JP2016093897A - 画像記録方法 - Google Patents

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Hideyuki Saito
秀行 斉藤
直史 下村
Tadashi Shimomura
直史 下村
小林 悟
Satoru Kobayashi
悟 小林
今井 貴志
Takashi Imai
貴志 今井
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Abstract

【課題】ドット径のバラつきが抑制された画像記録方法を提供する。
【解決手段】インクジェット方式の記録ヘッドを用いて、顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、前記インク中の前記顔料の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるようにして前記記録媒体に付与する工程を有する画像記録方法であって、前記アニオン性樹脂粒子が、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体を含むことを特徴とする画像記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は画像記録方法に関する。
近年、高画質化、画像記録の高速化の観点から、顔料を含むインクおよび液体組成物を付与する画像記録方法(以下、2液反応システムと呼ぶ)が提案されている。該2液反応システムにおいて、特に高速で描画する場合、高速凝集性が求められる。高速凝集性とはインクおよび液体組成物が高速で増粘することを示し、凝集速度が不十分であればインク間の重なり部分にて干渉が生じる。その干渉により、1色目に付与されたインク上に重ねて付与された2色目のインクのドット径が小さくなる現象や、大きくなる現象が生じる。即ち、ドット径のバラつきが発生し、画像形成を十分に制御できない。特許文献1および2にはこのような現象を防止する方法が開示されている。
特開2010−241049号公報 特開2011−63001号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示された方法について本発明者等が検討したところ、特に高速かつ高打ち込み量でインク画像を形成する場合、ドット径のバラつきが観察された。
本発明の目的は、ドット径のバラつきが抑制された画像記録方法を提供することである。
本発明に係る画像記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドを用いて、顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、前記インク中の前記顔料の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるようにして前記記録媒体に付与する工程を有する画像記録方法であって、
前記アニオン性樹脂粒子が、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ドット径のバラつきが抑制された画像記録方法を提供することができる。
実施例において用いた画像形成装置の断面図である。
本発明者らは鋭意検討した結果、顔料を含有するインクと、インクと接触するとインク中の顔料の分散状態を不安定化させる液体組成物とを用いた画像記録方法において、該インクが、少なくともポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体を含むアニオン性樹脂粒子を含むことにより、該インクが高速凝集することを見出した。これにより、ドット径のバラつきによる画質の低下が抑制され、高速かつ高打ち込み量においても高画質な画像を得ることができる。このメカニズムは定かではないが、本発明者らは以下のように推察している。
アニオン性樹脂粒子は液体組成物と接触することにより、解離性基がプロトン化されイオン性が失われる。これによりアニオン性樹脂粒子は凝集するが、高速印字における画像形成においては凝集の速度が不十分である。ここで、アニオン性樹脂粒子中にポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体が存在することにより、プロトン化された解離性基とポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック構造部位との間に水素結合が生じる。これにより、インクの凝集が促進されると推察する。一方、前記共重合体がブロック共重合体ではなく、ブロック構造を有さないと、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの分子鎖が充分に伸びず、アニオン性樹脂粒子間で水素結合が効果的に作用しないと推察する。以下、本発明に係る画像記録方法の詳細について説明する。
<インク>
[顔料]
本発明に係るインクは顔料を含む。該顔料としては特に限定されず、無機顔料や有機顔料を用いることができる。例えば、C.I.(カラーインデックス)ナンバーで表される顔料を用いることができる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対して0.2質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、0.6質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。
[顔料分散剤]
本発明に係るインクは前記顔料を分散させる顔料分散剤を含むことができる。該顔料分散剤としては特に限定されないが、構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の顔料分散剤が好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含むモノマーを共重合させて得られる樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。該疎水性モノマーとしては特に限定されないが、例えばスチレン、スチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、該親水性モノマーとしては特に限定されないが、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記顔料分散剤の酸価は、50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることがより好ましい。また、前記顔料分散剤の重量平均分子量は、1000以上50000以下であることが好ましく、3000以上20000以下であることがより好ましい。なお、酸価はコロイド滴定法(下記に詳細を示す)により測定した値である。また、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算値である。前記顔料と前記顔料分散剤との配合比(PB比)としては、1:0.1〜1:3であることが好ましく、1:0.2〜1:1であることがより好ましい。なお、前記顔料分散剤を用いずに、顔料として、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散性顔料を用いることもできる。
(コロイド滴定法)
固形分0.1質量%の分散体水溶液のpHが10となるように水酸化カリウム水溶液でpHを調整する。その後、得られた液の電位差を電位差滴定装置AT−510(商品名、京都電子株式会社製)を用いて測定しつつ、メチルグリコールキトサンN/200を滴下していく。メチルグリコールキトサンN/200を滴下していくにつれ、電位差が変動し、特定の滴下量で電位差の変曲点が現れる。変曲点が現れるまでに用いたメチルグリコールキトサンN/200の滴定量から、分散樹脂の酸価を算出する。
[アニオン性樹脂粒子]
本発明に係るインクは、アニオン性樹脂粒子を含む。本発明においてアニオン性樹脂粒子とは、解離性基を有するモノマー由来の単位を有する重合体を少なくとも含む粒子である。解離性基としては、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシル基等が挙げられ、カルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基からなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。該モノマーはこれらの解離性基を一種有していてもよく、二種以上有していてもよい。
前記解離性基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
また、アニオン性樹脂粒子は、前記解離性基を有するモノマー以外のモノマー由来の単位を有する重合体を含んでいてもよい。前記解離性基を有するモノマー以外のモノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポシキ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポシキ化グリセリルトリアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、プロポシキ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチルグリコールメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘニコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、スチレンなどが挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。なお、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを示す。
本発明において、前記アニオン性樹脂粒子は、少なくともポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体を含む。ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の重量平均分子量は1,000以上1,000,000以下であることが好ましい。また、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体中のエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位のモル比は、1:10から20:1であることが好ましい。
インクの凝集速度がより向上する観点から、前記アニオン性樹脂粒子中のポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の含有量は、アニオン性樹脂粒子の全質量に対し、0.2質量%以上18質量%以下が好ましく、0.4質量%以上16質量%以下がより好ましい。また、アニオン性樹脂粒子を構成する前記解離性基を有するモノマー単位の量に対するポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の量は、質量比で0.05以上3.0以下が好ましく、0.07以上2.5以下がより好ましい。
前記アニオン性樹脂粒子の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下が好ましい。また、インク中における前記アニオン性樹脂粒子の量は、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、2質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記アニオン性樹脂粒子は、前記アニオン性樹脂粒子を含む樹脂粒子分散体として調製することができる。樹脂粒子分散体としては、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の存在下、モノマーを単独重合または複数種を共重合させて得られる樹脂粒子を分散させた、いわゆる自己分散型樹脂粒子分散体が好ましい。また、乳化剤によりポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体を含むアニオン性樹脂粒子を分散させた、いわゆる乳化分散型樹脂粒子分散体も好ましい。乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらずアニオン性の電荷を有する材料を用いることができる。
前記アニオン性樹脂粒子は、動的光散乱法で測定される50%累積体積平均粒子径(D50)が50nm以上600nm以下であることが好ましい。D50が50nm未満である場合、インクを吐出する際、インクの吐出が不安定になる場合がある。また、D50が600nmより大きい場合、経時と共に前記アニオン性樹脂粒子が沈降して、十分な安定性が得られない場合がある。
[溶剤]
本発明に係るインクは溶剤として水を含むことが好ましい。インクの溶剤としては、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒を用いることがより好ましい。水溶性有機溶剤としては特に限定されないが、例えばグリセリン、エタノール、メタノール、2−プロパノール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定されないが、インク全質量に対して2.0質量%以上50質量%以下であることが好ましい。また、水は脱イオン水であることが好ましい。インクが水を含む場合、水の含有量は特に限定されないが、インク全質量に対し40質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
[その他の成分]
本発明に係るインクは、上記成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明に係るインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び上記アニオン性樹脂粒子以外の樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。特に、インクのpHは、pH調整剤で6以上10以下に調整されることが好ましい。
<液体組成物>
本発明に係る液体組成物は、前記インクと接触すると前記インク中の前記顔料の分散状態を不安定化させる作用を有する。ここで、インク中の顔料の分散状態を不安定化させるか否かは以下の方法で判定することができる。先ず、用いるインクをレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950V2(堀場製作所製)を用いて、試料の屈折率1.5、分散媒(水)の屈折率1.333、反復回数15回の条件で50%累積体積平均粒子径(D50)を測定し、この値をD1とする。更にインクを、質量比率で0.5倍量の液体組成物と混合した後、同様にD50を測定し、この値をD2とする。このとき、D2とD1の比(D2/D1)が1.3以上である場合、「インク中の顔料の分散状態を不安定化させる」液体組成物であると判定する。
このような作用を有する液体組成物としては、顔料の分散状態を不安定化させる成分を含有する液体組成物が挙げられる。該顔料の分散状態を不安定化させる成分としては、金属イオン、高分子凝集剤等、インクのpH変化を引き起こして顔料を凝集させる物質が好ましく、有機酸がより好ましい。該有機酸としては、例えばシュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。液体組成物が有機酸を含む場合、液体組成物中の有機酸の含有量は3質量%以上99質量%以下が好ましい。
液体組成物は、粘度や流動性の調整のために水系溶媒を含むことができる。水系溶媒は、水の他に、水溶性有機溶剤、その他の各種添加剤等を含むこともできる。該水溶性有機溶剤としては、インクにおける水溶性有機溶剤と同様のものを用いることができる。また、液体組成物に界面活性剤を加えて、表面張力を適宜調整することもできる。
<画像記録方法>
本発明に係る画像記録方法は、液体組成物を記録媒体上に付与する工程と、インクジェット方式の記録ヘッドを用いて、インクを記録媒体上に付与する工程とを有し、前記付与された液体組成物の少なくとも一部が前記付与されたインクと接触している。即ち、記録媒体上においてインク及び液体組成物を互いに接触させて画像を形成する。液体組成物を記録媒体に付与する工程と、インクを記録媒体上に付与する工程の順序は特に限定されないが、液体組成物を記録媒体上に付与した後、インクを前記液体組成物が付与された記録媒体上に付与することが画質の向上効果の観点から好ましい。
記録媒体上に液体組成物を付与する方法としては、インクジェット方式の記録ヘッドから液体組成物を吐出させて付与する方法や、ローラーなどで液体組成物を塗布する方法が挙げられる。記録媒体上にインクを付与する方法としては、インクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出させて付与する。インクを付与する工程では、1色目のインクを付与した後、2色目のインクを付与することが好ましい。この時、1色目のインクを付与した後、2色目のインクを付与するまでの時間は20〜300msecであることが好ましく、30〜100msecであることがより好ましい。
本発明に係る画像記録方法において用いることのできる装置の構成としては、インクジェット記録装置や、これに塗布機構を設けたものが挙げられる。インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドには、力学的エネルギーの作用によりインクを吐出させる方式と、熱エネルギーの作用によりインクを吐出させる方式とがあるが、熱エネルギーの作用によりインクを吐出させる方式が好ましい。
記録媒体への液体組成物の付与量は、液体組成物と反応させるインクの構成によって適宜調整することができる。得られる画像の均一性や定着性などの観点から、記録媒体への液体組成物の付与量は、0.3g/m以上10.0g/m以下が好ましく、0.8g/m以上6.0g/m以下がより好ましい。なお、記録媒体の大きさ(面積:m)に対して、液体組成物を付与する領域がある一部分のみである場合は、記録媒体の全面に液体組成物を付与したと仮定して、液体組成物の付与量の値(g/m)を求め、この値が上記の範囲を満足することが好ましい。
液体組成物をローラーなどで塗布して記録媒体上に付与する場合には、液体組成物を付与した後にインクを付与することが好ましい。また、インクの粘度よりも液体組成物の粘度が高いことが好ましい。このような粘度の関係である場合、少ない液体組成物の付与量でインクを効果的に不安定化させることができるため、画像の定着性などをより向上させることができる。具体的には、インクの粘度よりも液体組成物の粘度が高い方が、液体組成物が記録媒体の表面近傍により留まりやすくなり、インクと効果的に反応しやすくなる。これに対して、インクは液体組成物と反応した後、インク中の顔料は記録媒体の表面近傍に留まるのに対し、インク中の水性媒体などは速やかに記録媒体の深さ方向に浸透する。すなわち、インクは液体組成物と反応した後、固液分離が速やかに行われることが好ましく、インクの粘度は低い方が画像の定着性などの観点で好ましい。液体組成物をローラーなどにより塗布する場合、液体組成物の粘度は3mPa・s以上10Pa・s以下が好ましく、10mPa・s以上1Pa・s以下がより好ましく、20mPa・s以上1Pa・s以下がさらに好ましい。また、インクの粘度は1mPa・s以上15mPa・s以下が好ましい。
また、液体組成物及びインクを共にインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に付与する場合には、液体組成物を付与した後にインクを付与してもよく、インクを付与した後に液体組成物を付与してもよく、液体組成物とインクを同時に付与してもよいが、液体組成物を付与した後にインクを付与することが好ましい。インクジェット方式の記録ヘッドからの吐出性の観点から、液体組成物及びインクの粘度は1mPa・s以上15mPa・s以下が好ましく、1mPa・s以上5mPa・s以下がより好ましい。また、液体組成物及びインクの表面張力は15mN/m以上50mN/m以下が好ましい。さらに、液体組成物は記録媒体上において、インクと効率的に反応することが好ましい。そのため、インクによる記録領域とは別の領域に液体組成物が滲まないように、記録ヘッドから吐出可能な範囲内で、液体組成物の表面張力がインクの表面張力よりも大きいことが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は該実施例によって限定されるものではない。尚、文中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
(ブラック顔料分散液の調製)
顔料(カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット社製))10部、樹脂水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、酸価:150mgKOH/g、重量平均分子量:8,000、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)15部、純水75部を混合した。該混合液をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけて粗大粒子を除去した。これにより顔料濃度が10%のブラック顔料分散液を得た。
(シアン顔料分散液の調製)
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を用いた以外は、前記ブラック顔料分散液と同様に、顔料濃度が10%のシアン顔料分散液を調製した。
(樹脂粒子分散体の調製)
[樹脂粒子分散体1]
EmulsogenR307(商品名、クラリアント社製、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体、エチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位のモル比:3:4)1.0部、エチルメタクリレート18.0部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)2.0部、n−ヘキサデカン2.0部を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:130mgKOH/g、重量平均分子量:7,000)の6%水溶液77.0部に滴下して、0.5時間攪拌した。次に、混合物に対して超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で80℃、4時間重合反応を行った。反応液を室温に冷却した後にろ過して、濃度27.6%の樹脂粒子分散体1を得た。なお、アニオン性樹脂粒子中のポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の含有量は、アニオン性樹脂粒子の全質量に対し3.6質量%であった。アニオン性樹脂粒子を構成するアクリル酸単位の量に対するポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の量は、質量比で0.43であった。アニオン性樹脂粒子の重量平均分子量は297,000であった。アニオン性樹脂粒子のD50は223nmであった。
[樹脂粒子分散体2]
EmulsogenR307の量を0.2部に、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体の6%水溶液の量を77.8部に変更した以外は、樹脂粒子分散体1と同様に濃度26.9%の樹脂粒子分散体2を調製した。なお、アニオン性樹脂粒子中のポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の含有量は、アニオン性樹脂粒子の全質量に対し0.7質量%であった。アニオン性樹脂粒子を構成するアクリル酸単位の量に対するポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の量は、質量比で0.09であった。アニオン性樹脂粒子の重量平均分子量は295,000であった。アニオン性樹脂粒子のD50は215nmであった。
[樹脂粒子分散体3]
EmulsogenR307の量を5.0部に、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体の6%水溶液の量を73.0部に変更した以外は、樹脂粒子分散体1と同様に濃度31.4%の樹脂粒子分散体3を調製した。なお、アニオン性樹脂粒子中のポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の含有量は、アニオン性樹脂粒子の全質量に対し15.9質量%であった。アニオン性樹脂粒子を構成するアクリル酸単位の量に対するポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体の量は、質量比で2.28であった。アニオン性樹脂粒子の重量平均分子量は298,000であった。アニオン性樹脂粒子のD50は230nmであった。
[樹脂粒子分散体4]
エチルメタクリレート18.0部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)2.0部、n−ヘキサデカン2.0部を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:130mgKOH/g、重量平均分子量:7,000)の6%水溶液78.0部に滴下して、0.5時間攪拌した。次に、混合物に対して超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で80℃、4時間重合反応を行った。反応液を室温に冷却した後にろ過して、濃度26.7%の樹脂粒子分散体4を得た。
[樹脂粒子分散体5]
EmulsogenR307の代わりにブレンマー 50PEP−300(商品名、日油社製、下記式(1)で示される化合物(メタクリル酸とアルコールのエステル))を用いた以外は、樹脂粒子分散体1と同様に濃度27.6%の樹脂粒子分散体5を調製した。なお、ブレンマー 50PEP−300のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのユニット部分はランダム共重合体である。
Figure 2016093897
(前記式(1)において、RはCHであり、RはC、RはC、m及びnは平均してm=3.5、n=2.5(混合物)、RはHを示す。)。
(インクの調製)
下記表1に示される組成のブラックインク(Bkインク1〜5)をそれぞれ調製した。具体的には、下記表1に示される各成分を混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過することにより、各ブラックインクを調製した。また、表1のブラック顔料分散液をシアン顔料分散液に変更して、ブラックインクと同様にシアンインク(Cインク1〜5)を各々調製した。
Figure 2016093897
なお、表1において「アセチレノールE100」(商品名)は、川研ファインケミカル製のポリオキシエチレンアセチレングリコールである。
(液体組成物)
以下に示す材料を混合して液体組成物を調製した。なお、該液体組成物は、Bkインク1〜5およびCインク1〜5と接触すると、これらのインクに含まれる顔料の分散状態を不安定化させる作用を有している。
乳酸 30部
水酸化カリウム 5部
アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル製) 1部
水 64部。
<実施例1>
(画像記録)
図1に示される画像形成装置を用いて画像記録を行った。搬送ステージ2により記録媒体1(商品名:パールコート、三菱製紙製)を搬送し、記録媒体1に対して液体組成物塗布装置3のローラーにて液体組成物を塗布した。その後、インクジェット記録部4(ノズル配列密度1200dpi、吐出量4pl)にて、Bkインク1およびCインク1を液体組成物が塗布された記録媒体上に付与し、所望のパターンを有するインク像を形成した。この時、第一の着弾インクをシアンインク、第二の着弾インクをブラックインクとした。また、各インク間の着弾時間差は50msecとした。なお、付与された液体組成物の少なくとも一部は付与されたインクと接触していた。
(ドット径のバラつきの評価)
上記画像記録において、シアンインクを使用して5cm×5cmの領域に100%Dutyのベタ画像を形成し、シアンインク描画部および非描画部にブラックインクを着弾させることで評価画像を形成した。シアンインク非描画部のブラックインクのドット径1と、シアンインク描画部のブラックインクのドット径2を測定し、下記式にてドット径比率を算出した。評価は以下の基準で行った。結果を表3に示す。
ドット径比率=|100−(ドット径2/ドット径1×100)|
A:ドット径比率が10未満であり、良好な画質が得られた。
B:ドット径比率が10以上20未満であり、ドット径差はあるが実用上使用可能であった。
C:ドット径比率が20以上であり、画像形成できなかった。
<実施例2、3、比較例1、2>
ブラックインクおよびシアンインクを表2に示す組み合わせに変更した以外は、実施例1と同様に印刷を行い評価した。結果を表3に示す。
Figure 2016093897
Figure 2016093897
1 記録媒体
2 搬送ステージ
3 液体組成物塗布装置
4 インクジェット記録部

Claims (7)

  1. インクジェット方式の記録ヘッドを用いて、顔料及びアニオン性樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、前記インク中の前記顔料の分散状態を不安定化させる液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるようにして前記記録媒体に付与する工程を有する画像記録方法であって、
    前記アニオン性樹脂粒子が、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体を含むことを特徴とする画像記録方法。
  2. 前記液体組成物を前記記録媒体上に付与した後、前記インクを前記液体組成物が付与された記録媒体上に付与する請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記液体組成物が有機酸を含む請求項1又は2に記載の画像記録方法。
  4. 前記アニオン性樹脂粒子が、解離性基を有するモノマー由来の単位を有する重合体を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  5. 前記解離性基が、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基およびヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも一種である請求項4に記載の画像記録方法。
  6. 前記インクを付与する工程において、1色目のインクを付与した後、2色目のインクを付与する請求項1から5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 前記1色目のインクを付与した後、前記2色目のインクを付与するまでの時間が20〜300msecである請求項6に記載の画像記録方法。
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