JP2016083671A - リード線の接合方法、リード線の接合装置、及び加圧型枠 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性に優れ、かつリード線の複数の導線に対してバラケを生じることのないリード線の接合方法、リード線の接合装置、及び加圧型枠を提供する。【解決手段】複数の導線からなるリード線1と端子2とを抵抗溶接により接合する。リード線1における複数の導線と端子2を並設する並設工程と、分離可能な第1型枠11及び第2型枠12にて複数のリード線1における複数の導線を互いに異なる少なくも2軸方向から圧縮することにより、複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接する一体化工程とを含む。【選択図】図1
Description
本発明は、複数の導線からなるリード線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を抵抗溶接により接合するリード線の接合方法、リード線の接合装置、及び加圧型枠に関するものである。
従来、リード線と端子とを接合する方法として、溶接工法を用いる場合、リード線のバラケによるはみ出し防止や接合品質の安定化を狙い、溶接前にリード線のみでコンパクティングを行うのが一般的である。コンパクティングと称される処理は、図8に示すように、リード線110のみで溶接し、複数の銅線101…を一塊にする処理のことである。
コンパクティングを行う理由は、図9の(a)に示すように、複数の銅線101…からなるリード線110に対して、そのままの状態で溶接を行うと、図9の(b)に示すように、リード線110の幅が溶接時の加圧によって端子120の幅よりも外にバラケ、その部分が溶接できずはみ出す場合がある。その場合に、はみ出した部分が隣接する端子120に接触したときには、短絡等の不具合を引き起こす可能性があるため、このような前処理を必要とするのである。
この結果、溶接工法においては、コンパクティング化した後、リード線110と端子120とを組み合わせて加圧機140により溶接接合するというように、リード線110と端子120との再度の溶接により接合する。
しかしながら、上記従来のリード線の端子への接合方法では、以下の問題点を有している。
すなわち、リード線の端子への接合のためにコンパクティングの補助工程を必要とする。このため、工数及び設備投資が発生し、生産性が悪い。また、補助工程なしに接合した場合、図9の(a)(b)に示すように、リード線における銅線のバラケや接合不良が発生する。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、生産性に優れ、かつリード線の複数の導線に対してバラケを生じることのないリード線の接合方法、リード線の接合装置、及び加圧型枠を提供することにある。
本発明のリード線の接合方法は、上記課題を解決するために、複数の導線からなるリード線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を抵抗溶接により接合するリード線の接合方法において、上記リード線における複数の導線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を並設する並設工程と、分離可能な加圧型枠にて上記複数のリード線における複数の導線を互いに異なる少なくも2軸方向から圧縮することにより、上記複数の導線と端子、又は複数の導線同士を一体的に加圧溶接する一体化工程とを含むことを特徴としている。
上記発明のリード線の接合方法によれば、2つに分離可能な加圧型枠の間に形成される空間に、リード線における複数の導線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を並設し、概ね端子幅又は複数のリード線幅に合わせて、リード線の複数の導線を圧縮した後に、端子と複数の導線との密着方向又は複数のリード線における複数の導線同士の密着方向へ加圧することによって、抵抗溶接とコンパクティングとを同時に行い、複数の導線と端子、又は複数の導線同士を一体的に加圧溶接にて接合する。
この結果、従来、別工程で実施していた抵抗溶接とコンパクティングとを同時に実施することができるので、生産効率を向上することができる。また、異なる2軸方向から圧縮するので、異なる2軸方向の一方として端子の幅方向を選択して圧縮すれは、複数の導線に対してバラケを生じることがない。
したがって、生産性に優れ、かつリード線の複数の導線に対してバラケを生じることのないリード線の接合方法を提供することができる。
本発明のリード線の接合方法は、前記記載のリード線の接合方法において、前記リード線における複数の導線と端子とを接合する場合の一体化工程では、分離可能な加圧型枠である第1型枠と第2型枠とを用いて、端子の幅方向を圧縮した後、上記端子の幅方向とは異なる軸方向に圧縮することが好ましい。
例えば、複数の導線と端子との密着方向を先に圧縮した後、端子の幅方向を圧縮することを考える。この場合、端子の幅方向を圧縮するときには、圧縮密度の高い状態で、端子の幅方向を圧縮することになるので、複数の導線を端子の幅内に収めるように圧縮するのは困難である。
この点、本発明では、端子幅方向のはみ出しを確実に防止するために、先に端子幅方向を圧縮することによって、複数の導線を端子幅内に容易に収めている。
したがって、複数の導線が端子幅からはみ出すことを確実に防止することができる。
本発明のリード線の接合方法は、前記記載のリード線の接合方法において、前記一体化工程では、分離可能な加圧型枠の前記複数の導線及び端子への当接面、又は複数の導線同士へ当接面が断面L字形の第1型枠と断面逆L字形の第2型枠とを用いて互いに直交する2軸方向から圧縮することが好ましい。
この結果、加圧方向として、横方向と縦方向との2軸を採用する際に、縦方向及び横方向の各々の加圧力が均等に付加される。この結果、横方向及び縦方向以外の分力を考慮することなく効率的に加圧することができる。
以下にこのことについて、より具体的に説明する。まず、第1型枠における断面L字形の一方の当接面に垂直な方向、及び第2型枠における断面逆L字形の一方の当接面に垂直な方向を共に横方向とする構成が考えられる。この場合、これら2つの当接面にリード線が挟まれて圧縮されることにより、横方向の均等な加圧が実現できる。縦方向についても同様に、第1型枠における断面L字形の一方の当接面に垂直な方向、及び第2型枠における断面逆L字形の一方の当接面に垂直な方向を共に縦方向とする構成とすればよい。
すなわち、第1型枠及び第2型枠を、当接面が断面L字形となるような形状とすることによって、2つの型枠のみで2軸方向の効率的な加圧を実現することができる。
また、当接面を断面L字形とすることは比較的容易に実現できるので、第1型枠及び第2型枠の製造コストも低く抑えることができる。さらに、当接面が断面L字形の構造は、単純かつ堅牢であるので、耐久性にも優れている。
本発明のリード線の接合方法は、前記記載のリード線の接合方法において、前記リード線における複数の導線と端子とを接合する場合の一体化工程では、分離可能な加圧型枠である第1型枠と第2型枠とを用いて、端子の幅方向を圧縮した後、上記端子の幅方向とは異なる軸方向に圧縮することが好ましい。
例えば、複数の導線と端子との密着方向を先に圧縮した後、端子の幅方向を圧縮することを考える。この場合、端子の幅方向を圧縮するときには、圧縮密度の高い状態で、端子の幅方向を圧縮することになるので、複数の導線を端子の幅内に収めるように圧縮するのは困難である。
この点、本発明では、端子幅方向のはみ出しを確実に防止するために、先に端子幅方向を圧縮することによって、複数の導線を端子幅内に容易に収めている。
したがって、複数の導線が端子幅からはみ出すことを確実に防止することができる。
本発明のリード線の接合方法は、前記記載のリード線の接合方法において、前記一体化工程では、第1軸の方向に圧縮可能でかつ分離可能な加圧型枠である電極付第1軸方向分離型枠と、上記電極付第1軸方向分離型枠に対して互いに直交する第2軸の方向から圧縮する非電極第2軸方向分離型枠とを用いて圧縮することが好ましい。
これにより、一対の電極付第1軸方向分離型枠及び一対の非電極第2軸方向分離型枠を平面板等にて構成することができるので、電極付第1軸方向分離型枠の構成を容易にすることができる。
本発明のリード線の接合方法は、前記記載のリード線の接合方法において、前記複数の導線と端子とを一体的に加圧溶接する一体化工程においては、導線が端子幅内に収まるように圧縮することが好ましい。
これにより、複数の導線を端子幅内に収めることが確保される。したがって、複数の導線が端子幅からはみ出すことを確実に防止することができる。
本発明のリード線の接合装置は、上記課題を解決するために、複数の導線からなるリード線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を抵抗溶接により接合するリード線の接合装置において、上記リード線における複数の導線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を並設した状態で、分離可能な加圧型枠にて上記複数の導線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を互いに異なる少なくとも2軸方向から圧縮することにより、上記複数の導線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を一体的に加圧溶接する分離可能な加圧型枠を備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、生産性に優れ、かつリード線の複数の導線に対してバラケを生じることのないリード線の接合装置を提供することができる。
本発明の加圧型枠は、前記記載のリード線の接合装置に用いられる分離可能な加圧型枠であって、複数の導線及び端子への当接面、又は複数の導線同士へ当接面が断面L字形の第1型枠と断面逆L字形の第2型枠とからなっていることを特徴としている。
上記の発明によれば、分離可能な加圧型枠は、加圧方向として、横方向と縦方向との2軸を採用しているので、分力を考慮することなく効率的に加圧することができる。また、第1型枠及び第2型枠を駆動する手段として、アクチュエータのみならず、カム又はギヤを用いた駆動手段を用いることができるので、駆動手段の構成を簡単にすることが可能となる。
本発明によれば、生産性に優れ、かつリード線の複数の導線に対してバラケを生じることのないリード線の接合方法、リード線の接合装置、及び加圧型枠を提供するという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本実施の形態のリード線の接合装置としての加圧成形溶接機10の構成について、図1〜図3に基づいて説明する。図1は、本実施の形態のリード線の接合装置としての加圧成形溶接機10の構成を示す断面図である。図2の(a)は、上記加圧成形溶接機10の加圧前の構成を示す斜視図である。図2の(b)は、上記加圧成形溶接機10の加圧時の構成を示す斜視図である。図3の(a)(b)は、第1アクチュエータ15及び第2アクチュエータ16に代わる駆動部材の構成を示す断面図である。
本実施の形態のリード線の接合装置としての加圧成形溶接機10は、図2の(a)(b)に示すように、複数の導線1aからなるリード線1を端子2に接合するものである。尚、本実施の形態では、端子2として例えばFET(Field effect transistor:電界効果トランジスタ)の端子を例示して説明する。
上記加圧成形溶接機10は、図1に示すように、分離可能な加圧型枠としての第1型枠11及び第2型枠12と、第1型枠11に固着された陽極電極13と、第2型枠12に固着された陰極電極14と、上記一体となった第1型枠11及び陽極電極13をX方向及びY方向に駆動する第1アクチュエータ15と、上記一体となった第2型枠12及び陰極電極14をX方向及びY方向に駆動する第2アクチュエータ16と、上記陽極電極13及び陰極電極14に電力を供給する溶接電源17とを備えている。
上記陽極電極13及び陰極電極14は、抵抗溶接を行うための電極であり、それぞれ溶接電源17の陽極端子17a及び陰極端子17bに接続されている。ここで、抵抗溶接とは、溶接したいリード線1及び端子2に電流を流しジュール熱を発生させ、リード線1の複数の導線1a及び端子2を発熱又は一部溶解させ、それと同時に加圧することによって接続する溶接方法をいう。溶接電源17から数十アンペアから数万アンペアの強い電流を数ミリ秒から数百ミリ秒流し、金属の抵抗発熱を利用して金属拡散又はナゲット(合金層)をつくり、拡散接合又は溶融接合する。大電流を使用するが、電圧が低いため感電の危険はない。
上記第1アクチュエータ15は、X方向第1アクチュエータ15aとY方向第1アクチュエータ15bとからなっている一方、上記第2アクチュエータ16は、X方向第2アクチュエータ16aとY方向第2アクチュエータ16bとからなっている。ここで、本実施の形態では、X方向とは端子2の幅方向であり、Y方向とはリード線1と端子2との密着方向である。
これら第1アクチュエータ15のX方向第1アクチュエータ15a及びY方向第1アクチュエータ15b、並びに第2アクチュエータ16のX方向第2アクチュエータ16a及びY方向第2アクチュエータ16bを駆動することにより、本実施の形態では、リード線1及び端子2を第1型枠11及び第2型枠12にて端子2の幅方向に加圧し、及びリード線1及び端子2を第1型枠11及び第2型枠12にてリード線1と端子2との密着方向に加圧することができる。
尚、本実施の形態では、加圧駆動手段として一対のX方向第1アクチュエータ15aとY方向第1アクチュエータ15bとからなる第1アクチュエータ15、及び一対のX方向第2アクチュエータ16aとY方向第2アクチュエータ16bとからなる第2アクチュエータ16を使用している。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、図3の(a)(b)に示すように、カム又はギヤによる駆動でもよい。
ここで、本実施の形態では、第1型枠11及び第2型枠12は、それぞれ断面L字形及び断面逆L字形になっている。これにより、それぞれX方向及びY方向に加圧したときに、リード線1の複数の導線1aは、端子2の幅を有する長方形断面を有するように、接合されることになる。
しかしながら、本発明においては、接合の断面形状は必ずしもこれに限らない。その理由は、リード線1の複数の導線1aが、端子2上でバラケないで、溶接されればよいためである。
その結果、第1型枠11及び第2型枠12の形状は、必ずしも図1に示す断面L字形及び断面逆L字形に限らず、他の種々の形態が考えられる。第1型枠11及び第2型枠12の他の種々の形態を、図4の(a)〜(f)に基づいて説明する。図4の(a)〜(f)は、第1型枠11及び第2型枠12の種々の変形例の形態を示す断面図である。
まず、図4の(a)に示すように、第1型枠11及び第2型枠12の形状として、必ずしも断面L字形及び断面逆L字形に限らず、各辺の交点が曲線になっていてもよい。
また、図4の(b)に示すように、第1型枠11を断面円弧状とし、第2型枠12を直線状とすることが可能である。さらに、図4の(c)に示すように、第1型枠11を断面円弧状ではなく、逆V字状とし、第2型枠12を直線状とすることが可能である。
また、図4の(d)に示すように、第1型枠11を断面円弧状とし、第2型枠12を断面逆円弧状として、両方とも曲線にすることも可能である。
また、図4の(e)に示すように、第1型枠11をCチャネル状とし、第2型枠12を直線状とすることが可能である一方、逆に、図4の(f)に示すように、第1型枠11を直線状とし、第2型枠12を逆Cチャネル状とすることが可能である。
さらに、第1型枠11及び第2型枠12は、必ずしも陽極電極13又は陰極電極14に固着されている必要はなく、他の部材と組み合わせたものでもよい。第1型枠11及び第2型枠12と、他の部材と組み合わせたものについて、図5の(a)(b)(c)(d)に基づいて説明する。図5の(a)(b)(c)(d)は、陽極電極13又は陰極電極14に固着されている第1型枠11及び第2型枠12と他の構造物とで構成された加圧部材の構成の一例をそれぞれ示す断面図である。
例えば、図5の(a)に示すように、Y方向を陽極電極13及び陰極電極14に固着された直線状の第1型枠11及び第2型枠12にて構成すると共に、X方向を平面を有する非導電体の加圧部材18a・18bにて構成することが可能である。また、図5の(b)に示すように、逆に、X方向を陽極電極13及び陰極電極14に固着された直線状の第1型枠11及び第2型枠12にて構成すると共に、Y方向を平面を有する非導電体の加圧部材19a・19bにて構成することが可能である。さらに、図5の(c)に示すように、Y方向を陽極電極13及び陰極電極14に固着された円弧状の第1型枠11及び直線状の第2型枠12にて構成すると共に、X方向を平面を有する非導電体の加圧部材18a・18bにて構成することが可能である。また、図5の(d)に示すように、Y方向を陽極電極13及び陰極電極14に固着された逆V字状の第1型枠11及び直線状の第2型枠12にて構成すると共に、X方向を平面を有する非導電体の加圧部材18a・18bにて構成することが可能である。
上記構成の加圧成形溶接機10を用いた本実施の形態のリード線1の接合方法について、図2の(a)(b)、及び図6の(a)(b)(c)に基づいて説明する。図6の(a)は、本実施の形態のリード線1の接合方法における複数の導線1aと端子2との並設工程を示す断面図である。図6の(b)は、本実施の形態のリード線1の接合方法における複数の導線1aと端子2との一体化工程により加圧された状態を示す断面図である。図6の(c)は、リード線1と端子2とが接合された一例であるFET端子の構成を示す斜視図である。
まず、図2の(a)に示すように、並設工程において、端子2の上にリード線1の複数の導線1aを載置する。次いで、第1アクチュエータ15及び第2アクチュエータ16をそれぞれ駆動して、第1型枠11及び第2型枠12が上記リード線1の複数の導線1a及び端子2をそれぞれ一体的に挟持するように移動させる。そして、図6の(a)に示すように、リード線1における複数の導線1a…と端子2とを並設した状態で、図6の(b)に示すように、複数の導線1a…が端子幅に収まるように該複数の導線1a…及び端子2を一体的に加圧溶接する。これにより、図6の(c)に示すように、例えばFET(Field effect transistor:電界効果トランジスタ)の端子2とリード線1とを略端子幅内で溶着し、隣接する端子2に接触しないようにすることができる。
このように、本実施の形態のリード線1の接合方法は、複数の導線からなるリード線1と端子2を抵抗溶接により接合する。そして、リード線1における複数の導線1aと端子2を並設する並設工程と、分離可能な加圧型枠としての第1型枠11及び第2型枠12にて複数のリード線1における複数の導線1aを互いに異なる少なくも2軸方向から圧縮することにより、複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接する一体化工程とを含む。
また、本実施の形態のリード線1の接合装置としての加圧成形溶接機10は、複数の導線1aからなるリード線1と端子2とを抵抗溶接により接合する。そして、リード線1における複数の導線1aと端子2とを並設した状態で、分離可能な加圧型枠としての第1型枠11及び第2型枠12にて複数の導線1aと端子2とを互いに異なる少なくとも2軸方向から圧縮することにより、複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接する分離可能な加圧型枠としての第1型枠11及び第2型枠12を備えている。
上記の構成によれば、複数の導線1aからなるリード線1と端子2とを抵抗溶接により接合する。すなわち、本実施の形態では、複数の導線からなるリード線と端子とを抵抗溶接により接合する場合に適用が可能である。
この場合、本実施の形態では、まず、並設工程にて、リード線1における複数の導線1aと端子2とを並設する。次いで、一体化工程にて、分離可能な第1型枠11及び第2型枠12にて複数のリード線1における複数の導線1aを互いに異なる少なくも2軸方向から圧縮することにより、複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接する。
この結果、本実施の形態では、2つに分離可能な第1型枠11及び第2型枠12の間に形成される空間に、リード線1における複数の導線1aと端子2を並設し、概ね端子幅に合わせて、リード線1の複数の導線1aを圧縮した後に、端子2と複数の導線1aとの密着方向へ加圧する。これにより、抵抗溶接とコンパクティングとを同時に行い、複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接にて接合する。
この結果、従来、別工程で実施していた抵抗溶接とコンパクティングとを同時に実施することができるので、生産効率を向上することができる。また、異なる2軸方向から圧縮するので、異なる2軸方向の一方として端子2の幅方向を選択して圧縮すれは、複数の導線1aに対してバラケを生じることがない。
したがって、生産性に優れ、かつリード線1の複数の導線1aに対してバラケを生じることのないリード線1の接合方法及び加圧成形溶接機10を提供することができる。
また、本実施の形態のリード線1の接合方法は、分離可能な加圧型枠である第1型枠11と第2型枠12とを用いて、端子2の幅方向を圧縮した後、端子2の幅方向とは異なる軸方向に圧縮する。
例えば、先に、複数の導線1aと端子2との密着方向に加圧した後、端子2の幅方向に加圧したのでは、複数の導線1aと端子2との密着方向の密度が高い。このため、その後に、端子2の幅方向に加圧した場合、複数の導線1aを端子幅内に収めることが困難である。
この点、本実施の形態では、端子幅方向のはみ出しを確実に防止するために、端子2の幅方向を圧縮した後、端子2の幅方向とは異なる軸方向に圧縮するので、複数の導線1aを端子幅内に収めることが容易に確保される。したがって、複数の導線1aが端子幅からはみ出すことを確実に防止することができる。
また、本実施の形態のリード線1の接合方法は、一体化工程では、分離可能な第1型枠11及び第2型枠12の複数の導線1a及び端子2への当接面へ当接面が断面L字形の第1型枠11と断面逆L字形の第2型枠12とを用いて互いに直交する2軸方向から圧縮する。
すなわち、本実施の形態では、分離可能な加圧型枠として、複数の導線1a及び端子2への当接面が断面L字形の第1型枠11と断面逆L字形の第2型枠12とを用いる。この結果、加圧方向として、横方向と縦方向との2軸を採用する際に、縦方向及び横方向の各々の加圧力が均等に付加される。この結果、横方向及び縦方向以外の分力を考慮することなく効率的に加圧することができる。
また、本実施の形態のリード線1の接合方法は、一体化工程では、第1軸の方向に圧縮可能でかつ分離可能な加圧型枠である電極付第1軸方向分離型枠としての第1型枠11及び第2型枠12と、電極付第1軸方向分離型枠である第1型枠11及び第2型枠12に対して互いに直交する第2軸の方向から圧縮する非電極第2軸方向分離型枠としての加圧部材18a・18b又は加圧部材19a・19bとを用いて圧縮する。
すなわち、抵抗溶接を行う場合において、分離可能な加圧型枠は、陽極電極と陰極電極とに接続されている必要がある。この結果、複数のリード線1における複数の導線1aを互いに異なる少なくも2軸方向から圧縮するために、一対の電極のみが固着された分離可能な加圧型枠にて構成したのでは、加圧型枠の構成が複雑になる。
この点、本実施の形態では、第1軸の方向については一対の電極を備えた電極付第1軸方向分離型枠としての第1型枠11及び第2型枠12を用いる一方、これに直交する第1軸の方向については電極を備えない一対の非電極第2軸方向分離型枠としての加圧部材18a・18b又は加圧部材19a・19bを用いる。
これにより、一対の電極付第1軸方向分離型枠及び一対の非電極第2軸方向分離型枠を平面板等にて構成することができるので、電極付第1軸方向分離型枠としての第1型枠11及び第2型枠12の構成を容易にすることができる。
また、本実施の形態のリード線1の接合方法は、導線1aが端子幅内に収まるように圧縮する。これにより、複数の導線1aを端子幅内に収めることが確保される。したがって、複数の導線1aが端子幅からはみ出すことを確実に防止することができる。
また、本実施の形態の加圧型枠は、リード線の接合装置としての加圧成形溶接機10に用いられる分離可能な加圧型枠である。そして、複数の導線1a及び端子2への当接面が断面L字形の第1型枠11と断面逆L字形の第2型枠12とからなっている。
これにより、分離可能な加圧型枠としての第1型枠11及び第2型枠12は、加圧方向として、横方向と縦方向との2軸を採用しているので、分力を考慮することなく効率的に加圧することができる。また、第1型枠11及び第2型枠12を駆動する手段として、第1アクチュエータ15及び第2アクチュエータ16のみならず、カム又はギヤを用いた駆動手段を用いることができる。このため、駆動手段の構成を簡単にすることが可能となる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明の他の実施の形態について図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1の加圧成形溶接機10では、一本のリード線1と一個の端子2との接続について説明した。しかしながら、本発明においては、リード線1と端子2とは必ずしも一対一である必要はなく、複数本のリード線1…同士を互いに接続するものであってもよい。
本実施の形態のリード線の接合方法について、図7の(a)(b)(c)に基づいて説明する。図7の(a)は、複数のリード線1における複数の導線1a…同士を接合するリード線の接合方法を示す斜視図である。図7の(b)は、複数のリード線1における複数の導線1a…と端子2とを接合するリード線の接合方法を示す斜視図である。図7の(c)は、図7の(b)のA方向矢視図である。
例えば、図7の(a)に示すように、複数本としての例えば3本のリード線1…同士を束にし、その導線1a…同士を互いに接続することが可能である。
また、例えば、図7の(b)(c)に示すように、複数本としての例えば3本のリード線1…同士を束にし、その3本の導線1a…同士を互いに接続したものを端子2に接続することが可能である。
このように、本実施の形態のリード線の接合方法は、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを抵抗溶接により接合する。そして、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを並設する並設工程と、分離可能な加圧型枠としての第1型枠11及び第2型枠12にて複数のリード線1における複数の導線1aを互いに異なる少なくも2軸方向から圧縮することにより、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接する一体化工程とを含む。
上記構成のリード線1の接合方法によれば、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを抵抗溶接により接合する。すなわち、本実施の形態では数のリード線1における複数の導線1a同士を抵抗溶接により接合する場合、及び複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを抵抗溶接により接合する場合に適用が可能である。
この場合、本実施の形態では、まず、並設工程にて、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを並設する。次いで、一体化工程にて、離可能な加圧型枠としての第1型枠11及び第2型枠12にて複数のリード線1における複数の導線1aを互いに異なる少なくも2軸方向から圧縮することにより、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接する。
この結果、本実施の形態では、2つに分離可能な第1型枠11及び第2型枠12の間に形成される空間に、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを並設し、概ね端子幅又は複数のリード線幅に合わせて、リード線の複数の導線を圧縮した後に、複数のリード線1における複数の導線1a同士の密着方向、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2との密着方向へ加圧することによって、抵抗溶接とコンパクティングとを同時に行い、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接にて接合する。
この結果、従来、別工程で実施していた抵抗溶接とコンパクティングとを同時に実施することができるので、生産効率を向上することができる。また、異なる2軸方向から圧縮するので、異なる2軸方向の一方として端子2の幅方向を選択して圧縮すれは、複数の導線1aに対してバラケを生じることがない。
したがって、生産性に優れ、かつリード線1の複数の導線に対してバラケを生じることのないリード線1の接合方法を提供することができる。
また、本実施の形態のリード線1の接合方法は、一体化工程では、分離可能な加圧型枠の複数の導線1a及び端子2への当接面、又は複数の導線1a同士へ当接面が断面L字形の第1型枠11と断面逆L字形の第2型枠12とを用いて互いに直交する2軸方向から圧縮する。この結果、加圧方向として、横方向と縦方向との2軸を採用しているので、分力を考慮することなく効率的に加圧することができる。
本実施の形態のリード線1の接合方法は、リード線1における複数の導線1aと端子2とを接合する場合の一体化工程では、分離可能な加圧型枠である第1型枠11と第2型枠12とを用いて、端子2の幅方向を圧縮した後、端子2の幅方向とは異なる軸方向に圧縮する。
これにより、複数の導線1aを端子幅内に収めることが確保される。したがって、複数の導線1aが端子幅からはみ出すことを確実に防止することができる。
本実施の形態のリード線1の接合方法は、複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接する一体化工程においては、導線1aが端子2幅内に収まるように圧縮する。
これにより、複数の導線1aを端子幅内に収めることが確保される。したがって、複数の導線1aが端子幅からはみ出すことを確実に防止することができる。
本実施の形態のリード線の接合装置としての加圧成形溶接機10は、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを抵抗溶接により接合する。そして、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを並設した状態で、分離可能な第1型枠11及び第2型枠12にて複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを互いに異なる少なくとも2軸方向から圧縮することにより、複数のリード線1における複数の導線1a同士、又は複数のリード線1における複数の導線1aと端子2とを一体的に加圧溶接する分離可能な第1型枠11及び第2型枠12を備えている。
上記の構成によれば、生産性に優れ、かつリード線1の複数の導線に対してバラケを生じることのない加圧成形溶接機10を提供することができる。
本実施の形態の加圧型枠は、複数の導線1a及び端子2への当接面、又は複数の導線1a同士へ当接面が断面L字形の第1型枠11と断面逆L字形の第2型枠12とからなっている。
これにより、分力を考慮することなく効率的に加圧することができる。また、第1型枠11及び第2型枠12を駆動する手段として、第1アクチュエータ15及び第2アクチュエータ16のみならず、カム又はギヤを用いた駆動手段を用いることができるので、駆動手段の構成を簡単にすることが可能となる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、複数の導線からなるリード線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を抵抗溶接により接合するリード線の接合方法、リード線の接合装置、及び加圧型枠に適用することができる。
1 リード線
1a 導線
2 端子
10 加圧成形溶接機(リード線の接合装置)
11 第1型枠(加圧型枠)
12 第2型枠(加圧型枠)
13 陽極電極
14 陰極電極
15 第1アクチュエータ
15a X方向第1アクチュエータ
15b Y方向第1アクチュエータ
16 第2アクチュエータ
16a X方向第2アクチュエータ
16b Y方向第2アクチュエータ
17 溶接電源
17a 陽極端子
17b 陰極端子
18a・18b 加圧部材(非電極第2軸方向分離型枠)
19a・19b 加圧部材(非電極第2軸方向分離型枠)
1a 導線
2 端子
10 加圧成形溶接機(リード線の接合装置)
11 第1型枠(加圧型枠)
12 第2型枠(加圧型枠)
13 陽極電極
14 陰極電極
15 第1アクチュエータ
15a X方向第1アクチュエータ
15b Y方向第1アクチュエータ
16 第2アクチュエータ
16a X方向第2アクチュエータ
16b Y方向第2アクチュエータ
17 溶接電源
17a 陽極端子
17b 陰極端子
18a・18b 加圧部材(非電極第2軸方向分離型枠)
19a・19b 加圧部材(非電極第2軸方向分離型枠)
Claims (7)
- 複数の導線からなるリード線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を抵抗溶接により接合するリード線の接合方法において、
上記リード線における複数の導線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を並設する並設工程と、
分離可能な加圧型枠にて上記複数のリード線における複数の導線を互いに異なる少なくも2軸方向から圧縮することにより、上記複数の導線と端子、又は複数の導線同士を一体的に加圧溶接する一体化工程とを含むことを特徴とするリード線の接合方法。 - 前記リード線における複数の導線と端子とを接合する場合の一体化工程では、分離可能な加圧型枠である第1型枠と第2型枠とを用いて、端子の幅方向を圧縮した後、上記端子の幅方向とは異なる軸方向に圧縮することを特徴とする請求項1記載のリード線の接合方法。
- 前記一体化工程では、分離可能な加圧型枠の前記複数の導線及び端子への当接面、又は複数の導線同士へ当接面が断面L字形の第1型枠と断面逆L字形の第2型枠とを用いて互いに直交する2軸方向から圧縮することを特徴とする請求項1又は2記載のリード線の接合方法。
- 前記一体化工程では、第1軸の方向に圧縮可能でかつ分離可能な加圧型枠である電極付第1軸方向分離型枠と、上記電極付第1軸方向分離型枠に対して互いに直交する第2軸の方向から圧縮する非電極第2軸方向分離型枠とを用いて圧縮することを特徴とする請求項1記載のリード線の接合方法。
- 前記複数の導線と端子とを一体的に加圧溶接する一体化工程においては、導線が端子幅内に収まるように圧縮することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリード線の接合方法。
- 複数の導線からなるリード線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を抵抗溶接により接合するリード線の接合装置において、
上記リード線における複数の導線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を並設した状態で、分離可能な加圧型枠にて上記複数の導線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を互いに異なる少なくとも2軸方向から圧縮することにより、上記複数の導線と端子、又は複数のリード線における複数の導線同士を一体的に加圧溶接する分離可能な加圧型枠を備えていることを特徴とするリード線の接合装置。 - 請求項6記載のリード線の接合装置に用いられる分離可能な加圧型枠であって、
複数の導線及び端子への当接面、又は複数の導線同士へ当接面が断面L字形の第1型枠と断面逆L字形の第2型枠とからなっていることを特徴とする加圧型枠。
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