JP2016089339A - Pcまくらぎ劣化判定システム、pcまくらぎ劣化判定方法およびプログラム - Google Patents

Pcまくらぎ劣化判定システム、pcまくらぎ劣化判定方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2016089339A
JP2016089339A JP2014220561A JP2014220561A JP2016089339A JP 2016089339 A JP2016089339 A JP 2016089339A JP 2014220561 A JP2014220561 A JP 2014220561A JP 2014220561 A JP2014220561 A JP 2014220561A JP 2016089339 A JP2016089339 A JP 2016089339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeper
natural frequency
deterioration determination
deterioration
mode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014220561A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6273650B2 (ja
Inventor
弘大 松岡
Kota Matsuoka
弘大 松岡
渡辺 勉
Tsutomu Watanabe
勉 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2014220561A priority Critical patent/JP6273650B2/ja
Publication of JP2016089339A publication Critical patent/JP2016089339A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6273650B2 publication Critical patent/JP6273650B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)

Abstract

【課題】PCまくらぎの劣化状況をより容易に把握できるようにする。
【解決手段】PCまくらぎ劣化判定システムが、PCまくらぎへの加振により生じる音を取得するマイクと、前記マイクが取得した音に基づいて、前記PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数を検出する固有振動数検出部と、前記固有振動数検出部が検出した前記たわみ3次モードの固有振動数が所定条件よりも低周波であると判定すると、前記PCまくらぎが劣化していると判定する劣化判定部と、を具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、PCまくらぎ劣化判定システム、PCまくらぎ劣化判定方法およびプログラムに関する。
まくらぎは、レールを支持し、軌間を保持するとともに、レールから伝達される負荷(作用)を、まくらぎの下に敷設された道床に対して分散して伝達する機能を有している。道床の種類は幾つか存在し、特に、削石等のバラスト(Ballast)が用いられる場合が多い。また、まくらぎとして、木製のまくらぎよりも寿命の長いコンクリート製のまくらぎが多く用いられている。
列車通過時に、まくらぎには曲げモーメントによる引張力が作用する。コンクリートは圧縮力との比較において引張力に弱く、かかる引張力によりコンクリート製のまくらぎにひび割れが発生する可能性がある。
このような引張力によるひび割れに対する対策として、PC(Prestressed Concrete、プレストレストコンクリート)まくらぎが多く用いられている。PCまくらぎは、コンクリート中に鋼材(鋼線または鋼棒)が埋め込まれて構成されており、鋼材によってコンクリートに圧縮力が導入されている。
このように、PCまくらぎは引張力に強く、比較的寿命が長い。もっとも、PCまくらぎであっても、使用や経年によって劣化する。
特に、バラスト軌道に敷設されたPCまくらぎの場合、列車通過時の動的な負荷によりPCまくらぎとバラスト粒子との間に相対運動が発生する。PCまくらぎに対するバラスト粒子のすべり、転がりおよび衝突作用により、PCまくらぎの底面が摩耗する。
また、車輪のフラットなど車輪の状態による要因や、レールの溶接継目ないしレール継目部などレール頭頂部の状態による要因により、車輪とレールとの間に過大な衝撃力が発生する場合がある。かかる衝撃力がPCまくらぎに伝達された場合、PCまくらぎにひび割れが発生する可能性がある。
なお、非特許文献1では、PCまくらぎの損傷状況の調査結果が示され、まくらぎの補修や機能向上についての検討が行われている。
長谷川仁志、他2名、「PCまくらぎ損傷の原因と対策」、第59回土木学会年次学術講演会講演概要集、2004年、Vol.59、4-071、p.141-142
PCまくらぎを適切に管理するために、点検時にPCまくらぎの劣化状況を把握することが重要である。しかしながら、バラスト軌道では、PCまくらぎは上面が見えるだけで大半がバラストに埋まっているため、目視でPCまくらぎの底面のひび割れや摩耗の状況を確認することはできない。バラストをかき出せば、PCまくらぎの底面を目視することは可能だが、PCまくらぎの断面高さは通常150ミリメートル(mm)以上あり、バラストのかき出し作業には大きな労力を必要とする。
さらに、バラストに埋まっていない上面のひび割れについても、粉塵による目詰まりや汚れ、また、荷重積載時にしかひび割れが開かないといった理由から、上面のひび割れを目視で確認することは容易でない。バラストをかき出した場合のPCまくらぎ底面の目視確認についても同様である。
本発明は、PCまくらぎの劣化状況をより容易に把握することのできるPCまくらぎ劣化判定システム、PCまくらぎ劣化判定方法およびプログラムを提供する。
本発明の第1の態様によるPCまくらぎ劣化判定システムは、PCまくらぎへの加振により生じる音を取得するマイクと、前記マイクが取得した音に基づいて、前記PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数を検出する固有振動数検出部と、前記固有振動数検出部が検出した前記たわみ3次モードの固有振動数が所定条件よりも低周波であると判定すると、前記PCまくらぎが劣化していると判定する劣化判定部と、を具備する。
前記劣化判定部は、複数のPCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数のうち、周波数が低い側から所定割合の固有振動数を閾値として、前記固有振動数検出部が検出した前記たわみ3次モードの固有振動数が、当該閾値よりも低周波であると判定すると、判定対象の前記PCまくらぎが劣化していると判定するようにしてもよい。
前記劣化判定部は、健全なPCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数に基づいて設定された閾値よりも、前記固有振動数検出部が検出した前記たわみ3次モードの固有振動数が低周波であると判定すると、判定対象の前記PCまくらぎが劣化していると判定するようにしてもよい。
前記PCまくらぎ劣化判定システムは、前記マイクを人から吊下げ可能なストラップを具備するようにしてもよい。
本発明の第2の態様によるPCまくらぎ劣化判定方法は、PCまくらぎへの加振により生じる音を取得する集音ステップと、前記集音ステップにて取得した音に基づいて、前記PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数を検出する固有振動数検出ステップと、前記固有振動数検出ステップにて検出された前記たわみ3次モードの固有振動数が所定条件よりも低周波であると判定すると、前記PCまくらぎが劣化していると判定する劣化判定ステップと、を有する。
本発明の第3の態様によるプログラムは、PCまくらぎの劣化を判定するコンピュータに、前記PCまくらぎへの加振により生じる音に基づいて、前記PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数を検出する固有振動数検出ステップと、前記固有振動数検出ステップにて検出された前記たわみ3次モードの固有振動数が所定条件よりも低周波であると判定すると、前記PCまくらぎが劣化していると判定する劣化判定ステップと、を実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、PCまくらぎの劣化状況をより容易に把握することができる。
本発明の一実施形態におけるPCまくらぎ劣化判定システムの外形の例を示す概略外形図である。 同実施形態におけるPCまくらぎ劣化判定システム1の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態におけるハンマ210による加振位置を上から見た図において示す説明図である。 同実施形態におけるハンマ210による加振位置を、PCまくらぎを横から見た図において示す説明図である。 PCまくらぎの劣化による固有振動数の変化の例を示すグラフである。 たわみ3次モード固有振動による、PCまくらぎの各位置での振動の大きさの例を示す説明図である。 バラスト道床や路盤の支持力の変化による固有振動数の変化の例を示すグラフである。 PCまくらぎに対する両端支持力の変化による固有振動数の変化の例を示すグラフである。 同実施形態におけるPCまくらぎ劣化判定システム1が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。 同実施形態における固有振動数検出部191がたわみ3次モード固有振動数を検出する処理手順の例を示すフローチャートである。 同実施形態における劣化判定部192がPCまくらぎの劣化判定を行う処理手順の第1の例を示す説明図である。 同実施形態における劣化判定部192がPCまくらぎの劣化判定を行う処理手順の第2の例を示す説明図である。 同実施形態における音の解析によるプレテンションPCまくらぎのたわみ3次モード固有振動数の検出例を示すグラフである。 同実施形態での載荷試験における荷重位置を示す説明図である。同図において、線CLは、PCまくらぎの中心位置を示している。 同実施形態での載荷試験における3次モード固有振動数の測定結果を示すグラフである。 加速度センサを有するPCまくらぎ劣化判定システムの外形の例を示す概略外形図である。 加速度センサ320の設置位置の例を示す説明図である。 同実施形態の比較試験における加振位置を示す説明図である。 同実施形態における3次モード固有振動数の検出成功率を示すグラフである。 同実施形態においてPCまくらぎの中央付近を加振した得られた3次モード固有振動数を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態におけるPCまくらぎ劣化判定システムの外形の例を示す概略外形図である。同図において、PCまくらぎ劣化判定システム1は、本体装置10と、ストラップ11と、ハンマ210とを具備する。本体装置10は、収録診断器100と、マイク220とを具備する。ハンマ210と収録診断器100とは、BNC同軸ケーブルなどの信号線で接続されている。
ハンマ210は、PCまくらぎを加振する。さらに、ハンマ210は、加速度センサを有し、加振力(特に、加振タイミングおよび加振の強さを示す信号)を収録診断器100へ送信する。
ハンマ210として、200ヘルツ(Hz)以上を安定して励起可能な振動試験用インパルスハンマを用いることが好ましいが、これに限らず、PCまくらぎの3次モードの固有振動を励起可能な様々なハンマを用いることができる。例えば、ハンマ210として、コンクリート構造物用の点検ハンマを用いるようにしてもよい。なお、3次モードを用いる理由については後述する。
マイク220は、周囲音を取得する。特に、マイク220は、ハンマ210がPCまくらぎへ加振することにより生じる音を取得する。マイク220は、取得した音を音声データにて収録診断器100へ送信する。
収録診断器100は、マイク220が取得した音を収録する。そして、収録診断器100は収録した音を解析してPCまくらぎのたわみ3次モード固有振動数を検出し、当該PCまくらぎの劣化判定を行う。ここでいう劣化判定は、劣化の有無の判定である。また、ここでいう3次モード固有振動数の検出とは、3次モード固有振動数の推定値を取得することである。
なお、収録診断器100が、PCまくらぎの劣化の有無に代えて、あるいは加えて、PCまくらぎの劣化の程度を判定するようにしてもよい。
収録診断器100は、例えば携帯型のコンピュータを用いて構成される。収録診断器100が携帯可能に構成されることで、線路の保守点検作業員が、現場で収録診断器100を用いて容易にまくらぎの点検を行うことができる。
ストラップ11は、マイク220を人から吊下げ可能に設けられている。具体的には、保守点検作業員がストラップ11を首に掛けて、マイク220を含む本体装置10を体の前へ吊下げる。これにより、保守点検作業員は、本体装置10の設置作業を行う必要無しにPCまくらぎ劣化判定システム1を使用して劣化判定を行うことができる。
但し、マイク220の位置は、保守点検作業員の首から吊下げられた位置に限らず、例えばPCまくらぎから1メートル(m)以内など、ハンマ210がPCまくらぎへ加振することにより生じる音を取得可能な位置であればよい。例えば、マイク220を含む本体装置10が、保守点検作業員の腰の位置に、ベルトにて固定されていてもよい。
なお、ハンマ210と収録診断器100とが、無線通信を行うようにしてもよい。
また、収録診断器100とマイク220とが一体化されていなくてもよい。例えば、収録診断器100と、ハンマ210と、マイク220とが、それぞれ別個の装置として構成され、ハンマ210、マイク220のそれぞれが、収録診断器100と無線通信を行うようにしてもよい。この場合、保守点検作業員が収録診断器100を身に着ける必要はない。例えば、汎用のノートパソコン(Laptop Computer)にプログラムをインストールして収録診断器100として機能させ、保守点検対象の線路の近くに置いておくようにしてもよい。
図2は、PCまくらぎ劣化判定システム1の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、PCまくらぎ劣化判定システム1の、本体装置10とハンマ210とが示されている。本体装置10は、収録診断器100と、マイク220とを具備する。収録診断器100は、表示部110と、記憶部180と、制御部190とを具備する。制御部190は、固有振動数検出部191と、劣化判定部192とを具備する。
図2において図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には、同一の符号(1、10、100、210、220)を付して説明を省略する。
表示部110は、例えば液晶パネルなどの表示画面を有し、各種画像を表示する。特に、表示部110は、PCまくらぎの劣化判定結果を表示する。
記憶部180は、収録診断器100の有する記憶デバイスを用いて構成され、各種データを記憶する。特に、記憶部180は、マイク220が送信する音声データや、劣化判定の基準となる閾値を記憶する。
制御部190は、収録診断器100の各部を制御して各種機能を実行する。制御部190は、例えば収録診断器100の有するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部180からプログラムを読み出して実行することで実現される。
固有振動数検出部191は、マイク220が取得する音を解析して、PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数を検出する。具体的には、固有振動数検出部191は、マイク220が取得する音のフーリエスペクトルを、ハンマ210の加速度センサが測定する加振力で除算したアクセレランス(Accelerance)を算出する。そして、固有振動数検出部191は、得られたアクセレランスからたわみ3次モードの固有振動数を検出する。
なお、固有振動数検出部191が、アクセレランスに変えて音のフーリエスペクトルからたわみ3次モードの固有振動数を検出するようにしてもよい。この場合、ハンマ210は加振力を測定する必要がなく、したがって、加速度センサを有していなくてもよい。
劣化判定部192は、固有振動数検出部191が検出したたわみ3次モードの固有振動数が所定条件よりも低周波か否かに基づいて、PCまくらぎが劣化しているか否かを判定する。より具体的には、劣化判定部192は、当該固有振動数が所定条件よりも低周波であると判定すると、PCまくらぎが劣化していると判定する。
例えば、劣化判定部192は、複数のPCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数のうち、周波数が低い側から所定割合(例えば5パーセント(%))の固有振動数を閾値として判定を行う。劣化判定部192は、固有振動数検出部191が検出したたわみ3次モードの固有振動数が、当該閾値よりも低周波であると判定すると、判定対象のPCまくらぎが劣化していると判定する。
次に、図3および図4を参照して、ハンマ210による加振位値の例について説明する。
図3は、ハンマ210による加振位置を、PCまくらぎを上から見た図において示す説明図である。同図の例において、ハンマ210は、PCまくらぎの中央付近に打撃を加えて加振する。実験により、図3の例のようにPCまくらぎの中央付近に加振することで、PCまくらぎの3次モードの固有振動を励起し易いことが見出されたためである。
図4は、ハンマ210による加振位置を、PCまくらぎを横から見た図において示す説明図である。図4では、図3を参照して説明した位置が別の角度から示されている。図3を参照して説明したように、ハンマ210は、PCまくらぎの中央付近に打撃を加えて加振する。
なお、ハンマ210による加振位置は、正確にPCまくらぎの中央である必要は無く、PCまくらぎの中央付近であればよい。
また、ハンマ210による加振位置は、図3および図4に示すPCまくらぎの中央付近以外の位置であってもよい。例えば、ハンマ210が、レールより外側かつレールの近傍にてPCまくらぎに加振するようにしてもよい。
なお、加振位置によっては、3次モードの固有振動数の検出精度が低下する場合がある。この場合、例えば、加振ごとにPCまくらぎの劣化の有無を判定し、多数決によって、PCまくらぎの劣化の有無の最終的な判定結果を決定するようにしてもよい。
次に、図5〜図8を参照して、固有振動数検出部191が検出するたわみ3次モードの固有振動数について説明する。
図5は、PCまくらぎの劣化による固有振動数の変化の例を示すグラフである。同図の横軸は曲げ剛性を示し、縦軸は固有振動数を示す。図5では、剛体としての上下、剛体としての回転、たわみ1次モード〜たわみ5次モードの各固有振動数の変動率が、曲げ剛性が1(基準値)の場合の固有振動数を1として示されている。
なお、弾性係数(ヤング率)をEとし、断面2次モーメントをIとして、曲げ剛性はEIで示される。
図5に示す各固有振動数のうち、たわみ2次モード〜たわみ5次モードの固有振動数が、曲げ剛性の変化に応じて大きく変化している。従って、PCまくらぎにひび割れや摩耗等の劣化が生じた際に、たわみ2次モード〜たわみ5次モードの固有振動数のいずれかを測定することで、劣化による曲げ剛性の変化を検出することが考えられる。
図6は、たわみ3次モード固有振動による、PCまくらぎの各位置での振動の大きさの例を示す説明図である。
同図において、線L11は、たわみ3次モード固有振動の波形の例を示す説明図である。線L11にて示されるように、PCまくらぎのレール部(レールが敷設される位置)付近や中央付近は、たわみ3次モード固有振動における腹の位置となる。
また、領域A11およびA12は、ひび割れが発生し易い領域である。
領域A11は、レール部底面の領域であり、領域A12は、中央上面の領域である。レール上を鉄道車両が通過することで、レール部に負荷がかかる。これにより、領域A11が上向き(下に凸)にたわみ、正曲げ(下に凸の曲げ)によるひび割れが発生する可能性がある。
また、左右両方の領域A11が上向きにたわむことで、その真ん中に位置する領域A12が下向き(上に凸)にたわみ、負曲げ(上に凸の曲げ)によるひび割れが発生する可能性がある。
振動波形の腹付近にひび割れ等の変形が生じることで、当該振動の周波数が変化することが考えられる。この点において、3次モード固有振動数は、レールを鉄道車両が通過することによるPCまくらぎの劣化の検出に適していると考えられる。
図7は、バラスト道床や路盤の支持力の変化による固有振動数の変化の例を示すグラフである。同図の横軸はバラスト道床および路盤によるPCまくらぎに対する支持力を示す。縦軸は、固有振動数を示す。図7では、剛体としての上下、剛体としての回転、たわみ1次モード〜たわみ5次モードの各固有振動数の変動率が、支持力が1(基準値)の場合の固有振動数を1として示されている。
また、領域A21は、バラスト道床および路盤によるPCまくらぎに対する支持力として通常想定される範囲を示す。
図7において、たわみ3次モード固有振動数の変動は、領域A21の範囲において−0.9パーセント〜1.5パーセントとなっている。このように、バラスト道床および路盤によるPCまくらぎに対する支持力の変動が、たわみ3次モード固有振動数の変動に及ぼす影響は小さい。従って、劣化判定部192が、たわみ3次モード固有振動数を用いて劣化判定を行うことで、バラスト道床および路盤によるPCまくらぎに対する支持力の変動をPCまくらぎの劣化と誤判定してしまう可能性を低くすることができる。
図8は、PCまくらぎに対する両端支持力の変化による固有振動数の変化の例を示すグラフである。同図の横軸はPCまくらぎに対する両端支持力を示す。縦軸は、固有振動数を示す。図8では、剛体としての上下、剛体としての回転、たわみ1次モード〜たわみ5次モードの各固有振動数の変動率が、PCまくらぎに対する両端支持力が1(基準値)の場合の固有振動数を1として示されている。
同図に示すように、PCまくらぎに対する両端支持力の変動が、たわみ3次モード固有振動数の変動に及ぼす影響は小さい。従って、劣化判定部192が、たわみ3次モード固有振動数を用いて劣化判定を行うことで、PCまくらぎに対する両端支持力の変動をPCまくらぎの劣化と誤判定してしまう可能性を低くすることができる。
次に、図9〜図12を参照してPCまくらぎ劣化判定システム1の動作について説明する。
図9は、PCまくらぎ劣化判定システム1が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。図9の処理において、ハンマ210がPCまくらぎを加振し、マイク220が加振にて生じる音を取得する(ステップS101)。具体的には、ユーザ(例えば、線路保守点検作業員)が、ハンマ210を用いてPCまくらぎを叩き、PCまくらぎを叩くタイミングを含む所定時間の音を、マイク220が取得する。
マイク220は、取得した音を音声データにて収録診断器100へ送信する。また、ハンマ210は加振力を収録診断器100へ送信する。収録診断器100において記憶部180は、マイク220からの音声データとハンマ210からの加振力データとを記憶する。
次に、固有振動数検出部191は、マイク220が取得した音に基づいて、PCまくらぎのたわみ3次モード固有振動数を検出する(ステップS102)。
図10は、固有振動数検出部191がたわみ3次モード固有振動数を検出する処理手順の例を示すフローチャートである。固有振動数検出部191は、図9のステップS102において、図10の処理を行う。
図10の処理において、固有振動数検出部191は、記憶部180の記憶している音声データから、加振による音が含まれる一定時間分を切り出す(ステップS201)。例えば、固有振動数検出部191は、ハンマ210が測定した加振力が振幅最大を記録した時間から0.2秒間について、マイク220が取得した音のデータと、ハンマ210が測定した加振力のデータとを切り出す。
以下では、ハンマ210が測定した加振力を単に「加振力」と称する。
次に、固有振動数検出部191は、ステップS201で切り出した加振力、音それぞれのフーリエスペクトルを算出する(ステップS202)。そして、固有振動数検出部191は、音のフーリエスペクトルを加振力のフーリエスペクトルで除算することで、アクセレランスを求める(ステップS203)。
さらに、固有振動数検出部191は、得られたアクセレランスのうち、PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数が励起される周波数帯域を切り出す(ステップS204)。具体的には、固有振動数検出部191は、アクセレランスのうち600ヘルツから1000ヘルツまでの範囲のデータを切り出す。
そして、固有振動数検出部191は、切り出したアクセレランスのデータの無次元化を行う(ステップS205)。具体的には、固有振動数検出部191は、切り出したデータを当該データの最大値で除算する基準化を行う。
そして、固有振動数検出部191は、アクセレランスが1(最大値)となる振動数(周波数)をたわみ3次モードの固有振動数として検出する(ステップS206)。
その後、図10の処理を終了して図9に戻る。
なお、固有振動数検出部191が、アクセレランスに代えて、音のフーリエスペクトルからたわみ3次モードの固有振動数を検出するようにしてもよい。この場合、ステップS201やS202における加振力に対する処理、および、ステップS203の処理は不要である。また、ステップS204〜S206において、「アクセレランス」を「音のフーリエスペクトル」と読み替える。
図9に戻って、ステップS102の後、固有振動数検出部191は、ステップS101およびS102の処理を所定回数繰り返したか否かを判定する(ステップS103)。例えば、固有振動数検出部191は、ステップS101およびS102の処理を2回実行したか否かを判定する。
ステップS101およびS102の処理の所定回数繰り返しが完了していないと判定した場合(ステップS103:NO)、ステップS101へ戻って繰り返しを実行する。
一方、繰り返しが完了したと判定した場合(ステップS103:YES)、固有振動数検出部191は、繰り返しにて得られた複数の固有振動数の平均値を算出し、PCまくらぎを識別するための識別情報(ID)とともに記憶部180に記憶させる(ステップS104)。PCまくらぎの識別情報として、例えばキロ程やまくらぎ番号を用いることができる。
そして、劣化判定部192は、得られた固有振動数に基づいてPCまくらぎの劣化判定を行う(ステップS105)。
図11は、劣化判定部192がPCまくらぎの劣化判定を行う処理手順の第1の例を示す説明図である。劣化判定部192は、図9のステップS105において図11の処理を行う。
図11の処理において、劣化判定部192は、固有振動数検出部191が算出した平均値が所定の閾値より小さいか否かを判定する(ステップS301)。
PCまくらぎの劣化診断データベースが構築されている場合、他のPCまくらぎの固有振動数に基づいて当該閾値を決定する。例えば、ステップS301において劣化判定部192は、データベース内の下位5パーセントに含まれるか否かを判定する。この5パーセントは、PCまくらぎうち劣化しているものの割合が約5パーセントであるとの経験則に基づく値である。
平均値が閾値以上であると判定した場合(ステップS301:NO)、図11の処理を終了し、図9の処理も終了する。
一方、平均値が閾値より小さいと判定した場合(ステップS301:YES)、表示部110は、重要監視アラームを表示する(ステップS302)。ここでいう重要監視アラームは、対象となるPCまくらぎが劣化している可能性があり監視が必要であることを示すアラームである。
ステップS302の後、図11の処理を終了し、図9の処理も終了する。
なお、1つのPCまくらぎに限らず、一群のPCまくらぎを重要監視対象としてもよい。具体的には、重要監視アラームの発せられたPCまくらぎと同じ路線の一群のPCまくらぎ、または、同じ製造パッチの一群のPCまくらぎを重要監視対象とする。
路線を対象とする場合、地盤や通過トン数や降雨などの環境的要因の影響を把握する。また、製造パッチを対象とする場合、製造時のコンクリートの材質の影響を把握する。そして、同様のPCまくらぎを重要監視対象とする。
これは、過去に異常が確認されたPCまくらぎと同様の箇所で同様の異常が発生する可能性が比較的高いとの経験則に基づく。
なお、PCまくらぎの劣化診断データベースは、複数のPCまくらぎ劣化判定システムに共用で設けられていてもよいし、PCまくらぎ劣化判定システム毎に設けられていてもよい。
PCまくらぎの劣化診断データベースが構築されていない場合、劣化判定部192が、健全なPCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数に基づいて設定された閾値を用いて判定を行うことが考えられる。この場合、劣化判定部192は、固有振動数検出部191が検出したたわみ3次モードの固有振動数が当該閾値よりも低周波であると判定すると、判定対象の前記PCまくらぎが劣化していると判定する。
図12は、劣化判定部192がPCまくらぎの劣化判定を行う処理手順の第2の例を示す説明図である。劣化判定部192は、図9のステップS105において図11の処理に代えて図12の処理を行う。
図12の処理において、劣化判定部192は、固有振動数検出部191が算出した平均値が所定の第1閾値より小さいか否かを判定する(ステップS401)。第1閾値は、例えば健全なPCまくらぎの固有振動数の85パーセントに設定する。
平均値が第1閾値より小さいと判定した場合(ステップS401:YES)、表示部110は、重大な劣化発生のアラームを表示する(ステップS402)。その後、図12の処理を終了し、図9の処理も終了する。
重大な劣化発生のアラームは、例えばひび割れが鉄筋に達する可能性があるなど、重大な劣化が発生している可能性を示すアラームである。
一方、ステップS401において平均値が第1閾値以上であると判定した場合(ステップS401:NO)、劣化判定部192は、平均値が所定の第2閾値より小さいか否かを判定する(ステップS403)。第2閾値は、第1閾値より大きい閾値であり、例えば健全なPCまくらぎの固有振動数の95パーセントに設定する。
平均値が第2閾値より小さいと判定した場合(ステップS403:YES)、表示部110は、劣化発生のアラームを表示する(ステップS404)。劣化発生のアラームは、重大な劣化発生のアラームよりは軽微な劣化が発生している可能性を示すアラームである。
ステップS404の後、図12の処理を終了し、図9の処理も終了する。
一方、ステップS403において平均値が第2閾値以上であると判定した場合(ステップS403:NO)、図12の処理を終了し、図9の処理も終了する。
なお、軌道の定期徒歩巡回点検終了時に、当該巡回点検で記録した全てのPCまくらぎの固有振動数の平均値を降順にソートし、劣化状態のランキングとしてアウトプットするようにしてもよい。
以上のように、マイク220は、PCまくらぎへの加振により生じる音を取得する。そして、固有振動数検出部191は、マイク220が取得した音に基づいて、PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数を検出する。そして、劣化判定部192は、固有振動数検出部191が検出したたわみ3次モードの固有振動数が所定条件よりも低周波であると判定すると、判定対象のPCまくらぎが劣化していると判定する。
これにより、PCまくらぎ劣化判定システム1では、目視点検に頼らずにPCまくらぎの劣化判定を行うことができ、この点において、PCまくらぎの劣化状況をより容易に把握することができる。
また、PCまくらぎ劣化判定システム1では、マイク220が音を取得するという非接触のデータ取得を行うので、PCまくらぎにセンサを接触させて設置するといった準備が不要である。この点において、ユーザの負担を軽減することができ、また、短時間で判定を行うことができる。また、診断終了後も、PCまくらぎからセンサを取り外すといった処理が不要である。この点においても、ユーザの負担を軽減することができ、また、作業時間を短縮することができる。
また、劣化判定部192は、複数のPCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数のうち、周波数が低い側から所定割合の固有振動数を閾値として、固有振動数検出部191が検出したたわみ3次モードの固有振動数が、当該閾値よりも低周波であると判定すると、判定対象のPCまくらぎが劣化していると判定する。
これにより、PCまくらぎ劣化判定システム1では、劣化しているPCまくらぎの割合に応じた閾値を用いて劣化判定を行うなど、PCまくらぎの保守点検における実績に応じた閾値を用いることができる。これにより、より正確にPCまくらぎの劣化判定を行うことができる。
また、劣化判定部192は、健全なPCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数に基づいて設定された閾値よりも、固有振動数検出部191が検出したたわみ3次モードの固有振動数が低周波であると判定すると、判定対象のPCまくらぎが劣化していると判定する。
これにより、PCまくらぎ劣化判定システム1では、ユーザは、健全なPCまくらぎを基準として比較的容易に閾値を設定することができる。
また、マイク220を人から吊下げ可能なストラップ11が設けられている。
PCまくらぎの点検を行うユーザは、このストラップを用いてマイク220を吊下げた状態でPCまくらぎ劣化判定システム1を使用することで、マイク220をPCまくらぎの近くに位置させることができる。この点において、ユーザは、容易にPCまくらぎ劣化判定システム1を使用することができる。また、マイク220がPCまくらぎの近くに位置することで、PCまくらぎ劣化判定システム1の判定精度を高めることができる。
次に図13〜図20を参照して、本実施形態の方法によるPCまくらぎの劣化診断の例について説明する。まず、図13を参照して、ひび割れのあるまくらぎの3次モード固有振動数と、健全なまくらぎの3次モード固有振動数との比較例について説明する。
図13は、音の解析によるプレテンションPCまくらぎのたわみ3次モード固有振動数の検出例を示すグラフである。同図において、まくらぎ1、まくらぎ2は、いずれも、レール部下面にひび割れのあるPCまくらぎである。ここでいうレール部とは、レールを設置される部分である。
一方、まくらぎ3〜5は、いずれも、健全なまくらぎである。ここでいう健全なまくらぎとは、ひび割れなどの劣化が進んでいないまくらぎである。
図13は、各まくらぎについて3回ずつたわみ3次モードの固有振動数を測定した結果を示している。レール部下面にひび割れのあるPCまくらぎの3次モード固有振動数は、いずれも、健全なPCまくらぎの3次モード固有振動数よりも50ヘルツ(Hz)程度小さくなっている。
次に、図14〜15を参照して、載荷試験における3次モード固有振動数の変化の例について説明する。
図14は、載荷試験における荷重位置を示す説明図である。同図において、線CLは、PCまくらぎの中心位置を示している。
図14に示すように、PCまくらぎの上面のレール部にパッド901を載せ、パッド901の上に載荷板902を載せ、載荷板902の上に荷重受け903を載せている。また、PCまくらぎ下面では、荷重位置(パッド901が載せられた位置)PCまくらぎの端側、中央側それぞれ350ミリメートル(mm)離れた位置にてPCまくらぎを支持している。
この状態で、荷重受け903の上側からの荷重載荷、除荷、測定を繰り返して、PCまくらぎに徐々に損傷を与えながら3次元固有振動数の変化を観察した。測定では、PCまくらぎの3次元固有振動数をスペクトルから求めた。
なお、試験は、JIS E 1201、および、JIS E 1202に準じて行った。
図15は、載荷試験における3次モード固有振動数の測定結果を示すグラフである。同図の横軸は載荷荷重を示し、縦軸は、除荷した状態で測定を行って得られた3次モード固有振動数を示している。
150キロニュートン(kN)以上では、レール部の断面に大きなひび割れが見受けられており、3次モード固有振動数も、載荷荷重の増加にともなって低下している。3次モード固有振動数は、最大で50ヘルツ程度低下しており、図13に示すデータと整合している。
次に図16〜20を参照して、マイクを用いた劣化判定と、加速度センサを用いた劣化判定との比較結果について説明する。
図16は、加速度センサを有するPCまくらぎ劣化判定システムの外形の例を示す概略外形図である。
同図において、PCまくらぎ劣化判定システム2のハンマ210と、本体装置300と、加速度センサ320とが示されている。加速度センサ320をPCまくらぎに設置した状態で、ハンマ210がPCまくらぎに加振すると、本体装置300は、加速度センサ320が検出する加速度の周波数スペクトルから、PCまくらぎの3次モード固有振動数を求める。
図17は、加速度センサ320の設置位置の例を示す説明図である。同図に示すように、例えば、レール部よりもPCまくらぎの中心側のレール部付近に加速度センサ320を設置する。
加速度センサ320の設置は、例えば、加速度センサ320とPCまくらぎとの間に接着剤を塗って行ってもよいし、シリコングリスを塗って行ってもよい。
接着剤を用いる場合は接着剤が固まるのを待つ必要があるのに対し、シリコングリスを用いる場合、固まるのを待つ必要がない。シリコングリスを用いる場合、この点で加速度センサの設置に要する時間を短縮することができる。さらに、シリコングリスを用いる場合、接着剤を用いる場合よりも容易に加速度センサ320をPCまくらぎから取り外すことができる。シリコングリスを用いる場合、この点で測定後の加速度センサの取り外しに要する時間を短縮し、作業者の負担を軽減することができる。
但し、本実施形態におけるマイクを用いる方法では、加速度センサ等をPCまくらぎに設置する必要がなく、設置の時間も取り外しの時間も要しない。本実施形態におけるマイクを用いる方法では、この点でPCまくらぎの劣化の判定に要する時間、および、作業者の負担を軽減することができる。
図18は、比較試験における加振位置を示す説明図である。同図の加振位置1のようにPCまくらぎのレール部の外側を加振しての3次モード固有振動数の測定を、加速度センサを用いる場合、マイクを用いる場合のそれぞれについて複数回行った。同様に、同図の加振位置2のようにPCまくらぎのレール部を加振しての3次モード固有振動数の測定を、加速度センサを用いる場合、マイクを用いる場合のそれぞれについて複数回行った。同図の加振位置3のようにPCまくらぎの中央付近を加振しての3次モード固有振動数の測定も、加速度センサを用いる場合、マイクを用いる場合のそれぞれについて複数回行った。
それぞれの加振位置について、得られる3次モード固有振動数のばらつき度合いを調べるため、加振位置毎に、得られた3次モード固有振動数の平均値を求めた。平均値±50ヘルツ以内を成功、平均値±50ヘルツよりもばらつきが大きい場合を失敗とし、成功率を算出した。
図19は、3次モード固有振動数の検出成功率を示すグラフである。加振位置1、2、3毎に、加速度センサを用いた場合、マイクを用いた場合のそれぞれについて、上記の成功率を示している。同図においてAは、加速度センサを用いた場合を示し、Bは、マイクを用いた場合を示している。
加振位置2および3では、加速度センサを用いた場合、マイクを用いた場合共に高い成功率を得られており、特に、加振位置3では100パーセントの成功率を得られている。この試験結果から、PCまくらぎの中央付近を加振する(ハンマ210で叩く)ことで、得られる3次モード固有振動数のばらつきを低減させられると考えられる。
図20は、PCまくらぎの中央付近を加振した得られた3次モード固有振動数を示すグラフである。PCまくらぎ1〜16の16個のPCまくらぎの各々について、加速度センサを用いた場合、マイクを用いた場合それぞれ、3回ずつ測定を行い、得られた固有振動数をグラフに示している。
同図に示すように、いずれの測定でも、加速度センサを用いた場合とマイクを用いた場合とで同様の結果を得られた。このように、本実施形態におけるマイクを用いた方法にて、加速度センサを用いた場合と同様に、高い精度で3次モード固有振動数を得られた。3次モード固有振動数を高精度に得られることで、本実施形態におけるマイクを用いた方法にて、PCまくらぎの劣化の有無を高精度に判定し得る。
なお、制御部190の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 PCまくらぎ劣化判定システム
100 収録診断器
110 表示部
180 記憶部
190 制御部
191 固有振動数検出部
192 劣化判定部
210 ハンマ
220 マイク

Claims (6)

  1. PCまくらぎへの加振により生じる音を取得するマイクと、
    前記マイクが取得した音に基づいて、前記PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数を検出する固有振動数検出部と、
    前記固有振動数検出部が検出した前記たわみ3次モードの固有振動数が所定条件よりも低周波であると判定すると、前記PCまくらぎが劣化していると判定する劣化判定部と、
    を具備するPCまくらぎ劣化判定システム。
  2. 前記劣化判定部は、複数のPCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数のうち、周波数が低い側から所定割合の固有振動数を閾値として、前記固有振動数検出部が検出した前記たわみ3次モードの固有振動数が、当該閾値よりも低周波であると判定すると、判定対象の前記PCまくらぎが劣化していると判定する、請求項1に記載のPCまくらぎ劣化判定システム。
  3. 前記劣化判定部は、健全なPCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数に基づいて設定された閾値よりも、前記固有振動数検出部が検出した前記たわみ3次モードの固有振動数が低周波であると判定すると、判定対象の前記PCまくらぎが劣化していると判定する、請求項1に記載のPCまくらぎ劣化判定システム。
  4. 前記PCまくらぎ劣化判定システムは、前記マイクを人から吊下げ可能なストラップを具備する、請求項1から3のいずれか1項に記載のPCまくらぎ劣化判定システム。
  5. PCまくらぎへの加振により生じる音を取得する集音ステップと、
    前記集音ステップにて取得した音に基づいて、前記PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数を検出する固有振動数検出ステップと、
    前記固有振動数検出ステップにて検出された前記たわみ3次モードの固有振動数が所定条件よりも低周波であると判定すると、前記PCまくらぎが劣化していると判定する劣化判定ステップと、
    を有するPCまくらぎ劣化判定方法。
  6. PCまくらぎの劣化を判定するコンピュータに、
    前記PCまくらぎへの加振により生じる音に基づいて、前記PCまくらぎのたわみ3次モードの固有振動数を検出する固有振動数検出ステップと、
    前記固有振動数検出ステップにて検出された前記たわみ3次モードの固有振動数が所定条件よりも低周波であると判定すると、前記PCまくらぎが劣化していると判定する劣化判定ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
JP2014220561A 2014-10-29 2014-10-29 Pcまくらぎ劣化判定システムおよびpcまくらぎ劣化判定方法 Active JP6273650B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014220561A JP6273650B2 (ja) 2014-10-29 2014-10-29 Pcまくらぎ劣化判定システムおよびpcまくらぎ劣化判定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014220561A JP6273650B2 (ja) 2014-10-29 2014-10-29 Pcまくらぎ劣化判定システムおよびpcまくらぎ劣化判定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016089339A true JP2016089339A (ja) 2016-05-23
JP6273650B2 JP6273650B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=56018927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014220561A Active JP6273650B2 (ja) 2014-10-29 2014-10-29 Pcまくらぎ劣化判定システムおよびpcまくらぎ劣化判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6273650B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019099104A (ja) * 2017-12-08 2019-06-24 公益財団法人鉄道総合技術研究所 損傷まくらぎ検知装置、及び、損傷まくらぎ検知方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002048772A (ja) * 2000-05-24 2002-02-15 Japan Construction Mechanization Association コンクリート構造物の脆弱部研掃探査方法及び装置
JP2003043021A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Railway Technical Res Inst コンクリート打音検査方法、及びコンクリート打音検査装置
JP2003240763A (ja) * 2002-02-19 2003-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 人工構造物の非破壊検査方法および装置
JP2009041978A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Applied Research Kk 打音解析による健全性診断方法
US20140200827A1 (en) * 2013-01-11 2014-07-17 International Business Machines Corporation Railway track geometry defect modeling for predicting deterioration, derailment risk, and optimal repair
JP6110804B2 (ja) * 2014-03-19 2017-04-05 公益財団法人鉄道総合技術研究所 Pcまくらぎ劣化判定システム、pcまくらぎ劣化判定方法およびプログラム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002048772A (ja) * 2000-05-24 2002-02-15 Japan Construction Mechanization Association コンクリート構造物の脆弱部研掃探査方法及び装置
JP2003043021A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Railway Technical Res Inst コンクリート打音検査方法、及びコンクリート打音検査装置
JP2003240763A (ja) * 2002-02-19 2003-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 人工構造物の非破壊検査方法および装置
JP2009041978A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Applied Research Kk 打音解析による健全性診断方法
US20140200827A1 (en) * 2013-01-11 2014-07-17 International Business Machines Corporation Railway track geometry defect modeling for predicting deterioration, derailment risk, and optimal repair
JP6110804B2 (ja) * 2014-03-19 2017-04-05 公益財団法人鉄道総合技術研究所 Pcまくらぎ劣化判定システム、pcまくらぎ劣化判定方法およびプログラム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019099104A (ja) * 2017-12-08 2019-06-24 公益財団法人鉄道総合技術研究所 損傷まくらぎ検知装置、及び、損傷まくらぎ検知方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6273650B2 (ja) 2018-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101962992B1 (ko) 철도 선로의 결함 또는 결함들의 검출 방법 및 그 방법에 사용될 철도 차량
RU2537354C2 (ru) Способ и устройство контроля ходовых качеств рельсового транспортного средства
CN104364629A (zh) 基于超声频谱学分析的轨道部件检查
JP6110804B2 (ja) Pcまくらぎ劣化判定システム、pcまくらぎ劣化判定方法およびプログラム
JP4471872B2 (ja) 電柱もしくは電話柱の健全度判定方法
JP5432618B2 (ja) 固有振動モードを利用したコンクリートポールの損傷検知システム及び方法
Abedin et al. Fracture detection in steel girder bridges using self-powered wireless sensors
JP2011257261A (ja) 柱状構造物の損傷検知方法、損傷検知装置およびプログラム
CN110199063A (zh) 用于检测支撑块损坏的方法和设施
JP6273650B2 (ja) Pcまくらぎ劣化判定システムおよびpcまくらぎ劣化判定方法
Petro et al. Damage detection using vibration measurements
JP5064740B2 (ja) 高架橋柱の最大応答部材角測定装置
JP6814517B2 (ja) 損傷まくらぎ検知装置、及び、損傷まくらぎ検知方法
JP6061767B2 (ja) コンクリート内部の剥離探査方法およびその装置
Ghahremani et al. Fatigue testing and structural health monitoring of retrofitted web stiffeners on steel highway bridges
JP2006010595A (ja) 交通荷重による2次起因のae音による構造物損傷度判定方法
JP7189095B2 (ja) レール破断の検知装置及びレール破断の検知方法
JP2010071748A (ja) コンクリートポールの損傷検知方法
JP3850782B2 (ja) 2次起因のae音による構造物損傷度判定方法および装置
JP2017095980A (ja) 橋梁点検支援システム、損傷判定方法及びプログラム
JP2009287923A (ja) 岩盤斜面上の岩塊の不安定性評価方法およびその装置
US20220299406A1 (en) Inspection system, inspection apparatus, and inspection method
JP5854961B2 (ja) 連結装置の評価装置とその評価プログラム
JP6255972B2 (ja) 軌道バラストの摩耗判定方法及び摩耗判定装置
JP2006090811A (ja) 防振部材の評価装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20170926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6273650

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150