JP2016090414A - 回転機械の軸軌跡表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転機械に取り付ける振動検出センサの数を1つにしても、回転軸の軌跡を表示できるようにする。【解決手段】回転軸56を等方性支持した軸受57に1つの加速度センサS11を取り付け、回転軸56が1回転する毎にパルス信号pを出力する回転数検出センサS21を備える。データ処理部110では、加速度信号aから振動変位信号を求め、振動変位信号を同期サンプリングして離散データを求め、離散データをFFTして回転軸の振れ回り運動を示す式を求め、この式を基に回転軸の軸軌跡を表示する。【選択図】図1
Description
本発明は、回転機械に備えられている回転軸の軸軌跡を表示する軸軌跡表示装置に関するものであり、回転機械に取り付ける振動検出センサの数を1つにしても、回転機械の回転軸の軌跡を表示できるように工夫したものである。
電力や鉄鋼や化学などのプラントにおける生産設備には、ポンプやブロアやコンプレッサーなどの多くの回転機械が使用されている。生産設備を効率よく維持・管理するために、予防保全を目的とした状態監視が、一部の機械に対して行われている。
このような状態監視においては、回転機械における回転軸の振動が、重要な監視項目になっている。回転機械の回転軸の振動を基に行う設備診断は、「簡易診断」と「精密診断」に分けられる。
このような状態監視においては、回転機械における回転軸の振動が、重要な監視項目になっている。回転機械の回転軸の振動を基に行う設備診断は、「簡易診断」と「精密診断」に分けられる。
簡易診断の目的は、回転機械の異常の早期発見である。このため簡易診断では、回転機械に振動センサを取り付け、この振動センサから出力される振動信号(振動の時間波形)から振動信号の実効値やオーバーオール値を求める。このようにして求めた実効値やオーバーオール値の推移を定期的に観察し、この実効値やオーバーオール値が、予め規定した値に近づいてきたら振動異常が生じてきたと判断している。
実効値やオーバーオール値を求める計測器は比較的安価である。
実効値やオーバーオール値を求める計測器は比較的安価である。
精密診断の目的は、回転機械で発生した異常の種類の同定(特定)である。このため精密診断では、回転機械に振動センサを取り付け、この振動センサから出力される振動信号をスペクトル解析装置に入力し、スペクトル解析して、発生した異常を同定していた。つまり、異常ごとに、発生する振動の周波数成分を予め特定しておき、スペクトル解析した各周波数成分の大きさを見て、この周波数成分に対応する異常が発生していると同定することができる。
スペクトル解析をするスペクトル解析装置は、一般的に、スペクトル解析をすることができるのみならず、他の解析も行うことができる計測機器であり、比較的高価である。
スペクトル解析をするスペクトル解析装置は、一般的に、スペクトル解析をすることができるのみならず、他の解析も行うことができる計測機器であり、比較的高価である。
スペクトル解析を行わずに精密診断を行う手法の一つとして、回転機械の回転軸の軸軌跡を求め、この軸軌跡から回転機械の異常の種類を同定する手法がある。
例えば図7は、軸軌跡と異常の種類の関係を示したものであり、「ISO基準に基づく機械設備の状態監視と診断」に示されているものである。
図7においては、左側の列に異常の種類、中央の列に時間波形、右側の列に軸軌跡を表示している。
例えば図7は、軸軌跡と異常の種類の関係を示したものであり、「ISO基準に基づく機械設備の状態監視と診断」に示されているものである。
図7においては、左側の列に異常の種類、中央の列に時間波形、右側の列に軸軌跡を表示している。
軸軌跡を求めるためには、振動センサを回転機械に取り付ける必要がある。図8(a),(b)は、ISO 13373-1に示されている「振動センサの設置位置」を流用した図である。図8において、回転機械10は回転軸11を有している。そして回転機械10のケーシング12に振動センサS1,S2を備えている。振動センサS1と振動センサS2は、回転軸11の回転軸心を中心とした円周上において、周方向に90度ずれた位置に配置されている。
この例では、振動センサS1は、回転軸11の軸心に直交す鉛直方向(Y軸方向)の振動を計測し、振動センサS2は、回転軸11の軸心に直交する水平方向(X軸方向)の振動を計測する。つまり円周上において90度の位相差で配置された2つの振動センサS1,S2により、2方向の振動(この例では鉛直方向(Y軸方向)と水平方向(X軸方向)の振動)を計測している。
更に、図示はしないが、回転軸11が1回転する毎に1つのパルス信号を出力する、回転数検出センサも備えられている。
この例では、振動センサS1は、回転軸11の軸心に直交す鉛直方向(Y軸方向)の振動を計測し、振動センサS2は、回転軸11の軸心に直交する水平方向(X軸方向)の振動を計測する。つまり円周上において90度の位相差で配置された2つの振動センサS1,S2により、2方向の振動(この例では鉛直方向(Y軸方向)と水平方向(X軸方向)の振動)を計測している。
更に、図示はしないが、回転軸11が1回転する毎に1つのパルス信号を出力する、回転数検出センサも備えられている。
これら振動センサS1,S2の振動信号及び回転数検出センサのパルス信号を処理することにより、回転軸11の軸軌跡を求めることができる。つまり、先ず回転数検出センサのパルス信号を基に回転軸11が1回転する1周期を求める。そして、各周期において、振動センサS1の振動信号(時間波形)の振幅値をY軸上に、振動センサS2の振動信号(時間波形)の振幅値をX軸上に、順次プロットして行くことにより、回転軸11の軸軌跡を求めることができる。図9は求めた軸軌跡(直角2方向の振動計測による軸軌跡)の一例である。
このようにして求めた回転軸11の軸軌跡の形状を、図7に示す関係図と参照・比較することにより、回転機械10に発生している異常の種類を同定することができる。
このようにすれば、スペクトル解析を行うことなく、簡便な手法により精密診断(異常の種類の同定)を実施することが可能となる。
なお、特許文献1(特開2012−5258)にも、同様な技術が開示されている。
このようにすれば、スペクトル解析を行うことなく、簡便な手法により精密診断(異常の種類の同定)を実施することが可能となる。
なお、特許文献1(特開2012−5258)にも、同様な技術が開示されている。
したがって、開発機の検証試験などにおいて、図8に示すような手法を採用して軸軌跡を求め、この軸軌跡を観察することによって運転中の回転機械の状態を把握することができる。
また、このような軸軌跡による精密診断は、スペクトル解析よりも比較的早く異常を検知することができるため、自励振動のような急激に振幅が大きくなる現象にも容易に対応することができる。
また、このような軸軌跡による精密診断は、スペクトル解析よりも比較的早く異常を検知することができるため、自励振動のような急激に振幅が大きくなる現象にも容易に対応することができる。
なお、回転機械の回転軸の振動は、一般的に振れ回り運動となる。そして回転方向と同方向の振れ回り運動を「前向き」の振れ回り運動、回転方向と逆方向の振れ回り運動を「後向き」の振れ回り運動と呼ぶ。
回転機械の多くは、不釣合いによって回転軸が前向きで加振され、振れ回り運動は前向きの振れ回り運動となる。しかし、滑り軸受など軸剛性に異方性がある回転機械では、前向きの加振に後向きの加振が加わり、振れ回り運動は前向きの振れ回り運動と後向きの振れ回り運動とが合成される結果、軸軌跡は楕円になる。
回転機械の多くは、不釣合いによって回転軸が前向きで加振され、振れ回り運動は前向きの振れ回り運動となる。しかし、滑り軸受など軸剛性に異方性がある回転機械では、前向きの加振に後向きの加振が加わり、振れ回り運動は前向きの振れ回り運動と後向きの振れ回り運動とが合成される結果、軸軌跡は楕円になる。
軸軌跡による精密診断を行うためには、図8に示すように2方向の振動を計測するため、2つの振動センサが必要である。
しかし、生産設備で実際に使用されている多くの回転機械には振動センサは設置されていない。一部の重要機器には各軸受付近で2方向の振動センサによる状態監視が行われているが、その周辺の準重要機器では回転数検出と加速度計による1方向のみの振動計測による簡易診断を行っている場合が多い。
しかし、生産設備で実際に使用されている多くの回転機械には振動センサは設置されていない。一部の重要機器には各軸受付近で2方向の振動センサによる状態監視が行われているが、その周辺の準重要機器では回転数検出と加速度計による1方向のみの振動計測による簡易診断を行っている場合が多い。
軸軌跡による精密診断を行うために、振動センサを新たに設置する場合は、振動センサ設置のための費用がかかる。更に、軸受部の追加工や配線の敷設などの付随する費用が多くなる。このため対象機械が多い場合には、振動センサを新設したり追加したりすると莫大な費用が掛かる。
本発明は、上記従来技術に鑑み、回転機械に取り付ける振動検出センサを1個にしても、回転機械の軸軌跡を求めることができる、回転機械の軸軌跡表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、
回転機械の回転軸の軸軌跡を表示する、回転機械の軸軌跡表示装置であって、
前記回転軸を等方性支持している軸受に設置されており、一方向の振動に対応する振動対応信号を出力する1つの振動検出センサと、
前記回転軸が1回転する毎に1つのパルス信号を出力する1つの回転数検出センサと、
データ処理装置とで構成されており、
前記データ処理装置は、
前記振動対応信号から、前記軸受の一方向の振動の時間変位を示す振動変位信号を求める積分機能部と、
前記パルス信号の周波数に比例したサンプリング周波数により、前記振動変位信号を同期サンプリングして、サンプリング数に応じた複数の離散データを得る同期サンプリング機能部と、
複数の前記離散データを高速フーリエ変換することにより、前記回転軸に生じる振れ回り運動を表す、フーリエ係数を用いた式を求める高速フーリエ変換機能部と、
前記式で描かれる軸軌跡を表示する表示機能部と、
を有していることを特徴とする。
回転機械の回転軸の軸軌跡を表示する、回転機械の軸軌跡表示装置であって、
前記回転軸を等方性支持している軸受に設置されており、一方向の振動に対応する振動対応信号を出力する1つの振動検出センサと、
前記回転軸が1回転する毎に1つのパルス信号を出力する1つの回転数検出センサと、
データ処理装置とで構成されており、
前記データ処理装置は、
前記振動対応信号から、前記軸受の一方向の振動の時間変位を示す振動変位信号を求める積分機能部と、
前記パルス信号の周波数に比例したサンプリング周波数により、前記振動変位信号を同期サンプリングして、サンプリング数に応じた複数の離散データを得る同期サンプリング機能部と、
複数の前記離散データを高速フーリエ変換することにより、前記回転軸に生じる振れ回り運動を表す、フーリエ係数を用いた式を求める高速フーリエ変換機能部と、
前記式で描かれる軸軌跡を表示する表示機能部と、
を有していることを特徴とする。
また本発明は、
前記振動検出センサは加速度センサであり、前記振動対応信号は加速度信号であること、
または、前記振動検出センサは速度センサであり、前記振動対応信号は速度信号であることを特徴とする。
前記振動検出センサは加速度センサであり、前記振動対応信号は加速度信号であること、
または、前記振動検出センサは速度センサであり、前記振動対応信号は速度信号であることを特徴とする。
また本発明は、
前記振動検出センサは振動センサであり、前記振動対応信号は振動変位信号であり、
前記データ処理装置は、前記同期サンプリング機能部と、前記高速フーリエ変換機能部と、前記表示機能部とにより構成されていることを特徴とする。
前記振動検出センサは振動センサであり、前記振動対応信号は振動変位信号であり、
前記データ処理装置は、前記同期サンプリング機能部と、前記高速フーリエ変換機能部と、前記表示機能部とにより構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、転がり軸受などにより等方性支持された回転軸を有する回転機械、つまり、回転軸に発生する振れ回り運動が前向きの振れ回り運動となる回転機械において、1つの振動検出センサを回転軸の軸受に設置するだけで、軸軌跡を表示することができる。
このため、必要となるセンサ数を削減でき、精密診断をすることができると共に、回転機械の異常原因を推定することが可能になる。
このため、必要となるセンサ数を削減でき、精密診断をすることができると共に、回転機械の異常原因を推定することが可能になる。
以下、本発明に係る軸軌跡表示装置を、実施例に基づき詳細に説明する。
本発明を適用する回転機械は、転がり軸受などにより等方性支持された回転軸を有する回転機械、つまり、回転軸に発生する振れ回り運動が前向きの振れ回り運動となる回転機械である。
なお、本発明は、滑り軸受のように異方性支持された回転軸を有する回転機械には適用しない。異方性支持された回転軸を有する場合には、加振力が前向きであっても、後向き振れ回り運動が僅かに励起されるため、本発明の手法によっては軸軌跡を求めることができないからである。
本発明を適用する回転機械は、転がり軸受などにより等方性支持された回転軸を有する回転機械、つまり、回転軸に発生する振れ回り運動が前向きの振れ回り運動となる回転機械である。
なお、本発明は、滑り軸受のように異方性支持された回転軸を有する回転機械には適用しない。異方性支持された回転軸を有する場合には、加振力が前向きであっても、後向き振れ回り運動が僅かに励起されるため、本発明の手法によっては軸軌跡を求めることができないからである。
〔実施例1〕
本発明の実施例1に係る回転機械の軸軌跡表示装置を、図1及び図2を参照して説明する。図1は、計測対象機器50と軸軌跡表示装置100とを全体的に示す構成図であり、図2は、軸軌跡表示装置100のうちデータ処理装置110を示すブロック図である。
本発明の実施例1に係る回転機械の軸軌跡表示装置を、図1及び図2を参照して説明する。図1は、計測対象機器50と軸軌跡表示装置100とを全体的に示す構成図であり、図2は、軸軌跡表示装置100のうちデータ処理装置110を示すブロック図である。
図1に示すように、計測対象機器50は、駆動機51により回転機械55を稼働させるものである。回転機械55の回転軸56は、転がり軸受である軸受57,57により支持されている。このため回転軸56は等方性支持され、回転軸56に振れ回り運動が発生した場合には、振れ回り運動は前向きの振れ回り運動となる。
軸軌跡表示装置100は、データ処理装置110と、加速度センサS11と、回転数検出センサS21により構成されている。
加速度センサS11は、回転機械55の一方の軸受57に設置されており、軸受57(回転軸56)の一方向の振動によって生ずる一方向の加速度を検出して加速度信号aを出力してデータ処理装置110に送る。
ここで「一方向」とは、回転軸56の回転軸心を直交して貫く直線が伸びる方向である。例えば、回転軸心を直交して貫く鉛直方向や、回転軸心を直交して貫く水平方向である。
ここで「一方向」とは、回転軸56の回転軸心を直交して貫く直線が伸びる方向である。例えば、回転軸心を直交して貫く鉛直方向や、回転軸心を直交して貫く水平方向である。
回転数検出センサS21は、回転軸56が1回転する毎に1つのパルス信号pを出力してデータ処理装置110に送る。
データ処理装置110では、加速度信号aとパルス信号pが入力されると、各処理機能部が次のようなデータ処理をすることにより、回転軸56の軸軌跡を求める。各処理機能部は、プラグラムによりデータ処理をするものであり、コンピュータとソフトウエアとにより構成できるものである。なお各処理機能部をハードウエアのみで構成することも可能である。
データ処理装置110の積分機能部120は、加速度信号aを2回積分して振動変位信号qを求める。振動変位信号qは、軸受57(回転軸56)の一方向の振動の時間変位を示すものである。
図3は、振動変位信号qとパルス信号pを示す。なお図3において、横軸は時間、縦軸は振幅を示している。
図3は、振動変位信号qとパルス信号pを示す。なお図3において、横軸は時間、縦軸は振幅を示している。
A/D(analog to digital)変換機能部130は、振動変位信号qとパルス信号pをA/D変換する。
同期サンプリング機能部140は、ディジタル化された振動変位信号qを同期サンプリングする。つまり回転軸56が1回転ごとに1つ出力されるパルス信号pの周波数に比例した(回転軸56の回転数に比例した)サンプリング周波数で、振動変位信号qをサンプリングする。
したがって、回転数が遅い時はサンプリング周波数は低くなり、回転数が速くなればそれに比例してサンプリング周波数は高くなる。換言すれば、パルス信号pの1周期(先行するパルス信号pと後行するパルス信号pとの間の周期)の時間が変化しても、パルス信号pの1周期あたりのサンプリング数Nを同一にして、振動変位信号qのサンプリングをしている。
図4は、1回転当たりのサンプリング数N=16として振動変位信号qを同期サンプリングした結果である。即ち図4は、振動変位信号qを同期サンプリングして得た離散データq−1〜q−16を表している。
したがって、回転数が遅い時はサンプリング周波数は低くなり、回転数が速くなればそれに比例してサンプリング周波数は高くなる。換言すれば、パルス信号pの1周期(先行するパルス信号pと後行するパルス信号pとの間の周期)の時間が変化しても、パルス信号pの1周期あたりのサンプリング数Nを同一にして、振動変位信号qのサンプリングをしている。
図4は、1回転当たりのサンプリング数N=16として振動変位信号qを同期サンプリングした結果である。即ち図4は、振動変位信号qを同期サンプリングして得た離散データq−1〜q−16を表している。
高速フーリエ変換機能部150は、同期サンプリングして得た離散データq−1〜q−16を高速フーリエ変換(FFT:first Fourier transform)する。
図5は、離散データq−1〜q−16を、高速フーリエ変換(FFT:first Fourier transform)した結果を示している。図5は等比FFTで、横軸が回転次数(回転数の整数倍)、縦軸が振幅を表していて、次数比分析と呼ばれる。
図5は、離散データq−1〜q−16を、高速フーリエ変換(FFT:first Fourier transform)した結果を示している。図5は等比FFTで、横軸が回転次数(回転数の整数倍)、縦軸が振幅を表していて、次数比分析と呼ばれる。
図5の回転n次に対応する複素フーリエ係数は次式で表すことができる。
Fn=cn−jsn ・・・(1)
ただし、cnは回転n次のcos成分の係数、snは回転n次のsin成分の係数、jは虚数単位である。
Fn=cn−jsn ・・・(1)
ただし、cnは回転n次のcos成分の係数、snは回転n次のsin成分の係数、jは虚数単位である。
もし、回転n次の振動波形がcos波の場合、式(1)の複素フーリエ係数はFn=cnである。回転n次の振動波形がsin波(90度の位相遅れ)の場合、式(1)の複素フーリエ係数はFn=−jsnである。このcn,snの値で回転n次の振動波形の振幅と位相を表すことができる。
そして、位相の基準はFFTの時間基準(時間・・・0)であり、等比FFTではパルス信号pに同期したサンプリング(図4)を行い、パルス信号pの間が窓時間となる。よって、パルス信号pがFFTの時間基準であり、式(1)の位相基準となる。
一方、図9に示す回転軸の振れまわり運動は、振動計測および回転パルス計測を+X方向から行った場合、X軸を実部、Y軸を虚部とした複素平面上の軌跡として考えることができる。
ここで、転がり軸受で支持された回転機械は、軸受剛性が等方性であると仮定する。通常発生する不釣合い(機械的アンバランス、ミスアライメントなど)は前向き加振力であるため、等方性支持された回転軸は前向きのみの振れまわり運動となる。この振れまわり運動は式(1)のフーリエ係数を用いて次式で表すことができる。
なお上記の式において、mはN/2.56以下で最大の整数とした理由は、通常のFET処理では折り返し誤差を防ぐために最大周波数がN/2.56となっているためであり、これより高周波側はアンチエイリアシングフィルターでゲインを小さくしているので考慮する必要はない。
表示機能部160は、式(2)で描かれる軸軌跡を表示する機能部である。図6は、式(2)で描かれた軸軌跡(1方向の振動計測による軸軌跡)である。
図6は、1方向の振動計測で描いた軸軌跡であるにもかかわらず、図9に示す2方向の振動計測で描いた軸軌跡を完全に再現できていることが分かる。従って、図6の軸軌跡を用いることで精密診断を行うことが可能となった。
図6は、1方向の振動計測で描いた軸軌跡であるにもかかわらず、図9に示す2方向の振動計測で描いた軸軌跡を完全に再現できていることが分かる。従って、図6の軸軌跡を用いることで精密診断を行うことが可能となった。
〔実施例2〕
実施例1では加速度センサS11を用いたが、その代わりに速度センサを用いることもできる。この場合には、積分機能部120では、速度信号を1回積分して振動変位信号qを求める。
他の部分の構成は、実施例1と同様である。
実施例1では加速度センサS11を用いたが、その代わりに速度センサを用いることもできる。この場合には、積分機能部120では、速度信号を1回積分して振動変位信号qを求める。
他の部分の構成は、実施例1と同様である。
〔実施例3〕
実施例1では加速度センサS11を用いたが、その代わりに振動センサを用いることもできる。この場合には、振動センサから振動変位信号qが得られるのでで、データ処理装置110は、積分機能部120は不要であり、A/D変換機能部130、同期サンプリング機能部140、高速フーリエ変換機能部150、表示機能部160により構成すればよい。
他の部分の構成は、実施例1と同様である。
実施例1では加速度センサS11を用いたが、その代わりに振動センサを用いることもできる。この場合には、振動センサから振動変位信号qが得られるのでで、データ処理装置110は、積分機能部120は不要であり、A/D変換機能部130、同期サンプリング機能部140、高速フーリエ変換機能部150、表示機能部160により構成すればよい。
他の部分の構成は、実施例1と同様である。
10 回転機械
11 回転軸
12 ケーシング
50 計測対象機器
51 駆動機
55 回転機械
56 回転軸
57 軸受
100 軸軌跡表示装置
110 データ処理装置
120 積分機能部
130 A/D変換機能部
140 同期サンプリング機能部
150 高速フーリエ変換機能部
160 表示機能部
S1,S2 振動センサ
S11 加速度センサ
S21 回転数検出センサ
a 加速度信号
p パルス信号
q 振動変位信号
q−1〜q−16 離散データ
11 回転軸
12 ケーシング
50 計測対象機器
51 駆動機
55 回転機械
56 回転軸
57 軸受
100 軸軌跡表示装置
110 データ処理装置
120 積分機能部
130 A/D変換機能部
140 同期サンプリング機能部
150 高速フーリエ変換機能部
160 表示機能部
S1,S2 振動センサ
S11 加速度センサ
S21 回転数検出センサ
a 加速度信号
p パルス信号
q 振動変位信号
q−1〜q−16 離散データ
Claims (4)
- 回転機械の回転軸の軸軌跡を表示する、回転機械の軸軌跡表示装置であって、
前記回転軸を等方性支持している軸受に設置されており、一方向の振動に対応する振動対応信号を出力する1つの振動検出センサと、
前記回転軸が1回転する毎に1つのパルス信号を出力する1つの回転数検出センサと、
データ処理装置とで構成されており、
前記データ処理装置は、
前記振動対応信号から、前記軸受の一方向の振動の時間変位を示す振動変位信号を求める積分機能部と、
前記パルス信号の周波数に比例したサンプリング周波数により、前記振動変位信号を同期サンプリングして、サンプリング数に応じた複数の離散データを得る同期サンプリング機能部と、
複数の前記離散データを高速フーリエ変換することにより、前記回転軸に生じる振れ回り運動を表す、フーリエ係数を用いた式を求める高速フーリエ変換機能部と、
前記式で描かれる軸軌跡を表示する表示機能部と、
を有していることを特徴とする回転機械の軸軌跡表示装置。 - 請求項1において、
前記振動検出センサは加速度センサであり、前記振動対応信号は加速度信号であることを特徴とする回転機械の軸軌跡表示装置。 - 請求項1において、
前記振動検出センサは速度センサであり、前記振動対応信号は速度信号であることを特徴とする回転機械の軸軌跡表示装置。 - 請求項1において、
前記振動検出センサは振動センサであり、前記振動対応信号は振動変位信号であり、
前記データ処理装置は、前記同期サンプリング機能部と、前記高速フーリエ変換機能部と、前記表示機能部とにより構成されていることを特徴とする回転機械の軸軌跡表示装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109543626A (zh) * | 2018-11-27 | 2019-03-29 | 济南大学 | 一种机械装备旋转部件轴心轨迹识别方法 |
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2014
- 2014-11-06 JP JP2014225739A patent/JP2016090414A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109543626A (zh) * | 2018-11-27 | 2019-03-29 | 济南大学 | 一种机械装备旋转部件轴心轨迹识别方法 |
CN109543626B (zh) * | 2018-11-27 | 2023-04-07 | 济南大学 | 一种机械装备旋转部件轴心轨迹识别方法 |
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