以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態に係る搬送装置101の正面図である。図2は、搬送装置101の左側面図である。図3は、搬送装置101の平面図(上面図)である。なお、図示の便宜上、例えば図1では、塗布装置の図示を省略している。このように、各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。
図1に示すように、搬送装置101は、基台102と、基台102上面に配設された素子供給装置110と、基台102に揺動自在に配設されたアーム120と、アーム120に回転自在に配設された回転テーブル(ベース部材)130と、回転テーブル130の外周面に周方向に沿って配設された複数(本実施形態では8つ)の部品保持ユニット140と、アーム120に配設された2つの上側外部付勢装置(自転軸方向駆動手段)150aと、2つの下側外部付勢装置150bと、回転テーブル130を回転させる回転テーブル駆動手段160と、搬送装置101全体を制御する中央制御装置190を備える。
基台102は、略直方体状の部材である。基台102の内部には、中央制御装置190や、特に図示しない電源装置等が配設されている。基台102上面の奥側端部には柱部材102aが配設されており、この柱部材102aの上端にはアーム120を動作可能(揺動自在)に支持するアームブラケット102bが配設されている。
アーム120は、アームブラケット102bの上方から水平方向に伸びる腕状の部材である。アーム120には回転テーブル130が回転自在に保持されると共に、上側外部付勢装置150a及び回転テーブル駆動手段160が配設されている。上側外部付勢装置150aは、ノズル142を下降させたい場所に対応して、それぞれの上方に設けられる。ここでは2か所に配置されている。
部品保持ユニット140は、ノズル142を有しており、電子部品をピックアップして保持する。また、部品保持ユニット140は、水平となる旋回軸線S周り(図1のα方向またはα方向と逆方向)に、ノズル142を旋回自在となっており、ノズル142の先端を旋回させることができる。また、ノズル142は、吸着方向に沿う自転軸線(ノズル中心軸線)J周りに(図1のθ方向またはθ方向と逆方向に)自転自在となっている。これらの回転により、部品の保持姿勢を調整できる。
回転テーブル130は、略円盤状の部材であり、外周面に8つの部品保持ユニット140が等間隔(本実施形態では略45度の角度間隔)で配設されている。回転テーブル130は、図示する運転位置において、回転軸が上下方向(鉛直方向)となるようにアーム120に保持されている。なお、アーム120を上方に揺動させると、回転テーブル130の底面が側方に対向するメンテナンス状態とすることもできる。回転テーブル130には、8つの部品保持ユニット140が配置されることから、回転テーブル130が停止した状態を仮定すると、各部品保持ユニット140に対応する、周方向に合計8か所の作業領域を確保できる。
回転テーブル駆動手段160は、アーム120の下面に固定され、アーム120と回転テーブル130の間に位置している。本実施形態では、回転テーブル駆動手段160は、アーム120に固定されるステータ、及びステータの内周又は外周を回転する筒状のロータから構成される中空DD(ダイレクトドライブ)モータである。ステータの中心部には軸方向に貫通孔が形成されている。回転テーブル130は、この貫通孔内に中空軸(図4参照)を挿通した状態でロータに固定されている。
中央制御装置190は、CPU、ROM及びRAM等を備えた制御装置であり、上側外部付勢装置150a、下側外部付勢装置150b、回転テーブル駆動手段160等を直接制御する。なお、これらの動作と連動する他の装置(例えば、第二実施形態で後述する部品供給装置、姿勢情報取得手段、実装部材供給装置等)を利用する際は、中央制御装置190は、これら他の装置も同時に制御できる。
図4(a)に示されるように、部品保持ユニット140は、略円筒状の回転テーブル130の外周面において、周方向に45度間隔で外側に向けて突設されている。本実施形態では、隣接する部品保持ユニット140の間の部材を排除して(または切り欠いたり、開口を形成したりして)、干渉回避空間部131を生じるようにしている。干渉回避空間部131を利用して、回転する部品保持ユニット140が存在しないタイミングで、カメラ等による撮像を可能にしている。即ち、干渉回避空間部131は回転テーブル130と共に回転するが、各作業領域は回転しないことから、各作業領域と干渉回避空間部131が重なるタイミングで、カメラ等の撮影を行う。なお、部品保持ユニット140は、フランジを利用して容易に着脱可能に回転テーブル130に固定される。
図4(b)に示されるように、回転テーブル130の上面の中心には、中空軸132が突設される。この中空軸132は回転テーブル130の回転の中心となると共に、アーム120に回転自在に保持される部分となる。また、中空軸132は、大径の外側パイプ132aと小径の内側1パイプ32bが同軸的に配設された二重構造となっている。中空軸132の外側パイプ132aと内側パイプ132bの間隙は、低圧源となる真空ポンプ(図示省略)と部品保持ユニット140を繋ぐ通路の一部となっている。中空軸132の上端部には、スイベルジョイント133を介して真空ポンプに繋がるエア配管134が接続されている。
回転テーブル130の内部には、外側パイプ132aと内側パイプ132bの間隙と同軸的に接続された中央気室135が中心部に形成されており、さらに、この中央気室135から各部品保持ユニット140に個別に接続される8の吸引通路136が放射状に形成される。各吸引通路136の途中には、部品保持ユニット140と真空ポンプの連通・遮断を切り替える切替バルブ137がそれぞれ配設されている。従って、本実施形態では、各部品保持ユニット140と真空ポンプの連通・遮断を個別に切り替えることが可能となっている。本実施形態における切替バルブ137は、ソレノイドによって弁体を移動させる電磁弁から構成されている。なお、切替バルブ137は、他の構成のものであってもよい。
回転テーブル130の内部にはさらに、切替バルブ137を制御して後述するノズル142による部品の吸着・解放を制御したり、ノズルの自転、旋回等を制御したりする保持状態制御装置191が配設されている。保持状態制御装置191は、CPU、ROMおよびRAM等を備えた制御装置である。保持状態制御装置191は、特に図示しない配線によって、切替バルブ137および部品保持ユニット140とそれぞれ電気的に接続されると共に、中央制御装置190に電気的に接続されている。中央制御装置190と保持状態制御装置191は、中空軸132先端部に配設されたスリップリング138と、中空軸132の内側パイプ132b内部を通る配線によって接続される。
次に部品保持ユニット140の内部構造について説明する。図5は、部品保持ユニット140の断面構造および外部付勢装置150の一部を示した図である。部品保持ユニット140は、筺体141と、筺体141に対して、鉛直方向の平面内に沿う自転軸線J周りに自転自在、且つ自転軸線Jに対して垂直となる旋回軸線S周りに旋回自在に配設されたノズル142と、ノズル142を自転駆動するノズル自転駆動手段143、ノズル142を旋回駆動するノズル旋回駆動手段147、ノズル142を自転軸線Jに沿って(吸着方向に)案内する案内機構149を有して構成される。
筺体141は、水平方向(回転テーブル130の半径方向)に延びる筒状部材となっており、その端面にフランジ141aが形成される。このフランジ141aを、回転テーブル130の外周面に形成される固定用平面130xに当接させて、特に図示しないボルト等によって着脱自在に固定される。従って、フランジ141aと固定用平面130xの間にシム等を挿入すれば、回転テーブル130の回転軸線(回転中心)からの部品保持ユニット140(ノズル142)までの半径方向距離を、事後的に微調整することができる。
ノズル142は、先端に吸着面142aが配設された細長い円筒状の部材である。ノズル142は、吸着方向に沿った自転軸線J周りに回転(自転)自在であると共に、自転軸線J方向に沿って往復移動自在となっている。ノズル142の内部は吸着面142aに繋がる吸引通路142bとなっている。
図4(b)で示した切替バルブ137は、真空ポンプからノズル142までのエア流路の連通・遮断を切り替えると共に、遮断時には、ノズル142を大気開放状態とするように構成されている。すなわち、ノズル142は、切替バルブ137によって真空ポンプと連通された場合に、部品を吸引して吸着(保持)し、切替バルブ137によって真空ポンプから遮断された場合に、部品を解放する。
ノズル自転駆動手段143は、自転用中空モータ143a,ノズル142を自転自在に保持する自転用ブラケット143bを有する。自転用中空モータ143aは、自転用ブラケット143bと一体となっており、内部にノズル142の一部を収容して、同軸状態でノズル142を回転駆動する。結果、ノズル142は自転軸線Jを中心として自転自在となる。自転用ブラケット143b内には、ノズル142に負圧を供給するエア流路143cが形成される。
ノズル自転駆動手段143は、結合ブラケット149cを介して、案内機構149の移動テーブル149aに固定される。案内機構149は、ベース材149dと、ベース材149dに固定されるレール149bと、レール149bに沿って移動自在の移動テーブル149aと、移動テーブル140aに固定される結合ブラケット149cを有する。レール149bは、ノズル自転駆動手段143の自転軸線J方向に沿って配置される。従って、ノズル142及びノズル自転駆動手段143全体が、案内機構149によって、自転軸線Jの方向に沿って往復移動自在となる。ベース材149d内には、ノズル142に負圧を供給するエア流路149eが形成される。ベース材149dと、ノズル自転駆動手段143の自転用ブラケット143dの間には、互いに当接する摺動部143dが形成されており、この摺動部143d内にもエア流路が形成される。従って、ベース材149dに対して自転用ブラケット143dが摺動しても、互いのエア流路149e,143cの接続は維持される。なお、摺動部143dに形成されるエア流路は、点線で示すように、自転用ブラケット143d側のカバーによって全体が覆われている。
案内機構140とノズル自転駆動手段143の間には、バネによって構成される内部付勢手段144aが配置される。この内部付勢手段144aは、案内機構140のベース材140dを基準として、ノズル自転駆動手段143(ノズル142)を、自転軸線Jの一方向に付勢する。具体的には、ノズル142の先端が突出する方向と反対方向、即ち吸着面142aが被吸着部から離れる方向に付勢される。更に、案内機構140とノズル自転駆動手段143の間には、ストッパ144bが配置される。このストッパ144bは、内部付勢手段144aによって付勢されるノズル自転駆動手段143の、自転軸線Jの上記一方向の移動限界を規定する。
ノズル142又はノズル自転駆動手段143には、被係合部144cが設けられる。この被係合部144cは、ノズル142の自転軸線Jから半径方向にオフセットする面を有する。このオフセット面に対して、上側及び下側外部付勢装置150a,150bを当接させる。オフセットさせることで、上側及び下側外部付勢装置150a,150bもオフセットできるので、カメラを自転軸線Jの延長線上に配置できる。
上側及び下側外部付勢装置150a,150bは、被係合部144cを利用して、ノズル142及びノズル自転駆動手段143を自転軸線Jの他方向(ここでは、ノズル142の先端が突出する方向、即ち吸着面142aの突出方向)に付勢する。結果、バネとなる内部付勢手段144aに抗して、ノズル142及びノズル自転駆動手段143が、先端方向に移動できる。なお、上側外部付勢装置150aは、ノズル142の吸着面142aが鉛直下方に向くときに用いられ、下側外部付勢措置150bは、ノズル142の吸着面142aが鉛直上方に向くときに用いられる。即ち、これらの外部付勢装置150a,150bは、被係合部144cを利用してノズル142を移動させたい方向に配置しておけば良いことになる。例えば、特に図示しないが、ノズル142の吸着面142aが水平方向に向くときに、このノズル142を自転軸線J方向に移動させたい場合は、外部付勢装置は、この被係合部144cを水平方向に押し込めばよい。
ノズル旋回駆動手段147は、回転テーブル130の半径方向に配置される旋回軸148と、この旋回軸148を旋回軸線S周りに回転駆動する旋回用中空モータ147aと、旋回軸148を回転自在に筐体141に保持させる一対の軸受け147bと、筐体141と旋回軸148の間に配置されるエア配管用スリーブ147cを有する。
旋回軸148は、筒状の内側旋回軸148a及び外側旋回軸148bを一体化した二重構造となっており、この内側旋回軸148a及び外側旋回軸148bの間の隙間が、ノズル142に負圧を供給するエア流路148cとなる。また、旋回軸148における外側端(回転テーブル130の半径方向外側端)は、筐体141から露出するフランジ構造となっており、この端面に案内機構140のベース材140dが固定される。エア流路148cも、このフランジを介してベース材140d側のエア流路149eに接続される。従って、旋回軸148が回転すると、案内機構140全体が一緒に回転し、結果として、ノズル142も旋回軸線S周りに旋回する。旋回軸線Sと自転軸線Jは互いに直角となる。
なお、旋回用中空モータ147aは、筐体141の内周面に固定されており、筐体141のフランジ141aは、旋回用中空モータ147aよりも、回転テーブル130の半径方向外側に配置される。従って、部品保持ユニット140を回転テーブル130に固定すると、旋回用中空モータ147aは回転テーブル130内に収容されることになり、装置全体をコンパクトに構成できる。
旋回軸148における内側端(回転テーブル130の半径方向内側端)には、スリップリング147dの回転部分が固定される。従って、点線で示される模式的配線のように、スリップリング147d及び旋回軸148の内周を経由して、自転用中空モータ143aへ電力が供給される。なお、スリップリング147dの本体部分は、固定用フランジによって筐体141に固定される。
エア配管用スリーブ147cの内部には、エア流路が形成されており、筐体141に形成されるエア流路141bと、旋回軸148内のエア流路148cを接続する。このエア配管用スリーブ147cによって、旋回軸148が回転しても、互いのエア流路141b,エア流路148cの接続状態が維持される。従って、回転テーブル130内の切替バルブ137を経由して筐体141に供給される負圧エアは、筐体141のエア流路141b、旋回軸148内のエア流路148c、ベース材149d内のエア流路149e、自転用ブラケット143b内のエア流路143cを経由してノズル142に導入される。
以上の構成となる部品保持ユニット140は、図6(a)に示すように、ノズル142が自転軸線J周りに回転自在であり、更に、上側外部付勢装置150aを利用して押し下げれば、ノズル142が自転軸線Jの方向に移動自在となる。更に、ノズル142は旋回軸線S周りに旋回自在となるので、例えば図6(b)のように、ノズル142の吸着面142aを上方に向けることができる。この状態においても、ノズル142が自転軸線J周りに回転自在となっており、更に、下側外部付勢装置150bを利用して押し上れば、ノズル142が自転軸線Jの方向に移動自在となる。ここでは図示しないが、ノズル142は、旋回軸線S周りに回転自在となるので、自転軸線Jが水平となるように位置決めしたり、傾斜させたりすることも勿論可能である。また、ノズル142を自転軸線Jの方向に移動させる際に、旋回用中空モータ147aは自転軸線Jの方向に移動しない構造、即ち、旋回用中空モータ147aよりも先端側に案内機構140が配置される構造となっているので、移動重量が軽くなり、慣性力が低減されてノズル142の位置決め精度を高めることが可能となる。
更にこの部品保持ユニット140は、図6(a)の通り、ノズル142の吸着方向が、回転テーブル(ベース部材)130の回転軸線と平行となる鉛直下方向となる場合、このノズル142の先端の吸着面142aが、回転テーブル130のノズル142が配設される近傍の下面領域130bよりも、更に鉛直下方向に突出する。更に図6(b)の通り、ノズル142の吸着方向が、回転テーブル(ベース部材)130の回転軸線と平行となる鉛直上方向となる場合、このノズル142の先端の吸着面142aが、回転テーブル130のノズル142が配設される近傍の上面領域130aよりも、更に鉛直上方向に突出する。このようにすることで、相手側装置と回転テーブル130との干渉が低減し、回転テーブル130の上面及び下面の空間500b、500aを有効活用できる。特に、ノズル142と共に被係合部144cも旋回するので、ノズル142がどのような旋回角度に位置決めされても、被係合部144cは常にノズル142の後端側に位置する。即ち、ノズル142の吸着面142aと被係合部144cが干渉することが無いので、回転テーブル130の上面及び下面の空間500b、500aを有効活用できる。
図1に戻って、上側外部付勢装置150aは、鉛直方向に配置される棒状の押圧部材152aと、アーム120の上面に配設されたモータ153と、モータ153の出力軸に固定されたカム154を有して構成されている。押圧部材152の先端(下端)は、回転テーブル130に配置される部品保持ユニット140の被係合部144cに当接し得るようになっており、基端はカム154に接続される。従って、モータ153によりカム154を回転させると、押圧部材152aが上方向に移動して被係合部144cを押し上げる。結果、ノズル142が下方に移動する。なお、上側外部付勢装置150aが配置される場所には、下側外部付勢装置150bが配置されないので、回転テーブル130の下面の空間500aを有効活用できる。
下側外部付勢装置150bは、基台102上に配置されており、鉛直方向に配置される棒状の押圧部材152bと、この押圧部材152bを上下動させるソレノイド155を備える。押圧部材152bの先端(上端)は、回転テーブル130に配置される部品保持ユニット140の被係合部144cに当接し得るようになっている。従って、ソレノイド155によって押圧部材152を上昇させて、被係合部144cを上方に押し上げると、ノズル142が上方に移動する。なお、下側外部付勢装置150bが配置される場所には、上側外部付勢装置150aが配置されないので、回転テーブル130の上面の空間500bを有効活用できる。
本第一実施形態の搬送装置101によれば、回転テーブル130の周方向に配置される複数のノズル142の各々を、自転軸線Jを中心として自転駆動するノズル自転駆動手段143と、ノズル142の各々を、自転軸線Jに対して直角を成す旋回軸線Sを中心として旋回駆動するノズル旋回駆動手段147と、ノズル142の各々を、自転軸線Jに沿って案内する案内機構149を備える。結果、回転テーブル130における被吸着物の移動経路において、被吸着物をあらゆる方向に位置決めすることができる。従って、被吸着物に対する複雑な作業工程に対応することが可能となる。
特に、中央制御装置190及び保持状態制御装置191を利用して、回転テーブル130が回転している最中に、ノズル旋回駆動手段147によってノズル142を旋回させたり、更には、ノズル自転駆動手段143によってノズル142を自転させたりすることができる。即ち、回転テーブル130による搬送時間を、被吸着物の姿勢制御時間として有効活用できることから、作業効率を飛躍的に高めることができる。
更にこの搬送装置101のノズル旋回駆動手段147は、ノズル142、ノズル自転駆動手段143及び案内機構149を、まとめて旋回駆動している。従って、ノズル旋回駆動手段147を、例えば案内機構149よりもノズル142側に配置する場合と比較して、装置構成を簡潔かつコンパクトにすることが可能となる。また、近年の搬送サイクル時間の短縮化の要求から、案内機構149によるノズル142の自転軸線J方向の移動動作(吸着/解放動作)は、高精度且つ高速で行わなければならないので、慣性を小さくすることが好ましい。そこで本構成によれば、ノズル旋回駆動手段147を、案内機構149によって案内する必要が無くなり、案内機構149は、ノズル142及びノズル自転駆動手段143に限定してまとめて案内すれば済むので、慣性を低減できる。
また、この搬送装置101の旋回軸線Sは、回転テーブル(ベース部材)130の半径方向に沿うように設定される。結果、隣接する部品保持ユニット140において、半径方向に延在するノズル旋回駆動手段147の干渉が少ないので、部品保持ユニット140の搭載数を増大させることができる。また、ノズル142の吸着面142aの旋回が、回転テーブル130の周方向となるので、ノズル142を360度で旋回させることも容易になる。更に、このようにすると、旋回用中空モータ147aを、回転テーブル130内に収容できるので、装置全体を大幅にコンパクト化できる。なお、自転用中空モータ143aも、ノズル142と同軸に配置されるので、これも装置のコンパクト化に貢献する。
この搬送装置101では、内部付勢手段144aとストッパ144bを利用して、ノズル142を一方向に予め付勢しておき、外部付勢手段(自転軸方向駆動手段)150a、150bによって、被係合部144cを押し込むだけで、自転軸線J方向に位置決めができるので装置構成を簡潔にできる。特に本実施形態のように、外部付勢手段(自転軸方向駆動手段又は吸着方向駆動手段)150a、150bを、回転テーブル130から離反した位置に固定配置することで、複数の部品保持ユニット140で、外部付勢手段(自転軸方向駆動手段又は吸着方向駆動手段)150a、150bを共有することができるので、部品保持ユニット140側の重量を一層軽減することができる。特に、上側外部付勢手段150aと、下側外部付勢手段150bを、周方向に隣接するノズルの角度間隔(45度)の整数倍の角度間隔を空けて固定配置しているので、ノズル142を鉛直方向に反転させながら、吸着面142aの高さを自在に位置決めできる。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態として、第一実施形態の搬送装置101を、電子部品を組み立てるための組立装置に適用する事例について説明する。なお、ここでは、第一実施形態で説明した搬送装置101をそのまま利用する場合を説明することから、主として、追加構成等を中心に説明する。なお、本事例では、搬送装置101によって、部品となる素子(水晶片)を搬送し、実装部材(ここでは、上部が開放された箱状のセラミックパッケージ)に実装して水晶振動子を製造する事例について説明する。なお、本第二実施形態の素子10は、平面のサイズが1mm角以下(1mm以下×1mm以下)であり、実装部材20は、実装面のサイズが1mm角以下(1mm以下×1mm以下)である。
図1に示すように、搬送装置101を電子部品の組立に適用するにあたって、搬送装置101は、素子供給装置110と、塗布ユニット116a、116bと、基台102に配設される姿勢情報取得手段180と、基台102に配設される実装部材供給装置170を更に備える。
図4(a)に示すように、搬送装置101は、周方向に順番に、素子供給領域103、姿勢確認領域107、第一塗布領域104a、第二塗布領域104b、接着剤確認領域(兼第二姿勢確認領域)108、搭載(実装)領域105、廃棄領域109を有する。なお、図1の上側外部付勢装置150aは、素子供給領域103と実装領域105に配置される。図1の下側外部付勢装置150bは、第一塗布領域104aと第二塗布領域104bに配置される。なお、後述する第一及び第二塗布装置(ディスペンサ)が上下動できる場合は、下側外部付勢装置150bを省略できる。
素子供給領域103は、素子供給装置110から部品保持ユニット140に対して素子10を供給する場所となる。姿勢確認領域107は、部品保持ユニット140によって保持される素子10の姿勢(自転軸線J周り回転、X、Y)を、画像認識によって確認する領域となる。第一及び第二塗布領域104a、104bは、素子10に導電性接着材を塗布する場所となる。なお、本実施形態では、素子10の二点に接着剤を塗布する必要があるため、二か所の塗布領域を確保している。このようにすると、一か所の塗布領域で素子10の二点に接着剤を塗布する場合と比較して、塗布速度及び塗布量の安定性を高めることができる。接着剤確認領域108は、第一及び第二塗布領域104a、104bで塗布された接着剤の塗布状態、塗布位置等を画像認識によって確認する領域となる。なお、この接着剤確認領域108において、再度、素子10の保持姿勢を同時に確認する。実装領域105は、部品保持ユニット140が保持する素子10を、実装部材供給装置170に載置されている実装部材20に収納して接着する場所となる。廃棄領域109は、不合格となる素子10を廃棄トレイに廃棄する場所となる。
図3に示すように、上側外部付勢装置150aにおける一方は、素子供給領域103の上方に配置される。また、上側外部付勢装置150aの他方は、搭載領域105の上方に配置される。一方の外部付勢装置150は、素子供給領域103上に位置する部品保持ユニット140に外力を付加して、部品保持ユニット140のノズル142を、素子供給領域103に近接する方向(下方)に移動させる。他方の外部付勢装置150は、搭載領域105上に位置する部品保持ユニット140に外力を付加して、部品保持ユニット140のノズル142を搭載領域105に近接する方向(下方)に移動させる。
なお、ここでは回転テーブル130が、隣接する部品保持ユニット140の角度間隔(45度間隔)で一次停止する場合を想定し、その角度間隔の整数倍の位相差に合わせて、全作業領域を配置している。即ち、いずれかの部品保持ユニット140が素子供給領域103に対向する位置で停止すると、残りの部品保持ユニット140が、それぞれ、姿勢確認領域107、第一塗布領域104a、第二塗布領域104b、接着剤確認領域(兼第二姿勢確認領域)108、実装領域105、廃棄領域109に配置される。従って、回転テーブル130が一次停止している間に、7つの作業領域で各作業を同時並行で進めることが可能となる。なお、本発明はこれに限定されず、隣接する部品保持ユニット140の角度間隔未満の位相差に作業領域を設定しても良い。このようにすると、より沢山の作業工程を実現できる。
そして、回転テーブル130が時計回り又は反時計回りの1方向に回転すると、全ての部品保持ユニット140が、素子供給領域103、姿勢確認領域107、第一塗布領域104a、第二塗布領域104b、接着剤確認領域(兼第二姿勢確認領域)108、実装領域105、廃棄領域109を順番に通過する。
図3(a)に示すように、素子供給装置110は、複数の素子10を配置する。素子供給装置110は、素子10を載置する載置トレイ115と、X−Yテーブルから構成された載置トレイ移動手段119と、素子10を位置決めするために用いるカメラ(CMOSカメラやCCDカメラなど)117aを備える。載置トレイ115には、複数の素子10がバラバラに載置されている。載置トレイ移動手段119は、図示は省略するが、モータによって駆動される直動装置を互いに直角に組み合わせて構成されており、水平方向(X方向及びY方向)に載置トレイ115を移動可能となっている。カメラ117aは、回転テーブル130よりも上方において、ここではアーム120に固定される。このカメラ117aの撮像軸は、鉛直方向に向くノズル142の自転軸線Jと一致しており、ノズル142が存在しないタイミング(干渉回避空間部131)を利用して、載置トレイ115内の素子10を画像認識する。載置トレイ移動手段119は、カメラ117aによる素子10の撮影結果に基づいて、素子供給領域103に存在する部品保持ユニット140のノズル142の真下に、画像認識された素子10を位置決めする。ここでは、素子10が載置トレイ内にランダムに配置されている場合を例示しているが、マトリクス状のトレイを利用して、複数の素子10を整列配置して供給しても良く、図3(b)に示すように、集積されたウエハ状態の素子10を供給して、ノズル142でウエハから切り離すようにピックアップしても良く、パーツフィーダーを利用して素子10を一つずつ供給しても良い。即ち、素子供給装置110の構成は様々となる。
素子10を吸着保持した部品保持ユニット140は、回転テーブル130の回転と共に、カメラ117aの画像認識結果を利用して自転軸線J周りにノズル142を回転させてから、旋回軸線Sに沿ってノズル142を鉛直方向の上下が反転するように、水平となる旋回軸線S周りに回転させる。ちなみに、素子供給装置110では、実装時の上面が上方となるように素子10が配置される。部品保持ユニット140は、素子供給領域103においてノズル142の先端で素子10を上方(実装時の上面側)から吸着保持し、部品保持ユニット140自身も回転テーブル130に沿って回転(公転)しながら、塗布領域104に到達するまでに、ノズル142の先端(素子10)が鉛直方向の上方に位置するようにノズル142を略180°旋回させる。
その後、部品保持ユニット140は姿勢確認領域107に進入し、上側に配置されるカメラ117bで素子10の姿勢を再度撮影して、自転軸線J周りの素子10の角度を高精度に微調整する。このカメラ117bも、アーム120に固定しておけば良い。なお、この例では、第一塗布領域104aに到達する以前にノズル142の回転(上下反転)を完了させ、上方に位置するカメラ117bで撮像して素子10の姿勢を取得して予め素子10の姿勢を確定させる場合を示したが、姿勢確認領域107においてカメラ117bを下側に配置しておき、その後に、ノズル142を上下反転させて第一塗布領域104aに進入させても良い。
図2に示すように、第一塗布領域104a及び第二塗布領域104bに配置される塗布ユニット(塗布装置)116a、116bは、供給ノズル156を鉛直方向上下及び水平方向に移動可能なディスペンサである。第一及び第二塗布領域104a、104bにおいて、部品保持ユニット140で保持、搬送される素子10に対して導電性接着材(例えば、銀ペーストなど)を塗布(供給)する。
図8(a)に示すように、塗布ユニット(塗布装置)116a、116bは、導電性接着材Nを所定量供給可能な供給ノズル156を備えたディスペンサであり、素子10の上方から、素子10の実装時の下面側に導電性接着材Nを直接塗布する。塗布装置116a、116bは、素子10上に形成された2つの電極11,12と供給ノズル61との位置合わせをそれぞれ行い、供給ノズルを水平面内で位置決めしつつ、供給ノズル156を下降させて、素子10の所定の場所に導電性接着材Nを塗布(供給)する。塗布装置116a、116bは基台側に固定されており、素子10を保持するノズル142が、回転テーブル130によって移動されて位置合わせを行う構成である。
図8(b)、(c)に示すように、本実施形態の素子10は水晶振動子を構成する水晶片であり、その表面には薄膜金属層による電極11,12が形成されている。電極11、12は、同図(b)に示すように素子(水晶片)10の1辺の両端に形成される場合と、同図(c)に示すように素子(水晶片)10の対向する2辺の略中央部にそれぞれ1つずつ形成される場合がある。導電性接着材Nは、2つの電極11,12上にそれぞれ1箇所ずつ塗布される。なお、二点鎖線は実装部材20を示す。なお、ここでは、2つの塗布ユニット(塗布装置)116a、116bに分けて、2つの電極11,12上にそれぞれ1箇所ずつ塗布する場合を例示したが、一つの布ユニット(塗布装置)で、2箇所に塗布することも可能である。
第一及び第二塗布領域104a、104bを通過した部品保持ユニット140は、旋回軸線S周りにノズル142を回転させて、ノズル142の先端(素子)が鉛直方向の下方に位置するように、ノズル142を上下反転させつつ、接着剤確認領域(兼第二姿勢確認領域)108に進入する。接着剤確認領域108には、下側にカメラ117cが配置されており、素子10の接着剤の塗布状況をカメラ117cで確認すると同時に、素子10の姿勢も確認する。なお、この段階で、素子10の吸着姿勢があまりにも悪い場合や、接着剤が十分に塗布されていない場合は、下流の搭載領域103をスルーして廃棄領域109で、その素子10が廃棄される。
接着剤確認領域108を通過したノズル142は、ノズル142を自転軸線J周りに回転させて、素子10の最終姿勢を確定しつつ、ノズル142の先端を下方に向けた状態で実装部材20が待機する搭載領域103上に移動する。
搭載領域103には、カメラ117dが上方に配置されており、搭載領域105に供給されて待機する実装部品20を真上から撮像する。すなわち、カメラ117dは、搭載領域105にノズル142が進入する前に、干渉回避空間部131を利用して、搭載領域105で待機する実装部材20を上から撮像して、当該実装部材20の水平面内に位置に関する情報(X−Y方向及びZ軸周りの回転方向)を、画像情報として取得する。また、カメラ117dは、中央制御装置190と電気的に接続されており、撮像して得られた画像情報を中央制御装置190に送信する。そして、カメラ117dで取得した姿勢の画像情報に基づいて、素子10の自転軸J方向の回転姿勢を、接着する実装部材20の姿勢に合わせる。その後、上側外部付勢装置150aを利用して素子10を下降させることで、実装部材20に素子10を搭載する。
実装部材供給装置170は、マトリクス状に配置された複数の凹部が上面に形成された整列トレイ171と、X−Yテーブルから構成された整列トレイ移動手段172を備えて構成されている。整列トレイ171の凹部には、組立前の実装部材20が載置されている。整列トレイ移動手段172は、図示は省略するが、モータによって駆動される直動装置を互いに直角に組み合わせて構成されている。本実施形態における整列トレイ移動手段172は、図4における上下方向及び左右方向に整列トレイ171を移動可能となっている。
整列トレイ移動手段172は、搭載領域105に素子10が搬送されることに先立って、複数の実装部材20を1つずつ順番に搭載領域105に供給する。この整列トレイ移動手段172は、中央制御装置190が導出した相対位置ずれ量Gに基づいて、実装部材20の位置を調整する位置調整ユニットとして機能する。搭載領域105では、部品保持ユニット140が吸着保持した素子10を、実装部材20に収納しつつ接着する。この動作を繰り返すことで、整列トレイ171の凹部に載置されている全ての実装部材20に対して素子10を実装する。全ての実装部材20の組付けが完了したら、整列トレイ171は、次の工程に運ばれる。
本第二実施形態の搬送装置101によれば、上記の実装工程を、全てのノズル142で同時並行的に進めることができるので、実装効率を飛躍的に高めることが可能となる。
繰り返しになるが、この搬送装置101の各作業領域で同時並行的に進められる動作を、作業領域単位で説明する。
<素子供給領域103の動作>図7(a)に示すように、素子供給装置110は、複数の素子10を、方向や姿勢を整えた状態で配置する。素子供給装置110によって、複数の素子10が素子供給領域103に配置された後(又は略同時)に、回転テーブル130が反時計回りに略45度回転し、部品保持ユニット140のノズル142が、素子供給領域103に配置された素子10に対向する位置まで移動する。回転テーブル130は、この状態で、所定の時間静止する。回転テーブル130が静止している間に、上側外部付勢装置150aが部品保持ユニット140を押圧して、ノズル142を素子供給領域103に配置された素子10に近接させる。そして、ノズル142が素子10を吸着して保持する。その後、上側外部付勢装置150aによる押圧を解除する(又は押圧力を緩める)ことで、ノズル142が上昇する。
<姿勢確認領域107の動作>図7(b)に示すように、回転テーブル130は、反時計回りに回転しつつ、その途中でノズル142を旋回軸線S周りに回転させて、ノズル142の先端およびそこで保持される素子10の上下を反転させて、姿勢確認領域107に進入する。姿勢確認領域107では、カメラ117bによって素子10の状態(姿勢)を画像認識して、その後、ノズル142を自転軸線J周りに回転させて素子10の姿勢を微調整する。
<第一塗布領域104aの動作>図7(c)に示すように、回転テーブル130の回転によって、部品保持ユニット140が第一塗布領域104aに搬送される。この位置においても部品保持ユニット140はノズル142の先端(素子10)が鉛直方向の上方に位置するように反転させて保持している。ノズル142で保持されている素子10は、実装時の上面が上方に向いている状態(同図(b))から、実装時の下面が上方に向く状態に上下反転されてノズル142に保持される。つまり素子10は、下方(実装時の上面側)から保持される。そしてこの状態で、所定の時間静止する。回転テーブル130が静止している間に、第一塗布ユニット116aは、素子10の上方から供給ノズル156を下降させ、素子10の所定の領域(電極11:図8参照)に導電性接着材を塗布(供給)する。
<第二塗布領域104bの動作>図7(d)に示すように、回転テーブル130の回転によって、部品保持ユニット140が第二塗布領域104bに搬送されて、この状態で、所定の時間静止する。回転テーブル130が静止している間に、第二塗布ユニット116bは、素子10の上方から供給ノズル156を下降させ、素子10の所定の領域(電極12:図8参照)に導電性接着材を塗布(供給)する。
<接着剤確認領域(兼第二姿勢確認領域)108の動作>図7(e)に示すように、導電性接着材Nの塗布後、回転テーブル130が、反時計回りに略45度回転しつつ、その間に部品保持ユニット140が旋回軸線S周りにノズル142を略180°回転(上下反転)させる。これにより、素子10は再び上下が反転し、すなわち実装時の上面が上方となるようにノズル142に保持される。その後、ノズル142は接着剤確認領域108に進入する。接着剤確認領域108では、下側に配置されるカメラ117cによって、素子10を撮像し、接着剤の塗布状況と、素子10の姿勢を確認する。塗布量に異常があった場合は、実装部材20に実装することなく、廃棄領域109において、素子10を廃棄トレイに放出する。
<実装領域105の動作>図7(f)に示すように、実装領域105では、ノズル142が進入する前に、カメラ117dによって搭載領域105で待機する実装部材20の状態を画像認識する。この画像認識結果と、図7(e)で説明した素子10の姿勢との差異を解析し、ノズル142を自転軸J周りに回転させると共に、実装部材20のX−Y平面位置を、整列トレイ移動手段172によって調整して、両者を一致させる。なお、カメラ117dによる画像認識は、素子10が搭載領域105に到着する前に完了していればよく、このタイミングに限定されるものではない。
部品保持ユニット140に保持されている素子10が搭載領域105に到着すると、回転テーブル130が静止し、その間に、外部付勢装置150aが、部品保持ユニット140を押圧する。これにより、部品保持ユニット140のノズル142が下降して、素子10を搭載領域105で待機する実装部材20内に収納するとともに接着し、電子部品(水晶振動子)を組み立てる。
<廃棄領域109の動作>図7(g)に示すように、廃棄領域109に進入したノズル142は、姿勢や位置の制御が不可能と判断される素子10を廃棄トレイに放出する。
このように、各作業領域で上記動作を併行して行うことで、搬送装置101は水晶振動子を高精度に組み立てる。
このような構成によれば、導電性接着材Nは、素子10に直接塗布され、実装部材(パッケージ)20には塗布する必要がないため、素子10や実装部材20が極小化した場合であっても塗布ユニット116a、116bの供給ノズル156が実装部材(パッケージ)20内壁に接触する恐れがなくなり、実装部材20に供給することによる供給位置のずれや、供給量(塗布量)のばらつきを抑制できる。これにより、素子10が極小の場合であっても、電極11、12間のショートを防ぎ、不良素子の増加を回避できる。
また、本第二実施形態のように、素子10の形状誤差は塗布量に影響を与えない程度の極小レベルであり、かつ、搬送装置101における第一及び第二塗布領域104a、104bのノズル142の吸着面142aの位置も、予め高精度に位置決めできる。従って、塗布ユニット116a、116bの供給ノズル156と、素子10との距離に殆ど誤差が生じない為、導電性接着材Nの塗布量に誤差が殆ど生じないで済む。
また、素子10は、塗布領域104a、104bで導電性接着材Nが塗布され、その直後に実装部材20に実装するため、塗布から(実装部材20への)接着までの時間を従来から短縮でき、供給する導電性接着材Nが微量であっても素子10の固着前に乾燥してしまう問題を回避できる。
また、部品保持ユニット140で保持される素子10のうち、導電性接着材Nが塗布されて実装部材20に実装されるまでの素子10の数を少なくできる。すなわち、本実施形態では、導電性接着材Nが塗布され、且つ実装部材20に実装されるまでの素子10の数は最大で4個である。従って、組立工程中にラインが長時間停止した場合であっても、導電性接着材Nが塗布され、且つ実装部材20に実装する前の素子10は少数であるため、塗布した導電性接着材Nの乾燥による廃棄素子を最小限に抑えることができる。
また、搬送装置101は、ターレットの周方向に配置された素子10を保持する部品保持ユニット140が、ノズル142を水平軸周りに略180度(または360度)回転させることが可能であるため、搬送装置101の(実作業を行う基台102の)省スペース化が図れる。
さらに、搬送装置101は、ノズル142を有する部品保持ユニット140が回転テーブル30の周方向に複数設けられている。したがって、第1の部品保持ユニット140が素子10を吸着保持する工程と、第2の部品保持ユニット140が素子10に導電性接着材を塗布する工程と、第3の部品保持ユニット140が素子10を実装部材20に接着して組み立てる工程等を同じ静止時間中に同時に行うことができる。
また、素子供給領域103、搭載領域105、廃棄領域109は、この順番で、部品保持ユニット140の1方向に回転する回転経路上に設けられている。したがって、搬送装置101は、回転テーブル130を回転することで、部品保持ユニット140を素子供給領域103から廃棄領域109まで順番に搬送することができ、これらの工程を確実に行うことができる。
さらに、搬送装置101は、素子供給領域103に次の素子10を配置する素子供給装置110と、搭載領域105に組立前の実装部材20を搬送する実装部材供給装置170をさらに備えている。したがって、回転テーブル130が回転して、任意の部品保持ユニット140が素子供給領域103に停止する前に、次の素子10を供給するようになっている。また、搬送装置101は、回転テーブル130が回転して、部品保持ユニット140が搭載領域105に停止する前に、実装部材供給装置170が次の実装部材20を搭載領域105に移動させるようになっている。したがって、無駄な時間を排除し、動作を高速にすることができる。
なお、本実施形態に係る搬送装置101は、8つの部品保持ユニット140を備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の個数(例えば4個、8個、12個、16個)を備えていても良い。
また、搬送装置101は、回転テーブル130を、運転位置において回転の中心軸が上下方向(鉛直方向)となるように配設されているが、これに限定されるものではなく、運転位置における回転の中心軸が水平方向や斜め方向となるように配設されるものであってもよい。また、回転テーブル130は、本実施形態に示される形状以外の形状であってもよい。
さらに、搬送装置101は、各部が中央制御装置190によって統括的に制御される構成であるが、これに限定されるものではなく、個別に専用の制御装置を設けるようにしてもよい。
そして、搬送装置101のアーム120は、基台102に配設されるものに限定されるものではなく、他の部材に配設されるものや、独立して配設されるものであってもよい。また、アーム120は、揺動以外の動作を可能に構成されるものであってもよい。例えば、上下方向のみの移動であってもよく、さらに、上下方向に直線移動した後に揺動するようにしてもよい。または、複数の異なる回転軸を中心に揺動もしくは回動するようにアーム120を構成してもよい。また、アーム120ではなく、基台102側から突設させる軸に対して、回転テーブル130を回動自在に保持させても良い。
また、各作業領域は、本実施形態において示した位置に限定されるものではなく、他の位置に配置するようにしてもよい。さらに、部品の加工組立や検査等を行う作業工程を搬送途中に設けるようにしてもよい。
そして、回転テーブル130の回転は、45度回転するごとに静止する間欠回転に限定されるものではなく、部品保持ユニット140が、各作業領域に対向する位置にある場合にも、回転テーブル130を低速で回転させ続けるようにしてもよい。この場合、素子供給装置110と実装部材供給装置170は、素子供給領域103や搭載領域105において、回転テーブル130と同方向且つ同速度で移動するように回転する回転テーブルとすることが好ましい。つまり、素子供給領域103では、回転テーブル130に配置されるノズル142は、自身と同方向且つ同速度で移動する素子供給装置110に供給される素子10を、回転中に吸着することができる。また、搭載領域105では、部品保持ユニット140は、ノズル142に吸着している素子10を、素子10と同方向且つ同速度で移動する実装部材供給装置170に供給される実装部材20に、回転中に組み立てることができる。
<第二実施形態の搬送装置のオプション構成>
上記第二実施形態の搬送装置において、極めて高精度に素子10を実装する必要がある場合に追加搭載する「姿勢情報取得手段180」について説明する。
図1及び図2に示すように、姿勢情報取得手段180は、搭載領域105に配置されており、ここでは図示を省略するカメラ(CMOSカメラやCCDカメラなど)で構成される。カメラは、姿勢情報取得領域106に位置する部品保持ユニット140のノズル142に保持された素子10を、真下から撮像するとともに、搭載領域105に供給されて待機する実装部品20を真上から撮像する。すなわち、カメラは、搭載領域105に向けて搬送されている素子10を待ち受けると共に、その素子10を下から撮像して、当該素子10の水平面内に関する傾斜情報を、画像情報として取得する。また、カメラは、搭載領域105で待機する実装部材20を上から撮像して、当該実装部材20の水平面内に関する傾斜情報を、画像情報として取得する。また、カメラは、中央制御装置190と電気的に接続されており、撮像して得られた画像情報を中央制御装置190に送信する。そして、カメラで取得した姿勢の画像情報に基づいて、素子10の姿勢(位置、高さ)および/または実装部材20の姿勢(位置、高さ)を修正する。
以上の通り、中央制御装置190は、姿勢情報取得手段(カメラ)180の撮像結果を比較して、実装部材20及び素子10の相対位置ずれ量Gを導出する解析ユニットとしても機能する。
整列トレイ移動手段172は、搭載領域105にある部品保持ユニット140のノズル42の真下に対応するように、素子10が搬送されてくることに先立って、複数の実装部材20を1つずつ順番に搭載領域105に供給する。この整列トレイ移動手段172は、中央制御装置190が導出した相対位置ずれ量Gに基づいて、実装部材20の位置を調整する位置調整ユニットとして機能する。
図9から図11を参照して、姿勢情報取得手段180について更に説明する。図9は、姿勢情報取得手段180の構成を示す図であり、図10は、搬送装置101における画像信号等の流れを説明する概略図である。図11(a)は、搭載領域105に搬送された素子10を撮像した画像を示す概略図である。同図(b)は、搭載領域105で待機する実装部材20を撮像した画像を示す概略図である。なお、図10においては図面を簡略化し、実装部材20を直方体形状に示しているが、実際には、実装部材20は上方が開口した箱状体のパッケージである。
図9に示されるように、姿勢情報取得手段180は、本実施形態では2台のカメラ180(実装部材用のカメラ181、素子用のカメラ182)と、導光ユニット183で構成され、搭載領域105に配置される。実装部材用のカメラ181、素子用のカメラ182はそれぞれCMOSカメラやCCDカメラなどである。
カメラ181は、搭載領域105に供給された実装部材20を、素子10が搬送されてくることに先立って、導光ユニット183を介して真上から撮像する。すなわち、カメラ181は、搭載領域105に供給された実装部材20を撮像して、当該実装部材20の水平方向に関する位置情報を、画像情報として取得する。また、カメラ181は、中央制御装置190と電気的に接続されており、撮像して得られた画像情報を中央制御装置190に送信する。
カメラ182は、搭載領域105において、搬送された素子10を、導光ユニット183を介して真下から撮像する。すなわち、カメラ182は、搭載領域105に搬送された素子10を撮像して、当該素子10の水平方向に関する位置情報を、画像情報として取得する。また、カメラ182は、中央制御装置190と電気的に接続されており、撮像して得られた画像情報を中央制御装置190に送信する。中央制御装置190は、カメラ181,182の撮像結果に基づいて、実装部材20及び素子10の相対位置ずれ量Gを導出する。具体的に、図11(a)に示されるように、カメラ182によって、素子10が、例えば左上の領域に位置する撮像結果が得られると共に、図11(b)に示されるように、カメラ181によって、実装部材20が、例えば右下の領域に位置する撮像結果が得られる場合を想定する。この場合、相対位置ずれ量を、右下の領域から左上の領域を結ぶ矢印Gで示される量と導出する。中央制御装置190は、相対位置ずれ量Gに基づいて、整列トレイ移動手段(位置調整ユニット)172を動作させて、実装部材20の水平面内の位置が素子10の水平面内の位置と同じになるように、当該実装部材20の水平方向の位置を調整する。
なお、ここでは、X−Y平面方向の位置ずれ量Gのみを導出する場合を示したが、回転のずれ量を導出することも可能である。この場合は、X−Y平面方向の位置ずれ量Gを導出する前に、一度、上下のカメラ181、182によって撮像して回転のずれ量を中央制御装置190によって解析し、回転のずれ量が零に近づくように、ノズル142を回動させて素子10の角度を調整する(実装部材20の角度を整列トレイ移動手段172で制御することも可能である)。その後、再度、素子10の保持姿勢を撮像して、X−Y平面方向の位置ずれ量Gを導出し、それが零に近づくように、実装部材20の水平方向の位置を調整する。ノズル142に対して素子10が偏心状態で保持されていると、回転方向の位置決めを行う際に、素子10がX−Y平面方向に変位するからである。
導光ユニット183は、下側採光部183aからカメラ181に導光する実装部材側光路(図示省略)を備え当該カメラ181に実装部材20を撮像させると共に、上側採光部183bからカメラ182に導光する素子側光路(図示省略)を備え当該カメラ182に素子10を撮像させる。この導光ユニット183は、ミラー、レンズ、プリズム等の複数の光学系(光路)を内蔵するボックス型のユニットであり、10mm角程度の大きさを有する。導光ユニット183は進退ユニット(図示省略)によって駆動され、下側採光部183a及び上側採光部183bが必要に応じて搭載領域105に進退させられる。進退ユニットは、カメラ181が実装部材20を撮像するに先立って、搭載領域105で待機する実装部材20の真上に下側採光部183aを進入させている(図10参照)。また、進退ユニットは、カメラ182が素子10を撮像するに先立って、搭載領域105で待機する実装部材20と素子10との間に上側採光部183bを進入させている(図10参照)。なお、搭載領域105に到達する順序は、実装部材20が搭載領域105で待機させられた後、またはその待機動作と同時に、進退ユニットによって導光ユニット183が搭載領域105に進入させられ、その後、素子10が搭載領域105に搬送されてくる。
これにより、導光ユニット183は、カメラ181が実装部材20を撮像する際に、下側採光部183aが、搭載領域105で待機する実装部材20の真上に配置され、実装部材20の真上からの撮像を可能にする。また、導光ユニット183は、カメラ182が素子10を撮像する際に、上側採光部183bが、搭載領域105で待機する実装部材20と搭載領域105に搬送された素子10との間に配置され、素子10の真下からの撮像を可能にする。なお、導光ユニット183は、素子10と実装部材20との間に配置される部分の厚みtを小さくし、組立時のストロークを小さくすることが好ましい。このため、導光ユニット183の該当部分の厚みtは、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましい。この厚みtは、光学系を内蔵することから薄くすることに限界があり、現時点では8mmまで薄くすることができる。
なお、図9(a)、(b)に示される位置情報取得手段180は、2台のカメラ181,182が横向きに配置されているが、搬送装置101の態様に応じて、図9(c)に示されるように、2台のカメラ181,182が1縦向きに配置されるようにしてもよい。
この搬送装置101では、導光ユニット183(又は上部カメラ117d)を利用して搭載領域105で待機する実装部材20の大よその位置調整を、素子10が搬送されてくる前に行なうことができる。また、搬送装置101では、ノズル142に保持された素子10の姿勢の調整を、回転テーブル130の回転移動中(移動軌跡の途中)に行っている。従って、素子10と実装部材20の相対位置の極めて微小な誤差に限って、搭載領域105に搬送されてから姿勢情報取得手段180で行うため、搬送装置の機械的精度の影響を受けずに、正確で確実な調整を行うことができる。また、実装部材供給装置170の整列トレイ移動手段172を駆動するだけで、素子10と実装部材20との相対位置ずれをなくすことができるので、装置を複雑にする必要がない。
そして、素子10および実装部材20の極小化に伴い、これらを組み立てる際の位置合わせも高い精度が要求されるが、本実施形態によれば、姿勢情報取得手段180を利用して、短時間、省スペースで素子10と実装部材20の位置合わせを高精度に行うことができる。
なお、本実施形態において、素子10に塗布する導電性接着材の材料として導電ペーストを例示したが、これは特に限定されるものでない。例えば、後の加熱工程によって全て揮発するような化学材料でもよい。
<第三実施形態>
次に、図12を参照して第三実施形態に係る搬送装置101を示す。なお、第一実施形態の搬送装置と主として異なる点は、第三実施形態の搬送装置101の部品保持ユニット140はノズル142が自転しないことである。従って、部品保持ユニット140を除けば、第一実施形態と第三実施形態は同一又は類似している。従って、第三実施形態では主として部品保持ユニットを説明し、第一実施形態と類似する機能を有する部品等については、図示を省略したり、また、同一符号を付することにより、説明を省略したりする。
図12に示すように、搬送装置101は、回転自在に配設された回転テーブル(ベース部材)130と、回転テーブル130の外周面に周方向に沿って配設された複数の部品保持ユニット140と、回転テーブル130から独立(離反)位置に配置される上側外部付勢装置(第一吸着方向駆動手段)150aと、下側外部付勢装置(第二吸着方向駆動手段)150bを備える。
部品保持ユニット140は、水平となる旋回軸線S周りに、ノズル142を旋回自在となっており、ノズル142の先端を旋回させることができる。部品保持ユニット140は、略円筒状の回転テーブル130の外周面に突設される。
部品保持ユニット140は、筺体141と、筺体141に対して、鉛直方向の平面内に沿う中心軸線Jに対して垂直となる旋回軸線S周りに旋回自在に配設されたノズル142と、ノズル142を旋回駆動するノズル旋回駆動手段147、ノズル142をノズル中心軸線Jに沿って案内する案内機構149を有して構成される。
筺体141は、水平方向(回転テーブル130の半径方向)に延びる筒状部材となっており、その端面にフランジ141aが形成される。このフランジ141aを、回転テーブル130の外周面に形成される固定用平面130xに当接させて、特に図示しないボルト等によって着脱自在に固定される。従って、フランジ141aと固定用平面130xの間にシム等を挿入すれば、回転テーブル130の回転軸線(回転中心)からの部品保持ユニット140(ノズル142)までの半径方向距離を、事後的に微調整することができる。
ノズル142は、先端に吸着面142aが配設された細長い円筒状の部材である。ノズル142は、吸着方向に沿った中心軸線J方向に沿って往復移動自在となっている。ノズル142の内部は吸着面142aに繋がる吸引通路142bとなっている。
切替バルブ137は、真空ポンプからノズル142までのエア流路の連通・遮断を切り替えると共に、遮断時には、ノズル142を大気開放状態とするように構成されている。すなわち、ノズル142は、切替バルブ137によって真空ポンプと連通された場合に、部品を吸引して吸着(保持)し、切替バルブ137によって真空ポンプから遮断された場合に、部品を解放する。
案内機構149は、ノズル142を内部に収容して中心軸線J方向に移動自在に保持する保持部材149gを備える。この保持部材149gは、旋回軸148に固定される。案内機構149には、バネによって構成される内部付勢手段144aが配置される。この内部付勢手段144aは、保持部材149gを基準として、ノズル142を、自転軸線Jの吸着方向と反対側に付勢する。保持部材149gには、ストッパ144bが設けられる。このストッパ144bは、ノズル142における吸着方向と反対側の移動限界を規定する。
ノズル142には、被係合部144cが設けられる。この被係合部144cは、ノズル142のノズル中心軸線Jから半径方向にオフセットする面を有する。このオフセット面に対して、上側及び下側外部付勢装置150a,150bを当接させる。オフセットさせることで、上側及び下側外部付勢装置150a,150bもオフセットできるので、カメラを自転軸線Jの延長線上に配置できる。
上側及び下側外部付勢装置150a,150bは、被係合部144cを利用して、ノズル142をノズル中心軸線Jの他方向(ここでは、ノズル142の先端が突出する方向、即ち吸着方向)に付勢する。結果、バネとなる内部付勢手段144aに抗して、ノズル142が先端方向に移動できる。なお、上側外部付勢装置150aは、ノズル142の吸着面142aが鉛直下方に向くときに用いられ、下側外部付勢措置150bは、ノズル142の吸着面142aが鉛直上方に向くときに用いられる。また、上側外部付勢装置150aと下側外部付勢措置150bは、回転テーブル130の回転に伴うノズル142の移動軌跡上において、互いに異なる場所に配置される。
ノズル旋回駆動手段147は、回転テーブル130の半径方向に配置される旋回軸148と、この旋回軸148を旋回軸線S周りに回転駆動する旋回用モータ147aと、旋回用モータ147aを回転テーブル130に固定するブラケット147fと、旋回軸148を回転自在に筐体141に保持させる一対の軸受け147bとを有する。なお、特に図示しないが、一対の軸受け147bの間に形成される隙間は、外部に空気が漏れないようにエアシールが配置されており、エア流路として活用される。
旋回軸148には、エア流路148cが形成される。このエア流路148cは、チューブ配管148fを介してノズル142の吸引通路142bに繋がる。また、筐体141には、エア流路141fが形成され、回転テーブル130にも、エア流路130fが形成される。これらの3つのエア流路148c、141f、130fは、互いに連通するように配置される。従って、切替バルブ137から供給される負圧(または大気)が、エア流路148c、141f、130f及びチューブ配管148fを介して、ノズル142内に供給される。
旋回軸148における外側端(回転テーブル130の半径方向外側端)は、筐体141から露出するフランジ構造となっており、この端面に案内機構140の保持部材149gが固定される。従って、旋回軸148が回転すると、案内機構140、被係合部144c、ノズル142が一緒に回転する。
以上の構成となる部品保持ユニット140は、図12(a)に示すように、上側外部付勢装置150aを利用して押し下げれば、ノズル142がノズル中心軸線Jの方向に移動自在となる。更に、ノズル142は旋回軸線S周りに旋回自在となるので、例えば図12(b)のように、ノズル142の吸着面142aを上方に向けることができる。この状態において、下側外部付勢装置150bを利用して押し上れば、ノズル142がノズル中心軸線Jの方向に移動自在となる。
また、ノズル142を中心軸線Jの方向に移動させる際に、旋回用モータ147aは中心軸線J方向に移動しない構造、即ち、旋回用モータ147aよりも先端側に案内機構140が配置される構造となっているので、移動重量が軽くなり、慣性力が低減されてノズル142の位置決め精度を高めることが可能となる。
更に、ノズル142を旋回させる際に、被係合部144cも共に旋回するので、ノズル142がどのような旋回角度に位置決めされても、被係合部144cは常にノズル142の後端側に位置する。即ち、ノズル142の吸着面142aと被係合部144cが干渉することが無い。結果、回転テーブル130の上面及び下面の空間を常に有効活用できる。また、外部付勢装置150a、150bが、回転テーブル130から離反しているので、回転テーブル130の重量を低減できるので、慣性力が小さくなり、回転速度を高めても、停止時の位置決め精度を高めることができる。
上記実施形態の上記搬送装置では、軸方向駆動手段(外部付勢装置)が、部品保持ユニットの外部に配置される場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、各部品保持ユニットに、軸方向駆動手段を配置しても良い。例えば、案内機構149を直動モータとすれば、案内機構と軸方向駆動手段を兼ねることも可能である。
また、繊維や砥石等によって形成される清掃面を有し、ノズルの先端と当接して、付着した導電性接着材を定期的に拭き上げる清掃装置を備えても良い。
また、本発明の部品の搭載装置及び部品の搭載方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。