JP2016089558A - 建具構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】シロアリを確実に忌避させて、建具構造体に使用する木材および/または木質材の木質構成要素を長期間にわたりシロアリの食害から確実に守る。【解決手段】本発明の建具構造体DFは、戸本体Dおよび/または枠体Fに、木材、木質構成要素に接着剤を用いて製造した木質材、または木材と木質材とを組み合わせた複合材が用いられるもので、戸本体Dと枠体Fの少なくとも一方を構成する部品P1、P2、P3が防蟻剤を保有している。防蟻剤は、木質材の場合その木質構成要素に塗布、噴霧、含浸、注入、浸漬、浸透させ、木質材の製造に用いる接着剤に混入し、また、木材の場合に含浸、注入、浸漬、浸透させることができる。さらに、部品P1、P2、P3の組み立てに使用される接着剤A、塗料若しくは化粧材Cに混入し、若しくは木材および/または木質材に挟まれる防湿層Hに含有させておくことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、戸本体および/または枠体に、木材、木質構成要素に接着剤を使用して成形してなる木質材、または木材と木質材とを組み合わせた複合材を用いた建具構造体に関する。
ここで、本発明における建具構造体は、たとえば、住宅における屋内と屋外との間に設けられる玄関若しくは勝手口のドア、または、屋内の部屋、押し入れ、クローゼット、若しくは納戸などの収納口を仕切り、開閉する戸部材を含む。
建具構造体の種類として、たとえば開閉ドアや、引き戸、折り戸などを含む。
開閉ドアは、ドア板(戸本体)と、その周囲に配置されてなる枠体とからなる。ドア板の一方の側縁が蝶番などの開閉金具を介して枠体に取り付けられており、ドア板の一方の側縁に対しその他方の側縁が弧を描いて開閉されるように、ドア板が枠体に支持されている。
また、引き戸は、引き戸板(戸本体)と、その周囲に配置された鴨居、敷居、および柱など(枠体)とからなり、引き戸板は、その上縁が鴨居に摺動可能に支持され、またその下縁が敷居に摺動可能に支持されており、戸本体の摺動によって、戸本体の位置する空間を開閉させる。
折り戸は、複数の戸本体の縦側縁を蝶番により接続してジグザグ状に折り畳めるよう構成されており、その開閉に当たっては、たとえば各戸本体の上下端にガイドピンを設け、このガイドピンと係合して摺動可能に支持するためのレールを枠体に設けることによって行う。
そして、上記の室内の建具構造体、特に、戸建て住宅の玄関あるいは勝手口の建具構造体では、コストや加工性、触ったときの感触や見栄えなどの理由で、木材(無垢材ともいう)、または、合板、単板積層材(LVLという)、繊維板およびこの繊維板の積層体、パーティクルボード、配向性ストランドボード(OSBという)、若しくは集成材などの木質材が多く用いられている。
ところで、玄関など屋外との仕切りに設けられる建具構造体は、屋外に面していることから風雨に晒されるために表面の塗装の耐久性がなくなって木材および/または木質材が直接水に接して湿気を含むこととなり、また、その建具構造体の下方部位は、地面の近くに位置するため地表内に含まれる水分の影響を受けて湿潤状態となりやすい。また、室内の建具構造体であっても、特に地面に近い1階や、台所、便所、および浴室など、水を頻繁に使用する所謂水回りでは、僅かな隙間から漏れ出た水または滲み出た水分が建具構造体などの木材または木質材を湿潤状態としやすい。
ここで、シロアリは、湿潤状態の環境を好み、木材または木質材の木質構成要素の主成分であるセルロースを食して繁殖する。そのため、上述したように木材または木質構成要素を含む木質材からなる建具構造体は、特に湿潤状態の環境下でシロアリによる食害を受けやすい。また、乾燥した環境であっても、シロアリは蟻道を形成して水分を運搬し蓄積して、自らの生育に適した湿潤環境を形成する場合も多い。一例として従来の一般的なフラッシュ構造の戸本体D’は、図6に示したように、光が入らず暗く湿潤状態となり易い内部の芯基材P1’が特にシロアリの食害Vを受ける傾向にある。このように、建具構造体DFは、外観にシロアリによる被害がないように見えても、内部の木材および/または木質材がシロアリの食害Vを受けて、建具構造体DFの強度が低下することとなる。
そのため、たとえばチーク、クス、ケヤキ、またはヒバなど、耐水性やシロアリにある程度耐性を有する木材および/または木質材を用いて建具構造体を製造することが従来から行われていた。
また、従来の技術では一般に、シロアリを忌避させて木材および/または木質材の食害を防止するための薬剤である防蟻剤を、住宅の床下に噴霧するなどにより塗布していた。そして、この防蟻剤を噴霧する作業は、作業者が床下に入り行っていた。なお、建具構造体の場合にも、床下と同様に、建具構造体の表面に防蟻剤を噴霧するなどして塗布することが考えられる。
さらにまた、従来の技術として、特許文献1に開示された建築物の防蟻構造が知られている。特許文献1には、建物構築領域に設けられる布基礎と、この布基礎の側面に密着して所定領域の地盤を覆う状態で形成されるべた基礎と、を含み、前記べた基礎は、出入口構築領域に形成され、このべた基礎から所定空間が設けられ、かつ、この所定空間が側方に開口した状態で前記布基礎の側面に支持されてコンクリート床板が設けられ、このコンクリート床板に、ドアまたは戸(戸本体)を支持する枠体が取り付けられることなどを特徴とする建築物の防蟻構造が開示されている。また、特許文献1には、基礎の上部に防蟻シートを掛け渡し、各ビルドエリア全体を覆うように張り巡らし張設することなどが記載されている。
特開平7−180234号公報
しかしながら、従来の技術において用いていたチークなどの耐水性やシロアリにある程度耐性を有する木材および/または木質材の木質構成要素は、一般に希少材であり、またそのために高価であることから、容易に採用することができないという問題があった。
また、上記のように防蟻剤を手作業で噴霧する場合にあっては、適切に塗布してシロアリを確実に忌避させることは困難であるという問題があった。また、一般に建具構造体の表面には塗料が塗布されており、塗料の上から防蟻剤を塗布しても定着させることが困難であり、シロアリの忌避効果を長く期待することができないという問題があった。また、塗料と防蟻剤とを別に塗布するのは手間やコストがかかるなどの問題もあった。
また、防蟻剤を床下と同様に噴霧により建具構造体の表面のみに塗布した場合には、シロアリに対する忌避効果が表面のみとなり、建具構造体の内部が食害にあう可能性があるという問題があった。また、特に玄関などの建具構造体においては、表面に塗布された建具構造体が日光や風雨に晒されるなどして、防蟻剤が劣化したり剥がれることとなり、シロアリに対する忌避効果に耐久性がなく、したがって防蟻剤を塗り直す必要があるなどの問題があった。さらに、組み立てられた建具構造体に対して防蟻剤を塗布しようとしても、全体にわたって防蟻剤を確実に塗布することが困難であり、防蟻剤が塗布されていない部分が発生し、かかる部分からシロアリの食害を受けるなどの問題もあった。
さらにまた、上記特許文献1にあっては、基礎の上部に防蟻シートを掛け渡すものであり、建具構造体自体には防蟻処理を行っていなかった。そのため、基礎の上部に掛け渡された防蟻シートの隙間や基礎の上部以外の箇所からシロアリが建具構造体に到達し、建具構造体を構成する木材または木質材の木質構成要素が食害を受ける可能性があった。そして、食害を受けた建具構造体は強度が低下していることから交換する必要があるが、特許文献1に記載されているように、コンクリート床板に、ドアまたは戸(戸本体)を支持する枠体が取り付けられている場合には、容易に建具構造体を交換することができず、交換工事が大掛かりとなるという問題もあった。さらに、食害にあった建具構造体を取り外してから新たに建具構造体を取り付けるまでの間は建具構造体が無い状態となるため、防犯上問題であった。
本発明は、上述した問題を優位に解決するためになされたもので、シロアリを確実に忌避させて、建具構造体を構成する木材および/または木質材をシロアリの食害から守ることができ、しかも、容易にコストがかからないで製造することができる構成の建具構造体を提供すること目的とする。
請求項1に係る発明は、上記目的を達成するため、戸本体および/または枠体に、木材、木質構成要素に接着剤を用いて製造した木質材、または木材と木質材とを組み合わせた複合材を用いた建具構造体であって、木材および/または木質材が防蟻剤を保有していることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、防蟻剤が、木質材の木質構成要素に塗布、噴霧、含浸、注入、浸漬、浸透、または、建具構造体に使用される塗料若しくは化粧材に混入されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、防蟻剤が、木質材の製造に用いる接着剤に混入されていることを特徴とする。
請求項4の建具構造体に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、木質材が、合板、単板積層材(LVL)、繊維板およびこの繊維板の積層体、パーティクルボード、配向性ストランドボード、または集成材のいずれかからなることを特徴とする。
請求項5の建具構造体に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、防蟻剤が、木材に含浸、注入、浸漬、浸透、または、建具構造体に使用される塗料若しくは化粧材に混入されていることを特徴とする。
請求項6の建具構造体に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、木材および/または木質材が、防湿層を挟んで構成される場合において、防湿層が防蟻剤を含有していることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、戸本体と枠体との少なくとも一方が防蟻剤を保有していることにより、シロアリを確実に忌避させて食害から木材および/または木質材を守ることができる建具構造体を提供する。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明において、防蟻剤が、木質材の木質構成要素に塗布、噴霧、含浸、注入、浸漬、浸透、または、建具構造体に使用される塗料若しくは化粧材に混入されていることにより、木質材をシロアリの食害から守ることが具現化できる建具構造体を提供する。
請求項3の発明によれば、請求項1に記載の発明において、防蟻剤が、木質材の製造に用いる接着剤に混入されていることにより、木質材をシロアリの食害から守ることが具現化できる建具構造体を提供する。
請求項4の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、合板、単板積層材、繊維板およびこの繊維板の積層体、パーティクルボード、配向性ストランドボード、または集成材のいずれかからなる木質材の木質構成要素として、木材を粉状、繊維状、チップ状、削片状、薄膜状、薄板状の状態としたもの、または木片をシロアリの食害から守ることが具現化できる建具構造体を提供する。
請求項5の発明によれば、請求項1に記載の発明において、防蟻剤が、木材に含浸、注入、浸漬、浸透、または、建具構造体に使用される塗料若しくは化粧材に混入されていることにより、木質材をシロアリの食害から守ることが具現化できる建具構造体を提供する。
請求項6の発明によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、木材および/または木質材が、防湿層を挟んで構成される場合において、防湿層が防蟻剤を含有していることにより、木質材をシロアリの食害から守ることが具現化できる建具構造体を提供する。
本発明の実施の一形態として、フラッシュ構造の戸本体を説明するために示した断面図である。 図1に示したフラッシュ構造の戸本体を構成する各部品に防蟻剤を含浸させるための手法として乾式加圧処理の工程を説明するために示した断面図である。 本発明の別の実施の形態として、框組構造の戸本体を説明するために示した正面図である。 図3の戸本体の一部を拡大して示した断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態として、板材を並べて接合した構造の戸本体を説明するために示した断面図である。 フラッシュ構造の戸本体の内部が食害にあった場合に説明するために示した断面図である。
本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。建具構造体DFは、図3に参照されるように、板状の戸本体Dと、その周りに配設されて戸本体Dを支持する枠体Fとを備えている。本発明の建具構造体は、戸本体Dと枠体Fのいずれか一方、または、戸本体Dと枠体Fとの双方を対象とする。また、建具構造体の種類として、たとえば開閉ドアや、引き戸、折り戸などを含む。
本発明の建具構造体DFの実施の形態として、図1はフラッシュ構造の戸本体Dの断面図を示したものであり、図3は框組構造の戸本体Dと枠体Fとを備えた開閉ドアの正面図を示したものであり、図4は図3に示した框組構造の戸本体Dの一部を拡大して示した断面図であり、図5は、板材Wcを並べて接合した場合の戸本体Dの構造を示した断面図である。また、図2は、本発明の建具構造体DFの各部品P全体に防蟻剤を保有させるための実施の形態として、木材、木質構成要素を含む木質材、または木材と木質材の複合材からなり、戸本体Dまたは枠体Fを構成する各部品Pに防蟻剤の溶液を注入して、各部品Pに防蟻剤を含浸させる場合を説明するために示した図である。なお、図において木材および/または木質材が保有する防蟻剤を点で表すこととする。また、後述するように、建具構造体DFが保有する防蟻剤が高濃度または多量である部分には防蟻剤を表す点を密で、低濃度または少量である部分には防蟻剤を表す点を疎で示すこととする。
防蟻剤は、特に限定されることはなく公知のものを採用することができる。たとえば、(2RS,3RS;2RS,3RS)−2−(4−クロロフェニル−3−シクロプロピル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン2−オールなどのアゾール化合物、1−[(6‘−クロロ−3’−ピリジル)メチル]イミダゾリジン−2−(N−ニトロ)イミンなどのネオニコチノイド化合物、クロロフェニルヨードプロパルギルホルマールなどの有機ヨウ素化合物、キシラザン(三共製薬製)などのヒドロキシルアミン化合物、ベンツイミダゾール化合物、ナフテン酸銅などの有機銅化合物、フオキシム(武田薬品製)などの有機リン化合物、ナフテン酸亜鉛などの有機亜鉛化合物、パーメスリン(住友化学製)などのピレスロイド系化合物などを挙げることが出来る。これらは、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。そして、防蟻剤は、木材または木質材に保有させるための手法に応じて、油溶性、乳化性、または水溶性のものを適宜選択することができる。
図1に示したように、フラッシュ構造の戸本体Dを構成する部品は、少なくとも戸本体Dの両側縁、上縁、下縁、並びにこれらに囲まれた中間部の補強材を構成する芯基材P1と、芯基材P1を表裏から挟むように設けられて戸本体の両面をそれぞれ構成するパネル基材P2、P3とを備えている。このようなフラッシュ構造の戸本体Dを製造するにあたり、本実施の形態では、最初に、木材(無垢材ともいう)、木質構成要素を含む木質材、または木材と木質材を組み合わせた複合材の素材から、部品Pとして芯基材P1およびパネル基材P2、P3をそれぞれ成形加工する。本実施の形態の説明では、芯基材P1およびパネル基材P2、P3を特に限定しない場合には単に部品Pと記載する。木質材は、合板、単板積層材(LVLという)、繊維板およびこの繊維板の積層体、パーティクルボード、配向性ストランドボード(OSBという)、または集成材などを採用することができる。これらの木質材は、木材を粉状、繊維状、チップ状、削片状、薄膜状、薄板状、または木片の状態とした木質構成要素に接着剤を使用して、たとえば板状または棒状などの所定形状の素材に成形される。木材および木質材の木質構成要素は、従来の技術で説明したチークなどの耐水性や耐食害性を有する希少で高価な木材または木質構成要素を使用する必要はない。
次に、本実施の形態では、木材または木質材の素材からそれぞれ成形加工した部品Pに防蟻剤を保有させる。この防蟻剤を保有させる手法の一例として、図2を参照しながら、木材または木質材からなる部品Pに防蟻剤をそれぞれ含浸させる場合を説明する。
防蟻剤を含浸させるため、図2に示した実施の形態では、加圧注入処理を行う。加圧注入処理では、最初に、木材または木質材の素材から成形された各部品PをチャンバT内にセットし、チャンバTを密閉して、図2に鎖線の矢印で示すようにチャンバT内を減圧し、その後チャンバT内に防蟻剤の溶液を充填する。この実施の形態では、防蟻剤の溶液として油溶性または乳化性の防蟻薬剤を溶剤に溶融させたものを用いる乾式処理を行うが、水溶性防蟻薬剤を水に溶融させたものを用いる湿式処理を行うこともできる。続いて、図2に矢印で示すようにチャンバT内に圧力を付与して防蟻剤の溶液を各部品Pの内部に浸透させる。その結果、防蟻剤の溶液が各部品Pを構成している木材または木質材の木質構成要素の内部に含浸される。その後、防蟻剤の溶液をチャンバTから排出し、チャンバT内を排気して溶剤を気化させ、各部品PをチャンバT内から取り出す。
このようにして、防蟻剤が各部品Pの表面だけでなく内部まで全体に均一で行き渡るよう浸透させており、容易に且つ確実に保有される。そして、各部品Pの表面のみならず内部にまで防蟻剤を保有しているため、たとえば玄関や勝手口など建具DFを風雨に晒される場所に設置する場合でも、防蟻剤によるシロアリに対する忌避効果を確実に長期にわたって持続させることができる。
そして、各部品Pは、その表面のみならず、内部まで防備材を保有しているので、組み立てた後に、例えばドアノブNや蝶番B(図3を参照)、錠、ドアスコープ、ドアクローザ、若しくは装飾品などのような部品を取り付けるための穴開け加工を行う場合であっても、防蟻剤を保有していない部分が露出することがないため、防蟻剤が確実に建具構造体DFに保有された状態を維持することができる。そのため、シロアリを確実に忌避させることができる。
なお、本発明は、木材または木質材の素材から戸本体Dを構成する各部品を加工成形し、その後各部品Pに加圧注入処理により防蟻剤を保有させることに限定されることはない。加圧注入処理に代えて、防蟻剤の溶液に各部品Pを浸漬することにより、防蟻剤の溶液を各部品Pの内部に浸透させて、含浸させてもよい。また、戸本体Dを構成する木材および/または木質材の素材を加圧注入処理または浸漬することにより防蟻剤を保有させ、その後、この素材を各部品Pに加工成形してもよい。また、戸本体Dの周囲に配置される枠体F(図3を参照)を構成する木材若しくは木質材からなる素材、または、素材を加工成形した部品(枠体Fを構成する部品については、図示を省略する)に防蟻剤を保有させることもできる。
さらに、本発明の建具構造体は、木質材を使用する場合に、木材を粉状、繊維状、チップ状、削片状、薄膜状、薄板状の状態、または木片とした状態の木質構成要素に防蟻剤の溶液を注入し、若しくは、これらの状態の木質構成要素を防蟻剤の溶液に浸漬することにより含浸させ、または、これらの状態の木質構成要素に防蟻剤の溶液を噴霧若しくは塗布することにより担持させ、その後、接着剤を使用して木質構成要素を所定の形状の素材に成形することもできる。さらにまた、木質材の成形に使用する接着剤に防蟻剤を混入し、かかる接着剤を使用して木質材を成形することにより防蟻剤を保有させることもできる。なお、木材を粉状、繊維状、チップ状、削片状、薄膜状、薄板状の状態、または木片とした状態の木質構成要素に防蟻剤の溶液を噴霧または塗布した場合には、各木質構成要素の内部に完全に防蟻剤を行き渡らせるよう含浸させることは困難であるかもしれない。しかしながら、このように各木質構成要素の表面だけに防蟻剤を保有している場合であっても、接着剤を使用してこの木質構成要素から木質材を成形することにより、木質材は、その内部に防蟻剤を保有していることとなる。
また、建具構造体は、意匠上の理由から、その表面に塗料Cを塗布し、または、表面に化粧材Cを貼付する場合がある。かかる場合には、塗料Cに防蟻剤を混入してこれを戸本体Dおよび/または枠体Fの表面に塗布し、また化粧材Cの材料に防蟻剤を混入して化粧材Cを成形し、この化粧材Cを戸本体Dおよび/または枠体Fの表面に貼付することにより、防蟻剤を保有させることもできる。
さらに、本発明は、戸本体Dおよび/または枠体Fを構成する木質材に防蟻剤を保有させるための手法として、各部品Pを組み立てるために接着剤Aを使用する場合に、この部品組み立て用接着剤Aに防蟻剤を混入させることもできる。さらにまた、本発明は、図4に参照されるように、木材および/または木質材が、防湿層Hを挟んで構成される場合に、予め防蟻剤を含有する防湿層Hを用意し、この防湿層Hを挟んで木材および/または木質材の素材を構成することにより防蟻剤を建具構造体に保有させることもできる。この場合においては、各部品P4、P5、P6(後述する)を構成する木材および/または木質材にも、上述した部品P1、P2、P3と同様に、防蟻剤を保有させておくこともできる。
さらにまた、本発明の建具構造体は、たとえば図3に防蟻剤を表す点が上方部位を疎で下方部位を密で示したように、同じ戸本体Dおよび/または枠体の中で上方部位と下方部位、または本体Dおよび/または枠体Fの外部に位置する部材と内部に位置する部材など、場所に応じて保有させる防蟻剤の濃度または量を変更することができる。
防蟻剤の濃度を場所に応じて変更するためには、使用する場所に応じて、木材若しくは木質材の素材またはこれらの部品P毎に、異なる濃度の溶液を含浸させ、あるいは、木質材料の素材毎に異なる濃度の防蟻剤を混入させた接着剤を使用して成形することで、実現することができる。また、異なる濃度の防蟻剤を混入してなる塗料Cを建具構造体の表面の場所に応じて区分して塗布し、または、異なる濃度の防蟻剤を混入して成形した化粧材C(塗料と化粧材のいずれも符号Cを付す)を建具構造体の表面の場所に応じて貼着させることで、実現することもできる。さらに、異なる濃度の防蟻剤を含有させた防湿材Hを用意し、この異なる濃度の防蟻剤を含有した防湿材Hを建具構造体の表面の場所に応じて挟んで木材および/または木質材の素材を構成することで実現することもできる。防湿材Hについては、図4に基づいて後述する。
また、防蟻剤の量を場所に応じて変更するためには、使用する場所に応じて、木材若しくは木質材の素材またはこれらの部品P毎に、防蟻剤を異なる深さで含浸させ、あるいは、木質材料の素材毎に異なる量で防蟻剤を混入させた接着剤を使用して成形することで、実現することができる。また、異なる量の防蟻剤を混入してなる塗料を建具構造体の表面の場所に応じて区分して塗布し、または、異なる量の防蟻剤を混入して成形した化粧材を建具構造体の表面の場所に応じて貼着させることで、実現することもできる。さらに、異なる量の防蟻剤を含有させた防湿材Hを用意し、この異なる量の防蟻剤を含有した防湿材Hを建具構造体の表面の場所に応じて挟んで木材および/または木質材の素材を構成することで実現することもできる。
このように、同じ建具構造体で場所によって保有する防蟻剤の濃度または量を変更することにより、シロアリに対する忌避効果が同じであっても、使用する防蟻剤の量を低減させることができ、したがって、防蟻剤のコストを低減させることができるなど、経済的効果を期待することができる。
次に、本発明の別の実施の形態として、戸本体Dが框組構造である場合を図3および図4に基づいて説明する。なお、この実施の形態においては、上述した実施の形態と同様または相当する部分についてはその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
この実施の形態における建具構造体は、框組構造の戸本体Dと、この框組構造の戸本体Dの周囲に配置される枠体Fとを含んでいる。框組構造の戸本体Dは、縦框P4と横框P5に鏡板P6を取り付けて構成されている。縦框P4、横框P5、および鏡板P6は、たとえば、繊維板Waを中質繊維板Wb、Wbで挟んだ三層構造からなるトライウッド(本出願人が所有する登録商標)で構成されている。さらに、この実施の形態における縦框P4、横框P5、および鏡板P6を構成する素材は、図4に示すように繊維板Waと中質繊維板Wbとの間に防湿層Hが挟み込まれている。防湿層Hは、合成樹脂系シートの両面に紙を貼着したり、酸化アルミニウムを蒸着してなる防湿シートや、非水系の接着剤を紙に含浸させて防湿層兼接着層として使用することができる防湿樹脂含浸紙などを採用することができる。縦框P4と横框P5は枠状に組み付けられ、縦框P4と横框P5の各繊維板Waの内周面となる位置には、鏡板P6の周縁を嵌め込むための溝状凹部Gが形成されている。本実施の形態の説明では、縦框P4、横框P5、および鏡板P6を特に限定しない場合には、上述した実施の形態におけるP1〜P3と同様に、単に部品Pと記載する。
各部品Pは、上述したフラッシュ構造の戸本体Dで説明した実施の形態(図2を参照)と同様に、チャンバTで号微罪の溶液を加圧注入処理若しくは防蟻剤の溶液に浸漬することにより、防蟻剤を含浸させることができ、また、接着剤Aまたは塗料若しくは化粧材Cに防蟻剤を混入しておくこともできる。また、上述したように防湿材Hに防蟻剤を含有させておくこともできる。
次に、本発明のさらに別の実施の形態として、戸本体Dが板材Wcを並べて接合した構造である場合を図5に基づいて説明する。上述した実施の形態と同様または相当する部分についてはその説明を省略し、この実施の形態では、上述した実施の形態と異なる部分についてのみ説明することとする。
この実施の形態における戸本体Dは、板材Wcを並べて接合することにより構成されている。上述した実施の形態と同様に、各板材Wcは、接合する前の段階で、防蟻剤の溶液を加圧注入処理若しくは防蟻剤の溶液に浸漬することにより、防蟻剤を含浸させることができる。また、各板材Wcを接合するために接着剤A(図1を参照)を使用する場合には、接着剤Aに防蟻剤を混入しておくこともできる。さらに、戸本体Dに塗料を塗布するかまたは化粧材Cを貼付する場合には、塗料または化粧材Cに防蟻剤を混入しておくこともできる。さらにまた、板材Wcの間などに防湿層Hを挟むなどして使用する場合には、防湿層Hに防蟻剤を含有させておくこともできる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されることはなく、たとえば一枚の板状の木材に加圧注入処理、浸漬、浸透、含浸により防蟻剤を保有させ、切断加工や削り加工、彫塑加工などにより所定形状の戸本体(つまり無垢の戸本体)Dを成形する場合、および、切断加工や削り加工、彫塑加工などにより所定形状に成形された無垢の戸本体Dに加圧注入処理、浸漬、浸透、含浸により防蟻剤を保有させる場合にも適用することができる。
本発明は、建具構造体を構成する木材および/または木質材が防蟻剤を保有したものであれば、その保有のために、木質材の木質構成要素に防蟻剤の溶液を塗布、噴霧、含浸、注入、浸透させ、または、木材に防蟻剤の溶液を含浸、注入、浸透させることに限定されることはなく、他の手法を採用することにより防蟻剤を保有した木材および/または木質材で構成した建具構造体を含む。
DF:建具構造体、 D:戸本体、 F:枠体、 P1:芯基材(部品)、 P2、P3:パネル基材(部品)、 T:チャンバ、 A:接着剤、 C:塗料または化粧材、 P4:縦框(部品)、 P5:横框(部品)、 P6:鏡板(部品)、 H:防湿層

Claims (6)

  1. 戸本体および/または枠体に、木材、木質構成要素に接着剤を用いて製造した木質材、または木材と木質材とを組み合わせた複合材を用いた建具構造体であって、
    木材および/または木質材が防蟻剤を保有していることを特徴とする建具構造体。
  2. 防蟻剤が、木質材の木質構成要素に塗布、噴霧、含浸、注入、浸漬、浸透、または、建具構造体に使用される塗料若しくは化粧材に混入されていることを特徴とする請求項1に記載の建具構造体。
  3. 防蟻剤が、木質材の製造に用いる接着剤に混入されていることを特徴とする請求項1に記載の建具構造体。
  4. 木質材が、合板、単板積層材、繊維板およびこの繊維板の積層体、パーティクルボード、配向性ストランドボード、または集成材のいずれかからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建具構造体。
  5. 防蟻剤が、木材に含浸、注入、浸漬、浸透、または、建具構造体に使用される塗料若しくは化粧材に混入されていることを特徴とする請求項1に記載の建具構造体。
  6. 木材および/または木質材が、防湿層を挟んで構成される場合において、
    防湿層が防蟻剤を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の建具構造体。
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