JP2017053783A - 内面検査装置および位置決め方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッドレンズを位置決め自動化した内面検査装置を提供。【解決手段】内面検査装置1は、ロッドレンズ10と、ロッドレンズ10を移動させる移動機構50と、ロッドレンズ10を介して画像を取得する撮像部30と、移動機構50を制御する制御部60と、を有する。内面検査装置1は、ロッドレンズ10を被検査面の内側に挿入した後、撮像部30が取得した画像中の光軸周りの輝度分布に基づいて、光軸91に対する被検査面の中心軸の相対位置を推定する。そして、推定された相対位置に基づいて、ロッドレンズ10の位置を微調整する。これにより、ロッドレンズ10の中心軸と被検査面の中心軸とが一致するように、ロッドレンズ10を位置決めする作業を、自動化。【選択図】図1

Description

本発明は、内面検査装置および位置決め方法に関する。
自動車に搭載されるエンジンの製造工程では、シリンダの内周面に傷や亀裂などの欠陥が無いかどうかを検査する内面検査装置が用いられる。従来の内面検査装置については、例えば、特開2009−69374号公報に記載されている。当該公報の内面検査装置は、孔の内部に挿入される透明な円柱体と、円柱体に光を照射する照明照射手段と、撮像手段と、を有する。円柱体の先端には、円錐状にくり抜かれた円錐部が設けられている。撮像手段は、円錐部に映る像を撮影することにより、孔の内面を検査する。
特開2009−69374号公報
この種の内面検査装置では、透明な円柱体(以下、「ロッドレンズ」と称する)の中心軸が、検査対象となる孔の中心軸と一致するように、ロッドレンズを位置決めする必要がある。ロッドレンズの中心軸が、孔の中心軸からずれた位置に配置されると、取得する画像に偏りが生じたり、本来見えなければならない部分の画像が不鮮明となったりする。これにより、検出すべき欠陥を見落とす虞がある。
従来では、検査工程を担当する作業者が、孔に対するロッドレンズの位置を目視で確認しつつ、内面検査装置をマニュアル操作することによって、ロッドレンズの位置を微調整していた。しかしながら、このようなマニュアル操作では、作業者によって位置決めの精度にばらつきが生じる。また、作業者の操作ミスによって、孔の内周面にロッドレンズが衝突し、ロッドレンズを破損してしまう虞もある。
本発明の目的は、ロッドレンズの中心軸と被検査面の中心軸とが一致するように、ロッドレンズを位置決めする作業を、自動的に行うことができる内面検査装置および位置決め方法を提供することである。
本願の例示的な第1発明は、円筒状の内周面である被検査面の状態を検査する内面検査装置であって、中心軸である光軸に沿って軸方向に延び、前記被検査面の内側に挿入される円柱状または円筒状のロッドレンズと、前記ロッドレンズを、前記軸方向および前記軸方向に対して直交する方向に移動させる移動機構と、前記ロッドレンズを介して画像を取得する撮像部と、前記移動機構を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記ロッドレンズを前記被検査面の内側に挿入する第1移動指示部と、前記ロッドレンズを前記軸方向に対して直交する方向に移動させる第2移動指示部と、前記撮像部が取得した画像中の前記光軸周りの輝度分布に基づいて、前記光軸に対する前記被検査面の中心軸である目標軸の相対位置を推定する推定部と、前記相対位置に基づいて、前記ロッドレンズを前記目標軸側へ移動させる第3移動指示部と、を有する。
本願の例示的な第2発明は、中心軸である光軸に沿って軸方向に延びる円柱状または円筒状のロッドレンズを、円筒状の内周面である被検査面の内側において、位置決めする位置決め方法であって、a)前記ロッドレンズを前記被検査面の内側に挿入する工程と、b)前記ロッドレンズを、前記軸方向に対して直交する方向に移動させ、前記ロッドレンズを介して取得した画像中の前記光軸周りの輝度分布を測定する工程と、c)前記輝度分布に基づいて、前記光軸に対する前記被検査面の中心軸である目標軸の相対位置を推定する工程と、d)前記相対位置に基づいて、前記ロッドレンズを前記目標軸側へ移動させる工程と、を有する。
本願の例示的な第1発明および第2発明によれば、ロッドレンズの中心軸と被検査面の中心軸とが一致するように、ロッドレンズを位置決めする作業を、自動的に行うことができる。
図1は、内面検査装置の斜視図である。 図2は、内面検査装置の断面図である。 図3は、ロッドレンズの位置決めに関係する制御部内の機能を、概念的に示した機能ブロック図である。 図4は、ロッドレンズの位置決め時の処理の流れを示したフローチャートである。 図5は、被検査面の内側におけるロッドレンズの位置の変化を示した図である。 図6は、被検査面の内側におけるロッドレンズの位置の変化を示した図である。 図7は、被検査面の内側におけるロッドレンズの位置の変化を示した図である。 図8は、被検査面の内側におけるロッドレンズの位置の変化を示した図である。 図9は、位置決め前のロッドレンズを介して取得される画像の例を示した図である。 図10は、位置決め後のロッドレンズを介して取得される画像の例を示した図である。 図11は、輝度分布の例を示したグラフである。 図12は、被検査面の内側におけるロッドレンズの位置の変化を示した図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本願では、ロッドレンズの中心軸と平行な方向を「軸方向」、ロッドレンズの中心軸に直交する方向を「径方向」、ロッドレンズの中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本願では、軸方向に沿ってロッドレンズの先端側を「軸方向前方」、撮像部側を「軸方向後方」として、各部の形状や位置関係を説明する。
<1.内面検査装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る内面検査装置1の斜視図である。図2は、内面検査装置1の断面図である。この内面検査装置1は、貫通孔または凹部の内周面を撮影して、当該内周面の状態に異常が無いかどうかを検査する装置である。内面検査装置1は、例えば、自動車のエンジンに搭載されるシリンダの内周面を検査するために用いられる。ただし、本発明の内面検査装置は、シリンダ以外の被検査物を検査するものであってもよい。
図1および図2に示すように、本実施形態の内面検査装置1は、ロッドレンズ10、光源20、撮像部30、ケーシング40、移動機構50、および制御部60を有する。
ロッドレンズ10は、円筒状の内周面である被検査面100の内側に挿入される円柱状の透明部材である。ロッドレンズ10の材料には、例えば、ガラスやアクリルが用いられる。ロッドレンズ10は、中心軸である光軸91に沿って軸方向に延びる。ロッドレンズ10の軸方向後方側の端面である基端面11は、光軸91に対して垂直な平面状に切断されるとともに、その表面が研磨されている。一方、ロッドレンズ10の軸方向前方側の端面である先端面12は、光軸91に対して45°の円錐状にくり抜かれるとともに、その表面が研磨されている。また、ロッドレンズ10の当該先端面12には、ミラーコーティングが施されている。
光源20は、ロッドレンズ10に対して光を照射する発光体である。光源20は、ロッドレンズ10の基端面11よりも軸方向後方に配置されている。本実施形態の光源20は、円環状に形成され、その中央に円孔21を有する。また、光源20は、ロッドレンズ10の光軸91と同軸に配置される。光源20から出射される光は、ロッドレンズ10の基端面11を介してロッドレンズ10内へ入射する。また、当該光は、ロッドレンズ10の円錐状の先端面12により径方向外側へ反射して、円筒状の被検査面100に照射される。
撮像部30は、ロッドレンズ10を介して被検査面100の画像を取得するための手段である。撮像部30には、例えば、CCDやCMOS等の撮像素子を有するデジタルカメラが用いられる。撮像部30は、光源20よりも軸方向後方側に配置されている。光源20から出射して、被検査面100に照射された光は、再びロッドレンズ10内に入射し、円錐状の先端面12において反射して、軸方向後方へ向かう。そして、当該反射光は、ロッドレンズ10の基端面11および光源20の円孔21を通って、撮像部30へ入射する。これにより、撮像部30は、被検査面100の画像を取得することができる。
ケーシング40は、ロッドレンズ10、光源20、および撮像部30を保持する筐体である。ロッドレンズ10の基端部は、ケーシング40の軸方向前方の面に設けられた貫通孔41に挿入されるとともに、ケーシング40に固定される。光源20は、ケーシング40の内部に配置される。また、撮像部30は、ケーシング40の軸方向後端部に固定される。ロッドレンズ10、光源20、および撮像部30の相互の相対的な位置関係は、ケーシング40により固定される。
移動機構50は、ロッドレンズ10、光源20、撮像部30、およびケーシング40を移動させる機構である。移動機構50は、ケーシング40を支持するステージ51を有する。移動機構50は、モータ等の駆動源から生じる駆動力を、ボールネジ等の動力伝達機構を介して、ステージ51に伝達する。これにより、ステージ51を、軸方向、軸方向に対して直交する水平方向、および軸方向に対して直交する鉛直方向の3方向に移動させることができる。ステージ51が移動すると、ステージ51とともに、ロッドレンズ10、光源20、撮像部30、およびケーシング40も一体として移動する。
制御部60は、内面検査装置1内の各部を動作制御するための手段である。制御部60は、CPU等の演算処理部、RAM等のメモリ、およびハードディスクドライブ等の記憶部を有するパーソナルコンピュータにより構成される。また、図1中に矢印で示したように、制御部60は、上述した光源20、撮像部30、および移動機構50と、それぞれ電気的に接続されている。制御部60は、移動機構50を動作制御することにより、被検査面100の内側にロッドレンズ10を位置決めする。また、制御部60は、光源20を発光させつつ、撮像部30により撮影された被検査面100の画像を取得する。そして、得られた画像を解析することによって、被検査面100の状態に異常が無いかどうかを検査する。
また、図1に示すように、制御部60には、表示部601が接続されている。表示部601は、撮像部30が取得した画像や、検査に関わる種々の情報を画面上に表示する。表示部601には、例えば、液晶ディスプレイが用いられる。内面検査装置1のユーザは、表示部601に表示された画像や情報を、随時確認することができる。
<2.ロッドレンズの位置決めについて>
この内面検査装置1では、検査の開始時に、ロッドレンズ10を、被検査面100の内側に位置決めする。以下では、当該位置決め時の動作について、説明する。
図3は、ロッドレンズ10の位置決めに関係する制御部60内の機能を、概念的に示した機能ブロック図である。図3に示すように、本実施形態の制御部60は、画像入力部61、判定部62、推定部63、第1移動指示部64、第2移動指示部65、および第3移動指示部66を有する。推定部63は、輝度分布取得部631、仮想直線演算部632、および相対位置演算部633を含む。これらの各部の機能は、制御部60としてのコンピュータが、インストールされたコンピュータプログラムに従って動作することにより実現される。
図4は、ロッドレンズ10の位置決め時の処理の流れを示したフローチャートである。図5〜図8は、被検査面100の内側におけるロッドレンズ10の位置の変化を示した図である。図5〜図8には、光軸91に対して直交する断面が示されている。
ロッドレンズ10の位置決めを行うときには、まず、制御部60内の第1移動指示部64が、移動機構50に制御信号を送信する。これにより、移動機構50を動作させて、被検査面100の内側に、ロッドレンズ10を挿入する(ステップS1)。このとき、移動機構50は、予め入力された位置情報に基づき、被検査面100の中心軸(以下、「目標軸92」と称する)の位置を目指して、ロッドレンズ10を移動させる。ただし、このステップS1では、移動機構50の駆動誤差により、移動後のロッドレンズ10の光軸91は、目標軸92と厳密には一致しない。すなわち、図5のように、ロッドレンズ10の光軸91は、目標軸92からずれた位置に配置される。
被検査面100の内側にロッドレンズ10が挿入されると、制御部60は、光源20を発光させつつ、撮像部30による撮影を実行させる。撮影により取得された画像は、制御部60内の画像入力部61に入力される(ステップS2)。
次に、制御部60内の輝度分布取得部631が、取得された画像中の光軸91周りの輝度分布を測定する(ステップS3)。図9は、被検査面100の内側にロッドレンズ10を挿入した後、最初に取得される画像の例を示した図である。光軸91と目標軸92とが一致していない場合には、図9のように、画像中の光軸91の周りに、輝度の変化が明瞭に生じる。具体的には、光軸91の周りに、輝度の高い部分と輝度の低い部分とが、周方向に約90°間隔で交互に生じる。特に、光軸91から目標軸92へ向かう方向の輝度は低くなる。
ステップS3では、輝度分布取得部631が、光軸91を中心とする測定円93に沿って、画像中の輝度分布を測定する。測定円93の径は、輝度の変化を捉えやすい大きさに、設定すればよい。例えば、ロッドレンズ10の外周面よりもやや径方向内側の部分では、輝度の変化が生じやすい。このため、測定円93は、例えば、ロッドレンズ10の外周面よりも径方向内側で、かつ、光軸91よりもロッドレンズ10の外周面に近い円とすればよい。
図11は、ステップS3の測定により得られる輝度分布の例を示したグラフである。図11の横軸は、光軸91周りの角度位置を示している。図11の縦軸は、画像中の測定円93と重なる位置の輝度を示している。光軸91と目標軸92とが一致していない場合には、図11のように、光軸91を中心とする測定円93に沿った輝度が、約180°周期で変化する。
本実施形態では、位置決めの開始時には、制御部60内のカウント値が0に設定されているものとする。ステップS3の輝度分布の測定が完了すると、制御部60は、カウント値を1つインクリメントさせる(ステップS4)。例えば、被検査面100の内側にロッドレンズ10が挿入された後、最初の輝度分布の測定が終了したときには、制御部60内のカウント値を0から1にインクリメントさせる。その後、制御部60は、カウント値が予め設定された閾値Nよりも大きいか否かを判定する(ステップS5)。本実施形態では、閾値Nの値を1とするが、閾値Nの値は、2以上の整数としてもよい。閾値Nの値は、後述する仮想直線の必要数に応じて適宜に設定すればよい。
カウント値が閾値N以下の場合には、制御部60内の第2移動指示部65が、移動機構50に制御信号を送信する。これにより、図6のように、ロッドレンズ10を、軸方向に対して直交する方向に移動させる(ステップS6)。ロッドレンズ10を移動させた後、内面検査装置1は、移動後のロッドレンズ10の位置において、再び、画像の取得(ステップS2)、輝度分布の測定(ステップS3)、およびカウント値のインクリメント(ステップS4)を行う。そして、カウント値が、閾値Nよりも大きいか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5において、カウント値が閾値Nよりも大きくなると、制御部60内の仮想直線演算部632は、ロッドレンズ10の移動の前後に取得された複数の画像のそれぞれにおいて、仮想直線を求める(ステップS7)。仮想直線は、ロッドレンズ10の光軸91を通り、かつ、光軸91周りの輝度が極小となる角度に延びる直線とする。例えば、図11のような輝度分布が得られた場合には、光軸91を通り、かつ、互いに180°離れた角度θ1,θ2を通る直線が仮想直線となる。上述の通り、光軸91から目標軸92へ向かう方向の輝度は低くなる。したがって、目標軸92は、仮想直線の近くに位置すると推定される。ステップS7では、このような仮想直線を、取得した複数の画像のそれぞれについて求める。これにより、例えば、図7のような2本の仮想直線L1,L2が求められる。
その後、制御部60内の相対位置演算部633は、2本の仮想直線L1,L2の交点の座標を演算する。そして、当該交点の座標を、目標軸92の位置と推定する(ステップS8)。目標軸92の位置が推定されると、その時点におけるロッドレンズ10の光軸91に対する目標軸92の相対位置も推定できる。制御部60の第3移動指示部66は、得られた相対位置の情報に基づいて、移動機構50に制御信号を送信する。これにより、図8のように、推定された目標軸92の位置へ、ロッドレンズ10を移動させる(ステップS9)。その結果、ロッドレンズ10の光軸91と目標軸92とが略一致する。
その後、制御部60は、位置決め後のロッドレンズ10の位置において、再び光源20を発光させつつ、撮像部30による撮影を行う。撮影により取得された画像は、制御部60内の画像入力部61に入力される。制御部60は、取得された画像における光軸91周りの輝度分布を取得する。図10は、位置決め後のロッドレンズ10を介して取得される画像の例を示した図である。光軸91と目標軸92とが略一致した場合には、図10のように、画像中の光軸91の周りにおいて、輝度の変化が小さくなる。
制御部60内の判定部62は、取得した輝度分布が、予め設定された許容条件に合致しているか否かを判定する(ステップS10)。例えば、取得した輝度の最大値と最小値との差が、予め設定された許容値よりも小さいかどうかを判定する。そして、輝度の差が許容値よりも小さければ、光軸91の位置と目標軸92の位置とが略一致したと判断して、ロッドレンズ10の位置決めを完了する。一方、輝度の差が許容値よりも大きい場合には、目標軸92に対して光軸91が、まだ十分に接近していないと判断する。その場合には、ステップS2に戻り、ステップS2〜S10の処理を再度実行する。
このように、この内面検査装置1では、ロッドレンズ10を介して得られる画像中の輝度分布を利用して、被検査面100の内側におけるロッドレンズ10の位置を、制御部60が自動的に微調整する。したがって、ロッドレンズ10を精密に位置決めする作業を、作業者が手動で行う必要がない。これにより、内面検査装置1のオペレーションにかかる作業者の負担を軽減できる。
<3.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、ステップS5の閾値Nを1としていた。このため、ステップS6のロッドレンズ10の移動を1回だけ実行していた。制御部60は、1回の移動の前後において取得される2つの画像の各々について、輝度分布を測定して仮想直線L1,L2を求めていた。そして、2本の仮想直線L1,L2の交点を、目標軸92の位置として推定していた。しかしながら、ステップS5の閾値Nを2以上とすることによって、ステップS6のロッドレンズ10の移動を、2回以上行ってもよい。その場合、移動の前後において取得される3つ以上の画像の各々について、輝度分布を測定して仮想直線を求めればよい。
例えば、図12のように、ロッドレンズ10を、まず、軸方向に対して直交する第1方向A1に移動させ、その後、軸方向に対して直交する第2方向A2に移動させてもよい。この場合、A1の移動の前、A1の移動とA2の移動との間、およびA2の移動の後、の3つの時点において撮影された画像の各々において、光軸周りの輝度分布を取得するとともに、輝度が極小となる角度に延びる3本の仮想直線L1〜L3を求める。そして、3本の仮想直線L1〜L3の交点を結ぶ三角形の内側に、目標軸92の位置を推定する。例えば、当該三角形の重心位置を、目標軸92の位置と推定すればよい。
このように、3本以上の仮想直線を求め、仮想直線の交点を結ぶ多角形の内側に目標軸92の位置を推定すれば、推定に用いる仮想直線が2本の場合よりも、目標軸92の位置をより正確に推定できる。
また、図12の例では、第1方向A1にロッドレンズ10を移動させた後、第1方向A1とは異なる第2方向A2にロッドレンズ10を移動させている。このようにすれば、ロッドレンズ10を同方向に複数回移動させる場合よりも、複数の仮想直線の向きを変化させることができる。したがって、ロッドレンズ10の光軸91に対する目標軸92の相対位置を、より正確に推定できる。
また、上記の実施形態では、円柱状のロッドレンズ10を用いていた。しかしながら、円柱状のロッドレンズに代えて、光軸に沿って延びる円筒状のロッドレンズを用いてもよい。また、上記の実施形態では、ロッドレンズ10の先端面12が、光軸91に対して45°の円錐状となっていた。しかしながら、ロッドレンズ10の先端面12の角度は、撮像する位置に応じた他の角度であってもよい。また、ロッドレンズ10の先端面12は、円錐状以外の形状であってもよい。
また、上記の実施形態では、制御部60としてパーソナルコンピュータを用いていた。しかしながら、パーソナルコンピュータに代えて、CPUを有するマイコン等の演算処理部が搭載された電気回路装置を、制御部60として用いてもよい。
なお、本発明における「輝度」は、撮像部に入射する光の量を反映したパラメータであればよい。したがって、本発明における「輝度」は、濃度、明度、照度、ピクセル値等と称される値であってもよい。
その他、内面検査装置の細部の形状や構造については、本願の各図と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
本発明は、内面検査装置および位置決め方法に利用できる。
1 内面検査装置
10 ロッドレンズ
11 基端面
12 先端面
20 光源
21 円孔
30 撮像部
40 ケーシング
41 貫通孔
50 移動機構
51 ステージ
60 制御部
61 画像入力部
62 判定部
63 推定部
64 第1移動指示部
65 第2移動指示部
66 第3移動指示部
91 光軸
92 目標軸
93 測定円
100 被検査面
601 表示部
631 輝度分布取得部
632 仮想直線演算部
633 相対位置演算部
L1,L2,L3 仮想直線

Claims (12)

  1. 円筒状の内周面である被検査面の状態を検査する内面検査装置であって、
    中心軸である光軸に沿って軸方向に延び、前記被検査面の内側に挿入される円柱状または円筒状のロッドレンズと、
    前記ロッドレンズを、前記軸方向および前記軸方向に対して直交する方向に移動させる移動機構と、
    前記ロッドレンズを介して画像を取得する撮像部と、
    前記移動機構を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記ロッドレンズを前記被検査面の内側に挿入する第1移動指示部と、
    前記ロッドレンズを前記軸方向に対して直交する方向に移動させる第2移動指示部と、
    前記撮像部が取得した画像中の前記光軸周りの輝度分布に基づいて、前記光軸に対する前記被検査面の中心軸である目標軸の相対位置を推定する推定部と、
    前記相対位置に基づいて、前記ロッドレンズを前記目標軸側へ移動させる第3移動指示部と、
    を有する内面検査装置。
  2. 請求項1に記載の内面検査装置であって、
    前記推定部は、
    前記第2移動指示部による前記ロッドレンズの移動の前後において取得された複数の前記画像のそれぞれにおいて、前記光軸周りの輝度分布を測定するとともに、輝度が極小となる角度に延びる仮想直線を求め、
    複数の前記仮想直線の交点に基づいて、前記相対位置を推定する内面検査装置。
  3. 請求項2に記載の内面検査装置であって、
    前記推定部は、
    前記第2移動指示部による前記ロッドレンズの複数回の移動の前後において取得された3つ以上の前記画像のそれぞれにおいて、前記光軸周りの輝度分布を測定するとともに、輝度が極小となる角度に延びる仮想直線を求め、
    3つ以上の前記仮想直線の交点を結ぶ多角形の内側に、前記目標軸の位置を推定する内面検査装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の内面検査装置であって、
    前記推定部は、前記画像において、前記ロッドレンズの外周面よりも径方向内側で、かつ、前記光軸よりも前記外周面に近い円に沿って輝度分布を測定する内面検査装置。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の内面検査装置であって、
    前記第2移動指示部は、
    第1方向に前記ロッドレンズを移動させた後、前記第1方向とは異なる第2方向に前記ロッドレンズを移動させる内面検査装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の内面検査装置であって、
    前記制御部は、
    第3移動指示部により前記ロッドレンズを移動させた後に、前記光軸周りの輝度分布が、予め設定された許容条件に合致しているかどうかを判定する判定部
    をさらに有する内面検査装置。
  7. 中心軸である光軸に沿って軸方向に延びる円柱状または円筒状のロッドレンズを、円筒状の内周面である被検査面の内側において、位置決めする位置決め方法であって、
    a)前記ロッドレンズを前記被検査面の内側に挿入する工程と、
    b)前記ロッドレンズを、前記軸方向に対して直交する方向に移動させ、前記ロッドレンズを介して取得した画像中の前記光軸周りの輝度分布を測定する工程と、
    c)前記輝度分布に基づいて、前記光軸に対する前記被検査面の中心軸である目標軸の相対位置を推定する工程と、
    d)前記相対位置に基づいて、前記ロッドレンズを前記目標軸側へ移動させる工程と、
    を有する位置決め方法。
  8. 請求項7に記載の位置決め方法であって、
    前記工程b)では、
    前記ロッドレンズを前記軸方向に対して直交する方向に移動させ、移動の前後において取得された複数の前記画像のそれぞれにおいて、前記光軸周りの輝度分布を測定し、
    前記工程c)では、
    輝度が極小となる角度に延びる仮想直線を求め、複数の前記仮想直線の交点に基づいて、前記相対位置を推定する位置決め方法。
  9. 請求項8に記載の位置決め方法であって、
    前記工程b)では、
    前記ロッドレンズを前記軸方向に対して直交する方向に複数回移動させ、移動の前後において取得された3つ以上の前記画像のそれぞれにおいて、前記光軸周りの輝度分布を測定し、
    前記工程c)では、
    輝度が極小となる角度に延びる仮想直線を求め、3つ以上の前記仮想直線の交点を結ぶ多角形の内側に、前記目標軸の位置を推定する位置決め方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の位置決め方法であって、
    前記工程b)では、
    前記画像において、前記ロッドレンズの外周面よりも径方向内側で、かつ、前記光軸よりも前記外周面に近い円に沿って輝度分布を測定する位置決め方法。
  11. 請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の位置決め方法であって、
    前記工程b)では、
    第1方向に前記ロッドレンズを移動させた後、前記第1方向とは異なる第2方向に前記ロッドレンズを移動させる位置決め方法。
  12. 請求項7から請求項11までのいずれか1項に記載の位置決め方法であって、
    e)前記工程d)の後に、前記光軸周りの輝度分布が、予め設定された許容条件に合致しているかどうかを判定する工程
    をさらに有する位置決め方法。
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