JP2016084450A - 水性インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク及びインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016084450A
JP2016084450A JP2014219924A JP2014219924A JP2016084450A JP 2016084450 A JP2016084450 A JP 2016084450A JP 2014219924 A JP2014219924 A JP 2014219924A JP 2014219924 A JP2014219924 A JP 2014219924A JP 2016084450 A JP2016084450 A JP 2016084450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
mass
water
recording
pigment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014219924A
Other languages
English (en)
Inventor
文章 藤岡
Fumiaki Fujioka
文章 藤岡
小笠原 幹史
Mikifumi Ogasawara
幹史 小笠原
荘一 永井
Soichi Nagai
荘一 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2014219924A priority Critical patent/JP2016084450A/ja
Publication of JP2016084450A publication Critical patent/JP2016084450A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】吐出可能回数が多く、高画質の画像をより高速に記録することが可能な水性インクを提供する。
【解決手段】熱エネルギーの作用によりインクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法に用いる水性インクである。自己分散顔料、グリセリン、並びにリン酸塩及びピロリン酸塩の少なくとも一方の塩を含有し、塩の含有量(ppm)が、インク全質量を基準として、1000ppm以上8000ppm以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方法には、さらなる高画質化と高速記録化が要求されている。このため、インクの小液滴化、ノズル配列の高密度化、ノズル数の増大に伴う記録ヘッドの長尺化、インク滴の吐出制御など、これまで以上に高い技術が求められてきている。また、高画質化と高速記録化により、製版方式による多色記録やカラー写真方式による印画と比較しても遜色のない画像を得ることが可能となってきている。特に、作成部数が少ない場合には通常の多色記録や印画よりも安価であることから、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。このような状況の下、さらなる高画質化及び高速記録化に加えて、使用分野の広がりに伴う、累積の吐出可能回数を向上させることについての要求も高まりつつある。
熱エネルギーを利用してインクを発泡させてインクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出させて、記録媒体に画像を記録する方式のインクジェット記録方法がある。このような熱エネルギーを利用する方式のインクジェット記録方法は、高精度で高画質な画像を高速に記録することが可能な記録方法であり、多色化や記録ヘッドの小型化に適している。しかし、熱エネルギーを利用する方式のインクジェット記録方法においては、記録ヘッドの発熱部への「コゲ」の堆積がしばしば問題となる。
インクジェット記録方法で用いるインクには、所望の性能に応じて、染料及び顔料から色材を選択して用いる。特に、光学濃度が高く、堅牢性に優れた画像を記録可能であることから、顔料を色材として用いたインクが広く開発されている。例えば、光学濃度の高い画像を記録するためのインクとして、顔料の粒子表面にカルボキシ基などのアニオン性基を含む官能基を結合させた自己分散顔料と塩を含有するインクが提案されている(特許文献1〜3)。しかし、これらのインクは疎水性の表面を有する顔料を水性媒体中に分散させた顔料インクであるため、顔料の分散状態を安定に維持することが困難である場合が多い。このため、このような顔料インクを熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する方式のインクジェット記録方法で使用すると、染料インクを使用した場合と比較してコゲの堆積が顕著となる傾向にある。
このような状況下、コゲの堆積を抑制するための技術が開発されている。例えば、コゲ堆積を抑制すべく、キレート試薬を所定の濃度で含有するインク(特許文献4)や、オキソ陰イオンを含有する染料インク(特許文献5)が提案されている。
特開2000−198955号公報 特開2008−001891号公報 特開2006−089735号公報 特開平6−093218号公報 特開平3−160070号公報
しかし、上記の先行技術文献において提案された技術を用いた場合であっても、画像性能を維持したままで、さらなる高速化に対応しつつ吐出可能回数を向上させることは困難であった。例えば、特許文献1〜3で提案されたインクを用いれば、従来レベルの高速記録によって光学濃度の高い画像を記録することが可能ではあった。しかし、より高速に記録することを想定し、記録ヘッドの主走査方向における走査速度を上げて記録すると、従来レベルのコゲ堆積による吐出速度の低下によっても、得られる画像に弊害が生ずることが判明した。
また、特許文献4で提案されたインクによれば、インク中の多価金属に起因して生ずるコゲ堆積を抑制することができる。しかし、そもそもインク中の多価金属の含有量が少ないと、コゲ堆積の抑制効果は発揮されない。さらに、インクに必要以上のキレート試薬を添加すると、発熱部の保護層が浸食されやすくなるといった問題が生ずる。また、特許文献5では染料を含有する染料インクが提案されているが、色材として顔料を用いた場合の効果については何ら示されていない。しかも、吐出可能回数も従来レベルであることから、吐出可能回数のさらなる向上を目指した場合の効果についても不明である。すなわち、従来の技術では、高い画像性能を維持しつつ、さらなる高速化と吐出可能回数の向上を両立させることは困難であった。
したがって、本発明の目的は、吐出可能回数が多く、高画質の画像をより高速に記録することが可能な水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記水性インクを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、熱エネルギーの作用によりインクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法に用いる水性インクであって、自己分散顔料、グリセリン、並びにリン酸塩及びピロリン酸塩の少なくとも一方の塩を含有し、前記塩の含有量(ppm)が、インク全質量を基準として、1,000ppm以上8,000ppm以下であることを特徴とする水性インクが提供される。
本発明によれば、吐出可能回数が多く、高画質の画像をより高速に記録することが可能な水性インクを提供することができる。また、本発明によれば、この水性インクを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。以下、インクジェット記録方法に用いる水性インク(インクジェット用インク)のことを、単に「インク」と記載することがある。
本発明者らは、まず、特許文献1〜3で提案された自己分散顔料と塩を含有するインクについて各種検討を行った。その結果、これらのインクを用いれば光学濃度が高い画像を記録することができるが、高速化のために記録ヘッドの走査速度を上げると、画像への影響が徐々に生ずることが判明した。具体的には、コゲの堆積によってインクの吐出速度が低下してしまい、記録媒体へのインクの付与位置に乱れが生ずることがわかった。これは、従来の記録速度や吐出可能回数のレベルでは認識されなかった新たな課題である。
次に、本発明者らは、特許文献4で提案されたキレート試薬を含有するインクについて同様の検討を行った。その結果、特許文献1〜3で提案されたインクと同様に、ヘッドの走査速度を上げると画像への影響が徐々に生ずることが判明した。これは、多価金属があまり含まれていないインクについては、キレート試薬を添加した効果が発揮されないためであると推測される。
また、顔料を色材として用いた顔料インクに特許文献5で提案されたオキソ陰イオンを添加して同様の検討を行った。その結果、オキソ陰イオンとしてリン酸塩やピロリン酸塩を用いた場合にコゲの堆積によるインクの吐出速度低下が改善される傾向にあることがわかった。しかし、染料インクではなく顔料インクを用いたこと、及びより高速かつ吐出可能回数の多い条件で検討を行ったため、未だ改善の余地を残すものであった。そこで本発明者らは、顔料インクにリン酸塩やピロリン酸塩を添加するとともに、使用する水溶性有機溶剤の種類に着目してさらなる検討を行った。その結果、水溶性有機溶剤としてグリセリンを用いることで、吐出可能回数が多く、光学濃度の高い画像をより高速に記録することが可能となることを見出した。
自己分散顔料を含有するインクに塩を添加すると、顔料の分散状態が不安定となりやすいため、コゲが堆積しやすくなる。したがって、自己分散顔料を含有するインクにリン酸塩やピロリン酸塩を添加することのみでは、コゲの堆積を抑制するというプラスの作用と、顔料の分散状態の不安定化に伴うコゲの堆積が促進されるというマイナスの作用と、の両方が生じてしまう。このような理由から、結果として、コゲの堆積を抑制する作用が期待するレベルまで発揮されず、場合によっては、よりコゲが堆積しやすくなってしまうこともありうる。そのため、コゲの堆積レベルは従来と同等となってしまう。
一方、顔料を色材として含有するインクは、水溶性有機溶剤の種類によって顔料の分散安定性が大きく異なる。ここで、水溶性有機溶剤としてグリセリンを用いると顔料の分散安定性が向上し、高温で発泡させた場合であっても分散破壊によるコゲの堆積が抑制される。そして、リン酸塩やピロリン酸塩によるコゲの堆積を抑制する効果がさらに発揮されるため、従来よりもコゲの堆積が抑制されると考えられる。
また、さらなる検討の結果、色材としてインクに用いる顔料としては、樹脂や界面活性剤などの分散剤を用いて分散するタイプの顔料ではなく、顔料の粒子表面に特定の官能基が結合した、いわゆる自己分散顔料を用いる必要があることを見出した。自己分散顔料を用いると、顔料の粒子表面へのグリセリンの溶媒和による分散安定化の作用が特異的に発揮される。そして、自己分散顔料と、リン酸塩やピロリン酸塩とを併用することで、吐出可能回数が多く、高画質の画像をより高速に記録することが可能なインクとすることができる。
<水性インク>
本発明の水性インクは、熱エネルギーの作用によりインクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法に用いるインクである。また、本発明の水性インクは、自己分散顔料、グリセリン、並びにリン酸塩及びピロリン酸塩の少なくとも一方の塩を含有する。そして、これらの塩の含有量(ppm)は、インク全質量を基準として、1,000ppm以上8,000ppm以下である。以下、本発明の水性インクを構成する各成分やインクの物性について詳細に説明する。
(自己分散顔料)
本発明のインクは自己分散顔料を含有する。自己分散顔料は、顔料の粒子表面に特定の官能基が結合している。このような自己分散顔料を色材として用いることにより、顔料をインク中に分散させるための分散剤の添加が不要となる、又は分散剤の添加量を少量とすることができる。
自己分散顔料としては、例えば、−COO(M1)、−SO3(M1)、−PO3H(M1)、及び−PO3(M12などのアニオン性基が、顔料の粒子表面に直接又は他の原子団(−R−)を介して結合しているものを挙げることができる。M1としては、水素原子;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;アンモニウム(NH4);メチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アンモニウムを挙げることができる。アニオン性基が塩を形成している場合、インク中の塩は、その一部が解離した状態及び全てが解離した状態のいずれであってもよい。また、他の原子団(−R−)としては、炭素原子数1乃至12の直鎖又は分岐のアルキレン基;フェニレン基やナフチレン基などのアリーレン基;アミド基;スルホニル基;アミノ基;カルボニル基;エステル基;エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基などを挙げることができる。
顔料の種類としては、例えば、有機顔料や、カーボンブラックなどの無機顔料を挙げることができ、インクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。また、調色などの目的のために、さらに染料などを併用してもよい。本発明においては、顔料としてカーボンブラックを用いたブラックのインクとすることが特に好ましい。インク中の自己分散顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、2質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
(リン酸塩及びピロリン酸塩)
本発明のインクは、リン酸塩及びピロリン酸塩の少なくとも一方の塩を含有する。インク中の上記塩の含有量(ppm)は、インク全質量を基準として、1,000ppm以上8,000ppm以下である。上記塩の含有量が1,000ppm未満であると、コゲの堆積を抑制する効果が低下するとともに、記録される画像の光学濃度が向上しにくくなる。一方、上記塩の含有量が8,000ppmを超えると、コゲの堆積を抑制する効果及び光学濃度の向上させる効果は得られるが、インクの物性が不安定になる。
リン酸塩及びピロリン酸塩は、通常、カチオンとアニオン(リン酸イオン、ピロリン酸イオン)がイオン結合して構成される。カチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種を挙げることができる。アルカリ金属イオンの具体例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどを挙げることができる。なお、インク中においては、イオン結合の一部が解離した状態であってもよいし、全てが解離した状態であってもよい。
(水性媒体)
本発明のインクは水性であることから、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。そして、本発明のインクは、水溶性有機溶剤としてグリセリンを含有することを要する。インク中のグリセリンの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、6質量%以上15質量%以下であることが好ましい。グリセリンの含有量が6質量%未満であると、コゲの堆積を抑制する効果が低下する傾向にある。一方、グリセリンの含有量が15%質量を超えると、分散安定性が必要以上に高まる傾向にあり、記録される画像の光学濃度が向上しにくくなる場合がある。
また、インク中の水溶性有機溶剤の合計含有量(質量%)に対する、インク中のグリセリンの含有量(質量%)の割合が、33%以上71%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量(B(質量%))に対するグリセリンの含有量(A(質量%))の割合((A/B)×100)が33%未満であると、グリセリン以外の水溶性有機溶剤による分散不安定効果が、グリセリンによる分散安定化効果を打ち消す傾向にある。このため、コゲの堆積を抑制する効果が低下する傾向にある。一方、上記の割合((A/B)×100)が71%を超えると、分散安定性が必要以上に高まる傾向にあり、記録される画像の光学濃度が向上しにくくなる場合がある。
グリセリン以外の水溶性有機溶剤(その他の水溶性有機溶剤)としては、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、前述の「インク中の水溶性有機溶剤の合計含有量(質量%)に対する、インク中のグリセリンの含有量(質量%)の割合」を算出する際の「水溶性有機溶剤」には、前述の塩及び後述する添加剤は含まれないものとする。また、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの常温(25℃)で固体の水溶性有機化合物の水溶液は、一般的な水溶性有機溶剤と同様に、他のインク成分の溶媒又は分散媒としての挙動を示す。このため、上記のような常温(25℃)で固体の水溶性有機化合物も、前述の「インク中の水溶性有機溶剤の合計含有量(質量%)に対する、インク中のグリセリンの含有量(質量%)の割合」を算出する際の「水溶性有機溶剤」に含まれるものとする。
インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、12質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。特には、15質量%以上25質量%以下であることが好ましい。また、水としては脱イオン水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、40質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクには、必要に応じて、界面活性剤、樹脂、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、キレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、アセチレングリコール系、フッ素系、シリコーン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系などの界面活性剤が好ましい。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上2質量%以下であることが好ましい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明の水性インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録する方法である。本発明のインクジェット記録方法においては、インクを吐出する方式として、インクに熱エネルギーを付与する方式を採用する。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」、「%」、及び「ppm」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
水5.5gに濃塩酸5gを溶かして得た溶液を5℃に冷却し、4−アミノ−1,2−ベンゼンジカルボン酸(東京化成工業製)1.1gを加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れ、撹拌することにより溶液の温度を常に10℃以下に保った状態とした。これに、5℃の水9gに亜硝酸カリウム1.8gを溶かして得た溶液を加えた。さらに15分間撹拌後、カーボンブラック(商品名「ブラックパールズ880」、キャボット製)6gを撹拌下で加えた。さらに15分間撹拌した後、得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過して粒子を十分に水冷した。次いで、110℃のオーブンで乾燥させた後、水を加えて、顔料(自己分散顔料)の含有量が10.0%である顔料分散液を得た。得られた顔料分散液中の顔料の粒子表面には、−C63−(COOK)2基が結合している。また、イオンメーター(DKK製)を用いて測定した顔料分散液中のカリウムイオン濃度から官能基の導入量を換算したところ、0.30mmol/gであった。
<インクの調製>
表1−1及び1−2の上段に示す各成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズが2.5μmであるポリプロピレンフィルター(ポール製)にて加圧ろ過を行って、各インクを調製した。純水の使用量は、成分の合計が100.00%となる残量とした。表1−1及び1−2中の「アセチレノールE100」は、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(川研ファインケミカル製)の商品名である。この「アセチレノールE100」のエチレンオキサイド基の付加モル数は10である。
Figure 2016084450
Figure 2016084450
<評価>
上記で得られたインクを用いて、以下に示す各項目について評価した。本発明においては、以下に示す各項目の評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。結果を表2に示す。
(コゲ抑制)
インクの吐出が繰り返されてコゲが生ずると、インクの吐出速度が低下してインクの吐出方向が曲がるため、インクの付着位置が記録媒体の意図した位置からずれることになる。記録媒体の意図した位置からのインクの「ずれ」を簡易的に知る方法として、罫線を記録してその「ずれ」を確認する方法がある。初期に記録した罫線のずれに比して、累積の吐出回数が増加した後に記録した罫線のずれが顕著になるほど、コゲの発生によりインクの吐出速度が低下したことになる。
上記で得られた各インクを充填したインクカートリッジを、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS MG6230」、キヤノン製)の顔料ブラックインクの位置にセットした。なお、上記のインクジェット記録装置では、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴当たりの質量が30ngであるインク滴を1滴付与する条件を記録デューティが100%であると定義する。記録媒体としては、普通紙(商品名「PB PAPER」、キヤノン製)を用いた。まず、記録デューティが100%である横1mm×縦10cmの罫線を記録した。次に、記録デューティが100%である20cm×20cmのサイズのベタ画像を5,000枚分記録した。その後、記録デューティが100%である横1mm×縦10cmの罫線を記録した。初期に記録した罫線のずれと、ベタ画像を5,000枚分記録した後に記録した罫線のずれを目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがってコゲ抑制を評価した。
A:5,000枚分の記録前後で罫線のずれがほぼ変わらなかった。
B:5,000枚分の記録前後で罫線のずれが若干変化していた。
C:5,000枚分の記録前後で罫線のずれが顕著であった。
(光学濃度)
上記で得られた各インクを充填したインクカートリッジを、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS MG6230」、キヤノン製)の顔料ブラックインクの位置にセットした。そして、記録デューティが100%であるベタ画像(2cm×2cm/1ライン)を3種の記録媒体(普通紙)に記録した。記録媒体としては、以下商品名で、「PB PAPER」(キヤノン製)、「HP Bright White」(ヒューレット・パッカード製)、及び「Business4200」(Xerox製)を用いた。記録の1日後に、反射濃度計(商品名「Macbeth RD−918」、マクベス製)を用いてベタ画像の光学濃度を測定し、その最大値と最小値から、以下に示す評価基準にしたがって光学濃度を評価した。
A:最大値が1.55以上であり、かつ、最小値が1.10以上であった。
B:最大値が1.55以上であったが、最小値が1.10未満であった。
C:最大値が1.55未満であり、かつ、最小値が1.10未満であった。
(インク物性)
上記で得られた各インクの物性をインク中の粗大粒子数により評価した。まず、表1−1及び1−2に示すインクの組成からリン酸塩及びピロリン酸塩を除き、代わりに同量の純水を添加した対照インクを調製した。次に、各インク中及び調製した対象インク中の粗大粒子数を測定して「粗大粒子数の比率=インク中の粗大粒子数/対照インク中の粗大粒子数」を算出し、以下に示す評価基準にしたがってインク物性を評価した。粗大粒子数は、個数カウント方式の粒度分布計(商品名「Accusizer780APS」、Particle Sizing System製)を用いて、インク1mLに含まれる0.5μm以上の粒子数を粗大粒子数として算出した。
A:粗大粒子数の比率が1.4未満であった。
C:粗大粒子数の比率が1.4以上であった。
Figure 2016084450

Claims (5)

  1. 熱エネルギーの作用によりインクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法に用いる水性インクであって、
    自己分散顔料、グリセリン、並びにリン酸塩及びピロリン酸塩の少なくとも一方の塩を含有し、
    前記塩の含有量(ppm)が、インク全質量を基準として、1,000ppm以上8,000ppm以下であることを特徴とする水性インク。
  2. 前記グリセリンの含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、6質量%以上15質量%以下である請求項1に記載の水性インク。
  3. インク中の水溶性有機溶剤の合計含有量(質量%)に対する、インク中の前記グリセリンの含有量(質量%)の割合が、33%以上71%以下である請求項1又は2に記載の水性インク。
  4. 前記自己分散顔料の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、2質量%以上5質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
  5. 熱エネルギーの作用によりインクジェット方式の記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2014219924A 2014-10-29 2014-10-29 水性インク及びインクジェット記録方法 Pending JP2016084450A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014219924A JP2016084450A (ja) 2014-10-29 2014-10-29 水性インク及びインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014219924A JP2016084450A (ja) 2014-10-29 2014-10-29 水性インク及びインクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016084450A true JP2016084450A (ja) 2016-05-19

Family

ID=55972558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014219924A Pending JP2016084450A (ja) 2014-10-29 2014-10-29 水性インク及びインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016084450A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021024927A (ja) * 2019-08-02 2021-02-22 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット用インク

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021024927A (ja) * 2019-08-02 2021-02-22 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット用インク
JP7338304B2 (ja) 2019-08-02 2023-09-05 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット用インク

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0135726B1 (ko) 고화질 기록 시스템용 잉크
EP3048143A1 (en) Aqueous ink, ink cartridge, and ink jet recording method
EP2792498B1 (en) Inkjet printing method
JP2013107952A (ja) 水性インクジェット用顔料インク
JP6880937B2 (ja) インクジェット記録用水性インク
JP6366484B2 (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP2007231191A (ja) インクジェット用インク、これを用いたインクカートリッジ、画像形成体および画像形成方法
JP2018069652A (ja) インクジェット記録方法
JP5274083B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2016084450A (ja) 水性インク及びインクジェット記録方法
JP2009067831A (ja) カーボンブラック分散液と該カーボンブラック分散液を用いたインクジェット用インク
JP2005225955A (ja) 顔料分散系、顔料分散系収容体、画像形成体、及び画像形成方法
JP2017136847A (ja) インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2001089686A (ja) 水性顔料インク組成物
EP3339382B1 (en) Ink, ink cartridge, and ink jet recording method
JP6044836B2 (ja) インクジェット記録用水性インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP3833234B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置
JP5729951B2 (ja) 液体組成物、セット、液体カートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP5173597B2 (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2016101696A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2017136848A (ja) インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2017136846A (ja) インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2017217908A (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2017136849A (ja) インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2006348304A (ja) インク、インクセット、インクカートリッジ、記録ユニット、画像記録装置および画像記録方法