JP2016093120A - 植物栽培装置 - Google Patents

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Masahira Yamaguchi
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Abstract

【課題】冠水式の植物栽培に適し、側面からの鑑賞や観察が容易な植物栽培装置を提供する。【解決手段】水槽11と、その水槽の上に設けられる円筒状の栽培槽12と、前記水槽の水Wを栽培槽12に供給するポンプPと、前記給水器を制御する制御装置13とを備え、前記制御装置13が、1日に1回または複数回、所定の水位まで水槽から栽培槽に給水し、ついで水を水槽に戻すように前記給水器を制御する植物栽培装置10。前記栽培槽12は、透明かつ可撓性を有する合成樹脂板20を円筒状に丸めて端部同士を連結した筒状体からなる。【選択図】図1

Description

本発明は植物栽培装置に関し、とくに組立が簡単で、屋外での栽培に適し、室内での栽培にも採用しうる植物栽培装置に関する。
本出願人は特許文献1において、1日に数回、栽培槽の培地に水を補給し、数回に一回は植物の葉まで水に漬ける、冠水式の栽培方法を提案している。そのような冠水式の栽培方法に用いる栽培槽や水槽としては、耐水性、とくに冠水時の水圧に耐え、液密性を維持するように、ステンレスなどの金属製、あるいは繊維強化樹脂(FRP)などの合成樹脂製の液密容器があげられている。
特許文献2、3には、培地を充填する略円筒状の栽培槽ないし植木鉢が開示されている。特許文献4には、ラミネートシートを巻いて端部同士を重ね合わせ、筒状に形成したクリーム状の内容物を充填する容器(いわゆるラミネートチューブ)が開示されている。特許文献5の第13図には、発泡スチロールなどの厚みのある合成樹脂シートを丸め、端面同士を接合してコップ状に形成した、食品包装などに用いるプラスチック容器が開示されている。
特開2013−150159号公報 特開2001−251980号公報 特開2006−158383号公報 特開昭49−27383号公報 実開昭60−56523号公報
特許文献1の栽培槽は、金属や合成樹脂から成形した液密容器であるので、耐圧性や強度が高く、透明にすることは教えていない。また、上側からのぞき込んで花などを観賞することはできるが、植物を横から観賞することができない。また、屋外で栽培する場合、太陽光を充分に受けることはできない。
特許文献2の栽培容器、特許文献3の栽培用の容器は、いずれも植物の根の部分を植える培地を収容する植木鉢として作用するものであり、茎、葉、花などの上部を囲むものではない。特許文献4、5は、シートを丸めて円筒状の容器を製造することを教えている。
通常、植物を太陽光や自然の空気に接触させると、培地の蒸発や、昆虫や雑菌の付着などが生じる可能性が高まり、人の手間がかかる。このため、自動的に植物を栽培する際には、なるべく自然の要素を排除することが行われる傾向にある。例えば、LEDによる照明や、クリーンルームでの栽培などである。
本発明は、植物の周囲を囲む構成を備えながら、側面から植物を容易に鑑賞、観察することができ、側面から太陽光を浴びさせることができ、安価に製造でき、その上で栽培の手間を省力化することができる植物栽培槽値を提供することを課題としている。さらに本発明は、防虫効果あるいは保温効果を有する植物栽培装置を提供することを課題としている。
(1)本発明の第1の態様の植物栽培装置は、水槽と、その水槽の上に設けられる円筒状の栽培槽と、前記水槽の水を栽培槽に供給する給水器と、前記給水器を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が、1日に1回または複数回、所定の水位まで水槽から栽培槽に給水し、ついで水を水槽に戻すように前記給水器を制御するものであり、前記栽培槽が、透明かつ可撓性を有する合成樹脂板を円筒状に丸めて端部同士を連結した筒状体からなることを特徴としている。
ここで、給水器の制御とは、給水器に給水の作動させること、さらには給水器を逆転させ排水させること、または給水器を停止させ、他の排出路から排水することを含んでいる。
(2)本発明の植物栽培装置の第2の態様は、水槽と、その水槽の上方の開口部の上に設けられる栽培槽と、前記水槽の水を栽培槽に給水し、水槽に戻す給水器と、その給水器による給水を開始する時刻に関連する開始時刻情報、給水器により前記栽培槽に給水される水の水位に関連する水位情報および給水される水が溜められる溜水時間が予め栽培する植物毎に登録された記憶部と、時刻を含む時刻情報を検出する時刻検出部と、その時刻検出部が検出する時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、その時刻情報取得手段によって得られる時刻情報が前記記憶部の開始時刻情報に一致すると、その一致した開始時刻情報に対応する水位情報および溜水時間を前記記憶部を参照して取得する給水情報取得手段と、その給水情報取得手段によって得られる情報に基づいて、所定の水位まで栽培槽に水を給水し、所定の溜水時間の後に給水された水を水槽に戻すべく前記給水器を作動させる給水器作動手段とからなり、前記栽培槽に間欠的に水が溜められることにより、前記植物に水を接触させる期間と空気に接触させる期間が設定されている、ことを特徴としている。
ここで、給水器は、水槽から栽培槽に水を給水し、その給水した水が流出しないように溜水し、その溜めた水を排水する機構を有するものである。前記給水、溜水および排水は、1つの機構で行ってもよいし、排水弁などの他の機構を用いて行ってもよい。例えば、1つの機構で行う場合、ポンプで給水し、そのポンプを逆転して排水したり、さらにはポンプで給水し、ポンプを停止して、重力で排水するなどである。
ここで時刻情報は、例えば、現在時刻、さらには自ら設定した時刻を出発時刻としてその時刻から経過する時間などを含む。
そして、開始時刻情報は、給水を開始する時刻や、予め設定された時刻など指標となる時刻から経過した時間などを含む。
さらに、水位情報は、栽培槽の水位を直接または他の量に置き換えて間接的に求める情報を含む。例えば、直接的には栽培槽にフロートを浮かせてその浮き沈みする量や、水槽の側面から水面を検出するなど、さらに間接的には給水器の作動時間や、消費電力などを水位に換算するなどである。また、前記水位情報とは、例えば所定の水位で水をオーバーフローさせ所定の水位を保ち、給水器の停止により重力で排水する装置では、給水している間は所定の水位が得られるから、給水時間を水位情報とみなすことを含んでいる。
さらに溜水時間は、所定の水位まで上昇した水位を保持する時間または給水の開始から給水の停止までの給水器の作動時間である。上述したように、所定の水位で水をオーバーフローさせる装置では、溜水時間の間は給水器がずっと作動しているから、溜水時間が給水時間と実質的に同じであることを含んでいる
また、開始時刻取得手段とは、実施形態においては図15のステップS1が相当する。
さらに、給水情報取得手段とは、実施形態においては図15のステップS2、S3、S7が相当する。
さらに、給水器作動手段とは、実施形態においては図15のステップS4が相当する。
(3)このような植物栽培装置においては、前記合成樹脂板の側縁同士が連結部材によっ
て連結されると共に、前記筒状体の上端に円形の枠材が嵌合されており、それらによって合成樹脂板の弾力に抗して円筒形状が維持されているものが好ましい。
(4)また、前記筒状体の上端開口が防虫ネットによって覆われているもの、(5)あるいは透明なカバーで覆われているものが一層好ましい。
(6)本発明の栽培器具は、上述の栽培装置に用いる栽培器具であり、その栽培器具が、脚部と、その脚部によって栽培槽の底板から所定の高さ位置に配置する固定部と、その固定部に固定されると共に植物の根あるいは地下茎の上端付近を支持する支持部とを備えていることを特徴としている。
(発明の作用など)
(1)、(2)本発明の第1および第2の態様の植物栽培装置は、水を間欠的に栽培槽に溜めるのを繰り返して植物を栽培している、すなわち常時給水しない。このため、吸水体などを常時水に浸している栽培装置に比べて、雑菌の繁殖を妨げることができる。これらにより、雑菌の繁殖などの衛生状態および給水の状態を常時監視あるいは管理する手間が省力化できるから、植物を自動的に栽培するのに適している。
また、給水器で水槽の水を栽培槽に給水し、余った水は一旦水槽に戻して次の給水に用いるので、水に混入させた養分や薬液が無駄にならないし、戻された水は間欠的に植物と接触しただけであるから、きれいである。そして、水槽の上に栽培槽を設けて、実質的に水槽の開口部を塞いでおり、埃などが水槽内に混入しにくいし、水が蒸発しにくい構造である。このため、水槽内の水は雑菌などに汚染されにくいし、水の蒸発が少ないので、水槽の水を長く用いることができる。
例えば、図1の栽培装置で十分な水を水槽に給水して、なすび、ちんげんさい、こまつな、はくさいを栽培した場合に、3月間において水槽の水の取り換えや洗浄せずに、それらを収穫することができた。
このように、水槽の洗浄や水の取り替えなどの手間を省力化することができるから、一層、植物を自動的に栽培するのに適している。
また、制御装置および給水器作動手段によって1日に少なくとも1回は栽培槽内の植物に給水するので、目の届きにくい屋外に出している場合でも、給水を忘れて枯らすことがない。
また、給水時などに漏水が生じた場合でも、下部の水槽に戻せばよく、大きな問題にならない。
(1)また、本発明の第1の態様の植物栽培装置においては、その栽培槽が透明で丸いので、植物の鑑賞および観察、とくに側方からの鑑賞や観察が容易である。そして屋外に配置することにより、太陽光に充分に当てることができる。さらに栽培している植物の周囲を透明な合成樹脂板で囲むので、ある程度は防虫作用や保温作用を奏する。また、栽培槽として可撓性を有する合成樹脂板を円筒状に丸めて端部同士を連結した筒状体を採用するので、製造が容易で、安価に製造することができる。
そして、水位としては、30〜100mm程度から、植物全体が冠水する程度までの範囲で選択できる。なお、常時冠水しているのではなく、一日に1回または複数回、冠水させるだけであるので、この程度の簡易な構成で足りる。なお、水位は培地の保水性などに応じて選択する。
(2)また、本発明の第2の態様の植物栽培装置においては、栽培する植物に適した溜水時間などを予め記憶部に登録し、その登録された情報を読み出すことにより、種々の植物を最適な栽培条件で容易に栽培することができる。
さらに、季節の移り変わり、急激な気候変動などの要因に対応する溜水時間などを予め記憶部に登録させておくと、状況に応じた栽培条件をすぐに実行することができる。
(3)前記合成樹脂板の端部同士が連結部材によって連結されると共に、前記筒状体の上端に円形の枠材が嵌合されており、それらによって合成樹脂板の弾力に抗して円筒形状が維持されている場合は、販売店や購入者が容易に組み立てることができる。また、一旦組み立てた栽培槽を分解することも容易である。そのため、組立前の状態で搬送や保管が可能であり、管理コストが低減できる。さらに変形しやすい筒状体の上端に円形の枠材を嵌合させることにより、筒状体を一層正確な円筒状に維持することが容易であり、強度も向上する。
(4)前記筒状体の上端開口が防虫ネットで覆われている場合は、周囲が筒状体によって囲まれている上、上面も塞がれるので、防虫効果が高く、室外での栽培に適する。
(5)前記筒状体の上端開口が透明な屋根で覆われている場合は、防虫効果に加えて保温効果を奏し、室外でも効率よく栽培できる。
(6)本発明の栽培器具は、植物が根や地下茎から栄養分や水分などを効果的に吸収できる時期に水分や栄養分を与え、そうでないときには根や地下茎を乾燥させている。このため、雑菌の繁殖を妨げることができる。そして、根や地下茎を衛生に保つことができる。
さらに、土やそれに代わる粒状物をほとんど使わない。このため、根や地下茎が、土やそれに代わる粒状物に妨げられることなく、自由に成長できる。
本発明の植物栽培装置によれば、内部を鑑賞しやすく、さらに太陽光や空気などの自然の要素を栽培に取り込むことにより、植物を人工的に栽培しているような見た目の違和感をいくらか緩和し、その上で栽培の手間を省力化して、植物栽培の自動化を容易にすることができる。
本発明の植物栽培装置の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図である。 図1の植物栽培装置の縦断面図である。 図1の植物栽培装置の栽培槽の製造方法を示す概略工程図である。 図1の植物栽培装置の要部拡大断面図である。 図5aは図4のV−V線断面図であり、図5bはその変形例である。 図1の植物栽培装置を用いた栽培方法を示す工程図である。 図7a〜7cはそれぞれ本発明の植物栽培装置に用いる培地を構成する粒子の実施形態を示す斜視図である。 植物栽培装置を屋外に設置する場合の他の実施形態を示す要部斜視図である。 図9aは本発明の栽培器具に地下茎を有する植物を植えた状態を示す概略斜視図であり、図9bは図9aの栽培器具に根を有する植物を植えた状態の概略断面図である。 図10aは支持部の平面図であり、図10bは図10aのA−A線断面図である。 図11aは栽培器具の他の実施形態を示す概略側面図、図11bは図11aの部分平面図である。 図12aは給水器の他の実施形態を示す部分断面図、図12bは各管の配置を平面視で示す模式図である。 図13は本発明の第2の態様の植物栽培装置を含むシステムの一実施形態を示すブロック図である。 図14は図13の植物栽培装置のハードウェア構成の一実施形態を示す概略図である。 図15は給水器を作動させるプログラムの一実施形態を示すフローチャートである。 図16はデータベースのデータ構造の一例を示す概略図である。
図1に示す植物栽培装置10は、下方の水槽11と、その上部に設けた栽培槽12と、水槽内に設置したポンプPなどの給排水器と、給排水器の作動を制御する制御装置13と、栽培槽12の上端開口を塞ぐカバー14とからなる。
水槽11は、金属または合成樹脂から有底円筒状に形成されたもので、液密性を有する。通常は不透明であるが、透明ないし透光性を有するものでもよい。内部のポンプPを隠したい場合は不透明にする。また円筒以外に、角筒状など、他の形態を有するものでもよい。栽培槽12のデザインとの統一を考えると、円筒状が好ましい。水槽11の上端近辺には、栽培槽12を支えるための支持桟16が円環状に、あるいは複数本、たとえばクロス状に配置されている。支持桟16は、たとえば金属あるいは合成樹脂製のアングルやパイプで構成しうる。
栽培槽12は透明な合成樹脂シート20を円筒状に丸め(図3参照)、端部21同士を重ね合わせ、外面および内面から連結部材22a、22bで挟みつけて液密に連結し、底部の開口を底板23で塞ぐことによって構成している。円筒状にした合成樹脂シート20の上端には円形の枠材24が嵌合されている。ただし枠材24は省略してもよい。下端は底板23に形成した環状段部(図4の符号25参照)の外周面に嵌合している。合成樹脂シート20の材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネートなど、透明性の高いものが好ましい。ただしポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなど、他の透明の合成樹脂でもよい。合成樹脂シート20の厚さは0.3〜1.5mm程度、とくに0.5〜1mm程度が好ましい。枠材24や底板23の材質は、たとえばアルミニウム合金、ステンレスなどの金属、ポリエステル樹脂などの合成樹脂、さらにFRPなどの繊維強化樹脂などが用いられる。
図2あるいは図4に示すように、この実施形態では栽培槽12の外径は水槽11の内径よりいくらか小さくしている。そのため、栽培槽12の下部と水槽11の上部の間に環状の隙間26が形成される。そして底板23を上下に貫通する切り欠き26aを前記隙間26と連通するように形成している。それにより水槽11の内部が外気と連通し、ポンプPによる水槽内の水の給排水がスムーズである。ただし隙間26はなくてもよく、水槽11の内径と栽培槽12の外径を略同径にして密に嵌合するようにしてもよい。その場合は別途、空気穴を形成するのが好ましい。
図3に示すように、栽培槽12を構成する合成樹脂シート20は可撓性を有するので、端部21同士を重ね合わせ、内外面から板状の連結部材22a、22bを当て、それらの連結部材22a、22b同士をネジ27とナット28で締結することにより連結する(図5参照)。連結部材22a、22bはゴムないし軟質合成樹脂で、シール性を備えているものが好ましい。合成樹脂シート20がいくらか厚い場合あるいは硬い場合は、弾性力で拡がり、平坦に復帰しようとする。その場合は連結部材22a、22bで弾性復帰力に抗して円筒状に拘束する。図4に示す上端の枠材24および下端の環状段部25も合成樹脂シート20を円筒状に拘束するのに、あるいは円筒状の形状を維持するのに役立つ。
合成樹脂シート20には、ネジ27を通す孔29を形成しておく(図5参照)。いずれかの連結部材22a、22bが、ステンレスなどの硬質材とゴムなどの軟質材との積層材
である場合は、硬質材に雌ネジを形成することにより、ナット28を省略できる。軟質材には、軟質樹脂またはゴムなどのエラストマーが含まれる。硬質材を備えている場合は、合成樹脂シートの弾性復帰力に抗する力が大きい。
図4に示すように、栽培槽12の底板23は環状段部25の内周側の円筒面にOリング溝が形成され、そのOリング溝にOリング30が嵌められている。なお、環状段部25でなく、想像線26bで示すように、円筒状の合成樹脂シートが嵌合する環状溝としてもよい。底板23には、ポンプPから出てくる給排水パイプ31を通す孔32と、ポンプPの電源線および制御線を通す電線パイプ33を通す孔34が形成されている。底板23は合成樹脂シート20に対して着脱自在に嵌合する。ただし接着剤などで固着してもよい。
円筒状の合成樹脂シート20の上端に嵌合される枠材24は、コ字状の断面を有する合成樹脂製ないし金属製の成形品である。枠材24は必須のものではないが、合成樹脂シート20が薄い場合は円筒を維持するため、あるいは合成樹脂シートの上端を保護するために有用であり、さらに鑑賞者が触れたときの安全確保に役立つ。また、カバー14を支える支持部材として利用することもできる。枠材24は合成樹脂シート20に対して着脱自在に嵌合するのが好ましい。それにより組立および分解が容易になる。ただし接着してもよい。
前記カバー14は、防虫ネット36と、その防虫ネットを支持する棒材37と、その棒材を合成樹脂シート20の上端に固定する固定具38とからなる。防虫ネット36は合成樹脂糸を織った柔軟なネット材であり、ドーム状ないし傘状に縫製している。棒材37は金属棒を円弧状に湾曲したものを複数本組み合わせたものなどが用いられる。図1の植物栽培装置10では、2本の棒材37を互いに離して左右に配置し、その上に防虫ネット36を被せている。2本の棒材を交差するように配置してもよい。雨傘のように開閉できるようにしてもよい。
図4に示すように、棒材37の基部39は中心側に折り曲げており、その基部39を固定具38に形成した孔38aに通すと共に、固定具自体は蝶ネジ38bとナット38cなどで合成樹脂シート20の内面に着脱自在に固定している。合成樹脂シートの外面に固定してもよい。それにより栽培している植物40の取り出し時などに、カバー14を容易に着脱することができる。棒材37の基部39を固定具38の孔38aに外側のみに回動可能に取り付けてもよい。その場合は、防虫ネット36を取り外し、棒材37を円筒状の合成樹脂シート20の外側に倒した状態で、植物40を出し入れすることもできる。
上記のように防虫ネット36で円筒状の合成樹脂シート20の上端開口を塞ぐことにより、栽培している植物40を害虫から守ることができ、しかも空気の通りを妨げない。防虫ネット36に代えて透明な合成樹脂シートを被せてもよい。その場合は通気性が減少するが、保温効果が高くなる。半透明ないし不透明のシートでカバー14を構成することもできる。その場合は直射日光を遮ることができ、強い日光に弱い植物を日光から保護することができる。
円筒状の合成樹脂シート20の上端開口をカバー14で塞ぐ場合、たとえば合成樹脂シート20の重ね合わせた部位の上端にU字状の切り欠き21aを形成すると、その切り欠き21aに制御装置13のための制御線を通したり、ポンプPを駆動する動力線を通すことができる。なお、枠材24やカバー14に同様な切り欠きを設けてもよい。
図2に戻って、ポンプPは水中タイプが好ましく、その場合はポンプPから上方に給排水パイプ31と電線パイプ33を立ち上げる。給排水パイプ31の上端は栽培槽12の底板23に合わせるか、底板の上面をいくらか超える程度とする。給水時はポンプPを作動
させて給排水パイプ31の上端から栽培槽12内に水を充満させる。排水時はポンプPを逆に作動させて、あるいは重力だけで、栽培槽12内の水を水槽11内に戻す。給水パイプをさらに上方に伸ばし、植物40の上方から散水するようにしてもよく(図6の水張り状態参照)、上下両方から同時に、あるいは選択して給水形態や給排水経路を切り替えるようにすることもできる。切り替える場合は、たとえば電磁弁などで管路を切り替えるようにし、図1の制御装置13でコントロールする。上方から散水するために給水パイプを上方に伸ばす場合は、電線パイプ33の内部を通すこともできる。
給排水パイプ31とは別個に、排水だけを行う排水パイプ41を設けてもよい。給水パイプと排水パイプを別々に設けてもよい。排水パイプはポンプで吸引させてもよく、排水を重力で行わせてもよい。これらの排水パイプ41の上端も、底板23の上面と合わせてもよく、底板より50〜100mm程度上方に設定することもできる。給排水パイプ31あるいは排水パイプ41の上端を底板23より50〜100mm程度上方に設定しておくと、栽培槽12内にある程度の深さで水を溜めておくことができ、水耕栽培と同様の効果が得られる。また、植物40の茎や葉を含め、全体を冠水させるようにしてもよい。
図6に示すように、上記のごとく構成される植物栽培装置10は、栽培槽11内に水を入れない通常状態S1と、栽培槽12内に水Wを浅く充填する水張り状態とを交互に繰り返して、あるいは通常状態と半冠水状態または冠水状態とを交互に繰り返して、観葉植物や葉物野菜などの植物40を栽培する。一例として、朝5時から夕方5時の間で3時間毎に給水を行う。
すなわち通常状態S1では、栽培槽12から水を抜いておき、透明な合成樹脂シート20を通して内部の植物40を鑑賞したり、成長状態を観察したりする。この場合、ほぼ全面が透明であるので、合成樹脂シート20は鑑賞や観察の邪魔にならない。
そして1日のうち数回、制御装置13でポンプPを作動させ、水槽11内の水Wを給排水パイプ31を通じて栽培槽12に散水ないし給水する(水張り状態)。それにより水耕栽培と同様に植物を栽培することができる。水Wには、必要に応じて植物の栄養分や殺虫成分を混入しておく。給水は上からの散水でもよく、下から植木鉢の下部を浸す程度の低い位置まで注水してもよい。なお、植木鉢の下方に内部と連通する貫通孔を形成し、内部に水を導くようにしてもよい。
さらに、給水開始の時刻および給水時間は、タイマーなどで調整する。水位はタイマーで調節できるが、別個に水位計を設け、所定の水位になったとき、ポンプPを止めるなどの運転形態を採用してもよい。
さらに1日に1回程度、あるは2〜3回程度、ポンプPを作動させて栽培槽12に水Wを多量に給水し、植物40を半分程度水没させ(半冠水状態S3)、あるいは全体を水没させる(冠水状態S4)。それにより葉の裏側にも充分に給水することができる。また、害虫によっては冠水による駆除も可能である。合成樹脂シート20の内面をある程度洗浄することもできる。そして数分後、あるいは15分後にポンプPを逆に作動させて栽培槽12から水槽11に水Wを戻す(第1工程S1)。たとえば電磁弁などを用いて排水口を開閉し、高低差を利用して排水してもよい。
栽培槽12に水Wを供給し、栽培槽内を水で満たす冠水状態S4は、植物の種類によって異なるが、1日に1〜3回程度行う。半冠水状態S3や水張り状態S2にとどめて全体の冠水をしなくてもよい。冠水状態にする場合は、短時間であることもあって、鑑賞者にとってかなり興趣に富むイベントである。とくに栽培槽12は円筒状であるので、水Wを入れると凸レンズの作用で植物40が大きく見える。このことも一層イベント性を高める。栽培槽12を構成する合成樹脂シート20は、強度はそれほど高くなくてもよい。すな
わち、水Wによってもたらされる水圧は局部的ではなく、円筒状の合成樹脂シート20に均一に加わる。さらに冠水状態は比較的短時間だけである。そのため、薄い合成樹脂シート20であっても、充分に水圧に耐えることができる。また、万一漏水があっても、下方の水槽11に戻るので大きな問題とはならない。
前記植木鉢の培地42に植えられる植物40としては、大根、にんじん、ごぼう、じゃがいも等の根菜類や、アスパラガス、たけのこ等の茎菜類や、きゅうり、トマト、ブロッコリ、そら豆、インゲン豆等の果菜類や、ねぎ、キャベツ、ニンニク等の葉菜類である。
植木鉢に入れておく培地42としては、平均粒子径が1〜10mmのゴムまたは合成樹脂製の非吸水性の粒子からなる人工のものが用いられる。培地42を構成する粒子(ビーズ)は、六角柱などの角柱状、角錐状、円錐状、角錐台、円錐台など形状が用いられる。図7aに示す粒子43は、1辺1〜10mmの角柱状を呈する。この粒子43は、たとえば断面六角形の合成樹脂製の線材を長さ1〜10mm程度に切断して製造しうる。線材は押し出し成形で製造することができるので、量産に適する。
図7bに示す円錐台の形状の粒子44および図7cに示す角錐状の形状の粒子45は、例えばセラミックス製である。これらは所定の型にセラミックスの微粉末を充填し、焼結して固めたものである。セラミックス製の粒子は、耐熱性が高く、熱湯消毒が可能である。
粒子の材質として、独立気泡ないし連続気泡の発泡体を用いることもできる。ただし比重が1より大きく、吸水性がなく、冠水時でも水に浮かないものが好ましい。また、熱湯消毒を考慮して、耐熱性を有するもの、たとえば上記のセラミック製がさらに好ましい。粒子は非吸水性の材料から構成するのが好ましい。水や肥料が粒子の表面に付着している時間が長く保たれ、植物が水、肥料を吸収するには最適である。
図1に示す植物栽培装置10では、水中ポンプを採用しているが、水槽11の外あるいは栽培槽12内にポンプを設けることもできる。また前記合成樹脂シート20と連結部材22a、22bは分離可能に結合しているが、たとえば、一方の連結部材22aを合成樹脂シート20の一方の端部21に接合し、他方の連結部材22bを他方の端部21に接合するようにしてもよい。さらに全体を液密性の接着剤などで分離できないように固着してもよい。また、給排水パイプ31や電線パイプ33も底板23に対して着脱自在に嵌合するのが好ましいが、固着してもよい。分離可能に構成する場合は、不要なときには収納・保管しやすい。固着する場合は液密性を高めることが容易である。
前記実施形態では合成樹脂シート20の両端を重ねて連結しており、連結部材22a、22bとして内外から挟着する2枚の板状ないしシート状の部材を採用している。しかし両端を突き合わせ状態で連結することもできる。その場合はたとえば断面H状のリングなど、1本で構成される部材を採用することもできる。前記実施形態では合成樹脂シート20は一重であるが、図5bのように二重あるいはそれ以上巻き付けて形成することもできる。
図8は、屋外に設置する植物栽培装置の好ましい形態を示している。この植物栽培装置50は、栽培槽12の上面にネットからなる防虫ないし日よけ用の傘51を取り付けている。傘51としては、金網や合成樹脂繊維のネットなどが用いられる。このような傘51は、水槽11の上端に4個の取付け金具52を固定し、それらの取付け金具によって4本のロッド53を保持し、それらのロッドの上端に傘51を取り付けて蝶ネジ54で固定することにより、着脱自在に取り付けることができる。取付け金具52も蝶ネジ55で固定している。このように傘51を設けると、直射日光を遮ることができ、また、激しい雨か
らも植物を保護しうる。傘51やロッド53を取り外すとそのまま室内に設置することができる。
次に、図9a、図9bを参照して、本発明の栽培器具を説明する。例えば、図1の符号56に、その栽培器具の一例を示している。図9aの栽培器具56は、前述した植木鉢と異なり、培地42や粒子43a、43b(図7参照)を用いていない。その栽培器具56は、脚部57と、その脚部により底板23から離間して配置される固定部58と、その固定部に固定される植物60を支持する支持部59とからなる。これらの各部材は一体に成形するのが好ましい。さらに市販の植木鉢を上下逆さまにしたものによって脚部57および固定部58とすることができきる。
図9aおよび図9bに栽培器具56の詳細を示す。この栽培器具56は、植物60を支持部59に支持させた上で、その根60a、さらには根と共に地下茎60bを支持部59の下方(すなわち、ほぼ鉛直下方)に向けて成長させるものである。
その栽培器具56の材質としては、一般的な植木鉢と同様な陶器や合成樹脂が用いられ、さらには金属を用いてもよい。その栽培器具56は、冠水、半冠水さらには水張り状態において水に浮いたり、さらには底板23の上に載置した状態が不安定にならない程度の重量や形状を有している。例えば、合成樹脂製であれば、載置した状態を安定させるために、重しとして重量物を取り付けてもよい。
前記脚部58は筒状であり、上方に向かって先細りのコーン形状にされている。なお、筒内に水を導くために下端に通水用の隙間を形成したり、筒部を貫通する孔を形成してもよい。
前記脚部の材質として、筒内への光の透過を防止する材質が好ましい。筒の側方からその内部に光が届くことにより、藻などが繁殖するのを妨げるためである。
さらに、その脚部57の高さは、植物60の根60aや地下茎60bの成長の妨げにならない高さが好ましい。例えば、大根や人参では、成長した地下茎60bの下端が底板23に接触しない程度の高さである。
前記固定部58は、円板であり、中央に中央孔58aが形成されている。その中央孔58aに前記支持部59が嵌合されることにより、支持部59は固定部58に支持される。
前記支持部59は、ゴム、合成樹脂あるいは合成樹脂を発泡させて形成される円盤状の部材である。合成樹脂としては、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体などが好ましい。さらに、雑菌の温床になりにくいように、吸水性が低いものが好ましい。その支持部59には、側周面に溝59aが形成されている。その溝59に前記固定部58の孔58aの周縁が嵌合する。その支持部59には、その円盤の中心から放射状に延びる切り込み59bが形成されており、その切り込みにより複数の三角部位59cが形成されている。その三角部位59cの先端同士で挟んで植物60を支持する。
前記植物60としては、アスパラガス、たけのこ等の茎菜類や、きゅうり、トマト、ブロッコリ、そら豆、インゲン豆等の果菜類や、ねぎ、キャベツ、ニンニク等の葉菜類が好ましい。なお、大根、にんじん、ごぼう、じゃがいも等の根菜類であってもよい。
植物60の苗(図示せず)は、切り込み59bの放射状の中心に押し込まれる。その苗は三角部位59cを弾性変形させて押し込まれており、その押し込まれた三角部位59cの弾発力により支持部59に支持される。その苗の根は三角部位59cの下面から下方に延び、葉の部分が上面から上方に延びるように支持されている。前記苗の地下茎60bや根60aが大きくなると、それらは前記三角部位59cを押しのけるようにして成長する。この根60aや地下茎60bが成長して前記三角部位59cを押しのけることにより生
じる弾性力で、根60aや地下茎60bは支持部59にさらに強固に支持される。すなわち、成長が進むにつれて、支持部59と植物60とが一体となり、支持が確実になる。
前記栽培器具56は、一体成形で成形されるのが好ましいが、別個に成形して組み立ててもよい。その場合、各パーツの材質を異なるようにしてもよい。例えば、脚部を金属製にし、その他の部分を合成樹脂にし、水に浮かないようにしてもよい。
また、なお前記溝59aを固定部の孔58aの内周面に形成し、支持部59の側周面に凸部(図示せず)を設けてもよい。
本実施形態では筒状の脚部は、上方に向かって先細りの形状であるが、まっすぐの筒状でもよく、下方に向かって先細りの形状であってもよい。
前記脚部58を筒状に代えて、複数本の脚から構成してもよい。その脚部57の本数は限定されない。例えば、1本の脚からなる場合、脚の下端に大径の円板を設けて立設させればよい。
さらに、脚部58を底板23に固定してもよい。この場合には、栽培容器57は固定前の状態において水に浮くようなものであってもよい。
前記固定部58の板面に複数の貫通孔を形成し、冠水等の通水を容易にしてもよい。なお、その固定部58を棒状の部材を環状にして形成してもよい。
前記支持部59は切り込み59bの代わりに中央に苗を挿入するための孔を形成してもよい。さらに、その孔から外部へ通じるスリットを形成してもよい。
さらに、三角部位59cの厚みを薄くして、舌片のようにしてもよい。そのような舌片にすると、植物60の成長に応じて舌片を弾性的に上下方向に変形させることができる。
また、前記支持部59に、種子を支持させることもできる。その場合には、各三角部位59cの先端面に凹所59dを設け、これらの凹所59dが集まって、種子の収納室を形成するようにしてもよい(図の二点鎖線参照)。さらに、このような凹所の代わりの構造として、種子が流出しない程度にその周囲を覆い、かつ、種子が水と接触できるように外部と連通した構造であればよい。例えば、支持部59の上面の中央付近に窪みを設けるなどである。
図11aに、栽培器具の他の実施形態を示す。この栽培器具46は、種子49を支持し、発芽させ、ある程度育成させるものである。その栽培器具46は、複数の串状の部材47・・・からなり、それらを紐やゴムなどの紐状部材48で外周から周方向に張力を加えて1つの束にしたものである。そして、その全体形状は低い円柱状を呈している。
その紐状部材による周方向の結束力により、隣り合う串状の部材47は、その先端を互いに近づける方向にいくらか付勢されている。このため、串状の部材47の隣り合う先端同士の隙間に種子を差し込み易い。さらに、串状の部材は先細りであると一層差し込みが容易である。
その栽培器具46は、串状の部材47の間に種子を差し込んだ状態で、栽培槽に収納される。そして、その種子が水に浸かるまで、給水される。
給水された水は串状の部材47の間から上方まで届く。さらに、種子から発芽した芽は、上方に伸びる。そして、根は串の間の隙間47aから下方に自由に伸びることができる(図11b参照)。
根が出た後は、その根が浸かる程度まで水位を落とす。そして、生育を確認後、図9aの前記栽培器具56に植え替える。
次に、図12aを用いてポンプPなどを含む給水器の他の実施形態を説明する。なお、この図12aに示す給水器は、図1の植物栽培装置の給水器とほぼ同様の構成を備えてい
る。このため同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
その給水器は、例えば、モータ61と、そのモータ61の回転軸と減速機61aを介して連結されたシャフト62と、そのシャフトの先端に設けられる羽根部材62aと、羽根機構およびシャフトの周囲を覆うと共に植物栽培装置の底板23に固定されるベース板63aを備えた給水管63と、その給水管と平行に延びると共に、前記ベース板63aに固定された排水管64とからなる。
前記給水管63の中ほどには、前記ベース板63aが設けられている。そのベース板63aは、底板23に形成された孔23aの上面を密閉するように、図示しないパッキンなどを介して塞いでいる。
その給水管の内部の上端付近には、軸受け63bが設けられ、シャフト62が枢支されている。その軸受け63bとしては、従来公知のボールベアリング、などの転がり軸受あるいはすべり軸受けなどが用いられる。
前記給水管63の下方の部分には、周方向の外向きに拡がるスカート状の部位63cが設けられている。そのスカート状の部位の下端には、キャップ63fが設けられている。そのキャップ63fの下面は、水槽の底面に接している。さらに、そのスカート状の部位63cの下端には、等間隔で複数のスリット63dが形成されており、このスリット63dから水槽の水が内部に引き込まれる。
その給水管63の底板23の上面付近の側壁からはスリット状の給水孔63hが上方に延びている。その給水スリット63hの上端縁は、後述する排水管64の上端より下方に配置されている。さらに、給水管63の上端付近の側壁には非常用孔63eが設けられており、モータ61出力が急上昇するなどの不具合が発生した際に、この非常用孔63eから水が水槽に流入し、モータ61などの電気部品に水が接触しないようにされている。
前記羽根部材62aは、シャフト62の下端に固定される円板状の部材62bであり、その下面にスパイラル状の羽根62cが等角度で放射状に5本設けられている。なお、羽根の本数は複数本であればよい。
前記円板状の部材62bの周縁は、スカート状の部位63cの内面と隙間63gを空けて配置されている。
前記円板状の部材62bが回転すると、羽根62cにより水槽内の水が半径方向の外向きに追いやられ、前記隙間63gを介して、給水管の上方へ水が揚げられる。
前記排水管64は、前記ベース板63aに固定され、水槽と栽培槽とを連通している。その排水管64の下端は前記底板23の下面付近にある。なお、いくらか下方に突出した位置に設けてもよく、水槽の底面付近まで延ばしてもよい。一方、上端は前記給水管63の給水孔63eより下方に配置されている。このため、排水管64の上端位置が栽培槽に溜められる水の水位となり、その水位を超える分の水は排水管64を通じて水槽に戻される。
また、前記ベース板63aには、水槽と栽培槽を連通するオーバーフロー管65が設けられている(図12b参照)。その下端の位置は前記排水管64と同程度である。一方、その上方の側壁には孔65aが形成されている。その孔65aは、排水管64の上端と給水孔63eの下縁との間に設けられている。排水管が詰まるなど何らかの不具合で、水槽の水が過剰に上昇した際に、前記孔65aから水がオーバーフローする。
この給水器は、モータ61を駆動させると、給水管63を介して給水スリット63hから水が栽培槽に給水される。その水の水位は、排水管64の上端付近まで上がる。余った水は、排水管64の上端の開口部から水槽に戻される。そして、モータ61を停止させると揚力が失われるため、水は給水管63を逆流し、給水スリット63h、前記隙間63g
を介してスリット63dから水槽に戻される。
この給水器は、簡易な機構である。前記モータ61などの電気部品を栽培槽12の水面より上方に配置し、下方に底板23を貫通するシャフト62を延ばして、そのシャフトの周囲に給水管を63設け、その給水管の内部でシャフト62を回転させながら、その回転するシャフト62の周囲から水槽の水を栽培槽12に引き揚げることができる。
前記給水管63は底板23に固定しなくても、植物栽培装置側に固定されていればよい。前記排水管64は給水器、植物栽培装置のどちらに固定されていてもよい。
さらに、排水管64をベース板63aあるいは底板23に対し上下動自在にし、その上端の開口の位置を移動できるようにして、栽培槽の水位を変更できるようにしてもよい。なお、オーバーフロー管65をベース板63aあるいは底板25に対し上下動自在にしてもよい。
次に本発明の第2の態様の植物栽培装置を説明する。図13は植物栽培装置70を含むシステム71の一実施形態を示す機能ブロック図である。なお、この植物栽培装置70は、前述した植物栽培装置とほぼ同様の構成を備えている。このため同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
(1.概略)
図13に示すシステム71は、時刻検出部72および記憶部73、さらに時刻情報取得手段74、給水情報取得手段75および給水器作動手段76を備えている。
前記時刻検出部72は基準となる時刻、例えば現在時刻を検出あるいは生成する。その時刻検出部72が検出した時刻情報は、時刻情報取得手段74で取得される。
その時刻情報取得手段74は、所定のタイミングで時刻検出部72から時刻情報を取得する。その給水情報取得手段75は、前記記憶部73のデータベース77を参照し、その取得した時刻情報が開始時刻情報と一致するか判定する。一致すると、その一致した開始時刻情報に対応する水位情報および溜水時間を前記記憶部73から取得する。
その給水情報取得手段75から得られた情報に基づいて、給水器作動手段76は、所定の水位になるように水を栽培槽に給水し、所定の溜水時間の後に水を水槽に戻すように前記給水器を作動させる。
(2.ハードウェア構成)
図14に示すように、この実施形態の植物栽培装置70は、コンピュータを用いている。そのコンピュータはCPU82を備えている。そのCPU82には、不揮発性メモリ83、揮発性メモリ84、光を用いた記憶デバイス(例えば、DVD)、あるいは磁気を用いた記憶デバイスなどの記憶デバイス85の情報を読み込むドライブ86およびインターネットを介して外部と通信するための通信回路87が接続されている。前記不揮発性メモリ83および揮発性メモリ84が記憶部73である。
前記不揮発性メモリ83には、プログラム88およびOS89(オペレーティングシステム)が記録されている。
前記プログラム88は、栽培装置を作動するために制御装置に用いられるプログラムである。そのプログラム88は、前記OS89の機能を利用して、動作するものである。前記プログラム88およびOS89は、DVD85に記憶されており、ドライブ86を介して、不揮発性メモリ83にインストールされる。
上記実施形態では、図14に示す機能をCPU82とプログラム88を用いて実現するようにしているが、その一部または全部を論理回路によって実現するようにしてもよい。
さらに、前記制御装置として、例えば記憶部などを用いず、時刻検出部が機械的にリレー回路の接点をON/OFFすることにより、ポンプPの電源をON/OFFするもので
あってもよい。
(3.フロー)
次に、システム71で実行される処理を図15のフローチャートおよび図2のブロック図を用いて説明する。
前記CPU82は、その時刻検出部72からの時刻情報を時刻情報取得手段74で所定のタイミングで取得する(S1)。
次いで、給水情報取得手段75で、一日で給水がされていないかを判定する(S2)。
給水していない場合、前記記憶部73のデータベース77を参照して、その取得した時刻情報が開始時刻情報と一致するか判定する(S3)。
一致すると、その一致した開始時刻情報に対応する水位情報および溜水時間を前記記憶部73から取得する(S4)。
(4.データ構造)
図16にデータベース77のデータ構造の一例を示す。そのデータ構造は、データベース毎に付せられるID78、給水を開始する開始時刻情報79、水槽の水位に関連する水位情報80、溜水時間81からなる。
この例では、前記開始時刻情報79は、一日の最初の給水の開始時刻79aと給水間隔79bからなる。前記水位情報80は、給水器の給水のための作動時間である。前記溜水時間81は、給水器を止めてから、排水するまでの時間である。
登録されたデータベース77は、栽培される植物の種類、季節変動などに応じて、1つ以上記憶されている。
図15に戻って、前記給水情報取得手段75から得られた情報に基づいて、給水器作動手段76は、所定の水位になるように水を栽培槽に給水し、所定の溜水時間の後に水を水槽に戻すように前記給水器を作動させる(S5)。
次いで、開始時刻情報79aから溜水時間81が経過すると、給水情報取得手段75は給水器を逆転させ栽培槽から水槽に水を戻し、処理を終了する(S6)。この実施形態では、例えば、給水時の給水器の作動時間よりいくらか長く逆転作動させることにより、排水している。なお、予め逆転する時間をデータベースに登録してもよい。
一方、S2において、2回目以降の給水である場合は、給水情報取得手段75で溜水時間を取得し、その溜水時間に到達したか判定する(S7)。到達した場合は、S4の処理を行う。
前記給水器を用いる場合には、水位情報は必要ない。そして、前記給水器作動手段76は、溜水時間の間、給水器のモータを作動させ、その溜水時間が経過すると、給水器のモータを停止する。
その他の実施形態として、複数の栽培槽に対して、1つの水槽を用いるようにしてもよい。反対に、1つの栽培槽に対して、複数の水槽を用いて、栄養分を異にした水や、不具合時に備えた予備の水、さらには薬品を添加した水などを用意できるようにしてもよい。
さらに、前記データベース77は、処理を行う装置内に記憶しているが、これらを他の装置に記憶させ、通信回線を通じてウェブブラウザなどをを用いてアクセスできるようにしてもよい。
さらに、プログラムは、栽培を行う装置で処理しているが、これらを他の装置で処理させ、通信回線を通じて、植物栽培装置の給水器に作動の指示を送信するようにしてもよい。この際に、複数の植物栽培装置のプログラムを1つの装置で処理するようにしてもよい。
そして、栽培槽、水槽および給水器からなる複数の組を通信可能に接続し、制御装置で一括して制御するようにしてもよい。この場合、全ての栽培槽などを同じ場所に設けなく
てもよい。さらに制御装置を含むサーバなどを栽培槽などと異なる場所、例えば空調や非常用の電源などが設けられた場所に置いてもよい。
前記開始時刻情報などのデータは、データベースとして登録させないで、記憶部に予め決められた順序で記憶させておいてもよい。
前記ウェブブラウザおよびその機構としては、インタネットエクスプローラなどの従来公知のブラウザおよび機能を有するものが用いられる。
前記栽培槽に給水されたことを、水位を検出する装置で検出し、その検出情報を確認した上で、次回の給水を行うようにしてもよい。その水位検出装置としては、磁力、電気抵抗の変化を感知し状態変化する従来公知のものを用いることができる。さらに、冠水の検出情報が得られなかった場合に、警報ランプを点滅させたり、警告情報を通信回線を通じて出力するようにしてもよい。
前記システム71で行われる機構は、方法として実現することができる。
10 植物栽培装置
11 水槽
12 栽培槽
P ポンプ
13 制御装置
14 カバー
16 支持桟
20 合成樹脂シート
21 端部
22a、22b 連結部材
23 底板
23a 孔
24 枠材
25 環状段部
26 隙間
26a 切り欠き
26b 環状溝
27 ネジ
28 ナット
29 孔
30 Oリング
31 給排水パイプ
32 孔
33 電線パイプ
34 孔
36 防虫ネット
37 棒材
38 固定具
38a 孔
38b 蝶ネジ
38c ナット
39 基部
W 水
40 植物
21a 切り欠き
41 排水パイプ
S1 通常状態
S2 水張り状態
S3 半冠水状態
S4 冠水状態
42 培地
43 粒子
44 粒子
45 粒子
46 栽培器具
47 串状の部材
48 紐状の部材
50 植物栽培装置
51 傘
52 取付け金具
53 ロッド
54 蝶ネジ
55 蝶ネジ
56 栽培器具
57 脚部
57a 脚
58 固定部
58a 中央孔
59 支持部
59a 溝
59b 切れ込み
59c 三角部位
60 植物
60a 根
60b 地下茎
61 モータ
62 シャフト
62a 羽根部材
63 給水管
63a ベース板
63b 軸受け
63c スカート状の部位
63d スリット
63e 給水孔
63f キャップ
63g 隙間
63h 給水スリット
64 排水管
65 オーバーフロー管
65a 孔
70 植物栽培装置
71 システム
72 時刻検出部
73 記憶部
74 時刻情報取得手段
75 給水情報取得手段
76 給水器作動手段
77 データベース
78 ID
79 開始時刻情報
79a 開始時刻
79b 給水間隔
80 水位情報
81 溜水情報
82 CPU
83 不揮発性メモリ
84 揮発性メモリ
85 記憶デバイス
86 ドライブ
87 通信回路
88 プログラム
89 OS

Claims (6)

  1. 水槽と、その水槽の上に設けられる円筒状の栽培槽と、前記水槽の水を栽培槽に供給する給水器と、前記給水器を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置が、1日に1回または複数回、所定の水位まで水槽から栽培槽に給水し、ついで水を水槽に戻すように前記給水器を制御するものであり、
    前記栽培槽が、透明かつ可撓性を有する合成樹脂板を円筒状に丸めて端部同士を連結した筒状体からなる植物栽培装置。
  2. 水槽と、
    その水槽の上方の開口部の上に設けられる栽培槽と、
    前記水槽の水を栽培槽に給水し、水槽に戻す給水器と、
    その給水器による給水を開始する時刻に関連する開始時刻情報、給水器により前記栽培槽に給水される水の水位に関連する水位情報および給水される水が溜められる溜水時間が予め栽培する植物毎に登録された記憶部と、
    時刻を含む時刻情報を検出する時刻検出部と、
    その時刻検出部が検出する時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、
    その時刻情報取得手段によって得られる時刻情報が前記記憶部の開始時刻情報に一致すると、その一致した開始時刻情報に対応する水位情報および溜水時間を前記記憶部を参照して取得する給水情報取得手段と、
    その給水情報取得手段によって得られる情報に基づいて、所定の水位まで栽培槽に水を給水し、所定の溜水時間の後に給水された水を水槽に戻すべく前記給水器を作動させる給水器作動手段とからなり、
    前記栽培槽に間欠的に水が溜められることにより、前記植物に水を接触させる期間と空気に接触させる期間が設定されている、植物栽培装置。
  3. 透明かつ可撓性を有する合成樹脂板を円筒状に丸めて端部同士を連結した栽培槽が、その端部同士を連結部材によって連結されると共に、その筒状体の上端に円形の枠材が嵌合されており、
    それらによって合成樹脂板の弾力に抗して円筒形状が維持されている請求項1または2記載の植物栽培装置。
  4. 前記筒状体の上端開口が防虫ネットで覆われている請求項1、2または3のいずれかに記載の植物栽培装置。
  5. 前記筒状体の上端開口が透明なカバーで覆われている請求項1、2または3のいずれかに記載の植物栽培装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の栽培装置に用いる栽培器具であり、
    その栽培器具が、脚部と、その脚部によって栽培槽の底板から所定の高さ位置に配置する固定部と、その固定部に固定されると共に植物の根あるいは地下茎の上端付近を支持する支持部とを備えている、栽培器具。
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