JP2016093046A - コルゲートチューブ及びワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】スリットを形成したコルゲートチューブにおいて、当該コルゲートチューブの機械的強度を保ちつつ、電線束がきつく屈曲される部分であってもスリットが開かないように強力にロック可能な構成を提供する。
【解決手段】コルゲートチューブ1は、周方向に延びる凸条6と、周方向に延びる凹条7と、が長手方向に交互に並んで配置された筒体2を備え、筒体2の長手方向にスリット5が形成される。スリット5により分割された一側の端部2aに、凸部からなる第1引掛け部3が形成され、他側の端部2bに、有底状の凹部からなる第2引掛け部4が形成される。第1引掛け部3と第2引掛け部4は、互いに対応する形状を有する。第1引掛け部3及び第2引掛け部4が、少なくとも、筒体2の長手方向両端部と、長手方向中途部と、に配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】コルゲートチューブ1は、周方向に延びる凸条6と、周方向に延びる凹条7と、が長手方向に交互に並んで配置された筒体2を備え、筒体2の長手方向にスリット5が形成される。スリット5により分割された一側の端部2aに、凸部からなる第1引掛け部3が形成され、他側の端部2bに、有底状の凹部からなる第2引掛け部4が形成される。第1引掛け部3と第2引掛け部4は、互いに対応する形状を有する。第1引掛け部3及び第2引掛け部4が、少なくとも、筒体2の長手方向両端部と、長手方向中途部と、に配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、主として、スリットを有するコルゲートチューブに関する。
従来から、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線を束にした構成のワイヤハーネスにおいて、電線束をコルゲートチューブで覆って保護する構成が知られている。例えば、エンジンルーム内などでワイヤハーネスが剥き出しの場合、劣化が激しいため、コルゲートチューブでワイヤハーネスを覆うことが良く行われる。
コルゲートチューブに電線束を挿入し易くするために、コルゲートチューブの長手方向にスリットが形成されることがある。特許文献1、2及び3は、スリットを有するコルゲートチューブを開示している。
特許文献1は、コルゲートチューブのスリットを閉じる際、スリットをきつく係合するためのオーバーラップの適正量を目視できるようにするために、チューブの長手方向に沿って目印のラインが付けられたコルゲートチューブを開示する。特許文献1は、この構成により、スリットを強く係合するためにチューブのオーバーラップの量又は率が適正か、あるいは過大か過小かを視認して適正に判断することができるとする。
特許文献2では、スリットの切り込みを斜めに入れることにより、スリットをきつく係合できるコルゲートチューブを製造する方法を開示する。具体的には、向きが径方向と接線方向の間となるようにスリットの切り込みを斜めに入れ、チューブを冷却する。特許文献2は、この冷却により、コルゲートチューブの材料であるプラスチック素材に特定の弾性及び柔軟性がもたらされ、スリットに分割された一側と他側が強く密着し、スリットの強い係合を実現できるとする。
特許文献3は、コルゲートチューブのチューブ径の縮径セットを可能にするコルゲートチューブの構造を開示する。特許文献3のコルゲートチューブにおいては、スリット口の一側縁の内側に係止片を設け、他側縁には、外周の円周方向に複数の貫通状の係止孔を設けている。この構成で、選択された係止孔に係止片を係合させることで、チューブ径が複数に変化するものに係止ロックすることができる。特許文献3は、チューブ径の縮径セットにより、小型化の要求に応えるとともに、電線のおどりによる異音防止を図り、併せて、部品を少数化でき、電線の収納作業性を向上できるとする。
ところで、例えば自動車用のワイヤハーネスは様々な経路に沿って配索されるため、屈曲されながら配置されることも多い。しかし、従来のコルゲートチューブは、電線束の屈曲部を覆って保護しようとすると応力でスリットが開いて内部の電線が露出してしまうため、コルゲートチューブに保護テープを巻く等して、スリットの口開きを防止する必要がある。特に、屈曲のきつい部分では口開きの傾向も強くなるので、屈曲部だけでなくその周辺も含めた多数箇所に保護テープを巻く必要があった。
この点、特許文献1のコルゲートチューブは、屈曲部においてはチューブが変形してしまい、前記目印のラインに従ってオーバーラップさせることができず、スリットが開いてしまうと考えられる。
また、特許文献2のコルゲートチューブではスリットのカットを斜めに入れているため、スリットの口開きを一定程度防止できると考えられるが、急激な屈曲部ではやはりスリットが大きく開いてしまう場合があると考えられる。
一方、特許文献3のコルゲートチューブは、前記係止片及び係止孔からなる機械的なロック機構を備えているので、電線束の屈曲部に設置してもスリットが開かないようにできる。しかしながら、係止片と係合させるためにチューブに貫通孔(係止孔)を形成しているため、特に係止片及び係止孔を軸方向に多数並べた場合にはコルゲートチューブの機械的強度が大幅に低下して、内部の電線束を確実に保護することができなかった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、コルゲートチューブの機械的強度を保ちつつ、きつい屈曲部であっても、スリットが開かないようにするための保護テープを巻く箇所を減らしたとしても、ロック可能なコルゲートチューブを製造することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成のスリット入りコルゲートチューブが提供される。即ち、このコルゲートチューブは、周方向に延びる凸条と、周方向に延びる凹条と、が長手方向に交互に並んで配置された筒体を備え、前記筒体の長手方向にスリットが形成される。前記スリットにより分割された一側に第1引掛け部が形成され、他側に第2引掛け部が形成される。前記第1引掛け部及び前記第2引掛け部のうち一方は凸部からなり、他方は凸部又は有底状の凹部からなる。前記第1引掛け部と前記第2引掛け部は、互いに対応する形状を有する。前記第1引掛け部及び前記第2引掛け部が、少なくとも、前記筒体の長手方向両端部と、長手方向中途部と、に配置されている。
これにより、スリットによってコルゲートチューブに電線束を挿入し易くできるとともに、電線束の屈曲部分にコルゲートチューブを設置する場合でも、第1引掛け部と第2引掛け部からなるロック構造により、スリット(特に、スリットの長手方向中途部)が開いて内部の電線束が露出するのを防止できる。また、第1引掛け部及び第2引掛け部のためにコルゲートチューブに貫通孔を形成する必要がなくなり、コルゲートチューブの機械的強度を良好に維持することができる。
前記のコルゲートチューブにおいては、前記スリットにより分割された前記筒体の両側の端部のうち、前記第1引掛け部と前記第2引掛け部を互いに引っ掛けるときに内側に位置する端部において、前記スリットの内壁と前記筒体の内周面とを繋ぐように角落とし部が形成されることが好ましい。
これにより、スリットの内壁と筒体の内周面とが繋がる部分において、鋭利なエッジが形成されなくなる。従って、コルゲートチューブの内部の電線束にエッジが接触して損傷させるのを防止することができる。
前記のコルゲートチューブにおいては、前記第1引掛け部及び第2引掛け部が、前記凸条又は前記凹条の1つずつに形成されていることが好ましい。
これにより、コルゲートチューブの多数箇所において、第1引掛け部と第2引掛け部とによるロックが行われる。従って、堅固なロック構造が実現され、電線束が急激に屈曲する部分にコルゲートチューブを設置しても、スリットの口開きを防止することができる。
前記のコルゲートチューブにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記凸部は、前記凸条に対応して前記筒体の内周面に形成された内側凹条、又は、前記凹条に配置される。前記凸部は、前記内側凹条又は前記凹条の幅を狭めるように形成されている。
これにより、コンパクトな構成で、スリットを閉鎖してロックすることができる。
前記のコルゲートチューブにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記凹部は、前記凸条、又は、前記凹条に対応して前記筒体の内周面に形成された内側凸条に配置される。前記凹部は、前記凸条又は前記内側凸条の幅を狭めるように形成されている。
これにより、コンパクトな構成で、スリットを閉鎖してロックすることができる。
前記のコルゲートチューブにおいては、前記第1引掛け部及び前記第2引掛け部が、前記凸条の先端面と前記凹条の底面を繋ぐ壁部に形成されていることが好ましい。
これにより、ロック構造の簡素な構成を実現することができる。
前記のコルゲートチューブにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記第1引掛け部が、互いに対向するように対で配置される。前記第2引掛け部が、互いに対向するように対で配置される。
これにより、両側から挟み込むような引掛け構造が実現されるので、ロック強度をより向上させることができる。
本発明の他の観点によれば、前記のコルゲートチューブと、前記コルゲートチューブの内部に配置された電線束と、を備えるワイヤハーネスが提供される。
これにより、組立性に優れ、電線束の屈曲部でも当該電線束をコルゲートチューブによって確実に保護できるワイヤハーネスを提供することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るコルゲートチューブ1の全体的な構成を示す斜視図である。図2は、コルゲートチューブ1のロック構造を説明する概略平面図である。図3は、コルゲートチューブ1を軸線と垂直に切った概略断面図である。図4は、第1引掛け部3及び第2引掛け部4の構成を詳細に示す拡大斜視図である。図5は、コルゲートチューブ1のスリット5を閉鎖してロックした状態を示す概略平面図である。
本実施形態のコルゲートチューブ1は、図1に示すように、適宜の可撓性を有する素材で円筒状に成形された筒体2を有している。筒体2の外周面には、周方向に延びる凸条6と、周方向に延びる凹条7と、が軸方向に交互に繰り返し形成されている。従って、軸線を含む平面でコルゲートチューブ1を切った断面の輪郭は、凹凸が交互に繰り返される波型形状となる。なお、筒体2の厚みはほぼ一定であるので、筒体2の内周面においては、凸条6の形成箇所に対応する位置に内側凹条8が、凹条7の形成箇所に対応する位置に内側凸条9が、それぞれ形成されることになる。
図示しない電線束を挿入し易くするために、図1及び図2等に示すように、筒体2には、コルゲートチューブ1の長手方向に平行な貫通状のスリット5が形成されている。なお、スリット5やその周辺の構成を分かり易く示すために、図1には、スリット5を斜め上に向けた状態が示されている。
このスリット5により、軸線に垂直な平面で筒体2を切った断面は、図3に示すように、円環の一部を切り欠いた円弧状となっている。以下、筒体2がスリット5で分割された一側の端部2aを単に「筒体の一側端部」と、他側の端部2bを単に「筒体の他側端部」と、それぞれ呼ぶことがある。
筒体2の外周面に形成されるそれぞれの凸条6の幅は、図2に示すように、筒体2の一側端部2aから他側端部2bに近づくにつれて、緩やかに細くなっている。これに伴い、筒体2の内周面に形成されるそれぞれの内側凹条8の幅も、筒体2の一側端部2aから他側端部2bに近づくにつれて、緩やかに細くなっている。このようにテーパ状に構成することで、図5に示すように、筒体2の一側端部2aにある凸条6の内側(内側凹条8)に、他側端部2bにある凸条6を差し込むことができる。
図2から図4までに示すように、筒体2が備えるそれぞれの凸条6(内側凹条8)において、一側端部2aにおいて第1引掛け部3が、他側端部2bにおいて第2引掛け部4が、それぞれ形成されている。上記のとおり、第1引掛け部3及び第2引掛け部4は凸条6の1つずつに設けられているので、第1引掛け部3及び第2引掛け部4は、コルゲートチューブ1の長手方向の両端部及び中途部を含めて多数配置されることになる。第1引掛け部3及び第2引掛け部4は、コルゲートチューブ1の凸条6(凹条7)のピッチと等しいピッチで、スリット5と平行に並べて配置されている。
第1引掛け部3及び第2引掛け部4は、スリット5の近傍に、また、スリット5と平行な向きにそれぞれ並べて配置されている。また、第1引掛け部3と第2引掛け部4とは、スリット5を挟んで対となるように配置されている。
次に、第1引掛け部3及び第2引掛け部4の構成について、図4等を参照して詳細に説明する。
第1引掛け部3は、筒体2の一側端部2aにおいて、凸条6の内側にある内側凹条8の幅を狭めるように(内側凹条8を幅方向にくびれさせるように)形成された凸部として構成される。凸部は、凸条6の先端面(図4においては、上側に突出している凸条6の上端に位置する面)と凹条7の底面とを繋ぐ壁部から突出するように形成されている。凸部は、内側凹条8の幅方向中心線を挟んで対称となるように、互いに対向するように対をなして配置されている。また、凸部は、スリット5の深さ方向(コルゲートチューブ1の長手方向に垂直で、かつスリット5の長手方向に垂直な方向)でコルゲートチューブ1を見たときに円弧状となるように形成されており、当該凸部の突出する向きは、コルゲートチューブ1の長手方向(言い換えれば、スリット5の長手方向)と平行になっている。
第2引掛け部4は、筒体2の他側端部2bにおいて、凸条6の幅を狭めるように(凸条6を幅方向にくびれさせるように)形成された凹部として構成される。凹部は、凸条6の先端面(図4においては、上側に突出している凸条6の上端に位置する面)と凹条7の底面とを繋ぐ壁部を凹ませるように形成されている。また、凹部は有底状に形成されている(即ち、凹部は貫通状には形成されていない)。凹部は、凸条6の幅方向中心線を挟んで対称となるように、互いに対向するように対をなして配置されている。また、凹部は、スリット5の深さ方向(コルゲートチューブ1の長手方向に垂直で、かつスリット5の長手方向に垂直な方向)でコルゲートチューブ1を見たときに円弧状となるように形成されており、当該凹部の凹む向きは、コルゲートチューブ1の長手方向(言い換えれば、スリット5の長手方向)と平行になっている。
第1引掛け部3と第2引掛け部4とは、その形状及び位置が互いに対応している。従って、図5に示すように、筒体2の一側端部2aを他側端部2bの外側に被せるようにオーバーラップさせ、第1引掛け部3と第2引掛け部4とを相互に引っ掛けることにより、スリット5を閉鎖した状態でロックすることができる。
この機械的なロックにより、電線束が強く屈曲される部分にコルゲートチューブ1を設置した場合でも、スリット5が開きにくくなり、コルゲートチューブ1を保護テープで巻く箇所を効果的に減らすことができる。
また、上記の実施形態では第1引掛け部3が凸部で構成され、第2引掛け部4が凹部で構成されているが、第2引掛け部4の凹部は有底状に形成されている。従って、コルゲートチューブ1自体の機械的強度を低下させることなく、上記のロックを実現することができる。
なお、筒体2において、スリット5を閉鎖するときに内側でオーバーラップする部分(前記の他側端部2b)には、図3に示すように、スリット5の内壁と筒体2(内側凸条9)の内周面とを繋ぐようにテーパ部(角落とし部)11が形成されている。これにより、スリット5を閉鎖したときに、スリット5の内壁と筒体2(内側凸条9)の内周面とが繋がる場所のエッジが、コルゲートチューブ1の内部の電線束に接触して損傷させるのを防止することができる。
以上に説明したように、本実施形態のコルゲートチューブ1は、周方向に延びる凸条6と、周方向に延びる凹条7と、が長手方向に交互に並んで配置された筒体2を備え、筒体2の長手方向にスリット5が形成される。スリット5により分割された一側に、凸部からなる第1引掛け部3が形成され、他側に、有底状の凹部からなる第2引掛け部4が形成される。第1引掛け部3と第2引掛け部4は、互いに対応する形状を有する。第1引掛け部3及び前記第2引掛け部4が、少なくとも、筒体2の長手方向両端部と、長手方向中途部と、に配置されている。
これにより、スリット5によってコルゲートチューブ1に電線束を挿入し易くできるとともに、電線束の屈曲部分にコルゲートチューブ1を設置する場合でも、第1引掛け部3と第2引掛け部4からなるロック構造により、スリット5(特に、スリット5の長手方向中途部)が開いて内部の電線束が露出するのを防止できる。また、第1引掛け部3が凸部であり、第2引掛け部4も有底状の凹部であるので、コルゲートチューブ1に貫通孔を形成する必要がなくなり、コルゲートチューブ1の機械的強度を良好に維持することができる。
また、本実施形態のコルゲートチューブ1においては、スリット5により分割された筒体2の両側の端部2a,2bのうち、第1引掛け部3と第2引掛け部4を互いに引っ掛けるときに内側に位置する端部(他側端部2b)において、スリット5の内壁と筒体2の内周面とを繋ぐようにテーパ部11が形成されている。
これにより、スリット5の内壁と筒体2の内周面とが繋がる部分において、鋭利なエッジが形成されなくなる。従って、コルゲートチューブ1の内部の電線束にエッジが接触して損傷させるのを防止することができる。
また、本実施形態のコルゲートチューブ1においては、第1引掛け部3及び第2引掛け部4が、凸条6(内側凹条8)の1つずつに形成されている。
これにより、コルゲートチューブ1の多数箇所において、第1引掛け部3と第2引掛け部4とによるロックが行われる。従って、堅固なロック構造が実現され、電線束が急激に屈曲する部分にコルゲートチューブ1を設置しても、スリット5の口開きを防止することができる。
また、本実施形態のコルゲートチューブ1においては、(第1引掛け部3の)凸部は、内側凹条8に配置されている。また、当該凸部は、内側凹条8の幅を狭めるように形成されている。
更に、本実施形態のコルゲートチューブ1において、(第2引掛け部4の)凹部は、凸条6に配置されている。また、当該凹部は、凸条6の幅を狭めるように形成されている。
以上により、コンパクトな構成で、スリット5を閉鎖してロックすることができる。
また、本実施形態のコルゲートチューブ1において、第1引掛け部3及び第2引掛け部4が、凸条6の先端面と、凹条7の底面と、を繋ぐ壁部に形成されている。
これにより、ロック構造の簡素な構成を実現することができる。
また、本実施形態のコルゲートチューブ1においては、第1引掛け部3が、互いに対向するように対で配置される。第2引掛け部4が、互いに対向するように対で配置される。
これにより、両側から挟み込むような引掛け構造が実現されるので、ロック強度をより向上させることができる。
また、本実施形態のコルゲートチューブ1の内部に図示しない電線束を配置することで、ワイヤハーネスを得ることができる。
これにより、組立性に優れ、電線束の屈曲部でも当該電線束をコルゲートチューブ1によって確実に保護できるワイヤハーネスを提供することができる。
次に、上記実施形態の変形例を、図6から図10までを参照して説明する。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図6に示す第1変形例では、上記の実施形態(図4)とは逆に、第1引掛け部3を凹部とし、第2引掛け部4を凸部としている。このように、第1引掛け部3と第2引掛け部4の凹凸の関係を逆にしても良い。
図7に示す第2変形例では、第1引掛け部3が、内側凹条8の内周面に形成された、径方向外側に凹む円柱状かつ有底状の凹部とされている。この凹部は、凸条6の外周面に形成された突起31の内部に形成されており、有底状の凹部となっている。第2引掛け部4は、凸条6の外周面に形成された、径方向外側に突出する円柱状の凸部とされている。
図8に示す第3変形例では、第1引掛け部3が、内側凹条8の内周面に形成された、径方向内側に突出する円柱状の凸部とされている。第2引掛け部4は、凸条6の外周面に形成された、径方向内側に凹む円柱状の凹部とされている。この凹部は、内側凹条8の内周面に形成された突起32の内部に形成されており、有底状の凹部となっている。
図9に示す第4変形例では、第1引掛け部3が、内側凹条8の内周面に形成された、径方向内側に突出する直方体状の凸部とされている。第2引掛け部は、凸条6の外周面に形成された、径方向外側に突出する直方体状の凸部とされている。第1引掛け部3と第2引掛け部4とは、図9に破線のハッチングで示した面同士を接触させることで、互いに引っ掛けることができる。このように、第1引掛け部3と第2引掛け部4の両方を凸状に構成しても良い。
図10に示す第5変形例では、第1引掛け部3が、内側凹条8の内周面に形成された、径方向外側に凹む台形状の凹部とされている。第2引掛け部4は、凸条6の外周面に形成された、径方向外側に突出する台形状の凸部とされている。ただし、この凸部は、その周囲の部分を適宜凹ませることで形成された相対的な凸部である。
以上に示す変形例のコルゲートチューブによっても、当該コルゲートチューブの機械的強度を大きく低下させずに、スリット5を閉鎖した状態でロックするロック構造を実現することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態においては、第1引掛け部3及び第2引掛け部4は、凸条6の1つずつに(即ち、全ての凸条6に)配置されている。しかしながらこれに限らず、例えば1つおきの凸条6に第1引掛け部3及び第2引掛け部4を配置しても良い。
上記の実施形態においては、図2等に示すように、第1引掛け部3(凸部)は、それぞれ互いに対向するように対をなして配置されている。また、第2引掛け部4(凹部)は、それぞれ互いに対向するように対をなして配置されている。しかしながら、これに限定されず、凸部と凸部(凹部と凹部)を周方向で位置を異ならせて配置しても良い。
上記の実施形態(図2)においては、内側凹条8に第1引掛け部3(凸部)が形成されるのに伴って、当該凸部に対応した位置に、凸条6をくびれさせるように両側に凹みが形成されている。しかしながら、この凹みをなくすように構成することもできる。
上記の実施形態及び変形例においては何れも、第1引掛け部3及び第2引掛け部4は、凸条6(内側凹条8)に配置されている。しかしながら、これに限らず、第1引掛け部及び第2引掛け部を凹条7(内側凸条9)に配置しても良い。
角落とし部の構成としては、図3のように直線テーパ状のテーパ部11とする構成に限定されず、例えば円弧状に形成することができる。また、この角落とし部は、上記の他側端部2bだけでなく一側端部2aにも形成することができる。
第1引掛け部3及び第2引掛け部4の形状、コルゲートチューブ1の径及び長さ等は、図1等に示したものに限定されず、事情に応じて適宜変更することができる。
1 コルゲートチューブ
2 筒体
2a 一側端部
2b 他側端部
3 第1引掛け部
4 第2引掛け部
5 スリット
6 凸条
7 凹条
8 内側凹条
9 内側凸条
11 テーパ部(角落とし部)
2 筒体
2a 一側端部
2b 他側端部
3 第1引掛け部
4 第2引掛け部
5 スリット
6 凸条
7 凹条
8 内側凹条
9 内側凸条
11 テーパ部(角落とし部)
Claims (8)
- 周方向に延びる凸条と、周方向に延びる凹条と、が長手方向に交互に並んで配置された筒体を備え、前記筒体の長手方向にスリットが形成されたコルゲートチューブであって、
前記スリットにより分割された一側に第1引掛け部が形成され、他側に第2引掛け部が形成され、
前記第1引掛け部及び前記第2引掛け部のうち一方は凸部からなり、他方は凸部又は有底状の凹部からなり、
前記第1引掛け部と前記第2引掛け部は、互いに対応する形状を有し、
前記第1引掛け部及び前記第2引掛け部が、少なくとも、前記筒体の長手方向両端部と、長手方向中途部と、に配置されていることを特徴とするコルゲートチューブ。 - 請求項1に記載のコルゲートチューブであって、
前記スリットにより分割された前記筒体の両側の端部のうち、前記第1引掛け部と前記第2引掛け部を互いに引っ掛けるときに内側に位置する端部において、前記スリットの内壁と前記筒体の内周面とを繋ぐように角落とし部が形成されることを特徴とするコルゲートチューブ。 - 請求項1又は2に記載のコルゲートチューブであって、
前記第1引掛け部及び第2引掛け部が、前記凸条又は前記凹条の1つずつに形成されていることを特徴とするコルゲートチューブ。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載のコルゲートチューブであって、
前記凸部は、前記凸条に対応して前記筒体の内周面に形成された内側凹条、又は、前記凹条に配置され、
前記凸部は、前記内側凹条又は前記凹条の幅を狭めるように形成されていることを特徴とするコルゲートチューブ。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載のコルゲートチューブであって、
前記凹部は、前記凸条、又は、前記凹条に対応して前記筒体の内周面に形成された内側凸条に配置され、
前記凹部は、前記凸条又は前記内側凸条の幅を狭めるように形成されていることを特徴とするコルゲートチューブ。 - 請求項5に記載のコルゲートチューブであって、
前記第1引掛け部及び前記第2引掛け部が、前記凸条の先端面と前記凹条の底面を繋ぐ壁部に形成されていることを特徴とするコルゲートチューブ。 - 請求項1から6までの何れか一項に記載のコルゲートチューブであって、
前記第1引掛け部が、互いに対向するように対で配置され、
前記第2引掛け部が、互いに対向するように対で配置されることを特徴とするコルゲートチューブ。 - 請求項1から7までの何れか一項に記載のコルゲートチューブと、
前記コルゲートチューブの内部に配置された電線束と、
を備えることを特徴とするワイヤハーネス。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017198257A (ja) * | 2016-04-26 | 2017-11-02 | 古河樹脂加工株式会社 | コルゲート管 |
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JP2003079021A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-14 | Yazaki Corp | コルゲートチューブ及びその形成方法 |
JP2012239306A (ja) * | 2011-05-11 | 2012-12-06 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | コルゲートチューブ |
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2014
- 2014-11-10 JP JP2014227749A patent/JP2016093046A/ja active Pending
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