JP2016085770A - 両面光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性に優れた両面光記録媒体、及び反りを抑えた良好な両面光記録媒体を高い生産性で得ることのできる両面光記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】この両面光記録媒体は、一体成形された本基板と、本基板の両面に各々形成され、本基板の側と反対側からの成膜によって形成された、光学的な記録再生層を含む複数の層とを具備する。この両面光記録媒体の製造方法は、本基板を準備する工程と、仮基板の一方の面に少なくとも光学的な記録層を含む複数の層が本基板の側と反対側の層から順に成膜された積層体担持体を作製する工程と、本基板の両面に積層体担持体の仮基板の逆側の面を各々接着し、積層体担持体から仮基板を剥離する工程とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】この両面光記録媒体は、一体成形された本基板と、本基板の両面に各々形成され、本基板の側と反対側からの成膜によって形成された、光学的な記録再生層を含む複数の層とを具備する。この両面光記録媒体の製造方法は、本基板を準備する工程と、仮基板の一方の面に少なくとも光学的な記録層を含む複数の層が本基板の側と反対側の層から順に成膜された積層体担持体を作製する工程と、本基板の両面に積層体担持体の仮基板の逆側の面を各々接着し、積層体担持体から仮基板を剥離する工程とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば基板の両面に光学的な記録再生層が設けられた両面光記録媒体及びその製造方法に関する。
DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(登録商標)などの光記録媒体の大容量化を目的として、記録層を多層(複数層)にしたり、両面に記録層を設ける方法などが知られている。
両面に記録層を設けた光記録媒体としては、例えば、物理フォーマットが同一の2枚のディスクの基板同士を接着層を介して互いに貼り合わせた両面ディスク構造などが知られる(例えば、特許文献1等)。
また近年、記録層から分離した層に設けられたガイドトラックを用いてトラッキングが行われるガイド層分離型の多層光記録媒体の開発も行われている。この種の多層光記録媒体は、記録層からトラッキングのために必要なランドグループ構造を排除できる。このため、記録層を平坦な層として形成すればよく、多層光記録媒体の製造歩留りを大幅に向上させることができるとされている(例えば、特許文献2等)。
CD、DVD、ブルーレイディスク(登録商標)などの流通型の光記録媒体の厚さは1.2mmとされている。これらの流通型の光記録媒体に対する記録再生をサポートしつつ両面光記録媒体や両面多層光記録媒体にも対応するマルチ型の光記録再生装置を想定した場合、それらの光記録媒体の厚さも流通型の光記録媒体と同じ程度にすることが求められる。例えば、厚さの上限は1.4mmとすることが求められている。これ以上厚くなると、例えば、光記録媒体の駆動機構に対するチャッキング構造などのメカニカルな構造の設計変更をはじめ、様々な光学系の設計変更なども発生し、開発コストが大幅に増大することが予想されるからである。
しかしながら、1.4mmの厚さの両面光記録媒体や両面多層光記録媒体を製造しようとすると、記録のための積層体に厚さが奪われる分基板の厚さが薄くなり、基板の強度不足によって成膜プロセス上の基板のハンドリング性が低下し、生産性の低下、製造コストの増大等を招く。増して、ガイド層分離型の多層光記録媒体の場合には、ガイド層の厚さが加わることによって、基板に割り当てられる厚さは益々小さくなる。
例えば、ガイド層分離型の両面光記録媒体の典型的な製造方法のひとつとして、片面にガイド層及び記録機能層の各層が成膜された基板どうしを貼り合せる方法が考えられる。しかし、この方法によると、貼り合わせ前の個々の基板の厚さは、完成された両面光記録媒体の基板の厚さの半分である。ガイド層と記録機能層の厚さに0.3mmを必要とすると、完成された両面光記録媒体の基板の厚さは0.8mmであり、貼り合わせ前の個々の基板の厚さは0.4mmとなる。0.4mm程度の厚さの基板では強度不足によって、例えば、スピンコート時に基板を水平に支持する際に基板が大きく撓み、均一な厚さで成膜することが困難になる。基板に上記の反りを打ち消すための初期歪みを与えたり、基板の撓みを抑制するための特別な押さえ構造を採用したりするなどの対策も考えられるが、そのための管理が非常に面倒になり、生産コストがやはり増大してしまう。
ガイド層分離型の両面光記録媒体の他の典型的な製造方法として、厚さ0.8mmの基板に対し、片面ずつ、ガイド層及び記録機能層の各層を成膜する方法が考えられる。しかしこの方法によっても、片面での成膜が繰り返されるので、基板は同じ向きの荷重を継続して受けることによって撓む可能性がある。そこで、成膜対象の面を、より短い時間の周期で交互に切り替える方法も考えられるが、切り替えのための工程が増えるため、やはりコストを増大させる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、生産性に優れた両面光記録媒体、及び反りを抑えた良好な両面光記録媒体を高い生産性で得ることのできる両面光記録媒体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る両面光記録媒体は、一体成形された本基板と、前記本基板の両面に形成され、各々、前記本基板の側と反対側からの成膜によって形成された光学的な記録再生層を含む複数の層とを具備する。
前記複数の層は、前記記録再生層に対する情報の光学的な記録および再生の少なくとも一方のためのトラッキング制御に用いられるガイドトラックを形成するガイドトラック形成層を含むガイド層をさらに有するものであってよい。
前記ガイド層は、前記本基板の面と、前記ガイドトラック形成層のガイドトラック形成面とを互いに接着する接着層をさらに有するものであってよい。
前記本基板は、両面に前記記録再生層に対する情報の光学的な記録および再生の少なくとも一方のためのトラッキング制御に用いられる一体成形によるガイドトラックを有するものであってよい。
両面光記録媒体は、前記本基板の前記ガイドトラック形成面と、前記複数の層のうち最も前記本基板よりの層とを互いに接着する接着層をさらに具備するものであってよい。
上記目的を達成するため、本発明の別の形態に係る両面光記録媒体の製造方法は、本基板を準備し、仮基板の一方の面に少なくとも光学的な記録層を含む複数の層が前記本基板の側と反対側の層から順に成膜された積層体担持体を作製し、前記本基板の両面に前記積層体担持体の前記仮基板の逆側の面を各々接着し、前記積層体担持体から前記仮基板を剥離することによって両面光記録媒体を製造する。
前記積層体担持体を作製する工程は、前記仮基板の一方の面に、少なくとも光学的な記録層を含む複数の層とガイドトラックを有するガイド層が前記本基板の側と反対側の層から順に成膜された積層体担持体を作製するものであってよい。
前記本基板を準備する工程が、両面にガイドトラックを有する本基板を一体成形する工程を有するものであってよい。
本発明によれば、生産性に優れた両面光記録媒体、及び反りを抑えた良好な両面光記録媒体を高い生産性で得ることができる。
なお、本発明の効果は上記に限定されない。明細書中に記載されるそのほかの様々な効果も得られる。
なお、本発明の効果は上記に限定されない。明細書中に記載されるそのほかの様々な効果も得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明に係る第1の実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体の構成について説明し、続いて、このガイド層分離型の両面光記録媒体を製造する方法を説明する。なお、ここでは、ガイド層分離型の両面光記録媒体について説明するが、本発明はガイド層分離型であることや、片面側に複数の記録再生層が設けられた多層型のものであることに限定されるものではない。
<第1の実施形態>
まず、本発明に係る第1の実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体の構成について説明し、続いて、このガイド層分離型の両面光記録媒体を製造する方法を説明する。なお、ここでは、ガイド層分離型の両面光記録媒体について説明するが、本発明はガイド層分離型であることや、片面側に複数の記録再生層が設けられた多層型のものであることに限定されるものではない。
[ガイド層分離型の両面光記録媒体の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガイド層分離型の両面光記録媒体の構成を示す断面図である。
本実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体1は全体として円盤状をなし、中央部には光記録再生装置によるチャッキング用のセンターホール(図示せず)が設けられたものを想定している。しかし、本発明はこのような形のものに限定されない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガイド層分離型の両面光記録媒体の構成を示す断面図である。
本実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体1は全体として円盤状をなし、中央部には光記録再生装置によるチャッキング用のセンターホール(図示せず)が設けられたものを想定している。しかし、本発明はこのような形のものに限定されない。
本実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体1は、一体成形された本基板11と、本基板11の両面に形成され、光学的なガイドトラック10を有する2つのガイド層12、12と、各々のガイド層12、12の上に形成される2つの記録機能層13、13とを具備する。次に、各々の構成について説明する。
(本基板11)
本基板11は、例えばポリカーボネート等の成形可能な樹脂材料からなる。本基板11は、中心部分にチャッキング用のセンターホール(図示せず)を有する例えば円盤状基板である。本基板11の外径は120mm、厚さは0.8mmである。
本基板11は、例えばポリカーボネート等の成形可能な樹脂材料からなる。本基板11は、中心部分にチャッキング用のセンターホール(図示せず)を有する例えば円盤状基板である。本基板11の外径は120mm、厚さは0.8mmである。
(ガイド層12)
図2は本基板11の一方の面側のガイド層12及び記録機能層13の断面図である。
ガイド層12は、渦巻き状もしくは同心円状のガイドトラック10を形成する層である。ガイドトラック10は、記録再生層132への情報の記録再生時に光記録再生装置がトラッキング制御を行うために用いられる。ガイド層12は、より詳細には、表面にガイドトラック10のための溝がスタンパーを用いて成形された例えば紫外線硬化透明樹脂等からなるガイドトラック形成層121と、ガイドトラック10のための溝の凹凸形状にならって略均一な厚さで成膜された反射膜122と、反射膜122と本基板11の面とを接着する例えば紫外線硬化透明接着剤等からなる接着層123で構成される。硬化した紫外線硬化透明接着剤は、記録再生光R1及びガイド光R2に対して透過性を有する。
本基板11の他方の面側のガイド層12も同様の構成を有する。
図2は本基板11の一方の面側のガイド層12及び記録機能層13の断面図である。
ガイド層12は、渦巻き状もしくは同心円状のガイドトラック10を形成する層である。ガイドトラック10は、記録再生層132への情報の記録再生時に光記録再生装置がトラッキング制御を行うために用いられる。ガイド層12は、より詳細には、表面にガイドトラック10のための溝がスタンパーを用いて成形された例えば紫外線硬化透明樹脂等からなるガイドトラック形成層121と、ガイドトラック10のための溝の凹凸形状にならって略均一な厚さで成膜された反射膜122と、反射膜122と本基板11の面とを接着する例えば紫外線硬化透明接着剤等からなる接着層123で構成される。硬化した紫外線硬化透明接着剤は、記録再生光R1及びガイド光R2に対して透過性を有する。
本基板11の他方の面側のガイド層12も同様の構成を有する。
図3はガイドトラック10を光の入射方向より見た平面図である。
図2及び図3に示すように、ガイドトラック10はランド・グルーブ構造を有する。ランドはグルーブ間に形成されたトラックであり、グルーブはランド間に形成されたトラックである。以下の説明では、ガイドトラック10において、光ピックアップの対物レンズ60(図1参照)に近い方のトラックを「グルーブトラック10G」と称し、遠い方のトラックを「ランドトラック10R」と称する。
図2及び図3に示すように、ガイドトラック10はランド・グルーブ構造を有する。ランドはグルーブ間に形成されたトラックであり、グルーブはランド間に形成されたトラックである。以下の説明では、ガイドトラック10において、光ピックアップの対物レンズ60(図1参照)に近い方のトラックを「グルーブトラック10G」と称し、遠い方のトラックを「ランドトラック10R」と称する。
ガイドトラック10は、ランドトラック10Rとグルーブトラック10Gからなるいわゆる「ダブルスパイラルトラック」を構成する。ランドトラック10Rとグルーブトラック10Gは、例えばDVD(Digital Versatile Disk)の記録再生に用いられる赤色レーザ光に対応するトラックピッチ(0.64μm)で形成される。ランドトラック10Rとグルーブトラック10G間のピッチの平均は0.32μmであり、これはガイドトラック10のトラックピッチに相当する。
ガイドトラック10には、側壁面のウォブリングあるいはガイドトラック10のトラック面に形成されたピット列などによって物理アドレス情報が形成されている。
本実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体1を駆動する光記録再生装置は、ランドトラック10Rとグルーブトラック10Gの各々において、例えば、プッシュプル法(PP:Push-Pull)、差動プッシュプル法(DPP:Differential Push-Pull)、3ビーム法などによるトラッキング制御を行う。ランドトラック10Rとグルーブトラック10Gの各々においてトラッキング制御が行われることで、記録機能層13の記録再生層132に対する情報の記録は0.32μmのトラックピッチで行うことが可能である。
反射膜122は、ガイドトラック10の溝の凹凸部の表面に、その凹凸形状にならって略同一の厚さで成膜される。反射膜122は、例えば銀(Ag)やその合金等のように赤色レーザ光に対して反射率の高い金属材料のスパッタ膜で形成される。反射膜122の厚さは特に限定されず、例えば20nm〜100nmである。
(記録機能層13)
図2に示したように、記録機能層13は、バッファ層131、記録再生層132(L0)、中間層133、記録再生層132(L1)、中間層133、記録再生層132(L2)、中間層133、記録再生層132(L3)及び保護層134より構成される。これらの層は、ガイド層12の側より上記した順に配置される。本基板11の他方の面側の記録機能層13も同様に構成される。
図2に示したように、記録機能層13は、バッファ層131、記録再生層132(L0)、中間層133、記録再生層132(L1)、中間層133、記録再生層132(L2)、中間層133、記録再生層132(L3)及び保護層134より構成される。これらの層は、ガイド層12の側より上記した順に配置される。本基板11の他方の面側の記録機能層13も同様に構成される。
各層の記録再生層132(L0〜L3)は、例えばブルーレイディスク(登録商標)の記録再生に用いられる波長380〜450nm(本例では405nm)の青色レーザ光に対応するトラックピッチ(0.32μm)で情報の記録が行われる層である。
各層の記録再生層132(L0〜L3)は、記録膜、光学調整膜及び光吸収膜を含む。典型的には、各層の記録再生層132(L0〜L3)は、本基板11側より第1の光学調整膜、光吸収膜、無機記録膜及び第2の光学調整膜の順に配置される。記録再生層132における各層は、典型的にはスパッタリング法で成膜される。
バッファ層131、中間層133及び保護層134は、いずれも記録再生光R1及びガイド光R2に対して透過性を有する樹脂材料で構成される。バッファ層131、中間層133及び保護層134は、いずれも例えばスピンコート法等によって均一な厚さで塗布された後、硬化させた紫外線硬化樹脂材料などで構成されてもよい。
本基板11の片面側のガイド層12と記録機能層13は全体として0.3mmの厚みを有する。図示の例では、4層の記録再生層132を有するが、これに限定さない。0.3mmの厚みの範囲で可及的に多くの記録再生層132を設けてよい。あるいは、記録再生層132を1層としてもよい。
(ガイド層分離型の両面光記録媒体1の製造方法)
次に、本実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体1の製造方法を説明する。
次に、本実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体1の製造方法を説明する。
まず、かかる製造方法の概要から説明する。
本製造方法は、
1.ガイド層分離型の両面光記録媒体1の本基板11を準備する工程と、
2.仮基板15の一方の面に上記のガイドトラック形成層121及び記録機能層13が本基板11の側と反対側の層から順に成膜された積層体担持体16を作製する工程と、
3.本基板11の両面に積層体担持体16のガイドトラック形成層121のガイドトラック面を接着層123を介して接着し、積層体担持体16から仮基板15を剥離することによって、本基板11の両面にガイド層12及び記録機能層13を各々形成する工程と
を有する。
本製造方法は、
1.ガイド層分離型の両面光記録媒体1の本基板11を準備する工程と、
2.仮基板15の一方の面に上記のガイドトラック形成層121及び記録機能層13が本基板11の側と反対側の層から順に成膜された積層体担持体16を作製する工程と、
3.本基板11の両面に積層体担持体16のガイドトラック形成層121のガイドトラック面を接着層123を介して接着し、積層体担持体16から仮基板15を剥離することによって、本基板11の両面にガイド層12及び記録機能層13を各々形成する工程と
を有する。
以下、各々の工程について詳細に説明する。
[本基板11を準備する工程]
本基板11は、例えばポリカーボネート等の成形可能な樹脂材料から、典型的な樹脂成形装置を用いて一体成形される。この例では、図4に示すように、本基板11の両面は平坦面であってよい。本基板11の厚さは0.8mmである。但し、本発明はこれに限定されない。
本基板11は、例えばポリカーボネート等の成形可能な樹脂材料から、典型的な樹脂成形装置を用いて一体成形される。この例では、図4に示すように、本基板11の両面は平坦面であってよい。本基板11の厚さは0.8mmである。但し、本発明はこれに限定されない。
[積層体担持体16を作製する工程]
図5は積層体担持体16を示す断面図である。
この積層体担持体16を作製する工程は、仮基板15を準備する工程と、仮基板15の片面に記録機能層13及びガイドトラック形成層121からなる積層体を成膜して積層体担持体16を得る工程と含む。
図5は積層体担持体16を示す断面図である。
この積層体担持体16を作製する工程は、仮基板15を準備する工程と、仮基板15の片面に記録機能層13及びガイドトラック形成層121からなる積層体を成膜して積層体担持体16を得る工程と含む。
仮基板15は、積層体担持体16の記録機能層13及びガイドトラック形成層121が本基板11の面に接着層123を介して接着された後、記録機能層13(保護層134)との界面で引き剥がすことができるように、剥離性に優れた材料から作製される。仮基板15は、例えば、典型的な樹脂成形装置を用いて成形されてもよい。本例では、厚さが1.1mmの仮基板を採用したが、仮基板15は、その面への記録機能層13の各層およびガイドトラック形成層121の成膜プロセスにおいて反りが発生しないもしくは略発生しないような強度が得られる厚さを有するものであればよい。したがって、その条件を満たせば、厚さは1.1mmよりも薄くても厚くてもかまわない。
仮基板15の準備が完了すると、次に、仮基板15の一方の面に記録機能層13が積層される。このとき記録機能層13を構成する各層の成膜順は、典型的な製造プロセスに対して逆となる。例えば、4層の記録再生層132を得る場合、まず保護層134が形成され、続いて記録再生層132(L3)、中間層133、記録再生層132(L2)、中間層133、記録再生層132(L1)、中間層133、記録再生層132(L0)、バッファ層131の順に成膜される。すなわち、各層は本基板11の側と反対側の層から順に成膜される。
各々の記録再生層132を構成する記録膜、光学調整膜及び光吸収膜についても同様に、典型的な製造プロセスに対して逆の順番で成膜される。
次に、記録機能層13において最後に形成されたバッファ層131の表面にガイドトラック形成層121が形成される。ガイドトラック形成層121は表面に渦巻き状もしくは同心円状のガイドトラック10のための溝が形成された層である。このようなガイドトラック形成層121は、例えば、次のようにして得ることができる。
スピンコート法により、仮基板15を回転させながら記録機能層13のバッファ層131の面に紫外線硬化樹脂が滴下されることによって均一の厚さに紫外線硬化樹脂が塗布される。ガイドトラック形成用のスタンパーのスタンプ面を紫外線硬化樹脂の塗布面に密着させながら、その密着面に紫外線が照射される。紫外線硬化樹脂が硬化した後、透明スタンパーが剥離されることによって、表面にガイドトラック10のための溝が設けられたガイドトラック形成層121が得られる。
この後、スパッタ法により、ガイドトラック形成層121のガイドトラック10のための溝の凹凸面に凹凸形状にならって略均一な厚さで反射膜122が成膜される。
以上により、図5に示した積層体担持体16が完成する。
以上により、図5に示した積層体担持体16が完成する。
なお、渦巻き状のガイドトラック10を採用する場合、本基板11の両面に貼り付けられる積層体担持体16のガイドトラック10の渦巻きの向きは互いに逆向きとなる。
[本基板11の両面にガイド層12及び記録機能層13を各々形成する工程]
図6は、本基板11の一方の面に積層体担持体16が接着された状態を示す断面図である。
図6は、本基板11の一方の面に積層体担持体16が接着された状態を示す断面図である。
スピンコート法により、本基板11を回転させながら本基板11の上向きになっている側の一方の面に紫外線硬化接着剤が滴下されることによって均一の厚さに紫外線硬化接着剤が塗布される。ここで、使用される紫外線硬化接着剤は紫外線硬化後に光学的に透明となるものである。
積層体担持体16のガイドトラック形成層121のガイドトラック形成面を紫外線硬化接着剤の塗布面に密着させながら、その密着面に紫外線が照射される。これにより本基板11の一方の面に、積層体担持体16のガイドトラック形成層121のガイドトラック形成面が紫外線硬化接着剤による接着層123を介して接着される。
そして、図7に示すように、本基板11の他方の面にも、同様のプロセスによって、積層体担持体16が接着される。
最後に、図8に示すように、本基板11の両面に各々接着された積層体担持体16、16から各々の仮基板15、15が剥離される。これにより、目的のガイド層分離型の両面光記録媒体1が得られる。
(第1の実施形態の製造方法の効果)
本実施形態の製造方法では、積層体担持体16の仮基板15として、少なくとも本基板11よりも強度の高いものを使用することによって、ガイド層12及び記録機能層13の成膜を、成膜対象面に過度な反りが生じていない条件下で良好に行うことができる。
本実施形態の製造方法では、積層体担持体16の仮基板15として、少なくとも本基板11よりも強度の高いものを使用することによって、ガイド層12及び記録機能層13の成膜を、成膜対象面に過度な反りが生じていない条件下で良好に行うことができる。
また、積層体担持体16が多少反ってしまったとしても、本基板11の両面に接着される2つの積層体担持体16の反りの向きは互いに対称的な関係になるため、2つの積層体担持体16の反りの状態が本基板11に影響することは殆ど無い。したがって、ガイド層分離型の両面光記録媒体1に反りが生じない。
これにより、ガイド層分離型の両面光記録媒体1の全体の厚さとして1.4mm、本基板11の厚さとして0.8mmしか確保できない条件においても、反りを抑えた良好なガイド層分離型の両面光記録媒体1を高い生産性で得ることができる。
さらに、仮基板15として、再利用可能な材料を使用することによって、生産コストの増大を抑えられる。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体1の製造方法を説明する。
次に、本発明に係る第2の実施形態のガイド層分離型の両面光記録媒体1の製造方法を説明する。
本製造方法は、
1A.両面にガイドトラック10の溝が設けられた本基板11Aを準備する工程と、
2A.仮基板15の一方の面に記録機能層13を構成する各層が本基板11の側の反対側の層から順に成膜された積層体担持体16Aを作製する工程と、
3A.本基板11Aのガイドトラック10の溝が設けられた両面に、積層体担持体16Aのバッファ層131の形成側の面を接着層123Aを介して接着し、積層体担持体16Aから仮基板15を剥離することによって、本基板11Aの両面にガイド層12A及び記録機能層13を各々形成する工程と
を有する。
1A.両面にガイドトラック10の溝が設けられた本基板11Aを準備する工程と、
2A.仮基板15の一方の面に記録機能層13を構成する各層が本基板11の側の反対側の層から順に成膜された積層体担持体16Aを作製する工程と、
3A.本基板11Aのガイドトラック10の溝が設けられた両面に、積層体担持体16Aのバッファ層131の形成側の面を接着層123Aを介して接着し、積層体担持体16Aから仮基板15を剥離することによって、本基板11Aの両面にガイド層12A及び記録機能層13を各々形成する工程と
を有する。
なお、この実施形態におけるガイド層12Aは、本基板11Aのガイドトラック形成面と積層体担持体16Aのバッファ層131の形成側の面とを接着する接着層123Aの部分を言う。
以下、各々の工程について詳細に説明する。
[本基板11Aを準備する工程]
図9は、第2の実施形態の製造方法で用いられる本基板11Aの断面図である。
同図に示すように、本基板11Aの両面にはガイドトラック10の溝が設けられている。この本基板11Aは、例えばポリカーボネート等の成形可能な樹脂材料から、ガイドトラック形成用のスタンパーを用いた樹脂成形装置を用いて一体成形される。本基板11Aの厚さは0.8mmである。
図9は、第2の実施形態の製造方法で用いられる本基板11Aの断面図である。
同図に示すように、本基板11Aの両面にはガイドトラック10の溝が設けられている。この本基板11Aは、例えばポリカーボネート等の成形可能な樹脂材料から、ガイドトラック形成用のスタンパーを用いた樹脂成形装置を用いて一体成形される。本基板11Aの厚さは0.8mmである。
続いて、スパッタ法により、本基板11Aの両面のガイドトラック10のための溝の凹凸面に凹凸形状にならって略均一な厚さで反射膜122が成膜される。
以上で、本基板11Aの準備が完了する。
以上で、本基板11Aの準備が完了する。
[積層体担持体16Aを作製する工程]
図10は積層体担持体16Aを示す断面図である。
積層体担持体16Aを作製する工程は、仮基板15を準備する工程と、仮基板15の一方の面に記録機能層13を成膜して積層体担持体16Aを得る工程と含む。
図10は積層体担持体16Aを示す断面図である。
積層体担持体16Aを作製する工程は、仮基板15を準備する工程と、仮基板15の一方の面に記録機能層13を成膜して積層体担持体16Aを得る工程と含む。
仮基板15は、積層体担持体16Aの記録機能層13が本基板11Aのガイドトラック形成面に接着層123Aを介して接着された後、記録機能層13(保護層134)との界面で引き剥がすことができるように、剥離性に優れた材料から作製される。
仮基板15の準備が完了すると、次に、仮基板15の一方の面に記録機能層13が積層される。このとき記録機能層13を構成する各層の成膜順は、典型的な製造プロセスに対して逆となる。例えば、4層の記録再生層132を得る場合、まず保護層134が形成され、続いて記録再生層132(L3)、中間層133、記録再生層132(L2)、中間層133、記録再生層132(L1)、中間層133、記録再生層132(L0)、バッファ層131の順に積層される。すなわち、各層は本基板11Aの側と反対側の層から順に成膜される。
各々の記録再生層132を構成する記録膜、光学調整膜及び光吸収膜についても同様に、典型的な製造プロセスに対して逆の順番で成膜される。
以上により、積層体担持体16Aが得られる。
以上により、積層体担持体16Aが得られる。
[本基板11Aの両面にガイド層12A及び記録機能層13を各々形成する工程]
図11は、本基板11Aの一方のガイドトラック形成面に積層体担持体16Aが接着された状態を示す断面図である。
図11は、本基板11Aの一方のガイドトラック形成面に積層体担持体16Aが接着された状態を示す断面図である。
スピンコート法により、本基板11Aを回転させながら本基板11Aの上向きになっている側の一方のガイドトラック形成面に紫外線硬化接着剤が滴下されることによって均一の厚さに紫外線硬化接着剤が塗布される。積層体担持体16Aのバッファ層131の側の面を紫外線硬化接着剤の塗布面に密着させながら、紫外線を照射される。これにより本基板11Aの一方のガイドトラック形成面に、積層体担持体16Aのバッファ層131の側の面が紫外線硬化接着剤による接着層123Aを介して接着される。
そして図12に示すように、本基板11Aの他方のガイドトラック形成面にも同様の手順で積層体担持体16Aが接着層123Aを介して接着される。
最後に、図13に示すように、本基板11Aの両面に各々接着された積層体担持体16Aから各々の仮基板15、15が剥離される。これにより、目的のガイド層分離型の両面光記録媒体1が得られる。
(第2の実施形態の製造方法の効果)
本実施形態の製造方法によっても、第1の実施形態の製造方法と同様に、積層体担持体16Aの仮基板15として、少なくとも本基板11Aよりも強度の高いものを使用することによって、記録機能層13の成膜を、成膜対象面に過度な反りが生じていない条件下で良好に行うことができる。
本実施形態の製造方法によっても、第1の実施形態の製造方法と同様に、積層体担持体16Aの仮基板15として、少なくとも本基板11Aよりも強度の高いものを使用することによって、記録機能層13の成膜を、成膜対象面に過度な反りが生じていない条件下で良好に行うことができる。
また、積層体担持体16Aが多少反ってしまったとしても、本基板11Aの両面に接着される2つの積層体担持体16Aの反りの向きは互いに対称的な関係になるため、2つの積層体担持体16Aの反りの状態が本基板11Aに影響することは殆ど無い。したがって、ガイド層分離型の両面光記録媒体1に反りが生じない。
これにより、ガイド層分離型の両面光記録媒体1の全体の厚さとして1.4mm、本基板11Aの厚さとして0.8mmしか確保できない条件においても、反りを抑えた良好なガイド層分離型の両面光記録媒体1を高い生産性で得ることができる。
仮基板15として、再利用可能な材料を使用することによって、生産コストの増大を抑えられる。
以上の実施形態では、ガイド層分離型の両面光記録媒体について説明したが、本発明は、記録再生層毎にトラッキング用のトラックが設けられた非ガイド層分離型の両面光記録媒体にも適用可能である。
さらに、本発明は、本基板の片面側の記録機能層が複数の記録再生層を有する両面多層光記録媒体のみならず、片面側の記録機能層が単一の記録再生層を構成する複数の層で構成される両面光記録媒体にも適用することができる。
1…両面光記録媒体
10…ガイドトラック
11、11A…本基板
12、12A…ガイド層
13…記録機能層
15…仮基板
16,16A…積層体担持体
121…ガイドトラック形成層
122…反射膜
123、123A…接着層
131…バッファ層
132…記録再生層
133…中間層
134…保護層
10…ガイドトラック
11、11A…本基板
12、12A…ガイド層
13…記録機能層
15…仮基板
16,16A…積層体担持体
121…ガイドトラック形成層
122…反射膜
123、123A…接着層
131…バッファ層
132…記録再生層
133…中間層
134…保護層
Claims (8)
- 一体成形された本基板と、
前記本基板の両面に各々形成され、前記本基板の側と反対側からの成膜によって形成された光学的な記録再生層を含む複数の層と
を具備する両面光記録媒体。 - 請求項1に記載の両面光記録媒体であって、
前記複数の層は、前記記録再生層に対する情報の光学的な記録および再生の少なくとも一方のためのトラッキング制御に用いられるガイドトラックを形成するガイドトラック形成層を含むガイド層を
さらに有する両面光記録媒体。 - 請求項2に記載の両面光記録媒体であって、
前記ガイド層は、前記本基板の面と、前記ガイドトラック形成層のガイドトラック形成面とを互いに接着する接着層を
さらに具備する両面光記録媒体。 - 請求項1に記載の両面光記録媒体であって、
前記本基板は、両面に前記記録再生層に対する情報の光学的な記録および再生の少なくとも一方のためのトラッキング制御に用いられる一体成形によるガイドトラックを有する
両面光記録媒体。 - 請求項4に記載の両面光記録媒体であって、
前記本基板の前記ガイドトラック形成面と、前記複数の層のうち最も前記本基板よりの層とを互いに接着する接着層を
さらに具備する両面光記録媒体。 - 本基板を準備し、
仮基板の一方の面に少なくとも光学的な記録層を含む複数の層が前記本基板の側と反対側の層から順に成膜された積層体担持体を作製し、
前記本基板の両面に前記積層体担持体の前記仮基板の逆側の面を各々接着し、前記積層体担持体から前記仮基板を剥離することによって両面光記録媒体を作製する
両面光記録媒体の製造方法。 - 請求項6に記載の両面光記録媒体の製造方法であって、
前記積層体担持体を作製する工程は、前記仮基板の一方の面に、少なくとも光学的な記録層を含む複数の層とガイドトラックを有するガイド層が前記本基板の側と反対側の層から順に成膜された積層体担持体を作製する
両面光記録媒体の製造方法。 - 請求項6に記載の両面光記録媒体の製造方法であって、
前記本基板を準備する工程が、両面にガイドトラックを有する本基板を一体成形する工程を有する
両面光記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014217250A JP2016085770A (ja) | 2014-10-24 | 2014-10-24 | 両面光記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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JP2016085770A true JP2016085770A (ja) | 2016-05-19 |
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ID=55971848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014217250A Pending JP2016085770A (ja) | 2014-10-24 | 2014-10-24 | 両面光記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2014
- 2014-10-24 JP JP2014217250A patent/JP2016085770A/ja active Pending
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