒が活性化するまでは、吸着剤で排気ガス中の炭化水素を吸着し、酸化触媒が活性化したときには、吸着剤に吸着した炭化水素を脱離して酸化触媒で酸化している。
しかし、上記の排気ガス浄化システムでは、低温時に排気ガス浄化装置を通過してしまう浄化対象成分のうちの炭化水素のみを対象としており、その他の浄化対象成分は大気に放出されるおそれがあるため排気ガスの浄化性能としては不十分である。
一方、上記の排気ガス浄化システムの吸着剤をその他の浄化対象成分を吸着させる構成にしたとしても、酸化触媒の上流側に吸着剤を配置しただけでは、エンジンや車両の運転状況により、多様に変化する排気ガス浄化装置における浄化対象成分の浄化状況や排気ガス浄化装置の再生状況の全てに対応できない。
例えば、車両が低負荷で長時間走行し、排気ガス浄化装置の酸化触媒や選択還元型触媒などの触媒が十分に活性されていない状況が長時間に及ぶ場合には、排気ガス浄化装置の上流側に配置した吸着剤に吸着できる吸着量を超えてしまい、浄化対象成分が排気ガス浄化装置を通過するおそれがある。
また、排気ガス浄化装置の捕集装置の再生時に煤(Soot)燃焼で生じた炭化水素や一酸化炭素が排気ガス中に流出する場合には、その浄化対象成分がそのまま排出されるおそれがある。
加えて、還元剤となるアンモニア(NH)を供給して選択還元型触媒で窒素酸化物を浄化している最中に、浄化対象成分の一つであるアンモニアが排気ガス浄化装置を通過するおそれもある。
特開2000−320324号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その課題は、多様な状況に応じながら、浄化対象成分の大気中への放出を防止できる内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムは、内燃機関から排出された排気ガスに含有される浄化対象成分を浄化する排気ガス浄化装置を備えた内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記浄化対象成分を低温時に吸着し、吸着した該浄化対象成分を高温時に脱離する吸着剤を有した複数の吸着装置と、前記排気ガス浄化装置の下流に少なくとも一つの前記吸着装置を配置した流路、前記排気ガス浄化装置の上流に少なくとも一つの前記吸着装置を配置した流路、並びに、前記排気ガス浄化装置の上流及び下流のそれぞれに前記吸着装置を配置しない流路に切り換わる排気流路と、複数の流路に切り換わる前記排気流路を、前記排気ガス浄化装置の浄化状況、該排気ガス浄化装置の再生状況、及び複数の前記吸着装置の飽和状況のいずれかに基づいた流路に切り換える流路可変機構と、を備えたことを特徴とするものである。
また、上記の課題を解決するための本発明の内燃機関の排気ガス浄化方法は、排気流路に配置された排気ガス浄化装置で、内燃機関から排出された排気ガス含有される浄化対象成分を浄化すると共に、該排気流路に配置されて、該浄化対象成分を低温時に吸着し、吸着した該浄化対象成分を高温時に脱離する吸着剤を有した複数の吸着装置で、更に浄化する内燃機関の排気ガス浄化方法であって、前記排気ガス浄化装置の浄化状況、該排気ガス浄化装置の再生状況、及び複数の前記吸着装置の飽和状況のいずれかに基づいて、前記排気流路を、前記排気ガス浄化装置の下流に少なくとも一つの前記吸着装置を配置した流路、前記排気ガス浄化装置の上流に少なくとも一つの前記吸着装置を配置した流路、又は、前記排気ガス浄化装置の上流及び下流のそれぞれに前記吸着装置を配置しない流路に切り換えることで、前記排気ガス浄化装置を通過した前記浄化対象成分を少なくとも一つの前記吸着装置で吸着すること、及び、前記吸着装置から脱離した前記浄化対象成分を前記排気ガス浄化装置で浄化すること、及び、前記排気ガス浄化装置を通過する前の前記浄化対象成分を前記吸着装置で吸着すること、及び、前記吸着装置を用いないことのいずれか又はいくつかを組み合わせて、排気ガスを浄化することを特徴とする方法である。
なお、ここでいう浄化対象成分とは、排気ガスに含有される未然の炭化水素、炭素酸化物、及び窒素酸化物と、排気ガス浄化装置で使用される還元剤とを含むものである。この還元剤としては、例えば、アンモニアや炭化水素を例示できる。
本発明の内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法によれば、排気ガス浄化装置及び複数の吸着装置のいくつかの組み合わせ、並びに配置順が異なる流路に切り換わる排気流路を、排気ガス浄化装置の浄化状況、排気ガス浄化装置の再生状況、及び複数の吸着装置の飽和状況のいずれかに基づいた流路に切り換えることで、多様な状況のそれぞれに応じながら、浄化対象成分の大気中への放出を防止できる。
例えば、酸化触媒や選択的還元触媒が活性化していない場合には、排気ガス浄化装置の下流に配置した吸着装置で排気ガス浄化装置を通過する浄化対象成分を吸着すると共に、排気ガス浄化装置の上流に配置した吸着装置で排気ガス浄化装置を通過する前の浄化対象成分を吸着できるので、浄化対象成分により排気ガス浄化装置が被毒することを防止できる。
また、エンジンの運転状況により一時的に浄化対象成分が増加した場合には、あるいは排気ガス浄化装置を再生させる場合には、一つの吸着装置では吸着しきれないような多量
の浄化対象成分を複数の吸着装置で吸着することができる。
また、吸着量が飽和しそうな吸着装置から吸着した浄化対象成分を脱離する場合には、その脱離する吸着装置を排気ガス浄化装置の上流側に配置しても、残りの吸着装置を排気ガス浄化装置の下流に配置することで、吸着装置から浄化対象成分を脱離している間でも残りの吸着装置で排気ガス浄化装置を通過した浄化対象成分を吸着することができる。
また、長時間、エンジンを高負荷で運転し、排気ガス浄化装置の下流に吸着装置を配置しても高温の排気ガスが通過することで、その吸着装置から吸着した浄化対象成分が脱離するような場合には、排気ガス浄化装置の下流に吸着装置を配置せずに、吸着装置からの脱離によって浄化対象成分が大気に放出されることを抑制できる。
本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムの実施形態を例示する模式図であり、通常吸着流路を例示する。 本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムの実施形態を例示する模式図であり、吸着装置が並列に配置された多大吸着流路を例示する。 本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムの実施形態を例示する模式図であり、吸着装置が直列に配置された多大吸着流路を例示する。 本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムの実施形態を例示する模式図であり、脱離吸着流路を例示する。 本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムの実施形態を例示する模式図であり、脱離流路を例示する。 本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムの実施形態を例示する模式図であり、上下流吸着流路を例示する。 本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムの実施形態を例示する模式図であり、無吸着流路を例示する。 図1〜図7に示す各流路を切り換える際の各流路切換弁の動作を例示する説明図である。 本発明の内燃機関の排気ガス浄化方法の実施形態を例示するフローチャートである。 図9のステップS30の詳細を例示するフローチャートである。 図1〜図7の排気流路及び流路可変機構の別形態を例示する模式図であり、吸着装置が直列に配置された多大吸着流路を例示する。 図1〜図7及び図11の排気流路及び流路可変機構の別形態を例示する模式図であり、吸着装置が直列に配置された多大吸着流路を例示する。 図1〜図7、図11、及び図12の排気流路及び流路可変機構の別形態を例示する模式図であり、吸着装置が直列に配置された多大吸着流路を例示する。 図3の吸着装置が直列に配置された多大吸着流路の別形態を例示する。
以下、本発明の内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法の実施形態について説明する。なお、以下では、未然の炭化水素、炭素酸化物、窒素酸化物、及びアンモニアを浄化対象成分として説明する。
図1〜図7は、本発明の実施形態の内燃機関の排気ガス浄化システム11の構成を示す。この排気ガス浄化システム11においては、ディーゼルエンジン(以下、エンジン)10に搭載されるものである。
排気ガス浄化システム11においては、排気ガス浄化装置12を備え、その排気ガス浄
化装置12には、上流から順に、酸化触媒13、捕集装置14、尿素水噴射弁15、SCR触媒16、及びアンモニアスリップ触媒17が配置されている。
各触媒が活性化した状態で、エンジン10から排出された排気ガスGがこの排気ガス浄化装置12を通過すると、酸化触媒13では、排気ガスに含有される未燃の炭化水素、炭素酸化物、及び窒素酸化物が酸化される。次いで、捕集装置14では、担持された触媒によって窒素酸化物が酸化されると共に、排気ガスに含有される粒子状物質が捕集される。また、この捕集装置14では、捕集した粒子状物質と二酸化窒素とを反応させることで粒子状物質が酸化除去される(以下、パッシブ再生という)。次いで、SCR触媒16では、窒素酸化物が尿素水噴射弁15から噴射された尿素水の加水分解により生じたアンモニアを還元剤とした各SCR反応によって還元される。次いで、SCR触媒16を通過したアンモニアは、アンモニアスリップ触媒17で酸化除去される。
このように、排気ガス浄化装置12は、排気ガスに含有される炭化水素、炭素酸化物、及び窒素酸化物、並びに、還元剤としてのアンモニアを酸化及び還元している。
また、排気ガス浄化装置12においては、上記の排気ガスの浄化に伴って、定期的に、あるいは、捕集装置14に粒子状物質が多く堆積した場合に、再生制御を行う必要がある。この排気ガス浄化装置12の再生制御においては、シリンダ内の燃料噴射制御でポスト噴射したり、排気ガスに未然燃料を供給して、その未然燃料を酸化触媒13で酸化したりすることで、一時的に排気ガスの温度を上昇させる。そして、その高温の排気ガスにより、捕集装置14に堆積した粒子状物質を燃焼除去したり、あるいは、SCR触媒16に堆積した尿素水の白色成分を燃焼除去したりしている。
しかし、エンジン10の運転状況や車両の走行状況によっては、排気ガス浄化装置12の各触媒が活性化せずに浄化対象成分が排気ガス浄化装置12を通過する場合や、上記の排気ガス浄化装置12の再生制御時に、排気ガス浄化装置12を通過する浄化対象成分が一時的に増加する場合がある。
そこで、本発明の排気ガス浄化システム11においては、第一吸着装置21及び第二吸着装置22と、複数の流路に切り換わる排気流路30と、その複数の流路に切り換わる排気流路30を、排気ガス浄化装置12の浄化状況及び再生状況、並びに第一吸着装置21及び第二吸着装置22のそれぞれの飽和状況のいずれかに基づいた流路に切り換える流路可変機構40と、を備えて構成される。
第一吸着装置21及び第二吸着装置22が備える吸着剤20の素材としては、ゼオライト、粘土鉱物、多孔質シリカ、活性炭、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の表面積が大きく、高温で安定な素材、これらを担体としてのアルカリ金属やアルカリ土類金属酸化物等の浄化対象成分の吸着量を増加する成分を担持した素材、鉄(Fe)や銅(Cu)等の遷移金属をイオン交換したゼオライト、及び、これらの混合物や複層物を使用することができる。
第一吸着装置21及び第二吸着装置22は、上記の吸着剤20を、コージェライトや炭化ケイ素(SiC)基材のモノリスにコーティングして、あるいは担体に練り込んで構成されている。そして、この第一吸着装置21及び第二吸着装置22は、それぞれを通過する排気ガスGの温度が低温の場合には、吸着剤20で浄化対象成分及びアンモニアを含む浄化対象成分を吸着し、排気ガスGの温度が高温の場合には、吸着剤20で吸着した浄化対象成分を脱離する。なお、この第一吸着装置21及び第二吸着装置22が浄化対象成分を吸着できる排気ガスGの温度は、例えば、150度以下であり、吸着した浄化対象成分が脱離する排気ガスGの温度は、例えば、250度以上である。
排気流路30は、排気ガス浄化装置12の下流に第一吸着装置21及び第二吸着装置22のうちの少なくとも一方を配置した流路、排気ガス浄化装置12の上流に第一吸着装置21及び第二吸着装置22のうちの少なくとも一方を配置した流路、並びに、排気ガス浄化装置の上流及び下流のそれぞれに第一吸着装置21及び第二吸着装置22を配置しない流路に切り換わる。
図1〜図7は、排気流路30が切り換わった流路のそれぞれを示している。なお、図1及び図5においては第二吸着装置22に代えて第一吸着装置21を配置してもよく、図3、図4、及び図6の配置順においては第一吸着装置21を排気ガス浄化装置12の上流に、第二吸着装置22を排気ガス浄化装置12の下流に配置してもよい。
図1に示すように、排気流路30は、排気ガス浄化装置12の下流に排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分を吸着する第二吸着装置22を配置した通常吸着流路31に切り換わる。
また、図2に示すように、排気流路30は、排気ガス浄化装置12の下流に排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分を吸着する第一吸着装置21及び第二吸着装置22を並列に配置した並列吸着流路32aに切り換わる。
また、図3に示すように、排気流路30は、排気ガス浄化装置12の下流に排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分を吸着する第一吸着装置21及び第二吸着装置22を直列に配置した直列吸着流路32bに切り換わる。
また、図4に示すように、排気流路30は、排気ガス浄化装置12の上流に吸着した浄化対象成分が脱離する第二吸着装置22を配置すると共に、排気ガス浄化装置12の下流に排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分を吸着する第一吸着装置21を配置した脱離吸着流路33aに切り換わる。
また、図5に示すように、排気流路30は、排気ガス浄化装置12の上流に吸着した浄化対象成分が脱離する第二吸着装置22を配置すると共に、排気ガス浄化装置12の下流に第一吸着装置21を配置しない脱離流路33bに切り換わる。
また、図6に示すように、排気流路30は、排気ガス浄化装置12の上流に排気ガス浄化装置12を通過する前の浄化対象成分を吸着する第二吸着装置22を配置すると共に、排気ガス浄化装置12の下流に排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分を吸着する第一吸着装置21を配置した上下流吸着流路34に切り換わる。
また、図7に示すように、排気流路30は、排気ガス浄化装置12の上流及び下流に第一吸着装置21及び第二吸着装置22を配置しない無吸着流路30’に切り換わる。
この排気ガス浄化システム11の動作について説明する。排気ガス浄化システム11が動作することによる本発明の排気ガス浄化方法は、排気ガス浄化装置12、第一吸着装置21及び第二吸着装置22のいくつかの組み合わせ及びそれらの配置順が異なる流路に切り換わる排気流路30を、排気ガス浄化装置12の浄化状況及び再生状況、並びに第一吸着装置21及び第二吸着装置22のそれぞれの飽和状況のいずれかに基づいて、それらの状況に応じて適時切り換えて、排気ガスGを浄化する方法である。
具体的には、酸化触媒13やSCR触媒16などの各触媒が活性化していない第一の状況では、図6に示すように、流路可変機構40が排気流路30を上下流吸着流路34に切
り換える。
この上下流吸着流路34により、低温の排気ガスGを第二吸着装置22及び排気ガス浄化装置12の順に通過させて、第二吸着装置22で排気ガス浄化装置12を通過する前の浄化対象成分を吸着する。
これにより、浄化対象成分により排気ガス浄化装置12が被毒することを防止できる。更に、この上下流吸着流路34においては、残りの第一吸着装置21を排気ガス浄化装置12の下流に配置することで、排気ガス浄化装置12を通過する浄化対象成分を吸着できる。つまり、この第一の状況では、排気ガス浄化装置12の上流及び下流の両方に吸着装置を配置して、各触媒が活性化していない状況でも、浄化対象成分を浄化できる。
また、排気ガス浄化装置12の各触媒がある程度活性化したが、十分に浄化対象成分を浄化できない第二の状況や、エンジン10の運転状況や排気ガス浄化装置の再生により一時的に排気ガス浄化装置12を通過する浄化対象成分が増加する第四の状況では、図2又は図3に示すように、流路可変機構40が排気流路30を並列吸着流路32a又は直列吸着流路32bのどちらか一方に切り換える。
この並列吸着流路32a又は直列吸着流路32bにより、排気ガスGを排気ガス浄化装置12と並列に又は直列に配置された第一吸着装置21及び第二吸着装置22との順に通過させて、複数の第一吸着装置21及び第二吸着装置22で排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分を通常吸着流路31よりも多く吸着する。これにより、排気ガス浄化装置12を通過した、一つの吸着装置では吸着しきれない浄化対象成分を第一吸着装置21及び第二吸着装置22の複数の吸着装置で吸着することができる。
第二の状況及び第四の状況の場合には、基本的に、排気流路30を直列吸着流路32bに切り換え、排気ガス浄化装置12を通過後の排気ガスGの流量が多量になった場合に、排気流路30を並列吸着流路32aに切り換えることが望ましい。
基本的に、直列吸着流路32bを使用することで、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の両方が同時に飽和することを回避できる。
また、浄化対象成分が増加するような状況で、排気ガス浄化装置12を通過した排気ガスGの流量が多量になった場合に、並列吸着流路32aを使用することで、並列に配置した第一吸着装置21及び第二吸着装置22によって吸着剤20の吸着できる容量が二倍に増加する。従って、仮に排気ガス浄化装置12を通過した排気ガスGの流量が多くなっても、並列した第一吸着装置21及び第二吸着装置22の両方で浄化対象成分を吸着できると共に圧力損失も抑制できる。
また、吸着量が飽和するおそれがある第二吸着装置22から吸着した浄化対象成分を脱離する第三の状況では、図4及び図5に示すように、流路可変機構40が排気流路30を脱離吸着流路33a又は脱離流路33bのどちらか一方に切り換える。
この脱離吸着流路33a又は脱離流路33bにより、高温の排気ガスGを第二吸着装置22及び排気ガス浄化装置12の順に通過させて、第二吸着装置22から脱離した浄化対象成分を排気ガス浄化装置12で浄化する。
第三の状況の場合には、基本的に、排気流路30を脱離吸着流路33aaに切り換えて、排気ガス浄化装置12を通過後の排気ガスGの温度が高温、浄化対象成分の通過量が少量などの場合に、排気流路30を脱離流路33bに切り換えることが望ましい。
基本的に、脱離吸着流路33aを使用することで、残りの第一吸着装置21が排気ガス浄化装置12の下流に配置されるので、第二吸着装置22から浄化対象成分を脱離している間でも残りの第一吸着装置21で排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分を吸着することができる。
排気ガス浄化装置12を通過後の排気ガスGの温度が高温の場合や、浄化対象成分の通過量が少量などの場合に、排気ガス浄化装置12の下流に第一吸着装置21又は第二吸着装置22を配置すると、吸着した浄化対象成分が脱離されて、その浄化対象成分が大気に放出されるおそれがあるので、脱離流路33bを使用して、排気ガス浄化装置12の下流での浄化対象成分の脱離を防止できる。また、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の使用頻度を減らすことで、脱離しなければならない状況を低減できる。
また、排気ガス浄化装置12で十分に浄化対象成分を浄化できる、あるいは、排気ガス浄化装置12を通過後の排気ガスの温度が高温になる第五の状況では、図7に示すように、流路可変機構40が排気流路30を無吸着流路30’に切り換える。
この無吸着流路30’により、排気ガスを排気ガス浄化装置12の上流及び下流で第一吸着装置21及び第二吸着装置22に通過しないので、排気ガスが高温の場合に排気ガス浄化装置12の下流で生じるおそれのある第一吸着装置及び第二吸着装置22からの浄化対象成分の脱離を防止できる。また、排気ガス浄化装置12で十分に浄化対象成分を浄化できる場合に第一吸着装置21及び第二吸着装置22を使用しないので、脱離しなければならない状況を低減できる。
また、上記の状況以外では、図1に示すように、流路可変機構40が排気流路30を通常吸着流路31に切り換える。この通常吸着流路31により、排気ガスGを排気ガス浄化装置12及び第二吸着装置22の順に通過させて、第二吸着装置22で排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分を吸着する。
このように、上記の排気ガス浄化システム11及び排気ガス浄化方法によれば、排気ガス浄化装置12と、複数の吸着装置としての第一吸着装置21及び第二吸着装置22とのいくつかの組み合わせ、及び配置順が異なる複数の流路に切り換わる排気流路30を、多様な状況に応じた流路に切り換えることで、浄化対象成分が大気へ放出されることを防止できると共に、浄化対象成分による排気ガス浄化装置12の浄化率の悪化、並びに第一吸着装置21及び第二吸着装置22が飽和して浄化対象成分を吸着できなくなる状態を回避できる。更に、排気ガス浄化装置12の下流で第一吸着装置21及び第二吸着装置22からの浄化対象成分の脱離を防止できると共に、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の使用頻度も低減できる。
また、第一吸着装置21及び第二吸着装置22を設けることで、排気ガス浄化装置12の酸化触媒13、SCR触媒16、及びアンモニアスリップ触媒17の浄化能力を従来の触媒よりも低く設計することも可能となるため、酸化触媒13、SCR触媒16、及びアンモニアスリップ触媒17の容量の低減や貴金属量の低減を行うことができ、コストダウンを図ることもできる。
次に、実施形態の排気ガス浄化システム11における排気流路30及び流路可変機構40の詳細について説明する。
図1〜図7に示すように、排気流路30は、上流通路35、並列通路36、導入三叉通路37、導出三叉通路38、及び迂回通路39により構成されている。
上流通路35は、排気ガス浄化装置12の上流に配置されている。
並列通路36は、排気ガス浄化装置12の下流に配置され、導入通路36a、第一通路36b、第二通路36c、及び導出通路36dを有している。
導入通路36aは、その上流端が排気ガス浄化装置12の出口に接続されている。この導入通路36aは、排気ガスGが通過している間にこの排気ガスGが十分に冷却される通路で構成することが望ましい。なお、導入通路36aを通過した後の排気ガスGの温度は150℃以下が好ましい。
導入通路36aを通過する排気ガスGを冷却する構成としては、例えば、配管長を十分長くする、表面に凹凸形状を設けて表面積を大きくする、走行風が良く当たるようにレイアウトする、内部を通過する排気ガスGと熱交換を行う熱交換器や冷却するファン等の冷却装置を設ける等を例示できる。
このように、導入通路36aを排気ガスGが通過している間にこの排気ガスGが十分に冷却される通路で構成することにより、導入通路36aから第一吸着装置21及び第二吸着装置22に流入する排気ガスGの温度を低温とすることができるので、第一吸着装置21及び第二吸着装置22に浄化対象成分をより多く吸着させることができる。
また、第一吸着装置21及び第二吸着装置22から吸着した浄化対象成分を脱離するときを除いては流入する排気ガスGの温度が低温となることで、比較的低温の環境に曝されている場合が多いことから第一吸着装置21及び第二吸着装置22が劣化し難くなり、耐久性の向上には有利となる。
第一通路36b及び第二通路36cは導入通路36aの上流端及び第二通路36cの上流端のそれぞれが導入通路36aの下流端に接続され、且つ、導入通路36aの下流端及び第二通路36cの下流端のそれぞれが導出通路36dの上流端に接続されることで、互いに並列に配置されている。
導入三叉通路37は、上流端が上流通路35に接続された第一接続通路37a、上流端が第一接続通路37aの下流端に接続され、下流端が第一吸着装置21の下流の第一通路36bに接続された第二接続通路37b、及び上流端が第一接続通路37aの下流端に接続され、下流端が第二吸着装置22の下流の第二通路36cに接続された第三接続通路37cにより構成されている。
導出三叉通路38は、上流端が上流通路35に接続された第四接続通路38a、上流端が第四接続通路38aの下流端に接続され、下流端が第一吸着装置21の上流の第一通路36bに接続された第五接続通路38b、及び上流端が第四接続通路38aの下流端に接続され、下流端が第二吸着装置22の上流の第二通路36cに接続された第六接続通路38cにより構成されている。また、第四接続通路38aは、第一接続通路37aよりも下流で上流通路35に接続されている。
この導入三叉通路37及び導出三叉通路38のそれぞれは、導入通路36aと比較して、排気ガスGが通過している間にこの排気ガスGの温度が変化しない通路で構成することが望ましい。例えば、配管長を十分短くする、この配管を二重管構造にする、この配管に走行風が当たりにくいレイアウトにする等を例示できる。
このように、導入三叉通路37及び導出三叉通路38のそれぞれを排気ガスGが通過し
ている間にこの排気ガスGの温度が変化しない通路で構成することにより、高温の排気ガスGを通過させて第一吸着装置21又は第二吸着装置22に導入した場合には、第一吸着装置21又は第二吸着装置22に吸着された浄化対象成分を効率よく脱離させることができると共に、その高温の排気ガスGを排気ガス浄化装置12へ導入させることができる。一方、低温の排気ガスGを通過させて第一吸着装置21又は第二吸着装置22に導入した場合には、より多く吸着させることができる。
なお、第一吸着装置21及び第二吸着装置22から浄化対象成分を脱離する場合には、導入三叉通路37を通過した後の排気ガスGの温度は250度以上が好ましく、第一吸着装置21及び第二吸着装置22で浄化対象成分を吸着する場合には、導入三叉通路37を通過した後の排気ガスGの温度は150度以下が好ましい。
また、第二接続通路37b及び第三接続通路37cは、第一通路36b及び第二通路36cに対して下流側に向かって離間する斜走配管が望ましく、第五接続通路38b及び第六接続通路38cは第一通路36b及び第二通路36cに対して上流側に向かって離間する斜走配管が望ましい。このように構成することで、排気ガスGを、導入三叉通路37により排気ガスGを第一通路36b及び第二通路36cへ導入したときに、及び導出三叉通路38により第一通路36b及び第二通路36cから導出したときに、円滑に流すことができる。
迂回通路39は、上流端が並列通路36の上流の分岐点に接続され、下流端が並列通路36の下流の分岐点に接続されている。
流路可変機構40は、第一流路切換弁41、第二流路切換弁42、第三流路切換弁43、第四流路切換弁44、第五流路切換弁45、及びそれらの流路切換弁を制御する制御装置46により構成されている。
第一流路切換弁41は、開閉弁で形成されて、上流通路35の導入三叉通路37への分岐点と導出三叉通路38からの分岐点との間に配置されている。この第一流路切換弁41は、排気流路30を通常吸着流路31、並列吸着流路32a、直列吸着流路32b、及び無吸着流路30’に切り換える際に開いて上流通路35を開放する。一方、脱離吸着流路33a、脱離流路33b、及び上下流吸着流路34を選択する際に閉じて上流通路35を遮断する。
また、この第一流路切換弁41は、排気流路30を脱離吸着流路33a及び脱離流路33bに切り換える際には、開方向から閉方向に徐々に閉じることで、第一吸着装置21又は第二吸着装置22に流入する排気ガスGの流量を徐々に増加させて、吸着剤20を徐々に暖めることが望ましい。これにより、急激に排気ガスGの流れを切り替えた際に、吸着剤20が急激に暖められることで高濃度の浄化対象成分が一過的に放出されてしまうことを防止できる。
第二流路切換弁42は、四方弁で形成されて、並列通路36の導入通路36aから第一通路36b及び第二通路36c、並びに迂回通路39への分岐点に配置される。第三流路切換弁43は、四方弁で形成されて、第一通路36b及び第二通路36c、並びに迂回通路39から導出通路36dへの分岐点に配置される。
この第二流路切換弁42及び第三流路切換弁43は、排気流路30を、通常吸着流路31、脱離吸着流路33a、及び上下流吸着流路34に切り換える際に、第一通路36b及び第二通路36cのどちらか一方を開放すると共に他方を遮断する。また、排気流路30を、並列吸着流路32aに切り換える際に、第一通路36b及び第二通路36cの両方を開放する。
また、排気流路30を、直列吸着流路32bに切り換える際に、第二流路切換弁42は、導入通路36a及び第二通路36cを連通すると共に、第一通路36b及び迂回通路39を連通する。一方、第三流路切換弁43は、第二通路36c及び第一通路36bを連通すると共に、迂回通路39及び導出通路36dを連通する。また、排気流路30を脱離流路33b、及び無吸着流路30’に切り換える際に、第二流路切換弁42は、導入通路36a及び迂回通路39を連通し、第三流路切換弁43は、迂回通路39及び導出通路36dを連通する。
第四流路切換弁44は、三方弁で形成されて、導入三叉通路37の分岐点に配置されている。第五流路切換弁45は、三方弁で形成されて、導出三叉通路38の分岐点に配置されている。この第四流路切換弁44及び第五流路切換弁45は、排気流路30を通常吸着流路31、並列吸着流路32a、直列吸着流路32b、及び無吸着流路30’に切り換える際に閉じて、導入三叉通路37及び導出三叉通路38を遮断する。一方、脱離吸着流路33a、脱離流路33b、及び上下流吸着流路34を選択する際に開いて、第二接続通路37b及び第三接続通路37cのどちらか一方を開放すると共に他方を遮断すると共に、第五接続通路38b及び第六接続通路38cのどちらか一方を開放すると共に他方を遮断する。
図8は、排気流路30を通常吸着流路31、並列吸着流路32a、直列吸着流路32b、脱離吸着流路33a、脱離流路33b、上下流吸着流路34、及び無吸着流路30’に切り換えるときの、各流路切換弁の動作を示している。
制御装置46は、排気ガス浄化装置12の浄化状況及びと再生状況、並びに、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の飽和状況のいずれかに基づいて上記の各流路切換弁を制御するマイクロコントローラである。この制御装置46は、図示しないアクセル開度センサ等の各種センサの情報に基づいて、エンジン10の全般の制御を行う全体システム制御装置に組み込んでもよいし、独立して設けてもよい。また、この制御装置46は、前述した尿素水噴射弁15の制御や、排気ガス浄化装置12の再生制御も行っている。
また、制御装置46は、装置入口温度取得手段として、上流通路35を通過する排気ガスの温度T1を推定する手段を有している。この温度T1は、エンジン10の運転状態、つまり、エンジン10の筒内へ噴射される燃料噴射量及び吸入空気量に基づいて推定され、その推定には制御装置46に予め実験及び試験により作成された温度推定マップを用いている。なお、温度T1を、上流通路35のいずれかの箇所、好ましくは第一流路切換弁41の上流に配置した温度センサにより取得してもよい。
また、制御装置46は、触媒入口温度取得手段として、排気ガス浄化装置12の捕集装置14の下流、且つSCR触媒16の上流に配置され、その配置された箇所を通過する排気ガスの温度T2を取得する第一温度センサ47aに接続されている。
また、制御装置46は、吸着装置入口温度取得手段として、排気ガス浄化装置12の下流、且つ第一吸着装置21及び第二吸着装置22の上流に配置され、その配置された箇所を通過する排気ガスの温度T3を取得する第二温度センサ47bに接続されている。なお、この実施形態では、並列通路36の導入通路36aの下流側に配置したが、第一通路36b及び第二通路36cのそれぞれに配置してもよい。
また、制御装置46は、通過量取得手段として、並列通路36の導入通路36aに配置され、その配置された箇所を通過する排気ガスに含有される窒素酸化物濃度ρNOxを取
得する窒素酸化物濃度センサ48、及びアンモニア濃度ρNH3を取得するアンモニア濃度センサ49のそれぞれに接続されている。なお、この窒素酸化物濃度センサ48及びアンモニア濃度センサ49の検出値を、排気ガス浄化装置12における尿素水噴射弁15から噴射される尿素水噴射量の判断用にも使用すると共に、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の吸着剤20における浄化対象成分の堆積状態も推定する。これらの濃度センサは、導入通路36aでの配置が好ましいが、導出通路36dに配置してもよい。
次に、実施形態のエンジン10の排気ガス浄化方法の詳細について図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
これらのフローチャートに例示される排気ガス浄化方法は、エンジン10の運転中に一定の制御時間間隔毎に、スタートして、各ステップを実施してはリターンする方法であり、エンジンの運転中は繰り返し実施される方法である。そして、エンジン10が運転停止すると、割り込みが生じて、スタートにリターンして終了する方法である。
また、この排気ガス浄化方法は、ステップS10〜ステップS50における各判定を行って、排気ガス浄化装置12の浄化状況及び再生状況、並びに第一吸着装置21及び第二吸着装置22の飽和状況を判別して、各状況に基づいて多数の流路に切り換わる排気流路30の中から最適な流路を選択する方法である。
スタートすると、ステップS10では、制御装置46が推定した温度T1が予め定められた第一閾値Ta以上か否かを判定する。この第一閾値Taは、排気ガス浄化装置12の各触媒が活性化しているか否かを判定できる値に設定され、好ましくは100度以上、250度以下の値、より好ましくは200度に設定される。
このステップS10で、温度T1が第一閾値Ta未満の場合には、制御装置46は、排気ガス浄化装置12の各触媒が活性化していない状況、すなわち浄化対象成分によって排気ガス浄化装置12が被毒するおそれがあり、且つ排気ガス浄化装置12を通過する浄化対象成分が増加する第一の状況と判定して、ステップS60へ進む。
次いで、ステップS60では、制御装置46が、上下流吸着流路34を選択する。このステップS60において上下流吸着流路34が選択されると、制御装置46が各流路切換弁を制御して、排気流路30を上下流吸着流路34に切り換える。
この上下流吸着流路34により、第二吸着装置22で排気ガス浄化装置12を通過する前の低温の排気ガスGに含有される浄化対象成分を吸着すると共に、第一吸着装置21で排気ガス浄化装置12を通過した後の浄化対象成分を吸着する。つまり、エンジン10の低温始動時や、長期の低負荷運転時の浄化対象成分の大気への放出を防止すると共に、浄化対象成分により排気ガス浄化装置12が被毒することを防止する。
上記のステップS10で、温度T1が第一閾値Ta以上の場合には、ステップS20へ進む。次いで、ステップS20では、制御装置46が第一温度センサ47aから取得した温度T2が予め定められた第二閾値Tb以上か否かを判定する。この第二閾値Tbは、尿素水噴射弁15から尿素水を噴射した際に、その尿素水が十分に加水分解されるか否かを判定できる値に設定され、好ましくは170度以上、250度以下の値、より好ましくは200度に設定される。
このステップS20で、温度T2が第二閾値Tb未満の場合には、制御装置46は、排気ガス浄化装置12の上流側の酸化触媒13が活性化されているが、尿素水を噴射しても、その尿素水が十分に活性化されない状況、すなわち排気ガス浄化装置12が浄化対象成分を十分に浄化できない第二の状況と判定して、ステップS70へ進む。
次いで、ステップS70では、制御装置46が、並列吸着流路32a又は直列吸着流路32bを選択する。このステップS70において並列吸着流路32a又は直列吸着流路32bが選択されると、制御装置46が、各流路切換弁を制御して、排気流路30を並列吸着流路32a又は直列吸着流路32bに切り換える。
この並列吸着流路32a又は直列吸着流路32bにより、複数の第一吸着装置21及び第二吸着装置22で排気ガス浄化装置12を通過した高温の排気ガスGに含有される浄化対象成分を確実に吸着する。つまり、エンジン10が急に過渡状態になったときの浄化対象成分の大気への放出を防止する。
上記のステップS20で、温度T2が第二閾値Tb以上の場合には、ステップS30へ進む。次いで、ステップS30では、制御装置46が、条件Aが成立したか否かを判定する。この条件Aの成立条件は、第一吸着装置21又は第二吸着装置22のどちらか一方が脱離する状況になることである。
ステップS30で、条件Aが成立する、すなわち第一吸着装置21又は第二吸着装置22のどちらか一方を脱離する状況の場合には、制御装置46が、第一吸着装置21又は第二吸着装置22のどちらか一方が飽和するおそれがある状況、すなわち第三の状況と判定して、ステップS50へ進む。
次いで、ステップS50では、制御装置46が、条件Bが成立したか否かを判定する。この条件Bの成立条件は、二つあり、一つは、排気ガス浄化装置12が再生中、且つ、窒素酸化物濃度センサ48の検出値である窒素酸化物濃度ρNOxが予め定められた第三閾値ρa以下、且つ、アンモニア濃度センサ49の検出値であるアンモニア濃度ρNH3が予め定められた第四閾値ρb以下である。また、もう一つは、第二温度センサ47bの検出値である温度T3が第五閾値Tc以上である。
この排気ガス浄化装置12の再生中か否かは、排気ガス浄化装置12の捕集装置14のアクティブ再生が実行されているか、あるいはSCR触媒16の被毒再生が実行されているかで判定している。捕集装置14のアクティブ再生においては、例えば、捕集装置14の前後の差圧が閾値以上の場合に実行され、SCR触媒16の被毒再生においては、走行距離や走行時間が閾値以上の場合に実行される。
また、第三閾値ρaは、窒素酸化物が大気に放出されても影響のない値に設定される。また、第四閾値ρbは、アンモニアが大気に放出されても影響のない値に設定される。
また、第五閾値Tcは、排気ガスGが第一吸着装置21及び第二吸着装置22を通過した際に、吸着した浄化対象成分が脱離する温度に設定される。この第五閾値Tcは、例えば、250度以上に設定される。
ステップS50で、条件Bが成立しない、すなわち排気ガス浄化装置12を通過する浄化対象成分があり、且つ、脱離対象ではない第一吸着装置21又は第二吸着装置22を通過する排気ガスGの温度が高温ではない状況の場合には、ステップS80へ進む。
次いで、ステップS80では、制御装置46が、脱離吸着流路33aを選択する。このステップS80において脱離吸着流路33aが選択されると、制御装置46が、各流路切換弁を制御して、排気流路30を脱離吸着流路33aに切り換える。
この脱離吸着流路33aにより、高温の排気ガスGが排気ガス浄化装置12の上流に配置された第二吸着装置22を通過したときに吸着した浄化対象成分が脱離する。そして、その脱離した浄化対象成分を排気ガス浄化装置12で浄化できる。更に、第二吸着装置22から浄化対象成分を脱離している間でも残りの第一吸着装置21で排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分を吸着することができる。
上記のステップS40で、条件Bが成立した、すなわち排気ガス浄化装置12の下流に通過する浄化対象成分が殆ど無い状況、且つ、脱離対象ではない第一吸着装置21又は第二吸着装置22を通過する排気ガスGの温度が高温の状況の場合には、ステップS90へ進む。
次いで、ステップS90では、制御装置46が、脱離流路33bを選択する。このステップS90において脱離流路33bが選択されると、制御装置46が、各流路切換弁を制御して、排気流路30を脱離流路33bに切り換える。
この脱離流路33bにより、高温の排気ガスGが排気ガス浄化装置12の上流に配置された第二吸着装置22を通過したときに吸着した浄化対象成分が脱離する。そして、その脱離した浄化対象成分を排気ガス浄化装置12で浄化できる。更に、排気ガス浄化装置12の下流での浄化対象成分の脱離を防止できる。また、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の使用頻度を減らすことで、脱離しなければならない状況を低減できる。
上記のステップS30で、条件Aが成立しない場合には、ステップS50へ進む。次いで、ステップS50では、制御装置46が、条件Cが成立するか否かを判定する。この条件Cの成立条件は、排気ガス浄化装置12が再生中、又は、窒素酸化物濃度センサ48の検出値である窒素酸化物濃度ρNOxが予め定められた第六閾値ρc以上、又は、アンモニア濃度センサ49の検出値であるアンモニア濃度ρNH3が予め定められた第七閾値ρd以上である。
第六閾値ρcは、排気ガス浄化装置12を通過後の窒素酸化物の通過量が多いことを判定できる値に設定される。第七閾値ρdは、排気ガス浄化装置12を通過後のアンモニアの通過量が多いことを判定できる値に設定される。
このステップS50で、条件Cが成立した場合には、制御装置46は、その排気ガス浄化装置12の再生に伴って一時的に浄化対象成分が増加するおそれのある、あるいは、排気ガス浄化装置12における浄化状況が悪化している第四の状況と判定して、ステップS70へ進む。
ステップS50で条件Cが成立した場合には、排気ガス浄化装置12を再生する際に、ポスト噴射などにより排気ガスに供給された未然炭化、煤(Soot)燃焼で生じた一酸化炭素、排気ガスの温度上昇に伴ってSCR触媒16から脱離したアンモニアなどが排気ガス浄化装置12を通過するおそれがある。また、排気ガス浄化装置12を通過した浄化対象成分が大気へ放出されるおそれがある。しかし、このような場合には、ステップS70で、制御装置46が各流量切換弁を制御して、排気流路30を並列吸着流路32a又は直列吸着流路32bに切り換えて、排気ガス浄化装置12の下流に複数の第一吸着装置21及び第二吸着装置22を配置することで、仮に排気ガス浄化装置12を通過した排気ガスの流量が多くなっても、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の両方で浄化対象成分を吸着できる。
一方、このステップS50で、条件Cが成立しない場合には、ステップS40へ進む。そして、再度、ステップS40で、条件Bが成立しない場合には、制御装置46が、排気
ガス浄化装置12が浄化対象成分の殆どを浄化できる状況と判定して、ステップS100へ進む。
次いで、ステップS100では、制御装置46が、通常吸着流路31を選択する。このステップS100において通常吸着流路31が選択されると、制御装置46が、各流路切換弁を制御して、排気流路30を通常吸着流路31に切り換える。
この通常吸着流路31により、排気ガス浄化装置12で浄化対象成分のほとんどを浄化し、仮に浄化しきれない、あるいは脱離した浄化対象成分を第二吸着装置22で吸着する。
ステップS50後のステップS40で、条件Bが成立した場合には、制御装置46が、排気ガス浄化装置12が十分に浄化対象成分を浄化し、排気ガス浄化装置12の下流に通過する浄化対象成分が殆ど無い状況、又は、排気ガス浄化装置12を通過した排気ガスGの温度が高温の第五の状況と判定して、ステップS110へ進む。
次いで、ステップS110では、制御装置46が、無吸着流路30’を選択する。このステップS110において無吸着流路30’が選択されると、制御装置46が、各流路切換弁を制御して、排気流路30を無吸着流路30’に切り換える。
この無吸着流路30’により、排気ガスが高温の場合の第一吸着装置及び第二吸着装置22からの浄化対象成分の脱離を防止できる。また、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の使用頻度を低減できる。
ステップS60〜ステップS110が行われ、排気流路30の中から最適な流路を選択したら、スタートへ戻り、再度ステップS10〜ステップS50の判定が順次開始される。
上記の排気ガス浄化方法によれば、ステップS10〜ステップS50の各判定により、排気ガス浄化装置12の浄化対象成分の浄化状況及び再生状況、並びに第一吸着装置21及び第二吸着装置22の吸着状況を判定して、排気流路30の中からそれらの状況に応じた最適な流路を選択することで、浄化対象成分の大気への放出を防止すると共に、排気ガス浄化装置12の被毒、並びに第一吸着装置21及び第二吸着装置22の飽和も防止できる。更に、排気ガス浄化装置12の下流で第一吸着装置21及び第二吸着装置22からの浄化対象成分の脱離を防止できると共に、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の使用頻度も低減できる。
上記のステップS30における条件Aの成立条件の詳細については、図10のフローチャートに示す。なお、ここでは、第二吸着装置22の判定を例示するが、第一吸着装置21についても同様に判定する。
この判定方法は、ステップS200及びステップS210の各判定を行って、第二吸着装置22の吸着状況を判別して、その状況に基づいて第二吸着装置22から吸着した浄化対象成分を脱離するか否かを判定する方法である。
まず、ステップS200では、制御装置46が第二吸着装置22から吸着した浄化対象成分を脱離してからの運転時間Δt1が第八閾値Δta以上か否かを判定する。この第八閾値Δtaは、予め実験や試験により計測された第二吸着装置22から吸着した浄化対象成分を脱離する必要がある時間に設定される。なお、このステップS200では、運転時間Δt1の代わりに、脱離してからの走行距離を用いて、その走行距離が予め定められた
閾値以上か否かを判定してもよい。
このステップS200で、運転時間Δt1が第八閾値Δta以上の場合には、ステップS210へ進む。次いで、ステップS210では、制御装置46が第二吸着装置22から浄化対象成分を脱離することを決定する。
一方、ステップS200で、運転時間Δt1が第八閾値Δta未満の場合には、ステップS210へと進む。次いで、ステップS210では、制御装置46が、条件Dが成立したか否かを判定する。この条件Dの成立条件は、未然炭化水素の吸着量AHC、一酸化炭素の吸着量ACO、窒素酸化物の吸着量ANOx、及びアンモニアの吸着量ANH3のそれぞれが予め定められた閾値以上となる、又は、未然炭化水素の吸着量AHC、一酸化炭素の吸着量ACO、窒素酸化物の吸着量ANOx、及びアンモニアの吸着量ANH3のそれぞれを合計した総吸着量Atotalが閾値以上となることである。ここで、各閾値は、予め実験や試験により計測された第二吸着装置22の吸着できる吸着量の上限値よりも小さい値に設定される。このように各閾値を上限値よりも小さい値に設定することで、飽和の回避には有利となる。
吸着量AHCは、前回、吸着した浄化対象成分を脱離してから各流路で浄化対象成分を吸着した積算吸着時間に基づいて以下の数式(1)から推定する。ここで、通常吸着流路31、脱離吸着流路33a、及び上下流吸着流路34における排気ガス浄化装置12の下流で浄化対象成分を吸着した積算吸着時間をΔt2、並列吸着流路32a及び直列吸着流路32bでの積算使用時間をΔt3、上下流吸着流路34における排気ガス浄化装置12の上流で浄化対象成分を吸着した積算吸着時間をΔt4とし、x、y、及びzを係数とする。この係数x、y、及びzはエンジン10における燃料の燃焼状態及び排気ガス浄化装置12の浄化状況に基づいた係数である。xは通常吸着流路31、脱離吸着流路33a、及び上下流吸着流路34における排気ガス浄化装置12の下流における単位時間当たりの代表的な吸着量の定数としてもよいし、エンジンの運転状況や排気ガス浄化装置12の浄化状況に関係した数値として取り扱ってもよい。yは並列吸着流路32a及び直列吸着流路32bでの単位時間当たりの代表的な吸着量の定数としてもよいし、エンジンの運転状況や排気ガス浄化装置12の浄化状況に関係した数値として取り扱ってもよい。zは上下流吸着流路34における排気ガス浄化装置12の上流での単位時間当たりの代表的な吸着量の定数としてもよいし、エンジンの運転状況や排気ガス浄化装置12の浄化状況に関係した数値として取り扱ってもよい。なお、直列吸着流路32bにおいては、係数yとは異なる係数を用いてもよく、上流側又は下流側に配置されたときのそれぞれに異なる係数を用いてもよい。
Figure 2016094897
吸着量ACOは、前回、吸着した浄化対象成分を脱離してから各流路で浄化対象成分を吸着した積算吸着時間に基づいて以下の数式(2)から推定される。
Figure 2016094897
吸着量ANOxは、前回、吸着した浄化対象成分を脱離してから各流路で浄化対象成分
を吸着した積算吸着時間に基づいて以下の数式(3)から推定する。ここで、時間Δt2及び時間Δt3の合計時間をΔt、窒素酸化物濃度センサ48の検出値をw、排気ガスの流量をQ、係数をαとする。係数αは排気ガス中の窒素酸化物の第一吸着装置21及び第二吸着装置22に対する吸着率を現わす。吸着率は定数もしくは第一吸着装置21及び第二吸着装置22の温度の関数として表すことができる。排気ガスの流量Qは、例えば、エンジン10における燃料噴射量及び吸入空気量に基づいて算出される。
Figure 2016094897
吸着量ANH3は、前回、吸着した浄化対象成分を脱離してから各流路で浄化対象成分を吸着した積算吸着時間に基づいて以下の数式(4)から推定する。ここで、アンモニア濃度センサ49の検出値をv、係数をβとする。係数βは排気ガス中のアンモニアの第一吸着装置21及び第二吸着装置22に対する吸着率を現わす。
Figure 2016094897
このステップS210で、条件Dが成立した場合には、ステップS220へ進む。一方、ステップS210で、条件Dが成立しない場合には、ステップS230へ進む。次いで、ステップS230では、制御装置46が第二吸着装置22から浄化対象成分を脱離しないことを決定する。
このように、前回、浄化対象成分を脱離してからの運転時間Δt1と、第二吸着装置22に吸着した浄化対象成分の吸着量とに基づいて、第二吸着装置22から吸着した浄化対象成分を脱離するか否かを判定することによって、第二吸着装置22が飽和量に達して浄化対象成分を吸着できなくなる状態を回避できる。なお、第一吸着装置21においても同様である。
上記の排気ガス浄化システム11においては、流路可変機構40が、複数の流路に切り換わる排気流路30を、第一吸着装置21が吸着した浄化対象成分の吸着量A1と、第二吸着装置22が吸着した浄化対象成分の吸着量A2とを異なる量にする流路に切り換える構成が望ましい。なお、この実施形態では、吸着量A1よりも吸着量A2が多い場合を例として説明しており、通常吸着流路31においては、排気ガス浄化装置12の下流に第二吸着装置22を配置し、上下流吸着流路34においては、排気ガス浄化装置12の上流に第二吸着装置22を配置している。
詳しくは、図9に示すフローチャートにおいて、ステップS10が不成立の場合には、吸着量A1が吸着量A2未満か否かを判定するステップを行う。また、ステップS20が不成立の場合、ステップS50が不成立の場合、ステップS40が不成立の場合にも同様に、吸着量A1が吸着量A2未満か否かを判定するステップを行う。そして、それらのステップで、吸着量A1が吸着量A2未満の場合には、上下流吸着流路34においては、排気ガス浄化装置12の上流に配置される吸着装置として、第二吸着装置22を選択し、一方、吸着量A1が吸着量A2以上の場合には、排気ガス浄化装置12の上流に配置される
吸着装置として、第一吸着装置21を選択する。また、直列吸着流路32bにおいては、先頭(上流)に配置される吸着装置として、第二吸着装置22を選択する。また、通常吸着流路31においては、排気ガス浄化装置12の下流に配置される吸着装置として、第二吸着装置22を選択する。
このように、吸着量A1と吸着量A2とを常に異なるように流路を選択する、つまり、吸着量A1及び吸着量A2のどちらか一方を他方よりも常に大きくするように流路を選択することで、第一吸着装置21及び第二吸着装置22の両方が同時に飽和することを回避できる。これにより、第一吸着装置21及び第二吸着装置22のどちらでも浄化対象成分を吸着できない状態を回避するので、排気ガス浄化システム11における浄化率の向上には有利となる。
なお、上記のエンジン10はディーゼルエンジンを例に説明したが、本発明はこれに限定されずに、例えば、ガソリンエンジンにも適応できる。
また、排気ガス浄化装置12の構成は、上記の構成に限定するものではなく、NOx吸蔵還元型触媒(NSR)等のリーンNOx低減触媒(LNT)、酸化触媒13、捕集装置14、尿素系のSCR触媒16、HCを還元剤とするSCR触媒装置(HC−SCR)、アンモニアスリップ触媒17、及び複合的な機能を併せ持つ触媒装置(例えば、微粒子捕集装置と選択還元型触媒装置の複合装置である選択触媒化燃焼フィルタ(SCRF))のいずれか又はいくつかを組み合せてもよい。
また、上記の第一吸着装置21及び第二吸着装置22は、炭化水素、炭素酸化物、窒素酸化物、及びアンモニアを吸着する構成として説明したが、これに限定するものではなく、排気ガス浄化装置12の構成や、エンジン10から排出される排気ガスに含有される成分の変化により吸着できる成分を変えることができる。
また、吸着装置は、二つに限定されずに、二つ以上備えてもよく、その場合には、吸着装置の数に応じて排気流路30を構成する通路を増やすとよい。
また、排気流路30を構成する各通路及び流路可変機構40を構成する各流路可変弁は上記の構成に限定されない。
例えば、図11に示すように、迂回通路39の上流端を並列通路36の第一通路36bの上流側に接続する構成とし、第二流路切換弁42を三方弁で構成してもよい。但し、この場合には、脱離流路33bにおいて、第一吸着装置21から浄化対象成分を脱離することはできない。
また、図12に示すように、迂回通路39の下流端を並列通路36の導出通路36dに接続する構成とし、第三流路切換弁43を三方弁で構成してもよい。
また、図13に示すように、迂回通路39の上流端を並列通路36の第一通路36bの上流側に接続し、下流端を並列通路36の導出通路36dに接続する構成とし、第二流路切換弁42及び第三流路切換弁43のそれぞれを三方弁で形成し、迂回通路39の中途の位置に第六流路切換弁50を配置してもよい。この第六流路切換弁50は迂回通路39を開放及び遮断する開閉弁で構成される。但し、この場合にも、脱離流路33bにおいて、第一吸着装置21から浄化対象成分を脱離することはできない。
このように、第二流路切換弁42、又は第三流路切換弁43を三方弁で構成することで、四方弁を用いた場合と比較してコストを低減できる。また、流路切換弁を通過時の排気損失が増加しないようにする場合に、四方弁に比較して三方弁は小さくできるので、装置の重厚長大化の抑制には有利となる。
また、図14に示すように、排気流路30を、上記の直列吸着流路32bにおける第一吸着装置21及び第二吸着装置22の配置順序を逆にした、逆直列吸着流路32cに切り換えることもできる。この逆直列吸着流路32cによれば、排気ガスGが排気ガス浄化装置12を通過してから、第一吸着装置21を通過するまでに、導入通路36a及び迂回通路39の両方の通路を通過する。すなわち、その通過中に排気ガスGの温度を低下させることで、排気ガスGの温度が高温の場合でも、排気ガス浄化装置12の下流で浄化対象成分を吸着させることが可能となる。
この逆直列吸着流路32cを使用する場合には、迂回通路39を導入通路36aと同様に、通過する排気ガスGを冷却可能な構成にすることが好ましい。
10 エンジン
11 排気ガス浄化システム
12 排気ガス浄化装置
20 吸着剤
21、22 第一吸着装置、第二吸着装置
30 排気流路
31 通常吸着装置
32a 並列吸着流路
32b 直列吸着流路
33a 脱離吸着流路
33b 脱離流路
34 上下流吸着流路
30’ 無吸着流路
39 迂回通路
40 流路可変機構

Claims (9)

  1. 内燃機関から排出された排気ガスに含有される浄化対象成分を浄化する排気ガス浄化装置を備えた内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、
    前記浄化対象成分を低温時に吸着し、吸着した該浄化対象成分を高温時に脱離する吸着剤を有した複数の吸着装置と、
    前記排気ガス浄化装置の下流に少なくとも一つの前記吸着装置を配置した流路、前記排気ガス浄化装置の上流に少なくとも一つの前記吸着装置を配置した流路、並びに、前記排気ガス浄化装置の上流及び下流のそれぞれに前記吸着装置を配置しない流路に切り換わる排気流路と、
    複数の流路に切り換わる前記排気流路を、前記排気ガス浄化装置の浄化状況、該排気ガス浄化装置の再生状況、及び複数の前記吸着装置の飽和状況のいずれかに基づいた流路に切り換える流路可変機構と、を備えたことを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化システム。
  2. 前記流路可変機構が、前記排気流路を、
    前記排気ガス浄化装置の下流に、該排気ガス浄化装置を通過した前記浄化対象成分を吸着する少なくとも一つの前記吸着装置を配置した通常吸着流路、
    前記排気ガス浄化装置の下流に、該排気ガス浄化装置を通過した前記浄化対象成分を吸着する前記通常吸着流路よりも多数の前記吸着装置を並列に配置した並列吸着流路、
    前記排気ガス浄化装置の下流に、該排気ガス浄化装置を通過した前記浄化対象成分を吸着する前記通常吸着流路よりも多数の前記吸着装置を直列に配置した直列吸着流路、
    前記排気ガス浄化装置の上流に、吸着した前記浄化対象成分を脱離する少なくとも一つの前記吸着装置を配置すると共に、該排気ガス浄化装置の下流に該排気ガス浄化装置を通過した前記浄化対象成分を吸着する少なくとも一つの前記吸着装置を配置した脱離吸着流路、
    前記排気ガス浄化装置の上流に、吸着した前記浄化対象成分を脱離する少なくとも一つの前記吸着装置を配置すると共に、該排気ガス浄化装置の下流に前記吸着装置を配置しない脱離流路、
    前記排気ガス浄化装置の上流に、該排気ガス浄化装置を通過する前の前記浄化対象成分を吸着する少なくとも一つの前記吸着装置を配置すると共に、該排気ガス浄化装置の下流に該排気ガス浄化装置を通過した前記浄化対象成分を吸着する少なくとも一つの前記吸着装置を配置した上下流吸着流路、
    並びに、前記排気ガス浄化装置の上流及び下流に両方に前記吸着装置を配置しない無吸着流路のいずれかに切り換える構成にした請求項1に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  3. 前記流路可変機構が、
    前記排気ガス浄化装置の入口を通過する排気ガスの装置入口温度が予め定められた第一閾値未満の第一の状況の場合には、前記排気流路を前記上下流吸着流路に切り換え、
    前記第一の状況以外で、前記排気ガス浄化装置の触媒の入口を通過する排気ガスの触媒入口温度が予め定められた第二閾値未満の第二の状況の場合には、前記排気流路を前記並列吸着流路又は前記直列吸着流路に切り換え、
    前記第一の状況及び前記第二の状況以外で、少なくとも一つの前記吸着装置から前記浄化対象成分を脱離する条件が成立した第三の状況の場合には、前記排気流路を前記脱離吸着流路又は前記脱離流路に切り換え、
    前記第一の状況、前記第二の状況、及び前記第三の状況以外で、前記排気ガス浄化装置を通過する前記浄化対象成分が増加する条件が成立した第四の状況の場合には、前記排気流路を前記並列吸着流路又は前記直列吸着流路に切り換え、
    前記第一の状況、前記第二の状況、及び前記第三の状況、及び前記第四の状況以外で、
    仮に前記排気ガス浄化装置の下流に前記吸着装置を配置したときに脱離する、あるいは前記排気ガス浄化装置を通過する前記浄化対象成分が減少する条件が成立した第五の状況の場合には、前記排気流路を前記無吸着流路に切り換え、
    上記以外の場合には、前記排気流路を前記通常吸着流路に切り換える構成にした請求項2に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  4. 複数の前記吸着装置として第一吸着装置及び第二吸着装置の二つを備え、
    前記排気流路を、前記排気ガス浄化装置の上流に配置された上流通路と、該排気ガス浄化装置の下流に配置された並列通路と、該上流通路及び該並列通路を接続する導入三叉通路及び導出三叉通路と、該並列通路の一部を迂回する迂回通路とにより構成し、
    前記並列通路を、上流端が前記排気ガス浄化装置の出口に接続された導入通路と、該導入通路の下流端に上流端が接続されると共に前記第一吸着装置が配置された第一通路と、該導入通路の下流端に上流端が接続されると共に前記第二吸着装置が配置された第二通路と、該第一通路の下流端及び該第二通路の下流端に上流端が接続された導出通路とにより、該第一通路及び該第二通路を並列に配置して構成し、
    前記導入三叉通路を、上流端が前記上流通路に接続された第一接続通路と、該第一接続通路の下流端に上流端が接続された第二接続通路及び第三接続通路とにより、該第二接続通路の下流端を前記第一吸着装置の下流の前記第一通路に接続すると共に該第三接続通路の下流端を前記第二吸着装置の下流の前記第二通路に接続して構成し、
    前記導出三叉通路を、上流端が前記第一接続通路よりも下流の前記上流通路に接続された第四接続通路と、該第四接続通路の下流端に上流端が接続された第五接続通路及び第六接続通路とにより、該第五接続通路の下流端を前記第一吸着装置の上流の前記第一通路に接続すると共に該第六接続通路の下流端を前記第二吸着装置の上流の前記第二通路に接続して構成し、
    前記迂回通路を、前記並列通路の上流側の分岐点、あるいは前記第一通路又は前記第二通路のどちらか一方の上流側に上流端を接続すると共に、該並列通路の下流側の分岐点、あるいは前記第一通路又は前記第二通路のどちらか一方の下流側に下流端を接続して構成し、
    前記流路可変機構を、前記導入三叉通路及び前記導出三叉通路の間の前記上流通路に配置された第一流路切換弁と、前記並列通路、前記導入三叉通路、及び前記導出三叉通路の四つの分岐点にそれぞれ配置された第二流路切換弁、第三流路切換弁、第四流路切換弁、及び第五流路切換弁と、それぞれの流路切換弁を制御する制御装置とにより構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  5. 前記流路可変機構に、前記迂回通路の中途の位置に配設されて、該迂回通路を開放及び遮断する開閉弁を追加した請求項4に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  6. 前記並列通路の前記導入通路を、該導入通路を通過する排気ガスを冷却する通路で構成した請求項4又は5に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  7. 前記排気流路を、前記排気ガス浄化装置の上流に、吸着した前記浄化対象成分を脱離する少なくとも一つの前記吸着装置を配置すると共に、該排気ガス浄化装置の下流に該排気ガス浄化装置を通過した前記浄化対象成分を吸着する少なくとも一つの前記吸着装置を配置した脱離吸着流路、及び、前記排気ガス浄化装置の上流に、吸着した前記浄化対象成分を脱離する少なくとも一つの前記吸着装置を配置すると共に、該排気ガス浄化装置の下流に前記吸着装置を配置しない脱離流路に切り換える場合には、前記第一流路切換弁を、開方向から閉方向へ徐々に閉じる構成にした請求項4〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  8. 前記流路可変機構が、複数の流路に切り換わる前記排気流路を、複数の前記吸着装置の
    それぞれの前記浄化対象成分の吸着量を異なる量にする流路に切り換える構成にした請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  9. 排気流路に配置された排気ガス浄化装置で、内燃機関から排出された排気ガス含有される浄化対象成分を浄化すると共に、該排気流路に配置されて、該浄化対象成分を低温時に吸着し、吸着した該浄化対象成分を高温時に脱離する吸着剤を有した複数の吸着装置で、更に浄化する内燃機関の排気ガス浄化方法であって、
    前記排気ガス浄化装置の浄化状況、該排気ガス浄化装置の再生状況、及び複数の前記吸着装置の飽和状況のいずれかに基づいて、前記排気流路を、前記排気ガス浄化装置の下流に少なくとも一つの前記吸着装置を配置した流路、前記排気ガス浄化装置の上流に少なくとも一つの前記吸着装置を配置した流路、又は、前記排気ガス浄化装置の上流及び下流のそれぞれに前記吸着装置を配置しない流路に切り換えることで、
    前記排気ガス浄化装置を通過した前記浄化対象成分を少なくとも一つの前記吸着装置で吸着すること、及び、前記吸着装置から脱離した前記浄化対象成分を前記排気ガス浄化装置で浄化すること、及び、前記排気ガス浄化装置を通過する前の前記浄化対象成分を少なくとも一つの前記吸着装置で吸着すること、及び、前記排気ガス浄化装置の下流で前記吸着装置から前記浄化対象成分を脱離させないことのいずれか又はいくつかを組み合わせて、排気ガスを浄化することを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化方法。
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