JP2016084693A - 膜屋根構造構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解消することであり、すなわち屋根構造を構築する工期を従来よりも短縮することで、地上作業の早期着手を実現し、施設完成までの工期を大幅に短縮することのできる膜屋根構造構築方法を提供することである。【解決手段】本願発明の膜屋根構造構築方法は、膜屋根ユニット製作工程と、収容函体製作工程、膜屋根ユニット設置工程、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程、開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程、収容函体設置工程、走行レール張設工程を備えた方法である。このうち膜屋根ユニット設置工程では、台車をスライド移動させることで収容空間内の所定位置に膜屋根ユニットが設置され、収容函体設置工程では、膜屋根ユニットを収容した状態の収容函体が所定位置まで吊り上げられて設置される。【選択図】図14

Description

本願発明は、建築物の屋根を構築する方法に関するものであり、より具体的には、開閉式の膜屋根構造を構築する方法に関するものである。
競技場やイベント会場など多くの観客を収容する施設は、雨天時でも実施できるように屋根が取り付けられることがある。さらに、好天時には自然環境で競技等が実施できるように、開閉式の屋根を採用する施設も増えている。
一方で、新たに建設される大規模施設は、見る人に強い印象を与える独特のデザインが好まれる傾向にある。これに伴い施設屋根も複雑な形状を呈することになり、特に開閉式の屋根の場合、開扉状態(屋根が開放された状態)においてはコンパクトに収納し、閉扉状態(屋根が閉鎖された状態)においては複雑な形状に展開できる構造としなければならない。そのため、開閉式の屋根として採用できる屋根材は極めて限定的であり、比較的自在に変形できる屋根膜材が多く採用される。
通常、開閉式の屋根構造は、アーチ状に形成される2つの主梁(以下、「キール」という。)によって支えられ、このキール間に張設されたワイヤーを利用して屋根膜材が展張する構造となっている。したがって開閉式の屋根構造を構築する場合、まずはキールを構築し、その後にワイヤーを張設するとともに、可動式の屋根膜材を設置するのが一般的である。特許文献1でも、仮設ベント(支保工)で支持しながらメインキールアーチ部材とサブキールアーチ部材を構築した後、これらキールアーチ部材間にケーブルを張設する工法を提案している。
特開平08−246556号公報
ところで、競技場などの施設を新設する場合、当然ながら屋根構造のほか客席やステージなど地上での作業も行われる。開閉式の屋根構造では、キールの構築と、ワイヤー張設、可動式屋根膜材の設置の各工程が直列する施工方法が一般的であり、つまりこれらの工程がクリティカルパスとなっていた。キールの構築には支保工が必要であり、開閉式とする屋根の構造によっては屋根設置のために足場が必要となる。設置された支保工や足場は、施設の地上部分を占領することから、屋根構造を構築する間は地上での作業を行うことができない。すなわち屋根構造を構築する施工期間(以下、単に「工期」という。)が、施設を構築する全体の工期に、直接的に影響を及ぼすわけである。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解消することであり、すなわち屋根構造を構築する工期を従来よりも短縮することで、地上作業の早期着手を実現し、施設完成までの工期を大幅に短縮することのできる膜屋根構造構築方法を提供することである。
本願発明は、キールを中空断面である箱桁形式とすることで、可動式屋根膜材をキール内に収容可能な構造とし、そしてキールを地組みするときに屋根膜材もキール内に収容しておき、キールと屋根膜材を同時に天井部まで吊り上げることで天井部での屋根設置工程を省略する、という点に着目して開発されたものであり、従来にはない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の膜屋根構造構築方法は、膜屋根ユニット製作工程と、収容函体製作工程、膜屋根ユニット設置工程、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程、開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程、収容函体設置工程、走行レール張設工程を備えた方法である。なお、本願発明が対象とする膜屋根構造は、開閉軸方向に伸縮可能な膜屋根体と、開閉軸方向に配置される複数の走行レール、この走行レールの端部に配置される収容函体を含む構造である。また、膜屋根体は、複数のV字構造(2つの斜材をピン結合した構造)を開閉軸方向に連結したサイドフレームが、開閉軸直角方向に略平行(平行含む)に複数配置されたものであり、開閉軸方向に折り畳める中折れ部を具備する屋根膜材がサイドフレーム上部に取り付けられ、サイドフレームを開閉軸方向に伸縮させる伸縮装置がサイドフレーム下部に取り付けられ、さらに走行レール方向にスライド可能な台車がサイドフレーム上部に取り付けられたものである。そして収容函体は膜屋根構造を支えるキールであって、膜屋根体を収容可能な収容空間と、伸縮する際に膜屋根体が通過し得る開口部を有するものである。本願発明の膜屋根構造構築方法のうちの膜屋根ユニット製作工程では、膜屋根ユニット(膜屋根体を開閉軸方向及び開閉軸直角方向に分割した部品)が製作されるとともに、仮設レール(台車のスライドが可能なレール)が膜屋根ユニットに取り付けられる。収容函体製作工程では、収容函体が地組みされるとともに、収容空間内に走行レールの一部が設置される。膜屋根ユニット設置工程では、収容空間の走行レールの一部と、仮設レールとが連結され、走行レールの一部まで台車をスライド移動させ、その結果、収容空間内の所定位置に膜屋根ユニットが設置される。開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程では、収容空間に搬入された複数の膜屋根ユニットが開閉軸方向に連結され、開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程では、収容空間に搬入された複数の膜屋根ユニットが開閉軸直角方向に連結される。収容函体設置工程では、収容空間に膜屋根ユニットを収容した収容函体が所定位置まで吊り上げられて設置され、走行レール張設工程では、収容空間に設置された走行レールの一部と、残りの走行レールとが連結されて、複数の走行レールが所定位置で張設される。
本願発明の膜屋根構造構築方法は、さらに伸縮装置取り付け工程を備えた方法とすることもできる。この伸縮装置取り付け工程では、所定位置に伸縮装置が取り付けられて膜屋根ユニットが完成する。なお伸縮装置取り付け工程は、膜屋根ユニット設置工程後に行われ、したがってこの場合の膜屋根ユニット製作工程では、伸縮装置を除く膜屋根ユニットが製作される。
本願発明の膜屋根構造構築方法は、膜屋根ユニット製作工程と収容函体製作工程を異なる場所で行い、膜屋根ユニット製作工程と収容函体製作工程の一部(又は全部)を同時に行う方法とすることもできる。
本願発明の膜屋根構造構築方法は、収容函体設置工程の前に、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程、又は開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程を行う方法とすることもできる。
本願発明の膜屋根構造構築方法は、収容函体設置工程の後に、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程、又は開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程を行う方法とすることもできる。
本願発明の膜屋根構造構築方法は、収容函体製作工程の一部と膜屋根ユニット設置工程の一部を同時に行う方法とすることもできる。この場合、収容函体製作工程では、分割収容函体(収容函体を分割した部品)ごとに収容函体が製作される。
本願発明の膜屋根構造構築方法は、収容函体設置工程において、分割収容函体を所定位置まで吊り上げ、この分割収容函体どうしを連結していくことで収容函体を所定位置に設置する方法とすることもできる。この場合、収容函体製作工程では、分割収容函体(収容函体を分割した部品)ごとに収容函体が製作され、開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程は、収容函体設置工程の後に(又は収容函体設置工程と並行して)行われる。
本願発明の膜屋根構造構築方法には、次のような効果がある。
(1)所定位置(天井部)における膜屋根体設置工程を省くことができるため、観客席などの地上作業を早期に着手することができ、その結果、従来よりも大幅に短い工期で施設を完成させることができる。
(2)従来手法では、膜屋根体を設置するため相当なボリュームの足場を設ける必要があったが、本願発明では膜屋根体設置用の足場を必要としない。したがって、少なくとも足場に要する費用を削減することができる。
(3)収容函体(キール)を地組みするときに、すなわち地上で膜屋根体を収容函体内に設置することから、当該作業を容易かつ安全に行うことができる。
一葉双曲面の一部を平面配置した屋根形状を示す斜視図。 (a)は屋根の開口部を閉鎖した閉扉状態を示す斜視図、(b)は屋根の開口部を開放した開扉状態を示す斜視図。 屋根の開扉状態と閉扉状態の遷移を示すステップ図。 膜屋根ユニットの外観を示す斜視図。 架構フレームを開閉軸方向に見た正面図。 伸長時のサイドフレームを開閉軸直角方向に見た正面図。 多節リンク機構の一例を示す平面図。 (a)はV字状アーム機構を示す平面図、(b)はX字状アーム機構を示す平面図。 多節リンク機構に引込線を取り付けた状態を示す平面図。 多節リンク機構に押出線を取り付けた状態を示す平面図。 多節リンク機構に引込線を取り付ける手順を示すステップ図。 2段のガイド溝を有する滑車を示す側面図。 (a)は膜屋根ユニット上部を開閉軸方向に見た部分詳細図、(b)は膜屋根ユニット上部を開閉軸直角方向に見た部分詳細図。 本願発明の膜屋根構造構築方法の第1の例を示すフロー図。 本願発明の膜屋根構造構築方法の第2の例を示すフロー図。 収容函体製作工程を説明するモデル断面図。 膜屋根ユニット設置工程を説明するモデル断面図。 (a)は膜屋根体を構成する膜屋根ユニットの最終配置を示すモデル図、(b)は膜屋根ユニットを開閉軸方向から並べていく手順を示すモデル図、(c)は膜屋根ユニットを開閉軸直角方向から並べていく手順を示すモデル図。 開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程を説明するモデル断面図。 伸縮装置取り付け工程を説明するモデル断面図。 走行レール張設工程を説明するモデル断面図。 (a)は中間の分割収容函体を地組すると同時にこれを天井部まで吊り上げて設置する状況を示すモデル図、(b)は最終の分割収容函体を地組すると同時にこれを天井部まで吊り上げて設置する状況を示すモデル図。
本願発明の膜屋根構造構築方法の実施形態の一例を、図に基づいて説明する。なお、本願発明が対象とする開閉式膜屋根構造は種々の技術的特徴を備えていることから、膜屋根構造構築方法について説明する前に、当該開閉式膜屋根構造について詳しく説明する。
1.開閉式膜屋根構造
説明のためここで例示する競技場屋根Lfは、図1に示すように、一葉双曲面の一部を平面配置した形状であり、いわばポテトチップスと似た形状となっている。したがって、屋根の短軸方向(X−X)の断面を見ると下に凸のカテナリー曲線を示し、長軸方向(Y−Y)の断面を見ると上に凸の曲線を示している。もちろん本願発明が対象とする開閉式膜屋根構造は、ここで示す形状の屋根に限らず様々な形状の屋根に採用でき、また競技場に限らず種々の建築物で利用することができる。
図2は、大きな開口部を備えた競技場屋根Lfの1/4の範囲を示す斜視図であり、(a)はこの開口部を閉鎖した閉扉状態を示し、(b)は開口部を開放した開扉状態を示している。この図に示す開閉式屋根は左右からの開閉式であって、屋根の両端から移動してくる2組の屋根構造が、中央付近で接合することで屋根の開口部が閉鎖される。なお、便宜上ここでは、屋根構造が移動する方向を「開閉軸方向」(図1に示す短軸方向X−X)、これと直交する方向を「開閉軸直角方向」(図1に示す長軸方向Y−Y)ということとする。すなわち図2は、開閉軸方向における1/2範囲であって、開閉軸直角方向における1/2範囲を示している。
本願発明が対象とする開閉式膜屋根構造は、屋根膜材と骨組構造を主とする膜屋根体と、走行レール、そして収容函体によって構成される。このうち膜屋根体は、複数の膜屋根ユニット100(膜屋根体を開閉軸方向及び開閉軸直角方向に分割したもの)によって構成される。具体的には、複数の膜屋根ユニット100が開閉軸方向に連結されて一列の膜屋根ユニット列が形成され、さらに複数の膜屋根ユニット列が開閉軸直角方向に並列配置されることで膜屋根体が構成される。なお、後述するように一つの膜屋根ユニット100で、膜屋根ユニット列を形成することもできる。
図3は、屋根の開扉状態と閉扉状態の遷移を示すステップ図であり、図3(a)から(d)に向かって開扉状態への変化を示し、逆に図3(d)から(a)に向かって閉扉状態への変化を示している。この図に示すように、屋根を開扉状態から閉扉状態にする場合、膜屋根ユニット列の前方側(屋根の中央側で、図では左側)が屋根端部(図では右側)から伸びるように開閉軸方向を移動する。このとき開閉軸直角方向に並列配置された複数の膜屋根ユニット列は、それぞれ前方側(つまり、先端)で連結されているので、一面の屋根構造として展開される。左右双方の屋根構造が中央付近で接合するまで移動すると、屋根の開口部が閉鎖されて閉扉状態となる(図3(a))。図2(a)では、多数の膜屋根ユニット100によって競技場屋根Lfの開口部が閉鎖されている。
一方、屋根を閉扉状態から開扉状態にする場合、膜屋根ユニット列の先端側が屋根端部に向けて縮むように開閉軸方向を移動し、屋根の開口部を開放して開扉状態となる(図3(d))。図2(b)では、多数の膜屋根ユニット100が屋根端部に収容され、競技場屋根Lfの開口部には、格子状に張設された吊り下げワイヤー200が見えるのみとなっている。
以下、本願発明が対象とする開閉式膜屋根構造に関し、主要な構成要素ごとにさらに詳しく説明する。なお、後述する膜屋根体の構成要素である「台車」に関しては、便宜上、走行レールの後で説明する。
1−1.膜屋根体
膜屋根体は、複数の膜屋根ユニット100からなる膜屋根ユニット列によって構成されることから、まずは膜屋根ユニット100について説明する。図4は、膜屋根ユニット100の外観を示す斜視図である。この図に示すように、膜屋根ユニット100は、開閉軸直角方向に配置される架構フレーム110と、開閉軸方向に配置されるサイドフレーム120、上部に張設される屋根膜材130、伸縮装置140によって構成される。より具体的には、複数(図4では3つ)の架構フレーム110が略平行(平行含む)に配置され、その両側にはそれぞれサイドフレーム120や伸縮装置140が配置されており、対向配置される複数の架構フレーム110の上部を覆うように屋根膜材130が張設されている。また、屋根膜材130には、開閉軸方向に折り畳むことができるよう「中折れ部131」が設けられ、その下方には屋根膜材130を下向きに引張する上下緊張材150が設置されている。
(架構フレーム)
図5は、架構フレーム110を開閉軸方向に見た正面図である。この図に示すように、架構フレーム110は、上部梁111と下部梁112を主部材として構成されている。上部梁111と下部梁112は、それぞれ管状又は棒状のいわゆる軸部材であり、その軸方向が開閉軸直角方向であって略水平(水平含む)姿勢となるよう配置される。また、上部梁111と下部梁112との間には、複数の補強鉛直材113と補強斜材114が設置され、これら補強材によって架構フレーム110は所定の剛性を確保している。なお、左右2つのサイドフレーム120からなる区間Lが、架構フレーム110の1スパンであり、図4に示す架構フレーム110の開閉軸直角方向長さに相当する。
(サイドフレーム)
図6は、サイドフレーム120を開閉軸直角方向に見た正面図であり、伸長時のサイドフレーム120を示している。既述のとおり、膜屋根ユニット100を開閉軸方向に見たとき、その両側面にはそれぞれサイドフレーム120が配置されており、その一方の側面を示しているのが図6である。この図に示すように、サイドフレーム120は2本の斜材121からなる「V字構造122」を基礎として構成され、V字構造122を形成する2本の斜材121は端部123でピン結合されている。
サイドフレーム120は開閉軸方向となるよう配置され、さらに図6では2つのV字構造122が開閉軸方向に直列配置され、いわばW字形状となっている。なおサイドフレーム120は、端部123が上端に比して膜屋根ユニット100の中心寄り(内側)に位置するよう、若干傾斜した姿勢で配置することができる。また、対向する両側面のサイドフレーム120、すなわち左側サイドフレーム120Lと右側サイドフレーム120Rは、それぞれの端部123間を連結ワイヤーで連結しておくことができる。
対向する左側サイドフレーム120Lと右側サイドフレーム120Rの間には架構フレーム110が配置され、架構フレーム110の上部梁111の左端と、左側サイドフレーム120Lを構成する斜材121上部がピン結合され、架構フレーム110の上部梁111の右端と、右側サイドフレーム120Rを構成する斜材121上部がピン結合される。また、対向配置される一方(前方)の架構フレーム110の上部梁111の端部と、サイドフレーム120を構成する一方(前方)の斜材121上部がピン結合され、対向する他方(後方)の架構フレーム110の上部梁111の端部と、サイドフレーム120を構成する他方(後方)の斜材121上部がピン結合される。このとき、連結治具を介して上部梁111と斜材121上部をピン結合することもできる。なお、図4では左右3箇所ずつで、上部梁111と斜材121上部がピン結合されている。
(伸縮装置)
伸縮装置140は、サイドフレーム120が置かれる左右の側面部の両方又は一方に配置される。この伸縮装置140が伸縮することによって、V字構造122の端部123を上下させて、サイドフレーム120を伸長状態や屈折状態とする。すなわち、伸縮装置140が伸びることで、V字構造122の端部123を上方に上げてサイドフレーム120を伸長状態とし、伸縮装置140が縮むことで、V字構造122の端部123を下方に下げてサイドフレーム120を屈折状態とする。
水平面内に配置される複数のアームがピン結合されて構成されるダイアモンド型ジャッキの伸縮装置140は、左右方向、つまり開閉軸直角方向に開閉することで伸縮するものである。そして、伸縮装置140の一部は、サイドフレーム120を構成する一方(前方)のV字構造122の端部123とピン結合され、伸縮装置140の他の一部は、サイドフレーム120を構成する他方(後方)のV字構造122の端部123とピン結合されている。したがって、伸縮装置140が開閉軸直角方向に開くと、伸縮装置140は開閉軸方向に縮み、前方の端部123と後方の端部123の距離が縮まることで前方・後方の端部123は下方に下がり、その結果、サイドフレーム120は屈折状態となる。また、伸縮装置140が開閉軸直角方向に閉じると、伸縮装置140は開閉軸方向に伸び、前方の端部123と後方の端部123の距離が広がることで前方・後方の端部123は上方に上がり、その結果、サイドフレーム120は図6のように伸長状態となる。
あるいは、開閉軸直角方向の鉛直面内に配置される複数のアームが、ピン結合されて構成されるダイアモンド型ジャッキを、伸縮装置140として採用することもできる。この場合、伸縮装置140は、鉛直面内を上下方向に開閉することで、開閉軸方向に伸縮することとなる。そして、伸縮装置140の下端と、前方のV字構造122の端部123は、棒状又は管状の開閉連結材で連結される。同じく、伸縮装置140の下端と、後方の端部123も開閉連結材で連結される。このとき、伸縮装置140の下端と開閉連結材はピン結合であり、前方・後方の端部123と開閉連結材もピン結合である。したがって、伸縮装置140が上下方向に開くと、伸縮装置140は開閉軸方向に縮み、前方と後方の端部123が開閉連結材を介して引き寄せられ、前方・後方の端部123は下方に下がり、その結果、サイドフレーム120は屈折状態となる。また、伸縮装置140が上下方向に閉じると、伸縮装置140は開閉軸方向に伸び、前方と後方の端部123が開閉連結材を介して遠ざけられ、前方・後方の端部123は上方に上がり、その結果、サイドフレーム120は図6のように伸長状態となる。
さらに伸縮装置140は、多節リンク機構800を利用した「多節リンク機構式の伸縮装置140」とすることもできる。図7は、多節リンク機構800の一例を示す平面図である。この図に示すように多節リンク機構800は、複数のアーム材801を有し、これらのアーム材801がそれぞれピン結合されることで構成される。
また、図7の多節リンク機構800の例では、V字状アーム機構810とX字状アーム機構820を主な構成要素としている。具体的には、左右両端にそれぞれV字状アーム機構810が配置され、これら2つのV字状アーム機構810の間に複数(図では4つ)のX字状アーム機構820が配置されている。なおこの図では、X字状アーム機構820を複数配置しているが、状況に応じてX字状アーム機構820を一つのみ配置することもできる。
図8(a)はV字状アーム機構810を示す平面図であり、図8(b)はX字状アーム機構820を示す平面図である。図8(a)に示すようにV字状アーム機構810は、V字状に配置された2つのアーム材801の先端(図では左端)が、先端交差部802で重ねられてピン結合されている。そして、ピン結合端とは異なるアーム材801の先端(図では右端)は、V字状アーム機構810としては自由であるアーム自由端805となる。つまりV字状アーム機構810には、2つのアーム自由端805が設けられる。
一方、図8(b)に示すようにX字状アーム機構820は、X字状に配置された2つのアーム材801の中間部が、中間交差部803で重ねられてピン結合されている。そして、アーム材801の先端は、X字状アーム機構820としては自由であるアーム自由端805となる。つまりX字状アーム機構820には、4つのアーム自由端805が設けられる。
図7に示すように、隣接するV字状アーム機構810とX字状アーム機構820、あるいは隣接するX字状アーム機構820とX字状アーム機構820が連結されることで、多節リンク機構800は形成される。具体的には、V字状アーム機構810のアーム自由端805と、X字状アーム機構820のアーム自由端805が、連結部804においてピン結合され、同様に、隣接するX字状アーム機構820のアーム自由端805どうしが、連結部804においてピン結合される。図7では、V字状アーム機構810とX字状アーム機構820による連結部804が4箇所、X字状アーム機構820どうしの連結部804が6カ所、合わせて10カ所に連結部804が設けられている。
また、多節リンク機構式の伸縮装置140は、引込線910と、押出線920を具備することができる。引込線910は伸縮装置140全体を縮めるためのものであって、押出線920は伸縮装置140全体を伸ばすためのものであり、引込線910と押出線920はそれぞれワイヤーを用いることができる。図9は、多節リンク機構800に引込線910を取り付けた状態を示す平面図であり、図10は、多節リンク機構800に押出線920を取り付けた状態を示す平面図である。なお便宜上、図9では引込線910のみを示し、図10では押出線920のみを示しているが、実際には引込線910と押出線920の両方が、多節リンク機構800に取り付けられる。
図9に示す多節リンク機構式の伸縮装置140は、右側が後端側(図3に示す後方側)であり、左側が先端側(図3に示す前方側)である。なお、先端部が移動することで伸縮装置140が伸縮することを考えると、右側が固定端側、左側が移動端側ということもできる。ここでは、多節リンク機構800のうち、前端側のV字状アーム機構810を「第1のV字状アーム機構810」といい、後端側のV字状アーム機構810を「第2のV字状アーム機構810」ということとする。
図9に示すように引込線910は、先端交差部802に設けられる滑車と、中間交差部803に設けられる滑車に、それぞれ巻き回されて後端側方向に延ばされている。図11は、多節リンク機構800に引込線910を取り付ける手順を示すステップ図である。なお説明の便宜上、第1のV字状アーム機構810の先端交差部802を「先端交差部802a」、第2のV字状アーム機構810の先端交差部802を「先端交差部802b」、中間交差部803は先端側から順に「中間交差部803a」、「中間交差部803b」、「中間交差部803c」、「中間交差部803d」ということとする。
図11に基づいて、引込線910を取り付ける手順を説明する。はじめに、先端交差部802aに引込線910の一端を固定し、中間交差部803aに設けられた滑車に巻いた後、先端交差部802aに設けられた滑車に巻いて、再び中間交差部803aを通過させる(図11(a))。次に、中間交差部803bに設けられた滑車に巻いた後、再び中間交差部803aに設けられた滑車に巻いて、中間交差部803bを通過させる(図11(b))。同様にこの手順を繰り返し(図11(c)〜図11(d))、最後に、先端交差部802bに設けられた滑車に巻いた後、再び中間交差部803dに設けられた滑車に巻いて、先端交差部802bを通過させる(図11(e))。
図9及び図11に示す構成とすることで、引込線910の先端(図では右端)を引くと、向かい合う連結部804の距離が広がるとともに、隣接する先端交差部802と中間交差部803の距離、あるいは隣接する中間交差部803どうしの距離が縮まり、この結果、多節リンク機構800すなわち伸縮装置140が縮められる。
図10に示すように押出線920は、連結部804に設けられる滑車と、中間交差部803に設けられる滑車に、それぞれ巻き回されて後端側方向に延ばされている。図10に基づいて、より具体的に押出線920を取り付ける手順を説明する。なお説明の便宜上、10個の連結部804を、先端側の右側(図では上側)から順に「連結部804a〜連結部804j」ということとする。はじめに、連結部804aに押出線920の一端を固定し、連結部804bに設けられた滑車に巻いた後、中間交差部803aに設けられた滑車を通して、連結部804cに設けられた滑車に巻く。このように、連結部804の滑車〜中間交差部803の滑車という順で巻き回しながら、先端交差部802bまで通過させる。
図10に示す構成とすることで、押出線920の先端(図では右端)を引くと、向かい合う連結部804の距離が縮められるとともに、隣接する先端交差部802と中間交差部803の距離、あるいは隣接する中間交差部803どうしの距離が広がり、この結果、多節リンク機構800すなわち伸縮装置140が伸びる。
図11の説明で述べたとおり、第2のV字状アーム機構810の先端交差部802aと中間交差部803は、それぞれ引込線910が2回巻き回されることとなる。また、第2のV字状アーム機構810の先端交差部802bは、引込線910と押出線920がそれぞれ1回ずつ巻き回される。したがって、先端交差部802と中間交差部803に設けられる滑車は、引込線910(あるいは押出線920)を巻き回すため、2つのガイド溝を具備すると好適となる。
図12は、2段のガイド溝831を有する滑車830を示す側面図である。この図に示すように、先端交差部802や中間交差部803に設けられる滑車830は、アーム材801に対して略垂直(垂直含む)となる回転軸832が設けられ、この回転軸832周りに回転できる構造である。そしてこの滑車830には、回転軸832方向に重ねられるように2段のガイド溝831が設けられている。この結果、一つの滑車830に対して2回巻き回される引込線910(あるいは、引込線910と押出線920)は、それぞれ異なるガイド溝831を通過することができる。つまり、2回巻き回される引込線910(あるいは、引込線910と押出線920)は、互いに交差することなく独立して滑車830を通過することができるわけである。
ここまで説明した多節リンク機構式の伸縮装置140(つまり、多節リンク機構800と、引込線910、押出線920を含む伸縮装置140)は、サイドフレーム120の一部に取り付けられ、伸縮装置140の伸縮に応じて、膜屋根ユニット列(膜屋根ユニット100)も伸縮する。例えば、多節リンク機構式の膜屋根ユニット140を略水平(水平含む)姿勢に配置し、多節リンク機構800の先端交差部802や中間交差部803を、V字構造122の端部123と連結することができる。この結果、多節リンク機構800つまり伸縮装置140が伸びると、サイドフレーム120が開閉軸方向に広がり、膜屋根ユニット列(膜屋根ユニット100)が伸びる。また、多節リンク機構800つまり伸縮装置140が縮められると、サイドフレーム120が開閉軸方向に縮まり、膜屋根ユニット列(膜屋根ユニット100)も縮められる。
ところで、2つのV字状アーム機構810と複数のX字状アーム機構820によって、多節リンク機構800を形成することができるのは、既述のとおりである。したがって、多節リンク機構800は、その延長が比較的長い構成とすることが可能となる。同時に、先端交差部802や中間交差部803を、V字構造122の端部123と連結することを考えれば、膜屋根ユニット100も多節リンク機構800の長さに応じて長くすることができる。つまり、多節リンク機構800による伸縮装置140を採用すると、膜屋根ユニット100は相当の延長で構成することができる。この結果、一つの膜屋根ユニット100によって、一つの膜屋根ユニット列を形成することもできるわけである。
伸縮装置140は、伸縮機構を備えていればダイアモンド型ジャッキや多節リンク機構式に限ることなく、従来から利用されている種々の装置を採用することができる。なお、伸縮装置140の伸縮操作は、電動等により遠隔操作できることが望ましい。多節リンク機構式の伸縮装置140を採用した場合は、引込線910の先端を引くためのウィンチと、押出線920の先端を引くためのウィンチを設置すると良い。
なお、既述のとおり架構フレーム110の両側には、それぞれサイドフレーム120や伸縮装置140が配置されるが、これら両側のサイドフレーム120と伸縮装置140に加えて、架構フレーム110の中間位置にもサイドフレーム120と伸縮装置140を配置することもできる。さらに、架構フレーム110の中間位置の複数箇所に、サイドフレーム120と伸縮装置140を配置することもできる。
(屋根膜材)
屋根膜材130は、図6に示すように、対向する2つの架構フレーム110の上部梁111間に架け渡されて取り付けられる。このとき、2面の屋根膜材130が用意され、開閉軸方向に接続して屋根面を形成している。すなわち、前方の屋根膜材130と後方の屋根膜材130が開閉軸方向に並べられ、前方の屋根膜材130の前端は前方の上部梁111に固定され、後方の屋根膜材130の後端は後方の上部梁111に固定されるとともに、前方の屋根膜材130の後端と後方の屋根膜材130の前端が連結される。前方と後方の屋根膜材130の連結手段は、縫合や溶着など従来から用いられている種々の手法を採用することができる。そして、前方の屋根膜材130と後方の屋根膜材130の連結部分が、開閉軸直角方向にわたって線状に設けられる「中折れ部131」として形成される。図6から分かるように、あらかじめ中折れ部131を設けることによって、屋根膜材130は開閉軸方向に折り畳むことが可能であり、サイドフレーム120が伸長状態から屈折状態に変化するときにも、横座屈等が生じるおそれがない。
(上下緊張材)
上下緊張材150は、図6に示すように、中折れ部131の下で垂下するように設置される。また、図5に示すように、開閉軸直角方向にわたって帯状に配置される上部緊張材151と、上部緊張材151の複数箇所に取り付けられる線状の下部緊張材152によって上下緊張材150を構成することもできる。線状の下部緊張材152は、例えばワイヤーを用いることができる。このとき、上方の屋根膜材130と上部緊張材151の連結手段は、縫合や溶着など従来から用いられている種々の手法を採用することができる。
また上下緊張材150を、上部緊張材151と下部緊張材152で構成した場合、図5に示すように、線状の引下げ材160を設置することもできる。この引下げ材160は、例えばワイヤーを用いることで、左右のサイドフレーム120間を開閉軸直角方向に張設する。このとき、図5にも示すように、膜屋根ユニット100のスパン(開閉軸直角方向)中央部が頂部となる(つまり上に凸の)アーチ状とするとよい。
上下緊張材150の長さは、サイドフレーム120の伸長時(屋根膜材130の展張時)において、適切に緊張される程度とする。これにより、サイドフレーム120伸長時には、上下緊張材150が屋根膜材130を下方に引張し、その結果、屋根膜材130は開閉軸方向の引張力が導入され、強風等を受けても容易に座屈や破損等を生じにくくなる。また既述のとおり、端部123が膜屋根ユニット100の内側となるよう若干傾斜した姿勢でサイドフレーム120を配置し、対向する左右のサイドフレーム120の端部123間を連結ワイヤーで連結しておけば、サイドフレーム120伸長時には左右の端部123間が広がって連結ワイヤーが伸び、その結果、屋根膜材130には開閉軸直角方向の引張力が導入されることとなってより好適となる。
(連結治具)
既述のとおり、サイドフレーム120を構成する斜材121上部と、架構フレーム110の上部梁111とは、ピン結合される。この場合、斜材121上部と上部梁111の一部を直接連結したピン結合とすることもできるし、図13に示すように、連結治具300を介して斜材121上部と上部梁111の一部をピン結合することもできる。図13は、膜屋根体(膜屋根ユニット100)の上部を示す部分詳細図であり、(a)は開閉軸方向に見た詳細図、(b)は開閉軸直角方向に見た詳細図である。なお、図13(b)に示す2つの斜材121は、一方がサイドフレーム120を構成する一方(前方)のV字構造122のものであって、他方がサイドフレーム120の他方(後方)のV字構造122のものである。
連結治具300は、図13に示すように上部梁111の下方であって斜材121の上方に配置されるとともに、この上部梁111の一部に固定されている。そしてサイドフレーム120が開閉可能となるように、連結治具300と斜材121がピン結合されており、この結果、上部梁111と斜材121が間接的にピン結合される。
(膜屋根ユニット列の引込み)
閉扉状態から開扉状態にする際、図3(a)から(d)の手順で、個々の膜屋根ユニット列を縮めていくのは既述のとおりである。このとき、屋根端部側(図3では右側)から順にサイドフレーム120を屈折状態とし、膜屋根ユニット列を縮めていく。一方、多節リンク機構式の伸縮装置140を用いた場合、一つの膜屋根ユニット100によって一つの膜屋根ユニット列を形成すれば、全てのサイドフレーム120が徐々に縮められながら、膜屋根ユニット列全体が縮められていく。
ところで、図2(a)に示すように、複数の膜屋根ユニット列のうち、屋根端部側(つまり最後端)が屋根端部側に固定されたものと、そうでないものがある。例えば図2(a)では、8列の膜屋根ユニット列が屋根端部側に固定されているが、3列の膜屋根ユニット列は屋根端部側に固定されていない。既述のとおり、複数の膜屋根ユニット列はそれぞれ先端で連結されているので、すべての膜屋根ユニット列は一連の動きとなる。つまり、屋根端部側に固定された膜屋根ユニット列が縮んでいくことで、屋根端部側に固定されていない膜屋根ユニット列も一緒に引き込んでいるわけである。もちろん、屋根端部側に固定されていない膜屋根ユニット列の後端部が屋根端部側まで移動すると、その後は当該膜屋根ユニット列も順に縮んでいく。
また、図2から分かるように、開扉状態から閉扉状態にするとき、膜屋根ユニット列は下り傾斜を移動していくが、閉扉状態から開扉状態にするときは、膜屋根ユニット列は上り傾斜を移動することになる。後端側のV字構造122が縮むときは、同じ膜屋根ユニット列のうち前方にあるすべてのV字構造122(場合によっては、屋根端部側に固定されていない膜屋根ユニット列を含む)を引き込むことに加え、上り傾斜を引き込んでいくことを考えれば、閉扉状態にするときに比べ開扉状態にするときは、サイドフレーム120を屈折状態とするために大きな力を要することとなり、この点を考慮したうえで伸縮装置140(例えば、ダイアモンド型ジャッキやウィンチ)の規格(スペック)が選定される。
1−2.走行レール
走行レール400は、例えばワイヤーで形成することができ、競技場屋根Lfの開口部に開閉軸方向に張設置され、下に凸のカテナリー曲線を呈する。また走行レール400は、膜屋根ユニット列の開閉軸方向の移動をガイドするものであり、一つの膜屋根ユニット列に対して2以上の走行レール400を並列配置するとよい。
走行レール400は、図13(a)に示すように、格子状に設けられる吊り下げワイヤー200のうち、開閉軸方向に張設された吊り下げワイヤー200に吊り下げられる。具体的には、吊り下げワイヤー200に固定される複数の吊り具210を介して、走行レール400は取り付けられる。この吊り具210は、例えば図13(a)に示すように、上部環と下部環、これらを連結する添接板及び連結ボルトで構成することができる。つまり、吊り下げワイヤー200に上部環を通すとともに、走行レール400に下部環を通し、上部環と下部環を添接板で挟んだうえで連結ボルトを挿通して固定する。もちろん図13の吊り具210は一例であり、走行レール400を吊り下げワイヤー200に取り付けることができれば、他の構成による吊り具210を用いることもできる。
(台車)
台車500は、走行レール400に取り付けられるとともに、この走行レール400をスライドするものであり、その下方に膜屋根体(膜屋根ユニット100)を吊り下げるものである。例えば台車500は、図13(a)に示すように、中央に開口部を設けたドーナツ状の環体とすることができる。ただし環体の上部は、吊り下げワイヤー200に固定される吊り具21を交わすため、上方一部に欠損部を設けている。また、走行レール400を円滑にスライドできるよう、台車500の内部には走行ローラー510を設置すると良い。図13では、環体の開口部の周方向を3等分するような配置で(つまり120度間隔で)、3箇所それぞれ2個ずつ(図13(b))の走行ローラー510を設けている。
台車500は、膜屋根体(膜屋根ユニット100)のうち上部梁111の一部を把持するように固定される。このとき、上部梁111に直接台車500を固定することもできるし、図13に示すように、取付け治具520を介して上部梁111に台車500を固定することもできる。すなわち、台車500に取付け治具520を吊り下げ、この取付け治具520に上部梁111の一部を固定するわけである。
1−3.収容函体
図3(d)に示すように、屋根端部(図の右側)に収容函体600を設けることもできる。この収容函体600は、縮められて折り畳まれた複数の膜屋根ユニット100(つまり膜屋根体)を収容するもので、膜屋根体の収容スペースである「収容空間」と、伸縮する際に膜屋根体が通過し得る「開口部」を備えている。また、開口部の前面には開閉扉610を設けることもできる。膜屋根体が収容空間に収められたとき開閉扉610は閉じられ、膜屋根体を閉扉状態とするときには開閉扉610が開けられる。
また、収容函体600には引込装置を備えることができる。この引込装置は、中折れ機構により伸縮可能なアーム材からなり、収容函体600内に設置されるもので、折り畳まれた膜屋根体を収容函体600の収容空間内に引き込むとともに、収容された膜屋根体を収容函体600の収容空間外に押し出すものである。引込装置のアーム材の一端は、収容函体600内に固定されており、アーム材の他端は、膜屋根ユニット列のうちの一部(例えば最後端のV字構造122)に取り付けられる。そして別に設けられる動力装置によって、アーム材が中折れ機構により縮むことで、折り畳まれた膜屋根体を収容函体600の収容空間内に引き込み、アーム材が中折れ機構により伸びることで、畳まれた膜屋根体を収容函体600の収容空間から押し出す。
閉扉状態の開閉式膜屋根構造を下から(つまり観客席から)見たとき、膜屋根体を構成する架構フレーム110やサイドフレーム120が天井面を覆っていると、景観的にやや優れない。そこで図3(a)や図3(b)に示すように、膜屋根体の下側を被覆膜700で覆うこともできる。例えば、被覆膜700をV字構造122の端部123に取りつけ、屋根膜材130と同様、サイドフレーム120の伸縮に合わせて展張しあるいは折り畳み可能とする。もちろん、布状等の材質を使用すれば、より柔軟に被覆膜700を伸縮させることもできる。なお被覆膜700は、膜屋根体を隠すだけの遮蔽膜や、デザインを施した意匠膜、あるいは吸音効果を備えた吸音膜とすることもできる。
2.膜屋根構造構築方法
次に、本願発明の膜屋根構造構築方法の実施形態の例について、図14と図15を参照しながら詳しく説明する。図14は、膜屋根構造構築方法の第1の例を示すフロー図、図15は、膜屋根構造構築方法の第2の例を示すフロー図である。第1の例は、収容函体全体を地上で組み立て(以下、「地組み」という。)、完成形としての収容函体を天井部まで吊り上げて設置する方法であり、一方の第2例は、収容函体を分割したブロック(以下、「分割収容函体」という。)を地組みし、分割収容函体ごとに天井部まで吊り上げながら連結して完成させる方法である。以下、それぞれの例について順を追って説明する。
(第1の例)
図14に示すように、ここまで説明した膜屋根ユニット100(膜屋根体の部品)が工場で製作され(Step10)、収容函体600は施工現場である競技場の地上部分で地組みされる(Step20)。膜屋根ユニット100は、施工現場に製作ヤードが確保できればその場で製作することもできるが、通常は工場で製作されて膜屋根ユニット100単位で施工現場まで搬送される。また、膜屋根ユニット製作工程(Step10)が工場で行われ、収容函体製作工程(Step20)が施工現場で行われることから、これらの工程は並行して(つまり、両工程の一部または全部をラップして)行うことができる。
本例では、一連の収容函体600が地組みされる。例えば図1の競技場の場合、開閉軸方向における左右両端側に配置される2つの収容函体600が、それぞれ地上にて完成されるわけである。収容函体製作工程(Step20)では、膜屋根体を収容できる「収容空間601」と、伸縮する際に膜屋根体が通過できる「開口部602」を備えた収容函体600を地組みするとともに、図16に示すように、収容空間601内の所定位置に走行レール400の一部を設置する。この走行レール400の一部は、走行レール400全体で見るとその端部に位置することから、便宜上ここでは「端部走行レール400a」ということとする。図16では、収容空間601内に足場を組み、最終的に走行レール400が張設される位置に、端部走行レール400aが取り付けられている。
膜屋根ユニット製作工程(Step10)では、既述した架構フレーム110と、サイドフレーム120、屋根膜材130、伸縮装置140、上下緊張材150、台車500を含む膜屋根ユニット100を製作するとともに、台車500に仮の走行レール(以下、「仮設レール401」という。)が取り付けられる。例えば、ワイヤーを利用した仮設レール401を、図13に示す台車500の中央開口部内に挿通させておく。
収容函体600が製作されると、現地搬入された膜屋根ユニット100が所定位置に設置される(Step30)。図17は、膜屋根ユニット設置工程を説明するモデル断面図である。この図に示すように、まずは膜屋根ユニット100を、地上に置かれた収容函体600の開口部602の前まで運び、収容空間601内の端部走行レール400aと、膜屋根ユニット100に取り付けた仮設レール401を連結する。そして台車500を、仮設レール401から端部走行レール400aへと走行させることで、膜屋根ユニット100を収容空間601内に移動させる。膜屋根ユニット100を端部走行レール400aに預けた後、仮設レール401は端部走行レール400aから外して撤去される。
既述のとおり膜屋根ユニット100は、膜屋根体を開閉軸方向及び開閉軸直角方向に分割したものであり、複数の膜屋根ユニット100を開口部602内に設置する場合、開閉軸方向から順に並べていく手法と、開閉軸直角方向から順に並べていく手法を示すことができる。図18は、複数の膜屋根ユニット100の設置順を示すモデル図であり、(a)は膜屋根体を構成する膜屋根ユニット100の最終配置を示し、(b)及び(c)はそれぞれ膜屋根ユニット100を設置する手順を示す。なお、図18(a)に示す膜屋根体は、開閉軸(X−X)方向に3分割され、開閉軸直角(Y−Y)方向に4分割され、計12の膜屋根ユニット100で構成されている。
図18(b)では、膜屋根ユニット100を開閉軸方向に並べていき、当該縦列の設置が完了すると、隣の縦列の膜屋根ユニット100を開閉軸方向に並べていく手法を示している。なお、図に示す「ユニット1−1」等は、便宜上付与した各膜屋根ユニット100の番号である。図18(b)を参照しながら説明すると、まずはユニット1−1から順にユニット1−2、ユニット1−3と設置して第1縦列を完成させ、同様にユニット2−1〜ユニット2−3の第2縦列を完了させ、現在この図では第3縦列の2個目(ユニット3−2)を設置している状況である。つまり、この手法は「膜屋根ユニット列」ごとに完成させる手順である。
一方、図18(c)では、膜屋根ユニット100を開閉軸直角方向に並べていき、当該横列の設置が完了すると、前方の横列の膜屋根ユニット100を開閉軸直角方向に並べていく手法を示している。図18(c)を参照しながら説明すると、まずはユニット1−1から順にユニット2−1、ユニット3−1、ユニット4−1と設置して第1横列を完成させ、同様にユニット1−2、ユニット2−2と順に設置していき、現在この図では第2横列の3個目(ユニット3−2)を設置している状況である。
なお、膜屋根ユニット設置工程(Step30)は、必ずしも収容函体製作工程(Step20)が完了するのを待って行う必要はない。特に、収容函体600の延長が長いときは、収容函体600が完成した部分から順に膜屋根ユニット100を設置すると良い。この場合は、図18(b)に示すように、膜屋根ユニット100を開閉軸方向から順に並べていく手法とするのが望ましい。
膜屋根ユニット設置工程(Step30)が完了すると、膜屋根ユニット100が設置された収容空間601内で、開閉軸方向に隣接する膜屋根ユニット100どうしを連結し(Step40)、さらに開閉軸直角方向に隣接する膜屋根ユニット100どうしを連結する(Step50)。この場合も、必ずしも膜屋根ユニット設置工程が完了するのを待って、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程(Step40)や開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程(Step50)を行う必要はなく、設置された膜屋根ユニット100から順次連結していくこともできる。また、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程(Step40)と開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程(Step50)は、どちらを先に行ってもよく、並行して(つまり開閉軸方向と開閉軸直角方向を交えながら)行ってもよい。
図19に示すように、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程(Step40)では、開閉軸方向に隣接するサイドフレーム120どうし、屋根膜材130どうし、そして伸縮装置140どうしを連結する。一方、開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程(Step50)では、開閉軸直角方向に隣接する架構フレーム110どうし、屋根膜材130どうしを連結する。なお、屋根膜材130の連結は、縫合(編み込み)や溶着、圧着など従来から用いられている種々の手法を採用することができる。
伸縮装置140は、工場製作(Step10)の際に膜屋根ユニット100に取り付けておくこともできるが、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程(Step40)が終わった時点で膜屋根ユニット100に取り付けることもできる。図20は、伸縮装置取り付け工程(Step60)を説明するモデル断面図である。この図に示すように、伸縮装置取り付け工程は収容空間601内で行われ、開閉軸方向に連結した膜屋根ユニット100の下部に取り付けていく。したがって、開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程(Step50)を待つことなく、すなわち膜屋根ユニット100が開閉軸方向に連結されて膜屋根ユニット列が完成するごとに、伸縮装置140を設置することもできる。なお、伸縮装置取り付け工程(Step60)を行う場合は、当然ながら開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程(Step40)で伸縮装置140どうしが連結されることはない。
ここまで説明した工程(Step20〜Step60)が、地上(地面上)で行われる工程であり、以降説明する工程が天井部、すなわち実際に開閉式膜屋根構造が設置される場所で行われる工程である。
収容函体600が完成し、膜屋根体を構成する膜屋根ユニット100が収容空間601内の所定位置に設置され、さらに膜屋根ユニット100どうしが開閉軸方向と開閉軸直角方向に連結されると、膜屋根体を収容した収容函体600はタワークレーン等の揚重機によって吊り上げられ、計画位置に設置される(Step70)。なお、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程(Step40)や開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程(Step50)は地上で行うと説明したが、現場状況や施工進捗状況に応じては、これら工程の一部又は全部を収納函体設置工程(Step70)後に、すなわち天井部における収容空間601内で行うこともできる。
収納函体設置工程(Step70)が完了すると、複数の走行レール400が開閉軸方向に張設される(Step80)。図21は、走行レール張設工程(Step80)を説明するモデル断面図である。この図に示すように、収容函体600の収容空間601内に設置された端部走行レール400aと、残りの走行レール400が軸方向に連結され、これが両端部で行われることで走行レール400の張設が完了する。
(第2の例)
図15を参照しながら、本願発明の膜屋根構造構築方法の第2例について説明する。既述のとおり、第2例は、収容函体を分割した「分割収容函体」を地組みし、分割収容函体ごとに天井部まで吊り上げながら連結して完成させる方法である。なお、第1例と同じ工程に関する説明はここでは割愛し、第2例特有の工程、あるいは第1例と異なる点について説明することとする。すなわち、ここで説明しない内容は、既に説明した第1例と同様である。
膜屋根ユニット100が工場で製作される(Step10)一方で、施工現場である競技場の地上部分では、複数の分割収容函体が地組みされる(Step21)。この場合も第1例と同様、膜屋根ユニット製作工程(Step10)と分割収容函体製作工程(Step21)を並行して(つまり、両工程の一部または全部をラップして)行うことができる。
図22は、分割収容函体を地組すると同時に、その分割収容函体を天井部まで吊り上げて設置する状況を説明するモデル図であり、(a)は中間の分割収容函体が製作されて設置される状況を、(b)は最終の分割収容函体が製作されて設置される状況を示している。この図の例では、収容函体600が4分割されており、すなわち4つの分割収容函体01〜分割収容函体04によって収容函体600が構成されている。本例の場合、分割収容函体製作工程(Step21)で地組みされた分割収容函体の収容空間601内に、膜屋根ユニット100が設置され(Step30)、設置された膜屋根ユニット100が開閉軸方向に連結される(Step40)。そして開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程(Step40)後に、伸縮装置取り付け工程(Step60)が行われて、地上での作業が終了する。なおこの場合も、開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程(Step40)や伸縮装置取り付け工程(Step60)に関しては、分割収容函体を天井部まで吊り上げた後に、分割収容函体の収容空間601内で行うことができる。
図2に示すように、分割収容函体が製作されると、膜屋根ユニット100を収容した状態で当該分割収容函体はタワークレーン等の揚重機によって吊り上げられ、計画位置に設置される(Step71)。具体的には、既に設置された(あるいは吊り上げられた)状態の分割収容函体の隣接位置まで運ばれた分割収容函体が、収容函体軸方向(つまり、開閉軸直角方向)に連結される。全ての(あるいは部分的に)分割収容函体が連結されると、開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程(Step50)が行われ、そして走行レール張設工程(Step80)が行われ、一連の作業が完了する。
本願発明の膜屋根構造構築方法は、野球場、サッカー競技場、陸上競技場といった種々の競技場や、コンサートをはじめ種々のイベントを行う興行施設、あるいは大規模工場、アーケード等をもつ商業施設などを構築する試際に採用することができる。特に、開扉時に大きく開口する屋根や、複雑な形状を呈する屋根の構築に対して、好適に採用することができる。
100 膜屋根ユニット
110 架構フレーム
111 (架構フレームの)上部梁
112 (架構フレームの)下部梁
113 (架構フレームの)補強鉛直材
114 (架構フレームの)補強斜材
120 サイドフレーム
121 斜材
122 V字構造
123 端部
130 屋根膜材
131 (屋根膜材の)中折れ部
140 伸縮装置
150 上下緊張材
151 (上下緊張材の)上部緊張材
152 (上下緊張材の)下部緊張材
160 引下げ材
200 吊り下げワイヤー
210 (吊り下げワイヤーの)吊り具
300 連結治具
400 走行レール
400a 端部走行レール
401 仮設レール
500 台車
510 (台車の)走行ローラー
520 (台車の)取付け治具
600 収容函体
601 (収容函体の)収容空間
602 (収容函体の)開口部
610 (収容函体の)開閉扉
700 被覆膜
800 多節リンク機構
801 (多節リンク機構の)アーム材
802 (多節リンク機構の)先端交差部
803 (多節リンク機構の)中間交差部
804 (多節リンク機構の)連結部
805 (多節リンク機構の)アーム自由端
810 (多節リンク機構の)V字状アーム機構
820 (多節リンク機構の)X字状アーム機構
830 (多節リンク機構の)滑車
831 (滑車の)ガイド溝
832 (滑車の)回転軸
Lf 競技場屋根

Claims (7)

  1. 開閉軸方向に伸縮可能な膜屋根体と、開閉軸方向に配置される複数の走行レールと、該走行レールの端部に配置される収容函体と、を含む膜屋根構造を構築する方法であって、
    前記膜屋根体は、2つの斜材をピン結合したV字構造を開閉軸方向に複数連結したサイドフレームを、開閉軸直角方向に平行又は略平行に複数配置するとともに、開閉軸方向に折り畳める中折れ部を具備する屋根膜材をサイドフレーム上部に取り付け、サイドフレームを開閉軸方向に伸縮させる伸縮装置をサイドフレーム下部に取り付け、さらに前記走行レール方向にスライド可能な台車をサイドフレーム上部に取り付けたものであり、
    前記収容函体は、前記膜屋根体を収容可能な収容空間と、伸縮する際に前記膜屋根体が通過し得る開口部と、を有するものであり、
    前記膜屋根体を開閉軸方向及び開閉軸直角方向に分割した膜屋根ユニットを製作するとともに、前記台車がスライド可能な仮設レールを該膜屋根ユニットに取り付ける膜屋根ユニット製作工程と、
    前記収容函体を地組みするとともに、前記収容空間に前記走行レールの一部を設置する収容函体製作工程と、
    前記収容空間の前記走行レールの一部と、前記仮設レールとを連結し、前記台車をスライドして該走行レールの一部に該台車を取り付けることで、該収容空間内の所定位置に前記膜屋根ユニットを設置する膜屋根ユニット設置工程と、
    前記収容空間に搬入された複数の前記膜屋根ユニットを、開閉軸方向に連結する開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程と、
    前記収容空間に搬入された複数の前記膜屋根ユニットを、開閉軸直角方向に連結する開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程と、
    前記収容空間に前記膜屋根ユニットを収容した前記収容函体を、所定位置まで吊り上げて設置する収容函体設置工程と、
    前記収容空間に設置された前記走行レールの一部と、残りの前記走行レールとを連結し、複数の前記走行レールを所定位置で張設する走行レール張設工程と、
    を備えたことを特徴とする膜屋根構造構築方法。
  2. 前記膜屋根ユニット製作工程では、前記伸縮装置を除く前記膜屋根ユニットを製作し、
    前記膜屋根ユニット設置工程後に、所定位置に前記伸縮装置を取り付けて前記膜屋根ユニットを完成させる伸縮装置取り付け工程と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の膜屋根構造構築方法。
  3. 前記膜屋根ユニット製作工程と前記収容函体製作工程は異なる場所で行われ、前記膜屋根ユニット製作工程と前記収容函体製作工程の一部又は全部が同時に行われる、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の膜屋根構造構築方法。
  4. 前記収容函体設置工程の前に、前記開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程、又は前記開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程が行われる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の膜屋根構造構築方法。
  5. 前記収容函体設置工程の後に、前記開閉軸方向膜屋根ユニット連結工程、又は前記開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程が行われる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の膜屋根構造構築方法。
  6. 前記収容函体製作工程では、前記収容函体を分割した分割収容函体ごとに製作され、
    前記収容函体製作工程と前記膜屋根ユニット設置工程の一部が同時に行われる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の膜屋根構造構築方法。
  7. 前記収容函体製作工程では、前記収容函体を分割した分割収容函体ごとに製作され、
    前記収容函体設置工程では、前記分割収容函体を所定位置まで吊り上げるとともに、該分割収容函体どうしを連結していくことで、前記収容函体を所定位置に設置し、
    前記開閉軸直角方向膜屋根ユニット連結工程は、前記収容函体設置工程の後に、又は前記収容函体設置工程と並行して行われる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の膜屋根構造構築方法。
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