JP2016085057A - 座標測定装置 - Google Patents

座標測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016085057A
JP2016085057A JP2014216284A JP2014216284A JP2016085057A JP 2016085057 A JP2016085057 A JP 2016085057A JP 2014216284 A JP2014216284 A JP 2014216284A JP 2014216284 A JP2014216284 A JP 2014216284A JP 2016085057 A JP2016085057 A JP 2016085057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
unit
calculated
displayed
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014216284A
Other languages
English (en)
Inventor
達郎 若井
Tatsuro Wakai
達郎 若井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keyence Corp
Original Assignee
Keyence Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keyence Corp filed Critical Keyence Corp
Priority to JP2014216284A priority Critical patent/JP2016085057A/ja
Publication of JP2016085057A publication Critical patent/JP2016085057A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • A Measuring Device Byusing Mechanical Method (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

【課題】正確な測定を容易に行うことを可能にする座標測定装置を提供する。【解決手段】主撮像部130によりプローブ140の複数の発光部が撮像される。主撮像部130による撮像の結果に基づいて、測定対象物Sとプローブ140の接触部との接触位置が測定位置として順次算出される。また、算出されたm(mは自然数)個以上の測定位置に基づいて、測定要素が算出される。算出された複数の測定位置にそれぞれ対応する複数の指標が表示部160に表示される。m個よりも多いn個(nは自然数)の測定位置に基づいて測定要素が算出された場合、測定要素に対するn個の測定位置の偏差が算出される。n個の測定位置のうち最大の偏差を有する測定位置に対応する指標が他の測定位置に対応する指標から識別可能に表示部160に表示される。【選択図】図2

Description

本発明は、接触式の座標測定装置に関する。
接触式の座標測定装置には、接触部を有するプローブが設けられる。測定対象物にプローブの接触部が接触され、測定対象物と接触部との接触位置が算出される。測定対象物上の複数の位置が算出されることにより、測定対象物の所望の部分の寸法が測定される。
特許文献1には、データプロセッサ、接触プローブおよび角度センサを備えた空間座標の逐点式測定システムが記載されている。接触プローブには、接触点に加えて、複数の点光源が設けられる。角度センサは、測定対象物の本質的な部分を観測可能でかつ接触プローブの複数の点光源を観測可能に設けられる。
角度センサから各光源に向かう空間的方向が記録される。記録された空間的方向に基づいて、角度センサに関する接触プローブの位置と方向とがデータプロセッサにより算出される。接触プローブの位置が接触点の位置および測定対象物の位置に関係付けられる。
特表平6−511555号公報
特許文献1の逐点式測定システムを用いることにより、複数の測定対象物の各々について予め設定された測定対象部分の寸法を測定することができる。それにより、複数の測定対象物の品質管理が可能になる。
しかしながら、熟練していない測定作業者が複数の測定対象物を測定する場合、複数の測定対象物について実際に測定される箇所のばらつきをなくすことは難しい。また、熟練した測定作業者であっても、測定対象部分が測定対象物の外観上認識されにくい場合には、正確な作業が難しい。このように、測定対象物の形状測定は、熟練を要するとともに正確な作業が難しい。
本発明の目的は、正確な測定を容易に行うことを可能にする座標測定装置を提供することである。
(1)本発明に係る光学式座標測定装置は、複数のマーカを有するとともに測定対象物に接触される接触部を有するプローブと、プローブの複数のマーカを撮像する撮像部と、撮像部による撮像の結果に基づいて、測定対象物と接触部との接触位置を測定位置として順次算出し、m個(mは自然数)以上の測定位置を用いて特定可能な測定要素を、算出されたm個以上の測定位置に基づいて算出する算出部と、算出部により算出された複数の測定位置にそれぞれ対応する複数の指標を表示する表示部とを備え、算出部は、m個よりも多いn個(nは自然数)の測定位置に基づいて測定要素を算出した場合、測定要素に対するn個の測定位置の偏差を算出し、n個の測定位置のうち最大の偏差を有する測定位置に対応する指標を他の測定位置に対応する指標から識別可能に表示部に表示させる。
この光学式座標測定装置においては、撮像部によりプローブの複数のマーカが撮像される。撮像部による撮像の結果に基づいて、測定対象物とプローブの接触部との接触位置が測定位置として順次算出される。また、算出されたm個(mは自然数)以上の測定位置に基づいて、測定要素が算出される。算出された複数の測定位置にそれぞれ対応する複数の指標が表示部に表示される。
ここで、測定要素は、m個以上の測定位置を用いて特定可能である。そのため、m個よりも多いn個の測定位置が算出された場合には、算出されたn個の測定位置のうち少なくとも1個の測定位置を用いなくても、測定要素を特定することができる。そこで、n個の測定位置に基づいて測定要素が算出された場合には、測定要素に対するn個の測定位置の偏差が算出される。n個の測定位置のうち最大の偏差を有する測定位置に対応する指標が他の測定位置に対応する指標から識別可能に表示部に表示される。
この構成によれば、使用者は、n個の測定位置のうち測定要素に対して最大の偏差を有する測定位置を容易に認識することができる。また、使用者は、n個の測定位置のうち最大の偏差を有する測定位置を測定要素の算出に用いるか否かを判断することができる。当該測定位置を用いずに測定要素の算出を再度行なうことにより、測定要素の正確性が向上する。これにより、測定対象物の正確な測定を容易に行うことができる。
(2)算出部は、n個の測定位置に基づいて測定要素を算出した場合、最大の偏差を有する測定位置を除く他の測定位置に基づいて測定要素を再度算出してもよい。この場合、より正確な測定要素を容易に算出することができる。
(3)プローブは、接触部と一定の位置関係を有する仮想点を有し、接触部は部分的な球形状を有し、算出部は、撮像部による撮像の結果に基づいてプローブの接触部の中心の位置を暫定的な測定位置である暫定位置として順次算出するとともに仮想点の位置を順次算出し、m個以上の暫定位置に基づいて暫定的な測定要素である暫定要素を算出し、算出された複数の仮想点の位置に基づいて暫定要素を接触部の半径分補正することにより測定要素を算出してもよい。
この場合、暫定位置が順次算出されるとともに、プローブの仮想点の位置が順次算出される。算出されたm個以上の暫定位置に基づいて暫定要素が算出される。算出された複数の仮想点の位置に基づいて暫定要素が、部分的な球形状を有する接触部の半径分補正されることにより測定要素が算出される。
この構成によれば、使用者は、測定要素の算出手順において、暫定要素を補正する方向を決定するための操作を別個に行なう必要がない。これにより、使用者の操作負担を低減することができる。また、算出部は、暫定要素を補正する方向を決定するための操作が行なわれるまで待機する必要がないので、測定要素の算出を短時間で行なうことができる。
(4)算出部は、算出された複数の仮想点の位置の演算により補正基準位置を算出し、算出された補正基準位置に基づいて暫定要素の補正すべき方向を決定し、暫定要素を決定された方向に接触部の半径分補正させることにより測定要素を算出してもよい。
この場合、暫定要素の補正すべき方向は、複数の仮想点の位置の演算による補正基準位置に基づいて決定される。そのため、複数の仮想点が算出される際のプローブの姿勢にばらつきがある場合であっても、暫定要素の補正すべき方向がばらつく可能性を低減することができる。これにより、測定対象物の正確な測定を行うことができる。
(5)補正基準位置は、算出された複数の仮想点の位置の平均の位置であってもよい。この場合、補正基準位置を容易に算出することができる。
(6)光学式座標測定装置は、測定要素の算出が不能であった場合の原因を示す複数の第1の原因情報を記憶する第1の記憶部をさらに備え、算出部は、測定要素の算出が不能であった場合、算出の不能の原因を判定し、判定された原因に対応する第1の原因情報を第1の記憶部から取得し、取得された第1の原因情報に基づいて測定要素の算出の不能の原因を表示部に表示させてもよい。
この構成によれば、使用者は、測定要素の算出が不能であった場合、その原因を容易に認識することができる。
(7)第1の記憶部は、複数の第1の原因情報にそれぞれ対応して、測定要素の算出が不能であった場合の解決方法を示す複数の第1の解決情報をさらに記憶し、算出部は、測定要素の算出が不能であった場合、判定された原因に対応する第1の解決情報を第1の記憶部から取得し、取得された第1の解決情報に基づいて測定要素の算出の不能の解決方法を表示部にさらに表示させてもよい。
この構成によれば、使用者は、測定要素の算出が不能であった場合、その解決方法を容易に認識することができる。
(8)光学式座標測定装置は、算出された測定要素の信頼性が低い場合の原因を示す複数の第2の原因情報と、複数の第2の原因情報にそれぞれ対応して、測定要素の信頼性が低い場合の解決方法を示す複数の第2の解決情報とを記憶する第2の記憶部をさらに備え、算出部は、算出された測定要素についての信頼性を示す数値を算出し、算出された数値に基づいて測定要素の信頼性が予め定められた程度よりも低いか否かを判定し、測定要素の信頼性が予め定められた程度よりも低い場合にその原因を判定し、判定された原因に対応する第2の原因情報を第2の記憶部から取得し、取得された第2の原因情報に基づいて測定要素の信頼性が低い原因およびその解決方法を表示部に表示させてもよい。
この構成によれば、使用者は、算出された測定要素の信頼性が低い場合、その原因および解決方法を容易に認識することができる。
(9)光学式座標測定装置は、算出部により算出された測定要素および算出が不能であった測定要素を検索する検索部をさらに備え、検索部は、検索されるべき測定要素に付随する第1の情報を受け付けるとともに、受け付けた第1の情報を有する測定要素を該当測定要素として表示部に表示させてもよい。
この場合、使用者は、検索したい第1の情報を有する該当測定要素を認識することができる。
(10)算出部は、測定要素に固有の識別情報を付与するように構成され、第1の情報は、測定要素の識別情報の少なくとも一部を含み、検索部は、受け付けた識別情報の少なくとも一部を有する測定要素を表示部に表示させてもよい。
この場合、使用者は、検索したい識別情報の少なくとも一部を有する該当測定要素を容易に認識することができる。
(11)算出部は、測定要素の良否を判定するための基準を受け付けるとともに、受け付けた基準に基づいて、算出された測定要素の良否を判定するように構成され、第1の情報は、測定要素の良否の結果を含み、検索部は、受け付けた良否の結果を有する測定要素を表示部に表示させてもよい。
この場合、使用者は、検索したい良否の結果を有する該当測定要素を容易に認識することができる。
(12)検索部は、該当測定要素が他の測定要素を参照して算出される場合には、該当測定要素とともに他の測定要素を表示部に表示させ、さらに他の測定要素が該当測定要素を参照して算出される場合には、該当測定要素とともにさらに他の測定要素を表示部に表示させてもよい。
この場合、使用者は、検索したい第1の情報を有する該当測定要素だけでなく、該当測定要素が参照する測定要素または該当測定要素を参照する測定要素も容易に認識することができる。
(13)算出部は、算出された複数の測定要素のうち複数の任意の測定要素の選択を受け付けるとともに、選択された複数の測定要素を測定マクロとして算出可能に登録してもよい。
この場合、使用者は、汎用性の高い複数の測定要素の組み合わせを容易に登録することができる。そのため、使用者は、複数の測定要素を算出するための操作を逐一行なう必要がない。これにより、使用者の操作負担を低減することができる。
(14)光学式座標測定装置は、選択された測定要素に付随する第2の情報の編集を行なう編集画面を表示部に表示させる編集部をさらに備え、編集部は、同一種類の複数の測定要素が選択された場合には、選択された複数の測定要素に付随する第2の情報の編集を行なう共通の編集画面を表示部に表示させ、共通の編集画面において第2の情報の編集を受け付けた場合には、選択された複数の測定要素に付随する第2の情報を編集後の第2の情報に更新してもよい。
この場合、使用者は、選択した同一種類の複数の測定要素についての第2の情報を一括して編集することができる。
(15)編集部は、測定要素に固有である第2の情報については、共通の編集画面において当該第2の情報の編集の受け付けを禁止してもよい。
この構成によれば、第2の情報が測定要素に固有である場合には、統一されることを防止することができる。
(16)編集部は、共通の編集画面において、選択された複数の測定要素の第2の情報が互いに等しい場合には当該第2の情報を表示し、選択された複数の測定要素のうちいずれかの測定要素の第2の情報が他の測定要素の第2の情報と異なる場合には第2の情報が異なることを認識可能に表示してもよい。
この場合、使用者は、選択した同一種類の複数の測定要素についての第2の情報が全て等しいか否かを容易に認識することができる。
(17)光学式座標測定装置は、使用者により操作される操作装置をさらに備え、操作装置は、測定位置として算出すべきプローブの接触部と測定対象物との接触位置を指定するために操作される指定操作部と、測定要素を特定すべきm個以上の測定位置を確定するために操作される確定操作部と、プローブをポインティングデバイスとして機能させるために操作されるポインティング代替操作部とを含んでもよい。
この場合、操作装置の指定操作部が操作されることにより、測定位置として算出すべきプローブの接触部と測定対象物との接触位置が指定される。また、操作装置の確定操作部が操作されることにより、測定要素を特定すべきm個以上の測定位置が確定される。使用者は、操作装置を操作することにより、算出すべきプローブの接触部と測定対象物との接触位置の指定および測定要素を特定すべきm個以上の測定位置の確定を容易に行なうことができる。
また、操作装置の指定操作部が操作されることにより、プローブがポインティングデバイスとして機能する。そのため、使用者は、算出部に別個に設けられたポインティングデバイスと操作装置との持ち替えを行なう必要がない。これにより、使用者の操作負担を低減することができる。
本発明によれば、測定対象物の正確な測定を容易に行うことが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る座標測定装置の構成を示すブロック図である。 図1の座標測定装置の測定ヘッドの構成を示す斜視図である。 図2の測定ヘッドのプローブの構成を示す斜視図である。 (a)は図3のプローブに設けられるスタイラスの構成を示す側面図であり、(b)は図3のプローブにおけるスタイラスの取り付け構造を説明するための図である。 主撮像部の構成について説明するための図である。 主撮像部と複数の発光部との関係について説明するための模式図である。 表面側から見た操作部の外観斜視図である。 裏面側から見た操作部の外観斜視図である。 図2の表示部に表示される画像の一例を示す図である。 測定対象物の一例を示す図である。 図10の測定対象物における具体的な測定例について説明するための図である。 図10の測定対象物における具体的な測定例について説明するための図である。 図10の測定対象物における具体的な測定例について説明するための図である。 図10の測定対象物における具体的な測定例について説明するための図である。 図10の測定対象物における具体的な測定例について説明するための図である。 最大の偏差を有する測定位置が他の測定位置から識別可能に表示部に表示された例を示す図である。 ダミー点を用いた測定要素の設定を説明するための図である。 撮像画像上に位置図形情報が表示された例を示す図である。 座標測定装置の表示部に表示される初期画面の一例を示す図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 設定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 測定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 測定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 測定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 測定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 測定モードでの座標測定装置の一使用例を説明するための図である。 統計解析モードにおける表示部の一表示例を示す図である。 基準座標系の一設定例を示す模式図である。 基準座標系の一設定例を示す模式図である。 複数種類の測定失敗ダイアログを示す図である。 複数種類の警告ダイアログを示す図である。 (a)は再測定ダイアログの一例を示す図であり、(b)はプローブ警告ダイアログの一例を示す図である。 要素検索画面を示す図である。 測定マクロ登録画面を示す図である。 測定マクロ挿入画面を示す図である。 測定マクロが挿入されたときの測定手順設定画面を示す図である。 個別編集用のパラメータ編集画面を示す図である。 一括編集用のパラメータ編集画面を示す図である。
(1)座標測定装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る座標測定装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1の座標測定装置300の測定ヘッドの構成を示す斜視図である。図3は、図2の測定ヘッド100のプローブの構成を示す斜視図である。図4(a)は図3のプローブ140に設けられるスタイラスの構成を示す側面図であり、図4(b)は図3のプローブ140におけるスタイラスの取り付け構造を説明するための図である。以下、本実施の形態に係る座標測定装置300について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1に示すように、座標測定装置300は、測定ヘッド100および処理装置200を備える。測定ヘッド100は、保持部110、載置台120、主撮像部130、プローブ140、副撮像部150、表示部160、操作部170および制御基板180を含む。
図2に示すように、測定ヘッド100の保持部110は、設置部111およびスタンド部112を含む。設置部111は、水平な平板形状を有し、設置面に設置される。スタンド部112は、設置部111の一方の端部から上方に延びるように設けられる。
設置部111の他方の端部に載置台120が設けられる。載置台120は、例えば光学定盤である。載置台120上には、測定対象物Sが載置される。本例においては、載置台120は略正方形状を有する。載置台120には、互いに直交する2方向に等間隔で並ぶように複数のねじ穴が形成されている。これにより、クランプ部材および固定ねじにより測定対象物Sを載置台120に固定することができる。載置台120は磁性を有していてもよい。この場合、マグネットベース等の磁石を用いた固定部材により測定対象物Sを載置台120に固定することができる。また、載置台120の上面が粘着性を有してもよい。この場合も、測定対象物Sを載置台120に容易に固定することができる。
設置部111の載置台120側の端面には、1または複数の接続端子113が設けられる。図2の例では2つの接続端子113が設けられる。一方の接続端子113とプローブ140とがケーブルにより接続される。また、各接続端子113は制御基板180に電気的に接続される。
スタンド部112と載置台120との間の設置部111の部分には、上方に突出するようにインターフェース部114が形成される。インターフェース部114は制御基板180に電気的に接続される。インターフェース部114には、電源スイッチ114a、動作表示ランプ114bおよびUSB(ユニバーサルシリアルバス)ポート114cが設けられる。
使用者は、処理装置200の図示しないスイッチがオン状態である場合において、電源スイッチ114aをオン状態にすることにより、測定ヘッド100の動作を開始させることができる。動作表示ランプ114bは、例えばLED(発光ダイオード)により構成される。動作表示ランプ114bは、電源スイッチ114aがオン状態であるときに点灯し、オフ状態であるときに消灯する。そのため、使用者は、動作表示ランプ114bを視認することにより、測定ヘッド100が動作中であるか否かを認識することができる。使用者は、USBポート114cに例えばUSBメモリを接続することにより、後述する記憶部210に記憶される情報をUSBメモリに記憶させることができる。また、USBメモリに記憶された情報を記憶部210に記憶させることができる。
スタンド部112の上部に主撮像部130が設けられる。主撮像部130は、スタンド部112の上部に着脱自在に設けられてもよく、スタンド部112に一体的に設けられてもよい。主撮像部130は、撮像素子131(後述する図5)および複数のレンズ132(後述する図5)を含む。本実施の形態においては、撮像素子131は赤外線を検出可能なCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサである。主撮像部130は、予め定められた撮像領域Vから放出される赤外線を検出可能に斜め下方を向くように配置される。
撮像領域Vは、設置部111の載置台120およびその周辺を含む一定の領域である。本実施の形態においては、図1の載置台120および載置台120から図1のプローブ140の全長の寸法分だけ突出した領域が撮像領域Vとして定義されている。なお、プローブ140の全長は、例えば150mm程度である。主撮像部130の各画素からは、検出量に対応するアナログの電気信号(以下、受光信号と呼ぶ)が制御基板180に出力される。
図3に示すように、プローブ140は、筐体部141、把持部142、複数の発光部143、スタイラス144、電源基板145、接続端子146、通知部148およびスタイラス固定部材149を含む。把持部142は、第1の方向D1に延び、筐体部141は第1の方向D1と交差する第2の方向D2に延びる。使用者は、把持部142を把持してプローブ140を操作する。
以下、特に言及しない場合には、プローブ140の上下および前後は、使用者が把持部142を垂直に保持した状態(第1の方向D1が上下方向を向く状態)でのプローブ140の上下および前後を指す。
筐体部141は把持部142の上端部に設けられる。筐体部141の前部分が把持部142の前方に突出し、筐体部141の後部分が把持部142の後方に突出するように、把持部142は筐体部141の下面の中央部から下方に延びる。ここで、第1の方向D1と第2の方向D2とがなす角度を把持部142と筐体部141の前部分とがなす角度φと定義する。本実施の形態では、角度φは鋭角であり、0°よりも大きく90°よりも小さい。
把持部142が垂直に保持された状態において、筐体部141の前端は筐体部141の後端よりも下方に位置し、筐体部141の上面が後端から前端にかけて斜め下方に傾斜する。この場合、使用者は、筐体部141の上面を容易に斜め上方に向けることができる。
本実施の形態では、筐体部141の上面は、前部上面141a、中央部上面141bおよび後部上面141cからなる。前部上面141a、中央部上面141bおよび後部上面141cは、それぞれ第2の方向D2に平行である。また、前部上面141a、中央部上面141bおよび後部上面141cは、第1および第2の方向D1,D2を含む平面に垂直である。前部上面141aおよび後部上面141cは同一の平面上にあり、中央部上面141bは前部上面141aおよび後部上面141cよりも高い平面上にある。
筐体部141の内部には、複数の発光部143を保持するガラス製の保持部材が収容される。筐体部141には、内部の複数の発光部143を露出させるための複数の開口141hが形成される。
図3の例においては、筐体部141内に7個の発光部143が設けられる。筐体部141の前端に3個の発光部143が配置され、中央に2個の発光部143が配置され、後端に2個の発光部143が配置される。筐体部141の前部上面141a、中央部上面141bおよび後部上面141cには、前端の3個の発光部143を露出させるための開口141h、中央の2個の発光部143を露出させるための開口141hおよび後端の2個の発光部143を露出させるための開口141hが形成される。
本例においては、筐体部141の前端の3個の発光部143および後端の2個の発光部143は、同一の平面上に位置するように配置されている。また、中央の2個の発光部143は、他の発光部143が位置する平面よりも高い平面上に位置するように配置されている。
前端の3個の発光部143は前部上面141aから上方に露出するように配置される。中央の2個の発光部143は中央部上面141bから上方に露出するように配置される。後端の2個の発光部143は後部上面141cから上方に露出するように配置される。
各発光部143は、複数のLEDを含む。本例においては、各LEDは赤外LEDであり、各発光部143は定期的に波長860nmの赤外線を放出する。複数の発光部143から放出された赤外線は、筐体部141の複数の開口141hを通って図2の主撮像部130により撮像される。
図2の主撮像部130は、載置台120の斜め上方に位置する。上記のように、使用者は、筐体部141の上面を容易に斜め上方に向けることができる。そのため、主撮像部130は、載置台120上の測定対象物Sの形状測定時に、プローブ140の複数の発光部143から放出される赤外線を効率よく撮像することができる。
筐体部141の前端部から前方に突出するようにスタイラス固定部材149が設けられる。スタイラス固定部材149に、スタイラス144が取り付けられる。図4(a)に示すように、スタイラス144は、接触部144a、軸部144bおよびねじ部144cが一体的に形成された棒状部材である。軸部144bの一端(先端)および他端(後端)にそれぞれ接触部144aおよびねじ部144cが設けられている。接触部144aは球形状を有する。
図4(b)に示すように、スタイラス固定部材149は、取り付け面149a,149b,149cを有する。第2の方向D2が水平となるようにプローブ140が保持された状態で、取り付け面149aは斜め上方に向き、取り付け面149bは斜め下方に向き、取り付け面149cは下方に向くように形成されている。取り付け面149a〜149cには、スタイラス144のねじ部144cを取り付け可能なねじ穴149A,149B,149Cが形成されている。
使用者は、測定対象物Sの形状に応じて、スタイラス144の取り付け位置を取り付け面149a〜149cの間で任意に変更することができる。図3の例では、スタイラス144は、スタイラス固定部材149の取り付け面149bに取り付けられている。
本実施の形態においては、プローブ140にダミー点140Dが設けられる。図4(b)の例では、ダミー点140Dは、ねじ穴149A〜149Cに沿って延びる直線の交点付近に位置する。ダミー点140Dは、測定対象物Sの測定すべき部分(後述する測定要素)の形状を特定するために補助的に用いられる仮想的な点である。詳細は後述する。
図3に示すように、電源基板145は、把持部142の内部に収納され、複数の発光部143および通知部148に電力を供給する。接続端子146は、把持部142の下部に配置される。複数の発光部143および通知部148の動作は、接続端子146に接続されたケーブルを通して図1の制御基板180により制御される。
通知部148は、複数の緑色LEDおよび複数の赤色LEDを含み、筐体部141の上面の後端近傍に配置される。複数の発光部143が主撮像部130(図2)の撮像領域V(図2)内に存在する場合には、通知部148は緑色に発光する。一方、複数の発光部143が主撮像部130の撮像領域V内に存在しない場合には、通知部148は赤色に発光する。それにより、使用者は、複数の発光部143が主撮像部130の撮像領域V内に存在しているか否かを容易に認識することができる。
図2の2つの接続端子113に2つのプローブ140がそれぞれ取り付けられる場合、使用者は、測定対象物Sの形状に応じて、適切な位置に適切な形状を有するスタイラス144が設けられたプローブ140を選択して測定対象物Sの測定を行うことができる。
後述する測定モードでは、使用されるべきプローブ140の複数の発光部143が主撮像部130の撮像領域V(図2)内に存在する場合に当該プローブ140の通知部148が緑色に発光する。一方、使用されるべきプローブ140の複数の発光部143が主撮像部130の撮像領域V内に存在しない場合に当該プローブ140の通知部148が赤色に発光する。このとき、他のプローブ140(使用されるべきでないプローブ140)の通知部148は発光しない。これにより、使用者は、使用されるべきプローブ140を容易に認識することができる。また、使用されるべきプローブ140以外のプローブ140を用いて測定が行われることが防止される。
副撮像部150は、例えばCCD(電荷結合素子)カメラである。副撮像部150の解像度は、主撮像部130の解像度よりも低くてもよい。副撮像部150は、プローブ140のスタイラス144の接触部144aとの位置関係が既知となる位置に配置される。本実施の形態においては、副撮像部150は、プローブ140の筐体部141の前端の端面に配置される。副撮像部150の各画素から受光信号が接続端子146に接続されたケーブルを通して制御基板180に出力される。
図2に示すように、表示部160は、保持部110のスタンド部112に支持され、かつ表示部160の表示画面が斜め上方を向くように設置部111上に設けられる。これにより、使用者は、最小限の視線の移動で測定対象物Sおよび表示部160を選択的に視認することができ、または測定対象物Sおよび表示部160を同時に視認することができる。
表示部160は、例えば液晶ディスプレイパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。表示部160には、制御基板180による制御に基づいて、処理装置200により生成された画像、座標測定装置300の操作手順画面、または測定結果等が表示される。
操作部170は、例えば複数の操作ボタンを有する。操作部170は、測定を行う測定対象物Sの部分を指定するとき等に使用者により操作される。操作部170は、プローブ140に一体的に設けられてもよい。例えば、図3の把持部142に1または複数の操作ボタンが操作部170として設けられてもよい。この場合、使用者が一方の手で把持部142を把持しつつ操作部170を操作することができる。
制御基板180は、保持部110のスタンド部112内に設けられる。制御基板180は、主撮像部130、プローブ140、副撮像部150、表示部160および操作部170に接続される。処理装置200は、制御基板180を介して主撮像部130、プローブ140、副撮像部150、表示部160および操作部170の動作を制御する。
制御基板180には、図示しないA/D変換器(アナログ/デジタル変換器)およびFIFO(First In First Out)メモリが実装される。主撮像部130および副撮像部150から出力される受光信号は、制御基板180のA/D変換器により一定のサンプリング周期でサンプリングされるとともにデジタル信号に変換される。A/D変換器から出力されるデジタル信号は、FIFOメモリに順次蓄積される。FIFOメモリに蓄積されたデジタル信号は画素データとして順次処理装置200に転送される。
本実施の形態においては、図3の複数の発光部143の発光のタイミングと図2の主撮像部130の検出のタイミングとが同期される。複数の発光部143の発光期間に蓄積された画素データが、次の発光部143の消光期間に制御基板180から処理装置200に転送される。
図1に示すように、処理装置200は、記憶部210、制御部220および操作部230を含む。記憶部210は、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)およびハードディスクを含む。記憶部210には、システムプログラムが記憶される。また、記憶部210は、種々のデータの処理および測定ヘッド100から与えられる画素データ等の種々のデータを記憶するために用いられる。
制御部220は、CPU(中央演算処理装置)を含む。本実施の形態においては、記憶部210および制御部220は、パーソナルコンピュータにより実現される。制御部220は、測定ヘッド100から与えられる画素データに基づいて画像データを生成する。画像データは複数の画素データの集合である。制御部220は、生成された画像データに基づいて、プローブ140のスタイラス144の接触部144aの位置を算出する。
操作部230は、キーボードおよびポインティングデバイスを含む。本例のポインティングデバイスにはホイールを有するマウスが用いられる。操作部230は、使用者により操作される。
(2)主撮像部の構成
図5は、主撮像部130の構成について説明するための図である。図5(a)は、主撮像部130の模式的断面図であり、図5(b)は、主撮像部130の外観斜視図である。
図5(a)に示すように、主撮像部130は、素子保持部130a、レンズ保持部130b、撮像素子131および複数のレンズ132を備える。素子保持部130aおよびレンズ保持部130bは例えばチタンからなる。素子保持部130aおよびレンズ保持部130bは、一体成形により共通の部材として設けられてもよく、または別体として設けられてもよい。
素子保持部130aの一面に矩形の断面を有する凹部133が形成される。凹部133に撮像素子131が嵌合される。撮像素子131の位置ずれを防止するため、ねじまたはばね等の固定部材を用いて凹部133内で撮像素子131が固定されてもよい。凹部133の底面から素子保持部130aの上記一面に平行な他面にかけて貫通孔134が形成される。
図5(a)および図5(b)に示すように、レンズ保持部130bは、円筒形状を有する。レンズ保持部130bの一端部が素子保持部130aの上記他面に固定される。レンズ保持部130bには種々の大きさを有する複数のレンズ132が保持される。複数のレンズ132は、素子保持部130aの貫通孔134と重なり、かつ互いに光軸が一致するように配置される。レンズ保持部130bの他端部から複数のレンズ132を通して撮像素子131に光が入射する。
(3)主撮像部による検出
上記のように、主撮像部130は、プローブ140の複数の発光部143から放出される赤外線を検出する。図6は、主撮像部130と複数の発光部143との関係について説明するための模式図である。図6においては、理解を容易にするため、いわゆるピンホールカメラモデルを用いて説明する。図6には、主撮像部130の複数のレンズ132のうち1つのレンズ132のみが示され、そのレンズ132の主点132aを通るように撮像素子131に光が導かれる。
図6に示すように、主撮像部130は、一定の画角(視野角)θを有する。主撮像部130の画角θの範囲内に、撮像領域Vが含まれる。撮像領域V内に複数の発光部143がそれぞれ位置する場合、それらの発光部143から放出される赤外線が、レンズ132の主点132aを通って撮像素子131に入射する。
この場合、撮像素子131の受光位置Pに基づいて、レンズ132の主点132aから各発光部143へ向かう方向が特定される。図6の例では、一点鎖線で示すように、各受光位置Pおよびレンズ132の主点132aを通る各直線上に各発光部143が位置する。また、複数の発光部143の相対的な位置関係は、例えば図1の記憶部210に予め記憶される。
レンズ132の主点132aから各発光部143へ向かう方向および複数の発光部143の位置関係に基づいて、各発光部143の中心の位置が一義的に定まる。本実施の形態では、撮像領域Vを含む空間に、座標測定装置300固有の座標系(以下、装置座標系と呼ぶ。)が予め定義されている。装置座標系は、原点と互いに直交するx軸、y軸およびz軸とを含む。それにより、撮像領域V内の絶対位置が3次元座標で表される。図1の制御部220は、撮像素子131の受光位置P、および予め記憶された複数の発光部143の位置関係に基づいて、各発光部143の中心の座標を算出する。
算出された各発光部143の中心の座標に基づいて、プローブ140の接触部144a(図3)と測定対象物Sとの接触位置の座標が図1の制御部220により算出される。
例えば、各発光部143の中心と接触部144a(図3)の中心との位置関係が、図1の記憶部210に予め記憶される。算出された各発光部143の中心の座標、および予め記憶された各発光部143の中心と接触部144aの中心との位置関係に基づいて、接触部144aの中心の座標が特定される。
また、各発光部143の中心の座標に基づいて、プローブ140の位置および姿勢が特定される。これにより、スタイラス144の位置が特定される。また、プローブ140の位置および姿勢、あるいはスタイラス144とプローブ140との位置関係等に基づいて、接触部144aの中心と接触位置(測定位置)との相対的な位置関係が推定される。推定された位置関係に基づいて、接触部144aの中心の座標から接触部144aと測定対象物Sとの接触位置の座標が算出される。
なお、測定対象物Sから接触部144aに加わる力の方向を検出するセンサがプローブ140に設けられてもよい。その場合、センサの検出結果に基づいて、接触部144aと測定対象物Sとの接触位置の座標を算出することができる。
撮像素子131と複数のレンズ132との位置関係および複数の発光部143の位置関係等に個体差があると、算出される座標にばらつきが生じる。また、スタイラス144の取り付け面が図4(b)の取り付け面149a〜149cの間で変更される場合には、各発光部143と接触部144aとの位置関係も変化する。そこで、座標測定装置300による測定を行う前に、個体差によるばらつきを防止するとともに複数の発光部143と接触部144aとの位置関係を記憶部210に記憶させるためのキャリブレーション(校正)が行われることが好ましい。
(4)操作部の詳細
操作部170の詳細について説明する。本実施の形態においては、操作部170は例えばコンソールである。図7は、表面側から見た操作部170の外観斜視図である。図8は、裏面側から見た操作部170の外観斜視図である。図7および図8に示すように、操作部170は、本体部171を有する。本体部171は、片手で把持可能な大きさに形成され、ケーブル172を介して図1の制御基板180に接続される。なお、無線通信により操作部170が図1の制御基板180または処理装置200に接続されてもよい。
本体部171は、表面171a(図7)および裏面171b(図8)を有する。以下の説明において、表面171aに平行でかつ互いに垂直な2方向を長さ方向DR1および幅方向DR2と呼ぶ。本体部171は長さ方向DR1に延びるように設けられる。
本体部171の表面171aに、測定ボタンB1、確定ボタンB2、キャンセルボタンB3、表示切替ボタンB4および撮像ボタンB5が設けられる。測定ボタンB1は、表面171aの長さ方向DR1における一端部に設けられる。測定ボタンB1は、プローブ140の接触部144aの接触位置を測定位置として設定するために操作される。測定ボタンB1の幅方向DR2の寸法は、表面171aの幅方向DR2の寸法とほぼ等しい。
長さ方向DR1において測定ボタンB1と隣り合うように、確定ボタンB2およびキャンセルボタンB3が設けられる。確定ボタンB2およびキャンセルボタンB3は、幅方向DR2に並ぶように配置される。確定ボタンB2は、測定要素を確定するために操作される。ここで、測定要素は、設定された1または複数の測定位置に基づいて特定される情報である。
キャンセルボタンB3は、測定ボタンB1および確定ボタンB2の操作を取り消すために操作される。使用者は、測定ボタンB1または確定ボタンB2の操作を誤った場合、キャンセルボタンB3を操作する。その場合、測定ボタンB1または確定ボタンB2の前回の操作が取り消される。
確定ボタンB2の幅方向DR2の寸法はキャンセルボタンB3の幅方向DR2の寸法よりも大きい。また、確定ボタンB2およびキャンセルボタンB3の長さ方向DR1の寸法は、測定ボタンB1の長さ方向DR1の寸法よりもそれぞれ小さい。
なお、測定ボタンB1または確定ボタンB2が一定時間以上継続して操作されることにより、キャンセルボタンB3が操作される場合と同様に、測定ボタンB1または確定ボタンB2の操作が取り消し可能であってもよい。
確定ボタンB2およびキャンセルボタンB3に関して測定ボタンB1と反対側に、表示切替ボタンB4および撮像ボタンB5が長さ方向DR1に並ぶように設けられる。表示切替ボタンB4は、図1の表示部160による表示の切替のために操作される。撮像ボタンB5は、図1の副撮像部150による撮像のために操作される。
表面171aの一端部と裏面171bの一端部との間に曲面状の端面171cが形成される。端面171cから裏面171bにかけて、ポインティング代替ボタンB6が設けられる。ポインティング代替ボタンB6は、図1のプローブ140を操作部230のポインティングデバイスの代わりに用いるために操作される。表示部160に表示される画像上での操作は、通常、マウス等のポインティングデバイスを用いて行われる。ポインティング代替ボタンB6が操作された状態では、ポインティングデバイスの代わりにプローブ140を用いて、表示部160に表示される画像上での操作を行うことができる。
具体的には、ポインティング代替ボタンB6が操作された状態でプローブ140が移動されることにより、表示部160に表示されるカーソルが移動される。この場合、プローブ140の複数の発光部143が主撮像部130によって撮像されることによりプローブ140の移動が検出され、その検出に基づいてカーソルが移動される。また、操作部170の例えば測定ボタンB1および確定ボタンB2が、マウスの左ボタンおよび右ボタンの代わりに用いられる。ポインティング代替ボタンB6を操作することにより、使用者は、操作部230と操作部170との持ち替えを行なう必要がない。これにより、使用者の操作負担を低減することができる。
通常、使用者は、一方の手(例えば、利き手)で図3のプローブ140を把持し、他方の手で操作部170を把持する。測定ボタンB1、確定ボタンB2、キャンセルボタンB3、表示切替ボタンB4および撮像ボタンB5の操作は、親指で行われ、ポインティング代替ボタンB6の操作は、人差し指で行われる。測定ボタンB1は、他のボタンに比べて大きく、かつ自然に親指が重なる位置にある。そのため、他のボタンに比べて、測定ボタンB1の操作は容易である。また、確定ボタンB2は、測定ボタンB1に近接し、かつ幅方向DR2の寸法が比較的大きい。そのため、測定ボタンB1に次いで、確定ボタンB2の操作が容易である。
本実施の形態では、確定ボタンB2の操作によって確定された1または複数の測定要素の座標に基づいて、測定対象物Sの測定すべき部分の物理量が図1の制御部220により算出される。ここで、物理量とは、距離、角度および平面度等を含む。
以下、座標測定装置300の基本動作とともに、操作部170の各ボタンの操作例について説明する。
(5)基本的な測定例
座標測定装置300による測定対象物Sの寸法の基本的な測定例について説明する。図9は、図2の表示部160に表示される画像の一例を示す図である。図10は、測定対象物Sの一例を示す図である。
図9には、任意の位置から見た撮像領域Vを仮想的に表す画像(以下、撮像領域仮想画像と呼ぶ)VIが示される。上記のように、撮像領域Vを含む空間には、原点、x軸、y軸およびz軸を含む装置座標系が定義される。本例では、載置台120の上面に平行でかつ互いに直交するようにx軸およびy軸が設定され、載置台120の上面に対して垂直にz軸が設定される。また、載置台120の中心が原点Oに設定される。図9の撮像領域仮想画像VIには、装置座標系の原点O、x軸、y軸およびz軸が含まれるとともに、載置台120の外周を表す線(図9の点線)が含まれる。
図10の測定対象物Sは、直方体形状を有する。本例では、測定対象物Sの一側面Saと、その反対側の側面Sbとの間の距離が測定される。測定対象物Sの側面Sa,Sbは、それぞれx軸に対して垂直である。
図11〜図15は、図10の測定対象物Sにおける具体的な測定例について説明するための図である。図11(a)および図13(a)は、載置台120、主撮像部130、プローブ140および測定対象物Sの位置関係を示す正面図であり、図11(b)および図13(b)は、プローブ140および測定対象物Sの外観斜視図である。図12、図14および図15には、表示部160に表示される撮像領域仮想画像VIの例が示される。
図11(a)および図11(b)に示すように、プローブ140の複数の発光部143が撮像領域V内に位置するように、スタイラス144の接触部144aが測定対象物Sの側面Saに接触される。その状態で、図7の操作部170の測定ボタンB1が操作されることにより、図11(b)に示すように、測定対象物Sと接触部144aとの接触位置が測定位置M1aとして設定(測定)される。この場合、測定位置M1aの座標が算出される。
同様にして、測定対象物Sの側面Sa上の3つの位置が測定位置M2a,M3a,M4aとして設定(測定)され、測定位置M2a,M3a,M4aの座標が算出される。続いて、図7の操作部170の確定ボタンB2が操作されることにより、測定位置M1a〜M4aを通る平面が、測定対象物Sの側面Saに対応する測定平面ML1として設定され、測定平面ML1の位置が算出される。この場合、図12に示すように、撮像領域仮想画像VI上に、設定された測定平面ML1が重畳される。
続いて、図13(a)および図13(b)に示すように、プローブ140の複数の発光部143が撮像領域V内に位置するように、スタイラス144の接触部144aが測定対象物Sの側面Sbに接触される。その状態で、図7の操作部170の測定ボタンB1が操作されることにより、図13(b)に示すように、測定対象物Sと接触部144aとの接触位置が測定位置M1bとして設定(測定)される。この場合、測定位置M1bの座標が算出される。
同様にして、測定対象物Sの側面Sb上の3つの位置が測定位置M2b,M3b,M4bとして設定(測定)され、測定位置M2b,M3b,M4bの座標が算出される。続いて、図7の操作部170の確定ボタンB2が操作されることにより、測定位置M1b〜M4bを通る平面が、測定対象物Sの側面Sbに対応する測定平面ML2として設定され、測定平面ML2の位置が算出される。この場合、図14に示すように、撮像領域仮想画像VI上に、測定平面ML1に加えて、設定された測定平面ML2が重畳される。
続いて、図1の操作部170または操作部230が操作されることにより、図1の制御部220において、設定された測定平面ML1,ML2の間の距離が算出され、図15に示すように、算出結果が撮像領域仮想画像VI上に表示される。なお、算出結果は、撮像領域仮想画像VIと別個に表示部160に表示されてもよい。また、2つの測定平面ML1,ML2間の距離の算出方法等は、使用者により適宜設定可能であってもよい。
本例では、4つの測定位置に基づいて1つの測定平面が設定されるが、最少で3つの測定位置に基づいて、1つの測定平面を設定することができる。一方、4つ以上の測定位置を設定することにより、測定対象物Sに対応する測定平面をより正確に設定することができる。また、4つ以上の測定位置に基づいて、測定平面の平面度を求めることもできる。
また、本例では、測定対象物Sの測定すべき部分を特定するために、スタイラス144の接触部144aが接触された4つの位置(測定位置)を通る矩形状の測定対象部分(測定平面)が測定要素として設定される。これに限らず、測定対象物Sの測定すべき部分の形状に応じて複数の測定位置を通る他の幾何学形状を有する測定平面が測定要素として設定されてもよい。また、測定対象物Sの測定すべき部分を特定するために、平面に限らず複数の測定位置を通る円筒または球等が測定要素として設定されてもよい。この場合、設定された円筒の断面の径または球の半径等を求めることができる。
本実施の形態においては、設定された測定要素に対する各測定位置の偏差が算出される。算出された各測定位置の偏差は、図2の表示部160に表示される。ここで、任意の測定要素を設定するために必要な測定位置の数は、当該要素に対応して予め定められている。必要な数よりも多い数の測定位置を設定することにより測定要素を設定した場合には、設定した複数の測定位置のうち、最大の偏差を有する測定位置を識別可能に表示することができる。図16は、最大の偏差を有する測定位置が他の測定位置から識別可能に表示部160に表示された例を示す図である。
図16(a)の例においては、5つの測定位置M1a,M2a,M3a,M4a,M5aに基づいて測定平面ML1が設定される。測定平面ML1を設定するために必要な測定位置の数は3である。ここで、測定位置M1a〜M5aのうち、測定位置M5aが測定平面ML1に対して最大の偏差を有する。すなわち、測定位置M5aから測定平面ML1までの最短距離は、他の測定位置M1a〜M4aの各々から測定平面ML1までの最短距離よりも大きい。
そのため、測定平面ML1および測定位置M1a〜M5aが表示部160に表示される場合において、測定位置M1a〜M4aは例えば白色で表示される。これに対し、測定位置M5aは測定位置M1a〜M4aに付された色彩(本例では白色)とは異なる色彩で識別可能に強調表示される。図16(a)の例においては、測定位置M5aはハッチングパターンにより強調表示されている。
図16(b)の例においては、4つの測定位置M1c,M2c,M3c,M4cに基づいて円の内周面ML3が設定される。内周面ML3を設定するために必要な測定位置の数は3である。ここで、測定位置M1c〜M4cのうち、測定位置M1cが内周面ML3に対して最大の偏差を有する。すなわち、測定位置M1cから内周面ML3までの最短距離は、他の測定位置M2c〜M4cの各々から内周面ML3までの最短距離よりも大きい。
そのため、内周面ML3および測定位置M1c〜M4cが表示部160に表示される場合において、測定位置M2c〜M4cは例えば白色で表示される。これに対し、測定位置M1cは測定位置M2c〜M4cに付された色彩(本例では白色)とは異なる色彩で識別可能に強調表示される。図16(b)の例においては、測定位置M1cはハッチングパターンにより強調表示されている。
図16(a),(b)の表示例によれば、使用者は、設定した複数の測定位置のうち、最大の偏差を有する測定位置を視覚的に容易に認識することができる。また、本実施の形態においては、必要な数よりも多い数の測定位置を設定することにより測定要素を設定した場合には、設定した複数の測定位置のうち、最大の偏差を有する測定位置を除外した状態で測定要素を再設定することができる。この場合、測定要素をより高い精度で設定することが可能になる。
(6)ダミー点を用いた機能
本実施の形態においては、特定の測定要素を設定するために図4(b)のダミー点140Dが用いられる。図17は、ダミー点140Dを用いた測定要素の設定を説明するための図である。図17の例では、測定要素は図11(b)の測定平面ML1である。スタイラス144の接触部144aが図11(b)の測定対象物Sの側面Saにおける3つの部分に接触されることにより、側面Saに対応する1つの測定平面ML1が設定される。
測定平面ML1を設定する過程において、まずスタイラス144の接触部144aが測定対象物Sの側面Saに接触した(図7の操作部170の測定ボタンB1が操作された)時点の接触部144aの中心の座標が算出される。また、このときのプローブ140のダミー点140Dの座標が算出される。複数の発光部143の位置に対するダミー点140Dの位置は既知である。そのため、図6における接触部144aの中心の座標の算出の手順と同様の手順によりダミー点140Dの座標を算出することができる。
上記のプローブ140および操作部170の操作が、例えば3回行なわれる。これにより、算出された3つの座標を含む1つの平面ML1cが確定する。また、3つのダミー点140Dが確定する。設定すべき測定平面ML1は、平面ML1cをその平面に垂直な一方向または他方向に接触部144aの半径分だけ平行にそれぞれ移動させた平面ML1aまたは平面ML1bのいずれかである。
平面ML1aまたは平面ML1bのいずれかを測定平面ML1として選択するために、3つのダミー点140Dの平均座標が算出される。算出された平均座標に位置する仮想的な点を平均ダミー点ADと呼ぶ。平均ダミー点ADが存在する位置およびその周辺には、プローブ140を測定対象物Sに接近させることを妨げる障害物が存在しない可能性が高い。そのため、プローブ140は、平均ダミー点ADから測定対象物Sに接近することが可能であると考えられる。この場合、プローブ140の接触部144aのうち、平均ダミー点ADから遠い部分が測定対象物Sに接触する。
そこで、平面ML1a,ML1bのうち、平均ダミー点ADから遠い平面が測定平面ML1として選択(補正)される。すなわち、平面ML1a,ML1bのうち、平均ダミー点ADまでの最短距離が大きい平面が測定平面ML1として補正される。これにより、測定平面ML1を確定させることができる。本例では、平面ML1bよりも平均ダミー点ADから遠い平面ML1aが測定平面ML1として確定する。
ここで、本実施の形態に係る座標測定装置300を従来の座標測定装置と比較する。従来の座標測定装置においては、使用者は、プローブの接触部を測定対象物の測定対象部分に接触させた状態で接触部の位置を設定する。プローブの接触部を測定対象物の測定対象部分に接触させた状態での接触部の位置の設定を位置設定と呼ぶ。使用者は、位置設定を繰り返すことにより、測定平面を設定するための接触部の複数の位置を設定する。設定された複数の位置に基づいて平面が設定される。
位置設定が終了した後、使用者は、プローブの接触部を測定対象物から離間させた状態で接触部の位置を設定する。プローブの接触部を測定対象物から離間させた状態での接触部の位置の設定を方向設定と呼ぶ。方向設定において設定された接触部の位置が本実施の形態における平均ダミー点ADと同様の機能を有する。位置設定において設定された平面が、方向設定において設定された接触部の位置に基づいて所定の距離だけ移動される。これにより、測定平面が設定される。
従来の座標測定装置の構成によれば、使用者は、位置設定を繰り返した後、方向設定を行なう必要がある。そのため、使用者の操作負担が増加する。一方、本実施の形態に係る座標測定装置300においては、位置設定を行なう時点でダミー点140Dも同時に設定される。また、1または複数のダミー点140Dに基づいて平均ダミー点ADが設定される。そのため、方向設定を別個に行なう必要がない。これにより、使用者の操作負担を低減することができる。また、制御部220は、方向設定の操作が行なわれるまで待機する必要がないので、測定要素の算出を短時間で行なうことができる。
また、本実施の形態においては、平均ダミー点ADは、ダミー点140Dが追加されるごとに更新される。例えば、第1のダミー点140Dが設定された時点では、当該第1のダミー点140Dが平均ダミー点ADである。一方、第2のダミー点140Dが追加された場合には、第1および第2のダミー点140Dに基づいて平均ダミー点ADが更新される。
この構成によれば、測定平面が確定される(図7の操作部170の確定ボタンB2が操作される)前でも、現時点までに設定されている測定位置に基づいて測定平面を暫定的に算出することができる。暫定的な測定平面は、測定位置およびダミー点140Dが追加されるごとに更新される。この場合、使用者は、現時点で算出されている測定平面の平面度等の情報を認識することができる。また、測定要素の補正の方向が複数のダミー点140Dの位置に基づいて決定されるので、測定位置を設定する際のプローブ140の姿勢にばらつきがある場合であっても、補正の方向がばらつく可能性を低減することができる。
上記の説明においては、ダミー点140Dは平面状を有する測定要素を設定する場合に使用されるが、これに限定されない。ダミー点140Dは他の形状を有する測定要素を設定する場合に使用されてもよい。ここで、測定要素の形状は、例えば平面、直線、点、円および球を含む。
後述する図21に示すように、本実施の形態においては、複数種類の測定要素の形状が表示部160に表示される。使用者は、図1の操作部230を操作して表示部160に表示された所望の測定要素の形状を選択することにより、測定要素の形状を予め指定することができる。ここで、測定要素の形状として平面、直線または点が指定された場合には、測定要素を設定するためにダミー点140Dが用いられてもよい。
一方、測定要素の形状として円が指定された場合には、測定要素の形状が円の内周面および外周面のいずれかであるかをさらに指定することができる。同様に、測定要素の形状として球が指定された場合には、測定要素の形状が球の内表面および外表面のいずれであるかをさらに指定することができる。そのため、測定要素の形状として円または球が指定された場合には、測定要素を設定するためにダミー点140Dが用いられなくてもよい。
(7)副撮像部を用いた機能
図3の副撮像部150によって測定対象物Sを撮像することにより、副撮像部150から出力される受光信号に基づいて測定対象物Sを示す画像データが図1の制御部220により生成される。生成された画像データに基づいて測定対象物Sの画像を表示部160に表示させることができる。以下、副撮像部150により得られる画像データを撮像画像データと呼び、撮像画像データに基づく画像を撮像画像と呼ぶ。
表示部160における撮像領域仮想画像VIの表示と撮像画像の表示との切替は、図7の操作部170の表示切替ボタンB4が操作されることにより行われる。また、表示部160に撮像画像が表示される状態で、図7の操作部170の撮像ボタンB5が操作されると、その時点での撮像画像データが図1の記憶部210に記憶される。これにより、表示部160に測定対象物Sの静止画像を表示することができる。
複数の発光部143と副撮像部150との位置関係、および副撮像部150の特性(画角およびディストーション等)は、例えば図1の記憶部210に撮像情報として予め記憶される。そのため、複数の発光部143が撮像領域V内にある場合、副撮像部150により撮像される領域が図1の制御部220により認識される。すなわち、主撮像部130により得られる複数の発光部143の位置の算出結果と複数の発光部143に対する副撮像部150の位置関係とに基づいて、撮像画像に対応する3次元空間が制御部220により認識される。
以下、測定位置および測定要素の情報を位置図形情報と呼ぶ。位置図形情報と呼ぶは、3次元空間で設定される。本実施の形態では、これらの位置図形情報を撮像画像と対応付け、撮像画像上の適切な位置に表示することができる。
図18は、撮像画像上に位置図形情報が表示された例を示す図である。図18の例では、測定対象物Sの側面Sbが副撮像部150により撮像される。その撮像画像SI上に、測定位置M1b〜M4bを表す複数の球体の画像P1b,P2b,P3b,P4bが表示されるとともに、測定平面ML2を表す図形PL2が表示される。さらに、撮像画像SI上に、3次元空間において定義された装置座標系の原点O、x軸、y軸およびz軸を示す画像が表示される。
このように、実際に測定対象物Sが撮像されることによって得られる撮像画像SI上の適切な位置に位置図形情報が表示されることにより、使用者が位置図形情報を視覚的に把握しやすくなる。また、一の測定対象物Sに対する測定を行った後に、他の測定対象物Sに対して同様の測定を行う場合、使用者は、位置図形情報が重畳された撮像画像SIを参照することにより、他の測定対象物Sに対する測定を容易に行うことが可能となる。
複数の発光部143と副撮像部150との位置関係が設計された位置関係からずれていると、撮像領域Vに定義される3次元空間と撮像画像SIに対応する3次元空間との間にずれが生じる。この場合、位置図形情報を撮像画像SI上の適切な位置に表示させることができない。そこで、座標測定装置300による測定を行う前に、撮像領域Vに定義される3次元空間と撮像画像SIに対応する3次元空間との間のずれを防止するためのキャリブレーション(校正)が行われることが好ましい。
(8)設定モード
以下の説明では、座標測定装置300の使用者のうち測定対象物Sの測定作業を管理する使用者を適宜測定管理者と呼び、測定管理者の管理の下で測定対象物Sの測定作業を行う使用者を適宜測定作業者と呼ぶ。
座標測定装置300は、測定管理者用の設定モード、測定作業者用の測定モード、単品測定モードおよび統計解析モードの4種類のモードで使用することができる。単品測定モードおよび統計解析モードの詳細は後述する。
設定モードでは、測定管理者が一の測定対象物Sを測定することにより、測定対象物Sの測定条件および測定手順を含む情報が設定情報として生成される。生成された設定情報のデータファイルは図1の記憶部210のハードディスクに記憶される。一方、測定モードでは、測定作業者が、図1の表示部160を視認することにより、図1の記憶部210に記憶された設定情報に基づいて他の測定対象物Sの測定を行うことができる。測定モードで得られる測定結果のデータファイルは図1の記憶部210のハードディスクに記憶される。
測定対象物Sの測定条件には、座標系、測定項目および測定要素の形状が含まれる。測定項目は、測定対象物Sに対して何を測定すべきかを示すものであり、距離、角度および平面度等の種々の物理量が含まれる。なお、測定項目は、それらの種々の物理量の算出方法を含んでもよい。
本実施の形態に係る座標測定装置300においては、撮像領域Vを含む空間に任意の座標系(以下、基準座標系と呼ぶ。)を定義することができる。この場合、基準座標系に従って測定位置の座標が算出される。測定条件の座標系は、測定対象物Sの測定時に定義される基準座標系を示す。
図1の記憶部210には、プローブ140に関する情報がプローブ情報として予め記憶されている。プローブ情報は、プローブ140の固体を識別するための個体識別情報、スタイラス144が取り付けられる取り付け面149a〜149c(図4(b))および接触部144aの直径等の情報を含む。上記の設定情報には、さらに測定対象物Sの測定に用いるプローブ情報が含まれる。
本例では、2つのプローブ140が図2の2つの接続端子113に接続されるとともに、2つのプローブ140にそれぞれ対応する2つのプローブ情報が記憶部210に記憶されている。一方のプローブ情報は、一方の接続端子113に接続され、スタイラス144が図4(b)の取り付け面149bに取り付けられるプローブ140を示す。他方のプローブ情報は、他方の接続端子113に接続され、スタイラス144が図4(b)の取り付け面149cに取り付けられるプローブ140を示す。以下の説明では、一方のプローブ情報に対応するプローブ140を適宜「Aプローブ」と呼び、他方のプローブ情報に対応するプローブ140を適宜「Bプローブ」と呼ぶ。
図19は、座標測定装置300の表示部160に表示される初期画面SC1の一例を示す図である。図19に示すように、座標測定装置300の初期画面SC1には、測定ボタン601、設定ボタン602、単品測定ボタン603および統計解析ボタン604が表示される。
測定管理者が設定ボタン602を操作することにより、座標測定装置300の制御部220が設定モードで動作する。設定モードにおいて、測定管理者が所定の測定を行なうことにより設定情報が生成される例を説明する。
図20〜図30は、設定モードでの座標測定装置300の一使用例を説明するための図である。以下の例では、球状の測定対象物Sの中心の位置A1と測定対象物Sの周囲における特定の位置A2との間の距離を測定するための設定情報が生成される。測定管理者は、まず図20に示すように、測定対象物Sを予め定められた位置および姿勢で載置台120上に載置する。なお、本例においては測定対象物Sは球状を有するので、測定対象物Sの姿勢は調整されなくてもよい。
図19の設定ボタン602が操作されることにより、図21に示すように、表示部160に測定条件設定画面SC2が表示される。測定条件設定画面SC2は、測定要素表示欄610、画像表示欄611、座標系設定欄612、測定項目選択欄613および測定要素選択欄614を含む。
上述のように、測定要素は、設定された1または複数の測定位置に基づいて特定される情報である。測定要素は、第1要素および第2要素を含む。第1要素は、設定された1または複数の測定位置を含むように設定される情報であり、例えば平面、直線、点、円および球を含む。第2要素は、設定された1または複数の第1要素により決定する情報であり、例えば2つの平面間の距離、2つの直線がなす角度、直線の長さ、円の直径および円周を含む。
また、測定要素は、第3要素をさらに含む。使用者は、図1の操作部230を操作して、例えば円周および円の直径等の既知の設計値を表示部160に入力することができる。第3要素は、使用者が任意に入力した数値により定まる情報である。第3要素は、設定された第1または第2要素の妥当性を評価するために使用可能である。
測定要素表示欄610には、測定管理者により設定される測定要素がツリー表示される。なお、図21は、設定モードの初期状態を表す。そのため、測定要素表示欄610には、例えば1番目の物理量を測定するための設定作業を行っていることを示す文字列「設定1」のみが表示される。このように、設定モードにおいて測定要素表示欄610に表示されるツリーを要素ツリーと呼ぶ。
画像表示欄611には、撮像領域仮想画像VIが表示される。座標系設定欄612には、基準座標系を設定するための座標系設定ボタン612aが表示される。座標系設定ボタン612aが操作されない場合には、装置座標系が基準座標系として設定される。座標系設定ボタン612aが操作されることによる基準座標系の設定の詳細は後述する。
測定項目選択欄613には、複数種類の物理量をそれぞれ示す複数のボタンが表示される。図21の例では、測定項目選択欄613に距離ボタン613aおよび角度ボタン613bが表示される。測定管理者は、図1の操作部230を操作して測定項目選択欄613内のいずれかのボタンを選択することにより、測定項目を指定することができる。
測定要素選択欄614には、複数種類の幾何学形状をそれぞれ示す複数のボタンが表示される。図21の例では、測定要素選択欄614に平面ボタン614a、直線ボタン614b、点ボタン614c、円ボタン614d、円筒ボタン614e、円錐ボタン614fおよび球ボタン614gが表示される。測定管理者は、図1の操作部230を操作して測定要素選択欄614内のいずれかのボタンを選択することにより、測定要素の形状を指定することができる。
測定管理者は、測定項目選択欄613の距離ボタン613aを選択する。それにより、測定条件として、図20の位置A1,A2間の距離を測定することが設定される。次に、測定管理者は、測定要素選択欄614の球ボタン614gを選択する。本例では、測定要素として測定条件で設定されるべき球および点をそれぞれ「球001」および「点001」と呼ぶ。なお、「球001」および「点001」は第1要素に分類される。
測定対象物Sの測定条件が設定されると、図22に示すように、表示部160に測定手順設定画面SC3が表示される。測定手順設定画面SC3は、測定要素表示欄610、画像表示欄611、要素名称欄622、形状選択欄623、測定位置座標表示欄624および公差設定欄625を含む。
測定要素表示欄610には、図21の要素ツリーが継続して表示される。測定条件が設定されることにより、最初に設定される測定要素を示す文字列「球001」が要素ツリーに追加される。要素ツリーにおいては、測定管理者が測定要素として第1要素を設定していく際および物理量の測定結果が第2要素として得られる際に、その測定要素を示す文字列が順次追加される。また、測定管理者が第3要素として測定要素を入力した場合には、その測定要素を示す文字列が要素ツリーに追加されてもよい。
測定管理者は、要素ツリーを視認することにより、生成中の設定情報の内容を確認することができる。なお、要素ツリーにおいては、測定管理者による設定中の測定要素が文字囲い等で強調表示されてもよい。図22の例では、文字列「球001」に文字囲いが施されている。
画像表示欄611には、図21の撮像領域仮想画像VIが継続して表示される。管理設定欄621には、プルダウンメニュー621aが表示される。プルダウンメニュー621aには、種々の設定項目が表示される。設定管理者は、プルダウンメニュー621aに表示される項目を選択することにより、座標測定装置300にの種々の設定を行なうことができる。例えば、測定管理者は、プルダウンメニュー621aから選択することにより、「Aプローブ」および「Bプローブ」のうち測定に用いるプローブ140を設定することができる。プローブ140の設定は測定位置の設定ごとに行うことが可能である。本例では、「球001」を設定するために「Aプローブ」が用いられる。
要素名称欄622には、設定されるべき球を示す文字列(本例では、「球001」)が表示される。また、要素名称欄622には、撮像ボタン622aが表示される。撮像ボタン622aは、「球001」に対応する撮像画像を得るために用いられる。
測定管理者は、球状の測定対象物Sが副撮像部150により撮像されるようにプローブ140の位置および姿勢を調整する。この状態で、撮像ボタン622aが操作されることにより、「球001」に対応する撮像画像データが取得され、記憶部210に記憶される。測定管理者は、撮像ボタン622aに代えて、図7の操作部170の撮像ボタンB5を操作してもよい。この場合でも、「球001」に対応する撮像画像データが取得される。
形状選択欄623には、内面ボタン623aおよび外面ボタン623bが表示される。内面ボタン623aが操作された場合には、球について設定された4つ以上の測定位置に基づいて内表面が設定される。外面ボタン623bが操作された場合には、球について設定された4つ以上の測定位置に基づいて外表面が設定される。本例では、外面ボタン623bが操作される。なお、図21において平面ボタン614a、直線ボタン614bまたは点ボタン614cが操作された場合には、測定条件設定画面SC2に測定項目選択欄613が表示されなくてもよい。
測定位置座標表示欄624には、プローブ140による測定位置の算出結果(座標)が表示される。なお、図22の例では、プローブ140の操作が行われていないので、測定位置座標表示欄624に測定位置の算出結果が表示されていない。
測定位置座標表示欄624には、さらに、1つのチェックボックス624aおよび数値入力欄624bが表示される。チェックボックス624aは、判定機能をオンまたはオフするためのものである。判定機能がオンされると、後述する測定モードにおいて、設定される測定位置と設定モードで設定される測定位置との間のずれ量が数値入力欄624bに入力される許容範囲以下であるか否かが判定される。それにより、ずれ量が許容範囲以下である場合に測定位置が有効であると判定することができる。また、ずれ量が許容範囲よりも大きい場合に測定位置が無効であると判定することができる。
公差設定欄625には、測定値表示欄625a、設計値入力欄625b、上限値入力欄625cおよび下限値入力欄625dが表示される。測定値表示欄625aには、「球001」を特徴付ける物理量についての測定値が表示される。図22の例では、「球001」を特徴付ける物理量は直径である。図22の時点では、プローブ140の操作が行われていないので、測定値表示欄625aに測定値が表示されていない。
測定管理者は、図1の操作部230を操作することにより、設計値入力欄625bに測定対象物Sの直径の設計値を入力することができる。同様に、測定管理者は、操作部230を操作することにより、上限値入力欄625cおよび下限値入力欄625dに測定対象物Sの直径の公差の上限値および下限値をそれぞれ入力することができる。図22の時点では、設計値入力欄625b、上限値入力欄625cおよび下限値入力欄625dの各々に数値が入力されていない。この場合、設計値入力欄625b、上限値入力欄625cおよび下限値入力欄625dの各々に「0.000」が表示される。
上記のように、撮像ボタン622aが操作されることにより、図23に示すように、「球001」に対応する撮像画像SIが画像表示欄611に表示される。図23の撮像画像SIは、静止画像である。図23の撮像画像SIは、測定対象物Sを示す画像を含むとともに、装置座標系のx軸、y軸およびz軸を示す画像を含む。
その後、測定管理者は、図11の例と同様に、「球001」を特定するために測定対象物Sの4つ以上(本例では4つ)の測定位置を順次設定する。複数の測定位置の設定時には、測定位置が設定されるごとに、設定された測定位置を示す画像が撮像画像SIに重畳表示される。また、測定位置座標表示欄624に測定位置の算出結果が表示される。
図24に、3つの測定位置が設定された時点の表示部160の表示状態が示される。図24の例では、設定された3つの測定位置をそれぞれ表す球体の画像P1d,P2d,P3dが撮像画像SI上に表示される。また、複数の測定位置の設定時には、接触部144aの位置を示す画像PPが撮像画像SI上に表示される。本例では、接触部144aの位置を示す画像PPとしてプローブ140の模式図が用いられる。それにより、測定管理者は測定対象物Sに対する接触部144aの位置関係を容易かつ正確に認識することができる。
その後、測定位置の設定が継続されることにより、画像P4dの表示が追加される。4つの測定位置の設定が完了することにより、4つの測定位置を通りかつ測定条件において指定された形状を有する測定要素が「球001」を特定する球の外表面として設定される。また、外表面の位置が算出される。
この場合、図25に示すように、外表面の位置および形状を示す図形PL4が画像P1d〜P4dとともに撮像画像SI上に表示される。また、設定された球の外表面の直径の測定値が、公差設定欄625の測定値表示欄625aに表示される。外表面の設定時には、測定位置座標表示欄624に確定ボタン624cが表示される。
球の外表面の設定後、測定管理者は確定ボタン624cを操作する。それにより、図26に示すように、画像表示欄611に撮像領域仮想画像VIが表示される。このとき、撮像領域仮想画像VI上には、既に設定された球の外表面を示す図形PL4が表示される。また、図26の例では、図25の形状選択欄623および測定位置座標表示欄624に代えて、図21と同様の測定要素選択欄614が表示部160に表示される。
次に、測定管理者は、図1の操作部230を操作して測定要素選択欄614の点ボタン614cを選択する。これにより、図27に示すように、表示部160に図22と同様の測定手順設定画面SC3が表示される。ここで、測定要素表示欄610の要素ツリーに、次に設定されるべき測定要素を示す文字列「点001」が追加される。このとき、要素ツリーにおいては、文字列「球001」が通常表示され、文字列「点001」が強調表示される。
図27の例においては、図22の形状選択欄623および公差設定欄625が表示されない。また、「点001」を設定するために「Bプローブ」が用いられる。この場合、測定管理者は、図27の管理設定欄621を操作して「Bプローブ」を測定に用いるプローブ140として設定する。
続いて、点の設定が行われる。要素名称欄622には、設定されるべき点を示す文字列(本例では、「点001」)が表示される。図22の例と同様に、要素名称欄622には、撮像ボタン622aが表示される。
図27の撮像ボタン622aは、「点001」に対応する撮像画像を得るために用いられる。測定管理者は、「点001」に対応する部分が副撮像部150により撮像されるようにプローブ140の位置および姿勢を調整する。本例では、「点001」に対応する部分は、図2の載置台120上における予め定められた部分である。この状態で、撮像ボタン622aが操作されることにより、「点001」に対応する撮像画像データが取得され、記憶部210に記憶される。
上記のように、撮像ボタン622aが操作されることにより、「点001」に対応する撮像画像SIが画像表示欄611に表示される。その後、測定管理者は、「点001」を特定するために載置台120上の部分の1つの位置を測定位置として設定する。この設定時には、図24の例と同様に、設定された測定位置を表す球体の画像および接触部144aの位置を示す画像が撮像画像SI上に表示される。
測定位置の設定が完了することにより、1つの測定位置を通りかつ測定条件において指定された形状を有する載置台120上の部分が「点001」を特定する点として設定される。また、点の位置が算出される。
この場合、図28に示すように、点の位置および形状を示す図形PL5が1つの測定位置を示す画像P1eとともに撮像画像SI上に表示される。点の設定時には、測定位置座標表示欄624に確定ボタン624cが表示される。
点の設定後、測定管理者は確定ボタン624cを操作する。それにより、図29に示すように、画像表示欄611に撮像領域仮想画像VIが表示される。このとき、撮像領域仮想画像VI上には、既に設定された球の外表面を示す図形PL4に加えて、設定された点を示す図形PL5が表示される。また、設定された球と点との間の距離が算出される。算出された距離は、測定結果として撮像領域仮想画像VIに重畳表示される。
また、測定要素表示欄610の要素ツリーに、「球001」および「点001」に加えて文字列「距離002」が表示される。なお、「距離002」は第2要素に分類される。このとき、要素ツリーにおいては、文字列「球001」および文字列「点001」が通常表示され、文字列「距離002」が強調表示される。
図29の例では、図28の測定位置座標表示欄624に代えて、図26と同様の測定要素選択欄614および公差設定欄625が表示部160に表示される。また、測定範囲選択欄626および指示選択欄627が表示部160に表示される。
公差設定欄625の測定値表示欄625aには、「球001」と「点001」との間の距離が測定結果として表示される。また、測定管理者は、図1の操作部230を操作することにより、設計値入力欄625bに球と点との間の距離の設計値を入力することができる。同様に、測定管理者は、操作部230を操作することにより、上限値入力欄625cおよび下限値入力欄625dに球と点との間の距離の公差の上限値および下限値をそれぞれ入力することができる。
測定範囲選択欄626には、中心間距離チェックボックス626a、最大距離チェックボックス626bおよび最小距離チェックボックス626cが表示される。中心間距離チェックボックス626aがチェックされている場合には、「球001」の中心と「点001」の中心との間の距離が画像表示欄611および測定値表示欄625aに表示される。最大距離チェックボックス626bがチェックされている場合には、「球001」と「点001」との間の距離のうち最大値が画像表示欄611および測定値表示欄625aに表示される。最小距離チェックボックス626cがチェックされている場合には、「球001」と「点001」との間の距離のうち最小値が画像表示欄611および測定値表示欄625aに表示される。本例では、図20の位置A1,A2間の距離を測定するために、中心間距離チェックボックス626aがチェックされる。
測定管理者は、図1の操作部230を操作して測定要素選択欄614のいずれかのボタンを操作することにより、操作されたボタンに対応する新たな測定要素を追加して設定を続けることができる。
指示選択欄627には、設定継続ボタン627aおよび設定保存ボタン627bが表示される。測定管理者は、測定対象物Sの他の物理量の測定についても設定を行いたい場合に設定継続ボタン627aを操作する。この場合、図21の測定条件設定画面SC2が再び表示される。それにより、測定管理者は上記の例と同様の手順で設定作業を行うことができる。なお、測定条件設定画面SC2が再表示される場合、測定要素表示欄610には、例えば2番目の物理量を測定するための設定作業を行っていることを示す文字列「設定2」が表示される。
最後に、測定管理者は図29の設定保存ボタン627bを操作する。それにより、測定条件、位置図形情報、「球001」の設定に用いるプローブ140のプローブ情報、「点001」の設定に用いるプローブ140のプローブ情報、「球001」に対応する撮像画像データおよび「点001」に対応する撮像画像データを含む設定情報が1つのデータファイルとして制御部220により生成され、図1の記憶部210に記憶される。このとき、記憶部210に記憶される設定情報には固有のファイル名が付与される。
なお、本例の位置図形情報には、複数の測定位置およびこれらの設定順序(測定手順)、球の外表面の位置および形状ならびに点の位置を示す情報が含まれる。その後、表示部160の画面上には、図19の初期画面SC1が表示される。
ここで、図22のプルダウンメニュー621aから操作可能な他の設定の詳細を説明する。測定管理者が、図22のプルダウンメニュー621aを操作すると、表示部160の画面上に図30の管理設定ダイアログ650が表示される。
管理設定ダイアログ650には、1つのチェックボックス650a、時間入力欄650bおよびOKボタン650cが表示される。チェックボックス650aは、後述する測定モードにおける測定作業の目標時間を設定するために用いられる。チェックボックス650aがチェックされることにより、測定モードにおける測定作業中、時間入力欄650bに入力される時間が目標時間として表示部160の画面上に表示される。OKボタン650cが操作されることにより、管理設定ダイアログ650の表示が終了する。
(9)測定モード
測定作業者が図19の測定ボタン601を操作することにより、座標測定装置300の制御部220が測定モードで動作する。測定モードでは、測定作業者が測定対象物Sの測定を行う。測定作業者は、図20の例と同様に、新たな測定対象物Sを予め定められた位置および姿勢で載置台120上に載置する。
図31〜図35は、測定モードでの座標測定装置300の一使用例を説明するための図である。測定モードの動作が開始されることにより、図31に示すように、表示部160に実測定画面SC4が表示される。実測定画面SC4には、画像表示欄611,629および測定操作欄628が表示される。
測定操作欄628には、測定開始ボタン628a、プルダウンメニュー628bおよび対象物名称入力欄628cが表示される。プルダウンメニュー628bが操作されると、図1の記憶部210に記憶される1または複数の設定情報のファイル名が表示される。この場合、測定作業者が測定管理者の指示に従って1のファイル名を選択することにより、選択された設定情報が図1の制御部220により読み出される。本例では、上記の設定モードで設定された設定情報が読み出されるものとする。対象物名称入力欄628cには、実際に測定する測定対象物Sの名称等が入力される。
図31の画像表示欄611に撮像領域仮想画像VIが表示される。その撮像領域仮想画像VI上には、装置座標系のx軸、y軸およびz軸、設定モードで設定された「球001」を示す図形PL4、「点001」を示す図形PL5および「距離002」を示す矢印が表示される。また、撮像領域仮想画像VIの下方に「球001」、「点001」および「距離002」の測定手順が表示される。
撮像領域仮想画像VIの下方に表示される測定手順は、設定モードにおける測定要素の設定手順を反映して表示される。図31の測定手順の表示は、例えば図29の測定要素表示欄610に示される要素ツリーに相当する。
それにより、測定作業者は、画像表示欄611を視認することにより、「球001」、「点001」および「距離002」をどのような手順で測定すべきかを容易に認識することができる。さらに、その撮像領域仮想画像VI上には、プローブ140の接触部144aの位置を示す画像PPが表示される。このとき、画像表示欄627には画像が表示されない。
次に、測定作業者は、図31の測定開始ボタン628aを操作する。この場合、実測定画面SC4上では、図32に示すように、図31の測定操作欄628に代えてプローブ表示欄630および進捗度合い表示欄631が表示される。プローブ表示欄630には、現在用いられるべきプローブ140を示す文字列(本例では「Aプローブ」)が表示される。進捗度合い表示欄631には、設定されるべき測定位置の数に対する設定済みの測定位置の数の割合を示す文字列およびインジケータ631aが表示される。また、図30の目標時間が設定されている場合には、測定開始からの経過時間および目標時間が表示される。さらに、目標時間に対する経過時間の割合を示すインジケータ631bが表示される。インジケータ631a,631bは、各割合を棒グラフで表す。
一方、画像表示欄611においては、図32に示すように、最初に設定されるべき「球001」を示す図形PL4がハイライト表示される。また、撮像領域仮想画像VIの下方に表示される測定手順においては、「球001」の上部に文字列「<測定中>」が付される。また、画像表示欄629には、「球001」に対応する撮像画像SIが表示される。このとき、撮像画像SI上には、図25の例と同様に、x軸、y軸およびz軸とともに、設定モードで設定された「球001」を示す図形PL4が表示される。測定作業者は、撮像画像SI上の図形PL4を視認することにより、測定対象物Sにおけるどの部分を測定すべきかを認識することができる。
また、撮像画像SI上には、図25の例と同様に、設定モードで設定された測定位置を示す画像P1d,P2d,P3d,P4dが表示される。測定作業者は、撮像画像SI上の画像P1d,P2d,P3d,P4dを視認することにより、測定対象物Sにおけるどの部分に測定位置を設定すればよいのかを容易かつ正確に認識することができる。
読み出された設定情報には、上記のように、測定管理者による複数の測定位置の測定手順も含まれる。そのため、撮像画像SIにおいては、測定作業が進むごとに、測定作業者により現在設定されるべき測定位置を示す画像が他の測定位置を示す画像とは異なる表示形態で表示される。
表示形態としては、画像の色または形等が挙げられる。本例では、現在設定されるべき測定位置を示す画像P1aが、他の測定位置を示す画像P2a,P3a,P4aの色(白色)とは異なる色(黒色)で表示される。それにより、測定作業者は、現在設定すべき測定位置を容易に認識することができる。
また、撮像画像SI上には、プローブ140の接触部144aの位置を示す画像iaが表示されるとともに、接触部144aと現在設定されるべき測定位置とを結ぶ直線を示す画像ibが表示される。それにより、測定作業者は、測定対象物Sに対して接触部144aをどのような方向に移動させればよいかを容易に認識することができる。
さらに、撮像画像SIには、プローブ140の接触部144aから現在設定されるべき測定位置までの距離を示すインジケータicが表示される。測定作業者は、インジケータicを視認することにより、接触部144aから現在設定されるべき測定位置までの距離を正確に認識することができる。それにより、測定作業者は接触部144aを測定対象物Sの測定位置に容易かつ正確に接触させることができる。
本例のインジケータicは、現在設定されるべき測定位置から接触部144aまでの距離を棒グラフで表す。これに限らず、インジケータicは、接触部144aから現在設定されるべき測定位置までの距離を数値で表してもよい。
これらより、測定作業者は、図32の画像表示欄629に表示される撮像画像SIを視認しつつ「球001」を特定する外表面を容易かつ正確に設定することができる。
測定モード中の画像表示欄611においては、図32に示すように、接触部144aの現在の位置を示す画像PPとともに、現在設定されるべき測定位置に接触部144aを接触させるためのプローブ140の理想的な位置および姿勢を示す画像PPxが表示されてもよい。
図32の例では、画像PPxとしてプローブ140の模式図が用いられる。この場合、測定作業者は、画像PPxを視認することにより、現在設定すべき測定位置を容易に認識することができる。また、測定作業者は、現在設定すべき測定位置を正確に設定するための理想的なプローブ140の姿勢を容易に認識することができる。
ここで、画像表示欄611においては、例えば図32および図33に示すように、画像PPが常に黒色で表示され、画像PPxが黒色と白色(または黄色)とで交互に点滅表示されてもよい。この場合、測定作業者は、画像PP,PPxのそれぞれの表示形態を視認することにより、画像PP,PPxを容易に識別することができる。
測定作業者が「球001」の設定を完了すると、図34に示すように、画像表示欄611内の「球001」を示す図形PL4が通常表示に切り替わり、次に設定されるべき「点001」を示す図形PL5がハイライト表示される。
また、撮像領域仮想画像VIの下方に表示される測定手順においては、「球001」に代えて「点001」の上部に文字列「<測定中>」が付される。このように、測定モードによる測定対象物Sの測定時には、現在設定すべき測定要素に文字列「<測定中>」が付される。したがって、測定作業者は、撮像領域仮想画像VIの下方に表示される測定手順を視認することにより、現在設定すべき測定要素を容易に認識することができる。なお、現在設定すべき測定要素に文字列「<測定中>」が付される代わりに、現在設定すべき測定要素がハイライト表示されてもよい。
上記の例では、「球001」の設定時に4つの測定位置が設定される。この場合、4つの測定位置の座標に基づいて、「球001」の直径が算出される。それにより、撮像領域仮想画像VIの下方に表示される測定手順においては、「球001」の下部に算出された直径が表示される。このように、各測定要素の設定時に算出可能な1または複数の物理量が存在する場合には、それらの物理量の少なくとも1つを算出し、その算出結果を画像表示欄611に表示することが好ましい。それにより、測定作業者は、表示された算出結果を参照しつつ、測定の正確性を認識することができる。
また、画像表示欄629には、「点001」に対応する撮像画像SIが表示される。このとき、撮像画像SI上には、図28の例と同様に、x軸、y軸およびz軸とともに、設定モードで設定された「点001」を示す図形PL5が表示される。また、撮像画像SI上には、設定モードで設定された測定位置を示す画像P1eが表示される。さらに、撮像画像SIには、図32の例と同様に、プローブ140の接触部144aの位置を示す画像ia、接触部144aと現在設定されるべき測定位置とを結ぶ直線を示す画像ib、および接触部144aから現在設定されるべき測定位置までの距離を示すインジケータicが重畳表示される。
これらより、測定作業者は、図34の画像表示欄629に表示される撮像画像SIおよび画像表示欄611に表示される画像PPxを視認しつつ「点001」を容易かつ正確に設定することができる。
「球001」および「点001」の設定が完了すると、図35に示すように、画像表示欄611内の「点001」を示す図形PL5が通常表示に切り替わる。また、「距離002」が算出される。算出された測定結果が撮像領域仮想画像VIに重畳表示される。
撮像領域仮想画像VIの下方に表示される測定手順においては、「点001」に付された文字列「<測定中>」が表示されなくなる。また、「点001」の側方に「距離002」の測定結果が表示される。
さらに、図35に示すように、表示部160の画面上では、図34の画像表示欄629、プローブ表示欄630および進捗度合い表示欄631に代えて測定結果表示欄632が表示される。測定結果表示欄632には、「距離002」が測定結果として表示される。このとき、測定結果を示すデータファイルが図1の記憶部210に記憶される。
設定モードにおいては測定管理者により測定条件として予め測定結果に対する良否判定用の基準範囲が設定されてもよく、測定モードにおいては設定された基準範囲と測定結果とに基づいて製造部品等の良否判定が行われてもよい。この場合、測定モードにおいて測定結果が基準範囲内であるときには、図35に示すように測定結果表示欄632内に測定結果とともに良品を示す判定結果(例えば「OK」)が表示されてもよい。一方、測定結果が基準範囲外であるときには、測定結果表示欄632内に測定結果とともに不良品を示す判定結果(例えば「NG」)が表示されてもよい。
なお、良否判定およびその判定結果の表示は上記の例に限られない。例えば、測定対象物Sの良否判定を行う場合には、1つの測定対象物Sに関して複数個所の距離および複数個所の円の真円度等の複数の物理量が測定されてもよい。また、測定条件としてそれぞれの物理量の測定結果に対する良否判定用の基準範囲が設定されてもよい。この場合、1つの測定対象物Sに関して予め定められた複数の物理量が測定されることにより、測定対象の物理量ごとの良否判定結果(例えば「OK」または「NG」)が表示部160に個別に表示されてもよい。また、測定対象の全ての物理量の測定結果が基準範囲内であるときに、総合判定結果として良品を示す判定結果(例えば「OK」)が表示されてもよい。一方、測定対象のいずれかの物理量の測定結果が基準範囲外であるときに、総合判定結果として不良品を示す判定結果(例えば「NG」)が表示されてもよい。
図35に示すように、測定結果表示欄632には、次の測定ボタン632aおよびメインメニューボタン632bが表示される。測定作業者は、次の測定ボタン632aを操作することにより、さらに新たな測定対象物Sに対して、上記の例と同様の測定を行うことができる。また、測定作業者は、メインメニューボタン632bを操作することにより、測定作業を終了することができる。この場合、表示部160には図19の初期画面SC1が表示される。
(10)単品測定モードおよび統計解析モード
使用者が図19の単品測定ボタン603を操作することにより、座標測定装置300の制御部220が単品測定モードで動作する。単品測定モードにおいては、設定モードと同じ手順で測定対象物Sの測定が行われる。すなわち、単品測定モードでは、予め図1の記憶部210に記憶される設定情報を用いることなく測定対象物Sが測定される。そのため、測定対象物Sの測定時には位置図形情報が表示部160に表示されない。
上記のように、単品測定モードにおいては、設定モードによる設定情報の生成作業が不要であるため、測定対象物Sにおける所望の物理量を短時間で測定することができる。なお、単品測定モードでは、設定情報が用いられないので撮像画像データの生成も不要である。
使用者が図19の統計解析ボタン604を操作することにより、座標測定装置300の制御部220が統計解析モードで動作する。統計解析モードにおいては、測定モードで得られた測定結果のデータファイルが図1の記憶部210から読み出される。読み出された測定結果に基づいて統計解析処理が行われる。
図36は、統計解析モードにおける表示部160の一表示例を示す図である。ここで、設定情報として「設定2」が設定される。「設定2」は、図10における測定対象物Sの側面Sa,Sb間の距離を測定するための設定である。本例では、設定情報「設定2」を用いた過去の測定結果についての統計解析結果として、測定条件、測定された測定対象物Sの数、測定位置の合計、有効に設定された測定位置の数および良品と判定された測定対象物Sの数が表示される。また、測定結果の平均値、測定結果の最大値および測定結果の最小値が表示される。さらに、測定結果の推移を示すグラフが表示される。これらより、統計解析モードによれば、座標測定装置300の利便性が向上する。
上記の例の他、統計解析モードでは、過去に記憶された複数の測定結果から特定の測定結果を抽出する処理が行われてもよいし、複数の測定結果に基づいて所定の物理量についてのヒストグラムを表示する処理等が行われてもよい。
(11)基準座標系の設定
測定対象物Sは例えば設計図に基づいて作製される。設計図においては、測定対象物Sの任意の部分を基準とする3次元座標系に従って寸法が定められる場合がある。
本実施の形態では、測定対象物Sの任意の部分を基準として基準座標系を定義することができる。この場合、測定対象物Sの設計図と同様に、測定対象物Sの任意の部分を基準とする基準座標系を設定し、その基準座標系に従って測定位置の座標を算出する。それにより、算出された測定位置の座標に基づいて、測定対象物Sの設計図に対応する寸法を容易に確認することができる。
以下、基準座標系の設定例を説明する。図37および図38は、基準座標系の一設定例を示す模式図である。本例で設定する基準座標系は、図37(a)に示すように、直方体形状を有する測定対象物Sの8つの頂点のうち1つの頂点Tを原点o’とし、その頂点Tを通る3つの辺に沿うように定義されるx’軸、y’軸およびz’軸を含む。
ここで、図37および図38の測定対象物Sにおいては、図10の例と同様に、互いに対向する測定対象物Sの一側面および他側面を側面Sa,Sbと呼ぶ。また、側面Saおよび側面Sbに直交する一対の側面のうちの一方を前面Scと呼び、測定対象物Sの上面を上面Sdと呼ぶ。
まず、測定管理者は、図37(b)に示すように、測定対象物Sを載置台120上に載置する。また、測定管理者は、座標測定装置300を設定モードで動作させ、表示部160に図21の測定条件設定画面SC2を表示させる。この初期状態では、装置座標系が基準座標系として設定されている。
続いて、測定管理者は図21の座標系設定ボタン612aを操作する。それにより、基準座標系の設定が開始される。本例では、基準座標系を設定するために、1つの平面、1つの直線および1つの点が順次設定される。それにより、特定の物理量として1つの平面、1つの直線および1つの点の位置が測定される。以下の説明において、基準座標系を設定するために設定されるべき平面、直線および点をそれぞれ「平面0」、「直線0」および「点0」と呼ぶ。
設定モードにおいては、基準座標系の設定中、「平面0」、「直線0」および「点0」の測定手順を示すダイアログ(図示せず)が表示部160に表示される。測定管理者は、表示部160に表示される測定手順に従って、まず「平面0」の設定を行う。
この場合、測定管理者は、例えば図37(c)に示すように、頂点Tを含む上面Sdの一部に「平面0」を特定する測定平面を設定する。本設定時には、「平面0」に対応する上面Sdの一部が副撮像部150により撮像され、「平面0」に対応する撮像画像データが記憶部210に記憶される。「平面0」が設定されることにより、基準座標系におけるx’y’平面(z’軸の方向)が定義される。
次に、測定管理者は、例えば図38(a)に示すように、頂点Tを含む前面Scの一部に「直線0」を特定する測定直線を設定する。本設定時には、「直線0」に対応する前面Scの一部が副撮像部150により撮像され、「直線0」に対応する撮像画像データが記憶部210に記憶される。「直線0」が設定されることにより、「直線0」がz’軸方向に沿ってx’y’平面に投影された場合にx’y’平面上に描かれる直線がx’軸として定義される。
次に、測定管理者は、例えば図38(b)に示すように、頂点Tを含む側面Sbの一部に「点0」を特定する測定点を設定する。本設定時には、「点0」に対応する側面Sbの一部が副撮像部150により撮像され、「点0」に対応する撮像画像データが記憶部210に記憶される。
「点0」が設定されることにより、「点0」がz’軸方向に沿ってx’y’平面に投影された場合にx’y’平面上に描かれる点を通りかつx’軸に直交する直線がy’軸として定義される。また、x’軸およびy’軸の交点が原点o’として定義され、原点o’を通るz’軸が定義される。
上記のように、座標測定装置300においては、測定対象物Sの任意の部分を基準とする基準座標系を設定することができる。この場合、図38(b),(c)に示すように、載置台120上の測定対象物Sの位置および姿勢によらず、測定対象物Sの任意の部分を基準とする基準座標系に従って測定位置の座標を正確に算出することができる。
なお、基準座標系を設定するための方法は、上記の例に限られない。例えば、原点o’が設定されるべき点を含む3つの平面が測定平面として設定されることにより、基準座標系が設定されてもよい。
その後、測定作業者は、測定対象物Sについて、2つの側面Sa、Sb間の距離等の任意の測定作業を行う。それにより、当該距離および基準座標系に従う各測定位置の座標を取得することができる。また、測定作業者は、測定対象物Sの位置および姿勢によらず測定対象物Sに対する正確な測定を行うことが可能である。
本実施の形態に係る座標測定装置300によれば、例えば1つの設定情報に基づいて測定対象物Sの複数の物理量を測定することができる。また、1つの物理量が測定されるごとに基準座標系を設定することができる。それにより、測定対象物Sが一定の位置および姿勢で配置されていると測定が困難な物理量が存在する場合に、測定管理者および測定作業者は、物理量の測定ごとに測定対象物Sの位置および姿勢を適切に変更することができる。具体的には、測定管理者および測定作業者は、1つの物理量について測定を行った後、測定対象物Sを水平方向または上下方向に180度回転または90度回転させ、基準座標系の設定をし、設定された基準座標系に基づいて他の物理量を測定することができる。
上記の例では、測定作業者は、1つの測定対象物Sを測定するごとに少なくとも6点の測定位置を設定する必要がある。そこで、測定作業者による基準座標系の設定作業を省略するために、以下の方法で基準座標系が設定されてもよい。
例えば、設定モードにおける基準座標系の設定時に主撮像部130により測定対象物Sを撮像し、取得される画像データを第1の画像データとして記憶部210に記憶する。また、測定モードにおける測定対象物Sの測定開始時に主撮像部130により測定対象物Sを撮像し、取得される画像データを第2の画像データとして記憶部210に記憶する。それにより、図1の制御部220は、設定モードにおいて設定された基準座標系に関する設定情報と、記憶部210に記憶された第1および第2の画像データとに基づいて、基準座標系の設定を自動的に行ってもよい。このような基準座標系の自動設定処理は、例えばパターンマッチング技術等を用いることにより実現することができる。この場合、測定作業者は、基準座標系の設定を行う必要がない。したがって、測定時間が短縮される。
(12)設定失敗および警告の通知
測定要素を設定する場合において、所定の理由により測定要素の設定に失敗することがある。ここで、測定要素の設定の失敗は、測定要素の算出が不能であることを意味する。測定要素の失敗の種類の中には、解決方法を提示可能な失敗もある。図1の処理装置200の記憶部210には、失敗の種類に応じて測定要素の設定が失敗した原因を表示する原因情報が記憶されている。解決方法を提示可能な失敗については、その解決方法を表示する解決情報が記憶部210に記憶される。
設定モードまたは単品測定モードにおいて、測定要素の設定に失敗した場合、設定が失敗した原因を使用者に通知する測定失敗ダイアログが記憶部210に記憶された原因情報に基づいて表示部160に表示されてもよい。また、解決方法を提示可能な失敗については、記憶部210に記憶された解決情報に基づいて測定失敗ダイアログに解決方法が表示されてもよい。以下、測定失敗ダイアログが表示される例の一部を説明する。
図39は、複数種類の測定失敗ダイアログを示す図である。使用者は、図22の管理設定欄621のプルダウンメニュー621aを操作することにより、測定位置の再設定(設定およびその取り消しの繰り返し)の回数を制限することができる。使用者が制限された回数を超えて測定位置を再設定した場合、図39(a)の測定失敗ダイアログ651が表示される。
図39(b)の測定失敗ダイアログ652は、第1要素の設定が失敗したことにより第2要素の設定が失敗した場合に表示される。例えば、球の中心と点との間の距離を測定する場合において、測定要素として第1要素の球の設定に失敗した場合には、第2要素である距離を算出することができない。この場合、距離の算出の際に測定失敗ダイアログ652が表示される。解決方法として、測定失敗ダイアログ652には、測定要素を再測定することを促す旨の文章が表示される。
図39(c)の測定失敗ダイアログ653は、使用者が第3要素を設定するために入力した数値が不適切である場合に表示される。例えば、第3要素として平面を設定する場合には、当該平面の法線ベクトルを入力する必要がある。ここで、入力された法線ベクトルのX成分、Y成分およびZ成分がいずれも0である場合には、平面を設定することができない。この場合、測定失敗ダイアログ653が表示される。解決方法として、測定失敗ダイアログ653には、入力値または測定要素を確認することを促す旨の文章が表示される。
図39(d)の測定失敗ダイアログ654は、使用者が円と直線との交点の算出を指定した場合において、交差しない円と直線とを設定した場合に表示される。解決方法として、測定失敗ダイアログ654には、2つの測定要素が交差していることを確認することを促す旨の文章が表示される。
図39(e)の測定失敗ダイアログ655は、使用者が円と任意の点を通る当該円の接線との接点の算出を指定した場合において、円と当該円の内部の点とを設定した場合に表示される。解決方法として、測定失敗ダイアログ655には、一方の測定要素が他方の測定要素の外部にあることを確認することを促す旨の文章が表示される。
図39(f)の測定失敗ダイアログ656は、使用者が2つの平面の交線の算出を指定した場合において、平行な2つの平面を設定した場合に表示される。解決方法として、測定失敗ダイアログ656には、2つの測定要素の配置を確認することを促す旨の文章が表示される。
測定要素として円を設定する場合、測定管理者は、図3のプローブ140を操作して測定対象物Sの3つ以上の測定位置を設定する。これにより、3つ以上の接触部144aの球形状の中心の位置を含む円が設定される。その後、図22の形状選択欄623の内面ボタン623aおよび外面ボタン623bのいずれが操作されているかに基づいて、接触部144aの半径分だけ設定された円の半径が内方または外方に補正される。ここで、設定された円の半径が接触部144aの半径よりも小さい場合には、円の半径を内方に補正することができない。そのため、接触部144aの半径よりも小さい半径の円が測定された場合には、図39(g)の測定失敗ダイアログ657が表示される。解決方法として、測定失敗ダイアログ657には、測定要素の形状の指定と測定位置とを確認することを促す旨の文章が表示される。
図39(h)の測定失敗ダイアログ658は、測定要素が何らかの理由により設定されなかった場合に表示される。解決方法として、測定失敗ダイアログ658には、測定要素および測定位置を確認することを促す旨の文章が表示される。図39(i)の測定失敗ダイアログ659は、図1の記憶部210の容量不足によりシステムエラーが発生した場合に表示される。
測定要素が設定された場合において、設定された測定要素の信頼性が種々の原因により低いと判定されることがある。図1の記憶部210には、設定された測定要素の信頼性が低いと判定される原因を示す原因情報およびその解決方法を表示する解決情報が記憶されている。
設定モードまたは単品測定モードにおいて、設定された測定要素の信頼性が低いと判定された場合、その原因および解決方法を使用者に通知する警告ダイアログが表示部160に表示されてもよい。以下、警告ダイアログが表示される例の一部を説明する。
図40は、複数種類の警告ダイアログを示す図である。任意の測定要素を設定する場合において、設定された測定位置の数が測定要素を設定するために必要な測定位置の数よりも少ない場合、測定要素を一意的に設定することができない。この場合、図40(a)の警告ダイアログ661が表示される。解決方法として、警告ダイアログ661には、測定要素を一意的に設定するために必要な測定位置の数だけ測定位置を設定することを促す旨の文章が表示される。
図40(b)の警告ダイアログ662は、図21の測定要素選択欄614のボタンにより選択された測定要素の形状が測定対象物Sの形状から大きく異なる場合に表示される。例えば、使用者は、図21の円錐ボタン614fを操作した状態で、円筒形状を有する測定対象物Sの外周面を測定要素として設定する。この場合、設定された測定要素の部分と設定された測定位置との差が予め定められたしきい値よりも大きくなる。このような場合に、測定要素の信頼性が低いと判定され、警告ダイアログ662が表示される。解決方法として、警告ダイアログ662には、測定要素選択欄614のボタンにより選択された測定要素の形状が測定対象物Sの形状に適合していることを確認することを促す旨の文章が表示される。
測定管理者は、円筒形状を有する測定対象物Sの6つの測定位置を設定することにより、円筒形状の測定要素を設定することができる。図40(c)の警告ダイアログ663は、測定管理者が7つ以上の測定位置を設定した場合において、第6の測定位置より後に設定された測定位置が第1〜第6の測定位置により設定される円筒から大きく乖離する場合に表示される。具体的には、第1〜第6の測定位置により設定される円筒と第6の測定位置より後に設定された測定位置を用いて設定される円筒との交差角度が算出される。交差角度が予め定められたしきい値よりも大きい場合には、測定要素の信頼性が低いと判定され、警告ダイアログ663が表示される。解決方法として、測定手順と測定位置とを確認することを促す旨の文章が表示される。
図40(d)の警告ダイアログ664は、測定結果が測定範囲外の値を含む場合に表示される。例えば、使用者が円の直径の算出を指定した場合において、略直線上に並ぶ3つ以上の測定位置を設定する。この場合、測定結果として極めて大きい値を有する直径が算出される。このように、円の直径または円の中心位置等の算出結果が予め定められたしきい値よりも大きい場合に、測定要素の信頼性が低いと判定され、警告ダイアログ664が表示される。解決方法として、警告ダイアログ664には、測定対象物Sについて均一に測定位置が分布するように設定することを促す旨の文章が表示される。
図40(e)の警告ダイアログ665は、使用者が平面を設定した場合において、平面の大きさに対して平面度が大きい場合に表示される。例えば、設定された平面の平面度が平面の幅または高さよりも所定の割合以上大きい場合には、測定要素の信頼性が低いと判定され、警告ダイアログ665が表示される。解決方法として、測定失敗ダイアログ665には、測定点位置を設定する範囲を広げることを促す旨の文章が表示される。
図40(f)の警告ダイアログ666は、図17の平均ダミー点ADを用いて測定要素を設定する場合において、測定要素を補正する方向を特定できない場合に表示される。例えば、平面を設定する場合において、平均ダミー点ADと補正前の平面ML1c(図17)との最短距離が定められたしきい値よりも小さい場合には、補正の方向の信頼性が低いと判定され、警告ダイアログ666が表示される。解決方法として、図22〜図29の測定手順設定画面SC3には、測定要素の算出方向(補正方向)を反対にするためのボタン(図示せず)が表示される。警告ダイアログ666には、当該ボタンを操作することを促す旨の文章が表示される。
設定モードまたは単品測定モードにおいては、測定要素の設定が行なわれるごとに上記の測定失敗ダイアログまたは警告ダイアログが表示される。測定モードにおいても、設定モードまたは単品測定モードと同様に、測定要素の設定が行なわれるごとに測定失敗ダイアログまたは警告ダイアログが表示されてもよい。
一方、測定モードにおいて座標測定装置300を使用する測定作業者は、設定モードまたは単品測定モードにおいて座標測定装置300を使用する使用者よりも座標測定装置300についての知識が乏しいことが多い。そのため、測定モードにおいて、測定要素の設定が行なわれるごとに測定失敗ダイアログまたは警告ダイアログが表示されると、却って測定作業者の操作の妨げの原因となることがある。
そこで、測定モードにおいては、図31〜図34の実測定画面SC4に測定失敗ダイアログまたは警告ダイアログを表示するためのボタンが表示されてもよい。この場合、測定要素の設定が行なわれるごとに測定失敗ダイアログまたは警告ダイアログが表示されず、当該ボタンが操作された場合に測定失敗ダイアログまたは警告ダイアログが表示される。これにより、測定作業者は、操作を妨げられることなく、必要に応じて当該ボタンを操作することにより測定失敗ダイアログまたは警告ダイアログを確認することができる。
また、測定モードにおいては、測定作業者によるプローブ140の操作内容に応じて、以下に説明する再測定ダイアログおよびプローブ警告ダイアログが表示部160に表示されてもよい。図41(a)は再測定ダイアログの一例を示す図であり、図41(b)はプローブ警告ダイアログの一例を示す図である。
例えば、図22に示すように、設定モードにおいてチェックボックス624aがチェックされることにより判定機能がオンされた状態で設定情報が生成される場合を想定する。この場合、測定モードで当該設定情報を用いると、測定位置が設定されるごとに、その測定位置の座標と設定モードで設定された測定位置との間のずれ量が許容範囲以下であるか否かが判定される。図41(a)の再測定ダイアログ671は、上記のずれ量が許容範囲よりも大きい場合に、測定作業者に再設定を促すための表示である。それにより、測定作業者は、プローブ140の操作ミス等により測定位置を誤って設定した場合に、測定位置の再設定を行うことができる。
図41(b)のプローブ警告ダイアログ672は、例えば1の測定位置が「Aプローブ」により設定されるべき場合に1の測定位置が「Bプローブ」で設定された場合に、用いるべきプローブ140が誤っていることを測定作業者に提示するための表示である。それにより、測定作業者は、使用すべきでないプローブ140で測定位置を設定した場合に、使用すべきプローブ140で測定位置の再測定を行うことができる。
なお、図1の制御部220は、複数の発光部143が発光しないように、使用すべきプローブ140以外のプローブ140を制御してもよい。この場合、使用すべきプローブ140以外のプローブ140が非アクティブ状態となる。それにより、使用すべきでないプローブ140による測定位置の設定が防止される。
(13)便利な機能
以下、測定要素に関する便利な機能について説明する。
(a)測定要素の検索機能
設定モードまたは単品測定モードにおいては、例えば200以上の測定要素を設定することが可能である。極めて多数の測定要素が設定された場合、設定された全ての測定要素を図22〜図29の測定手順設定画面SC3の測定要素表示欄610に表示しても、使用者には所望の測定要素を識別することは困難である。そこで、設定モードまたは単品測定モードにおいては、使用者による図1の操作部230の操作内容に応じて、以下に説明する要素検索画面が表示部160に表示される。
図42は、要素検索画面を示す図である。図42に示すように、要素検索画面680は、2つの条件設定欄680A,680Bおよび実行欄680Cを含む。条件設定欄680Aには、要素名検索チェックボックス681、要素名入力欄682および3つの判定結果チェックボックス683a,683b,683cが表示される。条件設定欄680Bには、参照要素検索チェックボックス684、対称要素入力欄685および3つの検索要素チェックボックス686a,686b,686cが表示される。実行欄680Cには、2つの検索ボタン687a,687bが表示される。
測定要素の名称または判定結果を検索したい場合には、使用者は、条件設定欄680Aの要素名検索チェックボックス681をチェックする。この場合、条件設定欄680Bの対称要素入力欄685および検索要素チェックボックス686a〜686cの表示はグレーアウト状態となる。ここで、判定結果は、「OK」状態、「NG」状態および「Fail」状態を含む。「OK」状態は、設定された測定要素が良否判定用の基準範囲に含まれている状態である。「NG」状態は、設定された測定要素が良否判定用の基準範囲に含まれていない状態である。「Fail」は、測定要素の設定に失敗した状態である。
要素名検索チェックボックス681をチェックした状態で、使用者は、検索したい測定要素の名称の少なくとも一部を要素名入力欄682に入力する。これにより、要素名入力欄682に入力された名称を含む測定要素が検索対象として設定される。
あるいは、使用者は、要素名検索チェックボックス681をチェックした状態で、検索したい測定要素の判定結果に対応する判定結果チェックボックス683a〜683cの少なくとも1つをチェックする。ここで、判定結果チェックボックス683a〜683cは、「OK」状態、「NG」状態および「Fail」状態にそれぞれ対応する。これにより、チェックした判定結果チェックボックス683a〜683cに対応する判定結果を有する測定要素が検索対象として設定される。
任意の測定要素の算出結果を参照して設定される測定要素、および任意の測定要素を設定するために算出結果を参照させる測定要素をいずれも任意の測定要素の参照要素と呼ぶ。例えば、図29の例においては、「距離002」は「球001」の算出結果を参照して設定されるので、「距離002」は「球001」の参照要素である。同様に、「球001」は「距離002」を設定するために算出結果を参照させるので、「距離001」は「球002」の参照要素である。
所望の測定要素についての参照要素を検索したい場合には、使用者は、条件設定欄680Bの参照要素検索チェックボックス684をチェックする。この場合、条件設定欄680Aの要素名入力欄682および判定結果チェックボックス683a〜683cの表示はグレーアウト状態となる。
参照要素検索チェックボックス684をチェックした状態で、使用者は、検索したい参照要素を有する測定要素の名称を対称要素入力欄685に入力する。対称要素入力欄685に入力された名称を有する測定要素を入力測定要素と呼ぶ。また、使用者は、検索要素チェックボックス686a〜686cのいずれかをチェックする。
ここで、検索要素チェックボックス686aがチェックされたときは、入力測定要素についての全ての参照要素が検索対称として設定される。検索要素チェックボックス686bがチェックされたときは、入力測定要素が投影面として参照する参照要素が検索対称として設定される。検索要素チェックボックス686cがチェックされたときは、入力測定要素についての全ての参照要素のうち、当該測定要素が投影面として参照する参照要素を除いた参照要素が検索対称として設定される。
検索の実行は、実行欄680Cの検索ボタン687aまたは検索ボタン687bが操作されることにより行なわれる。検索ボタン687aが操作されたときには、検索対象に該当する全ての測定要素の名称および判定結果を示す一覧が実行欄680Cに表示される。検索ボタン687bが操作されたときには、検索対象に該当する1の測定要素の名称および判定結果が実行欄680Cに表示される。検索ボタン687bが操作されるごとに、検索対称に該当する他の1の測定要素の名称および判定結果が実行欄680Cに順次表示される。
図42の例では、条件設定欄680Aの要素名検索チェックボックス681がチェックされ、要素名入力欄682に「1」が入力され、判定結果チェックボックス683a〜683cの各々がチェックされている。この場合、名称として「1」を含み、かつ判定結果が「OK」状態、「NG」状態または「Fail」状態である測定要素が検索対象として設定される。
この状態で、実行欄680Cの検索ボタン687aが操作されることにより、図42に示すように、検索対象に該当する全ての測定要素の名称および判定結果を示す一覧が実行欄680Cに表示される。使用者は、表示された一覧を視認することにより、所望の測定要素の名称および判定結果を識別することができる。
(b)測定マクロ
設定モードで設定情報を生成する場合において、設定する頻度が高い複数の測定要素の組み合わせが存在することがある。このような場合において、設定情報を生成するごとに複数の測定要素を設定しなければならないとすると、測定管理者の負担が大きくなる。そこで、設定モードにおいては、所望の複数の測定要素の組み合わせを測定マクロとして登録することができる。この場合、複数の測定要素を算出するための操作を逐一行なう必要がないので、使用者の操作負担を低減することができる。
以下、図20における球状の測定対象物Sの中心の位置A1と測定対象物Sの周囲における特定の位置A2との間の距離を測定するための測定マクロの登録例について説明する。図43は、測定マクロ登録画面を示す図である。測定マクロ登録画面690は、使用者による図1の操作部230の操作内容に応じて図1の表示部160に表示される。
図43に示すように、測定マクロ登録画面690には、測定マクロ名入力欄691、2つの表示制限チェックボックス692a,692b、測定要素一覧693、公差設定チェックボックス694および登録ボタン695が表示される。使用者は、登録する測定マクロの名称を測定マクロ名入力欄691に入力することができる。本例では、測定マクロの名称を「球〜点 距離」とする。
測定要素一覧693は、設定されている複数の測定要素にそれぞれ対応する複数の登録対象チェックボックス693aを含む。複数の登録対象チェックボックス693aは、上下方向に並ぶように表示される。また、測定要素一覧693には、対応する複数の登録対象チェックボックス693aに隣接するように複数の測定要素の名称がそれぞれ表示される。
ここで、設定されている測定要素の数が極めて多い場合、全ての測定要素の名称が測定要素一覧693に表示されると、使用者は所望の測定要素の名称を迅速に識別することができない。そこで、使用者は、表示制限チェックボックス692a,692bの少なくとも一方をチェックすることにより、測定要素一覧693に表示される測定要素の名称の数を制限することができる。
表示制限チェックボックス692aがチェックされた場合には、選択された測定要素の名称およびその参照要素の名称のみが測定要素一覧693に表示される。この場合、他の測定要素の名称は非表示となる。表示制限チェックボックス692bがチェックされた場合には、選択された測定要素の名称およびその上に並ぶ測定要素の名称のみが測定要素一覧693に表示される。この場合、選択された測定要素の名称より下に並ぶ測定要素の名称は非表示となる。測定要素一覧693に表示される測定要素の名称の数を制限することにより、使用者は、測定要素の名称を迅速に識別することができる。
本例では、「球001」、「点001」および「距離002」にそれぞれ対応する複数の登録対象チェックボックス693aがチェックされる。次に、登録ボタン695がチェックされることにより、「球001」、「点001」および「距離002」からなる測定マクロが「球〜点 距離」という名称で登録される。
測定要素に付随する情報をパラメータと呼ぶ。パラメータは、例えば公差および測定位置の数を含む。測定要素が円である場合には、パラメータは、円の形状が内周面であるかまたは外周面であるかの区別を含む。測定要素が球である場合には、パラメータは、球の形状が内表面であるかまたは外表面であるかの区別を含む。測定要素が距離である場合には、パラメータは、一方の測定要素の中心と他方の測定要素の中心との間の距離であるか、2つの測定要素間の最大距離であるか、または2つの測定要素間の最小距離であるかの区別を含む。
測定マクロの登録時に、公差設定チェックボックス694がチェックされることにより、チェックされた登録対象チェックボックス693aに対応する測定要素についてのパラメータとして公差の設定を測定マクロに含めることができる。同様に、所定の操作が行なわれることにより、チェックされた登録対象チェックボックス693aに対応する測定要素についての他のパラメータの設定を測定マクロに含めることができる。
次に、登録された測定マクロの挿入例について説明する。図44は、測定マクロ挿入画面を示す図である。測定マクロ挿入画面700は、使用者による図1の操作部230の操作内容に応じて図21の測定条件設定画面SC2または図22〜図29の測定手順設定画面SC3に表示される。図44に示すように、測定マクロ挿入画面700には、測定マクロ一覧701および挿入ボタン702が表示される。
測定マクロ一覧701には、登録されている複数の測定マクロの名称が上下方向に並ぶように表示される。また、測定マクロ一覧701には、各測定マクロに含まれる測定要素の数およびそれらの測定要素の種類が、対応する測定マクロの名称に隣接するように表示される。例えば、測定マクロ「球〜点 距離」には、「球」、「点」および「距離」の3個の測定要素が含まれる。そのため、測定マクロ「球〜点 距離」の名称の横には、測定要素の数「3」および測定要素の種類「球,点,距離」が表示される。
使用者は、所望の測定要素を測定マクロ一覧701から選択し、挿入ボタン702を操作する。これにより、選択した測定マクロが図22〜図29の測定手順設定画面SC3に挿入される。図45は、測定マクロが挿入されたときの測定手順設定画面SC3を示す図である。測定マクロが挿入されたときの測定手順設定画面SC3(図45)は、以下の点を除き、測定条件が新しく設定されたときの測定手順設定画面SC3(図22)と同様である。
図45に示すように、測定マクロが挿入されたときの測定手順設定画面SC3には、挿入予定要素表示サブウィンド710が表示される。また、測定マクロの登録時に図43の公差設定チェックボックス694がチェックされていた場合には、設定されるべき測定要素についての設計値、公差の上限値および公差の下限値が設計値入力欄625b、上限値入力欄625cおよび下限値入力欄625dにそれぞれ表示される。
挿入予定要素表示サブウィンド710は、挿入予定要素表示欄711および挿入中止ボタン712を含む。挿入予定要素表示欄711には、設定されるべき複数の測定要素が上から下に並ぶように表示される。挿入予定要素表示欄711においては、現時点で設定されるべき測定要素がハイライト表示される。
使用者は、挿入予定要素表示欄711にハイライト表示される測定要素を順次設定することにより、測定マクロに含まれる複数の測定要素の組み合わせを設定することができる。また、使用者は、挿入中止ボタン712を操作することにより、測定マクロの挿入を中止することができる。
(c)パラメータ一括編集
設定された複数の測定要素について、複数のパラメータを一括編集したい場合がある。そこで、本実施の形態における設定モードまたは単品測定モードにおいては、設定された同一種類の複数の測定要素について、複数のパラメータを一括編集または確認することができる。
まず、各測定要素のパラメータを個別編集する例を説明する。図46は、個別編集用のパラメータ編集画面SC5を示す図である。図46(a),(b),(c)は、それぞれ円形状を有する第1、第2および第3の測定要素のパラメータ編集画面SC5を示す。使用者は、第1〜第3の測定要素のいずれかを選択した状態で、図示しない編集ボタンを操作することにより、対応する図46(a)〜(c)のパラメータ編集画面SC5を表示部160に表示させることができる。
図46(a)〜(c)に示すように、パラメータ編集画面SC5は、図22の測定手順設定画面SC3と同様の要素名称欄622、形状選択欄623および測定位置座標表示欄624を含む。また、パラメータ編集画面SC5は、基準面表示欄629をさらに含む。基準面表示欄629には、プルダウンメニュー629aが表示される。プルダウンメニュー629aには、装置座標系および基準座標系等の種々の座標系が表示される。使用者は、測定位置を算出するための基準となる座標系をプルダウンメニュー629aに表示される座標系から選択することができる。
図46(a)における第1の測定要素の名称は「円001」である。また、内面ボタン623aがハイライト表示されているので、第1の測定要素の形状は円の内周面である。プルダウンメニュー629aからは測定座標系が選択されている。したがって、測定位置座標表示欄624には、測定座標系を基準として、第1の測定要素を設定するための複数の測定位置の算出結果が表示される。また、チェックボックス624aはチェックされておらず、数値入力欄624bには許容範囲が入力されている。
図46(b)における第2の測定要素の名称は「円002」である。また、外面ボタン623bがハイライト表示されているので、第2の測定要素の形状は円の外周面である。プルダウンメニュー629aからは測定座標系が選択されている。したがって、測定位置座標表示欄624には、測定座標系を基準として、第2の測定要素を設定するための複数の測定位置の算出結果が表示される。また、チェックボックス624aはチェックされておらず、数値入力欄624bには許容範囲が入力されている。
図46(c)における第3の測定要素の名称は「円003」である。また、内面ボタン623aがハイライト表示されているので、第3の測定要素の形状は円の内周面である。プルダウンメニュー629aからは基準座標系が選択されている。したがって、測定位置座標表示欄624には、基準座標系を基準として、第3の測定要素を設定するための複数の測定位置の算出結果が表示される。また、チェックボックス624aはチェックされておらず、数値入力欄624bには許容範囲が入力されている。
所望の測定要素のパラメータを個別編集する場合においては、当該測定要素を選択した状態でパラメータ編集画面SC5を操作することにより、当該測定要素の任意のパラメータを編集することができる。例えば、要素名称欄622を操作することにより、測定要素の名称を変更することができる。内面ボタン623aまたは外面ボタン623bを操作することにより、測定要素の形状を円の内周面と円の外周面との間で変更することができる。プルダウンメニュー629aを操作することにより、測定位置を算出するための基準となる座標系を測定座標系と基準座標系との間で変更することができる。
次に、上記の第1〜第3の測定要素についてのパラメータを一括編集する例を説明する。図47は、一括編集用のパラメータ編集画面SC5を示す図である。使用者は、編集したい同一種類の複数の測定要素(本例では第1〜第3の測定要素)を全て選択した状態で、図示しない編集ボタンを操作することにより、図47のパラメータ編集画面SC5を表示部160に表示させることができる。なお、異なる種類の複数の測定要素を選択した状態で編集ボタンが操作された場合には、後に選択された種類の測定要素について、個別編集用または一括編集用のパラメータ編集画面SC5が表示部160に表示されることとなる。
一括編集においては、選択された複数の測定要素について、同一種類の複数のパラメータの情報が互いに等しい場合には、当該パラメータの情報がパラメータ編集画面SC5に表示される。一方、選択された複数の測定要素について、同一種類の複数のパラメータのいずれかの情報が同一種類の他のパラメータの情報と異なる場合には、情報が異なることが認識可能にパラメータ編集画面SC5に表示される。これにより、使用者は、選択した同一種類の複数の測定要素についてのパラメータが全て等しいか否かを容易に認識することができる。
図47の例においては、選択された第1〜第3の測定要素について、同一種類のパラメータの情報として第1〜第3の測定要素の名称が互いに異なる。そのため、要素名称欄622には、名称が異なることを示す記号として「*****」が表示される。使用者は、要素名称欄622の「*****」の表示を視認することにより、第1〜第3の測定要素の名称が互いに異なることを確認することができる。
ここで、測定要素の名称は当該測定要素に固有であるため、複数の測定要素の名称が互いに異なることは当然である。むしろ、複数の測定要素の名称が一括編集により統一されることは適切ではない。そのため、本例においては、測定要素の名称はグレーアウト表示されるとともに、一括編集による測定要素の名称の変更が禁止されるように構成されている。
選択された第1〜第3の測定要素について、同一種類のパラメータの情報として形状が第1および第3の測定要素(内周面)と第2の測定要素(外周面)とで互いに異なる。そのため、内面ボタン623aおよび外面ボタン623bがいずれもハイライト表示されずに通常表示される。使用者は、内面ボタン623aおよび外面ボタン623bの表示を視認することにより、第1〜第3の測定要素の形状が互いに異なることを確認することができる。また、使用者は、内面ボタン623aまたは外面ボタン623bを操作することにより、第1〜第3の測定要素の形状を統一することもできる。
選択された第1〜第3の測定要素について、同一種類のパラメータの情報として座標系が第1および第2の測定要素(装置座標系)と第3の測定要素(基準座標系)とで互いに異なる。そのため、プルダウンメニュー629aには、座標系が異なることを示す記号として「*****」が表示される。使用者は、プルダウンメニュー629aの「*****」の表示を視認することにより、第1〜第3の測定要素の座標系が互いに異なることを確認することができる。また、使用者は、プルダウンメニュー629aを操作することにより、第1〜第3の測定要素の座標系を統一することもできる。
選択された第1〜第3の測定要素について、同一種類のパラメータの情報として第1〜第3の測定要素の測定位置が互いに異なる。そのため、測定位置座標表示欄624は、測定位置が異なることを示す色彩としてグレーアウト表示される。使用者は、測定位置座標表示欄624のグレーアウト表示を視認することにより、第1〜第3の測定要素の測定値が互いに異なることを確認することができる。
ここで、測定要素の名称と同様に、測定要素の測定位置は当該測定要素に固有であるため、複数の測定要素の測定位置が互いに異なることは当然である。むしろ、複数の測定要素の測定位置が一括編集により統一されることは適切ではない。そのため、本例においては、一括編集による測定要素の測定位置の変更が禁止されるように構成されている。
一方、選択された第1〜第3の測定要素について、同一種類の複数のパラメータの情報として判定機能の状態(オフ状態)が互いに等しい。そのため、チェックボックス624aのチェックが非表示となる。これにより、当該パラメータの情報として判定機能の状態がオフ状態であることが表示される。使用者は、チェックボックス624aの表示を視認することにより、第1〜第3の測定要素の判定機能の状態がいずれもオフ状態であることを確認することができる。
選択された第1〜第3の測定要素について、同一種類の複数のパラメータの情報として許容範囲(図46(a)〜(c)の例では5mm)が互いに等しい。そのため、当該パラメータの情報として許容範囲が数値入力欄624bに表示される。使用者は、数値入力欄624bの許容範囲を視認することにより、第1〜第3の測定要素の許容範囲がいずれも5mmであることを確認することができる。
本実施の形態における一括編集用のパラメータ編集画面SC5においては、チェックボックス624aおよび設計値入力欄625bはグレーアウト表示される。また、一括編集によるチェックボックス624aおよび設計値入力欄625bの表示の変更が禁止されるように構成されている。
(d)パラメータ一覧表
上記のパラメータ一括編集においては、設定された同一種類の複数の測定要素について、複数のパラメータを一括編集することができる。さらに、測定要素の種類を問わずに複数の測定要素について、特定のパラメータを包括的に編集または確認したい場合がある。そこで、本実施の形態における設定モードまたは単品測定モードにおいては、設定された複数の測定要素について、複数の特定のパラメータを記載した一覧表を表示させることができる。ここで、特定のパラメータは、公差または設定される測定位置と設定モードで設定される測定位置との間のずれ量の許容範囲を含む。
使用者は、所望の複数の測定要素を選択した状態で、図示しない一覧表表示ボタンを操作することにより、一覧表を表示部160に表示させることができる。使用者は、一覧表を視認することにより、複数の測定要素についての特定のパラメータを包括的に確認することができる。また、使用者は、一覧表に記載された数値の一部または全部を変更することにより、複数の測定要素についての特定のパラメータを包括的に編集することができる。
(14)効果
本実施の形態においては、主撮像部130によりプローブ140の複数の発光部143が撮像される。主撮像部130による撮像の結果に基づいて、測定対象物Sとプローブ140のスタイラス144の接触部144aとの接触位置が測定位置として順次設定される。また、設定されたm個(mは自然数)以上の測定位置に基づいて、測定要素が設定される。設定された複数の測定位置にそれぞれ対応する複数の指標が表示部160に表示される。
ここで、測定要素は、m個以上の測定位置を用いて特定可能である。そのため、m個よりも多いn個(nは自然数)の測定位置が設定された場合には、設定されたn個の測定位置のうち少なくとも1個の測定位置を用いなくても、測定要素を特定することができる。そこで、n個の測定位置に基づいて測定要素が設定された場合には、測定要素に対するn個の測定位置の偏差が算出される。n個の測定位置のうち最大の偏差を有する測定位置に対応する指標が他の測定位置に対応する指標から識別可能に表示部160に表示される。
この構成によれば、使用者は、n個の測定位置のうち測定要素に対して最大の偏差を有する測定位置を容易に認識することができる。また、使用者は、n個の測定位置のうち最大の偏差を有する測定位置を測定要素の設定に用いるか否かを判断することができる。当該測定位置を用いずに測定要素の設定を再度行なうことにより、測定要素の正確性が向上する。これにより、測定対象物Sの正確な測定を容易に行うことができる。
(15)他の実施の形態
(a)上記実施の形態において、測定要素の補正の方向が複数のダミー点140Dの位置の平均により算出される平均ダミー点ADの位置に基づいて決定されるが、これに限定されない。測定要素の補正の方向は、複数のダミー点140Dの位置の任意の演算により算出される補正基準位置に基づいて決定されてもよい。この構成においても、測定位置を設定する際のプローブ140の姿勢にばらつきがある場合であっても、補正の方向がばらつく可能性を低減することができる。
(b)上記実施の形態においては、図4(b)のダミー点140Dは、プローブ140のねじ穴149A〜149Cに沿って延びる直線の交点付近に設けられるが、これに限定されない。ダミー点140Dは、プローブ140のいかなる位置に設けられてもよい。ここで、ダミー点140Dは、プローブ140のスタイラス144の接触部144aからわずかに(例えば10mm程度)離間した位置に設けられることが好ましい。この構成によれば、複数のダミー点140Dが算出される際のプローブ140の姿勢にばらつきがある場合であっても、測定要素の補正すべき方向がばらつく可能性をより低減することができる。
(c)上記実施の形態においては、測定要素に固有の名称が付与され、図42の要素検索画面680では測定要素の名称の検索が可能であるが、これに限定されない。名称とは異なる識別子等の固有の識別情報が測定要素に付与され、要素検索画面680では識別情報の検索が可能であってもよい。
(16)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、発光部143がマーカの例であり、測定対象物Sが測定対象物の例であり、接触部144aが接触部の例であり、プローブ140がプローブの例である。主撮像部130が撮像部の例であり、制御部220が算出部、検索部および編集部の例であり、表示部160が表示部の例であり、座標測定装置300が光学式座標測定装置の例である。
ダミー点140Dが仮想点の例であり、平均ダミー点ADが補正基準位置の例であり、記憶部210が第1および第2の記憶部の例であり、パラメータ編集画面SC5が編集画面の例である。操作部170が操作装置の例であり、測定ボタンB1が指定操作部の例であり、確定ボタンB2が確定操作部の例であり、ポインティング代替ボタンB6がポインティング代替操作部の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
本発明は、種々の測定対象物の寸法等の測定に有効に利用することができる。
100 測定ヘッド
110 保持部
111 設置部
112 スタンド部
113,146 接続端子
114 インターフェース部
114a 電源スイッチ
114b 動作表示ランプ
114c USBポート
120 載置台
130 主撮像部
130a 素子保持部
130b レンズ保持部
131 撮像素子
132 レンズ
132a 主点
133 凹部
134 貫通孔
140 プローブ
141 筐体部
141a 前部上面
141b 中央部上面
141c 後部上面
141h 開口
142 把持部
143 発光部
144 スタイラス
144a 接触部
144b 軸部
144c ねじ部
145 電源基板
148 通知部
149 スタイラス固定部材
149a〜149c 取り付け面
149A〜149C ねじ穴
150 副撮像部
160 表示部
170 操作部
171 本体部
171a 表面
171b 裏面
171c 端面
172 ケーブル
180 制御基板
200 処理装置
210 記憶部
220 制御部
230 操作部
300 座標測定装置
601,B1 測定ボタン
602 設定ボタン
603 単品測定ボタン
604 統計解析ボタン
610 測定要素表示欄
611,629 画像表示欄
612 座標系設定欄
612a 座標系設定ボタン
613 測定項目選択欄
613a 距離ボタン
613b 角度ボタン
614 測定要素選択欄
614a 平面ボタン
614b 直線ボタン
614c 点ボタン
614d 円ボタン
614e 円筒ボタン
614f 円錐ボタン
614g 球ボタン
621 管理設定欄
621a,628b,629a プルダウンメニュー
622 要素名称欄
622a,B5 撮像ボタン
623 形状選択欄
623a 内面ボタン
623b 外面ボタン
624 測定位置座標表示欄
624a チェックボックス
624b 数値入力欄
624c,B2 確定ボタン
625 公差設定欄
625a 測定値表示欄
625b 設計値入力欄
625c 上限値入力欄
625d 下限値入力欄
626 測定範囲選択欄
626a 中心間距離チェックボックス
626b 最大距離チェックボックス
626c 最小距離チェックボックス
627 指示選択欄
627a 設定継続ボタン
627b 設定保存ボタン
628 測定操作欄
628a 測定開始ボタン
628c 対象物名称入力欄
629 基準面表示欄
630 プローブ表示欄
631 進捗度合い表示欄
631a,631b,ic インジケータ
632 測定結果表示欄
632a 次の測定ボタン
632b メインメニューボタン
650 管理設定ダイアログ
650a チェックボックス
650b 時間入力欄
650c OKボタン
651〜659 測定失敗ダイアログ
661〜666 警告ダイアログ
671 再測定ダイアログ
672 プローブ警告ダイアログ
680 要素検索画面
680A,680B 条件設定欄
680C 実行欄
681 要素名検索チェックボックス
682 要素名入力欄
683a〜683c 判定結果チェックボックス
684 参照要素検索チェックボックス
685 対称要素入力欄
686a〜686c 検索要素チェックボックス
687a,687b 検索ボタン
690 測定マクロ登録画面
691 測定マクロ名入力欄
692a,692b 表示制限チェックボックス
693 測定要素一覧
693a 登録対象チェックボックス
694 公差設定チェックボックス
695 登録ボタン
700 測定マクロ挿入画面
701 測定マクロ一覧
702 挿入ボタン
710 挿入予定要素表示サブウィンド
711 挿入予定要素表示欄
712 挿入中止ボタン
A1,A2 位置
AD 平均ダミー点
B3 キャンセルボタン
B4 表示切替ボタン
B6 ポインティング代替ボタン
D1 第1の方向
D2 第2の方向
DR1 長さ方向
DR2 幅方向
ia,ib,P1b〜P4b,P1d〜P4d,P1e,PP,PPx 画像
M1a〜M5a,M1b〜M4b,M1c〜M3c 測定位置
ML1,ML2 測定平面
ML1a〜ML1c 平面
ML3 内周面
P 受光位置
PL2,PL4,PL5 図形
S 測定対象物
Sa,Sb 側面
Sc 前面
Sd 上面
SC1 初期画面
SC2 測定条件設定画面
SC3 測定手順設定画面
SC4 実測定画面
SC5 パラメータ編集画面
T 頂点
V 撮像領域
VI 撮像領域仮想画像

Claims (17)

  1. 複数のマーカを有するとともに測定対象物に接触される接触部を有するプローブと、
    前記プローブの前記複数のマーカを撮像する撮像部と、
    前記撮像部による撮像の結果に基づいて、測定対象物と前記接触部との接触位置を測定位置として順次算出し、m個(mは自然数)以上の測定位置を用いて特定可能な測定要素を、算出されたm個以上の測定位置に基づいて算出する算出部と、
    前記算出部により算出された前記複数の測定位置にそれぞれ対応する複数の指標を表示する表示部とを備え、
    前記算出部は、前記m個よりも多いn個(nは自然数)の測定位置に基づいて前記測定要素を算出した場合、前記測定要素に対する前記n個の測定位置の偏差を算出し、前記n個の測定位置のうち最大の偏差を有する測定位置に対応する指標を他の測定位置に対応する指標から識別可能に前記表示部に表示させる、光学式座標測定装置。
  2. 前記算出部は、前記n個の測定位置に基づいて前記測定要素を算出した場合、前記最大の偏差を有する測定位置を除く他の測定位置に基づいて測定要素を再度算出する、請求項1記載の光学式座標測定装置。
  3. 前記プローブは、前記接触部と一定の位置関係を有する仮想点を有し、
    前記接触部は部分的な球形状を有し、
    前記算出部は、前記撮像部による撮像の結果に基づいて前記プローブの前記接触部の中心の位置を暫定的な測定位置である暫定位置として順次算出するとともに前記仮想点の位置を順次算出し、前記m個以上の暫定位置に基づいて暫定的な測定要素である暫定要素を算出し、算出された複数の仮想点の位置に基づいて前記暫定要素を前記接触部の半径分補正することにより前記測定要素を算出する、請求項1または2記載の光学式座標測定装置。
  4. 前記算出部は、算出された複数の仮想点の位置の演算により補正基準位置を算出し、算出された補正基準位置に基づいて前記暫定要素の補正すべき方向を決定し、前記暫定要素を前記決定された方向に前記接触部の半径分補正させることにより前記測定要素を算出する、請求項3記載の光学式座標測定装置。
  5. 前記補正基準位置は、算出された複数の仮想点の位置の平均の位置である、請求項4記載の光学式座標測定装置。
  6. 測定要素の算出が不能であった場合の原因を示す複数の第1の原因情報を記憶する第1の記憶部をさらに備え、
    前記算出部は、測定要素の算出が不能であった場合、算出の不能の原因を判定し、判定された原因に対応する第1の原因情報を前記第1の記憶部から取得し、取得された第1の原因情報に基づいて測定要素の算出の不能の原因を前記表示部に表示させる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学式座標測定装置。
  7. 前記第1の記憶部は、前記複数の第1の原因情報にそれぞれ対応して、測定要素の算出が不能であった場合の解決方法を示す複数の第1の解決情報をさらに記憶し、
    前記算出部は、測定要素の算出が不能であった場合、前記判定された原因に対応する第1の解決情報を前記第1の記憶部から取得し、取得された第1の解決情報に基づいて測定要素の算出の不能の解決方法を前記表示部にさらに表示させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学式座標測定装置。
  8. 算出された測定要素の信頼性が低い場合の原因を示す複数の第2の原因情報と、前記複数の第2の原因情報にそれぞれ対応して、測定要素の信頼性が低い場合の解決方法を示す複数の第2の解決情報とを記憶する第2の記憶部をさらに備え、
    前記算出部は、算出された測定要素についての信頼性を示す数値を算出し、算出された数値に基づいて測定要素の信頼性が予め定められた程度よりも低いか否かを判定し、測定要素の信頼性が予め定められた程度よりも低い場合にその原因を判定し、判定された原因に対応する第2の原因情報を前記第2の記憶部から取得し、取得された第2の原因情報に基づいて測定要素の信頼性が低い原因およびその解決方法を前記表示部に表示させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学式座標測定装置。
  9. 前記算出部により算出された測定要素および算出が不能であった測定要素を検索する検索部をさらに備え、
    前記検索部は、検索されるべき測定要素に付随する第1の情報を受け付けるとともに、受け付けた前記第1の情報を有する測定要素を該当測定要素として前記表示部に表示させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学式座標測定装置。
  10. 前記算出部は、測定要素に固有の識別情報を付与するように構成され、
    前記第1の情報は、測定要素の識別情報の少なくとも一部を含み、
    前記検索部は、受け付けた識別情報の少なくとも一部を有する測定要素を前記表示部に表示させる、請求項9記載の光学式座標測定装置。
  11. 前記算出部は、測定要素の良否を判定するための基準を受け付けるとともに、受け付けた基準に基づいて、算出された測定要素の良否を判定するように構成され、
    前記第1の情報は、測定要素の良否の結果を含み、
    前記検索部は、受け付けた良否の結果を有する測定要素を前記表示部に表示させる、請求項9または10記載の光学式座標測定装置。
  12. 前記検索部は、該当測定要素が他の測定要素を参照して算出される場合には、該当測定要素とともに他の測定要素を前記表示部に表示させ、さらに他の測定要素が該当測定要素を参照して算出される場合には、該当測定要素とともにさらに他の測定要素を前記表示部に表示させる、請求項9〜11のいずれか一項に記載の光学式座標測定装置。
  13. 前記算出部は、算出された複数の測定要素のうち複数の任意の測定要素の選択を受け付けるとともに、選択された複数の測定要素を測定マクロとして算出可能に登録する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の光学式座標測定装置。
  14. 選択された測定要素に付随する第2の情報の編集を行なう編集画面を前記表示部に表示させる編集部をさらに備え、
    前記編集部は、同一種類の複数の測定要素が選択された場合には、選択された複数の測定要素に付随する第2の情報の編集を行なう共通の編集画面を前記表示部に表示させ、前記共通の編集画面において第2の情報の編集を受け付けた場合には、選択された複数の測定要素に付随する第2の情報を編集後の第2の情報に更新する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学式座標測定装置。
  15. 前記編集部は、測定要素に固有である第2の情報については、共通の編集画面において当該第2の情報の編集の受け付けを禁止する、請求項14記載の光学式座標測定装置。
  16. 前記編集部は、前記共通の編集画面において、選択された複数の測定要素の第2の情報が互いに等しい場合には当該第2の情報を表示し、選択された複数の測定要素のうちいずれかの測定要素の第2の情報が他の測定要素の第2の情報と異なる場合には第2の情報が異なることを認識可能に表示する、請求項14または15記載の光学式座標測定装置。
  17. 使用者により操作される操作装置をさらに備え、
    前記操作装置は、
    測定位置として算出すべき前記プローブの前記接触部と測定対象物との接触位置を指定するために操作される指定操作部と、
    測定要素を特定すべきm個以上の測定位置を確定するために操作される確定操作部と、
    前記プローブをポインティングデバイスとして機能させるために操作されるポインティング代替操作部とを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の光学式座標測定装置。
JP2014216284A 2014-10-23 2014-10-23 座標測定装置 Pending JP2016085057A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014216284A JP2016085057A (ja) 2014-10-23 2014-10-23 座標測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014216284A JP2016085057A (ja) 2014-10-23 2014-10-23 座標測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016085057A true JP2016085057A (ja) 2016-05-19

Family

ID=55972032

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014216284A Pending JP2016085057A (ja) 2014-10-23 2014-10-23 座標測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016085057A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018072267A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 株式会社キーエンス 画像測定装置
JP2020091138A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 株式会社ミツトヨ 高さ測定機
JP2020526736A (ja) * 2017-06-30 2020-08-31 株式会社ミツトヨ 座標測定機用の自己構成要素識別および信号処理システム
CN111721256A (zh) * 2020-06-30 2020-09-29 常德玖和广告有限公司 一种基于5g的景观铁塔信息自动监控系统及监控方法
JP2020159911A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ゲージ、その製造方法、形状測定機の精度評価方法、及び測定データの補正方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018072267A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 株式会社キーエンス 画像測定装置
JP2020526736A (ja) * 2017-06-30 2020-08-31 株式会社ミツトヨ 座標測定機用の自己構成要素識別および信号処理システム
JP7053671B2 (ja) 2017-06-30 2022-04-12 株式会社ミツトヨ 座標測定機用の自己構成要素識別および信号処理システム
JP2020091138A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 株式会社ミツトヨ 高さ測定機
JP7286232B2 (ja) 2018-12-04 2023-06-05 株式会社ミツトヨ 高さ測定機
JP2020159911A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ゲージ、その製造方法、形状測定機の精度評価方法、及び測定データの補正方法
CN111721256A (zh) * 2020-06-30 2020-09-29 常德玖和广告有限公司 一种基于5g的景观铁塔信息自动监控系统及监控方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6316663B2 (ja) 座標測定装置
US9778023B2 (en) Optical coordinate measuring device
JP2016085057A (ja) 座標測定装置
JP5095644B2 (ja) 画像計測装置及びコンピュータプログラム
US8503758B2 (en) Image measurement device, method for image measurement, and computer readable medium storing a program for image measurement
US10088301B2 (en) Image measurement device
US10088302B2 (en) Image measurement device
US9885564B2 (en) Optical coordinate measuring device
US9651764B2 (en) Interchangeable reflective assembly for a chromatic range sensor optical pen
TW201319618A (zh) 星型探針量測校正系統及方法
JP2012037257A (ja) 測定設定データ作成装置、測定設定データ作成方法及び測定設定データ作成装置用のプログラム
JP2015224947A (ja) 光学式座標測定装置
TWI819747B (zh) 光學檢測系統以及用於預定目標物的對位方法
US10825216B2 (en) Apparatus for reading value measured with analog measuring tool
JP6285244B2 (ja) 光学式座標測定装置
JP2017053783A (ja) 内面検査装置および位置決め方法
JP2016085054A (ja) 座標測定装置
JP7057732B2 (ja) 三次元測定装置
JP5531071B2 (ja) 画像計測装置及びコンピュータプログラム
JP2014197004A (ja) 画像計測装置
JP6325897B2 (ja) 光学式座標測定装置およびプローブ
JP4496149B2 (ja) 寸法測定装置
KR20120108497A (ko) 비전 검사 장치 및 방법
CN109211108A (zh) 图像测量装置
JP2020016570A (ja) 三次元測定装置及び三次元モデルの位置合わせ方法