JP2016086144A - スキージ印刷方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、スキージ印刷において、スクリーンマスク開口部に対してペースト材料が充填されないことによる不良、及び/又は、再塗布の際に印刷したペースト材料を押し潰すことによる不良を防止することができる、スキージ印刷方法及びスキージ印刷装置を提供することにある。
【解決手段】 ステップS2においてスクリーンマスクに基板を当接させ、スキージをスクリーンマスク上に摺動させてペースト材料を塗布する。塗布後に、スクリーンマスクに基板を接触させたまま、カメラ等の画像認識手段で、スクリーンマスク開口部にペースト材料が充填されているか否かを検査し、充填されていなければ、充填されるまでペースト材料の塗布を繰り返す。検査に合格してから、搬出のため、そこでスクリーンマスクから基板を離間させる。
【選択図】図3
【解決手段】 ステップS2においてスクリーンマスクに基板を当接させ、スキージをスクリーンマスク上に摺動させてペースト材料を塗布する。塗布後に、スクリーンマスクに基板を接触させたまま、カメラ等の画像認識手段で、スクリーンマスク開口部にペースト材料が充填されているか否かを検査し、充填されていなければ、充填されるまでペースト材料の塗布を繰り返す。検査に合格してから、搬出のため、そこでスクリーンマスクから基板を離間させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、スキージ方式によりペースト材料を基板に印刷する、スキージ印刷方法及びその装置に関する。
ペースト材料を印刷する方法の1つに、スキージ方式がある。スキージ方式とは、被印刷体である基板に、所定パターンの貫通開口部を有するスクリーンマスクを当接させ、該スクリーンマスク表面にスキージを摺動させてペースト材料を塗布し、前記貫通開口部にペースト材料を刷り込んで、前記基板上にペースト材料のパターンを形成する印刷方法のことである。
例えば、電子産業では、半導体素子を導電性基板へ接合するために、導電性基板上にクリーム半田をスキージ印刷している。クリーム半田とは、Snを主成分とする金属粉と、松脂、及び松脂を溶かすための溶剤からなるペースト状の材料である。スキージ方式によれば微小な半田パターンを一度に多数形成することができ、量産性に優れているため、広く用いられている。
ところが、スキージ印刷作業中に、作業を中断しなければならい状況が発生し、暫くの待機時間の後に、作業を再開する場合がある。この待機時間中にクリーム半田の溶剤揮発が進み、粘度が上昇して、再開後にスクリーンマスク開口部にクリーム半田が十分に充填されない、いわゆる欠け不良が発生することがある。
特許文献1には、印刷待機が解除されて印刷を再開するとき、印刷待機時間と印刷再開後の調整印刷速度との関係に基づき、印刷速度を調整してスクリーン印刷を行う方法が開示されている。
また、特許文献2、3には、スキージ印刷後の基板をスクリーンマスクから離間させ、別に設けたカメラでクリーム半田の印刷状態を観察し、その結果に応じてスキージ印刷条件を調整する方法が開示されている。
しかしながら、従来技術は、待機時間後の印刷の再開時において、下記の問題を未解決のまま残し、対処不十分であった。
特許文献1の方法は、予め決められた何段階かの速度を、待機時間の長さや、スキージ印刷再開後の印刷回数、あるいは装置運転時間に応じて、予め決められたプログラムに基づき段階的に変更するとしているが、クリーム半田の粘度ばらつきや周囲温度・湿度等の影響が反映されないため、欠け不良を完全に発生させない対策としては不十分である。
また、特許文献2、3の方法は、スキージ印刷後、基板をスクリーンマスクから離間させてから、印刷状態を観察しているが、基板が一度スクリーンマスクから離間されてしまうと、再度スキージ印刷装置に戻しても、前回の位置に正確に戻るとは限らず、先に印刷したクリーム半田をスクリーンマスクで押し潰してしまい、不良品を発生させる可能性が高かった。
よって、本発明の目的は、スキージ印刷において、スクリーンマスク開口部に対してペースト材料が充填されないことによる不良、及び/又は、再塗布の際に印刷したペースト材料を押し潰すことによる不良を防止することができる、スキージ印刷方法及びスキージ印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のスキージ印刷方法は、基板上にスクリーンマスクを当接させて配置するスクリーンマスク設置工程と、スキージを摺動して、スクリーンマスク上に付与されたペースト材料をスクリーンマスク開口部に塗布する塗布工程とを含むスキージ印刷方法において、前記塗布工程後に、前記スクリーンマスクと前記基板を接触させたままの状態で、前記スクリーンマスク開口部を通して前記基板が見えるかどうかを検出可能な検査器によって検査し、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されているか否かを判定する検査工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、塗布工程後に、スクリーンマスクと基板を接触させたままの状態で、スクリーンマスク開口部を通して前記基板が見えるかどうかを検査器によって検査するようにしたので、スクリーンマスク開口部にペースト材料が充填されていない部分が検出された場合には、その状態で再度スキージを摺動させてペースト材料を塗布することができる。このため、印刷不良を発見できると共に、再塗布の際に印刷したペースト材料を押し潰すことによる不良を防止することができる。
本発明のスキージ印刷方法において、前記検査工程により前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分が発見された場合は、前記スクリーンマスクと前記基板を接触させたままの状態で、前記塗布工程と前記検査工程とを、予め設定された回数を上限にして、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分がなくなるまで繰り返して行うことが好ましい。
上記態様によれば、ペースト材料が充填されていない部分がなくなるまで塗布を繰り返すことにより、再塗布中に正常に印刷されたペースト材料を押し潰すことなく、確実に不良箇所をなくすことができる。また、繰り返す回数に上限を設けたことにより、何度塗布しても不良箇所がなくならない異常事態の場合に、無駄な操作を繰り返すことを避けることができる。
本発明のスキージ印刷方法において、前記予め設定された回数まで、前記塗布工程と前記検査工程とを繰り返しても、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分がなくならなかった場合は、作業者に異常を知らせるための警報を発することが好ましい。
上記態様によれば、ペースト材料の粘度変化など、塗布を繰り返しても解決しない異常状態を知らせることができ、作業員が迅速に対応することができる。
本発明のスキージ印刷方法において、前記検査器が、カメラであることが好ましい。
カメラは、視野が広く、走査ステップを粗く刻むことができるので、高速で検査することができる。
また、本発明のスキージ印刷方法において、前記検査器が、距離計測センサーであることが好ましい。
距離計測センサーは、表面起伏から直接的に充填不良を検出することができるので、色調の変化などによる誤検出を防ぐことができる。
本発明のスキージ印刷方法において、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料を充填した後に、前記スクリーンマスクから前記基板を離間し、前記スクリーンマスクが検査の妨げにならないように前記スクリーンマスク又は前記基板を移動させて、該基板上にスキージ印刷された前記ペースト材料の印刷状態を前記検査器によって検査することが好ましい。
上記態様によれば、スキージ印刷されたペースト材料の印刷状態を、スクリーンマスクの干渉を避けて、精度よく検査することができる。また、スクリーンマスク開口部へのペースト材料の充填状態を検査する検査工程と、基板へのペースト材料の印刷状態を検査する検査工程とを、検査器を兼用してひとつの装置内で実施することが可能となり、スキージ印刷装置の外に仕上がり検査用の検査器を設置する必要がなくなり、設備投資の軽減になる。さらに、仕上がり検査において不合格になった場合は、警報を発し不良基板を正常基板から排除できるため、作業効率が向上する。
本発明のスキージ印刷装置は、印刷すべき基板を載置するステージと、該ステージ上に載置された基板上に接離可能に配置されるスクリーンマスクと、該スクリーンマスク上を摺動して前記スクリーンマスク上に付与されたペースト材料をスクリーンマスク開口部に塗布するスキージとを備えたスキージ印刷装置において、前記スクリーンマスクを前記基板上に当接させて配置し、前記スキージを摺動させて前記ペースト材料を前記スクリーンマスク開口部に充填させた後、前記スクリーンマスクと前記基板を接触させたままの状態で、前記スクリーンマスク開口部を通して前記基板が見えるかどうかを検出する検査器を有することを特徴とする。
本発明のスキージ印刷装置において、前記検査器により、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分が発見された場合は、前記スクリーンマスクと前記基板を接触させたままの状態で、前記スキージを摺動させて前記ペースト材料を充填する塗布工程と、前記検査器による検査工程とを、予め設定された回数を上限にして、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分がなくなるまで繰り返して行わせる制御手段を有していることが好ましい。
本発明のスキージ印刷装置において、前記予め設定された回数まで、前記塗布工程と前記検査工程とを繰り返しても、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分がなくならなかった場合は、作業者に異常を知らせるための警報を発する警報手段を有していることが好ましい。
本発明のスキージ印刷装置において、前記検査器が、カメラであることが好ましい。
本発明のスキージ印刷装置において、前記検査器が、距離計測センサーであることが好ましい。
本発明のスキージ印刷装置において、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料を充填した後に、前記スクリーンマスクから前記基板を離間し、該基板上にスキージ印刷された前記ペースト材料の印刷状態を前記検査器によって検査する際に、前記スクリーンマスクが検査の妨げにならないように前記スクリーンマスク又は前記基板を移動させるための移動機構を有していることが好ましい。
本発明によれば、塗布工程後に、スクリーンマスクと基板を接触させたままの状態で、スクリーンマスク開口部を通して前記基板が見えるかどうかを検査器によって検査するようにしたので、スクリーンマスク開口部にペースト材料が充填されていない部分が検出された場合には、その状態で再度スキージを摺動させてペースト材料を塗布することができる。このため、印刷不良を発見できると共に、再塗布の際に印刷したペースト材料を押し潰すことによる不良を防止することができる。
また、スキージ印刷後に、基板をスクリーンマスクから離間させ、スキージ印刷装置内で検査した場合は、スクリーンマスクによる干渉を避けて、精度の良い仕上がり検査を行うことができる。この態様では、スキージ印刷装置の外に仕上がり検査用の検査器を設置する必要がなくなり、設備投資の軽減になる。また、仕上がり検査において不合格になった場合は、警報を発し不良基板を正常基板から排除できるため、作業効率が向上する。
以下図面に基づいて、本発明のスキージ印刷方法及びスキージ印刷装置の実施形態を説明する。
本発明のスキージ印刷装置は、スキージを用いてペースト材料を塗布する機能と、スクリーンマスクに基板を接触させたままでスクリーンマスクの開口部にペースト材料が充填されているか否かを検査する機能と、ペースト材料が充填されていない場合はペースト材料を塗布する機能とを備えている。
図1には、本発明の一実施形態によるスキージ印刷装置が示されている。このスキージ印刷装置100には、基板1を載せるステージ11と、ステージ11を図示しない搬入部からスクリーンマスク2の直下まで移動させ、さらにステージ11を上昇させて、基板1をスクリーンマスク2に当接させるためのステージ駆動部12が設けられている。スクリーンマスク2の上方には、2本のスキージ13a、13bと、該スキージを垂直水平方向に動かすためのスキージ駆動部14、ペースト材料の充填状態を検査するための検査器15と、該検査器15を垂直水平方向に走査させるための検査器駆動部16が設けられている。ここで、検査器15は、具体的には、カメラ又は距離計速センサーであることが好ましい。
また、スキージ印刷装置100は、異常を知らせる警報器17と、外部からスキージ印刷装置100を操作するための操作部18と、制御部19を備えている。なお、スクリーンマスク移動機構20については、後述の他の実施形態において説明する。
次に、本発明のスキージ印刷装置の制御系について、機能ブロック図を用いて説明する。図2に示されるように、スキージ印刷装置100は、制御部19を備え、ステージ駆動部12と、スキージ駆動部14と、検査器15と、検査器駆動部16と、警報器17と、操作部18とが接続されている。
制御部19は、ステージ駆動部12に制御信号を送って、ステージ11を移動させることができる。また、制御部19は、スキージ駆動部14に制御信号を送って、スキージを動かすことができる。また、制御部19は、検査器駆動部16に制御信号を送って、検査器を走査することができる。また、制御部19は、検査器15から検査データを受け取ることができる。また、制御部19は、警報器17に警報信号を送ることができる。
操作部18は、キーボードなどの入力手段を備え、作業員の入力した入力情報を制御部19へ送ることができる。入力情報には、基板及びスクリーンマスクの仕様、印刷条件、検査条件、塗布ペースト材料が充填されなかった場合の再塗布回数の上限値、処理開始/処理終了の指示等がある。また、操作部18は、液晶パネル等の表示部を備え、制御部19から送られる情報を表示してもよい。
また、制御部19は、検査器15から検査データを受け取って、予め入力されたスクリーンマスク仕様と検査条件とを参照しながら、スクリーンマスク開口部にペースト材料が充填されているか否か、判定することができる。ペースト材料が充填されておらず、不合格と判断した場合は、スキージ駆動部14に再塗布を指示することができる。もし、予め入力された再塗布回数を越えてもペースト材料が充填されない場合は、警報器17に警報信号を送ると共に、スキージ駆動部14等に停止信号を送ることができる。
次に、図3のフローチャートを用いて、スキージ印刷の工程フローについて説明する。
作業者が操作部18を介して処理開始を指示すると、制御部19は、予め入力されたプログラムにしたがって、図2に示される制御系の各部に順次制御信号を送る。
まず、ステップS1では、基板1を載せたステージ11が、基板搬入部からスクリーンマスク2の下方へ移動し、基板1が搬入される。ステップS2では、ステージ11が上昇し、基板1がスクリーンマスク2の裏面に当接する。ステップS3では、ペースト材料を載せたスクリーンマスク2の表面に、スキージ13a又は13bを摺動させて、ペースト材料を塗布する。ステップS4では、検査器15を用いて、基板1がスクリーンマスク2に接触している状態で、スクリーンマスク2の開口部にペースト材料が充填されているか否かを検査する。制御部19は、予め入力された判定条件にしたがって、検査の合否を判断する。検査に合格の場合はステップS5に進み、検査に不合格の場合はステップS7に進む。検査に合格した場合、ステップS5では、ステージ11が下降し、基板1がスクリーンマスク2から離間する。そして、ステップS6において、ステージ11が、基板搬出部へ移動し、基板が搬出されて、処理を終了する。
一方、検査で不合格となった場合は、ステップS7において、再塗布回数が予め入力された許容回数以内か否かが判定され、許容回数以内であれば、ステップS3の先頭に戻り、再度ペースト材料の塗布を行う。再塗布の後にステップS4で再検査する。ここで合格すればステップS5に進むことができるが、再び不合格になれば合格するまで、S3−S4−S7のループを繰り返す。ただし、ステップS7で再塗布回数が許容回数を超えると、再塗布では解決できない問題があると判断されて、ステップS8で、警報器17により警報が出され、処理を停止する。
次に、本発明のスキージ印刷の一実施形態について、装置の模式図を用いながら、更に具体的に説明する。
図4には、検査器15としてカメラ15aを用いるスキージ印刷装置200の各部の動きが、工程順に示されている。
図4(a)には、ペースト材料を塗布する工程の最初の状態が示されている。ステージ11の上に基板1が配置され、基板1はスクリーンマスク2に当接されている。スクリーンマスク2はスクリーンマスク開口部2a(開口部は模式的に1個が示されているが、実際には所定形状のものが多数個配置されている)を備える。スクリーンマスク2上にはペースト材料3が供給されている。また、スクリーンマスク開口部2aの上方にはカメラ15aが配置されている。スキージ13aは、スクリーンマスク2上を図中の左から右へ向かって摺動し、ペースト材料3を塗布していく。
本来ならばスクリーンマスク開口部2aにペースト材料3が完全に充填されるはずであるが、図4(b)に示されるように、スキージ13aがスクリーンマスク開口部2a上を通過した後も、ペースト材料3の充填が不十分で、未充填部3aが生じる場合がある。カメラ15aは、未充填部3aを撮像し、制御部19(図示しない)に画像情報を電気信号として送る。未充填部3aは、スクリーンマスク開口部2aを介して基板が見えるかどうかを判断し、見分けることができる。画像認識方法は、特に限定されず、例えば予め記憶させておいた色、周囲との明暗差など、基板1、スクリーンマスク2、及びペースト材料3の三者を識別できる画像認識手段を用いることができる。
カメラ15aは、微細なものを見る場合は、像を拡大するための顕微鏡レンズを備えることができる。カメラ15aは、後述する距離計測センサーに比べれば視野が広いと言えるが、スクリーンマスク2の面積が更に広く、カメラ15aの視野に収まらない場合は、カメラ15aを水平方向に走査させて、全面を検査してもよい。カメラ15aによる検査は、視野が広いので走査ステップを粗く刻むことができ、距離計測センサーに比べれば、高速検査することができる。
検査工程において、制御部19がスクリーンマスク開口部2aにペースト材料の未充填部3aがあると判断した場合は、図4(c)に示した再塗布工程を行う。スキージ13aからスキージ13bに切り替え、スキージ13bを図中の右から左へ向かって摺動させ、ペースト材料3をスクリーンマスク2に塗布する。
図4(d)は再塗布工程によって、スクリーンマスク開口部2aにペースト材料3が完全に充填された状態を示している。カメラ15aによって、ペースト材料3充填されたことを確認し、この基板1への印刷を終了する。もし、ペースト材料3が充填されていなければ、再びスキージ13bからスキージ13aに切り替え、図4(a)に戻り、充填されるまで上記の動作を繰り返す。
本発明のスキージ印刷の他の実施形態について説明する。
図5には、検査器15として距離計測センサー15bを用いるスキージ印刷装置300の各部の動きが、工程順に示されている。
図5(a)には、ペースト材料の塗布開始時の状態が示されている。距離計測センサー15bは、ペースト材料3を塗布するために図中左から右へ摺動されているスキージ13aの後を追いかけながら、検査していく。
距離計測センサー15bの方式として、具体的にはレーザー式、LED式等を用いることができる。距離計測センサー15bは、スクリーンマスク2の表面の凹凸を直接計測し、スクリーンマスク開口部2aにおいて段差がなければ、ペースト材料3が充填されていると判断し、段差があればペースト材料の未充填部3aがあると判断する。距離計測センサー15bを用いる方法は、充填状態を調べる検査としてはより直接的であり、先述のカメラに比べれば誤認が少なく、検査精度は高い。
図5(b)は、スキージ13aがスクリーンマスク開口部2a上を通過し、その後を追う距離計測センサー15bが丁度ペースト材料の未充填部3aの上に来たところを示している。ここで、ペースト材料の未充填部3aを検出すると、図5(c)のように、スキージ13aと13bを切り替え、図5(d)のようにスキージ13bを用いて再塗布し、図5(e)のようにスクリーンマスク開口部2aにペースト材料3が完全に充填されれば印刷終了になる。もし、スクリーンマスク開口部2aにペースト材料3が充填されていなければ、充填されるまで、再塗布を繰り返す。
距離計測センサー15bによる検査において検査精度を追求すると、距離計測センサー15bをゆっくり動かすことが必要になり、検査速度が遅くなる。距離計測センサー15bによる走査が、スキージ13a又は13bに追従できない場合は、塗布後にスキージの動きを止めて、その後で距離計測センサー15bを単独で走査して、検査を行ってもよい。
以上、図4及び図5に示される塗布−検査―再塗布の一連の工程は、基板1がスクリーンマスク2に接触した状態でなされる。よって、従来方法において問題となっていた、離間下マスクで基板上のペーストを押し潰す事故を避けることができる。このため、スクリーンマスク開口部2aにペースト材料3が完全に充填されるまで、安心して再塗布を繰り返すことができ、確実に良品率を高めることができる。
次に、図6のフローチャートを用いて、更に他の実施形態について説明する。
この実施形態では、図1、2に示したように、スキージ印刷装置100に、スクリーンマスクを移動させるためのスクリーンマスク移動機構20が追加されている。
この実施形態では、図1、2に示したように、スキージ印刷装置100に、スクリーンマスクを移動させるためのスクリーンマスク移動機構20が追加されている。
ステップS1において基板1が搬入され、ステップS2において基板1がスクリーンマスク2に当接され、ステップS3においてスキージ13a、13bによってスクリーンマスク2にペースト材料3が塗布され、ステップS4において基板1がスクリーンマスク2に接触した状態で、検査器15によって検査が行われる。スクリーンマスク2aにペースト材料3が充填されていない場合は、ステップS4の検査で不合格になり、合格になるまで、ステップS3のペースト材料の塗布と、ステップS4の検査を繰り返すことができる。ステップS4の検査に合格した場合は、ステップS5において基板1がスクリーンマスク2から離間する。ここまでは、すでに図3を用いて説明したフローと同じである。
本実施形態では更に、ステップS9として、基板1がスクリーンマスク2から離間した状態で基板1の上に印刷されたペースト材料の印刷状態を検査する。基板1の上方にスクリーンマスク2がある状態では検査の妨げになるので、スクリーンマスク移動機構20によってスクリーンマスク2を移動させるか、ステージ駆動部12によってステージ11と共に基板1を移動させて検査し易い状態にする。
ステップS9の検査に、ステップS3の検査で使用した検査器15を使用するが、判定方法は異なる。ステップS3の検査ではスクリーンマスク開口部2aにペースト材料3が充填されていることを判定する検査であったが、ステップS9の検査は基板1上にペースト材料3の理想的に印刷された形状を基準とし、該基準となる形状から外れるものを不合格とする検査である。例えば、カメラ15aを用いた場合は、基板1に対するペースト材料3の明暗や色調の違いから欠け等の形状異常を画像認識し、不合格とする。距離計測センサー15bを用いた場合は、基板1からペースト材料3の表面までの高さを計測し、高さが規格に入らないものを不合格とする。画像認識による場合は、形状を直接測定しているわけではないが、予め標準サンプルを幾つか撮影して画像の特徴を抽出し、データベースを作って制御部19に保存し、検査の際には前記データベースを参照することができる。
ステップS9の検査に合格した場合は、ステップS6において基板1を搬出することができる。一方、ステップS9の検査に不合格の場合は、ステップS10で、警報器17により警報が発信され、処理を停止する。
本実施例において、ステップS9の検査は、基板1をスクリーンマスク2から離間させた状態にして、スキージ印刷装置に備わる検査器15を用いて、スキージ印刷が正常に行われたことを確認する検査である。その作用効果は、基板1をクリーンマスク2から離間させた状態にしているので、ペースト材料3の立体形状を精度よく検査できるという利点がある。また、ステップS9の検査とステップS4の検査は、スキージ印刷装置に備わる検査器15を兼用し、スキージ印刷装置以外に検査装置を設置する必要がないという意味で、設備を有効活用している。
図6のフローチャートに示される処理を、図7に示される工程模式図によって更に具体的に説明する。
図7(a)には、ステップS4の検査が終了した状態が示されている。スキージ印刷装置400は、カメラ15aと距離計測センサー15bの両方を備える。ステップS4で、これら2つの検査が行われ、検査に合格した場合は、ステップS5において、ステージ11が下降し、基板1がスクリーンマスク2から離間される。その後、スクリーンマスク2及びスキージ13a、13bは、検査の妨げにならないように、基板1の上方から移動し、図7(b)の状態となる。ステップS9では、図7(c)に示されるように、カメラ15aが基板1の上方に移動し、基板表面を撮影し、図示しない制御部19において画像データベースを参照しながら、画像認識による合否判定を行う。さらに、図7(d)に示されるように、距離計測センサー15bが基板1の表面を走査し、印刷されたペースト材料3の表面高さを計測して、図示しない制御部19において、前記高さが規格内であるか否か検査する。基板1がスクリーンマスク2から離間させて検査するので、精度の良い検査が可能になる。
なお、上記は、検査器としてカメラ15aと距離計測センサー15bの両方を備える実施形態について説明したものであるが、検査器はどちらか一方でもよい。また、基板1がスクリーンマスク2から離間させた後、スクリーンマスク2及びスキージ13a、13bは、検査の妨げにならないように移動する例について説明したが、基板1と、カメラ15a及び/又は距離計測センサー15bが移動し、移動した場所で検査してもよい。
1:基板
2:スクリーンマスク
2a:スクリーンマスク開口部
3:ペースト材料
3a:未充填部
11:ステージ
12:ステージ駆動部
13a、13b:スキージ
14:スキージ駆動部
15:検査器
15a:カメラ
15b:距離計測センサー
16:検査器駆動部
17:警報器
18:操作部
19:制御部
20:スクリーンマスク移動機構
100、200、300,400:スキージ印刷装置
2:スクリーンマスク
2a:スクリーンマスク開口部
3:ペースト材料
3a:未充填部
11:ステージ
12:ステージ駆動部
13a、13b:スキージ
14:スキージ駆動部
15:検査器
15a:カメラ
15b:距離計測センサー
16:検査器駆動部
17:警報器
18:操作部
19:制御部
20:スクリーンマスク移動機構
100、200、300,400:スキージ印刷装置
Claims (12)
- 基板上にスクリーンマスクを当接させて配置するスクリーンマスク設置工程と、スキージを摺動して、スクリーンマスク上に付与されたペースト材料をスクリーンマスク開口部に塗布する塗布工程とを含むスキージ印刷方法において、
前記塗布工程後に、前記スクリーンマスクと前記基板を接触させたままの状態で、前記スクリーンマスク開口部を通して前記基板が見えるかどうかを検出可能な検査器によって検査し、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されているか否かを判定する検査工程を有することを特徴とするスキージ印刷方法。 - 前記検査工程において、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分が発見された場合は、前記スクリーンマスクと前記基板を接触させたままの状態で、前記塗布工程と前記検査工程とを、予め設定された回数を上限にして、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分がなくなるまで繰り返して行う請求項1記載のスキージ印刷方法。
- 前記予め設定された回数まで、前記塗布工程と前記検査工程とを繰り返しても、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分がなくならなかった場合は、作業者に異常を知らせるための警報を発する請求項2記載のスキージ印刷方法。
- 前記検査器が、カメラである請求項1〜3のいずれか1つに記載のスキージ印刷方法。
- 前記検査器が、距離計測センサーである請求項1〜3のいずれか1つに記載のスキージ印刷方法。
- 前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料を充填した後に、前記スクリーンマスクから前記基板を離間し、前記スクリーンマスクが検査の妨げにならないように前記スクリーンマスク又は前記基板を移動させて、該基板上にスキージ印刷された前記ペースト材料の印刷状態を前記検査器によって検査する請求項1〜5のいずれか1つに記載のスキージ印刷方法。
- 印刷すべき基板を載置するステージと、該ステージ上に載置された基板上に接離可能に配置されるスクリーンマスクと、該スクリーンマスク上を摺動して前記スクリーンマスク上に付与されたペースト材料をスクリーンマスク開口部に塗布するスキージとを備えたスキージ印刷装置において、
前記スクリーンマスクを前記基板上に当接させて配置し、前記スキージを摺動させて前記ペースト材料を前記スクリーンマスク開口部に充填させた後、前記スクリーンマスクと前記基板を接触させたままの状態で、前記スクリーンマスク開口部を通して前記基板が見えるかどうかを検出する検査器を有することを特徴とするスキージ印刷装置。 - 前記検査器により、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分が発見された場合は、前記スクリーンマスクと前記基板を接触させたままの状態で、前記スキージを摺動させて前記ペースト材料を充填する塗布工程と、前記検査器による検査工程とを、予め設定された回数を上限にして、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分がなくなるまで繰り返して行わせる制御手段を有している請求項7記載のスキージ印刷装置。
- 前記予め設定された回数まで、前記塗布工程と前記検査工程とを繰り返しても、前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料が充填されていない部分がなくならなかった場合は、作業者に異常を知らせるための警報を発する警報手段を有している請求項8記載のスキージ印刷装置。
- 前記検査器が、カメラである請求項7〜9のいずれか1つに記載のスキージ印刷装置。
- 前記検査器が、距離計測センサーである請求項7〜9のいずれか1つに記載のスキージ印刷装置。
- 前記スクリーンマスク開口部に前記ペースト材料を充填した後に、前記スクリーンマスクから前記基板を離間し、該基板上にスキージ印刷された前記ペースト材料の印刷状態を前記検査器によって検査する際に、前記スクリーンマスクが検査の妨げにならないように前記スクリーンマスク又は前記基板を移動させるための移動機構を有する請求項7〜11のいずれか1つに記載のスキージ印刷装置。
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JP2014220145A JP2016086144A (ja) | 2014-10-29 | 2014-10-29 | スキージ印刷方法及びその装置 |
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2014
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