JP2016092755A - 圧電振動片および圧電振動子 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明によれば、支持腕部の側面に形成されたテーパ面が支持腕部の厚さ方向に対して傾斜しているため、電極膜をフォトリソグラフィ法によってパターニングする際に、テーパ面に形成された電極膜上のレジスト膜を支持腕部の厚さ方向から露光することが可能になる。これにより、支持腕部の側方から露光する必要がないため、電極形成時における露光の工数の増加を抑制できる。そしてテーパ面は、支持腕部の側面における一対のマウント電極の間に対応する位置に形成されているため、各マウント電極に接続し、支持腕部の側面に引き回される電極を、互いに絶縁した状態にパターニングすることができる。したがって、小型化に伴う実装時の短絡を防止できる圧電振動片が得られる。
一般にエッチング残りにより発生する異形部には、結晶面がテーパ面として現れる。したがって、本発明によれば、側面にテーパ面を有する支持腕部を容易に形成することができる。
一般に、エッチング残りは隙間の小さい部分で顕著に発生しやすいという性質を有する。したがって、本発明によれば、支持腕部の側面に段差部を形成することで、段差部の隅部に異形部を容易に形成することができる。
本発明によれば、振動腕部によって励起された振動が、基部を介して支持腕部に伝搬するルートを狭くできるので、振動を振動腕部に閉じ込めることができる。これにより、小型化された圧電振動片の振動漏れを効果的に抑制でき、CI値が上昇するのを抑え、出力信号の品質が低下するのを抑えることができる。
本発明によれば、振動する一対の振動腕部が、パッケージに対して固定される支持腕部を中心に対称に配置されるため、振動特性を向上させることができる。また、パッケージへの固定部を基部に設ける必要がないため、圧電振動片の長さを短く形成でき、圧電振動片を小型化することができる。
本発明によれば、上記圧電振動片は、小型化に伴う実装時の短絡を防止できるため、信頼性に優れた小型な圧電振動子が得られる。
(第1実施形態、圧電振動子)
図1は、圧電振動子の外観斜視図である。図2は、圧電振動子の内部構成図であって、封口板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。図3は、図2のIII−III線における断面図である。図4は、圧電振動子の分解斜視図である。
パッケージ本体5は、互いに重ね合わされた状態で接合された第1ベース基板10および第2ベース基板11と、第2ベース基板11上に接合されたシールリング12と、を備えている。
また、第2ベース基板11の上面は、圧電振動片3がマウントされる内壁に対応する実装面11aとされている。
なお、他方の接続電極24Bは、後述する凹部17を回避するように、例えばシールリング12の下方を該シールリング12に沿って延在するようにパターニングされている。
図5は、第1実施形態に係る圧電振動片の平面図であって、パッケージへ実装した状態において実装面側から見たときの平面図である。図6は、第1実施形態に係る圧電振動片の平面図であって、パッケージへ実装した状態において封口板側から見たときの平面図である。なお、図5および図6では、わかりやすくするために、後述する各電極51〜56に対して便宜上ハッチングを付している。
圧電振動片3は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。なお、以下の説明では、圧電材料として水晶を例に挙げて説明する。図5および図6に示すように、圧電振動片3は、所定方向に延びるとともに、並んで配置された一対の振動腕部31,32と、一対の振動腕部31,32の基端31b,32b同士を接続する基部33と、一対の振動腕部31,32の間において基部33に基端が接続する支持腕部34と、を有する。
図7に示すように、一対の振動腕部31,32は、厚さ方向(Z方向)両側の両主面31c,32c上に、Y方向に沿ってそれぞれ形成された溝部41を備えている。図5および図6に示すように、溝部41は、例えば、振動腕部31,32の基端31b,32bから、先端31a,32a側の幅が拡大される部分に至る間に形成されている。
支持腕部34は、各段差部37において、側面から突出する第1異形部38および第2異形部39(以下「各異形部38,39」という場合がある。)を備えている。
図8に示すように、第1異形部38は、断面視三角形状で、Z方向に対して傾斜した平面状の一対のテーパ面38aを有する。図5および図8に示すように、一対のテーパ面38aのうち、−Z側のテーパ面38aは、段差部37の隅部において支持腕部34のマウント面34aに接続するとともに、(+X,−Y)方向に向かうにしたがい+Z方向に向かって傾斜している。図6および図8に示すように、一対のテーパ面38aのうち、+Z側のテーパ面38aは、段差部37の隅部において支持腕部34の反マウント面34bに接続するとともに、(+X,−Y)方向に向かうにしたがい−Z方向に向かって傾斜している。そして、一対のテーパ面38aは、(+X,−Y)側の端辺同士が接続している。図5に示すように、上記構成により第1異形部38は、Z方向から見て+X側の段差部37の隅部を埋めるように形成されている。
また、図5に示すように、基部33のマウント面上には、第2励振電極52の部分電極52b,52dにおける−Y側の一対の端部同士を接続する部分電極56eが形成されている。
第1マウント電極53から第1引き回し電極55を経由して第1励振電極51まで至る導電部は、連続してパターニングされることによって形成されている。また、第2マウント電極54から第2引き回し電極56を経由して第2励振電極52まで至る導電部は、連続してパターニングされることによって形成されている。
以下、本実施形態の圧電振動片3の製造方法について説明する。なお、以下の説明における各構成部品の符号については、図5および図6を参照されたい。
図9は、第1実施形態に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。
まず外形形成工程S1を行う。外形形成工程S1では、圧電材料からなるウエハから圧電振動片3の外形を有する圧電板を形成する。
具体的には、まずウエハの両面にエッチング保護膜およびフォトレジスト膜を順に成膜する。次いで、圧電振動片3の外形パターンが形成された外形形成用フォトマスクを用いて、フォトレジスト膜を露光し、フォトレジスト膜に圧電振動片3の外形パターンを形成する。なお、外形形成用フォトマスクの遮光パターンは、圧電振動片3の外形のうち各異形部38,39を除く領域のZ方向視における形状に一致している。
この際、圧電板にはエッチング残りが形成される。エッチング残りは、隙間の小さい部分で顕著に発生しやすいという性質を有する。このため本実施形態では、エッチング残りは、各異形部38,39として、幅狭部35と幅広部36とにより形成された段差部37の隅部に形成される。なお、各異形部38,39が有する各テーパ面38a,39aは、上述のように水晶結晶の自然結晶面により形成され、面方向がZ方向に対して傾斜している。
次いで、エッチング保護膜およびフォトレジスト膜を除去する。
次に溝部形成工程S3を行う。溝部形成工程S3では、圧電板の振動腕部31,32上に溝部41を形成する。
具体的には、圧電板の全面に、再度エッチング保護膜およびフォトレジスト膜を順に成膜する。次いで、遮光パターンとして溝部41の外形パターンが形成された溝部形成用フォトマスクを用いて、外形形成工程S1における外形マスクの形成と同様に、エッチング保護膜による溝部41の外形マスクを形成する。次いで、圧電板に対してハーフエッチングを行い、溝部41を形成する。その後、エッチング保護膜およびフォトレジスト膜を除去することで、溝部41を備える圧電板が形成される。
次に電極成膜工程S5を行う。電極成膜工程S5では、圧電板の全面に、スパッタリング法や蒸着法などにより電極膜を成膜する。電極膜は、金等の金属の単層膜や、クロム等の金属を下地層とし、金等の金属を上地層とした積層膜などで形成されている。
次にレジスト成膜工程S7を行う。レジスト成膜工程S7では、スピンコート法などにより電極膜の表面にレジスト材料を塗布して、フォトレジスト膜を形成する。このレジスト材料は紫外光に感光感度を持つ樹脂をベースとした化合物であり、本実施形態では露光された部分が軟化して除去可能な、いわゆるポジ型のフォトレジストを採用している。
次に露光工程S9を行う。露光工程S9では、圧電板の両主面のフォトレジスト膜をZ方向両側から露光する。
具体的には、まず第1の電極形成用フォトマスクを用いて、圧電板の+Z側の主面上のフォトレジスト膜に対してZ方向に沿って紫外光を露光する。第1の電極形成用フォトマスクにおける遮光パターンは、圧電振動片3の反マウント面上における各電極51〜56の形状に一致している。この際、圧電板のうち、面方向がZ方向に沿う側面は露光されない一方で、面方向がZ方向に対して傾斜している各テーパ面38a,39aは露光される。
次に、エッチング工程S11を行う。エッチング工程S11では、エッチングマスクを介して電極膜のエッチングを行い、マスクされていない電極膜を選択的に除去する。このエッチング加工には、電極膜およびエッチングマスクが形成された圧電板を、薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。
この際、各テーパ面38a,39a上には、電極膜が露出した状態にあるため、エッチング加工により各テーパ面38a,39a上の電極膜は完全に除去される。これにより、支持腕部34の側面における電極膜は、各異形部38,39を挟んで幅狭部35側と幅広部36側とで分割され、各引き回し電極55,56を互いに絶縁した状態にパターニングすることができる。
次に、レジスト剥離工程S13を行う。レジスト剥離工程S13では、上記エッチングマスクを除去する。これにより、図5および図6に示すように、圧電振動片3が形成される。
以上により、圧電振動片3の製造は終了する。
この構成によれば、支持腕部34の側面に形成された各テーパ面38a,39aが、Z方向に対して傾斜しているため、電極膜をフォトリソグラフィ法によってパターニングする際に、各テーパ面38a,39aに形成された電極膜上のレジスト膜をZ方向から露光することが可能になる。これにより、支持腕部34の側方から露光する必要がないため、電極形成時における露光の工数の増加を抑制できる。そして各テーパ面38a,39aは、支持腕部34の側面における各マウント電極53,54の間に対応する位置に形成されているため、支持腕部34の側面に引き回される各引き回し電極55,56を互いに絶縁した状態にパターニングすることができる。したがって、小型化に伴う実装時の短絡を防止できる圧電振動片3が得られる。
一般にエッチング残りにより発生する各異形部38,39には、水晶結晶の自然結晶面が各テーパ面38a,39aとして現れるしたがって、側面に各テーパ面38a,39aを有する支持腕部34を容易に形成することができる。
一般に、エッチング残りは隙間の小さい部分で顕著に発生しやすいという性質を有する。したがって、支持腕部34の側面に段差部37を形成することで、段差部37の隅部に各異形部38,39を容易に形成することができる。
この構成によれば、振動する一対の振動腕部31,32が、パッケージ2に対して固定される支持腕部34を中心に対称に配置されるため、振動特性を向上させることができる。また、パッケージ2への固定部を基部33に設ける必要がないため、圧電振動片3の長さを短く形成でき、圧電振動片3を小型化することができる。
図10〜14は、第1実施形態に係る他の圧電振動片の平面図であり、マウント面側から見たときの平面図である。
これに対して、図10に示すように、支持腕部34の段差部37は、Z方向視において鋭角な隅部および角部を有する段差形状に形成されてもよい。この形状によれば、段差部37の隅部が狭くなるため、隙間の小さい部分で顕著に発生しやすい各異形部38,39(エッチング残り)をより確実に形成することができる。
また、図11に示すように、支持腕部34の段差部37は、Z方向視において、複数段の段差形状に形成されてもよい。この形状によれば、段差部37の段差の数に応じて各異形部38,39が形成されるため、支持腕部34の側面において各引き回し電極55,56を先端側と基端側との間でより確実に分割することができる。
これに対して、図12に示すように、支持腕部34は、Z方向視において、先端側の幅が段差部37を介した基端側の幅より狭い、先細りの形状に形成されてもよい。この形状によれば、支持腕部34の基端における幅を広く確保することができるため、支持腕部34と基部33との接続部における機械的強度を高めることができる。なお、この場合、図13に示すように、段差部37が有する隅部および角部は鈍角であってもよい。
また、図14に示すように、支持腕部34は、Z方向視において、延在方向の中心軸が段差部37を介して先端側と基端側とでX方向にずれたクランク状に形成されてもよい。この形状によれば、支持腕部34の幅が一対の段差部37の間で狭くなるため、パッケージ2への実装時にマウント面34a上において濡れ広がる導電性接着剤が、一対の段差部37の間を越えて濡れ広がることを抑制できる。
次に第1実施形態の変形例に係る圧電振動片について説明する。
図15は、第1実施形態の第1変形例に係る圧電振動片の平面図であり、マウント面側から見たときの平面図である。
図15に示す圧電振動片103では、支持腕部134の基端に一対の切欠き部143(ノッチ)を形成した点で、図5に示す第1実施形態と異なっている。なお、図5および図6に示す第1実施形態と同様の構成となる部分については、詳細な説明を省略する。
この構成によれば、振動腕部131,132によって励起された振動が、基部133を介して支持腕部134に伝搬するルートを狭くできるので、振動を振動腕部131,132に閉じ込めることができる。これにより、小型な圧電振動片103の振動漏れを効果的に抑制でき、CI値が上昇するのを抑え、出力信号の品質が低下するのを抑えることができる。
次に第2実施形態の圧電振動片について説明する。
図16は、第2実施形態に係る圧電振動片の平面図であり、マウント面側から見たときの平面図である。図17は、第2実施形態に係る圧電振動片の平面図であり、反マウント面側から見たときの平面図である。
支持腕部234は、Y方向に沿って延在する幅狭部235と、幅狭部235の+Y側の端部から+Y側に向かって延びる幅広部236と、を有している。支持腕部234は、図5に示す第1実施形態の圧電振動片3における支持腕部34と同様に、幅狭部235と幅広部236との間に一対の段差部237を有している。一対の段差部237のうち、+X側の段差部237は、テーパ面238aを備えた第1異形部238を有している。一対の段差部237のうち、−X側の段差部237は、テーパ面239aを備えた第2異形部239を有している。
例えば、圧電振動片3の形状は上記形状に限定されるものではなく、振動腕部31,32がY方向に対して最大で5度程度傾斜して延びているような形状であってもよい。
Claims (6)
- 並んで配置された一対の振動腕部と、
前記一対の振動腕部の基端同士を接続する基部と、
前記一対の振動腕部の長手方向に沿って延在し、前記基部に基端が接続する支持腕部と、
前記支持腕部の一方の主面に、前記長手方向に離間して配置された一対のマウント電極と、を備え、
前記支持腕部は、側面における前記一対のマウント電極の間に対応する領域に、前記支持腕部の厚さ方向に対して傾斜したテーパ面を有する、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 前記支持腕部は、前記側面から突出する異形部を備え、
前記テーパ面は、前記異形部に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。 - 前記支持腕部の前記側面には、段差部が形成され、
前記異形部は、前記段差部に形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の圧電振動片。 - 前記支持腕部には、前記一対のマウント電極よりも基端側において、前記側面の一部に切欠き部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電振動片。 - 前記支持腕部は、前記一対の振動腕部の間に配置されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電振動片。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧電振動片を備えることを特徴とする圧電振動子。
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Citations (3)
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JP2006345519A (ja) * | 2005-06-09 | 2006-12-21 | Eta Sa Manufacture Horlogere Suisse | 小型のピエゾ電子共振器 |
JP2014107712A (ja) * | 2012-11-28 | 2014-06-09 | Seiko Epson Corp | 振動片、振動子、発振器、電子機器及び移動体 |
JP2014200043A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | セイコーエプソン株式会社 | 振動子、発振器、電子機器および移動体 |
-
2014
- 2014-11-11 JP JP2014228672A patent/JP6506535B2/ja active Active
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