JP2016085035A - 金属管腐食状態評価方法、及びこれに用いられる金属管腐食状態評価装置 - Google Patents

金属管腐食状態評価方法、及びこれに用いられる金属管腐食状態評価装置 Download PDF

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【課題】迅速に金属管の腐食状態を評価することができる金属管腐食状態評価方法を提供する。
【解決手段】金属管腐食状態評価方法は、SH超音波に基づいて評価対象部における全周長を測定する工程と、健全部と評価対象部の全周長を対比して該評価対象部の腐食状態を評価する工程と、を有しており、相対的に経路長が長い周回経路を伝播した長手経路側超音波の伝播時間と、相対的に経路長が短い周回経路を伝播した短手経路側超音波の伝播時間とをそれぞれ測定し、測定した両伝播時間と健全部の全周長とに基づいて当該金属管の健全部における暫定音速を算出し、前記評価対象部の全周長は、該評価対象部における長手経路側超音波の伝播時間と短手経路側超音波の伝播時間と前記暫定音速とに基づいて各超音波の伝播長を算出し、これにより該評価対象部における全周長を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属管の腐食状態を評価する金属管腐食状態評価方法、及びこれに用いられる金属管腐食状態評価装置に関する。
従来から、標識支柱、街路灯支柱、ガードレール支柱、又はカーブミラー支柱などの金属管の腐食状態について評価が行われていることはよく知られている。例えば、特許文献1には、ボイラー管の腐蝕披露亀裂検出方法として超音波パルス透過法が開示されている。また、該特許文献1には、金属管の2箇所に電磁音響トランスデューサを取り付ける態様が開示されている。また、特許文献2には、腐食のない部分と当該部分における超音波の周波数、あるいは当該部分の厚さや径との相関関係を求め、これに基づいて検査体の厚さや径を測定する手法が開示されている。さらに、特許文献3には、超音波センサを金属管の内壁面に取り付けることが開示されている。
なお、SH波(Shear Horizontal)波は、一般的に、振動方向が金属管表面に平行であり、伝播する方向(進行方向)に対して直交する振動成分を有しながら伝播する波である。したがって、仮に該金属管に対して拘束が存在していたり、該金属管の表面に腐食による凹凸が存在していたりしても、これらから影響を受けることなく波形を適切に検出することができる。
特開平7−167841号公報 特開2000−337850号公報 特開2003−254945号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示されている構成は、埋設部において管周全体の掘削が必要であったり、管周に沿って多点の測定を行う必要があったり、あるいは、エコーの存在により波形の判定が難しかったりするという問題があった。
そこで本発明は、上記問題を解決することができる金属管腐食状態評価方法、及びこれに用いられる金属管腐食状態評価装置を提供することを目的とする。
本発明は、金属管の周面に、SH超音波を発信して該SH超音波を該金属管の管壁に伝播させる発信部、及び該SH超音波を受信する受信部を配置し、該受信部で受信したSH超音波に基づいて該金属管の腐食状態を評価する金属管腐食状態評価方法であって、該SH超音波に基づいて、腐食が予想される評価対象部における全周長を測定する工程と、健全部における全周長と、前記工程で測定した評価対象部における全周長とを対比して算出した全周長差に基づいて該評価対象部の腐食状態を評価する工程と、を有しており、金属管の健全部に配置した発信部と受信部との間において該金属管の周方向に沿って形成された、前記発信部から前記受信部に至る右回りの周回経路と左回りの周回経路のうち、相対的に経路長が長い周回経路を伝播した長手経路側超音波の伝播時間と、相対的に経路長が短い周回経路を伝播した短手経路側超音波の伝播時間とをそれぞれ測定し、測定した両伝播時間と当該金属管の健全部において予め実測された全周長とに基づいて当該金属管の健全部における暫定音速を算出し、前記評価対象部の全周長は、金属管の評価対象部に配置した発信部と受信部との間において該評価対象部における長手経路側超音波の伝播時間と短手経路側超音波の伝播時間とをそれぞれ測定し、測定した両伝播時間と前記暫定音速とに基づいて各超音波の伝播長を算出し、これにより該評価対象部における全周長を測定することを特徴とする金属管腐食状態評価方法である。
ここで発明者は、「腐食状態」とは、錆の発生に起因して、健全部に比べて当該部分の体積が増加或いは減少した状態であるという着想に基づき、金属管における各部位の全周長を相対比較することが腐食状態を最も精度良く評価できるものであるとの考えに至った。
かかる構成にあっては、腐食の程度を、全周長という数値で正確に評価できるため、記録性、及び客観性に優れた評価方法となる。また、本発明にかかる構成は、評価対象部における管周全体の情報(すなわち全周長)に基づいて、該当する部位の腐食状態を評価することを大きな特徴としており、評価対象部において多点の測定を多数回行うことが一切不要となる。すなわち、本発明の方法は評価対象部の評価にあたって一度の測定で足りるため、極めて迅速に作業を行える。また、SH超音波を金属管の周方向に沿って伝播する構成であるため、受信した超音波の波形から食孔の評価を行うことも可能となる。さらに、健全部と評価対象部との対比で腐食状態を評価するため、健全である旨の評価結果に対して保証が得られやすいという利点もある。また、本発明は、超音波を金属管の周方向に沿って管壁に伝播させる構成であるため、外部腐食であっても内部腐食であっても、共通の工程によって評価することができる。また、発信部と受信部とを金属管の外周面に配置する場合にあっては、仮に該金属管が埋設されていたとしても、該金属管周囲の掘削が非常に限定的となるため、作業者の作業負担が軽減される利点もある。
また、前記金属管が円筒体であって、単体である前記発信部、及び単体である前記受信部を、前記SH超音波の進行方向が前記金属管の管軸に直交する方向に沿うように、かつ、右回りの周回経路の経路長と左回りの周回経路の経路長とが互いに異なる長さとなるように配置することが好ましい。
かかる構成にあっては、超音波の伝播最短距離に基づいて超音波を受信することができる。また、かかる構成とすることにより、例えば波形表示装置において右回りに伝播した超音波の波形と左回りに伝播した超音波の波形とが重なって表示されてしまうことを回避することができる。
また、前記健全部における発信部と前記評価対象部における発信部、並びに、前記健全部における受信部と前記評価対象部における受信部は、それぞれ該金属管の管軸に平行な同一の仮想線上に配置することが好ましい。
かかる構成とすることにより、健全部における超音波の受信状況と、評価対象部における超音波の受信状況との整合性が確保されることになり、健全部における全周長と、評価対象部における全周長との対比がより一層正確に実行できることになる。
また、前記健全部の全周長又は前記評価対象部の全周長は、該金属管の管壁の厚み方向に沿った外周面からの深さが管壁の30%〜60%となる位置における全周長の長さとすることができる。
かかる構成とすることにより、より一層正確な暫定音速に基づいて評価対象部における全周長を測定することが可能となる。
また、前記発信部及び前記受信部を、該金属管の外周面又は内周面に配置するようにしてもよい。
このように、金属管周辺の環境に応じて、前記発信部及び前記受信部の配置態様を変更することができる。例えば、該金属管が水道管等であれば前記発信部及び前記受信部を該金属管の外周面に配置する方が好ましい。一方、該金属管内に作業員が入れる程度に内径が径大であれば前記発信部及び前記受信部を該金属管の内周面に配置する方が好ましい。
また、前記健全部における全周長と、前記評価対象部における全周長とを対比して算出した全周長差に基づいて、評価対象部における板厚変化率を算出し、該板厚変化率が、所定の数値を超える場合に該評価対象部が腐食状態にあると評価することが好ましい。
かかる構成とすることにより、金属管の腐食状態を的確かつ迅速に評価することが可能となる。
また、本発明は、上記の金属管腐食状態評価方法に用いられる金属管腐食状態評価装置であって、SH超音波を発信する発信部と、該SH超音波を受信する受信部と、該金属管の周方向に沿って形成された、前記発信部から前記受信部に至る右回りの周回経路と左回りの周回経路とのうち、相対的に経路長が長い周回経路を伝播した長手経路側超音波の伝播時間と、相対的に経路長が短い周回経路を伝播した短手経路側超音波の伝播時間とを各々測定する伝播時間測定手段と、前記伝播時間測定手段が測定した各伝播時間と、前記暫定音速とに基づいて該周回経路における全周長を算出する全周長算出手段と、を備えていることを特徴とする金属管腐食状態評価装置である。
かかる構成とすることにより、迅速かつ的確に、金属管の腐食状態を評価することができる。
また、前記受信部が受信した長手経路側超音波の波形と、短手経路側超音波の波形とを同一画面上に同時に表示する波形表示装置を備えている構成が好ましい。
かかる構成とすることにより、伝播時間等の特定を的確に実行することが可能となる。
本発明にかかる金属管腐食状態評価方法は、簡便かつ迅速に金属管の腐食状態を精度良く評価することができる効果がある。
また、本発明にかかる金属管腐食状態評価装置は、精度良く金属管の腐食状態を評価することができる効果がある。
金属管における発信部と受信部の配置状態を示す説明図である。 モニターの表示態様を示す説明図である。 健全部と評価対象部とにおいて発信部の位置、及び受信部の位置を示す説明図である。 健全部における演算式、外部腐食状態における演算式、及び内部腐食状態における演算式を示す説明図である。 評価基準を定める評価表を示す説明図である。 金属管腐食状態評価装置にかかるブロック回路図である。
以下、本発明を具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。ところで実施例を説明する際には、便宜上、前後左右及び上下方向を規定して説明する場合があるが、このことは、本発明が下記実施例で定められた方向にのみ限定されて使用されるものではない。
例えば円筒体で構成される鋼管としての金属管の腐食状態は、以下の手順で評価することができる。
まず、健全部における金属管の厚さ及び外径を資料等から求めておく。また、外周長さ(全周長)をスケールで実測しておく。
また、図1に示すように、金属管の健全部における外周面に、発信部としてのSH波垂直送信センサーを配置する。また、該金属管の外周面に、受信部としてのSH波垂直受信センサーを配置する。ここで、発信部から発信されたSH超音波は、該金属管の管壁を伝播して該受信部で受信することができる。なお、かかる測定法は、いわゆる超音波パルス透過法に基づいており、直接接触法である。センサーを配置する際には、適宜、金属管の外周面に対して公知の下地処理を行うことが望ましい。
ここで、上記した発信部と受信部は、図1に示すように、前記SH超音波の進行方向が前記金属管の管軸に直交する方向(金属管周方向)に沿うように配置する。加えて、該金属管の周方向において、右回りの周回経路の経路長と左回りの周回経路の経路長とが互いに異なる長さとなるように発信部及び受信部を配置する。要は、後述するように、A方向パルスのエコーと、B方向パルスのエコーとが的確にモニター(波形表示装置)上で分析把握できる程度に、時間差が認められる距離だけ離れて配置されていればよい。なお、A方向パルス(A波)により、本発明にかかる短手経路側超音波が構成される。また、B方向パルス(B波)により、本発明にかかる長手経路側超音波が構成される。なお、図1には、金属管の内周面にも発信部と受信部とが示されているが、これは、外周面に配置した発信部と受信部とに代えて、内周面に配置してもよいという趣旨であり、内周面及び外周面に発信部と受信部とを共に配置しなければいけないというものではない。
次に、発信部から超音波を発信し、超音波を該金属管周方向の全方向に伝播させる。具体的には、図1に示すように、A方向(右回り方向)とB方向(左回り方向)の両パルスを受信部で受信する。本実施例にあっては、例えば、1MHz以下の帯域で送受信することが可能である。
図2に示すように、受信したA方向パルス(A波)と、B方向パルス(B波)のエコーとから各超音波の伝播時間を同時に求め、そこからさらに各パルスの伝播長を求め、該伝播長の和が、該金属管の健全部におけるスケールで測定した外周長さに合致するように、以下の式に基づいて音速を設定する。
音速(m/s)=管外周長(mm)÷(A伝播時間(s)+B伝播時間(s))÷1000
そして、この設定した音速(暫定音速)に従って、健全部における全周長(W)、すなわち管外周長を算出する。算出式は、次の通りである。
A距離(A波の伝播長)+B距離(B波の伝播長)=管外周長(mm)
一方、前記金属管において腐食が予想される評価対象部の外周面に対して、同様に、発信部と受信部を配置する。このとき、図3に示すように、前記健全部における発信部と前記評価対象部における発信部は、該金属管の管軸に平行な同一の仮想線上に配置する。同様に、前記健全部における受信部と前記評価対象部における受信部は、該金属管の管軸に平行な同一の仮想線上に配置する。
そして、該評価対象部におけるA方向パルスと、B方向パルスの伝播時間をそれぞれ求め、さらに、暫定音速を用いてそこから各経路の伝播長を求め、該伝播長に基づいて評価対象部における測定長(全周長)を算出する。
そして、以下の式に基づいて測定長差(全周長差)を算出する。
測定長(評価対象部の全周長:WS)−外周長(健全部の全周長:W)=測定長差(全周長差:WS差)
ここで、図4(a)において、健全部における演算値の一例を示す。また、図4(b)において、外部腐食した評価対象部における演算値の一例を示す。さらに、図4(c)において、内部腐食した評価対象部における演算値の一例を示す。なお、得られた測定長差(全周長差:WS差)は、外部腐食の場合にマイナス値となり、内部腐食の場合にプラス値となる。また、腐食の進行度合いが大きいと、これに伴い測定長差の絶対値が大きくなる。
例えば、図5に示すように、測定長差(全周長差:WS差)と板厚減少率(板厚変化率)に基づいて腐食評価表を作成することができる。具体的には、板厚減少率(板厚変化率)が10%以下である場合に、腐食なしと評価し、板厚減少率(板厚変化率)が10%を超える場合に、腐食ありと評価することができる。
これまでに述べた手法に加え、さらに測定精度を高めた構成が提案される。すなわち、前記健全部の全周長又は前記評価対象部の全周長を、該金属管の管壁の厚み方向に沿った外周面からの深さが管壁の30%〜60%となる位置における全周長の長さとする方法である。例えば、金属管の外周面から45%減少した厚さの位置で全周長を特定する手法が提案される。かかる数値範囲は、金属管の材質や測定環境等によって適宜変更可能である。
なお、これまでに述べた金属管腐食状態評価方法にあって、発信部及び受信部は、金属管の外周面に配置してもよいし、内周面に配置してもよい。そして、いずれの周面に配置した場合であっても、適切に内部腐食と外部腐食とを評価することができる。
なお、金属管の一部に食孔が形成されていた場合、超音波が該食孔を迂回して伝播し、伝播長さが増加する。したがって、かかる現象に起因して得られる大幅なエコーの振幅低下を確認することにより、食孔が形成されていることを検出可能としている。
また、図6に示すように、上記評価方法に用いられる金属管腐食状態評価装置1は、次に示す構成で実現することができる。例えば、SH超音波を発信する発信部2と、該SH超音波を受信する受信部3とを有し、さらに、該金属管の周方向に沿って形成された、前記発信部2から前記受信部3に至る右回りの周回経路と左回りの周回経路とのうち、相対的に経路長が長い周回経路を伝播した長手経路側超音波の伝播時間と、相対的に経路長が短い周回経路を伝播した短手経路側超音波の伝播時間とを各々測定する制御内容を具備するCPU(中央処理装置)を備えたものが提案される。具体的には、発信部2及び受信部3からCPUに向けて送信された波形データに基づき、伝播時間と伝播長が演算処理され、かかるデータが記憶装置RAMに記憶保持される。さらに、該CPUは、記憶保持された各伝播時間と、上記の暫定音速とに基づいて、該周回経路における全周長を算出する制御内容を具備していることが望ましい。また、該金属管腐食状態評価装置1には、A波及びB波を表示する波形表示装置4としてのモニターを備えていることが極めて望ましい。
なお、上記制御内容を実行するCPUにより、本発明にかかる伝播時間測定手段が構成される。また、上記制御内容を実行するCPUにより、本発明にかかる全周長算出手段が構成される。
なお、本発明にあって前記金属管は、円筒体に限定されることはなく、断面が楕円等であってもよいし、断面が多角形状であってもよい。
1 金属管腐食状態評価装置
2 発信部
3 受信部
4 波形表示装置
本発明は、金属管の周面に、振動方向が金属管表面に平行となるSH超音波を発信して該SH超音波を該金属管の管壁に伝播させる発信部、及び該SH超音波を受信する受信部を配置し、該受信部で受信したSH超音波に基づいて該金属管の腐食状態を評価する金属管腐食状態評価方法であって、該SH超音波に基づいて、腐食が予想される部位の管周全体に相当する評価対象部における全周長を測定する工程と、健全部における全周長と、前記工程で測定した評価対象部における全周長とを対比して算出した全周長差に基づいて該評価対象部の腐食状態を評価する工程と、を有しており、金属管の健全部に配置した発信部と受信部との間において該金属管の周方向に沿って形成された、前記発信部から前記受信部に至る右回りの周回経路と左回りの周回経路のうち、相対的に経路長が長い周回経路を伝播した長手経路側超音波の伝播時間と、相対的に経路長が短い周回経路を伝播した短手経路側超音波の伝播時間とをそれぞれ測定し、測定した両伝播時間と当該金属管の健全部において予め実測された全周長とに基づいて当該金属管の健全部における暫定音速を算出し、前記評価対象部の全周長は、金属管の評価対象部に配置した発信部と受信部との間において該評価対象部における長手経路側超音波の伝播時間と短手経路側超音波の伝播時間とをそれぞれ測定し、測定した両伝播時間と前記暫定音速とに基づいて各超音波の伝播長を算出し、これにより該評価対象部における全周長を測定し、前記健全部における全周長と、前記評価対象部における全周長とを対比して算出した全周長差に基づいて、管周全体に相当する評価対象部における板厚変化率を算出し、該板厚変化率が、所定の数値を超える場合に、前記受信部で受信した各SH超音波の強度にかかわらず、該評価対象部が腐食状態にあると評価することを特徴とする金属管腐食状態評価方法である。
かかる構成にあっては、腐食の程度を、全周長という数値で正確に評価できるため、記録性、及び客観性に優れた評価方法となる。また、本発明にかかる構成は、評価対象部における管周全体の情報(すなわち全周長)に基づいて、該当する部位の腐食状態を評価することを大きな特徴としており、評価対象部において多点の測定を多数回行うことが一切不要となる。すなわち、本発明の方法は評価対象部の評価にあたって一度の測定で足りるため、極めて迅速に作業を行える。また、SH超音波を金属管の周方向に沿って伝播する構成であるため、受信した超音波の波形から食孔の評価を行うことも可能となる。さらに、健全部と評価対象部との対比で腐食状態を評価するため、健全である旨の評価結果に対して保証が得られやすいという利点もある。また、本発明は、超音波を金属管の周方向に沿って管壁に伝播させる構成であるため、外部腐食であっても内部腐食であっても、共通の工程によって評価することができる。また、発信部と受信部とを金属管の外周面に配置する場合にあっては、仮に該金属管が埋設されていたとしても、該金属管周囲の掘削が非常に限定的となるため、作業者の作業負担が軽減される利点もある。また、前記健全部における全周長と、前記評価対象部における全周長とを対比して算出した全周長差に基づいて、評価対象部における板厚変化率を算出し、該板厚変化率が、所定の数値を超える場合に該評価対象部が腐食状態にあると評価することが好ましい。かかる構成とすることにより、金属管の腐食状態を的確かつ迅速に評価することが可能となる。

Claims (8)

  1. 金属管の周面に、SH超音波を発信して該SH超音波を該金属管の管壁に伝播させる発信部、及び該SH超音波を受信する受信部を配置し、該受信部で受信したSH超音波に基づいて該金属管の腐食状態を評価する金属管腐食状態評価方法であって、
    該SH超音波に基づいて、腐食が予想される評価対象部における全周長を測定する工程と、
    健全部における全周長と、前記工程で測定した評価対象部における全周長とを対比して算出した全周長差に基づいて該評価対象部の腐食状態を評価する工程と、
    を有しており、
    金属管の健全部に配置した発信部と受信部との間において該金属管の周方向に沿って形成された、前記発信部から前記受信部に至る右回りの周回経路と左回りの周回経路のうち、相対的に経路長が長い周回経路を伝播した長手経路側超音波の伝播時間と、相対的に経路長が短い周回経路を伝播した短手経路側超音波の伝播時間とをそれぞれ測定し、測定した両伝播時間と当該金属管の健全部において予め実測された全周長とに基づいて当該金属管の健全部における暫定音速を算出し、
    前記評価対象部の全周長は、
    金属管の評価対象部に配置した発信部と受信部との間において該評価対象部における長手経路側超音波の伝播時間と短手経路側超音波の伝播時間とをそれぞれ測定し、測定した両伝播時間と前記暫定音速とに基づいて各超音波の伝播長を算出し、これにより該評価対象部における全周長を測定する
    ことを特徴とする金属管腐食状態評価方法。
  2. 前記金属管が円筒体であって、
    単体である前記発信部、及び単体である前記受信部を、
    前記SH超音波の進行方向が前記金属管の管軸に直交する方向に沿うように、かつ、右回りの周回経路の経路長と左回りの周回経路の経路長とが互いに異なる長さとなるように配置する
    請求項1に記載の金属管腐食状態評価方法。
  3. 前記健全部における発信部と前記評価対象部における発信部、並びに、前記健全部における受信部と前記評価対象部における受信部は、それぞれ該金属管の管軸に平行な同一の仮想線上に配置する
    請求項2に記載の金属管腐食状態評価方法。
  4. 前記健全部の全周長又は前記評価対象部の全周長は、
    該金属管の管壁の厚み方向に沿った外周面からの深さが管壁の30%〜60%となる位置における全周長の長さとする
    請求項3に記載の金属管腐食状態評価方法。
  5. 前記発信部及び前記受信部を、該金属管の外周面又は内周面に配置する
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の金属管腐食状態評価方法。
  6. 前記健全部における全周長と、前記評価対象部における全周長とを対比して算出した全周長差に基づいて、評価対象部における板厚変化率を算出し、該板厚変化率が、所定の数値を超える場合に該評価対象部が腐食状態にあると評価する
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の金属管腐食状態評価方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の金属管腐食状態評価方法に用いられる金属管腐食状態評価装置であって、
    SH超音波を発信する発信部と、
    該SH超音波を受信する受信部と、
    該金属管の周方向に沿って形成された、前記発信部から前記受信部に至る右回りの周回経路と左回りの周回経路とのうち、相対的に経路長が長い周回経路を伝播した長手経路側超音波の伝播時間と、相対的に経路長が短い周回経路を伝播した短手経路側超音波の伝播時間とを各々測定する伝播時間測定手段と、
    前記伝播時間測定手段が測定した各伝播時間と、前記暫定音速とに基づいて該周回経路における全周長を算出する全周長算出手段と、
    を備えていることを特徴とする金属管腐食状態評価装置。
  8. 前記受信部が受信した長手経路側超音波の波形と、短手経路側超音波の波形とを同一画面上に同時に表示する波形表示装置を備えている
    請求項7に記載の金属管腐食状態評価装置。
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