JP2016092755A - 圧電振動片および圧電振動子 - Google Patents

圧電振動片および圧電振動子 Download PDF

Info

Publication number
JP2016092755A
JP2016092755A JP2014228672A JP2014228672A JP2016092755A JP 2016092755 A JP2016092755 A JP 2016092755A JP 2014228672 A JP2014228672 A JP 2014228672A JP 2014228672 A JP2014228672 A JP 2014228672A JP 2016092755 A JP2016092755 A JP 2016092755A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
support arm
pair
piezoelectric
vibrating piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014228672A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6506535B2 (ja
Inventor
直也 市村
Naoya Ichimura
直也 市村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SII Crystal Technology Inc
Original Assignee
SII Crystal Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SII Crystal Technology Inc filed Critical SII Crystal Technology Inc
Priority to JP2014228672A priority Critical patent/JP6506535B2/ja
Publication of JP2016092755A publication Critical patent/JP2016092755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6506535B2 publication Critical patent/JP6506535B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】小型化に伴う実装時の短絡を防止できる圧電振動片を提供する。【解決手段】圧電振動片3は、並んで配置された一対の振動腕部31,32と、一対の振動腕部31,32の基端31b,32b同士を接続する基部33と、一対の振動腕部31,32の長手方向(Y方向)に沿って延在し、基部33に基端が接続する支持腕部34と、支持腕部34のマウント面34aに、Y方向に離間して配置された一対のマウント電極53,54と、を備えている。支持腕部34は、側面における一対のマウント電極53,54の間に対応する領域に、支持腕部34の厚さ方向に対して傾斜したテーパ面38a,39aを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、圧電振動片および圧電振動子に関するものである。
例えば、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等に用いられるデバイスとして、水晶等を利用した圧電振動子を用いる場合が多い。この種の圧電振動子として、キャビティが形成されたパッケージ内に圧電振動片を気密封止したものが知られている。
圧電振動片としては、いわゆるセンターアームタイプのものが知られている。特許文献1には、基部によって互いに接続され、振動させるための電極を備えている2つの振動腕部を有する、いわゆるセンターアームタイプの圧電振動片が記載されている。
ところで、この種の圧電振動片では、支持腕部の一方の主面(マウント面)に設けられた2つのマウント電極と各振動腕部上に設けられた2系統の励振電極とは、基部を経由して形成された2系統の引き回し電極を介してそれぞれ接続されている。また、2つのマウント電極の互いの絶縁性を確保するために、それぞれのマウント電極は、支持腕部の長さ方向に間隔をおいて配置されている。したがって、支持腕部の表面上において、支持腕部の先端側に位置するマウント電極に接続された引き回し電極は、支持腕部の基端側に位置するマウント電極の近傍を通過することになる。
ところで、圧電振動片のパッケージへの実装時、支持腕部の基端側に位置するマウント電極を接合する導電性接合材が押し潰されて濡れ広がる。このため、特に圧電振動片の小型化の要求を満たすべく、支持腕部の幅寸法を狭くした場合には、基端側に位置するマウント電極と、支持腕部の先端側に位置するマウント電極に接続された引き回し電極とが、導電性接合材を介して短絡するおそれがある。
特開2003−163568号公報
そこで、2系統の引き回し電極を、支持腕部の幅方向の両側面にそれぞれ形成し、支持腕部のマウント面とは反対側の主面にて引き回すことにより、マウント面において互いに絶縁されたマウント電極と引き回し電極とを十分に離間させることができる。これにより、互いに絶縁されたマウント電極と引き回し電極との短絡を防止することができると考えられる。
ところで、上述の圧電振動片のように、引き回し電極を支持腕部の側面に形成する場合には、側面に成膜された電極膜を分割して2系統の引き回し電極を形成する必要がある。しかしながら、支持腕部の側面は、主面に対して直交するように形成されているため、従来の各電極を形成する露光プロセスでは側面を十分に露光することができず、側面の電極膜をパターニングすることは困難である。したがって、従来技術では、小型化に伴う実装時の短絡を防止できる圧電振動片を提供することが困難であった。
そこで本発明は、小型化に伴う実装時の短絡を防止できる圧電振動片および圧電振動子を提供するものである。
本発明の圧電振動片は、並んで配置された一対の振動腕部と、前記一対の振動腕部の基端同士を接続する基部と、前記一対の振動腕部の長手方向に沿って延在し、前記基部に基端が接続する支持腕部と、前記支持腕部の一方の主面に、前記長手方向に離間して配置された一対のマウント電極と、を備え、前記支持腕部は、側面における前記一対のマウント電極の間に対応する領域に、前記支持腕部の厚さ方向に対して傾斜したテーパ面を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、支持腕部の側面に形成されたテーパ面が支持腕部の厚さ方向に対して傾斜しているため、電極膜をフォトリソグラフィ法によってパターニングする際に、テーパ面に形成された電極膜上のレジスト膜を支持腕部の厚さ方向から露光することが可能になる。これにより、支持腕部の側方から露光する必要がないため、電極形成時における露光の工数の増加を抑制できる。そしてテーパ面は、支持腕部の側面における一対のマウント電極の間に対応する位置に形成されているため、各マウント電極に接続し、支持腕部の側面に引き回される電極を、互いに絶縁した状態にパターニングすることができる。したがって、小型化に伴う実装時の短絡を防止できる圧電振動片が得られる。
上記の圧電振動片において、前記支持腕部は、前記側面から突出する異形部を備え、前記テーパ面は、前記異形部に形成されている、ことを特徴とする。
一般にエッチング残りにより発生する異形部には、結晶面がテーパ面として現れる。したがって、本発明によれば、側面にテーパ面を有する支持腕部を容易に形成することができる。
上記の圧電振動片において、前記支持腕部の前記側面には、段差部が形成され、前記異形部は、前記段差部に形成されている、ことを特徴とする。
一般に、エッチング残りは隙間の小さい部分で顕著に発生しやすいという性質を有する。したがって、本発明によれば、支持腕部の側面に段差部を形成することで、段差部の隅部に異形部を容易に形成することができる。
上記の圧電振動片において、前記支持腕部には、前記一対のマウント電極よりも基端側において、前記側面の一部に切欠き部が形成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、振動腕部によって励起された振動が、基部を介して支持腕部に伝搬するルートを狭くできるので、振動を振動腕部に閉じ込めることができる。これにより、小型化された圧電振動片の振動漏れを効果的に抑制でき、CI値が上昇するのを抑え、出力信号の品質が低下するのを抑えることができる。
上記の圧電振動片において、前記支持腕部は、前記一対の振動腕部の間に配置されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、振動する一対の振動腕部が、パッケージに対して固定される支持腕部を中心に対称に配置されるため、振動特性を向上させることができる。また、パッケージへの固定部を基部に設ける必要がないため、圧電振動片の長さを短く形成でき、圧電振動片を小型化することができる。
本発明の圧電振動子は、上記の圧電振動片を備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記圧電振動片は、小型化に伴う実装時の短絡を防止できるため、信頼性に優れた小型な圧電振動子が得られる。
本発明によれば、支持腕部の側面に形成されたテーパ面が支持腕部の厚さ方向に対して傾斜しているため、電極膜をフォトリソグラフィ法によってパターニングする際に、テーパ面に形成された電極膜上のレジスト膜を支持腕部の厚さ方向から露光することが可能になる。これにより、支持腕部の側方から露光する必要がないため、電極形成時における露光の工数の増加を抑制できる。そしてテーパ面は、支持腕部の側面における一対のマウント電極の間に対応する位置に形成されているため、各マウント電極に接続し、支持腕部の側面に引き回される電極を、互いに絶縁した状態にパターニングすることができる。したがって、小型化に伴う実装時の短絡を防止できる圧電振動片が得られる。
圧電振動子の外観斜視図である。 圧電振動子の内部構成図である。 図2のIII−III線における断面図である。 圧電振動子の分解斜視図である。 第1実施形態に係る圧電振動片の平面図である。 第1実施形態に係る圧電振動片の平面図である。 図5のVII−VII線における断面図である。 図5のVIII−VIII線における断面図である。 第1実施形態に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る他の圧電振動片の平面図である。 第1実施形態に係る他の圧電振動片の平面図である。 第1実施形態に係る他の圧電振動片の平面図である。 第1実施形態に係る他の圧電振動片の平面図である。 第1実施形態に係る他の圧電振動片の平面図である。 第1実施形態の変形例に係る圧電振動片の平面図である。 第2実施形態に係る圧電振動片の平面図である。 第2実施形態に係る圧電振動片の平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態、圧電振動子)
図1は、圧電振動子の外観斜視図である。図2は、圧電振動子の内部構成図であって、封口板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。図3は、図2のIII−III線における断面図である。図4は、圧電振動子の分解斜視図である。
図1から図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ2と、キャビティC内に収容された音叉型の圧電振動片3と、を備えたセラミックパッケージタイプの表面実装型振動子とされている。
パッケージ2は、パッケージ本体5と、このパッケージ本体5に対して接合されると共に、パッケージ本体5との間にキャビティCを形成する封口板6と、を備えている。
パッケージ本体5は、互いに重ね合わされた状態で接合された第1ベース基板10および第2ベース基板11と、第2ベース基板11上に接合されたシールリング12と、を備えている。
第1ベース基板10および第2ベース基板11の四隅には、平面視1/4円弧状の切欠部15が、両ベース基板10,11の厚み方向の全体に亘って形成されている。これら第1ベース基板10および第2ベース基板11は、例えばウエハ状のセラミック基板を2枚重ねて接合した後、両セラミック基板を貫通する複数のスルーホールを行列状に形成し、その後、各スルーホールを基準としながら両セラミック基板を格子状に切断することで作製される。その際、スルーホールが4分割されることで、切欠部15となる。
また、第2ベース基板11の上面は、圧電振動片3がマウントされる内壁に対応する実装面11aとされている。
なお、第1ベース基板10および第2ベース基板11はセラミックス製としたが、その具体的なセラミックス材料としては、例えばアルミナ製のHTCC(High Temperature Co−Fired Ceramic)や、ガラスセラミックス製のLTCC(Low Temperature Co−Fired Ceramic)等が挙げられる。
シールリング12は、第1ベース基板10および第2ベース基板11の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材であり、第2ベース基板11の実装面11aに接合されている。具体的には、シールリング12は、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付けによって実装面11a上に接合、あるいは、実装面11a上に形成(例えば、電解メッキや無電解メッキの他、蒸着やスパッタ等により)された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
なお、シールリング12の材料としては、例えばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42−アロイ等から選択すれば良い。特に、シールリング12の材料としては、セラミック製とされている第1ベース基板10および第2ベース基板11に対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。例えば、第1ベース基板10および第2ベース基板11として、熱膨張係数6.8×10-6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング12としては、熱膨張係数5.2×10-6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5〜6.5×10-6/℃の42−アロイを用いることが好ましい。
封口板6は、シールリング12上に重ねられた導電性基板であり、シールリング12に対する接合によってパッケージ本体5に対して気密に接合されている。そして、この封口板6とシールリング12と第2ベース基板11の実装面11aとで画成された空間が、気密に封止された前記キャビティCとして機能する。
なお、封口板6の溶接方法としては、例えばローラ電極を接触させることによるシーム溶接や、レーザ溶接、超音波溶接等が挙げられる。また、封口板6とシールリング12との溶接をより確実なものとするため、互いになじみの良いニッケルや金等の接合層を、少なくとも封口板6の下面と、シールリング12の上面とにそれぞれ形成することが好ましい。
ところで、第2ベース基板11の実装面11aには、圧電振動片3との接続電極である一対の電極パッド20A,20Bが圧電振動子1の長手方向に間隔をあけて形成されていると共に、第1ベース基板10の下面には、一対の外部電極21A,21Bが圧電振動子1の長手方向に間隔をあけて形成されている。これら電極パッド20A,20Bおよび外部電極21A,21Bは、例えば蒸着やスパッタ等で形成された単一金属による単層膜、又は異なる金属が積層された積層膜であり、互いにそれぞれ導通している。
すなわち、第1ベース基板10には、一方の外部電極21Aに導通し、第1ベース基板10をその厚み方向に貫通する一方の第1貫通電極22Aが形成されている。また、第2ベース基板11には、一方の電極パッド20Aに導通し、第2ベース基板11をその厚み方向に貫通する一方の第2貫通電極23Aが形成されている。そして、第1ベース基板10と第2ベース基板11との間に、一方の第1貫通電極22Aと一方の第2貫通電極23Aとを接続する一方の接続電極24Aが形成されている。これにより、一方の電極パッド20Aと一方の外部電極21Aとが互いに導通している。
また、第1ベース基板10には、他方の外部電極21Bに導通し、第1ベース基板10をその厚み方向に貫通する他方の第1貫通電極22Bが形成されている。また、第2ベース基板11には、他方の電極パッド20Bに導通し、第2ベース基板11をその厚み方向に貫通する他方の第2貫通電極23Bが形成されている。そして、第1ベース基板10と第2ベース基板11との間に、他方の第1貫通電極22Bと他方の第2貫通電極23Bとを接続する他方の接続電極24Bが形成されている。これにより、他方の電極パッド20Bと他方の外部電極21Bとが互いに導通している。
なお、他方の接続電極24Bは、後述する凹部17を回避するように、例えばシールリング12の下方を該シールリング12に沿って延在するようにパターニングされている。
第2ベース基板11の実装面11aには、後述する圧電振動片3の一対の振動腕部31,32の先端31a,32aに対向する部分に、凹部17が形成されている。この凹部17は、落下等による衝撃の影響によって、振動腕部31,32がその厚み方向に変位(撓み変形)した際に、振動腕部31,32の先端31a,32aとの接触を回避するためのものである。凹部17は、第2ベース基板11を貫通する貫通孔とされていると共に、シールリング12の内側において四隅が丸み帯びた平面視矩形状に形成されている。
(圧電振動片)
図5は、第1実施形態に係る圧電振動片の平面図であって、パッケージへ実装した状態において実装面側から見たときの平面図である。図6は、第1実施形態に係る圧電振動片の平面図であって、パッケージへ実装した状態において封口板側から見たときの平面図である。なお、図5および図6では、わかりやすくするために、後述する各電極51〜56に対して便宜上ハッチングを付している。
圧電振動片3は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。なお、以下の説明では、圧電材料として水晶を例に挙げて説明する。図5および図6に示すように、圧電振動片3は、所定方向に延びるとともに、並んで配置された一対の振動腕部31,32と、一対の振動腕部31,32の基端31b,32b同士を接続する基部33と、一対の振動腕部31,32の間において基部33に基端が接続する支持腕部34と、を有する。
なお、以下圧電振動片3の構成を説明する際には、一対の振動腕部31,32の並設方向をX方向、一対の振動腕部31,32の長手方向をY方向、X方向およびY方向に直交する方向(支持腕部34の厚さ方向)をZ方向とする。ここで、X方向において、支持腕部34に対する振動腕部32側を+X側とし、支持腕部34に対する振動腕部31側を−X側としている。また、Y方向において、振動腕部31,32の先端側を+Y側とし、振動腕部31,32の基端側を−Y側としている。また、Z方向において、圧電振動片3の主面のうち、パッケージ2の実装面11aに対向する主面(図5に示す主面。以下、「マウント面」という。)側を−Z側とし、反対の主面(図6に示す主面。以下、「反マウント面」という。)側を+Z側とする。
図5に示すように、一対の振動腕部31,32は、Y方向に沿って互いに平行に延在し、Y方向における基端31b,32b側を固定端として、先端31a,32a側が自由端として振動する。一対の振動腕部31,32は、例えば、先端31a,32a側の幅が基端31b,32b側に比べて拡大されたハンマーヘッドタイプであって、振動腕部31,32の先端31a,32a側の重量および振動時の慣性モーメントが増大させられている。これによって、振動腕部31,32は振動し易くなり、振動腕部31,32の長さを短くすることができ、小型化が図られている。一対の振動腕部31,32の長さは、例えば1mm程度となっている。なお、一対の振動腕部31,32は、ハンマーヘッドタイプに限定されるものではない。
図7は、図5のVII−VII線における断面図である。
図7に示すように、一対の振動腕部31,32は、厚さ方向(Z方向)両側の両主面31c,32c上に、Y方向に沿ってそれぞれ形成された溝部41を備えている。図5および図6に示すように、溝部41は、例えば、振動腕部31,32の基端31b,32bから、先端31a,32a側の幅が拡大される部分に至る間に形成されている。
一対の振動腕部31,32の表面上には、これら振動腕部31,32をその幅方向(X方向)に振動させる2系統の第1励振電極51および第2励振電極52(以下「各励振電極51,52」という場合がある。)を備えている。各励振電極51,52は、一対の振動腕部31,32の表面上に互いに電気的に絶縁された状態でパターニングされ、一対の振動腕部31,32を所定の周波数で振動させることができるように配設されている。
第1励振電極51は、振動腕部31の溝部41上と、振動腕部32の両側面32d,32e(図7参照)上および先端32a近傍と、に連続して設けられている。具体的には、第1励振電極51は、振動腕部31上において、反マウント面側(+Z側)の溝部41に形成された部分電極51aと、マウント面側(−Z側)の溝部41に形成された部分電極51bと、を有する。また、第1励振電極51は、振動腕部32上において、支持腕部34に対向する側の側面32dに形成された部分電極51cと、外側の側面32eに形成された部分電極51dと、を有する。
また、第2励振電極52は、振動腕部31の両側面31d,31e(図7参照)上および先端31a近傍と、振動腕部32の溝部41上と、に連続して設けられている。具体的には、第2励振電極52は、振動腕部31上において、支持腕部34に対向する側の側面31dに形成された部分電極52aと、外側の側面31eに形成された部分電極52bと、を有する。また、第2励振電極52は、振動腕部32上において、反マウント面側(+Z側)の溝部41に形成された部分電極52cと、マウント面側(−Z側)の溝部41に形成された部分電極52dと、を有する。
基部33は、X方向に沿って延在する矩形状に形成されている。基部33は、X方向の長さが、例えば、0.5mm程度となっている。基部33には、一対の振動腕部31,32の各基端31b,32bが一体に接続固定されている。
支持腕部34は、Y方向に沿って延在する幅狭部35と、幅狭部35の+Y側の端部から+Y側に向かって延びる幅広部36と、を有する。幅狭部35は、−Y側の端部において、基部33のX方向略中央に接続している。幅広部36は、Z方向から見て−Y側の辺におけるX方向略中央において幅狭部35と接続している。これにより幅広部36は、幅狭部35のX方向両側面との間で、一対の段差部37を形成している。
図8は、図5のVIII−VIII線における断面図である。
支持腕部34は、各段差部37において、側面から突出する第1異形部38および第2異形部39(以下「各異形部38,39」という場合がある。)を備えている。
図8に示すように、第1異形部38は、断面視三角形状で、Z方向に対して傾斜した平面状の一対のテーパ面38aを有する。図5および図8に示すように、一対のテーパ面38aのうち、−Z側のテーパ面38aは、段差部37の隅部において支持腕部34のマウント面34aに接続するとともに、(+X,−Y)方向に向かうにしたがい+Z方向に向かって傾斜している。図6および図8に示すように、一対のテーパ面38aのうち、+Z側のテーパ面38aは、段差部37の隅部において支持腕部34の反マウント面34bに接続するとともに、(+X,−Y)方向に向かうにしたがい−Z方向に向かって傾斜している。そして、一対のテーパ面38aは、(+X,−Y)側の端辺同士が接続している。図5に示すように、上記構成により第1異形部38は、Z方向から見て+X側の段差部37の隅部を埋めるように形成されている。
また、図5および図8に示すように、第2異形部39は、第1異形部38と同様に形成され、Z方向に対して傾斜した平面状の一対のテーパ面39aを有する。第2異形部39は、Z方向から見て−X側の段差部37の隅部を埋めるように形成されている。
各異形部38,39は、後述する圧電振動片3の外形を形成するウェットエッチング時に形成されるエッチング残りである。エッチング残りは、水晶が結晶軸毎に異なるエッチングレートを有するという性質により形成される。このため、第1異形部38のテーパ面38aおよび第2異形部39のテーパ面39a(以下「各テーパ面38a,39a」という場合がある。)は、水晶結晶の自然結晶面で形成されている。
図5に示すように、支持腕部34のマウント面34a上には、Y方向に離間して配置された第1マウント電極53および第2マウント電極54(以下「各マウント電極53,54」という場合がある。)が設けられている。各マウント電極53,54は、圧電振動片3をパッケージ2に実装する際のマウント部として機能する。第1マウント電極53は、支持腕部34の幅狭部35に形成され、Y方向において各異形部38,39と重ならない位置に配置されている。第2マウント電極54は、支持腕部34の幅広部36に形成され、Y方向において各異形部38,39と重ならない位置に配置されている。各マウント電極53,54は、支持腕部34のマウント面34a上において、それぞれX方向の全体に亘って配置されている。
図5および図6に示すように、支持腕部34から基部33を経由して一対の振動腕部31,32に至る経路には、第1マウント電極53と第1励振電極51とを接続する第1引き回し電極55と、第2マウント電極54と第2励振電極52とを接続する第2引き回し電極56と、が設けられている。
第1引き回し電極55は、部分電極55a〜55jを有する。部分電極55aは、第1マウント電極53の−X側の辺に連続し、幅狭部35の−X側の側面に形成されている。このとき、部分電極55aは、幅狭部35の−X側の側面の+Y側の領域において、Z方向に沿う面のみに形成されている。すなわち部分電極55aは、第2異形部39のテーパ面39aを除いて形成されている。図6に示すように、この部分電極55aに連続させて、幅狭部35における反マウント面34b上には、Z方向視において第1マウント電極53の−X側の領域と重複する部分電極55bが形成されている。さらに、幅狭部35における反マウント面34b上には、部分電極55bから基部33に向かって、Y方向に沿って延びる部分電極55cが形成されている。基部33の反マウント面上には、部分電極55cの−Y側の端部と、第1励振電極51の部分電極51aにおける−Y側の端部とを接続する部分電極55dが形成されている。
図5および図6に示すように、第1引き回し電極55の部分電極55eは、第1マウント電極53の+X側の辺に連続し、幅狭部35の側面に形成されている。このとき、部分電極55eは、幅狭部35の+X側の側面の+Y側の領域において、Z方向に沿う面のみに形成されている。すなわち部分電極55eは、第1異形部38のテーパ面38aを除いて形成されている。図6に示すように、この部分電極55eに連続させて、幅狭部35における反マウント面34b上には、Z方向視において第1マウント電極53の+X側の領域と重複する部分電極55fが形成されている。さらに、幅狭部35における反マウント面34b上には、部分電極55fから基部33に向かって、Y方向に沿って延びる部分電極55gが形成されている。基部33の反マウント面上には、部分電極55gの−Y側の端部と、第1励振電極51の部分電極51cにおける−Y側の端部とを接続する部分電極55hが形成されている。
また、図5に示すように、幅狭部35におけるマウント面34a上には、第1マウント電極53の−Y側の辺から基部33に向かって突出する部分電極55iが形成されている。さらに、基部33のマウント面上には、部分電極55iの−Y側の端部と、第1励振電極51の部分電極51b,51cにおける−Y側の一対の端部とを接続する部分電極55jが形成されている。
図5および図6に示すように、第2引き回し電極56は、部分電極56a〜56eを有する。部分電極56aは、第2マウント電極54の+Y側の辺およびX方向両側の辺に連続し、幅広部36の側面に形成されている。このとき、部分電極56aは、幅広部36の−Y側の側面において、Z方向に沿う面のみに形成されている。すなわち部分電極56aは、各テーパ面38a,39aを除いて形成されている。
図6に示すように、幅広部36における反マウント面34b上には、部分電極56aに連続させて、Z方向視において第2マウント電極54と重複する部分電極56bが形成されている。さらに、支持腕部34の反マウント面34b上には、部分電極56bの−Y側の辺の中央から基部33に向かって、Y方向に沿って突出する部分電極56cが形成されている。部分電極56cは、第1引き回し電極55の部分電極55bおよび55cと、部分電極55fおよび55gとの間を通っている。基部33の反マウント面上には、部分電極56cの−Y側の端部と、第2励振電極52の部分電極52b,52cにおける−Y側の一対の端部とを接続する部分電極56dが形成されている。
また、図5に示すように、基部33のマウント面上には、第2励振電極52の部分電極52b,52dにおける−Y側の一対の端部同士を接続する部分電極56eが形成されている。
上述のように形成された第1引き回し電極55および第2引き回し電極56(以下「各引き回し電極55,56」という場合がある。)は、互いに絶縁された状態でパターニングされている。後述する各電極51〜56をパターニングする露光時においては、Z方向に対して傾斜している各テーパ面38a,39aも、Z方向からの紫外光の照射により露光することができる。このとき、各テーパ面38a,39aは、マウント面34aおよび反マウント面34bに接続しているため、上記露光時において感光する領域をマウント面34aから各テーパ面38a,39aを介して反マウント面34bに至って連続して設けることができる。これにより、各引き回し電極55,56は、支持腕部34の側面において先端側と基端側とで分割される。
第1マウント電極53から第1引き回し電極55を経由して第1励振電極51まで至る導電部は、連続してパターニングされることによって形成されている。また、第2マウント電極54から第2引き回し電極56を経由して第2励振電極52まで至る導電部は、連続してパターニングされることによって形成されている。
図2から図4に示すように、上記のように構成された圧電振動片3が、気密封止されたパッケージ2のキャビティC内に収容され、圧電振動片3の支持腕部34のマウント面34aに設けられた各マウント電極53,54(図5参照)が、パッケージ2の第2ベース基板11の実装面11aに設けられた2つの電極パッド20A,20Bにそれぞれ導電性接着剤を介して電気的および機械的に接合されている。これにより、圧電振動片3は、支持腕部34により第2ベース基板11の実装面11a上から浮いた状態で支持され、基部33を介して、一対の振動腕部31,32の基端31b,32b側が片持ち支持される。
そして、外部電極21A,21Bに所定の電圧が印加されると、各励振電極51,52に電流が流れ、これら各励振電極51,52同士の相互作用により一対の振動腕部31,32が、例えば互いに接近、離間する方向(X方向)に所定の共振周波数で振動する。この一対の振動腕部31,32の振動は、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源などとして用いられる。
なお、各マウント電極53,54を電極パッド20A,20Bに接合する導電性接合材として、導電性接着剤の代わりに金属バンプを使用することも可能である。導電性接着剤と金属バンプの共通点は、接合初期の段階において流動性を持ち、接合後期の段階において固化して接合強度を発現する性質の導電性接合材であるということである。
(第1実施形態、圧電振動片の製造方法)
以下、本実施形態の圧電振動片3の製造方法について説明する。なお、以下の説明における各構成部品の符号については、図5および図6を参照されたい。
図9は、第1実施形態に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。
図9に示すように、本実施形態の圧電振動片3の製造方法は、圧電材料からなるウエハから圧電振動片3の外形形状を有する圧電板を形成する外形形成工程S1と、圧電板の振動腕部上に溝部を形成する溝部形成工程S3と、圧電板に電極膜を成膜する電極成膜工程S5と、電極膜の表面にフォトレジスト膜を成膜するレジスト成膜工程S7と、フォトレジスト膜を露光する露光工程S9と、電極膜をエッチングするエッチング工程S11と、フォトレジスト膜を除去するレジスト剥離工程S13と、を備えている。
(外形形成工程)
まず外形形成工程S1を行う。外形形成工程S1では、圧電材料からなるウエハから圧電振動片3の外形を有する圧電板を形成する。
具体的には、まずウエハの両面にエッチング保護膜およびフォトレジスト膜を順に成膜する。次いで、圧電振動片3の外形パターンが形成された外形形成用フォトマスクを用いて、フォトレジスト膜を露光し、フォトレジスト膜に圧電振動片3の外形パターンを形成する。なお、外形形成用フォトマスクの遮光パターンは、圧電振動片3の外形のうち各異形部38,39を除く領域のZ方向視における形状に一致している。
次いで、圧電振動片3の外形パターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクとして、エッチング保護膜にエッチングを行い、ウエハの両面にエッチング保護膜による圧電振動片3の外形パターンの外形マスクを形成する。なお、この外形マスクのZ方向視における形状は、圧電振動片3の外形のうち各異形部38,39を除く領域のZ方向視における形状に一致している。この外形マスクを用いてウエハをウェットエッチングすることで、圧電振動片3の外形形状を有する圧電板が形成される。
この際、圧電板にはエッチング残りが形成される。エッチング残りは、隙間の小さい部分で顕著に発生しやすいという性質を有する。このため本実施形態では、エッチング残りは、各異形部38,39として、幅狭部35と幅広部36とにより形成された段差部37の隅部に形成される。なお、各異形部38,39が有する各テーパ面38a,39aは、上述のように水晶結晶の自然結晶面により形成され、面方向がZ方向に対して傾斜している。
次いで、エッチング保護膜およびフォトレジスト膜を除去する。
(溝部形成工程)
次に溝部形成工程S3を行う。溝部形成工程S3では、圧電板の振動腕部31,32上に溝部41を形成する。
具体的には、圧電板の全面に、再度エッチング保護膜およびフォトレジスト膜を順に成膜する。次いで、遮光パターンとして溝部41の外形パターンが形成された溝部形成用フォトマスクを用いて、外形形成工程S1における外形マスクの形成と同様に、エッチング保護膜による溝部41の外形マスクを形成する。次いで、圧電板に対してハーフエッチングを行い、溝部41を形成する。その後、エッチング保護膜およびフォトレジスト膜を除去することで、溝部41を備える圧電板が形成される。
(電極成膜工程)
次に電極成膜工程S5を行う。電極成膜工程S5では、圧電板の全面に、スパッタリング法や蒸着法などにより電極膜を成膜する。電極膜は、金等の金属の単層膜や、クロム等の金属を下地層とし、金等の金属を上地層とした積層膜などで形成されている。
(レジスト成膜工程)
次にレジスト成膜工程S7を行う。レジスト成膜工程S7では、スピンコート法などにより電極膜の表面にレジスト材料を塗布して、フォトレジスト膜を形成する。このレジスト材料は紫外光に感光感度を持つ樹脂をベースとした化合物であり、本実施形態では露光された部分が軟化して除去可能な、いわゆるポジ型のフォトレジストを採用している。
(露光工程)
次に露光工程S9を行う。露光工程S9では、圧電板の両主面のフォトレジスト膜をZ方向両側から露光する。
具体的には、まず第1の電極形成用フォトマスクを用いて、圧電板の+Z側の主面上のフォトレジスト膜に対してZ方向に沿って紫外光を露光する。第1の電極形成用フォトマスクにおける遮光パターンは、圧電振動片3の反マウント面上における各電極51〜56の形状に一致している。この際、圧電板のうち、面方向がZ方向に沿う側面は露光されない一方で、面方向がZ方向に対して傾斜している各テーパ面38a,39aは露光される。
次いで、第2の電極形成用フォトマスクを用いて、圧電板の−Z側の主面上のフォトレジスト膜に対してZ方向に沿って紫外光を露光する。第2の電極形成用フォトマスクにおける遮光パターンは、圧電振動片3のマウント面上における各電極51〜56の形状に一致している。この際、第1の電極形成用フォトマスクを用いた露光と同様に、圧電板のうち、面方向がZ方向に沿う側面は露光されない一方で、面方向がZ方向に対して傾斜している各テーパ面38a,39aは露光される。
フォトレジスト膜を露光した後、現像液によりフォトレジスト膜の不要部分(露光部分)を除去して加熱工程等を経て、フォトレジスト膜を固化させる。これにより、圧電板の外表面上に、電極パターンに対応する形状のエッチングマスクが形成される。
(エッチング工程)
次に、エッチング工程S11を行う。エッチング工程S11では、エッチングマスクを介して電極膜のエッチングを行い、マスクされていない電極膜を選択的に除去する。このエッチング加工には、電極膜およびエッチングマスクが形成された圧電板を、薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。
この際、各テーパ面38a,39a上には、電極膜が露出した状態にあるため、エッチング加工により各テーパ面38a,39a上の電極膜は完全に除去される。これにより、支持腕部34の側面における電極膜は、各異形部38,39を挟んで幅狭部35側と幅広部36側とで分割され、各引き回し電極55,56を互いに絶縁した状態にパターニングすることができる。
(レジスト剥離工程)
次に、レジスト剥離工程S13を行う。レジスト剥離工程S13では、上記エッチングマスクを除去する。これにより、図5および図6に示すように、圧電振動片3が形成される。
以上により、圧電振動片3の製造は終了する。
このように、本実施形態の圧電振動片3は、支持腕部34が、側面における第1マウント電極53と第2マウント電極54との間に対応する領域に、Z方向に対して傾斜したテーパ面38a,39aを有する。
この構成によれば、支持腕部34の側面に形成された各テーパ面38a,39aが、Z方向に対して傾斜しているため、電極膜をフォトリソグラフィ法によってパターニングする際に、各テーパ面38a,39aに形成された電極膜上のレジスト膜をZ方向から露光することが可能になる。これにより、支持腕部34の側方から露光する必要がないため、電極形成時における露光の工数の増加を抑制できる。そして各テーパ面38a,39aは、支持腕部34の側面における各マウント電極53,54の間に対応する位置に形成されているため、支持腕部34の側面に引き回される各引き回し電極55,56を互いに絶縁した状態にパターニングすることができる。したがって、小型化に伴う実装時の短絡を防止できる圧電振動片3が得られる。
また、本実施形態の圧電振動片3は、支持腕部34が側面から突出する各異形部38,39を備え、各テーパ面38a,39aが各異形部38,39に形成されている。
一般にエッチング残りにより発生する各異形部38,39には、水晶結晶の自然結晶面が各テーパ面38a,39aとして現れるしたがって、側面に各テーパ面38a,39aを有する支持腕部34を容易に形成することができる。
また、本実施形態の圧電振動片3は、支持腕部34の側面に段差部37が形成され、各異形部38,39が段差部37に形成されている。
一般に、エッチング残りは隙間の小さい部分で顕著に発生しやすいという性質を有する。したがって、支持腕部34の側面に段差部37を形成することで、段差部37の隅部に各異形部38,39を容易に形成することができる。
また、本実施形態の圧電振動片3は、支持腕部34が、一対の振動腕部31,32の間に配置されている。
この構成によれば、振動する一対の振動腕部31,32が、パッケージ2に対して固定される支持腕部34を中心に対称に配置されるため、振動特性を向上させることができる。また、パッケージ2への固定部を基部33に設ける必要がないため、圧電振動片3の長さを短く形成でき、圧電振動片3を小型化することができる。
本実施形態の圧電振動子1は、上記圧電振動片3を備えている。圧電振動片3は、小型化に伴う実装時の短絡を防止できるため、信頼性に優れた小型な圧電振動子が得られる。
なお、圧電振動片3の支持腕部34の形状は、上記形状に限定されるものではない。
図10〜14は、第1実施形態に係る他の圧電振動片の平面図であり、マウント面側から見たときの平面図である。
図5および図6に示す圧電振動片3における支持腕部34の段差部37は、Z方向視において、垂直な隅部および角部を有する一段の段差形状に形成されていた。
これに対して、図10に示すように、支持腕部34の段差部37は、Z方向視において鋭角な隅部および角部を有する段差形状に形成されてもよい。この形状によれば、段差部37の隅部が狭くなるため、隙間の小さい部分で顕著に発生しやすい各異形部38,39(エッチング残り)をより確実に形成することができる。
また、図11に示すように、支持腕部34の段差部37は、Z方向視において、複数段の段差形状に形成されてもよい。この形状によれば、段差部37の段差の数に応じて各異形部38,39が形成されるため、支持腕部34の側面において各引き回し電極55,56を先端側と基端側との間でより確実に分割することができる。
また、図5および図6に示す圧電振動片3における支持腕部34は、Z方向視において、先端側(幅広部36)の幅が段差部37を介した基端側(幅狭部35)の幅よりも広い、先太りの形状に形成されていた。
これに対して、図12に示すように、支持腕部34は、Z方向視において、先端側の幅が段差部37を介した基端側の幅より狭い、先細りの形状に形成されてもよい。この形状によれば、支持腕部34の基端における幅を広く確保することができるため、支持腕部34と基部33との接続部における機械的強度を高めることができる。なお、この場合、図13に示すように、段差部37が有する隅部および角部は鈍角であってもよい。
また、図14に示すように、支持腕部34は、Z方向視において、延在方向の中心軸が段差部37を介して先端側と基端側とでX方向にずれたクランク状に形成されてもよい。この形状によれば、支持腕部34の幅が一対の段差部37の間で狭くなるため、パッケージ2への実装時にマウント面34a上において濡れ広がる導電性接着剤が、一対の段差部37の間を越えて濡れ広がることを抑制できる。
(第1実施形態の変形例、圧電振動片)
次に第1実施形態の変形例に係る圧電振動片について説明する。
図15は、第1実施形態の第1変形例に係る圧電振動片の平面図であり、マウント面側から見たときの平面図である。
図15に示す圧電振動片103では、支持腕部134の基端に一対の切欠き部143(ノッチ)を形成した点で、図5に示す第1実施形態と異なっている。なお、図5および図6に示す第1実施形態と同様の構成となる部分については、詳細な説明を省略する。
図15に示すように、支持腕部134には、各マウント電極153,154よりも基端側において、X方向両側の側面の一部に一対の切欠き部143が形成されている。各切欠き部143は、Z方向視において矩形状に形成され、支持腕部134の側面から内側に向けて窪んでいる。
この構成によれば、振動腕部131,132によって励起された振動が、基部133を介して支持腕部134に伝搬するルートを狭くできるので、振動を振動腕部131,132に閉じ込めることができる。これにより、小型な圧電振動片103の振動漏れを効果的に抑制でき、CI値が上昇するのを抑え、出力信号の品質が低下するのを抑えることができる。
なお、図15中において仮想線により示したように、各切欠き部143には、テーパ面144aを有する異形部144を形成することができる。異形部144は、段差部137に形成された各異形部138,139と同様に、隙間の小さい部分に発生するエッチング残りである。この異形部144が有するテーパ面144aにより、第1引き回し電極155の部分電極155aと、第2励振電極152の部分電極152aとを分割することができる。
(第2実施形態、圧電振動片)
次に第2実施形態の圧電振動片について説明する。
図16は、第2実施形態に係る圧電振動片の平面図であり、マウント面側から見たときの平面図である。図17は、第2実施形態に係る圧電振動片の平面図であり、反マウント面側から見たときの平面図である。
図5および図6に示す圧電振動片3は、支持腕部34が一対の振動腕部31,32の間に配置されていた。これに対して、図16および図17に示す圧電振動片203は、支持腕部234が一対の振動腕部231,232の側方に配置されている点で、異なっている。
図16に示すように、基部233は、一対の振動腕部231,232の基端を接続するとともに、−X側の端部で支持腕部234の基端に接続している。
支持腕部234は、Y方向に沿って延在する幅狭部235と、幅狭部235の+Y側の端部から+Y側に向かって延びる幅広部236と、を有している。支持腕部234は、図5に示す第1実施形態の圧電振動片3における支持腕部34と同様に、幅狭部235と幅広部236との間に一対の段差部237を有している。一対の段差部237のうち、+X側の段差部237は、テーパ面238aを備えた第1異形部238を有している。一対の段差部237のうち、−X側の段差部237は、テーパ面239aを備えた第2異形部239を有している。
支持腕部234のマウント面234a上には、第1マウント電極253および第2マウント電極254が設けられている。第1マウント電極253は、支持腕部234の幅広部236に形成され、Y方向において各異形部238,239と重ならない位置に配置されている。第2マウント電極254は、支持腕部234の幅狭部235に形成され、Y方向において各異形部238,239と重ならない位置に配置されている。
図16および図17に示すように、支持腕部234の側面には、第1引き回し電極255および第2引き回し電極256が設けられている。第1引き回し電極255は、幅広部236の側面に形成されている。このとき、第1引き回し電極255は、幅広部236の−Y側の側面のうち、各テーパ面238a,239aを除く領域に形成されている。第2引き回し電極256は、幅狭部235の側面に形成されている。このとき、第2引き回し電極256は、幅狭部235の側面の内、各テーパ面238a,239aを除く領域に形成されている。
このように、圧電振動片203が、支持腕部234を一対の振動腕部231,232の側方に備えた構成であっても、支持腕部234が側面に各テーパ面238a,239aを備えることで、支持腕部234の側面において、各引き回し電極255,256を分割することができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、圧電振動片3の形状は上記形状に限定されるものではなく、振動腕部31,32がY方向に対して最大で5度程度傾斜して延びているような形状であってもよい。
また、本実施形態においては、各テーパ面38a,39aは、支持腕部34のマウント面34aおよび反マウント面34bに接続していたが、これに限定されるものではない。例えば、各テーパ面38a,39aは、マウント面34aおよび反マウント面34bとの間にZ方向に沿う段差を有していてもよい。この際、各テーパ面38a,39aと、マウント面34aおよび反マウント面34bとの段差の高さが、レジスト成膜工程S7において形成するフォトレジスト膜の膜厚と同程度であれば、この段差におけるフォトレジスト膜をZ方向からの露光により十分に感光させることができる。したがって、支持腕部34の側面において各引き回し電極55,56を先端側と基端側とで分割することができる。
また、本実施形態においては、圧電振動片3を用いた圧電振動子1として、セラミックパッケージタイプの表面実装型振動子について説明したが、圧電振動片3を、ガラス材によって形成されるベース基板およびリッド基板が陽極接合によって接合されるガラスパッケージタイプの圧電振動子に適用することも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1…圧電振動子 3,103,203…圧電振動片 31,32,131,132,231,232…振動腕部 31b,32b…振動腕部の基端 33,133,233…基部 34,134,234…支持腕部 37,137,237…段差部 38,39,138,139,238,239…異形部 38a,39a,138a,139a,238a,239a…テーパ面 53,153,253…第1マウント電極(マウント電極) 54,154,254…第2マウント電極(マウント電極) 143…切欠き部

Claims (6)

  1. 並んで配置された一対の振動腕部と、
    前記一対の振動腕部の基端同士を接続する基部と、
    前記一対の振動腕部の長手方向に沿って延在し、前記基部に基端が接続する支持腕部と、
    前記支持腕部の一方の主面に、前記長手方向に離間して配置された一対のマウント電極と、を備え、
    前記支持腕部は、側面における前記一対のマウント電極の間に対応する領域に、前記支持腕部の厚さ方向に対して傾斜したテーパ面を有する、
    ことを特徴とする圧電振動片。
  2. 前記支持腕部は、前記側面から突出する異形部を備え、
    前記テーパ面は、前記異形部に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
  3. 前記支持腕部の前記側面には、段差部が形成され、
    前記異形部は、前記段差部に形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の圧電振動片。
  4. 前記支持腕部には、前記一対のマウント電極よりも基端側において、前記側面の一部に切欠き部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電振動片。
  5. 前記支持腕部は、前記一対の振動腕部の間に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電振動片。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の圧電振動片を備えることを特徴とする圧電振動子。
JP2014228672A 2014-11-11 2014-11-11 圧電振動片および圧電振動子 Active JP6506535B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014228672A JP6506535B2 (ja) 2014-11-11 2014-11-11 圧電振動片および圧電振動子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014228672A JP6506535B2 (ja) 2014-11-11 2014-11-11 圧電振動片および圧電振動子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016092755A true JP2016092755A (ja) 2016-05-23
JP6506535B2 JP6506535B2 (ja) 2019-04-24

Family

ID=56017065

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014228672A Active JP6506535B2 (ja) 2014-11-11 2014-11-11 圧電振動片および圧電振動子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6506535B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019188078A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 株式会社村田製作所 振動素子

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006345519A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Eta Sa Manufacture Horlogere Suisse 小型のピエゾ電子共振器
JP2014107712A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Seiko Epson Corp 振動片、振動子、発振器、電子機器及び移動体
JP2014200043A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 セイコーエプソン株式会社 振動子、発振器、電子機器および移動体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006345519A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Eta Sa Manufacture Horlogere Suisse 小型のピエゾ電子共振器
JP2014107712A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Seiko Epson Corp 振動片、振動子、発振器、電子機器及び移動体
JP2014200043A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 セイコーエプソン株式会社 振動子、発振器、電子機器および移動体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019188078A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 株式会社村田製作所 振動素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP6506535B2 (ja) 2019-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106169917B (zh) 压电振动片的制造方法、压电振动片及压电振动器
JP6322400B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動片の製造方法及び圧電振動子
JP6676403B2 (ja) 圧電振動片、及び圧電振動子
JP6506535B2 (ja) 圧電振動片および圧電振動子
JP6774311B2 (ja) 圧電振動片及び圧電振動子
CN107104651B (zh) 压电振动片及压电振动器
JP6740073B2 (ja) ウエハ、圧電振動片及び圧電振動子
JP6616999B2 (ja) 圧電振動片の製造方法
JP2016072869A (ja) 圧電振動片の製造方法および圧電振動片
JP7164952B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、圧電振動片の製造方法、及び、圧電振動子の製造方法
JP7300256B2 (ja) 圧電振動片、及び圧電振動子
JP6587389B2 (ja) 圧電振動片および圧電振動子
CN106972838B (zh) 压电振动片的制造方法
JP6630119B2 (ja) 圧電振動片の製造方法、及びウエハ
JP2017092787A (ja) 圧電振動片の製造方法、圧電振動片および圧電振動子
JP6647911B2 (ja) 圧電振動片、及び圧電振動子
JP6678428B2 (ja) 圧電振動片の製造方法、圧電振動片及び圧電振動子
JP6706546B2 (ja) 圧電振動片容器、及び圧電振動子
JP6330000B2 (ja) 圧電振動子
JP2016134800A (ja) 圧電振動片および圧電振動子
JP2016134802A (ja) 圧電振動片および圧電振動子
JP2015159367A (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計
JP2021141555A (ja) 圧電振動子容器、及び圧電振動子
JP2021141554A (ja) 圧電振動片、及び圧電振動子
JP2016116116A (ja) 圧電振動片、圧電振動子および圧電振動片の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170901

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6506535

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250