JP2016094673A - 水系サイズ剤 - Google Patents

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卓真 後藤
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Abstract

【課題】特定の後処理を施すことにより、機械特性や耐熱性に優れた複合材料を得ることができる水系サイズ剤を提供する。
【解決手段】シランカップリング剤(A)100質量部と、皮膜形成剤(B)50〜700質量部と、帯電防止剤(C)10〜50質量部と、柔軟剤(D)10〜50質量部と、バンドギャップが1.5eV以上である光触媒(E)1〜50質量部とを含有し、
澱粉およびエポキシ樹脂を含有しない水系サイズ剤、および、皮膜形成剤(B)が、ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルを含む前記水系サイズ剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス繊維の表面処理に用いられる水系サイズ剤に関する。
従来、電子機器または電子通信機器等に使用されるプリント基板の補強材料には、ガラス繊維クロスが用いられている。近年、電子機器の小型化、薄肉化の進行にともない、前記ガラス繊維クロスは薄くすることが求められている。ガラス繊維クロスを薄くするには、ガラス繊維の繊維径をさらに細くし、かつ束ねる本数を減らす必要がある。
しかしながら、従来よりも繊維径を細くし束ねる本数を減らしたガラス繊維を用いて、従来からおこなわれている、ガラス繊維に澱粉を含んだサイズ剤で被覆し、製織後、澱粉をヒートクリーニング処理する方法でガラス繊維クロスを製造すると、強度が低下するという問題があった。
ヒートクリーニング処理を必要としない水系サイズ剤として、特許文献1では、エポキシ樹脂と、エチレンオキサイドが付加されたビスフェノールAエーテルと、シランカップリング剤とを含む水系サイズ剤が提案されている。しかしながら、特許文献1の水系サイズ剤を用いた場合、エポキシ樹脂を含むため静電気が発生したり、エポキシ樹脂がシランカップリング剤と反応するため糸質が変動したりして、製織性が低下するという問題があった。
そこで、本発明者らは、特許文献2において、ヒートクリーニング処理を必要とせず、エポキシ樹脂を含まない水系サイズ剤として、シランカップリング剤と、エチレンオキサイドが付加されたビスフェノールAエーテルと、柔軟剤と、帯電防止剤とを含む水系サイズ剤を提案した。
特開2007−162171号公報 特許第5512030号公報
本発明は、特定の後処理を施すことにより、機械特性や耐熱性に優れた複合材料を得ることができる水系サイズ剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、シランカップリング剤と、皮膜形成剤と、帯電防止剤と、柔軟剤を特定の割合で含有した水系サイズ剤に、さらに特定のバンドギャップの光触媒を配合し、これを用いたガラス繊維を製織した後、紫外線を照射して、ガラス繊維表面の皮膜を分解、洗浄することにより、耐熱性に優れた複合材料を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)シランカップリング剤(A)100質量部と、皮膜形成剤(B)50〜700質量部と、帯電防止剤(C)10〜50質量部と、柔軟剤(D)10〜50質量部と、バンドギャップが1.5eV以上である光触媒(E)1〜50質量部とを含有し、
澱粉およびエポキシ樹脂を含有しない水系サイズ剤。
(2)皮膜形成剤(B)が、ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルである(1)記載の水系サイズ剤。
(3)ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルが、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテルを含む(2)記載の水系サイズ剤。
(4)ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルの水酸基価が200mgKOH/g以下である(3)記載の水系サイズ剤。
(5)光触媒(E)が、酸化チタンおよび/または酸化銅である(1)〜(4)のいずれかに記載の水系サイズ剤。
(6)さらに、微粒子(F)を含有する(1)〜(5)のいずれかに記載の水系サイズ剤。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の水系サイズ剤で表面が処理されたガラス繊維。
(8)(7)記載のガラス繊維を用いたガラス繊維クロス。
(9)(8)記載のガラス繊維クロスを用いた複合材料。
(10)(8)記載のガラス繊維クロスに紫外線を照射し、ガラス繊維表面の皮膜を分解し、洗浄することにより、表面の皮膜を取り除いたガラス繊維からなるガラス繊維クロスの製造方法。
本発明によれば、機械特性や耐熱性に優れた複合材料を得ることができる、ガラス繊維の水系サイズ剤を提供することができる。本発明の水系サイズ剤で表面処理したガラス繊維から得られるガラス繊維クロスは、紫外線照射、皮膜分解、洗浄することにより、優れた機械特性や耐熱性を得ることができるため、電気機器等に使用されるプリント基板として好適である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、シランカップリング剤(A)と、皮膜形成剤(B)と、帯電防止剤(C)と、柔軟剤(D)と、光触媒(E)とを含む水系サイズ剤に関する。より具体的には、本発明の水系サイズ剤は、(A)〜(E)を水に分散させたものである。本発明の水系サイズ剤は、澱粉、およびエポキシ樹脂を含有しない。ここでいう、「含有しない」とは、実質的に含まないことを意味し、本発明の効果を損なわない範囲であれば、微量含んでもよい。
シランカップリング剤(A)は、ガラス繊維または得られる複合材料の耐熱性や機械物性を改善する目的で用いられる。シランカップリング剤(A)としては、一般式:Y−R−Si(CH3−nで示される加水分解性のシラン化合物が好ましい。官能基Yとしては、例えば、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基が挙げられ、これらの中でも、ビニル基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基が好ましい。Rとしては、直鎖状、分岐状のアルキレン基、フェニレン基、イミノ基等が挙げられ、またRを介さずに、YがSiに直接結合してもよい。官能基Xとしては、例えば、メトキシ基またはエトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基、アセトキシ基、オキシム基、イソプロペノキシ基、アミノ基が挙げられる。nは2または3の整数である。nが2または3の場合、複数のXは、互いに同一であっても異なってもよい。より具体的には、このような加水分解性のシラン化合物としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。中でも、耐熱性にも優れることから、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
皮膜形成剤(B)は、ガラス繊維に潤滑性を付与し繊維を接触具材との摩擦から保護し、帯電の防止や毛羽の発生を抑制する目的で用いられる。皮膜形成剤(B)としては、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等のポリオール、またはその誘導体が挙げられる。このようなポリオールとしては、例えば、アジペートジオール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレントリメチルロールプロパンエーテル、ポリオキシプロピレンソルビトールエーテル、ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルが挙げられ、好ましくはエポキシ基を含まない。中でも、毛羽抑制および潤滑性付与の観点から、皮膜形成剤(B)としては、ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルであることが好ましく、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテルまたはポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテルがより好ましく、特に潤滑性に優れることから、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテルがさらに好ましい。
ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルの水酸基価は200mgKOH/g以下であることが好ましく、150mgKOH/gであることがより好ましい。ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルの水酸基価が200mgKOH/g以下である場合、ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルの水溶性が高くなり、紫外線照射後、洗浄する際に、ガラス繊維表面の皮膜が除去しやすくなるため、耐熱性がより向上する。また、ガラス繊維クロスの開繊効率が高くなるため、複合材料とする際のマトリクス樹脂の含浸性がより向上し、得られる複合材料の機械特性がより向上する。一方、ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルの水酸基価が200mgKOH/gを超えると水に分散することが困難となり水系サイズ剤を作製することができない場合がある。
皮膜形成剤(B)の含有量は、シランカップリング剤(A)100質量部に対して、50〜700質量部であることが必要で、150〜450質量部であることが好ましい。皮膜形成剤(B)の含有量が50質量部未満の場合、紡糸の際に糸切れが頻発しガラス繊維を得ることが困難となる場合があるので好ましくない。一方、皮膜形成剤(B)の含有量が700質量部を超える場合、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができず、耐熱性の低下を抑制することができないので好ましくない。また、得られる複合材料の機械特性が低下するので好ましくない。
帯電防止剤(C)は、ガラス繊維の帯電性を低下させる目的で用いられる。帯電防止剤(C)としては、例えば、脂肪族ポリアミド、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、もしくはそれらの誘導体、第4級アンモニウム塩、または無機塩が用いられ、好ましくはエポキシ基を含まない。ポリオキシアルキレンアルキルエステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエステルが挙げられる。第4級アンモニウム塩としては、例えば、アルキルアンモニウム塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩化リチウム等のリチウム塩や、塩化マグネシウム等のマグネシウム塩や、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられる。
帯電防止剤(C)の含有量は、シランカップリング剤(A)100質量部に対して、10〜50質量部であることが必要で、20〜40質量部であることが好ましい。帯電防止剤(C)の含有量が10質量部未満の場合、ガラス繊維の帯電を防止できず、製織することが困難となる場合があるので好ましくない。一方、帯電防止剤(C)の含有量が50質量部を超える場合、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができず、耐熱性の低下を抑制することができないので好ましくない。また、得られる複合材料の機械特性が低下するので好ましくない。
柔軟剤(D)は、ガラス繊維の柔軟性を向上する目的で用いられる。柔軟剤(D)としては、例えば、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール、またはそれらの誘導体が挙げられ、中でも、脂肪酸アミド、ポリアルキレングリコール類が好ましく、エポキシ基を含まないものがより好ましい。脂肪酸アミドとしては、例えば、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシアルキレン脂肪酸アミドが挙げられる。また、脂肪酸アミドとしては、例えば、ポリエチレンアミンと、脂肪酸とで構成されるものが挙げられる。ポリエチレンアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンぺンタミンが挙げられる。脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ラウリン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸イソプロピル、アジピン酸エチレングリコール、トリオクタン酸トリメチルロールプロパンが挙げられる。ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが挙げられる。
柔軟剤(D)の含有量は、シランカップリング剤(A)100質量部に対して、10〜50質量部であることが必要で、20〜40質量部であることが好ましい。柔軟剤(D)の含有量が10質量部未満の場合、紡糸の際に糸切れが頻発しガラス繊維を得ることが困難となる場合があるので好ましくない。一方、柔軟剤(D)の含有量が50質量部を超える場合、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができず、耐熱性の低下を抑制することができないので好ましくない。また、得られる複合材料の機械特性が低下するので好ましくない。
光触媒(E)は、紫外線を照射した際に、ガラス繊維表面の皮膜を分解し、洗浄することにより容易に分解物を除去することができるようにする目的で用いられる。光触媒のバンドギャップは、1.5eV以上であることが必要で、2.0eV以上であることが好ましい。バンドギャップが1.5eV未満の場合、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができず、耐熱性の低下を抑制することができないので好ましくない。また、得られる複合材料の機械特性が低下するので好ましくない。
光触媒(E)としては、例えば、酸化チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化銀、酸化マンガン、酸化銅、酸化鉄、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化ニオブ等の金属酸化物、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化インジウム、硫化鉛、硫化銅、硫化モリブテン、硫化タングステン、硫化アンチモン、硫化ビスマス等の金属硫化物が挙げられる。光触媒は、単独で使用してもよいし、併用してもよい。
本発明の水系サイズ剤には、ガラス繊維クロスの開繊効率を高め、複合材料にする際の前記クロスへのマトリクス樹脂の含浸性を向上させ、得られる複合材料の機械特性を向上させることを目的として、さらにポリマー微粒子や無機微粒子等の微粒子(F)を含んでもよい。微粒子の平均粒子径は、ガラス繊維クロスの開繊効率の観点から、1.0μm以下であることが好ましい。
ポリマー微粒子のポリマーとしては、水に溶解しないものであれば特に限定されないが、例えば、ポリ乳酸、ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ダイマー酸ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、共重合ポリエステル、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリエチレン、イミン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸メチル架橋物が挙げられる。無機微粒子しては、例えば、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、クレイ、窒化ホウ素、グラファイト、金属ジカルコゲナイド、ヨウ化カドミウム、インジウム、タリウム、スズ、銅、亜鉛、金、銀が挙げられる。中でも、開繊効率が高いことから、窒化ホウ素であることが好ましい。ポリマー微粒子や無機微粒子は、単独で使用してもよいし、併用してもよい。
本発明の水系サイズ剤は、紡糸時の繊維の集束性の向上、製織時の毛羽の発生抑制を目的として、さらに水に溶解することができるエポキシ樹脂以外の水系樹脂を含んでもよい。水系樹脂は、光硬化するものであってもよい。水系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリエチレングリコール、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン、変性ポリオレフィン、ダイマー酸ポリアミドが挙げられる。水系樹脂は、単独で使用してもよいし、併用してもよい。
本発明の水系サイズ剤は、さらに酢酸等のpH調整剤を含んでもよい。
本発明の水系サイズ剤は、さらに硬化触媒を含んでもよい。硬化触媒としては、例えば、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリスエチルヘキシル酸塩が挙げられる。また、本発明の水系サイズ剤は、さらに硬化剤を含んでもよい。硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、アミン−エポキシ付加生成物、ポリアミドポリアミン、芳香族ポリアミン、グリシジルエーテル類、グリシジルエステル類が挙げられる。
本発明の水系サイズ剤は、さらに、増粘剤、レベリング剤、酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、熱安定剤、繊維状補強材、機能性フィラーを含んでもよい。機能性フィラーとしては、例えば、熱伝導性フィラー、電磁波遮蔽粒フィラー、断熱フィラー、高誘電フィラーが挙げられる。
本発明の水系サイズ剤は、澱粉を含まない。そのため、本発明においては、ヒートクリーニング処理をした場合に生じる機械特性の低下は生じない。
本発明の水系サイズ剤は、エポキシ樹脂を含まない。そのため、エポキシ樹脂を含む水系サイズ剤を用いた場合に生じる糸質の変動や静電気量の増大が抑制され安定した製織が可能となる。ここで、エポキシ樹脂とは、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明の水系サイズ剤中における、上記の(A)〜(E)を合計した固形分濃度は、2〜10質量%であることが好ましい。固形分濃度が2質量%未満の場合、ガラス繊維に均一に被覆することが困難となり、毛羽が立ち易くなり、耐熱性、機械物性が低下する場合がある。一方、固形分濃度が10質量%を超えると、ガラス繊維への固形分の付着量が増すことで、ガラス繊維表面のべたつき、過剰なシランの付着により製織性、耐熱性が低下する場合がある。
本発明の水系サイズ剤は、上記の(A)〜(E)を水中に分散させることによって製造することができる。より具体的には、最初にシランカップリング剤(A)を水に混合し、25℃以下の温度で撹拌し、加水分解反応を進める。この加水分解反応がある程度進んだ段階で、皮膜形成剤(B)、帯電防止剤(C)、柔軟剤(D)、光触媒(E)をさらに加え、撹拌する。上記の(B)〜(E)を、それぞれ、上記の(A)を含む水に加えて混合してもよく、上記の(B)〜(E)を混合したものを、上記の(A)を含む水に加えて混合してもよい。
上記の(A)〜(E)の混合物に硬化剤を加える場合、攪拌翼、ビーズミル、3本ロールミル、ジェットミルを用いて、上記の(A)〜(E)の混合物および硬化剤を混合すればよい。上記の(A)〜(E)の混合物と硬化剤は、無機物等の固形物を混合しない場合に限り、ディスパーまたは振動攪拌を用いて混合してもよい。
ディスパーの場合、回転数は500〜3000rpmが好ましい。振動攪拌の場合、振動数は30〜50Hzが好ましい。回転数および振動数が上記範囲内である場合、攪拌熱による発熱を抑制しながら水系サイズ剤を得ることができる。また、上記の(A)〜(E)の混合物と硬化剤に固形物を混合するためにビーズミルを用いる場合、攪拌熱による発熱を抑制するため、チラーを用いてもよい。
本発明の水系サイズ剤は、ガラス繊維を表面処理するために用いる。製織性、耐熱性の観点から、ガラス繊維に付着する水系サイズ剤(固形分)の量は、ガラス繊維および前記ガラス繊維に付着した水系サイズ剤(固形分)の合計100質量部に対して、0.10〜4.00質量部であることが好ましく、0.15〜1.00質量部であることがより好ましく、0.15〜0.20質量部であることがさらに好ましい。
本発明の表面処理されたガラス繊維は、例えば、上記の水系サイズ剤を、ローラーサイジング法、ローラー浸漬法、スプレー法等の公知の方法により、ガラス繊維に塗布することにより得ることができる。
表面処理されたガラス繊維は、シャトル織機、エアージェット織機、レピア織機を用いた公知の方法により、ガラス繊維クロスを製織することができる。
製織されたガラス繊維クロスは、紫外線を照射することにより、水系サイズ剤に含まれる光触媒が活性を示し、ガラス繊維に被覆された皮膜が分解され、さらに、水等により洗浄することにより、表面の皮膜を取り除いたガラス繊維からなるガラス繊維クロスを得ることができる。紫外線は300〜400nmの波長を用いることが好ましく、340〜360nmの波長を用いることがより好ましい。通常、強度が900〜400mW/cmの紫外線を、照射距離30〜150mmで、30〜300秒照射する。洗浄は、開繊処理は開繊処理も兼ねて、0.1〜5.0MPaの圧力をかけておこなうことが好ましい。本発明のガラス繊維クロスは、上記のように製造することにより、強度低下を引き起こすヒートクリーニング処理をおこなう必要がない。
さらに、得られたガラス繊維クロスにマトリクス樹脂を含浸させることにより、複合材料を得ることができる。マトリクス樹脂を含浸させる方法としては、マトリクス樹脂の溶液に、水開繊処理やシランカップリング処理がなされたガラス繊維クロスを浸漬する方法が挙げられる。エポキシ樹脂をマトリクス樹脂として含浸させた場合、例えば、150〜200℃で1〜10分かけて半硬化状態のプリプレグに加工し、プリプレグを20〜40枚積層し、プレス圧10〜40kg/cm、加熱温度150〜200℃、真空下で1.5〜2時間加熱し、硬化した複合材料とすることができる。
本発明のガラス繊維、ガラス繊維クロスおよび複合材料は、プリント基板;スマートフォン、タブレット、パワーデバイス、パソコン、家庭用ゲーム機等のコンピュータ類の部品;DVDプレーヤー、DVDレコーダーの部品、HDDレコーダーの部品、家庭用テレビ、プラズマディスプレイ、液晶テレビ等のディスプレイ電源ユニット等の部品;携帯電話、各種AV機器、OA機器等の部品;カーステレオ、カーナビゲーションシステム、インバーター、照明、自動車電装部材、自動車エンジン部材、自動車ブレーキ部材、自動車内装部材、宇宙航空材料、スポーツ用途、アウトドア用途、一般産業資材に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
水系サイズ剤の特性の測定、評価する方法は下記のとおりである。
(1)皮膜形成剤の水酸基価
皮膜形成剤10gを、無水酢酸およびピリジン(無水酢酸/ピリジン(体積比)=1/5)の混合液5mLに溶解させた後、100℃で1時間、無水酢酸と皮膜形成剤中の水酸基とを反応させた。その後、さらに蒸留水を添加し、100℃で10分間撹拌して、過剰の無水酢酸を分解し、試料液を得た。0.5モル/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて試料液の滴定をおこない、滴定量W(mL)を求めた。同様に、皮膜形成剤を用いない場合(上記の混合液のみ)についても滴定をおこない、滴定量W(mL)を求めた。
下記式より、水酸基価を算出した。
水酸基価(mgKOH/g)=(W−W)×f×28.05/10
(f:0.5モル/L水酸化カリウム水溶液の力価)
(2)光触媒のバンドギャップ
以下の測定条件で、分光光度計を用いて、光触媒の吸収スペクトルを測定した。
測定機器:島津UV−3101PC
測定波長:200〜1000nm(1nmピッチ)
受光部 :積分球(BaSO
測定方法:反射
サンプル量:10g
このとき、低エネルギー側から高エネルギー側に1nmステップで波長をシフトさせ、吸収が始まる波長と吸収が終わる波長の中間点に相当する波長λmidを求め、その波長から、以下の式を用いてバンドギャップを求めた。
バンドギャップ(eV)=1239.8/λmid (nm)
(3)水系サイズ剤のガラス繊維への付着量
ガラス繊維への水系サイズ剤の付着量の測定は、JIS R 3420に従い、強熱減量として以下のように測定した。
水系サイズ剤の付着したガラス繊維を110℃で1時間熱風乾燥し、ガラス繊維から水分(水系サイズ剤由来の水分)を除去した。水を除去した後のガラス繊維の重量Wを測定した後、そのガラス繊維を電気炉用いて625℃の環境下で30分間静置し、ガラス繊維からさらに水系サイズ剤(固形分)を除去した。水系サイズ剤(固形分)を除去した後のガラス繊維の重量Wを測定した。
水系サイズ剤のガラス繊維への付着量は、以下の式から求めた。
ガラス繊維への付着量=[(水分除去後のガラス繊維重量W)−(水系サイズ剤(固形分)除去後のガラス繊維重量W)]/(水分除去後のガラス繊維重量W)×100
(4)ガラス繊維クロスの通気量
得られたガラス繊維クロスについて、東洋精機製のフラジールパーミヤメーターを用いて、JIS R 3420に準拠して、測定した。
通気量が60cm/(cm・s)未満のものは開繊性が良好とし、60cm/(cm・s)以上のものは開繊性が不良と評価した。
(5)複合材料の耐熱性
得られたガラス繊維クロスを、水で開繊処理し、シランカップリング処理を行い、120℃の乾燥工程にて乾燥を実施した後、エポキシ樹脂のワニスに浸漬し、ワニスから取り上げた後、150℃で5分間、170℃で1.5〜2時間の加熱処理を行い、硬化プリプレグを作製した。なお、水での開繊処理は、0.1〜5.0MPaの水圧を加えておこない、シランカップリング処理は、アミノシランカップリング剤を用いておこなった。またエポキシ樹脂のワニスとして、NBMA規格のFR−4組成のエポキシ樹脂100質量部をメチルエチルケトン14質量部で希釈したワニスを用いた。
続いて、得られた硬化プリプレグに湿熱処理および半田浴による熱履歴を与え、その後の硬化プリプレグの状態を評価した。なお、湿熱処理は、プレッシャークッカーを用いて、水蒸気圧力1.05kg/cmG、環境温度121℃、12時間の条件で実施した。半田浴による熱履歴は、湿熱処理された複合材料を20〜25℃の水に15分間浸した後、260℃の半田浴に25秒浸漬させておこなった。
半田浴に浸漬した後の硬化プリプレグから、張り付いた半田を削り落とし、硬化プリプレグの表面を、フラットベッドスキャナー(EPSON社製)を用いて観察し、硬化プリプレグの表面の総面積に対する白化した部分(白化部)の面積の割合を求めた。硬化プリプレグ表面の白化部の割合が1%未満の場合「◎」、1%以上〜30%未満の場合「○」、30%以上の場合「×」として、複合材料の耐熱性を評価した。
(6)複層複合材料の機械物性
得られた半硬化の複合材料を、170℃で2時間加熱し、硬化した複合材料をについて、JIS K 6911の3点曲げ試験に準拠し、曲げ強度および曲げ弾性率を求めた。なお、測定速度は5mm/分、支点間距離は16mmでおこなった。
水系サイズ剤を構成する材料を、以下に示す。
(1)シランカップリング剤(A)
(A1)N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩と、90%酢酸と、水とからなる混合溶液(東レ・ダウコーニング社製、Z6032)
(2)皮膜形成剤(B)
(B1)ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル(吉村油化学社製、GF690、水酸基価123mgKOH/g)
(B2)ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル(三洋化成社製、ニューポール BPE−60、水酸基価228mgKOH/g)
(B3)ポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテル(三洋化成社製、ニューポール BP−5P、水酸基価211mgKOH/g)
(B4)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(シキボウ社製、エポリカ)
(B5)澱粉(日澱化学社製、パイオスターチ)
(3)帯電防止剤(C)
(C1)ポリオキシエチレンアルキルエステル(一方社油脂工業社製、ノイラン)
(4)柔軟剤(D)
(D1)カチオン性脂肪酸アミド(一方社油脂工業社製、KSK)
(5)光触媒(E)
(E1)酸化チタン(バンドギャップ=3.0eV)(石原産業社製)
(E2)酸化銅(バンドギャップ=2.5eV)(エアブラウン社製)
(E3)シリコン(バンドギャップ=1.1eV)(信越化学社製)
(6)微粒子(F)
(F1)ポリメタクリル酸メチル架橋物水分散体(日本触媒社製、MX−050W、平均粒子径0.05μm)
実施例1〜13および比較例1〜14
上記のシランカップリング剤(A)、皮膜形成剤(B)、帯電防止剤(C)、および柔軟剤(D)、光触媒(E)と、水とを混合して、水系サイズ剤を作製した。
上記の水系サイズ剤の作製において、シランカップリング剤(A)、皮膜形成剤(B)、帯電防止剤(C)、柔軟剤(D)、光触媒(E)の種類、および各固形分の混合比率(質量部)を、表1、2に示すように変更した。
Figure 2016094673
Figure 2016094673
水系サイズ剤は、固形分濃度(上記(A)〜(E)の固形分を合計した量の濃度)が4〜8質量%の範囲内に収まるように、添加する水の量を調整した。
上記で得られた水系サイズ剤をノズルから紡出した複数のガラス繊維(繊維総本数:40本)に付着させ、前記ガラス繊維を1本の束(ストランド)に集束させた。次いで、このストランドを、撚りをかけずにケークに巻き取った。得られたケークから解舒したガラス繊維ロービングを、撚り(撚り数:0.5Z)をかけながら、ボビンに巻き付け、水系サイズ剤で表面が処理されたガラス繊維ヤーンを得た(平均繊維径:4.1μm、番手:1.3tex)。なお、ガラス繊維への水系サイズ剤(固形分)の付着量は、水系サイズ剤の固形分濃度により変動する。水系サイズ剤中の固形分濃度が4〜8質量%である場合、水系サイズ剤(固形分)の付着量は、ガラス繊維および前記ガラス繊維に付着した水系サイズ剤(固形分)の合計100質量部に対して0.10〜4.00質量部となる。
上記で得られた水系サイズ剤で表面が処理されたガラス繊維を、経糸、緯糸いずれにも用いて、津田駒工業社製のエアージェット織機で製織し、ガラス繊維クロスを得た。
得られたガラス繊維クロスに紫外線(波長:350nm、照射強度:500mW)を、180秒間照射しガラス繊維表面の被膜を分解し、さらに、0.1〜5.0MPa水圧を加え、開繊しながら分解物を洗浄した。その後、ガラス繊維クロスを乾燥し、エポキシ樹脂のワニスに浸漬し、ワニスから取り上げた後、150℃で5分間加熱処理をおこない、半硬化状態のプリプレグに加工した。半硬化状態のプリプレグを30枚積層し、プレス圧10〜40kg/cm、加熱温度170℃、真空下で1.5〜2時間加熱し、硬化した複層複合材料(80mm×25mmの平板)を作製した。なお、エポキシ樹脂のワニスとしてはNBMA規格のFR−4組成のエポキシ樹脂100重量部に対してメチルエチルケトン14質量部で希釈したワニスを用いた。
上記で得られた、水系サイズ剤の構成およびガラス繊維、ガラス繊維クロス、複層複合材料について、上記の各種評価をおこなった。評価結果を表1、2に示す。
実施例1〜13は、特定のバンドギャップの光触媒を含む水系サイズ剤を用いたため、紫外線を照射することにより、ガラス繊維表面の皮膜が分解され、水で洗浄により分解物が十分に除去することができた。そのため、実施例1〜13で得られたガラス繊維を用いて得られた複合材料は、いずれも、光触媒を含まない水系サイズ剤を用いて同様にして得られた比較例10の複合材料と対比して、耐熱性が高かった。また、実施例1〜13のガラス繊維から得られた複層複合材料は、比較例10の複層複合材料よりも、曲げ強度や曲げ弾性率が高かった。
実施例1は、水酸基価が200mgKOH/g以下の皮膜成形剤を含む水系サイズ剤を用いたため、水酸基価が200mgKOH/gを超える皮膜成形剤を含む水系サイズ剤を用いた実施例10、11よりも、ガラス繊維表面の皮膜を効率よく除去することができた。そのため、実施例1で得られた複合材料は、耐熱性がやや高かった。また、実施例1で得られた複層複合材料は、実施例10、11で得られた複層複合材料よりも、曲げ強度や曲げ弾性率がやや高かった。
比較例1は、水系サイズ剤中の皮膜形成剤の含有量が少なかったため、紡糸の際に糸切れが頻発しガラス繊維を得ることができなかった。
比較例2は、水系サイズ剤中の皮膜形成剤の含有量が多かったため、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができなかった。そのため、得られた複合材料は耐熱性が低く、得られた複層複合材料は曲げ強度や曲げ弾性率が低かった。
比較例3は、水系サイズ剤中の帯電防止剤の含有量が少なかったため、製織時に静電気が大量に発生しガラス繊維クロスを得ることができなかった。
比較例4は、水系サイズ剤中の帯電防止剤の含有量が多かったため、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができなかった。そのため、得られた複合材料は耐熱性が低く、得られた複層複合材料は曲げ強度や曲げ弾性率が低かった。
比較例5は、水系サイズ剤中の柔軟剤の含有量が少なかったため、紡糸の際に糸切れが頻発しガラス繊維を得ることができなかった。
比較例6は、水系サイズ剤中の柔軟剤の含有量が多かったため、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができなかった。そのため、得られた複合材料は耐熱性が低く、得られた複層複合材料は曲げ強度や曲げ弾性率が低かった。
比較例7は、水系サイズ剤中の光触媒の含有量が少なかったため、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができなかった。そのため、得られた複合材料は耐熱性が低く、得られた複層複合材料は曲げ強度や曲げ弾性率が低かった。
比較例8は、水系サイズ剤中の光触媒の含有量が多かったため、製織時に大量の静電気が発生しガラス繊維クロスを得ることができなかった。
比較例9は、水系サイズ剤中の光触媒のバンドギャップが小さかったため、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができなかった。そのため、得られた複合材料は耐熱性が低く、得られた複層複合材料は曲げ強度や曲げ弾性率が低かった。
比較例10は、水系サイズ剤中に光触媒を含んでいなかったので、紫外線を照射しても、ガラス繊維表面の皮膜を十分に分解することができなかった。そのため、得られた複合材料は耐熱性が低く、得られた複層複合材料は曲げ強度や曲げ弾性率が低かった。
比較例11、12は、水系サイズ剤中のエポキシ樹脂を含んでいたため、製織時に静電気が大量に発生しガラス繊維クロスを得ることができなかった。
比較例13、14は、水系サイズ剤中の澱粉を含んでいたため、平均光透過率が低かった。また、得られた複層複合材料は、曲げ強度や曲げ弾性率が低かった。

Claims (10)

  1. シランカップリング剤(A)100質量部と、皮膜形成剤(B)50〜700質量部と、帯電防止剤(C)10〜50質量部と、柔軟剤(D)10〜50質量部と、バンドギャップが1.5eV以上である光触媒(E)1〜50質量部とを含有し、
    澱粉およびエポキシ樹脂を含有しない水系サイズ剤。
  2. 皮膜形成剤(B)が、ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルを含む請求項1記載の水系サイズ剤。
  3. ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルが、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテルである請求項2記載の水系サイズ剤。
  4. ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルの水酸基価が200mgKOH/g以下である請求項3記載の水系サイズ剤。
  5. 光触媒(E)が、酸化チタンおよび/または酸化銅である請求項1〜4のいずれかに記載の水系サイズ剤。
  6. さらに、微粒子(F)を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の水系サイズ剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の水系サイズ剤で表面が処理されたガラス繊維。
  8. 請求項7記載のガラス繊維を用いたガラス繊維クロス。
  9. 請求項8記載のガラス繊維クロスを用いた複合材料。
  10. 請求項8記載のガラス繊維クロスに紫外線を照射する工程と、ガラス繊維表面の皮膜を分解し、洗浄することにより、前記皮膜を取り除く工程を含むガラス繊維クロスの製造方法。
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CN107759110A (zh) * 2017-10-31 2018-03-06 常州菲胜图自动化仪器有限公司 一种良集束型玻璃纤维浸润剂的制备方法

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