以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6−1および6−2が配設されている。画像表示部6−1は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。画像表示部6−2は、画像表示部6−1よりも小さく、画像表示部6−1の前面下側に配置され、例えば、遊技者による遊技の進行に応じて、画像表示部6−1による演出に付随して(又は付随せず別個に)、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出等を表示する。なお、画像表示部6−1および6−2は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動
する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、16回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38(38U、38D、38L、38R)、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(通常遊技状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38(38U、38D、38L、38R)が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、略十字に配列された4つの方向キー38U、38D、38L、38Rを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、例えば、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域
20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、16回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通
入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
[スイッチ処理について]
以下では、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)について、具体的に説明する。なお、この遊技球通過判定処理は、上記した第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23等に遊技球が入球(又は通過)したことを判定する場合に限らず、例えば、払い出した賞球(賞球数)を払出制御部300が判定(カウント)する場合等にも実行される。
図5は、上記した第1始動口21等への遊技球入賞(通過)を検出するための第1始動口スイッチ111a等として設置される近接スイッチの出力信号の例、および、この出力信号を通過判定閾値(5V)を用いてONレベルとOFFレベルとに2値化した2値化信号の例について説明するための図である。なお、近接スイッチは、一例として、長方形のプレートに遊技球が通過する円形の貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過する際の磁束の変化に対応した電圧の出力信号を出力する直流2線式電子スイッチである。図5の点線で示すように、近接スイッチの出力信号の電圧レベルは、遊技球が貫通孔の中心に近づくにつれて降下していき、遊技球が貫通孔の中心に達する辺りで最小(極小)となり、遊技球が貫通孔の中心を通り過ぎて離れるにつれて上昇していく。また、図5に示すように、近接スイッチの出力信号は、コンパレータ(図示なし)によって、電圧レベルが通過判定閾値(5V)よりも大きいときには2値化信号のOFFレベルに変換され、電圧レベルが通過判定閾値(5V)以下のときには2値化信号のONレベルに変換される。なお、図5の例では、判定に用いる通過判定閾値を1つの通過判定閾値(5V)として説明したが、例えば、OFFレベルからONレベルに切り替わる際には第1の通過判定閾値(5V)を用いる一方で、ONレベルからOFFレベルに切り替わる際には第2の通過判定閾値(6V)を用いる構成としてもよい。これにより、ノイズの影響等で通過判定閾値を跨いで近接スイッチの出力信号が上下することによって2値化信号が不適切にON/OF
F間で行き来することを防止できる。
そして、図9を用いて後述するメイン制御部100により4ミリ秒(4ms)間隔で実行されるタイマ割り込み処理における各処理の一部として、図5に示す2値化信号を4ミリ秒間隔でON/OFF判定することによって、遊技球の通過判定を行う。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、2値化信号に対して、ONレベルであるのかOFFレベルであるのかが4ミリ秒間隔で判定(ON/OFF判定)される。図5では、自然数nを用いて、ON/OFF判定の順番を表している。また、図5では、n−2回目からn回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定され、その後、n+1回目のON/OFF判定によってONレベルと判定されている。ここで、本実施形態では、ONレベルと判定された場合には、このONレベルと判定したON/OFF判定の処理において、4ミリ秒間隔よりも短い所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)が経過したタイミングで2回目のON/OFF判定を実行する。図5では、n+1回目のタイマ割り込み処理におけるON/OFF判定で2回ともONレベルと判定されている。その後、n+2回目からn+4回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されている。なお、2値化信号のONレベルの期間(ON期間という)が図5の場合よりも長く(つまり、遊技球が図5の場合よりも遅い速度で通過して)例えばn+2回目のON/OFF判定もON期間に実行される場合には、n+2回目のON/OFF判定においても2回の判定を実行する。
本実施形態では、図5に示すように、n回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されて、n+1回目のON/OFF判定によって2回ONレベルと判定されると、近接スイッチの貫通孔を遊技球が1つ通過したと判定する。なお、これらのON/OFF判定は、例えば第1始動口スイッチ111aとして設置された近接スイッチに対しては、メイン制御部100(より正確にはCPU101)が実行し、例えば払出制御部300に接続された遊技球の払い出し数を検出するための近接スイッチに対しては、払い出し制御部300(より正確にはCPU301)が実行する(図4参照)。
ここで、図5に示すn+1回目のON/OFF判定における上記した所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)は、遊技球通過判定の演算処理を実行するためのソフトウエアのプログラミング内容によって予め設定される。つまり、上記した所定の微小時間は、このプログラミング内容によって任意な時間に設定できる可変時間である。遊技機1には微細周期のノイズ(例えば3〜15マイクロ秒周期のノイズ)が発生する場合があり、このノイズの周期は、遊技機の機種に或る程度依存している。例えば、或る機種の遊技機には5マイクロ秒周期のノイズが発生し易く、或る機種の遊技機には9マイクロ秒周期のノイズが発生し易い。そこで、本実施形態では、上記した所定の微小時間をプログラミング内容によって任意な時間に設定できる構成とすることによって、微細周期のノイズによる誤判定を有効に回避することができる。なお、上記した所定の微小時間を設けるための演算処理は、遊技進行には関係しない処理であって時間を稼ぐためだけの処理である。例えば、1マイクロ秒の時間を要する処理を4回繰り返すことによって、上記した所定の微小時間として4マイクロ秒をソフト的に設けることができる。
ところで、近年の遊技機では、演算処理内容の増大により演算処理の負荷が増大したために、以前の遊技機では2ミリ秒であったタイマ割り込み処理の実行間隔は4ミリ秒に延長され、このため、図5を用いて説明したように、近接スイッチを用いたON/OFF判定も2ミリ秒間隔から延長されて4ミリ秒間隔で実行される。
ここで、以前の遊技機は、n回目のON/OFF判定でOFFレベルと判定してn+1回目のON/OFF判定でONレベルと判定してn+2回目のON/OFF判定でONレ
ベルと判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定していた(以下、「以前の判定方法」という)。つまり、3回のタイマ割り込み処理による3回のON/OFF判定によって遊技球通過を判定していた。なお、この様にn+1回目およびn+2回目でONレベルと判定するのは、ノイズにより偶然ONレベルと1回判定されたことによって遊技球が通過したと誤判定することを回避するためである。しかしながら、ON/OFF判定の間隔が4ミリ秒間隔に延長された近年の遊技機においては、上記した以前の判定方法では、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することはできない。例えば、図5に示すような2値化信号のONレベルの期間(ON期間)が非常に短くなる(例えば7ミリ秒前後)ほど速い速度で通過する遊技球の通過を判定することは困難となってしまう。そこで、本実施形態では、図5を用いて説明した判定方法により、1つの遊技球が通過したと判定する。このことから、本実施形態によれば、2回のタイマ割り込み処理によるON/OFF判定によって、ノイズによる誤判定を防止しつつ確実に遊技球通過を判定することができる。
ところで、遊技機1には、遊技機1への電源供給が遮断されたことを検知するための電源監視回路、近接スイッチの配線が断線したことを検知するための断線検知回路、および近接スイッチの配線が短絡(ショート)したことを検知するための短絡検知回路等の異常検知回路(何れも図示なし)が設けられている。これらの異常検知回路は、異常発生を判定するための閾値(異常判定レベル)を、図5に示した通過判定閾値(5V)よりも高い電圧レベルに設けることによって、断線、電源遮断、又は短絡により近接スイッチの出力信号の電圧が低下した場合に、この出力信号の電圧が通過判定閾値まで降下する前に異常を判定して、遊技球が通過したと誤判定することを防止している。この様に、通過判定閾値よりも高い電圧レベルに異常判定レベルを設けているため、通過判定閾値を高い値(例えば10V)にすることによってON期間を長く取ることは困難である(図5参照)。この結果として、遊技機1において、出力信号のON期間を長く取って、上記した以前の判定方法を用いて遊技球通過を判定することは、現実的ではない。
なお、以上に説明したスイッチ処理において、ON判定されたタイマ割り込み処理の後に実行されるON判定されるタイマ割り込み処理においては、2回目のON/OFF判定は行わない構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、2値化信号がONからOFFに切り替わるところを検出して遊技球の通過を判定する構成としてもよい。つまり、図5において、n+1回目のタイマ割り込み処理で2回ON判定してn+2回目のタイマ割り込み処理でOFF判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定してもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、1回のタイマ割り込み処理(ON検出)において、3回以上ON/OFF判定を行ってもよいし、又、1回のタイマ割り込み処理(OFF検出)において、2回以上ON/OFF判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)を2値化信号(デジタル信号)に変換することなく遊技球通過判定を行う構成としてもよい。つまり、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)に対して通過判定閾値(5V)以下か否かを判定することによって、遊技球通過判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号は、遊技球非検出時には低電圧レベルであり遊技球検出時に高電圧レベルになる出力信号であり、この出力信号を反転させる信号反転手段によりこの出力信号を反転させて図5の点線で示すような信号に変換する構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチ自身がアナログ信号を2値化信号に変換して出力する構成を備えて、近接スイッチから2値化信号が出力される構成としてもよい。
以上で、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)についての説明を終わる。
図4を用いた説明に戻り、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、遊技者によって操作される演出キー38が接続され、演出制御部400は、遊技者による演出キー38の操作に応じて演出キー38から出力される操作データを取得する。また、演出制御部400は、ランプ制御部600を介して演出ボタン37から出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力に応じて演出内容を設
定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6−1、6−2に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6−1、6−2に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6−1、6−2に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6−1、6−2に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて演出ボタン37から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400に伝達する。更に、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、演出ボタン37を突出動作させることによって演出ボタン37を可動役物として動作制御するこ
ともできる。
なお、演出制御部400は、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、画像音響制御部500に対して、演出ボタン37および演出キー38の操作状態を通知する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38の左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。このため、画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させたり、所定の演出を実行したりすることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/300)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/50)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/10)であり、かつ通図柄抽選に当選した場合であっても電動チューリップ27が短時間(例えば0.10秒間を1回)しか開放制御されない遊技状態であり、このため、第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率(例えば10/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間(例えば2.00秒間を3回)開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が通常の所定時間である遊技状態であり(図14参照)、時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が、非時短状態よりも短縮される遊技状態である(図17参照)。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとするが、この遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。また、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態という。なお、本実施形態では、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態である潜伏遊技状態は設けておらず、又、低確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態も設けていない。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図6を参照しつつ、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
図6のステップS901において、まず、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示はしていないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCP
U401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセス可能となり、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図8参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図9参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図7参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、初期値乱数を更新し、処理はステップS914に移る。こで、初期値乱数とは、後述するタイマ割り込み処理(図9参照)におい
てカウントアップ更新される各種の乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)の開始値を決定するための乱数であり、この各種の乱数に対応して複数の初期値乱数が用意されている。なお、初期値乱数は、所定のCTCの周期(4ms)ごとに発生するタイマ割込み処理(図9参照)と、その残余時間(すなわち、この所定のCTCの周期からタイマ割込み処理に要する処理時間を減じた時間)に処理されるメイン処理(図6参照)の両方でカウントアップ更新され、設定されている乱数の最大値(例えば299)に達した後は再び最小値(例えば0)に戻る。また、この残余時間は、CPU101の処理状況に応じて異なるので、ランダムな時間となっており、この残余時間で更新される初期値乱数の更新回数もランダムとなる。一方、詳細は後述するが、他の各種乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)は、タイマ割込み処理(図9参照)でしか更新されないため、初期値乱数とは乱数更新処理の処理周期が相違する。このように、処理周期が相違することにより、例えば、初期値乱数と大当り乱数の乱数範囲が同じ(例えば0〜299)であったとしても、大当り乱数の開始値として取得される初期値乱数の値は毎回ランダムとなる。そのため、大当たりを発生させる大当たり乱数値が取得されるタイミングを予測することを困難にすることができる。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図7は、図6のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図7のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図6のステップS912に移る)。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図6のステップS912に移る)。
[メイン制御部100による復旧処理]
図8は、図6のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図8のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了する(処理は図6のステップS910に移る)。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図9は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図9を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図9に示す一連の処理を一定時間(4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図9以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新、及びこの各乱数がカウントアップ更新される際の開始値となるそれぞれの初期値乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図13のステップS407の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図13のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等および各初期値乱数の値は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、ループカウンタのカウントが一巡すると、その時点での各乱数に対応する初期値乱数を取得して、当該初期値乱数の値を開始値として、新たにループカウンタのカウントを開始する。なお、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の乱数範囲は、任意に設定すれば
よいが、それぞれを互いに異なる範囲に設定することで(例えば、大当り乱数の範囲は0〜299としリーチ乱数の範囲は0〜99とする等)、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期しないように設定することが好ましい。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視することにより、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したと判定された時点で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図12を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視することにより、ゲート25を遊技球が通過したと判定された時点で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄の表示処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図13を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、非時短状態/非電サポ状態では10秒に設定し、時短状態/電サポ状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、非時短状態/非電サポ状態では低確率(1/10)に設定し、時短状態/電サポ状態では高確率(10/10)に上昇させる。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図18及び図19を参照して後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、非時短状態/非電サポ状態では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)開放制御し、時短状態/電サポ状態では電動チューリップ27を長期間(2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は/及び払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は/及び払出制御部300へ出力する。
[制御時間カウント処理について]
ここで、図9を用いて上述したタイマ割り込み処理では説明を省略したが、このタイマ割り込み処理において、CPU101は、特別図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する特別図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「特図ゲームカウント処理」という)、および、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普通図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「普図ゲームカウント処理」という)を実行する。特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理は、例えば、図9のステップS7の処理とステップS8の処理との間に、順番に実行される。なお、特別図柄ゲームは、始動口(21又は22)への遊技球の入賞を待機し、遊技球が入賞したことに応じて特別図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、特別図柄抽選に当選した場合には大当り遊技を実行するゲームである。また、普通図柄ゲームは、ゲート25への遊技球の通過を待機し、遊技球が通過したことに応じて普通図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、普通図柄抽選に当選した場合には電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)を実行するゲームである。
以下では、まず、特図ゲームカウント処理について説明する。図10は、特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理を実行する際に使用されるデータ、および、メイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)について説明するための図である。
図10(1)は、特別図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(「特図側設定データ」という)の種類を示している。特図側設定データは、特別図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この特別図柄ゲームの各期間(時間)には、図10(1)に示すように、「始動口入賞待ち中」と、「特別図柄変動表示中」と、「特別図柄停止表示中」と、「オープニング表示中」と、「ラウンド中」と、「大入賞口有効期間中」と、「エンディング表示中」とが含まれる。
「始動口入賞待ち中」は、始動口入賞が有ると即時にこの始動口入賞に係る特別図柄抽選を実行して特別図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、大当り遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「特別図柄変動表示中」は、始動口入賞に応じて特別図柄抽選を実行して表示器4に特別図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「特別図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた特別図柄を特別図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「オープニング表示中」は、特別図柄抽選に当選して画像表示部6に大当り遊技が開始したことを報知するオープニング演出を表示している状態(期間)である。「ラウンド中」は、大当り遊技において大入賞口23が開放されるラウンド(ラウンド遊技)を実行している状態(期間)である。「大入賞口有効期間中」は、各ラウンドの直後に配置され、ラウンドが終了して大入賞口23が閉塞されたにも関わらず遊技球の大入賞口23への入賞を有効と認める期間であり、これ
によって、いわゆるオーバー入賞が認められることとなる(図18及び図19を用いて後に詳述する大入賞口処理では、説明の簡単のため、オーバー入賞の処理内容は省略している)。なお、ラウンド中の期間および大入賞口有効期間を除く期間においては、遊技球の大入賞口23への入賞は有効と認められない。「エンディング表示中」は、画像表示部6に大当り遊技が終了することを報知するエンディング演出を表示している状態(期間)である。
図10(1)に示すように、例えば、特図側設定データ「00H」は「始動口入賞待ち中」であることを設定するデータであり、例えば、特図側設定データ「01H」は「特別図柄変動表示中」であることを設定するデータである。なお、これらの特図側設定データは、ROM102に記憶されている。
図10(3)は、RAM103の記憶エリア(作業エリア)の模式図である。図10(3)に示すように、RAM103の記憶エリアには、カウント対象時間設定エリア10と、時間カウントエリア11と、単純変動表示用時間カウントエリア12とが含まれている。カウント対象時間設定エリア10は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10A(「エリア10A」という)と、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10B(「エリア10B」という)とから成る。時間カウントエリア11は、特別図柄ゲーム側の時間カウントエリア11A(「エリア11A」という)と、普通図柄ゲーム側の時間カウントエリア11B(「エリア11B」という)とから成る。単純変動表示用時間カウントエリア12は、特別図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12A(「エリア12A」という)と、普通図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12B(「エリア12B」という)とから成る。
エリア11Aは、上記した特別図柄ゲームの各期間(「特別図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Aは、図10(1)を用いて説明した特図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Aで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Aは、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。なお、上記の7セグ表示の3つの表示態様は、例えば、数字の0を示す表示態様と、数字の7を示す表示態様と、7つのセグ全てが消灯した表示態様である。
CPU101は、エリア10Aに特図側設定データを書き込むことでエリア11Aによる計測対象の期間(時間)の種類を設定すると共に、エリア11Aに計測する時間データを書き込み、図9のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア11Aの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11A)を順番に用いて特別図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Aで特別図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Aに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図9のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア12Aの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に特別図柄の表示態様を切替える。これにより、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様が48ミリ秒毎に順番に切替わって循環表示されることとなる。
なお、図10(3)では、一例として、エリア10Aに「01H」が書き込まれていることによって、エリア11Aにおいて特別図柄変動表示の時間経過が計測されることを設定している。また、図10(3)のエリア11Aには、一例として、時間を示す値「2500」が書き込まれているが、この値は図9のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「2500」は10.000秒を示している。また、図10(3)のエリア12Aには、一例として、時間を示す値「12」が書き込まれているが、この値も同様に図9のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「12」は48ミリ秒を示している。
以上のように、本実施形態によれば、特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図10(3)の11A参照)を用いて計測する。ここで、従来の遊技機においては、特別図柄ゲームを構成する各制御時間(特別図柄変動表示の制御時間、ラウンド実行の制御時間等)をそれぞれ個別のタイマ機能を用いて計測していたので、メイン制御部のRAMの記憶エリアに特別図柄ゲームを構成する制御時間毎に個別の時間カウントエリアを設けていた。一方、本実施形態では、上記のように特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測するので、演算負荷を効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、特別図柄変動表示の実行期間において特別図柄表示器4a(又は4b)に7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる際の切替え時間の計測には、上記したタイマ機能(図10(3)の11A参照)とは別のタイマ機能(図10(3)の12A参照)を用いる。このことから、本実施形態によれば、演算処理の複雑化を効果的に抑制できる。
図11は、特別図柄変動表示の時間をエリア11Aに設定するために用いられる変動時間テーブルの概念図の一例である。この変動時間テーブルは、ROM102に記憶されており、RAM103に読み出されて使用される。図11に示すように、変動時間テーブルは、変動パターンの識別番号と、基本変動時間(秒)を示すデータと、加算変動時間(秒)を示すデータとから成る。変動パターンの識別番号は、図14〜図17を用いて後述する変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2に含まれる変動パターンを識別するための番号である。基本変動時間は、変動パターン(つまり、特別図柄変動時間)を構成する基本の変動時間である。加算変動時間は、変動パターンを構成する加算される変動時間である。基本変動時間と加算変動時間とを加算した時間が、変動パターン(図14〜図17参照)である。例えば、識別番号1に対応する変動パターンは、基本変動時間90秒に加算変動時間0.02秒を加算した90.02秒であり、例えば、識別番号20に対応する変動パターンは、基本変動時間8秒である。
CPU101は、図10(3)のエリア11Aで特別図柄変動表示の時間を計測する場合には、後述する図13のステップS408の処理で決定された変動パターンに対応する時間データ(「秒」の時間を示すデータ)を、RAM103の変動時間テーブル(図11)から読み出して、読み出した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期で実行される時間計測処理に適応する時間データに変換し、変換した時間データをRAM103のエリア11Aに書き込む。例えば、識別番号1に対応する変動パターン「90.02秒」を示す時間データの値をエリア11Aに設定する場合には、RAM103の変動時間テーブルから基本変動時間90秒および加算変動時間0.02秒を示す時間データを読み出して加算し、この加算した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ「22505」に変換し、変換した時間データ「22505」をRAM103のエリア11Aに書き込む。なお、図11の変動時間テーブルの横には、参考のために、250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応させた時間データを記載しているが、250を乗算すると自然数ではなくなるものは(括弧書きの値を参照)、四捨五入により自然数に調整して処理している。
以上のように、本実施形態によれば、ROM102に記憶されRAM103に読み出される変動時間テーブルの変動パターン(特別図柄変動時間)を示す時間データを「秒」の時間を示すデータ(つまり、除算値の時間データ;図11の基本変動時間の部分を参照)とし、特別図柄変動時間を設定する際に250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ(つまり、乗算値の時間データ;図11の変動時間テーブルの右横の部分を参照)に変換する。このことから、本実施形態によれば、変動時間テーブルの特別図柄変動時間を示すデータを1バイト以下のデータ量に押さえられる場合があるので(図11の識別番号19〜23参照)、ROM102およびRAM103の使用メモリ領域を効果的に抑制することができる。また、本実施形態によれば、例えば特別図柄変動時間90.02秒のように、除算値の時間データで示してもデータ量が1バイトを超える特別図柄変動時間については、加算変動時間の時間データ(小数点以下の時間を示す時間データ)として分割して変動時間テーブルを構成させている(図11参照)。ここで、図11では、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、説明の便宜上、同じ時間データ値を変動パターン毎にそれぞれ記載しているが、実際にはこのテーブルにおいて同じ時間データ値は、重複して記憶されず、1つだけ記憶されている。例えば、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、0.01秒の時間データ値は、図11では説明の便宜上9つ記載しているが、実際は1つだけ記憶されている。このことから、本実施形態によれば、ROM102およびRAM103の使用モリ領域を効果的に抑制することができる。ここで、本実施形態では、説明の簡単のために、変動パターンの数を23とした(図11参照)。しかし、実際の遊技機では、変動パターンは1000個〜10000個と膨大である。このことから、本実施形態による上記した使用メモリ領域抑制の効果は、実際の遊技機において絶大となる。
次に、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普図ゲームカウント処理について、図10を用いて説明する。
図10(2)は、普通図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(以下、「普図側設定データ」という)の種類を示している。普図側設定データは、普通図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この普通図柄ゲームの各期間(時間)には、図10(2)に示すように、「ゲート通過待ち中」と、「普通図柄変動表示中」と、「普通図柄停止表示中」と、「電チュー開閉制御中」と、「第2始動口有効期間中」とが含まれる。
「ゲート通過待ち中」は、ゲート25を遊技球が通過すると即時にこの通過に係る普通図柄抽選を実行して普通図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、電動チューリップ27の開閉制御中(電チューの開放遊技中)ではなく、後述する第2始動口有効期間中ではなく、普通図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「普通図柄変動表示中」は、遊技球のゲート25通過に応じて普通図柄抽選を実行して表示器4に普通図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「普通図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた普通図柄を普通図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「電チュー開閉制御中」は、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)が実行されている状態(期間)である。「第2始動口有効期間中」は、電動チューリップ27の開閉制御が終了した直後の所定期間について例外的に第2始動口22への遊技球入賞を有効と認める期間である。なお、電動チューリップ27の開閉制御中は、一律に(つまり、電動チューリップ27が閉塞状態であっても)第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められ、電動チューリップ27の開閉制御中および第2始動口有効期間を除く期間には、第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められない。
図10(2)に示すように、例えば普図側設定データ「00K」は「ゲート通過待ち中
」であることを設定するデータである。また、普図側設定データはROM102に記憶されている。
以下、図10(3)を参照して説明する。エリア11Bは、上記した普通図柄ゲームの各期間(「普通図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Bは、図10(2)を用いて説明した普図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Bで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Bは、普通図柄表示器4e(図2参照)に普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様(マルのみが点灯する表示態様とバツのみが点灯する表示態様)を48ミリ秒毎に切替えて交互表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。
CPU101は、エリア10Bに普図側設定データを書き込むことでエリア11Bによる計測対象の期間の種類を設定すると共に、エリア11Bに計測する時間データを書き込み、図9のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア11Bの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11B)を順番に用いて普通図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Bで普通図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Bに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図9のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア12Bの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に普通図柄の表示態様を切替える。これにより、普通図柄表示器4eに普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様が48ミリ秒毎に切替わって交互表示されることとなる。
以上のことから、本実施形態によれば、既に説明した特図ゲームカウント処理と同様の効果を、普図ゲームカウント処理においても実現できる。
なお、以上に説明した特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する構成において、大当り遊技の制御において大入賞口有効期間の直後に大入賞口23への入賞を有効とみなさない大入賞口休止期間を設けてもよい。
また、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示と、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示とを並行して実行可能な制御構成にして、例えば、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第1特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つのタイマ機能を用いて計測し、一方で、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第2特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つの他のタイマ機能を用いて計測してもよい。
また、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの一連の制御時間をそれぞれ1つのタイマ機能を用いて計測する際に、計測対象時間の経過を、「減算」処理ではなく、「加算」処理によって計測する構成としてもよい。この場合、例えば、特別図柄ゲーム側のタイマ(11A)の値が、計測対象時間(例えば、特別図柄停止表示の時間0.5秒)を示す時間データの値「125」に到達したか否かを判定する制御となる。
また、上記したように図11の加算変動時間の部分のテーブルにおいて同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶することに加えて、図11の基本変動時間の部分のテーブルにおいても同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶する構成にして、使用メモリ領域抑制の効果を更に高めてもよい。
また、以上に説明した方法により、演出制御部400等によって実行される各種演出の実行時間を計測してもよい。
以上で、制御時間カウント処理についての説明を終わる。
[始動口スイッチ処理]
図12は、図9のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS2における始動口スイッチ処理について、図12を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aから出力信号に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図11のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否かや、変動パターン(図14等参照)等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図13のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。なお、上記したステップS204およびS205の処理内容の実行順序は、これには限らず、例えば、乱数のセットを取得して事前判定してから、この乱数のセットを格納してもよい。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加した
ことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図9のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの出力信号に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図13のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否かや、変動パターン(図15等参照)等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図13のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。なお、上記したステップS210およびS212の処理内容の実行順序は、これには限らず、例えば、乱数のセットを取得して事前判定してから、この乱数のセットを格納してもよい。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報
(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図9のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図9のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図13は、図9のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図13を参照して、図9のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。なお、ここでの特別図柄の変動表示中は、図10を用いて説明した特別図柄停止表示中の期間(規定時間;0.5秒間)を含んだものを意味する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図12のステップS210によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いので、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図12のステップS204によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。なお、本実施形態では、一例として、大当り遊技後に次回大当りするまで確変遊技状態に設定される確変大当りと、大当り遊技後に次回大当りするまで通常遊技状態に設定される通常大当りとがある。また、本実施形態では、第2特別図柄抽選の方が、第1特別図柄抽選よりも、遊技者の利益が比較的大きい確変大当りの当選割合が多いものとする。具体的には、第2特別図柄抽選では7割が確変大当りであり3割が通常大当りであり、一方、第1特別図柄抽選では4割が確変大当りであり6割が通常大当りである。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、通常遊技状態(非時短状態)のときには、図14及び図15に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT1−2を使用し、確変遊技状態(時短状態)のときには、図16及び図17に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間であり、この特別図柄変動時間は、報知演出の実行時間と同期しており報知演出の実行時間と同じ時間である。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2いう場合がある。
まず、通常遊技状態(非時短状態)のときに、図14及び図15に示すHT1−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図14は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図15は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[非時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図14を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選で大当りしたと判定した場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターン
(特別図柄変動時間)を決定する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当り」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「78」である場合、HT1−1の「大当り」の部分の変動パターン「80.01秒」に割り振られた乱数値「42〜84」に一致するので、変動パターンとして「80.01秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当り」の部分の変動パターン「15.01秒」、「20.01秒」、「40.01秒」、「45.01秒」、「50.01秒」、「80.01秒」、「85.01秒」、「90.01秒」及び「60.01秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「ノーマルリーチ当り」、「擬似2回リーチ当り」、「SP当り」、「擬似2回SP当り」、「擬似3回SP当り」、「SPSP当り」、「擬似2回SPSP当り」、「擬似3回SPSP当り」及び「擬似4回確定当り」に対応する。
「ノーマルリーチ当り」は、後述する「擬似変動演出」、「SPリーチ演出」及び「SPSPリーチ演出」の何れも実行することなく、リーチ成立した後に大当りするタイプである。
「擬似2回リーチ当り」は、後述する「擬似変動演出」を1回実行してから、リーチ成立した後に大当りするタイプである。
「SP当り」は、後述する「擬似変動演出」を実行することなく、リーチ成立してからSPリーチ演出に発展した後に大当りするタイプである。
「擬似2回SP当り」は、後述する「擬似変動演出」を1回実行した後に、リーチ成立してからSPリーチ演出に発展した後に大当りするタイプである。
「擬似3回SP当り」は、後述する「擬似変動演出」を2回実行した後に、リーチ成立してからSPリーチ演出に発展した後に大当りするタイプである。
「SPSP当り」は、後述する「擬似変動演出」を実行することなく、リーチ成立してからSPリーチ演出を経由してSPSPリーチ演出に発展した後に大当りするタイプである。
「擬似2回SPSP当り」は、後述する「擬似変動演出」を1回実行した後に、リーチ成立してからSPリーチ演出を経由してSPSPリーチ演出に発展した後に大当りするタイプである。
「擬似3回SPSP当り」は、後述する「擬似変動演出」を2回実行した後に、リーチ成立してからSPリーチ演出を経由してSPSPリーチ演出に発展した後に大当りするタイプである。
「擬似4回確定当り」は、後述する「擬似変動演出」を3回実行した後に、大当りを報知する態様で装飾図柄が変動されてから(例えば、大当りの図柄揃いで装飾図柄が変動する所謂「全回転演出」が実行されてから)、大当りするタイプである。
ここで、リーチ(リーチ成立、リーチ演出)とは、報知演出において例えば複数の装飾図柄列のうち変動中の残りの1つ装飾図柄列が停止したならば既に停止(仮停止)している装飾図柄列との関係で大当りを報知する特定の図柄状態になる演出(大当りを期待させる演出)であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で既に停止(仮停止)しており、残りの中央の装飾図柄列が同じ図柄(例えば7)で停止したならばゾロ目(例えば777)となる演出である。
また、SPリーチ(SPリーチ演出)とは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させるリーチ演出であり、例えば主人公のキャラクタが小判をゲットする動画像の演出である。
また、SPSPリーチ(SPSPリーチ演出)とは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待
させるリーチ演出であり、例えば主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦う動画像の演出である。
また、擬似変動演出(擬似連演出、擬似連続変動演出)とは、変動表示されている装飾図柄(装飾図柄の列)の全て(又は一部)を一旦停止(擬似停止;仮停止)させてから再変動させたように見せる演出であって、1回の報知演出において全て(又は一部)の装飾図柄の変動が複数回実行されたように見せる演出であり、1回の報知演出において実行される擬似変動演出の回数が多いほど大当りの期待度(大当りの可能性)が大きい演出である。なお、1回の報知演出において擬似変動演出が1回実行された場合、この擬似変動演出の実行前(つまり、擬似停止前)の装飾図柄の変動を擬似変動1回目と言い、この擬似変動演出の実行後(つまり、擬似停止後)の装飾図柄の変動を擬似変動2回目(擬似2回)と言う。また、1回の報知演出において擬似変動演出が2回実行された場合、1回目の擬似変動演出の実行前(つまり、1回目の擬似停止前)の装飾図柄の変動を擬似変動1回目と言い、1回目の擬似変動演出の実行後から2回目の擬似変動演出の実行前(つまり、1回目の擬似停止後から2回目の擬似停止前まで)の装飾図柄の変動を擬似変動2回目と言い、2回目の擬似変動演出の実行後(つまり、2回目の擬似停止後)の装飾図柄の変動を擬似変動3回目(擬似3回)と言う。同じように、1回の報知演出において擬似変動演出が3回実行された場合、1回目の擬似変動演出の実行前(つまり、1回目の擬似停止前)の装飾図柄の変動を擬似変動1回目と言い、1回目の擬似変動演出の実行後から2回目の擬似変動演出の実行前(つまり、1回目の擬似停止後から2回目の擬似停止前まで)の装飾図柄の変動を擬似変動2回目と言い、2回目の擬似変動演出の実行後から3回目の擬似変動演出の実行前(つまり、2回目の擬似停止後から3回目の擬似停止前まで)の装飾図柄の変動を擬似変動3回目と言い、3回目の擬似変動演出の実行後(つまり、3回目の擬似停止後)の装飾図柄の変動を擬似変動4回目(擬似4回)と言う。
また、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で第1特別図柄抽選でハズレと判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターンとして「8.00秒」を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターンとして「13.50秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、変動パターン「8.00秒」及び「13.50秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。なお、「即ハズレ」は、リーチ成立もなく即ハズレる演出パターンのタイプである。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRA
M103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「260」である場合、変動パターン「45.02秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「249〜269」に含まれるので、変動パターンとして「45.02秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の変動パターン「15.02秒」、「20.02秒」「40.02秒」、「45.02秒」、「50.02秒」、「80.02秒」、「85.02秒」及び「90.02秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「ノーマルリーチハズレ」、「擬似2回リーチハズレ」、「SPハズレ」、「擬似2回SPハズレ」、「擬似3回SPハズレ」、「SPSPハズレ」、「擬似2回SPSPハズレ」及び「擬似3回SPSPハズレ」に対応する。
「ノーマルリーチハズレ」は、「擬似変動演出」、「SPリーチ演出」及び「SPSPリーチ演出」の何れも実行することなく、リーチ成立した後にハズレるタイプである。
「擬似2回リーチハズレ」は、「擬似変動演出」を1回実行してから、リーチ成立した後にハズレるタイプである。
「SPハズレ」は、「擬似変動演出」を実行することなく、リーチ成立してからSPリーチ演出に発展した後にハズレるタイプである。
「擬似2回SPハズレ」は、「擬似変動演出」を1回実行した後に、リーチ成立してからSPリーチ演出に発展した後にハズレるタイプである。
「擬似3回SPハズレ」は、「擬似変動演出」を2回実行した後に、リーチ成立してからSPリーチ演出に発展した後にハズレるタイプである。
「SPSPハズレ」は、「擬似変動演出」を実行することなく、リーチ成立してからSPリーチ演出を経由してSPSPリーチ演出に発展した後にハズレるタイプである。
「擬似2回SPSPハズレ」は、「擬似変動演出」を1回実行した後に、リーチ成立してからSPリーチ演出を経由してSPSPリーチ演出に発展した後にハズレるタイプである。
「擬似3回SPSPハズレ」は、「擬似変動演出」を2回実行した後に、リーチ成立してからSPリーチ演出を経由してSPSPリーチ演出に発展した後にハズレるタイプである。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変
動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン「3.00秒」が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
以上に図14に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、通常遊技状態(非時短状態)において第1特別図柄抽選でハズレた場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど長い変動パターンが選択され易い。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が低い演出である。以下、図14に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当り」の部分から分かるように、大当りの場合には、「ノーマルリーチ当り」、「擬似2回リーチ当り」、「SP当り」、「擬似2回SP当り」、「擬似3回SP当り」、「SPSP当り」、「擬似2回SPSP当り」、「擬似3回SPSP当り」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「ノーマルリーチハズレ」、「擬似2回リーチハズレ」、「SPハズレ」、「擬似2回SPハズレ」、「擬似3回SPハズレ」、「SPSPハズレ」、「擬似2回SPSPハズレ」、「擬似3回SPSPハズレ」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「ノーマルリーチ」、「擬似2回リーチ」、「SP」、「擬似2回SP」、「擬似3回SP」、「SPSP」、「擬似2回SPSP」、「擬似3回SPSP」の順で大当り信頼度が高くなる。なお、「擬似4回確定当り」は、装飾図柄の変動中において大当りしたことを報知する所謂「鉄板演出」であり、実行可能性が低い(大当りした場合の1%の実行率)レアな演出である。
[非時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図15を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図15に示すHT1−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図15に示すHT1−2は、図14に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わった点で異なるのみである。つまり、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。
[時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図16を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定
の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図16に示すHT2−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図16に示すHT2−1は、図14に示したHT1−1に対して、「ハズレ」においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合において、第1特別図柄抽選の保留数に関わらず一律に変動パターン「13.50秒」(即ハズレに対応)が選択される点で異なる。
[時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図17を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図17に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図17に示すように、HT2−2は、図14に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わっている。つまり、図14を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。また、図17に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「1」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、一律に変動パターン「13.50秒」が決定される。また、図17に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン「2.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン「4.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン「10.00秒」が決定される。
ここで、図13のステップS403〜S406での処理で説明したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選の保留が、第1特別図柄抽選の保留よりも優先して消化される。また、確変遊技状態(時短状態)では、図9のステップS5及びS7での処理で説明したように、電動チューリップ27が頻繁に長期間開放して第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞するので、第2特別図柄抽選が頻繁に連続して実行される。また、ステップS407での処理で説明したように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の方が、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選よりも、次回大当りするまで確変遊技状態(時短状態)に制御される確変大当り(遊技者の利益が大きい大当り)の当選割合が多い。このことから、逆に言えば、確変遊技状態(時短状態)において、第1特別図柄抽選が実行されると、通常遊技状態に制御されることになる通常大当り(遊技者の利益が小さい大当り)に当選してしまう可能性が多くなってしまうと言える。本実施形態では、以上に図17のHT2−2を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、第2特別図柄抽選の保留数が2〜4でリーチなしの場合には短時間の変動パターン(2.00秒、4.00秒)を選択し易くして第2特別図柄抽選の保留が高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行する一方で、第2特別図柄抽選の保留数が1でリーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行され難く制御している。更に、本実施形態では、以上に図16のHT2−1を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第1特別図柄抽選の保留数が1〜4の全てにおいて、リーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して、第2始動口22に遊技球が入賞して遊技者に比較的有利な第2特
別図柄抽選が実行されるための時間を稼ぐように制御している。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報(つまり、報知演出の実行時間:報知演出の演出パターンのタイプの情報とも言える)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6−1、6−2及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図9のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了して特別図柄抽選結果を報知する図柄の所定時間(0.5秒間)の停止表示を実行する。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。なお、このオープニングコマンドは、ステップS413の処理で特別図柄の停止表示が開始された時点から所定時間(0.5秒間)経過したタイミングで(つまり、特別図柄停止表示時間0.5秒が経過して大当り遊技が開始するタイミングで)、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、大当り遊技演出が開始される。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップ416の処理(後述)で既に送信済みであるか否か
を判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS413の処理において開始された特別図柄の所定時間(0.5秒間)の停止表示が終了した時点において、特別図柄抽選の保留が存在しない場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない客待ち状態になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(例えば装飾図柄停止表示の演出)が開始される。なお、上記した所定の停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図9のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図18及び図19は、図9のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図9のステップS6における大入賞口処理について、図18及び図19を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「16」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS612に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっていないので、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図17のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの出力信号に基づいて、大入賞口23に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、図20のステップS123の入賞処理が実行されることとなる。その後、処理はステップS614に移る。
ステップS614において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間(本実施形態では29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく29.5秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図9のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理は図19のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図19のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図9のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄(つまり、大当りの種類)および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、確変大当りを示す大当り図柄に対応したエンディングコマンドが送信された場合、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示す演出モードで報知演出を実行する。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図18のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS621での判定がYESの場合、処理はステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS622において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS622で大当り遊技を終了した場合に、今回の大当りの種類(大当り図柄)に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。より具体的には、今回の大当りが通常大当りの場合は通常遊技状態に制御し、今回の大当りが確変大当りの場合は確変遊技状態に制御する。その後、処理は図9のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
[演出制御部による演出制御処理]
図20は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図20を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図20に示す一連の処理を一定時間(4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図20以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS11において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図9のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理に応じて、画像音響制御部500等により各種演出が実行されることとなる。このコマンド受信処理については、図21及び図22等を参照して後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、演出ボタン37又は演出キー38が操作されたことに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を、RAM403に各種コマンドをセットして画像音響制御部500等に実行指示する操作演出処理を実行する。このコマンド受信処理に応じて、画像音響制御部500等により、遊技者の操作に応じた各種演出が実行されることとなる。この操作演出処理については、図23及び図24等を参照して後に詳述する。
次に、ステップS13において、CPU401は、ステップS11及びS12の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出内容の決定等に使用する各種演出乱数を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図9のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図21および図22は、図20のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図21および図22を参照して、図20のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図12のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
また、ステップS111において、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(第1保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(第2保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。なお、後述するステップS115の処理において、第1特別図柄抽選結果を報知する報知演出の実行が指示された際に最先に記憶された第1保留データがRAM403から削除され、第2特別図柄抽選結果を報知する報知演出の実行が指示された際に最先に記憶された第2保留データがRAM403から削除される。
ステップS112において、CPU401は、先読み予告演出を実行するか否かを決定し、実行する場合には先読み予告演出の内容を設定する先読み予告演出設定処理を行う。ここで、先読み予告演出は、事前判定情報に基づいて、後に実行される報知演出で大当りする可能性(大当り信頼度)を、この報知演出よりも前に実行される報知演出において予め示唆する演出である。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、ステップS111の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に対して、特別図柄抽選の保留を示す保留画像を画像表示部6−1に表示(追加表示)させる指示を行う。この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS114に移る。なお、後述するステップS115の処理において報知演出の開始指示を行う際に、CPU401は、画像音響制御部500に対して、開始指示した報知演出に対応する画像表示部6−1に表示している保留画像を消化(削除)する指示を行う。
ステップS114において、CPU401は、図13のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンド等に応じて、画像表示部6等により実行される報知演出の内容を設定し、画像音響制御部500等に指示して、設定した報知演出の開始を指示する。ここで、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6−1等において実行されて特別図柄抽選の結果を報知する演出であり、本実施形態では、装飾図柄DI(後述する図33参照)が変動表示され、この変動表示された装飾図柄DIが停止表示(確定停止表示)されることにより特別図柄抽選の結果が報知される演出である。以下、具体的に説明する。まず、ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で
受信した報知演出開始コマンドに含まれる変動パターンに基づいて報知演出の実行時間および演出パターンを決定し、又、ステップS114の処理で受信した遊技状態通知コマンドに基づいて報知演出の背景画像を決定する。例えば、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに含まれる変動パターンが「80.01秒」の場合、CPU401は、図14を用いて説明した、擬似変動演出を実行することなくリーチ成立してからSPリーチ演出を経由してSPSPリーチ演出に発展した後に大当りを報知する「SPSP当り」の演出パターン(変動パターン「80.01秒」に対応する演出パターン)を実行すると決定し、この演出パターンの進行スケジュール(タイムスケジュール)を決定して、RAM403に一時的に記憶しておく。また、例えば、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに含まれる変動パターンが「50.02秒」の場合、CPU401は、図14を用いて説明した、擬似変動演出を2回実行した後にリーチ成立してからSPリーチ演出に発展した後にハズレを報知する「擬似3回SPハズレ」の演出パターンを実行すると決定し、この演出パターンの進行スケジュール(タイムスケジュール)をRAM403に一時的に記憶しておく。また、CPU401は、ステップS114の処理で受信した遊技状態通知コマンドが通常遊技状態を示す場合、報知演出の背景画像を青色に決定し、この遊技状態通知コマンドが確変遊技状態を示す場合、報知演出の背景画像を赤色に決定する。なお、ステップS112の処理で先読み予告演出(例えば、先読みカットイン予告演出)を実行することが設定されている場合には、以上のようにして決定した演出パターンにおいて先読み予告演出を実行することを決定する。そして、CPU401は、以上のようにして決定した報知演出の実行内容をコマンドに含めてRAM403にセットすることによって、画像音響制御部500等に対して報知演出の開始指示を行う。その後、処理はステップS116に移る。
ステップS116において、CPU401は、図13のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図22のステップS118に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、ステップS115の処理で実行開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて(規定時間(0.5秒間)確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する指示を行う。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図22のステップS118に移る。
図22のステップS118において、CPU401は、図13のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS118での判定がYESの場合、処理はステップS119に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS120に移る。
ステップS119において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のオープニング演出を開始する指示を行う。つまり、大当り遊技演出を開始させる。ここで、大当り遊技演出のオープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、大入賞口23に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS120に移る。
ステップS120において、CPU401は、図18のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はス
テップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のラウンド演出の開始を指示する。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦っている画像等による演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS122に移る。
ステップS122において、CPU401は、図18のステップS613等の処理でセットされた入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して入賞処理を開始する。ここで、入賞処理は、例えば大当り遊技中(ラウンド中)に開放される大入賞口23に入賞した遊技球に基づいて払い出された賞球数をカウントする処理であり、入賞処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信した入賞コマンドのうち、大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞コマンドを受信する毎に(つまり、大入賞口23へ遊技球が1つ入賞する毎に)、大入賞口23入賞に対応する賞球数「13」をRAM503に記憶された賞球総数に加算して更新し、更新された賞球総数を画像表示部6−1に表示する。その後、処理はステップS124に移る。
ステップS124において、CPU401は、図18のステップS617の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する指示を行う。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS126に移る。
ステップS126において、CPU401は、図19のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のエンディング演出を開始する指示を行う。つまり、大当り遊技演出を終了させる。ここで、エンディング演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカー名を表示させる演出である。この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図13のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理を終了し、処理は図20のステップS12に移る。
ステップS129において、CPU401は、ステップS128で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500に対して、停止状態処理を開始する指示を行う。ここで、停止状態処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、停止状態処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、遊技状態に応じた所定の停止演出(例えば、装飾図柄が停止表示された演出)を画像表示部6に表示する。なお、CPU501は、上記した所定の停止演出を開始してから、所定時間(例えば90秒)が経過したときに、CPU401から他の演出の指示を受けない場合、客待ち演出を開始する。なお、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。そして、コマンド受信処理を終了し、処理は図20のステップS12に移る。
[操作演出処理]
図23は、図20のステップS12の操作演出処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図23を参照して、図20のステップS12の操作演出処理について説明する。
まず、ステップS151において、演出制御部400のCPU401は、演出ボタン37への操作を有効とするボタン操作有効期間中の演出ボタン37への操作に応じて大当りの可能性(大当り信頼度)等を示唆するボタン操作演出を実行するためのボタン操作演出処理を実行する。例えば、CPU401は、報知演出においてボタン操作有効期間が設定されている場合に、このボタン操作有効期間中に演出ボタン37への所定の操作(例えば、所謂一発押し操作)が有った場合、画像音響制御部500に指示して、この操作に応じて大当り信頼度を示唆する画像(例えば、カットイン予告画像)を画像表示部6−1又は6−2に表示させる。また、上記したボタン操作有効期間中においては、通常、演出ボタン37を表すボタン画像が画像表示部6−1(又は6−2)に表示されると共に、このボタン操作有効期間を示すゲージ画像(ボタン操作有効期間の残り時間が直感的に判る画像)がこのボタン画像の周辺に表示される。このように、ボタン画像およびゲージ画像を表示することによって、ボタン操作演出の実行可能なタイミングであることを遊技者に示唆して、ボタン操作演出の実行を促すことができる。なお、以上の処理を演出制御部400ではなく、画像音響制御部500が実行してもよいし、演出制御部400および画像音響制御部500が協同(処理分担)して実行してもよい。その後、処理はステップS152に移る。
ステップS152において、CPU401は、本実施形態に特徴的な演出キー38Uへの操作に応じて実行されるキー操作演出を実行するためのキー操作演出処理を行う。ここで、キー操作演出は、報知演出中に演出キー38Uが操作される度に、この報知演出での大当り可能性(大当り信頼度)を示唆する示唆画像を画像表示部6−2に表示する演出であり、1回の報知演出中に演出キー38Uへの操作が複数回実行されてキー操作演出が複数回実行される場合には、後のキー操作演出になる程、示唆画像によって示唆される大当り信頼度の信憑性が上がる演出である。なお、このキー操作演出は、報知演出の実行中は既にキー操作演出の実行中を除いて原則として何れのタイミングであっても(又、何回でも)実行可能であるので、報知演出の実行中に極めて頻繁に実行可能な演出と言える。このため、キー操作演出では、上記したボタン操作演出と同じように、演出キー38Uへの操作を有効とするキー操作有効期間中に演出キー38Uを表すキー画像およびキー操作有効期間を示すゲージ画像を表示させると、極めて頻繁にキー画像およびゲージ画像を表示させることになり、好ましくない。そこで、キー操作演出では、キー画像およびゲージ画像を表示させる制御は実行しない。このキー操作演出処理については、図24等を用いて
以下に詳述する。その後、処理は図20のステップS13に移る。
[キー操作演出処理]
図24は、図23のステップS152のキー操作演出処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図24を参照して、図23のステップS152のキー操作演出処理について説明する。
まず、ステップS701において、演出制御部400のCPU401は、報知演出の開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、CPU401は、図21のステップS115で報知演出の開始指示を行ったタイミングであるか否かを判定する。ステップS701での判定がYESの場合、処理はステップS702に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS704に移る。
ステップS702において、CPU401は、演出キー38Uへの押下操作に応じて実行されるキー操作演出において画像表示部6−2に表示される示唆画像の上限示唆レベル(到達可能な示唆レベル)を、ステップS701で開始タイミングと判定した報知演出の演出パターンに基づいて決定する。言い換えると、CPU401は、報知演出の開始タイミングにおいて、この報知演出で実行可能なキー操作演出の上限示唆レベルを、この報知演出の演出パターンに基づいて決定する。
図25は、キー操作演出で表示される示唆画像の種類および各示唆画像の示唆レベルの具体例である。キー操作演出で表示される示唆画像には、図25(1)に示すようにキャラクタXが地上で青色の風船を1つ持った画像が表示される示唆レベル「地上1」の示唆画像と、図25(2)に示すようにキャラクタXが地上で赤色の風船を1つ持った画像が表示される示唆レベル「地上2」の示唆画像と、図25(3)に示すようにキャラクタXが上空で赤色の風船を1つ青色の風船を3つ持った画像が表示される示唆レベル「上空1」の示唆画像と、図25(4)に示すようにキャラクタXが上空で赤色の風船を3つ持った画像が表示される示唆レベル「上空2」の示唆画像と、図25(5)に示すようにキャラクタXが宇宙で風船を持たない画像が表示される示唆レベル「宇宙」の示唆画像とがある。そして、これらの示唆画像は、「地上1」、「地上2」、「上空1」、「上空2」、「宇宙」の順に、大当り信頼度の示唆レベルが高い(つまり、大当り信頼度が高い)。なお、図25では、図示都合上、風船の色を文字で表している。
ステップS702において、CPU401は、図26に示す上限示唆レベルを決定するためのテーブルLT1を用いて、示唆画像の上限示唆レベルを決定する。図26に示すように、テーブルLT1において、今回開始される報知演出の演出パターンのタイプ毎に、上限示唆レベルの決定割合が振り分けられている。例えば、「擬似2回リーチ当り/ハズレ」(「擬似2回リーチ当り」および「擬似2回リーチハズレ」)の演出パターンのタイプでは、演出乱数範囲0〜99のうち、0〜84が上限示唆レベル「地上1」に割り振られ、85〜93が上限示唆レベル「地上2」に割り振られ、94〜97が上限示唆レベル「上空1」に割り振られ、98〜99が上限示唆レベル「上空2」に割り振られており、上限示唆レベル「宇宙」には乱数は割り振られていない。ここで、上記した演出乱数範囲0〜99の演出乱数の値は、図20のタイマ割り込み処理の説明で述べたように、このタイマ割り込み処理の実行毎に1増加して更新されることにより、この演出乱数範囲0〜99を循環している。そして、ステップS702において、CPU401は、ステップS702の処理時点(報知演出開始時点と考えてもよい)で演出乱数の値を取得して、取得した演出乱数の値が、0〜84の範囲の値であれば上限示唆レベルとして「地上1」を決定し、85〜93の範囲の値であれば上限示唆レベルとして「地上2」を決定し、94〜97の範囲の値であれば上限示唆レベルとして「上空1」を決定し、98〜99の範囲の値であれば上限示唆レベルとして「上空2」を決定する。このようにして演出乱数範囲0〜
99を用いた抽選が実行されて、今回の報知演出が「擬似2回リーチ当り/ハズレ」の演出パターンのタイプの場合には、上限示唆レベルとして、85%の確率で「地上1」が決定され、9%の確率で「地上2」が決定され、4%の確率で「上空1」が決定され、2%の確率で「上空2」が決定される。また例えば、今回の報知演出が「SPSP当り」の演出パターンのタイプである場合、CPU401は、テーブルLT1の「SPSP当り/ハズレ」の乱数の割り振りを用いて抽選を行い、この抽選で乱数68を取得した場合には「上空2」を上限示唆レベルとして決定する。ここで、テーブルLT1から分かるように、大当りの可能性(大当り信頼度)が高い演出パターンほど、上限示唆レベルとして「宇宙」に近い示唆レベルが決定され易い乱数割り振りとなっている(下線を引いた乱数割り振り参照)。ステップS702において、以上のようにして示唆画像の上限示唆レベルが決定され、処理はステップS703に移る。
ステップS703において、CPU401は、図27に示すテーブルLT2を用いて、使用可能な示唆レベル選択テーブルグループを決定する。以下、具体的に説明する。なお、示唆レベル選択テーブルグループにはA〜Eがあり、それぞれ、5つの示唆レベル選択テーブルで構成される。示唆レベル選択テーブルグループA〜Eの内容については、図28〜図31を用いて具体的に後述する。
図27に示すように、テーブルLT2には、報知演出の演出パターンのタイプ毎に、報知演出内の各期間が横方向に時系列で記載されていると共に各期間に使用可能な示唆レベル選択テーブルグループが割り当てられている。図27に示すように、「即ハズレ」の演出パターンの場合、装飾図柄の変動開始時(つまり、報知演出開始時)から左装飾図柄の仮停止前までの期間にはグループAが使用され、左装飾図柄の仮停止時から左右中の装飾図柄が全て仮停止した直後に確定停止する時点まで(つまり、報知演出終了時点まで)の期間にはグループBが使用される。ここで、図33及び図34を用いて具体的に説明するが、本実施形態では、変動中の左右中の装飾図柄DI1〜DI3は、(擬似変動演出における擬似停止の場合も含めて)左装飾図柄DI1、右装飾図柄DI2、中装飾図柄DI3の順番で仮停止する。また、「ノーマルリーチ当り/ハズレ」の演出パターンの場合、報知演出開始時から左装飾図柄の仮停止前までの期間にはグループAが使用され、左装飾図柄の仮停止時から報知演出終了時点までの期間にはグループBが使用される。また、「擬似2回リーチ当り/ハズレ」の演出パターンの場合、報知演出開始時から左装飾図柄の仮停止前までの期間にはグループAが使用され、左装飾図柄の仮停止時から右中の装飾図柄が仮停止して(つまり、擬似変動演出の擬似停止が実行されて)左右中の装飾図柄が再変動する前までの期間にはグループBが使用され、この再変動開始時から(つまり、擬似2回開始時から)左装飾図柄の仮停止前まで(つまり、擬似2回後の左装飾図柄の仮停止前まで)の期間にはグループCが使用され、擬似2回後の左装飾図柄の仮停止時からリーチ成立して報知演出終了時点までの期間にはグループDが使用される。また、「SP当り/ハズレ」の演出パターンの場合、報知演出開始時から左装飾図柄の仮停止前までの期間にはグループAが使用され、左装飾図柄の仮停止時からリーチ成立してSPリーチ演出への発展前まで(つまり、SP開始前まで)の期間にはグループBが使用され、SP開始時から報知演出終了時点までの期間にはグループEが使用される。また、「擬似2回SP当り/ハズレ」の演出パターンの場合、上記した「擬似2回リーチ当り/ハズレ」の場合と同様にグループA、B、Cが使用され、擬似2回後の左装飾図柄の仮停止時からリーチ成立してSPリーチ演出への発展前まで(つまり、擬似2回後SP開始前まで)の期間にはグループDが使用され、擬似2回後SP開始時から報知演出終了時点までの期間にはグループEが使用される。また、「擬似3回SP当り/ハズレ」の演出パターンの場合、上記した「擬似2回リーチ当り/ハズレ」の場合と同様にグループA、B、Cが使用され、擬似2回後の左装飾図柄の仮停止時から右中の装飾図柄が仮停止して(つまり、2回目の擬似停止が実行されて)左右中の装飾図柄が再変動する前まで(つまり、擬似3回開始前まで)の期間にはグループDが使用され、この再変動開始時から(つまり、擬似3回開始時か
ら)左装飾図柄の仮停止前まで(つまり、擬似3回後の左装飾図柄の仮停止前まで)の期間にもグループDが使用され、擬似3回後の左装飾図柄の仮停止時からリーチ成立してSPリーチ演出への発展前まで(つまり、擬似3回後SP開始前まで)の期間にはグループEが使用され、擬似3回後SP開始時から報知演出終了時点までの期間にもグループEが使用される。なお、「SPSP当り/ハズレ」、「擬似2回SPSP当り/ハズレ」、「擬似3回SPSP当り/ハズレ」および「擬似4回SP当り」の演出パターンの場合については、以上の説明から類推できるので、説明を省略する。
ステップS703において、CPU401は、図27に示したテーブルLT2を用いて、今回の報知演出の演出パターンに対応するグループを、使用可能な示唆レベル選択テーブルグループとして決定する。例えば今回の報知演出の演出パターンが「SPハズレ」の場合、CPU401は、テーブルLT2の「SP当り/ハズレ」に対応するグループA、B、Eを、使用可能な示唆レベル選択テーブルグループとして決定する。その後、処理はステップS704に移る。
ステップS704において、CPU401は、図28に示すテーブルLT3を用いて、使用可能な示唆レベル選択テーブルを決定する。図28は、示唆レベル選択テーブルグループA〜Eを構成する示唆レベル選択テーブルを示す図であり、ステップS702で決定した上限示唆レベルに応じて、使用可能な示唆レベル選択テーブルを決定するためのテーブルLT3である。
図28に示すように、示唆レベル選択テーブルグループAは示唆レベル選択テーブルA1〜A5により構成され、示唆レベル選択テーブルグループBは示唆レベル選択テーブルB1〜B5により構成され、示唆レベル選択テーブルグループCは示唆レベル選択テーブルC1〜C5により構成され、示唆レベル選択テーブルグループDは示唆レベル選択テーブルD1〜D5により構成され、示唆レベル選択テーブルグループEは示唆レベル選択テーブルE1〜E5により構成される。また、図28に示すように、示唆レベル選択テーブルA1〜E1は上限示唆レベル「地上1」に対応し、示唆レベル選択テーブルA2〜E2は上限示唆レベル「地上2」に対応し、示唆レベル選択テーブルA3〜E3は上限示唆レベル「上空1」に対応し、示唆レベル選択テーブルA4〜E4は上限示唆レベル「上空2」に対応し、示唆レベル選択テーブルA5〜E5は上限示唆レベル「宇宙」に対応する。
ステップS704において、CPU401は、テーブルLT3を用いて、ステップS703で決定した使用可能な示唆レベル選択テーブルグループ、および、ステップS702で決定した上限示唆レベルに基づいて、今回の報知演出で実行されるキー操作演出において使用可能な示唆レベル選択テーブルを決定する。例えばステップS703で決定した使用可能な示唆レベル選択テーブルグループがA、B、Eであって(図27の演出パターン「SP当り/ハズレ」参照)ステップS702で決定した上限示唆レベルが「地上2」である場合、CPU401は、テーブルLT3を用いて、使用可能な示唆レベル選択テーブルとしてA2、B2、E2を決定する。また例えばステップS703で決定した使用可能な示唆レベル選択テーブルグループがA、B、C、D、Eであって(図27の演出パターン「擬似2回SP当り/ハズレ」等参照)ステップS702で決定した上限示唆レベルが「上空2」である場合、CPU401は、テーブルLT3を用いて、使用可能な示唆レベル選択テーブルとしてA4、B4、C4、D4、E4を決定する。その後、処理はステップS705に移る。なお、ステップS704で決定された示唆レベル選択テーブルは、今回の報知演出が終了するまでRAM403に記憶されてから削除される。
ステップS705において、CPU401は、演出キー38Uに対して押下操作が行われたか否かを判定する。より正確には、CPU401は、演出キー38Uが押下されていないオフ状態から押下されたオン状態に変化したか否かを判定する。ステップS705で
の判定がYESの場合、処理はステップS706に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS710に移る。
ステップS706において、CPU401は、演出キー38Uに対する押下操作を有効と認めるキー操作有効期間中であるか否かを判定する。ここで、キー操作有効期間は、キー操作演出の実行中および報知演出の実行途中に大当りしたことを画像表示部6−2等を用いて予め報知する大当り報知演出(図34(14)参照)の実行中を除いた報知演出の実行期間全体に亘ってCPU401により設定されている。ステップS706での判定がYESの場合、処理はステップS707に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS710に移る。
ステップS707において、CPU401は、今回のキー操作演出を実行するために使用する示唆レベル選択テーブルを1つ決定する。具体的には、CPU401は、ステップS704で決定してRAM403に記憶している使用可能な示唆レベル選択テーブルのうち、ステップS705で演出キー38Uへの押下操作を検出した時点の報知演出の進行タイミングに対応する示唆レベル選択テーブルを、今回のキー操作演出を実行するために使用する示唆レベル選択テーブルとして決定する。
例えば、ステップS704で決定してRAM403に記憶されている使用可能な示唆レベル選択テーブルがA2、B2、E2であって、演出パターン「SPハズレ」の報知演出が実行されている場合(図27の「SP当り/ハズレ」の行、および、図28の「地上2」の列を参照)を考える。この場合において、ステップS705で押下操作を検出したタイミングが図27に示す「SP当り/ハズレ」の行の「変動開始時から」の期間(グループAが割り当てられた期間)に含まれる場合、CPU401は、示唆レベル選択テーブルA2を決定する。また、この場合において、ステップS705で押下操作を検出したタイミングが図27に示す「SP当り/ハズレ」の行の「左図柄仮停止時から」の期間(グループBが割り当てられた期間)に含まれる場合、CPU401は、示唆レベル選択テーブルB2を決定する。また、この場合において、ステップS705で押下操作を検出したタイミングが図27に示す「SP当り/ハズレ」の行の「SP開始時から」の期間(グループEが割り当てられた期間)に含まれる場合、CPU401は、示唆レベル選択テーブルE2を決定する。その後、処理はステップS708に移る。
ステップS708において、CPU401は、ステップS707で決定した示唆レベル選択テーブルを用いて、ステップS705で検出した押下操作に応じて実行する今回のキー操作演出の示唆レベルを決定する(つまり、今回の示唆画像を決定する)。
ここで、図28に示した示唆レベル選択テーブルA1〜E5の内容について、図29〜図31を用いて具体的に説明する。図29は、図28に示した示唆レベル選択テーブルグループBを構成する示唆レベル選択テーブルB1〜B5の例であり、図29(1)は上限示唆レベルが「地上1」の場合に使用される示唆レベル選択テーブルB1を示し、図29(2)は上限示唆レベルが「地上2」の場合に使用される示唆レベル選択テーブルB2を示し、図29(3)は上限示唆レベルが「上空1」の場合に使用される示唆レベル選択テーブルB3を示し、図29(4)は上限示唆レベルが「上空2」の場合に使用される示唆レベル選択テーブルB4を示し、図29(5)は上限示唆レベルが「宇宙」の場合に使用される示唆レベル選択テーブルB5を示す。
図28に示した全ての示唆レベル選択テーブル(A1〜E5)は、1回の報知演出内において、前回の示唆レベル毎に今回の示唆レベルを何れの示唆レベルにするかを決定するためのテーブルであり、全ての示唆レベル選択テーブル(A1〜E5)において、今回の示唆レベルが前回の示唆レベルよりも低下することはない。なお、1回の報知演出内において1回目のキー操作演出が実行される場合には、前回の示唆レベルが存在しないので、
「地上1」が前回の示唆レベルとして使用される。
例えば、ステップS707で決定した示唆レベル選択テーブルが、図29(3)に示すB3である場合を考える。この場合において(1回の報知演出内で)1回目のキー操作演出を実行する場合、CPU401は、図29(3)に示すB3において「地上1」を前回の示唆レベルとして演出乱数範囲が0〜99の抽選を行い、例えば乱数65を取得した場合には今回の示唆レベルとして「地上2」を決定する。具体的には、上記した演出乱数範囲0〜99の演出乱数の値は、図20のタイマ割り込み処理の説明で述べたように、このタイマ割り込み処理の実行毎に1増加して更新されることにより、この演出乱数範囲0〜99を循環しており、CPU401は、ステップS708の処理時点(キー操作された時点と考えてもよい)の演出乱数の値を取得して、例えば乱数65を取得した場合には今回の示唆レベルとして「地上2」を決定する。また、この場合において(1回の報知演出内で)複数回目のキー操作演出を実行する場合、CPU401は、図29(3)に示すB3において前回の示唆レベルを例えば「地上2」として演出乱数範囲が0〜99の抽選を行い、例えば乱数22を取得した場合には今回の示唆レベルとして「地上2」を決定する。その後、処理はステップS709に移る。
図30は、上限示唆レベルが「地上2」の場合(図28参照)において、報知演出の演出パターンおよび進行タイミング(図27参照)に応じて使用され得る示唆レベル選択テーブルA2、B2、C2、D2、E2の例である。ここで、図30(1)〜(5)にそれぞれ示す示唆レベル選択テーブルA2、B2、C2、D2、E2の演出乱数を割り振りは、A2、B2、C2、D2、E2の順に、示唆レベルが上がり易い割り振りに設定されている(つまり、報知演出が進行したタイミングほど示唆レベルが上がり易い割り振りに設定されている)。例えば、図30(5)のE2における前回の示唆レベル「地上1」の行の乱数範囲「0〜39」は、図30(4)のD2における前回の示唆レベル「地上1」の行の乱数範囲「0〜49」よりも小さく設定されている。図31は、上限示唆レベルが「上空2」の場合(図28参照)において、報知演出の演出パターンおよび進行タイミング(図27参照)に応じて使用され得る示唆レベル選択テーブルA4、B4、C4、D4、E4の例である。ここで、図31(1)〜(5)にそれぞれ示す示唆レベル選択テーブルA4、B4、C4、D4、E4の演出乱数を割り振りは、上記した図30と同様に、A4、B4、C4、D4、E4の順に、示唆レベルが上がり易い割り振りに設定されている。例えば、図31(5)のE4における前回の示唆レベル「地上2」の行の乱数範囲「0〜29」は、図31(4)のD4における前回の示唆レベル「地上2」の行の乱数範囲「0〜39」よりも小さく設定されている。また、図28の矢印で示すように、上限示唆レベルが「地上1」、「上空1」、及び「宇宙」の場合においても、上記した「地上2」及び「上空2」と同様に、報知演出が進行したタイミングほど示唆レベルが上がり易い割り振りに設定されている。このように割り振りが設定されているので、遊技者は、報知演出の後半等からキー操作を行った場合であっても、この報知演出での大当り信頼度を示唆する或る程度信憑性の高いキー操作演出を見ることができ易い。
ステップS709において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、ステップ709で決定した示唆レベルのキー操作演出を所定時間(3秒間)実行させる。この指示はRAM403にコマンドをセットすることによって行われ、この指示に応じて、画像音響制御部500は、ステップ709で決定された示唆レベルの示唆画像を所定時間(3秒間)画像表示部6−2に表示させるキー操作演出を実行する。また、画像音響制御部500は、画像表示部6−2によるキー操作演出の表示開始に伴って画像表示部6−2に表示させていた演出画像(例えば、画像表示部6−1の演出画像と連動した演出画像)を非表示にし、キー操作演出の表示終了に伴って画像表示部6−2に表示させていた演出画像の表示を再開する。その後、処理はステップS710に移る。
ステップS710において、CPU401は、キー操作演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS710での判定がYESの場合、処理はステップS711に移り、この判定がNOの場合、処理は図20のステップS13に移る。
ステップS711において、CPU401は、報知演出の実行途中に大当りしたことを予め報知する大当り報知演出(図34(14)参照)の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS711での判定がYESの場合、処理はステップS713に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS712に移る。
ステップS712において、CPU401は、報知演出の終了タイミングであるか否かを判定する(言い換えると、報知演出において特別図柄抽選結果を報知するために全ての装飾図柄が確定停止されるタイミングであるか否かを判定する)。なお、この判定は、図21のステップS116で報知演出停止コマンドを受信したと判定したことに応じて実行されてもよいし、CPU401(又は画像音響制御部500のCPU501)により報知演出の実行時間が終了するタイミングを把握して、このタイミングに応じて実行されてもよい。ステップS712での判定がYESの場合、処理はステップS713に移り、この判定がNOの場合、処理は図20のステップS13に移る。
ステップS713において、CPU401は、画像音響制御部500に指示して、キー操作演出を強制終了させる。この指示はRAM403にコマンドをセットすることによって行われ、この指示に応じて、画像音響制御部500は、実行中のキー操作演出を終了して、キー操作演出の実行に伴って非表示にしていた演出画像(例えば、画像表示部6−1の演出画像と連動した演出画像)を画像表示部6−2に表示させる。その後、処理は図20のステップS13に移る。
なお、以上に説明したキー操作演出処理は、演出制御部400ではなく、画像音響制御部500が実行してもよいし、演出制御部400および画像音響制御部500が協同(処理分担)して実行してもよい。
以上に説明したように、ステップS701〜S704の処理によって、報知演出開始時において、この報知演出の演出パターンに基づいて、キー操作演出により示唆し得るこの報知演出の大当り信頼度の上限示唆レベルが決定されると共に(図26参照)、この上限示唆レベル及びこの演出パターンに基づいて、この報知演出の進行タイミングに対応した使用可能な示唆レベル選択テーブルが決定される(図27、図28参照)。そして、ステップS705〜S709の処理によって、キー操作有効期間中にキー操作がある度に、報知演出の進行状態とキー操作タイミングに基づいて上記した使用可能な示唆レベル選択テーブルのうちの1つを決定し、決定した示唆レベル選択テーブルを用いて抽選を行って今回のキー操作演出による大当り信頼度の示唆レベル(示唆画像;図25参照)を決定し、決定した示唆レベルのキー操作演出が実行される。ここで、上記のようにステップS705〜S709の処理によって1回の報知演出中に複数回のキー操作演出が実行可能であり、又、既に説明したようにこの複数回のキー操作演出において示唆レベルは低下しない。このことから、1回の報知演出中にキー操作演出を数多く実行するほど、キー操作演出によって示唆されるこの報知演出の大当り信頼度の信憑性が上がることとなる(図30、図31参照)。そして、ステップS710〜S713の処理によって、報知演出の実行途中に大当りしたことを画像表示部6−2を用いて予め報知する大当り報知演出(図34(14)参照)が、キー操作演出よりも優先して実行され、又、報知演出が終了すると(つまり、全装飾図柄が確定停止すると)キー操作演出も終了される。
[本実施形態に特有なキー操作演出の具体例]
以下では、図32〜図34を用いて、以上に説明した処理によって実現される本実施形
態に特有なキー操作演出の具体例について、説明する。
図32は、演出パターン「SP当り」の報知演出において、上限示唆レベル「上空2」でキー操作演出が複数回実行された場合のタイムチャートの具体例である。図33及び図34は、図32のタイムチャートに沿った演出内容の具体図である。以下に、図32のタイムチャートの時間経過に沿って、説明を行う。なお、以下では、画像表示部6−1の画面をメイン画面と言い、画像表示部6−2の画面をサブ画面と言う場合がある。
まず、図32のt1において、図33(1)に示すように、演出パターン「SP当り」の報知演出が開始されて、メイン画面において、左装飾図柄DI1、右装飾図柄DI2および中装飾図柄DI3の変動表示が開始されると共に、サブ画面において、メイン画面に対応する画像演出が実行される。本実施形態では、メイン画面において、数字の1〜9を表す装飾図柄が整列して下方向に循環的に変動表示される。なお、図33及び図34では、変動表示されている装飾図柄を下向きの矢印で表現している。また、t1において、今回の報知演出で実行されるキー操作演出の上限示唆レベルが決定される(図24のS702参照)。図32の例では、上限示唆レベルとして「上空2」が決定されている。また、t1において、決定された上限示唆レベルおよび演出パターンに基づいて、キー操作演出の示唆画像(示唆レベル;図25参照)を決定するために使用されるテーブルであって、今回の報知演出で使用可能な示唆レベル選択テーブルが決定される(図24のS703、S704参照)。図32の例では、使用可能な示唆レベル選択テーブルとして、図31の(1)、(2)、(5)に示す示唆レベル選択テーブルA4、B4、E4が決定されている。
その後、t2においてキー操作(演出キー38Uの押下操作)が行われ、図33(2)に示すように、このキー操作に応じて1回目の示唆画像がサブ画面に3秒間表示される(つまり、1回目のキー操作演出が実行される)。なお、この示唆画像の表示に応じて、サブ画面に表示中のメイン画面に対応する画像演出(例えば、大当り信頼度を示唆するカットイン予告画像を表示する予告演出(キー操作演出ではない予告演出)や、メイン画面に表示される各キャラクタ等を説明する画像演出や、この各キャラクタ等による大当り信頼度を示唆しない画像演出や、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出等に付随して(又はその一部として)実行される画像演出)は非表示とされる。図33(2)では、図32に示すように示唆レベル選択テーブルA4を使用するタイミングt2でキー操作が行われているので(図27の「変動開始時から」の期間を参照)、図31(1)に示す示唆レベル選択テーブルA4を用いた抽選(A4の前回の示唆レベル「地上1」の行の乱数割り振りによる抽選)によって示唆レベル「地上1」が決定して、1回目のキー操作演出として「地上1」の示唆画像表示が実行されて(図24のS705〜S709参照)大当たり信頼度が非常に低いことが示唆されている。
その後、t3においてキー操作が行われているが、キー操作演出の実行中でありキー操作有効期間中ではないので、このキー操作によってキー操作演出は実行されない(図24のS706参照)。なお、本実施形態では、図24のステップS706の説明で述べたように、キー操作演出の実行期間をキー操作有効期間から除外して(つまり、キー操作無効期間に制御して)、キー操作演出の実行中には新たにキー操作演出を開始しない制御構成としている。言い換えると、本実施形態では、キー操作演出の終了直後にキー操作に応じて新たにキー操作演出を実行可能な制御構成としている。しかし、例えば、キー操作演出の終了時から所定時間(例えば0.5秒)経過するまでの期間も、キー操作有効期間から除外して(つまり、キー操作無効期間に制御して)もよい。
その後、t4において、図33(3)に示すように、1回目のキー操作演出が終了して、非表示にされていたメイン画面に対応する画像演出がサブ画面に表示再開される。ここ
で、メイン画面に対応する画像演出は、t2で非表示にされた時点の内容(進行位置)から表示再開されるのではなく、キー操作演出の実行中に進行を継続した内容(進行位置)で表示再開される。言い換えると、メイン画面に対応する画像演出は、キー操作演出が実行されなかった場合の進行度合と同一の進行度合で表示再開される。
その後、t5においてキー操作(演出キー38Uの押下操作)が行われ、図33(4)に示すように、このキー操作に応じて2回目の示唆画像がサブ画面に3秒間表示される(つまり、2回目のキー操作演出が実行される)。また、この示唆画像の表示に応じて、サブ画面に表示中のメイン画面に対応する画像演出は非表示とされる。図33(4)では、図32に示すように示唆レベル選択テーブルA4を使用するタイミングt5でキー操作が行われているので(図27参照)、図31(1)に示す示唆レベル選択テーブルA4を用いた抽選(A4の前回の示唆レベル「地上1」の行の乱数割り振りによる抽選)によって示唆レベル「地上2」が決定して、2回目のキー操作演出として「地上2」の示唆画像表示が実行されて(図24のS705〜S709参照)大当たり信頼度が少し上がったことが示唆されている。
その後、t6において、図33(5)に示すように、2回目のキー操作演出中に、最初に仮停止される装飾図柄である左装飾図柄DI1が仮停止される。なお、本実施形態では、左右中の装飾図柄DI1〜DI3は、左装飾図柄DI1、右装飾図柄DI2、中装飾図柄DI3の順番で仮停止されるものとする。ここで、図32の例では、この左装飾図柄DI1が仮停止された時点から、使用される示唆レベル選択テーブルがA4からB4に切り替えられている(図27参照)。
その後、t7において、図33(6)に示すように、2回目のキー操作演出が終了して、非表示にされていたメイン画面に対応する画像演出がサブ画面に表示再開される。
その後、t8においてキー操作(演出キー38Uの押下操作)が行われ、図33(7)に示すように、このキー操作に応じて3回目の示唆画像がサブ画面に3秒間表示される(つまり、3回目のキー操作演出が実行される)。また、この示唆画像の表示に応じて、サブ画面に表示中のメイン画面に対応する画像演出は非表示とされる。図33(7)では、図32に示すように示唆レベル選択テーブルB4を使用するタイミングt8でキー操作が行われているので(図27の「左図図柄仮停止時から」の期間を参照)、図31(2)に示す示唆レベル選択テーブルB4を用いた抽選(B4の前回の示唆レベル「地上2」の行の乱数割り振りによる抽選)によって示唆レベル「地上2」が決定して、3回目のキー操作演出として「地上2」の示唆画像表示が実行されて(図24のS705〜S709参照)大当たり信頼度が前回のキー操作演出から上がらなかったことが示唆されている。
その後、t9において、図33(8)に示すように、3回目のキー操作演出中に、右装飾図柄DI2が仮停止されてリーチ成立している。
その後、t10において、図33(9)に示すように、3回目のキー操作演出が終了して、非表示にされていたメイン画面に対応する画像演出がサブ画面に表示再開される。
その後、t11において、図33(10)に示すように、SPリーチ演出に発展してメイン画面にSPリーチ演出の画像が表示される。ここで、図32の例では、SPリーチ演出に発展した時点(SPリーチ演出が開始した時点)から、使用される示唆レベル選択テーブルがB4からE4に切替えられている(図27参照)。
その後、t12においてキー操作(演出キー38Uの押下操作)が行われ、図33(11)に示すように、このキー操作に応じて4回目の示唆画像がサブ画面に3秒間表示され
る(つまり、4回目のキー操作演出が実行される)。また、この示唆画像の表示に応じて、サブ画面に表示中のメイン画面に対応する画像演出は非表示とされる。図33(11)では、図32に示すように示唆レベル選択テーブルE4を使用するタイミングt12でキー操作が行われているので(図27の「SP開始時から」の期間を参照)、図31(5)に示す示唆レベル選択テーブルE4を用いた抽選(E4の前回の示唆レベル「地上2」の行の乱数割り振りによる抽選)によって示唆レベル「地上2」が決定して、4回目のキー操作演出として「地上2」の示唆画像表示が実行されて(図24のS705〜S709参照)大当たり信頼度が前回のキー操作演出から上がらなかったことが示唆されている。
その後、t13において、図34(12)に示すように、4回目のキー操作演出が終了して、非表示にされていたメイン画面に対応する画像演出がサブ画面に表示再開される。
その後、t14においてキー操作(演出キー38Uの押下操作)が行われ、図34(13)に示すように、このキー操作に応じて5回目の示唆画像がサブ画面に3秒間表示される(つまり、5回目のキー操作演出が実行される)。また、この示唆画像の表示に応じて、サブ画面に表示中のメイン画面に対応する画像演出は非表示とされる。図34(13)では、図32に示すように示唆レベル選択テーブルE4を使用するタイミングt14でキー操作が行われているので(図27参照)、図31(5)に示す示唆レベル選択テーブルE4を用いた抽選(E4の前回の示唆レベル「地上2」の行の乱数割り振りによる抽選)によって示唆レベル「上空1」が決定して、5回目のキー操作演出として「上空1」の示唆画像表示が実行されて(図24のS705〜S709参照)大当たり信頼度が前回のキー操作演出から上がって或る程度高くなったことが示唆されている。
その後、t15において、図34(14)に示すように、5回目のキー操作演出中に、報知演出が終了して大当り抽選結果が報知される前のタイミングで大当りであることを可動役物7による動作演出およびサブ画面による画像演出等によって報知する大当り報知演出が開始されると共に、サブ画面による5回目のキー操作演出は強制終了される(図24のS711、S713参照)。
その後、t16においてキー操作が行われているが、上記したサブ画面等を用いた大当り報知演出の実行中でありキー操作有効期間ではないので、このキー操作によってキー操作演出は実行されない(図24のS706参照)。
その後、t17において、図34(15)に示すように、上記したサブ画面等を用いた大当り報知演出が終了して、非表示にされていたメイン画面に対応する画像演出がサブ画面に表示再開される。
その後、t18においてキー操作(演出キー38Uの押下操作)が行われ、図34(16)に示すように、このキー操作に応じて6回目の示唆画像がサブ画面に3秒間表示される(つまり、6回目のキー操作演出が実行される)。また、この示唆画像の表示に応じて、サブ画面におけるメイン画面に対応する画像演出は非表示とされる。図34(16)では、図32に示すように示唆レベル選択テーブルE4を使用するタイミングt18でキー操作が行われているので(図27参照)、図31(5)に示す示唆レベル選択テーブルE4を用いた抽選(E4の前回の示唆レベル「上空1」の行の乱数割り振りによる抽選)によって示唆レベル「上空2」が決定して、5回目のキー操作演出として「上空2」の示唆画像表示が実行されて(図24のS705〜S709参照)大当たり信頼度が前回のキー操作演出から更に上がって、とても高くなったことが示唆されている。
その後、t19において、図34(17)に示すように、6回目のキー操作演出中に、左右中の装飾図柄DI1〜DI3が全て確定停止することで特別図柄抽選で大当りしたこ
とが報知されると共に、サブ画面による6回目のキー操作演出は強制終了される(図24のS712、S713参照)。
以上に説明したように、本実施形態では、報知演出において遊技者によるキー操作に応じて大当り信頼度を示唆するキー操作演出を実行し、又、1回の報知演出中にキー操作が複数回行われた場合、キー操作毎にキー操作演出を実行して大当り信頼度を示唆する(図32参照)。これにより、遊技者は、1回の報知演出中に、(原則として)任意のタイミングで、任意の回数、大当り信頼度について確認できる。
また、以上に説明したように、本実施形態では、1回の報知演出においてキー操作演出が複数回実行される場合、後に実行されるキー操作演出になるほど、示唆する大当り信頼度の信憑性が高くなっていく(図30、図31参照)。言い換えると、後に実行されるキー操作演出になるほど、正規の(本来の)大当り信頼度に収束して行く。これにより、遊技者は、1回の報知演出において、より多くキー操作演出を実行させて、より信憑性の高い大当り信頼度を知って楽しむことができる。
また、以上に説明したように、本実施形態では、予め大当りを報知する大当り報知演出が画像表示部6−2(サブ画面)等を用いて実行されている場合には、キー操作が行われても画像表示部6−2を用いたキー操作演出を実行しない(図32のt16参照)。これは、既に大当りすることを報知する演出を実行しているので、大当り信頼度を示唆するキー操作演出を実行する必要がないからである。また、以上に説明したように、本実施形態では、画像表示部6−2を用いたキー操作演出の実行中に、画像表示部6−2(サブ画面)等を用いた予め大当りを報知する大当り報知演出が開始される場合には、キー操作演出を強制終了する(図32のt15参照)。これは、大当りすることを報知する演出を実行する場合には、大当り信頼度を示唆するキー操作演出を実行する必要がないからである。
また、以上に説明したように、本実施形態では、報知演出が終了する時点まで、キー操作に応じてキー操作演出を開始する。ここで、大当り抽選結果が報知される報知演出の終了時点の少し前(例えば、3秒前)より後には、報知演出の終盤の演出状態(演出の雰囲気)から大当りかハズレかを遊技者が認識できるので、キー操作が行われてもキー操作演出を実行しない制御構成が考えられる。しかしながら、上記した本実施形態では挙げていないが、全ての装飾図柄が仮停止してから、全ての装飾図柄が確定停止して報知演出が終了すると見せかけた後に確定停止せず再変動して大当りする演出パターンの報知演出(所謂、復活当りの報知演出)の場合には、上記のように報知演出の終了時点の少し前(例えば、3秒前)より後にはキー操作が行われてもキー操作演出を実行しない制御構成にすると、遊技者に復活当りすることや復活当りしないことが判ってしまう。具体的には、報知演出が終りそうな演出状態(例えば、全ての装飾図柄が確定停止しそうな仮停止の状態)において、キー操作を行ってキー操作演出が実行された場合には、報知演出は終了せず継続されて復活当りすることが遊技者に判る一方で、キー操作を行ってキー操作演出が実行されない場合には、報知演出が終了して復活当りしないことが遊技者に判ってしまう。本実施形態によれば、報知演出が終了する時点までキー操作に応じてキー操作演出を開始する制御構成としているので、上記の問題を解消できる。
また、以上に説明したように、本実施形態では、報知演出の進行タイミングにおいて後のタイミングになるほど、大当り信頼度の示唆レベルが上がり易い(大当り信頼度の信憑性が上がり易い)示唆レベル選択テーブルを用いてキー操作演出の示唆レベルを決定する(図27、図28、図30、図31参照)。これにより、報知演出の後半等からキー操作を行った場合であっても、この報知演出での大当り信頼度を示唆する或る程度信憑性の高いキー操作演出を見ることができ易いので、報知演出全般に亘って遊技者にキー操作をさせてキー操作演出を楽しませることができる。
また、以上に説明したように、本実施形態では、キー操作が行われる度に抽選を行って示唆レベルを決定して、キー操作演出を実行している(図24のS705〜S709参照)。ここで、報知演出の開始時点において、報知演出の進行スケジュールに沿って示唆レベルの変化シナリオを予め設定しておいて、キー操作演出が行われたタイミングに応じてこの変化シナリオに応じた示唆レベルのキー操作演出を実行する制御構成も考えられる。このような制御構成とした場合、演算付加やメモリ付加を低減でき易い一方で、遊技者にこの変化シナリオの傾向を覚えられてしまい、キー操作演出の興趣性が低下してしまうことが起きてしまう。例えば、報知演出の後半にならないと示唆レベルの信憑性が上がらない変化シナリオの傾向があった場合には、遊技者は、報知演出の前半ではキー操作演出を実行させないようになってしまう。本実施形態では、キー操作が行われる度に抽選を行って示唆レベルを決定してキー操作演出を実行しているので、このような問題を解消でき、又、1つの報知演出において複数回キー操作演出が実行される場合において、偶然性に富んだ非常に多様な示唆レベルの変化を実現できる。
[変形例]
なお、以上に説明した本実施形態では、通常遊技状態および確変遊技状態の何れにおいても、キー操作演出が実行される構成例を挙げた。しかし、短時間の変動パターン(2秒、4秒の変動パターン;図17参照)が選択され易い第2特別図柄抽選が主に実行されて、報知演出の実行時間が短くなり易い確変遊技状態(電サポ/時短の遊技状態)では、1回の報知演出でキー操作演出を複数回実行させて大当り信頼度の信憑性を段階的に上げていくことは困難であるため、実行キー操作演出を実行しない構成としてもよい。
また、以上に説明した本実施形態では、既にキー操作演出を実行しているときには、キー操作が行われても新たにキー操作演出を実行しない構成例を挙げた(図32のt3参照)。しかし、既にキー操作演出を実行しているときにキー操作が行われた場合には、既に実行しているキー操作演出を終了して新たなキー操作演出を開始する構成としてもよい。これにより、遊技者は、1回の報知演出において、より多くのキー操作演出を実行できるので、より信憑性の高い大当り信頼度を示唆するキー操作演出を見ることができる。
また、以上に説明した本実施形態では、キー操作演出において、図25に示す示唆画像を表示した。しかし、示唆画像はこれに限らず、例えば、グラフの画像としてもよい。これにより、グラフの画像の変化の程度によって、遊技者は、直感的に、示唆レベルの変化(大当り信頼度の信憑性の変化)を認識できる。
また、以上に説明した本実施形態において、キー操作演出を実行させるためのキー操作を、所定時間(例えば1秒間)継続的に押下する操作である長押し操作としてもよいし、所定時間(例えば0.5秒間)内に複数回の押下を要する連打操作としてもよい。
また、以上に説明した本実施形態及び変形例等に記載された様々な特徴を任意に組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を
逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。