JP2009191647A - 排気制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガスの浄化において、NOx触媒によるNOx浄化率を向上させる。
【解決手段】排気浄化装置10において、排気通路101の上流側および下流側にNOx触媒(上流側NOx触媒反応器104内の上流側NOx触媒および下流側NOx触媒反応器109内の下流側NOx触媒)を直列に配置し、下流側NOx触媒反応器109を迂回するバイパス通路108と、上流側NOx触媒反応器104の下流側、かつ、下流側NOx触媒反応器109の上流側に配置され、排気ガスを下流側NOx触媒に流すかバイパスするかを切り替える流路切替バルブ107を備え、下流側NOx触媒の温度だけでなく、排気ガスの流量にも基づいて流路切替バルブ107による流路の切り替えを制御する。この切り替え制御は、ECU20の制御部203の流路切替制御部2033が行う。下流側NOx触媒が高温で、かつ、排気ガスが大流量であるとき、排気ガスをバイパスする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の内燃機関から排気される排気ガスの浄化を制御する排気制御システムに関する。
排気ガスのNOx(窒素酸化物)を浄化する技術は多数知られている。例えば、特許文献1には、NOx触媒を通過する通路と、NOx触媒をバイパスする通路とを設け、排気ガスが低温のとき、すなわちNOx触媒が低温のときは、NOx触媒側に排気ガスを流し、排気ガスが高温のとき、すなわちNOx触媒が高温のときは排気ガスをバイパスしてNOx触媒におけるサルフェート(硫酸塩)の析出を防止する旨が開示されている。つまり、NOx触媒の温度を制御することによってNOxの浄化率(以下、「NOx浄化率」という。)を高めている。
また、特許文献2には、2つのNOx触媒を直列に配置し、下流側NOx触媒をバイパスする通路を設け、サルファパージ(強制SOx(硫黄酸化物)放出)するときは、排気ガスをバイパスして下流側NOx触媒のSOx被毒を防止する旨が開示されている。
特開平11−117729号公報 特開2000−240433号公報
NOx触媒によるNOx浄化率は、NOx触媒の温度だけでなく、排気ガスの流量にも依存する。例えば、NOx触媒が高温であっても排気ガスの流量が小さいときはNOx浄化率は高い。このことは、特許文献1においては、NOx触媒が高温であっても流量の小さな排気ガスをバイパスしてしまうと、NOxの排気量を増大させてしまうことを意味している。よって、特許文献1については、NOx浄化率の向上について、まだ改善の余地があるといえる。
また、特許文献2についても同様である。確かに、NOx浄化率を高めるためにサルファパージは必要である。ただ、このサルファパージは排気通路を高温にすることになるため、特許文献2のように排気ガスをバイパスするのは、下流側NOx触媒のSOx被毒を防止するためだけでなく、下流側NOx触媒を高温にしてしまい、その熱劣化を引き起こしてしまうという事態を回避するためでもある。しかし、高負荷運転やDPF(Diesel Particulate Filter)におけるPM(Particulate Matter:粒子状物質)再生等のように、排気通路を高温にすることになる排気制御は他にも数多く存在する。これらの排気制御を行う場合には、下流側NOx触媒も高温になってしまい、その熱劣化によりNOx浄化率を低減させてしまう。
もし、上流側NOx触媒のさらに上流に三元触媒等を含む酸化触媒が配置されている場合において、排気通路が高温になるときは、排気ガス中のSOが酸化触媒により酸化され、PMとしてのサルフェートが生成されてしまう。このサルフェートは上流側NOx触媒には吸着せず、DPFに堆積される。そのため、PM再生すると、堆積したサルフェートがSOxとして放出され、バイパスしていなければ、そのSOxが下流側NOx触媒を被毒してしまう。
そこで、上記事情を鑑みて、本発明では、排気ガスの浄化において、NOx触媒によるNOx浄化率を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、排気浄化装置において、排気通路の上流側および下流側にNOx触媒を直列に配置し、下流側NOx触媒を迂回するバイパス通路と、上流側NOx触媒の下流側、かつ、下流側NOx触媒の上流側に配置され、排気ガスを下流側NOx触媒に流すかバイパスするかを切り替える流路切替バルブを備え、下流側NOx触媒の温度だけでなく、排気ガスの流量にも基づいて流路切替バルブによる流路の切り替えを制御する。
具体的には、下流側NOx触媒の温度が所定値以上であり、かつ、排気ガスの流量が所定量以上であるとき、排気ガスをバイパスするように流路切替バルブを制御する。詳細は後記する。
本発明により、排気ガスの浄化において、NOx触媒によるNOx浄化率を向上させることができる。
以下、本発明を実施するためのの最良の形態(以下、「実施形態」という。)について説明する。説明の際には、添付した図面を適宜参照する。
≪構成≫
図1は、本実施形態の排気制御システムの構成を図示したものである。車両に搭載されているこの排気制御システムは、排気浄化装置10およびECU(Electric Control Unit:制御装置)20とを有して構成されている。排気浄化装置10は、エンジン40の排気口と連結している排気通路101と、エンジン40の吸気口と連結している吸気通路30内に配置されたエアーフローセンサ(吸気量検出手段)102と、DOC(Diesel Oxidation Catalyst)103と、NOx触媒(上流側NOx触媒)を内蔵する上流側NOx触媒反応器104と、DPF105と、温度センサA(排気温度検出手段)106と、流路切替バルブ(流路切替手段)107と、バイパス通路108と、NOx触媒(下流側NOx触媒)を内蔵する下流側NOx触媒反応器109と、温度センサB(排気温度検出手段)110とを有している。また、ECU20は、入力部201と、出力部202と、制御部203および記憶部204を有している。また、車両には、少なくとも、車両の走行速度を検出する車速センサ50および車両の走行距離を計測するオドメータ60がECU20と接続されるように備えられている。
なお、エンジン40は、本実施形態では、燃料噴射弁(不図示)が設けられた気筒内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンである。この燃料噴射弁は、ECU20に電気的に接続し、その開弁時期および開弁時間は、ECU20によって制御される。また、この燃料噴射弁は、コモンレール(不図示)を介して高圧ポンプ(不図示)に接続されており、燃料タンク(不図示)内の燃料は、高圧ポンプで昇圧された後、コモンレールを介して燃料噴射弁に供給される。
〔排気浄化装置の詳細〕
エアーフローセンサ102は、エンジン40に吸気される吸気ガスの流量(吸気量)を検出する。このエアーフローセンサ102は、ECU20と電気的に接続されており、検出した吸気ガスの流量を示す情報がECU20に送信される。なお、ECU20は、吸気ガスの流量等から排気通路101を通過する排気ガスの流量を求めることが可能である。一般的に、吸気ガスの流量が大きければ、排気ガスの流量も大きくなる。
DOC103は、排気ガス中のCO、HC、NOxをCO、HO、Nに変化させる化学反応を促進させる三元触媒を含む酸化触媒であり、排気通路101の最上流側に配置される。このDOC103は、通常の酸化性能に加え、SOF(Soluble Organic Fraction:可溶性有機成分)成分の酸化性能も備えている。SOFとは、PMに含まれる各種成分のうち、ベンゼン、トルエン等の有機溶剤に溶けるものであり、燃料やオイルの燃え残りが原因として生じる。SOFは、高温では蒸気であり、酸化触媒の表面上で充分に燃焼させることができるが、温度が下がると煤(soot)成分に付着して煤を太らせてしまう。なお、PMとは、固体上の煤を核とし、その周囲に未燃の燃料や潤滑油に起因する液状の炭化水素、サルフェート(硫酸塩)等が付着したものである。
上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒は、いわゆる吸蔵還元型NOx触媒であり、排気通路101においてDOC103の下流側に配置される。排気ガスの空燃比がリーン(つまり、排気ガス中の酸素が多い)のときにNOxを吸収し、リッチ(つまり、排気ガス中の酸素が少ない)のときに、還元剤(HCやCOを含む未燃の燃料等)によって吸収したNOxをNに還元する。
この上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばK・Na・Li・Csのようなアルカリ金属、Ba・Caのようなアルカリ土類金属、La・Yのような希土類から選ばれた少なくとも1つと、Ptのような貴金属とが担持されてなる。Baの酸化物をいわゆるトラップ材として用いた場合、リーンでは、Ptに吸着したNOxが硝酸塩としてトラップ材に吸着される。その後、リッチにすれば、トラップ材に吸着された硝酸塩が分解してNOxとしてPtに吸着し、還元剤によりNに還元される。
ただし、排気ガスには、NOxと似通った性質を持つSOxも含まれており、このSOxは、硫酸塩としてトラップ材に吸着される。この硫酸塩は、硝酸塩よりも化学的に安定であるため、リッチにしても分解されにくく、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒内に蓄積する。その結果、NOx触媒のNOxの吸着量が低減し、その浄化能力が低減する(SOx被毒)。
上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒に蓄積したSOxを除去するにあたり、排気ガスの温度を、NOxの浄化を行うときの温度よりも一時的に高温にしてSOxをSOに還元して放出する(サルファパージ)。ECU20は、例えば、車両の走行距離から上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒に蓄積した硫酸塩の量を推定し、その量が所定値以上に達したときサルファパージを行うように制御する。ただ、サルファパージを行うと、排気ガスの高温化に伴い、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒も高温化するため、熱劣化してしまうという側面がある。そのため、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒は、高温耐久性が備わるように設計されている。
DPF105は、例えば、素材としてコーディライトまたは炭化珪素を用い、ハニカム構造の穴を交互に目詰めし、壁を濾過に使用するウォールスルー型の構造を備え、粒子状物質(PM)を捕集するフィルタである。このDPF105は、上流側NOx触媒反応器104の下流側、かつ、流路切替バルブ107、下流側NOx触媒反応器109の上流側に配置されている。DOC103で酸化され、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒を通過してきた粒子状物質がDPF105で捕集される。
DPF105に粒子状物質が蓄積すると、排気系の背圧が増加し、燃費の劣化を招くので、排気ガスを高温にして煤成分を燃焼し、粒子状物質を定期的に除去する(PM再生)。ECU20は、例えば、車両の走行距離からDPF105に蓄積したPMの量を推定し、その量が所定値以上に達したときPM再生を行うように制御する。ただ、PM再生を行うと、排気ガスの高温化に伴い、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒も高温化するため、熱劣化してしまうという側面がある。そのため、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒は、高温耐久性が備わるように設計されている。
温度センサA106は、DPF105の下流側、かつ、流路切替バルブ107の上流側に配置され、配置された付近の排気ガスの温度を検出する。この温度センサA106は、ECU20と電気的に接続されており、検出した、排気ガスの温度を示す情報がECU20に送信される。
流路切替バルブ107は、上流側NOx触媒反応器104の下流側、かつ、下流側NOx触媒反応器109の上流側に配置され、下流側NOx触媒反応器109に排気ガスを通過させる流路およびバイパス通路108に排気ガスを通過させる流路を切り替える。この流路切替バルブ107は、不図示のアクチュエータによって、バイパス通路108の入口部を閉鎖し、かつ、下流側NOx触媒反応器109の入口部を全開にするバイパス閉位置と、下流側NOx触媒反応器109の入口部を閉鎖し、かつ、バイパス通路108を全開にするバイパス開位置との間で作動する弁を備えている。ECU20は、流路切替バルブ107に制御信号を送信し、その弁のバルブ開度を連続的に調節する。
バイパス通路108は、排気通路101に対し、下流側NOx触媒反応器109を迂回して排気ガスを通過させる通路である。
下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒は、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒と同等の機能を有する吸蔵還元型NOx触媒である。この下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばK・Na・Li・Csのようなアルカリ金属、Ba・Caのようなアルカリ土類金属、La・Yのような希土類から選ばれた少なくとも1つと、Ptのような貴金属とが担持されてなる。
温度センサB110は、下流側NOx触媒反応器109の下流側に配置され、配置された付近の排気ガスの温度を検出する。この温度センサB110は、ECU20と電気的に接続されており、検出した、排気ガスの温度を示す情報がECU20に送信される。
〔制御装置の詳細〕
次に、制御装置であるECU20の詳細について説明する。入力部201と、出力部202と、制御部203および記憶部204は互いに情報を送受信できるように接続されている。
入力部201は、例えば、入力ポートを構成する電気回路であり、エアーフローセンサ102で検出される吸気ガスの吸気量を示す情報、温度センサA106で検出される排気ガスの温度を示す情報、温度センサB110で検出される排気ガスの温度を示す情報、車速センサ50で検出される車両の走行速度を示す情報およびオドメータ60で検出される車両の走行距離を示す情報を受信する。
出力部202は、例えば、出力ポートを構成する電気回路であり、エンジン40に対する制御信号が送信され、エンジン40の燃焼室に吸気される吸気ガスの空燃比が調節される。また、流路切替バルブ107に制御信号が送信され、その弁のバルブ開度が調節される。
制御部203は、例えばCPU(Central Processing Unit:中央制御装置)で構成されたコンピュータであり、主に、リーンリッチ制御部2031、NOx触媒温度推定部2032、流路切替制御部2033およびNOx触媒劣化度推定部2034といった、ソフトウェアの構成を有している。なお、制御部203は、NOx浄化率の制御を実行するにあたり、その制御に必要な情報処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記録媒体から、そのプログラムを読み出す。
リーンリッチ制御部2031は、吸気ガスの空燃比、吸気ガスの流量、排気ガスの温度、排気ガスの流量等に基づいて排気ガスの空燃比を制御する機能を有する。例えば、記憶部204に、排気ガスの空燃比を求めるためのマップ(不図示)を記憶させておき、そのマップを用いて制御するようにすれば良い。
NOx触媒温度推定部2032は、温度センサA106および温度センサB110が検出した温度に基づいて、記憶部204に記憶されたNOx触媒温度推定用マップ2041を参照して、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の温度を推定する機能を有する。車速センサ50が検出した車両の走行速度を用いて下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の温度を推定する場合もある。例えば、車両が減速中のときは、排気ガスが排気通路101を流れることは(ほとんど)ないので、排気ガスの温度は低くなっており、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の温度はかなり低いと推定する。なお、NOx触媒温度推定部2032は、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒の温度を推定しても良い。
流路切替制御部2033は、エアーフローセンサ102が検出した吸気ガスの吸気量およびNOx触媒温度推定部2032の推定した温度に基づいて、流路切替バルブ107を制御し、その弁のバルブ開度を調節する。
NOx触媒劣化度推定部2034は、例えば、オドメータ60から検出した走行距離に基づいて、記憶部204に記憶されたNOx触媒劣化度推定用マップ2042を参照して、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒の劣化度を推定する。なお、NOx触媒劣化度推定部2034は、流路切替バルブ107によって排気ガスをバイパス通路108に流していた時間等も考慮しつつ、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の劣化度を推定しても良い。
記憶部204は、例えば、読み書きされるデータを展開するための記憶領域を確保するRAM(Random Access Memory)または外部記憶装置であり、主に、NOx触媒温度推定用マップ2041およびNOx触媒劣化度推定用マップ2042といったデータを記憶している。
NOx触媒温度推定用マップ2041は、温度センサA106が検出した温度と、温度センサB110が検出した温度と、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の温度とを関連付けた情報を備えている。この情報は、例えば、種々の実験を繰り返した後、車両が出荷された時点で作成されており、NOx触媒温度推定部2032が処理を行うときに読み出される。
NOx触媒劣化度推定用マップ2042は、車両の走行距離と、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒の劣化度とを関連付けた情報を備えている。この情報は、例えば、種々の実験を繰り返した後、車両が出荷された時点で作成されており、NOx触媒劣化度推定部2034が処理を行うときに読み出される。
〔NOx触媒の詳細〕
ところで、NOx触媒によるNOxの浄化能力は、NOx触媒の温度に依存する。つまり、NOx触媒において、高いNOx浄化率を発揮する温度領域が存在する。ただ、このNOx触媒によるNOx浄化率は、排気ガスの流量にも依存する。
図2は、NOx触媒における、NOx浄化率と温度との関係をグラフとして図示したものである。図2からもわかるように、一般的に、NOx触媒の温度を一定にした場合において、排気ガスの流量が大きくなる程、NOx浄化率は低減する。したがって、所望の高いNOx浄化率を得るにあたり、排気ガスのある流量に対してNOx触媒の温度を予め設定しておくように、NOx浄化率の制御を行えば良い。
もし、排気ガスの温度が前記温度領域よりも高いときは、NOx浄化率は低下する。しかし、たとえNOx触媒の温度が中流量時の設定温度よりも高温であったとしても(点P1)、排気ガスの流量が少なければ、NOx触媒の温度が中流量時の設定温度における、排気ガスの流量が小さいとき(点P2)のNOx浄化率を得ることができる(図2の矢印(1)参照)。
また、中流量時の設定温度になっている下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒に、排気ガスが大量に流れてきたため、そのNOx浄化率が低減してしまったとしても(点P3)、流路切替バルブ107により、排気ガスの一部をバイパスすることで、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒を通過する排気ガスの流量が低減するだけでなく、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の温度自体も低減するため(点P4)、NOx浄化率は大幅に向上する(図2の矢印(2)参照)。
高負荷運転やPM再生のように、排気ガスの流量が大きく、かつ、排気ガスが高温であるときは、大したNOx浄化率を得られないばかりでなく、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒を高温にさらしてしまうことにより、その熱劣化を招いてしまう。そこで、このような場合は、上記のように排気ガスを一部バイパスするように制御して、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒に流れる排気ガスの流量を低減し、かつ、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の温度を下げる。すると、NOxを含んだ排気ガスを一部放出してしまうことにはなるが、NOxの総排出量は低減される。
また、NOxを浄化するにあたり、NOx触媒におけるNOx吸着率およびNOx還元率に着目することも有用である。図3は、NOx触媒における、NOx触媒のNOx吸着率と温度との関係およびNOx触媒のNOx還元率と温度との関係をグラフとして図示したものである。図3からもわかるように、一般的に、高温の温度領域では、NOx吸着率は低いが、NOx還元率はある程度高い。したがって、排気ガスの空燃比がリッチであるときには、流路切替バルブ107によってバイパスせずに、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒に(還元剤を多く含んだ)排気ガスを流すようにして高いNOx浄化率を得られるように制御を行うと良い。
本実施形態のように、NOx触媒を2つ直列に配列しているのは、幅広い温度領域に亘って高いNOx浄化率を実現するためである。車両の運転において、エンジンの始動時に排気される排気ガスの温度は約100℃と、かなり低温である一方、サルファパージやPM再生に必要な温度は約600℃と、かなり高温である。よって、車両の設計においては、100℃〜600℃までの温度の範囲に亘ってNOxをきちんと浄化することが要求されることになるが、この幅広い温度領域を包含する1つのNOx触媒を設計することは現状難しい。そこで、低温度側に高いNOx浄化率を発揮する温度領域を持つNOx触媒と高温度側に高いNOx浄化率を発揮する温度領域を持つNOx触媒とを直列に配置するように設計されるようになっている。
本実施形態の排気浄化装置10は、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒には、高温度側に高いNOx浄化率を発揮する温度領域を持つNOx触媒を採用し、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒には、低温度側に高いNOx浄化率を発揮する温度領域を持つNOx触媒を採用する。図4は、上流側NOx触媒および下流側NOx触媒における、NOx浄化率と温度との関係をグラフとして図示したものである。上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒の前記温度領域はTU1からTU2迄であり、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の前記温度領域はTD1からTD2迄である。上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒の前記温度領域と下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の前記温度領域との相対的位置関係は、大体図4に示すようなものになると良い。
そして、排気浄化装置10の設計上、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒を通過する排気ガスの温度が高く、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒を通過するそれは低いので、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の前記温度領域を、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒のそれよりも低くすることが合理的である。また、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒は、必要に応じて排気ガスがバイパスされるため、排気ガスにさらされることによる熱劣化の進行が低下する。したがって、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の設計にあたっては、高温における高い浄化率を実現するように設計する必要がなくなるだけでなく、高い耐熱性を実現するように設計する必要もなくなり、設計の自由度が増大する点で有効である。
また、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒であるが、還元剤としてNH(アンモニア)を用いた、いわば、二層式吸蔵還元触媒を採用すると良い。図5は、二層式吸蔵還元触媒として機能する下流側NOx触媒における反応過程(a)〜(c)を図示したものである。
この下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒は、NOx吸着材(トラップ材)が含まれ、NOxを吸着するNOx吸着層と、このNOx吸着層に積層し、NHを吸着するNH吸着層を有している。NOxの還元反応は以下に示すように実現される。
まず(a)に示すように、リーンリッチ制御部2031の制御によって、リーンバーン時(つまり、排気ガスの空燃比がリーンになるように燃焼されたこと)においては、排気ガス中のNOxがNOx吸着材に吸着される。
次に(b)に示すように、リーンリッチ制御部2031の制御によって、リッチバーン時(つまり、排気ガスの空燃比がリッチになるように燃焼されたこと)になったときには、未燃のCOとHO(例えば、HCとOが反応して生成されたもの)とがNOx吸着層に含まれるPtに吸着して反応し、H(水素)が生成する。一方、リッチになれば、NOx吸着材に吸着されていたNOxがPtに吸着される。このNOxが生成したHと反応し、NHが生成する。生成したNHは、NH吸着層に吸着される。
次に(c)に示すように、リーンリッチ制御部2031の制御によって、再度リーンバーン時になったときには、NH吸着層に吸着されたNHが、排気ガス中のNOxおよびOと反応してNに還元する。その結果、生成した、無害なNが排気される。
この下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒は、例えば、チタニア(TiO)やバナジア(V)等の卑金属系酸化物を混練してハニカム成型したり、触媒活性成分をセラミック性ハニカム担体に担持したりして形成するようにすると良い。また、NH吸着層を備える簡易な構成で済み、いわゆる尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)還元システムような尿素を供給するための大掛かりなシステムを不要とし、大型車のみならず、乗用車にも搭載することが可能である。また、この二層式吸蔵還元触媒は、低温側で高いNOx浄化率を有するので、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒に適用するのに相応しい。
以上で、排気制御システムの構成に関する説明を終了する。
≪処理≫
制御部203により実行される、流路切替バルブ107に対する、排気ガスの流路の制御に関する処理動作について詳細に説明する。図6は、排気ガスの流路の制御に関する処理動作をフローチャートとして図示したものである。
まず、ステップS01において、制御部203は、排気浄化装置10がサルファパージ中であるか否か判定する。サルファパージ中であれば(ステップS01でYes)、ステップS17に進む。そうでなければ(ステップS01でNo)、ステップS02に進む。
次に、ステップS02において、制御部203は、排気浄化装置10がPM再生中であるか否か判定する。PM再生中であれば(ステップS02でYes)、ステップS17に進む。そうでなければ(ステップS02でNo)、ステップS03に進む。
次に、ステップS03において、制御部203は、排気浄化装置10がリッチスパイク中であるか否か判定する。リッチスパイクとは、排気ガスがリーンである場合において、微小時間リッチな排気ガスを周期的に流すリーンリッチ制御である。リーンとリッチが交互に繰り返される状態になり、比較的短時間の間で還元剤を供給し、NOxを還元することができる。リーンリッチ制御部2031からの指示により実行される。リッチスパイク中であれば(ステップS03でYes)、ステップS16に進む。そうでなければ(ステップS03でNo)、ステップS04に進む。
次に、ステップS04において、制御部203は、車速センサ50から、入力部201を介して車両の走行速度を取得する。取得した後、ステップS05に進む。
次に、ステップS05において、制御部203は、エアーフローセンサ102から、入力部201を介して吸気ガスの吸気量を取得する。取得した後、ステップS06に進む。
次に、ステップS06において、制御部203は、温度センサA106から、入力部201を介して排気ガスの温度を取得する。取得した後、ステップS07に進む。
次に、ステップS07において、制御部203は、NOx触媒温度推定部2032に、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の温度Tを算出させる。算出した後、ステップS08に進む。
次に、ステップS08において、制御部203は、ステップS04において取得した、車両の走行速度に基づいて車両が減速中であるか否かを判定する。減速中であれば(ステップS08でYes)、ステップS14に進む。そうでなければ(ステップS08でNo)、ステップS09に進む。
次に、ステップS09において、制御部203は、オドメータ60から、入力部201を介して車両の走行距離を取得する。取得した後、ステップS10に進む。
次に、ステップS10において、制御部203は、NOx触媒劣化度推定部2034に、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒の劣化度を算出させる。算出した後、ステップS11に進む。
次に、ステップS11において、制御部203は、流路切替バルブ107のバルブ開度の目標値である目標バルブ開度を算出させる。目標バルブ開度は、吸気ガスの吸気量、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の推定した温度T、上流側NOx触媒反応器104内のNOx触媒の劣化度に基づいて算出される。算出した後、ステップS12に進む。
次に、ステップS12において、制御部203は、温度センサB110から、入力部201を介して排気ガスの温度を取得する。取得した後、ステップS13に進む。
次に、ステップS13において、制御部203は、流路切替制御部2033に、温度センサB110が検出する排気ガスの温度の目標値である目標温度となるように、流路切替バルブ107のバルブ開度を制御させる。制御した後、この処理動作は一通り終了し、新たにこの処理を開始して繰り返す。
次に、ステップS14において、制御部203は、ステップS07で算出した、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の温度TがTD2(下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒のNOx浄化率が所定値(高いと判断されるNOx浄化率の下限)以上になる温度領域の上限)以上であるか否か判定する。温度TがTD2以上であれば(ステップS14でYes)、ステップS16に進む。そうでなければ(ステップS14でNo)、ステップS15に進む。
次に、ステップS15において、制御部203は、ステップS07で算出した、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒の温度TがTD1(下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒のNOx浄化率が所定値(高いと判断されるNOx浄化率の下限)以上になる温度領域の下限)以下であるか否か判定する。温度TがTD1以下であれば(ステップS15でYes)、ステップS17に進む。そうでなければ(ステップS15でNo)、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒は、高いNOx浄化率を発揮することができるので、ステップS09に進む。
次に、ステップS16において、制御部203は、流路切替制御部2033に、バイパス流量をゼロとするように、流路切替バルブ107のバルブ開度を制御させる。このように制御するのは、リッチスパイクによる還元剤を下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒にきちんと流すためである(ステップS03参照)。また、温度が高くなり過ぎている(TD2以上)ためにNOx浄化率が低減した下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒に対し、車両が減速してるために冷えた排気ガスを流すことにより、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒を冷ますためである(ステップS14参照)。制御した後、この処理動作は一通り終了し、新たにこの処理を開始して繰り返す。
次に、ステップS17において、制御部203は、流路切替制御部2033に、排気ガスの全量をバイパスするように、流路切替バルブ107のバルブ開度を制御させる。このように制御するのは、サルファパージにより放出したSOが下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒を被毒しないようにするためであり、かつ、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒がサルファパージにより高温になった排気ガスにさらされて熱劣化してしまうことを回避するためである(ステップS01参照)。また、PM再生により、分解した粒子状物質に含まれていたサルフェートが下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒を被毒しないようにするためであり、かつ、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒がPM再生により高温になった排気ガスにさらされて熱劣化してしまうことを回避するためである(ステップS02参照)。また、温度が低くなり過ぎている(TD1以下)ためにNOx浄化率が低減した下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒に対し、車両が減速してるためにさらに冷えた排気ガスを流すことにより、下流側NOx触媒反応器109内のNOx触媒を余計に冷ましてしまうことの無いようにするためである(ステップS15参照)。制御した後、この処理動作は一通り終了し、新たにこの処理を開始して繰り返す。
以上で、排気ガスの流路の制御に関する処理動作に関する説明を終了する。
≪まとめ≫
本実施形態により、以下の効果を奏する。すなわち、排気ガスの浄化において、下流側NOx触媒の温度だけでなく、排気ガスの流量にも基づいて流路切替バルブによる流路の切り替えを制御するので、NOx触媒によるNOx浄化率を向上させることができる。
NOx触媒は、高温になり、かつ、排気ガスの流量が増大すると著しくNOx浄化率が低下し、熱劣化も促進してしまう。そこで、排気ガスをバイパスすることでNOx触媒を通過する流量が低下するだけでなく、NOx触媒の温度も低下するので高いNOxを維持することができる。また、排気ガスをバイパスすることでNOx触媒を通過せずそのまま排出されるNOxが存在するが、その分の排出量を加味しても、NOxの全排出量は低減される。さらに、吸気ガスの吸気量と排気ガスの温度に応じて、バイパスする量を予め設定することで、下流側NOx触媒を流れる排気ガスの流量に応じた最適のNOx触媒温度が得られる。そして、その温度をモニタリングし、その温度に応じてバイパス量を制御することで、より精度良くNOx触媒温度を制御でき、NOxの全排出量をさらに低減することができる。また、NOx触媒を直列に配置することで、バイパスしていて下流側NOx触媒で浄化せずとも、上流側NOx触媒で浄化しているので、NOx排出量の大幅な増加を招くことは無い。
また、排気ガスのバイパスにより、下流側NOx触媒が高温に晒される割合は低減され、下流側NOx触媒が高温の排気ガスを浄化する必要性がなくなるので、下流側NOx触媒を、低温で高いNOx浄化率を備えた触媒として特化することができる。
アンモニアを還元剤とした、低温側で高いNOx浄化率を有する二層式吸蔵還元触媒を、排気通路をある程度の距離に亘って流れて冷やされた排気ガスが通過する下流側NOx触媒に適用することで、NOxの浄化をおこなう排気浄化システムについて合理的な設計を行うことができる。
リッチスパイク中に排気ガスをバイパスすると、還元剤もバイパスされてしまい、E/Mの悪化、燃費の悪化を招いてしまう。そこで、リッチスパイク中はバイパスせず全量を下流側NOx触媒に流し、還元剤により吸着したNOxを還元することで、このような事態を回避することができる。このとき、リッチスパイクの直前までは、下流側NOx触媒の温度は、通常は、活性温度(高いNOx浄化率を発揮する温度)であるため、リッチスパイク初期は還元剤を有効に利用でき、NOxがそのまま排出される割合は小さい。また、NOx還元率は高温でも比較的高いので、その後、下流側NOx触媒の温度が上昇することがあっても、大量のNOxを排出してしまうという事態を引き起こすことはない。
DPFを有する場合、排気ガスをバイパスしなければ、PM再生により下流側NOx触媒においてSOx被毒が引き起こされるので、バイパスすることにより、そのような事態を回避することができる。
また、減速時においては、冷えきった排気ガスを適切にバイパス制御することでNOx触媒の温度を制御することができる。つまり、下流側NOx触媒の温度が活性温度より低いときはバイパスして、その排気ガスでさらに下流側NOx触媒を冷やしてしまわないようにし、逆に高いときはバイパスせず、その排気ガスで下流側NOx触媒を冷やすようにする。このようにして、下流側NOx触媒の温度を活性温度に維持することができる。
また、上流側NOx触媒の劣化度に応じてバイパス制御するので、排出されるNOxの全排出量を低減することができる。上流側NOx触媒の劣化度が小さいときは、高温でのNOx浄化率が高く、下流側には殆どNOxが流れないので、バイパスすることで下流側NOx触媒の熱劣化を低減することができる。その後、上流側NOx触媒の劣化度が大きくなるにつれ、排気ガスのバイパス量を減少させ、下流側NOx触媒に浄化させることで、NOx排出量の増大を防ぐことができる。
≪その他≫
なお、上述した形態は、本発明を実施するための最良のものであるが、その実施形式はこれに限定するものではない。したがって、本発明の要旨を変更しない範囲においてその実施形式を種々変形することは可能である。
例えば、本実施形態では、ディーゼルエンジンを用いたが、ガソリンエンジンであっても本発明を適用することは可能である。
また、本実施形態では、DPFを用いていたが、例えば、もっと一般的に、スートフィルタに触媒加工を施したCSF(Catalyzed Soot Filter)を用いても良い。一例として、DOCの機能と、DPFの機能とを組み合わせたCSFを用いても良い。すると、酸化触媒機能により、排気ガス中のCOおよびC、すなわちPMは、Oの存在下(つまり、リーン)、酸化触媒により除去される。
また、本実施形態では、温度センサは2つ用いていた(温度センサA106と温度センサB110)が、例えば、1つでも十分である。下流側NOx触媒の温度を推定するためには、温度センサは一つでも十分であるからである。制御の精度向上のために、温度センサを複数用いることも可能である。したがって、温度センサは、3つ以上でも良い。
また、本実施形態では、減速中において、冷えた排気ガスをバイパス制御するようにしたが、減速中でなくともこの制御を行うことは可能である。減速中で行うことは排気ガスが冷えることの、最も想定される原因の一つにすぎない。例えば、排気通路に配置した温度センサによって、排気ガスの温度が低いか否かを直接判定するようにし、NOx触媒の温度が活性温度の領域外であれば、バイパス制御して、温度が低いと判定された排気ガスを直接NOx触媒に流すまたは流さないように制御しても良い。
また、本実施形態では、車両の走行距離に基づいて上流側NOx触媒の劣化度を推定するようにしたが、その劣化度を推定する方法はこれに限らない。例えば、下流側NOx触媒の上流側または下流側に、排気ガスの空燃比を検出するA/Fセンサを配置し、A/Fセンサから求められるOのストレージ量の変化を追跡することで、前記劣化度を推定すしても良い。また、下流側NOx触媒の下流側に、NOx排出量を検出するNOxセンサを配置し、NOx排出量の変化を追跡することで、前記劣化度を推定しても良い。
その他、ハードウェア、ソフトウェア、各フローチャートなどの具体的な構成、材料の選択、その構造の設計等について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
本実施形態の排気制御システムの構成を図示したものである。 NOx触媒における、NOx浄化率と温度との関係をグラフとして図示したものである。 NOx触媒における、NOx触媒のNOx吸着率と温度との関係およびNOx触媒のNOx還元率と温度との関係をグラフとして図示したものである。 上流側NOx触媒および下流側NOx触媒における、NOx浄化率と温度との関係をグラフとして図示したものである。 二層式吸蔵還元触媒として機能する下流側NOx触媒における反応過程(a)〜(c)を図示したものである。 排気ガスの流路の制御に関する処理動作をフローチャートとして図示したものである。
符号の説明
10 排気浄化装置
20 ECU
30 吸気通路
40 エンジン
50 車速センサ
60 オドメータ
101 排気通路
102 エアーフローセンサ
103 DOC
104 上流側NOx触媒反応器
105 DPF
106 温度センサA
107 流路切替バルブ
108 バイパス通路
109 下流側NOx触媒反応器
110 温度センサB
201 入力部
202 出力部
203 制御部
204 記憶部
2031 リーンリッチ制御部
2032 NOx触媒温度推定部
2033 流路切替制御部
2034 NOx触媒劣化度推定部
2041 NOx触媒温度推定用マップ
2042 NOx触媒劣化度推定用マップ

Claims (8)

  1. 内燃機関に吸気される吸気ガスの吸気量を検出する吸気量検出手段と、
    内燃機関の排気通路から排気される排気ガスの温度を検出する排気温度検出手段と、
    前記排気通路に配置される上流側NOx触媒と、
    前記排気通路において、前記上流側NOx触媒よりも下流側に配置される下流側NOx触媒と、
    前記排気通路に対し、前記下流側NOx触媒を迂回して排気ガスを通過させるバイパス通路と、
    前記上流側NOx触媒の下流側、かつ、前記下流側NOx触媒の上流側に配置され、前記下流側NOx触媒に排気ガスを通過させる流路および前記バイパス通路に排気ガスを通過させる流路を切り替える流路切替手段と、
    を有する排気浄化装置と、
    前記排気温度検出手段の検出した、排気ガスの温度に基づいて、前記下流側NOx触媒の温度を推定するNOx触媒温度推定手段と、
    前記吸気量検出手段の検出した吸気量および前記下流側NOx触媒温度推定手段の推定した温度に基づいて前記流路切替手段を制御する流路切替制御手段と、
    を有する制御装置と、
    を有する排気制御システム。
  2. 前記制御装置の前記流路切替制御手段は、
    前記吸気量検出手段の検出した吸気量が所定値以上の量であり、かつ、前記NOx触媒温度推定手段の推定した温度が所定値以上の温度であるとき、前記排気ガスの一部または全部を前記バイパス通路へ通過させるように前記流路切替手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の排気制御システム。
  3. 前記下流側NOx触媒が所定値以上のNOx浄化率を示す温度領域は、前記上流側NOx触媒が所定値以上のNOx浄化率を示す温度領域よりも低温度側に在る
    ことを特徴とする請求項1に記載の排気制御システム。
  4. 前記下流側NOx触媒は、
    NOxを吸着するNOx吸着層と、
    アンモニアを吸着するアンモニア吸着層とを有し、
    前記排気ガスの空燃比がリーンであるときには、前記排気ガス中のNOxを前記NOx吸着層に吸着し、
    前記排気ガスの空燃比がリッチであるときには、前記NOx吸着層に吸着したNOxと前記排気ガスから得られる水素とを反応させてアンモニアを発生し、前記アンモニアをアンモニア吸着層に吸着し、
    前記排気ガスの空燃比がリーンであるときには、前記アンモニア吸着層に吸着したアンモニアと前記排気ガスから得られるNOxとを反応させて窒素を発生させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の排気制御システム。
  5. 前記制御装置は前記排気浄化装置に対し、前記排気ガスのリッチスパイクを行うように制御し、
    前記制御装置の前記流路切替制御手段は、
    前記リッチスパイクを行っている間は、前記排気ガスの全部を前記下流側NOx触媒へ通過させるように前記流路切替手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の排気制御システム。
  6. 前記排気浄化装置は、
    前記下流側NOx触媒の上流側に粒子状物質を捕集する捕集手段を有し、
    前記制御装置の前記流路切替制御手段は、
    前記排気ガスを高温化して前記捕集手段に捕集された粒子状物質を再生している間は、前記排気ガスの全部を前記バイパス通路へ通過させるように前記流路切替手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の排気制御システム。
  7. 前記制御装置において、車速センサが検出した走行速度により減速中であると判断される場合において、
    前記流路切替制御手段は、
    前記排気温度検出手段の検出した、排気ガスの温度が所定値以下であり、かつ、前記NOx触媒温度推定手段の推定した、下流側NOx触媒の温度が第1の所定値以上のときは、前記排気ガスの全部を前記下流側NOx触媒へ通過させるように前記流路切替手段を制御し、
    前記排気温度検出手段の検出した、排気ガスの温度が所定値以下であり、かつ、前記NOx触媒温度推定手段の推定した、下流側NOx触媒の温度が、前記第1の所定値よりも小さな第2の所定値以下のときは、前記排気ガスの全部を前記バイパス通路へ通過させるように前記流路切替手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の排気制御システム。
  8. 前記制御装置は、
    前記上流側NOx触媒の劣化度を推定する劣化度推定手段を有し、
    前記流路切替制御手段は、
    前記劣化度推定手段が推定した、前記上流側NOx触媒の劣化度が大きい程、前記排気ガスの、前記バイパス通路へ通過する流量が減少するように前記流路切替手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の排気制御システム。
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