JP2016094130A - 多目的車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷台から運転部に延びるようにした載置空間が得られるようにする。【解決手段】運転部と、該運転部の後方に配置される荷台とを備えている多目的車両において、前記運転部には運転席と、該運転席の側方に助手席が設けられ、前記助手席は、座部321と背もたれ部322とにより構成され、前記座部321は前下部を支点として前方に回動可能とし、前記背もたれ部322は下部を支点として前方に回動回動可能とし、前記荷台を構成する床板51前端に設けられた前あおり板は、前記助手席の後方に位置する可動前あおり板52bが前方に回動可能に構成され、前記助手席32の座部321と背もたれ部322を前方に回動した状態で、前記可動前あおり板52bが前記背もたれ部322上に回動して載置し拡張載置スペースSを形成する。【選択図】図11

Description

本発明は多目的車両に関し、より詳細には多目的車両の座席構造に関する。
従来、運転部と、該運転部の後方に配置される荷台とを備えている多目的車両が公知となっている。具体例としては、特許文献1に記載の多目的車両としてのユーティリティビークルが挙げられる。前記特許文献1に記載の如き多目的車両においては、荷台からはみ出すような長尺物を運搬するに際しては、長尺物を荷台の後端から後方に飛び出して載置し、固定して運搬するようにしていた。
特開2010−95107号公報
しかしながら、従来の多目的車両に長尺物を載置すると、長尺物の後端が機体よりも後方に飛び出してしまうため、狭い道路での旋回時等では、長尺物の後端が障害物等に当たって破損させるおそれがある。また、長尺物の後ろを後あおりに載せた状態では前下がりに傾斜した状態で載置されるため、軟らかい材料でできていると変形してしまう。また、長尺物が左右方向に短い物品であると、左右方向にズレ易く、安定した状態で運搬できない場合もあった。
本発明は、上記問題を解消できるように、荷台から運転部に延びるようにした載置空間が得られる多目的車両を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、運転部と、該運転部の後方に配置される荷台とを備える多目的車両において、前記運転部には運転席と、該運転席の側方に助手席が設けられ、前記助手席は、座部と背もたれ部とにより構成され、前記座部は前下部を支点として前方に回動可能とし、前記背もたれ部は下部を支点として前方に回動回動可能とし、前記荷台を構成する床板の前端に立設された前あおり板は、前記助手席の後方に位置する可動前あおり板が前方に回動可能に構成され、前記助手席の座部と背もたれ部を前方に回動した状態で、前記可動前あおり板が前記背もたれ部上に回動して載置し、拡張載置スペースが形成されるものである。
請求項2においては、前記背もたれ部の背面には、段差部が形成され、該背もたれ部が前方に回動した水平状態では、前記可動前あおり板を前方に回動したときに、前記段差部に嵌合され、前記可動前あおり板はその上面と前記背もたれ部の背面とが同一平面上に配置されるものである。
請求項3においては、前記運転席と前記助手席との間には補助席が設けられ、該補助席は、運転席と助手席の横幅よりも短く、補助席と助手席が横に並べて一体的形状とされるものである。
請求項4においては、前記助手席の背もたれ部の背面には、前後方向に延びる溝部が形成されるものである。
本発明の効果として、荷台と助手席は比較的簡単な構成で、かつ、簡単な操作で、拡張載置スペースが形成され、荷台からはみ出すような長尺物を、略水平状態で載せることができる。
本発明の実施形態に係る多目的車両の全体構成を示した斜視図。 多目的車両の全体側面図。 多目的車両の正面図。 多目的車両のルーフを外した状態の平面図。 多目的車両のルーフを外した状態の後方斜視図。 運転部の正面図。 多目的車両のルーフとドアを外した状態の側面図。 荷台の後方斜視略図。 運転部の前方斜視図。 運転部の助手席の座部を前方に倒した状態の斜視図。 運転部の助手席の座部を前方に倒し、さらに背もたれ部と可動前あおり板を倒した状態の斜視図。 助手席の背もたれ部と可動前あおり板を倒した状態の他の実施形態の斜視図。 助手席の背もたれ部の斜視図多目的車両の正面図。 運転部の座席シート下部の収納スペースを示す斜視図。 収納スペースに引出を取り付ける実施形態の斜視図。 ロプスフレームの斜視図。 ルーフラックの取付部の斜視図。 ルーフラックの取付部の他の実施形態を示す斜視図。 ルーフラックをルーフ下方に設ける実施形態の斜視図。 多目的車両の他の実施形態の正面図。
次に、発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
以下に、本発明を具体化した実施形態を、多目的車両1について全体構成から説明する。なお、F方向を前方として説明する。
図1から図4に示すように、多目的車両1は機体フレーム2の前部上に運転部10を配置し、機体フレーム2の後部上に荷台50を配置している。また、機体フレーム2の前下部には、操舵用車輪としての左右一対の前輪3・3が支持され、機体フレーム2の後下部に左右一対の後輪4・4が支持されて走行部を形成している。機体フレーム2の後部側であって荷台50の下方には動力源としてのエンジン5と燃料タンク6とミッションケース7とバッテリー8が搭載されている(図4参照)。
前記エンジン5は、荷台50の前部左右中央下方に配置され、エンジン5の右側の空いた空間に燃料タンク6が配置され、エンジン5左側の空いた空間にバッテリー8が配置される。燃料タンク6及びバッテリー8は荷台50の幅からはみ出さないように配設される。エンジン5の後部にはミッションケース7とリヤアクスルケースが配置される。前記運転部10の前方のボンネット12内にフロントアクスルケースや操舵機構が配設される。なお、前輪3・3及び後輪4・4は独立懸架機構により機体フレーム2に支持される。
前記エンジン5からの動力は、ミッションケース7内の変速装置により変速されて、リヤアクスルケース内の伝動機構を介して後輪4・4に伝達し、更に、ミッションケース7から伝動軸、フロントアクスルケース内の伝動機構を介して前輪3・3に伝達可能に構成している。
前記荷台50は、図4、図5及び図8に示すように、床板51と前あおり板52と左右のあおり板53L・53Rと後あおり板54からなる。床板51の周囲にはロープ掛け可能にフック55・55・・・が適宜間隔をあけて配置されている。但し、フック55は前あおり板52や左右のあおり板53L・53Rや後あおり板54に設ける構成とすることも可能である。
前記床板51の後下部は左右を軸心として機体フレーム2に枢支され、機体フレーム2と床板51の下面との間には図示しない油圧シリンダが配置され、油圧シリンダを伸縮させることにより荷台50の前部を昇降できるようにしている。但し、油圧シリンダの代わりに電動シリンダで昇降してもよく限定するものではない。また、床板51の後部下面から後バンパー29が後下方に突設して左右方向に延設されている。但し、後バンパー29は機体フレーム2から延設してもよい。
前記前あおり板52は、後述する助手席32側の一部が分割され、固定前あおり板52a・52cと可動前あおり板52bからなる。固定前あおり板52aは運転席31側に幅広く位置して床板51の前端から立設される。固定前あおり板52cは後述するロプスフレーム20の後支柱22Rの後方であって後支柱22Rよりも幅広く床板51の右前端から立設される。可動前あおり板52bは固定前あおり板52a・52cの間であって、助手席32の背もたれ部322の後方に配置されて、下端が床板51の前端に前方へ回動自在に支持されている。可動前あおり板52bの左右幅は助手席32の背もたれ部322の左右幅と略一致または短く構成され、左右方向の位置を合わせて取り付けられている。可動前あおり板52bの上部左右両側は固定前あおり板52a・52cに図示しないロック部材により固定可能としている。
左右のあおり板53L・53Rは下端の辺が床板51の左右両側の辺に枢支されて、外側方へ回動自在に支持している。あおり板53L・53Rの前端には固定前あおり板52a・52cに固定するための図示しない固定部が形成されている。
後あおり板54は下端の辺が床板51の後側の辺に枢支されて、後方へ回動自在に支持している。後あおり板54の上端にはあおり板53L・53Rの後部に固定するための図示しない固定部が形成されている。但し、後あおり板54は上部を枢支して、荷台50をダンプさせたときに下方が開くように構成することもできる。
こうして、荷台50は、床面51と前あおり板52と左右のあおり板53L・53Rと後あおり板54とにより、上方を開放した荷室が形成され、後あおり板54は外側に回動して開放可能に構成している。そして、後述するように、可動前あおり板52bと助手席32の座部321と背もたれ部322を前方に倒すことによって前方への荷室空間を増加させた拡張載置スペースSを構成して長尺物を載せることを可能としている。
前記運転部10は、ステアリングハンドル11やロプスフレーム20や座席シート30等よりなり、左右のドア28・28を開けることにより、運転部10内にアクセスできる。運転部10の前方にはボンネット12が配置されステアリング装置が収納され、ボンネット12の左右前部にはヘッドライト13・13が配置される。ボンネット12の前方の機体フレーム2の前端には前バンパー14が配置される。
図1、図3に示すように、前バンパー14は、パイプフレーム15とフロントガード16とサイドガード17・17からなる。パイプフレーム15は上下二本の主パイプ15a・15aと補強パイプ15bが左右にそれぞれ配置され、主パイプ15a・15aは左右中央に配置されるフロントガード16から左右上斜め側方へ上がりサイドガード17に固定されている。上下の主パイプ15a・15aの間の左右中央には補強パイプ15bが側方上がりに連結固定されている。
フロントガード16は、ボンネット12前方の左右中央に配置され、フロントガード16は左右両側にブロック部16a・16aを構成し、左右のブロック部16a・16aの間にウインチが配置される。左右のブロック部16a・16aから左右両側方に前記上下の主パイプ15a・15aが延設され、左右のブロック部16a・16aの前端は主パイプ15a・15a及びウインチ18より一部前方に突出するように配置される。なお、図20に示すように、前記左右のブロック部16aの各中央に前ライト19を設けることができる。前ライト19はブロック部16aに埋め込まれ直接衝撃が加えられないようにし、LED等により縦長となるように構成している。前ライト19は作業灯であってもフォグランプであってもよく限定するものではない。
図4に示すように、前記ボンネット12の後部にはダッシュボード9が設けられ、該ダッシュボード9の左側からステアリングハンドル11が上方に突出されている。但し、ステアリングハンドル11は右側に設ける構成であってもよい。
図4、図6、図7に示すように、前記ダッシュボード9の後方にはフロア34を介して座席シート30が配置される。座席シート30は、運転席31と助手席32と補助席33からなる。運転席31と助手席32と補助席33はシートフレーム40上に取り付けられる。
運転席31は、ステアリングハンドル11の後方に配置され、本実施形態では、左側に配置され、右側に助手席32が配置される。運転席31の左右幅L1と助手席32の左右幅L2は略同じ長さ(L1≒L2)とし人間の肩幅程度としている。補助席33は運転席31と助手席32との間に配置され、補助席33の左右幅L3は運転席31または座席シート30の幅よりも短く(L1・L2>L3)構成している。具体的には、運転席31及び助手席32と補助席33との左右幅の割合は、L1・L2:L3=(2〜4):1としている。
図6から図11に示すように、運転席31は座部311と背もたれ部312とが一体的に形成され、シートフレーム40上に固定される。但し、座部311と背もたれ部312を分割し、座部311または背もたれ部312を前方に回動する構成であってもよい。運転席31の背もたれ部312の上方にはヘッドレスト35が配置され、後述するロプスフレーム20の補強フレーム25に取り付けられる。
助手席32は、座部321と背もたれ部322とからなる。座部321は前下部がシートフレーム40に支持軸321aにより枢支され、上前方へ回動可能に構成している。背もたれ部322は下部が機体フレーム2に支持軸322aにより枢支され、前方へ回動可能とし、シートフレーム40の上面を開放可能に構成することもできる。前記支持軸321a近傍には座部321が水平方向位置と上下方向位置に保持できるロック機構が設けられ、前記支持軸322a近傍には上下方向位置と水平方向位置で保持できるロック機構が設けられている。つまり、座部321は、支持軸321aを中心に上前方へ回動して上下方向の姿勢でロック機構により保持することができ、背もたれ部322は、座部321が前方へ回動された状態で支持軸322aを中心に前下方に回動して水平姿勢でロックできるようにしている。但し、背もたれ部322の上部にヘッドレスト35を着脱可能に設けることもできる。
図10、図11、図12に示すように、前記背もたれ部322の背面(後面)の下部には、前後幅が狭くなる段差部322bが形成されて、前記荷台50の可動前あおり板52bを前方へ倒したときに嵌る構成としている。つまり、段差部322bの高さは可動前あおり板52bの厚さと一致させている。こうして、可動前あおり板52bが段差部322bに嵌合した状態では、図11に示すように、可動前あおり板52bの上面と背もたれ部322の前上面と床板51の上面が略同一高さとなり段差が生じないようにしている。
また、背もたれ部322の背面上部には、図12に示すように、複数の溝部323が形成されている。溝部323は背もたれ部322を水平姿勢にした状態で前後方向に長い溝状となるようにして、棒材やパイプ材等の長尺物を載置した状態で、溝部323に嵌り、載置した長尺物が転がって位置ずれしないようにしている。但し、床板51の表面及び可動前あおり板52bの背面にも溝部を形成し、その延長上に前記溝部323が配置されるようにしている。
また、図13に示すように、溝部323の代わりに複数の凸部324を前後方向に形成することも可能である。そして、この凸部324の延長上の可動前あおり板52b上にも凸部52dを形成してもよい。更に、凸部324と凸部52dに把手324a・52eを形成して、背もたれ部322及び可動前あおり板52bの傾倒操作を容易にできるようにすることも可能である。なお、前記溝部323及び凸部324の形状は断面視半円状や三角形状や四角形状等限定するものではない。また、溝の幅や高さも限定するものではない。従って、幅や高さが異なる数種類の凹凸を形成してもよい。このように数種類の凹凸を形成することにより、太さや幅の異なる長尺物を安定して保持できることができる。
前記補助席33は、図4、図6に示すように、運転席31と助手席32の幅よりも狭く構成して、運転席31と助手席32との間の空間を埋めるように配置している。補助席33は座部331と背もたれ部332からなり、座部332の上面は、運転席31と助手席32の座部311・321の上面と高さを一致させ段差ができないようにし、背もたれ部332の前面は、運転席31と助手席32の背もたれ部312・322の前面が一致するように構成して段差ができないようにしている。こうして、運転席31と助手席32の間で左右方向に容易に移動できるようにしている。
そして、座部331の前端面は運転席31と助手席32の座部311・321の前端面よりも後方に位置するように構成され、座部311・321と座部331で凹状の囲まれた空間に変速レバー36やサイドブレーキレバー37等の操作レバーを配置できるようにしている。座部331と背もたれ部332は一体的に構成してシートフレーム40に固定される。但し、座部331と背もたれ部332を分離して、座部331はシートフレーム40に枢支して上方に回動してシートフレーム40の上面を開放可能に構成することもできる。
また、前記背もたれ部332は、助手席32の背もたれ部322が上下方向姿勢のとき一体的な形状となるように構成して意匠性を高めている。但し、背もたれ部332を前方に倒れるように構成して、背もたれ部332が座部331の上部で水平方向に保持することで、アームレストの役目を果たす構成とすることもできる。また、背もたれ部332の背面に円筒状の凹部を形成して、カップホルダーを設ける構成とすることもできる。この場合、背もたれ部332を前へ倒すことで、前記凹部にコップやペットボトル等を安定した状態で収納でき、取出しも容易にでき、運転の邪魔にもならい。
このように、座席シート30を構成することにより、荷台50前後長さよりも少し長い長尺物を載せる場合においては、先ず、図10に示すように、助手席32の座部321を支持軸321aを中心に前方へ回動して上下方向姿勢に保持する。次に、図11に示すように、背もたれ部322を支持軸322aを中心に前方に回動して倒し、更に、荷台50の可動前あおり板52bを前方に倒す。このような状態とすることで、助手席32の位置に拡張載置スペースSを構成することができる。この状態のとき、補助席33は、運転席31と同じ姿勢に保たれるので、運転席31に座ったオペレータの操作空間を保つことができる。即ち、補助席33がない場合には、助手席32の背もたれ部322を倒して形成した拡張載置スペースSは前記よりも広がるが、この拡張載置スペースSに荷物を一杯載置すると、運転席31近傍まで荷物が迫り、運転操作の邪魔になり、圧迫感も生じる。そこで、本実施形態のように、補助席33を設けることで、運転席31での操作空間を確保できるようになるのである。
以上のように、運転部10と、該運転部10の後方に配置される荷台50とを備える多目的車両1において、前記運転部10には運転席31と、該運転席31の側方に助手席32が設けられ、前記助手席32は、座部321と背もたれ部322とにより構成され、前記座部321は前下部を支点として前方に回動可能とし、前記背もたれ部322は下部を支点として前方に回動回動可能とし、前記荷台50を構成する床板51の前端に立設された前あおり板52は、前記助手席32の後方に位置する可動前あおり板52bが前方に回動可能に構成され、前記助手席32の座部321と背もたれ部322を前方に回動した状態で、前記可動前あおり板52bが前記背もたれ部322上に回動して載置し拡張載置スペースSが形成されるので、荷台50と助手席32は比較的簡単な構成で、かつ、簡単な操作で、拡張載置スペースSが形成され、荷台50からはみ出すような長尺物を、略水平状態で載せることができる。
また、前記背もたれ部322の背面には、段差部322bが形成され、該背もたれ部322が前方に回動した水平状態では、前記可動前あおり板52bを前方に回動したときに、前記段差部322bに嵌合され、前記可動前あおり板52bはその上面と前記背もたれ部322の背面とが同一平面上に配置されるので、荷台50の可動前あおり板52bの背面と背もたれ部の背面上に長尺物を略水平状態で載せることができて、安定した状態で載置することができ、長尺物がガタつくことがなく、長尺物を拡張載置スペースSに載せるときも、可動前あおり板52bの部分で長尺物の前部を持ち上げる必要がなく、容易に押し込むことができ、そのときの力も小さくて済む。
また、前記運転席31と前記助手席32との間には補助席33が設けられ、該補助席33は、運転席31と助手席32の横幅よりも短く、補助席33と助手席32が横に並べて一体的形状とされるので、拡張載置スペースSを形成して長尺物を載せたときに、補助席33の周囲には空間があるため、長尺物により運転席31側を圧迫することなく、運転操作性を悪化させることがない。また、拡張載置スペースSを形成しない通常の状態では、補助席33は助手席32と一体的なシートとなり、段差がなく、助手席32を広く使うことができ、意匠性も向上できる。
また、前記助手席32の背もたれ部322の背面には、前後方向に延びる溝部323が形成されるので、拡張載置スペースSに長尺物を載せたときに、長尺物の前部を溝部323に収容することにより、長尺物の横方向への移動が規制され、走行中にズレたり振動が発生したりすることを軽減できる。
次に、シートフレーム40の構成について説明する。
図9、図14に示すように、シートフレーム40は箱状に構成され、運転席31と助手席32と補助席33の下方に空間を形成して、左右方向に長い収納スペースTとしている。収納スペースTには、例えば、工具やタオルや手袋や懐中電灯や作業材料やその他の物等収納することができる。収納スペースTは、前面がカバー41・41で閉じられ、該カバー41・41は上部または下部の一方を枢支し、他方に把手とロック部を形成して、前方へ回動して開閉できるようにしている。
また、収納スペースTを利用するにあたり、図15に示すように、カバー41・41を設ける代わりに、収納スペースTに合わせた大きさの引出43・43を設ける構成とすることもできる。この引出43・43に小物を収納して、小物の出し入れを容易にすることができる。なお、引出43・43の押し引きを容易とするために、フロア34の下面またはシートフレーム40の側部または上部にレールを前後方向に配置することも可能である。
また、運転席31と助手席32のうちの少なくとも一方の座部311または座部321の前下部または後下部を支点として、座部311または座部321を持ち上げて、収納スペースTの上方を開放可能として出し入れできるように構成することもできる。
また、図14に示すように、収納スペースTの左右両側にサイドカバー42・42を設け、該サイドカバー42は前または後(上部または下部)の一方を枢支し、他方に把手とロック部を形成して、側方からサイドカバー42・42を開閉できるように構成することもできる。この場合、左右方向に長い荷物を収納スペースT内に収納でき、左右いずれの方向からでも出し入れできる。但し、左右両側方に引き出す引出を設ける構成であっても構わない。
以上のように、運転部10と、該運転部10の後方に配置される荷台50とを備える多目的車両1において、荷台10の下方に、エンジン5とミッションケース7と燃料タンク6とバッテリー8を配置し、前記運転部10に設けられる座席シート30は、少なくとも運転席31と助手席32とを備え、該運転席31と助手席32の下方には左右方向に連続した収納スペースTが設けられるので、燃料タンク6やバッテリー8やエンジン5を、運転席31及び助手席32の下方のスペースではなく、荷台50の下方に配置することで、運転席31及び助手席32の下に大容量の収納スペースTを確保することができる。該収納スペースTは、助手席32下から運転席31下まで連続した大きなスペースとすることができ、横幅の長い長尺物もこの収納スペースTに収納することができる。
前記収納スペースTは、前記運転席31と前記助手席32のうちの少なくとも一方の座部311または座部321を持ち上げることによって開放することができるので、引き出し式の収納ボックスでは足元が狭くなるが、収納スペースTへは上方から出し入れができるようになり、簡単な構成で収納スペースTから容易に物品を出し入れできるようになる。
また、前記収納スペースTは、前記運転席31と前記助手席32のうちの少なくとも一方の座部311または座部321の前端部に設けられたカバー41を開くことによって開放することができるので、簡単な構成で収納スペースTに物品を出し入れできるようにすることができ、座ったままで収納スペースT内の物を出し入れできる。
また、前記収納スペースTは、前記運転席31と前記助手席32のうちの少なくとも一方の座部311または座部321の側部に設けられたサイドカバー42を開くことによって開放することができるので、簡単な構成で収納スペースTに物品を出し入れできるようにすることができる。横幅の長い長尺物を容易に出し入れできる。
また、前記運転席31と前記助手席32の下方の収納スペースTには、前方へ引き出し可能な引出43が設けられるので、座ったままで収納スペース内のものを出し入れでき、収納物を小分けできる。
次に、運転部10の保護構造について説明する。図1から図6、及び、図16において、運転部10はその周囲と上方がロプスフレーム20とルーフ60により保護できるようにしている。ロプスフレーム20は、高い強度(剛性)を有する鋼管を折り曲げ形成及び溶接して、左右の前支柱21L・21Rと、左右の後支柱22L・22Rと、後中支柱22Mと、左右の上フレーム23L・23Rと、前後の横フレーム24F・24Rと、補強フレーム25とから構成される。
前支柱21L・21Rは下端がボンネット12の後部内で機体フレーム2に固設される前機台フレーム26の両側に立設され、側面視「く」字状に折り曲げて斜め上後方に延設される。
後支柱22L・22Rは、図2、図9に示すように、座席シート30の後部の機体フレーム2上に横設される後機台フレーム27の両側から上方に立設される。後中支柱22Mは後支柱22Lと後支柱22Rの間の後機台フレーム27から上方に立設される。詳しくは、後中支柱22Mの配置位置は、運転席31と補助席33の間の後方に配置している。後支柱22L・22Rの上端と前支柱21L・21Rの上端は、それぞれ上フレーム23L・23Rの後端に一体的に連結され、パイプにより折り曲げ形成される。
また、後支柱22L・22Rと後中支柱22Mに側面視で上部が凹状に後方に膨出する湾曲部22a・22a・22aが形成されている。つまり、後支柱22L・22Rと後中支柱22Mは、座席シート30の後下部の後機台フレーム27から略鉛直方向に上方に延設され、運転席31と助手席32の上端位置近傍、即ち、運転席31に座った状態の運転者の肩位置近傍から斜め上後方に曲げられて、更に湾曲しながら座席シート30の上方に向かって前方へ曲げられて延設し、湾曲部22a・22a・22aが形成される。この湾曲部22aは図2に示すように、後支柱22L・22Rの略鉛直部分から後方に前後幅W後方に膨出させている。湾曲部22a・22a・22aの上端が上フレーム23L・23R及び横フレーム24Rの後部に連結される。この湾曲部22aは、運転席31に座った状態の運転者の頭部(ヘッドレスト35の前端)から所定距離(W1)離れて後方及び上方周囲を囲むように配設される。このように構成することにより、後支柱22L・22Rは側方への視界から外れ、運転者が後方へ振り向いたときの視界を拡げることができる。そして、湾曲部22aの後方への張り出し量は、運転席31に座った状態の運転者の頭部を回転させても接触しない程度としている。こうして、運転者が大きく頭を回しても支柱に当たることがないようにしている。
上フレーム23L・23Rの前部間は、前側の横フレーム24Fにより連結され、上フレーム23L・23Rの後部間は後側の横フレーム24Rにより連結される。横フレーム24F・24Rは上フレーム23L・23Rに対して着脱可能に構成している。前側の横フレーム24Fは前コーナー部材61・61に対して着脱可能としている。後側の横フレーム24Rはブラケット69・69に対して着脱可能としている。但し、ブラケット69は後コーナー部材64と一体的に構成することもできる。後側の横フレーム24Rの左右中途部には前記後中支柱22Mの上端が連結される。また、左側の後支柱22Lと後中支柱22Mの上下中途部間は補強フレーム25により連結され、該補強フレーム25にヘッドレスト35が取り付けられる。こうして、前支柱21L・21Rと、左右の後支柱22L・22Rと、後中支柱22Mと、左右の上フレーム23L・23Rと、前後の横フレーム24F・24Rと、補強フレーム25とを互いに連結して剛性をアップして、転倒時等運転者を保護できるようにしている。
以上のように、運転部10と、該運転部10の後方に配置される荷台50と、前記運転部10の周囲を囲むように配置されるロプスフレーム20とを備えている多目的車両1において、前記ロプスフレーム20は、左右の前支柱21L・21Rと、左右の後支柱22L・22Rと、前記前支柱21L・21Rと後支柱22L・22Rの上部を連結する上フレーム23L・23Rとを備え、前記運転部10に設ける運転席31の外側後部に配置される後支柱22Lの上部における、運転席31に着座した運転者の頭部の高さ位置に、後ろ向きに膨出する湾曲部22aが形成されるので、運転部10への搭乗者の乗り降りの邪魔にならないように配置しつつ、荷台50への側方からの積み下ろしの邪魔にもならず、着座状態にある運転者の頭部周囲のスペースを従来よりも広げることができ、多目的車両1が不意にバンプしたり、多目的車両1が傾倒したりしても、運転者の頭部がロプスフレーム20に接触し難くなる。また、十分な強度を保ちつつ、機体外側方及び外側後方の視界を拡げることができ、側方確認や後進するときの後方が見やすくなるのである。
また、前記ロプスフレーム20には、左右の後支柱22L・22Rの間の運転席31の斜め後方に後中支柱22Mが設けられ、後中支柱22Mの上端は左右の上フレーム23L・23Rを連結する横フレーム24Rに固定され、該後中支柱22Mの上部には、転席に着座した運転者の頭部の高さ位置に、後ろ向きに膨出する湾曲部22aが形成されるので、後中支柱22Mをさらに設けることによって運転者周囲に配置するロプスフレーム20の剛性をアップすることができ、湾曲部22aによって前記後支柱22Lと左右反対方向の後方の視界も広げることができる。
また、前記後支柱22Lに形成される湾曲部22aの下部と、前記後中支柱22Mに形成される湾曲部22aの下部との間に補強フレーム25が横設されるので、補強フレーム25によって運転席31周囲のロプスフレーム20の強度を更にアップすることができ、後方視界の妨げとならない。
更に、ロプスフレーム20において、図2、図5から図7に示すように、前記左右の前支柱21L・21Rの上部と上フレーム23L・23Rの前部との連結部には、それぞれ前コーナー部材61・61が設けられて、該前コーナー部材61にグリップ62と上作業灯63が一体的に取り付けられている。前コーナー部材61は側面視「く」字状に形成され、この前後両端の下部を連結するように、下方に膨出したグリップ62が形成される。このように、グリップ62を設けることにより、運転席31に乗り込むときにグリップ62を握って体を支えたり、助手席32に座った同乗者が悪路を走行する時などにグリップ62を握って体を支えたりすることができるのである。上作業灯63は前コーナー部材61から前方に突出して設けられ、縦長の光源を構成している。上作業灯63の光源は複数のLEDを上下方向に並べて配置している。但し、光源はLEDに限定するものではない。また、上作業灯63は方向指示器や車幅灯とすることも可能である。また、前記上作業灯63は後述する後作業灯65と統一した形で配設することで、デザインの統一及び部品の種類が多くなることを防止してコスト低減化を図っている。
前記左右の後支柱22L・22Rの上部と上フレーム23L・23Rの後部との連結部には、それぞれ後コーナー部材64・64が設けられて、該後コーナー部材64には後作業灯65とルーフラック70のブラケット66が形成されている。また、後中支柱22Mの上部の前記ブラケット66と同じ高さ位置にルーフラック70のブラケット67が設けられて補強されている。なお、前コーナー部材61と後コーナー部材64を剛性の高い部材で構成することにより、前支柱21L・21Rと、左右の後支柱22L・22Rと、左右の上フレーム23L・23Rは、別々の部材で構成して、前コーナー部材61と後コーナー部材64とにより連結する構成とすることも可能である。この場合、車体の大きさが異なる仕様がある場合に部品を共通化できる。
前記上フレーム23L・23Rと横フレーム24F・24Rの上部には、ルーフ60が取り付けられ、日除けや雨避けとしている。ルーフ60はその四隅の内面が前記前コーナー部材61と後コーナー部材64・64とにより固定される。
次に、ルーフラック70について説明する。ルーフラック70は、ブラケット66・66・67とラックバー68からなる。本実施形態では、ブラケット66が前記後コーナー部材64と一体的に成形され、後コーナー部材64(またはブラケット66)に後作業灯65が一体的に取り付けられる構成としている。後作業灯65は後コーナー部材64の後面でブラケット66の下方に縦長で後コーナー部材64の幅内に構成して固定され、荷台50方向を照らすように配設される。前記後コーナー部材64・64(またはブラケット66・66)は後支柱22L・22Rの上部後面にネジ等で固定され、着脱可能としている。但し、後コーナー部材64・64の後支柱22L・22Rへの取り付け構造は限定するものではなく、図17に示すように、ブラケット66と後コーナー部材64を別々の部材で構成して、後コーナー部材64をネジ等で後支柱22に固定し、後コーナー部材64にブラケット66をネジ等で固定する構成であってもよい。
前記ブラケット66・67の上後端部にラックバー68が固定される。つまり、ラックバー68は運転部10の後上部に左右方向に配置される。本実施形態では、ラックバー68は鋼管で構成され、ブラケット66・66の左右内側に開口した嵌合部にラックバー68を挿入し、ブラケット67に左右方向に開口した貫通孔に挿通した固定するようにしている。但し、ラックバー68のブラケット66への固定構成は限定するものではなく、図18に示すように、ブラケット66・67をパイプで構成して後支柱22L・22R及び後中支柱22Mの上部後面に軸心が上下方向となるように溶接固定し、ラックバー68をブラケット66・67よりも細いパイプで両端を下方に折り曲げ形成して、ブラケット66・67にラックバー68の端部を挿入する構成とすることも可能である。こうして、ルーフラック70は上方へ引きぬける構成として、着脱が容易にできる構成とすることもできる。
このようにルーフラック70を構成することにより、荷台50の全長よりも長く、前記拡張載置スペースSに載置できない大きさの長尺物を荷台に載せるときには、長尺物の後端を荷台50の後部に当てて、長尺物の前下部をルーフラック70のラックバー68に載せてロープ等で固定するのである。この時、ラックバー68はルーフ60の後端よりも後ろに位置し、ルーフ60の上端と略同じ高さに位置するため、長尺物はルーフ60に当接することなく、しかも強固に固定することができる。
また、ルーフ60の内側にルーフラック71を設けることも可能である。即ち、図19に示すように、ルーフラック71はラックバー72の両端にブラケット73・73を設け、該ブラケット73・73を上フレーム23L・23Rに取り付ける構成としている。本実施形態では、ブラケット73・73は上下半割に構成して、上フレーム23L・23Rを上下から挟んでネジ等で固定する構成としている。そして、ラックバー72にホルダー74・74を固定して、該ホルダー74・74に濡れては困るものや、直ぐに取出したいものや、外からは見えないようにしたいもの等を保持または収納できるようにしている。但し、ルーフラック71のブラケット73・73は横フレーム24F・24Rに固定する構成とし、ラックバー72を前後方向に配置する構成であってもよい。また、ブラケット73・73の上フレーム23L・23Rまたは横フレーム24F・24Rに取り付ける構造も直接ネジ等で固定してもよく限定するものではない。また、ホルダー74の構造及びラックバー72への取り付け構造も限定するものではない。また、ルーフラック71は前後または左右に複数設け、数多く物品を保持したり、強度をアップさせたりする構成であってもかまわない。
以上のように、運転部10と、該運転部10の後方に配置される荷台50と、前記運転部10の周囲を囲むように配置されるロプスフレーム20とを備える多目的車両1において、前記ロプスフレーム20は、少なくとも運転部10の左右後両側に立設される左右の後支柱23L・23Rを備え、該左右の後支柱23L・23Rの上部には、ルーフラック70の左右両側が固定されるので、ロプスフレーム20の後部上にルーフラック70を取り付けて、長尺物の後端部を荷台の後あおり板54に当てて、長尺物の前部をルーフラック70に載せて載置固定することができ、長尺物が機体の後端からはみ出ることなく長尺物を載置でき、落下のおそれもない。また、ルーフラック70に長尺物の前部を載せるためルーフ60を破損することがない。また、ルーフ60のない仕様であっても、運転席31から離れた位置に長尺物を積み込むことができる。
また、前記ルーフラック70は、左右の後支柱22L・22R上部に固定する左右一対のブラケット66・66と、左右一対のブラケット66・66に両端が固定されるラックバー68からなり、前記左右のブラケット66・66には照明具となる後作業灯65・65が取り付けられるので、後作業灯65・65により、荷台50をまんべんなく照らすことが可能となり、夜間での積み下ろし作業を安全に行える。
また、前記ルーフラック70のブラケット66はロプスフレーム20に着脱可能に取り付けられるので、ルーフラック70は容易に着脱でき、不要な場合は外して、外観をすっきりさせることができる。
1 多目的車両
10 運転部
50 荷台
31 運転席
32 助手席
321 座部
322 背もたれ部
51 床板
52 前あおり板
52a 可動前あおり板
S 拡張載置スペース

Claims (4)

  1. 運転部と、該運転部の後方に配置される荷台とを備える多目的車両において、前記運転部には運転席と、該運転席の側方に助手席が設けられ、前記助手席は、座部と背もたれ部とにより構成され、前記座部は前下部を支点として前方に回動可能とし、前記背もたれ部は下部を支点として前方に回動回動可能とし、前記荷台を構成する床板の前端に立設された前あおり板は、前記助手席の後方に位置する可動前あおり板が前方に回動可能に構成され、前記助手席の座部と背もたれ部を前方に回動した状態で、前記可動前あおり板が前記背もたれ部上に回動して載置し、拡張載置スペースが形成されることを特徴とする多目的車両。
  2. 前記背もたれ部の背面には、段差部が形成され、該背もたれ部が前方に回動した水平状態では、前記可動前あおり板を前方に回動したときに、前記段差部に嵌合され、前記可動前あおり板はその上面と前記背もたれ部の背面とが同一平面上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
  3. 前記運転席と前記助手席との間には補助席が設けられ、該補助席は、運転席と助手席の横幅よりも短く、補助席と助手席が横に並べて一体的形状とされることを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
  4. 前記助手席の背もたれ部の背面には、前後方向に延びる溝部が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多目的車両。
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