以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、16回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して特別図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して特別図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して普通図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(時短状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、16回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
[スイッチ処理について]
以下では、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)について、具体的に説明する。なお、この遊技球通過判定処理は、上記した第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23等に遊技球が入球(又は通過)したことを判定する場合に限らず、例えば、払い出した賞球(賞球数)を払出制御部300が判定(カウント)する場合等にも実行される。
図5は、上記した第1始動口21等への遊技球入賞(通過)を検出するための第1始動口スイッチ111a等として設置される近接スイッチの出力信号の例、および、この出力信号を通過判定閾値(5V)を用いてONレベルとOFFレベルとに2値化した2値化信号の例について説明するための図である。なお、近接スイッチは、一例として、長方形のプレートに遊技球が通過する円形の貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過する際の磁束の変化に対応した電圧の出力信号を出力する直流2線式電子スイッチである。図5の点線で示すように、近接スイッチの出力信号の電圧レベルは、遊技球が貫通孔の中心に近づくにつれて降下していき、遊技球が貫通孔の中心に達する辺りで最小(極小)となり、遊技球が貫通孔の中心を通り過ぎて離れるにつれて上昇していく。また、図5に示すように、近接スイッチの出力信号は、コンパレータ(図示なし)によって、電圧レベルが通過判定閾値(5V)よりも大きいときには2値化信号のOFFレベルに変換され、電圧レベルが通過判定閾値(5V)以下のときには2値化信号のONレベルに変換される。なお、図5の例では、判定に用いる通過判定閾値を1つの通過判定閾値(5V)として説明したが、例えば、OFFレベルからONレベルに切り替わる際には第1の通過判定閾値(5V)を用いる一方で、ONレベルからOFFレベルに切り替わる際には第2の通過判定閾値(6V)を用いる構成としてもよい。これにより、ノイズの影響等で通過判定閾値を跨いで近接スイッチの出力信号が上下することによって2値化信号が不適切にON/OFF間で行き来することを防止できる。
そして、図9を用いて後述するメイン制御部100により4ミリ秒(4ms)間隔で実行されるタイマ割り込み処理における各処理の一部として、図5に示す2値化信号を4ミリ秒間隔でON/OFF判定することによって、遊技球の通過判定を行う。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、2値化信号に対して、ONレベルであるのかOFFレベルであるのかが4ミリ秒間隔で判定(ON/OFF判定)される。図5では、自然数nを用いて、ON/OFF判定の順番を表している。また、図5では、n−2回目からn回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定され、その後、n+1回目のON/OFF判定によってONレベルと判定されている。ここで、本実施形態では、ONレベルと判定された場合には、このONレベルと判定したON/OFF判定の処理において、4ミリ秒間隔よりも短い所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)が経過したタイミングで2回目のON/OFF判定を実行する。図5では、n+1回目のタイマ割り込み処理におけるON/OFF判定で2回ともONレベルと判定されている。その後、n+2回目からn+4回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されている。なお、2値化信号のONレベルの期間(ON期間という)が図5の場合よりも長く(つまり、遊技球が図5の場合よりも遅い速度で通過して)例えばn+2回目のON/OFF判定もON期間に実行される場合には、n+2回目のON/OFF判定においても2回の判定を実行する。
本実施形態では、図5に示すように、n回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されて、n+1回目のON/OFF判定によって2回ONレベルと判定されると、近接スイッチの貫通孔を遊技球が1つ通過したと判定する。なお、これらのON/OFF判定は、例えば第1始動口スイッチ111aとして設置された近接スイッチに対しては、メイン制御部100(より正確にはCPU101)が実行し、例えば払出制御部300に接続された遊技球の払い出し数を検出するための近接スイッチに対しては、払い出し制御部300(より正確にはCPU301)が実行する(図4参照)。
ここで、図5に示すn+1回目のON/OFF判定における上記した所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)は、遊技球通過判定の演算処理を実行するためのソフトウエアのプログラミング内容によって予め設定される。つまり、上記した所定の微小時間は、このプログラミング内容によって任意な時間に設定できる可変時間である。遊技機1には微細周期のノイズ(例えば3〜15マイクロ秒周期のノイズ)が発生する場合があり、このノイズの周期は、遊技機の機種に或る程度依存している。例えば、或る機種の遊技機には5マイクロ秒周期のノイズが発生し易く、或る機種の遊技機には9マイクロ秒周期のノイズが発生し易い。そこで、本実施形態では、上記した所定の微小時間をプログラミング内容によって任意な時間に設定できる構成とすることによって、微細周期のノイズによる誤判定を有効に回避することができる。なお、上記した所定の微小時間を設けるための演算処理は、遊技進行には関係しない処理であって時間を稼ぐためだけの処理である。例えば、1マイクロ秒の時間を要する処理を4回繰り返すことによって、上記した所定の微小時間として4マイクロ秒をソフト的に設けることができる。
ところで、近年の遊技機では、演算処理内容の増大により演算処理の負荷が増大したために、以前の遊技機では2ミリ秒であったタイマ割り込み処理の実行間隔は4ミリ秒に延長され、このため、図5を用いて説明したように、近接スイッチを用いたON/OFF判定も2ミリ秒間隔から延長されて4ミリ秒間隔で実行される。
ここで、以前の遊技機は、n回目のON/OFF判定でOFFレベルと判定してn+1回目のON/OFF判定でONレベルと判定してn+2回目のON/OFF判定でONレベルと判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定していた(以下、「以前の判定方法」という)。つまり、3回のタイマ割り込み処理による3回のON/OFF判定によって遊技球通過を判定していた。なお、この様にn+1回目およびn+2回目でONレベルと判定するのは、ノイズにより偶然ONレベルと1回判定されたことによって遊技球が通過したと誤判定することを回避するためである。しかしながら、ON/OFF判定の間隔が4ミリ秒間隔に延長された近年の遊技機においては、上記した以前の判定方法では、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することはできない。例えば、図5に示すような2値化信号のONレベルの期間(ON期間)が非常に短くなる(例えば7ミリ秒前後)ほど速い速度で通過する遊技球の通過を判定することは困難となってしまう。そこで、本実施形態では、図5を用いて説明した判定方法により、1つの遊技球が通過したと判定する。このことから、本実施形態によれば、2回のタイマ割り込み処理によるON/OFF判定によって、ノイズによる誤判定を防止しつつ確実に遊技球通過を判定することができる。
ところで、遊技機1には、遊技機1への電源供給が遮断されたことを検知するための電源監視回路、近接スイッチの配線が断線したことを検知するための断線検知回路、および近接スイッチの配線が短絡(ショート)したことを検知するための短絡検知回路等の異常検知回路(何れも図示なし)が設けられている。これらの異常検知回路は、異常発生を判定するための閾値(異常判定レベル)を、図7に示した通過判定閾値(5V)よりも高い電圧レベルに設けることによって、断線、電源遮断、又は短絡により近接スイッチの出力信号の電圧が低下した場合に、この出力信号の電圧が通過判定閾値まで降下する前に異常を判定して、遊技球が通過したと誤判定することを防止している。この様に、通過判定閾値よりも高い電圧レベルに異常判定レベルを設けているため、通過判定閾値を高い値(例えば10V)にすることによってON期間を長く取ることは困難である(図5参照)。この結果として、遊技機1において、出力信号のON期間を長く取って、上記した以前の判定方法を用いて遊技球通過を判定することは、現実的ではない。
なお、以上に説明したスイッチ処理において、ON判定されたタイマ割り込み処理の後に実行されるON判定されるタイマ割り込み処理においては、2回目のON/OFF判定は行わない構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、2値化信号がONからOFFに切り替わるところを検出して遊技球の通過を判定する構成としてもよい。つまり、図5において、n+1回目のタイマ割り込み処理で2回ON判定してn+2回目のタイマ割り込み処理でOFF判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定してもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、1回のタイマ割り込み処理(ON検出)において、3回以上ON/OFF判定を行ってもよいし、又、1回のタイマ割り込み処理(OFF検出)において、2回以上ON/OFF判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)を2値化信号(デジタル信号)に変換することなく遊技球通過判定を行う構成としてもよい。つまり、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)に対して通過判定閾値(5V)以下か否かを判定することによって、遊技球通過判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号は、遊技球非検出時には低電圧レベルであり遊技球検出時に高電圧レベルになる出力信号であり、この出力信号を反転させる信号反転手段によりこの出力信号を反転させて図5の点線で示すような信号に変換する構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチ自身がアナログ信号を2値化信号に変換して出力する構成を備えて、近接スイッチから2値化信号が出力される構成としてもよい。
以上で、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)についての説明を終わる。
図4を用いた説明に戻り、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、遊技者によって操作される演出キー38が接続され、演出制御部400は、遊技者による演出キー38の操作に応じて演出キー38から出力される操作データを取得する。また、演出制御部400は、ランプ制御部600を介して演出ボタン37から出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37が接続されている。ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて演出ボタン37から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400に伝達する。また、演出ボタン37は、演出ボタン37自体を突出させる動きによる演出を実行可能であり、ランプ制御部600は、可動役物7と同様に、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて演出ボタン37の動作を制御する。
なお、演出制御部400は、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、画像音響制御部500に対して、演出ボタン37および演出キー38の操作状態を通知する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。このため、画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させたり、所定の演出を実行したりすることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/300)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/50)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率であり、かつ通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が短時間開放されるように制御され易い遊技状態であり、このため、第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。なお、普通図柄抽選の当選確率や電動チューリップ27の開放パターン等については、図17を用いて具体的に後述する。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄の変動時間)等が通常の所定時間である遊技状態であり(図12等参照)、時短状態とは、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄の変動時間)等が、非時短状態よりも短縮され易い遊技状態である(図15等参照)。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されているときの遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとするが、この遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。また、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態という。なお、本実施形態では、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態である潜伏遊技状態は設けていない。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図6を参照して、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、図6のステップS901において、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示していないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセスを許可して、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図8参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図9参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図7参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、初期値乱数を更新し、処理はステップS914に移る。ここで、初期値乱数とは、後述するタイマ割り込み処理(図9参照)においてカウントアップ更新される各種の乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)の開始値を決定するための乱数であり、この各種の乱数に対応して複数の初期値乱数が用意されている。なお、初期値乱数は、所定のCTCの周期(4ms)ごとに発生するタイマ割込み処理(図9参照)と、その残余時間(すなわち、この所定のCTCの周期からタイマ割込み処理に要する処理時間を減じた時間)に処理されるメイン処理(図6参照)の両方でカウントアップ更新され、設定されている乱数の最大値(例えば299)に達した後は再び最小値(例えば0)に戻る。また、この残余時間は、CPU101の処理状況に応じて異なるので、ランダムな時間となっており、この残余時間で更新される初期値乱数の更新回数もランダムとなる。一方、詳細は後述するが、他の各種乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)は、タイマ割込み処理(図9参照)でしか更新されないため、初期値乱数とは乱数更新処理の処理周期が相違する。このように、処理周期が相違することにより、例えば、初期値乱数と大当り乱数の乱数範囲が同じ(例えば0〜299)であったとしても、大当り乱数の開始値として取得される初期値乱数の値は毎回ランダムとなる。そのため、大当たりを発生させる大当たり乱数値が取得されるタイミングを予測することを不可能にすることができる。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図7は、図6のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図7のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了し、処理は図6のステップS912に移る。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了し、処理は図6のステップS912に移る。
[メイン制御部100による復旧処理]
図8は、図6のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図8のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了し、処理は図6のステップS910に移る。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図9は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図9を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図9に示す一連の処理を一定時間(4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図9以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新、及びこの各乱数がカウントアップ更新される際の開始値となるそれぞれの初期値乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図11のステップS407の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動(より正確には、特別図柄変動表示および停止表示の時間)に同期して実行される報知演出(変動演出)のタイプを示す変動パターンを決定するための乱数である。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図11のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等および各初期値乱数の値は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS8のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、ループカウンタのカウントが一巡すると、その時点での各乱数に対応する初期値乱数を取得して、当該初期値乱数の値を開始値として、新たにループカウンタのカウントを開始する。なお、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の乱数範囲は、任意に設定すればよいが、それぞれを互いに異なる範囲に設定することで(例えば、大当り乱数の範囲は0〜299としリーチ乱数の範囲は0〜99とする等)、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期しないように設定することが好ましい。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視することにより、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したと判定された時点で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図10を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視することにより、ゲート25を遊技球が通過したと判定された時点で普通図柄抽選の保留数Gが上限値(本実施形態では「4」)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、保留数Gに1を加えて更新し、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得して時系列順に記憶するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄を表示させる処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図11を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS8のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定し、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる普通図柄処理を実行する。この普通図柄処理については、図16及び図17を参照して後に詳述する。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)等に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図18及び図19を参照して後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が当り図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。この電動チューリップ処理については、図20を参照して後に詳述する。
次に、ステップS8において、CPU101は、特別図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理を実行する。この特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理については、図21〜図31を参照して後に詳述する。
次に、ステップS9において、CPU101は、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理を実行する。この普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理については、図21、図32〜図37を参照して後に詳述する。
次に、ステップS10において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS11において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS10の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は/及び払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は/及び払出制御部300へ出力する。
[始動口スイッチ処理]
図10は、図9のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS2における始動口スイッチ処理について、図10を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aから出力信号に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS11の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図11のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図9のステップS11の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの出力信号に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS11の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図11のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図9のステップS11の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図11は、図9のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図11を参照して、図9のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中又は停止表示中であるか否かを判定する。なお、ここでの特別図柄の停止表示中とは、図22(1)を用いて後述する変動表示されていた特別図柄を所定時間(0.8秒間)停止表示させている期間を意味する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図10のステップS210によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いので、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図10のステップS204によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。なお、本実施形態では、一例として、大当り遊技後に次回大当りするまで確変遊技状態に設定される確変大当りと、大当り遊技後に次回大当りするまで通常遊技状態に設定される通常大当りとがある。また、本実施形態では、第2特別図柄抽選の方が、第1特別図柄抽選よりも、遊技者の利益が比較的大きい確変大当りの当選割合が多いものとする。具体的には、第2特別図柄抽選では7割が確変大当りであり3割が通常大当りであり、一方、第1特別図柄抽選では4割が確変大当りであり6割が通常大当りである。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、通常遊技状態(非時短状態)のときには、図12及び図13に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT1−2を使用し、確変遊技状態(時短状態)のときには、図14及び図15に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間を特定し、又、報知演出の演出パターンのタイプを特定する。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2いう場合がある。
まず、通常遊技状態(非時短状態)のときに、図12及び図13に示すHT1−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図12は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図13は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[非時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図12を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選で大当りしたと判定した場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当り」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン1〜9のうちから1つ変動パターンを決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「78」である場合、HT1−1の「大当り」の部分の変動パターン3に割り振られた乱数値「75〜124」に一致するので、変動パターン3を決定する。
ここで、HT1−1の「大当り」の部分に示すように、変動パターン1は特別図柄変動表示の時間(特別図柄変動時間)「90.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第3SPSP当り」に対応付けられ、変動パターン2は特別図柄変動時間「90.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第2SPSP当り」に対応付けられ、変動パターン3は特別図柄変動時間「85.50秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第1SPSP当り」に対応付けられ、変動パターン4は特別図柄変動時間「40.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第3SP当り」に対応付けられ、変動パターン5は特別図柄変動時間「40.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第2SP当り」に対応付けられ、変動パターン6は特別図柄変動時間「38.50秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第1SP当り」に対応付けられ、変動パターン7は特別図柄変動時間「25.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「擬似変動3回当り」に対応付けられ、変動パターン8は特別図柄変動時間「20.50秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「擬似変動2回当り」に対応付けられ、変動パターン9は特別図柄変動時間「15.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「ノーマルリーチ当り」に対応付けられる。
「ノーマルリーチ当り」は、後述する「擬似変動に2回目」〜「第3SPSP」の何れも実行されることなく、単にリーチ成立した後に大当りするタイプである。「擬似変動2回当り」は、最終的に擬似変動の2回目を実行した後に大当りするタイプである。「擬似変動3回当り」は、最終的に擬似変動の3回目を実行した後に大当りするタイプである。「第1SP当り」〜「第3SP当り」は、最終的にSPリーチに発展した後に大当りするタイプである。「第1SPSP当り」〜「第3SPSP当り」は、最終的にSPSPリーチに発展した後に大当りするタイプである。
なお、リーチ(リーチ成立、リーチ演出)とは、報知演出において例えば複数の装飾図柄列のうち変動中の残りの1つ装飾図柄列が停止したならば既に停止(仮停止)している装飾図柄列との関係で大当りを報知する特定の図柄状態になり得る演出(大当りを期待させる演出)であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で既に停止しており、残りの中央の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で停止したならばゾロ目(例えば777)となる演出である。また、擬似変動(擬似連続変動)とは、1回の報知演出において装飾図柄列が複数回変動したように見せる演出(大当りを期待させる演出)であり、典型的には複数の装飾図柄列が全て擬似的に停止した後に変動を再開することを1回以上行う演出である。そして、上記した擬似変動2回目は擬似変動の演出における装飾図柄列の2回目の変動(擬似変動)であり、上記した擬似変動3回目は擬似変動の演出における装飾図柄列の3回目の変動(擬似変動)である。また、SPリーチとは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させるリーチ演出であり、例えば主人公のキャラクタが小判をゲットする動画像の演出である。また、SPSPリーチとは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させるリーチ演出であり、例えば主人公のキャラクタが千両箱をゲットする動画像の演出である。
また、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選でハズレと判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターン20を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターン19を決定する。ここで、HT1−1に示すように、変動パターン20は特別図柄変動時間「8.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応付けられ、変動パターン19は特別図柄変動時間「13.50秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応付けられる。なお、「即ハズレ」は、リーチ成立もなく即ハズレる演出パターンのタイプである。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターンを決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「260」である場合、変動パターン16に割り振られた変動パターン乱数値範囲「256〜271」に含まれるので、変動パターン16を決定する。
ここで、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分に示すように、変動パターン10は特別図柄変動時間「90.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第3SPSPハズレ」に対応付けられ、変動パターン11は特別図柄変動時間「90.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第2SPSPハズレ」に対応付けられ、変動パターン12は特別図柄変動時間「85.50秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第1SPSPハズレ」に対応付けられ、変動パターン13は特別図柄変動時間「40.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第3SPハズレ」に対応付けられ、変動パターン14は特別図柄変動時間「40.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第2SPハズレ」に対応付けられ、変動パターン15は特別図柄変動時間「38.50秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「第1SPハズレ」に対応付けられ、変動パターン16は特別図柄変動時間「25.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「擬似変動3回ハズレ」に対応付けられ、変動パターン17は特別図柄変動時間「20.50秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「擬似変動2回ハズレ」に対応付けられ、変動パターン18は特別図柄変動時間「15.00秒」及び報知演出の演出パターンのタイプ「ノーマルリーチハズレ」に対応付けられる。
「ノーマルリーチハズレ」は、「擬似変動の2回目」〜「第3SPSP」の何れも実行されることなく、リーチ成立した後にハズレるタイプである。「擬似変動2回ハズレ」は、最終的に擬似変動の2回目を実行した後にハズレるタイプである。「擬似変動3回ハズレ」は最終的に擬似変動の3回目を実行した後にハズレるタイプである。「第1SPハズレ」〜「第3SPハズレ」は、最終的にSPリーチに発展した後にハズレるタイプである。「第1SPSPハズレ」〜「第3SPSPハズレ」は、最終的にSPSPリーチに発展した後にハズレるタイプである。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン20に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン19に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン20に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン19に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、特別図柄変動時間「3.00秒」及び演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン21が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
以上に図12に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、通常遊技状態(非時短状態)において第1特別図柄抽選でハズレた場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど特別図柄変動時間が長い変動パターンが選択され易い。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が低い演出である。以下、図12に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当り」の部分から分かるように、大当りの場合には、「ノーマルリーチ当り」、「擬似変動2回当り」、「擬似変動3回当り」、「第1SP当り」、「第2SP当り」、「第3SP当り」、「第1SPSP当り」、「第2SPSP当り」、「第3SPSP当り」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている(一部同一あり)。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「ノーマルリーチハズレ」、「擬似変動2回ハズレ」、「擬似変動3回ハズレ」、「第1SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第3SPハズレ」、「第1SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている(一部同一あり)。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「ノーマルリーチ演出」、「擬似変動2回演出」、「擬似変動3回演出」、「第1SPリーチ演出」、「第2SPリーチ演出」、「第3SPリーチ演出」、「第1SPSPリーチ演出」、「第2SPSPリーチ演出」、「第3SPSPリーチ演出」の順で大当り信頼度が高くなる。
[非時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図13を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図12を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図12を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図13に示すHT1−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図13に示すHT1−2は、図12に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わった点で異なるのみである。つまり、図12を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。
[時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図14を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図12を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図12を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図14に示すHT2−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図14に示すHT2−1は、図12に示したHT1−1に対して、「ハズレ」においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合において、第1特別図柄抽選の保留数に関わらず一律に変動パターン19(13.50秒および即ハズレに対応)が選択される点で異なる。
[時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図15を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図12を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図12を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図15に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図15に示すように、HT2−2は、図12に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わっている。つまり、図12を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。また、図15に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「1」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、一律に変動パターン19(13.50秒および即ハズレに対応)が決定される。また、図15に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン24(2.00秒および即ハズレに対応)が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン(4.00秒および即ハズレに対応)が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン22(10.00秒および即ハズレに対応)が決定される。
ここで、図11のステップS403〜S406での処理で説明したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選の保留が、第1特別図柄抽選の保留よりも優先して消化される。また、確変遊技状態(時短状態)では、図17を用いて後述するが、電動チューリップ27が頻繁に長期間開放し易くなり第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞するので、第2特別図柄抽選が頻繁に連続して実行される。また、ステップS407の処理で説明したように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の方が、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選よりも、次回大当りするまで確変遊技状態(時短状態)に制御される確変大当り(遊技者の利益が大きい大当り)の当選割合が多い。このことから、逆に言えば、確変遊技状態(時短状態)において、第1特別図柄抽選が実行されると、通常遊技状態に制御されることになる通常大当り(遊技者の利益が小さい大当り)に当選してしまう可能性が多くなってしまうと言える。本実施形態では、以上に図15のHT2−2を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、第2特別図柄抽選の保留数が2〜4でリーチなしの場合には特別図柄変動時間が短い変動パターン23又は24(2.00秒、4.00秒)を選択し易くして第2特別図柄抽選の保留が高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行する一方で、第2特別図柄抽選の保留数が1でリーチなしの場合には特別図柄変動時間が長い変動パターン19(13.50秒)を必ず選択して遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行され難く制御している。更に、本実施形態では、以上に図14のHT2−1を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第1特別図柄抽選の保留数が1〜4の全てにおいて、リーチなしの場合には特別図柄変動時間が長い変動パターン19(13.50秒)を必ず選択して、第2始動口22に遊技球が入賞して遊技者に比較的有利な第2特別図柄抽選が実行されるための時間を稼ぐように制御している。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図9のステップS11における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6等による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図9のステップS11の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了して特別図柄抽選結果を報知する図柄の所定時間(0.8秒間)の停止表示を実行する。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。なお、このオープニングコマンドは、ステップS413の処理で特別図柄の停止表示が開始された時点から所定時間(0.8秒間)経過したタイミングで(つまり、特別図柄停止表示時間0.8秒が経過して大当り遊技が開始するタイミングで)、図9のステップS11の出力処理によって演出制御部400へ送信され、大当り遊技演出が開始される。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、後述するステップ416の処理で既に送信済みであるか否かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS413の処理において開始された特別図柄の停止表示が終了した時点において、特別図柄抽選の保留が無い場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない状態(いわゆる客待ち状態)になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図9のステップS11の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(例えば装飾図柄停止表示の演出)が開始される。なお、上記した停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[普通図柄処理]
図16は、図9のステップS5における普通図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS5における普通図柄処理について、図16を参照して説明する。
まず、図16のステップS501において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、電動チューリップ27の開閉制御中又は第2始動口有効期間中であるか否かを判定する。なお、電動チューリップ27の開閉制御については、図17を用いて後述する。また、第2始動口有効期間については、図32(2)を用いて後述する。ステップS501での判定がYESの場合、処理は図9のステップS6(大入賞口処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS502に移る。
ステップS502において、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄が変動表示中又は停止表示中であるか否かを判定する。なお、ここでの普通図柄の停止表示中とは、図32(1)を用いて後述する変動表示されていた普通図柄を所定時間(0.5秒間)停止表示させている期間を意味する。ステップS502での判定がYESの場合、処理はステップS507に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS503に移る。
ステップS503において、CPU101は、RAM103に記憶されている普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判定する。つまり、普通図柄抽選の保留が有るか否かを判定する。ステップS503での判定がYESの場合、処理はステップS504に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS6(大入賞口処理)に移る。
ステップS504において、CPU101は、RAM103に記憶されている普通図柄抽選の保留数Gを、1減算した値に更新する。その後、処理はステップSS505に移る。
ステップS505において、CPU101は、乱数を用いた普通図柄抽選を実行してその結果を判定する当選判定処理を実行する。その後、処理はステップS506に移る。
図17は、普通図柄抽選等について説明するための図である。図17に示すように、普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態(非電サポ状態)では1/10であり、時短状態(電サポ状態)では10/10である。また、非時短状態で普通図柄抽選に当選した場合において、8/10の確率で図柄1での当選となり2/10の確率で図柄2での当選となる。また、時短状態で普通図柄抽選に当選した場合においても、8/10の確率で図柄1での当選となり2/10の確率で図柄2での当選となる。また、図17に示すように、非時短状態で図柄1に当選した場合には電動チューリップ27は0.1秒の開放を1回行うように開閉制御され、非時短状態で図柄2に当選した場合には電動チューリップ27は0.1秒の開放を1回行って3秒閉塞してから5.4秒の開放を1回行うように開閉制御される。また、時短状態で図柄1に当選した場合には電動チューリップ27は1.6秒の開放を間に0.5秒の閉塞を挟んで3回行うように開閉制御され、時短状態で図柄2に当選した場合には電動チューリップ27は1.6秒の開放を間に0.5秒の閉塞を挟んで4回行うように開閉制御される。また、図17に示すように、普通図柄表示器4eに普通図柄が変動表示される時間は、非時短状態では12秒であり、時短状態では0.2秒である。なお、普通図柄表示器4eに普通図柄が停止表示される時間は、非時短状態および時短状態共に、0.5秒である。
ステップS506において、CPU101は、遊技状態に応じた変動表示時間で(図17参照)、普通図柄表示器4eに普通図柄の変動表示を開始させる。その後、処理はステップS507に移る。
ステップS507において、CPU101は、RAM103の情報に基づいて、普通図柄の変動表示時間が経過(終了)したか否かを判定する。ステップS507での判定がYESの場合、処理はステップS508に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS6(大入賞口処理)に移る。
ステップS508において、CPU101は、ステップS506の処理で開始した普通図柄の変動表示を終了して普通図柄抽選結果を報知する図柄の所定時間(0.5秒間)の停止表示を実行する。その後、処理は図9のステップS6(大入賞口処理)に移る。
[大入賞口処理]
図18及び図19は、図9のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS6における大入賞口処理について、図18及び図19を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニングの実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「16」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS11の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS612に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ここで、図22(2)を用いて後述するが、インターバルは、ラウンドとラウンドとの間の期間であり、大入賞口有効期間と大入賞口休止期間とから成る期間である。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS6101に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図19のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS6101に移る。
ステップS6101において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、大入賞口休止期間中であるか否かを判定する。具体的には、ステップS610に続いてステップS6101の処理を実行する場合には、ステップS6101においてCPU101は、図22(2)を用いて後述するインターバルにおける大入賞口休止期間中であるか否かを判定する。また、ステップS611に続いてステップS6101の処理を実行する場合には、ステップS6101においてCPU101は、図22(2)を用いて後述する最終ラウンド終了後の大入賞口休止期間中であるか否かを判定する。ステップS6101での判定がYESの場合、大入賞口23への入賞は有効とみなさないので、処理はステップS6131に移り、この判定がNOの場合、図22(2)を用いて後述する大入賞口有効期間中又はラウンド中(ラウンド遊技中)であり大入賞口23への入賞は有効とみなすので、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中又は大入賞口有効期間中であるので、大入賞口スイッチ114からの出力信号に基づいて、大入賞口23に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS6131に移る。
ステップS613において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して(有効とみなして)、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が、大入賞口23に遊技球が入賞する毎に実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS11の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS6131に移る。
ステップS6131において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンドの実行中であるか否かを判定する。ステップS6131での判定がYESの場合、処理はステップS614に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS614において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の上限開放制御時間(本実施形態では29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく29.5秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS11の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理は図19のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図19のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図9のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、大当り遊技終了後に確変遊技状態に制御されることを示すエンディングコマンドが送信された場合、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示す演出モードの演出を実行する。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図18のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS621での判定がYESの場合、処理はステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS622において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、今回の大当りの種類(大当り図柄)に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。より具体的には、今回の大当りが通常大当りの場合は通常遊技状態に制御し、今回の大当りが確変大当りの場合は確変遊技状態に制御する。その後、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
[電動チューリップ処理]
図20は、図9のステップS7における電動チューリップ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS7における電動チューリップ処理について、図20を参照して説明する。
まず、図20のステップS701において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、電動チューリップ27の開閉制御中(図17参照)又は第2始動口有効期間中であるか否かを判定する。なお、第2始動口有効期間については、図32(2)を用いて後述する。ステップS701での判定がYESの場合、処理はステップS704に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS702に移る。
ステップS702において、CPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、図16のステップ505の当選判定処理によって普通図柄抽選に当選したか否かを判定する。ステップS702での判定がYESの場合、処理はステップS703に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS8(特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS703において、CPU101は、ステップS702で判定した普通図柄抽選における当選図柄に応じて、電動チューリップ27の開閉制御を開始する。例えば、CPU101は、図柄1に当選した場合、非時短状態では0.1秒の開放を1回行うように電動チューリップ27を開閉制御し、時短状態では1.6秒の開放を間に0.5秒の閉塞を挟んで3回行うように電動チューリップ27を開閉制御する(図17参照)。その後、処理はステップS704に移る。
ステップS704において、CPU101は、RAM103に記憶されている情報に基づいて、ステップS703で開始した電動チューリップ27の開閉制御の時間が経過したか否かを判定する。その後、処理はステップS705に移る。
ステップS705において、CPU101は、ステップS703で開始した電動チューリップ27の開閉制御を終了する。なお、この電動チューリップ27の開閉制御を終了したタイミングで、図32(2)を用いて後述する、電動チューリップ27の開閉制御終了直後の所定期間(0.5秒間)第2始動口22への遊技球入賞を有効と認める第2始動口有効期間が設けられる。その後、処理は図9のステップS8(特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
[特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理]
以下に、図21〜図31を参照して、特別図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する図9のステップS8における特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理について説明する。ここで、図11を用いて説明した特別図柄処理において特別図柄ゲーム側の各制御時間の経過等を判定する際(例えばS411参照)、および、図18及び図19を用いて説明した大入賞口処理において特別図柄ゲーム側の各制御時間の経過等を判定する際(例えばS610参照)には、このタイマ機能に基づいて、今回のタイマ割り込み処理(図9参照)において制御時間が経過するか否か等の判定が行われる。
図21は、特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理および普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理を実行する際に使用されるデータおよびメイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)について説明するための図である。図22は、特別図柄ゲームの一連の流れについて説明するためのタイムチャートの一例である。図23〜図30は、図9のステップS8における特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理のフローチャートの一例である。
まず、図22を用いて、特別図柄ゲームの一連の流れについて説明する。ここで、特別図柄ゲームとは、特別図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、特別図柄抽選に当選した場合には大当り遊技を実行するゲームである。
図22(1)に示すように、特別図柄ゲームにおいて、「始動口入賞待ち」の状態で始動口(第1始動口21又は第2始動口22)に遊技球が入賞すると、特別図柄抽選が実行されて表示器4(第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が変動表示されてから抽選結果を報知する図柄で特別図柄が規定時間(0.8秒間)停止表示される。その後、図22(1)に示すように、この抽選結果がハズレの場合であって、特別図柄抽選の保留が有る場合には、この保留が消化されて特別図柄抽選が実行されて表示器4に特別図柄が変動表示されてから抽選結果を報知する図柄で規定時間停止表示される。その後、図22(1)に示すように、この抽選結果がハズレの場合であって、特別図柄抽選の保留が無い場合には、「始動口入賞待ち」の状態となる。なお、「始動口入賞待ち」の状態とは、始動口入賞が有ると即時にこの始動口入賞に係る特別図柄抽選を実行して特別図柄の変動表示を開始できる状態であり、典型的には、大当り遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。この様に、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄抽選に当選するまで、始動口入賞に応じて特別図柄が変動表示されてからハズレを報知する図柄で規定時間停止表示される制御が繰り返される。
一方、図22(2)に示すように、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄抽選に当選して大当りを報知する特別図柄が停止表示されると、大当り遊技が実行され、大当り遊技終了時点で特別図柄抽選の保留が有る場合には特別図柄抽選が実行されて特別図柄の変動表示が開始される。なお、大当り遊技終了時点で特別図柄抽選の保留が無い場合には、「始動口入賞待ち」の状態となる。
ここで、図22(2)に示すように、大当り遊技は、画像表示部6に大当り遊技が開始したことを報知するオープニング表示が為されるオープニングと、大入賞口23が開放されるラウンド(ラウンド遊技)と、各ラウンドの後に配置される大入賞口有効期間および大入賞口休止期間と、画像表示部6に大当り遊技が終了することを報知するエンディング表示が為されるエンディングとから成る。ここで、ラウンドとラウンドとの間に配置される上記した大入賞口有効期間および大入賞口休止期間を合わせた期間を、インターバルと言う。また、「大入賞口有効期間」は、ラウンドが終了して大入賞口23が閉塞されたにも関わらず遊技球の大入賞口23への入賞を有効と認める期間であり、この期間によって、いわゆるオーバー入賞が認められることとなる。「大入賞口休止期間」は、遊技球の大入賞口23への入賞を有効と認めない期間である。なお、「大入賞口休止期間」ではない期間であっても、ラウンド中の期間および大入賞口有効期間を除く期間においては、遊技球の大入賞口23への入賞は有効と認められない。
次に、図21を用いて、特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理を実行する際に使用されるデータおよびメイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)について説明する。なお、普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理を実行する際に使用されるデータおよびメイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)については、後に説明する。
図21(1)は、特別図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(以下、「特図側設定データ」という)の種類を示している。つまり、特図側設定データは、図22を用いて説明した期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。具体的には、図21(1)に示すように、特図側設定データ「00H」は始動口入賞待ち中であることを設定するデータであり、特図側設定データ「01H」は特別図柄変動表示中であることを設定するデータであり、特図側設定データ「02H」は特別図柄停止表示中であることを設定するデータであり、特図側設定データ「03H」はオープニング表示中であることを設定するデータであり、特図側設定データ「04H」はラウンド中であることを設定するデータであり、特図側設定データ「05H」は大入賞口有効期間中であることを設定するデータであり、特図側設定データ「06H」は大入賞口休止期間中であることを設定するデータであり、特図側設定データ「07H」はエンディング表示中であることを設定するデータである。なお、これらの特図側設定データは、メイン制御部100のROM102に記憶されている。
図21(3)は、メイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)の模式図である。図21(3)に示すように、RAM103の記憶エリアには、カウント対象時間設定エリア10と、時間カウントエリア11と、単純変動表示用時間カウントエリア12とが含まれている。カウント対象時間設定エリア10は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10A(以下、単に「エリア10A」と言う場合がある)と、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10B(以下、単に「エリア10B」と言う場合がある)とから成る。時間カウントエリア11は、特別図柄ゲーム側の時間カウントエリア11A(以下、単に「エリア11A」と言う場合がある)と、普通図柄ゲーム側の時間カウントエリア11B(以下、単に「エリア11B」と言う場合がある)とから成る。単純変動表示用時間カウントエリア12は、特別図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12A(以下、単に「エリア12A」と言う場合がある)と、普通図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12B(以下、単に「エリア12B」と言う場合がある)とから成る。
エリア11Aは、図22を用いて説明した特別図柄ゲームの各期間についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Aは、図21(1)を用いて説明した特図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Aで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Aは、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。なお、上記の7セグ表示の3つの表示態様は、例えば、数字の0を示す表示態様と、数字の7を示す表示態様と、7つのセグ全てが消灯した表示態様である。
ここで、図21(3)では、一例として、エリア10Aに「01H」が書き込まれていることによって、エリア11Aにおいて特別図柄変動表示の時間経過が計測されることを設定している。なお、図21(3)のエリア11Aには、一例として、時間を示す値「2500」が書き込まれているが、この値は図9のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に「1」減算されて更新されるので、この値「2500」は10.000秒を示している。また、図11(3)のエリア12Aには、一例として、時間を示す値「12」が書き込まれているが、この値も同様に図9のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に「1」減算されて更新されるので、この値「12」は48ミリ秒を示している。
次に、図23〜図31を用いて、図9のステップS8における特別図柄ゲーム側制御時間カウント処理について詳細に説明する。
まず、図23のステップS801において、メイン制御部のCPU101は、現在の状態が、始動口入賞待ちの状態であるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に設定されている特図側設定データが始動口入賞待ちを示す「00H」であるか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS802に移る。
ステップS802において、CPU101は、特別図柄ゲーム側タイマの値を「1」だけカウントダウンする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に書き込まれている値を「1」だけ減算して更新する。例えば、図21(3)に示すようにエリア11Aに「2500」が書き込まれている場合、CPU101は、この値を「2499」に更新する。その後、処理はステップS803に移る。
ステップS803において、CPU101は、現在設定されている特別図柄ゲーム側のカウント対象設定時間データに応じて、処理の移行先を判定して、判定した移行先に処理を移行させる。具体的には、CPU101は、RAM103を参照して、エリア10A(図21参照)に「01H」が設定されている場合にはステップS804に処理を移行させ、エリア10Aに「02H」が設定されている場合にはステップS805に処理を移行させ、エリア10Aに「03H」が設定されている場合にはステップS806に処理を移行させ、エリア10Aに「04H」が設定されている場合にはステップS807に処理を移行させ、エリア10Aに「05H」が設定されている場合にはステップS808に処理を移行させ、エリア10Aに「06H」が設定されている場合にはステップS809に処理を移行させ、エリア10Aに「07H」が設定されている場合にはステップS810に処理を移行させる。
ステップS804において、CPU101は、図24を用いて後述する特別図柄変動表示中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS805において、CPU101は、図25を用いて後述する特別図柄停止表示中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS806において、CPU101は、図26を用いて後述するオープニング表示中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS807において、CPU101は、図27を用いて後述するラウンド中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS808において、CPU101は、図28を用いて後述する大入賞口有効期間中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS809において、CPU101は、図29を用いて後述する大入賞口休止期間中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS810において、CPU101は、図30を用いて後述するエンディング表示中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
[特別図柄変動表示中処理]
図24は、図23のステップS804の特別図柄変動表示中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図24のステップS811において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、表示器4に特別図柄を変動表示させる期間の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS811での判定がYESの場合、処理はステップS812に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS814に移る。
ステップS812において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマに、特別図柄停止表示時間を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図11参照)に0.800秒を示す時間データの値「200」を書き込む。その後、処理はステップS813に移る。
ステップS813において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「02H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、特別図柄停止表示中であることを設定する特図側設定データ「02H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS814において、CPU101は、特別図柄側の単純変動表示用タイマの値を「1」だけカウントダウンする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア12A(図21参照)に書き込まれている時間データの値を「1」だけ減算して更新する。例えば、図21(3)に示すようにエリア12Aに時間データ「12」が書き込まれている場合、CPU101は、この時間データを「11」に更新する。ここで、エリア12Aに書き込まれる時間データの初期値は48ミリ秒を示す「12」であり、ステップS814での減算処理が実行される度に時間データは「1」減算されて、「0」になると次回のステップS814の減算処理において再び「12」から減算される。つまり、ステップS814の処理によって、48ミリ秒の時間経過が循環的に計測される。その後、処理はステップS815に移る。
ステップS815において、CPU101は、特別図柄表示器(4a又は4b)において特別図柄を変動表示制御する。具体的には、CPU101は、ステップS814の減算処理によって特別図柄側の単純変動表示用タイマの値が「0」になっていない場合(つまり、48ミリ秒経過していない場合)、特別図柄表示器に表示する7セグ表示の特別図柄の表示態様を変化させず継続し、このタイマの値が「0」になった場合(つまり、48ミリ秒経過した場合)、この特別図柄の表示態様を次の表示態様に切替える。このように制御することによって、7セグ表示の特別図柄の3つの表示態様(例えば、数字の0を示す表示態様と、数字の7を示す表示態様と、全てのセグが消灯した表示態様)を、48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させることとなる。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
上記したステップS814及びS815の処理によって、特別図柄表示器(4a又は4b)において48ミリ秒毎に特別図柄が表示態様を変化させて変動表示される。また、上記したステップS812及びS813の処理によって、特別図柄の変動表示が終了したタイミングで特別図柄停止表示の期間の計測が開始されることとなる(図22(1)参照)。なお、特別図柄抽選に当選した場合には、特別図柄表示器において特別図柄が例えば数字の7を示す表示態様で停止表示されて当選を報知し、特別図柄抽選に落選した場合には、特別図柄表示器において特別図柄が例えば数字の0を示す表示態様で停止表示されて落選を報知する。
[特別図柄停止表示中処理]
図25は、図23のステップS805の特別図柄停止表示中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図25のステップS821において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、表示器4に特別図柄を停止表示させる期間の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS821での判定がYESの場合、処理はステップS822に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS822において、CPU101は、ステップS821で停止表示の終了タイミングと判定した特別図柄の変動表示に係る特別図柄抽選に当選しているか否かを判定する。言い換えると、CPU101は、停止表示を終了する特別図柄に対応する特別図柄抽選(図11のS407参照)に当選しているか否かを判定する。ステップS822での判定がYESの場合、処理はステップS824に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS823に移る。
ステップS824において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマに、図22(2)を用いて説明した大当り遊技のオープニング表示時間を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に、12.500秒を示す時間データの値「3125」を書き込む。その後、処理はステップS825に移る。
ステップS825において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「03H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、オープニング表示中であることを設定する特図側設定データ「03H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS823において、CPU101は、特別図柄抽選の保留が消化されたか否かを判定する。具体的には、CPU101は、今回のタイマ割り込み処理において図11のステップS403〜S407の処理で保留が消化されたか否かを判定する。ステップS823での判定がYESの場合、処理はステップS826に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS828に移る。
ステップS826において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマに、図22を用いて説明した特別図柄変動表示の時間(特別図柄変動時間)を示す時間データの値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に、今回のタイマ割り込み処理において図11のステップS408の処理で選択された変動パターンに対応する特別図柄変動時間(つまり、実行すべき特別図柄変動表示の時間;例えば15.000秒)を示す時間データの値(例えば「3750」)を書き込む(設定する)。
図31は、ステップS826等において特別図柄変動表示時間を設定するために用いられる変動時間テーブルの概念図の一例である。この変動時間テーブルは、ROM102に記憶されており、RAM103に読み出されて、ステップS826等の処理において使用される。図31に示すように、変動時間テーブルは、変動パターンを示すデータと、基本変動時間(秒)を示すデータと、加算変動時間(秒)を示すデータとから成る。変動パターンは、図12〜図15を用いて説明した変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2に含まれる変動パターンである。基本変動時間は、変動パターンに対応する特別図柄変動時間を構成する基本の変動時間である。加算変動時間は、変動パターンに対応する特別図柄変動時間を構成する加算される変動時間である。基本変動時間と加算変動時間とを加算した時間が、変動パターンに対応する特別図柄変動時間(図12〜図15参照)である。例えば、変動パターン1に対応する特別図柄変動時間は、基本変動時間90秒であり、例えば、変動パターン3に対応する特別図柄変動時間は、基本変動時間85秒に加算変動時間0.50秒を加算した85.5秒である。
ステップS826において、CPU101は、図11のステップS408の処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄変動時間のデータ(「秒」の時間を示すデータ)を、RAM103の変動時間テーブル(図31)から読み出して、読み出したデータに250を乗算して4ミリ秒周期で実行される時間計測処理(図23のS802参照)に適応する時間データに変換し、変換した時間データをRAM103のエリア11A(図21参照)に書き込む。例えば、変動パターン1に対応する特別図柄変動時間90秒を示す時間データの値をエリア11Aに設定する場合には、RAM103の変動時間テーブルから基本変動時間90秒を示すデータを読み出して、この読み出したデータに250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ「22500」に変換し、変換した時間データ「22500」をRAM103のエリア11Aに書き込む。また、例えば、変動パターン3に対応する特別図柄変動時間85.5秒を示す時間データの値をエリア11Aに設定する場合には、RAM103の変動時間テーブルから基本変動時間85秒を示すデータおよび加算変動時間0.50秒を示すデータを読み出して加算し、この加算したデータに250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ「31375」に変換し、変換した時間データ「31375」をRAM103のエリア11Aに書き込む。その後、処理はステップS827に移る。
以上に図31を用いて説明したように、本実施形態によれば、ROM102に記憶されRAM103に読み出される変動時間テーブルの特別図柄変動時間を示すデータを「秒」の時間を示すデータ(つまり、除算値の時間データ)とし、特別図柄変動時間を設定する際に250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ(つまり、乗算値の時間データ)に変換する。また、本実施形態によれば、例えば特別図柄変動時間85.5秒のように、除算値の時間データで示してもデータ量が1バイトを超える特別図柄変動時間については、加算変動時間の時間データ(小数点以下の時間を示す時間データ)として分割して変動時間テーブルを構成させている。このことから、本実施形態によれば、変動時間テーブルの特別図柄変動時間を示す各データを1バイト以下のデータ量に押さえることができるので、ROM102およびRAM103の使用モリ領域を効果的に抑制することができる。ここで、本実施形態では、説明の簡単のために、変動パターンの数を24個とした(図31参照)。しかし、実際の遊技機では、変動パターンの数は1000個〜10000個と膨大である。このことから、本実施形態による上記した使用モリ領域抑制の効果は、実際の遊技機において絶大となる。
ステップS827において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「01H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、特別図柄変動表示中であることを設定する特図側設定データ「01H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
なお、遊技機1に電源が投入されて最初に特別図柄抽選が実行されて最初に特別図柄変動表示が実行される際にも、上記したステップS826およびS827の処理が実行される。
ステップS828において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマにNull値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に、Null値を書き込む。その後、処理はステップS829に移る。
ステップS829において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「00H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、図22を用いて説明した始動口入賞待ちであることを設定する特図側設定データ「00H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
上記したステップS824及びS825の処理によって、特別図柄の停止表示が終了したタイミングで大当り遊技のオープニング表示の期間の計測が開始されることとなる(図22(2)参照)。また、上記したステップS826及びS827の処理によって、特別図柄の停止表示が終了したタイミングで特別図柄変動表示の期間の計測が開始されることとなる(図22(1)参照)。また、上記したステップS828及びS829の処理によって、特別図柄の停止表示が終了したタイミングで始動口入賞待ちの計測状態に設定される。
[オープニング表示中処理]
図26は、図23のステップS806のオープニング表示中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図26のステップS831において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、オープニング表示の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS831での判定がYESの場合、処理はステップS832に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS832において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマに、図22(2)を用いて説明した大当り遊技のラウンドの実行上限時間(29.5秒)を示す値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に、29.500秒を示す時間データの値「7375」を書き込む。その後、処理はステップS833に移る。
ステップS833において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「04H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、ラウンド中であることを設定する特図側設定データ「04H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
上記したステップS831〜S833の処理によって、オープニング表示の終了タイミングで大当り遊技のラウンドの実行上限時間の計測が開始される(図22(2)参照)。
[ラウンド中処理]
図27は、図23のステップS807のラウンド中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図27のステップS835において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、ラウンドの実行上限時間(29.5秒)が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS835での判定がYESの場合、処理はステップS837に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS836に移る。
ステップS837において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマに、図22(2)を用いて説明した大当り遊技の大入賞口有効期間を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に、1.988秒を示す時間データの値「497」を書き込む。その後、処理はステップS838に移る。
ステップS838において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「05H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、大入賞口有効期間中であることを設定する特図側設定データ「05H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS836において、CPU101は、今回のタイマ割り込み処理における図18のステップS615において大入賞口23に遊技球が規定上限数(10個)入賞したと判定されたか否かを判定する。ステップS836での判定がYESの場合、処理はステップS837に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
上記したステップS835〜S838の処理によって、大当り遊技のラウンドが終了したタイミングで大入賞口有効期間の計測が開始されることとなる。
[大入賞口有効期間中処理]
図28は、図23のステップS808の大入賞口有効期間中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図28のステップS841において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、大入賞口有効期間(1.988秒)が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS841での判定がYESの場合、処理はステップS842に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS842において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマに、図22(2)を用いて説明した大当り遊技の大入賞口休止期間を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に、0.012秒を示す時間データの値「3」を書き込む。その後、処理はステップS843に移る。
ステップS843において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「06H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、大入賞口休止期間中であることを設定する特図側設定データ「06H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
上記したステップS841〜S843の処理によって、大当り遊技の大入賞口有効期間が終了したタイミングで大入賞口休止期間の計測が開始されることとなる。
[大入賞口休止期間中処理]
図29は、図23のステップS809の大入賞口休止期間中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図29のステップS845において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、大入賞口休止期間(0.012秒)が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図11参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS845での判定がYESの場合、処理はステップS846に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS846において、CPU101は、RAM103に記憶されている情報に基づいて、今回の大入賞口休止期間が大当り遊技の最終ラウンド終了後の大入賞口休止期間であるか否かを判定する。ステップS846での判定がYESの場合、処理はステップS849に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS847に移る。
ステップS847において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマに、図22(2)を用いて説明した大当り遊技のラウンドの実行上限時間(29.5秒)を示す時間データの値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図11参照)に、29.500秒を示す時間データの値「7375」を書き込む。その後、処理はステップS848に移る。
ステップS848において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「04H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、ラウンド中であることを設定する特図側設定データ「04H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS849において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマに、図22(2)を用いて説明した大当り遊技のエンディング表示の時間を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に、20.500秒を示す時間データの値「5125」を書き込む。その後、処理はステップS850に移る。
ステップS850において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「07H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、エンディング表示中であることを設定する特図側設定データ「07H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
上記したステップS845〜S850の処理によって、大当り遊技のラウンドの大入賞口休止期間が終了したタイミングで、最終ラウンドでなければ次のラウンドの実行上限時間の計測が開始され、最終ラウンドであればエンディング表示の期間の計測が開始されることとなる。
[エンディング表示中処理]
図30は、図23のステップS810のエンディング表示中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図30のステップS851において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、エンディング表示期間(20.5秒)が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS851での判定がYESの場合、処理はステップS852に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS852において、CPU101は、特別図柄抽選の保留が消化されたか否かを判定する。具体的には、CPU101は、今回のタイマ割り込み処理において図11のステップS403〜S407の処理で保留が消化されたか否かを判定する。ステップS852での判定がYESの場合、処理はステップS853に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS855に移る。
ステップS853において、CPU101は、図25のステップS826の処理と同様に、特別図柄ゲーム側のタイマに、図22を用いて説明した特別図柄変動表示の時間(特別図柄変動時間)を示す時間データの値をセットする。その後、処理はステップS854に移る。
ステップS854において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「01H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、特別図柄変動表示中であることを設定する特図側設定データ「01H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
ステップS855において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のタイマに、図22(1)を用いて説明した始動口入賞待ちの状態を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11A(図21参照)に、Null値を書き込む。その後、処理はステップS856に移る。
ステップS856において、CPU101は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「00H」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10A(図21参照)に、始動口入賞待ちであることを設定する特図側設定データ「00H」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理)に移る。
上記したステップS851〜S856の処理によって、大当り遊技のエンディング表示が終了したタイミングで、実行すべき特別図柄変動表示があれば特その特別図柄変動表示の時間の計測が開始され、実行すべき特別図柄変動表示がなければ始動口入賞待ちの計測状態に設定される。
以上に、図21〜図31を用いて説明したように、本実施形態によれば、特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図21の11Aおよび図23のステップS802参照)を用いて計測する。ここで、従来の遊技機においては、特別図柄ゲームを構成する各制御時間(図22の特別図柄変動表示の制御時間、特別図柄停止表示の制御時間、オープニング表示の制御時間、ラウンド実行の制御時間等)をそれぞれ個別のタイマ機能を用いて計測していたので、メイン制御部のRAMの記憶エリアに特別図柄ゲームを構成する制御時間毎に個別の時間カウントエリアを設けていた。一方、本実施形態では、上記のように特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測するので、演算付加を効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、特別図柄変動表示の実行期間において特別図柄表示器4a(又は4b)に7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる際の切替え時間の計測には、上記したタイマ機能(図21の11Aおよび図23のステップS802参照)とは別のタイマ機能(図21の12Aおよび図24のステップS814参照)を用いる。このことから、本実施形態によれば、演算処理の複雑化を効果的に抑制できる。
[普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理]
以下に、図11、図32〜図37を参照して、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する図9のステップS9における普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理について説明する。ここで、図16を用いて説明した普通図柄処理において普通図柄ゲーム側の各制御時間の経過等を判定する際(例えばS507参照)、および、図20を用いて説明した電動チューリップ処理において普通図柄ゲーム側の各制御時間の経過等を判定する際(例えばS704参照)には、このタイマ機能に基づいて、今回のタイマ割り込み処理(図9参照)において制御時間が経過するか否か等の判定が行われる。
図32は、普通図柄ゲームの一連の流れについて説明するためのタイムチャートの一例である。図33〜図37は、図9のステップS9における普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理のフローチャートの一例である。
まず、図32を用いて、普通図柄ゲームの一連の流れについて説明する。ここで、普通図柄ゲームとは、ゲート25を遊技球が通過したことに応じて普通図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、普通図柄抽選に当選した場合には電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)を実行するゲームである。
図32(1)に示すように、普通図柄ゲームにおいて、「ゲート通過待ち」の状態でゲート25を遊技球が通過すると、普通図柄抽選が実行されて普通図柄表示器4e(図2参照)に普通図柄が変動表示されてから抽選結果を報知する図柄で普通図柄が規定時間(0.5秒間)停止表示される。その後、図32(1)に示すように、この抽選結果がハズレの場合であって、普通図柄抽選の保留が有る場合には、この保留が消化されて普通図柄抽選が実行されて普通図柄表示器4eに普通図柄が変動表示されてから抽選結果を報知する図柄で規定時間停止表示される。その後、図32(1)に示すように、この抽選結果がハズレの場合であって、普通図柄抽選の保留が無い場合には、「ゲート通過待ち」の状態となる。なお、「ゲート通過待ち」の状態とは、ゲート25に遊技球が通過すると即時にこの通過に係る普通図柄抽選を実行して普通図柄の変動表示を開始できる状態であり、典型的には、電動チューリップ27の開閉制御中(電チューの開放遊技中)ではなく、普通図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。この様に、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄抽選に当選しない場合、ゲート25への遊技球通過に応じて普通図柄が変動表示されてからハズレを報知する図柄で停止表示される制御が繰り返される。
一方、図32(2)に示すように、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄抽選に当選して当りを報知する普通図柄が停止表示されると、電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)が実行され(図17参照)、その後、第2始動口有効期間が設けられる。そして、この第2始動口有効期間の終了時点で普通図柄抽選の保留が有る場合には普通図柄抽選が実行されて普通図柄の変動表示が開始される。なお、第2始動口有効期間の終了時点で普通図柄抽選の保留が無い場合には、「ゲート通過待ち」の状態となる。
ここで、「第2始動口有効期間」は、電動チューリップ27の開閉制御が終了した直後の所定期間について例外的に第2始動口22への遊技球入賞を有効と認める期間である。なお、電動チューリップ27の開閉制御中は、一律に(つまり、電動チューリップ27が閉塞状態であっても)第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められ、電動チューリップ27の開閉制御中および第2始動口有効期間を除く期間は、第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められない。
次に、図21を用いて、普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理を実行する際に使用されるデータおよびメイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)について説明する。
図21(2)は、普通図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(以下、「普図側設定データ」という)の種類を示している。つまり、普図側設定データは、図32を用いて説明した期間のうち何れの期間(時間)を計測しているのかを設定するためのデータである。具体的には、図21(2)に示すように、普図側設定データ「00K」はゲート通過待ち中であることを設定するデータであり、普図側設定データ「01K」は普通図柄変動表示中であることを設定するデータであり、普図側設定データ「02K」は普通図柄停止表示中であることを設定するデータであり、普図側設定データ「03K」は電チュー開閉制御中(電動チューリップ27の開閉制御中;図17参照)であることを設定するデータであり、普図側設定データ「04K」は第2始動口有効期間中であることを設定するデータである。なお、これらの普図側設定データは、メイン制御部100のROM102に記憶されている。
図21(3)は、メイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)の模式図である。エリア11Bは、図32を用いて説明した普別図柄ゲームの各期間についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Bは、図21(2)を用いて説明した普図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Bで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Bは、普通図柄表示器4e(図2参照)に普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様(マルのみが点灯する表示態様とバツのみが点灯する表示態様)を48ミリ秒毎に切替えて交互表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。
ここで、図21(3)では、一例として、エリア10Bに「02K」が書き込まれていることによって、エリア11Bにおいて普通図柄停止表示の時間経過が計測されることを設定している。なお、図21(3)のエリア11Bには、一例として、時間を示す値「25」が書き込まれているが、この値は図9のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に「1」減算されて更新されるので、この値「25」は0.100秒を示している。また、図21(3)のエリア12Bには、一例として、時間を示す値「12」が書き込まれているが、この値も同様に図9のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に「1」減算されて更新されるので、この値「12」は48ミリ秒を示している。
次に、図33〜図37を用いて、図9のステップS9における普通図柄ゲーム側制御時間カウント処理について詳細に説明する。
まず、図33のステップS860において、メイン制御部のCPU101は、現在の状態が、ゲート通過待ちの状態であるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10B(図21参照)に設定されている普図側設定データがゲート通過待ちを示す「00K」であるか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理は図9のステップS10(賞球処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS861に移る。
ステップS861において、CPU101は、普通図柄ゲーム側タイマの値を「1」だけカウントダウンする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に書き込まれている値を「1」だけ減算して更新する。例えば、図21(3)に示すようにエリア11Bに「25」が書き込まれている場合、CPU101は、この値を「24」に更新する。その後、処理はステップS862に移る。
ステップS862において、CPU101は、現在設定されている普通図柄ゲーム側のカウント対象設定時間データに応じて、処理の移行先を判定して、判定した移行先に処理を移行させる。具体的には、CPU101は、RAM103を参照して、エリア10B(図21参照)に「01K」が設定されている場合にはステップS863に処理を移行させ、エリア10Bに「02K」が設定されている場合にはステップS864に処理を移行させ、エリア10Bに「03K」が設定されている場合にはステップS865に処理を移行させ、エリア10Bに「04K」が設定されている場合にはステップS866に処理を移行させる。
ステップS863において、CPU101は、図34を用いて後述する普通図柄変動表示中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS10(賞球処理)に移る。
ステップS864において、CPU101は、図35を用いて後述する普通図柄停止表示中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS10(賞球処理)に移る。
ステップS865において、CPU101は、図36を用いて後述する電チュー開閉制御中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS10(賞球処理)に移る。
ステップS866において、CPU101は、図37を用いて後述する第2始動口有効期間中処理を実行する。その後、処理は図9のステップS10(賞球処理)に移る。
[普通図柄変動表示中処理]
図34は、図33のステップS863の普通図柄変動表示中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図34のステップS871において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、表示器4に普通図柄を変動表示させる期間の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS871での判定がYESの場合、処理はステップS872に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS874に移る。
ステップS872において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマに、普通図柄停止表示時間を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に0.500秒を示す時間データの値「125」を書き込む。その後、処理はステップS873に移る。
ステップS873において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「02K」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10B(図21参照)に、普通図柄停止表示中であることを設定する特図側設定データ「02K」を書き込む。その後、処理は図9のステップS10(賞球処理)に移る。
ステップS874において、CPU101は、普通図柄側の単純変動表示用タイマの値を「1」だけカウントダウンする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア12B(図11参照)に書き込まれている時間データの値を「1」だけ減算して更新する。例えば、図21(3)に示すようにエリア12Bに時間データ「12」が書き込まれている場合、CPU101は、この時間データを「11」に更新する。ここで、エリア12Bに書き込まれる時間データの初期値は48ミリ秒を示す「12」であり、ステップS874での減算処理が実行される度に時間データは「1」減算されて、「0」になると次回のステップS874の減算処理において再び「12」から減算される。つまり、ステップS874の処理によって、48ミリ秒の時間経過が循環的に計測される。その後、処理はステップS875に移る。
ステップS875において、CPU101は、普通図柄表示器4e(図2参照)において普通図柄を変動表示制御する。具体的には、CPU101は、ステップS874の減算処理によって普通図柄側の単純変動表示用タイマの値が「0」になっていない場合(つまり、48ミリ秒経過していない場合)、普通図柄表示器に表示するマルバツ表示の普通図柄の表示態様を変化させず継続し、このタイマの値が「0」になった場合(つまり、48ミリ秒経過した場合)、この普通図柄の表示態様を次の表示態様に切替える。このように制御することによって、マルバツ表示の普通図柄の2つの表示態様(例えば、マルのみが点灯する表示態様とバツのみが点灯する表示態様)を、48ミリ秒毎に切替えて表示させることとなる。その後、処理は図9のステップS10(賞球処理)に移る。
上記したステップS874及びS875の処理によって、普通図柄表示器4eにおいて48ミリ秒毎に普通図柄が表示態様を変化させて変動表示される。また、上記したステップS872及びS873の処理によって、普通図柄の変動表示が終了したタイミングで普通図柄停止表示の期間の計測が開始されることとなる(図32(1)参照)。なお、普通図柄抽選に当選した場合には、普通図柄表示器において普通図柄が例えばマルのみを点灯した表示態様で停止表示されて当選を報知し、普通図柄抽選に落選した場合には、普通図柄表示器において普通図柄が例えばバツのみを点灯した表示態様で停止表示されて落選を報知する。
[特別図柄停止表示中処理]
図35は、図33のステップS864の普通図柄停止表示中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図35のステップS876において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、普通図柄表示器4eに普通図柄を停止表示させる期間の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS876での判定がYESの場合、処理はステップS877に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS10(賞球処理)に移る。
ステップS877において、CPU101は、ステップS876で停止表示の終了タイミングと判定した普通図柄の変動表示に係る普通図柄抽選に当選しているか否かを判定する。言い換えると、CPU101は、停止表示を終了する普通図柄に対応する普通図柄抽選(図16のS505参照)に当選しているか否かを判定する。ステップS877での判定がYESの場合、処理はステップS879に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS878に移る。
ステップS879において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマに、図32(2)を用いて説明した電チュー開閉制御(電チュー開放遊技)の実行時間を示す値をセットする。
具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に、ステップS876で停止表示の終了タイミングと判定した普通図柄の変動表示に係る普通図柄抽選の当選図柄および遊技状態に応じた電チュー開閉制御の実行時間(例えば、非時短中に図柄1に当選した場合には8.5秒;図17参照)を示す時間データの値(例えば「2125」)を書き込む。その後、処理はステップS880に移る。
ステップS880において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「03K」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10B(図21参照)に、電チュー開閉制御(電チュー開放遊技)中であることを設定する普図側設定データ「03K」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(賞球処理)に移る。
ステップS878において、CPU101は、普通図柄抽選の保留が消化されたか否かを判定する。具体的には、CPU101は、今回のタイマ割り込み処理において図16のステップS503〜S505の処理で保留が消化されたか否かを判定する。ステップS878での判定がYESの場合、処理はステップS881に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS883に移る。
ステップS881において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマに、図32を用いて説明した普通図柄変動表示の時間を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に、遊技状態に応じた普通図柄変動表示の時間(例えば、0.200秒;図17参照)を示す時間データの値(例えば「50」)を書き込む。その後、処理はステップS882に移る。
ステップS882において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「01K」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10B(図21参照)に、普通図柄変動表示中であることを設定する普図側設定データ「01K」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(賞球処理)に移る。
なお、遊技機1に電源が投入されて最初に普通図柄抽選が実行されて最初に普通図柄変動表示が実行される際にも、上記したステップS881およびS882の処理が実行される。
ステップS883において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマにNull値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に、Null値を書き込む。その後、処理はステップS884に移る。
ステップS884において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「00K」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10B(図21参照)に、図32を用いて説明したゲート通過待ちであることを設定する普図側設定データ「00K」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(賞球処理)に移る。
上記したステップS879及びS880の処理によって、普通図柄の停止表示が終了したタイミングで電チュー開閉制御(電チュー開放遊技)の期間の計測が開始されることとなる(図32(2)参照)。また、上記したステップS881及びS882の処理によって、普通図柄の停止表示が終了したタイミングで普通図柄変動表示の期間の計測が開始されることとなる(図32(1)参照)。また、上記したステップS883及びS884の処理によって、普通図柄の停止表示が終了したタイミングでゲート通過待ちの計測状態が設定される。
[電チュー開閉制御中処理]
図36は、図33のステップS865の電チュー開閉制御中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図36のステップS885において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、電チュー開閉制御(電チュー開放遊技)の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS885での判定がYESの場合、処理はステップS886に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS9(賞球処理)に移る。
ステップS886において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマに、図32(2)を用いて説明した第2始動口有効期間の時間を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に、1.200秒を示す時間データの値「300」を書き込む。その後、処理はステップS887に移る。
ステップS887において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「04K」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10B(図21参照)に、第2始動口有効期間であることを設定する普図側設定データ「04K」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(賞球処理)に移る。
上記したステップS885〜S887の処理によって、電チュー開閉制御(電チュー開放遊技)の終了タイミングで第2始動口有効期間の計測が開始される(図32(2)参照)。
[第2始動口有効期間中処理]
図37は、図33のステップS866の第2始動口有効期間中処理の詳細フローチャートの一例である。
まず、図33のステップS891において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマの値が「0」であるか否かを判定することによって、第2始動口有効期間(1.2秒)が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に書き込まれている時間データの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS891での判定がYESの場合、処理はステップS892に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS9(賞球処理)に移る。
ステップS892において、CPU101は、図35のステップS878の処理と同様に、普通図柄抽選の保留が消化されたか否かを判定する。ステップS892での判定がYESの場合、処理はステップS893に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS895に移る。
ステップS893において、CPU101は、図35のステップS881の処理と同様に、普通図柄ゲーム側のタイマに、図32を用いて説明した普通図柄変動表示の時間を示す時間データ値をセットする。その後、処理はステップS894に移る。
ステップS894において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「01K」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10B(図21参照)に、普通図柄変動表示中であることを設定する特図側設定データ「01KH」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(賞球処理)に移る。
ステップS895において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のタイマに、図32(1)を用いて説明したゲート通過待ちの状態を示す時間データ値をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア11B(図21参照)に、Null値を書き込む。その後、処理はステップS896に移る。
ステップS896において、CPU101は、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリアに「00K」をセットする。具体的には、CPU101は、RAM103のエリア10B(図21参照)に、ゲート通過待ちであることを設定する普図側設定データ「00K」を書き込む。その後、処理は図9のステップS9(賞球処理)に移る。
上記したステップS891〜S896の処理によって、第2始動口有効期間が終了したタイミングで、実行される普通図柄変動表示があればその普通図柄変動表示の時間の計測が開始され、実行される普通図柄変動表示がなければゲート通過待ちの計測状態に設定されることとなる。
以上に、図21、図32〜図37を用いて説明したように、本実施形態によれば、普通図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図21の11Bおよび図33のステップS861参照)を用いて計測する。ここで、従来の遊技機においては、普通図柄ゲームを構成する各制御時間(図32の普通図柄変動表示の制御時間、普通図柄停止表示の制御時間、電チュー開閉制御の時間等)をそれぞれ個別のタイマ機能を用いて計測していたので、メイン制御部のRAMの記憶エリアに普通図柄ゲームを構成する制御時間毎に個別の時間カウントエリアを設けていた。一方、本実施形態では、上記のように普通図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測するので、演算付加を効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、普通図柄変動表示の実行期間において普通図柄表示器4eにマルバツ表示の2つの表示態様を48ミリ秒毎に切替えて表示させる際の切替え時間の計測には、上記したタイマ機能(図21の11Bおよび図33のステップS861参照)とは別のタイマ機能(図21の12Bおよび図34のステップS874参照)を用いる。このことから、本実施形態によれば、演算処理の複雑化を効果的に抑制できる。
[演出制御部による演出制御処理]
図38は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図38を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図38に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図38以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS15において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図9のステップS11の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理については、図39及び図40を参照して後に詳述する。
次に、ステップS16において、CPU401は、ステップS15の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS15の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出に使用する各種演出乱数を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図9のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図39および図40は、図38のステップS15のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図39および図40を参照して、図38のステップS15のコマンド受信処理について説明する。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図10のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、ステップS111の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に特別図柄抽選の保留を示す保留画像を追加表示させたり、この保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を用いて追加表示させた保留画像を先読み表示態様に変化させる保留画像表示処理を行う。なお、表示された保留画像は、後述するステップS115の処理で報知演出が開始される際に、早く表示されたものから順番に消化される。また、この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。また、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、先読み予告演出設定処理を行う。具体的には、CPU401は、RAM403に記憶されている特別図柄抽選の保留数(保留データの数)が、ステップS112で追加された保留を含めて2以上である場合、直近にRAM403に記憶された(つまり、直近の保留データに含まれる)事前判定情報に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを抽選等によって判定する。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図11のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に応じて、画像音響制御部500等に指示して、画像表示部6等による報知演出を開始する報知演出実行処理を行う。ここで、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6等において実行されて特別図柄抽選の結果を示唆する演出であり、例えば数字に装飾を施した装飾図柄が複数列変動表示され、この変動表示された装飾図柄が停止表示されることによりその停止表示された複数列の装飾図柄の組合せによって特別図柄抽選の結果が報知される演出である。具体的には、ROM402には図12〜図15を用いて説明した変動パターンと特別図柄変動時間及び演出パターンのタイプとの対応関係が記憶されており、CPU401は、この対応関係に基づいて演出乱数を用いた抽選によって多数の演出パターンから実行する演出パターンを1つ決定して、決定した演出パターンで報知演出を開始制御する。例えば、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に変動パターン1を示す情報が含まれている場合(図12等参照)、CPU401は、上記した対応関係に基づいて90秒の変動時間で第3SPSPリーチ演出まで実行して最終的に大当りを報知するタイプの演出パターンのうちの1つを決定して、決定した演出パターンで報知演出を開始制御する。ここで、ステップS113の処理によって先読み予告演出の実行が設定されている場合には、報知演出において先読み予告演出が実行される。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS116に移る。
ステップS116において、CPU401は、図11のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図40のステップS118に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で開始した報知演出において、変動表示させていた装飾図柄を規定時間(0.8秒間)全て完全に停止させて(確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知してから、この報知演出を終了させる。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図40のステップS118に移る。
図40のステップS118において、CPU401は、図11のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS118での判定がYESの場合、処理はステップS119に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS120に移る。
ステップS119において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のオープニング演出を開始する。つまり、大当り遊技演出を開始させる。ここで、大当り遊技演出のオープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、大入賞口23に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS120に移る。
ステップS120において、CPU401は、図18のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を開始する。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦っている画像等による演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS122に移る。
ステップS122において、CPU401は、図16のステップS613等の処理でセットされた入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して入賞処理を開始する。ここで、入賞処理は、例えば大当り遊技中(ラウンド中)に開放される大入賞口23に入賞した遊技球に基づいて払い出された賞球数をカウントする処理であり、入賞処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信した入賞コマンドのうち、大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞コマンドを受信する毎に(つまり、大入賞口23へ遊技球が1つ入賞する毎に)、大入賞口23入賞に対応する賞球数「13」をRAM503に記憶された賞球総数に加算して更新し、更新された賞球総数を画像表示部6に表示する。その後、処理はステップS124に移る。
ステップS124において、CPU401は、図18のステップS617の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する。但し、CPU401は、終了するラウンド演出が最終ラウンドのラウンド演出である場合には、図22(2)を用いて説明した大入賞口有効期間及び大入賞口休止期間(合計2秒間)が経過したタイミングまで待機してから、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS126に移る。
ステップS126において、CPU401は、図19のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、図22(2)を用いて説明した大入賞口有効期間及び大入賞口休止期間(合計2秒間)が経過したタイミングまで待機してから、大当り遊技演出のエンディング演出を開始する(つまり、大当り遊技演出を終了させる)。ここで、エンディング演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカー名を表示させる演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図11のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理を終了し、処理は図38のステップS16に移る。
ステップS129において、CPU401は、ステップS128で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500に指示して、停止状態処理を開始する。ここで、停止状態処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、停止状態処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、遊技状態に応じた所定の停止演出(例えば、装飾図柄が停止表示された演出)を画像表示部6に表示する。なお、CPU501は、上記した停止演出を開始してから、所定時間(例えば90秒)が経過したときに、CPU401から、他の演出の指示を受けない場合、客待ち演出を開始する。なお、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。そして、コマンド受信処理を終了し、処理は図38のステップS16に移る。
以上に説明したように、本実施形態によれば、ROM102に記憶されRAM103に読み出される変動時間テーブルの特別図柄変動時間を示すデータを「秒」の時間を示すデータ(つまり、除算値の時間データ)とし、特別図柄変動時間を設定する際に250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ(つまり、乗算値の時間データ)に変換する(図31、図25のS826等参照)。また、本実施形態によれば、例えば特別図柄変動時間85.5秒のように、除算値の時間データで示してもデータ量が1バイトを超える特別図柄変動時間については、加算変動時間の時間データ(小数点以下の時間を示す時間データ)として分割して変動時間テーブルを構成させている(図31参照)。このことから、本実施形態によれば、変動時間テーブルの特別図柄変動時間を示す各データを1バイト以下のデータ量に押さえることができるので、ROM102およびRAM103の使用モリ領域を効果的に抑制することができる。ここで、本実施形態では、説明の簡単のために、変動パターンの数を24個とした(図31参照)。しかし、実際の遊技機では、変動パターンの数は1000個〜10000個と膨大である。このことから、本実施形態による上記した使用モリ領域抑制の効果は、実際の遊技機において絶大となる。
また、以上に説明したように、本実施形態によれば、特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図21の11Aおよび図23のステップS802参照)を用いて計測する(図21〜図30参照)。ここで、従来の遊技機においては、特別図柄ゲームを構成する各制御時間(図22の特別図柄変動表示の制御時間、特別図柄停止表示の制御時間、オープニング表示の制御時間、ラウンド実行の制御時間等)をそれぞれ個別のタイマ機能を用いて計測していたので、メイン制御部のRAMの記憶エリアに特別図柄ゲームを構成する制御時間毎に個別の時間カウントエリアを設けていた。一方、本実施形態では、上記のように特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測するので、演算付加を効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、特別図柄変動表示の実行期間において特別図柄表示器4a(又は4b)に7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる際の切替え時間の計測には、上記したタイマ機能(図21の11Aおよび図23のステップS802参照)とは別のタイマ機能(図21の12Aおよび図24のステップS814参照)を用いる。このことから、本実施形態によれば、演算処理の複雑化を効果的に抑制できる。
また、以上に説明したように、本実施形態によれば、普通図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図21の11Bおよび図33のステップS861参照)を用いて計測する(図32〜図37参照)。ここで、従来の遊技機においては、普通図柄ゲームを構成する各制御時間(図32の普通図柄変動表示の制御時間、普通図柄停止表示の制御時間、電チュー開閉制御の時間等)をそれぞれ個別のタイマ機能を用いて計測していたので、メイン制御部のRAMの記憶エリアに普通図柄ゲームを構成する制御時間毎に個別の時間カウントエリアを設けていた。一方、本実施形態では、上記のように普通図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測するので、演算付加を効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、普通図柄変動表示の実行期間において普通図柄表示器4eにマルバツ表示の2つの表示態様を48ミリ秒毎に切替えて表示させる際の切替え時間の計測には、上記したタイマ機能(図21の11Bおよび図33のステップS861参照)とは別のタイマ機能(図21の12Bおよび図34のステップS874参照)を用いる。このことから、本実施形態によれば、演算処理の複雑化を効果的に抑制できる。
[変形例]
なお、以上に説明した本実施形態では、特別図柄を表示する特別図柄表示器(4a、4b)を7セグ表示器とした構成例を挙げた。しかし、特別図柄表示器は、7セグ表示器には限らず、例えば7個のLEDが一列に整列した表示器であって、例えば、7個のLEDのうちの何れか1つが点灯してその1つの点灯が一方向に流れるように移動して循環するように変動表示してから、大当り又はハズレを報知する点灯パターンで停止表示される構成としてもよい。この場合、図24のステップS814及びS815の処理により48ミリ秒毎に点灯するLEDが切替わることによって、特別図柄が変動表示されることとなる。また、普通図柄表示器4eについても、同様に、マルバツ表示器には限らず、他の表示形式の表示器であってもよい。
また、以上に説明した本実施形態では、大当り遊技の制御において大入賞口休止期間が設けられる構成例を挙げた(図22参照)。しかし、大当り遊技の制御において大入賞口休止期間が設けられない構成としてもよい。
また、以上に説明した本実施形態では、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示(及び特別図柄停止表示)と、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示(及び特別図柄停止表示)とを並行して実行しない制御構成において、特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図21の11Aおよび図23のステップS802参照)を用いて計測する構成例を挙げた(図21〜図30参照)。しかし、例えば、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示(及び特別図柄停止表示)と、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示(及び特別図柄停止表示)とを並行して実行可能な制御構成としてもよい。この場合、例えば、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示(及び特別図柄停止表示)の制御時間と、第1特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つのタイマ機能を用いて計測し、一方で、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示(及び特別図柄停止表示)の制御時間と、第2特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つの他のタイマ機能を用いて計測する構成としてもよい。
また、以上に説明した本実施形態では、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの一連の制御時間をそれぞれ1つのタイマ機能を用いて計測する際に、計測対象時間の経過を「減算」処理によって計測する構成例を挙げた(図23のS802、図33のS861参照)。しかし、これには限られず、例えば、「加算」処理によって計測対象時間の経過を計測する構成としてもよい。この場合、例えば図25のステップS821の処理においては、特別図柄ゲーム側のタイマの値が、計測対象時間(特別図柄停止表示の時間0.8秒)を示す時間データの値「200」に到達したか否かを判定する制御となる。
また、以上に説明した本実施形態では、メイン制御部100により実行される特別図柄変動表示時間を設定する処理(図25のS826等)において、図31を用いて説明した設定方法を用いた。しかし、図31を用いて説明した設定方法により、他の時間を設定してもよい。例えば、図31を用いて説明した設定方法により、演出制御部400等によって実行される各種演出の実行時間を設定してもよい。
また、以上に説明した本実施形態及び変形例等に記載された様々な特徴を、組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。