JP2016091578A - 磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板の主表面に対して垂直な側壁面、および、主表面と側壁面とを接続する介在面からなる端面を研磨する端面研磨処理において、介在面の研磨速度に対する側壁面の研磨速度を適切な範囲とする。【解決手段】結晶セルロース系分散剤又はリン酸系分散剤を含む磁気機能性流体を用いて端面研磨処理を行うことで、介在面の研磨速度に対する側壁面の研磨速度を適切な範囲とすることができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、磁気ディスク用基板の製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、DVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が内蔵されている。ハードディスク装置では、基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッドで磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板として、金属基板(アルミニウム基板)等に比べて塑性変形し難い性質を持つガラス基板が好適に用いられる。
ハードディスク装置において記憶容量を増大させるために、磁気記録の高密度化が図られている。例えば、磁性層における磁化方向を基板の面に対して垂直方向にする垂直磁気記録方式を用いて、磁気記録情報エリアの微細化が行われている。これにより、1枚のディスク基板における記憶容量を増大させることができる。このようなディスク基板においては、磁気ディスク用基板の表面凹凸を可能な限り小さくして磁性粒の成長方向を垂直方向に揃え、磁性層の磁化方向を基板面に対して略垂直方向に向かせることが好ましい。
さらに、記憶容量の一層の増大化のために、DFH(Dynamic Flying Height)機構を搭載した磁気ヘッドを用いて磁気記録面からの浮上距離を極めて短くすることにより、磁気ヘッドの記録再生素子と磁気ディスクの磁気記録層との間の磁気的スペーシングを低減して情報の記録再生の精度をより高める(S/N比を向上させる)ことも行われている。この場合においても、磁気ヘッドによる磁気記録情報の読み書きを長期に亘って安定して行うために、磁気ディスクの基板の表面凹凸を可能な限り小さくすることが求められる。
磁気ディスク用基板の表面凹凸を小さくするために、基板の研磨処理が行われる。基板を最終製品とするための精密な研磨に、酸化セリウムやコロイダルシリカ等の微細な研磨砥粒を含む研磨剤を用いる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
一方、基板の主表面に垂直な側壁面、および、主表面と側壁面とを接続する介在面からなる端面においても、微小な傷があると、基板の割れの原因となる。また、微小な傷に砥粒等の異物が入り込み、入り込んだ異物がその後主表面に付着する等の問題が生じうる。このため、端面の微小な傷を除去するために、酸化セリウム砥粒を用いたブラシ研磨により端面の研磨処理を行うことも知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、磁気粘性流体(Magnetorheological fluid)に非磁性材料を接触させながら、非磁性材料を磁気粘性流体に対して相対移動させることで、非磁性材料の研磨処理を行う磁気研磨方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2010−59310号公報 特開2012−203922号公報 特開2008−290162号公報
本願の発明者は、基板の主表面に対して垂直な側壁面、および、主表面と側壁面とを接続する介在面(以下、側壁面と介在面とを合わせて端面という)を研磨する端面研磨処理を行う際に、従来よりも端面の研磨レートを高くするために、磁気研磨方法を行うことを試みた。具体的には、磁場発生手段を用いて磁場を形成し、当該磁場に磁性粒子を含む磁気機能性流体を配置し、磁力線の向きが基板の厚さ方向となるように、基板の端面を磁気機能性流体と接触させた状態で、端面を磁気機能性流体に対して相対移動させることにより、基板の端面を研磨する処理を行った。すると、側壁面の研磨速度に対して、介在面の研磨速度が低くなることが確認された。側壁面の研磨速度に対して、介在面の研磨速度が低いと、介在面の研磨を充分に行うまでに側壁面が余分に研磨されることとなり、生産効率上好ましくない。
そこで、本発明は、基板の主表面に対して垂直な側壁面、および、主表面と側壁面とを接続する介在面からなる端面を研磨する端面研磨処理において、介在面の研磨速度に対する側壁面の研磨速度を適切な範囲とすることができる、磁気ディスク用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本願の発明者は、磁気機能性流体を用いて基板の端面研削処理を行う場合に、基板の側壁面の研磨速度に対して、介在面の研磨速度が低い原因を鋭意検討した。その結果、原因は、以下の通り推定された。
すなわち、磁気機能性流体中の磁性粒子は、磁力線に沿って配列する。ここに、基板の主表面が磁力線と直交するように、基板の端面を磁力線と直交する方向から磁気機能性流体中へ挿入すると、磁力線に沿った磁性粒子の配列が端面に沿って折り曲げられる。このとき端面から磁性粒子に作用する力(および反作用として磁性粒子から端面に作用する力)は、端面による磁性粒子の変位量、すなわち、端面の磁気機能性流体への挿入量に比例する。このため、介在面よりも深く磁気機能性流体に挿入される側壁面ほど磁性粒子から作用する力が大きくなり、側壁面の研磨速度が介在面の研磨速度よりも高くなることを見出した。
さらに本発明者が検討したところ、端面研磨処理に用いる磁気機能性流体に、適切な分散剤を添加することで、介在面の研磨速度に対する側壁面の研磨速度の比が1に近づくことが判明した。
そこで、本発明の第一の態様は、基板の主表面に対して垂直な側壁面、および、前記主表面と前記側壁面とを接続する介在面からなる端面を研磨する端面研磨処理を有する磁気ディスク用基板の製造方法であって、
前記端面研磨処理は、磁場発生手段を用いて前記基板の厚さ方向に磁力線が進むように磁場を形成し、当該磁場に磁性粒子を含む磁気機能性流体を配置し、前記基板の端面を前記磁気機能性流体と接触させた状態で前記磁気機能性流体に対して相対移動させることにより、前記基板の端面を研磨する処理であり、
前記磁気機能性流体は、分散剤を含み、
前記分散剤は、結晶セルロース系分散剤又はリン酸系分散剤を含むことを特徴とする。
ここで、磁気機能性流体は、磁場に応答する機能性流体であればよい。例えば、粒径が数μmの磁性粒子(例えば純鉄等)を溶媒に分散させた磁気粘性流体(Magneto-rheological Fluid;MRF)、粒径が数nmの磁性微粒子(フェライト等)を溶媒に分散させた磁性流体(Magnetic Fluid;MF)、粒径が数μmの磁性粒子および粒径が数nmの磁性微粒子を混合した状態で溶媒に分散させた磁気混合流体(Magnetic Compound Fluid;MCF)などであってもよい。
前記磁気機能性流体は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、ダイヤモンドからなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料の研磨砥粒をさらに含むことが好ましい。
ここで、あらかじめ、前記磁気機能性流体中に含まれる分散剤の濃度と、前記磁気機能性流体を用いて端面研磨処理をしたときの前記側壁面の研磨速度R2に対する前記介在面の研磨速度R1の比R1/R2との対応関係を求めておき、
前記比R1/R2が所望の値となるように磁気機能性流体中の分散剤の濃度を調整することが好ましい。
前記端面研磨処理の間に、前記分散剤を前記磁気機能性流体に供給することで、前記磁気機能性流体中の分散剤の濃度を調整することが好ましい。
前記リン酸系分散剤はメタリン酸の無機塩であることが好ましい。
本発明によれば、結晶セルロース系分散剤又はリン酸系分散剤を含む磁気機能性流体を用いて端面研磨処理を行うことで、介在面の研磨速度に対する側壁面の研磨速度を適切な範囲とすることができる。
本実施形態の磁気ディスク用基板の断面図である。 本実施形態の端面研磨の研磨方法の説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る磁気ディスク用基板の製造方法について詳細に説明する。なお、本発明は、例えば公称2.5〜3.5インチサイズ(直径65〜95mm)、板厚0.5〜2.0mmの磁気ディスク用基板の製造に好適である。
(磁気ディスク用基板)
まず、磁気ディスク用基板について説明する。磁気ディスク用基板は、円板形状であって、外周と同心の円形の中心孔がくり抜かれたリング状である。磁気ディスク用基板の両面の円環状領域に磁性層(記録領域)が形成されることで、磁気ディスクが形成される。
磁気ディスクの材料として、非磁性の金属(アルミニウム、アルミニウム合金等)を用いることもできるが、金属に比べて塑性変形し難い性質を持つガラスが好適に用いられる。具体的には、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平面度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。以下ではガラスを用いた磁気ディスク用基板(ガラス基板)について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る基板の断面図である。
本実施形態のガラス基板1は、主表面10と、外側端面20と、内側端面30とを有する。
外側端面20は、主表面に対して垂直な外側壁面21、および、主表面10と外側壁面21とを接続する介在面22が含まれる。介在面22は、主表面10および外側壁面21に対して傾斜している。
内側端面30は、主表面10に対して垂直な内側壁面31、および、主表面10と内側壁面31とを接続する介在面32が含まれる。介在面32は、主表面10および内側壁面31に対して傾斜している。
(磁気ディスク用ガラス基板の製造方法)
次に、ガラスを用いて磁気ディスク用のガラス基板を製造する方法について説明する。
まず、磁気ディスク用ガラスブランクをプレス成形により作製する。磁気ディスク用ガラスブランク(以降、単にガラスブランクという)は、一対の主表面を有する円板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材であって、中心孔がくり抜かれる前の形態である。
次に、作製されたガラスブランクの中心部分に孔をあけ、リング形状(円環状)のガラス基板を作製する。次に、穴をあけたガラス基板に対して形状加工を行う。次に、形状加工されたガラス基板に対して端面研磨を行う。次に、端面研磨の行われたガラス基板に、固定砥粒による研削を行う。次に、ガラス基板の主表面に第1研磨を行う。次に、ガラス基板に対して必要に応じて化学強化を行う。その後、ガラス基板に対して第2研磨(鏡面研磨)を行う。第2研磨後、洗浄処理を経て、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
以下、各処理について、さらに説明する。
(a)プレス成形処理
溶融ガラス流の先端部を切断した溶融ガラスの塊を一対の金型のプレス成形面の間に挟みこみ、プレスしてガラスブランクを成形する。所定時間プレスを行った後、金型を開いてガラスブランクが取り出される。
(b)円孔形成処理
ガラスブランクに対してコアドリル等を用いて円孔を形成することにより円形状の中央孔があいたガラス基板を得ることができる。
(c)形状加工処理
形状加工処理では、円孔形成後のガラス基板の端部に対する面取り加工を行う。これにより、主表面10と内側壁面31とを接続する面取り面(介在面32)が形成される。
(d)端面研磨処理
端面研磨処理では、ガラス基板の内側端面及び外周側端面に対して、鏡面仕上げを行う。本実施形態においては、磁場発生手段を用いて磁場を形成し、当該磁場に磁性粒子を含む磁気機能性流体を配置した状態で、磁力線の向きがガラス基板の厚さ方向となるように、ガラス基板の端面を磁気機能性流体に挿入する。そして、端面を磁気機能性流体に接触させた状態で、端面を磁気機能性流体に対して相対移動させることにより、ガラス基板の端面を研磨する。
端面研磨による取代は、20μm以下であると好ましく、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。取代が多くなりすぎると、研磨前の形状との違いが大きくなったり、基板間における形状バラツキが発生する恐れがある。本実施形態の端面研磨は、従来の端面研磨の方式、例えばブラシおよび研磨スラリを用いてガラス基板の端面を研磨する従来の磁気研磨の方式に比べて短時間に研磨することができ、極めて生産効率がよい。 端面研磨処理を行うことにより、ガラス基板の端面に付着した塵等の異物や、傷等の損傷の除去を行うことができる。
端面研磨処理の詳細については、後述する。
(e)精密研削処理
精密研削処理では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて、ガラス基板の主表面に対して研削加工を行う。具体的には、ガラスブランクから生成されたガラス基板の外周側端面を、両面研削装置の保持部材に設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研削を行う。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス基板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させ、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス基板の両主表面を研削することができる。
(f)第1研磨処理
第1研磨処理は、主表面研磨処理であり、例えば固定砥粒による研削を行った場合に主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸(マイクロウェービネス、粗さ)の調整を目的とする。具体的には、両面研磨装置の研磨用キャリアに設けられた保持孔内にガラス基板の外周側端面を保持しながら、ガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。
(g)化学強化処理
化学強化処理では、ガラス基板を化学強化液中に浸漬することで、ガラス基板を化学強化する。化学強化液として、例えば硝酸カリウムと硫酸ナトリウムの混合熔融液等を用いることができる。なお、化学強化処理は必要に応じて行われればよく、化学強化処理を行わなくてもよい。
(h)第2研磨(鏡面研磨)処理
第2研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。第2研磨による取り代は、例えば1〜10nm程度である。
(i)洗浄処理
第2研磨処理の後、ガラス基板を中性洗剤、純水、イソプロピルアルコール等を用いて洗浄することで、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
〔端面研磨処理の詳細〕
次に、端面研磨処理について詳細に説明する。
図2は、本実施形態の端面研磨の研磨方法の説明図である。以下では、磁気機能性流体用いて端面研磨処理を行う場合について説明する。
端面研磨を行う研磨装置50は、磁場発生手段と磁気機能性流体40を用いてガラス基板の端面の研磨を行う。図2に示すように、研磨装置50は、N極とS極を対向させて配置される一対の磁石52および磁石54と、スペーサ56と、を含む。図2では磁石52のN極と磁石54のS極とが対向しており、磁石52のN極から磁石54のS極に磁力線(図2の破線矢印)が向かう磁場が形成されている。磁石52および磁石54は永久磁石であってもよいし、電磁石であってもよい。磁石52および磁石54の磁束密度は、後述するように磁気機能性流体40中の強磁性体粒子42が磁力線に沿ってクラスターを形成するように、0.3〜0.9テスラであることが好ましい。
スペーサ56は非磁性体からなり、磁石52のN極と磁石54のS極との間に挟まれている。スペーサ56の厚さはガラス基板1の厚さよりも厚い。このため、スペーサ56を介して対向する磁石52のN極と磁石54のS極との間には、ガラス基板1の厚さよりも広い幅の隙間が形成される。この隙間に、磁気機能性流体40が配置される。
研磨装置50を用いて端面研磨を行う場合には、端面研磨の対象となるガラス基板1は、図示されない回転体によって保持され、ガラス基板1は回転体とともに図示しない駆動モータによって中心軸回りに回転させられる。
磁石52のN極と磁石54のS極とにより形成される磁場に保持された磁気機能性流体40に、ガラス基板1の外側端面20を接触させ、ガラス基板1を保持する回転体によりガラス基板1を中心軸回りに回転させると、ガラス基板1の外側端面20と磁気機能性流体40とが相対移動することにより、ガラス基板1の外側端面20が研磨される。このとき、ガラス基板1の外側端面20と磁気機能性流体40との相対速度が40〜500m/分となるようにガラス基板1を回転させることが好ましい。なお、ガラス基板1を固定し、磁気機能性流体40を外側端面20に沿って移動させてもよい。
内側端面30についても、同様にして、内側端面30と磁気機能性流体40との相対速度が40〜500m/分となるようにガラス基板1を回転させることで研磨処理を行うことができる。
磁気機能性流体40は、溶媒41と、磁性粒子42と、界面活性剤と、分散剤(図示せず)とを含む。
溶媒41は、例えば、水、常温(20℃)で液体の炭化水素(ケロシン等)、シリコーンオイル等の常温で液体の物質である。磁気機能性流体40が常温で1000〜2000mPa・秒の粘度を有するように、溶媒は、例えば常温で100〜1000mPa・秒の粘度を有することが好ましい。
界面活性剤は、磁性粒子42を被覆して溶媒41と磁性粒子42とを親和させるものである。分散剤の種類に応じて任意の溶媒を用いることができる。
磁性粒子42は、例えば純鉄、フェライト、マグネタイト等の磁性体からなる粒子である。磁性粒子42の平均粒径(D50)は、例えば0.1μm〜10μmである。ここで、平均粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さいほうから計算して50%となる粒径である。
磁気機能性流体40は磁性粒子42を例えば3〜5g/cm含むことが好ましい。これにより、磁気機能性流体40が磁石52のN極と磁石54のS極との間で充分に大きい降伏せん断応力を有することとなる。磁気機能性流体40は、例えば0.4テスラの磁束密度において30〜60kPaの降伏せん断応力を有することが好ましい。この降伏せん断応力は、磁気機能性流体40とガラス基板1の外側端面20とが相対移動する際に、外側端面20が磁気機能性流体40から受けるせん断応力に影響を与える。磁気機能性流体40の降伏せん断応力が高いほど、磁性粒子42と外側端面20との接触による研磨が効率的に行われ、端面研磨処理における研磨速度を向上させることができる。
分散剤は、磁性粒子42同士の凝集を防止するものである。
磁気機能性流体40が磁場中にあるとき、磁性粒子42は、図2に示すように、磁力線に沿って配列しクラスターを形成する。このとき、分散剤がないと、磁力線に沿う方向に不均一なクラスターが生成されてしまい、研磨速度が不均一となってしまう。本実施形態では、磁気機能性流体40が分散剤を含むことで、磁力線に沿う方向に均一なクラスターを生成させることができる。
本実施形態においては、分散剤として、結晶セルロース系分散剤又はリン酸系分散剤を用いることができる。
結晶セルロース系分散剤は、磁性粒子42のクラスターを磁力線に沿う方向に延びるように配向させるとともに、磁力線と垂直な方向に隣接するクラスター同士の凝集を防ぐ役割を果たす。隣接するクラスター同士が凝集すると、磁力線に沿う方向に不均一なクラスターが生成されてしまう。
結晶セルロース系分散剤として、例えば、カルボキシメチル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基を有するセルロース誘導体を含む結晶セルロースを用いることができる。
特に、カルボキシメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む結晶セルロースを用いることが好ましい。
結晶セルロース系分散剤は、さらに、セルロース(カルボキシメチル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基を有さない)を含むことが好ましい。
リン酸系分散剤は、磁性粒子42同士の局所的な凝集を防ぐ役割を果たす。磁性粒子42同士の局所的な凝集が生じると、磁性粒子42同士の凝集体がクラスターに取り込まれ、磁力線に沿う方向に不均一なクラスターが生成されてしまう。
リン酸系分散剤として、例えばメタリン酸の無機塩を用いることができる。
例えば、メタリン酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を用いることができる。
この中でも、特に、ヘキサメタリン酸ナトリウムを用いることが好ましい。
磁場中において磁性粒子42が形成するクラスターは、図2に示すように、磁力線に沿って配向する。磁力線と垂直な方向(図2の右方向)からガラス基板1の外側端面20を磁気機能性流体40に挿入すると、外側端面20が磁性粒子42のクラスターに対して押圧される。本実施形態においては、磁気機能性流体40が上記の分散剤を含むことで、磁性粒子42同士が局所的に凝集することを防ぐため、磁性粒子42のクラスターに対して押圧される外側端面20の外側壁面21および介在面22に対し、磁性粒子42が均一に作用し、外側壁面21の研磨速度R2に対する介在面22の研磨速度R1の比R1/R2を1に近づけることができる。
磁気機能性流体40は、さらに、研磨砥粒を含んでいてもよい。研磨砥粒として、例えば、酸化セリウム、コロイダルシリカ(二酸化ケイ素)、酸化ジルコニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)砥粒、ダイヤモンド砥粒等の、ガラス基板の研磨用の砥粒として用いられる研磨砥粒を選択することができる。研磨砥粒の平均粒径(D50)は磁性粒子42の平均粒径(D50)と同程度であることが好ましく、例えば0.5〜3μmであることが好ましい。研磨砥粒は、磁気機能性流体40の全体の体積に対して、例えば3〜15容量%含まれていてもよい。
磁気機能性流体40が研磨砥粒を含む場合、磁場中において磁性粒子42が形成するクラスターでは、磁性粒子42同士の隙間に研磨砥粒が取り込まれて一体化する。分散剤があると磁性粒子42同士の凝集がしにくいため、磁性粒子42のクラスターに分散剤を介して研磨砥粒が均一に取り込まれて一体化する。このため、磁性粒子42のクラスターに対して押圧される外側端面20の外側壁面21および介在面22に対し、研磨砥粒が均一に作用する。これにより、外側壁面21の研磨速度R2に対する介在面22の研磨速度R1の比R1/R2をさらに1に近づけることができる。
本実施形態においては、あらかじめ、磁気機能性流体40中に含まれる分散剤の濃度と、この磁気機能性流体40を用いて端面研磨処理をしたときの外側壁面21の研磨速度R2に対する介在面22の研磨速度R1の比R1/R2との対応関係を求めておき、比R1/R2が所望の値となるように磁気機能性流体40中に含まれる分散剤の濃度を調整し、当該調整して得られた磁気機能性流体40を用いて端面研磨処理を行う。ここで、比R1/R2の所望の値とは、例えば0.7以上である。また、0.7以上1.3以下である。。
なお、磁気機能性流体40中の分散剤の濃度を0.1重量%以上とするだけでも、比R1/R2を上昇させる効果が得られる。磁気機能性流体40中に含まれる分散剤の濃度が大きいほど、比R1/R2が1に近づくことが分かっている。一方、分散剤の濃度が大きすぎると、研磨速度R1、R2の絶対値が低下してしまうことが分かっている。このため、分散剤の種類に応じて分散剤の濃度を適切な範囲とすることが好ましい。
例えば、結晶セルロース系分散剤を用いる場合には、比R1/R2を0.7以上とするために、磁気機能性流体40中の分散剤の濃度を0.5重量%以上とすることが好ましい。
また、リン酸系分散剤を用いる場合には、比R1/R2を0.7以上とするために、磁気機能性流体40中の分散剤の濃度を0.5重量%以上とすることが好ましく、比R1/R2を0.9以上とするために、磁気機能性流体40中の分散剤の濃度を1.0重量%以上とすることが好ましい。
磁気機能性流体40を用いて継続して端面研磨処理を継続して行うと、磁気機能性流体40中に含まれる分散剤の濃度が低下するにつれて、比R1/R2が低下する現象が生じる。磁気機能性流体40中に含まれる分散剤の濃度が低下する原因として、介在面と接触する磁気機能性流体40では、側壁面に比べて磁性粒子42の配列が引き伸ばされるため磁性粒子42同士の隙間が大きくなり、その結果、非磁性の分散剤が磁気機能性流体40から抜け易くなることが考えられる。
この場合、上記の分散剤の濃度と比R1/R2との関係を用いて、端面研磨処理後の比R1/R2が所望の値となるように磁気機能性流体40に分散剤を添加することができる。
例えば、継続して端面研磨処理を行った後のある時点の比R1/R2から、分散剤の濃度と比R1/R2との関係に基づいて、この比R1/R2に対応する分散剤の濃度をC1(重量%)と推定することができる。このときの磁気機能性流体40の重量をw1とすると、磁気機能性流体40に含まれる分散剤の重量はC1w1と推定される。
一方、所望の値の比R1/R2(例えば、R1/R2=1)に対応する分散剤の濃度がC2重量%(C2>C1)であるとする。ここで、磁気機能性流体40に添加する分散剤の重量をw2とし、重量w2の分散剤を添加後の磁気機能性流体40中の濃度がC2となるとしたとき、以下の式が成り立つ。
C1w1+w2=C2(w1+w2)
したがって、w2=w1(C2−C1)/(1−C1)とすることで、R1/R2を所望の値とすることができる。すなわち、重量w2の分散剤を添加することで、磁気機能性流体40中に含まれる分散剤の濃度をC2に維持することができる。
なお、分散剤を溶媒とともに添加する場合であっても、溶媒の重量を考慮して同様に添加量を算出することができる。分散剤の添加は、端面研磨処理中に行ってもよいし、端面研磨処理の間(1枚のガラス基板の端面研磨処理の後、次の1枚のガラス基板の端面研磨処理の前)に行ってもよい。
このように、端面研磨処理を継続して行う場合でも、所定量の分散剤を磁気機能性流体に連続的に又は断続的に添加し続けることで、外側壁面21の研磨速度R2に対する介在面22の研磨速度R1の比R1/R2を所望の値に維持することができる。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
〔実施例〕
本実施形態の効果を確かめるために、ガラス基板の端面研磨処理を行った。
端面研磨処理の対象であるガラス基板の外径は65mm、厚さは0.635mmとした。ガラス基板の形状加工処理で、ガラス基板の厚さ方向で0.15mmの面取りを主表面に対して45度の傾斜角度で施すことで介在面を作成した。
直径19mm、厚さ15mm、0.5テスラの磁束密度を有する一対の永久磁石を、一方の磁石のN極と他方の磁石のS極とが対向するように、ステンレス製のスペーサによって離間させて配置した。この一対の磁石の間に磁気機能性流体を供給した。次に、磁力線の向きがガラス基板の厚さ方向となるように、上記のガラス基板の端面を磁気機能性流体と接触させ、ガラス基板を中心軸回りに700rpmで15秒間回転させることで、ガラス基板の端面研磨処理を行った。
磁気機能性流体として、シリコーンオイル中に平均粒径(D50)2μmの純鉄の粒子を3g/cm分散させたものを用いた。
磁気機能性流体に用いた分散剤の種類および濃度は表1に示すとおりである。
(比較例)
分散剤を含まない点を除き、実施例と同様の磁気機能性流体を用いてガラス基板の端面研磨処理を行った。
〔評価〕
端面研磨処理前の外側壁面21および介在面22に対する、端面研磨処理後の外側壁面21および介在面22の変位量を計測することで、介在面22の研磨速度R1および外側壁面21の研磨速度R2を計測するとともに、R2に対するR1の比R1/R2を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2016091578
実施例1〜5により、分散剤としてカルボキシメチルセルロースを用いる場合には、分散剤の濃度を0.5重量%以上とすることで比R1/R2を0.7以上とし、分散剤の濃度を1.0重量%以上とすることで比R1/R2を0.9以上とすることができることがわかる。
実施例6〜11により、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを用いる場合には、分散剤の濃度を0.5重量%以上とすることで比R1/R2を0.7以上とし、分散剤の濃度を1.0重量%以上とすることで比R1/R2を0.9以上とすることができることがわかる。
このように、本実施形態によれば、継続して端面研磨処理を行うことで研磨液に含まれる砥粒の粒度分布が変化した場合でも、研磨液の粒度分布を調整し、端面研磨処理後のガラス基板における接続部の曲率半径を所望の値にすることができる。
1 ガラス基板
10 主表面
20 外側端面
21 外側壁面
22 介在面
30 内側端面
31 内側壁面
32 介在面
40 磁気機能性流体
41 溶媒
42 磁性粒子
50 研磨装置
52、54 磁石
56 スペーサ

Claims (5)

  1. 基板の主表面に対して垂直な側壁面、および、前記主表面と前記側壁面とを接続する介在面からなる端面を研磨する端面研磨処理を有する磁気ディスク用基板の製造方法であって、
    前記端面研磨処理は、磁場発生手段を用いて前記基板の厚さ方向に磁力線が進むように磁場を形成し、当該磁場に磁気機能性流体を配置し、前記ガラス基板の端面を前記磁気機能性流体と接触させた状態で前記磁気機能性流体に対して相対移動させることにより、前記基板の端面を研磨する処理であり、
    前記磁気機能性流体は、分散剤を含み、
    前記分散剤は、結晶セルロース系分散剤又はリン酸系分散剤を含む、
    磁気ディスク用基板の製造方法。
  2. 前記磁気機能性流体は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、ダイヤモンドからなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料の研磨砥粒をさらに含む、請求項1に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  3. あらかじめ、前記磁気機能性流体中に含まれる分散剤の濃度と、前記磁気機能性流体を用いて端面研磨処理をしたときの前記側壁面の研磨速度R2に対する前記介在面の研磨速度R1の比R1/R2との対応関係を求めておき、
    前記比R1/R2が所望の値となるように磁気機能性流体中の分散剤の濃度を調整する、請求項1又は2に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  4. 前記端面研磨処理の間に、前記分散剤を前記磁気機能性流体に供給することで、前記磁気機能性流体中の分散剤の濃度を調整する、請求項3に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  5. 前記リン酸系分散剤はメタリン酸の無機塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
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